説明

収納袋付設体

【課題】収納物を収納袋の中に常に入れ易い状態で付設し得ることができ、また、例えば嫌な臭いが生ずる収納物を収納する際にも、簡易に収納袋の開口部を閉口状態にでき、臭いを収納袋の外に漏れ難くすることができる収納袋付設体を提供することを目的とする。
【解決手段】対向状態に並設したスライドガイド部1と、この対向するスライドガイド部1間にスライド自在に架設した複数のスライド体2とからなり、このスライド体2に収納袋3の開口縁部を係止する袋係止部4を設けて、隣り合う二体の前記スライド体の夫々の袋係止部4に収納袋3の対向する開口縁部を係止してこのスライド体2間に収納袋3を開口状態に付設し得るように構成すると共に、この隣り合う二体のスライド体2の一方または双方をスライドさせて収納袋3の開口部の開口幅を調整自在に構成した収納袋付設体。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、収納袋を付設するスペース収納物を収納袋の中に入れ易い状態で収納袋を付設することができる収納袋付設体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、スーパーマーケットやコンビニエンスストアなどで買い物をした際に買った品物をレジ袋に入れてもらうが、このレジ袋は、例えば一般ゴミや資源ゴミを入れる収納袋として利用することが多い。
【0003】
このレジ袋を収納袋として利用する際、例えば、特許文献1(以下、従来例と称す。)に示されるような分別リサイクルホルダーを用いて、対向するフレームに持ち手部を引っ掛けて収納袋の開口部を広げた状態で吊下げておき、この中に、例えば一般ゴミや資源ごみを入れてゴミの回収日まで保管していた。
【0004】
また、従来例のように、収納袋の持ち手部を引っ掛けて収納袋を吊下げ状態に付設するための凸部を対向するフレームに複数並設することで、このフレーム間に複数の収納袋を吊下げ状態で並設することができるので、例えば、資源ゴミを種類毎に分別して収納する資源ゴミ分別回収体として利用していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−168985号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来例では、レジ袋のような収納袋を、持ち手部を引っ掛けて吊下げ状態に付設すると、収納袋の中に収納物を入れるに連れ、収納物の重みで収納袋の下方が引っ張られ、収納袋の開口部が徐々に狭められてゆき、収納物が入れ難くなったり、また、開口部が狭められたことで、このレジ袋の開口縁部に対向状態に設けられているひらひらした結び部同士が接近して開口部を遮るようになり、より一層収納物が入れ難くなると共に、例えば、洗い残しのある資源ゴミなど汚れがある収納物を入れる場合は、開口部の開口縁部や結び部に収納物の汚れが付着してしまうことがあり、収納袋を持ち運ぶ際や開口部を結び部で結ぶ際に、この付着した汚れによって手が汚れてしまうという不具合が生ずることがあり、そのため、従来例では、収納袋をフレームに架設状態に吊下げる際、予め持ち手部を引っ掛ける凸部を2,3箇所まとめて持ち手部を引っ掛けて収納袋の開口部の開口幅を広くした状態で吊下げ付設していた。
【0007】
そのため、一つの収納袋で多くのスペースを占有するため、あまり多くの収納袋を並設することができなかった。
【0008】
また、常に収納袋の開口部が開口状態であるため、洗い残しのある資源ゴミなどの嫌な臭いを発生させるものを収納した際に、その臭いを隠蔽することができず、周囲に嫌な臭いが漂い不快感を覚えることもあった。
【0009】
そこで、本発明は、従来の問題点を解決し、収納物を収納袋の中に常に入れ易い状態で収納袋を付設することができ、また、収納袋の収納状態によって収納袋が占有する領域、即ち開口幅を調整することで収納袋を付設するスペースを無駄無く利用することができ、更に、必要に応じて収納袋の開口部を閉口状態にすることもできる実用的な収納袋付設体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
【0011】
