説明

取り外し可能な植物保護システム及び植物保護方法

本発明は、上方に延びる壁部(3)を有した壁モジュール(2)であって、太陽が最高軌道点に達しているときは前記壁モジュール(2)の付近の土壌区域(4)に影を落とし且つ昼間の時間帯であって太陽の高度が比較的低いときは太陽光線を許容して土壌区域(4)に届くように前記壁部が構成されている、壁モジュール(2)を備えた取り外し可能な植物保護システム(1)に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、壁モジュールを備えた取り外し可能な植物保護システムに関する。
【発明の背景および概要】
【0002】
国際公開WO2009/078721号は、大気中に存在する水分を再生するための装置を開示している。この装置は、水分回収構造体に連結されるとともに、この回収構造体内に配置された若い植物を少なくとも部分的に横方向に囲むチューブを有している。
【0003】
WO‘721号に開示された装置が、強い太陽光線を受ける地域で使用された場合、若い植物はこの太陽光線に反応して枯れてしまうことがあり得る。これに対して、太陽光線が植物に届かないようにチューブを配設すると、植物の成長が非常に遅くなる可能性がある。
【0004】
本発明の目的は、適度な強さを持つ太陽光線のみを許容する壁モジュールを備えた取り外し可能な植物保護システムを提供することである。壁モジュールは、太陽が最高軌道点に達しているときは壁モジュールの付近の土壌区域に影を落とすように且つ昼間の時間帯であって太陽の高度(仰角)が比較的低いときは太陽光線を許容して土壌区域に届くように配設された、上方に延びる壁部を有している。壁モジュールは、間に土壌区域が配置された2つの略平坦な壁部を有している。壁モジュールは、少なくとも部分的に土壌区域を囲んでいる。壁モジュールは実質的に細長い形状を有している。壁モジュールは土壌カバー構造体に接続されている。
【0005】
太陽が最高軌道点にあって太陽光線の強さが概ね強いときは影をつくり且つ昼間の時間帯であって太陽の高度が比較的低く太陽光線の強さが概ね適度であるときは太陽光線を許容するような上方に延びる壁部を取り外し可能に設けることにより、植物を強すぎる太陽光線から保護することができる一方で、それほど強くない太陽光線は植物に到達することができるため、植物に最適な光の状態が提供される。
【0006】
有利には、壁モジュールは少なくとも部分的に土壌区域を囲んでおり、これにより植物は最適な状態で保護される。
【0007】
本発明の一態様によれば、壁モジュールは実質的に細長い形状を有している。したがって、この細長い土壌形状の長手方向軸が東西ラインに沿って配向されている場合には、日の出と日の入り時に光が許容され得る。一方、午後に太陽がその最高軌道点に達しているときは、平坦壁部が土壌に届く太陽光線を低減させるか、或いは全く届かなくする。
【0008】
本発明による更なる有利な実施形態が以下の請求項に記載されている。
【0009】
本発明は、また、植物保護方法に関するものである。
【0010】
例示のみを目的として、これより本発明の更なる有利な実施の形態が以下の添付図面を参照して説明される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、本発明による取り外し可能な植物保護システムの概略斜視上面図である。
【図2】図2は、カバー層を更に有する、図1に示す保護システムの概略斜視断面図である。
【図3】図3は、水分収容構造体を更に有する、図2に示す保護システムの概略斜視断面図である。
【図4】図4は、図3に示す保護システムの概略斜視上面図である。
【図5】図5は、図1に示す保護システムの概略斜視底面図である。
【図6】図6は、本発明の保護システムの別の実施形態の概略上面図である。
【図7】図7は、本発明の保護システムの更に別の実施形態の概略上面図である。
【図8】図8は、本発明の保護システムの更に別の実施形態の概略断面図である。
【図9】図9は、図8に示す概略断面の概略詳細図である。
【図10】図10は、植物を入れた本発明による保護システムの概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
なお、これらの図面は本発明の好適な実施形態のみを示すものである。図面において、同一の参照符号は、同等又は対応する部品を指している。
【0013】
図1は、本発明による取り外し可能な植物保護システム1の概略上方斜視図である。本システムは、壁部(壁セグメント)3を有して上方に延びる壁モジュール2を備えている。取り外し可能な植物保護システム1の使用中、1又は複数の種、種子、草木、植物又は小型の木が土壌区域4に配置されている。また、壁モジュール2は、一方で太陽がその最高軌道点に達しているときは壁モジュール2が壁モジュール2の付近の土壌区域4に影を落とすように、且つ、他方で昼間の時間帯であって太陽の高度が比較的低いとき、例えば日の出の数時間後及び/又は日の入りの数時間前には、壁モジュール2が太陽光線を許容して土壌区域4に届くように、構成されている。
