説明

受講管理システムおよび受講管理方法

【課題】受講者が希望した臨場感ある状況での学習機会を提供し、受講者における学習効果や満足度を向上させる。
【解決手段】コンピュータが、入力装置105で受け付けるか、ユーザ端末200より受講要求を受けて記憶装置101に格納し、希望レッスンに対応する予習コンテンツを記憶装置101から読み出してユーザ端末200に配信する処理と、ユーザ端末200より送信された予習終了通知を受信し、希望レッスンの状況設定に対応する街路を記憶装置101にて特定し、希望レッスンの担当講師に関する情報を記憶装置101より特定し、前記特定した街路および担当講師に関する情報を含む開講通知をユーザ端末200に送信する処理と、開講通知の対象となった受講者の情報を記憶装置101から読み出し、この受講者の情報とレッスンを開講する街路の情報とを含む移動開始通知を講師端末300に送信する処理とを実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、受講管理システムおよび受講管理方法に関するものであり、具体的には、受講者が希望した臨場感ある状況での学習機会を提供し、受講者における学習効果や満足度を向上させる技術に関する。
【背景技術】
【0002】
実際の教室での講座のみならず、インターネットなど各種ネットワーク上などでも様々な学習機会が提供される昨今であるが、それだけに、受講者にとって学習効果や満足度が良好な学習機会を的確に選び取って受講するのは難しい。そこで学習効果を高めるべく各種の技術が提案されてきている。
【0003】
そうした技術としては、例えば、実際のコミュニケーションで遭遇した表現を効率的に学習できる装置、すなわち、自然言語解析処理で用いる処理用言語知識を記憶する知識記憶部と、前記処理用言語知識のうち語学学習に用いる学習用言語知識と、前記学習用言語知識に関する利用者向け解説を表す解説情報とを対応づけて記憶する解説記憶部と、利用者および前記利用者と異なる他者のいずれかの発話内容を表す入力文字列を入力する入力部と、前記処理用言語知識に基づいて前記入力文字列を自然言語解析処理し、当該自然言語解析処理に用いた前記処理用言語知識のうち前記学習用言語知識を特定する解析部と、前記入力文字列が前記利用者および前記他者のいずれの発話であるかを判定する判定部と、前記入力文字列が前記他者の発話である場合に、特定された前記学習用言語知識に対応づけられた前記解説情報を前記解説記憶部から取得する取得部と、取得された前記解説情報を前記利用者に出力する出力部と、を備えたことを特徴とする語学学習支援装置(特許文献1参照)などが提案されている。
【0004】
また、各学習者が学習素材の教材化に用いた教材化情報を学習者間で共用し、個々の学習者の教材化作業の負担を軽減するシステムとして、1または複数の学習端末と、学習支援装置を含み、各学習端末は、学習素材データに対し、教材化操作を行なう教材化操作手段と、教材化操作手段の操作に従い、教材化情報を作成する教材化情報作成手段と、学習素材データと教材化情報を用いて教材データを作成する教材作成手段と、 学習者に教材を提示する教材提示手段と、教材化情報を含む教材変換情報を外部の学習支援装置との間で送受する転送手段と、を備え、学習支援装置は、教材変換情報を蓄積する蓄積手段と、外部の学習端末から転送された教材変換情報を蓄積手段に蓄積したり、外部の学習端末からの要求に従い、蓄積した教材変換情報のリストまたは教材変換情報を転送する転送手段と、を備えたことを特徴とする学習システム(特許文献2参照)なども提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−32763号公報
【特許文献2】特開2010−2787号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来技術における学習機会は、いかに効率化されようとも教室や自宅などで提供されるものに留まっている。例えば語学教室であれば、実際の講師が眼前にいるとしても、教室や自宅の居室といった日常空間に設定した仮想的な状況での会話レッスンを行うだけであり、受講者からしてみればいわば本物の臨場感を体感しながらの受講は望めない。受講者にとって本当に体感したい様々な状況において学習機会を提供する技術は提案されてこなかった。
【0007】
そこで本発明の目的は、受講者が希望した臨場感ある状況での学習機会を提供し、受講者における学習効果や満足度を向上させる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決する本発明の受講管理システムは、他装置とネットワークを介して通信する通信装置と、開講されるレッスンとその状況設定、該当レッスンの担当講師、および該当レッスンの予習コンテンツの各データを格納したレッスンデータベースと、レッスン毎に状況設定された建物ないし組織と同属性の建物ないし組織が存在する街路の情報を含む地図データベースと、を記憶した記憶装置と、入力装置で受け付けるか、ユーザ端末より送信された、受講者の情報および希望レッスンの情報を含む受講要求を受けて記憶装置のユーザデータベースに格納し、前記希望レッスンに対応する予習コンテンツを記憶装置のレッスンデータベースから読み出して前記ユーザ端末に配信する処理と、前記ユーザ端末より送信された予習終了の通知を受信し、前記希望レッスンの状況設定に対応する街路を記憶装置の地図データベースにて特定し、前記希望レッスンの担当講師に関する情報を記憶装置のレッスンデータベースより特定し、前記特定した街路および担当講師に関する情報を含む開講通知を前記ユーザ端末に送信する処理と、前記開講通知の対象となった受講者の情報をユーザデータベースから読み出し、この受講者の情報とレッスンを開講する街路の情報とを含む移動開始通知を、出力装置またはレッスンデータベースから前記担当講師に関して読み出した講師端末のアドレスに宛てて送信する処理と、を実行する演算装置と、を備えることを特徴とする。
【0009】
なお、前記受講管理システムにおいて、前記演算装置が、ユーザ端末より送信された予習開始の通知を受信した時、当該予習開始の通知が含む受講者の識別情報をキーに記憶装置のユーザデータベースで情報検索を実行し、検索された受講者の情報と前記希望レッスンの情報とのうち少なくともいずれかを含む、受講準備通知を、出力装置またはレッスンデータベースから前記希望レッスンの担当講師に関して読み出した講師端末のアドレスに宛てて送信する処理を実行するものである、としてもよい。
【0010】
また、前記受講管理システムにおいて、前記演算装置が、複数のユーザ端末より前記受講要求ないし前記予習終了の通知を受信した時、各ユーザ端末の具備する位置測定手段が前記受講要求ないし予習終了の通知に付加した該当ユーザ端末の現在位置情報を、前記受講要求ないし前記予習終了の通知より読み取り、ここで読み取った各ユーザ端末の現在位置情報を前記地図データベースに照合して、地図上の所定範囲内に所在するユーザ端末を特定する処理と、前記特定したユーザ端末らに関して、送信してきた受講要求ないし予習終了の通知が示す希望レッスンが同一であるユーザ端末の数をカウントし、カウントしたユーザ端末数が所定数に達していれば、該当ユーザ端末群をなす各ユーザ端末に関して、最小単位の数の担当講師を記憶装置のレッスンデータベースより特定し前記開講通知に含める処理と、を実行するものであるとしてもよい。
