説明

受信装置、通信装置および送信装置

【課題】フェージング変動が緩やかな環境においても受信性能の劣化を低く抑えることが可能な受信装置を得ること。
【解決手段】本発明は、移動可能な通信装置を構成する受信装置であって、指向性が可変の指向性アンテナ11と、指向性アンテナ11が受信した信号を復調する復調部13と、復調部13で復調された信号に対して誤り訂正復号を行う誤り訂正復号部14と、指向性アンテナ11の指向性を誤り訂正符号化単位以下の時間間隔で変化させる指向性制御部12と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鋭い指向性を有する指向性アンテナを使用して無線通信を行う通信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信では、気象条件や構造物などでの反射・回折の影響、送信局・受信局の移動などにより、無線伝搬路特性が時間的に変動する。この現象はフェージングと呼ばれており、受信性能の劣化を引き起こす。そこで無線通信システムでは、一般的に、フェージングによる受信性能の劣化を軽減するために、非特許文献1に示されるようにインタリーブと誤り訂正符号化が適用されている。フェージングによって生じるバースト誤りを、インタリーブによってランダム誤りに変換することで、誤り訂正符号による誤り訂正効果を向上させることが可能である。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】「わかりやすいOFDM技術」(オーム社)、2005年11月15日、p.123-p.128
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、バースト誤りが誤り訂正符号化単位(以下、フレームと呼ぶ)よりも時間的に長く継続すると、インタリーブによる並び替えの効果がなくなり、誤り訂正効果が小さくなるという問題がある。また、受信電力が長時間に渡り連続して落ち込むと、数フレーム間連続してフレーム誤りが発生し、通信が時間的に連続して不能となる問題がある。すなわち、フェージングによる時間変動が緩やかな環境下では、受信性能が劣化する。
【0005】
フェージング変動が緩やかになる場合の例として、移動局の移動速度が遅い場合や受信局での受信波の到来角が限定される場合などが挙げられる。受信局での受信波の到来角が限定される場合、文献“唐沢好男著「ディジタル移動通信の電波伝搬基礎」(コロナ社)、2003年3月17日、p.68-p.69”に示されるように、移動局の移動に伴うドップラー広がりが限定的となるため、低速移動環境下と同様にフェージング変動が緩やかとなる。したがって、指向性の鋭い指向性アンテナを使用する場合、常に受信局での受信波の到来角が限定的となるため、移動局の移動速度によらずフェージング変動が緩やかとなり、受信性能が劣化する。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、フェージング変動が緩やかな環境においても受信性能の劣化を低く抑えることが可能な受信装置、通信装置および送信装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、移動可能な通信装置を構成する受信装置であって、指向性が可変の指向性アンテナと、前記指向性アンテナが受信した信号を復調する復調部と、前記復調部で復調された信号に対して誤り訂正復号を行う誤り訂正復号部と、前記指向性アンテナの指向性を誤り訂正符号化単位以下の時間間隔で変化させる指向性制御部と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、フェージング変動が緩やかな環境において受信性能が劣化するのを防止できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、実施の形態1の受信装置の構成例を示す図である。
【図2】図2は、指向性アンテナの指向性制御動作を説明するための図である。
【図3】図3は、ドップラースペクトルの広がりを示す図である。
【図4】図4は、実施の形態1の受信装置の変形例を示す図である。
【図5】図5は、実施の形態1の受信装置の変形例を示す図である。
【図6】図6は、実施の形態1の受信装置の変形例を示す図である。
【図7】図7は、実施の形態2の受信装置の構成例を示す図である。
【図8】図8は、実施の形態2の受信装置の変形例を示す図である。
【図9】図9は、実施の形態2の受信装置の変形例を示す図である。
【図10】図10は、実施の形態3の受信装置の構成例を示す図である。
【図11】図11は、実施の形態3の受信装置の変形例を示す図である。
【図12】図12は、実施の形態3の受信装置の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明にかかる受信装置、通信装置および送信装置の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0011】
実施の形態1.
