受付装置、受付方法、及び受付プログラム
【課題】来訪者への応対を行う担当者が、短時間で容易に来訪者を認識することを可能とする受付装置、受付方法、及び受付プログラムを提供する。
【解決手段】所定の撮影タイミングとなった場合には(S23:YES、S30:YES)、そのタイミングで撮影された画像の画像データが、撮影日時、来訪者状態属性、画像変化量、及び撮影種別からなる属性と共に画像ファイルに保存される(S24、S31)。来訪者への応対を行う担当者が特定され、担当者への連絡準備が完了すると、保存された画像ファイルから、表示端末に表示させる候補となる画像のリストである表示画像リストが生成される。そして、表示画像リストに含まれる画像ファイルの画像データが、特定された担当者が使用する表示端末に送信される。
【解決手段】所定の撮影タイミングとなった場合には(S23:YES、S30:YES)、そのタイミングで撮影された画像の画像データが、撮影日時、来訪者状態属性、画像変化量、及び撮影種別からなる属性と共に画像ファイルに保存される(S24、S31)。来訪者への応対を行う担当者が特定され、担当者への連絡準備が完了すると、保存された画像ファイルから、表示端末に表示させる候補となる画像のリストである表示画像リストが生成される。そして、表示画像リストに含まれる画像ファイルの画像データが、特定された担当者が使用する表示端末に送信される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、受付装置、受付方法、及び受付プログラムに関する。より具体的には、来訪者の来訪を受け付けて、この来訪者への応対を行う担当者に、来訪者が来訪したことを画像を用いて通知する受付装置、受付方法、及び受付プログラムに関する。
【0002】
従来、来訪者の来訪を受け付けて、この来訪者への応対を行う担当者に画像を用いて通知する受付システムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この受付システムでは、玄関先等に設置された通話手段のボタンが来訪者によって押下されると、来訪者の撮像が開始され、撮像された映像及び音声のデータが記録される。そして、記録されたデータが、来訪者への応対を行うユーザ(担当者)のパソコンへ送信され、パソコンでは来訪者を撮像した映像が音声と共に再生される。これにより、担当者が音声のみならず映像を用いて来訪者を認識することを実現し、来訪者の認識を容易にしている。
【特許文献1】特開平6−233305号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1に記載の受付システムでは、来訪者がボタンを押下してから撮像が終了するまでの全ての映像が再生されるため、担当者が来訪者を認識するまでに無駄な時間を要するという問題点があった。よって、担当者は、短時間で容易に来訪者を認識することは困難であった。
【0004】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、来訪者への応対を行う担当者が、短時間で容易に来訪者を認識することを可能とする受付装置、受付方法、及び受付プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に記載の受付装置は、来訪者の来訪を受け付けて、前記来訪者への応対を行う担当者が使用する表示端末に通知する受付装置であって、前記来訪者の画像を撮像可能な撮像手段と、前記来訪者への応対を行う担当者を、情報入力手段によって入力された情報に基づいて特定する担当者特定手段と、前記撮像手段による撮像タイミングが所定のタイミングである前記画像の画像データを、画像データを記憶する記憶手段に記憶させる記憶制御手段と、撮像タイミングが前記所定のタイミングである前記画像の画像データを、前記担当者特定手段によって特定された前記担当者が使用する前記表示端末に送信する表示情報送信手段とを備えている。
【0006】
また、本発明の請求項2に記載の受付装置は、請求項1に記載の発明の構成に加え、前記記憶制御手段は、前記来訪者が発話を開始したタイミングを前記所定のタイミングとして前記画像の画像データを記憶することを特徴とする。
【0007】
また、本発明の請求項3に記載の受付装置は、請求項1又は2に記載の発明の構成に加え、前記撮像手段によって撮像された複数の前記画像により、前記画像の変化量を検出する変化量検出手段を備え、前記記憶制御手段は、前記変化量検出手段によって検出された変化量が所定値以上となったタイミングを前記所定のタイミングとして前記画像の画像データを記憶することを特徴とする。
【0008】
また、本発明の請求項4に記載の受付装置は、請求項1乃至3のいずれかに記載の発明の構成に加え、前記画像の撮像タイミングが所定の期間であるか否かを判定する期間判定手段を備え、前記表示情報送信手段は、撮像タイミングが前記期間判定手段によって前記所定の期間であると判定された前記画像の画像データを、前記表示端末に送信することを特徴とする。
【0009】
また、本発明の請求項5に記載の受付装置は、請求項4に記載の発明の構成に加え、前記期間判定手段は、前記来訪者が発話を行っている期間を前記所定の期間として判定を行うことを特徴とする。
【0010】
また、本発明の請求項6に記載の受付装置は、請求項1乃至5のいずれかに記載の発明の構成に加え、撮像タイミングが前記所定のタイミングである、前記記憶手段に記憶された前記画像のうちのいずれを前記表示端末で表示させるかを特定する指示を前記表示端末から受け付ける特定指示受付手段を備え、前記表示情報送信手段は、前記特定指示受付手段により受け付けられた指示によって特定された前記画像の画像データを前記表示端末に送信することを特徴とする。
【0011】
また、本発明の請求項7に記載の受付装置は、請求項1乃至6のいずれかに記載の発明の構成に加え、前記記憶制御手段は、前記画像の画像データを、撮像された順序を識別可能に記憶させ、前記選択指示受付手段は、前記表示端末で表示されている前記画像の切り替えの指示を受け付ける切替指示受付手段を備え、前記表示情報送信手段は、前記切替指示受付手段によって切り替えの指示が受け付けられた場合、撮像タイミングが前記所定のタイミングである複数の前記画像を、撮像された特定の順に前記表示端末に送信することを特徴とする。
【0012】
また、本発明の請求項8に記載の受付装置は、請求項1乃至7のいずれかに記載の発明の構成に加え、音声情報を記憶する音声情報記憶手段に、音声入力手段から入力された前記来訪者が行う発話の音声情報を記憶させる録音制御手段と、前記音声情報記憶手段に記憶された前記発話の音声情報を、前記担当者特定手段によって特定された前記担当者が使用する前記表示端末に送信する音声情報送信手段とを備え、前記音声情報記憶手段に記憶された前記発話の音声情報と、前記発話を行っている前記来訪者が撮像された前記画像である発話中画像とが対応付けられており、前記表示情報送信手段は、前記音声情報記憶手段に記憶された前記発話の音声情報が前記音声情報送信手段によって送信される場合、送信される前記発話の音声情報に対応する前記発話中画像を前記表示端末に送信することを特徴とする。
【0013】
また、本発明の請求項9に記載の受付方法は、来訪者の来訪を受け付けて、前記来訪者への応対を行う担当者が使用する表示端末に通知する受付方法であって、前記来訪者への応対を行う担当者を、情報入力手段によって入力された情報に基づいて特定する担当者特定ステップと、前記来訪者の画像を撮像可能な撮像手段による撮像タイミングが所定のタイミングである前記画像の画像データを、画像データを記憶する記憶手段に記憶させる記憶制御ステップと、撮像タイミングが前記所定のタイミングである前記画像の画像データを、前記担当者特定手段によって特定された前記担当者が使用する前記表示端末に送信する表示情報送信ステップとを備えている。
【0014】
また、本発明の請求項10に記載の受付プログラムは、請求項1乃至8のいずれかに記載の受付装置の各種処理手段としてコンピュータを機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明の請求項1に記載の受付装置によると、来訪者への応対を行う担当者を特定し、画像の撮像タイミングが所定のタイミングである画像の画像データを、担当者が使用する表示端末に送信することができる。従って、担当者は、来訪者を認識するために動画を長時間再生させる必要がなく、所定のタイミングで撮像された画像によって短時間で容易に来訪者を認識することができる。
【0016】
また、本発明の請求項2に記載の受付装置は、請求項1に記載の発明の効果に加え、来訪者が発話を開始したタイミングで撮像された画像の画像データを、担当者の表示端末に送信することができる。すなわち、受付装置に向かって発話を開始した来訪者の画像を表示端末に表示させることができる。これにより、担当者は、容易に来訪者を認識することができる。
【0017】
また、本発明の請求項3に記載の受付装置は、請求項1又は2に記載の発明の効果に加え、画像の変化量が所定値以上となったタイミングで撮像された画像の画像データを、担当者の表示端末に送信することができる。従って、担当者は、画像の変化量が所定値以上である特徴的な画像を用いて、容易に来訪者を認識することができる。
【0018】
また、本発明の請求項4に記載の受付装置は、請求項1乃至3のいずれかに記載の発明の効果に加え、所定の期間中に撮像された画像の画像データを、担当者の表示端末に送信することができる。従って、担当者は、所定の期間中に撮像された画像を用いることで、不要な画像を見ることなく、短時間で容易に来訪者を認識することができる。
【0019】
また、本発明の請求項5に記載の受付装置は、請求項4に記載の発明の効果に加え、来訪者が発話を行っている期間中に撮像された画像の画像データを、担当者の表示端末に送信することができる。従って、担当者は、受付装置に向かって発話を行っている来訪者の画像を用いて、容易に来訪者を認識することができる。
【0020】
また、本発明の請求項6に記載の受付装置は、請求項1乃至5のいずれかに記載の発明の効果に加え、撮像タイミングが所定のタイミングである画像のうちのいずれを表示させるかを特定する指示を表示端末から受け付けて、特定された画像を表示端末に表示させることができる。従って、担当者は、所望する画像を見て来訪者を認識することができる。よって、他の不要な画像を見ることなく、短時間で容易に来訪者を認識することができる。
【0021】
また、本発明の請求項7に記載の受付装置は、請求項1乃至6のいずれかに記載の発明の効果に加え、画像の切り替えの指示に応じて、撮像された特定の順、すなわち、新しい順又は古い順に画像を表示させることができる。従って、担当者は、撮像された特定の順で画像を見ることで、短時間で容易に来訪者を認識することができる。
【0022】
また、本発明の請求項8に記載の受付装置は、請求項1乃至7のいずれかに記載の発明の効果に加え、来訪者が行う発話の音声情報を記憶し、この音声情報を表示端末に送信することができる。また、記憶された発話の音声情報と、この発話を行っている来訪者が撮像された発話中画像とが対応付けられており、記憶された発話の音声情報を送信する場合に、この発話に対応する発話中画像を表示端末に送信することができる。これにより、来訪者への応対を行う担当者は、発話の音声を聞きながら、発話中の来訪者の画像を見ることができる。従って、担当者は、来訪者をより容易に認識することができる。
【0023】
また、本発明の請求項9に記載の受付方法によると、来訪者への応対を行う担当者を特定し、画像の撮像タイミングが所定のタイミングである画像の画像データを、担当者が使用する表示端末に送信することができる。従って、担当者は、来訪者を認識するために動画を長時間再生させる必要がなく、所定のタイミングで撮像された画像によって短時間で容易に来訪者を認識することができる。
【0024】
また、本発明の請求項10に記載の受付プログラムは、コンピュータに実行させることにより、請求項1乃至8のいずれかに記載の発明の効果を奏することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明を具現化した実施の形態について、図面を参照して説明する。尚、参照する図面は、本発明が採用し得る技術的特徴を説明するために用いられるものであり、記載されている装置の構成、各種処理のフローチャートなどは、それのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例である。
【0026】
まず、図1乃至図6を参照して、本実施の形態に係る来訪者受付システム1の全体構成、並びに、来訪者受付システム1の構成要素である受付装置10及び表示端末20の構成について、順に説明する。
【0027】
最初に、図1を参照して、来訪者受付システム1の全体構成の概略を説明する。図1は、来訪者受付システム1の概略構成を示すシステム構成図である。図1に示すように、来訪者受付システム1は、受付装置10及び複数の表示端末20を含み、これらは全てLAN9に接続されている。来訪者受付システム1は、例えば、ビルや会社に設置され、来訪者に対する受付業務を行うシステムである。本実施の形態では、来訪者受付システム1は、会社5に設置されているものとして説明する。受付装置10は、例えば、会社5の入口ドア付近に設置される。複数の表示端末20のそれぞれは、会社5の各従業員に割り当てられている。
【0028】
ここで、本実施の形態の来訪者受付システム1全体で行われる処理の手順について、簡単に説明する。まず、会社5への来訪者が、入口付近に設けられた受付装置10の前に立つと、来訪者が来訪したことが人感センサ107(図2参照)によって検出される。そして、来訪者の来訪を受け付けて、この来訪者への応対を行う担当者へ通知する処理が受付装置10で行われる。この処理により、まず、用件や来訪先の担当者等についての質問が発せられ、この来訪者への応対を行う担当者が音声認識処理により特定される。同時に、カメラ105(図2参照)による撮影が行われる。
【0029】
そして、特定された担当者の表示端末20に、来訪者が来訪したことを通知する来訪通知画面(図14参照)が表示される。この来訪通知画面には、来訪者を認識するのに適した静止画像が表示される。担当者は、来訪通知画面によって来訪者を認識すると、表示端末20の入力機器207(図6参照)を操作することで、来訪者に対する応対を指示する。受付装置10は、表示端末20から入力された指示に応じて、担当者の代理で来訪者への応対を行う。このように、受付装置10は、会社5における受付業務を自動的に行うことができる。尚、ここまでで簡単に説明した処理については、後に詳述する。
