説明

受信装置、受信方法、プログラム、及び情報処理システム

【課題】コンテンツ識別技術を用いてコンテンツを切り替えることができるようにする。
【解決手段】受信部は、放送コンテンツを受信し、特徴量抽出部は、受信した放送コンテンツのデータから特徴量を抽出し、識別結果取得部は、抽出した特徴量を用いて識別された放送コンテンツの識別結果を取得し、コマンド取得部は、取得した識別結果に応じて、放送コンテンツと配信コンテンツとを切り替える動作を制御するためのビデオスイッチコマンドを取得し、制御部は、取得したビデオスイッチコマンドに応じて、放送コンテンツから配信コンテンツに切り替える動作を制御する。本技術は、例えば、デジタルテレビジョン放送信号を受信するデジタルテレビジョン受信機に適用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、受信装置、受信方法、プログラム、及び情報処理システムに関し、特に、コンテンツ識別技術を用いてコンテンツを切り替えることができるようにした受信装置、受信方法、プログラム、及び情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルテレビジョン受信機に代表されるデジタルテレビジョン放送の受信装置において、番組やCM等の放送コンテンツと連動して実行されるアプリケーションプログラムをインターネットに接続されたアプリケーションサーバから取得し、実行するサービスが普及することが予想される。そのため、このような放送と通信を融合したハイブリッドサービスを実現するための技術の検討が行われている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、このような受信装置には、配信サーバからの配信コンテンツを任意のタイミングでインターネットを介して取得して、再生することができるVOD(Video On Demand)機能を有するものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−245653号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、ACR(Automatic Content Recognition)と称される、コンテンツを識別するための技術が知られている。ACR技術では、識別対象となるコンテンツのビデオ信号及びオーディオ信号から抽出された特徴量を、あらかじめ多数のコンテンツのビデオ信号及びオーディオ信号から抽出された特徴量が登録されているデータベースと照合することで、コンテンツの識別が行われる。
【0006】
ACR技術を用いてコンテンツを識別して、さらに識別されたコンテンツに連動して実行されるアプリケーションプログラムを提供することができれば、放送と通信のハイブリッドサービスを実現することが可能となる。
【0007】
一方で、例えば番組からCMへの切り替えなどの目的で、放送網を介して放送される放送コンテンツと、通信網を介して配信される配信コンテンツとを、所定のタイミングで切り替える場合が想定される。このような切り替え処理を、ACR技術を用いて行う場合、一方のコンテンツの識別結果に応じて、他方のコンテンツに切り替えることになるが、その際、それらのコンテンツの切り替えを速やかに行うことが要求される。
【0008】
しかしながら、現状では、ACR技術を用いたコンテンツの切り替え処理を行うための技術方式は確立されていない。
【0009】
本技術はこのような状況に鑑みてなされたものであり、コンテンツ識別技術を用いてコンテンツを切り替えることができるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本技術の第1の側面の受信装置は、第1のコンテンツを受信する受信部と、受信した前記第1のコンテンツのデータから特徴量を抽出する特徴量抽出部と、抽出した前記特徴量を用いて識別された前記第1のコンテンツの識別結果を取得する識別結果取得部と、取得した前記識別結果に応じて、前記第1のコンテンツと、前記第1のコンテンツと異なる第2のコンテンツとを切り替える動作を制御するためのコマンドを取得するコマンド取得部と、取得した前記コマンドに応じて、前記第1のコンテンツから前記第2のコンテンツに切り替える動作を制御する制御部とを備える。
【0011】
前記コマンドは、前記第1のコンテンツから前記第2のコンテンツへの切り替えのタイミングに先行して、切り替えの実行の可否をユーザに確認させる第1のコマンド、又は前記第1のコンテンツから前記第2のコンテンツに切り替えさせる第2のコマンドであり、前記制御部は、前記第1のコマンドに応じて、切り替えの実行の可否をユーザに確認させて、前記ユーザが切り替えの実行を許可した場合、前記第2のコマンドに応じて、前記第1のコンテンツから前記第2のコンテンツに切り替える。
【0012】
前記コマンドは、前記第1のコマンド、前記第2のコマンド、又は前記第1のコンテンツから前記第2のコンテンツへの切り替えのタイミングに先行して、前記第2のコンテンツを取得させる第3のコマンドであり、前記制御部は、前記ユーザが切り替えの実行を許可した場合、前記第3のコマンドに応じて、切り替えのタイミングに先行して、前記第2のコンテンツを取得し、前記第2のコマンドに応じて、前記第1のコンテンツから、取得済みの前記第2のコンテンツに切り替える。
【0013】
前記第2のコマンドは、前記第2のコマンドを実行する時刻を示す時刻情報を含んでおり、前記制御部は、前記第2のコマンドに含まれる前記時刻情報に応じて、切り替えのタイミングになったとき、前記第1のコンテンツから前記第2のコンテンツに切り替える。
【0014】
前記第2のコマンド又は前記第3のコマンドは、前記ユーザごとに設定可能とされる。
【0015】
前記コマンドは、前記ユーザが指定する視点に対応する前記第2のコンテンツに切り替え可能な状態とさせる第4のコマンド、又は前記ユーザが指定する視点に対応する前記第2のコンテンツに切り替え可能な状態を終了させる第5のコマンドであり、前記制御部は、前記第4のコマンドに応じて、前記ユーザが指定する視点に対応する前記第2のコンテンツに切り替え可能な状態とさせ、前記第5のコマンドに応じて、前記ユーザが指定する視点に対応する前記第2のコンテンツに切り替え可能な状態を終了させる。
【0016】
前記第1のコンテンツから前記第2のコンテンツに切り替えられた場合、受信した前記第1のコンテンツのデータを順次記憶するバッファと、前記第2のコンテンツから前記第1のコンテンツに切り替えられた場合、前記第2のコンテンツが出力されている間に、前記バッファに記憶された前記第1のコンテンツを出力する出力部とをさらに備える。
【0017】
前記第2のコンテンツから前記第1のコンテンツに切り替えられた場合、受信した前記第1のコンテンツを出力する出力部をさらに備える。
【0018】
前記識別結果取得部は、抽出した前記特徴量からACR(Automatic Content Recognition)技術を用いて識別される前記第1のコンテンツの識別結果を取得する。
【0019】
前記第1のコンテンツは、放送網を介して放送される放送コンテンツであり、前記第2のコンテンツは、通信網を介して配信サーバから配信される配信コンテンツである。
【0020】
前記特徴量抽出部は、前記第1のコンテンツのビデオ信号及びオーディオ信号のいずれか一方又は双方から前記特徴量を抽出する。
【0021】
受信装置は、独立した装置であってもよいし、1つの装置を構成している内部ブロックであってもよい。
【0022】
本技術の第1の側面の受信方法又はプログラムは、前述した本技術の第1の側面の受信装置に対応する受信方法又はプログラムである。
【0023】
本技術の第1の側面の受信装置、受信方法、及びプログラムにおいては、第1のコンテンツが受信され、受信された第1のコンテンツのデータから特徴量が抽出され、抽出された特徴量を用いて識別された第1のコンテンツの識別結果が取得され、取得された識別結果に応じて、第1のコンテンツと、第1のコンテンツと異なる第2のコンテンツとを切り替える動作を制御するためのコマンドが取得され、取得されたコマンドに応じて、第1のコンテンツが第2のコンテンツに切り替えられる。
【0024】
本技術の第2の側面の情報処理システムは、受信装置、第1の情報処理装置、第2の情報処理装置、及び第3の情報処理装置から構成される情報処理システムにおいて、前記受信装置は、第1のコンテンツを受信する受信部と、受信した前記第1のコンテンツのデータから特徴量を抽出する特徴量抽出部と、抽出した前記特徴量を前記第1の情報処理装置に送信して、前記第1の情報処理装置にて前記特徴量を用いて識別された前記第1のコンテンツの識別結果を取得する識別結果取得部と、前記第1の情報処理装置から取得した前記識別結果を前記第2の情報処理装置に送信して、前記第2の情報処理装置から、前記第1のコンテンツと、前記第3の情報処理装置から配信される第2のコンテンツとを切り替える動作を制御するためのコマンドを取得するコマンド取得部と、前記第2の情報処理装置から取得した前記コマンドに応じて、前記第1のコンテンツから、前記第3の情報処理装置から配信される前記第2のコンテンツに切り替える動作を制御する制御部とを備え、前記第1の情報処理装置は、前記受信装置からの問い合わせに応じて、前記特徴量を用いて前記第1のコンテンツを識別することで得られる前記識別結果を提供する第1の提供部を備え、前記第2の情報処理装置は、前記受信装置からの問い合わせに応じて、前記識別結果に応じた前記コマンドを提供する第2の提供部を備え、前記第3の情報処理装置は、前記受信装置からの問い合わせに応じて、前記第2のコンテンツを配信する配信部を備える。
【0025】
本技術の第2の側面の情報処理システムにおいては、受信装置によって、第1のコンテンツが受信され、受信された第1のコンテンツのデータから特徴量が抽出され、抽出された特徴量を第1の情報処理装置に送信して、第1の情報処理装置にて特徴量を用いて識別された第1のコンテンツの識別結果が取得され、第1の情報処理装置から取得された識別結果を第2の情報処理装置に送信して、第2の情報処理装置から、第1のコンテンツと、第3の情報処理装置から配信される第2のコンテンツとを切り替える動作を制御するためのコマンドが取得され、第2の情報処理装置から取得したコマンドに応じて、第1のコンテンツから、第3の情報処理装置から配信される第2のコンテンツに切り替える動作が制御され、第1の情報処理装置によって、受信装置からの問い合わせに応じて、特徴量を用いて第1のコンテンツを識別することで得られる識別結果が提供され、第2の情報処理装置によって、受信装置からの問い合わせに応じて、識別結果に応じたコマンドが提供され、第3の情報処理装置によって、受信装置からの問い合わせに応じて、第2のコンテンツが配信される。
【発明の効果】
【0026】
本技術の第1の側面及び第2の側面によれば、コンテンツ識別技術を用いてコンテンツを切り替えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】放送システムの構成例を示す図である。