図1は、本発明にかかる受信装置の実施の形態1の構成例を示す図である。この受信装置1は、無線信号を送受信する通信装置を構成している。通信装置は移動可能なものとし、例えば、移動体通信システムの移動局とする。
【0012】
図1に示したように、本実施の形態の受信装置1は、指向性アンテナ11、指向性制御部12、復調部13および誤り訂正復号部14を備えている。
【0013】
受信装置1において、指向性アンテナ11は、図示を省略した通信相手無線装置(以下、対向装置と呼ぶ)から送信された信号を受信する。この指向性アンテナ11は鋭い指向性を持っており、フレーム内のフェージング変動はほとんどないものとする。また、指向性アンテナ11の指向性は変更できるものとする。
【0014】
指向性制御部12は、指向性アンテナ11の指向性を制御する。復調部13は、指向性アンテナ11で受信した信号を復調する。誤り訂正復号部14は、復調部13により復調された信号に対して誤り訂正復号処理を行い、最終的な受信信号を得る。
【0015】
続いて、指向性制御部12の動作を説明する。既に説明したように、指向性制御部12では、指向性アンテナ11の指向性を変化させる。このとき、フレーム長よりも時間的に短い間隔で指向性アンテナ11の指向性を変化させる。ただし、指向性を変化させる間隔は、受信装置1を備えた通信装置を含む無線通信システムにおけるコヒーレント時間以上とする。
【0016】
このように、フレーム長より短い間隔で指向性を変化させることで、フレーム内に擬似的にフェージング変動を与えることができ、それにより誤り訂正能力を向上させることができる。よって受信性能を改善できる。
【0017】
また、指向性を変化させる間隔をフレーム長と同程度としてもよい。フレーム長と同程度の間隔で指向性を変化させた場合、フレーム内のフェージング変動を緩やかにできるため、簡易な回路でフェージング変動の補償が可能となり、復調部13を簡略化できる。また、フレーム単位で指向性を変化させるため、フレーム間ではフェージング変動を与えることができ、その結果、連続的なフレーム誤りを抑圧できる。
【0018】
続いて、指向性アンテナ11の指向性方向について説明する。指向性制御部12は、指向性アンテナ11の指向性を、受信装置1(移動局)の移動方向に対して垂直方向、または水平方向に変化させる。一例として、受信装置1の移動方向に対して水平方向に指向性アンテナ11の指向性を変化させる場合について説明する。図2は指向性アンテナ11の指向性制御動作を説明するための図であり、指向性アンテナ11の指向性を示す放射パターン15と受信装置1の移動方向とがなす角をθとしている。なお、図1と同符号のものは同一の動作を行うため説明を省略する。また、受信装置1の構成要素のうち、指向性アンテナ11以外については記載を省略している。
【0019】
θ=0,θ1,θ2のとき(|θ1|<|θ2|)のドップラースペクトルの広がりは図3のようになり、それぞれのθで異なる伝搬路変動となる。ただし、図3におけるfDは最大ドップラー周波数である。したがって、指向性アンテナ11の指向性を受信装置1の移動方向に対して水平方向に変化させることで擬似的にフェージング変動を与えることができる。
【0020】
以上のように、指向性アンテナ11の指向性を移動方向に対して水平方向に変化させることで、フレーム内またはフレーム間に、擬似的にフェージング変動を与えることができ、受信性能を改善することができる。また、指向性アンテナ11の指向性を移動方向に対して垂直方向に変化させる場合においても、指向性を水平方向に変化させる場合と同様の効果が得られる。
【0021】
また、指向性アンテナ11のビーム幅(半値角)をφ[度]とすると、指向性アンテナ11の指向性をボアサイト方向または受信装置1の移動方向に対して、水平方向または垂直方向に−φ[度]〜+φ[度]の間で変化させるようにしてもよい。
【0022】
以上のように、指向性アンテナ11の指向性制御の範囲を限定することで、受信信号の到来角が限定される場合に、受信アンテナのビーム内に受信信号が到来する確率を高めることができ、かつ、受信信号電力を誤り訂正符号化単位以下の時間間隔で変化させることができるため、擬似的にフェージング変動を与えることができる。
【0023】
また、指向性制御の範囲は上記例に限定されることはなく、a,bを定数とすると、指向性アンテナ11の指向性をボアサイト方向または受信装置1の移動方向に対して、水平方向または垂直方向に−aφ[度]〜+bφ[度]の間で変化させるようにしてもよい。
【0024】
また、指向性アンテナ11の指向性をボアサイト方向または受信装置1の移動方向に対して、水平方向と垂直方向に同時に変化させる構成としてもよい。例えば、中心が指向性アンテナ11のボアサイト方向または受信装置1の移動方向である円、楕円、円弧、渦または多角形を描くようにして指向性を変化させてもよい。このような構成としても、指向性を水平方向のみ、または垂直方向のみに変化させる場合と同様の効果が得られる。
【0025】
また、指向性アンテナ11の指向性をランダムに変化させても、上記と同様の効果が得られる。
【0026】
また、指向性アンテナ11の指向性を水平方向と垂直方向に同時に変化させる場合においても、指向性を水平方向または垂直方向に変化させる場合と同様に、指向性の変化範囲を限定してもよい。
【0027】
また、受信装置1の周囲の環境により指向性アンテナ11の指向性制御方法を変更してもよい。図4は受信装置1(図1)に位置情報取得部16を追加したものである。位置情報取得部16はGPS(Global Positioning System)などにより、受信装置1の位置情報を取得し、受信装置1の位置情報または受信装置1の周囲の環境情報を指向性制御部12へ出力する。指向性制御部12は受信装置1の位置情報または受信装置1の周囲の環境情報を用いて指向性アンテナ11の指向性を制御する。一例として、受信装置1の周囲の環境がトンネル内のように全方向からの反射波が期待できるような環境では円を描くように指向性を変化させ、受信装置1の周囲の環境が明かり区間のように反射波として大地反射が支配的な環境では、大地面方向に半円を描くように指向性を変化させる。このような構成とすることで、不要な方向への指向性変化を抑圧し、効率よく受信信号にフェージング変動を与えることができる。