【0011】
また、前記受講管理システムにおいて、前記演算装置が、複数のユーザ端末より前記予習開始の通知を受信した時、各ユーザ端末の具備する位置測定手段が前記予習開始の通知に付加した該当ユーザ端末の現在位置情報を、前記予習開始の通知より読み取り、ここで読み取った各ユーザ端末の現在位置情報を前記地図データベースに照合して、地図上の所定範囲内に所在するユーザ端末を特定する処理と、前記特定したユーザ端末らに関して、送信してきた予習開始の通知が示す希望レッスンが同一であるユーザ端末の数をカウントし、カウントしたユーザ端末数が所定数に達していれば、該当ユーザ端末群をなす各ユーザ端末に関して、最小単位の数の担当講師を記憶装置のレッスンデータベースより特定し前記開講通知に含める処理と、を実行するものであるとしてもよい。
【0012】
また、前記受講管理システムにおいて、前記演算装置が、複数のユーザ端末より前記受講要求ないし前記予習終了の通知を受信した時、各ユーザ端末の具備する位置測定手段が前記受講要求ないし予習終了の通知に付加した該当ユーザ端末の現在位置情報を、前記受講要求ないし前記予習終了の通知より読み取り、ここで読み取った各ユーザ端末の現在位置情報を前記地図データベースに照合して、地図上の所定範囲内に所在するユーザ端末を特定する処理と、前記特定したユーザ端末らに関して、送信してきた受講要求ないし予習終了の通知が示す希望レッスンが同一であるユーザ端末の数をカウントし、カウントしたユーザ端末数が所定数を越えていれば、該当ユーザ端末群を所定ユーザ端末数の単位に分割し、分割単位毎に重複無く、前記希望レッスンの状況設定に対応する街路を記憶装置の地図データベースにて特定し、前記分割単位に含まれるユーザ端末に関して、最小単位の数の担当講師を記憶装置のレッスンデータベースより特定し、前記特定した街路および担当講師に関する情報を前記開講通知に含める処理と、を実行するものであるとしてもよい。
【0013】
また、前記受講管理システムにおいて、前記演算装置が、複数のユーザ端末より前記予習開始の通知を受信した時、各ユーザ端末の具備する位置測定手段が前記予習開始の通知に付加した該当ユーザ端末の現在位置情報を、前記予習開始の通知より読み取り、ここで読み取った各ユーザ端末の現在位置情報を前記地図データベースに照合して、地図上の所定範囲内に所在するユーザ端末を特定する処理と、前記特定したユーザ端末らに関して、送信してきた予習開始の通知が示す希望レッスンが同一であるユーザ端末の数をカウントし、カウントしたユーザ端末数が所定数を超えていれば、該当ユーザ端末群を所定ユーザ端末数の単位に分割し、分割単位毎に重複無く、前記希望レッスンの状況設定に対応する街路を記憶装置の地図データベースにて特定し、前記分割単位に含まれるユーザ端末に関して、最小単位の数の担当講師を記憶装置のレッスンデータベースより特定し、前記特定した街路および担当講師に関する情報を前記開講通知に含める処理と、を実行するものであるとしてもよい。
【0014】
また、本発明の受講管理方法は、他装置とネットワークを介して通信する通信装置と、開講されるレッスンとその状況設定、該当レッスンの担当講師、および該当レッスンの予習コンテンツの各データを格納したレッスンデータベースと、レッスン毎に状況設定された建物ないし組織と同属性の建物ないし組織が存在する街路の情報を含む地図データベースと、を記憶した記憶装置と、演算装置とを備えるコンピュータが、入力装置で受け付けるか、ユーザ端末より送信された、受講者の情報および希望レッスンの情報を含む受講要求を受けて記憶装置のユーザデータベースに格納し、前記希望レッスンに対応する予習コンテンツを記憶装置のレッスンデータベースから読み出して前記ユーザ端末に配信する処理と、前記ユーザ端末より送信された予習終了の通知を受信し、前記希望レッスンの状況設定に対応する街路を記憶装置の地図データベースにて特定し、前記希望レッスンの担当講師に関する情報を記憶装置のレッスンデータベースより特定し、前記特定した街路および担当講師に関する情報を含む開講通知を前記ユーザ端末に送信する処理と、前記開講通知の対象となった受講者の情報をユーザデータベースから読み出し、この受講者の情報とレッスンを開講する街路の情報とを含む移動開始通知を、出力装置またはレッスンデータベースから前記担当講師に関して読み出した講師端末のアドレスに宛てて送信する処理と、を実行することを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、受講者が希望した臨場感ある状況での学習機会を提供し、受講者における学習効果や満足度を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本実施形態の受講管理システムを含むネットワーク構成を示す図である。
【図2】本実施形態のレッスンデータベースのデータ構造例を示す図である。
【図3】本実施形態の地図データベースのデータ構造例を示す図である。
【図4】本実施形態のユーザデータベースのデータ構造例を示す図である。
【図5】本実施形態の受講管理方法の処理手順例1を示すフロー図である。
【図6】本実施形態の出力画面例1を示す図である。
【図7】本実施形態の出力画面例2を示す図である。
【図8】本実施形態の受講管理方法の処理手順例2を示すフロー図である。
【図9】本実施形態の受講管理方法の処理手順例3を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
−−−システム構成−−−
以下に本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明する。図1は、本実施形態の受講管理システムを含むネットワーク構成図である。図1に示す受講管理システム100(以下、システム100)は、受講者が希望した臨場感ある状況での学習機会を提供し、受講者における学習効果や満足度を向上させるコンピュータシステムである。ここでは一例として、本実施形態の受講管理システム100を、実際の街路を備えたテーマパークにおける街路すなわち街頭での語学学習サービスに適用した状況を一例として想定している。この街頭語学学習サービスは、例えば外国の町並みを忠実に再現したテーマパークにおいて、ここを訪れた客に対し提供されるサービスである。従って、客は外国の町並みを体感しつつ街路を歩くことになり、この街路で外国人(すなわち講師)と自然な状況で外国語での会話を楽しみつつ語学学習を行うことになる。また、テーマパーク内は、コンセプト別に異なる意味づけがされた街区に分かれているのが普通であり、例えば役所や入国管理施設等がある街区、商店や宿泊施設、劇場等が立ち並ぶ街区、港や鉄道駅、バス停など輸送機関の発着場がある街区、一般住戸が配置された街区、といった具合に街区の種類も種々想定できる。当然、こうした街区を走る街路は街区を特徴付ける建物に面しており、その建物で稼働する組織等の存在がある。
【0018】