対向状態に並設したスライドガイド部1と、この対向するスライドガイド部1間にスライド自在に架設した複数のスライド体2とからなり、このスライド体2に収納袋3の開口縁部を係止する袋係止部4を設けて、隣り合う二体の前記スライド体2の夫々の前記袋係止部4に前記収納袋3の対向する開口縁部を係止してこのスライド体2間に前記収納袋3を開口状態に付設し得るように構成すると共に、この隣り合う二体のスライド体2の一方または双方をスライドさせて前記収納袋3の開口部の開口幅を調整自在に構成したことを特徴とする収納袋付設体に係るものである。
【0012】
また、前記スライドガイド部1は、前記収納袋3を収納する基体部5に対向状態に並設した構成とし、この対向するスライドガイド部1間に複数の前記スライド体2をスライド自在に架設し、この複数のスライド体2の隣り合うスライド体2同士を一組とする袋付設部6を複数設けた構成とし、この複数の袋付設部6に前記収納袋3を着脱自在に付設し得るように構成したことを特徴とする請求項1記載の収納袋付設体に係るものである。
【0013】
また、スーパーマーケットやコンビニエンスストアなどの販売店が提供するレジ袋を前記収納袋3とし、前記スライド体2に前記収納袋3の持ち手部7以外の対向する前記開口縁部を夫々袋係止部4で係止して、前記収納袋3を前記スライド体2間に架設状態に支持して付設する構成としたことを特徴とする請求項1,2のいずれか1項に記載の収納袋付設体に係るものである。
【0014】
また、前記収納袋3は、前記持ち手部7以外の対向する開口縁部を前記スライド体2に前記袋係止部4により係止して、このスライド体2間に吊下げ状態で支持され付設するように構成したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の収納袋付設体に係るものである。
【0015】
また、前記スライド体2は、板面方向を上下方向とした帯板状とし、前記収納袋3の開口縁部を夫々前記スライド体2に被嵌する前記袋係止部4でこのスライド体2に挟持係止するように構成したことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の収納袋付設体に係るものである。
【0016】
また、前記袋係止部4に前記帯板状のスライド体2と被嵌する凹部8を形成し、前記スライド体2の上面に前記収納袋3の開口縁部を配した状態で前記袋係止部4を上方から被嵌して、この収納袋3の開口縁部を折れ曲がり状態で挟持係止するように構成したことを特徴とする請求項5記載の収納袋付設体に係るものである。
【0017】
また、前記帯板状のスライド体2の一端側に前記袋係止部4を起伏回動自在に設け、この袋係止部4を前記スライド体2に上方から被嵌する構成としたことを特徴とする請求項5,6のいずれか1項に記載の収納袋付設体に係るものである。
【0018】
また、前記スライド体2の上面と前記袋係止部4に形成した前記凹部8の底面部との一方に凹条溝部9を設け他方にこの凹条溝部9と嵌合する凸条部10を設け、前記スライド体2に前記袋係止部4を被嵌した際に、前記凹条溝部9と前記凸条部10との間で前記収納袋3の開口縁部を挟持係止する滑り落ち防止機構を設けたことを特徴とする請求項5〜7のいずれか1項に記載の収納袋付設体に係るものである。
【0019】
また、前記スライド体2は、前記スライドガイド部1にスライド自在且つ着脱自在に設けたことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の収納袋付設体に係るものである。
【0020】
また、前記スライド体2にスライドロック機構を設け、このスライドロック機構は、前記スライド体2の押引動操作によってこのスライド体2のスライドをロックまたは解除する構成としたことを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の収納袋付設体に係るものである。
【発明の効果】
【0021】
本発明は上述のように構成したから、収納袋の開口部を、常にこの収納袋の中に入れる収納物を入れ易い開口幅の開口状態で付設することができるので、収納袋の中に収納物が入れ易くなり、利便性の高い収納袋付設体となる。
【0022】
例えば、本発明を一般ゴミや資源ゴミを分別回収する収納袋付設体として利用する場合、汚れが付着している収納物を入れる際にも収納袋の開口縁部に汚れが付着せず、嫌な臭いが生じたり、収納袋を取り扱う際にも手を汚すことがなくなる。
【0023】
また、収納袋内の収納物の収納量が少ない状態では、開口部の開口幅を狭めに調整して収納袋が占有する領域を狭めることで、他の収納袋をより多く付設するスペースを設けることができる。
