取付構造体
【課題】高周波振動などを検出できるように機能部品をタイヤの内面に取り付けることを可能とする取付構造体を提供する。
【解決手段】取付構造体200は、所定の剛性を有する板状部材によって構成される枠体210と、所定の剛性を有する板状部材によって構成される挿入片220と、弾性部材によって構成される台座とを有する。枠体210は、Ω形状の断面を有しており、挿入片220は、C形状或いはΣ形状の断面を有する。挿入片220は、所定方向から枠体210に挿入される。
【解決手段】取付構造体200は、所定の剛性を有する板状部材によって構成される枠体210と、所定の剛性を有する板状部材によって構成される挿入片220と、弾性部材によって構成される台座とを有する。枠体210は、Ω形状の断面を有しており、挿入片220は、C形状或いはΣ形状の断面を有する。挿入片220は、所定方向から枠体210に挿入される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タイヤの状態を検出する機能を有する機能部品をタイヤの内面に取り付ける取付構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、1対のビードコアと、1対のビードコア間に跨るトロイダル形状を有するカーカス層と、カーカス層に隣接して配置されるベルト層と、ビードコア、カーカス層及びベルト層を被覆するゴム層とを備えるタイヤが知られている。
【0003】
タイヤは、ビードコアを有するビード部と、タイヤ踏み面を有するトレッド部と、タイヤの側面を形成するサイドウォール部と、サイドウォール部とトレッド部との間に跨って設けられるショルダー部とを備える。
【0004】
また、タイヤの内面を構成するゴム層(インナーライナー)に取り付けられる機能部品が知られている。機能部品は、例えば、タイヤの内部の温度や圧力などを計測するセンサモジュールである。一般的には、機能部品は、ゴムパッチなどによってインナーライナーに取り付けられる(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007-055347号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
近年では、タイヤと路面との間の摩擦によって生じる高周波振動を検出するセンサを機能部品としてタイヤの内面に取り付ける要望が存在する。しかしながら、上述した技術では、ゴムパッチの張力によって機能部品をタイヤの内面に取り付けているため、高周波振動を検出することが難しい。
【0007】
そこで、本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、高周波振動などを検出できるように機能部品をタイヤの内面に取り付けることを可能とする取付構造体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の特徴に係る取付構造体は、タイヤの状態を検出する機能を有する機能部品を前記タイヤの内面に取り付けるための構造耐である。取付構造体は、弾性部材によって構成されており、前記タイヤの内面に接着される台座下面と、前記台座下面の反対側に設けられる台座上面とを有する台座と、所定の剛性を有する平板部材によって構成された枠体と、所定の剛性を有する部材によって平板部材によって構成された挿入片とによって構成される。前記枠体は、所定方向に沿って延びており、互いに平行な第1底板辺及び第2底板辺を有する前記台座上面に配置される底板と、前記第1底板辺で前記底板に連続しており、前記底板から立設するように前記台座上面に対する垂直方向に折曲げられた第1側板と、前記第2底板辺で前記底板に連続しており、前記底板から立設するように前記垂直方向に折曲げられた第2側板と、前記第1側板に連続しており、前記第2側板に向けて前記底板と平行に折曲げられた第1天板と、前記第2側板に連続しており、前記第1側板に向けて前記底板と平行に折曲げられた第2天板と、前記第1天板に連続しており、前記第1天板から立設するように前記垂直方向に折曲げられた第1枠体首板と、前記第2天板に連続しており、前記第2天板から立設するように前記垂直方向に折曲げられた第2枠体首板と、前記第1枠体首板に連続しており、前記第2枠体首板の反対側に向けて折曲げられた第1フランジ板と、前記第2枠体首板に連続しており、前記第1枠体首板の反対側に向けて折曲げられた第2フランジ板とによって構成される。前記挿入片は、前記所定方向に沿って延びており、互いに平行な第1本体板辺及び第2本体板辺を有しており、前記第1天板及び前記第2天板と平行な本体板と、前記第1本体板辺で前記本体板に連続しており、前記底板に向けて前記垂直方向に折曲げられた第1挿入片首板と、前記第2本体板辺で前記本体板に連続しており、前記底板に向けて前記垂直方向に折曲げられた第2挿入片首板と、前記第1挿入片首板に連続しており、前記第2挿入片首板に向けて前記本体板と平行に折り返される第1折返し板と、前記第2挿入片首板に連続しており、前記第1挿入片首板に向けて前記本体板と平行に折り返される第2折返し板とによって構成される。前記機能部品は、前記底板、前記第1側板、前記第2側板、前記第1天板及び前記第2天板によって構成される空隙内に配置される。前記挿入片は、前記本体板と前記第1折返し板との間に前記第1天板を挟み、前記本体板と前記第2折返し板との間に前記第2天板を挟むように、前記所定方向から前記枠体に挿入される。
【0009】
第1の特徴において、前記所定方向における前記本体板の両端には、前記底板に向けて前記垂直方向に折曲げられる1対の挿入片係止板が設けられる。前記所定方向から見た場合に、前記1対の挿入片係止板の長さは、前記第1枠体首板と前記第2枠体首板との間隔よりも長い。
【0010】
第1の特徴において、前記所定方向における前記第1フランジ板の両端には、前記所定方向及び前記所定方向に直交する方向に対して傾きを有する折れ線で、前記第1天板側に折れ曲がる1対の第1枠体係止板が設けられる。前記所定方向における前記第2フランジ板の両端には、前記所定方向及び前記所定方向に直交する方向に対して傾きを有する折れ線で、前記第1天板側に折れ曲がる1対の第2枠体係止板が設けられる。
【0011】
第1の特徴において、前記所定方向から見た断面において、前記第1挿入片首板と前記第2挿入片首板との内側間隔は、前記第1フランジ板の先端と前記第2フランジ板の先端との間隔よりも狭い、或いは、前記第1折返し板の先端と前記第2折返し板の先端との間隔は、前記第1枠体首板と前記第2枠体首板との外側間隔よりも狭い。
【0012】
第1の特徴において、前記所定方向から見た断面において、前記本体板は、前記底板側に凹む形状を有する。
【0013】
第1の特徴において、前記所定方向から見た断面において、前記機能部品の角部の曲率半径は、3mm以上である。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、高周波振動などを検出できるように機能部品をタイヤの内面に取り付けることを可能とする取付構造体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は、第1実施形態に係るタイヤ100を示す図である。
【図2】図2は、第1実施形態に係るタイヤ100を示す図である。
【図3】図3は、第1実施形態に係る取付構造体200を示す図である。
【図4】図4は、第1実施形態に係る取付構造体200を示す図である。
【図5】図5は、第1実施形態に係る取付構造体200を示す図である。
【図6】図6は、第1実施形態に係る挿入片220の装着を説明するための図である。
【図7】図7は、第1実施形態に係る挿入片220の装着を説明するための図である。
【図8】図8は、第1実施形態に係る各部位の寸法を説明するための図である。
【図9】図9は、変更例1に係る挿入片220の装着を説明するための図である。
【図10】図10は、変更例1に係る挿入片220の装着を説明するための図である。
【図11】図11は、変更例2に係る挿入片220を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下において、本発明の実施形態に係る取付構造体について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。
【0017】
ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なることに留意すべきである。従って、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