【図2】受信装置の構成例を示す図である。
【図3】各装置間の連携を示すシーケンス図である。
【図4】ACR技術の概念を説明するための図である。
【図5】ビデオスイッチコマンドの送信タイミングを説明するための図である。
【図6】スイッチコマンドの要素を示す図である。
【図7】プリロードコマンドの要素を示す図である。
【図8】プリセレクトコマンドの要素を示す図である。
【図9】イネーブルスイッチコマンドの要素を示す図である。
【図10】ディセーブルスイッチコマンドの要素を示す図である。
【図11】放送コンテンツと配信コンテンツの切り替え時のモードを説明するための図である。
【図12】オートスイッチング動作におけるプリセレクトコマンドの利用例を説明する図である。
【図13】オートスイッチング動作におけるプリセレクトコマンド及びプリロードコマンドの利用例を説明する図である。
【図14】マニュアルスイッチング動作におけるスイッチコマンドの利用例を説明する図である。
【図15】ACR識別結果に応じたコマンド対応処理を示すフローチャートである。
【図16】プリセレクトコマンド対応処理を示すフローチャートである。
【図17】プリロードコマンド対応処理を示すフローチャートである。
【図18】スイッチコマンド対応処理を示すフローチャートである。
【図19】イネーブルコマンド対応処理を示すフローチャートである。
【図20】ディセーブルコマンド対応処理を示すフローチャートである。
【図21】コンピュータの構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図面を参照しながら本技術の実施の形態について説明する。
【0029】
[放送システムの構成例]
図1は、本実施の形態である放送システム1を示している。この放送システム1は、放送装置11、受信装置12、ACRサーバ13、コマンドサーバ14、及び配信サーバ15から構成される。放送システム1は、情報処理システムの一例である。また、受信装置12、ACRサーバ13、コマンドサーバ14、及び配信サーバ15は、インターネット16を介して、相互に接続されている。
【0030】
放送装置11は、デジタルテレビジョン番組やCM等に相当する放送コンテンツのデジタルテレビジョン放送信号を送信(放送)するようになされている。
【0031】
受信装置12は、放送装置11から送信されたデジタルテレビジョン放送信号を受信して、放送コンテンツの映像及び音声を取得する。受信装置12は、取得した映像をディスプレイ(図2のディスプレイ21)に、音声をスピーカ(図2のスピーカ22)にそれぞれ出力する。
【0032】
なお、受信装置12は、単体として存在してもよいし、例えば、デジタルテレビジョン受信機やビデオレコーダ等に内蔵されているようにしてもよい。また、受信装置12の詳細な構成は、図2を参照して後述する。
【0033】
また、受信装置12は、定期的に、インターネット16を介してACRサーバ13にアクセスして、放送コンテンツの識別結果を問い合わせる。その際、放送コンテンツのビデオ信号及びオーディオ信号から抽出される特徴量(以下、フィンガプリント情報(Finger Print)ともいう)が、ACRサーバ13に送信される。
【0034】
ACRサーバ13は、任意の放送コンテンツのビデオ信号及びオーディオ信号から抽出された特徴量が登録されているデータベースを有している。ACRサーバ13は、インターネット16に接続された任意の端末装置からの問い合わせに応じて、ACR(Automatic Content Recognition)技術を用いた放送コンテンツの識別を行う。ACRサーバ13は、受信装置12からのフィンガプリント情報を、データベースと照合することで、デジタルテレビジョン番組等の放送コンテンツを識別し、その識別結果を、インターネット16を介して受信装置12に送信する。
【0035】
受信装置12は、ACRサーバ13から受信した識別結果に応じて、インターネット16を介してコマンドサーバ14にアクセスして、ビデオスイッチコマンドを取得する。ここで、ビデオスイッチコマンドとは、放送装置11からの放送コンテンツと、配信サーバ15からの配信コンテンツとを切り替える動作を制御するためのコマンドである。
【0036】
コマンドサーバ14は、ビデオスイッチコマンドを管理している。コマンドサーバ14は、受信装置12からの問い合わせに応じて、ビデオスイッチコマンドを、インターネット16を介して受信装置12に送信する。
【0037】
受信装置12は、コマンドサーバ14から受信したビデオスイッチコマンドに応じて、放送コンテンツから配信コンテンツに切り替える動作を制御する。また、受信装置12は、コマンドサーバ14から受信したビデオスイッチコマンドに応じて、インターネット16を介して配信サーバ15にアクセスし、配信コンテンツの映像及び音声を取得する。受信装置12は、取得した映像をディスプレイに、音声をスピーカにそれぞれ出力する。
【0038】
配信サーバ15は、1又は複数の配信コンテンツを蓄積して、管理している。配信サーバ15は、受信装置12からの問い合わせに応じて、配信コンテンツを、インターネット16を介して受信装置12に送信(配信)する。
【0039】
放送システム1は、以上のように構成される。
【0040】
[受信装置の構成例]
図2は、図1の受信装置12の構成例を示す図である。
【0041】
受信装置12は、チューナ31、プライマリデマルチプレクサ32、リテンションバッファ33、リテンション制御部34、セカンダリデマルチプレクサ35、ビデオデコーダ36、オーディオデコーダ37、スイッチ38、合成部39、ビデオ出力部40、オーディオ出力部41、フィンガプリント抽出部42、通信I/F43、コマンド解析部44、制御部45、メモリ46、操作部47、切替制御部48、ストリーミング処理部49、及びコンテンツデコーダ50から構成される。
【0042】
チューナ31は、放送装置11からのデジタルテレビジョン放送信号を受信して復調し、その結果得られる多重化ストリームをプライマリデマルチプレクサ32に供給する。
【0043】
プライマリデマルチプレクサ32は、チューナ31から供給される多重化ストリームから、ユーザによって選局された特定のチャンネルのTS(Transport Stream)を抽出し、リテンションバッファ33に供給する。
【0044】
リテンションバッファ33は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)やメモリなどの大容量の記録媒体から構成される。リテンションバッファ33は、リテンション制御部34からの制御に従い、後述するパススルーモード又はリテンションモードのいずれかのモードで動作する。
【0045】
具体的には、リテンションバッファ33は、リテンションモードで動作する場合、プライマリデマルチプレクサ32から供給されるTSのデータを順次記憶する。リテンションバッファ33に記憶されたTSのデータは、リテンション制御部34からの制御に従い、リテンションバッファ33から順次読み出され、セカンダリデマルチプレクサ35に供給される。一方、リテンションバッファ33は、パススルーモードで動作する場合、プライマリデマルチプレクサ32からのTSのデータを記憶せずにそのまま、セカンダリデマルチプレクサ35に供給する。
【0046】
リテンション制御部34は、切替制御部48からの制御に従い、リテンションバッファ33の制御を行う。
【0047】
セカンダリデマルチプレクサ35は、リテンションバッファ33から供給されるTSを分離して、分離されたビデオストリーム及びオーディオストリームをそれぞれ、ビデオデコーダ36及びオーディオデコーダ37に供給する。
【0048】
ビデオデコーダ36は、セカンダリデマルチプレクサ35からのビデオストリームを復号し、その結果得られるビデオ信号を、スイッチ38及びフィンガプリント抽出部42に供給する。
【0049】
オーディオデコーダ37は、セカンダリデマルチプレクサ35からのオーディオストリームを復号し、その結果得られるオーディオ信号を、スイッチ38及びフィンガプリント抽出部42に供給する。
【0050】
スイッチ38には、ビデオデコーダ36からのビデオ信号及びオーディオデコーダ37からのオーディオ信号の他、後述するコンテンツデコーダ50からの配信コンテンツに対応するビデオ信号及びオーディオ信号が供給される。
【0051】
スイッチ38は、切替制御部48からの制御に従い、ビデオデコーダ36及びコンテンツデコーダ50から供給されるビデオ信号のうちのいずれか一方を合成部39に供給する。また、スイッチ38は、切替制御部48からの制御に従い、オーディオデコーダ37及びコンテンツデコーダ50から供給されるオーディオ信号のうちのいずれか一方をオーディオ出力部41に供給する。
【0052】
合成部39には、スイッチ38からのビデオ信号及び切替制御部48からコンテンツの切り替えに関するメッセージに対応するビデオ信号が供給される。
【0053】
合成部39は、スイッチ38からのビデオ信号をビデオ出力部40に供給する。また、合成部39は、切替制御部48からメッセージに対応するビデオ信号が供給された場合、スイッチ38からのビデオ信号に対して、切替制御部48からのビデオ信号を合成し、ビデオ出力部40に供給する。
【0054】
ビデオ出力部40は、合成部39から供給されるビデオ信号を、ディスプレイ21に出力する。また、オーディオ出力部41は、スイッチ38から供給されるオーディオ信号を、スピーカ22に出力する。これにより、放送コンテンツ又は配信コンテンツの映像がディスプレイ21に表示されるとともに、その音声がスピーカ22から出力される。なお、ディスプレイ21及びスピーカ22は、受信装置12と一体に構成されていてもよい。
【0055】
フィンガプリント抽出部42には、ビデオデコーダ36からのビデオ信号と、オーディオデコーダ37からのオーディオ信号が供給される。フィンガプリント抽出部42は、ビデオ信号及びオーディオ信号のいずれか一方又は双方から特徴量を抽出し、フィンガプリント情報として、通信I/F43に供給する。
【0056】
通信I/F43は、フィンガプリント抽出部42からのフィンガプリント情報を、インターネット16を介してACRサーバ13に送信する。また、通信I/F43は、ACRサーバ13から送信される放送コンテンツの識別結果を受信し、制御部45に供給する。
【0057】
制御部45は、メモリ46にあらかじめ記憶されている制御用プログラムを実行することにより受信装置12の各部の動作を制御する。メモリ46には、制御部45によって実行される制御用プログラムがあらかじめ記憶されている。この制御用プログラムは、デジタルテレビジョン放送信号、又はインターネット16を介して取得する更新データに基づいて更新することができる。また、メモリ46は、制御部45からの各種のデータを適宜記憶する。操作部47は、ユーザからの各種の操作を受け付けて、それに対応する操作信号を制御部45に通知する。
【0058】