【0030】
次に、図2を参照して、受付装置10の構成について説明する。図2は、受付装置10の電気的構成を示すブロック図である。図2に示すように、受付装置10は、CPU101と、CPU101に各々接続されたROM102及びRAM103とを含む制御回路部100を備えている。CPU101には、入出力(I/O)インタフェイス104が接続されている。I/Oインタフェイス104には、ハードディスク装置(HDD)150、カメラ105、マイク106、人感センサ107、スピーカ108、ディスプレイ109、及び通信装置110が接続されている。
【0031】
CPU101は、受付装置10全体の制御を司る。ROM102は、受付装置10の基本的な動作に必要なプログラムやそのための設定値を記憶している。CPU101は、ROM102やHDD150に記憶されたプログラムに従って、受付装置10の動作を制御する。RAM103は、各種データを一時的に記憶するための記憶装置であり、特に、担当者の表示端末20に表示させる候補とされた画像ファイルのリスト(以下、「表示画像リスト」という。)が記憶される。記憶装置であるHDD150には、詳細は後述するが、撮影された画像の画像ファイルや、受付装置10の各種動作を制御するための複数のプログラム等が記憶されている。
【0032】
カメラ105は、画像を撮影して画像データを出力する撮像機器であり、受付装置10の正面側に配設されている。そして、受付装置10の前に立つ来訪者を撮影することができる。マイク106は、入力された来訪者の音声を、音声データに変換して出力する機器である。人感センサ107は、人間の所在を検知するためのセンサである。本実施の形態では赤外線センサが用いられているが、超音波センサや可視光センサ等を使用することも可能である。スピーカ108は、音声データを音声に変換して出力する機器である。ディスプレイ109には、例えば、受付業務を行っている想定の人物の画像や、スピーカ108から発話される音声に対応する文章等が表示される。
【0033】
次に、図3を参照して、受付装置10のHDD150の構成について説明する。図3は、受付装置10のHDD150の構成を示す模式図である。HDD150には、担当者端末情報記憶エリア1501、画像ファイル記憶エリア1502、画像ファイルリスト記憶エリア1503、画像変化量基準値記憶エリア1504、音声認識関係情報記憶エリア1505、及びプログラム記憶エリア1506が少なくとも設けられている。
【0034】
担当者端末情報記憶エリア1501には、会社5の社員についての情報と、各社員が使用する表示端末20に接続するためのアドレスとが対応付けて記憶されており、この情報は随時更新が可能である。画像ファイル記憶エリア1502には、カメラ105によって撮影された画像の画像データや各種属性からなる画像ファイルが記憶される。画像ファイルリスト記憶エリア1503には、画像ファイルに付与されている画像ファイル名及び各種属性のリスト(以下、「画像ファイルリスト」という。)が記憶されている(図4参照)。画像変化量基準値記憶エリア1504には、画像の変化量に応じて画像の撮影及び表示を行う場合に、撮影及び表示を行う基準となる画像変化量の値が記憶されている(図5参照)。音声認識関係情報記憶エリア1505には、周知の音声認識に必要な音響モデル、単語辞書、言語モデル等の各種情報が記憶されている。プログラム記憶エリア1506には、後述する各種処理に使用されるプログラム群、システムプログラム、通信プログラム等、処理を受付装置10に実行させるための各種プログラムが記憶されている。
【0035】
次に、図4を参照して、画像ファイルリスト記憶エリア1503に記憶される画像ファイルリストの詳細について説明する。図4は、画像ファイルリストの説明図である。画像ファイルリストは、担当者の表示端末20に表示させる画像ファイルの候補を抽出する場合に参照される。
【0036】
図4に示すように、画像ファイルリストには、画像ファイル名の情報と共に、画像ファイルに付与されている各種属性が含まれている。この属性には、撮影日、撮影時刻、来訪者状態属性、画像変化量、及び撮影種別がある。撮影日は、画像が撮影された年月日であり、撮影時刻は時、分、秒である。来訪者状態属性は、画像が撮影された時点での来訪者の状態を示す。本実施の形態では、来訪者が用件を発話している状態を示す「用件発話」、及び、来訪者が担当者名を発話している状態を示す「担当者名発話」の2つの来訪者状態属性が設けられている。画像変化量は、直前に撮影された画像との比較によって検出される画像の変化量である。撮影種別は、定期的(例えば、5秒毎)な保存タイミングで保存された画像であることを示す「定期撮影」であるか、画像変化量が基準値以上となることを契機として保存された画像であることを示す「変化量判定撮影」であるかを判別するための情報である。
【0037】
例えば、画像ファイル名が「image15609」である画像ファイルは、2008年8月4日の11時34分43秒に撮影された画像である。その撮影時点での来訪者の状態は、用件発話中及び担当者名発話中のいずれでもなく、その時点での画像変化量は「27」である。そして、画像変化量が基準値以上となることを契機として保存された画像ファイルであることが、撮影種別によって示されている。
【0038】
また、画像ファイル名が「image15613」である画像ファイルは、2008年8月4日の11時35分00秒に撮影された画像である。そして、来訪者がその時点で担当者名を発話していたことが、来訪者状態属性によって示されている。その時点での画像変化量は「11」であり、画像の保存タイミングは、5秒毎に行われる定期的な保存タイミングである。
【0039】
このように、各画像ファイルに付与されている各種属性を画像ファイルリストから取得することができるため、担当者の表示端末20に表示させる画像の候補を、取得した属性に応じて適切に決定することができる。この詳細はフローチャートを参照して後述する。
【0040】
次に、図5を参照して、画像変化量基準値記憶エリア1504に記憶されている基準値の詳細について説明する。図5は、画像変化量基準値の説明図である。図5に示すように、画像変化量基準値記憶エリア1504には、撮影判定用基準値、及び表示判定用基準値の2つの画像変化量基準値が記憶されている。後述する撮影処理(図8参照)では、5秒毎に到来する定期的な画像の保存タイミングとなっていない場合でも、検出された画像変化量が撮影判定用基準値以上となれば、そのタイミングで撮影されている画像の画像データが画像ファイル記憶エリア1502に保存される。また、後述する表示画像リスト生成処理(図12参照)では、保存されている画像の画像変化量が表示判定用基準値以上となっているか否かに応じて、画像を表示画像リストに追加するか否かを判断している。これにより、来訪者が大きく動作した場合や、画面内に新たに人間が出入りした場合等の特徴的な画像を表示端末20に表示させることを可能としている。尚、本実施の形態では、撮影判定用基準値及び表示判定用基準値は共に「20」で固定されているが、これらの基準値を変更可能としてもよいことは言うまでもない。
【0041】
次に、図6を参照して、表示端末20の構成について説明する。図6は、表示端末20の電気的構成を示すブロック図である。表示端末20は、画像を表示する表示部を備えていれば本実施の形態において使用できる。例えば、表示端末20として、汎用のパーソナルコンピュータ(PC)、表示部を備えた携帯電話、表示部を備えた携帯端末等を使用できる。
【0042】
図6に示すように、表示端末20は、CPU201と、CPU201に各々接続されたROM202及びRAM203とを含む制御回路部200を備えている。CPU201には、その他、入出力(I/O)インタフェイス204が接続されている。I/Oインタフェイス204には、ハードディスク装置(HDD)250、入力機器207、スピーカ208、ディスプレイ209、及び通信装置210が接続されている。
【0043】
CPU201は、表示端末20全体の制御を司る。ROM202は、表示端末20を動作させるための各種プログラムを記憶している。CPU201は、ROM202やHDD250に記憶されたプログラムに従って、表示端末20の動作を制御する。RAM203は、各種データを一時的に記憶するための記憶装置である。記憶装置であるHDD250には、例えば、表示端末20の各種動作を制御するための複数のプログラムが記憶されている。入力機器207は、表示端末20を使用するユーザ(担当者)による入力を受け付ける機器である。この入力機器207としては、例えば、表示端末20としてPCが用いられている場合にはマウスやキーボードが該当し、携帯電話や携帯端末が用いられている場合にはボタン、十字キー、タッチパネル等が該当する。スピーカ208は、音声データを音声に変換して出力する機器である。ディスプレイ209には様々な画像や文章等が表示されるが、特に、受付装置10からの指示に応じて、来訪者を認識するのに適した静止画像が表示される。
【0044】
以下、受付装置10において行われる各種処理について、図7乃至図14を参照して説明する。図7は、来訪者受付処理のフローチャートである。図8は、撮影処理のフローチャートであり、図9は、撮影処理中に実行される画像保存処理のフローチャートである。図10は、来訪者受付処理中に実行される来訪通知処理のフローチャートであり、図11は、来訪者通知処理中に実行される表示画像リスト生成処理のフローチャートである。図12は、「条件1」に従って作成された表示画像リストの説明図であり、図13は、「条件1」及び「条件2」に従って作成された表示画像リストの説明図である。「条件1」及び「条件2」の詳細については後述する。図14は、表示端末20のディスプレイ209に表示される来訪通知画面の一例を示す図である。受付装置10の電源が投入されると、来訪者受付処理及び撮影処理が開始される。これらの処理は、HDD150のプログラム記憶エリア1506に記憶されたプログラムに従って、CPU101が実行する。
【0045】
図7に示す来訪者受付処理が開始されると、まず、来訪者が検知されたか否かが判断される(S1)。本実施の形態では、人感センサ107(図2参照)によって来訪者の検知が行われるが、来訪者の検知方法はこれに限られない。例えば、来訪者によって操作される操作ボタンを受付装置10に配設し、操作ボタンが操作されたか否かによって来訪者を検知してもよい。来訪者が検知されていなければ(S1:NO)、この判断が繰り返し行われる。
【0046】
来訪者が検知された場合には(S1:YES)、来訪者に発話を促す質問メッセージをスピーカ108及びディスプレイ109に出力させる処理が行われる(S2)。本実施の形態では、「ご用件は何ですか」という用件質問メッセージ、及び「担当者は誰ですか」という担当者名質問メッセージの2つの質問メッセージが用意されているが、質問メッセージはこの2つに限られない。例えば、「どちら様でしょうか」という来訪者名質問メッセージを用意してもよい。
【0047】
次いで、来訪者の応答を待機する所定時間が経過したか否かが判断され(S3)、経過していなければ(S3:NO)、来訪者の発話開始が検知されたか否かが判断される(S4)。発話開始の検知は、入力された音声波形を監視することによって行われ、検知されていなければ(S4:NO)、S3の判断へ戻る。発話開始が検知される前に所定時間が経過した場合には(S3:YES)、S1の判断へ戻る。
【0048】
発話開始が検知された場合には(S4:YES)、出力された質問メッセージに応じて、来訪者状態属性が設定される(S5)。具体的には、S2の処理によって出力された質問メッセージが用件質問メッセージであれば、来訪者状態属性が「用件発話」であることを示すフラグが「ON」とされる。また、出力された質問メッセージが担当者名質問メッセージであれば、来訪者状態属性が「担当者名発話」であることを示すフラグが「ON」とされる。尚、他の質問メッセージを用意している場合には、質問メッセージに対応した来訪者状態属性をその都度設定すればよい。
【0049】
次いで、入力された発話音声の音声情報が、設定された来訪者状態属性と対応付けられてHDD150に記憶されると共に(S6)、音声認識関係情報記憶エリア1505に記憶されている単語辞書や言語モデル等が用いられて、周知の音声認識が行われる(S7)。本実施の形態では、この音声認識によって担当者名を認識することで、来訪者への応対を行う担当者を特定している。しかし、タッチパネルを操作させる等、他の方法によって来訪者からの情報を入力し、担当者を特定してもよい。
【0050】
次いで、無音を示す音声波形が所定時間継続したか否かを監視することにより、発話が終了したか否かが判断される(S8)。発話終了が検知されていなければ(S8:NO)、S6の処理へ戻る。発話終了が検知されると(S8:YES)、発話の録音及び音声認識が終了する(S9)。そして、来訪者状態属性を示すフラグが「OFF」とされて来訪者属性がクリアされ(S10)、担当者への連絡準備が完了したか否かが判断される(S11)。本実施の形態では、音声認識(S7)によって担当者が特定された場合に連絡準備が完了したと判断されるが、この判断規準も変更が可能である。例えば、担当者のみならず来訪者も特定された場合に、連絡準備が完了したと判断してもよい。連絡準備が完了していなければ(S11:NO)、質問メッセージが再び出力されて(S2)、来訪者の発話の録音や音声認識等の処理が再び行われる。連絡準備が完了した場合には(S11:YES)、特定された担当者に来訪者が来訪したことを通知する来訪通知処理が行われて(S12)、S1の判断へ戻る。この来訪通知処理の詳細については後述する。
【0051】
次に、図8及び図9を参照して、撮影処理について説明する。この撮影処理は、来訪者受付処理と並行して実行される。図8に示すように、撮影処理が開始されると、まず、来訪者が検知されたか否かが判断される(S21)。人感センサ107(図2参照)によって来訪者が検知されるまでこの判断が繰り返し行われ(S1:NO)、来訪者が検知されると(S21:YES)、カメラ105による撮影を開始させる処理が行われる(S22)。この撮影は、例えば30ms毎に連続的に実行され、撮影された画像の画像データは、後述する画像変化量の検出処理に用いるために、所定時間分記憶される。そして、画像データを定期的に保存する規定のタイミングとなったか否かが判断される(S23)。本実施の形態では、画像データの定期的な保存タイミングは5秒毎に設定されており、このタイミングは内蔵時計で管理されている。規定の保存タイミングとなった場合には(S23:YES)、画像データを保存するための画像保存処理(S24)が行われる。
【0052】