【0018】
[実施形態の概要]
実施形態に係る取付構造体は、タイヤの状態を検出する機能を有する機能部品を前記タイヤの内面に取り付けるための構造耐である。取付構造体は、弾性部材によって構成されており、前記タイヤの内面に接着される台座下面と、前記台座下面の反対側に設けられる台座上面とを有する台座と、所定の剛性を有する平板部材によって構成された枠体と、所定の剛性を有する部材によって平板部材によって構成された挿入片とによって構成される。前記枠体は、所定方向に沿って延びており、互いに平行な第1底板辺及び第2底板辺を有する前記台座上面に配置される底板と、前記第1底板辺で前記底板に連続しており、前記底板から立設するように前記台座上面に対する垂直方向に折曲げられた第1側板と、前記第2底板辺で前記底板に連続しており、前記底板から立設するように前記垂直方向に折曲げられた第2側板と、前記第1側板に連続しており、前記第2側板に向けて前記底板と平行に折曲げられた第1天板と、前記第2側板に連続しており、前記第1側板に向けて前記底板と平行に折曲げられた第2天板と、前記第1天板に連続しており、前記第1天板から立設するように前記垂直方向に折曲げられた第1枠体首板と、前記第2天板に連続しており、前記第2天板から立設するように前記垂直方向に折曲げられた第2枠体首板と、前記第1枠体首板に連続しており、前記第2枠体首板の反対側に向けて折曲げられた第1フランジ板と、前記第2枠体首板に連続しており、前記第1枠体首板の反対側に向けて折曲げられた第2フランジ板とによって構成される。前記挿入片は、前記所定方向に沿って延びており、互いに平行な第1本体板辺及び第2本体板辺を有しており、前記第1天板及び前記第2天板と平行な本体板と、前記第1本体板辺で前記本体板に連続しており、前記底板に向けて前記垂直方向に折曲げられた第1挿入片首板と、前記第2本体板辺で前記本体板に連続しており、前記底板に向けて前記垂直方向に折曲げられた第2挿入片首板と、前記第1挿入片首板に連続しており、前記第2挿入片首板に向けて前記本体板と平行に折り返される第1折返し板と、前記第2挿入片首板に連続しており、前記第1挿入片首板に向けて前記本体板と平行に折り返される第2折返し板とによって構成される。前記機能部品は、前記底板、前記第1側板、前記第2側板、前記第1天板及び前記第2天板によって構成される空隙内に配置される。前記挿入片は、前記本体板と前記第1折返し板との間に前記第1天板を挟み、前記本体板と前記第2折返し板との間に前記第2天板を挟むように、前記所定方向から前記枠体に挿入される。
【0019】
実施形態では、挿入片は、本体板と第1折返し板との間に第1天板を挟み、本体板と第2折返し板との間に第2天板を挟むように、所定方向から枠体に挿入される。
【0020】
従って、挿入片の挿入によって、枠体内に配置される機能部品を枠体によって締め上げることができる。この結果、機能部品がタイヤの振動によって動かない。従って、高周波振動などを検出できるように機能部品をタイヤの内面に取り付けることができる。
【0021】
[第1実施形態]
(タイヤの構成)
以下において、第1実施形態に係るタイヤの構成について説明する。図1及び図2は、第1実施形態に係るタイヤ100を示す図である。
【0022】
第1に、タイヤ100は、図1に示すように、ビード部10と、サイドウォール部20と、ショルダー部30と、トレッド部40とを有する。
【0023】
ビード部10は、タイヤ100を構成する部位のうち、タイヤ径方向において、最も内側に設けられる。ビード部10は、タイヤ周方向に沿って連続的に設けられる。ビード部10は、タイヤ100をリムに固定するための部位である。なお、ビード部10は、ゴムによって被覆されている。
【0024】
サイドウォール部20は、タイヤ100を構成する部位のうち、タイヤ径方向において、ビード部10よりも外側に設けられる。サイドウォール部20は、タイヤ周方向に沿って連続的に設けられる。サイドウォール部20は、タイヤ100の側面を構成する。なお、サイドウォール部20は、ゴムによって被覆されている。
【0025】
ショルダー部30は、タイヤ100を構成する部位のうち、サイドウォール部20とトレッド部40との間に跨って設けられる。ショルダー部30は、タイヤ周方向に沿って連続的に設けられる。なお、ショルダー部30は、ゴムによって被覆されている。
【0026】
トレッド部40は、タイヤ100を構成する部位のうち、路面に接地するタイヤ踏み面を構成する部位である。トレッド部40は、タイヤ周方向に沿って連続的に設けられる。トレッド部40のタイヤ踏み面には、例えば、タイヤ周方向に沿って延びる溝(周方向溝)やタイヤ幅方向に沿って延びる(幅方向溝)などによって形成されるトレッドパターンが設けられている。
【0027】
第2に、タイヤ100は、図1及び図2に示すように、ビードコア110と、カーカス層120と、ベルト層130とを有する。
【0028】
ビードコア110は、ビードコア110A及びビードコア110Bを有しており、ビード部10を構成する。ビードコア110は、リング状形状を有しており、ビードワイヤー(不図示)によって構成される。
【0029】
カーカス層120は、ビードコア110Aとビードコア110Bとの間に跨るトロイダル形状を有する。カーカス層120は、例えば、タイヤ径方向(或いは、タイヤ幅方向)に沿って延びる複数のカーカスコード(不図示)によって構成される。カーカス層120は、ビードコア110でタイヤ幅方向の外側に向けて折り返されている。
【0030】
ベルト層130は、ベルト層130A及びベルト層130Bを有しており、トレッド部40を構成する。ベルト層130は、カーカス層120に対して、タイヤ径方向の外側に配置される。ベルト層130は、ベルトコードがゴムで被覆された構成を有する。ベルト層130Aに設けられるベルトコードは、ベルト層130Bに設けられるベルトコードと交錯していてもよい。
【0031】
(取付構造体の構成)
以下において、第1実施形態に係る取付構造体の構成について説明する。図3〜図5は、第1実施形態に係る取付構造体200を示す図である。
【0032】
図3〜図5に示すように、取付構造体200は、機能部品240をタイヤ100の内面に取り付けるための構造体であり、枠体210と、挿入片220とを有する。また、図5に示すように、取付構造体200は、台座230を有する。
【0033】
ここで、図3は、挿入片220が枠体210に装着される前の状態を示す斜視図であり、図4は、挿入片220が枠体210に装着される前の状態を示す斜視図である。なお、図3及び図4では、台座230及び機能部品240が省略されていることに留意すべきである。
【0034】
枠体210は、所定の剛性を有する平板部材によって構成される。枠体210は、タイヤ幅方向(所定方向)から見た場合に、Ω形状の断面を有する。枠体210は、後述する台座上面232に配置される。枠体210は、例えば、アルミニウムなどの金属によって構成されており、枠体210の厚みは、例えば、0.1mm程度である。
【0035】
詳細には、枠体210は、底板211と、1対の側板212(側板212A及び側板212B)と、1対の天板213(天板213A及び天板213B)と、1対の枠体首板214(枠体首板214A及び枠体首板214B)と、1対のフランジ板215(フランジ板215A及びフランジ板215B)と、1対の壁板216(壁板216A及び壁板216B)とを有する。
【0036】
底板211は、タイヤ幅方向(所定方向)に沿って延びており、互いに平行な第1底板辺211A及び第2底板辺211Bを有する。底板211は、台座上面232に配置される。
【0037】
側板212Aは、第1底板辺211Aで底板211に連続しており、底板211から立設するようにタイヤ径方向(台座上面232に対する垂直方向)に折曲げられる。同様に、側板212Bは、第2底板辺211Bで底板211に連続しており、底板211から立設するようにタイヤ径方向(台座上面232に対する垂直方向)に折曲げられる。
【0038】
ここで、側板212A及び側板212Bは、タイヤ幅方向に沿って延びており、タイヤ周方向において間隔を空けて配置される。
【0039】
天板213Aは、側板212Aに連続しており、側板212Bに向けて底板211と平行に折曲げられる。同様に、天板213Bは、側板212Bに連続しており、側板212Aに向けて底板211と平行に折曲げられる。
【0040】
ここで、天板213A及び天板213Bは、タイヤ周方向において間隔を空けて配置されることに留意すべきである。
【0041】
枠体首板214Aは、天板213Aに連続しており、天板213Aから立設するように、タイヤ径方向に折曲げられる。同様に、枠体首板214Bは、天板213Bに連続しており、天板213Bから立設するように、タイヤ径方向に折曲げられる。