【0024】
また、収納袋の中に収納物を入れてゆき、収納袋内の収納物の収納量が多くなり収納袋自体が大きくなってきたら、この収納袋の大きさに適した開口幅に調整することで常に収納袋の中に収納物を入れ易い状態にしておくことができ、また、収納袋の開口部を広げることで収納袋自体の大きさも広がるのでより多くの収納物を収納することができる。
【0025】
また、スライドガイド部に複数架設したスライド体の全てのスライド体に収納袋を付設せず、不使用のスライド体がある場合は、この不使用のスライド体をスライドガイド部の端に寄せることで広いスペースを設けることができるので、空きスペースを有効利用することができる実用性に優れた収納袋付設体となる。
【0026】
また、例えば、洗い残しのある資源ゴミなどの嫌な臭いを発生させるものを収納した際にも、スライド体を互いに接近させる方向にスライドさせてスライド体同士を当接状態にすることで収納袋の開口部を閉口状態にすることができるので、収納袋内で発生する嫌な臭いの外部への漏れを可及的に低減することができ不快感を感じることもなくなる。
【0027】
また、請求項2記載の発明においては、複数の袋付設部に複数の収納袋を付設して資源ゴミの分別用収納袋群として構成することができ、例えば資源ゴミを分別して回収する資源ゴミ分別回収体として構成することができる実用的な収納袋付設体となる。
【0028】
また、請求項3記載の発明においては、レジ袋を有効利用でき、また更に、このレジ袋の持ち手部でない対向する開口縁部、例えば、持ち手部と直交する位置に設けられているひらひらした結び部側の開口縁部をスライド体に係止することで、このひらひらした結び部が開口部に張り出さず、開口部を遮ったり邪魔にならないので、収納物が入れ易くなると共に、汚れている収納物を入れる際は、この結び部に汚れが付着せず、清潔な状態を保つことができる実用性に優れた収納袋付設体となる。
【0029】
また、請求項4記載の発明においては、収納袋を吊下げ状態で支持するので、基体部に底面を設ける必要がなく、製造コストを抑えることができ、また、収納袋自体を最大限広げて使用することができるので、多くの収納物を収納することができる。
【0030】
また、請求項5,6記載の発明においては、スライド体を帯板状の厚みの薄い形状としたので、スライドガイド部に架設する際、場所を取らず複数架設することができ、しかも、不使用時に端に寄せることで邪魔にならず、また更に、収納袋の開口部を閉口状態にするためスライド体同士を当接させた際、開口縁部同士の接触面積が多くなり、より密閉度が高くなり、例えば、嫌な臭いを発生させる収納袋を収納した際には、この収納袋内で発生する嫌な臭いを外部に漏らし難くすることができる。
【0031】
また更に、帯板状のスライド体の上面に収納袋の開口縁部を配した状態で袋係止部を上方から被嵌することで、収納袋の開口縁部を折れ曲がり状態で強固に挟持係止することとなり、スライド体に収納袋を吊下げ状態に付設し、この収納袋に入れた収納物の重量が重くなり収納袋が下方に引っ張られる状態になっても、収納袋の開口縁部がスライド体から外れ難く収納袋が落下してしまうという不具合を可及的に低減することができる実用的な収納袋付設体となる。
【0032】
また、請求項7記載の発明においては、片手で容易に操作することができる操作性に優れた収納袋付設体となる。
【0033】
また、請求項8記載の発明においては、収納袋をスライド体に吊下げ状態に付設した際、この収納袋に入れた収納物の収納量が多くなり重くなって収納袋が下方に引っ張られる状態となっても、収納袋の開口縁部がより一層強固に挟持係止されることとなり、収納袋の開口縁部がスライド体からより一層外れ難くなる実用性に優れた収納袋付設体となる。
【0034】
また、請求項9記載の発明においては、多数の収納袋を付設したい場合でスライドガイド部に架設しているスライド体が足りなくなっても容易に追加付設でき、また、付設する収納袋が少なく不使用のスライド体が多く存在しスライド体が邪魔な場合は、取り外して別の場所に保管しておくことができる利便性の高い収納袋付設体となる。
【0035】