図9に示すように、画像保存処理では、S5(図7参照)で設定されている来訪者状態属性が取得される(S41)。ここで取得される属性は、「用件発話」、「担当者名発話」、及び「なし」のいずれかである。次いで、その時点で撮影されている画像と、30ms以前に撮影された画像との変化量が検出される(S42)。この処理は、2つの画像に特徴点を設定し、特徴点の変化を算出する周知の方法によって行われる。そして、内蔵時計で管理されている撮影日時、取得された来訪者状態属性、検出された画像変化量、及び撮影種別が対応付けられて、画像ファイルがHDD150の画像ファイル記憶エリア1502(図3参照)に記憶され、同時に各種属性がファイル名と共に画像ファイルリスト記憶エリア1503に記憶される(S43)。そして、撮影処理に戻る。
【0053】
そして、図8の説明に戻り、受付を終了するか否かの判断が行われる(S25)。この判断は、S11(図7参照)の判断と同様に、担当者が特定されたか否かを判断することで行われるが、この判断基準も変更が可能であり、例えば、撮影画像の枠内から来訪者が外れた場合に受付終了と判断してもよい。受付を終了すると判断されなければ(S25:NO)、S23の判断へ戻り、撮影及び画像の保存処理が継続される。
【0054】
規定の保存タイミングとなっていなければ(S23:NO)、画像変化量が所定値以上となることを契機とした画像データの保存処理が行われる。まず、画像の変化に伴う保存処理を実行しない期間である待機時間が経過しているか否かが判断される(S28)。この待機時間は、画像の変化量が常に所定値以上となる場合に、連続して画像データが保存されることを防ぎ、変化量が所定値以上となった画像を必要な数だけ保存するために設けられている。待機時間の計測中であれば(S28:NO)、画像を保存する処理は行われずに、そのままS23の判断へ移行する。待機時間が経過していれば(S28:YES)、その時点で撮影されている画像の変化量が検出されて(S29)、検出された画像変化量が撮影判定用基準値(図5参照)未満であれば(S30:NO)、そのままS25の判断へ移行する。撮影判定用基準値以上であれば(S30:YES)、画像保存処理が行われる(S31)。この画像保存処理は、先述した図9に示す処理と同じであるため、この説明は省略するが、S29の処理で画像変化量が検出されているので、S42の処理は省いてもよい。そして、待機時間を計測するためのタイマがセットされて(S32)、受付を終了するか否かが判断され(S25)、終了すると判断された場合には(S25:YES)、カメラ105による撮影を終了させる処理が行われて(S34)、S21の判断へ戻る。
【0055】
次に、図10乃至図14を参照して、来訪者受付処理中に実行される来訪通知処理について説明する。先述したように、この来訪通知処理は、来訪者が来訪したことを、この来訪者への応対を行う担当者に通知する処理であり、担当者が特定されて連絡準備が完了したと判断された場合に実行される。図10に示すように、来訪者通知処理が開始されると、担当者の表示端末20に表示させる候補となる画像ファイルのリスト(表示画像リスト)を生成する表示画像リスト生成処理が行われる(S51)。
【0056】
図11に示すように、表示画像リスト生成処理が開始されると、表示画像候補を決定するための条件である画像表示条件が取得される(S71)。本実施の形態では、画像表示条件はあらかじめ設定されてHDD150に記憶されており、適宜変更が可能である。そして、画像表示条件は、撮影タイミングが所定のタイミングである画像のみを表示画像候補とするための条件であるタイミング条件と、所定の期間中に撮影された画像のみを表示画像候補とするための条件である期間条件とからなる。以下では、図4に示す画像ファイルリストから、「条件1」及び「条件2」の2つの画像表示条件に基づいて表示画像リストが生成される場合を例に挙げて説明する。「条件1」とは、期間条件が発話期間であり、且つ、タイミング条件が定期的な保存タイミングである画像表示条件である。また、「条件2」とは、期間条件が来客検知以降(撮影開始から終了まで)であり、且つ、画像変化量が基準値以上となったタイミングがタイミング条件とされている画像表示条件である。
【0057】
画像表示条件が取得されると、未検証の画像表示条件が存在するか否かが判断され(S72)、存在する場合には(S72:YES)、未検証の画像表示条件の1つが選択される(S73)。以下の説明では、「条件1」が先に選択された場合について説明する。画像ファイル記憶エリア1502に記憶された画像ファイルのうち、未検証の画像ファイルが存在するか否かが判断され(S74)、存在する場合には(S74:YES)、未検証の画像ファイルについての各種属性が取得される(S75)。属性には、先述したように、撮影日、撮影時刻、来訪者状態属性、画像変化量、及び撮影種別がある。
【0058】
そして、属性が取得された画像ファイルが、選択された画像表示条件の期間条件に適合する画像ファイルであるか否かが判断される(S76)。例えば、選択された画像表示条件が「条件1」である場合には、発話期間中に撮影された画像であるか否かが、来客状態属性が「用件発話」若しくは「担当者名発話」であるか否かによって判断される。期間条件として設定された所定期間内に撮影された画像ファイルでなければ(S76:NO)、そのままS74の判断へ戻る。
【0059】
所定期間内に撮影された画像ファイルであれば(S76:YES)、さらに、選択された画像表示条件のタイミング条件に適合する画像ファイルであるか否かが判断される(S77)。すなわち、選択された画像表示条件が「条件1」である場合には、定期的な撮影タイミングで撮影された画像であるか否かが、撮影種別が「定期撮影」であるか否かによって判断される。タイミング条件として設定された所定タイミングで撮影された画像ファイルでなければ(S77:NO)、そのままS74の判断へ戻る。所定タイミングで撮影された画像ファイルであれば(S77:YES)、その画像ファイルが、RAM103の表示画像リストに表示画像候補として追加されて(S78)、S74の判断へ戻る。そして、選択された画像表示条件について、全ての画像ファイルの検証が行われた場合には(S74:NO)、S72の判断へ戻る。
【0060】
「条件1」について全ての画像ファイルの検証が行われた時点では、図12に示すように、「条件1」を満たす画像ファイルが表示画像リストに追加されている。詳細には、この時点での画像ファイルリストには、来訪者状態属性が「用件発話」若しくは「担当者名発話」であり、且つ撮影種別が「定期撮影」である画像ファイルが、撮影日時順に画像ファイルリストに追加されている。
【0061】
「条件1」について全ての画像ファイルの検証が終了すると(S74:NO)、「条件2」についての検証が未だ行われていないため(S72:YES)、「条件2」が選択される(S73)。そして、「条件2」についての画像ファイルの検証が行われる。まず「条件2」の期間条件を満たしているか否かが判断されるが(S76)、「条件2」の期間条件は来客検知以降(撮影開始から終了まで)であるため、全ての画像ファイルは「条件2」の期間条件を満たしている(S76:YES)。次いで、「条件2」のタイミング条件を満たしているか否か、すなわち、画像変化量が表示判定用基準値(図5参照)以上となったタイミングで撮影された画像であるか否かが、撮影種別から判断される(S77)。画像変化量が表示判定用基準値以上となっていれば(S77:YES)、その画像ファイルが表示画像リストに追加されて(S78)、S74の判断へ戻る。ここで、既に表示画像リストに追加されている画像ファイルは、重複して追加されることはなく、そのままS74の判断へ戻る。「条件2」についての全ての画像ファイルの検証が終了すると(S74:NO)、未検証の画像表示条件は存在しないため(S72:NO)、来訪者受付処理(図7参照)へ戻る。
【0062】
「条件2」についての全ての画像ファイルの検証が行われると、図13に示すように、「条件1」を満たす画像ファイルに加え、「条件2」を満たす画像ファイルがさらに表示画像リストに追加されている。詳細には、画像ファイルリスト中の画像ファイルのうち、画像変化量が表示判定用基準値以上となっている画像ファイルが、撮影日時順に表示画像リストに追加されている。そして、この表示画像リストが、表示端末20に表示させる表示画像のリストとして使用される。
【0063】
図10の説明に戻り、表示画像リスト生成処理(S51)が終了すると、特定された担当者が使用する表示端末20のディスプレイ209に、来訪者の来訪を通知する画面である来訪通知画面(図14参照)の画像データを送信し(S52)来訪通知画面を表示させる処理が行われる。図14に示すように、来訪通知画面には、来訪者の画像を表示する画像表示領域211、来訪者への応対の指示を入力する応対指示ボタン212、不在である旨を来訪者に通知する指示を入力する不在通知指示ボタン213が設けられている。また、来訪者が行った担当者名の発話を再生させる担当者名再生ボタン220、用件の発話を再生させる用件再生ボタン221、手動送りボタン215、手動戻しボタン216、自動送りボタン217、及び自動戻しボタン218が設けられている。
【0064】
次いで、生成された表示画像リスト(図13参照)に含まれている画像ファイルのうち、撮影日時が最も遅い、すなわち、最新の画像ファイルの画像データを、担当者の表示端末20に送信し(S53)、来訪通知画面の画像表示領域211に画像を表示させる処理が行われる。そして、来訪者に対する応対方法の担当者からの指示が受け付けられたか否かが判断され(S54)、受け付けられていなければ(S54:NO)、画像切替指示が受け付けられたか否かが判断される(S56)。手動送りボタン215又は手動戻しボタン216が操作されたことが表示端末20から受け付けられると(S56:YES)、画像表示領域211に表示させている表示画像を、指示に応じて時刻順に切り替える処理が行われて(S57)、S54の判断へ戻る。詳細には、手動送りボタン215が操作されたことが受け付けられた場合には、それまで表示されていた画像の次に撮影日時が遅い画像ファイルの画像データを送信する処理が行われる。また、手動戻しボタン216が操作されたことが受け付けられた場合には、表示されていた画像の次に撮影日時が早い画像ファイルの画像データを送信する処理が行われる。
【0065】
また、画像切替指示が受け付けられていない場合には(S56:NO)、担当者からの連続表示指示が受け付けられたか否かが判断される(S58)。自動送りボタン217又は自動戻しボタン218が操作されたことが表示端末20から受け付けられると(S58:YES)、表示画像リストに含まれている画像ファイルの画像を、時刻順に一定間隔で連続表示させる処理が行われて(S59)、S54の判断へ戻る。詳細には、自動送りボタン217が操作されたことが受け付けられた場合には、撮影日時が早い画像から順に、表示画像リスト中の画像データを一定時間毎に順次送信し、画像を連続して表示させる処理が行われる。また、自動戻しボタン218が操作されたことが受け付けられた場合には、撮影日時が遅い画像から順に画像データを順次送信する処理が行われる。
【0066】
また、連続表示指示が受け付けられていない場合には(S58:NO)、担当者からの発話再生指示が受け付けられたか否かが判断される(S60)。発話再生指示が受け付けられていない場合には(S60:NO)、そのままS54の判断へ戻る。受け付けられた場合には(S60:YES)、再生指示された発話の音声情報を送信すると共に、表示画像リストに含まれる画像ファイルのうち、再生指示された発話と同じ来訪者属性を有する画像(発話中画像)の画像データを送信する処理が行われて(S61)、S54の判断へ戻る。詳細には、担当者名再生ボタン220が操作されたことが入力された場合には、来訪者状態属性が「担当者名発話」である音声情報及び画像データを送信し、音声及び画像をスピーカ208及びディスプレイ209に出力させる処理が行われる。また、用件再生ボタン221が操作されたことが入力された場合には、来訪者状態属性が「用件発話」である音声情報及び画像データを送信する処理が行われる。該当する画像が複数存在する場合には、いずれか1つを送信してもよいし、該当する画像の画像データを順次送信してもよい。
【0067】
そして、来訪者に対する応対方法の指示が表示端末20から受け付けられた場合には(S54:YES)、受け付けられた指示に応じた応対処理が行われて(S55)、来訪者受付処理(図7参照)に戻る。詳細には、応対指示ボタン212が操作されたことが受け付けられた場合には、「少々お待ちください」というメッセージの音声情報を送信し、スピーカ108から出力させる処理が行われる。また、不在通知指示ボタン213が操作されたことが受け付けられた場合、及び来訪通知画面表示後所定時間が経過したことが受け付けられた場合には、「担当者は不在です」というメッセージを出力させる処理が行われる。
【0068】
以上説明したように、本実施の形態の来訪者受付システム1によれば、撮影タイミングが所定のタイミングである来訪者の画像の画像データを、来訪者への応対を行う担当者が使用する表示端末20に送信し、ディスプレイ209に表示させることができる。従って、担当者は、来訪者を認識するために動画を長時間再生させる必要がなく、所定のタイミングで撮影された画像によって短時間で容易に来訪者を認識することができる。そして、動画を再生させる場合よりも画像の処理負担を軽減させることもできる。
【0069】
また、画像の変化量が所定値以上となったタイミングで撮影された画像の画像データを送信することができるため、担当者は、画像の変化量が所定値以上である特徴的な画像を用いて、容易に来訪者を認識することができる。また、所定の期間中に撮影された画像の画像データを担当者の表示端末20に送信することができるため、担当者は、不要な画像を見ることなく、短時間で容易に来訪者を認識することができる。詳細には、来訪者が発話を行っている期間に撮影された画像の画像データを表示端末20に送信し、表示させることができるため、担当者は、受付装置10に向かって発話を行っている来訪者の画像を用いて、容易に来訪者を認識することができる。
【0070】
また、本実施の形態の来訪者受付システム1は、担当者による入力機器207の操作に応じて、ディスプレイ209に表示させる画像を決定することができる。詳細には、表示画像リスト中の画像を、担当者による操作に応じて新しい順又は古い順に切り替えることができる。よって、担当者は、撮影された特定の順で画像を見ることで、短時間で容易に来訪者を認識することができる。また、来訪者が行った発話の音声情報を送信する場合に、この発話を行っている来訪者が撮影された画像である発話中画像の画像データを送信し、表示端末20に表示させることができる。これにより、担当者は、発話の音声を聞きながら、発話中の来訪者の画像を見ることができる。よって、担当者は、より容易に来訪者を認識することができる。