【0042】
ここで、枠体首板214A及び枠体首板214Bは、タイヤ周方向において間隔を空けて配置されることに留意すべきである。
【0043】
フランジ板215Aは、枠体首板214Aに連続しており、枠体首板214Bの反対側に向けて折曲げられる。同様に、フランジ板215Bは、枠体首板214Bに連続しており、枠体首板214Aの反対側に向けて折曲げられる。なお、フランジ板215A及びフランジ板215Bは、天板213A及び天板213Bと略平行である。
【0044】
壁板216Aは、タイヤ幅方向において底板211の一端に設けられており、底板211からタイヤ径方向に立設する形状を有する。同様に、壁板216Bは、タイヤ幅方向において底板211の他端に設けられており、底板211からタイヤ径方向に立設する形状を有する。
【0045】
ここで、壁板216A及び壁板216Bは、タイヤ周方向に沿って延びており、タイヤ幅方向において間隔を空けて配置される。
【0046】
挿入片220は、所定の剛性を有する平板部材によって構成される。挿入片220は、タイヤ幅方向(所定方向)から見た場合に、C形状の断面を有する。挿入片220は、枠体210に装着される。枠体210は、例えば、アルミニウムなどの金属によって構成されており、枠体210の厚みは、例えば、0.1mm程度である。
【0047】
詳細には、挿入片220は、本体板221と、1対の挿入片首板222(挿入片首板222A及び挿入片首板222B)と、折返し板223(折返し板223A及び折返し板223B)と、1対の挿入片係止板224(挿入片係止板224A及び挿入片係止板224B)とを有する。
【0048】
本体板221は、タイヤ幅方向(所定方向)に沿って延びており、互いに平行な第1本体板辺221A及び第2本体板221Bを有する。底板211は、台座上面232に配置される。
【0049】
挿入片首板222Aは、第1本体板辺221Aに連続しており、底板211に向けてタイヤ径方向に折曲げられる。同様に、挿入片首板222Bは、第2本体板221Bに連続しており、底板211に向けてタイヤ径方向に折曲げられる。
【0050】
ここで、挿入片首板222A及び挿入片首板222Bは、タイヤ周方向において間隔を空けて配置されることに留意すべきである。
【0051】
折返し板223Aは、挿入片首板222Aに連続しており、挿入片首板222Bに向けて本体板221と平行に折り返される。同様に、折返し板223Bは、挿入片首板222Bに連続しており、挿入片首板222Aに向けて本体板221と平行に折り返される。
【0052】
挿入片係止板224Aは、タイヤ幅方向において本体板221の一端に設けられており、本体板221からタイヤ径方向に折曲げられる。同様に、挿入片係止板224Bは、タイヤ幅方向において本体板221の一端に設けられており、本体板221からタイヤ径方向に折曲げられる。
【0053】
なお、挿入片係止板224A及び挿入片係止板224Bは、挿入片220が枠体210に装着された後に折曲げられてもよい。なお、挿入片係止板224Bについては、図3〜図5では不図示であるが、図6及び図7に図示されていることに留意すべきである。
【0054】
ここで、図3及び図4に示すように、挿入片220は、本体板221と折返し板223Aとの間に天板213Aを挟み、本体板221と折返し板223Bとの間に天板213Bを挟むように、タイヤ幅方向(所定方向)から枠体210に挿入される。
【0055】
台座230は、弾性部材(エラストマー)によって構成される。例えば、台座230は、天然ゴムや合成ゴムによって構成される。台座230は、図5に示すように、タイヤ100の内面に接着される台座下面231と、台座下面231の反対側に設けられる台座上面232とを有する。例えば、台座230は、加硫接着によってタイヤ100の内面に接着される。台座230の台座上面232には、枠体210を介して機能部品240が設けられる。
【0056】
機能部品240は、タイヤ100の状態を検出する機能を有する。機能部品240は、例えば、タイヤ100の内圧を検出する圧力センサ、タイヤ100の内部温度を検出する温度センサ、タイヤ100の回転速度を検出する加速度センサなどである。
【0057】
ここで、図5に示すように、機能部品240は、底板211、1対の側板212及び1対の天板213によって形成される空隙内に配置される。
【0058】
詳細には、枠体210に挿入片220が装着される前においては、1対の天板213(或いは、1対の枠体首板214)が間隔を空けて配置されるため、底板211、1対の側板212及び1対の天板213によって機能部品240を包むことが可能である。
【0059】
枠体210に挿入片220が装着された後においては、枠体210内に配置される機能部品240が枠体210によって締め上げられるため、機能部品240の動きが規制される。詳細には、タイヤ周方向に対する機能部品240は、1対の側板212によって規制される。タイヤ径方向に対する機能部品240は、底板211及び1対の天板213によって規制される。タイヤ幅方向に対する機能部品240は、1対の壁板216によって規制される。なお、タイヤ幅方向に対する機能部品240は、枠体210と機能部品240との間に生じる摩擦力によって規制されてもよい。
【0060】
また、所定方向(タイヤ幅方向)から見た場合に、機能部品240の角部は、所定の曲率半径の曲率を有することが好ましい。例えば、所定の曲率半径は、3mm以上であることが好ましい。これによって、枠体210によって機能部品240を包む際に、枠体210の変形が容易になる。この結果、挿入片220から離れた部位の張力が挿入片220に近い部位の張力よりも小さくなるといった現象が抑制される。言い換えると、枠体210の張力の均一化を図ることができる。
【0061】
(挿入片の装着)
以下において、第1実施形態に係る挿入片の装着について説明する。図6及び図7は、第1実施形態に係る挿入片220の装着を説明するための図である。具体的には、図6及び図7は、タイヤ周方向から見た取付構造体200の一部拡大図である。なお、説明を明確にするために、枠体210の天板213及びフランジ板215が省略されており、挿入片220の挿入片首板222及び折返し板223が省略されている。
【0062】
図6に示すように、挿入片220は、タイヤ幅方向(所定方向)から枠体210に挿入される。ここでは、挿入片係止板224A及び挿入片係止板224Bのうち、少なくとも一方の挿入片係止板は、タイヤ径方向に折曲げられていないことに留意すべきである。なお、図6では、挿入片係止板224Aが折曲げられていない。
【0063】
なお、上述したように、本体板221と折返し板223Aとの間に天板213Aが挟まれ、本体板221と折返し板223Bとの間に天板213Bが挟まれることに留意すべきである。
【0064】
図7に示すように、挿入片220の挿入後において、挿入片係止板224Aがタイヤ径方向に折曲げられる。
【0065】
ここで、所定方向(タイヤ幅方向)から見た場合に、1対の挿入片係止板224の長さは、1対の枠体首板214の間隔よりも長いことに留意すべきである。言い換えると、タイヤ周方向において、1対の挿入片係止板224の長さは、1対の枠体首板214の間隔よりも長いことに留意すべきである。
【0066】
従って、タイヤ幅方向において1対の挿入片係止板224によって1対の枠体首板214を挟まれ、挿入片220の脱落が抑制される。
【0067】
(各部位の寸法)
以下において、第1実施形態に係る各部位の寸法について説明する。図8は、第1実施形態に係る各部位の寸法を示す図である。図8は、所定方向(タイヤ幅方向)から見た取付構造体200の一部拡大図である。
【0068】
図8に示すように、各部位の寸法は、以下の記号で示されている。
【0069】
a:タイヤ周方向における1対の枠体首板214の内側間隔
b:タイヤ周方向における1対の枠体首板214の外側間隔
c:タイヤ周方向における1対の折返し板223の先端の間隔
d:タイヤ周方向における1対のフランジ板215の先端の間隔
e:タイヤ周方向における1対の挿入片首板222の内側間隔
このようなケースにおいて、タイヤ周方向における1対の挿入片首板222の内側間隔eは、タイヤ周方向における1対のフランジ板215の先端の間隔dよりも小さいことが好ましい。或いは、タイヤ周方向における1対の折返し板223の先端の間隔cは、タイヤ周方向における1対の枠体首板214の外側間隔bよりも小さいことが好ましい。
【0070】