また、制御部45は、通信I/F43からの識別結果を取得する。制御部45は、取得した識別結果に応じて、通信I/F43を制御して、インターネット16を介してコマンドサーバ14にアクセスし、ビデオスイッチコマンドを問い合わせる。通信I/F43は、コマンドサーバ14から送信されるビデオスイッチコマンドを受信し、コマンド解析部44に供給する。
【0059】
コマンド解析部44は、通信I/F43からのビデオスイッチコマンドを取得する。コマンド解析部44は、取得したビデオスイッチコマンドを解析し、その解析結果を制御部45に供給する。制御部45は、コマンド解析部44からのビデオスイッチコマンドの解析結果を、切替制御部48に供給する。
【0060】
切替制御部48は、制御部45からのビデオスイッチコマンドの解析結果に基づき、放送コンテンツから配信コンテンツに切り替える動作を制御する。また、切替制御部48は、通信I/F43を制御して、インターネット16を介して配信サーバ15にアクセスし、配信コンテンツを要求する。通信I/F43は、配信サーバ15から送信される配信コンテンツを受信し、ストリーミング処理部49に供給する。
【0061】
ストリーミング処理部49は、通信I/F43から供給される配信コンテンツのデータに対して、ストリーミング再生を行うために必要な処理を施して、その結果得られるストリーミング再生用の配信コンテンツを、コンテンツデコーダ50に供給する。
【0062】
コンテンツデコーダ50は、ストリーミング処理部49から供給される、ストリーミング再生用の配信コンテンツを構成するAVストリームを、ビデオストリーム及びオーディオストリームに分離する。コンテンツデコーダ50は、分離されたビデオストリーム及びオーディオストリームをそれぞれ復号し、その結果得られるビデオ信号及びオーディオ信号を、スイッチ38に供給する。
【0063】
受信装置12は、以上のように構成される。
【0064】
[各装置間の連携]
次に、図3乃至図5を参照して、図1の放送システム1を構成する各装置間の連携について説明する。図3は、コンテンツの切り替え時における各装置間の連携を示すシーケンス図である。
【0065】
図3に示すように、放送装置11は、デジタルテレビジョン放送信号を送信している。受信装置12においては、ユーザにより所望のチャンネルが選局され、放送装置11からのデジタルテレビジョン放送信号が受信される。受信装置12は、受信した放送信号に対応する放送コンテンツの映像をディスプレイ21に表示し、対応する音声をスピーカ22から出力する(S1)。
【0066】
また、受信装置12では、定期的に、放送コンテンツのビデオ信号及びオーディオ信号から特徴量が抽出され(S2)、それらの特徴量が、フィンガプリント情報として、ACRサーバ13に送信される(S3)。
【0067】
ACRサーバ13は、ACR識別処理を行い、受信装置12からのフィンガプリント情報を、データベースと照合することで、受信装置12にて選局中の放送コンテンツを識別する(S4)。具体的には、図4に示すように、ACRサーバ13では、受信装置12からフィンガプリント情報による問い合わせを受けると、ACR識別処理部13Aによって、フィンガプリント情報が、あらかじめ用意されたFPデータベース13Bと照合され、受信装置12にて選局中の放送コンテンツが識別される。
【0068】
なお、フィンガプリント情報(特徴量)は、例えば、放送コンテンツの全体又は一部構成要素の固有情報であって、FPデータベース13Bには、あらかじめ多数の放送コンテンツの固有情報が登録されている。ACR識別処理では、例えば、それらの固有情報の類似度又は一致度が判定される。なお、この類似度又は一致度の判定方法としては、各種の文献などによって開示されている、公知の技術を用いることができる。ACR技術を用いることで、放送コンテンツの解像度、アスペクト比、ビットレート、又はフォーマットなどの情報に依存せずに、ビデオ信号及びオーディオ信号の特徴量から放送コンテンツを識別することができる。
【0069】
このACR識別処理によって、番組等の放送コンテンツのチャンネル番号を識別するための情報(以下、チャンネル識別情報という)と、当該放送コンテンツの開始から終了までを時間軸で表したときのフィンガプリント情報が抽出された時間位置を示す情報(以下、時間位置情報という)が得られる。また、FPデータベース13Bには、チャンネル識別情報と対応して、ビデオスイッチコマンドの取得先を示す情報(以下、コマンド取得先情報という)が格納されている。例えば、コマンド取得先情報としては、コマンドサーバ14のURL(Uniform Resource Locator)が記述される。
【0070】
ACR識別処理部13Aは、FPデータベース13Bから、識別されたチャンネル番号に対応するコマンド取得先情報を取得する。そして、ACR識別処理部13Aは、ACR識別処理の識別結果として、チャンネル識別情報、時間位置情報、及びコマンド取得先情報を、問い合わせ元の受信装置12に送信する(S5)。
【0071】
受信装置12は、ACRサーバ13からの識別結果を取得して、その識別結果を解析する(S6)。また、受信装置12は、識別結果の解析結果に従って、コマンド取得先情報に記述されたURLのコマンドサーバ14にアクセスして、チャンネル識別情報及び時間位置情報を送信することで、受信装置12にて実行可能となるビデオスイッチコマンドを問い合わせる(S7)。
【0072】
コマンドサーバ14は、受信装置12からの問い合わせに応じて、チャンネル識別情報及び時間位置情報に応じたビデオスイッチコマンドを、受信装置12に送信する(S8)。具体的には、例えば、コマンドサーバ14は、放送コンテンツごとに実行可能となるビデオスイッチコマンドを、あらかじめスケジューリングされたコンテンツの切り替えタイミングに応じて管理している。
【0073】
コマンドサーバ14は、受信装置12からのチャンネル識別情報に対応する放送コンテンツにおいて、時間位置情報に対応する時間帯に実行可能となるビデオスイッチコマンドを特定する。例えば、コマンドサーバ14は、受信装置12からの時間位置情報に基づいて、受信装置12にて対象となるフィンガプリント情報が抽出された時刻から次のフィンガプリント情報が抽出されるまでの間(例えば、数秒間)に動作させるべき1又は複数のビデオスイッチコマンドを特定する。そして、コマンドサーバ14は、特定されたビデオスイッチコマンドを、インターネット16を介して受信装置12に送信する。
【0074】
受信装置12は、コマンドサーバ14からのビデオスイッチコマンドを取得して、解析する(S9)。そして、受信装置12は、ビデオスイッチコマンドの解析結果に従って、配信コンテンツを配信サーバ15に要求して、放送コンテンツから配信コンテンツに切り替える(S10)。
【0075】
例えば、図5に示すように、受信装置12では、放送コンテンツに対するACR識別処理の識別結果に応じて、ビデオスイッチコマンドが取得されるので、取得したビデオスイッチコマンドに応じて、放送コンテンツから配信コンテンツAに切り替える。また、受信装置12では、切り替え先の配信コンテンツAに対するACR識別処理の結果に応じて、ビデオスイッチコマンドが取得され、当該ビデオスイッチコマンドに応じて、配信コンテンツAから配信コンテンツBに切り替えられる。
【0076】
そして、受信装置12では、配信コンテンツBの再生が終了すると、配信コンテンツAの再生が再開され、さらに、配信コンテンツAの再生が終了すると、放送コンテンツの視聴が再開される。なお、図5に示すように、例えば、切り替え先のコンテンツから切り替え元のコンテンツに戻る場合におけるコンテンツの再開位置は、配信コンテンツBから配信コンテンツAに戻るときのように、切り替えた時点でのシーンから再開されるようにすることができる。また、コンテンツの再開位置としては、例えば、配信コンテンツAから放送コンテンツに戻るときのように、その時点で放送されている放送コンテンツのシーンから再開されるようにしてもよい。これらのコンテンツの再開位置は、後述するパススルーモード又はリテンションモードに応じて制御される。
【0077】
以上のように、放送システム1を構成する各装置間での連携が行われることで、受信装置12には、視聴中のコンテンツのACR識別処理により得られた識別結果に応じたビデオスイッチングコマンドが提供される。そして、受信装置12においては、ビデオスイッチングコマンドに応じて、放送コンテンツと配信コンテンツとの切り替え処理が行われる。
【0078】
[ビデオスイッチングコマンドの詳細]
次に、図6乃至図10を参照して、5種類のビデオスイッチコマンドについて説明する。ビデオスイッチコマンドは、スイッチコマンド、プリロードコマンド、プリセレクトコマンド、イネーブルスイッチコマンド、又はディセーブルスイッチコマンドのいずれかに分類される。
【0079】
図6は、スイッチコマンドとしてのビデオスイッチコマンドを構成する要素を示している。スイッチコマンドは、受信装置12に対して、出力されるコンテンツを切り替える、すなわち、デコードして出力されるストリームを切り替えるように制御するコマンドである。
【0080】
Switch IDは、ストリームを切り替える各事象に対して付与される識別情報である。Command Codeは、当該ビデオスイッチコマンドがスイッチコマンドであることを示すコード番号である。
【0081】
Switching Timeは、当該コマンドを実行して、ストリームの切り替えを実行する時刻を示す。この時刻としては、例えば、絶対日時や相対時間、PTSにより指定される。絶対日時は、放送コンテンツの進行とは無関係に、あらかじめ設定された特定の日時となったときにスイッチコマンドを実行させる場合に指定される。また、相対時間は、放送コンテンツ中の基準となる時刻から特定の時間が経過したときにスイッチコマンドを実行させる場合に指定される。例えば、相対時間としては、放送コンテンツの開始時刻からの相対的な時間が指定される。
【0082】
また、PTSは、同期再生を行うための時間情報であるPTS(Presentation Time Stamp)を用いて、スイッチコマンドを実行させる場合に指定される。すなわち、Switching Timeとしては、時分秒で指定する方式のほか、TSのSTC(System Time Clock)値で指定する方式を採用することが可能である。
【0083】
Target Media Typeは、切り替え先のストリームが、放送コンテンツであるのか、MP4フォーマットの配信コンテンツであるのか、MPEG2_TSフォーマットの配信コンテンツであるのか、又はAVC_TSフォーマットの配信コンテンツであるのかを示す。Target Stream URLは、切り替え先のストリームの取得先URLを示す。Stream Start Positionは、切り替え先のストリームの再生開始時間位置を示す。この再生開始時間位置は、例えば秒単位で指定される。
【0084】
Retention Modeは、放送コンテンツと配信コンテンツとを切り替える際のモードとして、パススルーモードとリテンションモードのいずれのモードを用いるかを示す。なお、コンテンツの切り替え時のモードの詳細については、図11を参照して後述する。
