説明

取り付け表面を有する火炎止め物品

床または壁の開口部に火炎止めを設けるための火炎止め物品には、火炎止め材料、火炎止め材料を取り囲む閉鎖容器、および対になる表面に物品を繰り返し連結して除去することができる閉鎖容器の外表面に設けられた取り付け表面が含まれる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、壁、床および天井の開口部に火炎止めを設けるための火炎止め物品、詳細には、火災時に開口部内に火炎障壁を形成する役割を果たす膨張性材料で充填されたパウチを含む火炎止め物品に関する。
【背景技術】
【0002】
火炎および煙が構造の1つの区画から別の区画に広がる可能性があるメカニズムの1つは、貫通通路または開口部であり、多くの場合、壁、床および天井の貫通部と呼ばれる。このような開口部には、例えば、信号および送電ケーブルが通過するケーブルアクセス孔が含まれる。
【0003】
このような開口部を通って火炎が拡大したり煙が通過したりするのを防ぐのに用いられる現在の方法には、貫通ケーブルの外形に従うように2つの膨張性シートをカッティングする工程と、これらを開口部の各外表面に取り付ける工程と、各シートの周囲に沿って成形可能な膨張性のパテのビードを設ける工程と、が含まれる。この技術は、一般に、火炎の拡大に逆らい、1つの区画から他の区画に煙が通過するのを防ぐのに十分であるが、設置するのに多大な労働力が必要であり、時間がかかる。また、このように製造された火炎止めは、繰り返し再入するのに役立たない。
【0004】
また、壁および床に用いられる貫通部に火炎止めを設けるために、枕またはブリックと呼ばれることが多い種々のバッグ様装置が市販されている。枕は、典型的には、充填剤材料の形状に一致するポリマーフィルムで封入される。ブリックは、典型的には、付加的なフィルムで包まれていないポリウレタンフォームを含む。これらの装置は、圧縮嵌めまたは僅かに圧迫した装置間の摩擦のいずれかにより開口部に固定される。圧縮嵌めでは、装置の外表面の摩擦が小さく、設置中に装置が互いに滑動して容易に位置決めすることができる必要がある。壁に用いる場合には、重力の影響を殆ど受けないため圧縮嵌めがうまく働く。しかし、床開口部では、表面が滑動することにより、設置工程は容易になるが、小さな開口部を除く全てで、組み立てた火炎止めが撓みやすくなる。また、保守を行うためまたは開口部に部品を付加したり除去したりするために開口部から1つまたはそれ以上の装置を除去すると、圧縮力が緩むため、残りの装置が開口部から更に容易に落ちる可能性がある。また、このような設置物は、ケーブルまたは他の部品を開口部に加えたりそこから除去したりする必要がある場合には完全に除去して再位置決めする必要がある。また、床に用いる場合には、開口部内の膨張性材料を支持し、それによりバッグ様装置が開口部から落ちないようにするために、プラットフォーム、鉄格子またはラックのような二次的補強構造が必要となる場合が多い。このような支持構造では、望ましい機能が達成されるが、開口部に火炎止めを設ける時間及び費用が相当増大し、開口部への再入が妨げられる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、この業界では、安価で設置が容易であり、開口部に容易に再入でき、二次構造を必要とすることなく壁、床、及び天井の開口部に効果的に火炎止めを設けることができる床および天井の貫通部に火炎止めを設けるための火炎止め物品が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、壁、床、または天井の開口部に火炎止めを設けるのに有用な火炎止め物品を提供する。火炎止め物品には、火炎止め材料と、物品が、接合する対になる表面に繰り返し取り付け、除去、再取り付けされることができるように構成された取り付け表面と、が含まれる。対になる表面は、接合する火炎止め物品の取り付け表面、火炎止め関連物品自身の外側表面、又は開口部を画定する表面とすることができる。
【0007】
取り付け表面は、再締結可能な機械的締結具、伸張剥離接着剤、接触応答性締結具、または再位置決め可能な接着剤とすることができる。機械的締結具は、フック‐アンド‐ループ型(hook‐and‐loop type)締結具または自己結合締結具とすることができる。一実施形態では、取り付け表面は、フック‐アンド‐ループの両方の型の締結具を含む再締結可能な自己結合締結具である。
【0008】
別の実施形態では、火炎止め物品には、火炎止め材料の周りに配置された閉鎖容器(enclosure)が含まれる。閉鎖容器は、ポリエチレンまたはポリプロピレンのようなポリマーフィルム、織材料や、紙、スパンボンドポリプロピレンまたはポリエステルのような不織材料、または可撓性があり内容物と合致できる耐火材料で形成することができる。特定の実施形態では、閉鎖容器自身が、フック様締結要素のための対になる表面として働くループ様特性を有する材料で形成される。
【0009】
火炎止め材料は、膨張性材料を含むことが好ましく、膨張性材料、断熱材料、および吸熱材料の混合物も含むことができる。或いは、充填剤材料は、成形可能な膨張性パテとすることができる。
【0010】