これによって、枠体210に挿入片220が装着されると、タイヤ周方向における1対の枠体首板214の内側間隔aが狭まり、枠体210内に配置される機能部品240が締め上げられる。
【0071】
(作用及び効果)
第1実施形態では、挿入片220は、本体板221と折返し板223Aとの間に天板213Aを挟み、本体板221と折返し板223Bとの間に天板213Bを挟むように、タイヤ幅方向(所定方向)から枠体210に挿入される。
【0072】
従って、挿入片220の挿入によって、枠体210内に配置される機能部品240を枠体210によって締め上げることができる。この結果、機能部品240がタイヤ100の振動によって動かない。従って、高周波振動などを検出できるように機能部品240をタイヤ100の内面に取り付けることができる。
【0073】
[変更例1]
以下において、第1実施形態の変更例1について説明する。以下においては、第1実施形態に対する相違点について主として説明する。
【0074】
第1実施形態では、挿入片220に設けられる挿入片係止板224の折曲げによって、挿入片220の脱落が抑制される。
【0075】
これに対して、変更例2では、枠体210に設けられる部位によって、挿入片220の脱落が抑制される。従って、変更例2では、挿入片係止板224が設けられていなくてもよい。但し、挿入片係止板224が設けられていてもよいことは勿論である。
【0076】
(挿入片の装着)
以下において、変更例1に係る挿入片の装着について説明する。図9及び図10は、変更例1に係る挿入片220の装着を説明するための図である。具体的には、図9は、取付構造体200の一部拡大斜視図である。図10は、タイヤ周方向から見た取付構造体200の一部拡大図である。
【0077】
図9及び図10に示すように、1対のフランジ板215の両端には、折れ線Xで天板213側に折れ曲がる1対の枠体係止板217(枠体係止板217A及び枠体係止板217B)が設けられる。
【0078】
ここで、折れ線Xは、タイヤ周方向及びタイヤ幅方向の双方に対して傾きを有している。従って、図10に示すように、タイヤ周方向から見た場合に、枠体係止板217は、三角形状を有する。
【0079】
これによって、タイヤ周方向から見た場合に、枠体係止板217が三角形状を有するため、枠体係止板217は、挿入片220の挿入を妨げず、かつ、挿入片220の脱落を抑制することができる。
【0080】
[変更例2]
以下において、第1実施形態の変更例2について説明する。以下においては、第1実施形態に対する相違点について主として説明する。
【0081】
変更例2では、図11に示すように、所定方向(タイヤ幅方向)から見た断面において、挿入片220の本体板221は、枠体210の底板211側に凹む形状を有する。詳細には、本体板221は、タイヤ幅方向から見た場合に、Σ形状の断面を有する。
【0082】
これによって、タイヤ周方向において、タイヤ周方向における1対の折返し板223の先端の間隔cの調整、タイヤ周方向における1対の挿入片首板222の内側間隔eの調整が容易になる。
【0083】
[その他の実施形態]
本発明は上述した実施形態によって説明したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、この発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【0084】
実施形態では、所定方向がタイヤ幅方向となるように、取付構造体200がタイヤ100に接着されるケースについて例示した。しかしながら、実施形態は、これに限定されるものではない。所定方向がタイヤ周方向となるように、取付構造体200がタイヤ100に接着されてもよい。
【0085】
実施形態では、寸法の表現として、「等しい」という用語を用いたが、寸法誤差を許容することが可能であることは勿論である。
【0086】
実施形態で用いる「所定の剛性」は、台座を構成する部材(弾性部材)の剛性よりも少なくとも大きいことに留意すべきである。
【0087】
実施形態で用いる“垂直方向”は、機能部品240の形状によって多少の傾きの変更を許容する表現であることに留意すべきである。
【符号の説明】
【0088】
10…ビード部、20…サイドウォール部、30…ショルダー部、40…トレッド部、100…タイヤ、110…ビードコア、120…カーカス層、130…ベルト層、200…取付構造体、210…枠体、211…底板、212…側板、213…天板、214…枠体首板、215…フランジ板、216…壁板、217…枠体係止板、220…挿入片、221…本体板、222…挿入片首板、223…折返し板、224…挿入片係止板、230…台座、240…機能部品
【技術分野】
【0001】
本発明は、タイヤの状態を検出する機能を有する機能部品をタイヤの内面に取り付ける取付構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、1対のビードコアと、1対のビードコア間に跨るトロイダル形状を有するカーカス層と、カーカス層に隣接して配置されるベルト層と、ビードコア、カーカス層及びベルト層を被覆するゴム層とを備えるタイヤが知られている。
【0003】
タイヤは、ビードコアを有するビード部と、タイヤ踏み面を有するトレッド部と、タイヤの側面を形成するサイドウォール部と、サイドウォール部とトレッド部との間に跨って設けられるショルダー部とを備える。
【0004】
また、タイヤの内面を構成するゴム層(インナーライナー)に取り付けられる機能部品が知られている。機能部品は、例えば、タイヤの内部の温度や圧力などを計測するセンサモジュールである。一般的には、機能部品は、ゴムパッチなどによってインナーライナーに取り付けられる(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007-055347号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
近年では、タイヤと路面との間の摩擦によって生じる高周波振動を検出するセンサを機能部品としてタイヤの内面に取り付ける要望が存在する。しかしながら、上述した技術では、ゴムパッチの張力によって機能部品をタイヤの内面に取り付けているため、高周波振動を検出することが難しい。
【0007】
そこで、本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、高周波振動などを検出できるように機能部品をタイヤの内面に取り付けることを可能とする取付構造体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の特徴に係る取付構造体は、タイヤの状態を検出する機能を有する機能部品を前記タイヤの内面に取り付けるための構造耐である。取付構造体は、弾性部材によって構成されており、前記タイヤの内面に接着される台座下面と、前記台座下面の反対側に設けられる台座上面とを有する台座と、所定の剛性を有する平板部材によって構成された枠体と、所定の剛性を有する部材によって平板部材によって構成された挿入片とによって構成される。前記枠体は、所定方向に沿って延びており、互いに平行な第1底板辺及び第2底板辺を有する前記台座上面に配置される底板と、前記第1底板辺で前記底板に連続しており、前記底板から立設するように前記台座上面に対する垂直方向に折曲げられた第1側板と、前記第2底板辺で前記底板に連続しており、前記底板から立設するように前記垂直方向に折曲げられた第2側板と、前記第1側板に連続しており、前記第2側板に向けて前記底板と平行に折曲げられた第1天板と、前記第2側板に連続しており、前記第1側板に向けて前記底板と平行に折曲げられた第2天板と、前記第1天板に連続しており、前記第1天板から立設するように前記垂直方向に折曲げられた第1枠体首板と、前記第2天板に連続しており、前記第2天板から立設するように前記垂直方向に折曲げられた第2枠体首板と、前記第1枠体首板に連続しており、前記第2枠体首板の反対側に向けて折曲げられた第1フランジ板と、前記第2枠体首板に連続しており、前記第1枠体首板の反対側に向けて折曲げられた第2フランジ板とによって構成される。前記挿入片は、前記所定方向に沿って延びており、互いに平行な第1本体板辺及び第2本体板辺を有しており、前記第1天板及び前記第2天板と平行な本体板と、前記第1本体板辺で前記本体板に連続しており、前記底板に向けて前記垂直方向に折曲げられた第1挿入片首板と、前記第2本体板辺で前記本体板に連続しており、前記底板に向けて前記垂直方向に折曲げられた第2挿入片首板と、前記第1挿入片首板に連続しており、前記第2挿入片首板に向けて前記本体板と平行に折り返される第1折返し板と、前記第2挿入片首板に連続しており、前記第1挿入片首板に向けて前記本体板と平行に折り返される第2折返し板とによって構成される。前記機能部品は、前記底板、前記第1側板、前記第2側板、前記第1天板及び前記第2天板によって構成される空隙内に配置される。前記挿入片は、前記本体板と前記第1折返し板との間に前記第1天板を挟み、前記本体板と前記第2折返し板との間に前記第2天板を挟むように、前記所定方向から前記枠体に挿入される。