こうした状況例を想定した本実施形態における前記システム100としては、例えばサーバ装置を想定する。このサーバ装置は、単体のサーバであってもよいし、必要な機能を分担しネットワークを介して協働する複数のサーバからなるものであってもよい。また、前記システム100はコンピュータであるから、プログラム102を格納したハードディスクドライブなどの記憶装置101、この記憶装置101からプログラム102をメモリ103に読み出して実行する演算装置104、ユーザからの指示を受け付けるマウス、キーボード等の入力装置105、処理結果を出力するディスプレイやスピーカー等の出力装置106、他装置とネットワークを介して通信するNIC(Network Interface card)などの通信装置107を備えている。受講管理システム100として備えるべき機能は、演算装置104がプログラム102を実行することで実装される。また、前記システム100は、記憶装置101において、レッスンデータベース125、地図データベース126、およびユーザデータベース127を備えているものとする。なお、これら各データベースのデータ構造例については後述する。
【0019】
続いて、前記システム100の演算装置104がプログラム102を実行することでなされる処理にについて説明する。前記演算装置104は、入力装置105で受け付けるか、ユーザ端末200より送信された、受講者の情報および希望レッスンの情報を含む受講要求を受けて記憶装置101のユーザデータベース127に格納し、前記希望レッスンに対応する予習コンテンツを記憶装置101のレッスンデータベース125から読み出して前記ユーザ端末200に配信する処理を実行する。
【0020】
また、前記演算装置104は、前記ユーザ端末200より送信された予習終了の通知を受信し、前記希望レッスンの状況設定に対応する街路を記憶装置101の地図データベース126にて特定し、前記希望レッスンの担当講師に関する情報を記憶装置101のレッスンデータベース125より特定し、前記特定した街路および担当講師に関する情報を含む開講通知を前記ユーザ端末200に送信する処理を実行する。
【0021】
また、前記演算装置104は、前記開講通知の対象となった受講者の情報をユーザデータベース127から読み出し、この受講者の情報とレッスンを開講する街路の情報とを含む移動開始通知を、出力装置106またはレッスンデータベース125から前記担当講師に関して読み出した講師端末300のアドレスに宛てて送信する処理を実行する。
【0022】
なお、前記演算装置104は、ユーザ端末200より送信された予習開始の通知を受信した時、当該予習開始の通知が含む受講者の識別情報をキーに記憶装置101のユーザデータベース127で情報検索を実行し、検索された受講者の情報と前記希望レッスンの情報とのうち少なくともいずれかを含む、受講準備通知を、出力装置106またはレッスンデータベース125から前記希望レッスンの担当講師に関して読み出した講師端末300のアドレスに宛てて送信する処理を実行する、としてもよい。
【0023】
また、前記演算装置104は、複数のユーザ端末200より前記受講要求ないし前記予習終了の通知を受信した時、各ユーザ端末200の具備する位置測定手段220が前記受講要求ないし予習終了の通知に付加した該当ユーザ端末200の現在位置情報を、前記受講要求ないし前記予習終了の通知より読み取り、ここで読み取った各ユーザ端末200の現在位置情報を前記地図データベース126に照合して、地図上の所定範囲内に所在するユーザ端末200を特定する処理を実行するとしてもよい。
【0024】
この場合、前記演算装置104は、前記特定したユーザ端末200らに関して、送信してきた受講要求ないし予習終了の通知が示す希望レッスンが同一であるユーザ端末200の数をカウントし、カウントしたユーザ端末数が所定数に達していれば、該当ユーザ端末群をなす各ユーザ端末200に関して、最小単位の数の担当講師を記憶装置101のレッスンデータベース125より特定し前記開講通知に含める処理を実行する。
【0025】
また、前記演算装置104が、複数のユーザ端末200より前記予習開始の通知を受信した時、各ユーザ端末200の具備する位置測定手段220が前記予習開始の通知に付加した該当ユーザ端末200の現在位置情報を、前記予習開始の通知より読み取り、ここで読み取った各ユーザ端末200の現在位置情報を前記地図データベース126に照合して、地図上の所定範囲内に所在するユーザ端末200を特定する処理を実行するとしてもよい。
【0026】
この場合、前記演算装置104は、前記特定したユーザ端末200らに関して、送信してきた予習開始の通知が示す希望レッスンが同一であるユーザ端末200の数をカウントし、カウントしたユーザ端末数が所定数に達していれば、該当ユーザ端末群をなす各ユーザ端末200に関して、最小単位の数の担当講師を記憶装置101のレッスンデータベース125より特定し前記開講通知に含める処理を実行する。
【0027】
また、前記演算装置104が、複数のユーザ端末200より前記受講要求ないし前記予習終了の通知を受信した時、各ユーザ端末200の具備する位置測定手段220が前記受講要求ないし予習終了の通知に付加した該当ユーザ端末200の現在位置情報を、前記受講要求ないし前記予習終了の通知より読み取り、ここで読み取った各ユーザ端末200の現在位置情報を前記地図データベース126に照合して、地図上の所定範囲内に所在するユーザ端末200を特定する処理を実行するとしてもよい。
【0028】
この場合、前記演算装置104は、前記特定したユーザ端末200らに関して、送信してきた受講要求ないし予習終了の通知が示す希望レッスンが同一であるユーザ端末200の数をカウントし、カウントしたユーザ端末数が所定数を越えていれば、該当ユーザ端末群を所定ユーザ端末数の単位に分割し、分割単位毎に重複無く、前記希望レッスンの状況設定に対応する街路を記憶装置101の地図データベース126にて特定し、前記分割単位に含まれるユーザ端末200に関して、最小単位の数の担当講師を記憶装置101のレッスンデータベース125より特定し、前記特定した街路および担当講師に関する情報を前記開講通知に含める処理を実行する。
【0029】
また、前記演算装置104が、複数のユーザ端末200より前記予習開始の通知を受信した時、各ユーザ端末200の具備する位置測定手段220が前記予習開始の通知に付加した該当ユーザ端末200の現在位置情報を、前記予習開始の通知より読み取り、ここで読み取った各ユーザ端末200の現在位置情報を前記地図データベース126に照合して、地図上の所定範囲内に所在するユーザ端末200を特定する処理を実行するとしてもよい。
【0030】
この場合、前記演算装置104は、前記特定したユーザ端末200らに関して、送信してきた予習開始の通知が示す希望レッスンが同一であるユーザ端末200の数をカウントし、カウントしたユーザ端末数が所定数を超えていれば、該当ユーザ端末群を所定ユーザ端末数の単位に分割し、分割単位毎に重複無く、前記希望レッスンの状況設定に対応する街路を記憶装置101の地図データベース126にて特定し、前記分割単位に含まれるユーザ端末200に関して、最小単位の数の担当講師を記憶装置101のレッスンデータベース125より特定し、前記特定した街路および担当講師に関する情報を前記開講通知に含める処理を実行する。