【0014】
本システムは、地表上に置かれるとともに、壁部3が地球の円の緯度線と略平行に、すなわち、東Eから西Wに延びる東西ライン5に沿って延びるように向きを定めて配置される。東西ライン5は、北Nから南Sに延びる経度線とも呼ばれる南北ライン6に垂直である。
【0015】
日の出後に太陽光線が東西ライン5に沿うほぼ東Eから西Wに向かう方向を有するとき、壁モジュール2は太陽光を土壌区域4にアクセス可能として、1又は複数の種、種子、草木、植物、及び/又は小型の木の成長に寄与する。太陽光線に沿った壁の位置に対する種、種子、草木、植物、及び/又は小型の木の間隔は比較的大きい。同様に、日の入り前に太陽光線が東西ライン5に沿ったほぼ東Eから西Wに向かう方向を有するとき、太陽光は土壌区域4に達することができる。この観点から、太陽光線の方向は、ここでは地表上に投影された方向を用いて説明される。換言すれば、明瞭を期すために太陽光線の高さ成分を無視して、太陽光線の方向は、東西南北という地球の風向体系の表現を使って説明される。朝晩の時間帯は、太陽光の強さは比較的小さいため、種、種子、草木、植物、及び/又は小型の木に対するダメージは緩和されている。しかしながら、太陽がその最高軌道点に達すると、太陽光線の方向は南北ライン6に沿うものとなるため、壁モジュール2が土壌区域4に影を投げかける。これにより、大きすぎる可能性のある太陽光の強さに対して種、種子、草木、植物、及び/又は小型の木は保護される。太陽光線に沿った壁の位置に対する種、種子、草木、植物、及び/又は小型の木の間隔はこの時点では比較的小さい。したがって、このとき壁は保護されるべき土壌区域4に影区域を提供することにより遮光効果を発揮する。植物保護システムが南半球にて使用される場合には、図1に示す状態のように、影は南Sに向かって投げかけられる。これに対して、植物保護システム1が北半球にて適用される場合には、影は北Nに向かって投げかけられる。本発明によるシステム1は、最高軌道点にある太陽が非垂直仰角を有する非熱帯地方において、特に適用可能である。
【0016】
図1に示す実施形態は、間に土壌区域4が配置された2つの略平坦な壁部3、7を有し、対称な構成を備えている。システム1の使用者は、東西ライン5に沿って壁部3、7の向きを調整すれば、壁モジュール2の影になる側を懸念する必要はなく、これにより、土壌区域4が意図せずに丸一日中太陽にさらされるという事態を回避することができる。しかしながら、原則としては、単一の上方に延びる壁部を用いることができる。更に、図示された壁部3、7は、土壌区域4に面する側において略平らである。本発明のシステムの他の実施形態において、土壌区域4に面する側においてわずかに湾曲している壁部等、他の壁部形状が適用される。
【0017】
有利には、壁モジュール2が土壌区域4を全体的に囲んで、すなわち包囲しており、これにより、土壌区域4にある種、種子、草木、植物、及び/又は、若い木を物理的または機械的に保護する単純で頑丈なシステムが提供される。しかしながら、例えば、製造工程において材料を節約する等の目的のために、壁モジュール2を部分的に土壌区域4を囲むように配設することも可能である。
【0018】
少なくとも部分的に囲まれた土壌区域4が実質的に細長い形状を有するように壁モジュール2を配設することにより、光線を最良の態様で活用することができる。すなわち、太陽の強さが比較的小さいときは太陽光を受ける一方で、比較的大きい強さを有する太陽光の入射は防止される。更に、細長い形状を有することにより、例えば2又は3の植物等、複数の植物を配置することができる。その上、植物保護システム1が取り外し中で持ち上げられる際に、細長い形状は植物により広い空間を提供する。
【0019】
図示された実施形態においては、少なくとも部分的に囲まれた土壌区域4が、2つの略ディスク形状部(円盤形状部)8、9を有している。ディスク形状部8、9は、2つの略平坦な壁部3、7に囲まれたストリップ形状部(細片形状部、細長形状部)10を介して接続されており、これによりバーベル形状部4が形成されている。一例として、第一植物が第一鉛直ディスク軸A1に沿って第一ディスク形状部8に設置される一方、第2植物が第二鉛直ディスク軸A2に沿って第二ディスク形状部9に配置される。他の例として、第一植物が第一ディスク形状部8に設置される一方、細長い植物支持要素、例えば植物を支持し及び/又は案内するための例えばポール、が略鉛直方向に第二ディスク形状部9に設置される。或いは、細長い植物支持要素を、少なくとも部分的に囲まれた土壌区域の別の箇所に、例えばストリップ形状部10に、配置することも可能である。当然ながら、例えばストリップ形状部により接続された矩形状部等、その他の幾何学的構成も適用可能である。更に、ディスクの中央線を、ストリップ形状部10の幅に略一致させてもよい。他の選択肢として、壁モジュールは、細長い形状の土壌区域を包囲している。