【0009】
第1の特徴において、前記所定方向における前記本体板の両端には、前記底板に向けて前記垂直方向に折曲げられる1対の挿入片係止板が設けられる。前記所定方向から見た場合に、前記1対の挿入片係止板の長さは、前記第1枠体首板と前記第2枠体首板との間隔よりも長い。
【0010】
第1の特徴において、前記所定方向における前記第1フランジ板の両端には、前記所定方向及び前記所定方向に直交する方向に対して傾きを有する折れ線で、前記第1天板側に折れ曲がる1対の第1枠体係止板が設けられる。前記所定方向における前記第2フランジ板の両端には、前記所定方向及び前記所定方向に直交する方向に対して傾きを有する折れ線で、前記第1天板側に折れ曲がる1対の第2枠体係止板が設けられる。
【0011】
第1の特徴において、前記所定方向から見た断面において、前記第1挿入片首板と前記第2挿入片首板との内側間隔は、前記第1フランジ板の先端と前記第2フランジ板の先端との間隔よりも狭い、或いは、前記第1折返し板の先端と前記第2折返し板の先端との間隔は、前記第1枠体首板と前記第2枠体首板との外側間隔よりも狭い。
【0012】
第1の特徴において、前記所定方向から見た断面において、前記本体板は、前記底板側に凹む形状を有する。
【0013】
第1の特徴において、前記所定方向から見た断面において、前記機能部品の角部の曲率半径は、3mm以上である。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、高周波振動などを検出できるように機能部品をタイヤの内面に取り付けることを可能とする取付構造体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は、第1実施形態に係るタイヤ100を示す図である。
【図2】図2は、第1実施形態に係るタイヤ100を示す図である。
【図3】図3は、第1実施形態に係る取付構造体200を示す図である。
【図4】図4は、第1実施形態に係る取付構造体200を示す図である。
【図5】図5は、第1実施形態に係る取付構造体200を示す図である。
【図6】図6は、第1実施形態に係る挿入片220の装着を説明するための図である。
【図7】図7は、第1実施形態に係る挿入片220の装着を説明するための図である。
【図8】図8は、第1実施形態に係る各部位の寸法を説明するための図である。
【図9】図9は、変更例1に係る挿入片220の装着を説明するための図である。
【図10】図10は、変更例1に係る挿入片220の装着を説明するための図である。
【図11】図11は、変更例2に係る挿入片220を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下において、本発明の実施形態に係る取付構造体について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。
【0017】
ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なることに留意すべきである。従って、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
【0018】
[実施形態の概要]
実施形態に係る取付構造体は、タイヤの状態を検出する機能を有する機能部品を前記タイヤの内面に取り付けるための構造耐である。取付構造体は、弾性部材によって構成されており、前記タイヤの内面に接着される台座下面と、前記台座下面の反対側に設けられる台座上面とを有する台座と、所定の剛性を有する平板部材によって構成された枠体と、所定の剛性を有する部材によって平板部材によって構成された挿入片とによって構成される。前記枠体は、所定方向に沿って延びており、互いに平行な第1底板辺及び第2底板辺を有する前記台座上面に配置される底板と、前記第1底板辺で前記底板に連続しており、前記底板から立設するように前記台座上面に対する垂直方向に折曲げられた第1側板と、前記第2底板辺で前記底板に連続しており、前記底板から立設するように前記垂直方向に折曲げられた第2側板と、前記第1側板に連続しており、前記第2側板に向けて前記底板と平行に折曲げられた第1天板と、前記第2側板に連続しており、前記第1側板に向けて前記底板と平行に折曲げられた第2天板と、前記第1天板に連続しており、前記第1天板から立設するように前記垂直方向に折曲げられた第1枠体首板と、前記第2天板に連続しており、前記第2天板から立設するように前記垂直方向に折曲げられた第2枠体首板と、前記第1枠体首板に連続しており、前記第2枠体首板の反対側に向けて折曲げられた第1フランジ板と、前記第2枠体首板に連続しており、前記第1枠体首板の反対側に向けて折曲げられた第2フランジ板とによって構成される。前記挿入片は、前記所定方向に沿って延びており、互いに平行な第1本体板辺及び第2本体板辺を有しており、前記第1天板及び前記第2天板と平行な本体板と、前記第1本体板辺で前記本体板に連続しており、前記底板に向けて前記垂直方向に折曲げられた第1挿入片首板と、前記第2本体板辺で前記本体板に連続しており、前記底板に向けて前記垂直方向に折曲げられた第2挿入片首板と、前記第1挿入片首板に連続しており、前記第2挿入片首板に向けて前記本体板と平行に折り返される第1折返し板と、前記第2挿入片首板に連続しており、前記第1挿入片首板に向けて前記本体板と平行に折り返される第2折返し板とによって構成される。前記機能部品は、前記底板、前記第1側板、前記第2側板、前記第1天板及び前記第2天板によって構成される空隙内に配置される。前記挿入片は、前記本体板と前記第1折返し板との間に前記第1天板を挟み、前記本体板と前記第2折返し板との間に前記第2天板を挟むように、前記所定方向から前記枠体に挿入される。
【0019】
実施形態では、挿入片は、本体板と第1折返し板との間に第1天板を挟み、本体板と第2折返し板との間に第2天板を挟むように、所定方向から枠体に挿入される。
【0020】
従って、挿入片の挿入によって、枠体内に配置される機能部品を枠体によって締め上げることができる。この結果、機能部品がタイヤの振動によって動かない。従って、高周波振動などを検出できるように機能部品をタイヤの内面に取り付けることができる。
【0021】
[第1実施形態]
(タイヤの構成)
以下において、第1実施形態に係るタイヤの構成について説明する。図1及び図2は、第1実施形態に係るタイヤ100を示す図である。
【0022】
第1に、タイヤ100は、図1に示すように、ビード部10と、サイドウォール部20と、ショルダー部30と、トレッド部40とを有する。
【0023】
ビード部10は、タイヤ100を構成する部位のうち、タイヤ径方向において、最も内側に設けられる。ビード部10は、タイヤ周方向に沿って連続的に設けられる。ビード部10は、タイヤ100をリムに固定するための部位である。なお、ビード部10は、ゴムによって被覆されている。
【0024】
サイドウォール部20は、タイヤ100を構成する部位のうち、タイヤ径方向において、ビード部10よりも外側に設けられる。サイドウォール部20は、タイヤ周方向に沿って連続的に設けられる。サイドウォール部20は、タイヤ100の側面を構成する。なお、サイドウォール部20は、ゴムによって被覆されている。
【0025】
ショルダー部30は、タイヤ100を構成する部位のうち、サイドウォール部20とトレッド部40との間に跨って設けられる。ショルダー部30は、タイヤ周方向に沿って連続的に設けられる。なお、ショルダー部30は、ゴムによって被覆されている。
【0026】
トレッド部40は、タイヤ100を構成する部位のうち、路面に接地するタイヤ踏み面を構成する部位である。トレッド部40は、タイヤ周方向に沿って連続的に設けられる。トレッド部40のタイヤ踏み面には、例えば、タイヤ周方向に沿って延びる溝(周方向溝)やタイヤ幅方向に沿って延びる(幅方向溝)などによって形成されるトレッドパターンが設けられている。
【0027】
第2に、タイヤ100は、図1及び図2に示すように、ビードコア110と、カーカス層120と、ベルト層130とを有する。
【0028】
ビードコア110は、ビードコア110A及びビードコア110Bを有しており、ビード部10を構成する。ビードコア110は、リング状形状を有しており、ビードワイヤー(不図示)によって構成される。