【0031】
一方、上述のテーマパーク等を訪れた客のうち、街頭語学学習サービスを受ける者すなわち前記受講者は、例えば、テーマパーク事務局等の適宜な施設にてユーザ端末200とICカード230の貸与を受ける。ICカード230は、カードを一意に特定するチップIDが設定されたICチップを具備するカードである。ユーザ端末200、ICカード230の貸与時には、ユーザ端末200の識別情報(例:MACアドレスや、IPアドレスなど)やICカード230のチップIDと、貸与対象者たる受講者の情報(例:氏名等の識別情報、住所、趣味、希望レッスンの種類等)とが紐付けされて、前記システム100の記憶装置101におけるユーザデータベース127に格納される。
【0032】
こうして貸与時にユーザデータベース127に格納される受講者の情報は、上述のように、受講者の情報および希望レッスンの情報を含む受講要求としてもよいし、或いは受講者の識別情報のみとしてもよい。貸与時には、受講者の情報として受講者の識別情報のみをユーザデータベース127に登録する場合、受講者はユーザ端末200を利用して、希望レッスンを指定する情報を入力する。一方、ユーザ端末200は希望レッスンの指定を受け付けると共に、カードリーダ250により受講者の提示するICカード230の読み取りを行ってチップIDを取得し、前記システム100に対し、受講者の識別情報たるチップIDと希望レッスンの情報とを含む受講要求を通知する。一方、前記システム100は、この受講要求を受けて、ユーザデータベース127において該当受講者(のチップID)に対応付けて格納する。
【0033】
前記ユーザ端末200は、コンピュータ端末が備える一般的なハードウェアとして、演算装置204、RAMなど揮発性のメモリ203、必要な機能を実現するプログラム202を格納した記憶装置201(ハードディスクドライブなど不揮発性記憶手段)、入出力装置205、206、通信装置207を備える他、上述のカードリーダ250、および位置測定手段220を備えている。この位置測定手段220は、例えば、上空のGPS衛星からの信号を受信して自身の現在位置情報を算定するGPSユニットを想定できる。或いは、テーマパーク内に適宜設置された最寄りの無線LANアクセスポイントと通信して、該当無線LANアクセスポイントが提示する位置情報を自身の現在位置情報として取得する、無線LANアダプタであってもよい。この場合、無線LANアクセスポイントは、予め自身の記憶手段に位置情報を保持していて、無線電波にこの位置情報を含ませて発信しているものとなる。
【0034】
なお、ユーザ端末200は更にビデオカメラ260を備えているとしてもよい。このビデオカメラ260は、例えば、ユーザ端末200の入力装置205での受講者による撮影指示に応じて、受講者が担当講師と外国語会話を行っている様子を撮影する装置であり、撮影された映像データをユーザ端末200の記憶装置201に格納する。ユーザ端末200は記憶装置201に格納された映像データを該当受講者の識別情報(チップID)と共に、ネットワーク140を介して前記システム100にアップロードする。前記システム100は、ユーザ端末200からアップロードされた映像データを、該当受講者に対応付けて前記ユーザデータベース127に格納することになる。
【0035】
他方、街頭にて受講者に語学レッスンを提供するのが外国人の講師であり、この講師が利用する端末が講師端末200である。講師端末300は、コンピュータ端末が備える一般的なハードウェアとして、演算装置304、RAMなど揮発性のメモリ303、必要な機能を実現するプログラム302を格納した記憶装置301(ハードディスクドライブなど不揮発性記憶手段)、入出力装置305、306、通信装置307を備える他、位置測定手段320およびビデオカメラ360を備えている。位置測定手段320に関しては、ユーザ端末200が備えるものと同じものである。また、ビデオカメラ360もユーザ端末200のものと同じ構成で、例えば、講師端末300の入力装置305での講師による撮影指示に応じて、該当講師が受講者と外国語会話を行っている様子を撮影する装置であり、撮影された映像データを講師端末300の記憶装置301に格納する。講師端末300は記憶装置301に格納された映像データを該当受講者ないし担当講師の識別情報と共に、ネットワーク140を介して前記システム100にアップロードする。前記システム100は、講師端末300からアップロードされた映像データを、該当受講者ないし担当講師に対応付けて前記ユーザデータベース127ないしレッスンデータベース125に格納することになる。このように、語学レッスンの受講風景を映像データとして保存しておけば、後に担当講師によるレッスン内容の優劣や、受講者の実際の学習レベル等を判断する材料となり好適である。
【0036】
なお、ユーザ端末200および講師端末300ともに、GPSユニットなど位置測定手段から現在位置情報を得て記憶装置に保持している地図情報に照合し、地図上での現在地の出力データを生成してディスプレイ等の出力装置に表示させる(或いはスピーカーに音声出力させる)、ナビゲーションプログラムを備えているものとする。ナビゲーションプログラム210を実行することで、例えばユーザ端末200では、前記開講通知が示す、希望レッスンを開講する街路について地図上に表示すると共に、ユーザ端末200の現在位置情報から前記街路までの道程を検索して前記地図上に表示したり音声案内することも可能となる。講師端末300でも同様に、ナビゲーションプログラム310を実行することで、前記移動開始通知が示す、該当レッスンを開講する街路について地図上に表示すると共に、講師端末300の現在位置情報から前記街路までの道程を検索して前記地図上に表示したり音声案内することも可能となる。
【0037】
−−−データ構造例−−−
次に、本実施形態の受講管理システム100が用いるデータベースにおけるデータ構造例について説明する。前記システム100は、自身の備える、或いはネットワーク経由で利用可能なハードディスクドライブなどの不揮発性記憶装置において、レッスンデータベース125、地図データベース126、およびユーザデータベース127を備えている。
【0038】
図2は本実施形態のレッスンデータベース125のデータ構造例を示す図である。このレッスンデータベース125は、街頭で開講されるレッスンの識別情報をキーに、レッスンの状況設定(例:旅行、ビジネス、生活、入国審査、税関、両替、レストラン、等々)、該当レッスンの担当講師の情報(例:講師氏名、性別、年齢、趣味等)、講師端末300のアドレス(講師端末300のIPアドレスやメールアドレス等)、該当レッスンの予習コンテンツ、の各データを対応付けたレコードの集合体となっている。
【0039】
図3は本実施形態の地図データベース126のデータ構造例を示す図である。この地図データベース126は、例えば、上述のテーマパークの地図情報をベースに、レッスン毎に状況設定(例:旅行、ビジネス、生活、入国審査、税関、両替、レストラン、等々)された建物ないし組織と同属性の建物ないし組織が存在する街路の位置および名称といった情報を格納したデータベースとなっている。
【0040】