別の実施形態では、火炎止め材料には、内部断熱材料および内部材料の少なくとも一部の周りに配列された膨張性材料が含まれる。一実施形態では、断熱材料には鉱物ウールが含まれる。
【0011】
特定の実施形態では、本発明は、内部断熱材料および内部材料の少なくとも一部の周りに配列された膨張性材料を有する火炎止め材料と、火炎止め材料を囲むポリマーフィルムで形成された閉鎖容器と、物品が、対になる表面と繰り返し連結することができるように構成されたフック‐アンド‐ループ型両方の締結具を含む再締結可能な自己結合取り付け表面と、を含む床または天井の開口部に火炎止めを設けるための火炎止め物品を提供する。
【0012】
別の側面では、本発明は、火炎止め材料、火炎止め材料を囲む閉鎖容器、および物品が対になる表面に繰り返し取り付けられるように閉鎖容器上に配置された取り付け表面を含む火炎止め物品を提供する工程と、1つの火炎止め物品の取り付け表面が隣接する火炎止め物品の取り付け表面に連結された状態で開口部に複数の火炎止め物品を配置する段階と、を含む床または天井の開口部に火炎止めを設ける方法を提供する。
【0013】
本発明は、添付の図面を参照して更に説明することにする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
図1および図2を参照すると、火炎止め材料4、火炎止め材料4を囲む任意の閉鎖容器6、および閉鎖容器6の外表面10に設けた取り付け表面8を含む火炎止め物品2が示される。
【0015】
火炎止め材料4の好ましくない構成要素に設置者を暴露することを防ぐか最小にするために閉鎖容器6を火炎止め材料4の周りに設けることが好ましい。また、閉鎖容器6により、物品2の取り扱いおよび設置が容易になる。しかし、閉鎖容器6は必要ではないため、取り付け表面8は火炎止め材料4に直接取り付けることができることは理解されると考える。
【0016】
閉鎖容器6に適切な材料には、ポリエチレンまたはポリプロピレンで形成されたポリマーフィルムのようなフィルム、織材料、およびスパンボンドポリプロピレンまたはポリエステルのような不織材料が含まれる。好ましい閉鎖容器6は、ポリエチレンフィルムのような適切なポリマーフィルム材料で形成された密封バッグである。物品2は、閉鎖容器6を損傷する可能性があるコンクリートまたはシンダブロックに隣接して配備されることが多いため、物品2には、閉鎖容器6の外表面10に隣接して付加的な補強層(図示せず)を更に設け、耐摩耗性を付与するとともに他の点では設置および除去工程で物品2が損傷を受けないようにすることができる。
【0017】
火災様の状況に暴露される前には、閉鎖容器6は、火炎止め材料4を封入する役割を果たす。火災または火災様状況のときには、火炎止め材料4は、活性化温度になると拡張して開口部を閉鎖し、これによって、火炎および煙が開口部を通過しないようにする。
【0018】
本発明の特徴的な特性によれば、物品2の外表面10には、物品2が床または天井の開口部内に再締結可能に固定されるとともに、開口部に配列された他の隣接する物品に再締結可能に固定されるようにする取り付け表面8が含まれる。取り付け表面8は、物品の全周囲の周りに物品2の一端部に隣接するストリップとして設けられる。設置の間には、取り付け表面10を含まない外表面10がまず開口部に挿入され、取り付け表面10を含む物品2の一部が開口部の端部に近接して留まり、これによって、後に開口部から物品を分離して1つまたはそれ以上を除去することを望む設置者の手が届くようにすることが好ましい。しかし、取り付け表面は物品2の外表面10全体または物品のどの選択部分に設けることもでき、物品の端部に限定される必要がないことは理解されると考える。物品2は、手で手動的に、またはパテナイフのような器具の助けを借りて設置することができる。
【0019】
図示する取り付け表面8は、再締結可能の、即ち、締結要素が対になる表面に連結しても、同じ対になる表面または他の対になる表面と再び連結する能力を損なうことなく引き離すことができる種々の機械的締結具を表すものとする。適切な再締結可能な締結具の例には、フック‐アンド‐ループ締結具および自己結合締結具が含まれる。自己結合締結具には、複数の自己結合締結要素を含む、即ち、締結要素は同一または実質的に同様の構造を有する締結要素とかみ合って係合することができる。
【0020】
物品2に再締結可能な取り付け表面を設けることにより、複数の物品2は、適所に保持するために二次的支持構造を必要とすることなく壁、床、または天井の開口部に固定的に配列することができるが、開口部に加えたりそこから除去したりする必要があるワイヤまたはケーブルのような部品を開口部に通過させる場合には、個々の物品を容易に繰り返して除去および再配置することができる。これにより、開口部に再入することが大幅に容易になる。また、再締結可能な取り付け表面により、設置中に、物品2は繰り返し再位置決めすることができる。
【0021】
適切な締結具が種々の形をとることができることは理解されると考える。締結具の例示的な型の1つには、米国特許第2,717,437号明細書(ドメストラル(de Mestral))および米国特許第3,009,235号明細書(ドメストラル(de Mestral))に記載されるような従来のフック‐アンド‐ループ締結具が含まれる。他の適切な締結具には、米国特許第4,846,815号明細書(スクリップス(Scripps))に記載の頭付ステムまたはマッシュルームおよびループが含まれる。