【0029】
カーカス層120は、ビードコア110Aとビードコア110Bとの間に跨るトロイダル形状を有する。カーカス層120は、例えば、タイヤ径方向(或いは、タイヤ幅方向)に沿って延びる複数のカーカスコード(不図示)によって構成される。カーカス層120は、ビードコア110でタイヤ幅方向の外側に向けて折り返されている。
【0030】
ベルト層130は、ベルト層130A及びベルト層130Bを有しており、トレッド部40を構成する。ベルト層130は、カーカス層120に対して、タイヤ径方向の外側に配置される。ベルト層130は、ベルトコードがゴムで被覆された構成を有する。ベルト層130Aに設けられるベルトコードは、ベルト層130Bに設けられるベルトコードと交錯していてもよい。
【0031】
(取付構造体の構成)
以下において、第1実施形態に係る取付構造体の構成について説明する。図3〜図5は、第1実施形態に係る取付構造体200を示す図である。
【0032】
図3〜図5に示すように、取付構造体200は、機能部品240をタイヤ100の内面に取り付けるための構造体であり、枠体210と、挿入片220とを有する。また、図5に示すように、取付構造体200は、台座230を有する。
【0033】
ここで、図3は、挿入片220が枠体210に装着される前の状態を示す斜視図であり、図4は、挿入片220が枠体210に装着される前の状態を示す斜視図である。なお、図3及び図4では、台座230及び機能部品240が省略されていることに留意すべきである。
【0034】
枠体210は、所定の剛性を有する平板部材によって構成される。枠体210は、タイヤ幅方向(所定方向)から見た場合に、Ω形状の断面を有する。枠体210は、後述する台座上面232に配置される。枠体210は、例えば、アルミニウムなどの金属によって構成されており、枠体210の厚みは、例えば、0.1mm程度である。
【0035】
詳細には、枠体210は、底板211と、1対の側板212(側板212A及び側板212B)と、1対の天板213(天板213A及び天板213B)と、1対の枠体首板214(枠体首板214A及び枠体首板214B)と、1対のフランジ板215(フランジ板215A及びフランジ板215B)と、1対の壁板216(壁板216A及び壁板216B)とを有する。
【0036】
底板211は、タイヤ幅方向(所定方向)に沿って延びており、互いに平行な第1底板辺211A及び第2底板辺211Bを有する。底板211は、台座上面232に配置される。
【0037】
側板212Aは、第1底板辺211Aで底板211に連続しており、底板211から立設するようにタイヤ径方向(台座上面232に対する垂直方向)に折曲げられる。同様に、側板212Bは、第2底板辺211Bで底板211に連続しており、底板211から立設するようにタイヤ径方向(台座上面232に対する垂直方向)に折曲げられる。
【0038】
ここで、側板212A及び側板212Bは、タイヤ幅方向に沿って延びており、タイヤ周方向において間隔を空けて配置される。
【0039】
天板213Aは、側板212Aに連続しており、側板212Bに向けて底板211と平行に折曲げられる。同様に、天板213Bは、側板212Bに連続しており、側板212Aに向けて底板211と平行に折曲げられる。
【0040】
ここで、天板213A及び天板213Bは、タイヤ周方向において間隔を空けて配置されることに留意すべきである。
【0041】
枠体首板214Aは、天板213Aに連続しており、天板213Aから立設するように、タイヤ径方向に折曲げられる。同様に、枠体首板214Bは、天板213Bに連続しており、天板213Bから立設するように、タイヤ径方向に折曲げられる。
【0042】
ここで、枠体首板214A及び枠体首板214Bは、タイヤ周方向において間隔を空けて配置されることに留意すべきである。
【0043】
フランジ板215Aは、枠体首板214Aに連続しており、枠体首板214Bの反対側に向けて折曲げられる。同様に、フランジ板215Bは、枠体首板214Bに連続しており、枠体首板214Aの反対側に向けて折曲げられる。なお、フランジ板215A及びフランジ板215Bは、天板213A及び天板213Bと略平行である。
【0044】
壁板216Aは、タイヤ幅方向において底板211の一端に設けられており、底板211からタイヤ径方向に立設する形状を有する。同様に、壁板216Bは、タイヤ幅方向において底板211の他端に設けられており、底板211からタイヤ径方向に立設する形状を有する。
【0045】
ここで、壁板216A及び壁板216Bは、タイヤ周方向に沿って延びており、タイヤ幅方向において間隔を空けて配置される。
【0046】
挿入片220は、所定の剛性を有する平板部材によって構成される。挿入片220は、タイヤ幅方向(所定方向)から見た場合に、C形状の断面を有する。挿入片220は、枠体210に装着される。枠体210は、例えば、アルミニウムなどの金属によって構成されており、枠体210の厚みは、例えば、0.1mm程度である。
【0047】
詳細には、挿入片220は、本体板221と、1対の挿入片首板222(挿入片首板222A及び挿入片首板222B)と、折返し板223(折返し板223A及び折返し板223B)と、1対の挿入片係止板224(挿入片係止板224A及び挿入片係止板224B)とを有する。
【0048】
本体板221は、タイヤ幅方向(所定方向)に沿って延びており、互いに平行な第1本体板辺221A及び第2本体板221Bを有する。底板211は、台座上面232に配置される。
【0049】
挿入片首板222Aは、第1本体板辺221Aに連続しており、底板211に向けてタイヤ径方向に折曲げられる。同様に、挿入片首板222Bは、第2本体板221Bに連続しており、底板211に向けてタイヤ径方向に折曲げられる。
【0050】
ここで、挿入片首板222A及び挿入片首板222Bは、タイヤ周方向において間隔を空けて配置されることに留意すべきである。
【0051】
折返し板223Aは、挿入片首板222Aに連続しており、挿入片首板222Bに向けて本体板221と平行に折り返される。同様に、折返し板223Bは、挿入片首板222Bに連続しており、挿入片首板222Aに向けて本体板221と平行に折り返される。
【0052】
挿入片係止板224Aは、タイヤ幅方向において本体板221の一端に設けられており、本体板221からタイヤ径方向に折曲げられる。同様に、挿入片係止板224Bは、タイヤ幅方向において本体板221の一端に設けられており、本体板221からタイヤ径方向に折曲げられる。
【0053】
なお、挿入片係止板224A及び挿入片係止板224Bは、挿入片220が枠体210に装着された後に折曲げられてもよい。なお、挿入片係止板224Bについては、図3〜図5では不図示であるが、図6及び図7に図示されていることに留意すべきである。
【0054】
ここで、図3及び図4に示すように、挿入片220は、本体板221と折返し板223Aとの間に天板213Aを挟み、本体板221と折返し板223Bとの間に天板213Bを挟むように、タイヤ幅方向(所定方向)から枠体210に挿入される。
【0055】
台座230は、弾性部材(エラストマー)によって構成される。例えば、台座230は、天然ゴムや合成ゴムによって構成される。台座230は、図5に示すように、タイヤ100の内面に接着される台座下面231と、台座下面231の反対側に設けられる台座上面232とを有する。例えば、台座230は、加硫接着によってタイヤ100の内面に接着される。台座230の台座上面232には、枠体210を介して機能部品240が設けられる。
【0056】
機能部品240は、タイヤ100の状態を検出する機能を有する。機能部品240は、例えば、タイヤ100の内圧を検出する圧力センサ、タイヤ100の内部温度を検出する温度センサ、タイヤ100の回転速度を検出する加速度センサなどである。
【0057】
ここで、図5に示すように、機能部品240は、底板211、1対の側板212及び1対の天板213によって形成される空隙内に配置される。
【0058】
詳細には、枠体210に挿入片220が装着される前においては、1対の天板213(或いは、1対の枠体首板214)が間隔を空けて配置されるため、底板211、1対の側板212及び1対の天板213によって機能部品240を包むことが可能である。
【0059】
