説明

収納容器

【課題】容器本体に仕切板部材を取り付けたまま容器本体のスタッキングを行える収納容器の提供。
【解決手段】上部開口部21を有し物品の収納に使用される容器本体20の内側に、容器本体20の下部に枢着されて容器本体20の底板部24に対して起倒可能に設けられた仕切板部材40を有し、仕切板部材40は容器本体20の係止部に係脱可能に係合することで仕切板部材40の起立状態を保つ起立用係合部45,46を有する収納容器10を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品の収納に使用される収納容器に係り、特に、上部開口部を有する容器本体内側に、該容器本体内側を前記上部開口部から物品を出し入れ可能な複数の領域に区分けする仕切板部材を具備する収納容器に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、いわゆる買い物かご等として用いられるバスケット、上部開口部を有する容器本体上に開閉可能な蓋板を有し衣装ケースや物入れ等として用いられる収納ボックスといった収納容器にあっては、容器本体内側に仕切板が設けられたものがある(例えば特許文献1)。
上述の収納容器に設けられる仕切板としては、容器本体の側壁部に形成された孔への嵌め込みあるいは側壁部内面に上下方向に延在形成された溝への差し込みよって取り付けられるプレート状のものが一般的である。前記仕切板は、容器本体の底板に垂直の向きで容器本体の側壁部に取り付けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】意匠登録第1374266号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、例えば上述の買い物かごのように、スタッキング可能に構成された容器の場合、仕切板を取り付けた状態ではスタッキングの際に前記仕切板が障害となり、スタッキングを行えないといった問題があった。また、前記仕切板は容器本体に着脱可能であることも多いが、特に上述の買い物かごのようにスタッキング状態とスタッキング状態から分離して使用する使用状態とを頻繁に切り替える収納容器の場合は、スタッキング時に仕切板を容器から取り外し容器使用時に仕切板を取り付けるのでは作業が繁雑であり、不便であった。
【0005】
本発明は、前記課題に鑑みて、容器本体に仕切板部材を取り付けたまま容器本体のスタッキングを行える収納容器の提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明では以下の構成を提供する。
第1の発明は、上部開口部を有し物品の収納に使用される容器本体の内側に、前記容器本体の下部に枢着されて前記容器本体の底板部に対して起倒可能に設けられた仕切板部材を有し、前記仕切板部材は前記容器本体の係止部に係脱可能に係合することで前記仕切板部材の起立状態を保つ起立用係合部を有することを特徴とする収納容器を提供する。
第2の発明は、前記仕切板部材及び前記容器本体の一方又は両方に、起立状態の前記仕切板部材の一方向の回転を規制し他方向の回転を許容するストッパ用突部が突設されていることを特徴とする第1の発明の収納容器を提供する。
第3の発明は、前記容器本体の下部に、前記仕切板部材の両側に突設された軸部が挿入されるブラケット部の対が複数設けられていることを特徴とする第1又は2の発明の収納容器を提供する。
第4の発明は、前記仕切板部材が前記容器本体に対して着脱可能であることを特徴とする第1〜3のいずれか1つの発明の収納容器を提供する。
第5の発明は、さらに、概略コ字状に形成された棒状部材であり、その両端が前記容器本体の前記底板部の周囲に枠状に立設された側壁部の上端部に回転自在に設けられた取っ手を有することを特徴とする第1〜4のいずれか1つの発明の収納容器を提供する。
第6の発明は、前記容器本体は、前記側壁部の上端部の前記容器本体の内側空間を介して対向する2箇所に、前記側壁部の一部が前記内側空間とは反対側へ膨出するように屈曲あるいは湾曲する壁状に形成された拡張部と、前記上端部の周方向において前記側壁部の前記拡張部の内側の空間を介して両側に位置する部位を橋絡する棒状に形成された把持部とを具備し、前記拡張部が、前記把持部を把持した使用者の手指を保護するためのカバー部として機能することを特徴とする第5の発明の収納容器を提供する。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る収納容器によれば、プレート状の仕切板部材の起立用係合部を容器本体の係止部に係合させることで仕切板部材の起立状態を保つことができる。起立状態の仕切板部材は、容器本体の係止部に係合している仕切板部材の起立用係合部の係合を解除して回転させることで、容器本体の底板部に重なる状態(倒れ状態)とすることができる。仕切板部材を倒れ状態にすることで、容器本体に仕切板部材を取り付けたまま容器本体のスタッキングを行えるといった優れた効果が得られる。
倒れ状態の仕切板部材は回転によって簡単に起立状態にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明に係る実施形態の収納容器(バスケット)を示す全体斜視図である。
【図2】図1の収納容器を示す図であって、(a)は平面図、(b)は正面図である。
【図3】(a)、(b)、(c)は、図1の収納容器の容器本体に対する仕切板部材の取り付け構造を説明する図である。
【図4】図1の収納容器の仕切板部材の回転軸部付近を示す斜視図である。
【図5】図1の収納容器の容器本体の底板部に対する仕切板部材の起倒を説明する図であって、(a)は倒れ状態、(b)は起立状態を示す。
【図6】図1の収納容器の1使用状態を示す図であって、この収納容器の使用者が容器本体を頭に被った状態を説明する斜視図である。
【図7】図6の使用状態における容器本体の把持部付近を示す断面図である。
【図8】図1の収納容器を複数スタッキングした状態を説明する図であって、容器本体の把持部付近を示す断面図である。
【図9】複数部材によって組み立てる構成の容器本体の製造(組み立て)を説明する図であって、製造途中の容器本体の底板部に仕切板部材を取り付けた容器底部アセンブリ体を複数積層した状態を示す図である。
【図10】本発明に係る別態様の収納容器の仕切板部材付近を示す断面図であって、仕切板部材が仕切板本体を介して両側に起倒可能とした構成を示す。
【図11】(a)、(b)は本発明に係る起立時係合部、係止部の別態様を説明する図であって、仕切板部材付近を示す断面図である。
【図12】ストッパ用突部の別態様を説明する図であって、仕切板部材付近を示す断面図である。
【図13】本発明に係る別態様の収納容器を示す平面図である。
【図14】本発明に係る収納容器の容器本体の別態様を説明する斜視図である。
【図15】図14の複数の収納容器を、容器本体の外周折り返し部同士を重ね合わせてスタッキング状態とした状態を示す断面図である。
【図16】本発明に係る容器本体の他の態様を示す図であって、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は下面図、(d)は側壁部の上端側から見た斜視図、(e)は底板部側から見た斜視図である。
【図17】本発明に係る容器本体の他の態様を示す図であり、図16(a)、(b)の容器本体の拡張部の形状を変更した構成の容器本体を示す図であって、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は下面図、(d)は側壁部の上端側から見た斜視図、(e)は底板部側から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を実施した収納容器について、図面を参照して説明する。
図1、図2(a)、(b)は、本発明に係る1実施形態の収納容器10の構成を示す図であって、図1は全体斜視図、図2(a)は平面図、図2(b)は正面図である。
なお、この収納容器10の構造について、図1、図2(b)、図3(a)〜(c)、図4、図5(a)、(b)、図8(後述)、図9〜図12において上側を上、下側を下として説明する。