図4は本実施形態のユーザデータベース127のデータ構造例を示す図である。このユーザデータベース127は、受講者を一意に識別する前記ICカード230のチップIDをキーとして、受講者に貸与されたユーザ端末200の識別情報(例:MACアドレスや、IPアドレス、メールアドレスなど)、受講者の情報(例:氏名等の識別情報、住所、趣味)、希望レッスンの種類、およびレッスン時の映像データ(ユーザ端末200ないし講師端末300からアップロードされたデータ)、といったデータが対応付けたレコードの集合体となっている。なお、前記システム100とユーザ端末200との間での通信は、このユーザデータベース127のユーザ端末200の識別情報が示すIPアドレスやメールアドレスを介して実行されるものとする。
【0041】
−−−処理手順例1−−−
以下、本実施形態における受講管理方法の実際手順について図に基づき説明する。以下で説明する受講管理方法に対応する各種動作は、前記システム100のメモリ等に読み出して実行するプログラムによって実現される。そして、このプログラムは、以下に説明される各種の動作を行うためのコードから構成されている。
【0042】
図5は、本実施形態における受講管理方法の処理手順例1を示すフロー図である。ここでは、上述したように外国の町並みを忠実に再現したテーマパーク(勿論、テーマパークではなく実際の街中であってもよい)を訪れた客が、テーマパーク内の街頭で語学学習サービスのレッスンを受講する受講者になる状況を想定する。また、レッスンを受ける客すなわち受講者は、例えば、テーマパーク事務局等の適宜な施設にてユーザ端末200とICカード230の貸与を受けている。
【0043】
この時、前記システム100の演算装置104は、前記受講者に貸与されたユーザ端末200の識別情報(例:MACアドレスや、IPアドレスなど)と、ICカード230のチップIDについての入力と、受講者の情報(例:氏名等の識別情報、住所、趣味)と、希望レッスンの情報とを含む受講要求の入力とを、入力装置105で受け付けて(s100)、前記記憶装置101におけるユーザデータベース127にて、チップIDをキーにして格納する(s101)。
【0044】
ユーザ端末200の識別情報(例:MACアドレスや、IPアドレスなど)については、例えば前記システム100の演算装置104が通信装置107を介してユーザ端末200と通信して取得するとしてもよい。また、ICカード230のチップIDについては、例えば、ユーザ端末200が備えるカードリーダ250でICカード230から読み取られたチップIDのデータを、前記システム100の演算装置104が前記ユーザ端末200と通信装置107を介して通信して取得するとしてもよい。
【0045】
また、受講者の情報(例:氏名等の識別情報、住所、趣味)と、希望レッスンの情報とを含む受講要求については、前記システム100の演算装置104が、例えば、図6の画面600、610に示すような画面データを記憶装置101から読み出して出力装置106ないしユーザ端末200に送り、前記画面600等を介して受講者からの入力を受けて取得するとしてもよい。この場合、前記システム100は記憶装置101にて、受講者に提示する画面の画面データを当然予め保持している。
【0046】
なお、こうして貸与時にユーザデータベース127に格納される受講者の情報は、上述のように、受講者の情報および希望レッスンの情報を含む受講要求としてもよいし、或いは受講者の識別情報のみとしてもよい。貸与時には、受講者の情報として受講者の識別情報のみをユーザデータベース127に登録する場合、以後の適宜なタイミングにて受講者はユーザ端末200を利用して、希望レッスンを指定する情報を入力する。一方、ユーザ端末200は希望レッスンの指定を受け付けると共に、カードリーダ250により受講者の提示するICカード230の読み取りを行ってチップIDを取得し、前記システム100に対し、受講者の識別情報たるチップIDと希望レッスンの情報とを含む受講要求を通知する。一方、前記システム100は、この受講要求を受けて、ユーザデータベース127において該当受講者(のチップID)に対応付けて格納する。
【0047】
続いて、前記演算装置104は、前記受講要求が示す希望レッスンに対応する予習コンテンツを記憶装置101のレッスンデータベース125から読み出し、前記ユーザ端末200に配信する(s102)。例えば、受講者が前記画面600で、状況設定の大ジャンルとして「旅行」をまず選択し、前記画面610で「旅行」ジャンルの中でも、状況設定の中ジャンルとして「到着」、同様に小ジャンルとして「入国審査」を選択したとする。この場合、前記システム100の演算装置104は、こうした選択のデータすなわち受講要求をユーザ端末200等から受信し「入国審査」なる状況設定に対応したレッスンがすなわち希望レッスンと認識する。
【0048】
そこで演算装置104は、「入国審査」に対応する予習コンテンツをレッスンデータベース125から読み出して、ユーザ端末200には配信する。図6の画面620で、前記「入国審査」に対応した予習コンテンツがユーザ端末200で再生されている出力画面の例を示している。予習コンテンツは、語学学習に対応したものであるから、当然ながら、映像と音声が組み合わされたコンテンツであって、例えば、映像中の登場人物からの問いかけに対して応答すべき会話内容について、映像中で字幕表示したり、ナレーター等による読み上げ音声を出力するものとなっている。こうした映像コンテンツの配信手法については既存技術を採用すればよい。
【0049】
前記ユーザ端末200は前記システム100から配信された予習コンテンツを受信して、出力装置206にて再生する(s103)。この時、前記受講者は、ユーザ端末200にてこうした予習コンテンツを閲覧し、自身で予習行為を行うことになる。そして予習を終えたと判断した受講者は、前記ユーザ端末200にて予習終了の指示を入力し、ユーザ端末200はこれを前記システム100に通知する(s104)
一方、前記システム100の演算装置104は、前記ユーザ端末200より送信された予習終了の通知を受信し、前記希望レッスンの状況設定すなわち「入国審査」に対応する街路の情報(例:街路名称、街路の所在する位置座標など)を記憶装置101の地図データベース126にて特定する(s105)。なお、前記予習終了の通知は、該当受講者に対応付けてユーザデータベース127に格納するとしてもよい。
【0050】
また、前記演算装置104は、前記希望レッスンの担当講師に関する情報(例:講師名、性別、趣味等)を記憶装置101のレッスンデータベース125より特定し(s106)、前記特定した街路および担当講師に関する情報を含む開講通知を前記ユーザ端末200に送信する(s107)。
【0051】
ユーザ端末200ではこの開講通知を受信し、出力装置206にて表示させることになる。受講者はこの開講通知を閲覧し、希望レッスンが開講される街路の情報と、そこで担当講師となる者の情報を認識できる。よって受講者は希望レッスンが開講される街路に移動し、目当ての担当講師との邂逅を目指すことになる。
【0052】
