取付部、バンパーカバーの取付部、及びバンパーカバーの組付構造
【課題】剛性を向上させる。
【解決手段】爪部１４０Ａ，１４０Ｂ及びストッパー部の下辺部は、それぞれ別の車両幅方向に並んで配置された第一リブ部１５０及び第二リブ部１５１Ａ，１５１Ｂに係止する。よって、爪部及びストッパー部が、同じリブ部に係止する構成と比較し、第一リブ部１５０部及び第二フリブ部１５１Ａ，１５１Ｂを短くすることができる。また、第二リブ部１５１Ａ，１５１Ｂの間に第一リブ部１５０が形成されているので、バンパーカバー２０の下端部２２における第二リブ部１５１Ａ，１５１Ｂ間の開口部２８の開口面積が小さくなる。
【解決手段】爪部１４０Ａ，１４０Ｂ及びストッパー部の下辺部は、それぞれ別の車両幅方向に並んで配置された第一リブ部１５０及び第二リブ部１５１Ａ，１５１Ｂに係止する。よって、爪部及びストッパー部が、同じリブ部に係止する構成と比較し、第一リブ部１５０部及び第二フリブ部１５１Ａ，１５１Ｂを短くすることができる。また、第二リブ部１５１Ａ，１５１Ｂの間に第一リブ部１５０が形成されているので、バンパーカバー２０の下端部２２における第二リブ部１５１Ａ，１５１Ｂ間の開口部２８の開口面積が小さくなる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、取付部、バンパーカバーの取付部、及びバンパーカバーの組付構造に関する。
【背景技術】
【０００２】
引用文献１には、バンパーカバーをボデーに連結する被係合部に、バンパー本体に設けた切欠開口部の上面に掛止する掛止爪と下面に当接させる当接片とが形成されているバンパーカバーの連結構造が開示されている。
【０００３】
引用文献２には、バンパーカバーの下端部分に設けたインテグラルヒンジ部を起点にして折り曲げて、スクリューグロメットとスクリューとで締め付けることによってボデーにバンパーカバーを締結するバンパーカバーの締結構造が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００４】
【特許文献１】特開２００８−１９５１７６号公報
【特許文献２】特開２００９−０８３７５７号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
ここで、バンパーカバー等の取付部の剛性を向上させて、組付強度を向上させることが望まれている。
【０００６】
本発明は、上記事実を考慮し、剛性を向上させた、取付部、バンパーカバーの取付部、及びバンパーカバーの組付構造を提供することが目的である。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
請求項１の発明は、車両のバンパーカバーの下端部に形成され、前記下端部との境界部に形成されたインテグラルヒンジによって回転可能とされ、車両組付状態において、車両上下方向上側に延出した支持部と、前記支持部に形成された取付部側貫通孔と、前記下端部から車両前後方向後側に延出した第一リブ部と、前記インテグラルヒンジ及び前記第一リブ部の車両幅方向の両外側の部位からそれぞれ車両前後方向後側に延出した対を成す第二リブ部と、前記支持部に形成され、車両組付状態において、前記第一リブ部及び第二リブ部のいずれか一方が挿入されて係止される開口部を有するストッパー部と、前記支持部に形成され、車両組付状態において、前記第一リブ部及び前記第二リブ部のいずれか他方に、下端部が係止される爪部と、を備える。
【０００８】
請求項１の発明では、支持部が車両前後方向後側に延出した車両組付け前の状態から車両上下方向上側に回転されることで、爪部が第一リブ部及び第二リブのいずれか一方に当接して弾性変形し下端部が係止すると共に、ストッパー部の開口部が第一リブ部及び第二リブのいずれか他方に係止することで、支持部が車両上下方向上側に延出した車両組付状態に固定される。そして、支持部にアンダーカバーが締結されることで、バンパーカバーにアンダーカバーが組み付けられる。
【０００９】
爪部及びストッパー部は、それぞれ別の車両幅方向に並んで形成された第一リブ部及び第二リブ部に係止する。よって、爪部及びストッパー部が、同じリブ部に係止する構成と比較し、第一リブ部及び第二フリブ部を短くできる。
【００１０】
また、第二リブの間に第一リブ部を形成することで、バンパーカバーの下端部の開口面積が小さくなる。
【００１１】
このように、第一リブ部及び第二フリブ部が短くなり、バンパーカバーの下端部の開口面積が小さくなるので、取付部の剛性が向上する。
【００１２】
請求項２に記載の発明は、前記インテグラルヒンジは、車両幅方向に間隔をあけて対を成して形成され、前記第一リブ部は、対を成す前記インテグラルヒンジの間から延出し、前記第二リブ部は、対を成す前記インテグラルヒンジの車両幅方向の両外側の部位からそれぞれ車両前後方向後側に延出している。
【００１３】
請求項２に記載の発明では、取付部が車両幅方向に対称となるので、対称でない構成と比較し、剛性が向上する。
【００１４】
請求項３の発明は、前記ストッパー部の前記開口部に前記第一リブ部が挿入されて係止し、前記爪部は、前記支持部の車両幅方向両側からそれぞれ前記第二リブ部に向かって斜めに延出し、下端部が前記第二リブ部の上面に係止する。
【００１５】
請求項３の発明では、対を成す二つの第二リブ部にそれぞれ爪部が係止するので、爪部を支持する剛性が向上する。
【００１６】
請求項４の発明は、前記爪部は、前記第一リブ部の下端部が前記第一リブ部の上面に係止し、前記ストッパー部は、前記支持部の車両幅方向両側からそれぞれ前記第二リブ部に向かって斜めに延出し、前記開口部に前記第二リブ部が挿入されて係止する。
【００１７】
請求項４の発明では、対を成す二つの第二リブ部にそれぞれストッパー部の開口部が係止するので、ストッパー部を支持する剛性が向上する。
【００１８】
請求項５の発明は、前記支持部を車両幅方向に見た場合に、前記爪部と前記ストッパー部とが重なるように構成されている。
【００１９】
請求項５の発明では、支持部を車両幅方向に見た場合に、爪部とストッパー部とが重なるように構成されている。よって、爪部とストッパー部とが車両前後方向にずれて配置されている構成と比較し、第一リブ部及び第二リブ部を更に短くすることが可能である。
【００２０】
請求項６の発明は、前記バンパーカバーにおける車両幅方向外側部分は、車両前後方向後側に向かって湾曲する湾曲部を有し、前記第二リブ部は、前記湾曲部に形成されている。
【００２１】
請求項６の発明では、バンパーカバーの湾曲部に形成された対を成す第二リブ部の延出方向の長さを一致させると、車両幅方向内側の第二リブ部が長くなる。しかし、爪部及びストッパー部が同じリブ部に係止する構成と比較し、湾曲部における車両幅方向内側の第二フリブ部が短くなり、その結果、湾曲部に形成された取付部の剛性が向上する。
【００２２】
請求項７の発明は、車両組付状態の前記支持部の上端部から車両前後方向後側に延出し、前記取付部側貫通孔が上下方向に貫通するフランジ部を有する。
【００２３】
請求項７の発明では、車両前後方向後側に延出し、取付部側貫通孔が上下方向に貫通するフランジ部にアンダーカバーが締結されるので、組付作用性が向上する。
【００２４】
請求項８の発明は、前記フランジ部は、車両前後方向後側に延出し、車両上下方向に貫通する前記取付部側貫通孔を有する第一フランジ部と、前記第一フランジ部の車両幅方向の両外側からそれぞれ車両前後方向後側に延出した対を成す第二フランジ部と、を有し、前記第一フランジ部が前記第二フランジ部よりも車両上下方向上側又は下側に設けることで、前記第一フランジ部と前記第二フランジ部との間に隙間が形成されている。
【００２５】
請求項８の発明では、第一フランジと第二フランジ部との間に形成される隙間にアンダーカバーが挟まれている状態で、例えば第一フランジ部の貫通孔に取り付けられたグロメットとアンダーカバーのカバー側貫通孔に挿入されたスクリューとで、バンパーカバーにアンダーカバーが組み付けられる。
【００２６】
このように、第一フランジと第二フランジ部との間に形成される隙間に、アンダーカバーが挟まれて保持された状態で、組み付けられるので組付作業性が向上する
【００２７】
請求項９の発明は、請求項１〜請求項７のいずれか１項に記載の取付部が形成されたバンパーカバーと、前記取付部の前記取付部側貫通孔と対応する位置に車両上下方向に貫通するカバー側貫通孔が形成されたアンダーカバーと、前記取付部の前記第一フランジ部に前記アンダーカバーを締結する締結手段と、を備える。
【００２８】
請求項９の発明では、爪部及びストッパー部が同じリブ部に係止する構成と比較し、第一リブ部及び第二フリブ部が短くなると共にバンパーカバーの下端部の開口面積が小さくなるので、取付部の剛性が向上し、その結果、バンパーカバーとアンダーカバーとの組付強度が向上する。
【００２９】
請求項１０の発明は、請求項８に記載の取付部が形成されたバンパーカバーと、前記取付部の前記第一フランジ部と前記第二フランジ部との間に形成された隙間に挟まれ、前記第一フランジ部に形成された前記取付部側貫通孔と対応する位置に車両上下方向に貫通するカバー側貫通孔が形成されたアンダーカバーと、前記取付部側貫通孔に挿入され組み付けられたグロメットと、前記カバー側貫通孔に挿入され前記グロメットに螺合することで前記アンダーカバーを前記取付部に締結するスクリューと、を備える。
【００３０】
請求項１０の発明では、第一フランジと第二フランジ部との間に形成される隙間に、アンダーカバーが挟まれて保持された状態で、組み付けられるので、組付作業性が向上する。
【００３１】
請求項１１の発明は、インテグラルヒンジによって回転可能とされた支持部と、回転軸方向に並んで設けられた複数の係合部と、複数の前記係合部に対応して前記支持部にそれぞれ設けられ、前記支持部を回転することで、複数の前記係合部にそれぞれ係合され、回転方向側への移動を規制する第一被係合部と逆回転方向の移動を規制する第二被係合部とを含む複数の被係合部と、を備える。
【００３２】
請求項１１の発明では、支持部が回転されることで、複数の係合部に複数の被係合部が係合されると共に回転方向側への移動と逆回転方向の移動とが規制され、これにより支持部が固定される。そして、取付部に部材や部品等が固定される。
【００３３】
複数の被係合部を構成する第一被係合部及び第二被係合部は、それぞれ別の回転軸方向に並んで形成された複数の係合部に係止する。よって、第一被係合部及び第二被係合部が、同じ係合部に係止する構成と比較し、係合部を小さくできる。そして、このように、係合部が小さくなるので、取付部の剛性が向上する。
【発明の効果】
【００３４】
請求項１に記載の発明によれば、爪部及びストッパー部が同じリブ部に係止する構成と比較し、取付部の剛性が向上する。
【００３５】
請求項２に記載の発明によれば、取付部が対称でない構成と比較し、剛性が向上する。
【００３６】
請求項３に記載の発明によれば、爪部を支持する剛性が向上する。
【００３７】
請求項４に記載の発明によれば、ストッパー部を支持する剛性が向上する。
【００３８】
請求項５に記載の発明によれば、車両幅方向に見た場合に爪部とストッパー部とが車両前後方向にずれて配置されている構成と比較し、第一リブ部及び第二リブ部を更に短くすることができる。
【００３９】
請求項６に記載の発明によれば、湾曲部に形成された取付部の剛性を向上させることができる。
【００４０】
請求項７に記載の発明によれば、組付作用性が向上する。
【００４１】
請求項８に記載の発明によれば、第一フランジと第二フランジ部との間に形成される隙間に、アンダーカバーが挟まれて保持され固定されるので組付作業性が向上する。
【００４２】
請求項９に記載の発明によれば、爪部及びストッパー部が同じリブ部に係止する構成と比較し、取付部の剛性が向上し、その結果、バンパーカバーとアンダーカバーとの組付強度を向上させることができる。
【００４３】
請求項１０に記載の発明によれば、組付作業性を向上させることができる。
【００４４】