【0010】
図1、図2(a)、(b)において、前記収納容器10は、買い物かご等として用いられる取っ手付きのバスケットである。この収納容器10は、上部開口部21を有する容器本体20(バスケット本体)と、この容器本体20の外周壁を構成する側壁部22の上端部23(すなわち、側壁部22において上部開口部21の周囲に位置する口縁部)に枢着して回動自在に設けられた2つの取っ手30(図中、区別のため、一方の取っ手30に符号31、他方の取っ手30に符号32を付す)と、前記容器本体20内側下部に取り付けられたプレート状の仕切板部材40とを具備して構成されている。
この収納容器10は、使用者が一対の取っ手30を片手で一括把持して容器本体20を手から提げた状態で使用できる。
【0011】
前記容器本体20は、矩形板状の底板部24と、この底板部24の周囲に立設された4つの立板部221〜224によって四角枠状に形成された前記側壁部22とを具備している。また、底板部24及び側壁部22は、多数の孔25が形成された網構造とされている。この収納容器10の容器本体20は網かごとなっている。但し、前記孔25は、後述の拡張部26及び把持部27には形成されていない。
なお、前記容器本体20は、拡張部26及び把持部27を含む全体が、合成樹脂製の一体成形品となっている。但し、容器本体としては、例えば底板部及び/又は側壁部を金属線材を用いて構成した網構造としたものも採用可能である。また、容器本体としては、その一部又は全部が、孔25が形成されていない板状部とされている構成も採用可能である。
【0012】
図1、図2(a)に示すように、前記側壁部22は平面視長方形をなす枠状に形成されている。
側壁部22の4つの立板部221〜224について、以下、前記側壁部22の平面視長方形の一対の長辺に対応する2つの立板部221、222を主板部、一対の短辺に対応する2つの立板部223、224を側板部とも言う。
【0013】
図1、図2(a)、(b)に示すように、図示例の仕切板部材40は長板状に形成されている。図2(a)、図3(a)、(b)に示すように、この仕切板部材40は、長方形板状の仕切板本体41と、この仕切板本体41の一対の長辺の片方に沿う端部41a(以下、基端部とも言う)の延在方向両端から突出された回転軸部42(軸部)とを有する概略構造となっている。
また、この仕切板部材40は、仕切板本体41の基端部41aから仕切板本体41に垂直に突設されたリブ状の突片であるストッパ用突部43及び係合用突部46を有している。ストッパ用突部43及び係合用突部46については後述する。
【0014】
図2(a)、図3(a)〜(c)、図4に示すように、仕切板本体41の両側に突設された前記回転軸部42は、仕切板本体41の基端部41aの延在方向に沿う軸線を以て互いに同軸に延在する丸棒状に形成されている。そして、前記収納容器10において前記仕切板部材40は、その両側の前記回転軸部42を、容器本体20の一対の主板部221、222の互いに対面する内面側下部にそれぞれ形成されたブラケット部225に穿設されている軸受け孔225aに挿入して容器本体20に枢着されている。
この仕切板部材40は容器本体20の底板部24上に配置され、図5(a)、(b)に示すように前記回転軸部42を中心とする回転により底板部24に対して起倒可能となっている。
【0015】
仕切板部材40は、弾性変形により弓形に撓ませる(撓み変形させる)ことができ、この撓み変形により、前記回転軸部42をブラケット部225の軸受け孔225aに対して挿脱できる。仕切板部材40は、回転軸部42のブラケット部225に対する挿脱によって、容器本体20に対して着脱できる。
なお、弓形に撓ませた仕切板部材40は、撓ませるための曲げ力を解除することで、仕切板部材40自体の弾性によって平板状に弾性復帰する。
【0016】
図示例の仕切板部材40はプラスチック製の一体成形品である。但し、仕切板部材としては、上述のように弓形に撓ませることで容器本体20に着脱(回転軸部42をブラケット部225に挿脱)できるものであれば良く、プラスチック製の一体成形品に限定されず、例えば金属製の一体成形品等も採用可能である。また、仕切板部材は、全体が一体成形された1部品になっているものに限定されず、複数部品を用いて組み立てたものも採用可能である。
【0017】
図2(a)、(b)に示すように、前記容器本体20の下部には、主板部221、222の間隔方向に対向配置された前記ブラケット部225の対が、側板部223、224の間隔方向の複数箇所(図示例では2箇所)に互いに間隔をあけて設けられている。
前記仕切板部材40は、容器本体20の内側空間28を介して対向するブラケット部225の対に対して選択的に着脱可能に取り付けることができる。また、仕切板部材40は、ブラケット部225の対を複数有する容器本体20に対して複数取り付けることも可能である。
なお、図示例の容器本体20において、前記内側空間28を介して対向するブラケット部225の対は、側板部223、224に設けられていても良い。
【0018】
図示例の仕切板部材40は、仕切板本体41の基端部41aに沿って該基端部41aに一体的に延在形成された長板状の当接板部45を有する。この当接板部45は、仕切板本体41に垂直の向きで仕切板本体41の基端部41aの延在方向全長にわたって延在形成されている。また、この当接板部45は、前記基端部41aからその両側の前記回転軸部42の軸線方向中央部にまで延出されている。
【0019】
図2(a)、図3(a)〜(c)、図4に示すように、ここで例示する仕切板部材40の両側の回転軸部42は、具体的には、前記当接板部43のうち仕切板本体41の基端部41aの延在方向両端から延出された部分(以下、延出端部とも言う)と一体化されている。図示例の仕切板部材40は、前記回転軸部42とその外周部に一体的に形成された前記当接板部43の延出端部とからなる枢着用突部42aが、仕切板本体41の基端部41aの延在方向両端から突出された構成になっている。当接板部43の延出端部は、前記回転軸部42の径方向に直交する向きで前記回転軸部42に一体的に形成されている。そして、この仕切板部材40は、回転軸部42のうち、前記当接板部43の延出端部から突出された部分(先端部)である挿入端部42bを、容器本体20の下部のブラケット部225の軸受け孔225aに挿脱可能に内挿して容器本体20に枢着して回転可能に設けられる。
【0020】
図5(a)、(b)は、前記収納容器10を、前記回転軸部42の軸線方向において回転軸部42の外周に一体的に設けられた前記当接板部43(延出端部)が存在する位置で、前記回転軸部42の軸線に垂直の断面を以て断面視して示した断面図である。
図5(a)、(b)に示すように、回転軸部42の軸線Pは、仕切板本体41の面方向に対する直交方向(仕切板本体41の厚さ方向)の中央部に位置する。
前記当接板部45は、回転軸部42の軸線Pを介して仕切板本体41の先端部とは反対の側(基端側)に位置している。また、この当接板部45の仕切板本体41とは反対側の面(後述の、起立時当接面45a)は、仕切板本体41の面に平行(図示例の仕切板部材にあっては後述のプレート部41b(図3(a)、図4等参照)に平行)でかつ前記回転軸部42の軸線Pを通る仮想平面Sに垂直な平坦面であり、かつ前記仮想平面Sを介してその両側に延在している。
前記起立時当接面45aは、仕切板部材40を、仕切板本体41が容器本体20の底板部24に垂直となる起立状態としたときに、前記容器本体20の底板部24上面に当接される。換言すれば、前記仕切板部材40は、板状の仕切板本体41が、前記当接板部45から前記起立時当接面45aに垂直で前記軸線Pを通る仮想平面Sに沿って延在する構成であり、前記当接板部45の起立時当接面45aが容器本体20の底板部24上面に当接され前記底板部24上面に平行となることで、仕切板本体41が容器本体20の底板部24に垂直の起立状態となる。
【0021】
当接板部45(及び起立時当接面45a)の前記仮想平面Sに直交する幅方向の寸法は回転軸部42(詳細にはその挿入端部42b)の外径よりも大きい。