【0071】
尚、上記実施の形態のカメラ105が本発明の「撮像手段」に相当し、マイク106が「情報入力手段」に相当する。図7のS7で、音声認識を行うことにより担当者を特定するCPU101が「担当者特定手段」として機能する。HDD150の画像ファイルリスト記憶エリア1503が「記憶手段」に相当する。図8のS23,30及び図9の画像保存処理において、撮像タイミングが所定のタイミングである画像の画像データを画像ファイルリスト記憶エリア1503に記憶させるCPU101が「記憶制御手段」として機能する。図10のS53,57,59,61で、画像データを表示端末20に送信するCPU101が「表示情報送信手段」として機能する。
【0072】
図8のS29、及び図9のS42で画像変化量を検出するCPU101が「変化量検出手段」として機能する。図11のS76で所定の期間内に撮像された画像の画像ファイルであるか否かを判定するCPU101が「期間判定手段」として機能する。図10のS56,58,60で画像の切替指示及び連続表示指示を表示端末20から受け付けるCPU101が「特定指示受付手段」及び「切替指示受付手段」として機能する。音声情報を記憶するHDD150が「音声情報記憶手段」に相当する。図7のS6で発話の音声情報をHDD150に記憶させるCPU101が「録音制御手段」として機能する。図10のS61で来訪者の発話の音声情報を表示端末20に送信するCPU101が「音声情報送信手段」として機能する。
【0073】
また、図7のS7で、音声認識を行うことにより担当者を特定する処理が「担当者特定ステップ」に相当する。図8のS23,30及び図9の画像保存処理において、撮像タイミングが所定のタイミングである画像の画像データを画像ファイルリスト記憶エリア1503に記憶させる処理が「記憶制御ステップ」に相当する。図10のS53,57,59,61で、画像データを表示端末20に送信する処理が「表示情報送信ステップ」に相当する。
【0074】
尚、上記実施の形態に示される構成や処理は例示であり、各種の変更が可能であることは言うまでもない。以下、上記実施の形態の変形例について説明する。
【0075】
まず、図15を参照して、撮影処理の変形例について説明する。図15は、変形例の撮影処理のフローチャートである。この変形例では、先述した実施の形態の撮影処理(図8参照)とは異なり、画像を保存するタイミングでのみカメラ105による撮影を行う。図15に示すように、撮影処理が開始されると、来訪者の発話開始が検知されたか否かが判断され(S81)、検知されるまでこの判断が繰り返し行われる(S81:NO)。発話開始が検知された場合には(S81:YES)、画像データを定期的に撮影する規定のタイミングとなったか否かが判断され(S82)、規定の撮影タイミングとなるまで繰り返しこの判断が行われる(S82:NO)。そして、規定の撮影タイミングとなった場合に(S82:YES)、カメラ105による撮影が実行され(S83)、画像保存処理が行われる(S84)。この画像保存処理は先述した画像保存処理(図9参照)と同じであるため、説明を省略する。そして、来訪者の発話が終了したと判断されていなければ(S85:NO)、S82の判断へ戻り、終了したと判断されると(S85:YES)、S81の判断へ戻る。
【0076】
このように、表示画像の候補を撮影する所定のタイミングでのみ、カメラ105による撮影を行ってもよい。また、上記実施形態のように、カメラ105による撮影を連続して行い、撮像された画像の中から表示端末20に表示させる表示画像の候補を決定してもよい。また、画像を保存するタイミングも上記実施の形態のタイミングに限られない。定期的なタイミングでのみ画像を撮影して保存する方法を用いても、表示画像リスト生成処理(図11参照)によれば、表示端末20に表示させる画像の候補を適切に決定することができる。
【0077】
また、上記実施の形態はその他の変更も可能である。上記実施の形態では、画像ファイルを保存するタイミングは、定期的(5秒毎)に行われる保存タイミングと、画像変化量が撮影判定用基準値以上となったタイミングの2種類であったが、保存タイミングは変更が可能である。例えば、来訪者が発話を開始したタイミングを保存タイミングとしてもよい。この場合、図8に示す撮影処理において、5秒毎の定期的な保存タイミングでないと判断された後(S23:NO)、発話開始が検知されたか否かを判断する。発話開始が検知された場合には画像保存処理(S24)を行い、来訪者状態属性又は撮影種別を「発話開始時」として画像ファイルを記憶させる。発話開始が検知されていなければ、S28の判断を行えばよい。発話開始のタイミングを画像の保存タイミングとすることで、受付装置10に向かって発話を開始した来訪者の画像を表示端末20に表示させることができ、担当者による来訪者の認識をより容易とすることができる。
【0078】
また、上記実施の形態では、図7に示すように、入力された音声波形を監視することによって発話開始を検知し(S4)、発話期間中に撮影された画像に「用件発話」若しくは「担当者名発話」の来訪者状態属性を付加することを可能としている(S5、S6)。これにより、質問メッセージが出力されてから発話が開始されるまでの間に、無駄な画像ファイルが保存されることを避けることができる。一方、質問メッセージを出力させた後(S2)、来訪者状態属性を設定すれば(S5)、音声波形を監視せずとも画像に来訪者属性を付加することが可能となる。
【0079】
また、表示端末20のディスプレイ209に画像を表示させる方法も適宜変更が可能である。例えば、図10に示すように、上記実施の形態では、担当者名再生ボタン220又は用件再生ボタン221(図14参照)が操作されると(S60:YES)、発話音声の再生と、その発話を行っている来訪者の画像の表示とが同時に行われる(S61)。しかし、S60で発話時の画像の表示指示が受け付けられた場合に、発話の音声情報を送信せずに、その発話を行っている画像の画像データの送信のみを行ってもよい。また、画像変化量が所定値以上である画像を表示させる指示を表示端末20から受け付けた場合に、画像変化量が所定値以上である画像の画像データのいずれかを送信する処理を行ってもよい。このように、いずれの画像を表示させるかを特定する指示に応じて、表示端末20に画像データを送信することができるため、担当者は所望する画像を見て容易に来訪者を認識することができる。この場合、いずれの画像を表示させるのかを特定する指示を表示端末20から受け付ける受付装置10のCPU101が、本発明の「特定指示受付手段」として機能する。
【0080】
また、来訪者受付システム1の装置構成も変更が可能である。上記実施の形態では、カメラ105、マイク106、スピーカ108等を備えた受付装置10のCPU101が、画像ファイルの保存制御処理や画像データの送信処理等の各種処理を行っている。しかし、これらの処理を行うのは受付装置10のCPU101に限られない。例えば、カメラ、マイク、人感センサ、スピーカ、及びディスプレイを備え、受付装置10に接続されたインターホン型の受付端末を会社5の入口近辺に設置し、受付装置10は会社5内の別の場所に設置してもよい。そして、受付端末で来訪者の検知や撮影を行い、その情報を受付装置10に送信してもよい。また、受付装置10ではHDD150に画像ファイルを保存せず、表示端末20への画像ファイルのデータの送信のみを行って、表示端末20で画像ファイルを保存することもできる。また、画像ファイルを保存する記憶装置が、受付装置10に着脱可能に設けられてもよいし、LAN9を介して受付装置10に接続可能な別個の記憶装置であってもよい。また、来訪通知処理(図10参照)で行われている処理の少なくとも一部を表示端末20のCPU201に実行させてもよい。
【0081】
また、上記実施の形態では、来訪者を検知するために人感センサ107が受付装置10に設けられている。しかし、例えば、来訪者によって操作される操作部を受付装置10に配設し、操作部が操作されることで来訪者を検知する場合や、カメラ105によって来訪者が撮影された場合に来訪者の来訪を検知する場合等は、人感センサ107を設けなくてもよい。また、上記実施の形態では、カメラ105によって撮影された2つの画像から画像変化量を検出している。しかし、人感センサ107を用いて来訪者の動作量を検出し、検出した来訪者の動作量に基づいて、画像ファイルの保存や表示画像リストの生成を行ってもよい。
【0082】
また、上記実施の形態では、画像データに付加される属性として、撮影日、撮影時刻、来訪者状態属性、画像変化量、及び撮影種別が用いられているが、これも変更が可能である。例えば、撮影種別を用いなくても表示画像リストを生成することは可能であるし、別の属性を用いて処理を行ってもよい。また、「質問メッセージ出力前」等の撮影種別を設けて、撮影種別に応じて表示画像リストを生成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】来訪者受付システム1の概略構成を示すシステム構成図である。
【図2】受付装置10の電気的構成を示すブロック図である。
【図3】受付装置10のHDD150の構成を示す模式図である。
【図4】画像ファイルリストの説明図である。
【図5】画像変化量基準値の説明図である。
【図6】表示端末20の電気的構成を示すブロック図である。
【図7】来訪者受付処理のフローチャートである。
【図8】撮影処理のフローチャートである。
【図9】撮影処理中に実行される画像保存処理のフローチャートである。
【図10】来訪者受付処理中に実行される来訪通知処理のフローチャートである。
【図11】来訪者通知処理中に実行される表示画像リスト生成処理のフローチャートである。
【図12】「条件1」に従って生成された表示画像リストの説明図である。
【図13】「条件1」及び「条件2」に従って生成された表示画像リストの説明図である。
【図14】表示端末20のディスプレイ209に表示される来訪通知画面の一例を示す図である。
【図15】変形例の撮影処理のフローチャートである。
【符号の説明】
【0084】
10 受付装置
20 表示端末
101 CPU
105 カメラ
150 HDD
209 ディスプレイ
1502 画像ファイル記憶エリア
【技術分野】
【0001】
本発明は、受付装置、受付方法、及び受付プログラムに関する。より具体的には、来訪者の来訪を受け付けて、この来訪者への応対を行う担当者に、来訪者が来訪したことを画像を用いて通知する受付装置、受付方法、及び受付プログラムに関する。
【0002】
従来、来訪者の来訪を受け付けて、この来訪者への応対を行う担当者に画像を用いて通知する受付システムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この受付システムでは、玄関先等に設置された通話手段のボタンが来訪者によって押下されると、来訪者の撮像が開始され、撮像された映像及び音声のデータが記録される。そして、記録されたデータが、来訪者への応対を行うユーザ(担当者)のパソコンへ送信され、パソコンでは来訪者を撮像した映像が音声と共に再生される。これにより、担当者が音声のみならず映像を用いて来訪者を認識することを実現し、来訪者の認識を容易にしている。
【特許文献1】特開平6−233305号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1に記載の受付システムでは、来訪者がボタンを押下してから撮像が終了するまでの全ての映像が再生されるため、担当者が来訪者を認識するまでに無駄な時間を要するという問題点があった。よって、担当者は、短時間で容易に来訪者を認識することは困難であった。
【0004】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、来訪者への応対を行う担当者が、短時間で容易に来訪者を認識することを可能とする受付装置、受付方法、及び受付プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に記載の受付装置は、来訪者の来訪を受け付けて、前記来訪者への応対を行う担当者が使用する表示端末に通知する受付装置であって、前記来訪者の画像を撮像可能な撮像手段と、前記来訪者への応対を行う担当者を、情報入力手段によって入力された情報に基づいて特定する担当者特定手段と、前記撮像手段による撮像タイミングが所定のタイミングである前記画像の画像データを、画像データを記憶する記憶手段に記憶させる記憶制御手段と、撮像タイミングが前記所定のタイミングである前記画像の画像データを、前記担当者特定手段によって特定された前記担当者が使用する前記表示端末に送信する表示情報送信手段とを備えている。
【0006】
また、本発明の請求項2に記載の受付装置は、請求項1に記載の発明の構成に加え、前記記憶制御手段は、前記来訪者が発話を開始したタイミングを前記所定のタイミングとして前記画像の画像データを記憶することを特徴とする。
【0007】
また、本発明の請求項3に記載の受付装置は、請求項1又は2に記載の発明の構成に加え、前記撮像手段によって撮像された複数の前記画像により、前記画像の変化量を検出する変化量検出手段を備え、前記記憶制御手段は、前記変化量検出手段によって検出された変化量が所定値以上となったタイミングを前記所定のタイミングとして前記画像の画像データを記憶することを特徴とする。
【0008】
また、本発明の請求項4に記載の受付装置は、請求項1乃至3のいずれかに記載の発明の構成に加え、前記画像の撮像タイミングが所定の期間であるか否かを判定する期間判定手段を備え、前記表示情報送信手段は、撮像タイミングが前記期間判定手段によって前記所定の期間であると判定された前記画像の画像データを、前記表示端末に送信することを特徴とする。
【0009】
また、本発明の請求項5に記載の受付装置は、請求項4に記載の発明の構成に加え、前記期間判定手段は、前記来訪者が発話を行っている期間を前記所定の期間として判定を行うことを特徴とする。
【0010】
また、本発明の請求項6に記載の受付装置は、請求項1乃至5のいずれかに記載の発明の構成に加え、撮像タイミングが前記所定のタイミングである、前記記憶手段に記憶された前記画像のうちのいずれを前記表示端末で表示させるかを特定する指示を前記表示端末から受け付ける特定指示受付手段を備え、前記表示情報送信手段は、前記特定指示受付手段により受け付けられた指示によって特定された前記画像の画像データを前記表示端末に送信することを特徴とする。
【0011】