請求項１１に記載の発明によれば、第一被係合部及び第二被係合部が同じ係合部に係合する構成と比較し、取付部の剛性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【００４５】
【図１】第一実施形態の取付部を有するバンパーカバーにアンダーカバーを組み付ける前の状態を示す分解斜視図である。
【図２】第一実施形態のバンパーカバーの取付部を示し、支持部が車両上下方向上側に延出した（爪部やストッパー部がリブ部に係止した）状態の斜視図である。
【図３】第一実施形態のバンパーカバーの取付部を示し、支持部が車両前後方向後側に延出した（爪部やストッパー部がリブ部に係止する前の）状態の斜視図である。
【図４】図３の要部を示す拡大斜視図である。
【図５】（Ａ）は爪部が第二リブ部に係止した状態を示す部分拡大斜視図であり、（Ｂ）はストッパー部が第一リブ部に係止した状態を示す部分拡大斜視図である。
【図６】（Ａ）はバンパーカバーの下端部と第二リブ部とを示す側面図であり、（Ｂ）はバンパーカバーの下端部と第一リブ部とを示す図５（Ｂ）の６Ｂ−６Ｂ線に沿った断面図である。
【図７】第一実施形態のバンパーカバーの取付部にアンダーカバーが組み付けられた状態を車両幅方向内側から見た側面図である。
【図８】図４の８−８線に沿った断面における取付部を成形するための二つの金型を示し、（Ａ）は二つの金型を開く前の状態を示し、（Ｂ）は二つの金型を開いた状態を示す断面図である。
【図９】金型の凹部を切削カッターで形成する様子を説明する説明図である。
【図１０】バンパーカバーとアンダーカバーとを組み付ける組付作業を、（Ａ）〜（Ｃ）へと順番に示す工程図である。
【図１１】（Ａ）は本実施形態の取付部の要部を模式的に示す平面図であり、（Ｂ）は比較例の取付部の要部を模式的に示す（Ａ）に対応する平面図であり、（Ｃ）は湾曲部の第一リブ部及び第二リブ部の長さを説明するための平面図である。
【図１２】（Ａ）は第二実施形態のバンパーカバーの取付部を示し、支持部が車両上下方向上側に延出した状態の図２に対応する斜視図であり、（Ｂ）は第一リブ部と爪部とを車両幅方向内側から外側に見た側面図である。
【図１３】変形例のバンパーカバーの取付部を示す図２に対応する斜視図である。
【図１４】（Ａ）は図１３に示す変形例の取付部のフランジ部にＳ字クリップを取り付ける様子を示す斜視図であり、（Ｂ）はＳ字クリップを用いてフランジ部にアンダカバーを固定した状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【００４６】
＜第一実施形態＞
図１〜図１１を用いて、本発明の第一実施形態に係るバンパーカバーの取付部について説明する。なお、矢印ＦＲは車両前後方向前側を示し、矢印ＵＰは車両上下方向上側を示し、矢印ＯＵＴは車両幅方向外側を示している。
【００４７】
[構成]
まず、発明の第一実施形態に係るバンパーカバーの取付部の構成について説明する。
【００４８】
図１に示すように、バンパーカバー２０は車両幅方向を長手方向として配置された長尺状の部材であり、図示しないフロントバンパの前端部の意匠面（外面）を形成するべく配置される樹脂製の部材である。バンパーカバー２０における車両幅方向外側部分は、車両前後方向後側に向かって湾曲している。また、車両１０の床下にはアンダーカバー５０が配置さている。そして、バンパーカバー２０の裏面２０Ｕの下端部２２に形成された取付部１００を介して、バンパーカバー２０とアンダーカバー５０とが締結されている（図７を参照）。
【００４９】
取付部１００は、バンパーカバー２０の下端部２２に車両幅方向に間隔をあけて複数設けられている。なお、バンパーカバー２０の車両幅方向外側部の湾曲部２４に設けられた取付部１００Ｗについては後述する。
【００５０】
図２〜図４に示すように、取付部１００は、ブラケット部１０２と、第一リブ部１５０と、第一リブ部１５０の車両幅方向外側に間隔をあけて配置された対を成す第二リブ部１５１Ａ，１５１Ｂと、を有している。なお、図３、図４は、後述する成型後のブラケット部１０２を構成する支持部１１０が車両前後方向後方側に延出した状態を示している。また、以降の説明では、特に断りが無い限り図２に示すブラケット部１０２の支持部１１０が車両上下方向上側に延出した状態で説明する。よって、各方向も図２の状態における方向で説明する。
【００５１】
図２及び図３に示すように、ブラケット部１０２は、第一フランジ部１２０と、第二フランジ部１３０Ａ，１３０Ｂと、爪部１４０Ａ、１４０Ｂと、ストッパー部１６０と、を含んで構成されている。また、ブラケット部１０２は、バンパーカバー２０の下端部２２の後方側端部において、車両幅方向に間隔をあけて形成されたインテグラルヒンジ１１２Ａ，１１２Ｂ（図４も参照）を介して、バンパーカバー２０と一体成形されている。
【００５２】
図２〜図４に示すように、前述した第一リブ部１５０は、対を成すインテグラルヒンジ１１２Ａとインテグラルヒンジ１１２Ｂとの間から車両前後方向後側に延出する。第二リブ部１５１Ａ，１５１Ｂは、対を成すインテグラルヒンジ１１２Ａ，１１２Ｂの車両幅方向の両外側の部位からそれぞれ車両前後方向後側に延出する。なお、図６に示すように、第一リブ部１５０、第二リブ部１５１Ａ，１５１Ｂは、後述する型抜き勾配のため、車両前後方向後側に向かって板厚が薄くなっている。よって、下端部２２における第一リブ部１５０、第二リブ部１５１Ａ，１５１Ｂとの境界部分は肉厚部Ｄとなる（図８も参照）。
【００５３】
図２〜図４に示すように、ブラケット部１０２を構成する支持部１１０は、バンパーカバー２０の下端部２２から車両上下方向上側に延出する。なお、インテグラルヒンジ１１２Ａ，１１２Ｂからそれぞれ、支持部１１０を構成する延出部１１４Ａ，１１４Ｂが延出し、これら延出部１１４Ａ，１１４Ｂの間に後述するストッパー部１６０が形成されている。また、支持部１１０の上端部分は車両前後方向に向かって屈曲する。そして、支持部１１０（ブラケット部１０２全体）は、インテグラルヒンジ１１２Ａ，１１２Ｂによって車両上下方向に回転可能とされている。
【００５４】
なお、「インテグラルヒンジ」とは、樹脂成形品の一部分を他の部分に直線状に連結する部位のことをいい、この連結部位の厚みが周囲の部分よりも薄いことにより、回転させることができるヒンジとして機能する部位のことをいう。
【００５５】
図２及び図３に示すように、第一フランジ部１２０は、支持部１１０の上端部における車両幅方向の中央部分から略車両上下方向上側に延出し屈曲することで車両前後方向後側に延出する。第一フランジ部１２０の先端部は、車両前後方向後側斜め上側に傾斜したガイド部１２４が形成されている。
【００５６】
第一フランジ部１２０の中央部分には、車両上下方向に貫通する略矩形状の取付部側貫通孔１２２が形成されている。また、第一フランジ部１２０の屈曲部には、車両前後方向前側が凹んだビード１１９が形成されている。
【００５７】
第一フランジ部１２０の下面１２０Ｌにおける取付部側貫通孔１２２の車両前後方向の前側と後側とには、それぞれ凸部１２６、１２８が形成されている。凸部１２６，１２８は、車両幅方向に沿って延在している。また、凸部１２６の車両前後方向の後側面は、ガイド部１２４から連続する傾斜面１２７が形成され、凸部１２８の車両前後方向の後側面は傾斜面１２９が形成されている。なお、凸部１２６、１２８の高さは、後述するグロメット８０の頭部８２の厚みと一致するように設定されている（図７を参照）。
【００５８】
第二フランジ部１３０Ａ，１３０Ｂは、支持部１１０の端部における第一フランジ部１２０の車両幅方向の両外側から車両前後方向後側に延出する。第二フランジ部１３０Ａ，１３０Ｂの先端部は、車両前後方向後側斜め下側に傾斜したガイド部１３４Ａ，１３４Ｂが形成されている。
【００５９】
また、第一フランジ部１２０は、第二フランジ部１３０Ａ，１３０Ｂはよりも車両上下方向上側に設けられているので、第一フランジ部１２０と第二フランジ部１３０Ａ，１３０Ｂとの間に隙間１２５が形成される。
【００６０】
図２〜図４に示すように、爪部１４０Ａ、１４０Ｂは、支持部１１０の端部における車両幅方向の両外側からそれぞれ外側に延出し、屈曲することで第二リブ部１５１Ａ，１５１Ｂに向かって斜めに延出する。そして、爪部１４０Ａ，１４０Ｂの下端部１４２Ａ，１４２Ｂが第二リブ部１５１Ａ、１５１Ｂのそれぞれ上面１５１ＡＵ，１５１ＢＵに係止する（図５（Ａ）も参照）。
【００６１】
ストッパー部１６０は、支持部１１０の延出部１１４Ａ，１１４Ｂの間に形成さている。ストッパー部１６０の全体形状は、車両前後方向前側が開口したボックス（箱）形状とされている。また、ストッパー部１６０の下部には、車両前後方向に貫通する開口部１６２が形成されている。そして、この開口部１６２に第一リブ部１５０が挿入されると共に、ボックス（箱）形状の底面を構成する開口部１６２の下辺部１６４が第一リブ部１５０の下面１５０Ｌに係止する（図５（Ｂ）、図６（Ｂ）も参照）。なお、ボックス形状のストッパー部１６０の両側面は、前述したインテグラルヒンジ１１２Ａ，１１２Ｂからそれぞれ延出する延出部１１４Ａ，１１４Ｂと繋がっている。
【００６２】
図２〜図４に示すように、爪部１４０Ａ，１４０Ｂとストッパー部１６０とは車両幅方向に並んで配置され、車両幅方向に見ると、爪部１４０Ａ，１４０Ｂとストッパー部１６０との少なくとも一部が重なるように構成されている。なお、取付部１００は、車両前後方向に見て左右対称となっている。
【００６３】
図７に示すように、前述した取付部１００の第一フランジ部１２０の取付部側貫通孔１２２には、筒状のグロメット８０が挿入され取り付けられている。グロメット８０は、軸方向に貫通するねじ孔８６が形成されている（図１０（Ａ）も参照）。また、軸方向の一方の端部には略矩形板状の頭部８２が形成されている。なお、頭部８２の外径は、取付部側貫通孔１２２よりも大きく、且つ凸部１２６，１２８間よりも小さい。また、この頭部８２の厚みは、前述したように第一フランジ部１２０の下面１２０Ｌに形成された凸部１２６、１２８の高さと一致する。
【００６４】
グロメット８０の頭部８２から軸方向に脚部８４が突出し、脚部８４の先端には、略三角形状の掛止部８３が形成されている。そして、頭部８２と掛止部８３とで第一フランジ部１２０を挟持することで、第一フランジ部１２０の取付部側貫通孔１２２にグロメット８０が固定されている。
【００６５】
このように取付部側貫通孔１２２にグロメット８０が固定された状態で、第一フランジ部１２０と第二フランジ部１３０Ａ，１３０Ｂとの間の隙間１２５にアンダーカバー５０の先端部５２が挟まれている。アンダーカバー５０の先端部５２には、取付部側貫通孔１２２に対応する位置に車両上下方向に貫通するカバー側貫通孔５４が形成されている（図１０（Ａ）も参照）。そして、カバー側貫通孔５４から挿入されたスクリュー９０がグロメット８０のねじ孔８６に螺合することで、バンパーカバー２０の取付部１００にアンダーカバー５０が固定されている。
【００６６】
なお、詳細は後述するが、成型時においては、ブラケット部１０２は、図３及び図４に示す支持部１１０が車両前後方向後側に延出した状態であるが、その状態からインテグラルヒンジ１１２を回転中心としてブラケット部１０２を回転させて、図２等に示す支持部１１０が車両上下方向上側に延出した状態として、アンダーカバー５０が組み付けられている。
【００６７】
また、図３に示すように、ブラケット部１０２は、支持部１１０が車両前後方向後側に延出する状態では、車両前後方向に見ると、第一フランジ部１２０、第二フランジ部１３０Ａ，１３０Ｂ、第一リブ部１５０、第二リブ部１５１Ａ，１５１Ｂ、爪部１４０Ａ，１４０Ｂ、及びストッパー部１６０Ａ，１６０Ｂが、重ならないように形成されている。また、取付部側貫通孔１２２の貫通方向は車両前後方向となる。そして、取付部１００は、支持部１１０が車両前後方向後側に延出した状態では、アンダーカットを有しない形状になっている。
【００６８】
[成型方法]
つぎに、バンパーカバー２０の成型について説明する。なお、各方向は、バンパーカバー２０が車両１０に組み付けられた車両組付状態、すなわち車両基準で説明する。