図示例の仕切板部材40において、仮想平面Sに垂直の方向における当接板部45及び起立時当接面45aの前記仮想平面Sを介して両側の延出寸法は均等ではなく、互いに異なっている。
【0022】
この仕切板部材40は、前記当接板部45が、前記仕切板本体41の基端部41a及び前記回転軸部42の挿入端部42bから前記仮想平面Sに垂直の方向に突出した部分によって構成されたストッパ用突部43を有している。このストッパ用突部43は、起立状態の仕切板部材40が、仕切板本体41を介してストッパ用突部43が突出されている側へ回転(図5(b)において左回りの回転)することを規制し、反対方向への回転を許容するものである。
【0023】
また、図5(a)、(b)に示すように、仕切板部材40は、前記当接板部45の前記仮想平面Sを介して前記ストッパ用突部43とは反対の側に位置する部分によって構成された係合用突部46を有している。但し、前記係合用突部46の前記仮想平面Sからの延出寸法は、ストッパ用突部43の前記仮想平面Sからの延出寸法に比べて小さく設定されている。
図示例の仕切板部材40において、前記係合用突部46は、前記仮想平面Sからの延出寸法が回転軸部42の半径と略同等に揃えられている。この係合用突部46は、前記起立時当接面45aに前記仮想平面Sを介して前記ストッパ用突部43とは反対の側に張り出した部分を形成するものであり、前記回転軸部42から突出する突部となっている。
【0024】
図3(a)、図4等に例示した仕切板本体41は、具体的には、プレート部41bの基端部41aを除く外周にリブ41cを突設した構成になっている。前記リブ41cは、プレート部41bの両面に突設されている。本明細書において、仕切板本体41の厚みは、前記リブ41cを含む厚みを指すものとして扱う。
図3(a)、図4において、仕切板部材40の前記回転軸部42(具体的にはその挿入端部42b)の外径は、仕切板本体41の前記プレート部41bの厚さ寸法よりも大きい。図示例の前記ストッパ用突部43の前記仮想平面Sからの延出寸法は回転軸部42の半径よりも大きい。
【0025】
また、前記当接板部43における仕切板本体41の基端部41aに沿って延在する部分は、前記基端部41aの延在方向全長にわたって、仕切板本体41の前記プレート部41bを介してその面方向に直交する方向の両側に張り出している。前記ストッパ用突部43及び係合用突部46における、仕切板本体41の基端部41aに沿って延在する部分は、それぞれ仕切板本体41の前記プレート部41bから該プレート部41bに垂直に突出するリブ状に形成されている。
【0026】
図5(a)、(b)に示すように、図示例の仕切板部材40にあっては、仕切板本体41における前記仮想平面Sから前記ストッパ用突部43が突出している側の厚さ寸法は、ストッパ用突部43の前記仮想平面Sからの延出寸法よりも小さい。この仕切板部材40において前記ストッパ用突部43は仕切板本体41からその片面側に突出している。ストッパ用突部43は、起立状態の仕切板部材40に回転力(ストッパ用突部43側に倒す方向の回転力)が与えられたとき仕切板部材40の回転を規制する機能を果たす。
【0027】
前記係合用突部46の前記仮想平面Sからの延出寸法は、仕切板本体41における前記仮想平面Sから前記係合用突部46が突出している側の厚さ寸法と概ね同じに揃えられている。
例えば起立状態の仕切板部材40は、収納容器10の使用者等が手指を使ってストッパ用突部43側とは反対側への回転力を与えることで、前記係合用突部46の突端(前記仮想平面Sとは反対側の端部)の起立時当接面45a端縁が位置する角部46aが、仕切板部材40及び/又は容器本体20の底板部24の若干の弾性変形によって容器本体20の底板部24を乗り越え可能となっている。係合用突部46突端の角部46aは、逆に、収納容器10の使用者等が手指を使って倒れ状態の仕切板部材40をストッパ用突部43側へ回転させる場合も、仕切板部材40及び/又は容器本体20の底板部24の若干の弾性変形によって容器本体20の底板部24を乗り越え可能である。
【0028】
この係合用突部46は、前記角部46aによって仕切板部材40に回転抵抗を与えて、仕切板部材40に容器本体20の底板部24に対する該係合用突部46(具体的には前記角部46a)の乗り越えを生じさせる回転力が作用しない限り、仕切板部材40の起立状態、倒れ状態を保つ機能を果たす。
【0029】
なお、図5(a)、(b)等に例示した図示例の仕切板部材40において、前記ストッパ用突部43は、前記仮想平面Sからの延出寸法が回転軸部42の挿入端部42bの半径よりも大きく、回転軸部42から突出されている突片となっているが、ストッパ用突部43の仮想平面Sからの延出寸法は必ずしも回転軸部42の挿入端部42bの半径よりも大きくする必要は無い。
ストッパ用突部43は、その仮想平面Sからの延出寸法が、仕切板本体41における前記仮想平面Sから前記ストッパ用突部43が存在する側の厚さ寸法よりも大きく、前記仕切板本体41からその片面側に突出する突片であればよく、必ずしも回転軸部42から突出する突片となっている構成である必要は無い。
【0030】
図5(b)に示すように、前記仕切板部材40は、仕切板本体41が容器本体20の底板部24に垂直となる起立状態としたときに、前記当接板部45の起立時当接面45aが容器本体20の底板部24上面と平行になって前記底板部24上面に当接する。このとき、仕切板部材40は、当接板部45(より詳細にはその起立時当接面45a)のみが容器本体20の底板部24上面に当接する。また、仕切板部材40は、その両側の回転軸部42が挿入されたブラケット部225によって容器本体20の底板部24に押さえ込まれる。その結果、容器本体20の底板部24によって仕切板部材40が回り止めされて、仕切板部材40の起立状態が保たれる。容器本体20の底板部24は、いわば、仕切板部材40の前記起立時当接面45aに係合して仕切板部材40を回り止めする回り止め部材として機能する。
【0031】
但し、仕切板部材40は、回転軸部42を中心に回転させて、前記係合用突部46の前記角部46aを容器本体20の底板部24に対して乗り越えさせることで、起立状態と倒れ状態とを切り替えることができる。仕切板部材40の起立状態と倒れ状態との切り替えは、例えば収納容器10の使用者等が手指を使って直接、仕切板本体41を手動で回転させることで行える。
【0032】
図5(b)に示す起立状態の仕切板部材40は、該仕切板部材40に与えた回転力によって、前記係合用突部46の角部46aを強制的に容器本体20の底板部24に対して乗り越えさせる(当接板部45と底板部24との係合を解除する)ことで図5(a)に示す倒れ状態とすることができる。
倒れ状態の仕切板部材40は、例えば収納容器10の使用者等が手指を使って直接、仕切板本体41を手動でストッパ用突部43が突設されている側へ回転させ、前記係合用突部46の角部46aを強制的に容器本体20の底板部24に対して乗り越えさせる(当接板部45を底板部24に係合させる)ことで、起立状態とすることができる。
この収納容器10にあっては、仕切板部材40の当接板部45自体が本発明に係る起立用係合部、容器本体20の底板部24自体が本発明に係る係止部(前記起立用係合部が係脱可能に係合される係止部)として機能する。
【0033】
既述のように、前記係合用突部46の前記仮想平面Sからの延出寸法、すなわち起立時当接面45aの前記仮想平面Sから前記角部46aに位置する端縁までの延出寸法は、仕切板本体41における前記仮想平面Sから前記係合用突部46が突出している側の厚さ寸法と概ね同じに揃えられている。このため、仕切板部材40は、倒れ状態にしたときに、容器本体20の底板部24に重ね合わせることができる。
【0034】