また、請求項10記載の発明においては、スライド体を押引操作するだけの極めて容易な操作でこのスライド体のスライドをロックしたり解除したりすることができ、収納袋内の収納物の重量が重くなって収納袋が下方に引っ張られることによって収納袋の開口部が閉口方向に引っ張られるが、スライド体のスライドをロックすることでスライド体がスライドせず、よって開口部は常に収納物が入れ易い開口幅を保持することができる実用性に優れた収納袋付設体となる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本実施例の使用状態を示す斜視図である。
【図2】本実施例のスライド体をスライドガイド部にスライド自在に架設した状態を示す説明図である。
【図3】本実施例の袋係止部を示す説明図斜視図である。
【図4】本実施例の袋係止部に収納袋を付設する状態を示す斜視図である。
【図5】本実施例のスライド体に袋係止部を被嵌した状態を示す説明断面図である。
【図6】本実施例のスライドロック機構のロック状態を示す説明図である。
【図7】本実施例のスライドロック機構のロック解除状態を示す説明図である。
【図8】本実施例のスライド体のスライドガイド係合部を示す説明斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
好適と考える本発明の実施形態を、図面に基づいて本発明の作用を示して簡単に説明する。
【0038】
スライド体2に収納袋3を付設する際、スライドガイド部1に複数架設したスライド体2の隣り合う二体のスライド体2間に収納袋3を架設状態に付設するので、隣り合う二体のスライド体2の間隔を、収納袋3の対向する開口縁部をスライド体2に係止し手架設状態に付設し得る適度な間隔にスライド体2をスライドさせて調整する。
【0039】
この適度な間隔に調整したスライド体2の夫々に設けられている袋係止部4で収納袋3の対向する開口縁部を夫々のスライド体2に係止し、この適度な間隔を設けた二体のスライド体2間に収納袋3を架設状態に付設することで、この収納袋3の開口部を開口状態で付設することとなる。
【0040】
また、このスライド体2間に架設して開口部を開口した状態で付設した収納袋3の開口部の開口幅を、スライド体2の一方若しくは双方をスライドさせることで容易に調整することができるので、収納袋3の中に収納物を入れ易い所望の開口幅に容易に調整することができ、また、例えば収納袋3内の収納物の収納量が少ないときは、開口部の開口幅を狭めに調整して他の収納袋3を並べて付設するスペースを設けることができ、収納袋3の中に収納物を入れてゆき、収納袋3内の収納物の収納量が多くなり収納袋3自体が大きくなってきたら、この収納袋3の大きさに適した開口幅に調整することも容易にできる。
【0041】
即ち、スライド体2に架設状態に付設する収納袋3は、大きさや形状が多種多様にあり、スライドガイド部1に架設したスライド体2がスライド移動せず予め設定された間隔でしか収納袋3を架設できない場合では、収納袋3が小さく開口部の開口幅がスライド体2の間隔よりも狭い場合は、スライド体2間に収納袋3を架設状態に付設することはできず、また、収納袋3が大きく開口部の開口幅も広い場合、スライド体2の間隔が狭いと収納袋3の開口縁部にしわ寄せが生じ、スライド体2の間隔よりも開口幅が狭くなってしまい、収納物が入れ難くなったり、収納袋3の開口縁部に汚れが付着し易くなったりして使い勝手が悪くなってしまうが、本発明は、このような不具合が生じず、常に収納袋3の開口部を所望の開口幅に調整して、収納袋3の中に収納物を入れ易い状態としておくことができる実用性に優れた収納袋付設体となる。
【0042】
また、収納袋3を多く付設せず不使用状態のスライド体2が生じた場合は、この不使用状態のスライド体2をスライドガイド部1の端に寄せることで邪魔にならず、広いスペースを作ることで、例えば、この収納袋3では収納し得ることができない収納物を収納するための他の収納体を設置することもできる。
【0043】
また、収納袋3に入れた収納物が、例えば洗い残しのある資源ゴミなどの嫌な臭いを発生させるものを収納した際にも、スライド体2を互いに接近させる方向にスライドさせてスライド体2同士を当接状態にすることで収納袋3の開口部を閉口状態にすることができるので、収納袋3内の収納物から発生する嫌な臭いを外部に漏れ難くすることができる実用性に優れた画期的な収納袋付設体となる。
【実施例】
【0044】
本発明の具体的な実施例について図面に基づいて説明する。
【0045】