【００６９】
図３及び図４に示すように、成型時におけるブラケット部１０２は、支持部１１０が車両前後方向後側に延出した状態である。そして、図８には、取付部１００を成形するための二つの第一金型５１０及び第二金型５２０が示されている。第一金型５１０は車両前後方向前側（図８の矢印Ｆ１方向）が抜き方向とされており、第二金型５２０は車両前後方向後側方（図８の矢印Ｆ２方向）が抜き方向とされている。
【００７０】
そして、上述したように、取付部１００は、ブラケット部１０２の支持部１１０が車両前後方向後側に延出した状態では、アンダーカットを有しない形状であるので、二つの第一金型５１０及び第二金型５２０を車両前後方向に引き抜くだけで取付部１００を有するバンパーカバー２０が成型される。なお、本実施形態では、第一金型５１０と第二金型５２０との合わせ角度（抜き勾配）は、５°以上に設定されている。
【００７１】
なお、ストッパー部１６０は、ボックス形状とされ開口部１６２の下辺部１６４が第一リブ部１５０に係止する構成である（図４、図５（Ｂ）、図６（Ｂ）を参照）。よって、図８に示すように第一金型５１０における下辺部１６４を形成する部位は、凹部５１２となる。そして、図９に示すように、凹部５１２は単純な形状であるので、凹部５１２を放電加工でなく切削カッター５３０で形成することがきる。
【００７２】
[組付方法]
つぎに、バンパーカバー２０にアンダーカバー５０を組み付ける組付方法について、説明する。なお、各方向は、バンパーカバー２０が車両１０に組み付けられた車両組付状態、すなわち車両基準で説明する。
【００７３】
図３に示すように、バンパーカバー２０の下端部２２に一体に構成されている取付部１００は、支持部１１０が車両前後方向後側に延出した状態で成型される。そして、図２に示すように、支持部１１０の根元のインテグラルヒンジ１１２Ａ，１１２Ｂを回転中心として、ブラケット部１０２全体を回転させる。
【００７４】
これにより、爪部１４０Ａ，１４０Ｂが第二リブ部１５１Ａ，１５１Ｂに当接して弾性変形し、第二リブ部１５１Ａ，１５１Ｂを乗り越え、爪部１４０Ａ，１４０Ｂの下端部１４２Ａ，１４２Ｂが第二リブ部１５１Ａ，１５１Ｂの上面１５１ＡＵ，１５１ＢＵに係止する（図５（Ａ）も参照）。
【００７５】
また、ストッパー部１６０の開口部１６２の下辺部１６４が第一リブ部１５０の下面１５０Ｌに係止する（図５（Ｂ），図６（Ｂ）も参照）。このとき、開口部１６２に第一リブ部１５０が挿入されることで、第一リブ部１５０とストッパー部１６０とが干渉することなく、回転軌道が確保される。
【００７６】
このようにして、ブラケット部１０２は、支持部１１０が車両上下方向上側に延出した状態に固定される。
【００７７】
図１０（Ａ）に示すように、車両上下方向下側からグロメット８０を、取付部１００（ブラケット部１０２）の第一フランジ部１２０の取付部側貫通孔１２２に挿入する。取付部側貫通孔１２２にグロメット８０の脚部８４を挿入すると、掛止部８３の傾斜面が取付部側貫通孔１２２に当接して脚部８４が弾性変形して取付部側貫通孔１２２を通過したのち、掛止部８３（脚部８４）が拡幅する。そして、頭部８２と掛止部８３とで第一フランジ部１２０を挟持することで、第一フランジ部１２０の取付部側貫通孔１２２に、グロメット８０が固定される（図７も参照）。
【００７８】
図１０（Ｂ）に示すように、バンパーカバー２０の取付部１００における第一フランジ部１２０と第二フランジ部１３０Ａ，１３０Ｂとの隙間１２５にアンダーカバー５０の先端部５２を差し込む。このとき、アンダーカバー５０の先端部５２の車両上下方向の位置が多少ずれても、第一フランジ部１２０のガイド部１２４及び第二フランジ部１３０Ａ，１３０Ｂのガイド部１３４Ａ，１３４Ｂによって、ガイドされ、隙間１２５にスムーズに差し込まれる（図７も参照）。
【００７９】
更に、アンダーカバー５０の先端部５２が第一フランジ部１２０の凸部１２６の傾斜面１２７（図７を参照）でガイドされることで、グロメット８０の頭部８２に引っかかることなく、差し込まれる。また、凸部１２８の傾斜面１２９（図７を参照）にガイドされることで、奥までスムーズに差し込まれる。
【００８０】
そして、図１０（Ｃ）及び図７に示すように、車両上下方向下側から上側に向かって、スクリュー９０をカバー側貫通孔５４から挿入し、スクリュー９０をグロメット８０のねじ孔８６に螺合させることで、バンパーカバー２０の取付部１００にアンダーカバー５０が固定される。
【００８１】
[本実施形態の作用・効果]
つぎに本実施形態の作用及び効果について説明する。
【００８２】
前述したうように、ブラケット部１０２は、図３に示す支持部１１０が車両前後方向後側に延出した状態から、図２に示す車両上下方向上側に延出した状態に回転される。これによって、爪部１４０Ａ，１４０Ｂが第二リブ部１５１Ａ，１５１Ｂに当接して弾性変形し乗り越え、下端部１４２Ａ，１４２が係止すると共に、ストッパー部１６０の開口部１６２に第一リブ部１５０が挿入され、下辺部１６４が第一リブ部１５０に係止することで、ブラケット部１０２は支持部１１０が車両上下方向上側に延出した状態に固定される。そして、図７、図１０に示すように、取付部１００にアンダーカバー５０がグロメット８０とスクリュー９０とで締結されることで、バンパーカバー２０とアンダーカバー５０とが組み付けられる。
【００８３】
図２に示すように、爪部１４０Ａ，１４０Ｂ及びストッパー部１６０の下辺部１６４は、それぞれ別の車両幅方向に並んで配置された第一リブ部１５０及び第二リブ部１５１Ａ，１５１Ｂに係止する。よって、爪部及びストッパー部が、同じリブ部に係止する構成と比較し、第一リブ部１５０部及び第二フリブ部１５１Ａ，１５１Ｂを短くすることができる。また、第二リブ部１５１Ａ，１５１Ｂの間に第一リブ部１５０が形成されているので、バンパーカバー２０の下端部２２における第二リブ部１５１Ａ，１５１Ｂ間の開口部２８の開口面積が小さくなる（図４、図１１（Ａ）も参照）。
【００８４】
また、第一リブ部１５０及び第二リブ部１５１Ａ，１５１Ｂは短いので撓みにくい。また、第一リブ部１５０に係止する下辺部１６４は、両端が支持されているので、片持ち構造よりも剛性が大きい。
【００８５】
このように、爪部及びストッパー部が、同じリブ部に係止する構成と比較し、第一リブ部１５０及び第二リブ部１５１Ａ，１５１Ｂが短くなり、バンパーカバー２０の下端部２２の開口部２８の開口面積が小さくなり、更に両持ち構造の下辺部１６４が第一リブ部１５０に係止するので、取付部１００の剛性が向上する。したがって、バンパーカバー２０とアンダーカバー５０との組付強度が向上する。
【００８６】
ここで、爪部及びストッパー部が、同じリブ部に係止する比較例を検討する。
【００８７】
図１１（Ｂ）に示す比較例の取付部８００のように、爪部８３４Ａ，８３４Ｂとストッパー部８３２Ａ，８３２Ｂとが、リブ部８５０Ａ，８５０Ｂにそれぞれに係止する構成の場合、リブ部８５０Ａ，８５０Ｂは、爪部８３４Ａ，８３４Ｂとストッパー部８３２Ａ，８３２Ｂの両方が係止する長さが必要である。よって、図１１（Ａ）に示す本実施形態の第一リブ部１５０及び第二リブ部１５１Ａ，１５１Ｂよりも、リブ部８５０Ａ，８５０Ｂの方が長くなる。
【００８８】
また、本実施形態のように第二リブ部１５１Ａ，１５１Ｂの間の開口部２８の開口面積よりも、リブ部８５０Ａ，８５０Ｂ間の開口部８２８の開口面積の方が大きくなる。
【００８９】
また、ストッパー部８３２は片持ち構造であるので、本実施形態のような両持ち構造の下辺部１６４よりも撓みやすい。
【００９０】
したがって、図１１（Ｂ）に示す比較例の取付部８００の剛性よりも、図２や図１１（Ａ）に示す本実施形態の取付部１００の剛性の方が大きくなる。そして、前述したように本実施形態の取付部１００の剛性が向上することで、バンパーカバー２０とアンダーカバー５０との組付強度が向上する。
【００９１】
また、図８に示すように、取付部１００は、ブラケット部１０２の支持部１１０が車両前後方向後側に延出した状態では、アンダーカットを有しない形状であるので、二つの第一金型５１０及び第二金型５２０を車両前後方向に引き抜くだけで取付部１００が成型される。よって、取付部１００は、アンダーカットを成形するためのスライドコア等の特別な成形型を用いることなく、容易に成形することができる。
【００９２】
また、図９に示すように、下辺部１６４を成型する凹部５１２は単純な形状であるので、凹部５１２を放電加工でなく切削カッター５３０で形成することができる。よって、放電加工を必要とする形状と比較し、第二金型５２０の製作コストを抑えることができる。
【００９３】
また、図６に示すように、第一リブ部１５０、第二リブ部１５１Ａ，１５１Ｂは抜き勾配のため、車両後方後側に向かって板厚が薄くなっており、第一リブ部１５０、第二リブ部１５１Ａ，１５１Ｂと下端部２２との境界部分は肉厚部Ｄとなる。このような肉厚部Ｄは成型時にヒケが発生しやすい。そして、下端部２２はバンパーカバー２０の意匠面を構成するので、ヒケの発生をできだけ抑えたい。
【００９４】
しかし、本実施形態では、上述したように、第一リブ部１５０及び第二リブ部１５１Ａ，１５１Ｂを短くすることができるので、第一リブ部１５０及び第二リブ部１５１Ａ，１５０Ｂの車両前後方向の長さＬ１、Ｌ２をいずれも２０ｍｍ以下とするが可能となり、ヒケの発生が意匠面として問題がないレベルに抑えられている。なお、本実施形態では、意匠面として問題のない長さＬ１、Ｌ２は２０ｍｍ以下であるが、バンパーカバーの板厚や全体形状によって、このＬ１、Ｌ２の数値は変わる。よって、バンパーカバーの板厚や全体形状によって適宜Ｌ１、Ｌ２を設定すればよい。
【００９５】
ここで、図１１（Ｃ）に示すように、バンパーカバー２０の湾曲部２４における取付部１００Ｗの第一リブ部１５０Ｗ、第二リブ部１５１ＡＷの長さは、他の部位に設けられた取付部１００よりも長くなる。このように第一リブ部１５０Ｗ、第二リブ部１５１ＡＷが長くなると、前述したように、肉厚部Ｄ（図６）が厚くなり、ヒケが発生しやすい。
【００９６】
しかし、本実施形態では、前述したように、第一リブ部１５０Ｗ及び第二リブ部１５１ＡＷを短くすることができるので、湾曲部２４に設けた取付部１００Ｗであっても２０ｍｍ以下とすることが可能となり、湾曲部２４であってもヒケの発生が抑制又は防止されている。
【００９７】
また、図７や図１０に示すように、第一フランジ部１２０と第二フランジ部１３０Ａ，１３０Ｂとの間に形成される隙間１２５にアンダーカバー５０の先端部５２が挟まれて保持された状態で、グロメット８０とスクリュー９０とによって、アンダーカバー５０が取付部１００（ブラケット部１０２）に固定されるので、組付強度が確保されると共に、組付作業性が向上する。
【００９８】
また、図５（Ｂ）に示すように、両持ち構造の下辺部１６４が第一リブ部１５０に係止するので、片持ち構造の場合と比較し、グロメット８０に螺合させる際に加わる力によって生じる下辺部１６４の変形が抑制される。したがって、スクリュー９０の締結強度が確保される。
【００９９】
＜第二実施形態＞
図１２を用いて、本発明の第二実施形態に係るバンパーの取付部について説明する。なお、第一実施形態と同一の部材には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【０１００】
[構成]
本発明の第二実施形態に係るバンパーの取付部の構成について説明する。
【０１０１】
図１２に示すように、取付部２００は、ブラケット部２０２と、第一リブ部１５０と、第一リブ部１５０の車両幅方向外側に間隔をあけて配置された対を成す第二リブ部１５１Ａ，１５１Ｂと、を有している。
【０１０２】
なお、本実施形態においても、成型後はブラケット部２０２を構成する支持部２１０が車両前後方向後方側に延出した状態であるが、インテグラルヒンジ１１２Ａ，１１２Ｂによって支持部２１０車両上下方向上側に延出した状態に回転して固定される。また、以降の説明では図１２に示すブラケット部２０２の支持部２１０が車両上下方向上側に延出した状態で説明する。よって、各方向も図１２の状態における方向で説明する。