なお、図5(a)、(b)等に例示した図示例の仕切板部材40は、前記係合用突部46の突端の端面が起立時当接面45aに垂直の面になっているが、仕切板部材としては、例えば、係合用突部46の突端の角部46aの起立時当接面45aに対する開き角が90度未満の鋭角になっている構成も採用可能である。また、図示例の仕切板部材40の係合用突部46は、その突端が該突端と回転軸部42の外周面との間に形成された凹部を介して離隔しているが、係合用突部46としては仕切板部材の回転抵抗を発生する角部46aを形成するものであれば良く、例えばその全体が回転軸部42と一体化された構成となっていても良い。
【0035】
一方、ストッパ用突部43は、前記仮想平面Sからの延出寸法が係合用突部46よりも大きく、起立状態の仕切板部材40に回転力(ストッパ用突部43側に倒す方向の回転力)が与えられても容器本体20の底板部24に対する乗り越えが不可能となっている。図5(b)に示すように、起立状態の仕切板部材40の回転軸部42を中心とする回転は、回転軸部42に突設されたストッパ用突部43と容器本体20の底板部24との当接によって、ストッパ用突部43を前記底板部24に押し付ける方向の回転、すなわち仕切板部材40を介してストッパ用突部43が突設されている側への回転が規制されており、その反対方向への回転のみが許可されている。
このため、例えば、収納容器10の容器本体20内において、起立状態の仕切板部材40の仕切板本体41を介してストッパ用突部43が突設されている側(以下、ストッパ側とも言う)とは反対の側(以下、仕切板倒れ側とも言う)に、比較的重量が大きい物品を収納したとき、該物品が仕切板本体41を介してストッパ側に移動することを仕切板部材40によって防ぐことができる。
【0036】
小売店にて使用される買い物かごとして用いられる収納容器10の場合は、起立状態の仕切板部材40の仕切板本体41から仕切板倒れ側(図5(b)において仕切板本体41から右側)に収納される比較的重量が大きい商品の一例として、例えば、1リットルサイズの牛乳パックや飲料ボトルといった液体収納ボトル形商品を挙げることができる。容器本体20の前記仕切板倒れ側に前記液体収納ボトル形商品をその軸線が容器本体20の底板部24に垂直となる縦置きに収納したとき、仕切板部材40は、これらボトル形商品の倒れ防止部材として機能させることができる。また、収納容器10は、容器本体20内側にて起立状態にした仕切板部材40が、前記仕切板倒れ側に収納された液体収納ボトル形商品が容器本体20におけるストッパ側に収納された商品上に倒れ込むことを防ぐため、ストッパ側の商品が液体収納ボトル形商品からの荷重によって変形等の影響を受けるといった不都合を回避できる。
【0037】
また、仕切板部材40は、起立状態にする必要が無い場合は、簡単に倒れ状態にすることで、容器本体20に比較的サイズが大きい物品を収納する場合等に障害になることを回避できる。
【0038】
図3(a)〜(c)、図4に示すように、仕切板部材40は、前記仕切板本体41の基端部41aの延在方向両端の周囲に張り出すフランジ部(以下、装着確認用フランジ部44)を有している。
この装着確認用フランジ部44は、その外周が前記回転軸部42の軸線を中心とする円周を描くリング板状に形成されている。装着確認用フランジ部44の外径は回転軸部42の外径よりも大きい。また、装着確認用フランジ部44は、前記当接板部43から仕切板本体41とは反対の側(起立時当接面45aの側)に突出する部分を有している。
装着確認用フランジ部44は、回転軸部42の挿入端部42bがブラケット部225に正常に挿入されたときに、容器本体20の底板部24における前記ブラケット部225近傍に形成されている孔25に挿入される。例えば、ブラケット部225の軸受け孔225aに対する回転軸部42(具体的には挿入端部42b)の挿入深さが浅い場合には、装着確認用フランジ部44が前記孔25に入り込まず、底板部24上に位置することで、挿入が不十分であることを目視にて簡単に把握できる。
【0039】
なお、図4等に示すように、前記当接板部45は、前記ストッパ用突部43の前記装着確認用フランジ部44近傍に位置する部分を切り欠いた切欠部47を有している。前記切欠部47は前記装着確認用フランジ部44の両側に形成されている。
当接板部45の前記ストッパ用突部43以外の部分は、該当接板部45の長手方向全長にわたって連続して形成されている。
【0040】
ストッパ用突部43のうち、当接板部43の延出端部に位置する部分である軸部突片43aは、ブラケット部225の軸受け孔225aの容器本体20内側における開口部周囲の口縁部に当接することで、回転軸部42の挿入端部42bの軸受け孔225aに対する挿入長の増大を防いで挿入長の最大値を設定する、挿入限界長設定用ストッパとして機能させることができる。
なお、図3等に示す前記軸受け孔225aは、その軸線方向全長にわたって前記回転軸部42の挿入端部42bを収納可能な内径を有し、容器本体20の側壁部22外周面に開口する貫通孔となっているが、軸受け孔225aとしては、容器本体20の側壁部22外周面側の端部に、前記回転軸部42の挿入端部42b先端が当接される突起状あるいは壁状の軸当接部を有する構成であっても良い。この場合、回転軸部42に挿入限界長設定用ストッパとして機能する前記軸部突片43aを突設する必要は無く、前記軸部突片43aを省略することも可能である。
【0041】
図3(a)、(b)等に示すように、図示例の収納容器10にあっては、容器本体20の側板部223、224の間隔方向中央(容器本体20の平面視長手方向中央)から一対の側板部223、224の片方(図示例では符号224の側板部)の側にずれた位置に形成されたブラケット部225の対に取り付けた前記仕切板部材40が、起立状態から、その取り付け位置から近い方の側板部224の側に回転させて倒れ状態とすることが可能になっている構成を例示している。
但し、前記仕切板部材40の回転軸部42の両端部の挿入軸部42bは、それぞれ、容器本体20の内側空間28を介して対向する2つのブラケット部225に挿入可能であり、仕切板部材40は容器本体20に対する取り付け向きを反転して、その取り付け位置から遠い方の側板部223の側へ起立状態から倒れ可能に設けることも可能である。
【0042】
また、仕切板部材40としては、容器本体20に対する取り付け位置、容器本体20の形状等に鑑みて、容器本体20の底板部24に対する起立状態と倒れ状態との切り替えが可能な寸法のものを採用する。
容器本体20に仕切板部材40を複数取り付ける場合には、全ての仕切板部材40について容器本体底板部24に対する起倒を実現するべく、各仕切板部材40の寸法を選択する。
この点、仕切板部材40の仕切板本体41は長板状に限定されず、例えば正方形、半円状などの板状であっても良い。
【0043】
前記容器本体20は、前記側壁部22の上端部23の前記容器本体20の内側空間28を介して対向する2箇所に、前記側壁部22の一部が前記内側空間28の中央部とは反対側へ膨出するように湾曲する壁状に形成された拡張部26と、前記上端部23の周方向において前記側壁部22の前記拡張部26の内側の空間(拡張部内空間261)を介して両側に位置する部位を橋絡する棒状に形成された把持部27とを具備している。
【0044】
前記拡張部26及び前記把持部27は、具体的には、側壁部22の一対の側板部223、224に形成されている。
前記拡張部26は、前記側板部223、224の上端部の一部を前記内側空間28の中央部とは反対側へ膨出するように湾曲する壁状に形成したものである。図示例の拡張部26は具体的には、前記側板部223、224から外側(内側空間28の中央部とは反対側)へ膨出する球面状(図示例では球面の約4分の1)の湾曲面を形成する壁部(膨出壁部)とされており、円弧状の上端面を形成している。この拡張部26は、容器本体20の下側(底板部24側)から上側に行くにしたがって、前記側板部223、224の拡張部26以外の板状部分に対する外側への突出寸法が次第に大きくなるテーパ状になっている。
【0045】
この収納容器10の容器本体20において、前記把持部27は具体的には、前記拡張部26の基端部、すなわち、拡張部26において、前記側板部223、224の前記拡張部内空間261を介して前記側壁部22の周方向両側に位置する板状部分の近傍に位置する部位同士を橋絡する棒状に形成されており、前記側壁部22の周方向に沿う方向に延在されている。