また、本発明の請求項7に記載の受付装置は、請求項1乃至6のいずれかに記載の発明の構成に加え、前記記憶制御手段は、前記画像の画像データを、撮像された順序を識別可能に記憶させ、前記選択指示受付手段は、前記表示端末で表示されている前記画像の切り替えの指示を受け付ける切替指示受付手段を備え、前記表示情報送信手段は、前記切替指示受付手段によって切り替えの指示が受け付けられた場合、撮像タイミングが前記所定のタイミングである複数の前記画像を、撮像された特定の順に前記表示端末に送信することを特徴とする。
【0012】
また、本発明の請求項8に記載の受付装置は、請求項1乃至7のいずれかに記載の発明の構成に加え、音声情報を記憶する音声情報記憶手段に、音声入力手段から入力された前記来訪者が行う発話の音声情報を記憶させる録音制御手段と、前記音声情報記憶手段に記憶された前記発話の音声情報を、前記担当者特定手段によって特定された前記担当者が使用する前記表示端末に送信する音声情報送信手段とを備え、前記音声情報記憶手段に記憶された前記発話の音声情報と、前記発話を行っている前記来訪者が撮像された前記画像である発話中画像とが対応付けられており、前記表示情報送信手段は、前記音声情報記憶手段に記憶された前記発話の音声情報が前記音声情報送信手段によって送信される場合、送信される前記発話の音声情報に対応する前記発話中画像を前記表示端末に送信することを特徴とする。
【0013】
また、本発明の請求項9に記載の受付方法は、来訪者の来訪を受け付けて、前記来訪者への応対を行う担当者が使用する表示端末に通知する受付方法であって、前記来訪者への応対を行う担当者を、情報入力手段によって入力された情報に基づいて特定する担当者特定ステップと、前記来訪者の画像を撮像可能な撮像手段による撮像タイミングが所定のタイミングである前記画像の画像データを、画像データを記憶する記憶手段に記憶させる記憶制御ステップと、撮像タイミングが前記所定のタイミングである前記画像の画像データを、前記担当者特定手段によって特定された前記担当者が使用する前記表示端末に送信する表示情報送信ステップとを備えている。
【0014】
また、本発明の請求項10に記載の受付プログラムは、請求項1乃至8のいずれかに記載の受付装置の各種処理手段としてコンピュータを機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明の請求項1に記載の受付装置によると、来訪者への応対を行う担当者を特定し、画像の撮像タイミングが所定のタイミングである画像の画像データを、担当者が使用する表示端末に送信することができる。従って、担当者は、来訪者を認識するために動画を長時間再生させる必要がなく、所定のタイミングで撮像された画像によって短時間で容易に来訪者を認識することができる。
【0016】
また、本発明の請求項2に記載の受付装置は、請求項1に記載の発明の効果に加え、来訪者が発話を開始したタイミングで撮像された画像の画像データを、担当者の表示端末に送信することができる。すなわち、受付装置に向かって発話を開始した来訪者の画像を表示端末に表示させることができる。これにより、担当者は、容易に来訪者を認識することができる。
【0017】
また、本発明の請求項3に記載の受付装置は、請求項1又は2に記載の発明の効果に加え、画像の変化量が所定値以上となったタイミングで撮像された画像の画像データを、担当者の表示端末に送信することができる。従って、担当者は、画像の変化量が所定値以上である特徴的な画像を用いて、容易に来訪者を認識することができる。
【0018】
また、本発明の請求項4に記載の受付装置は、請求項1乃至3のいずれかに記載の発明の効果に加え、所定の期間中に撮像された画像の画像データを、担当者の表示端末に送信することができる。従って、担当者は、所定の期間中に撮像された画像を用いることで、不要な画像を見ることなく、短時間で容易に来訪者を認識することができる。
【0019】
また、本発明の請求項5に記載の受付装置は、請求項4に記載の発明の効果に加え、来訪者が発話を行っている期間中に撮像された画像の画像データを、担当者の表示端末に送信することができる。従って、担当者は、受付装置に向かって発話を行っている来訪者の画像を用いて、容易に来訪者を認識することができる。
【0020】
また、本発明の請求項6に記載の受付装置は、請求項1乃至5のいずれかに記載の発明の効果に加え、撮像タイミングが所定のタイミングである画像のうちのいずれを表示させるかを特定する指示を表示端末から受け付けて、特定された画像を表示端末に表示させることができる。従って、担当者は、所望する画像を見て来訪者を認識することができる。よって、他の不要な画像を見ることなく、短時間で容易に来訪者を認識することができる。
【0021】
また、本発明の請求項7に記載の受付装置は、請求項1乃至6のいずれかに記載の発明の効果に加え、画像の切り替えの指示に応じて、撮像された特定の順、すなわち、新しい順又は古い順に画像を表示させることができる。従って、担当者は、撮像された特定の順で画像を見ることで、短時間で容易に来訪者を認識することができる。
【0022】
また、本発明の請求項8に記載の受付装置は、請求項1乃至7のいずれかに記載の発明の効果に加え、来訪者が行う発話の音声情報を記憶し、この音声情報を表示端末に送信することができる。また、記憶された発話の音声情報と、この発話を行っている来訪者が撮像された発話中画像とが対応付けられており、記憶された発話の音声情報を送信する場合に、この発話に対応する発話中画像を表示端末に送信することができる。これにより、来訪者への応対を行う担当者は、発話の音声を聞きながら、発話中の来訪者の画像を見ることができる。従って、担当者は、来訪者をより容易に認識することができる。
【0023】
また、本発明の請求項9に記載の受付方法によると、来訪者への応対を行う担当者を特定し、画像の撮像タイミングが所定のタイミングである画像の画像データを、担当者が使用する表示端末に送信することができる。従って、担当者は、来訪者を認識するために動画を長時間再生させる必要がなく、所定のタイミングで撮像された画像によって短時間で容易に来訪者を認識することができる。
【0024】
また、本発明の請求項10に記載の受付プログラムは、コンピュータに実行させることにより、請求項1乃至8のいずれかに記載の発明の効果を奏することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明を具現化した実施の形態について、図面を参照して説明する。尚、参照する図面は、本発明が採用し得る技術的特徴を説明するために用いられるものであり、記載されている装置の構成、各種処理のフローチャートなどは、それのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例である。
【0026】
まず、図1乃至図6を参照して、本実施の形態に係る来訪者受付システム1の全体構成、並びに、来訪者受付システム1の構成要素である受付装置10及び表示端末20の構成について、順に説明する。
【0027】
最初に、図1を参照して、来訪者受付システム1の全体構成の概略を説明する。図1は、来訪者受付システム1の概略構成を示すシステム構成図である。図1に示すように、来訪者受付システム1は、受付装置10及び複数の表示端末20を含み、これらは全てLAN9に接続されている。来訪者受付システム1は、例えば、ビルや会社に設置され、来訪者に対する受付業務を行うシステムである。本実施の形態では、来訪者受付システム1は、会社5に設置されているものとして説明する。受付装置10は、例えば、会社5の入口ドア付近に設置される。複数の表示端末20のそれぞれは、会社5の各従業員に割り当てられている。
【0028】
ここで、本実施の形態の来訪者受付システム1全体で行われる処理の手順について、簡単に説明する。まず、会社5への来訪者が、入口付近に設けられた受付装置10の前に立つと、来訪者が来訪したことが人感センサ107(図2参照)によって検出される。そして、来訪者の来訪を受け付けて、この来訪者への応対を行う担当者へ通知する処理が受付装置10で行われる。この処理により、まず、用件や来訪先の担当者等についての質問が発せられ、この来訪者への応対を行う担当者が音声認識処理により特定される。同時に、カメラ105(図2参照)による撮影が行われる。
【0029】
そして、特定された担当者の表示端末20に、来訪者が来訪したことを通知する来訪通知画面(図14参照)が表示される。この来訪通知画面には、来訪者を認識するのに適した静止画像が表示される。担当者は、来訪通知画面によって来訪者を認識すると、表示端末20の入力機器207(図6参照)を操作することで、来訪者に対する応対を指示する。受付装置10は、表示端末20から入力された指示に応じて、担当者の代理で来訪者への応対を行う。このように、受付装置10は、会社5における受付業務を自動的に行うことができる。尚、ここまでで簡単に説明した処理については、後に詳述する。
【0030】
次に、図2を参照して、受付装置10の構成について説明する。図2は、受付装置10の電気的構成を示すブロック図である。図2に示すように、受付装置10は、CPU101と、CPU101に各々接続されたROM102及びRAM103とを含む制御回路部100を備えている。CPU101には、入出力(I/O)インタフェイス104が接続されている。I/Oインタフェイス104には、ハードディスク装置(HDD)150、カメラ105、マイク106、人感センサ107、スピーカ108、ディスプレイ109、及び通信装置110が接続されている。
【0031】
CPU101は、受付装置10全体の制御を司る。ROM102は、受付装置10の基本的な動作に必要なプログラムやそのための設定値を記憶している。CPU101は、ROM102やHDD150に記憶されたプログラムに従って、受付装置10の動作を制御する。RAM103は、各種データを一時的に記憶するための記憶装置であり、特に、担当者の表示端末20に表示させる候補とされた画像ファイルのリスト(以下、「表示画像リスト」という。)が記憶される。記憶装置であるHDD150には、詳細は後述するが、撮影された画像の画像ファイルや、受付装置10の各種動作を制御するための複数のプログラム等が記憶されている。
【0032】
カメラ105は、画像を撮影して画像データを出力する撮像機器であり、受付装置10の正面側に配設されている。そして、受付装置10の前に立つ来訪者を撮影することができる。マイク106は、入力された来訪者の音声を、音声データに変換して出力する機器である。人感センサ107は、人間の所在を検知するためのセンサである。本実施の形態では赤外線センサが用いられているが、超音波センサや可視光センサ等を使用することも可能である。スピーカ108は、音声データを音声に変換して出力する機器である。ディスプレイ109には、例えば、受付業務を行っている想定の人物の画像や、スピーカ108から発話される音声に対応する文章等が表示される。
【0033】
次に、図3を参照して、受付装置10のHDD150の構成について説明する。図3は、受付装置10のHDD150の構成を示す模式図である。HDD150には、担当者端末情報記憶エリア1501、画像ファイル記憶エリア1502、画像ファイルリスト記憶エリア1503、画像変化量基準値記憶エリア1504、音声認識関係情報記憶エリア1505、及びプログラム記憶エリア1506が少なくとも設けられている。
【0034】
担当者端末情報記憶エリア1501には、会社5の社員についての情報と、各社員が使用する表示端末20に接続するためのアドレスとが対応付けて記憶されており、この情報は随時更新が可能である。画像ファイル記憶エリア1502には、カメラ105によって撮影された画像の画像データや各種属性からなる画像ファイルが記憶される。画像ファイルリスト記憶エリア1503には、画像ファイルに付与されている画像ファイル名及び各種属性のリスト(以下、「画像ファイルリスト」という。)が記憶されている(図4参照)。画像変化量基準値記憶エリア1504には、画像の変化量に応じて画像の撮影及び表示を行う場合に、撮影及び表示を行う基準となる画像変化量の値が記憶されている(図5参照)。音声認識関係情報記憶エリア1505には、周知の音声認識に必要な音響モデル、単語辞書、言語モデル等の各種情報が記憶されている。プログラム記憶エリア1506には、後述する各種処理に使用されるプログラム群、システムプログラム、通信プログラム等、処理を受付装置10に実行させるための各種プログラムが記憶されている。
【0035】
次に、図4を参照して、画像ファイルリスト記憶エリア1503に記憶される画像ファイルリストの詳細について説明する。図4は、画像ファイルリストの説明図である。画像ファイルリストは、担当者の表示端末20に表示させる画像ファイルの候補を抽出する場合に参照される。
【0036】
図4に示すように、画像ファイルリストには、画像ファイル名の情報と共に、画像ファイルに付与されている各種属性が含まれている。この属性には、撮影日、撮影時刻、来訪者状態属性、画像変化量、及び撮影種別がある。撮影日は、画像が撮影された年月日であり、撮影時刻は時、分、秒である。来訪者状態属性は、画像が撮影された時点での来訪者の状態を示す。本実施の形態では、来訪者が用件を発話している状態を示す「用件発話」、及び、来訪者が担当者名を発話している状態を示す「担当者名発話」の2つの来訪者状態属性が設けられている。画像変化量は、直前に撮影された画像との比較によって検出される画像の変化量である。撮影種別は、定期的(例えば、5秒毎)な保存タイミングで保存された画像であることを示す「定期撮影」であるか、画像変化量が基準値以上となることを契機として保存された画像であることを示す「変化量判定撮影」であるかを判別するための情報である。
【0037】
例えば、画像ファイル名が「image15609」である画像ファイルは、2008年8月4日の11時34分43秒に撮影された画像である。その撮影時点での来訪者の状態は、用件発話中及び担当者名発話中のいずれでもなく、その時点での画像変化量は「27」である。そして、画像変化量が基準値以上となることを契機として保存された画像ファイルであることが、撮影種別によって示されている。
【0038】
また、画像ファイル名が「image15613」である画像ファイルは、2008年8月4日の11時35分00秒に撮影された画像である。そして、来訪者がその時点で担当者名を発話していたことが、来訪者状態属性によって示されている。その時点での画像変化量は「11」であり、画像の保存タイミングは、5秒毎に行われる定期的な保存タイミングである。
【0039】