【０１０３】
ブラケット部２０２は、第一フランジ部１２０と、第二フランジ部１３０Ａ，１３０Ｂと、ストッパー部２４０Ａ、２４０Ｂと、爪部２６０と、を含んで構成されている。また、ブラケット部２０２は、バンパーカバー２０の下端部２２に車両幅方向に間隔をあけて形成されたインテグラルヒンジ１１２Ａ，１１２Ｂを介して、バンパーカバー２０と一体成形されている。
【０１０４】
爪部２６０は、支持部２１０に形成され、車両前後方向後側に延出したのち車両上下方向下側に向けて屈曲したＬ形状とされている。そして、爪部２６０の下端部２６２が第一リブ部１５０の上面１５０Ｕに係止する（図１２（Ｂ）も参照）。
【０１０５】
ストッパー部２４０Ａ、２４０Ｂは、支持部２１０の端部における車両幅方向の両外側部からそれぞれ外側に延出し、屈曲することで第二リブ部１５１Ａ，１５１Ｂに向かって斜めに延出する。ストッパー部２４０Ａ，２４０Ｂの下部には、車両前後方向に貫通する開口部２４２Ａ，２４２Ｂが形成されている。そして、開口部２４２Ａ，２４２Ｂに第二リブ部１５１Ａ，１５１Ｂが挿入されていると共に、開口部２４２Ａ，２４２Ｂの下辺部２４４Ａ．２４４Ｂが第二リブ部１５１Ａ，１５１Ｂの下面１５１ＡＬ、１５１ＢＬに係止する。
【０１０６】
ストッパー部２４０Ａ，２４０Ｂと爪部２６０とは車両幅方向に並んで配置され、車両幅方向に見るとストッパー部２４０Ａ，２４０Ｂと爪部２６０との少なくとも一部が重なるように構成されている。
【０１０７】
なお、第一実施形態と同様に取付部２００の第一フランジ部１２０の取付部側貫通孔１２２にグロメット８０が挿入され取り付けられた状態で、第一フランジ部１２０と第二フランジ部１３０Ａ，１３０Ｂとの間の隙間１２５にアンダーカバー５０の先端部５２が挟まれ、スクリュー９０がグロメット８０のねじ孔８６に螺合することで、バンパーカバー２０の取付部２００にアンダーカバー５０が固定されている（図７を参照）。
【０１０８】
[組付方法]
つぎに、バンパーカバー２０にアンダーカバー５０を組み付ける組付方法について説明する。
【０１０９】
バンパーカバー２０の下端部２２に一体に構成されている取付部２００は、支持部２１０が車両前後方向後側に延出した状態で成型される。そして、支持部２１０の根元のインテグラルヒンジ１１２Ａ，１１２Ｂを回転中心として、ブラケット部２０２全体を回転させる。
【０１１０】
これにより、ストッパー部２４０が第一リブ部１５０の先端の斜面１５２に当接して弾性変形し、第一リブ部１５０を乗り越え、ストッパー部２４０の下端部２４２が第一リブ部１５０の上面１５０Ｕに係止する。
【０１１１】
また、ストッパー部２４０Ａ、２４０Ｂの開口部２４２Ａ，２４２Ｂの下辺部２４４Ａ，２４４Ｂが第二リブ部１５１Ａ，１５１Ｂの下面１５１ＡＬ、１５１ＢＬに係止する。このとき、開口部２４２Ａ，２４２Ｂに第二リブ部１５１Ａ，１５１Ｂが挿入されることで、第二リブ部１５１Ａ，１５１Ｂとストッパー部２４０Ａ，２４０Ｂとが干渉することなく、回転軌道が確保される。
【０１１２】
このようにして、ブラケット部１０２は、支持部１１０が車両上下方向上側に延出する状態に固定される。
【０１１３】
なお、これ以降の手順は、図１０に示す第一実施形態と同様であるので、説明を省略する。
【０１１４】
[本実施形態の作用・効果]
つぎに本実施形態の作用及び効果について説明する。
【０１１５】
本実施形態においても、ストッパー部２４０Ａ，２４０Ｂの下辺部２４４Ａ，２４４Ｂ及び爪部２６０は、それぞれ別の第一リブ部１５０及び第二リブ部１５１Ａ，１５１Ｂに係止するので、第一リブ部１５０及び第二リブ部１５１Ａ，１５１Ｂを短くでき、取付部２００の剛性を大きくすることができる。
【０１１６】
＜その他＞
本発明は上記実施形態に限定されない。
【０１１７】
例えば、インテグラルヒンジ１１２Ａ，１１２Ｂは、車両幅方向に間隔をあけて対を成して形成されていたが、これに限定されない。インテグラルヒンジ１１２Ａ又はインテグラルヒンジ１１２Ｂのいずれか一方のみが形成されていてもよい。
【０１１８】
例えば、上記実施形態では、第一フランジ部１２０は第二フランジ部１３０Ａ，１３０Ｂよりも車両上下方向上側に配置されていたが、これに限定されない。第一フランジ部１２０が第二フランジ部１３０Ａ，１３０Ｂよりも車両上下方向下側に配置されていてもよい。なお、爪部１４０Ａ，１４０Ｂにアンダーカバー５０が干渉する場合は、干渉しないようにアンダーカバー５０の先端部を凹状に凹ます等の対応を適宜行えばよい。
【０１１９】
また、例えば、上記実施形態では、第一フランジ部１２０と第二フランジ部１３０Ａ，１３０Ｂとの隙間１２５にアンダーカバー５０の先端部５２が差し込まれて保持され、グロメット８０スクリュー９０と固定されていたが、これに限定されない（図２、図７、図１０、図１２（Ａ）等を参照）。
【０１２０】
例えば、図１３に示す変形例の取付部３００のブラケット部３０２のフランジ部３３０のように、アンダーカバー５０の先端部５２が差し込まれ保持する隙間１２５（図１０等参照）が形成されていない構成であってもよい。
【０１２１】
なお、このように隙間１２５が無い構成の場合は、別途締結手段を用いてフランジ部３３０とアンダーカバー５０とを締結すればよい。例えば、図１４（Ａ）と図１４（Ｂ）とに示すように、フランジ部３３０にＳ字クリップ９５０を取り付けて、このＳ字クリップ９５０にアンダーカバー５０の先端部５２に差し込んで保持した状態で、スクリュー９０で締結すればよい。
【０１２２】
なお、図１３の変形例ではフランジ部３３０以外は、第一実施形態と同様の構成であるが、これに限定されない。第二実施形態と同様に構成であってもよい。
【０１２３】
また、上記実施形態及び変形例では、取付部は、支持部が車両前後方向後側に延出した状態では、アンダーカットを有しない形状であったが、これに限定されない。アンダーカットを有する形状であってもよい。
【０１２４】
また、上記実施形態及び変形例では、取付部のフランジ部にアンダーカバーを締結したが、これに限定されない。フランジ部がない構成であってもよい。
【０１２５】
また、上記実施形態及び変形例では、バンパーカバーとアンダーカバーとを組み付ける構造に本発明を適用したが、これに限定されない。車両を構成する二つの部材（部品）の組付構造全般に本発明を適用することができる。
【０１２６】
なお、上述の複数の実施形態及び変形例は、適宜、組み合わされて実施可能である。更に、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々なる態様で実施し得ることは言うまでもない。
【符号の説明】
【０１２７】
１０ 車両
２０ バンパーカバー
２２ 下端部
２４ 湾曲部
５０ アンダーカバー
５４ カバー側貫通孔
８０ グロメット
９０ スクリュー
１００ 取付部
１１０ 支持部
１１２Ａ インテグラルヒンジ
１１２Ｂ インテグラルヒンジ
１２０ 第一フランジ部（フランジ部）
１２２ 取付部側貫通孔
１２５ 隙間
１３０ 第二フランジ部（フランジ部）
１４０Ａ 爪部（第二被係合部、被係合部）
１４０Ｂ 爪部（第二被係合部、被係合部）
１４２Ａ 下端部
１４２Ｂ 下端部
１５０ 第一リブ部（係合部）
１５１Ａ 第二リブ部（係合部）
１５１Ｂ 第二リブ部（係合部）
１６０ ストッパー部（第一被係合部、被係合部）
１６２ 開口部
２００ 取付部
２６０ 爪部（第二被係合部、被係合部）
２４０Ａ ストッパー部（第一被係合部、被係合部）
２４０Ｂ ストッパー部（第一被係合部、被係合部）
２４４Ａ 開口部
２４４Ｂ 開口部
２６２ 下端部
３００ 取付部
３３０ フランジ部
９５０ Ｓ字クリップ（締結手段）
【技術分野】
【０００１】
本発明は、取付部、バンパーカバーの取付部、及びバンパーカバーの組付構造に関する。
【背景技術】
【０００２】
引用文献１には、バンパーカバーをボデーに連結する被係合部に、バンパー本体に設けた切欠開口部の上面に掛止する掛止爪と下面に当接させる当接片とが形成されているバンパーカバーの連結構造が開示されている。
【０００３】
引用文献２には、バンパーカバーの下端部分に設けたインテグラルヒンジ部を起点にして折り曲げて、スクリューグロメットとスクリューとで締め付けることによってボデーにバンパーカバーを締結するバンパーカバーの締結構造が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００４】
【特許文献１】特開２００８−１９５１７６号公報
【特許文献２】特開２００９−０８３７５７号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
ここで、バンパーカバー等の取付部の剛性を向上させて、組付強度を向上させることが望まれている。
【０００６】
本発明は、上記事実を考慮し、剛性を向上させた、取付部、バンパーカバーの取付部、及びバンパーカバーの組付構造を提供することが目的である。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
請求項１の発明は、車両のバンパーカバーの下端部に形成され、前記下端部との境界部に形成されたインテグラルヒンジによって回転可能とされ、車両組付状態において、車両上下方向上側に延出した支持部と、前記支持部に形成された取付部側貫通孔と、前記下端部から車両前後方向後側に延出した第一リブ部と、前記インテグラルヒンジ及び前記第一リブ部の車両幅方向の両外側の部位からそれぞれ車両前後方向後側に延出した対を成す第二リブ部と、前記支持部に形成され、車両組付状態において、前記第一リブ部及び第二リブ部のいずれか一方が挿入されて係止される開口部を有するストッパー部と、前記支持部に形成され、車両組付状態において、前記第一リブ部及び前記第二リブ部のいずれか他方に、下端部が係止される爪部と、を備える。
【０００８】
請求項１の発明では、支持部が車両前後方向後側に延出した車両組付け前の状態から車両上下方向上側に回転されることで、爪部が第一リブ部及び第二リブのいずれか一方に当接して弾性変形し下端部が係止すると共に、ストッパー部の開口部が第一リブ部及び第二リブのいずれか他方に係止することで、支持部が車両上下方向上側に延出した車両組付状態に固定される。そして、支持部にアンダーカバーが締結されることで、バンパーカバーにアンダーカバーが組み付けられる。
【０００９】
爪部及びストッパー部は、それぞれ別の車両幅方向に並んで形成された第一リブ部及び第二リブ部に係止する。よって、爪部及びストッパー部が、同じリブ部に係止する構成と比較し、第一リブ部及び第二フリブ部を短くできる。
【００１０】
また、第二リブの間に第一リブ部を形成することで、バンパーカバーの下端部の開口面積が小さくなる。
【００１１】
このように、第一リブ部及び第二フリブ部が短くなり、バンパーカバーの下端部の開口面積が小さくなるので、取付部の剛性が向上する。
【００１２】
請求項２に記載の発明は、前記インテグラルヒンジは、車両幅方向に間隔をあけて対を成して形成され、前記第一リブ部は、対を成す前記インテグラルヒンジの間から延出し、前記第二リブ部は、対を成す前記インテグラルヒンジの車両幅方向の両外側の部位からそれぞれ車両前後方向後側に延出している。
【００１３】
請求項２に記載の発明では、取付部が車両幅方向に対称となるので、対称でない構成と比較し、剛性が向上する。
【００１４】
請求項３の発明は、前記ストッパー部の前記開口部に前記第一リブ部が挿入されて係止し、前記爪部は、前記支持部の車両幅方向両側からそれぞれ前記第二リブ部に向かって斜めに延出し、下端部が前記第二リブ部の上面に係止する。
【００１５】
請求項３の発明では、対を成す二つの第二リブ部にそれぞれ爪部が係止するので、爪部を支持する剛性が向上する。
【００１６】
請求項４の発明は、前記爪部は、前記第一リブ部の下端部が前記第一リブ部の上面に係止し、前記ストッパー部は、前記支持部の車両幅方向両側からそれぞれ前記第二リブ部に向かって斜めに延出し、前記開口部に前記第二リブ部が挿入されて係止する。