【0028】
受信装置1を変形し、図5に示した構成とした場合にも同様に、受信性能を改善できる。図5に示した受信装置1aは、図1に示した受信装置1に対して受信電力計算部21を追加するとともに指向性制御部12を指向性制御部22に置き換えたものである。これら以外の構成要素については上述した受信装置1が備えていたものと同様である。よって、説明は省略する。
【0029】
受信電力計算部21は、指向性アンテナ11で受信した受信信号の受信信号電力を計算し、指向性制御部22へ出力する。指向性制御部22は、上述した指向性制御部12と同様に指向性アンテナ11の指向性を制御する。指向性制御部22による指向性の制御動作そのものは指向性制御部11と同様である。ただし、指向性制御部22は、受信電力計算部21から入力される受信信号電力値が所定の閾値を上回ると、指向性制御を終了する。また、指向性制御部22は、入力される受信信号電力値が閾値を下回ると、指向性アンテナ11の指向性制御を再開する。すなわち、指向性制御部22は、受信信号電力値が閾値以下となっている状態において、指向性アンテナ11の指向性を制御する(変化させる)。閾値は、例えば、受信装置1aにおける所要品質と同程度または少し大きな値とする。
【0030】
フェージング変動が緩やかな環境では、受信信号電力が高い(受信信号を復調するために十分な受信電力となる)時間が長時間継続する。そのため、受信信号電力が高い場合に指向性制御を行うと、受信信号電力が低下し、受信性能がかえって劣化する可能性がある。このような事情を考慮して受信装置1aの構成を上記のようにしている。受信装置1aによれば、受信信号電力が一定値以上の場合は指向性制御を停止させることができ、受信信号電力が高い場合の不要なフェージング変動を抑圧することができる。受信信号電力が低下するとフレーム内またはフレーム間に擬似的にフェージング変動を与えることができ、受信性能を改善することができる。
【0031】
なお、指向性制御の終了/再開の指標を受信信号電力としたが、これに限る必要はなく、その他の指標を使用してもよい。受信品質に関連する指標であればよく、所要の受信品質が満たされている場合には指向性制御を停止し、満たされていない場合には指向性制御を行うようにすればよい。例えば、図6に示した構成が考えられる。
【0032】
図6は、図1に示した受信装置1の変形例を示す図である。図6に示した受信装置1bは、受信装置1の指向性制御部12および復調部13を指向性制御部31および復調部32に置き換えたものである。これら以外の構成要素については上述した受信装置1が備えていたものと同様である。よって、説明は省略する。
【0033】
復調部32は、指向性アンテナ11で受信した受信信号の復調処理を行うとともに、受信信号のSNR(Signal to Noise power Ratio)を測定し、測定結果(SNR値)を指向性制御部31へ出力する。指向性制御部31は、復調部32から入力されるSNR値と所定の閾値とを比較し、SNR値が閾値を上回っている状態では指向性制御を行わないようにする。受信装置1aと受信装置1bとの違いは、指向性制御を行うか否かを受信電力で判断するかSNRで判断するかである。
【0034】
受信装置1bでは指向性制御の終了/再開の指標としてSNRを使用することとしたが、SIR(Signal to Interference power Ratio)やSINR(Signal to Interference plus Noise power Ratio)などを使用してもよい。
【0035】
また、誤り訂正復号部14からCRC(Cyclic Redundancy Check)結果を指向性制御部31へ入力し、指向性制御部31において、CRC結果がOKであれば指向性制御を終了し、CRC結果がNGであれば指向性制御を継続または再開するような構成としてもよい。
【0036】
以上の例では、受信品質が閾値を上回ると指向性制御を終了させる例について説明したが、指向性制御の終了条件はこれに限る必要はない。例えば、受信品質が閾値を下回ると指向性制御を再開させ、一定期間、例えば1フレーム時間、指向性制御を継続させる。そして、その一定期間中で最も受信品質がよくなる指向性を選択し、以後の通信に使用するようにしてもよい。このような構成とすることで、受信品質がよりよい指向性を使用して通信を継続することが可能となる。
【0037】
また、円、楕円または多角形を描くようにして指向性を変化させる場合、前記一定期間を、円周または辺(外辺)の一周分だけ指向性を変化させるのに要する時間としてもよい。このような構成とすることで、指向性方向として設定可能なすべての指向性の中から受信品質が最良となる指向性を選択することが可能となる。
【0038】
また、円弧を描くようにして指向性を変化させる場合、前記一定期間を、円弧の端から端まで指向性を変化させるのに要する時間としてもよい。このような構成とすることで、指向性方向として設定可能なすべての指向性の中から受信品質が最良となる指向性を選択することが可能となる。
【0039】
以上のように、本実施の形態の受信装置は、指向性アンテナの指向性を1フレーム時間(誤り訂正符号化単位)よりも短い間隔で変化させるようにしたので、フェージング変動が緩やかな環境において受信性能が劣化するのを防止できる。また、所要の受信品質が得られている場合には指向性を変化させないようにしたので、不必要に指向性を変化させて受信品質が劣化してしまうのを防止できる。
【0040】
実施の形態2.