【0085】
Personalized Modeは、配信コンテンツの取得時のユーザ認証の有無を示すとともに、当該ユーザ認証に際して受信装置12のデバイスIDを用いるか、又はパスワードを用いるかを示す。これにより、ユーザごとにスイッチコマンドを設定することが可能となる。Auto Switch Flagは、ストリームの切り替え前に、その旨をユーザに確認するか否かを示す。Switching Messageは、ストリームの切り替え前にその旨をユーザに確認する場合において、ユーザに提示する質問文である。
【0086】
Return Flagは、切り替え先のストリームが終了した後、切り替え元のストリームの切り替え時のシーンから再開するか否かを示す。なお、前述したRetention ModeとReturn Flagの代わりに、それらの要素を1つにまとめた、Loop Back Modeを要素として追加するようにしてもよい。すなわち、Loop Back Modeでは、ノンループバックモードとするか、又はループバックモードとするかを指定する。ここでループバックモードとは、ストリームの切り替えを行った後、切り替え先のストリームが終了した後、切り替え元のストリームの切り替え時のシーンから再開する場合を示し、ノンループバックモードは、ループバックモード以外の切り替えの場合を示す。
【0087】
図7は、プリロードコマンドとしてのビデオスイッチコマンドを構成する要素を示している。プリロードコマンドは、受信装置12に対して、コンテンツの切り替えのタイミングに先行して切り替え先のコンテンツを受信するように制御するコマンドである。
【0088】
Switch IDは、ストリームを切り替える各事象に対して付与される識別情報である。Command Codeは、当該ビデオスイッチコマンドがプリロードコマンドであることを示すコード番号である。
【0089】
Target Media Typeは、切り替え先のストリームが、放送コンテンツであるのか、MP4フォーマットの配信コンテンツであるのか、MPEG2_TSフォーマットの配信コンテンツであるのか、又はAVC_TSフォーマットの配信コンテンツであるのかを示す。Target Stream URLは、切り替え先のストリームの取得先URLを示す。Stream Start Positionは、切り替え先のストリームの再生開始時間位置を示す。
【0090】
Loop Back Modeは、前述したノンループバックモードとするか、又はループバックモードとするかを指定する。
【0091】
Personalized Modeは、配信コンテンツの取得時のユーザ認証の有無を示すとともに、当該ユーザ認証に際して受信装置12のデバイスIDを用いるか、又はパスワードを用いるかを示す。これにより、ユーザごとにプリロードコマンドを設定することが可能となる。Time to Switchは、当該プリロードコマンドに応じて取得されるコンテンツに切り替えられるまでの予定時間を示す。この予定時間は、例えば秒単位で設定される。
【0092】
図8は、プリセレクトコマンドとしてのビデオスイッチコマンドを構成する要素を示している。プリセレクトコマンドは、受信装置12に対して、コンテンツの切り替えのタイミングに先行してユーザにコンテンツの切り替えの有無を確認させるように制御するコマンドである。
【0093】
Switch IDは、ストリームを切り替える各事象に対して付与される識別情報である。Command Codeは、当該ビデオスイッチコマンドがプリセレクトコマンドであることを示すコード番号である。
【0094】
Switching Messageは、ストリームの切り替え前にその旨をユーザに確認する場合において、ユーザに提示する質問文である。Time to Switchは、当該プリセレクトコマンドに応じて選択されるストリームに切り替えられるまでの予定時間を示す。
【0095】
図9は、イネーブルスイッチコマンドとしてのビデオスイッチコマンドを構成する要素を示している。イネーブルスイッチコマンドは、受信装置12に対して、例えば、パノラマ型多視点映像番組又は劇場型多視点映像番組であるコンテンツにおいて、視点切り替えを可能とするVRTを取得させるように制御するコマンドである。
【0096】
Switch IDは、ストリームを切り替える各事象に対して付与される識別情報である。Command Codeは、当該ビデオスイッチコマンドがイネーブルスイッチコマンドであることを示すコード番号である。
【0097】
Switching Meta URLは、VRTの取得先URLを示す。ここで、VRT(View Relation Table)は、コンテンツを切り替えるときに参照されるテーブルであって、例えば当該コンテンツを構成する複数の各多視点映像の視点列タイプ、取得先URLなどの情報が含まれている。受信装置12では、VRTに含まれる情報に基づいて、パノラマ型多視点映像番組又は劇場型多視点映像番組であるコンテンツにおいて、視点切り替えを行うことが可能となる。
【0098】
図10は、ディセーブルスイッチコマンドとしてのビデオスイッチコマンドを構成する要素を示している。ディセーブルスイッチコマンドは、受信装置12に対して、例えば、パノラマ型多視点映像番組又は劇場型多視点映像番組のコンテンツにおいて、視点切り替えを不可能とするように取得済みのVRTを無効とさせるように制御するコマンドである。
【0099】
Switch IDは、ストリームを切り替える各事象に対して付与される識別情報である。Command Codeは、当該ビデオスイッチコマンドがディセーブルスイッチコマンドであることを示すコード番号である。
【0100】
以上、ビデオスイッチコマンドの詳細について説明した。
【0101】
[コンテンツの切り替え時のモードの詳細]
次に、前述したパススルーモードとリテンションモードの詳細について説明する。図11は、放送コンテンツと配信コンテンツとの切り替え時におけるモードの例を示す図である。
【0102】
まず、図11Aを参照して、パススルーモードについて説明する。
【0103】
パススルーモードは、放送コンテンツから配信コンテンツに切り替えて、配信コンテンツを再生した後、再度、配信コンテンツから放送コンテンツに戻るとき、その時点で放送されている放送コンテンツのシーンに切り替わるモードである。
【0104】
例えば、図11Aに示すように、放送コンテンツとして、ある番組(ProgramA)が放送されている場合に、番組中に挿入されるCM1,CM2が放送されるときのみ、配信コンテンツに切り替えることがある。この場合、配信コンテンツから放送コンテンツに戻ったときには、CM1,CM2などの配信コンテンツが表示されている間の放送コンテンツは表示されず、その時点で放送されている番組(ProgramA)が表示されることになる。
【0105】
この場合の受信装置12の動作であるが、放送コンテンツから配信コンテンツに切り替えられたとき、リテンションバッファ33が0遅延により、プライマリデマルチプレクサ32からのTSのデータを、セカンダリデマルチプレクサ35に供給することになる。そして、セカンダリデマルチプレクサ35では、配信コンテンツが表示されている間の放送コンテンツのデータは必要ないので、TSのデータが破棄される。これにより、その後、配信コンテンツから放送コンテンツに戻ったとき、ディスプレイ21の画面上には、その時点で放送されている放送コンテンツのシーンが表示されることになる。
【0106】
次に、図11Bを参照して、リテンションモードについて説明する。
【0107】
リテンションモードは、放送コンテンツから配信コンテンツに切り替えて、配信コンテンツを再生した後、再度、配信コンテンツから放送コンテンツに戻るとき、放送コンテンツから配信コンテンツに切り替えた時点での放送コンテンツのシーンに切り替わるモードである。
【0108】
例えば、図11Bに示すように、放送コンテンツとして、ある放送コンテンツ(ProgramA)が放送されている場合に、所定のタイミングにおいて、放送コンテンツから配信コンテンツに切り替えることがある。この場合、配信コンテンツが放送コンテンツに挿入されたかたちとなり、配信コンテンツが表示されている間、その間の放送コンテンツのデータはリテンションバッファ33に記憶される。そして、配信コンテンツから放送コンテンツに戻ったときには、リテンションバッファ33から放送コンテンツのデータを読み出すことで、放送コンテンツ(ProgramA)が、時間的にシフトして切り替え時点のシーンから再開され、表示されることになる。
【0109】
なお、配信コンテンツから放送コンテンツに戻ったときに、リアルタイムで放送される放送コンテンツ(ProgramA)が終了して、他の放送コンテンツ(ProgramB)が開始される場合には、放送コンテンツ(ProgramA)の途中のシーンから再開してもよいし、あるいは、他の放送コンテンツ(ProgramB)の先頭から再開してもよい。
【0110】
この場合の受信装置12の動作であるが、放送コンテンツから配信コンテンツに切り替えられたとき、リテンションバッファ33では、プライマリデマルチプレクサ32からのTSのデータが順次書き込まれ、記憶される。このとき、リテンションバッファ33では、TSのデータの読み出しが停止しているため、配信コンテンツが表示されている間のTSのデータは、リテンションバッファ33に順次記憶されることになる。その後、配信コンテンツから放送コンテンツに戻ったとき、リテンションバッファ33には、配信コンテンツが再生されていた間のTSのデータが記憶されているため、このTSのデータが、セカンダリデマルチプレクサ35に供給される。これにより、ディスプレイ21の画面上には、放送コンテンツから配信コンテンツに切り替えた時点での放送コンテンツのシーンが表示されることになる。
【0111】
[受信装置の動作説明]
次に、前述したビデオスイッチコマンドの3種類の利用例について説明する。
【0112】
図12は、オートスイッチング動作におけるプリセレクトコマンドの利用例を示している。
【0113】
当該利用例において、受信装置12は、放送コンテンツから配信コンテンツに切り替える場合、その切り替えタイミングに先行して、放送コンテンツに対するACR識別処理により得られる識別結果に応じたプリセレクトコマンドC1を受信する。その後、受信装置12は、切り替え以前のタイミングに、放送コンテンツに対するACR識別処理により得られる識別結果に応じたスイッチコマンドC2を受信する。
【0114】
すなわち、受信装置12では、プリセレクトコマンドC1に応じて、ユーザに対してコンテンツの切り替えの実行の有無を選択させる。ここで、例えば、視聴中の放送コンテンツの映像P11に重畳された「切り替えますか?」のメッセージに応じて、ユーザがコンテンツの切り替え有りを選択した場合、プリセレクトコマンドC1のSwitch IDが示すコンテンツの切り替えの事象に対するオートスイッチが設定される。反対に、ユーザがコンテンツの切り替えなしを選択した場合、プリセレクトコマンドC1のSwitch IDが示すコンテンツの切り替えの事象に対して切り替えなしが設定される。