【００１７】
請求項４の発明では、対を成す二つの第二リブ部にそれぞれストッパー部の開口部が係止するので、ストッパー部を支持する剛性が向上する。
【００１８】
請求項５の発明は、前記支持部を車両幅方向に見た場合に、前記爪部と前記ストッパー部とが重なるように構成されている。
【００１９】
請求項５の発明では、支持部を車両幅方向に見た場合に、爪部とストッパー部とが重なるように構成されている。よって、爪部とストッパー部とが車両前後方向にずれて配置されている構成と比較し、第一リブ部及び第二リブ部を更に短くすることが可能である。
【００２０】
請求項６の発明は、前記バンパーカバーにおける車両幅方向外側部分は、車両前後方向後側に向かって湾曲する湾曲部を有し、前記第二リブ部は、前記湾曲部に形成されている。
【００２１】
請求項６の発明では、バンパーカバーの湾曲部に形成された対を成す第二リブ部の延出方向の長さを一致させると、車両幅方向内側の第二リブ部が長くなる。しかし、爪部及びストッパー部が同じリブ部に係止する構成と比較し、湾曲部における車両幅方向内側の第二フリブ部が短くなり、その結果、湾曲部に形成された取付部の剛性が向上する。
【００２２】
請求項７の発明は、車両組付状態の前記支持部の上端部から車両前後方向後側に延出し、前記取付部側貫通孔が上下方向に貫通するフランジ部を有する。
【００２３】
請求項７の発明では、車両前後方向後側に延出し、取付部側貫通孔が上下方向に貫通するフランジ部にアンダーカバーが締結されるので、組付作用性が向上する。
【００２４】
請求項８の発明は、前記フランジ部は、車両前後方向後側に延出し、車両上下方向に貫通する前記取付部側貫通孔を有する第一フランジ部と、前記第一フランジ部の車両幅方向の両外側からそれぞれ車両前後方向後側に延出した対を成す第二フランジ部と、を有し、前記第一フランジ部が前記第二フランジ部よりも車両上下方向上側又は下側に設けることで、前記第一フランジ部と前記第二フランジ部との間に隙間が形成されている。
【００２５】
請求項８の発明では、第一フランジと第二フランジ部との間に形成される隙間にアンダーカバーが挟まれている状態で、例えば第一フランジ部の貫通孔に取り付けられたグロメットとアンダーカバーのカバー側貫通孔に挿入されたスクリューとで、バンパーカバーにアンダーカバーが組み付けられる。
【００２６】
このように、第一フランジと第二フランジ部との間に形成される隙間に、アンダーカバーが挟まれて保持された状態で、組み付けられるので組付作業性が向上する
【００２７】
請求項９の発明は、請求項１〜請求項７のいずれか１項に記載の取付部が形成されたバンパーカバーと、前記取付部の前記取付部側貫通孔と対応する位置に車両上下方向に貫通するカバー側貫通孔が形成されたアンダーカバーと、前記取付部の前記第一フランジ部に前記アンダーカバーを締結する締結手段と、を備える。
【００２８】
請求項９の発明では、爪部及びストッパー部が同じリブ部に係止する構成と比較し、第一リブ部及び第二フリブ部が短くなると共にバンパーカバーの下端部の開口面積が小さくなるので、取付部の剛性が向上し、その結果、バンパーカバーとアンダーカバーとの組付強度が向上する。
【００２９】
請求項１０の発明は、請求項８に記載の取付部が形成されたバンパーカバーと、前記取付部の前記第一フランジ部と前記第二フランジ部との間に形成された隙間に挟まれ、前記第一フランジ部に形成された前記取付部側貫通孔と対応する位置に車両上下方向に貫通するカバー側貫通孔が形成されたアンダーカバーと、前記取付部側貫通孔に挿入され組み付けられたグロメットと、前記カバー側貫通孔に挿入され前記グロメットに螺合することで前記アンダーカバーを前記取付部に締結するスクリューと、を備える。
【００３０】
請求項１０の発明では、第一フランジと第二フランジ部との間に形成される隙間に、アンダーカバーが挟まれて保持された状態で、組み付けられるので、組付作業性が向上する。
【００３１】
請求項１１の発明は、インテグラルヒンジによって回転可能とされた支持部と、回転軸方向に並んで設けられた複数の係合部と、複数の前記係合部に対応して前記支持部にそれぞれ設けられ、前記支持部を回転することで、複数の前記係合部にそれぞれ係合され、回転方向側への移動を規制する第一被係合部と逆回転方向の移動を規制する第二被係合部とを含む複数の被係合部と、を備える。
【００３２】
請求項１１の発明では、支持部が回転されることで、複数の係合部に複数の被係合部が係合されると共に回転方向側への移動と逆回転方向の移動とが規制され、これにより支持部が固定される。そして、取付部に部材や部品等が固定される。
【００３３】
複数の被係合部を構成する第一被係合部及び第二被係合部は、それぞれ別の回転軸方向に並んで形成された複数の係合部に係止する。よって、第一被係合部及び第二被係合部が、同じ係合部に係止する構成と比較し、係合部を小さくできる。そして、このように、係合部が小さくなるので、取付部の剛性が向上する。
【発明の効果】
【００３４】
請求項１に記載の発明によれば、爪部及びストッパー部が同じリブ部に係止する構成と比較し、取付部の剛性が向上する。
【００３５】
請求項２に記載の発明によれば、取付部が対称でない構成と比較し、剛性が向上する。
【００３６】
請求項３に記載の発明によれば、爪部を支持する剛性が向上する。
【００３７】
請求項４に記載の発明によれば、ストッパー部を支持する剛性が向上する。
【００３８】
請求項５に記載の発明によれば、車両幅方向に見た場合に爪部とストッパー部とが車両前後方向にずれて配置されている構成と比較し、第一リブ部及び第二リブ部を更に短くすることができる。
【００３９】
請求項６に記載の発明によれば、湾曲部に形成された取付部の剛性を向上させることができる。
【００４０】
請求項７に記載の発明によれば、組付作用性が向上する。
【００４１】
請求項８に記載の発明によれば、第一フランジと第二フランジ部との間に形成される隙間に、アンダーカバーが挟まれて保持され固定されるので組付作業性が向上する。
【００４２】
請求項９に記載の発明によれば、爪部及びストッパー部が同じリブ部に係止する構成と比較し、取付部の剛性が向上し、その結果、バンパーカバーとアンダーカバーとの組付強度を向上させることができる。
【００４３】
請求項１０に記載の発明によれば、組付作業性を向上させることができる。
【００４４】
請求項１１に記載の発明によれば、第一被係合部及び第二被係合部が同じ係合部に係合する構成と比較し、取付部の剛性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【００４５】
【図１】第一実施形態の取付部を有するバンパーカバーにアンダーカバーを組み付ける前の状態を示す分解斜視図である。
【図２】第一実施形態のバンパーカバーの取付部を示し、支持部が車両上下方向上側に延出した（爪部やストッパー部がリブ部に係止した）状態の斜視図である。
【図３】第一実施形態のバンパーカバーの取付部を示し、支持部が車両前後方向後側に延出した（爪部やストッパー部がリブ部に係止する前の）状態の斜視図である。
【図４】図３の要部を示す拡大斜視図である。
【図５】（Ａ）は爪部が第二リブ部に係止した状態を示す部分拡大斜視図であり、（Ｂ）はストッパー部が第一リブ部に係止した状態を示す部分拡大斜視図である。
【図６】（Ａ）はバンパーカバーの下端部と第二リブ部とを示す側面図であり、（Ｂ）はバンパーカバーの下端部と第一リブ部とを示す図５（Ｂ）の６Ｂ−６Ｂ線に沿った断面図である。
【図７】第一実施形態のバンパーカバーの取付部にアンダーカバーが組み付けられた状態を車両幅方向内側から見た側面図である。
【図８】図４の８−８線に沿った断面における取付部を成形するための二つの金型を示し、（Ａ）は二つの金型を開く前の状態を示し、（Ｂ）は二つの金型を開いた状態を示す断面図である。
【図９】金型の凹部を切削カッターで形成する様子を説明する説明図である。
【図１０】バンパーカバーとアンダーカバーとを組み付ける組付作業を、（Ａ）〜（Ｃ）へと順番に示す工程図である。
【図１１】（Ａ）は本実施形態の取付部の要部を模式的に示す平面図であり、（Ｂ）は比較例の取付部の要部を模式的に示す（Ａ）に対応する平面図であり、（Ｃ）は湾曲部の第一リブ部及び第二リブ部の長さを説明するための平面図である。
【図１２】（Ａ）は第二実施形態のバンパーカバーの取付部を示し、支持部が車両上下方向上側に延出した状態の図２に対応する斜視図であり、（Ｂ）は第一リブ部と爪部とを車両幅方向内側から外側に見た側面図である。
【図１３】変形例のバンパーカバーの取付部を示す図２に対応する斜視図である。
【図１４】（Ａ）は図１３に示す変形例の取付部のフランジ部にＳ字クリップを取り付ける様子を示す斜視図であり、（Ｂ）はＳ字クリップを用いてフランジ部にアンダカバーを固定した状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【００４６】
＜第一実施形態＞
図１〜図１１を用いて、本発明の第一実施形態に係るバンパーカバーの取付部について説明する。なお、矢印ＦＲは車両前後方向前側を示し、矢印ＵＰは車両上下方向上側を示し、矢印ＯＵＴは車両幅方向外側を示している。
【００４７】
[構成]
まず、発明の第一実施形態に係るバンパーカバーの取付部の構成について説明する。
【００４８】
図１に示すように、バンパーカバー２０は車両幅方向を長手方向として配置された長尺状の部材であり、図示しないフロントバンパの前端部の意匠面（外面）を形成するべく配置される樹脂製の部材である。バンパーカバー２０における車両幅方向外側部分は、車両前後方向後側に向かって湾曲している。また、車両１０の床下にはアンダーカバー５０が配置さている。そして、バンパーカバー２０の裏面２０Ｕの下端部２２に形成された取付部１００を介して、バンパーカバー２０とアンダーカバー５０とが締結されている（図７を参照）。
【００４９】
取付部１００は、バンパーカバー２０の下端部２２に車両幅方向に間隔をあけて複数設けられている。なお、バンパーカバー２０の車両幅方向外側部の湾曲部２４に設けられた取付部１００Ｗについては後述する。
【００５０】
図２〜図４に示すように、取付部１００は、ブラケット部１０２と、第一リブ部１５０と、第一リブ部１５０の車両幅方向外側に間隔をあけて配置された対を成す第二リブ部１５１Ａ，１５１Ｂと、を有している。なお、図３、図４は、後述する成型後のブラケット部１０２を構成する支持部１１０が車両前後方向後方側に延出した状態を示している。また、以降の説明では、特に断りが無い限り図２に示すブラケット部１０２の支持部１１０が車両上下方向上側に延出した状態で説明する。よって、各方向も図２の状態における方向で説明する。
【００５１】
図２及び図３に示すように、ブラケット部１０２は、第一フランジ部１２０と、第二フランジ部１３０Ａ，１３０Ｂと、爪部１４０Ａ、１４０Ｂと、ストッパー部１６０と、を含んで構成されている。また、ブラケット部１０２は、バンパーカバー２０の下端部２２の後方側端部において、車両幅方向に間隔をあけて形成されたインテグラルヒンジ１１２Ａ，１１２Ｂ（図４も参照）を介して、バンパーカバー２０と一体成形されている。
【００５２】
図２〜図４に示すように、前述した第一リブ部１５０は、対を成すインテグラルヒンジ１１２Ａとインテグラルヒンジ１１２Ｂとの間から車両前後方向後側に延出する。第二リブ部１５１Ａ，１５１Ｂは、対を成すインテグラルヒンジ１１２Ａ，１１２Ｂの車両幅方向の両外側の部位からそれぞれ車両前後方向後側に延出する。なお、図６に示すように、第一リブ部１５０、第二リブ部１５１Ａ，１５１Ｂは、後述する型抜き勾配のため、車両前後方向後側に向かって板厚が薄くなっている。よって、下端部２２における第一リブ部１５０、第二リブ部１５１Ａ，１５１Ｂとの境界部分は肉厚部Ｄとなる（図８も参照）。
【００５３】