本実施例は、基体部5にスライドガイド部1を対向状態に並設し、この対向するスライドガイド部1間に複数のスライド体2をスライド自在に架設し、このスライド体2に収納袋3の開口縁部を係止する袋係止部4を設けて、隣り合う二体の前記スライド体2の夫々の袋係止部4に収納袋3の対向する開口縁部を係止してこのスライド体2間に収納袋3を開口状態に付設し得るように構成すると共に、この隣り合う二体のスライド体2の一方または双方をスライドさせて収納袋3の開口部の開口幅を調整自在に構成した収納袋付設体である。
【0046】
また、本実施例は、上述した収納袋付設体に移動手段を設けて、ワゴン型の収納袋付設体に構成したものである。
【0047】
本実施例について具体的に説明すると、基体部5は、金属製の棒状体をコ字型に折曲し、このコ字型棒状体の下方側となる開口部側に横杆を架設しての方形状の側方フレーム部11を形成し、この側方フレーム部11を所定の間隔で対向状態に配し、この対向する側方フレーム部11間に帯状底板部12を複数架設し、この帯状底板部12に移動手段としてキャスター13を付設して、この基体部5を移動自在に設けた構成としている。
【0048】
また更に、この基体部5の正面側、背面側、左右側面及び底面の夫々にこの基体部の剛性を高めるための補強杆部が対向状態に設けた側方フレーム部11間に架設した構成としている。
【0049】
尚、本実施例では、移動手段のキャスター13を帯状底板部12に付設した構成としているが、側方フレーム部11の縦杆の底部に設けた構成としても良い。また、このキャスター13を着脱自在に設けた構成とし、基体部5からキャスター13を外してワゴン型でなく、据え置き型の収納袋付設体に構成しても良い。
【0050】
また、スライドガイド部1は金属製の断面円形の円棒状体であり、これを上述のように構成した収納袋3を収納する基体部5に対向状態に並設した構成とし、具体的には、基体部5の正面側上部と背面側上部に水平対向状態で左右の側方フレーム部11間に架設した構成としている。
【0051】
尚、スライドガイド部1の形状は上述した断面円形状に限らず、角型形状や楕円形状などでも良く、本実施例の特性を発揮するものであれば適宜採用し得るものである。
【0052】
また、このスライドガイド部1間に複数架設するスライド体2は、このスライドガイド部1にスライド自在に架設した構成とし、このスライド体2をスライドガイド部1に複数架設し、隣り合う二体のスライド体2同士を一組として袋付設部6を構成し、この袋付設部6に収納袋3を着脱自在に付設し得る構成としている。
【0053】
本実施例では、この袋付設部6を複数設けた構成とし、例えば、この複数の袋付設部6に収納袋3を夫々付設して分別収納袋群を構成し、本実施例の収納袋付設体を、資源ゴミを種類毎に分別回収する資源ゴミ分別回収体として構成しても良い。
【0054】
この袋付設部6を構成するスライド体2は、本体部2aとスライドガイド係合部2bとからなり、具体的には、本体部2aを、板面方向を上下方向とした金属製の帯板状に形成し、この本体部2aの両端部にスライドガイド部1に係合するスライドガイド係合部2bを設けた構成としている。
【0055】
また、このスライド体2の本体部2aの上面には、本体部2aの基端部から先端部に掛けて凹条溝部9を設けた構成とし、この凹条溝部9は、具体的にはV字形状に形成している。尚、この凹条溝部9は、上述したV字形状に限った構成とするものではなく、例えば、W字形状やU字形状などでも良く、本実施例の特性が発揮できる形状であれば適宜採用するものとする。
【0056】
また、本体部2aの端部に設けられるスライドガイド係合部2bは、スライドガイド部1と係合してスライド体2をスライドガイド部1にスライド自在に設けることができるスライド機構以外に、このスライド自在に設けたスライド体2のスライドをロックするスライドロック機構の二つの機能を設けた構成としている。
【0057】
具体的には、スライドガイド係合部2bの側面部にスライドガイド部1に挿通する挿通孔14を設け、この挿通孔14は径の異なる二種類の孔を上下二段に連通状態に設けた構成とし、上段側の上段側挿通孔14aはスライドガイド部1の径よりもやや小径となる孔に形成し、下段側の下段側挿通孔14bはスライドガイド部1の径よりも大きい径となる孔に形成している。
【0058】