この把持部27の前記拡張部26に固定されている長手方向両端以外の部分は拡張部26の内面から離隔されており、この把持部27(詳細には該把持部27の前記拡張部26に固定されている箇所を除く部分)と拡張部26の内面との間には、前記把持部27を握る(把持する)ために使用者が手指を挿入できる大きさの空間(手指収納空間)が確保されている。前記手指収納空間は、拡張部26の内側の前記拡張部内空間261の全部又は一部(図示例では一部)として機能する。
【0046】
また、この収納容器10の容器本体20において、前記把持部27は、側壁部22の上端面よりも下方(底板部24側)にずれた位置に設けられている。
このように、把持部27は、側壁部22の上端面よりも下方(底板部24側)にずれた位置に設けられている構成であれば、図6、図7に示すように、この収納容器10の使用者が両手で把持部27を把持して容器本体20を上下反転させた状態で頭に被ったときに、使用者の手指が、底板部24が上端となるように容器本体20の下端(すなわち、上下反転によって容器本体20の最下部となった側壁部22の上端部23)から下側に露出しにくく、前記手指を広範囲にわたって拡張部26の内側に保護することができ、地震等の災害発生によって生じた落下物が衝突しにくくなるといった利点がある。
【0047】
本発明に係る収納容器は、把持部が側壁部22の側板部223、224の前記拡張部26以外の板状部分の上端面と連続する上面を形成する位置に設けられた構成も採用可能である。但し、上述のように、地震等の災害発生によって生じた落下物の手指への衝突防止の点で、把持部27が側壁部22の上端面よりも下方(図1、図2(b)において下側。底板部24側)にずれた位置に設けられている構成の方が有利である。
【0048】
既述のように、起立状態の仕切板部材40は手動で倒れ状態にすることが可能であり、容器本体20内の仕切板部材40が起立状態になっている場合であっても、使用者が容器本体20を頭に被るときに、使用者が腕の力で起立状態の仕切板部材40を頭に押圧することで仕切板部材40を倒すことが可能である。このため、使用者が容器本体20を頭に被るときに、仕切板部材40が障害となることが無い。
また、仕切板部材40は、容器本体20の底板部24を補強する補強材としても機能する。
【0049】
次に、取っ手30について説明する。
図1、図2(a)、(b)に示すように、2つの取っ手31、32は、概略コ字状に形成された棒状部材であって、その両端を、容器本体20の一対の主板部221、222の上端部上にそれぞれ突設された枢着部29に枢着して一対の主板部221、222の間隔方向(図2(a)における上下方向。側壁部22の平面視短辺方向)に平行な回転軸線を以て回転自在に設けられている。
この取っ手としては、合成樹脂製のもの、金属製のもの、木製のもの等が採用可能であり、充分な耐久性、強度が確保できるものであればその材質に特に限定は無い。
【0050】
2つの取っ手31、32の一方(ここでは符号31の取っ手)は、容器本体20の主板部221、222の上端部の延在方向(図2(a)における左右方向。側壁部22の平面視長辺方向)中央から一対の側板部の片方(ここでは符号223の側板部)側にずれた位置にて一対の主板部221、222に設けられた枢着部29(図中、符号291を付記する)に枢着して回転自在に設けられ、他方の取っ手30(ここでは符号32の取っ手)は、主板部221、222の延在方向中央から一対の側板部の残る片方(ここでは符号224の側板部)の側にずれた位置にて一対の主板部221、222に設けられた枢着部29(図中、符号292を付記する)に枢着して回転自在に設けられている。
また、一方の取っ手31を枢着した枢着部291及び他方の取っ手32を枢着した枢着部292の、主板部221、222の上端部の延在方向中央からの距離、より詳細には各取っ手31、32の回転軸線の主板部221、222の上端部の延在方向中央からの距離(図2(a)におけるずれ量ΔL)は同じに揃えられている。
【0051】
各取っ手31、32は、それぞれ、容器本体20の前記側壁部22の上端部23における、一対の拡張部26のうちの当該取っ手が枢着されている枢着部291、292からの距離が近い方の拡張部26の側に位置する部分と一致する形状に形成されており、図1、図2(b)に示すように、前記側壁部22の上端部23の対応する部分にそれぞれ重ね合わせることができる。
【0052】
前記容器本体20は、該容器本体20の内側空間28を介して対向する一対の側板部223、224の間隔方向における中央を通り前記底板部24に垂直な仮想面20Sを介して両側が対称に形成されており、また、一対の取っ手31、32は互いに同じ形状に形成されている。
符号31の取っ手30は、符号223の側板部の上端部(拡張部26を含む上端部)に対応する形状に形成された棒状握り部30aの両端に、主板部221、222の上端部の符号291の枢着部29から側板部223側の部分に対応する直棒部30b、30cが前記棒状握り部30aに対して垂直に延在するように設けられた構成になっている。
一方、符号32の取っ手30は、符号224の側板部の上端部(拡張部26を含む上端部)に対応する形状に形成された棒状握り部30aの両側に、主板部221、222の上端部の符号292の枢着部29から側板部224側の部分に対応して真っ直ぐに延在する棒状に形成された直棒部30b、30cが前記棒状握り部30aに対して垂直に延在するように設けられた構成になっている。
【0053】
また、前記取っ手30の棒状握り部30aは、拡張部26の上端部に対応する形状に湾曲された湾曲部30a1の両端に、側板部223、224の前記拡張部26を介して両側に位置する板状部分の上端部に対応して真っ直ぐに延在する棒状に形成された握り直棒部30a2、30a3とを具備する構成となっている。
符号31の取っ手30は、回転させることにより、符号223の側板部に形成されている拡張部26の上端部に湾曲部30a1を重ね合わせることができ、符号32の取っ手30は、回転させることにより、符号224の側板部に形成されている拡張部26の上端部に湾曲部30a1を重ね合わせることができる。
【0054】
上述のように、取っ手30が、拡張部26に重ね合わせることができる形状の湾曲部30a1を有する構成であれば、取っ手30を容器本体20の上端部23に重ね合わせた状態においては、収納容器10の使用者が、把持部27を手指で握る際に取っ手30が邪魔にならない。
【0055】
この収納容器10の使用者が、取っ手30が容器本体20の側壁部22の上端部23に重なった状態の収納容器10の前記容器本体20の一対の前記把持部27を両手で握って、図6、図7に示すように容器本体20を頭部防護のために頭に被った際には、前記側壁部22の上端部23に重なった位置から下方に回転した取っ手30は、湾曲部30a1が使用者の腕に当接するところまで回転することとなる。
【0056】
仮に、前記収納容器10の、前記湾曲部30a1を有する取っ手30を、図6中仮想線にて示すように、前記湾曲部30a1を有しておらず棒状握り部が単純な直棒状になっている取っ手30A(以下、単純形取っ手とも言う)に変更した構成の収納容器(以下、取っ手単純形バスケットとも言う)を例に同様の使用方法(取っ手が容器本体20の側壁部22の上端部23に重なった状態で前記容器本体20の一対の前記把持部27を両手で握って頭に被る)をとった場合について検討する。なお、単純形取っ手30Aの棒状握り部30dの容器本体に対する回転半径及び容器本体20に対する枢着位置は、既述の収納容器10の取っ手30の前記湾曲部30a1の取っ手30の回転軸線からの距離が最大の箇所の回転半径と同じであるものとする。また、本発明は取っ手単純形バスケットも含む。
この取っ手単純形バスケットの場合も、上述の使用方法によって使用者が容器本体20を頭に被ったとき、容器本体20から下方に回転した取っ手は直棒状の棒状握り部が使用者の腕に当たるところまで回転することになる。
【0057】