このように、各画像ファイルに付与されている各種属性を画像ファイルリストから取得することができるため、担当者の表示端末20に表示させる画像の候補を、取得した属性に応じて適切に決定することができる。この詳細はフローチャートを参照して後述する。
【0040】
次に、図5を参照して、画像変化量基準値記憶エリア1504に記憶されている基準値の詳細について説明する。図5は、画像変化量基準値の説明図である。図5に示すように、画像変化量基準値記憶エリア1504には、撮影判定用基準値、及び表示判定用基準値の2つの画像変化量基準値が記憶されている。後述する撮影処理(図8参照)では、5秒毎に到来する定期的な画像の保存タイミングとなっていない場合でも、検出された画像変化量が撮影判定用基準値以上となれば、そのタイミングで撮影されている画像の画像データが画像ファイル記憶エリア1502に保存される。また、後述する表示画像リスト生成処理(図12参照)では、保存されている画像の画像変化量が表示判定用基準値以上となっているか否かに応じて、画像を表示画像リストに追加するか否かを判断している。これにより、来訪者が大きく動作した場合や、画面内に新たに人間が出入りした場合等の特徴的な画像を表示端末20に表示させることを可能としている。尚、本実施の形態では、撮影判定用基準値及び表示判定用基準値は共に「20」で固定されているが、これらの基準値を変更可能としてもよいことは言うまでもない。
【0041】
次に、図6を参照して、表示端末20の構成について説明する。図6は、表示端末20の電気的構成を示すブロック図である。表示端末20は、画像を表示する表示部を備えていれば本実施の形態において使用できる。例えば、表示端末20として、汎用のパーソナルコンピュータ(PC)、表示部を備えた携帯電話、表示部を備えた携帯端末等を使用できる。
【0042】
図6に示すように、表示端末20は、CPU201と、CPU201に各々接続されたROM202及びRAM203とを含む制御回路部200を備えている。CPU201には、その他、入出力(I/O)インタフェイス204が接続されている。I/Oインタフェイス204には、ハードディスク装置(HDD)250、入力機器207、スピーカ208、ディスプレイ209、及び通信装置210が接続されている。
【0043】
CPU201は、表示端末20全体の制御を司る。ROM202は、表示端末20を動作させるための各種プログラムを記憶している。CPU201は、ROM202やHDD250に記憶されたプログラムに従って、表示端末20の動作を制御する。RAM203は、各種データを一時的に記憶するための記憶装置である。記憶装置であるHDD250には、例えば、表示端末20の各種動作を制御するための複数のプログラムが記憶されている。入力機器207は、表示端末20を使用するユーザ(担当者)による入力を受け付ける機器である。この入力機器207としては、例えば、表示端末20としてPCが用いられている場合にはマウスやキーボードが該当し、携帯電話や携帯端末が用いられている場合にはボタン、十字キー、タッチパネル等が該当する。スピーカ208は、音声データを音声に変換して出力する機器である。ディスプレイ209には様々な画像や文章等が表示されるが、特に、受付装置10からの指示に応じて、来訪者を認識するのに適した静止画像が表示される。
【0044】
以下、受付装置10において行われる各種処理について、図7乃至図14を参照して説明する。図7は、来訪者受付処理のフローチャートである。図8は、撮影処理のフローチャートであり、図9は、撮影処理中に実行される画像保存処理のフローチャートである。図10は、来訪者受付処理中に実行される来訪通知処理のフローチャートであり、図11は、来訪者通知処理中に実行される表示画像リスト生成処理のフローチャートである。図12は、「条件1」に従って作成された表示画像リストの説明図であり、図13は、「条件1」及び「条件2」に従って作成された表示画像リストの説明図である。「条件1」及び「条件2」の詳細については後述する。図14は、表示端末20のディスプレイ209に表示される来訪通知画面の一例を示す図である。受付装置10の電源が投入されると、来訪者受付処理及び撮影処理が開始される。これらの処理は、HDD150のプログラム記憶エリア1506に記憶されたプログラムに従って、CPU101が実行する。
【0045】
図7に示す来訪者受付処理が開始されると、まず、来訪者が検知されたか否かが判断される(S1)。本実施の形態では、人感センサ107(図2参照)によって来訪者の検知が行われるが、来訪者の検知方法はこれに限られない。例えば、来訪者によって操作される操作ボタンを受付装置10に配設し、操作ボタンが操作されたか否かによって来訪者を検知してもよい。来訪者が検知されていなければ(S1:NO)、この判断が繰り返し行われる。
【0046】
来訪者が検知された場合には(S1:YES)、来訪者に発話を促す質問メッセージをスピーカ108及びディスプレイ109に出力させる処理が行われる(S2)。本実施の形態では、「ご用件は何ですか」という用件質問メッセージ、及び「担当者は誰ですか」という担当者名質問メッセージの2つの質問メッセージが用意されているが、質問メッセージはこの2つに限られない。例えば、「どちら様でしょうか」という来訪者名質問メッセージを用意してもよい。
【0047】
次いで、来訪者の応答を待機する所定時間が経過したか否かが判断され(S3)、経過していなければ(S3:NO)、来訪者の発話開始が検知されたか否かが判断される(S4)。発話開始の検知は、入力された音声波形を監視することによって行われ、検知されていなければ(S4:NO)、S3の判断へ戻る。発話開始が検知される前に所定時間が経過した場合には(S3:YES)、S1の判断へ戻る。
【0048】
発話開始が検知された場合には(S4:YES)、出力された質問メッセージに応じて、来訪者状態属性が設定される(S5)。具体的には、S2の処理によって出力された質問メッセージが用件質問メッセージであれば、来訪者状態属性が「用件発話」であることを示すフラグが「ON」とされる。また、出力された質問メッセージが担当者名質問メッセージであれば、来訪者状態属性が「担当者名発話」であることを示すフラグが「ON」とされる。尚、他の質問メッセージを用意している場合には、質問メッセージに対応した来訪者状態属性をその都度設定すればよい。
【0049】
次いで、入力された発話音声の音声情報が、設定された来訪者状態属性と対応付けられてHDD150に記憶されると共に(S6)、音声認識関係情報記憶エリア1505に記憶されている単語辞書や言語モデル等が用いられて、周知の音声認識が行われる(S7)。本実施の形態では、この音声認識によって担当者名を認識することで、来訪者への応対を行う担当者を特定している。しかし、タッチパネルを操作させる等、他の方法によって来訪者からの情報を入力し、担当者を特定してもよい。
【0050】
次いで、無音を示す音声波形が所定時間継続したか否かを監視することにより、発話が終了したか否かが判断される(S8)。発話終了が検知されていなければ(S8:NO)、S6の処理へ戻る。発話終了が検知されると(S8:YES)、発話の録音及び音声認識が終了する(S9)。そして、来訪者状態属性を示すフラグが「OFF」とされて来訪者属性がクリアされ(S10)、担当者への連絡準備が完了したか否かが判断される(S11)。本実施の形態では、音声認識(S7)によって担当者が特定された場合に連絡準備が完了したと判断されるが、この判断規準も変更が可能である。例えば、担当者のみならず来訪者も特定された場合に、連絡準備が完了したと判断してもよい。連絡準備が完了していなければ(S11:NO)、質問メッセージが再び出力されて(S2)、来訪者の発話の録音や音声認識等の処理が再び行われる。連絡準備が完了した場合には(S11:YES)、特定された担当者に来訪者が来訪したことを通知する来訪通知処理が行われて(S12)、S1の判断へ戻る。この来訪通知処理の詳細については後述する。
【0051】
次に、図8及び図9を参照して、撮影処理について説明する。この撮影処理は、来訪者受付処理と並行して実行される。図8に示すように、撮影処理が開始されると、まず、来訪者が検知されたか否かが判断される(S21)。人感センサ107(図2参照)によって来訪者が検知されるまでこの判断が繰り返し行われ(S1:NO)、来訪者が検知されると(S21:YES)、カメラ105による撮影を開始させる処理が行われる(S22)。この撮影は、例えば30ms毎に連続的に実行され、撮影された画像の画像データは、後述する画像変化量の検出処理に用いるために、所定時間分記憶される。そして、画像データを定期的に保存する規定のタイミングとなったか否かが判断される(S23)。本実施の形態では、画像データの定期的な保存タイミングは5秒毎に設定されており、このタイミングは内蔵時計で管理されている。規定の保存タイミングとなった場合には(S23:YES)、画像データを保存するための画像保存処理(S24)が行われる。
【0052】
図9に示すように、画像保存処理では、S5(図7参照)で設定されている来訪者状態属性が取得される(S41)。ここで取得される属性は、「用件発話」、「担当者名発話」、及び「なし」のいずれかである。次いで、その時点で撮影されている画像と、30ms以前に撮影された画像との変化量が検出される(S42)。この処理は、2つの画像に特徴点を設定し、特徴点の変化を算出する周知の方法によって行われる。そして、内蔵時計で管理されている撮影日時、取得された来訪者状態属性、検出された画像変化量、及び撮影種別が対応付けられて、画像ファイルがHDD150の画像ファイル記憶エリア1502(図3参照)に記憶され、同時に各種属性がファイル名と共に画像ファイルリスト記憶エリア1503に記憶される(S43)。そして、撮影処理に戻る。
【0053】
そして、図8の説明に戻り、受付を終了するか否かの判断が行われる(S25)。この判断は、S11(図7参照)の判断と同様に、担当者が特定されたか否かを判断することで行われるが、この判断基準も変更が可能であり、例えば、撮影画像の枠内から来訪者が外れた場合に受付終了と判断してもよい。受付を終了すると判断されなければ(S25:NO)、S23の判断へ戻り、撮影及び画像の保存処理が継続される。
【0054】
規定の保存タイミングとなっていなければ(S23:NO)、画像変化量が所定値以上となることを契機とした画像データの保存処理が行われる。まず、画像の変化に伴う保存処理を実行しない期間である待機時間が経過しているか否かが判断される(S28)。この待機時間は、画像の変化量が常に所定値以上となる場合に、連続して画像データが保存されることを防ぎ、変化量が所定値以上となった画像を必要な数だけ保存するために設けられている。待機時間の計測中であれば(S28:NO)、画像を保存する処理は行われずに、そのままS23の判断へ移行する。待機時間が経過していれば(S28:YES)、その時点で撮影されている画像の変化量が検出されて(S29)、検出された画像変化量が撮影判定用基準値(図5参照)未満であれば(S30:NO)、そのままS25の判断へ移行する。撮影判定用基準値以上であれば(S30:YES)、画像保存処理が行われる(S31)。この画像保存処理は、先述した図9に示す処理と同じであるため、この説明は省略するが、S29の処理で画像変化量が検出されているので、S42の処理は省いてもよい。そして、待機時間を計測するためのタイマがセットされて(S32)、受付を終了するか否かが判断され(S25)、終了すると判断された場合には(S25:YES)、カメラ105による撮影を終了させる処理が行われて(S34)、S21の判断へ戻る。
【0055】
次に、図10乃至図14を参照して、来訪者受付処理中に実行される来訪通知処理について説明する。先述したように、この来訪通知処理は、来訪者が来訪したことを、この来訪者への応対を行う担当者に通知する処理であり、担当者が特定されて連絡準備が完了したと判断された場合に実行される。図10に示すように、来訪者通知処理が開始されると、担当者の表示端末20に表示させる候補となる画像ファイルのリスト(表示画像リスト)を生成する表示画像リスト生成処理が行われる(S51)。
【0056】
図11に示すように、表示画像リスト生成処理が開始されると、表示画像候補を決定するための条件である画像表示条件が取得される(S71)。本実施の形態では、画像表示条件はあらかじめ設定されてHDD150に記憶されており、適宜変更が可能である。そして、画像表示条件は、撮影タイミングが所定のタイミングである画像のみを表示画像候補とするための条件であるタイミング条件と、所定の期間中に撮影された画像のみを表示画像候補とするための条件である期間条件とからなる。以下では、図4に示す画像ファイルリストから、「条件1」及び「条件2」の2つの画像表示条件に基づいて表示画像リストが生成される場合を例に挙げて説明する。「条件1」とは、期間条件が発話期間であり、且つ、タイミング条件が定期的な保存タイミングである画像表示条件である。また、「条件2」とは、期間条件が来客検知以降(撮影開始から終了まで)であり、且つ、画像変化量が基準値以上となったタイミングがタイミング条件とされている画像表示条件である。
【0057】
画像表示条件が取得されると、未検証の画像表示条件が存在するか否かが判断され(S72)、存在する場合には(S72:YES)、未検証の画像表示条件の1つが選択される(S73)。以下の説明では、「条件1」が先に選択された場合について説明する。画像ファイル記憶エリア1502に記憶された画像ファイルのうち、未検証の画像ファイルが存在するか否かが判断され(S74)、存在する場合には(S74:YES)、未検証の画像ファイルについての各種属性が取得される(S75)。属性には、先述したように、撮影日、撮影時刻、来訪者状態属性、画像変化量、及び撮影種別がある。
【0058】
そして、属性が取得された画像ファイルが、選択された画像表示条件の期間条件に適合する画像ファイルであるか否かが判断される(S76)。例えば、選択された画像表示条件が「条件1」である場合には、発話期間中に撮影された画像であるか否かが、来客状態属性が「用件発話」若しくは「担当者名発話」であるか否かによって判断される。期間条件として設定された所定期間内に撮影された画像ファイルでなければ(S76:NO)、そのままS74の判断へ戻る。
【0059】