更にこの上段側挿通孔14aと下段側挿通孔14bの境界部を内側に稍突出した形状とし、この挿通孔14を正面視略雪ダルマ型に形成し、スライドガイド部1を上段側挿通孔14aに圧入することでスライド体2をスライドロック状態にし、スライドガイド部1を下段側挿通孔14bに移動させることでスライドガイド部1と下段側挿通孔14bとの間に隙間ができスライド体2はスライドガイド部1に対してスライド自在となる構成としている。
【0059】
即ち、本実施例のスライドロック機構は、スライド体2を下方に押し込むことで、スライドガイド部1がスライドガイド係合部2bに設けた挿通孔14の上段側挿通孔14aに圧入され、この上段側挿通孔14aはスライドガイド部1の径よりも小径であるため、この上段側挿通孔14aがスライドガイド部1を押圧係止することでスライド体2をスライドガイド部1に対してスライド不能な状態にし、このスライド不能状態、即ちスライドロック状態を解除するには、スライド体2を上方に引き上げることで、スライドガイド部1が下段側挿通孔14bに移動し、スライドロックが解除されスライド自在な状態となるように構成している。
【0060】
また、このスライドガイド係合部2bは、底面部2cを着脱自在に設けた構成としており、このスライドガイド係合部2bの底面部2cを取り外すことで、挿通孔14が外部と貫通状態となるので、スライド体2をスライドガイド部1から取り外すことができ、即ち、本実施例のスライド体2はスライドガイド部1に着脱自在に設けた構成となっている。
【0061】
このスライドガイド係合部2bの底面部2cは、側方にスライドさせることで容易に取り外すことができるので、スライド体2のスライドガイド部1に対する着脱も容易にできることとなる。
【0062】
また、このスライド体2のスライドガイド係合部2bは、収納袋3の開口縁部を係止する袋係止部4を設けた構成としている。
【0063】
この袋係止部4は、上述した帯板状のスライド体2の本体部2aと被嵌する凹部8を設け、スライド体2の本体部2aの上面に収納袋3の開口縁部を配した状態でこの袋係止部4を上方から被嵌してこの収納袋3の開口縁部を折れ曲がり状態で挟持係止するように構成している。
【0064】
具体的には、この袋係止部4は、スライド体2のスライドガイド係合部2bに枢着し起伏回動自在に設けた構成とし、この袋係止部4の先端部に操作部15を突設し、この袋係止部4を起伏回動する際にこの先端部に設けた操作部15を指で挟持して、若しくは、指先を引っ掛けて操作する構成としている。
【0065】
具体的には、この操作部15は、袋係止部4の先端部の上部に上方に向って突出し、更に先端側に湾曲させて湾曲部15aを設けた形状に形成し、この湾曲部15aに指を係止させて引っ掛け操作したり、操作部15を指で摘まんで摘まみ操作する構成としている。
【0066】
また、この袋係止部4の長さは、スライド体2の半分より稍短い長さに設定して、スライド体2の両端部に夫々、外方に向って起伏回動自在に設けた構成としている。
【0067】
また、この袋係止部4は、上述したように帯板状の本体部2aに上方から被嵌し得る凹部8を設けた構成としているが、この凹部8の幅、及び厚みは、スライド体2の本体部2aの幅、高さ寸法と略同等の寸法に設定し、本体部2aに被嵌した際に、この本体部2aの全体を略隙間なく被嵌するように構成している。
【0068】
また、更に、スライド体2の本体部2aに被嵌する袋係止部4の凹部8は、本体部2aの上面と係合する底面部に、前述した本体部2aの上面に設けたV字状の凹条溝部9と略合致嵌合する逆V字状の凸条部10を設けた構成とし、この袋係止部4の凹部8の底面部に設けた凸状部10と、前述したスライド体2の本体部2aの上面に設けた凹条溝部9とが合致嵌合することでこの凹条溝部9と凸条部10との間に配した収納袋3の開口縁部をより強固に挟持係止する滑り落ち防止機構を成す構成としている。
【0069】
この滑り落ち防止機構は、凹条溝部9と凸条部10との形状をV字形状にし、単に平面と平面との凹凸嵌合ではなく、点接触による凹凸嵌合としたことで、収納袋3の開口縁部を圧接状態で強固に挟持係止するので、単に平面と平面との凹凸嵌合による挟持係止よりも、より一層強固に挟持係止され、収納袋3の滑り落ちを可及的に低減することができる。
【0070】
尚、本実施例では、袋係止部4の長さをスライド体2の長さの半分以下の長さに設定してスライド体2の両端部に夫々設けた構成としているが、袋係止部4の長さをスライド体2と略同等の長さに設定し、スライド体2の一端にのみ設ける構成としても良い。
【0071】