【0022】
好ましい締結具は、ニューハンプシャー州マンチェスターのベルクロユーエスエーインコーポレーション(Velcro USA、Inc.(Manchester,New Hampshire))から入手可能なベルクロオムニテープ(VELCRO OMNI−TAPE)ブランドの締結具であり、これは、同じ表面上にフック‐アンド‐ループの両方が混じりあった自己結合締結具である。この締結具は自己結合型であるため、隣接する装置の同じ型の締結具に取り付けることができる従来のフック‐アンド‐ループ締結具より有利である。言い換えると、取り付けを行うのに異なる協働表面を必要としない。これにより、各装置に同じ締結具を用いることができることになる。これとは対照的に、従来のフック‐アンド‐ループ締結具には、ループ表面に取り付けられるフック表面(およびその逆)が必要であり、このため、取り付けを行うのに、設置者側に付加的な注意が必要である。また、ベルコアオムニテープ(VELCOR OMNI−TAPE)ブランドの締結具には、容易に自己に取り付けられ、しっかりと取り付けを形成するのにあまり取り付ける力を必要としないという点でも多くの自己結合締結具に優る利点がある。このことは、装置が圧縮可能であり、しっかりとした取り付けを形成するのに必要な力を生じるのが困難な可能性があるため、本発明には特に望ましい。
【0023】
多数の係合要素を用いる締結具の別の分類は、主に、ステムおよびステム先端に拡張領域または頭を含む中実突起を有するものである。拡張領域または頭は、各種の形状とすることができる。通常、これらの締結具は、頭部分の直径または断面が頭間の間隔より大きい自己結合型である。この型の締結具を記載する例示的な特許には、例えば、米国特許第2,499,898号明細書(アンダーソン(Anderson))、米国特許第3,192,589号明細書(ピアソン(Pearson))、米国特許第3,266,113号明細書(フラナガンジュニア(Flanagan,Jr.))、米国特許第3,353,663号明細書(カイザー(Kayser)ら)、米国特許第3,408,705号明細書(カイザー(Kayser)ら)、および米国特許第5,097,570号明細書(ゲルシェンゾン(Gershenson))が含まれる。
【0024】
米国特許第3,899,805号明細書(マクミラン(McMillan))は、頭付中空突起を用いることを教示している。この型の締結具には、その上には小さな断面または限局されたポケットがある座部内にフィットするかおよび/またはステムを撓ませることによりフィットする拡張領域が含まれる。この型の締結具を接合するには、通常、締結具が座部に嵌るときにシングルまたはダブルスナップを伴う。
【0025】
多数の中実突起を互いに差し込む別の型の締結具は、米国特許第4,875,259号明細書(アペルドーン(Appeldorn))に記載されている。この型の締結具では、突起の先端は拡張もしていず、頭付でもない。結合は、表面が光学的に滑らかで平坦な互いに差し込まれた突起物の接触表面間に生じる摩擦力により生成される。この分類の締結具の付加的な例は、米国特許第5,071,363号明細書(レイレック(Reylek)ら)、米国特許第5,088,164号明細書(ウィルソン(Wilson)ら)、米国特許第5,113,555号明細書(ウィルソン(Wilson)ら)、および米国特許第5,201,101号明細書(ラウザー(Rouser)ら)に見ることができる。ウェブを穿孔した突起に基づき、ウェブの一方の側から他方の側まで交互に列になった締結具は、米国特許第4,581,792号明細書(スピア(Spier))に開示されている。この締結具は、受口の突起を係合して剥離可能な摩擦フィットを形成することにより機能する。
【0026】
別の実施形態では、閉鎖容器6自身が、取り付け表面8に設けられた従来の「フック」型締結具と対になる「ループ」特性を有する織または不織材料で形成される。このように、取り付け表面8のフック締結具が閉鎖容器6と直接対になり、別個のループ締結具が必要でない。この構造では、フック締結具が閉鎖容器6のあらゆる露出表面と対になることができるため、物品が開口部に挿入されて対になる表面と合わせられる際の自由度が最大になる。
【0027】
取り付け表面8は、接着剤11で閉鎖容器6の外表面10に取り付けられる。また、ステッチ糸を用いる従来の縫製技術のような機械的取り付け等の他の従来の手段も用いることができる。
【0028】
或いは、取り付け表面8は、公開されたPCT出願である国際公開第96/24535号パンフレットおよび公開されたPCT出願である国際公開第94/21742号パンフレットに開示され記載されるような接触応答性締結具層を含む非粘着性接着剤システムを含むことができる。接触応答性締結層は、本質的に紙に粘着性がなく、締結層をターゲット表面に複数回の締結および剥離サイクルを行わせることができる非粘着性層である。ターゲット表面の溶解パラメータにより、接触応答締結層が選択可能で一貫して繰り返し可能な低度90°剥離強度および高度せん断強度を有することができることが好ましい。接触応答性締結具層は、何れかの材料が他方の材料に目立つほど移動または移行することなく、ターゲット表面に対して何度も再使用することができることが好ましい。接触応答性締結具層の有利な特徴は、その締結特性を維持/復元するために、例えば、イソプロパノールまたは石鹸および水で清掃可能なことである。適切な市販の接触応答性締結具は、ミネソタ州セントポールのスリーエムカンパニー(3M Company(St.Paul,MN))から商品名ファストボンド(FASTBOND)30接触接着剤で入手可能な接触接着剤である。