枠体210に挿入片220が装着された後においては、枠体210内に配置される機能部品240が枠体210によって締め上げられるため、機能部品240の動きが規制される。詳細には、タイヤ周方向に対する機能部品240は、1対の側板212によって規制される。タイヤ径方向に対する機能部品240は、底板211及び1対の天板213によって規制される。タイヤ幅方向に対する機能部品240は、1対の壁板216によって規制される。なお、タイヤ幅方向に対する機能部品240は、枠体210と機能部品240との間に生じる摩擦力によって規制されてもよい。
【0060】
また、所定方向(タイヤ幅方向)から見た場合に、機能部品240の角部は、所定の曲率半径の曲率を有することが好ましい。例えば、所定の曲率半径は、3mm以上であることが好ましい。これによって、枠体210によって機能部品240を包む際に、枠体210の変形が容易になる。この結果、挿入片220から離れた部位の張力が挿入片220に近い部位の張力よりも小さくなるといった現象が抑制される。言い換えると、枠体210の張力の均一化を図ることができる。
【0061】
(挿入片の装着)
以下において、第1実施形態に係る挿入片の装着について説明する。図6及び図7は、第1実施形態に係る挿入片220の装着を説明するための図である。具体的には、図6及び図7は、タイヤ周方向から見た取付構造体200の一部拡大図である。なお、説明を明確にするために、枠体210の天板213及びフランジ板215が省略されており、挿入片220の挿入片首板222及び折返し板223が省略されている。
【0062】
図6に示すように、挿入片220は、タイヤ幅方向(所定方向)から枠体210に挿入される。ここでは、挿入片係止板224A及び挿入片係止板224Bのうち、少なくとも一方の挿入片係止板は、タイヤ径方向に折曲げられていないことに留意すべきである。なお、図6では、挿入片係止板224Aが折曲げられていない。
【0063】
なお、上述したように、本体板221と折返し板223Aとの間に天板213Aが挟まれ、本体板221と折返し板223Bとの間に天板213Bが挟まれることに留意すべきである。
【0064】
図7に示すように、挿入片220の挿入後において、挿入片係止板224Aがタイヤ径方向に折曲げられる。
【0065】
ここで、所定方向(タイヤ幅方向)から見た場合に、1対の挿入片係止板224の長さは、1対の枠体首板214の間隔よりも長いことに留意すべきである。言い換えると、タイヤ周方向において、1対の挿入片係止板224の長さは、1対の枠体首板214の間隔よりも長いことに留意すべきである。
【0066】
従って、タイヤ幅方向において1対の挿入片係止板224によって1対の枠体首板214を挟まれ、挿入片220の脱落が抑制される。
【0067】
(各部位の寸法)
以下において、第1実施形態に係る各部位の寸法について説明する。図8は、第1実施形態に係る各部位の寸法を示す図である。図8は、所定方向(タイヤ幅方向)から見た取付構造体200の一部拡大図である。
【0068】
図8に示すように、各部位の寸法は、以下の記号で示されている。
【0069】
a:タイヤ周方向における1対の枠体首板214の内側間隔
b:タイヤ周方向における1対の枠体首板214の外側間隔
c:タイヤ周方向における1対の折返し板223の先端の間隔
d:タイヤ周方向における1対のフランジ板215の先端の間隔
e:タイヤ周方向における1対の挿入片首板222の内側間隔
このようなケースにおいて、タイヤ周方向における1対の挿入片首板222の内側間隔eは、タイヤ周方向における1対のフランジ板215の先端の間隔dよりも小さいことが好ましい。或いは、タイヤ周方向における1対の折返し板223の先端の間隔cは、タイヤ周方向における1対の枠体首板214の外側間隔bよりも小さいことが好ましい。
【0070】
これによって、枠体210に挿入片220が装着されると、タイヤ周方向における1対の枠体首板214の内側間隔aが狭まり、枠体210内に配置される機能部品240が締め上げられる。
【0071】
(作用及び効果)
第1実施形態では、挿入片220は、本体板221と折返し板223Aとの間に天板213Aを挟み、本体板221と折返し板223Bとの間に天板213Bを挟むように、タイヤ幅方向(所定方向)から枠体210に挿入される。
【0072】
従って、挿入片220の挿入によって、枠体210内に配置される機能部品240を枠体210によって締め上げることができる。この結果、機能部品240がタイヤ100の振動によって動かない。従って、高周波振動などを検出できるように機能部品240をタイヤ100の内面に取り付けることができる。
【0073】
[変更例1]
以下において、第1実施形態の変更例1について説明する。以下においては、第1実施形態に対する相違点について主として説明する。
【0074】
第1実施形態では、挿入片220に設けられる挿入片係止板224の折曲げによって、挿入片220の脱落が抑制される。
【0075】
これに対して、変更例2では、枠体210に設けられる部位によって、挿入片220の脱落が抑制される。従って、変更例2では、挿入片係止板224が設けられていなくてもよい。但し、挿入片係止板224が設けられていてもよいことは勿論である。
【0076】
(挿入片の装着)
以下において、変更例1に係る挿入片の装着について説明する。図9及び図10は、変更例1に係る挿入片220の装着を説明するための図である。具体的には、図9は、取付構造体200の一部拡大斜視図である。図10は、タイヤ周方向から見た取付構造体200の一部拡大図である。
【0077】
図9及び図10に示すように、1対のフランジ板215の両端には、折れ線Xで天板213側に折れ曲がる1対の枠体係止板217(枠体係止板217A及び枠体係止板217B)が設けられる。
【0078】
ここで、折れ線Xは、タイヤ周方向及びタイヤ幅方向の双方に対して傾きを有している。従って、図10に示すように、タイヤ周方向から見た場合に、枠体係止板217は、三角形状を有する。
【0079】
これによって、タイヤ周方向から見た場合に、枠体係止板217が三角形状を有するため、枠体係止板217は、挿入片220の挿入を妨げず、かつ、挿入片220の脱落を抑制することができる。
【0080】
[変更例2]
以下において、第1実施形態の変更例2について説明する。以下においては、第1実施形態に対する相違点について主として説明する。
【0081】
変更例2では、図11に示すように、所定方向(タイヤ幅方向)から見た断面において、挿入片220の本体板221は、枠体210の底板211側に凹む形状を有する。詳細には、本体板221は、タイヤ幅方向から見た場合に、Σ形状の断面を有する。
【0082】
これによって、タイヤ周方向において、タイヤ周方向における1対の折返し板223の先端の間隔cの調整、タイヤ周方向における1対の挿入片首板222の内側間隔eの調整が容易になる。
【0083】
[その他の実施形態]
本発明は上述した実施形態によって説明したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、この発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【0084】
実施形態では、所定方向がタイヤ幅方向となるように、取付構造体200がタイヤ100に接着されるケースについて例示した。しかしながら、実施形態は、これに限定されるものではない。所定方向がタイヤ周方向となるように、取付構造体200がタイヤ100に接着されてもよい。
【0085】
実施形態では、寸法の表現として、「等しい」という用語を用いたが、寸法誤差を許容することが可能であることは勿論である。
【0086】
実施形態で用いる「所定の剛性」は、台座を構成する部材(弾性部材)の剛性よりも少なくとも大きいことに留意すべきである。
【0087】
実施形態で用いる“垂直方向”は、機能部品240の形状によって多少の傾きの変更を許容する表現であることに留意すべきである。
【符号の説明】
【0088】
10…ビード部、20…サイドウォール部、30…ショルダー部、40…トレッド部、100…タイヤ、110…ビードコア、120…カーカス層、130…ベルト層、200…取付構造体、210…枠体、211…底板、212…側板、213…天板、214…枠体首板、215…フランジ板、216…壁板、217…枠体係止板、220…挿入片、221…本体板、222…挿入片首板、223…折返し板、224…挿入片係止板、230…台座、240…機能部品
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タイヤの状態を検出する機能を有する機能部品を前記タイヤの内面に取り付ける取付構造体であって、
弾性部材によって構成されており、前記タイヤの内面に接着される台座下面と、前記台座下面の反対側に設けられる台座上面とを有する台座と、
所定の剛性を有する平板部材によって構成された枠体と、