【0115】
その後、受信装置12では、スイッチコマンドC2を受信すると、先ほどのプリセレクトコマンドC1に応じてオートスイッチに設定されている場合には、コンテンツの切り替え時刻の経過後、自動的にコンテンツの切り替えが実行される。例えば、図12の例では、まず、プリセレクトコマンドC1によって、Switch ID = Aのコンテンツの切り替え事象に対するオートスイッチが設定され、その後、スイッチコマンドC2によって、Switch ID = Aのコンテンツの切り替え事象での放送コンテンツから配信コンテンツへの切り替え時刻が設定される。そして、Switching Time = T1が経過したとき、放送コンテンツの映像P11から配信コンテンツの映像P21に切り替えられる。そして、コンテンツの切り替えが実行された場合、スイッチコマンドC2のRetention Modeに応じて、パススルーモード又はリテンションモードが決定される。図12の例では、パススルーモードが設定されているため、配信コンテンツの映像P21が終了すると、ディスプレイ21には、放送コンテンツの映像P13が表示される。
【0116】
一方、Switch ID = Aのコンテンツの切り替え事象に対して切り替えなしが設定されている場合、コンテンツの切り替えが実行されず、例えば、放送コンテンツの映像P11から、映像P12に切り替えられる。そして、放送コンテンツの映像P12が終了すると、ディスプレイ21には、映像P13が表示される。
【0117】
以上、オートスイッチング動作におけるプリセレクトコマンドの利用例では、コンテンツの切り替えに先行して、当該切り替えの実行の有無の確認が行われ、コンテンツの切り替え有りが選択された場合、所定の切り替え時刻を経過後、自動的にコンテンツの切り替えが行われる。
【0118】
しかし、図12の利用例の場合、切り替え先の配信コンテンツが、スイッチコマンドに応じて取得されるため、コンテンツを速やかに切り替えることができない可能性がある。そこで、次に、コンテンツを速やかに切り替えることができるようにした利用例について説明する。
【0119】
図13は、オートスイッチング動作におけるプリセレクトコマンド及びプリロードコマンドの利用例を示している。
【0120】
当該利用例において、受信装置12は、放送コンテンツから配信コンテンツに切り替える場合、その切り替えタイミングに先行して、放送コンテンツに対するACR識別処理により得られる識別結果に応じたプリセレクトコマンドC1とプリロードコマンドC3を受信する。その後、受信装置12は、切り替え以前のタイミングに、放送コンテンツに対するACR識別処理により得られる識別結果に応じたスイッチコマンドC2を受信する。
【0121】
すなわち、受信装置12では、プリセレクトコマンドC1に応じて、ユーザに対してコンテンツの切り替えの実行の有無を選択させる。ここで、例えば、放送コンテンツの映像P11に重畳された「切り替えますか?」のメッセージに応じて、ユーザがコンテンツの切り替え有りを選択した場合、プリセレクトコマンドC1のSwitch IDが示すコンテンツの切り替えの事象に対するオートスイッチが設定される。そして、受信装置12では、プリロードコマンドC3を受信すると、プリロードコマンドC3に応じて、切り替え先の配信コンテンツの取得が開始される。その後、受信装置12では、スイッチコマンドC2を受信すると、先ほどのプリセレクトコマンドC1に応じてオートスイッチに設定されている場合には、コンテンツの切り替え時刻の経過後、放送コンテンツから、プリロード済みの配信コンテンツに速やかに切り替えが実行される。
【0122】
例えば、図13の例では、まず、プリセレクトコマンドC1によって、Switch ID = Aのコンテンツの切り替え事象に対するオートスイッチが設定され、その後、プリロードコマンドC3によって指定される配信サーバ15から、配信コンテンツの取得が開始される。また、スイッチコマンドC2によって、Switch ID = Aのコンテンツの切り替え事象での放送コンテンツから配信コンテンツへの切り替え時刻が設定される。そして、Switching Time = T1が経過したとき、放送コンテンツの映像P11から、プリロード済みの配信コンテンツの映像P21に切り替えられる。つまり、切り替え先の配信コンテンツは、切り替え時には、プリロード済みとなっているため、映像P11から映像P21への切り替えが速やかに行われる。
【0123】
その後、受信装置12では、配信コンテンツに対するACR識別処理により得られる識別結果に応じたプリロードコマンドC4が受信され、プリロードコマンドC4によって指定される放送装置11から、放送コンテンツの取得が開始される。そして、受信装置12では、配信コンテンツの再生が終了したとき、配信コンテンツから、プリロード済みの放送コンテンツに速やかに切り替えが行われる。なお、図13の例においても、パススルーモードが設定されているため、配信コンテンツの映像P21が終了すると、ディスプレイ21には、放送コンテンツの映像P13が表示される。
【0124】
以上、オートスイッチング動作におけるプリセレクトコマンド及びプリロードコマンドの利用例では、コンテンツの切り替えに先行して、当該切り替えの有無の確認が行われ、コンテンツの切り替え有りが選択された場合、切り替え先のコンテンツの取得が事前に行われる。そして、所定の切り替え時刻を経過後、自動的に、事前に取得しておいたコンテンツへの切り替えが行われる。
【0125】
このように、図13の利用例の場合、切り替え先の配信コンテンツがプリロードコマンドに応じて取得されるので、コンテンツを速やかに切り替えることができる。
【0126】
図14は、マニュアルスイッチング動作におけるスイッチコマンドの利用例を示している。
【0127】
当該利用例において、受信装置12は、放送コンテンツの映像から配信コンテンツの映像に切り替える場合、その切り替えのタイミングに、放送コンテンツに対するACR識別処理により得られる識別結果に応じたスイッチコマンドC2を受信する。
【0128】
すなわち、受信装置12では、スイッチコマンドC2のAuto Switch Flagがマニュアルスイッチに設定されている場合、ユーザに対して、「切り替えますか?」などのメッセージを表示し、コンテンツの切り替えの実行の有無を選択させる。ここで、ユーザがコンテンツの切り替え有りを選択した場合、切り替え先の配信コンテンツの取得が開始されて、コンテンツの切り替えが行われる。
【0129】
なお、スイッチコマンドC2のRetention Modeがリテンションモードに設定されている場合、ユーザからの選択操作入力を待っている間も、切り替え元の放送コンテンツのデータはバッファリングされていて、映像表示状態は、ポーズ状態とされる。また、スイッチコマンドのRetention Modeがパススルーモードに設定されている場合、ユーザからの選択操作入力を待っている間、切り替え元の放送コンテンツはスルーされていて、表示は放送コンテンツの映像が継続される。
【0130】
また、図14の例においても、パススルーモードが設定されているため、配信コンテンツの映像P21が終了すると、ディスプレイ21には、放送コンテンツの映像P13が表示される。
【0131】
以上、マニュアルスイッチング動作におけるスイッチコマンドの利用例では、コンテンツの切り替えのタイミングに、当該切り替えの有無の確認が行われ、コンテンツの切り替え有りが選択された場合、切り替え先のコンテンツへの切り替えが行われる。
【0132】
[ACR識別結果に応じたコマンド対応処理]
次に、図15乃至図20を参照して、受信装置12が、ACR識別処理により得られる識別結果に応じたビデオスイッチコマンドを受信したときのコマンド対応処理(以下、ACR識別結果に応じたコマンド対応処理という)について説明する。
【0133】
図15は、受信装置12によるACR識別結果に応じたコマンド対応処理を示すフローチャートである。このACR識別結果に応じたコマンド対応処理は、ユーザが番組等の放送コンテンツを視聴しているとき、すなわち、受信装置12が放送装置11からのデジタルテレビジョン放送信号を受信している間、繰り返して実行される。
【0134】
フィンガプリント抽出部42は、ステップS11において、所定の時間を経過したか否かを判定し、所定の時間を経過するのを待って、放送コンテンツのビデオ信号及びオーディオ信号からフィンガプリント情報を抽出する(ステップS12)。すなわち、フィンガプリント抽出部42は、例えば数秒などの所定の間隔で、定期的にフィンガプリント情報の抽出を行う。
【0135】
ステップS13において、フィンガプリント抽出部42は、通信I/F43を制御して、抽出されたフィンガプリント情報を、インターネット16を介してACRサーバ13に送信して、選局中の放送コンテンツの識別結果を問い合わせる。ACRサーバ13は、フィンガプリント情報に基づいて、ACR識別処理を行い、その識別結果を受信装置12に送信する。なお、ACRサーバ13において、放送コンテンツの識別結果を得られない場合には、識別結果の送信は行われない。
【0136】
ステップS14において、制御部45は、通信I/F43を制御して、識別結果の問い合わせ先のACRサーバ13から、識別結果を受信したか否かを判定する。
【0137】
ステップS14において、識別結果を受信していないと判定された場合、処理は、ステップS11に戻り、それ以降の処理が繰り返される。例えば、受信装置12において、放送休止中のチャンネルが選択されている場合に、フィンガプリント情報が抽出されると、ACRサーバ13側では、放送コンテンツを識別することができず、識別結果の送信が行われないことになる(識別結果は送信されるが、該当なしを示すことにしてもよい)。
【0138】
一方、ステップS14において、識別結果を受信したと判定された場合、処理は、ステップS15に進められる。ステップS15において、制御部45は、通信I/F43により受信された選局中の放送コンテンツの識別結果の解析を行う。ここでは、識別結果として、選局中の放送コンテンツのチャンネル識別情報、時間位置情報、及びコマンド取得先情報が得られる。
【0139】
ステップS16において、制御部45は、通信I/F43を制御して、コマンド取得先情報が示すURLに対応するコマンドサーバ14にアクセスし、チャンネル識別情報及び時間位置情報を送信することで、受信装置12にて実行可能となるビデオスイッチコマンドを問い合わせる。コマンドサーバ14は、あらかじめ設定されたスケジュールに基づいて、チャンネル識別情報に対応する放送コンテンツにおいて、時間位置情報に対応する時間帯に実行可能となるビデオスイッチコマンドを取得し、受信装置12に送信する。
【0140】
ステップS17において、制御部45は、通信I/F43を制御して、ビデオスイッチコマンドの問い合わせ先のコマンドサーバ14から、ビデオスイッチコマンドを受信したか否かを判定する。
【0141】