図1、図2(a)、(b)を参照して説明した収納容器10(以下、取っ手湾曲形バスケットとも言う)の取っ手30は、湾曲部30a1を有するため、棒状握り部30aの握り直棒部30a2、30a3の容器本体20に対する回転半径が湾曲部30a1の回転半径に比べて小さい。取っ手湾曲形収納容器10を使用する場合、上述の使用方法によって使用者が頭に被った容器本体20から下方に回転した取っ手30が使用者の腕に当接して容器本体20の枢着部29から斜め下方に延出する向きとなったとき(図6仮想線の符号30を参照)には、湾曲部30a1に比べて握り直棒部30a2、30a3の方が使用者の身体(胴体)側に位置することになる。これに対して、既述の取っ手単純形バスケットの場合は、取っ手30Aの棒状握り部30dが単純な直棒状になっている構造であるため、前記使用方法により使用者が頭に被った容器本体20から下方に回転した取っ手30A(詳細には棒状握り部30d)が使用者の腕に当接して容器本体20の枢着部29から斜め下方に延出する向きとなったとき、取っ手30Aの棒状握り部30dはその全長にわたって容器本体20の主板部221、222の上端部に沿う方向(図7左右方向。以下、左右方向とも言う)における位置が該棒状握り部の使用者の腕に対する当接位置と同じになる。
【0058】
既述の取っ手湾曲形収納容器10は、棒状握り部30aの握り直棒部30a2、30a3の容器本体20に対する回転半径が取っ手単純形バスケットの取っ手30Aの棒状握り部30dの容器本体20に対する回転半径に比べて小さい分、前記使用方法により使用者が頭に被った容器本体20の枢着部29から斜め下方に延出する向きとなったときの前記取っ手30の左右方向における握り直棒部30a2、30a3の位置を、取っ手単純形バスケットを同様に使用し容器本体20の枢着部29から斜め下方に延出する向きとなった取っ手30Aの棒状握り部30dに比べて使用者の身体(胴体)寄りとすることができる。このため、取っ手湾曲形収納容器10を頭部の防護に使用した場合は、例えば、容器本体20を頭に被った使用者が身体の向きを変えるときや避難のための移動時などにおける、使用者の周囲に存在する障害物に対する取っ手の接触回避が容易となるといった利点もある。
【0059】
なお、本発明に係る収納容器10の使用方法としては、上述のように、取っ手が容器本体20の側壁部22の上端部23に重なった状態で前記容器本体20の一対の前記把持部27を両手で握って頭に被る使用方法に限定されず、例えば、一対の取っ手の一方又は両方が両腕の間に位置する状態で、前記容器本体20の一対の前記把持部27を両手で握って頭に被ることも可能であることは言うまでも無い。
このことは、前記取っ手湾曲形収納容器10に限定されず、取っ手単純形バスケットについても同様である。
【0060】
本発明に係る収納容器10によれば、使用者が容器本体20の一対の前記把持部27を両手で握って、図6、図7に示すように容器本体20を頭に被った際に、前記把持部27を握った手指が容器本体20の拡張部20の内側に収容された状態となるため、地震等の災害発生によって生じた落下物が前記把持部27を握った手指に衝突することを拡張部20によって防ぐことができる。つまり、前記拡張部20が、把持部27を握った手指に衝突することを防いで手指を保護するカバー部として機能する。
また、容器本体20を頭に被った使用者が身体の向きを変えたり、避難のために移動する際に、前記把持部27を握った手指を例えば店内の棚や建物の柱や壁等の障害物に衝突することも防止できる。
【0061】
また、図1、図2(b)に示すように、前記収納容器10の容器本体20は、前記上部開口部21から前記底板部24側に行くにしたがって先細り(上部開口部21から底板部24側に行くにしたがって平面視形状が小さくなる)のテーパ状に形成されており、拡張部26も容器本体20の下側(底板部24側)から上側に行くにしたがって、前記側板部223、224の拡張部26以外の板状部分に対する外側への突出寸法が次第に大きくなるテーパ状になっている。このため、この収納容器10は、図8に示すように、容器本体20同士を多段に積層するようにしてスタッキングすることが可能である。
収納容器10は、取っ手30を容器本体20の上端部23に重ね合わせた状態にしてスタッキングされる。また、スタッキングの際に、収納容器10の容器本体20の拡張部26の内側に、下側の収納容器10の容器本体20の拡張部26を収納でき、これにより上下の収納容器10の容器本体20の拡張部26同士が重なり合った状態とすることができる。
【0062】
容器本体20内側に取り付けられた仕切板部材40は倒れ状態とすることでスタッキングの障害にならない。仕切板部材40は、容器本体20のスタッキングの際に容器本体20から取り外す必要が無い。容器本体20は、仕切板部材40を取り付けた状態のままスタッキングすることができる。
【0063】
容器本体20の前記拡張部26には、スタッキング時に下側に位置する収納容器10の容器本体20の前記把持部27を収納するためのスリット状の把持部収納溝262が形成されている。図2(b)に示すように、前記把持部収納溝262は、前記拡張部26に、容器本体20の底板部24側から該拡張部26の上端部側に向かって窪む溝として形成されている。図8に示すように、収納容器10のスタッキング時には、下側に位置する収納容器10の容器本体20の前記把持部27を前記把持部収納溝262に取り出し可能に収納する。また、把持部収納溝262は、前記把持部27を、殆どあるいは全くがたつかないようにして収納できるサイズに形成される。
この収納容器10は、スタッキング時に下側に位置する収納容器10の容器本体20の前記把持部27を収納できる前記把持部収納溝262を有しているため、拡張部26及び把持部27を具備している構成であるにもかかわらず、既存の買い物かご等と同様のスタッキングが可能になっている。
【0064】
このように、スタッキング時に下側に位置する収納容器10の容器本体20の前記把持部27を前記把持部収納溝262に収納する構成であれば、下側に位置する収納容器10の把持部27とこの把持部27を把持部収納溝262に収納した拡張部26との嵌合によって、スタッキング状態の安定化を図ることができる。
また、図示例の収納容器10の取っ手30は容器本体20の上端部に重ねた状態としたときに、拡張部26の上端部に対してその外周から外側に張り出す部分を有しており、この収納容器10は、図8に示すように、スタッキング時には、上下の収納容器10の取っ手30同士(拡張部26から外側に張り出した部分同士)も重なり合うようになる。このことも、スタッキング状態の安定化に有利である。
【0065】
また、本発明に係る収納容器の容器本体としては、全体がプラスチック製の一体成形品であるものに限定されず、数部材によって組み立てられる構造のものを採用することも可能である。この場合、例えば図9に示すように、容器本体の製造工程において、容器本体の底板部を構成する部材(底板部材241)に仕切板部材40を取り付けた容器底部アセンブリ体240を使用する場合、仕切板部材40を底板部材241に重なるように倒れ状態とした容器底部アセンブリ体240を複数積層するといったことが可能である。これにより、工場内における容器底部アセンブリ体240の設置スペースの縮小、多数の容器底部アセンブリ体240の一括搬送を容易に実現できる。
【0066】
仕切板部材の起立用係合部としては、容器本体の係止部に係脱可能に係合することで前記仕切板部材の起立状態を保つ構成であれば良く、上述の実施形態に限定されない。
また、仕切板部材としては、起立用係合部のみを具備し、ストッパ用突部を具備していない構成も採用可能である。
【0067】
例えば図10に示す仕切板部材40Aは、図1〜図5等を参照して説明した既述の仕切板部材40のストッパ用突部43を、その仮想平面Sからの延出寸法を短くして、仕切板本体41の前記仮想平面Sからストッパ用突部43側の厚さ寸法と同等に揃えた構成の係合用突部48(起立用係合部)に変更したものである。この仕切板部材40Aの係合用突部48以外の構成は、既述の仕切板部材40と同様である。また、この仕切板部材40Aの当接板部に符号45Aを付記する。