なお、前記開講通知に担当講師の情報が含まれておらず、受講者が担当講師に関する希望を指定するとしてもよい。その場合、前記システム100の演算装置104は、記憶装置101から図7の画面700に対応した画面データを読み出してユーザ端末200に送り、担当講師に関する希望条件(例:性別など)を受け付ける。前記演算装置104は、この画面700を介して受け付けた担当講師に関する希望条件を満たす講師について、レッスンデータベース125で前記希望レッスン「入国審査」に関し予め設定されている担当講師中より特定し、画面710に示すように該当担当講師の情報と、前記街路の情報とをユーザ端末200に返すことになる。
【0053】
他方、前記システム100の演算装置104は、前記開講通知の対象となった受講者の情報をユーザデータベース127から読み出し、この受講者の情報とレッスンを開講する街路の情報とを含む移動開始通知を、出力装置106またはレッスンデータベース125から前記担当講師に関して読み出した講師端末300のアドレスに宛てて送信する(s108)。講師端末300はこの移動開始通知を受信して出力装置306にて表示し、担当講師の閲覧に供する。担当講師は、出力装置306にて表示された前記移動開始通知を確認し、レッスン受講者の情報を認識した上で赴くべき街路に移動することになる。
【0054】
なお、前記ユーザ端末200および前記講師端末300ともに、GPSユニットなど位置測定手段から現在位置情報を得て記憶装置に保持している地図情報に照合し、地図上での現在地の出力データを生成してディスプレイ等の出力装置に表示させる(或いはスピーカーに音声出力させる)、ナビゲーションプログラムを備えているものとする。
【0055】
この場合、前記ユーザ端末200では、ナビゲーションプログラム210を実行することで、前記開講通知が示す、希望レッスンを開講する街路について出力装置206にて地図表示すると共に、ユーザ端末200の現在位置情報から前記街路までの道程を検索して前記地図上に表示したり音声案内する。
【0056】
また、講師端末300でも同様に、ナビゲーションプログラム310を実行することで、前記移動開始通知が示す、該当レッスンを開講する街路について出力装置306にて地図表示すると共に、講師端末300の現在位置情報から前記街路までの道程を検索して前記地図上に表示したり音声案内する。レッスンが開講される街路まで、こうしたナビゲーションを行うことで、広大なテーマパークに散在する受講者と担当講師とを効率的に邂逅させることも可能となる。
【0057】
なお、前記演算装置104は、ユーザ端末200より送信された予習開始の通知を受信した時、当該予習開始の通知が含む受講者の識別情報をキーに記憶装置101のユーザデータベース127で情報検索を実行し、検索された受講者の情報と前記希望レッスンの情報とのうち少なくともいずれかを含む、受講準備通知を、出力装置106またはレッスンデータベース125から前記希望レッスンの担当講師に関して読み出した講師端末300のアドレスに宛てて送信するとしてもよい。なお、予習開始の通知は、該当受講者に対応付けてユーザデータベース127に格納するとしてもよい。
【0058】
担当講師の講師端末300に対して、ユーザ端末200からの予習終了の通知に合わせて移動開始通知を送信するのではなく、予習開始の通知に合わせて受講準備通知を送ることとすれば、担当講師側としては、レッスン開講までの余裕時間が長くなり、受講者に関する予備知識やレッスン内容の確認を確実に行いやすくなる。特に、受講者数と担当講師数の割合として、受講者数が多い場合などは、受講者一人一人について事前準備を行う担当講師の負担は少なくないから、こうした余裕時間の延長措置が実現されると、講師負担が低減され効果的なレッスンの提供が期待できる。
【0059】
−−−処理手順例2−−−
続いて、上述した開講通知に関する他の処理例について説明する。図8は本実施形態の受講管理方法の処理手順例2を示すフロー図である。様々な学習のうち、特に語学の学習に際し、積極的とは言い難い性格の人物にとって、一人で外国人講師と対峙するのは気後れして会話が進めにくいことは容易に想像がつく。そこで、以下の例では、こうした状況に対応して適宜な学習効率を維持し、ひいては学習効果を高める技術について示す。
【0060】
この場合、前記システム100の演算装置104は、複数のユーザ端末200より前記受講要求ないし前記予習終了の通知を受信した時(s200)、各ユーザ端末200の具備する位置測定手段220が前記受講要求ないし予習終了の通知に付加した該当ユーザ端末200の現在位置情報を、前記受講要求ないし前記予習終了の通知より読み取る(s201)。なお、前記ユーザ端末200の位置測定手段220が、例えばGPSユニットであれば、前記ユーザ端末200は、GPSユニットにて算定したGPSの測位情報すなわち現在位置の座標値を、前記受講要求ないし前記予習終了の通知に付加している。
【0061】
一方、前記システム100の演算装置104は、前記ステップs201で読み取った各ユーザ端末200の現在位置情報を、前記地図データベース126に照合して、地図上の、所定範囲内(例:所定の建物や街路の半径数十メートル以内、地図を一定面積毎に区画した範囲内、など)に所在するユーザ端末200を特定する(s202)。当然ながら、前記地図データベース126は、前記ユーザ端末200や講師端末300での位置測定手段が出力する位置情報の形式に対応したデータで構成されている。
【0062】
また、前記演算装置104は、前記特定したユーザ端末200らに関して、その識別情報(ユーザ端末200の識別情報や、チップIDなど)をキーにして、ユーザデータベース127で検索を実行し、検索された受講要求ないし予習終了の通知が示す希望レッスンが同一であるユーザ端末200の数をカウントする(s203)。つまりここまでの処理で、テーマパークにおけるある場所に固まっている、希望レッスン同一の受講者の数を算定したことになる。
【0063】
前記演算装置104は、前記ステップ203でカウントしたユーザ端末数が所定数に達していれば(s204:Yes)、該当ユーザ端末群をなす各ユーザ端末200に関して、例えば一人など最小単位の数の担当講師を記憶装置101のレッスンデータベース125より特定し、前記開講通知に含める(s205)。こうした処理は、ある場所において、希望レッスン同一の受講者がある一定数(グループでレッスンを受講するに好適な数と言える)であった場合、この受講者らを1つのグループとして認識し、担当講師を対応付ける処理と言える。
【0064】
また、複数のユーザ端末200より前記受講要求ないし前記予習終了の通知を受信した時に上述の処理を実行する場合だけでなく、前記予習開始の通知を受信した時に同様の処理を実行するとしてもよい。この場合、前記演算装置104は、前記ステップs200〜s202において、ユーザ端末200の現在位置情報を前記予習開始の通知より読み取り、ここで読み取った各ユーザ端末200の現在位置情報を前記地図データベース126に照合して、地図上の所定範囲内に所在するユーザ端末200を特定することになる。
【0065】
また前記演算装置104は、前記ステップs203〜s205において、前記特定したユーザ端末200らに関して、送信してきた予習開始の通知が示す希望レッスンが同一であるユーザ端末200の数をカウントし、カウントしたユーザ端末数が所定数に達していれば、該当ユーザ端末群をなす各ユーザ端末200に関して、最小単位の数の担当講師を記憶装置101のレッスンデータベース125より特定し前記開講通知に含めることになる。