ステップS17において、ビデオスイッチコマンドを受信していないと判定された場合、処理は、ステップS11に戻り、それ以降の処理が繰り返される。例えば、コマンドサーバ14では、チャンネル識別情報及び時間位置情報により定められる条件に一致するビデオスイッチコマンドが存在しない場合、ビデオスイッチコマンドの送信は行われないことになる(ビデオスイッチコマンドは送信されるが、処理不要を示すことにしてもよい)。
【0142】
一方、ステップS17において、ビデオスイッチコマンドを受信したと判定された場合、処理は、ステップS18に進められる。ステップS18において、コマンド解析部44は、ビデオスイッチコマンドを解析する。また、切替制御部48は、ビデオスイッチコマンドの解析結果に応じて、そのCommand Codeが示すコマンドの種類に応じた処理を行う。各ビデオスイッチコマンドの種類に応じた処理の詳細については、図16乃至20を参照して後述する。
【0143】
なお、ステップS11において、所定の時間が経過していないと判定された場合、処理は、ステップS19に進められる。ステップS19において、制御部45は、ユーザから視点切り替え操作が入力されたか否かを判定する。ステップS19において、視点切り替え操作が入力されていないと判定された場合、処理は、ステップS11に戻される。
【0144】
なお、ユーザからの視点切り替え操作の入力は、後述する、図19のイネーブルスイッチ対応処理により、視点切り替えが可能とされたときにのみ可能である。一方、ステップS19において、ユーザから視点切り替え操作が入力されたと判定された場合、処理は、ステップS20に進められる。ステップS20において、制御部45は、受信装置12の関係する各部を制御して、指定された視点に対応する配信コンテンツを受信、再生させて映像を切り替えさせる。
【0145】
以上、ACR識別結果に応じたコマンド対応処理について説明した。
【0146】
[プリセレクトコマンド対応処理]
図16は、図15のステップS18に対応する、受信したビデオスイッチコマンドがプリセレクトコマンドである場合の処理(以下、プリセレクトコマンド対応処理という)を示すフローチャートである。
【0147】
ステップS31において、切替制御部48は、プリセレクトコマンドのSwitching Messageに記述されている質問文をユーザに提示して、コンテンツを切り替えるか否かを選択させる。ステップS32において、切替制御部48は、提示した質問文に対するユーザからの指示に応じて、コンテンツを切り替えるが選択されたか否かを判定する。
【0148】
ステップS32において、コンテンツの切り替えが選択された場合、処理は、ステップS33に進められる。ステップS33において、切替制御部48は、プリセレクトコマンドのSwitch IDが示すコンテンツの切り替えを、オートスイッチに設定する。
【0149】
なお、ステップS32において、コンテンツを切り替えるが選択されなかった場合、又は選択時間がタイムアウトとなった場合、プリセレクトコマンド対応処理は終了する。タイムアウトまでの時間は、Time to Switchに基づき決定される。そして、プリセレクトコマンド対応処理が終了すると、処理は、図15のステップS18に戻り、それ以降の処理が実行される。
【0150】
以上、プリセレクトコマンド対応処理について説明した。
【0151】
[プリロードコマンド対応処理]
図17は、図15のステップS18に対応する、受信したビデオスイッチコマンドがプリロードコマンドである場合の処理(以下、プリロードコマンド対応処理という)を示すフローチャートである。
【0152】
ステップS51において、切替制御部48は、プリロードコマンドのSwitch IDが示すコンテンツの切り替えについて、当該プリロードコマンドに先行して受信したプリセレクトコマンドに応じて、オートスイッチに設定されているか否かを判定する。ステップS51において、オートスイッチに設定されていると判定された場合、処理は、ステップS52に進められる。ステップS52において、切替制御部48は、受信装置12の関係する各部を制御して、切り替え先の配信コンテンツの受信準備を開始させる。
【0153】
なお、ステップS51において、プリロードコマンドのSwitch IDが示すコンテンツの切り替えについてオートスイッチに設定されていないと判定された場合、プリロードコマンド対応処理は終了する。そして、プリロードコマンド対応処理が終了すると、処理は、図15のステップS18に戻り、それ以降の処理が実行される。
【0154】
以上、プリロードコマンド対応処理について説明した。
【0155】
[スイッチコマンド対応処理]
図18は、図15のステップS18に対応する、受信したビデオスイッチコマンドがスイッチコマンドである場合の処理(以下、スイッチコマンド対応処理という)を示すフローチャートである。
【0156】
ステップS71において、切替制御部48は、制御部45からのビデオスイッチコマンドの解析結果に従い、スイッチコマンドのAuto Switch Flagがオートスイッチであるか否かを判定する。ステップS71において、オートスイッチであると判定された場合、処理は、ステップS72に進められる。ステップS72において、切替制御部48は、制御部45からのビデオスイッチコマンドの解析結果に従い、切り替え先の配信コンテンツがプリロード済みであるか否かを判定する。ステップS72において、プリロード済みではないと判定された場合、処理は、ステップS73に進められる。
【0157】
ステップS73において、切替制御部48は、制御部45からのビデオスイッチコマンドの解析結果に従い、Switch IDが示すコンテンツの切り替えについて、当該スイッチコマンドに先行して受信したプリセレクトコマンドに応じてオートスイッチに設定されているか否かを判定する。ステップS73において、オートスイッチに設定されていると判定された場合、処理はステップS74に進められる。
【0158】
ステップS74において、切替制御部48は、制御部45からのビデオスイッチコマンドの解析結果に従い、受信装置12の関係する各部を制御して、切り替え先の配信コンテンツの受信準備を開始させる。
【0159】
ステップS75において、切替制御部48は、スイッチコマンドのSwitching Timeが示す切り替え時刻に基づき、コンテンツの切り替え時刻となったか否かを判定する。そして、コンテンツの切り替え時刻が経過した場合(ステップS75の「YES」)、処理は、ステップS76に進められる。なお、スイッチコマンドのSwitching Timeが設定されていない場合には、ステップS75の処理はスキップされ、処理は、ステップS76に進められる。
【0160】
ステップS76において、切替制御部48は、受信装置12の関係する各部を制御して、コンテンツを切り替え先のものに切り替えさせる。ここでは、例えば、放送コンテンツから、プリロード済みの配信コンテンツに切り替えられ、配信コンテンツの再生が開始される。
【0161】
なお、ステップS72において、切り替え先の配信コンテンツがプリロード済みであると判定された場合、ステップS73,S74の処理は、スキップされる。また、ステップS73において、Switch IDが示すコンテンツの切り替えについて、当該スイッチコマンドに先行して受信したプリセレクトコマンドに応じてオートスイッチに設定されていないと判定された場合、ステップS74乃至S76はスキップされ、コンテンツの切り替えは行われずに、スイッチコマンド対応処理は終了する。
【0162】
一方、ステップS71において、スイッチコマンドのAuto Switch Flagがオートスイッチではない、すなわち、マニュアルスイッチであると判定された場合、処理はステップS77に進められる。ステップS77において、切替制御部48は、制御部45からのビデオスイッチコマンドの解析結果に従い、スイッチコマンドのSwitching Messageに記述されている質問文をユーザに提示して、コンテンツを切り替えるか否かを選択させる。
【0163】
ステップS77にて質問文を提示すると、ステップS78において、切替制御部48は、提示された質問文に応じて、コンテンツの切り替えが選択されたか否かを判定する。ステップS78において、コンテンツの切り替えが選択された場合、処理は、ステップS74に進められ、前述したステップS74以降の処理が実行される。
【0164】
一方、ステップS78において、コンテンツの切り替えが選択されていない場合、又は、ステップS79において、選択時間がタイムアウトとなった場合、コンテンツの切り替えは行われずに、スイッチコマンド対応処理は終了する。そして、スイッチコマンド対応処理が終了すると、処理は、図15のステップS18に戻り、それ以降の処理が実行される。
【0165】
以上、スイッチコマンド対応処理について説明した。
【0166】
[イネーブルスイッチコマンド対応処理]
図19は、図15のステップS18に対応する、受信したビデオスイッチコマンドがイネーブルスイッチコマンドである場合の処理(以下、イネーブルスイッチコマンド対応処理という)を示すフローチャートである。
【0167】
ステップS91において、切替制御部48は、イネーブルスイッチコマンドのSwitching Meta URLに基づき、受信装置12の関係する各部を制御してVRTを取得、解析する。ステップS92において、切替制御部48は、視点切り替えを可能とし、例えば、切り替え可能な視点の方向を示す矢印を画面上に表示するなどして、視点が切り替え可能であることをユーザに提示する。以上で、イネーブルスイッチコマンド対応処理は終了し、処理は、図15のステップS18に戻り、それ以降の処理が実行される。
【0168】
以上、イネーブルスイッチコマンド対応処理について説明した。
【0169】
[ディセーブルスイッチコマンド対応処理]
図20は、図15のステップS18に対応する、受信したビデオスイッチコマンドがディセーブルスイッチコマンドである場合の処理(以下、ディセーブルスイッチコマンド対応処理という)を示すフローチャートである。
【0170】
ステップS111において、切替制御部48は、イネーブルスイッチコマンドに応じて取得済みのVRTを無効とする。これにより、視点切り替えが不可能とされる。以上で、ディセーブルスイッチコマンド対応処理は終了し、処理は、図15のステップS18に戻り、それ以降の処理が実行される。
【0171】
以上、ディセーブルスイッチコマンド対応処理について説明した。
【0172】
以上に説明したACR識別結果に応じたコマンド対応処理により、受信装置12では、受信した放送コンテンツのデータからフィンガプリント情報が抽出され、フィンガプリント情報からACR技術を用いて識別された識別結果が取得される。そして、受信装置12では、放送コンテンツの識別結果に応じて、ビデオスイッチコマンドが取得され、ビデオスイッチコマンドに応じて、放送コンテンツから配信コンテンツに切り替える動作が制御される。これにより、ACR技術を用いてコンテンツを切り替えることができる。特に、ACR技術を用いたコンテンツの切り替え処理を、速やかに行うことができる。
【0173】