実施の形態1では単一の指向性アンテナを備えた受信装置について説明したが、本実施の形態では複数の指向性アンテナを備えた受信装置について説明する。
【0041】
図7は、実施の形態2の受信装置の一例を示す図である。図7に示した受信装置1cは、実施の形態1で説明した受信装置1の指向性アンテナ11および指向性制御部12を指向性アンテナ41〜44、アンテナ選択部45およびセレクタ46に置き換えたものである。本実施の形態では、受信装置1と異なる部分について説明する。
【0042】
受信装置1cでは、指向性アンテナ41〜44を、放射パターン(指向性の方向)がそれぞれ異なるように配置する。ここで指向性アンテナ41〜44は、指向性アンテナ11と異なり、指向性を変化できる必要はない。ただし、指向性アンテナ41〜44は、指向性アンテナ11と同様に鋭い指向性を持っており、フレーム内のフェージング変動はほとんどないものとする。
【0043】
指向性アンテナ41〜44は、図示しない対向装置から送信された信号を受信する。指向性アンテナ41〜44で受信した各受信信号はセレクタ46に入力される。セレクタ46は、アンテナ選択部45からの指示に従い、指向性アンテナによる受信信号の中の1つを選択して、復調部13へ出力する。
【0044】
アンテナ選択部45は、セレクタ46が選択する指向性アンテナ(指向性アンテナからの入力信号)が一定間隔で変更されるようにセレクタ46を制御する。選択する指向性アンテナを変更させる時間間隔は、上述した指向性制御部12が指向性アンテナ11の指向性を変化させる時間間隔と同様とする。指向性アンテナ(受信信号)の選択順については特に規定しないが、各指向性アンテナでの受信信号が均等に選択されるようにセレクタ46を制御する。
【0045】
以上のような構成とすることで、1本の指向性アンテナの指向性を変化させた場合と同様の効果(実施の形態1と同様の効果)を得ることができる。
【0046】
なお、指向性アンテナの本数を4として説明したが、アンテナ数をこれに限定するものではない。指向性アンテナの本数をN(Nは2以上の整数)とすれば、受信性能の改善効果が得られる。
【0047】
図8は、実施の形態2の受信装置の変形例を示す図である。図8に示した受信装置1dは、図7に示した受信装置1cに対して受信電力計算部51を追加するとともにアンテナ選択部45をアンテナ選択部52に置き換えたものである。これら以外の構成要素については上述した受信装置1cが備えていたものと同様である。よって、説明は省略する。
【0048】
受信電力計算部51は、指向性アンテナ41〜44で受信した受信信号の受信信号電力をそれぞれ計算し、アンテナ選択部52へ出力する。アンテナ選択部52は、受信電力計算部51から入力された、指向性アンテナ41〜44での受信信号電力値に基づき、使用する指向性アンテナを選択し、選択した指向性アンテナで受信した信号を選択するようセレクタ46に指示する。
【0049】
アンテナ選択部52におけるアンテナ選択方法について説明する。アンテナ選択部52では、入力される各指向性アンテナ41〜44における受信信号電力を比較し、受信信号電力が最大となる指向性アンテナを復調に使用するアンテナとして選択し、選択した指向性アンテナによる受信信号を復調部13へ出力するようセレクタ46に指示する。アンテナ選択部52が選択する指向性アンテナを変化させる時間間隔は、上述した受信装置1cのアンテナ選択部45と同様とする。
【0050】
以上の構成とすることにより、受信装置1cと同様の効果が得られる。なお、受信装置1cと同様に、指向性アンテナの本数は2以上であればよい。
【0051】
また、図9に示した構成の受信装置としてもよい。図9は、実施の形態2の受信装置の変形例を示す図である。図9に示した受信装置1eは、図7に示した受信装置1cの復調部13およびアンテナ選択部45を復調部32およびアンテナ選択部61に置き換えたものである。これら以外の構成要素については上述した受信装置1cが備えていたものと同様である。よって、説明は省略する。また、復調部32は実施の形態1で説明した受信装置1bが備えていた復調部32と同じものである。この復調部32についても説明を省略する。
【0052】
アンテナ選択部61は、復調部32から入力されるSNR,SIR,SINRなどの受信品質情報と所定の閾値とを比較する。受信品質情報が閾値を上回っている場合は使用する指向性アンテナを変更しない。一方、受信品質情報が閾値を下回っている場合は使用する指向性アンテナを変更する。使用する指向性アンテナの変更方法はランダムとしてもよいし、使用中の指向性アンテナと指向性の方向が最も異なる指向性アンテナに変更するようにしてもよい。アンテナ選択部61が選択する指向性アンテナを変化させる時間間隔は、上述した受信装置1cのアンテナ選択部45と同様とする。閾値は、例えば、受信装置1eにおける所要品質と同程度または少し大きな値を設定する。
【0053】
以上の構成とすることにより、受信装置1aや1bと同様の効果が得られる。なお、受信装置1cと同様に、指向性アンテナの本数は2以上であればよい。
【0054】
実施の形態3.