【0029】
火炎止め材料4には、膨張性材料12の第1の層、断熱材料14の内部層、および膨張性材料16の第2の層が含まれる。接着剤層18、20は、第1の膨張性層12と断熱材料14との間、および第2の膨張性層16と断熱材料14との間に設けられ、ラミネート複合構造を形成する。適切な接着剤には、感圧接着剤、ホットメルト接着剤等が含まれる。或いは、膨張性層12、16は、接着剤の助けを借りることなく断熱層に直接押し出すかコーティングすることができる。
【0030】
断熱材料14の内部層は、密度が少なくとも公称4ポンド/立方フィート、更に典型的には少なくとも公称6ポンド/立方フィートの不織繊維材料であることが好ましい。また、密度が少なくとも公称8ポンド/立方フィートの材料も用いることができる。また、断熱材料は、少なくとも約1600°Fの温度まで熱的に安定であることが好ましい。
【0031】
適切な断熱材料には、人工ガラス状繊維および任意に5〜10重量%の有機結合剤を含む不織ウェブが含まれる。例には、ガラス繊維、鉱物ウール、耐火セラミック材料、およびその混合物が含まれる。これらの材料は、安価であり、断熱火炎止め障壁を越えて移動する熱を効果的に減少させる良好な断熱値を有する。特定の断熱材料の選択は、個々の物品および断熱火炎止めシステムの両方に関する多数の因子によって決まることになる。因子には、物品および完成システム両方での繊維断熱材料の総量、材料コーティング、健康的関心、設置の容易さが含まれる。
【0032】
繊維の総量は、典型的には、材料の密度、設置中の繊維材料の圧縮、および繊維対非繊維材料比により制御される。不織繊維ウェブは、「ショット」とも言われる高度繊維対非繊維比の材料を含むことが好ましい。ショットが少ない材料は絶縁値が高い。適切な材料には、人工ガラス状繊維が含まれる。好ましい断熱材料は、他の不織繊維断熱材料に比較して低価格であり、健康上の懸念が最小であることにより鉱物ウールである。更に好ましい不織繊維断熱材料は玄武岩で作られた鉱物ウールである。あまり好ましくない材料には、スラグともよばれる混合酸化物で作られたものが含まれる。
【0033】
鉱物ウールは、典型的には、火災時に経験される温度で焼結するため、火炎止め障壁の高温側と低温側との間で材料が非焼結状態から焼結状態に進行する。一般に、材料が焼結すると、火炎止め材料としての効果が低下する。従って、断熱材料の少なくとも一部が、ASTM E814と同等の状態または典型的には火災または火災様状態で遭遇する状態に露出される間、ほぼ1600°F未満に留まることが好ましい。また、高温側と低温側との間の火炎止めの平均温度も約1600°F未満であることが望ましい。断熱材料の断熱値を最大にすることにより火炎止めの低温側での温度増加を最小にすることが可能である。高密度および/または高度繊維対ショット比のウェブを選択することにより、ウェブの断熱値が増大する。
【0034】
また、鉱物ウールの焼結は、焼結により相当な収縮が引き起こされるため有害である。これは、断熱値および物品および設置システム両方の一体性を減少させる作用がある。また、収縮により、火炎障壁を形成するように貫通部に配置された隣接する火炎止め物品間に空隙が形成される可能性もある。これらの空隙は、熱、炎、および煙が火炎止め障壁を通過することができる通路となる。
【0035】
好ましい不織ウェブ材料は、オンタリオ州サーニアのフィブレックスインシュレーション(Fibrex Insulation(Sarnia,Ontario))から入手可能な1260ボードミネラルウール(BOARD MINERAL WOOL)である。ガラス状繊維材料に問題がある用途では、適切な材料は、ミネソタ州セントポールのスリーエムカンパニー(3M Company(St.Paul,MN))から入手可能なウルトラダム(ULTRA DAM)4000ストリップス(STRIPS)である。
【0036】
膨張性材料12、16の層は、膨張剤、安定剤、および結合剤を含むことが好ましい。好ましい実施形態では、膨張剤は実質的にグラファイトを含まない。膨張性材料には、充填剤および有機炭化物形成成分を含むことができる。適切な膨張性材料は、ウェルナ(Welna)に付与された米国特許第5,476,891号明細書に記載されている。適切な市販の膨張性材料は、スリーエムカンパニー(3M Company)から商品名スリーエムファイアバリア(3M FIRE BARRIER)FS−195+ラップ/ストリップ(WRAP/STRIP)で入手可能な有機/無機耐火性エラストマーシートである。好ましい市販の膨張性材料は、スリーエムカンパニー(3M Company)から商品名イーフィス(E FIS)で入手可能な可撓性のある膨張性ストリップである。
【0037】