所定の剛性を有する部材によって平板部材によって構成された挿入片とによって構成されており、
前記枠体は、
所定方向に沿って延びており、互いに平行な第1底板辺及び第2底板辺を有する前記台座上面に配置される底板と、
前記第1底板辺で前記底板に連続しており、前記底板から立設するように前記台座上面に対する垂直方向に折曲げられた第1側板と、
前記第2底板辺で前記底板に連続しており、前記底板から立設するように前記垂直方向に折曲げられた第2側板と、
前記第1側板に連続しており、前記第2側板に向けて前記底板と平行に折曲げられた第1天板と、
前記第2側板に連続しており、前記第1側板に向けて前記底板と平行に折曲げられた第2天板と、
前記第1天板に連続しており、前記第1天板から立設するように前記垂直方向に折曲げられた第1枠体首板と、
前記第2天板に連続しており、前記第2天板から立設するように前記垂直方向に折曲げられた第2枠体首板と、
前記第1枠体首板に連続しており、前記第2枠体首板の反対側に向けて折曲げられた第1フランジ板と、
前記第2枠体首板に連続しており、前記第1枠体首板の反対側に向けて折曲げられた第2フランジ板とによって構成されており、
前記挿入片は、
前記所定方向に沿って延びており、互いに平行な第1本体板辺及び第2本体板辺を有しており、前記第1天板及び前記第2天板と平行な本体板と、
前記第1本体板辺で前記本体板に連続しており、前記底板に向けて前記垂直方向に折曲げられた第1挿入片首板と、
前記第2本体板辺で前記本体板に連続しており、前記底板に向けて前記垂直方向に折曲げられた第2挿入片首板と、
前記第1挿入片首板に連続しており、前記第2挿入片首板に向けて前記本体板と平行に折り返される第1折返し板と、
前記第2挿入片首板に連続しており、前記第1挿入片首板に向けて前記本体板と平行に折り返される第2折返し板とによって構成されており、
前記機能部品は、前記底板、前記第1側板、前記第2側板、前記第1天板及び前記第2天板によって構成される空隙内に配置され、
前記挿入片は、前記本体板と前記第1折返し板との間に前記第1天板を挟み、前記本体板と前記第2折返し板との間に前記第2天板を挟むように、前記所定方向から前記枠体に挿入されることを特徴とする取付構造体。
【請求項2】
前記所定方向における前記本体板の両端には、前記底板に向けて前記垂直方向に折曲げられる1対の挿入片係止板が設けられており、
前記所定方向から見た場合に、前記1対の挿入片係止板の長さは、前記第1枠体首板と前記第2枠体首板との間隔よりも長いことを特徴とする請求項1に記載の取付構造体。
【請求項3】
前記所定方向における前記第1フランジ板の両端には、前記所定方向及び前記所定方向に直交する方向に対して傾きを有する折れ線で、前記第1天板側に折れ曲がる1対の第1枠体係止板が設けられており、
前記所定方向における前記第2フランジ板の両端には、前記所定方向及び前記所定方向に直交する方向に対して傾きを有する折れ線で、前記第1天板側に折れ曲がる1対の第2枠体係止板が設けられることを特徴とする請求項1に記載の取付構造体。
【請求項4】
前記所定方向から見た断面において、前記第1挿入片首板と前記第2挿入片首板との内側間隔は、前記第1フランジ板の先端と前記第2フランジ板の先端との間隔よりも狭い、或いは、前記第1折返し板の先端と前記第2折返し板の先端との間隔は、前記第1枠体首板と前記第2枠体首板との外側間隔よりも狭いことを特徴とする請求項1に記載の取付構造体。
【請求項5】
前記所定方向から見た断面において、前記本体板は、前記底板側に凹む形状を有することを特徴とする請求項1に記載の取付構造体。
【請求項6】
前記所定方向から見た断面において、前記機能部品の角部の曲率半径は、3mm以上であることを特徴とする請求項1に記載の取付構造体。
【請求項1】
タイヤの状態を検出する機能を有する機能部品を前記タイヤの内面に取り付ける取付構造体であって、
弾性部材によって構成されており、前記タイヤの内面に接着される台座下面と、前記台座下面の反対側に設けられる台座上面とを有する台座と、
所定の剛性を有する平板部材によって構成された枠体と、
所定の剛性を有する部材によって平板部材によって構成された挿入片とによって構成されており、
前記枠体は、
所定方向に沿って延びており、互いに平行な第1底板辺及び第2底板辺を有する前記台座上面に配置される底板と、
前記第1底板辺で前記底板に連続しており、前記底板から立設するように前記台座上面に対する垂直方向に折曲げられた第1側板と、
前記第2底板辺で前記底板に連続しており、前記底板から立設するように前記垂直方向に折曲げられた第2側板と、
前記第1側板に連続しており、前記第2側板に向けて前記底板と平行に折曲げられた第1天板と、
前記第2側板に連続しており、前記第1側板に向けて前記底板と平行に折曲げられた第2天板と、
前記第1天板に連続しており、前記第1天板から立設するように前記垂直方向に折曲げられた第1枠体首板と、
前記第2天板に連続しており、前記第2天板から立設するように前記垂直方向に折曲げられた第2枠体首板と、
前記第1枠体首板に連続しており、前記第2枠体首板の反対側に向けて折曲げられた第1フランジ板と、
前記第2枠体首板に連続しており、前記第1枠体首板の反対側に向けて折曲げられた第2フランジ板とによって構成されており、
前記挿入片は、
前記所定方向に沿って延びており、互いに平行な第1本体板辺及び第2本体板辺を有しており、前記第1天板及び前記第2天板と平行な本体板と、
前記第1本体板辺で前記本体板に連続しており、前記底板に向けて前記垂直方向に折曲げられた第1挿入片首板と、
前記第2本体板辺で前記本体板に連続しており、前記底板に向けて前記垂直方向に折曲げられた第2挿入片首板と、
前記第1挿入片首板に連続しており、前記第2挿入片首板に向けて前記本体板と平行に折り返される第1折返し板と、
前記第2挿入片首板に連続しており、前記第1挿入片首板に向けて前記本体板と平行に折り返される第2折返し板とによって構成されており、
前記機能部品は、前記底板、前記第1側板、前記第2側板、前記第1天板及び前記第2天板によって構成される空隙内に配置され、
前記挿入片は、前記本体板と前記第1折返し板との間に前記第1天板を挟み、前記本体板と前記第2折返し板との間に前記第2天板を挟むように、前記所定方向から前記枠体に挿入されることを特徴とする取付構造体。
【請求項2】
前記所定方向における前記本体板の両端には、前記底板に向けて前記垂直方向に折曲げられる1対の挿入片係止板が設けられており、
前記所定方向から見た場合に、前記1対の挿入片係止板の長さは、前記第1枠体首板と前記第2枠体首板との間隔よりも長いことを特徴とする請求項1に記載の取付構造体。
【請求項3】
前記所定方向における前記第1フランジ板の両端には、前記所定方向及び前記所定方向に直交する方向に対して傾きを有する折れ線で、前記第1天板側に折れ曲がる1対の第1枠体係止板が設けられており、
前記所定方向における前記第2フランジ板の両端には、前記所定方向及び前記所定方向に直交する方向に対して傾きを有する折れ線で、前記第1天板側に折れ曲がる1対の第2枠体係止板が設けられることを特徴とする請求項1に記載の取付構造体。
【請求項4】
前記所定方向から見た断面において、前記第1挿入片首板と前記第2挿入片首板との内側間隔は、前記第1フランジ板の先端と前記第2フランジ板の先端との間隔よりも狭い、或いは、前記第1折返し板の先端と前記第2折返し板の先端との間隔は、前記第1枠体首板と前記第2枠体首板との外側間隔よりも狭いことを特徴とする請求項1に記載の取付構造体。
【請求項5】
前記所定方向から見た断面において、前記本体板は、前記底板側に凹む形状を有することを特徴とする請求項1に記載の取付構造体。
【請求項6】
前記所定方向から見た断面において、前記機能部品の角部の曲率半径は、3mm以上であることを特徴とする請求項1に記載の取付構造体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−250667(P2012−250667A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−126443(P2011−126443)
【出願日】平成23年6月6日(2011.6.6)
【出願人】(000005278)株式会社ブリヂストン (11,469)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月6日(2011.6.6)
【出願人】(000005278)株式会社ブリヂストン (11,469)
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