図２〜図４に示すように、ブラケット部１０２を構成する支持部１１０は、バンパーカバー２０の下端部２２から車両上下方向上側に延出する。なお、インテグラルヒンジ１１２Ａ，１１２Ｂからそれぞれ、支持部１１０を構成する延出部１１４Ａ，１１４Ｂが延出し、これら延出部１１４Ａ，１１４Ｂの間に後述するストッパー部１６０が形成されている。また、支持部１１０の上端部分は車両前後方向に向かって屈曲する。そして、支持部１１０（ブラケット部１０２全体）は、インテグラルヒンジ１１２Ａ，１１２Ｂによって車両上下方向に回転可能とされている。
【００５４】
なお、「インテグラルヒンジ」とは、樹脂成形品の一部分を他の部分に直線状に連結する部位のことをいい、この連結部位の厚みが周囲の部分よりも薄いことにより、回転させることができるヒンジとして機能する部位のことをいう。
【００５５】
図２及び図３に示すように、第一フランジ部１２０は、支持部１１０の上端部における車両幅方向の中央部分から略車両上下方向上側に延出し屈曲することで車両前後方向後側に延出する。第一フランジ部１２０の先端部は、車両前後方向後側斜め上側に傾斜したガイド部１２４が形成されている。
【００５６】
第一フランジ部１２０の中央部分には、車両上下方向に貫通する略矩形状の取付部側貫通孔１２２が形成されている。また、第一フランジ部１２０の屈曲部には、車両前後方向前側が凹んだビード１１９が形成されている。
【００５７】
第一フランジ部１２０の下面１２０Ｌにおける取付部側貫通孔１２２の車両前後方向の前側と後側とには、それぞれ凸部１２６、１２８が形成されている。凸部１２６，１２８は、車両幅方向に沿って延在している。また、凸部１２６の車両前後方向の後側面は、ガイド部１２４から連続する傾斜面１２７が形成され、凸部１２８の車両前後方向の後側面は傾斜面１２９が形成されている。なお、凸部１２６、１２８の高さは、後述するグロメット８０の頭部８２の厚みと一致するように設定されている（図７を参照）。
【００５８】
第二フランジ部１３０Ａ，１３０Ｂは、支持部１１０の端部における第一フランジ部１２０の車両幅方向の両外側から車両前後方向後側に延出する。第二フランジ部１３０Ａ，１３０Ｂの先端部は、車両前後方向後側斜め下側に傾斜したガイド部１３４Ａ，１３４Ｂが形成されている。
【００５９】
また、第一フランジ部１２０は、第二フランジ部１３０Ａ，１３０Ｂはよりも車両上下方向上側に設けられているので、第一フランジ部１２０と第二フランジ部１３０Ａ，１３０Ｂとの間に隙間１２５が形成される。
【００６０】
図２〜図４に示すように、爪部１４０Ａ、１４０Ｂは、支持部１１０の端部における車両幅方向の両外側からそれぞれ外側に延出し、屈曲することで第二リブ部１５１Ａ，１５１Ｂに向かって斜めに延出する。そして、爪部１４０Ａ，１４０Ｂの下端部１４２Ａ，１４２Ｂが第二リブ部１５１Ａ、１５１Ｂのそれぞれ上面１５１ＡＵ，１５１ＢＵに係止する（図５（Ａ）も参照）。
【００６１】
ストッパー部１６０は、支持部１１０の延出部１１４Ａ，１１４Ｂの間に形成さている。ストッパー部１６０の全体形状は、車両前後方向前側が開口したボックス（箱）形状とされている。また、ストッパー部１６０の下部には、車両前後方向に貫通する開口部１６２が形成されている。そして、この開口部１６２に第一リブ部１５０が挿入されると共に、ボックス（箱）形状の底面を構成する開口部１６２の下辺部１６４が第一リブ部１５０の下面１５０Ｌに係止する（図５（Ｂ）、図６（Ｂ）も参照）。なお、ボックス形状のストッパー部１６０の両側面は、前述したインテグラルヒンジ１１２Ａ，１１２Ｂからそれぞれ延出する延出部１１４Ａ，１１４Ｂと繋がっている。
【００６２】
図２〜図４に示すように、爪部１４０Ａ，１４０Ｂとストッパー部１６０とは車両幅方向に並んで配置され、車両幅方向に見ると、爪部１４０Ａ，１４０Ｂとストッパー部１６０との少なくとも一部が重なるように構成されている。なお、取付部１００は、車両前後方向に見て左右対称となっている。
【００６３】
図７に示すように、前述した取付部１００の第一フランジ部１２０の取付部側貫通孔１２２には、筒状のグロメット８０が挿入され取り付けられている。グロメット８０は、軸方向に貫通するねじ孔８６が形成されている（図１０（Ａ）も参照）。また、軸方向の一方の端部には略矩形板状の頭部８２が形成されている。なお、頭部８２の外径は、取付部側貫通孔１２２よりも大きく、且つ凸部１２６，１２８間よりも小さい。また、この頭部８２の厚みは、前述したように第一フランジ部１２０の下面１２０Ｌに形成された凸部１２６、１２８の高さと一致する。
【００６４】
グロメット８０の頭部８２から軸方向に脚部８４が突出し、脚部８４の先端には、略三角形状の掛止部８３が形成されている。そして、頭部８２と掛止部８３とで第一フランジ部１２０を挟持することで、第一フランジ部１２０の取付部側貫通孔１２２にグロメット８０が固定されている。
【００６５】
このように取付部側貫通孔１２２にグロメット８０が固定された状態で、第一フランジ部１２０と第二フランジ部１３０Ａ，１３０Ｂとの間の隙間１２５にアンダーカバー５０の先端部５２が挟まれている。アンダーカバー５０の先端部５２には、取付部側貫通孔１２２に対応する位置に車両上下方向に貫通するカバー側貫通孔５４が形成されている（図１０（Ａ）も参照）。そして、カバー側貫通孔５４から挿入されたスクリュー９０がグロメット８０のねじ孔８６に螺合することで、バンパーカバー２０の取付部１００にアンダーカバー５０が固定されている。
【００６６】
なお、詳細は後述するが、成型時においては、ブラケット部１０２は、図３及び図４に示す支持部１１０が車両前後方向後側に延出した状態であるが、その状態からインテグラルヒンジ１１２を回転中心としてブラケット部１０２を回転させて、図２等に示す支持部１１０が車両上下方向上側に延出した状態として、アンダーカバー５０が組み付けられている。
【００６７】
また、図３に示すように、ブラケット部１０２は、支持部１１０が車両前後方向後側に延出する状態では、車両前後方向に見ると、第一フランジ部１２０、第二フランジ部１３０Ａ，１３０Ｂ、第一リブ部１５０、第二リブ部１５１Ａ，１５１Ｂ、爪部１４０Ａ，１４０Ｂ、及びストッパー部１６０Ａ，１６０Ｂが、重ならないように形成されている。また、取付部側貫通孔１２２の貫通方向は車両前後方向となる。そして、取付部１００は、支持部１１０が車両前後方向後側に延出した状態では、アンダーカットを有しない形状になっている。
【００６８】
[成型方法]
つぎに、バンパーカバー２０の成型について説明する。なお、各方向は、バンパーカバー２０が車両１０に組み付けられた車両組付状態、すなわち車両基準で説明する。
【００６９】
図３及び図４に示すように、成型時におけるブラケット部１０２は、支持部１１０が車両前後方向後側に延出した状態である。そして、図８には、取付部１００を成形するための二つの第一金型５１０及び第二金型５２０が示されている。第一金型５１０は車両前後方向前側（図８の矢印Ｆ１方向）が抜き方向とされており、第二金型５２０は車両前後方向後側方（図８の矢印Ｆ２方向）が抜き方向とされている。
【００７０】
そして、上述したように、取付部１００は、ブラケット部１０２の支持部１１０が車両前後方向後側に延出した状態では、アンダーカットを有しない形状であるので、二つの第一金型５１０及び第二金型５２０を車両前後方向に引き抜くだけで取付部１００を有するバンパーカバー２０が成型される。なお、本実施形態では、第一金型５１０と第二金型５２０との合わせ角度（抜き勾配）は、５°以上に設定されている。
【００７１】
なお、ストッパー部１６０は、ボックス形状とされ開口部１６２の下辺部１６４が第一リブ部１５０に係止する構成である（図４、図５（Ｂ）、図６（Ｂ）を参照）。よって、図８に示すように第一金型５１０における下辺部１６４を形成する部位は、凹部５１２となる。そして、図９に示すように、凹部５１２は単純な形状であるので、凹部５１２を放電加工でなく切削カッター５３０で形成することがきる。
【００７２】
[組付方法]
つぎに、バンパーカバー２０にアンダーカバー５０を組み付ける組付方法について、説明する。なお、各方向は、バンパーカバー２０が車両１０に組み付けられた車両組付状態、すなわち車両基準で説明する。
【００７３】
図３に示すように、バンパーカバー２０の下端部２２に一体に構成されている取付部１００は、支持部１１０が車両前後方向後側に延出した状態で成型される。そして、図２に示すように、支持部１１０の根元のインテグラルヒンジ１１２Ａ，１１２Ｂを回転中心として、ブラケット部１０２全体を回転させる。
【００７４】
これにより、爪部１４０Ａ，１４０Ｂが第二リブ部１５１Ａ，１５１Ｂに当接して弾性変形し、第二リブ部１５１Ａ，１５１Ｂを乗り越え、爪部１４０Ａ，１４０Ｂの下端部１４２Ａ，１４２Ｂが第二リブ部１５１Ａ，１５１Ｂの上面１５１ＡＵ，１５１ＢＵに係止する（図５（Ａ）も参照）。
【００７５】
また、ストッパー部１６０の開口部１６２の下辺部１６４が第一リブ部１５０の下面１５０Ｌに係止する（図５（Ｂ），図６（Ｂ）も参照）。このとき、開口部１６２に第一リブ部１５０が挿入されることで、第一リブ部１５０とストッパー部１６０とが干渉することなく、回転軌道が確保される。
【００７６】
このようにして、ブラケット部１０２は、支持部１１０が車両上下方向上側に延出した状態に固定される。
【００７７】
図１０（Ａ）に示すように、車両上下方向下側からグロメット８０を、取付部１００（ブラケット部１０２）の第一フランジ部１２０の取付部側貫通孔１２２に挿入する。取付部側貫通孔１２２にグロメット８０の脚部８４を挿入すると、掛止部８３の傾斜面が取付部側貫通孔１２２に当接して脚部８４が弾性変形して取付部側貫通孔１２２を通過したのち、掛止部８３（脚部８４）が拡幅する。そして、頭部８２と掛止部８３とで第一フランジ部１２０を挟持することで、第一フランジ部１２０の取付部側貫通孔１２２に、グロメット８０が固定される（図７も参照）。
【００７８】
図１０（Ｂ）に示すように、バンパーカバー２０の取付部１００における第一フランジ部１２０と第二フランジ部１３０Ａ，１３０Ｂとの隙間１２５にアンダーカバー５０の先端部５２を差し込む。このとき、アンダーカバー５０の先端部５２の車両上下方向の位置が多少ずれても、第一フランジ部１２０のガイド部１２４及び第二フランジ部１３０Ａ，１３０Ｂのガイド部１３４Ａ，１３４Ｂによって、ガイドされ、隙間１２５にスムーズに差し込まれる（図７も参照）。
【００７９】
更に、アンダーカバー５０の先端部５２が第一フランジ部１２０の凸部１２６の傾斜面１２７（図７を参照）でガイドされることで、グロメット８０の頭部８２に引っかかることなく、差し込まれる。また、凸部１２８の傾斜面１２９（図７を参照）にガイドされることで、奥までスムーズに差し込まれる。
【００８０】
そして、図１０（Ｃ）及び図７に示すように、車両上下方向下側から上側に向かって、スクリュー９０をカバー側貫通孔５４から挿入し、スクリュー９０をグロメット８０のねじ孔８６に螺合させることで、バンパーカバー２０の取付部１００にアンダーカバー５０が固定される。
【００８１】
[本実施形態の作用・効果]
つぎに本実施形態の作用及び効果について説明する。
【００８２】
前述したうように、ブラケット部１０２は、図３に示す支持部１１０が車両前後方向後側に延出した状態から、図２に示す車両上下方向上側に延出した状態に回転される。これによって、爪部１４０Ａ，１４０Ｂが第二リブ部１５１Ａ，１５１Ｂに当接して弾性変形し乗り越え、下端部１４２Ａ，１４２が係止すると共に、ストッパー部１６０の開口部１６２に第一リブ部１５０が挿入され、下辺部１６４が第一リブ部１５０に係止することで、ブラケット部１０２は支持部１１０が車両上下方向上側に延出した状態に固定される。そして、図７、図１０に示すように、取付部１００にアンダーカバー５０がグロメット８０とスクリュー９０とで締結されることで、バンパーカバー２０とアンダーカバー５０とが組み付けられる。
【００８３】