本実施の形態では、実施の形態2と同様に、複数の指向性アンテナを備えた受信装置について説明する。ただし、各指向性アンテナは指向性を変更可能なものとする。
【0055】
図10は、実施の形態3の受信装置の一例を示す図である。図10に示した受信装置1fは、実施の形態1で説明した受信装置1に対して指向性アンテナ71を追加するとともに、指向性制御部12および復調部13を指向性制御部72および復調部73に置き換えたものである。本実施の形態では、受信装置1と異なる部分について説明する。
【0056】
指向性アンテナ11および71は、図示しない対向装置から送信された信号を受信する。指向性アンテナ71は指向性アンテナ11と同機能を有するものとする。指向性アンテナ11および71で受信された各受信信号は復調部73に入力される。復調部73は、入力された複数の信号をダイバシティ復調する。
【0057】
指向性制御部72は、指向性アンテナ11および71の指向性を制御する。このとき、1本以上の指向性アンテナを変化させることとし、かつ変化させた後の指向性アンテナ11および71の指向性がそれぞれ異なる指向性となるように制御する。なお、指向性制御部72が指向性アンテナ11および71の指向性を変化させる時間間隔/指向性変化方向/指向性変化範囲は、上述した指向性制御部12が指向性アンテナ11の指向性を変化させる時間間隔/指向性変化方向/指向性変化範囲と同様とする。
【0058】
以上のような構成とすることで、受信ダイバシティ時において、各受信アンテナ(指向性アンテナ)における受信信号に異なるフェージング変動を与えることができる。よって、各受信アンテナにおける受信信号電力が同時に低下する確率を低減することができ、受信性能を改善することができる。また、受信ダイバシティ時においても実施の形態1,2と同様の効果を得ることができる。
【0059】
なお、指向性アンテナの本数を2として説明したが、アンテナ数をこれに限定するものではない。指向性アンテナの本数をN(Nは2以上の整数)とすれば、受信性能の改善効果が得られる。
【0060】
図11は、実施の形態3の受信装置の変形例を示す図である。図11に示した受信装置1gは、図10に示した受信装置1fに対して受信電力計算部81を追加するとともに指向性制御部72を指向性制御部82に置き換えたものである。これら以外の構成要素については上述した受信装置1fが備えていたものと同様である。よって、説明は省略する。
【0061】
受信電力計算部81は、指向性アンテナ11および71で受信した受信信号の受信信号電力をそれぞれ計算し、指向性制御部82へ出力する。指向性制御部82は、受信電力計算部81から入力された、指向性アンテナ11および71での受信信号電力値に基づき、指向性アンテナ11および71の指向性を制御する。
【0062】
指向性制御部82における指向性制御方法について説明する。指向性制御部82は、入力される各受信信号電力(各指向性アンテナ11,71における受信信号電力)と閾値を比較し、受信信号電力が閾値を上回っている指向性アンテナについては、その指向性を変化させない。一方、受信信号電力が閾値を下回っている指向性アンテナについては、その指向性を変化させる。指向性アンテナ11および71の受信信号電力が同時に閾値を下回っている場合には、指向性アンテナ11および71の指向性がそれぞれ異なるように指向性アンテナ11および71の指向性を変化させる。なお、指向性制御部82が指向性アンテナ11および71の指向性を変化させる時間間隔は、上述した指向性制御部12が指向性アンテナ11の指向性を変化させる時間間隔と同様とする。
【0063】
以上のような構成とすることで、受信ダイバシティ時においても実施の形態1で示した受信装置1aと同様の効果を得ることができる。すなわち、受信信号電力が高い場合の不要なフェージング変動を抑圧するとともに、受信信号電力が低い場合には、フレーム内に擬似的にフェージング変動を与えて誤り訂正能力を向上させることができる。なお、受信装置1fと同様に、指向性アンテナの本数は2以上であればよい。
【0064】
また、図12に示した構成の受信装置としてもよい。図12は、実施の形態3の受信装置の変形例を示す図である。図12に示した受信装置1hは、図10に示した受信装置1fの指向性制御部72および復調部73を指向性制御部91および復調部92に置き換えたものである。これら以外の構成要素については上述した受信装置1fが備えていたものと同様である。よって、説明は省略する。
【0065】
復調部92は、指向性アンテナ11および71で受信した受信信号の復調処理を行うとともに、各受信信号の受信品質を測定する。例えば、受信品質として、SNR、SIRまたはSINRを測定する。また、測定結果を指向性制御部91へ出力する。指向性制御部91は、復調部92から入力される受信品質情報(SNR値、SIR値、SINR値など)と所定の閾値とを比較し、受信品質が閾値を上回っている指向性アンテナについては指向性制御を行わないようにする。指向性を変更する場合には、指向性アンテナ11および71の指向性がそれぞれ異なるようにする。指向性制御部91が指向性を変化させる時間間隔は、上述した指向性制御部12が指向性アンテナ11の指向性を変化させる時間間隔と同様とする。閾値は、例えば、受信装置1hにおける所要品質と同程度または少し大きな値を設定する。
【0066】