この仕切板部材40Aは、仕切板部材40にかえて容器本体20に取り付けたとき、容器本体20の底板部24に対して垂直の起立状態から、仕切板本体41を介して係合用突部46側のみならず、その反対方向、すなわち係合用突部48側にも回転可能、倒れ状態にすることが可能である。また、係合用突部48側に倒した状態(倒れ状態)から起立状態にすることも出来る。前記係合用突部48は、その突端の、前記起立時当接面45aの端縁に位置する部分が、仕切板部材40Aを手動で回転させる回転力によって、仕切板部材40及び/又は容器本体20の底板部24に若干の弾性変形を生じさせて前記容器本体20の底板部24を乗り越え可能な角部48aとされている。
【0068】
図1〜図5等を参照して説明した既述の仕切板部材40の当接板部45は、起立用係合部とストッパ用突部とを兼ねる構成となっている。
これに対して、前記仕切板部材40Aの当接板部45Aは起立用係合部として機能するものであり、ストッパ用突部としての機能を有していない。
また、仕切板部材としては、その基端側の端部(仕切板本体の基端部が位置する端部)自体を、前記起立時当接面45a、角部46a、48aを形成する膨出部に形成して、当接板部45Aを省略しても良い。
【0069】
仕切板部材の起立用係合部としては、仕切板本体の基端部の延在方向全長にわたって仕切板本体に垂直に突設されたリブ状の係合用突部に限定されず、仕切板本体の基端部の延在方向の少なくとも一部及び/又は前記回転軸部に仕切板本体に垂直に突設された突部であっても良い。
さらに、仕切板部材としては当接板部を省略して、仕切板本体又は回転軸部に直接、起立用係合部を設けた構成も採用可能である。
【0070】
図11(a)、(b)は、当接板部を省略した仕切板部材の回転軸部42に起立用係合部を設けた構成の一例を示す。
図11(a)は、図1〜図5等を参照して説明した既述の仕切板部材40から当接板部45を省略し、その回転軸部42に起立用係合部として該回転軸部42の外周方向に該外周よりも小さい曲率で湾曲する突部49aを突設した構成の仕切板部材40Bを採用した収納容器を例示する。前記突部49aは、容器本体20の底板部24に係止部として形成した凹部24aに入り込むことで前記底板部24に係脱可能に係合し、仕切板部材40Bの起立状態を保つ。突部49aは、仕切板部材40Bに手動で回転力を与えることで、前記凹部24aに対して挿脱(底板部24に対して係脱)可能である。仕切板部材40Bは図11(a)に示す起立状態から両側へ起倒可能となっている。
なお、図示例では凹部24aとして、底板部24をその厚み方向に貫通する係合孔を例示しているが、凹部24aとしては底板部24を貫通しない非貫通穴であっても良い。
【0071】
図11(b)は、既述の仕切板部材40から当接板部45を省略し、その回転軸部42に起立用係合部として凹部49bを形成した構成の仕切板部材40Cを採用し、容器本体20の底板部24に係止部として前記仕切板部材40Cの回転軸部42の外周よりも小さい曲率で湾曲する突部24bを突設した収納容器を例示する。前記突部24bは、前記凹部49bに入り込んで回転軸部42に係脱可能に係合することで、仕切板部材40Cの起立状態を保つ。図示例の仕切板部材40Cは、凹部49bを形成した回転軸部42自体が起立用係合部として機能する。
前記回転軸部42は、仕切板部材40Cに手動で回転力を与えることで、前記突部24bに対して係脱可能である。前記仕切板部材40Cは図11(b)に示す起立状態から両側へ起倒可能となっている。
【0072】
仕切板部材としては、例えば図1〜図5等に例示した仕切板部材40あるいは図10に示す仕切板部材40Aについて、当接板部45、45Aのうち、仕切板本体の基端部の延在方向両端から延出する延出端部のみを省略した構成、当接板部45、45Aを仕切板本体の基端部の延在方向の一部のみに設けた構成も採用可能である。この構成は、図11(a)、(b)に例示した収納容器にも適用可能である。
【0073】
図11(a)、(b)は、仕切板部材及び容器本体のいずれにもストッパ用突部が設けられておらず、仕切板部材が起立状態から両側に起倒可能になっている構成を例示している。但し、収納容器としては、これに限定されず、仕切板部材及び/又は容器本体にストッパ用突部が設けられた構成も採用可能である。
【0074】
ストッパ用突部としては、起立状態の前記仕切板部材の一方向の回転を規制し他方向の回転を許容するものであれば良く、仕切板部材の仕切板本体の基端部の延在方向全長にわたって仕切板本体に垂直に突設されたリブ状の突片に限定されず、仕切板本体の基端部の延在方向の一部及び/又は前記回転軸部に仕切板本体に垂直に突設された突部であっても良い。
【0075】
また、ストッパ用突部としては、図12に示すストッパ用突部24cのように、収納容器の容器本体内側に突設された突片であっても良い。
図12に例示するストッパ用突部24cは、容器本体20の底板部24上に突設された突片である。このストッパ用突部24cは、容器本体20に取り付けられている仕切板部材40を起立状態にしたときに、該ストッパ用突部24cの突端に、仕切板本体41の片面に突設された突起部41dが基端部41aに当接されて、起立状態の前記仕切板部材40の前記ストッパ用突部24cを押圧する方向の回転(図12において右回りの回転)を規制し、逆方向の回転(図12において左回りの回転)及び起倒を許容する。
収納容器の容器本体内側の突片であるストッパ用突部は、仕切板部材の仕切板本体基端部に当接されるものに限定されず、例えば仕切板部材の回転軸部外周に突設された突起部に当接されるものなどであっても良い。
【0076】
なお、本発明は、上述の実施形態に限定されず、その主旨を逸脱しない範囲で適宜設計変更が可能である。
例えば、図13に示すように、容器本体として、既述の収納容器10について把持部27の位置を側壁部22の側板部223、224の前記拡張部26以外の板状部分の上端面と連続する上面を形成する位置に変更した構成のもの(容器本体20A。図13中、把持部に符号271を付す)を採用し、さらに、取っ手として、前記湾曲部30a1を有しておらず単純な直棒状の棒状握り部33aを有し、前記棒状握り部33aを把持部271に重ね合わせることができるように形成されたもの(図13中、符号33の取っ手)を採用し、使用者が手指で容器本体20Aの把持部271と取っ手33の棒状握り部33aとを一括して把持できるようにした構成のもの(収納容器10A)も採り得る。
この構成の場合、取っ手33の容器本体20に対する回転半径を小さくすることができるといった利点がある。また、拡張部26への把持部収納溝262の形成を省略することが可能となる。
但し、既述のように、地震等の災害発生によって生じた落下物の手指への衝突防止の点では、把持部27が側壁部22の上端面よりも下方(底板部24側)にずれた位置に設けられている構成の方が有利である。
【0077】
また、本発明に係る収納容器は、前記把持部27が、側壁部22の側板部223、224の前記拡張部26以外の板状部分の上端面からやや下側(底板部24側)にずれた位置に設けられた構成の既述の容器本体20に、図13に例示した取っ手33を枢着し、容器本体の把持部と取っ手の棒状握り部とを一括把持できるようにした構成とすることも可能である。
但し、使用者が、地震等の災害発生時の咄嗟の動作で、把持部を簡単かつ確実に把持できるようにする点では、容器本体の把持部と取っ手の棒状握り部とを一括把持できるようにした構成よりも、図1等を参照して説明した収納容器10のように、取っ手を側壁部22の上端部23に重ね合わせるように倒したときに取っ手の棒状握り部が把持部27上に位置せず、図1のように底板部24が容器本体20の下端側となる向きにおいて把持部27の位置を明瞭に目視確認できる構成である方が有利である。
【0078】
前記拡張部26は、把持部27を把持して容器本体を頭に被った使用者の手指を保護できる構成のものであれば良く、上述の実施形態にて説明した、前記側板部223、224から外側(前記内側空間28の中央部とは反対側)へ膨出する球面(詳細には球面の4分の1)状の湾曲面を形成する壁部とされた構成に限定されない。例えば、側板部223、224から外側(前記内側空間28の中央部とは反対側)へ膨出するように平面視コ字形に屈曲された壁部をなす構成なども採用可能である。