【0066】
−−−処理手順例3−−−
続いて、上述した開講通知に関する他の処理例について説明する。図9は本実施形態の受講管理方法の処理手順例3を示すフロー図である。上記処理手順例2とは逆に、あまりに多くの人数からなる受講者群と一人(ないし少数)の外国人講師とが対峙した場合、受講者らに一種の安心感は醸成されるだろうが、受講者一人一人が外国人講師と会話できる機会は極端に減少し、かえって学習の効率、効果が上がらないということも想像される。そこで、以下の例では、こうした状況に対応して適宜な学習効率を維持し、ひいては学習効果を高める技術について示す。
【0067】
この場合、前記システム100の演算装置104は、複数のユーザ端末200より前記受講要求ないし前記予習終了の通知を受信した時、各ユーザ端末200の具備するGPSユニットなど位置測定手段220が前記受講要求ないし予習終了の通知に付加した該当ユーザ端末200の現在位置情報を、前記受講要求ないし前記予習終了の通知より読み取る(s300)。また、前記演算装置104は、このステップs300で読み取った各ユーザ端末200の現在位置情報を前記地図データベース126に照合して、地図上の所定範囲内に所在するユーザ端末200を特定する(s301)。所定範囲の考え方などは上記処理手順例2と同様である。
【0068】
続いて、前記演算装置104は、前記ステップs301で特定したユーザ端末200らに関して、その識別情報(ユーザ端末200の識別情報や、チップIDなど)をキーにして、ユーザデータベース127で検索を実行し、検索された受講要求ないし予習終了の通知が示す希望レッスンが同一であるユーザ端末200の数をカウントする(s302)。つまりここまでの処理で、テーマパークにおけるある場所に固まっている、希望レッスン同一の受講者の数を算定したことになる。
【0069】
前記ステップs302で算定した、希望レッスンが同一であるユーザ端末200の数が、所定数を越えていれば(s303:Yes)、前記演算装置104は、該当ユーザ端末群を所定ユーザ端末数の単位に分割する(s304)。例えば、ステップs302で算定した、希望レッスンが同一であるユーザ端末200の数が「8」であり、所定数「4」を越えているとすれば、前記演算装置104は、該当ユーザ端末群を所定ユーザ端末数「4」の単位に2分割することになる。
【0070】
また前記演算装置104は、前記ステップs304で分割した分割単位毎に重複無く、前記希望レッスンの状況設定、例えば「入国審査」に対応する街路を記憶装置101の地図データベース126にて特定する(s305)。上記例では、分割単位が2つ生成されたから、当該ステップs305にて、互いに異なる2つの街路を特定する。街路の特定手法としては、例えば、希望レッスンの状況設定が同一の街路であり、地図データベース126にて参照できる位置情報が隣接するもの同士を選定するとすればよい。
【0071】
続いて前記演算装置104は、前記分割単位に含まれる各ユーザ端末200に関して、例えば一人など最小単位の数の担当講師を記憶装置101のレッスンデータベース125より特定し、前記特定した街路および担当講師に関する情報を前記開講通知に含める(s306)。
【0072】
なお、複数のユーザ端末200より前記受講要求ないし前記予習終了の通知を受信した時に上述の処理を実行する場合だけでなく、前記予習開始の通知を受信した時に同様の処理を実行するとしてもよい。この場合、前記演算装置104は、前記ステップs300〜s301において、ユーザ端末200の現在位置情報を、前記予習開始の通知より読み取り、ここで読み取った各ユーザ端末200の現在位置情報を前記地図データベース126に照合して、地図上の所定範囲内に所在するユーザ端末200を特定する。
【0073】
また前記演算装置104は、前記ステップs302〜s305において、前記特定したユーザ端末200らに関して、送信してきた予習開始の通知が示す希望レッスンが同一であるユーザ端末200の数をカウントし、カウントしたユーザ端末数が所定数を超えていれば、該当ユーザ端末群を所定ユーザ端末数の単位に分割し、分割単位毎に重複無く、前記希望レッスンの状況設定に対応する街路を記憶装置101の地図データベース126にて特定する。
【0074】
また、前記演算装置104は、前記ステップs306にて、前記分割単位に含まれるユーザ端末200に関して、最小単位の数の担当講師を記憶装置101のレッスンデータベース125より特定し、前記特定した街路および担当講師に関する情報を前記開講通知に含めることとなる。
【0075】
なお、その他の例として、レッスンデータベース125にてレッスン毎の難易度が設定されており、また、同じレッスンに関する予習コンテンツが再生速度別に複数用意されているとしてもよい。この場合、前記システム100の演算装置104は、受講要求が示す希望レッスンの難易度をレッスンデータベース125で判定し、ここで判定した難易度が所定レベル以上である時、ユーザ端末200に配信する予習コンテンツとして、再生速度を所定基準より低減したものをレッスンデータベース125で選択する。またこの場合、演算手段104は、講師端末300に対する前記移動開始通知の送信を、前記希望レッスンの難易度に応じて所定基準より一定時間だけ遅いタイミングで行う。このような処理を行うことにより、受講者側としては難しいレッスンでも落ち着いて予習を行う事が出来る一方、講師側としては移動開始通知が遅い分、時間的余裕をもって事前準備に臨めるという効果が生まれる。
【0076】
以上、本発明を実施するための最良の形態などについて具体的に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
【0077】
こうした本実施形態によれば、受講者が希望した臨場感ある状況での学習機会を提供し、受講者における学習効果や満足度を向上させることが可能となる。
【符号の説明】
【0078】
100 受講管理システム
101、201、301 記憶装置
102、202、302 プログラム
103、203、303 メモリ
104、204、304 CPU
105、205、305 入力装置
106、206、306 出力装置
107、207、307 通信装置
125 レッスンデータベース
126 地図データベース
127 ユーザデータベース
140 ネットワーク
200 ユーザ端末
210、310 ナビゲーションプログラム
220、320 GPSユニット(位置測定手段)
230 ICカード
250 リーダライタ
260、360 ビデオカメラ
300 講師端末

【特許請求の範囲】
【請求項1】
他装置とネットワークを介して通信する通信装置と、
開講されるレッスンとその状況設定、該当レッスンの担当講師、および該当レッスンの予習コンテンツの各データを格納したレッスンデータベースと、レッスン毎に状況設定された建物ないし組織と同属性の建物ないし組織が存在する街路の情報を含む地図データベースと、を記憶した記憶装置と、
入力装置で受け付けるか、ユーザ端末より送信された、受講者の情報および希望レッスンの情報を含む受講要求を受けて記憶装置のユーザデータベースに格納し、前記希望レッスンに対応する予習コンテンツを記憶装置のレッスンデータベースから読み出して前記ユーザ端末に配信する処理と、