図2の物品2は、断熱材料14の不織ウェブが膨張性材料12、16の層の間に挟まれて示されている。しかし、他の構造も可能である。例えば、膨張性材料12、16は、繊維断熱材料14を完全に囲むことができる。物品が外表面に膨張性材料を含むように形成すると、火事の際に膨張性材料が拡張し、隣接する物品からの膨張性材料と接触することができる。拡張した膨張性材料は接着剤であるため、物品が組み合わされて、火炎および煙が開口部を通過することを防ぐ構造障壁を形成し、更に、二次的支持構造または補強を用いることなくASTM E814のホースストリーム構成要素を通過させるのに十分な機械的一体性を有する障壁を設ける。或いは、この構造から断熱材料14を省略することもできる。
【0038】
火炎止め物品2に取り付け表面8を設けることにより、本発明の火炎止め物品2は、二次的補強を必要とすることなく壁、床、および天井の開口部に火炎止めを設けるのに用いられる能力を有し、このため、設置時間が減少し、開口部に再入するのが容易になり、費用が減少し、設置の複雑さが軽減し、現場の実務業務が簡単になる。
【0039】
本発明の別の望ましい特徴は、火災または火災様状態に遭遇するような高温に暴露されると、二次的補強を必要とすることなくASTM E814のホースストリーム構成要素を通過させることができる粘着性強度および接着特性が生じることである。二次的補強を必要とすることは、市販の材料で構築された火炎止めシステムの主な望ましくない特徴である。
【0040】
火炎止め障壁は再入されることが多いため、閉鎖容器の外表面が周囲温度で接着しないことが好ましい。接着剤の閉鎖容器が周囲温度で結合する場合には、物品は、再入の間に損傷され、これによって再入が困難で、費用がかかり、時間がかかるものになる。従って、本発明による物品は、火災または火災様状態に遭遇するような比較的高温に暴露された後のみに接着剤/粘着性特性を生じ、このような温度に暴露される前には容易に分離することができる。結合形成温度は、膨張性材料の外側層に周囲温度では接着剤/粘着性でないものを選択することにより、または膨張性材料の外表面に外側層(例えばポリエチレンフィルム)を含むことにより制御することができる。先に記載したように、火炎止め材料の形状に一致することが好ましい密封バッグに膨張性材料を封入することにより外側層を設けることができる。
【0041】
火炎止め材料は、一般に、少なくとも部分的に融除可能であるため、火災が進行すると、高温側の材料の有効性は失われる。その結果、不織繊維内部材料および膨張性材料の両方が除去されてその効果が失われる。これは、粘着性強度および/または接着剤結合を破壊する作用がある。
【0042】
隣接する物品間を確実に有効に結合させるには2つの方法を用いることができる。第1に、結合は、比較的低い活性温度で形成することができ、これにより、火災時に除去されることになる分画以上の大きな界面の分画を覆うことができる。或いは、高温側またはその近傍の結合領域が形成され、粘着性/接着剤成分が次第に融除されて結合が破壊されるにつれて次第に低温側に移動することができる。一般に、膨張性材料を通って結合線が進行するのは、不織繊維ウェブを通って焼結線が進行するより速いことになる。粘着性/接着剤成分がチャーを形成することにより結合を保護し、物品が除去されるのを遅くすることが望ましい。チャーは結合と同じ場所を占め得る。
【0043】
膨張性材料の組成物には、非架橋または低度に架橋された高分画の熱可塑性ポリマーを含むことが好ましい。熱可塑性ポリマーは、典型的には、火災時の温度で粘性流となるため好ましい。材料が流れることにより、材料は不織繊維断熱材料を通過してそれと結合を形成することができる。しかし、殆どの熱可塑性ポリマーの流れは火災様状態では大きすぎる。しかし、熱可塑性ポリマーの粘性流特性は、充填剤を加えて熱可塑性ポリマーを架橋することにより修正することができる。更に、三水酸化アルミニウム(ATH)のような適切な充填剤も、組成物に耐火性を付与する。適切なポリマーには、ポリクロロプレン、フルオロポリマー、EVA、およびポリアクリレートが含まれる。この用途には、本質的に難燃性のポリマーが特に適切である。
【0044】
本発明の膨張性システムの拡張度は中程度である。拡張が大きすぎれば、壁(または床)を破壊するか、貫通部から強制的に排出されることにより機能しなくなる可能性がある。また、膨張性火炎止め材料は、一般に、拡張時およびその後には更にもろくなる。拡張がすすみ、これに対応して密度が減少すると、材料の一体性が小さくなりすぎてASTM E814ホースストリーム試験に合格しない点に到達する。
【0045】
今度は図3および図4を参照すると、閉鎖容器106に含まれる火炎止め充填剤材料104を含む本発明による第2の火炎止め物品102が示される。伸張剥離接着剤ストリップ122を物品102の片側の外表面110に設け、物品が壁、床、または天井の開口部内に除去可能に固定され、開口部内に配列される他の隣接する物品に固定されるようにする。接着剤ストリップ122の数および位置は、設置部位の特定の必要性に応じて調節することができる。
【0046】