所定期間内に撮影された画像ファイルであれば(S76:YES)、さらに、選択された画像表示条件のタイミング条件に適合する画像ファイルであるか否かが判断される(S77)。すなわち、選択された画像表示条件が「条件1」である場合には、定期的な撮影タイミングで撮影された画像であるか否かが、撮影種別が「定期撮影」であるか否かによって判断される。タイミング条件として設定された所定タイミングで撮影された画像ファイルでなければ(S77:NO)、そのままS74の判断へ戻る。所定タイミングで撮影された画像ファイルであれば(S77:YES)、その画像ファイルが、RAM103の表示画像リストに表示画像候補として追加されて(S78)、S74の判断へ戻る。そして、選択された画像表示条件について、全ての画像ファイルの検証が行われた場合には(S74:NO)、S72の判断へ戻る。
【0060】
「条件1」について全ての画像ファイルの検証が行われた時点では、図12に示すように、「条件1」を満たす画像ファイルが表示画像リストに追加されている。詳細には、この時点での画像ファイルリストには、来訪者状態属性が「用件発話」若しくは「担当者名発話」であり、且つ撮影種別が「定期撮影」である画像ファイルが、撮影日時順に画像ファイルリストに追加されている。
【0061】
「条件1」について全ての画像ファイルの検証が終了すると(S74:NO)、「条件2」についての検証が未だ行われていないため(S72:YES)、「条件2」が選択される(S73)。そして、「条件2」についての画像ファイルの検証が行われる。まず「条件2」の期間条件を満たしているか否かが判断されるが(S76)、「条件2」の期間条件は来客検知以降(撮影開始から終了まで)であるため、全ての画像ファイルは「条件2」の期間条件を満たしている(S76:YES)。次いで、「条件2」のタイミング条件を満たしているか否か、すなわち、画像変化量が表示判定用基準値(図5参照)以上となったタイミングで撮影された画像であるか否かが、撮影種別から判断される(S77)。画像変化量が表示判定用基準値以上となっていれば(S77:YES)、その画像ファイルが表示画像リストに追加されて(S78)、S74の判断へ戻る。ここで、既に表示画像リストに追加されている画像ファイルは、重複して追加されることはなく、そのままS74の判断へ戻る。「条件2」についての全ての画像ファイルの検証が終了すると(S74:NO)、未検証の画像表示条件は存在しないため(S72:NO)、来訪者受付処理(図7参照)へ戻る。
【0062】
「条件2」についての全ての画像ファイルの検証が行われると、図13に示すように、「条件1」を満たす画像ファイルに加え、「条件2」を満たす画像ファイルがさらに表示画像リストに追加されている。詳細には、画像ファイルリスト中の画像ファイルのうち、画像変化量が表示判定用基準値以上となっている画像ファイルが、撮影日時順に表示画像リストに追加されている。そして、この表示画像リストが、表示端末20に表示させる表示画像のリストとして使用される。
【0063】
図10の説明に戻り、表示画像リスト生成処理(S51)が終了すると、特定された担当者が使用する表示端末20のディスプレイ209に、来訪者の来訪を通知する画面である来訪通知画面(図14参照)の画像データを送信し(S52)来訪通知画面を表示させる処理が行われる。図14に示すように、来訪通知画面には、来訪者の画像を表示する画像表示領域211、来訪者への応対の指示を入力する応対指示ボタン212、不在である旨を来訪者に通知する指示を入力する不在通知指示ボタン213が設けられている。また、来訪者が行った担当者名の発話を再生させる担当者名再生ボタン220、用件の発話を再生させる用件再生ボタン221、手動送りボタン215、手動戻しボタン216、自動送りボタン217、及び自動戻しボタン218が設けられている。
【0064】
次いで、生成された表示画像リスト(図13参照)に含まれている画像ファイルのうち、撮影日時が最も遅い、すなわち、最新の画像ファイルの画像データを、担当者の表示端末20に送信し(S53)、来訪通知画面の画像表示領域211に画像を表示させる処理が行われる。そして、来訪者に対する応対方法の担当者からの指示が受け付けられたか否かが判断され(S54)、受け付けられていなければ(S54:NO)、画像切替指示が受け付けられたか否かが判断される(S56)。手動送りボタン215又は手動戻しボタン216が操作されたことが表示端末20から受け付けられると(S56:YES)、画像表示領域211に表示させている表示画像を、指示に応じて時刻順に切り替える処理が行われて(S57)、S54の判断へ戻る。詳細には、手動送りボタン215が操作されたことが受け付けられた場合には、それまで表示されていた画像の次に撮影日時が遅い画像ファイルの画像データを送信する処理が行われる。また、手動戻しボタン216が操作されたことが受け付けられた場合には、表示されていた画像の次に撮影日時が早い画像ファイルの画像データを送信する処理が行われる。
【0065】
また、画像切替指示が受け付けられていない場合には(S56:NO)、担当者からの連続表示指示が受け付けられたか否かが判断される(S58)。自動送りボタン217又は自動戻しボタン218が操作されたことが表示端末20から受け付けられると(S58:YES)、表示画像リストに含まれている画像ファイルの画像を、時刻順に一定間隔で連続表示させる処理が行われて(S59)、S54の判断へ戻る。詳細には、自動送りボタン217が操作されたことが受け付けられた場合には、撮影日時が早い画像から順に、表示画像リスト中の画像データを一定時間毎に順次送信し、画像を連続して表示させる処理が行われる。また、自動戻しボタン218が操作されたことが受け付けられた場合には、撮影日時が遅い画像から順に画像データを順次送信する処理が行われる。
【0066】
また、連続表示指示が受け付けられていない場合には(S58:NO)、担当者からの発話再生指示が受け付けられたか否かが判断される(S60)。発話再生指示が受け付けられていない場合には(S60:NO)、そのままS54の判断へ戻る。受け付けられた場合には(S60:YES)、再生指示された発話の音声情報を送信すると共に、表示画像リストに含まれる画像ファイルのうち、再生指示された発話と同じ来訪者属性を有する画像(発話中画像)の画像データを送信する処理が行われて(S61)、S54の判断へ戻る。詳細には、担当者名再生ボタン220が操作されたことが入力された場合には、来訪者状態属性が「担当者名発話」である音声情報及び画像データを送信し、音声及び画像をスピーカ208及びディスプレイ209に出力させる処理が行われる。また、用件再生ボタン221が操作されたことが入力された場合には、来訪者状態属性が「用件発話」である音声情報及び画像データを送信する処理が行われる。該当する画像が複数存在する場合には、いずれか1つを送信してもよいし、該当する画像の画像データを順次送信してもよい。
【0067】
そして、来訪者に対する応対方法の指示が表示端末20から受け付けられた場合には(S54:YES)、受け付けられた指示に応じた応対処理が行われて(S55)、来訪者受付処理(図7参照)に戻る。詳細には、応対指示ボタン212が操作されたことが受け付けられた場合には、「少々お待ちください」というメッセージの音声情報を送信し、スピーカ108から出力させる処理が行われる。また、不在通知指示ボタン213が操作されたことが受け付けられた場合、及び来訪通知画面表示後所定時間が経過したことが受け付けられた場合には、「担当者は不在です」というメッセージを出力させる処理が行われる。
【0068】
以上説明したように、本実施の形態の来訪者受付システム1によれば、撮影タイミングが所定のタイミングである来訪者の画像の画像データを、来訪者への応対を行う担当者が使用する表示端末20に送信し、ディスプレイ209に表示させることができる。従って、担当者は、来訪者を認識するために動画を長時間再生させる必要がなく、所定のタイミングで撮影された画像によって短時間で容易に来訪者を認識することができる。そして、動画を再生させる場合よりも画像の処理負担を軽減させることもできる。
【0069】
また、画像の変化量が所定値以上となったタイミングで撮影された画像の画像データを送信することができるため、担当者は、画像の変化量が所定値以上である特徴的な画像を用いて、容易に来訪者を認識することができる。また、所定の期間中に撮影された画像の画像データを担当者の表示端末20に送信することができるため、担当者は、不要な画像を見ることなく、短時間で容易に来訪者を認識することができる。詳細には、来訪者が発話を行っている期間に撮影された画像の画像データを表示端末20に送信し、表示させることができるため、担当者は、受付装置10に向かって発話を行っている来訪者の画像を用いて、容易に来訪者を認識することができる。
【0070】
また、本実施の形態の来訪者受付システム1は、担当者による入力機器207の操作に応じて、ディスプレイ209に表示させる画像を決定することができる。詳細には、表示画像リスト中の画像を、担当者による操作に応じて新しい順又は古い順に切り替えることができる。よって、担当者は、撮影された特定の順で画像を見ることで、短時間で容易に来訪者を認識することができる。また、来訪者が行った発話の音声情報を送信する場合に、この発話を行っている来訪者が撮影された画像である発話中画像の画像データを送信し、表示端末20に表示させることができる。これにより、担当者は、発話の音声を聞きながら、発話中の来訪者の画像を見ることができる。よって、担当者は、より容易に来訪者を認識することができる。
【0071】
尚、上記実施の形態のカメラ105が本発明の「撮像手段」に相当し、マイク106が「情報入力手段」に相当する。図7のS7で、音声認識を行うことにより担当者を特定するCPU101が「担当者特定手段」として機能する。HDD150の画像ファイルリスト記憶エリア1503が「記憶手段」に相当する。図8のS23,30及び図9の画像保存処理において、撮像タイミングが所定のタイミングである画像の画像データを画像ファイルリスト記憶エリア1503に記憶させるCPU101が「記憶制御手段」として機能する。図10のS53,57,59,61で、画像データを表示端末20に送信するCPU101が「表示情報送信手段」として機能する。
【0072】
図8のS29、及び図9のS42で画像変化量を検出するCPU101が「変化量検出手段」として機能する。図11のS76で所定の期間内に撮像された画像の画像ファイルであるか否かを判定するCPU101が「期間判定手段」として機能する。図10のS56,58,60で画像の切替指示及び連続表示指示を表示端末20から受け付けるCPU101が「特定指示受付手段」及び「切替指示受付手段」として機能する。音声情報を記憶するHDD150が「音声情報記憶手段」に相当する。図7のS6で発話の音声情報をHDD150に記憶させるCPU101が「録音制御手段」として機能する。図10のS61で来訪者の発話の音声情報を表示端末20に送信するCPU101が「音声情報送信手段」として機能する。
【0073】
また、図7のS7で、音声認識を行うことにより担当者を特定する処理が「担当者特定ステップ」に相当する。図8のS23,30及び図9の画像保存処理において、撮像タイミングが所定のタイミングである画像の画像データを画像ファイルリスト記憶エリア1503に記憶させる処理が「記憶制御ステップ」に相当する。図10のS53,57,59,61で、画像データを表示端末20に送信する処理が「表示情報送信ステップ」に相当する。
【0074】
尚、上記実施の形態に示される構成や処理は例示であり、各種の変更が可能であることは言うまでもない。以下、上記実施の形態の変形例について説明する。
【0075】
まず、図15を参照して、撮影処理の変形例について説明する。図15は、変形例の撮影処理のフローチャートである。この変形例では、先述した実施の形態の撮影処理(図8参照)とは異なり、画像を保存するタイミングでのみカメラ105による撮影を行う。図15に示すように、撮影処理が開始されると、来訪者の発話開始が検知されたか否かが判断され(S81)、検知されるまでこの判断が繰り返し行われる(S81:NO)。発話開始が検知された場合には(S81:YES)、画像データを定期的に撮影する規定のタイミングとなったか否かが判断され(S82)、規定の撮影タイミングとなるまで繰り返しこの判断が行われる(S82:NO)。そして、規定の撮影タイミングとなった場合に(S82:YES)、カメラ105による撮影が実行され(S83)、画像保存処理が行われる(S84)。この画像保存処理は先述した画像保存処理(図9参照)と同じであるため、説明を省略する。そして、来訪者の発話が終了したと判断されていなければ(S85:NO)、S82の判断へ戻り、終了したと判断されると(S85:YES)、S81の判断へ戻る。
【0076】
このように、表示画像の候補を撮影する所定のタイミングでのみ、カメラ105による撮影を行ってもよい。また、上記実施形態のように、カメラ105による撮影を連続して行い、撮像された画像の中から表示端末20に表示させる表示画像の候補を決定してもよい。また、画像を保存するタイミングも上記実施の形態のタイミングに限られない。定期的なタイミングでのみ画像を撮影して保存する方法を用いても、表示画像リスト生成処理(図11参照)によれば、表示端末20に表示させる画像の候補を適切に決定することができる。
【0077】
また、上記実施の形態はその他の変更も可能である。上記実施の形態では、画像ファイルを保存するタイミングは、定期的(5秒毎)に行われる保存タイミングと、画像変化量が撮影判定用基準値以上となったタイミングの2種類であったが、保存タイミングは変更が可能である。例えば、来訪者が発話を開始したタイミングを保存タイミングとしてもよい。この場合、図8に示す撮影処理において、5秒毎の定期的な保存タイミングでないと判断された後(S23:NO)、発話開始が検知されたか否かを判断する。発話開始が検知された場合には画像保存処理(S24)を行い、来訪者状態属性又は撮影種別を「発話開始時」として画像ファイルを記憶させる。発話開始が検知されていなければ、S28の判断を行えばよい。発話開始のタイミングを画像の保存タイミングとすることで、受付装置10に向かって発話を開始した来訪者の画像を表示端末20に表示させることができ、担当者による来訪者の認識をより容易とすることができる。
【0078】
また、上記実施の形態では、図7に示すように、入力された音声波形を監視することによって発話開始を検知し(S4)、発話期間中に撮影された画像に「用件発話」若しくは「担当者名発話」の来訪者状態属性を付加することを可能としている(S5、S6)。これにより、質問メッセージが出力されてから発話が開始されるまでの間に、無駄な画像ファイルが保存されることを避けることができる。一方、質問メッセージを出力させた後(S2)、来訪者状態属性を設定すれば(S5)、音声波形を監視せずとも画像に来訪者属性を付加することが可能となる。
【0079】