このように構成した本実施例の作用効果を以下に説明する。尚、本実施例に付設する収納袋3は、開口縁部を上述したスライド体2と袋係止部4とで挟持係止し架設状態に付設し得る収納袋3であれば特に限定するものではないが、本実施例では、従来から良く利用されている、例えばスーパーマーケットやコンビニエンスストアなどで買い物をした際に品物を入れてもらうレジ袋を収納袋3として付設する場合での作用効果を説明する。
【0072】
スーパーマーケットやコンビニエンスストアなどで買い物をした際に品物を入れてもらうレジ袋には大きさの種類が幾つかあり、購入した品物の大きさや量に応じて適切な大きさの収納袋3が選ばれる。従って、収納袋3は常に同じ大きさのものが付設するとは限らず、収納袋3の大きさによって開口部の開口幅を調整する必要がある。
【0073】
本実施例に収納袋3を付設する際は、付設する収納袋3の大きさ、即ち、開口部の開口幅に合わせて、袋付設部6を構成する隣り合う二体のスライド体2の間隔を調整する。即ち、収納袋3の開口縁部がこのスライド体2間に架設状態に付設し得る間隔にスライド体2の位置をスライドさせて調整する。
【0074】
そして、スライド体2に設けた袋係止部4を、このスライド体2に被嵌している状態から操作部15を指先で操作し上方に回動させて起立状態にし、スライド体2の本体部2aの上面に収納袋3の開口縁部を配した状態で、袋係止部4を下方に回動させてスライド体2に被嵌させる。
【0075】
これにより、収納袋3の開口縁部は、帯板状のスライド体2の本体部2aと袋係止部4の凹部8とで折り曲がり状態に挟持係止され、更に、本体部2aの凹条溝部9と袋係止部4の凹部8の凸条部10とで構成する滑り落ち防止機構によって、更に圧接状態で挟持係止された状態になる。
【0076】
このようにして収納袋3の対向する開口縁部を夫々スライド体2に袋係止部4で係止しこの収納袋3をスライド体2間に架設状態で吊下げ支持されるように付設する。
【0077】
また、収納袋3をスライド体2に付設した後で、必要に応じて、スライド体2をスライドさせて収納袋3の開口部の開口幅を所望の開口幅に調整しても良い。
【0078】
上述したように、本実施例に収納袋3を付設する際には、従来のように収納袋3の持ち手部7を引っ掛け係止して吊下げ状態に支持するように付設するのではなく、スライド体2と袋係止部4とで収納袋3の開口縁部を挟持係止してスライド体2に吊下げ状態に支持するように付設し得る構成としている。
【0079】
即ち、本実施例は、持ち手部6以外の対向する開口縁部、具体的には、従来、吊下げ状態にした際に邪魔になっていたひらひらした結び部16が設けられている開口縁部を挟持係止することで、収納袋3の開口部にはひらひらとして邪魔になる結び部が突出しないので、収納袋3の中に収納物が入れ易くなり、また、汚れたものを入れる場合にも、この結び部16に汚れが付着せず、収納袋3を清潔に保つことができ、衛生的な収納袋付設体とすることができる実用性に優れた収納袋付設体となる。
【0080】
また、本実施例のスライド体2はスライドガイド部1にスライド自在に設けた構成としたので、上述したように収納袋3の開口部の開口幅を自在に調整できるので、例えば収納袋3内の収納物の収納量が少ないときは、開口部の開口幅を狭めに調整して他の収納袋3を並べて付設するスペースを設けることができ、収納袋3の中に収納物を入れてゆき、収納袋3内の収納物の収納量が多くなり収納袋3自体が大きくなってきたら、この収納袋3の大きさに適した開口幅に調整することは勿論のこと、例えば、収納袋3を多く付設せず不使用状態のスライド体2が生じた場合は、この不使用状態のスライド体2をスライドガイド部1の端に寄せることで邪魔にならず、また、このスライド体2をスライドガイド部1の端に寄せることで収納袋3を収納する基体部5に広いスペースを作ることができ、このスペースに収納袋3以外の収納体を設置する構成としても良い。
【0081】
また、収納袋3に入れた収納物が、例えば嫌な臭いを生ずるものであった場合でも、スライド体2を互いに接近させる方向にスライドさせてスライド体2同士を当接状態にすることで収納袋3の開口部を閉口状態にすることができるので、収納袋3内の収納物から生ずる嫌な臭いを外部に漏れ難くすることができ、周囲に嫌な臭いが漂わず不快感を感じることも無い実用性に優れた画期的な収納袋付設体となる。
【0082】
尚、本発明は、本実施例に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。