但し、拡張部としては、落下物が拡張部に衝突した際の衝撃力の緩和に鑑みて、容器本体の底板部側の端部から側壁部の上端部側に行くに従って、側板部からの突出寸法が次第に増大するテーパ状の外観形状をなすように形成された構成であることが好ましい。
【0079】
また、本発明に係る収納容器としては、取っ手を具備して手提げかご(例えば買い物かご)として用いることができるバスケットの他、容器本体に枢着された取っ手を具備せず、容器本体の側壁部上部に、該側壁部に一体成形あるいは固定された取っ手を有する構成のものも含む。
【0080】
容器本体としては、図示例のように矩形板状の底板部を有し側壁部の上端部が平面視矩形になっている構成のものに限定されず、その形状は適宜設計変更可能である。
図14、図15に示す容器本体20Dのように、容器本体の側壁部の上端部は、側壁部上縁全周にわたってその外側に張り出された外周リブ部23aと、この外周リブ部23aの外周から下方へ突出する折り返しリブ部23bとからなる、外周折り返し部23cを有する構成であっても良い。
また、図14、図15に示す容器本体20Dは、既述の容器本体20について主板部を、その上端部が、延在方向中央部を頂部とする山形をなす形状のもの(主板部221a、222)に変更した構成となっている。この容器本体20Dの場合は、使用者が頭に被ったときに、主板部221a、222aによって使用者を落下物等の衝突から保護できる範囲を広く確保できる利点がある。
但し、外周折り返し部23cを有する構成は本発明に係る各実施形態の容器の容器本体に適用可能である。
【0081】
本発明は、例えば、図16(a)〜(e)に示す容器本体20Bのように、平面視略楕円形の板状に形成された底板部24Bと、この底板部24Bの外周に立設された側壁部22Bとを有し、前記側壁部22Bの上端部(図16(b)において上側の端部)の該容器本体20Bの内側空間を介して対向する2箇所に、前記側壁部22Bの一部が前記内側空間とは反対側へ膨出するように湾曲する壁状に形成された拡張部26Bと、前記上端部の周方向において前記側壁部22Bの前記拡張部26Bの内側の空間を介して両側に位置する部位を橋絡する棒状の把持部27Bとを有する構成としたものも含む。
【0082】
図16(a)〜(e)に例示した容器本体20Bの側壁部22Bは、その上端部が、平面視において前記拡張部26B以外の部分が拡張部26Bに比べて緩やかに湾曲する上端面を形成する構成とされているが、本発明に係るバスケットとしては、図17(a)〜(e)に示すように、図16(a)〜(e)の容器本体20Bの拡張部の形状を変更した構成のものも採用可能である。図17(a)〜(e)に例示した容器本体20Cは、拡張部26Cが平面視において側壁部22Cの拡張部26C以外の部分の上端面と連続して湾曲する上端面を形成し、側壁部22Cの上端部の上端面が平面視楕円状をなすようにしたものである。
【0083】
図16(a)〜(e)、図17(a)〜(e)に例示した容器本体20B、20Cは、仕切板部材40を装着する(取り付ける)ためのブラケット部225の対を有する。
このブラケット部225については、既述の容器本体20と同様であるので、説明を省略する。
【0084】
図16(a)〜(e)、図17(a)〜(e)に例示した容器本体20B、20Cは、拡張部に、スタッキング時に下側に位置する容器本体の把持部を収納するためのスリット状の把持部収納溝(図16(a)〜(e)に例示した容器本体20Bの把持部収納溝に符号262B、図17(a)〜(e)に例示した容器本体20Cの把持部収納溝に符号262Cを付した)を形成した構成、把持部収納溝を形成していない構成のいずれも採用可能である。
また、図16(a)〜(e)、図17(a)〜(e)は、取っ手を具備していないバスケットを例示しているが、使用者が容器本体を手で提げるための取っ手を側壁部の上端部に設けられた枢着部に枢着した構成とすることも可能であることは言うまでも無い。
取っ手を設ける場合、取っ手としては、例えば、容器本体の前記側壁部の上端部のうち該取っ手を枢着した側壁部の上端部の枢着部から一対の前記拡張部の片方の側に位置する部分と一致する形状に形成したものを採用できる。
また、図16(a)〜(e)、図17(a)〜(e)に例示した容器本体20B、20Cの側壁部22B、22C、底板部24B、24Cは、多数の穴を形成した網構造とすることが可能であることは言うまでも無い。また、底板部及び/又は側壁部は金属線材を用いて構成した網構造としたものも採用可能であることは言うまでも無い。
【符号の説明】
【0085】
10、10A…収納容器、20、20A、20B、20C、20D…容器本体、21…上部開口部、22、22B、22C…側壁部、221、222…立板部(主板部)、223、224…立板部(側板部)、225…ブラケット部、23…上端部、24、24B…係止部(底板部)、24a…係止部(凹部)、24b…係止部(突部)、24c…ストッパ用突部(突片)、25…穴、26、26B、26C…拡張部、261…拡張部内空間、262、262B、262C…把持部収納溝、27、271、27B…把持部、28…内側空間、29、291、292…枢着部、30、30A、31、32、33…取っ手、30a…棒状握り部、30a1…湾曲部、30a2、30a3…握り直棒部、33a…棒状握り部、40、40A、40B、40C…仕切板部材、41…仕切板本体、42…軸部(回転軸部)、43…ストッパ用突部、45、45A…起立用係合部(当接板部)、46…起立用係合部(係合用突部)、48…起立用係合部(係合用突部)、49a…起立用係合部(係合用突部)、49b…起立用係合部(凹部)、S…仮想垂直面。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部開口部を有し物品の収納に使用される容器本体の内側に、前記容器本体の下部に枢着されて前記容器本体の底板部に対して起倒可能に設けられた仕切板部材を有し、
前記仕切板部材は前記容器本体の係止部に係脱可能に係合することで前記仕切板部材の起立状態を保つ起立用係合部を有することを特徴とする収納容器。
【請求項2】
前記仕切板部材及び前記容器本体の一方又は両方に、起立状態の前記仕切板部材の一方向の回転を規制し他方向の回転を許容するストッパ用突部が突設されていることを特徴とする請求項1に記載の収納容器。
【請求項3】
前記容器本体の下部に、前記仕切板部材の両側に突設された軸部が挿入されるブラケット部の対が複数設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の収納容器。
【請求項4】
前記仕切板部材が前記容器本体に対して着脱可能であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の収納容器。
【請求項5】
さらに、概略コ字状に形成された棒状部材であり、その両端が前記容器本体の前記底板部の周囲に枠状に立設された側壁部の上端部に回転自在に設けられた取っ手を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の収納容器。
【請求項6】
前記容器本体は、前記側壁部の上端部の前記容器本体の内側空間を介して対向する2箇所に、前記側壁部の一部が前記内側空間とは反対側へ膨出するように屈曲あるいは湾曲する壁状に形成された拡張部と、前記上端部の周方向において前記側壁部の前記拡張部の内側の空間を介して両側に位置する部位を橋絡する棒状に形成された把持部とを具備し、
前記拡張部が、前記把持部を把持した使用者の手指を保護するためのカバー部として機能することを特徴とする請求項5記載の収納容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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