伸張剥離接着剤は、基層にしっかりと接着した後、伸張することによりきれいに除去することができる接着剤である。適切な伸張剥離接着剤テープには、弾性基材、高度に伸長可能で実質的に非弾性の基材を含むことができ、固体の弾性感圧接着剤で作られたテープとすることもできる。適切な伸張剥離テープは、米国特許第4,024,312号明細書(コープマン(Korpman))、ドイツ国特許第33 31 016号、米国特許第5,516,581号明細書(クレッケル(Kreckel)ら)、および米国特許第6,231,962号(ブリーズ(Bries)ら)に記載されている。また、伸張剥離接着剤テープには、米国特許第6,004,642号明細書(ラングフォード(Langford))に記載された層のような分割可能な層、またはPCT国際公開の国際公開第99/31193号パンフレットに記載された層のような再締結可能な層を含むことができる。市販の伸張剥離接着剤テープには、商品名コマンド(COMMAND)でミネソタ州セントポールのスリーエム(3M(St.Paul,MN)により販売されている製品、および商品名パワーストリップス(POWER−STRIPS)でドイツ国ハンブルグのテサエージー(tesa AG(Hamburg,Germany))により販売される製品が含まれる。これらの製品は、除去するときにストリップを伸張するのを容易にするために一端に非接着剤プルタブを含む不連続なストリップとして現在製造されている。ストリップの接着剤表面は、剥離ライナ(図示せず)で付加的に保護することができる。
【0047】
物品102の設置を容易にするために、伸張剥離接着剤ストリップには、最初に、伸張剥離接着剤ストリップの接着剤表面を覆う剥離ライナを設けることができる。剥離ライナはそれ自身に重なる関係で折り曲げ、伸張剥離接着剤ストリップライナが、物品を開口部内の固定位置にしたままで剥離ライナの自由端部を引張ることにより逆剥離で各表面から除去することができるようにすることが好ましい。このように、剥離ライナにより、物品は容易に滑動して開口部内の位置に入ることができ、物品が望ましい部位に入ってしまえば、剥離ライナが除去され、物品を隣接する物品または開口部自身に接着剤結合させることができる。
【0048】
或いは、伸張剥離接着剤ストリップ122は、スリーエムカンパニー(3M Company(St.Paul,MN))から入手可能なポストイットノート(Post−It Note)ブランドの接着剤のような一時的に再位置決め可能か容易に除去可能な接着剤で置き換えることができる。物品に再位置決め可能な接着剤を付与することにより、物品は、開口部内に固定的に配置することができるが、物品を損なうことなく繰り返し取り付けて取り外しすることも置換することもできる。
【0049】
閉鎖容器106は、図1および図2に関して上に記載したような紙、プラスチック、および織および不織布を含む種々の材料で形成することもでき、可撓性があり内容物と合致できる耐火材料で形成することもできる。適切な耐火材料には、全て、ミネソタ州セントポールのスリーエムカンパニー(3M Company(St.Paul,MN))から入手可能なスリーエムファイアバリア(3M FIRE BARRIER)FS−195+膨張性ストリップ、インタラムジーマット(INTERAM G−MAT)膨張性シート、またはスリーエムネクステル(3M NEXTEL)AF−10織布が含まれる。好ましい耐火材料は、各々、オハイオ州ウェストチェスターのスノーフィルトレーション(Snow Filtration(Westchester,OH))から入手可能なリーメイ(REEMAY)スパンボンドウェブ2016番のような難燃性ポリエステルカバーウェブで両側にラミネートされたインタラムジーマット(INTERAM G−MAT)である。
【0050】
火炎止め充填剤材料104は、膨張性材料、断熱材料、および吸熱材料の混合物を含むことができる。或いは、火炎止め充填剤材料は、成形可能な膨張性パテとすることができる。
【0051】
本発明の火炎止め物品のデザインでは、赤外線放射遮断層を含むことが望ましいことが多い。火事の際には、火炎止めにおよびそれを越えて移行する熱の大きな割合が赤外線放射として発生する。従って、赤外線放射を遮断する火炎止めにより、そうでなければ断熱、吸熱、または他の手段により阻止される必要がある熱の移行を最小にすることになる。
【0052】
従って、貫通部を越えて移行する熱の量を減少させ、それによって物品102の火炎止め特性を改善するために、閉鎖容器106は、任意に、閉鎖容器106の内表面または外表面の何れかに隣接して配列した赤外線放射遮断材料のシート(図示せず)を含むことができる。
【0053】
適切な赤外線放射遮断材料には金属ホイルが含まれる。好ましい赤外線放射遮断材料は、ミネソタ州セントポールのスリーエムカンパニー(3M Company(St.Paul,Minnesota))から入手可能なネクステルフレームストッピングドットペーパー(NEXTEL FLAME STOPPING DOT PAPER)である。この材料および他のガラス状材料は、赤外線スペクトルの放射の大部分を反射し、従って、赤外線放射遮断剤として有用である。特定の例には、更に、融点が殆どの火事でみられる温度以上であるという利点がある。更に、その可撓性/ドレープ可能性は多くの金属ホイルより高い。
【0054】
閉鎖容器106は、赤外線放射遮断材料に隣接して配列された吸熱材料のシートを更に含むことができる。吸熱材料のシートの位置は、赤外線放射遮断材料の位置と交換することができることは理解されると考える。