また、表示端末20のディスプレイ209に画像を表示させる方法も適宜変更が可能である。例えば、図10に示すように、上記実施の形態では、担当者名再生ボタン220又は用件再生ボタン221(図14参照)が操作されると(S60:YES)、発話音声の再生と、その発話を行っている来訪者の画像の表示とが同時に行われる(S61)。しかし、S60で発話時の画像の表示指示が受け付けられた場合に、発話の音声情報を送信せずに、その発話を行っている画像の画像データの送信のみを行ってもよい。また、画像変化量が所定値以上である画像を表示させる指示を表示端末20から受け付けた場合に、画像変化量が所定値以上である画像の画像データのいずれかを送信する処理を行ってもよい。このように、いずれの画像を表示させるかを特定する指示に応じて、表示端末20に画像データを送信することができるため、担当者は所望する画像を見て容易に来訪者を認識することができる。この場合、いずれの画像を表示させるのかを特定する指示を表示端末20から受け付ける受付装置10のCPU101が、本発明の「特定指示受付手段」として機能する。
【0080】
また、来訪者受付システム1の装置構成も変更が可能である。上記実施の形態では、カメラ105、マイク106、スピーカ108等を備えた受付装置10のCPU101が、画像ファイルの保存制御処理や画像データの送信処理等の各種処理を行っている。しかし、これらの処理を行うのは受付装置10のCPU101に限られない。例えば、カメラ、マイク、人感センサ、スピーカ、及びディスプレイを備え、受付装置10に接続されたインターホン型の受付端末を会社5の入口近辺に設置し、受付装置10は会社5内の別の場所に設置してもよい。そして、受付端末で来訪者の検知や撮影を行い、その情報を受付装置10に送信してもよい。また、受付装置10ではHDD150に画像ファイルを保存せず、表示端末20への画像ファイルのデータの送信のみを行って、表示端末20で画像ファイルを保存することもできる。また、画像ファイルを保存する記憶装置が、受付装置10に着脱可能に設けられてもよいし、LAN9を介して受付装置10に接続可能な別個の記憶装置であってもよい。また、来訪通知処理(図10参照)で行われている処理の少なくとも一部を表示端末20のCPU201に実行させてもよい。
【0081】
また、上記実施の形態では、来訪者を検知するために人感センサ107が受付装置10に設けられている。しかし、例えば、来訪者によって操作される操作部を受付装置10に配設し、操作部が操作されることで来訪者を検知する場合や、カメラ105によって来訪者が撮影された場合に来訪者の来訪を検知する場合等は、人感センサ107を設けなくてもよい。また、上記実施の形態では、カメラ105によって撮影された2つの画像から画像変化量を検出している。しかし、人感センサ107を用いて来訪者の動作量を検出し、検出した来訪者の動作量に基づいて、画像ファイルの保存や表示画像リストの生成を行ってもよい。
【0082】
また、上記実施の形態では、画像データに付加される属性として、撮影日、撮影時刻、来訪者状態属性、画像変化量、及び撮影種別が用いられているが、これも変更が可能である。例えば、撮影種別を用いなくても表示画像リストを生成することは可能であるし、別の属性を用いて処理を行ってもよい。また、「質問メッセージ出力前」等の撮影種別を設けて、撮影種別に応じて表示画像リストを生成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】来訪者受付システム1の概略構成を示すシステム構成図である。
【図2】受付装置10の電気的構成を示すブロック図である。
【図3】受付装置10のHDD150の構成を示す模式図である。
【図4】画像ファイルリストの説明図である。
【図5】画像変化量基準値の説明図である。
【図6】表示端末20の電気的構成を示すブロック図である。
【図7】来訪者受付処理のフローチャートである。
【図8】撮影処理のフローチャートである。
【図9】撮影処理中に実行される画像保存処理のフローチャートである。
【図10】来訪者受付処理中に実行される来訪通知処理のフローチャートである。
【図11】来訪者通知処理中に実行される表示画像リスト生成処理のフローチャートである。
【図12】「条件1」に従って生成された表示画像リストの説明図である。
【図13】「条件1」及び「条件2」に従って生成された表示画像リストの説明図である。
【図14】表示端末20のディスプレイ209に表示される来訪通知画面の一例を示す図である。
【図15】変形例の撮影処理のフローチャートである。
【符号の説明】
【0084】
10 受付装置
20 表示端末
101 CPU
105 カメラ
150 HDD
209 ディスプレイ
1502 画像ファイル記憶エリア
【特許請求の範囲】
【請求項1】
来訪者の来訪を受け付けて、前記来訪者への応対を行う担当者が使用する表示端末に通知する受付装置であって、
前記来訪者の画像を撮像可能な撮像手段と、
前記来訪者への応対を行う担当者を、情報入力手段によって入力された情報に基づいて特定する担当者特定手段と、
前記撮像手段による撮像タイミングが所定のタイミングである前記画像の画像データを、画像データを記憶する記憶手段に記憶させる記憶制御手段と、
撮像タイミングが前記所定のタイミングである前記画像の画像データを、前記担当者特定手段によって特定された前記担当者が使用する前記表示端末に送信する表示情報送信手段とを備えたことを特徴とする受付装置。
【請求項2】
前記記憶制御手段は、前記来訪者が発話を開始したタイミングを前記所定のタイミングとして前記画像の画像データを記憶することを特徴とする請求項1に記載の受付装置。
【請求項3】
前記撮像手段によって撮像された複数の前記画像により、前記画像の変化量を検出する変化量検出手段を備え、
前記記憶制御手段は、前記変化量検出手段によって検出された変化量が所定値以上となったタイミングを前記所定のタイミングとして前記画像の画像データを記憶することを特徴とする請求項1又は2に記載の受付装置。
【請求項4】
前記画像の撮像タイミングが所定の期間であるか否かを判定する期間判定手段を備え、
前記表示情報送信手段は、撮像タイミングが前記期間判定手段によって前記所定の期間であると判定された前記画像の画像データを、前記表示端末に送信することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の受付装置。
【請求項5】
前記期間判定手段は、前記来訪者が発話を行っている期間を前記所定の期間として判定を行うことを特徴とする請求項4に記載の受付装置。
【請求項6】
撮像タイミングが前記所定のタイミングである、前記記憶手段に記憶された前記画像のうちのいずれを前記表示端末で表示させるかを特定する指示を前記表示端末から受け付ける特定指示受付手段を備え、
前記表示情報送信手段は、前記特定指示受付手段により受け付けられた指示によって特定された前記画像の画像データを前記表示端末に送信することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の受付装置。
【請求項7】
前記記憶制御手段は、前記画像の画像データを、撮像された順序を識別可能に記憶させ、
前記選択指示受付手段は、前記表示端末で表示されている前記画像の切り替えの指示を受け付ける切替指示受付手段を備え、
前記表示情報送信手段は、前記切替指示受付手段によって切り替えの指示が受け付けられた場合、撮像タイミングが前記所定のタイミングである複数の前記画像を、撮像された特定の順に前記表示端末に送信することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の受付装置。
【請求項8】
音声情報を記憶する音声情報記憶手段に、音声入力手段から入力された前記来訪者が行う発話の音声情報を記憶させる録音制御手段と、
前記音声情報記憶手段に記憶された前記発話の音声情報を、前記担当者特定手段によって特定された前記担当者が使用する前記表示端末に送信する音声情報送信手段とを備え、
前記音声情報記憶手段に記憶された前記発話の音声情報と、前記発話を行っている前記来訪者が撮像された前記画像である発話中画像とが対応付けられており、
前記表示情報送信手段は、前記音声情報記憶手段に記憶された前記発話の音声情報が前記音声情報送信手段によって送信される場合、送信される前記発話の音声情報に対応する前記発話中画像を前記表示端末に送信することを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の受付装置。
【請求項9】
来訪者の来訪を受け付けて、前記来訪者への応対を行う担当者が使用する表示端末に通知する受付方法であって、
前記来訪者への応対を行う担当者を、情報入力手段によって入力された情報に基づいて特定する担当者特定ステップと、
前記来訪者の画像を撮像可能な撮像手段による撮像タイミングが所定のタイミングである前記画像の画像データを、画像データを記憶する記憶手段に記憶させる記憶制御ステップと、
撮像タイミングが前記所定のタイミングである前記画像の画像データを、前記担当者特定手段によって特定された前記担当者が使用する前記表示端末に送信する表示情報送信ステップとを備えたことを特徴とする受付方法。
【請求項10】
請求項1乃至8のいずれかに記載の受付装置の各種処理手段としてコンピュータを機能させるための受付プログラム。
【請求項1】
来訪者の来訪を受け付けて、前記来訪者への応対を行う担当者が使用する表示端末に通知する受付装置であって、
前記来訪者の画像を撮像可能な撮像手段と、
前記来訪者への応対を行う担当者を、情報入力手段によって入力された情報に基づいて特定する担当者特定手段と、
前記撮像手段による撮像タイミングが所定のタイミングである前記画像の画像データを、画像データを記憶する記憶手段に記憶させる記憶制御手段と、
撮像タイミングが前記所定のタイミングである前記画像の画像データを、前記担当者特定手段によって特定された前記担当者が使用する前記表示端末に送信する表示情報送信手段とを備えたことを特徴とする受付装置。
【請求項2】
前記記憶制御手段は、前記来訪者が発話を開始したタイミングを前記所定のタイミングとして前記画像の画像データを記憶することを特徴とする請求項1に記載の受付装置。
【請求項3】
前記撮像手段によって撮像された複数の前記画像により、前記画像の変化量を検出する変化量検出手段を備え、
前記記憶制御手段は、前記変化量検出手段によって検出された変化量が所定値以上となったタイミングを前記所定のタイミングとして前記画像の画像データを記憶することを特徴とする請求項1又は2に記載の受付装置。
【請求項4】
前記画像の撮像タイミングが所定の期間であるか否かを判定する期間判定手段を備え、
前記表示情報送信手段は、撮像タイミングが前記期間判定手段によって前記所定の期間であると判定された前記画像の画像データを、前記表示端末に送信することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の受付装置。
【請求項5】
前記期間判定手段は、前記来訪者が発話を行っている期間を前記所定の期間として判定を行うことを特徴とする請求項4に記載の受付装置。
【請求項6】
撮像タイミングが前記所定のタイミングである、前記記憶手段に記憶された前記画像のうちのいずれを前記表示端末で表示させるかを特定する指示を前記表示端末から受け付ける特定指示受付手段を備え、
前記表示情報送信手段は、前記特定指示受付手段により受け付けられた指示によって特定された前記画像の画像データを前記表示端末に送信することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の受付装置。
【請求項7】
前記記憶制御手段は、前記画像の画像データを、撮像された順序を識別可能に記憶させ、
前記選択指示受付手段は、前記表示端末で表示されている前記画像の切り替えの指示を受け付ける切替指示受付手段を備え、
前記表示情報送信手段は、前記切替指示受付手段によって切り替えの指示が受け付けられた場合、撮像タイミングが前記所定のタイミングである複数の前記画像を、撮像された特定の順に前記表示端末に送信することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の受付装置。
【請求項8】
音声情報を記憶する音声情報記憶手段に、音声入力手段から入力された前記来訪者が行う発話の音声情報を記憶させる録音制御手段と、
前記音声情報記憶手段に記憶された前記発話の音声情報を、前記担当者特定手段によって特定された前記担当者が使用する前記表示端末に送信する音声情報送信手段とを備え、
前記音声情報記憶手段に記憶された前記発話の音声情報と、前記発話を行っている前記来訪者が撮像された前記画像である発話中画像とが対応付けられており、
前記表示情報送信手段は、前記音声情報記憶手段に記憶された前記発話の音声情報が前記音声情報送信手段によって送信される場合、送信される前記発話の音声情報に対応する前記発話中画像を前記表示端末に送信することを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の受付装置。
【請求項9】
来訪者の来訪を受け付けて、前記来訪者への応対を行う担当者が使用する表示端末に通知する受付方法であって、
前記来訪者への応対を行う担当者を、情報入力手段によって入力された情報に基づいて特定する担当者特定ステップと、
前記来訪者の画像を撮像可能な撮像手段による撮像タイミングが所定のタイミングである前記画像の画像データを、画像データを記憶する記憶手段に記憶させる記憶制御ステップと、
撮像タイミングが前記所定のタイミングである前記画像の画像データを、前記担当者特定手段によって特定された前記担当者が使用する前記表示端末に送信する表示情報送信ステップとを備えたことを特徴とする受付方法。
【請求項10】
請求項1乃至8のいずれかに記載の受付装置の各種処理手段としてコンピュータを機能させるための受付プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2010−62749(P2010−62749A)
【公開日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−225067(P2008−225067)
【出願日】平成20年9月2日(2008.9.2)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年9月2日(2008.9.2)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
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