前記ユーザ端末より送信された予習終了の通知を受信し、前記希望レッスンの状況設定に対応する街路を記憶装置の地図データベースにて特定し、前記希望レッスンの担当講師に関する情報を記憶装置のレッスンデータベースより特定し、前記特定した街路および担当講師に関する情報を含む開講通知を前記ユーザ端末に送信する処理と、
前記開講通知の対象となった受講者の情報をユーザデータベースから読み出し、この受講者の情報とレッスンを開講する街路の情報とを含む移動開始通知を、出力装置またはレッスンデータベースから前記担当講師に関して読み出した講師端末のアドレスに宛てて送信する処理と、を実行する演算装置と、
を備えることを特徴とする受講管理システム。
【請求項2】
前記演算装置が、
ユーザ端末より送信された予習開始の通知を受信した時、当該予習開始の通知が含む受講者の識別情報をキーに記憶装置のユーザデータベースで情報検索を実行し、検索された受講者の情報と前記希望レッスンの情報とのうち少なくともいずれかを含む、受講準備通知を、出力装置またはレッスンデータベースから前記希望レッスンの担当講師に関して読み出した講師端末のアドレスに宛てて送信する処理を実行するものである、ことを特徴とする請求項1に記載の受講管理システム。
【請求項3】
前記演算装置が、
複数のユーザ端末より前記受講要求ないし前記予習終了の通知を受信した時、各ユーザ端末の具備する位置測定手段が前記受講要求ないし予習終了の通知に付加した該当ユーザ端末の現在位置情報を、前記受講要求ないし前記予習終了の通知より読み取り、ここで読み取った各ユーザ端末の現在位置情報を前記地図データベースに照合して、地図上の所定範囲内に所在するユーザ端末を特定する処理と、
前記特定したユーザ端末らに関して、送信してきた受講要求ないし予習終了の通知が示す希望レッスンが同一であるユーザ端末の数をカウントし、カウントしたユーザ端末数が所定数に達していれば、該当ユーザ端末群をなす各ユーザ端末に関して、最小単位の数の担当講師を記憶装置のレッスンデータベースより特定し前記開講通知に含める処理と、
を実行するものであることを特徴とする請求項1に記載の受講管理システム。
【請求項4】
前記演算装置が、
複数のユーザ端末より前記予習開始の通知を受信した時、各ユーザ端末の具備する位置測定手段が前記予習開始の通知に付加した該当ユーザ端末の現在位置情報を、前記予習開始の通知より読み取り、ここで読み取った各ユーザ端末の現在位置情報を前記地図データベースに照合して、地図上の所定範囲内に所在するユーザ端末を特定する処理と、
前記特定したユーザ端末らに関して、送信してきた予習開始の通知が示す希望レッスンが同一であるユーザ端末の数をカウントし、カウントしたユーザ端末数が所定数に達していれば、該当ユーザ端末群をなす各ユーザ端末に関して、最小単位の数の担当講師を記憶装置のレッスンデータベースより特定し前記開講通知に含める処理と、
を実行するものであることを特徴とする請求項2に記載の受講管理システム。
【請求項5】
前記演算装置が、
複数のユーザ端末より前記受講要求ないし前記予習終了の通知を受信した時、各ユーザ端末の具備する位置測定手段が前記受講要求ないし予習終了の通知に付加した該当ユーザ端末の現在位置情報を、前記受講要求ないし前記予習終了の通知より読み取り、ここで読み取った各ユーザ端末の現在位置情報を前記地図データベースに照合して、地図上の所定範囲内に所在するユーザ端末を特定する処理と、
前記特定したユーザ端末らに関して、送信してきた受講要求ないし予習終了の通知が示す希望レッスンが同一であるユーザ端末の数をカウントし、カウントしたユーザ端末数が所定数を越えていれば、該当ユーザ端末群を所定ユーザ端末数の単位に分割し、分割単位毎に重複無く、前記希望レッスンの状況設定に対応する街路を記憶装置の地図データベースにて特定し、前記分割単位に含まれるユーザ端末に関して、最小単位の数の担当講師を記憶装置のレッスンデータベースより特定し、前記特定した街路および担当講師に関する情報を前記開講通知に含める処理と、
を実行するものであることを特徴とする請求項1または3に記載の受講管理システム。
【請求項6】
前記演算装置が、
複数のユーザ端末より前記予習開始の通知を受信した時、各ユーザ端末の具備する位置測定手段が前記予習開始の通知に付加した該当ユーザ端末の現在位置情報を、前記予習開始の通知より読み取り、ここで読み取った各ユーザ端末の現在位置情報を前記地図データベースに照合して、地図上の所定範囲内に所在するユーザ端末を特定する処理と、
前記特定したユーザ端末らに関して、送信してきた予習開始の通知が示す希望レッスンが同一であるユーザ端末の数をカウントし、カウントしたユーザ端末数が所定数を超えていれば、該当ユーザ端末群を所定ユーザ端末数の単位に分割し、分割単位毎に重複無く、前記希望レッスンの状況設定に対応する街路を記憶装置の地図データベースにて特定し、前記分割単位に含まれるユーザ端末に関して、最小単位の数の担当講師を記憶装置のレッスンデータベースより特定し、前記特定した街路および担当講師に関する情報を前記開講通知に含める処理と、
を実行するものであることを特徴とする請求項2または4に記載の受講管理システム。
【請求項7】
他装置とネットワークを介して通信する通信装置と、開講されるレッスンとその状況設定、該当レッスンの担当講師、および該当レッスンの予習コンテンツの各データを格納したレッスンデータベースと、レッスン毎に状況設定された建物ないし組織と同属性の建物ないし組織が存在する街路の情報を含む地図データベースと、を記憶した記憶装置と、演算装置とを備えるコンピュータが、
入力装置で受け付けるか、ユーザ端末より送信された、受講者の情報および希望レッスンの情報を含む受講要求を受けて記憶装置のユーザデータベースに格納し、前記希望レッスンに対応する予習コンテンツを記憶装置のレッスンデータベースから読み出して前記ユーザ端末に配信する処理と、
前記ユーザ端末より送信された予習終了の通知を受信し、前記希望レッスンの状況設定に対応する街路を記憶装置の地図データベースにて特定し、前記希望レッスンの担当講師に関する情報を記憶装置のレッスンデータベースより特定し、前記特定した街路および担当講師に関する情報を含む開講通知を前記ユーザ端末に送信する処理と、
前記開講通知の対象となった受講者の情報をユーザデータベースから読み出し、この受講者の情報とレッスンを開講する街路の情報とを含む移動開始通知を、出力装置またはレッスンデータベースから前記担当講師に関して読み出した講師端末のアドレスに宛てて送信する処理と、
を実行することを特徴とする受講管理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−8330(P2012−8330A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−144019(P2010−144019)
【出願日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【出願人】(510176798)
【Fターム(参考)】