【0055】
適切な吸熱化合物には、典型的には、アンモニア、二酸化炭素、および/または水のような1つまたはそれ以上の小さな分子を発生させて熱分解するか、揮発するか、システムに熱エネルギーの真の取り込みが与えられるように火炎障壁材料または周囲環境内に存在する1つまたはそれ以上の他の化合物と反応する化合物が含まれる。小さな分子が発生することまたは吸熱化合物の成分が実質的に揮発することを伴う場合には、熱の一部は火炎障壁材料および火炎障壁材料により保護される部品から奪われる可能性がある。固体吸熱化合物は、融解熱、熱容量、気化熱、および熱気体が火炎障壁材料から出るときの熱エネルギー損失の各々と別個に寄与することができる。吸熱化合物により生じるあらゆる揮発気体は可燃性でないことが好ましい。
【0056】
適切な吸熱化合物には、194と2732°F(90と1500℃)との間で発熱分解または燃焼することなく吸熱反応または相変化する無機材料が含まれる。例示的な化合物には、三水酸化アルミニウム(ATH)、Al(OH)、水和臭化ホウ酸亜鉛(ZnB・6HO)、カルシウム硫酸塩(CaSO・2HO)(石膏としても知られる)、リン酸マグネシウムアンモニウム(MgNHPO・6HO)、水酸化マグネシウム(Mg(OH))、および封入HOが含まれる。好ましい吸熱剤には、リン酸マグネシウムアンモニウム6水和物MgO・2B・9HO、石膏、およびMgHPO・3H0が含まれる。
【0057】
火炎止め充填剤材料104は、複数の不連続な粒子104a、104b、104cを含む。膨張性充填剤材料には、膨張性化合物が含まれ、或いは、断熱材料、吸熱化合物、およびその混合物を含むことができる。膨張性化合物は、加熱すると本来の容量の少なくとも約1.5倍まで拡張するものである。物品102に用いられる膨張性化合物の量および種類は、特定の最終用途、火炎止めを設けられる貫通部の大きさ、および物品102の大きさによって決まることになる。
【0058】
例示的な膨張性化合物には、介在グラファイトおよび酸処理グラファイトのような膨張性グラファイト、水和ケイ酸アルカリ金属、バーミキュライト、パーライト、NaBSi、CO発泡剤がガラス粒子に組み込まれた火山ガラス、マイカ、およびそれらの混合物が含まれる。膨張性化合物は、例えば、膨張性材料のシートを小さな部片に刻むことにより形成することができる不連続な粒子の形であることが好ましい。
【0059】
適切な膨張性グラファイト材料には、何れもオハイオ州クリーブランドのユーシーエーアールカーボン(UCAR Carbon(Cleveland,Ohio)から商品名グラフガード(GRAFGUARD)160およびグラフガード(GRAFGUARD)220で市販される酸介在性グラファイトが含まれる。別の適切な膨張剤は、ミネソタ州セントポールのスリーエムカンパニー(3M Company(St.Paul,MN))から商品名エクスパントロールフォービーダブリュープラス(EXPANTROL 4BW PLUS)で市販される粒状水和ケイ酸アルカリ金属の膨張性組成物またはこれもスリーエムカンパニー(3M Company)から入手可能な細断インタラムウルトラジーエス(INTERAM ULTRA GS)膨張性の吸熱性化合物である。
【0060】
ミネソタ州セントポールのスリーエムカンパニー(3M Company(St.Paul,MN))から商品名エクスパントロールフォービーダブリュープラス(EXPANTROL 4BW PLUS)で市販される粒状水和ケイ酸アルカリ金属の膨張性化合物は、極めて高密度であり、膨張性特性が良好である。膨張性グラファイトは、エクスパントロールフォービーダブリュープラス(EXPANTROL 4BW PLUS)およびインタラムウルトラ(INTERAM ULTRA)GSに比較して優れた膨張性特性を有し、比較的低密度である。
【0061】
付加的な膨張性化合物は、米国特許第5,869,010号明細書(ランガ−(Langer))、同第5,476,891号明細書(ウェルナ(Welna))、同第5,830,319号明細書(ランディン(Landin))、同第5,523,059号明細書(ランガー(Langer))、同第6,153,674号明細書(ランディン(Landin))、および同第6,153,668号明細書(ゲストナー(Gestner)ら)に記載されている。
【0062】
閉鎖容器106を含むことが望ましいが、閉鎖容器106は必ずしも必要ではないことに留意されたい。従って、伸張剥離接着剤ストリップ122は、火炎止め充填剤材料104に直接固定することができる。
【0063】
物品102の少なくとも1つの主要面の外表面110に、後にストリップを除去することを望む使用者の手が届くように開口部から外向きに延びる非接着剤プルタブ122を備えた伸張剥離接着剤ストリップ122を設けることにより、物品102は、設置中に壁、床、または天井の開口部内の適所に固定することができ、使用中に適所に保持することができ、ケーブル、または他の部品を開口部に加える必要がある場合、選択した物品は、露出する非接着剤プルタブを介して関連する伸張剥離接着剤ストリップを伸張剥離することにより容易に除去することができ、これにより、対応する物品を剥離することができる。開口部に部品を付加するか除去する作業を終えると、再び、将来伸張剥離するときに手が届くように開口部から外向きに延びる非接着剤プルタブを備えた新しい伸張剥離接着剤ストリップを用いて、先に除去していた物品を適所に固定する。