図２に示すように、爪部１４０Ａ，１４０Ｂ及びストッパー部１６０の下辺部１６４は、それぞれ別の車両幅方向に並んで配置された第一リブ部１５０及び第二リブ部１５１Ａ，１５１Ｂに係止する。よって、爪部及びストッパー部が、同じリブ部に係止する構成と比較し、第一リブ部１５０部及び第二フリブ部１５１Ａ，１５１Ｂを短くすることができる。また、第二リブ部１５１Ａ，１５１Ｂの間に第一リブ部１５０が形成されているので、バンパーカバー２０の下端部２２における第二リブ部１５１Ａ，１５１Ｂ間の開口部２８の開口面積が小さくなる（図４、図１１（Ａ）も参照）。
【００８４】
また、第一リブ部１５０及び第二リブ部１５１Ａ，１５１Ｂは短いので撓みにくい。また、第一リブ部１５０に係止する下辺部１６４は、両端が支持されているので、片持ち構造よりも剛性が大きい。
【００８５】
このように、爪部及びストッパー部が、同じリブ部に係止する構成と比較し、第一リブ部１５０及び第二リブ部１５１Ａ，１５１Ｂが短くなり、バンパーカバー２０の下端部２２の開口部２８の開口面積が小さくなり、更に両持ち構造の下辺部１６４が第一リブ部１５０に係止するので、取付部１００の剛性が向上する。したがって、バンパーカバー２０とアンダーカバー５０との組付強度が向上する。
【００８６】
ここで、爪部及びストッパー部が、同じリブ部に係止する比較例を検討する。
【００８７】
図１１（Ｂ）に示す比較例の取付部８００のように、爪部８３４Ａ，８３４Ｂとストッパー部８３２Ａ，８３２Ｂとが、リブ部８５０Ａ，８５０Ｂにそれぞれに係止する構成の場合、リブ部８５０Ａ，８５０Ｂは、爪部８３４Ａ，８３４Ｂとストッパー部８３２Ａ，８３２Ｂの両方が係止する長さが必要である。よって、図１１（Ａ）に示す本実施形態の第一リブ部１５０及び第二リブ部１５１Ａ，１５１Ｂよりも、リブ部８５０Ａ，８５０Ｂの方が長くなる。
【００８８】
また、本実施形態のように第二リブ部１５１Ａ，１５１Ｂの間の開口部２８の開口面積よりも、リブ部８５０Ａ，８５０Ｂ間の開口部８２８の開口面積の方が大きくなる。
【００８９】
また、ストッパー部８３２は片持ち構造であるので、本実施形態のような両持ち構造の下辺部１６４よりも撓みやすい。
【００９０】
したがって、図１１（Ｂ）に示す比較例の取付部８００の剛性よりも、図２や図１１（Ａ）に示す本実施形態の取付部１００の剛性の方が大きくなる。そして、前述したように本実施形態の取付部１００の剛性が向上することで、バンパーカバー２０とアンダーカバー５０との組付強度が向上する。
【００９１】
また、図８に示すように、取付部１００は、ブラケット部１０２の支持部１１０が車両前後方向後側に延出した状態では、アンダーカットを有しない形状であるので、二つの第一金型５１０及び第二金型５２０を車両前後方向に引き抜くだけで取付部１００が成型される。よって、取付部１００は、アンダーカットを成形するためのスライドコア等の特別な成形型を用いることなく、容易に成形することができる。
【００９２】
また、図９に示すように、下辺部１６４を成型する凹部５１２は単純な形状であるので、凹部５１２を放電加工でなく切削カッター５３０で形成することができる。よって、放電加工を必要とする形状と比較し、第二金型５２０の製作コストを抑えることができる。
【００９３】
また、図６に示すように、第一リブ部１５０、第二リブ部１５１Ａ，１５１Ｂは抜き勾配のため、車両後方後側に向かって板厚が薄くなっており、第一リブ部１５０、第二リブ部１５１Ａ，１５１Ｂと下端部２２との境界部分は肉厚部Ｄとなる。このような肉厚部Ｄは成型時にヒケが発生しやすい。そして、下端部２２はバンパーカバー２０の意匠面を構成するので、ヒケの発生をできだけ抑えたい。
【００９４】
しかし、本実施形態では、上述したように、第一リブ部１５０及び第二リブ部１５１Ａ，１５１Ｂを短くすることができるので、第一リブ部１５０及び第二リブ部１５１Ａ，１５０Ｂの車両前後方向の長さＬ１、Ｌ２をいずれも２０ｍｍ以下とするが可能となり、ヒケの発生が意匠面として問題がないレベルに抑えられている。なお、本実施形態では、意匠面として問題のない長さＬ１、Ｌ２は２０ｍｍ以下であるが、バンパーカバーの板厚や全体形状によって、このＬ１、Ｌ２の数値は変わる。よって、バンパーカバーの板厚や全体形状によって適宜Ｌ１、Ｌ２を設定すればよい。
【００９５】
ここで、図１１（Ｃ）に示すように、バンパーカバー２０の湾曲部２４における取付部１００Ｗの第一リブ部１５０Ｗ、第二リブ部１５１ＡＷの長さは、他の部位に設けられた取付部１００よりも長くなる。このように第一リブ部１５０Ｗ、第二リブ部１５１ＡＷが長くなると、前述したように、肉厚部Ｄ（図６）が厚くなり、ヒケが発生しやすい。
【００９６】
しかし、本実施形態では、前述したように、第一リブ部１５０Ｗ及び第二リブ部１５１ＡＷを短くすることができるので、湾曲部２４に設けた取付部１００Ｗであっても２０ｍｍ以下とすることが可能となり、湾曲部２４であってもヒケの発生が抑制又は防止されている。
【００９７】
また、図７や図１０に示すように、第一フランジ部１２０と第二フランジ部１３０Ａ，１３０Ｂとの間に形成される隙間１２５にアンダーカバー５０の先端部５２が挟まれて保持された状態で、グロメット８０とスクリュー９０とによって、アンダーカバー５０が取付部１００（ブラケット部１０２）に固定されるので、組付強度が確保されると共に、組付作業性が向上する。
【００９８】
また、図５（Ｂ）に示すように、両持ち構造の下辺部１６４が第一リブ部１５０に係止するので、片持ち構造の場合と比較し、グロメット８０に螺合させる際に加わる力によって生じる下辺部１６４の変形が抑制される。したがって、スクリュー９０の締結強度が確保される。
【００９９】
＜第二実施形態＞
図１２を用いて、本発明の第二実施形態に係るバンパーの取付部について説明する。なお、第一実施形態と同一の部材には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【０１００】
[構成]
本発明の第二実施形態に係るバンパーの取付部の構成について説明する。
【０１０１】
図１２に示すように、取付部２００は、ブラケット部２０２と、第一リブ部１５０と、第一リブ部１５０の車両幅方向外側に間隔をあけて配置された対を成す第二リブ部１５１Ａ，１５１Ｂと、を有している。
【０１０２】
なお、本実施形態においても、成型後はブラケット部２０２を構成する支持部２１０が車両前後方向後方側に延出した状態であるが、インテグラルヒンジ１１２Ａ，１１２Ｂによって支持部２１０車両上下方向上側に延出した状態に回転して固定される。また、以降の説明では図１２に示すブラケット部２０２の支持部２１０が車両上下方向上側に延出した状態で説明する。よって、各方向も図１２の状態における方向で説明する。
【０１０３】
ブラケット部２０２は、第一フランジ部１２０と、第二フランジ部１３０Ａ，１３０Ｂと、ストッパー部２４０Ａ、２４０Ｂと、爪部２６０と、を含んで構成されている。また、ブラケット部２０２は、バンパーカバー２０の下端部２２に車両幅方向に間隔をあけて形成されたインテグラルヒンジ１１２Ａ，１１２Ｂを介して、バンパーカバー２０と一体成形されている。
【０１０４】
爪部２６０は、支持部２１０に形成され、車両前後方向後側に延出したのち車両上下方向下側に向けて屈曲したＬ形状とされている。そして、爪部２６０の下端部２６２が第一リブ部１５０の上面１５０Ｕに係止する（図１２（Ｂ）も参照）。
【０１０５】
ストッパー部２４０Ａ、２４０Ｂは、支持部２１０の端部における車両幅方向の両外側部からそれぞれ外側に延出し、屈曲することで第二リブ部１５１Ａ，１５１Ｂに向かって斜めに延出する。ストッパー部２４０Ａ，２４０Ｂの下部には、車両前後方向に貫通する開口部２４２Ａ，２４２Ｂが形成されている。そして、開口部２４２Ａ，２４２Ｂに第二リブ部１５１Ａ，１５１Ｂが挿入されていると共に、開口部２４２Ａ，２４２Ｂの下辺部２４４Ａ．２４４Ｂが第二リブ部１５１Ａ，１５１Ｂの下面１５１ＡＬ、１５１ＢＬに係止する。
【０１０６】
ストッパー部２４０Ａ，２４０Ｂと爪部２６０とは車両幅方向に並んで配置され、車両幅方向に見るとストッパー部２４０Ａ，２４０Ｂと爪部２６０との少なくとも一部が重なるように構成されている。
【０１０７】
なお、第一実施形態と同様に取付部２００の第一フランジ部１２０の取付部側貫通孔１２２にグロメット８０が挿入され取り付けられた状態で、第一フランジ部１２０と第二フランジ部１３０Ａ，１３０Ｂとの間の隙間１２５にアンダーカバー５０の先端部５２が挟まれ、スクリュー９０がグロメット８０のねじ孔８６に螺合することで、バンパーカバー２０の取付部２００にアンダーカバー５０が固定されている（図７を参照）。
【０１０８】
[組付方法]
つぎに、バンパーカバー２０にアンダーカバー５０を組み付ける組付方法について説明する。
【０１０９】
バンパーカバー２０の下端部２２に一体に構成されている取付部２００は、支持部２１０が車両前後方向後側に延出した状態で成型される。そして、支持部２１０の根元のインテグラルヒンジ１１２Ａ，１１２Ｂを回転中心として、ブラケット部２０２全体を回転させる。
【０１１０】
これにより、ストッパー部２４０が第一リブ部１５０の先端の斜面１５２に当接して弾性変形し、第一リブ部１５０を乗り越え、ストッパー部２４０の下端部２４２が第一リブ部１５０の上面１５０Ｕに係止する。
【０１１１】
また、ストッパー部２４０Ａ、２４０Ｂの開口部２４２Ａ，２４２Ｂの下辺部２４４Ａ，２４４Ｂが第二リブ部１５１Ａ，１５１Ｂの下面１５１ＡＬ、１５１ＢＬに係止する。このとき、開口部２４２Ａ，２４２Ｂに第二リブ部１５１Ａ，１５１Ｂが挿入されることで、第二リブ部１５１Ａ，１５１Ｂとストッパー部２４０Ａ，２４０Ｂとが干渉することなく、回転軌道が確保される。
【０１１２】
このようにして、ブラケット部１０２は、支持部１１０が車両上下方向上側に延出する状態に固定される。
【０１１３】
なお、これ以降の手順は、図１０に示す第一実施形態と同様であるので、説明を省略する。
【０１１４】
[本実施形態の作用・効果]
つぎに本実施形態の作用及び効果について説明する。
【０１１５】
本実施形態においても、ストッパー部２４０Ａ，２４０Ｂの下辺部２４４Ａ，２４４Ｂ及び爪部２６０は、それぞれ別の第一リブ部１５０及び第二リブ部１５１Ａ，１５１Ｂに係止するので、第一リブ部１５０及び第二リブ部１５１Ａ，１５１Ｂを短くでき、取付部２００の剛性を大きくすることができる。
【０１１６】
＜その他＞
本発明は上記実施形態に限定されない。
【０１１７】
例えば、インテグラルヒンジ１１２Ａ，１１２Ｂは、車両幅方向に間隔をあけて対を成して形成されていたが、これに限定されない。インテグラルヒンジ１１２Ａ又はインテグラルヒンジ１１２Ｂのいずれか一方のみが形成されていてもよい。
【０１１８】
例えば、上記実施形態では、第一フランジ部１２０は第二フランジ部１３０Ａ，１３０Ｂよりも車両上下方向上側に配置されていたが、これに限定されない。第一フランジ部１２０が第二フランジ部１３０Ａ，１３０Ｂよりも車両上下方向下側に配置されていてもよい。なお、爪部１４０Ａ，１４０Ｂにアンダーカバー５０が干渉する場合は、干渉しないようにアンダーカバー５０の先端部を凹状に凹ます等の対応を適宜行えばよい。
【０１１９】
また、例えば、上記実施形態では、第一フランジ部１２０と第二フランジ部１３０Ａ，１３０Ｂとの隙間１２５にアンダーカバー５０の先端部５２が差し込まれて保持され、グロメット８０スクリュー９０と固定されていたが、これに限定されない（図２、図７、図１０、図１２（Ａ）等を参照）。
【０１２０】
例えば、図１３に示す変形例の取付部３００のブラケット部３０２のフランジ部３３０のように、アンダーカバー５０の先端部５２が差し込まれ保持する隙間１２５（図１０等参照）が形成されていない構成であってもよい。
【０１２１】
なお、このように隙間１２５が無い構成の場合は、別途締結手段を用いてフランジ部３３０とアンダーカバー５０とを締結すればよい。例えば、図１４（Ａ）と図１４（Ｂ）とに示すように、フランジ部３３０にＳ字クリップ９５０を取り付けて、このＳ字クリップ９５０にアンダーカバー５０の先端部５２に差し込んで保持した状態で、スクリュー９０で締結すればよい。