以上の例では、受信品質が閾値を上回ると指向性制御を終了させる例について説明したが、指向性制御の終了条件はこれに限る必要はない。例えば、受信品質が閾値を下回ると指向性制御を再開させ、一定期間、例えば1フレーム時間、指向性制御を継続させる。そして、その一定期間中で最も受信品質がよくなる指向性を選択し、以後の通信に使用するようにしてもよい。このような構成とすることで、受信品質がよりよい指向性を使用して通信を継続することが可能となる。
【0067】
また、円、楕円または多角形を描くようにして指向性を変化させる場合、前記一定期間を、円周または辺の一周分だけ指向性を変化させるのに要する時間としてもよい。このような構成とすることで、指向性方向として設定可能なすべての指向性の中から受信品質が最良となる指向性を選択することが可能となる。
【0068】
また、円弧を描くようにして指向性を変化させる場合、前記一定期間を、円弧の端から端まで指向性を変化させるのに要する時間としてもよい。このような構成とすることで、指向性方向として設定可能なすべての指向性の中から受信品質が最良となる指向性を選択することが可能となる。
【0069】
以上のような構成とすることにより、上述した受信装置1gと同様の効果を得ることができる。なお、受信装置1fと同様に、指向性アンテナの本数は2以上であればよい。
【0070】
各実施の形態では、受信装置を想定し、受信アンテナの指向性を制御する方法について示したが、送信側の通信装置(送信装置)が送信アンテナの指向性を制御するようにしても同様の効果が得られる(受信側での受信性能が向上する)。送信装置は、例えば、指向性アンテナ、指向性制御部、変調部および誤り訂正符号化部を備え、指向性制御部が、上述した受信装置が備えていた指向性制御部と同様の制御を行う。
【産業上の利用可能性】
【0071】
以上のように、本発明は、指向性の鋭いアンテナを備えた受信装置の受信性能を向上させる場合に有用であり、特に、フェージング変動が緩やかな環境における受信性能劣化を抑えることが可能な受信装置に適している。
【符号の説明】
【0072】
1,1a,1b,1c,1d,1e,1f,1g,1h 受信装置
11,41,42,43,44,71 指向性アンテナ
12,22,31,72,82,91 指向性制御部
13,32,73,92 復調部
14 誤り訂正復号部
15 放射パターン
16 位置情報取得部
21,51,81 受信電力計算部
45,52,61 アンテナ選択部
46 セレクタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動可能な通信装置を構成する受信装置であって、
指向性が可変の指向性アンテナと、
前記指向性アンテナが受信した信号を復調する復調部と、
前記復調部で復調された信号に対して誤り訂正復号を行う誤り訂正復号部と、
前記指向性アンテナの指向性を誤り訂正符号化単位以下の時間間隔で変化させる指向性制御部と、
を備えることを特徴とする受信装置。
【請求項2】
前記指向性制御部は、受信品質に関係なく、常に前記指向性アンテナの指向性を変化させる制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の受信装置。
【請求項3】
前記指向性制御部は、受信品質が所定の閾値以下の場合に、前記指向性アンテナの指向性を変化させる制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の受信装置。
【請求項4】
前記指向性制御部は、受信品質が所定の閾値以上となると、前記指向性アンテナの指向性を変化させる制御を停止することを特徴とする請求項3に記載の受信装置。
【請求項5】
前記指向性制御部は、受信品質が所定の閾値以下となると、一定期間前記指向性アンテナの指向性を変化させる制御を行い、当該一定期間中で受信品質が最良となる指向性を選択することを特徴とする請求項1に記載の受信装置。
【請求項6】
前記一定期間を前記誤り訂正符号化単位とすることを特徴とする請求項5に記載の受信装置。
【請求項7】
前記受信品質として、受信信号電力、SNR、SIRまたはSINRを使用することを特徴とする請求項2〜6のいずれか一つに記載の受信装置。
【請求項8】
前記指向性制御部は、前記指向性アンテナの指向性を変化させる際、移動方向に対して垂直方向または水平方向に指向性を変化させることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一つに記載の受信装置。
【請求項9】
前記指向性制御部は、前記指向性アンテナの指向性を変化させる際、ボアサイト方向または移動方向に対して垂直方向と水平方向の指向性を同時に変化させることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一つに記載の受信装置。
【請求項10】
前記指向性制御部は、前記指向性アンテナの指向性を変化させる際、円、楕円、円弧、渦または多角形を描くように指向性を変化させることを特徴とする請求項9に記載の受信装置。
【請求項11】
前記円、楕円、円弧、渦または多角形の中心がボアサイト方向または移動方向であることを特徴とする請求項10に記載の受信装置。
【請求項12】
前記指向性制御部は、前記指向性アンテナの指向性を変化させる際、ランダムに指向性を変化させることを特徴とする請求項9に記載の受信装置。
【請求項13】