【0064】
上に記載した本発明の概念から逸脱することなく種々の変形形態および変更形態を作ることができることは当業者には明らかであると考える。例えば、本発明の火炎止め物品は、立方体、円筒形、球、または不規則な形状のような種々の形状に作ることができることは理解されると考える。また、取り付け表面は、特定の最終用途および/または物品の形状によって、種々のパターンおよび種々の被覆程度で設けることができる。また、図1および図2に示す取り付け表面は図3および図4に示す物品に用いることができる。同様に、図3および図4に示す伸張剥離接着剤ストリップは、図1および図2に示す物品に用いることができる。従って、本発明の範囲は、当然、本明細書に記載の構造ではなく、特許請求の範囲の言葉で記載された構造およびこの構造の同等物によってのみ限定される。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明による火炎止め物品の斜視図である。
【図2】図1の線2−2に沿ってとった断面図である。
【図3】本発明の第2の実施形態の斜視図である。
【図4】図3の線4−4に沿ってとった断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
仕切壁の開口部に火炎止めを設けるための火炎止め物品であって、
(a)火炎止め材料と、
(b)前記物品が対になる表面と繰り返し連結することができるように構成された取り付け表面と、
を含む、火炎止め物品。
【請求項2】
前記取り付け表面がフック‐アンド‐ループ型締結具のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の火炎止め物品。
【請求項3】
前記取り付け表面がフック‐アンド‐ループ型締結具の両方を含む、請求項1に記載の火炎止め物品。
【請求項4】
前記取り付け表面が機械的自己結合締結具を含む、請求項1に記載の火炎止め物品。
【請求項5】
前記取り付け表面が再締結可能な機械的締結具である、請求項1に記載の火炎止め物品。
【請求項6】
前記取り付け表面が伸張剥離接着剤を含む、請求項1に記載の火炎止め物品。
【請求項7】
前記取り付け表面が接触応答材料の層を含む、請求項1に記載の火炎止め物品。
【請求項8】
前記取り付け表面が再位置決め可能な接着剤を含む、請求項1に記載の火炎止め物品。
【請求項9】
前記火炎止め材料の周りに配置された閉鎖容器を更に含む、請求項1に記載の火炎止め物品。
【請求項10】
前記閉鎖容器がポリマーフィルムで形成される、請求項9に記載の火炎止め物品。
【請求項11】
前記閉鎖容器が、フック様締結要素に対して対になる表面として働くループ様特性を有する材料で形成される、請求項9に記載の火炎止め物品。
【請求項12】
前記閉鎖容器が可撓性のある耐火材料で形成される、請求項9に記載の火炎止め物品。
【請求項13】
前記火炎止め材料が膨張性材料を含む、請求項1に記載の火炎止め物品。
【請求項14】
前記火炎止め材料が、内部断熱材料および前記内部材料の少なくとも一部の周りに配置された膨張性材料を含む、請求項1に記載の火炎止め物品。
【請求項15】
前記断熱材料が鉱物ウールを含む、請求項13に記載の火炎止め物品。
【請求項16】
仕切壁の開口部に火炎止めを設けるための火炎止め物品であって、
(a)内部断熱材料および前記内部材料の少なくとも一部の周りに配置された膨張性材料を含む火炎止め材料と、
(b)前記火炎止め材料を取り囲むポリマーフィルムで形成された閉鎖容器と、
(c)前記物品が対になる表面と繰り返し連結することができるように構成されたフック‐アンド‐ループ型締結具の両方を含む再締結可能な自己結合取り付け表面と、
を含む、火炎止め物品。
【請求項17】
仕切壁の開口部に火炎止めを設ける方法であって、
(a)(i)火炎止め材料と、
(ii)前記火炎止め材料を取り囲む閉鎖容器と、
(iii)前記物品が対になる表面と繰り返し連結することを可能とする前記閉鎖容器上に配置される取り付け表面と、
を含む火炎止め物品を提供する段階と、
(b)1つの火炎止め物品の前記取り付け表面が隣接する火炎止め物品の前記取り付け表面と連結した状態で複数の火炎止め物品を開口部に配置する段階と、
を含む方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2006−514524(P2006−514524A)
【公表日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−568332(P2004−568332)
【出願日】平成15年12月18日(2003.12.18)
【国際出願番号】PCT/US2003/040207
【国際公開番号】WO2004/071584
【国際公開日】平成16年8月26日(2004.8.26)
【出願人】(599056437)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (1,802)
【Fターム(参考)】