【0020】
太陽がその最高軌道点に向かって昇っているときに影を土壌区域4に落とすように、壁モジュール2は略鉛直方向に向くように配置されているとともに上方に先細り(テーパ)している。他の選択肢として、壁モジュール2は水平方向の断面が略不変の円筒形状である。囲まれた区域における低い方の領域が囲まれた区域における高い方の領域より大きくなるように、壁モジュール2を先細りさせることにより、土壌区域に植物のための比較的大きい容積を作り出すことができるため、植物は上方向及び横方向の両方向に成長することができる。したがって、この比較的大きい容積と上方に先細りした壁モジュールの換気性により、植物は最適な融合をもたらす自然な方法で成長することができる。このため、比較的高いが細く形成される植物構造の成長が防止される。
【0021】
取り外し可能な植物保護システムは、更に、貯水部の底部を形成する土壌カバー構造体11を備えている。水を収容し保持するように、底部11は径方向外側壁部12に取り付けられている。底部11は、下層土の灌漑(注水)用の多数の灌漑点(注水点)13−20を設けられている。これらの灌漑点は、一回ずつ又は定量ずつの態様で下層土を灌漑するように、注入針又は毛管構造体21に接続されていてもよい。壁モジュールはカバー構造体11に取り付けられて、貯水部の径方向内側壁部を形成している。壁モジュール2とカバー構造体11と更には径方向外側壁部12とは一体に形成することができる。或いは、製造工程の後の方の段階で取り付けられてシールされてもよい。貯水部を構成する代わりに、壁モジュール2とカバー構造体11とを、保護された土壌区域を囲む土壌を覆うための物理的または機械的に安定した構造体を構成するものとして利用することも可能である。
【0022】
図2は、貯水部の上部を形成するカバー層22を更に有する保護システム1の概略斜視断面図である。カバー層22は、好適には保護システム1に配置される別要素として形成されている。カバー層22は、貯水部1への入口となる開口部23を有している。
【0023】
図3は、雨、ブルーム及び大気からの他の水分を収容するための特殊な幾何学的構成を有する水分収容構造体24を更に有する保護システム1の概略斜視断面図である。水はドレイン25に集められ、下方に延びるパイプ26、27を介して貯水部に流れる。水分収容構造体24は、更に、カバー層22の開口部23を取り外し可能に閉鎖するキャップ28と、貯水部の径方向外側壁部12の流出開口部30に余分な水を流す流出ドレイン29と、を有している。壁モジュール2は、カバー層22と水分収容構造体24を貫通して延び、ドレイン25の径方向内側壁を形成している。水分収容構造体24もまた、モジュール方式に従って植物保護システム1と別に製造しこれに取り付けることが可能である。或いは、水分収容構造体24又はカバー層22が、ドレイン25の径方向内側壁を形成してもよい。
【0024】
図4は、モジュール方式に従って得られた、好適には取り外し可能な態様の、保護システムの概略斜視上面図である。或いは、保護システムを、互いに固定的に取り付けられる多数の別要素として製造することができる。
【0025】
図5は、保護システム1の概略斜視底面図である。
【0026】
図6は、本発明の保護システム1の別の実施形態の概略上面図である。ここでは、壁モジュール2が部分的に土壌区域4を囲んでいる。図示の実施形態において、壁モジュール2は、ストリップ形状部43により接続された2つのディスク形状区域41、42を囲むバーベル形状外形部40の輪郭として形成されている。偏心的に配置されたディスク形状区域42は、入口区域44を介して保護システム1の外側からアクセス可能である。種、種子、草木、植物、及び/又は植物のための成長区域がより大きいため、植物の成長過程を妨害することなく、システム1をより長い期間に亘って置いておくことができる。更に、システムを鉛直方向に取り外す代替方法として、植物が入口区域44を介してシステムを抜け出るように、システムを水平方向にスライドさせることによりシステムを取り外すことも可能である。水平方向の取り外し方法を採用する場合には、植物がダメージを受ける可能性がかなり低くなる。また、本システムは、水を貯水部に向かって流すための下方に延びる管45、46、47を有している。本発明の保護システムの更に別の実施形態において、壁モジュールはより限定された態様で土壌区域4を囲んでいる。例えば、およそ180°の角度範囲に亘って土壌区域4を囲む壁モジュールを設けることができる。この実施形態は、図1に示す実施形態の東西ライン5に沿った分割バージョンであり、これにより取り外し可能な植物保護システムの材料及び容積を50%節約することができる。当然ながら、他の変形例も可能である。例えば、システムは、およそ270°の角度範囲に亘って土壌区域を囲む壁モジュールを有していてもよい。