なお、前述した説明では、放送コンテンツから配信コンテンツに切り替える例を説明したが、切り替え元のコンテンツは放送コンテンツに限らず、さらには、切り替え先のコンテンツについても配信コンテンツに限られるものではない。すなわち、ビデオスイッチコマンドは、切り替え元の第1のコンテンツと、切り替え先の第2のコンテンツとを切り替える動作を制御するためのコマンドであって、切り替えの対象となるコンテンツの種別に関係なく、実行することが可能である。例えば、第1のコンテンツとしては、放送コンテンツのほか、例えば、ストリーミング再生用又はダウンロード再生用の配信コンテンツや、NRT(Non Real Time)放送により取得されたNRTコンテンツなどであってもよい。また、第2のコンテンツとしては、ストリーミング再生用の配信コンテンツのほか、例えば、放送コンテンツ、ダウンロード再生用の配信コンテンツ、NRTコンテンツなどであってもよい。
【0174】
切り替え元となる第1のコンテンツが、ストリーミング再生用又はダウンロード再生用の配信コンテンツである場合、配信コンテンツのビデオ信号及びオーディオ信号からフィンガプリント情報が抽出され、ACRサーバ13に送信される。そして、ACRサーバ13では、ACR識別処理が行われるが、ここでは、識別結果として、コンテンツ識別情報、時間位置情報、コマンド取得先情報が送信される。すなわち、放送装置11からの放送コンテンツを取得した場合には、チャンネル識別情報が識別結果として得られるが、配信コンテンツを取得した場合には、コンテンツIDなどのコンテンツ識別情報が識別結果として得られる。そして、受信装置12は、コマンド取得先情報に記述されたURLに対応するコマンドサーバ14にアクセスして、コンテンツ識別情報及び時間位置情報を送信することで、受信装置12にて実行可能となるビデオスイッチコマンドを問い合わせる。そして、受信装置12は、コマンドサーバ14からのビデオスイッチコマンドに応じて、コンテンツの切り替え動作を制御することになる。
【0175】
例えば、インターネット16を介してストリーミング配信される配信コンテンツに対して、コンテンツプロバイダがCMを挿入したい場合、受信装置12では、既にブラウザなどのアプリケーションプログラムが動作中であることが多く、アプリケーションプログラムによってコンテンツの切り替えを指定できないケースが想定される。本技術では、アプリケーションプログラムを用いずに、ビデオスイッチコマンドに応じて、直接コンテンツを切り替えるため、このような場合でも、コンテンツの切り替え処理を速やかに行うことができる。
【0176】
[本技術を適用したコンピュータの説明]
前述した一連の処理は、ハードウェアにより実行することもできるし、ソフトウェアにより実行することもできる。一連の処理をソフトウェアにより実行する場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータにインストールされる。ここで、コンピュータには、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータや、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のパーソナルコンピュータなどが含まれる。
【0177】
図21は、前述した一連の処理をプログラムにより実行するコンピュータのハードウェアの構成例を示すブロック図である。
【0178】
コンピュータ100において、CPU(Central Processing Unit)101,ROM(Read Only Memory)102,RAM(Random Access Memory)103は、バス104により相互に接続されている。
【0179】
バス104には、さらに、入出力インタフェース105が接続されている。入出力インタフェース105には、入力部106、出力部107、記録部108、通信部109、及びドライブ110が接続されている。
【0180】
入力部106は、キーボード、マウス、マイクロフォンなどよりなる。出力部107は、ディスプレイ、スピーカなどよりなる。記録部108は、ハードディスクや不揮発性のメモリなどよりなる。通信部109は、ネットワークインタフェースなどよりなる。ドライブ110は、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、又は半導体メモリなどのリムーバブルメディア111を駆動する。
【0181】
以上のように構成されるコンピュータ100では、CPU101が、例えば、記録部108に記録されているプログラムを、入出力インタフェース105及びバス104を介して、RAM103にロードして実行することにより、前述した一連の処理が行われる。
【0182】
コンピュータ100(CPU101)が実行するプログラムは、例えば、パッケージメディア等としてのリムーバブルメディア111に記録して提供することができる。また、プログラムは、ローカルエリアネットワーク、インターネット、デジタル衛星放送といった、有線または無線の伝送媒体を介して提供することができる。
【0183】
コンピュータ100では、プログラムは、リムーバブルメディア111をドライブ110に装着することにより、入出力インタフェース105を介して、記録部108にインストールすることができる。また、プログラムは、有線または無線の伝送媒体を介して、通信部109で受信し、記録部108にインストールすることができる。その他、プログラムは、ROM102や記録部108に、あらかじめインストールしておくことができる。
【0184】
なお、コンピュータが実行するプログラムは、本明細書で説明する順序に沿って時系列に処理が行われるプログラムであっても良いし、並列に、あるいは呼び出しが行われたとき等の必要なタイミングで処理が行われるプログラムであっても良い。
【0185】
ここで、本明細書において、コンピュータに各種の処理を行わせるためのプログラムを記述する処理ステップは、必ずしもフローチャートとして記載された順序に沿って時系列に処理する必要はなく、並列的あるいは個別に実行される処理(例えば、並列処理あるいはオブジェクトによる処理)も含むものである。
【0186】
また、プログラムは、1のコンピュータにより処理されるものであってもよいし、複数のコンピュータによって分散処理されるものであってもよい。さらに、プログラムは、遠方のコンピュータに転送されて実行されるものであってもよい。
【0187】
さらに、本明細書において、システムとは、複数の構成要素(装置、モジュール(部品)等)の集合を意味し、すべての構成要素が同一筐体中にあるか否かは問わない。したがって、別個の筐体に収納され、ネットワークを介して接続されている複数の装置、及び、1つの筐体の中に複数のモジュールが収納されている1つの装置は、いずれも、システムである。
【0188】
なお、本技術の実施の形態は、前述した実施の形態に限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【0189】
例えば、本技術は、1つの機能を、ネットワークを介して複数の装置で分担、共同して処理するクラウドコンピューティングの構成をとることができる。
【0190】
また、前述のフローチャートで説明した各ステップは、1つの装置で実行する他、複数の装置で分担して実行することができる。
【0191】
さらに、1つのステップに複数の処理が含まれる場合には、その1つのステップに含まれる複数の処理は、1つの装置で実行する他、複数の装置で分担して実行することができる。
【0192】
なお、本技術は、以下のような構成をとることができる。
【0193】
(1)
第1のコンテンツを受信する受信部と、
受信した前記第1のコンテンツのデータから特徴量を抽出する特徴量抽出部と、
抽出した前記特徴量を用いて識別された前記第1のコンテンツの識別結果を取得する識別結果取得部と、
取得した前記識別結果に応じて、前記第1のコンテンツと、前記第1のコンテンツと異なる第2のコンテンツとを切り替える動作を制御するためのコマンドを取得するコマンド取得部と、
取得した前記コマンドに応じて、前記第1のコンテンツから前記第2のコンテンツに切り替える動作を制御する制御部と
を備える受信装置。
(2)
前記コマンドは、前記第1のコンテンツから前記第2のコンテンツへの切り替えのタイミングに先行して、切り替えの実行の可否をユーザに確認させる第1のコマンド、又は前記第1のコンテンツから前記第2のコンテンツに切り替えさせる第2のコマンドであり、
前記制御部は、
前記第1のコマンドに応じて、切り替えの実行の可否をユーザに確認させて、
前記ユーザが切り替えの実行を許可した場合、前記第2のコマンドに応じて、前記第1のコンテンツから前記第2のコンテンツに切り替える
(1)に記載の受信装置。
(3)
前記コマンドは、前記第1のコマンド、前記第2のコマンド、又は前記第1のコンテンツから前記第2のコンテンツへの切り替えのタイミングに先行して、前記第2のコンテンツを取得させる第3のコマンドであり、
前記制御部は、
前記ユーザが切り替えの実行を許可した場合、前記第3のコマンドに応じて、切り替えのタイミングに先行して、前記第2のコンテンツを取得し、
前記第2のコマンドに応じて、前記第1のコンテンツから、取得済みの前記第2のコンテンツに切り替える
(2)に記載の受信装置。
(4)
前記第2のコマンドは、前記第2のコマンドを実行する時刻を示す時刻情報を含んでおり、
前記制御部は、前記第2のコマンドに含まれる前記時刻情報に応じて、切り替えのタイミングになったとき、前記第1のコンテンツから前記第2のコンテンツに切り替える
(2)又は(3)に記載の受信装置。
(5)
前記第2のコマンド又は前記第3のコマンドは、前記ユーザごとに設定可能とされる
(3)又は(4)に記載の受信装置。
(6)
前記コマンドは、前記ユーザが指定する視点に対応する前記第2のコンテンツに切り替え可能な状態とさせる第4のコマンド、又は前記ユーザが指定する視点に対応する前記第2のコンテンツに切り替え可能な状態を終了させる第5のコマンドであり、
前記制御部は、
前記第4のコマンドに応じて、前記ユーザが指定する視点に対応する前記第2のコンテンツに切り替え可能な状態とさせ、
前記第5のコマンドに応じて、前記ユーザが指定する視点に対応する前記第2のコンテンツに切り替え可能な状態を終了させる
(1)乃至(5)の何れかに記載の受信装置。
(7)
前記第1のコンテンツから前記第2のコンテンツに切り替えられた場合、受信した前記第1のコンテンツのデータを順次記憶するバッファと、
前記第2のコンテンツから前記第1のコンテンツに切り替えられた場合、前記第2のコンテンツが出力されている間に、前記バッファに記憶された前記第1のコンテンツを出力する出力部と
をさらに備える(1)乃至(6)の何れかに記載の受信装置。
(8)
前記第2のコンテンツから前記第1のコンテンツに切り替えられた場合、受信した前記第1のコンテンツを出力する出力部をさらに備える
(1)乃至(7)の何れかに記載の受信装置。
(9)
前記識別結果取得部は、抽出した前記特徴量からACR(Automatic Content Recognition)技術を用いて識別される前記第1のコンテンツの識別結果を取得する