前記指向性制御部は、前記指向性アンテナの指向性を変化させる際、ボアサイト方向または移動方向に対して垂直方向と水平方向の指向性を、同時に、かつ円、楕円、円弧または多角形を描くように変化させ、
前記一定期間を、指向性を前記円、楕円または多角形の円周または外辺の一周分だけ変化させるために要する時間、または指向性を前記円弧の端から端まで変化させるために要する時間とすることを特徴とする請求項5に記載の受信装置。
【請求項14】
自身の位置情報を取得して位置情報を生成する、または自身の位置情報を取得して当該位置情報に基づいて周囲の環境情報を算出する位置情報取得部をさらに備え、
前記指向性制御部は、前記指向性アンテナの指向性を変化させる際、前記位置情報または前記環境情報に基づいて指向性制御方法を変更することを特徴とする請求項1〜13のいずれか一つに記載の受信装置。
【請求項15】
移動可能な通信装置を構成する受信装置であって、
指向性がそれぞれ異なる方向に設定された複数の指向性アンテナと、
前記複数の指向性アンテナの中のいずれか一つを選択し、選択した指向性アンテナが受信した信号を出力するセレクタと、
前記セレクタから出力された信号を復調する復調部と、
前記復調部で復調された信号に対して誤り訂正復号を行う誤り訂正復号部と、
前記セレクタを制御し、選択する指向性アンテナを誤り訂正符号化単位以下の時間間隔で変更させるアンテナ選択部と、
を備えることを特徴とする受信装置。
【請求項16】
移動可能な通信装置を構成する受信装置であって、
指向性がそれぞれ異なる方向に設定された複数の指向性アンテナと、
前記複数の指向性アンテナの中のいずれか一つを選択し、選択した指向性アンテナが受信した信号を出力するセレクタと、
前記セレクタから出力された信号を復調する復調部と、
前記復調部で復調された信号に対して誤り訂正復号を行う誤り訂正復号部と、
前記セレクタを制御し、受信信号電力が最大となる信号を受信している指向性アンテナを選択させるアンテナ選択部と、
を備えることを特徴とする受信装置。
【請求項17】
移動可能な通信装置を構成する受信装置であって、
指向性がそれぞれ異なる方向に設定された複数の指向性アンテナと、
前記複数の指向性アンテナの中のいずれか一つを選択し、選択した指向性アンテナが受信した信号を出力するセレクタと、
前記セレクタから出力された信号を復調する復調部と、
前記復調部で復調された信号に対して誤り訂正復号を行う誤り訂正復号部と、
前記セレクタから出力された信号の品質が所定の閾値を下回っていることを検出するごとに、前記セレクタを制御して選択する指向性アンテナを変更させるアンテナ選択部と、
を備えることを特徴とする受信装置。
【請求項18】
前記セレクタから出力された信号の品質として、SNR、SIRまたはSINRを使用することを特徴とする請求項17に記載の受信装置。
【請求項19】
前記アンテナ選択部は、前記セレクタを制御して指向性アンテナを選択させる処理を誤り訂正符号化単位以下の時間間隔で繰り返すことを特徴とする請求項16または17に記載の受信装置。
【請求項20】
移動可能な通信装置を構成する受信装置であって、
指向性が可変の複数の指向性アンテナと、
前記複数の指向性アンテナが受信した信号をダイバシティ復調する復調部と、
前記復調部で復調された信号に対して誤り訂正復号を行う誤り訂正復号部と、
前記複数の指向性アンテナのうち、1本以上の指向性アンテナの指向性を誤り訂正符号化単位以下の時間間隔で変化させる指向性制御部と、
を備え、
前記指向性制御部は、前記指向性アンテナの指向性を変化させる際に、変化させた後の各指向性アンテナの指向性がそれぞれ異なるものとなるように制御することを特徴とする受信装置。
【請求項21】
前記指向性制御部は、受信品質に関係なく、常に前記指向性アンテナの指向性を変化させる制御を行うことを特徴とする請求項20に記載の受信装置。
【請求項22】
前記指向性制御部は、受信品質が所定の閾値以下の場合に、前記指向性アンテナの指向性を変化させる制御を行うことを特徴とする請求項20に記載の受信装置。
【請求項23】
前記指向性制御部は、受信品質が所定の閾値以上となると、前記指向性アンテナの指向性を変化させる制御を停止することを特徴とする請求項22に記載の受信装置。
【請求項24】
前記指向性制御部は、受信品質が所定の閾値以下となると、一定期間前記指向性アンテナの指向性を変化させる制御を行い、当該一定期間中で受信品質が最良となる指向性を選択することを特徴とする請求項20に記載の受信装置。
【請求項25】
前記一定期間を誤り訂正符号化単位とすることを特徴とする請求項24に記載の受信装置。
【請求項26】
前記受信品質として受信信号電力、SNR、SIRまたはSINRを使用することを特徴とする請求項22〜25のいずれか一つに記載の受信装置。
【請求項27】
前記指向性制御部は、前記指向性アンテナの指向性を変化させる際、移動方向に対して垂直方向または水平方向に指向性を変化させることを特徴とする請求項20〜26のいずれか一つに記載の受信装置。
【請求項28】
前記指向性制御部は、前記指向性アンテナの指向性を変化させる際、ボアサイト方向または移動方向に対して垂直方向と水平方向の指向性を同時に変化させることを特徴とする請求項20〜26のいずれか一つに記載の受信装置。
【請求項29】
前記指向性制御部は、前記指向性アンテナの指向性を変化させる際、円、円弧、渦または多角形を描くように指向性を変化させることを特徴とする請求項28に記載の受信装置。