【0027】
図7は、本発明の保護システムの更に別の実施形態の概略上面図である。ここでは、壁モジュール2はU字状外形部40として形成されて、入口区域44を介して保護システム1の外側からアクセス可能なストリップ形状区域43を囲んでいる。
【0028】
植物保護システム1の使用中、本システムの下方の土壌が不均一に敷かれていてもよい。これにより、例えば貯水部内の水の影響を受けるカバー構造体11は曲がり得る。また、一方の壁モジュール2と、他方の水分収容構造体24及び/又はカバー層22との間に開口部を形成し得る。この結果、水は貯水部から蒸発により脱出することができる。
【0029】
図8は、本発明の保護システムの更に別の実施形態の断面図である。ここでは、本発明の保護システム1の有利な実施形態において、壁モジュール2は、接続手段、好適には解放可能な接続手段、によって水分収容構造体24に接続している。この接続手段は、例えば、1以上のスナップ固定接続要素50等の、単独の固定要素又は複数の固定要素を有している。
【0030】
図9は、図8に示す概略断面の細部IXの概略詳細図である。ここでは、壁モジュール2は、突起(引っ掛かり部)54を設けられた複数の腕部(合釘)51を備えている。水分収容構造体24を壁部2に取り付けることにより、ドレイン25の径方向内側壁53内の孔52に腕部51が入り込む。使用中にカバー構造11が下方に曲がったとしても、突起54により腕部51が孔52から滑り出ることが防止される。突起54は腕部51の突出端部を形成し、この突出端部は腕部51が対応する孔52から意図せず外れることを防止する。突出端部は、腕部の長手配向に対して略横断する方向に延びている。例えば、突出端部は、壁モジュール2を横断する方向に、又は壁モジュール2に平行な方向に、延びている。腕部を取り外す力が腕部を挿入する力より大きくなるように、例えば腕部の端部を円錐形に形成することにより、突出端部は複数の方向に延び得ることが明らかである。したがって、接続要素は腕部51と、これと協働して固定接続を形成する孔52と、を有している。なお、接続要素は接続を構成する他の協働要素を有し得る。例えば、接続要素は孔を貫通して延びるねじ、ねじ釘を有し得る。相互に係合する要素を設けることにより、長期に耐え得る固定が得られる。更に、接続は、接着材料を用いる等の他の方法でも得ることが可能である。
【0031】
なお、図示の実施形態において、接続手段は壁モジュール2を水分収容構造体24に接続するように配設されている。これに代えて、又はこれに加えて、接続手段は壁モジュール2をカバー層22に接続するように構成される。
【0032】
任意であるが、一方の壁モジュール2と、他方の水分主要構造体24及び/又はカバー層22との間の接続は、カバー層22又は水分収容構造体24に対して壁モジュールを略垂直方向に案内するように、レールシステムを用いることによりスライド可能である。
【0033】
上記の接続により、一方の壁モジュール2と、他方の水分収容構造体24及び/又はカバー層22との間に開口部が形成されることが防止される。したがって、貯水部からの不所望の水の蒸発を防止することができる。
【0034】
本発明の一態様によれば、貯水部と大気との間に不所望の開口部が形成されないようにする他の手段を設けることができる。一例として、壁モジュール2の壁部が囲まれた土壌区域上の領域内に曲がらないようにするために、単独又は複数の支柱又はステー等の、壁モジュール2の対向する部分間を延びる補強要素が用いられ得る。他の例として、柔軟な不透水性の膜等の中間柔軟材を、例えばドレイン25と壁モジュール2との間に延びるように配置することができる。
【0035】
好ましくは、壁モジュール2、カバー層22、及び水分収容構造体24を含む貯水部の部品は、組み合わされて本発明のボックス形状の保護システム1を形成するモジュール式要素を形成している。更に好ましくは、個々の部品は、例えば入れ子にするなどコンパクトな態様で保管したり運搬したりできるように構成されている。一例として、水分収容構造体24は入れ子式に形成される。この点において、壁モジュールを上方に先細りさせることにより、壁モジュール2を有する貯水部も入れ子式にできるため、効率的に保管及び運搬可能な個々のモジュール式要素を有する3点要素製品を提供できる。
【0036】
種、種子、草木、植物、及び/又は木が成長した後、植物保護システム1を取り外すことができる。その後、本システムを、新たな種、種子、草木、植物、及び/又は木のための次の保護サイクルに利用できる。或いは、システム1は取り外されない。
【0037】
有利には、本システムは射出成形製品モジュールを含み、これによりコスト価格を潜在的に大きく低減することができる。
【0038】