(1)乃至(8)の何れかに記載の受信装置。
(10)
前記第1のコンテンツは、放送網を介して放送される放送コンテンツであり、
前記第2のコンテンツは、通信網を介して配信サーバから配信される配信コンテンツである
(1)乃至(9)の何れかに記載の受信装置。
(11)
前記特徴量抽出部は、前記第1のコンテンツのビデオ信号及びオーディオ信号のいずれか一方又は双方から前記特徴量を抽出する
(1)乃至(10)の何れかに記載の受信装置。
(12)
受信装置の受信方法において
前記受信装置が、
第1のコンテンツを受信し、
受信した前記第1のコンテンツのデータから特徴量を抽出し、
抽出した前記特徴量を用いて識別された前記第1のコンテンツの識別結果を取得し、
取得した前記識別結果に応じて、前記第1のコンテンツと、前記第1のコンテンツと異なる第2のコンテンツとを切り替える動作を制御するためのコマンドを取得し、
取得した前記コマンドに応じて、前記第1のコンテンツから前記第2のコンテンツに切り替える動作を制御する
ステップを含む受信方法。
(13)
コンピュータを、
第1のコンテンツを受信する受信部と、
受信した前記第1のコンテンツのデータから特徴量を抽出する特徴量抽出部と、
抽出した前記特徴量を用いて識別された前記第1のコンテンツの識別結果を取得する識別結果取得部と、
取得した前記識別結果に応じて、前記第1のコンテンツと、前記第1のコンテンツと異なる第2のコンテンツとを切り替える動作を制御するためのコマンドを取得するコマンド取得部と、
取得した前記コマンドに応じて、前記第1のコンテンツから前記第2のコンテンツに切り替える動作を制御する制御部と
して機能させるためのプログラム。
(14)
受信装置、第1の情報処理装置、第2の情報処理装置、及び第3の情報処理装置から構成される情報処理システムにおいて、
前記受信装置は、
第1のコンテンツを受信する受信部と、
受信した前記第1のコンテンツのデータから特徴量を抽出する特徴量抽出部と、
抽出した前記特徴量を前記第1の情報処理装置に送信して、前記第1の情報処理装置にて前記特徴量を用いて識別された前記第1のコンテンツの識別結果を取得する識別結果取得部と、
前記第1の情報処理装置から取得した前記識別結果を前記第2の情報処理装置に送信して、前記第2の情報処理装置から、前記第1のコンテンツと、前記第3の情報処理装置から配信される第2のコンテンツとを切り替える動作を制御するためのコマンドを取得するコマンド取得部と、
前記第2の情報処理装置から取得した前記コマンドに応じて、前記第1のコンテンツから、前記第3の情報処理装置から配信される前記第2のコンテンツに切り替える動作を制御する制御部と
を備え、
前記第1の情報処理装置は、
前記受信装置からの問い合わせに応じて、前記特徴量を用いて前記第1のコンテンツを識別することで得られる前記識別結果を提供する第1の提供部を備え、
前記第2の情報処理装置は、
前記受信装置からの問い合わせに応じて、前記識別結果に応じた前記コマンドを提供する第2の提供部を備え、
前記第3の情報処理装置は、
前記受信装置からの問い合わせに応じて、前記第2のコンテンツを配信する配信部を備える
情報処理システム。
【符号の説明】
【0194】
1 放送システム, 11 放送装置, 12 受信装置, 13 ACRサーバ, 14 コマンドサーバ, 15 配信サーバ, 16 インターネット, 31 チューナ, 33 リテンションバッファ, 34 リテンション制御部, 42 フィンガプリント抽出部, 43 通信I/F, 44 コマンド解析部, 45 制御部, 48 切替制御部, 100 コンピュータ, 101 CPU

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のコンテンツを受信する受信部と、
受信した前記第1のコンテンツのデータから特徴量を抽出する特徴量抽出部と、
抽出した前記特徴量を用いて識別された前記第1のコンテンツの識別結果を取得する識別結果取得部と、
取得した前記識別結果に応じて、前記第1のコンテンツと、前記第1のコンテンツと異なる第2のコンテンツとを切り替える動作を制御するためのコマンドを取得するコマンド取得部と、
取得した前記コマンドに応じて、前記第1のコンテンツから前記第2のコンテンツに切り替える動作を制御する制御部と
を備える受信装置。
【請求項2】
前記コマンドは、前記第1のコンテンツから前記第2のコンテンツへの切り替えのタイミングに先行して、切り替えの実行の可否をユーザに確認させる第1のコマンド、又は前記第1のコンテンツから前記第2のコンテンツに切り替えさせる第2のコマンドであり、
前記制御部は、
前記第1のコマンドに応じて、切り替えの実行の可否をユーザに確認させて、
前記ユーザが切り替えの実行を許可した場合、前記第2のコマンドに応じて、前記第1のコンテンツから前記第2のコンテンツに切り替える
請求項1に記載の受信装置。
【請求項3】
前記コマンドは、前記第1のコマンド、前記第2のコマンド、又は前記第1のコンテンツから前記第2のコンテンツへの切り替えのタイミングに先行して、前記第2のコンテンツを取得させる第3のコマンドであり、
前記制御部は、
前記ユーザが切り替えの実行を許可した場合、前記第3のコマンドに応じて、切り替えのタイミングに先行して、前記第2のコンテンツを取得し、
前記第2のコマンドに応じて、前記第1のコンテンツから、取得済みの前記第2のコンテンツに切り替える
請求項2に記載の受信装置。
【請求項4】
前記第2のコマンドは、前記第2のコマンドを実行する時刻を示す時刻情報を含んでおり、
前記制御部は、前記第2のコマンドに含まれる前記時刻情報に応じて、切り替えのタイミングになったとき、前記第1のコンテンツから前記第2のコンテンツに切り替える
請求項3に記載の受信装置。
【請求項5】
前記第2のコマンド又は前記第3のコマンドは、前記ユーザごとに設定可能とされる
請求項3に記載の受信装置。
【請求項6】
前記コマンドは、前記ユーザが指定する視点に対応する前記第2のコンテンツに切り替え可能な状態とさせる第4のコマンド、又は前記ユーザが指定する視点に対応する前記第2のコンテンツに切り替え可能な状態を終了させる第5のコマンドであり、
前記制御部は、
前記第4のコマンドに応じて、前記ユーザが指定する視点に対応する前記第2のコンテンツに切り替え可能な状態とさせ、
前記第5のコマンドに応じて、前記ユーザが指定する視点に対応する前記第2のコンテンツに切り替え可能な状態を終了させる
請求項3に記載の受信装置。
【請求項7】
前記第1のコンテンツから前記第2のコンテンツに切り替えられた場合、受信した前記第1のコンテンツのデータを順次記憶するバッファと、
前記第2のコンテンツから前記第1のコンテンツに切り替えられた場合、前記第2のコンテンツが出力されている間に、前記バッファに記憶された前記第1のコンテンツを出力する出力部と
をさらに備える請求項1に記載の受信装置。
【請求項8】
前記第2のコンテンツから前記第1のコンテンツに切り替えられた場合、受信した前記第1のコンテンツを出力する出力部をさらに備える
請求項1に記載の受信装置。
【請求項9】
前記識別結果取得部は、抽出した前記特徴量からACR(Automatic Content Recognition)技術を用いて識別される前記第1のコンテンツの識別結果を取得する
請求項1に記載の受信装置。
【請求項10】
前記第1のコンテンツは、放送網を介して放送される放送コンテンツであり、
前記第2のコンテンツは、通信網を介して配信サーバから配信される配信コンテンツである
請求項1に記載の受信装置。
【請求項11】
前記特徴量抽出部は、前記第1のコンテンツのビデオ信号及びオーディオ信号のいずれか一方又は双方から前記特徴量を抽出する
請求項1に記載の受信装置。
【請求項12】
受信装置の受信方法において
前記受信装置が、
第1のコンテンツを受信し、
受信した前記第1のコンテンツのデータから特徴量を抽出し、
抽出した前記特徴量を用いて識別された前記第1のコンテンツの識別結果を取得し、
取得した前記識別結果に応じて、前記第1のコンテンツと、前記第1のコンテンツと異なる第2のコンテンツとを切り替える動作を制御するためのコマンドを取得し、
取得した前記コマンドに応じて、前記第1のコンテンツから前記第2のコンテンツに切り替える動作を制御する
ステップを含む受信方法。
【請求項13】
コンピュータを、
第1のコンテンツを受信する受信部と、
受信した前記第1のコンテンツのデータから特徴量を抽出する特徴量抽出部と、
抽出した前記特徴量を用いて識別された前記第1のコンテンツの識別結果を取得する識別結果取得部と、
取得した前記識別結果に応じて、前記第1のコンテンツと、前記第1のコンテンツと異なる第2のコンテンツとを切り替える動作を制御するためのコマンドを取得するコマンド取得部と、
取得した前記コマンドに応じて、前記第1のコンテンツから前記第2のコンテンツに切り替える動作を制御する制御部と
して機能させるためのプログラム。
【請求項14】
受信装置、第1の情報処理装置、第2の情報処理装置、及び第3の情報処理装置から構成される情報処理システムにおいて、
前記受信装置は、
第1のコンテンツを受信する受信部と、
受信した前記第1のコンテンツのデータから特徴量を抽出する特徴量抽出部と、
抽出した前記特徴量を前記第1の情報処理装置に送信して、前記第1の情報処理装置にて前記特徴量を用いて識別された前記第1のコンテンツの識別結果を取得する識別結果取得部と、
前記第1の情報処理装置から取得した前記識別結果を前記第2の情報処理装置に送信して、前記第2の情報処理装置から、前記第1のコンテンツと、前記第3の情報処理装置から配信される第2のコンテンツとを切り替える動作を制御するためのコマンドを取得するコマンド取得部と、
前記第2の情報処理装置から取得した前記コマンドに応じて、前記第1のコンテンツから、前記第3の情報処理装置から配信される前記第2のコンテンツに切り替える動作を制御する制御部と
を備え、
前記第1の情報処理装置は、
前記受信装置からの問い合わせに応じて、前記特徴量を用いて前記第1のコンテンツを識別することで得られる前記識別結果を提供する第1の提供部を備え、
前記第2の情報処理装置は、
前記受信装置からの問い合わせに応じて、前記識別結果に応じた前記コマンドを提供する第2の提供部を備え、
前記第3の情報処理装置は、
前記受信装置からの問い合わせに応じて、前記第2のコンテンツを配信する配信部を備える
情報処理システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate


【公開番号】特開2013−93740(P2013−93740A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−234555(P2011−234555)
【出願日】平成23年10月26日(2011.10.26)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】