【符号の説明】
【0083】
1 スライドガイド部
2 スライド体
3 収納袋
4 袋係止部
5 基体部
6 袋付設部
7 持ち手部
8 凹部
9 凹条溝部
10 凸条部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対向状態に並設したスライドガイド部と、この対向するスライドガイド部間にスライド自在に架設した複数のスライド体とからなり、このスライド体に収納袋の開口縁部を係止する袋係止部を設けて、隣り合う二体の前記スライド体の夫々の前記袋係止部に前記収納袋の対向する開口縁部を係止してこのスライド体間に前記収納袋を開口状態に付設し得るように構成すると共に、この隣り合う二体のスライド体の一方または双方をスライドさせて前記収納袋の開口部の開口幅を調整自在に構成したことを特徴とする収納袋付設体。
【請求項2】
前記スライドガイド部は、前記収納袋を収納する基体部に対向状態に並設した構成とし、この対向するスライドガイド部間に複数の前記スライド体をスライド自在に架設し、この複数のスライド体の隣り合うスライド体同士を一組とする袋付設部を複数設けた構成とし、この複数の袋付設部に前記収納袋を着脱自在に付設し得るように構成したことを特徴とする請求項1記載の収納袋付設体。
【請求項3】
スーパーマーケットやコンビニエンスストアなどの販売店が提供するレジ袋を前記収納袋とし、前記スライド体に前記収納袋の持ち手部以外の対向する前記開口縁部を夫々袋係止部で係止して、前記収納袋を前記スライド体間に架設状態に支持して付設する構成としたことを特徴とする請求項1,2のいずれか1項に記載の収納袋付設体。
【請求項4】
前記収納袋は、前記持ち手部以外の対向する開口縁部を前記スライド体に前記袋係止部により係止して、このスライド体間に吊下げ状態で支持され付設するように構成したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の収納袋付設体。
【請求項5】
前記スライド体は、板面方向を上下方向とした帯板状とし、前記収納袋の開口縁部を夫々前記スライド体に被嵌する前記袋係止部でこのスライド体に挟持係止するように構成したことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の収納袋付設体。
【請求項6】
前記袋係止部に前記帯板状のスライド体と被嵌する凹部を形成し、前記スライド体の上面に前記収納袋の開口縁部を配した状態で前記袋係止部を上方から被嵌して、この収納袋の開口縁部を折れ曲がり状態で挟持係止するように構成したことを特徴とする請求項5記載の収納袋付設体。
【請求項7】
前記帯板状のスライド体の一端側に前記袋係止部を起伏回動自在に設け、この袋係止部を前記スライド体に上方から被嵌する構成としたことを特徴とする請求項5,6のいずれか1項に記載の収納袋付設体。
【請求項8】
前記スライド体の上面と前記袋係止部に形成した前記凹部の底面部との一方に凹条溝部を設け他方にこの凹条溝部と嵌合する凸条部を設け、前記スライド体に前記袋係止部を被嵌した際に、前記凹条溝部と前記凸条部との間で前記収納袋の開口縁部を挟持係止する滑り落ち防止機構を設けたことを特徴とする請求項5〜7のいずれか1項に記載の収納袋付設体。
【請求項9】
前記スライド体は、前記スライドガイド部にスライド自在且つ着脱自在に設けたことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の収納袋付設体。
【請求項10】
前記スライド体にスライドロック機構を設け、このスライドロック機構は、前記スライド体の押引動操作によってこのスライド体のスライドをロックまたは解除する構成としたことを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の収納袋付設体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−86977(P2012−86977A)
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−237524(P2010−237524)
【出願日】平成22年10月22日(2010.10.22)
【出願人】(000172787)オークス株式会社 (14)
【Fターム(参考)】