図10は、第一ディスク形状部8を貫通して延びる植物60を保護している、本発明による保護システム1の概略斜視図である。更に、第二ディスク形状部9を貫通して延びる支柱61が植物支持要素として機能している。鉄ワイヤ、ロープ、弾性紐等の、単独又は複数の結合ユニット62が、植物60を植物支持要素に結合している。任意であるが、植物支持要素は、鉛直方向に対して横に延びる構造体を有していてもよい。
【0039】
本発明はここで説明した実施形態に限定されるものではない。多くの変形例が可能であることが理解されるであろう。
【0040】
当業者にとってはこのような他の変形例が自明であり、それらは以下の特許請求の範囲に記載の本発明の範囲を逸脱しないものと考えられる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上方に延びる壁部を有した壁モジュールであって、太陽が最高軌道点に達しているときは前記壁モジュールの付近の土壌区域に影を落とし且つ昼間の時間帯であって太陽の高度が比較的低いときは太陽光線を許容して土壌区域に届くように前記壁部が構成されている、壁モジュールを備え、
前記壁モジュールは、間に土壌区域が配置される2つの略平坦な壁部を有し、
前記壁モジュールは少なくとも部分的に土壌区域を囲んでおり、
前記壁モジュールは実質的に細長い形状を有し、
前記壁モジュールは土壌カバー構造体に接続されている、取り外し可能な植物保護システム。
【請求項2】
前記壁モジュールは、ストリップ形状部を介して接続された2つの略ディスク形状部を有している、請求項1に記載の取り外し可能な植物保護システム。
【請求項3】
前記壁モジュールは前記土壌区域を包囲している、請求項1又は2に記載の取り外し可能な植物保護システム。
【請求項4】
前記壁モジュールは略鉛直方向に配向される、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の取り外し可能な植物保護システム。
【請求項5】
前記壁モジュールは上方に先細りしている、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の取り外し可能な植物保護システム。
【請求項6】
前記土壌カバー構造体は貯水部の底部を形成している、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の取り外し可能な植物保護システム。
【請求項7】
前記貯水部は少なくとも1つの灌漑点を設けられている、請求項6に記載の取り外し可能な植物保護システム。
【請求項8】
大気に存在する水分を受けるとともに受け入れた水分を前記貯水部に向かって流す水分収容構造体を更に備える、請求項6又は7に記載の取り外し可能な植物保護システム。
【請求項9】
前記貯水部の上部を形成するカバー層を更に有する、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の取り外し可能な植物保護システム。
【請求項10】
前記壁モジュールは、前記水分収容構造体及び/又は前記カバー層を貫通して延びている、請求項6乃至9のいずれか一項に記載の取り外し可能な植物保護システム。
【請求項11】
前記壁モジュールを前記水分収容構造体及び/又はカバー層に接続する接続手段を更に備える、請求項1乃至10のいずれか一項に記載の取り外し可能な植物保護システム。
【請求項12】
前記システムはボックス形状である、請求項1乃至11のいずれか一項に記載の取り外し可能な植物保護システム。
【請求項13】
上方に延びる壁部を有した壁モジュールを、土壌区域の付近に、太陽がその最高軌道点に達しているときは前記壁部が前記土壌区域に影を落とし且つ日の出及び/又は日の入り時は前記壁部が太陽光線を許容して前記土壌区域に届くように、取り外し可能に設置する工程を備える植物保護方法。
【請求項14】
前記壁モジュールは少なくとも部分的に前記土壌区域を囲む、請求項13に記載の植物保護方法。
【請求項15】
細長い植物支持要素を、少なくとも部分的に囲まれた土壌区域に設置する工程を備える、請求項14に記載の植物保護方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2013−504322(P2013−504322A)
【公表日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−528769(P2012−528769)
【出願日】平成22年9月13日(2010.9.13)
【国際出願番号】PCT/NL2010/050581
【国際公開番号】WO2011/031153
【国際公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【出願人】(507404466)ホールディング、ペー.エム.エム.ホフ、ベスローテン、フェンノートシャップ (2)
【氏名又は名称原語表記】HOLDING P.M.M.HOFF B.V.
【Fターム(参考)】