【０１２２】
なお、図１３の変形例ではフランジ部３３０以外は、第一実施形態と同様の構成であるが、これに限定されない。第二実施形態と同様に構成であってもよい。
【０１２３】
また、上記実施形態及び変形例では、取付部は、支持部が車両前後方向後側に延出した状態では、アンダーカットを有しない形状であったが、これに限定されない。アンダーカットを有する形状であってもよい。
【０１２４】
また、上記実施形態及び変形例では、取付部のフランジ部にアンダーカバーを締結したが、これに限定されない。フランジ部がない構成であってもよい。
【０１２５】
また、上記実施形態及び変形例では、バンパーカバーとアンダーカバーとを組み付ける構造に本発明を適用したが、これに限定されない。車両を構成する二つの部材（部品）の組付構造全般に本発明を適用することができる。
【０１２６】
なお、上述の複数の実施形態及び変形例は、適宜、組み合わされて実施可能である。更に、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々なる態様で実施し得ることは言うまでもない。
【符号の説明】
【０１２７】
１０ 車両
２０ バンパーカバー
２２ 下端部
２４ 湾曲部
５０ アンダーカバー
５４ カバー側貫通孔
８０ グロメット
９０ スクリュー
１００ 取付部
１１０ 支持部
１１２Ａ インテグラルヒンジ
１１２Ｂ インテグラルヒンジ
１２０ 第一フランジ部（フランジ部）
１２２ 取付部側貫通孔
１２５ 隙間
１３０ 第二フランジ部（フランジ部）
１４０Ａ 爪部（第二被係合部、被係合部）
１４０Ｂ 爪部（第二被係合部、被係合部）
１４２Ａ 下端部
１４２Ｂ 下端部
１５０ 第一リブ部（係合部）
１５１Ａ 第二リブ部（係合部）
１５１Ｂ 第二リブ部（係合部）
１６０ ストッパー部（第一被係合部、被係合部）
１６２ 開口部
２００ 取付部
２６０ 爪部（第二被係合部、被係合部）
２４０Ａ ストッパー部（第一被係合部、被係合部）
２４０Ｂ ストッパー部（第一被係合部、被係合部）
２４４Ａ 開口部
２４４Ｂ 開口部
２６２ 下端部
３００ 取付部
３３０ フランジ部
９５０ Ｓ字クリップ（締結手段）
【特許請求の範囲】
【請求項１】
車両のバンパーカバーの下端部に形成され、前記下端部との境界部に形成されたインテグラルヒンジによって回転可能とされ、車両組付状態において、車両上下方向上側に延出した支持部と、
前記支持部に形成された取付部側貫通孔と、
前記下端部から車両前後方向後側に延出した第一リブ部と、
前記インテグラルヒンジ及び前記第一リブ部の車両幅方向の両外側の部位からそれぞれ車両前後方向後側に延出した対を成す第二リブ部と、
前記支持部に形成され、車両組付状態において、前記第一リブ部及び第二リブ部のいずれか一方が挿入されて係止される開口部を有するストッパー部と、
前記支持部に形成され、車両組付状態において、前記第一リブ部及び前記第二リブ部のいずれか他方に、下端部が係止される爪部と、
を備えるバンパーカバーの取付部。
【請求項２】
前記インテグラルヒンジは、車両幅方向に間隔をあけて対を成して形成され、
前記第一リブ部は、対を成す前記インテグラルヒンジの間から延出し、
前記第二リブ部は、対を成す前記インテグラルヒンジの車両幅方向の両外側の部位からそれぞれ車両前後方向後側に延出した、
請求項１に記載のバンパーカバーの取付部。
【請求項３】
前記ストッパー部の前記開口部に前記第一リブ部が挿入されて係止し、
前記爪部は、前記支持部の車両幅方向両側からそれぞれ前記第二リブ部に向かって斜めに延出し、下端部が前記第二リブ部の上面に係止する、
請求項１又は請求項２に記載のバンパーカバーの取付部。
【請求項４】
前記爪部は、下端部が前記第一リブ部の上面に係止し、
前記ストッパー部は、前記支持部の車両幅方向両側からそれぞれ前記第二リブ部に向かって斜めに延出し、前記開口部に前記第二リブ部が挿入されて係止する、
請求項１又は請求項２に記載のバンパーカバーの取付部。
【請求項５】
前記支持部を車両幅方向に見た場合、前記爪部と前記ストッパー部とが重なるように構成されている、
請求項１〜請求項４のいずれか１項に記載のバンパーカバーの取付部。
【請求項６】
前記バンパーカバーにおける車両幅方向外側部分は、車両前後方向後側に向かって湾曲する湾曲部を有し、
前記第二リブ部は、前記湾曲部に形成されている、
請求項１〜請求項５のいずれか１項に記載のバンパーカバーの取付部。
【請求項７】
車両組付状態の前記支持部の上端部から車両前後方向後側に延出し、前記取付部側貫通孔が上下方向に貫通するフランジ部を有する、
請求項１〜請求項６のいずれか１項に記載のバンパーカバーの取付部。
【請求項８】
前記フランジ部は、
車両前後方向後側に延出し、前記取付部側貫通孔を有する第一フランジ部と、
前記第一フランジ部の車両幅方向の両外側からそれぞれ車両前後方向後側に延出した対を成す第二フランジ部と、
を有し、
前記第一フランジ部が前記第二フランジ部よりも車両上下方向上側又は下側に配置されることで、前記第一フランジ部と前記第二フランジ部との間に隙間が形成されている、
請求項７に記載のバンパーカバーの取付部。
【請求項９】
請求項１〜請求項７のいずれか１項に記載の取付部が形成されたバンパーカバーと、
前記取付部の前記取付部側貫通孔と対応する位置に車両上下方向に貫通するカバー側貫通孔が形成されたアンダーカバーと、
前記取付部の前記第一フランジ部に前記アンダーカバーを締結する締結手段と、
を備えるバンパーカバーの組付構造。
【請求項１０】
請求項８に記載の取付部が形成されたバンパーカバーと、
前記取付部の前記第一フランジ部と前記第二フランジ部との間に形成された隙間に挟まれ、前記第一フランジ部に形成された前記取付部側貫通孔と対応する位置に車両上下方向に貫通するカバー側貫通孔が形成されたアンダーカバーと、
前記取付部側貫通孔に挿入され組み付けられたグロメットと、
前記カバー側貫通孔に挿入され前記グロメットに螺合することで前記アンダーカバーを前記取付部に締結するスクリューと、
を備えるバンパーカバーの組付構造。
【請求項１１】
インテグラルヒンジによって回転可能とされた支持部と、
回転軸方向に並んで設けられた複数の係合部と、
複数の前記係合部に対応して前記支持部にそれぞれ設けられ、前記支持部を回転することで、複数の前記係合部にそれぞれ係合され、回転方向側への移動を規制する第一被係合部と逆回転方向の移動を規制する第二被係合部とを含む複数の被係合部と、
を備える取付部。
【請求項１】
車両のバンパーカバーの下端部に形成され、前記下端部との境界部に形成されたインテグラルヒンジによって回転可能とされ、車両組付状態において、車両上下方向上側に延出した支持部と、
前記支持部に形成された取付部側貫通孔と、
前記下端部から車両前後方向後側に延出した第一リブ部と、
前記インテグラルヒンジ及び前記第一リブ部の車両幅方向の両外側の部位からそれぞれ車両前後方向後側に延出した対を成す第二リブ部と、
前記支持部に形成され、車両組付状態において、前記第一リブ部及び第二リブ部のいずれか一方が挿入されて係止される開口部を有するストッパー部と、
前記支持部に形成され、車両組付状態において、前記第一リブ部及び前記第二リブ部のいずれか他方に、下端部が係止される爪部と、
を備えるバンパーカバーの取付部。
【請求項２】
前記インテグラルヒンジは、車両幅方向に間隔をあけて対を成して形成され、
前記第一リブ部は、対を成す前記インテグラルヒンジの間から延出し、
前記第二リブ部は、対を成す前記インテグラルヒンジの車両幅方向の両外側の部位からそれぞれ車両前後方向後側に延出した、
請求項１に記載のバンパーカバーの取付部。
【請求項３】
前記ストッパー部の前記開口部に前記第一リブ部が挿入されて係止し、
前記爪部は、前記支持部の車両幅方向両側からそれぞれ前記第二リブ部に向かって斜めに延出し、下端部が前記第二リブ部の上面に係止する、
請求項１又は請求項２に記載のバンパーカバーの取付部。
【請求項４】
前記爪部は、下端部が前記第一リブ部の上面に係止し、
前記ストッパー部は、前記支持部の車両幅方向両側からそれぞれ前記第二リブ部に向かって斜めに延出し、前記開口部に前記第二リブ部が挿入されて係止する、
請求項１又は請求項２に記載のバンパーカバーの取付部。
【請求項５】
前記支持部を車両幅方向に見た場合、前記爪部と前記ストッパー部とが重なるように構成されている、
請求項１〜請求項４のいずれか１項に記載のバンパーカバーの取付部。
【請求項６】
前記バンパーカバーにおける車両幅方向外側部分は、車両前後方向後側に向かって湾曲する湾曲部を有し、
前記第二リブ部は、前記湾曲部に形成されている、
請求項１〜請求項５のいずれか１項に記載のバンパーカバーの取付部。
【請求項７】
車両組付状態の前記支持部の上端部から車両前後方向後側に延出し、前記取付部側貫通孔が上下方向に貫通するフランジ部を有する、
請求項１〜請求項６のいずれか１項に記載のバンパーカバーの取付部。
【請求項８】
前記フランジ部は、
車両前後方向後側に延出し、前記取付部側貫通孔を有する第一フランジ部と、
前記第一フランジ部の車両幅方向の両外側からそれぞれ車両前後方向後側に延出した対を成す第二フランジ部と、
を有し、
前記第一フランジ部が前記第二フランジ部よりも車両上下方向上側又は下側に配置されることで、前記第一フランジ部と前記第二フランジ部との間に隙間が形成されている、
請求項７に記載のバンパーカバーの取付部。
【請求項９】
請求項１〜請求項７のいずれか１項に記載の取付部が形成されたバンパーカバーと、
前記取付部の前記取付部側貫通孔と対応する位置に車両上下方向に貫通するカバー側貫通孔が形成されたアンダーカバーと、
前記取付部の前記第一フランジ部に前記アンダーカバーを締結する締結手段と、
を備えるバンパーカバーの組付構造。
【請求項１０】
請求項８に記載の取付部が形成されたバンパーカバーと、
前記取付部の前記第一フランジ部と前記第二フランジ部との間に形成された隙間に挟まれ、前記第一フランジ部に形成された前記取付部側貫通孔と対応する位置に車両上下方向に貫通するカバー側貫通孔が形成されたアンダーカバーと、
前記取付部側貫通孔に挿入され組み付けられたグロメットと、
前記カバー側貫通孔に挿入され前記グロメットに螺合することで前記アンダーカバーを前記取付部に締結するスクリューと、
を備えるバンパーカバーの組付構造。
【請求項１１】
インテグラルヒンジによって回転可能とされた支持部と、
回転軸方向に並んで設けられた複数の係合部と、
複数の前記係合部に対応して前記支持部にそれぞれ設けられ、前記支持部を回転することで、複数の前記係合部にそれぞれ係合され、回転方向側への移動を規制する第一被係合部と逆回転方向の移動を規制する第二被係合部とを含む複数の被係合部と、
を備える取付部。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１０】
【図１１】
【図１２】
【図１３】
【図１４】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１０】
【図１１】
【図１２】
【図１３】
【図１４】
【公開番号】特開２０１３−１０７６０６（Ｐ２０１３−１０７６０６Ａ）
【公開日】平成２５年６月６日（２０１３．６．６）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１１−２５６６３１（Ｐ２０１１−２５６６３１）
【出願日】平成２３年１１月２４日（２０１１．１１．２４）
【出願人】（０００００３２０７）トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【公開日】平成２５年６月６日（２０１３．６．６）
【国際特許分類】
【出願日】平成２３年１１月２４日（２０１１．１１．２４）
【出願人】（０００００３２０７）トヨタ自動車株式会社 (59,920)
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