【請求項30】
前記円、楕円、円弧、渦または多角形の中心がボアサイト方向または移動方向であることを特徴とする請求項29に記載の受信装置。
【請求項31】
前記指向性制御部は、前記指向性アンテナの指向性を変化させる際、ランダムに指向性を変化させることを特徴とする請求項28に記載の受信装置。
【請求項32】
前記指向性制御部は、前記指向性アンテナの指向性を変化させる際、ボアサイト方向または移動方向に対して垂直方向と水平方向の指向性を、同時に、かつ円、楕円、円弧または多角形を描くように変化させ、
前記一定期間を、指向性を前記円、楕円または多角形の円周または外辺の一周分だけ変化させるために要する時間、または指向性を前記円弧の端から端まで変化させるために要する時間とすることを特徴とする請求項24に記載の受信装置。
【請求項33】
自身の位置情報を取得して位置情報を生成する、または自身の位置情報を取得して当該位置情報に基づいて周囲の環境情報を算出する位置情報取得部をさらに備え、
前記指向性制御部は、前記指向性アンテナの指向性を変化させる際、前記位置情報または前記環境情報に基づいて指向性制御方法を変更することを特徴とする請求項20〜32のいずれか一つに記載の受信装置。
【請求項34】
前記指向性アンテナの指向性を変化させる際、指向性アンテナを変化させる範囲を一定範囲に限定することを特徴とする請求項8〜13、27〜32のいずれか一つに記載の受信装置。
【請求項35】
前記指向性アンテナのビーム幅(半値角)をφ[度]とすると、前記一定範囲を、基準点を中心に−φ[度]〜+φ[度]とすることを特徴とする請求項34に記載の受信装置。
【請求項36】
前記指向性アンテナのビーム幅(半値角)をφ[度]とすると、前記一定範囲を、基準点を中心に−aφ[度]〜+bφ[度](a,bは定数)とすることを特徴とする請求項34に記載の受信装置。
【請求項37】
前記基準点を指向性アンテナのボアサイト方向または移動方向とすることを特徴とする請求項35または36に記載の受信装置。
【請求項38】
請求項1〜37のいずれか一つに記載の受信装置を備えることを特徴とする通信装置。
【請求項39】
移動可能な通信装置を構成する送信装置であって、
送信系列を誤り訂正符号化する誤り訂正符号化部と、
前記誤り訂正符号化部で誤り訂正符号化された信号を変調する変調部と、
前記変調部で変調された後の信号を送信する指向性アンテナと、
前記指向性アンテナの指向性を誤り訂正符号化単位以下の時間間隔で変化させる指向性制御部と、
を備えることを特徴とする送信装置。
【請求項40】
前記指向性制御部は、常に前記指向性アンテナの指向性を変化させる制御を行うことを特徴とする請求項39に記載の送信装置。
【請求項41】
前記指向性制御部は、前記指向性アンテナの指向性を変化させる際、ボアサイト方向または移動方向に対して垂直方向または水平方向に指向性を変化させることを特徴とする請求項39または40に記載の送信装置。
【請求項42】
前記指向性制御部は、前記指向性アンテナの指向性を変化させる際、ボアサイト方向または移動方向に対して垂直方向と水平方向の指向性を同時に変化させることを特徴とする請求項39または40に記載の送信装置。
【請求項43】
前記指向性制御部は、前記指向性アンテナの指向性を変化させる際、円、円弧、渦または多角形を描くように指向性を変化させることを特徴とする請求項42に記載の送信装置。
【請求項44】
前記円、楕円、円弧、渦または多角形の中心がボアサイト方向または移動方向であることを特徴とする請求項43に記載の送信装置。
【請求項45】
前記指向性制御部は、前記指向性アンテナの指向性を変化させる際、ランダムに指向性を変化させることを特徴とする請求項42に記載の送信装置。
【請求項46】
自身の位置情報を取得して位置情報を生成する、または自身の位置情報を取得して当該位置情報に基づいて周囲の環境情報を算出する位置情報取得部をさらに備え、
前記指向性制御部は、前記指向性アンテナの指向性を変化させる際、前記位置情報または前記環境情報に基づいて指向性制御方法を変更することを特徴とする請求項41〜45のいずれか一つに記載の送信装置。
【請求項47】
指向性アンテナの指向性を変化させる際、指向性アンテナを変化させる範囲を一定範囲に限定することを特徴とする請求項39〜46のいずれか一つに記載の送信装置。
【請求項48】
指向性アンテナのビーム幅(半値角)をφ[度]とすると、前記一定範囲を、基準点を中心に−φ[度]〜+φ[度]とすることを特徴とする請求項47に記載の送信装置。
【請求項49】
指向性アンテナのビーム幅(半値角)をφ[度]とすると、前記一定範囲を、基準点を中心に−aφ[度]〜+bφ[度](a,bは定数)とすることを特徴とする請求項47に記載の送信装置。
【請求項50】
前記基準点を指向性アンテナのボアサイト方向または移動方向とすることを特徴とする請求項48または49に記載の送信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−110724(P2013−110724A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−33736(P2012−33736)
【出願日】平成24年2月20日(2012.2.20)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】