説明

口内炎用パッチ

開示された口内炎治療のために使用される口腔粘膜接着パッチであって、前記パッチは粘膜接着層と保護層とを含み、保護層は感圧接着剤を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、口内炎(canker sore)のために使用されるパッチ、及びこのようなパッチの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
口内炎は、極めて一般的な疾患であり、任意の瞬間の任意の人口のおよそ2%が、そして生涯において、いずれかの時点の全ての人々の約33%が罹患する。その症状自体は危険ではないが、特に飲食時に、大抵の人にとって煩わしいものである。
【0003】
口内炎は、口腔内の粘膜に発症する潰瘍であり、そして通常は、頬の内側、歯肉、唇、及び時には舌の上で発達する。これらはアフタ性口内炎病変部として単独で、あるいは再発性アフタ性口内炎(RAS)として群発することがある。潰瘍病変部の組織病理は、急性皮膚炎部位下で発生するものと類似する。口内炎は、最初の3〜4日間が最も痛む。不快さは徐々に軽減し、そして口内炎は10〜14日で、通常は瘢痕なしに治癒する。口内炎は、これが目に見えるようになる前に、チクチク感又はヒリヒリ感をもたらしうる。6〜24時間後、潰瘍は、赤い炎症部位によって取り囲まれた直径0.5〜9mmの小さな丸い凹部として現れる。
【0004】
口内炎に伴う炎症を治療するために、コルチコステロイドや他の抗炎症薬が使用される。ゲル、クリーム又はペーストの剤形で供給されているこれらの薬剤は、1日3〜4回適用される。
【0005】
薬剤の頬投与のためには長年にわたって、接着剤投与形態が報告されている。好適な接着剤担体は、線状又は部分架橋型のポリマーを含む。理想的な頬用機器は弾性的で、軟質の、口の動きによって引き起こされる応力に耐え得るものであるべきである。これはまた、所要の時間にわたって口腔内に維持されることを保証するように、生体付着特性を有していなければならない。
【0006】
これらの損傷を保護してこれらの治癒を促進する手段としての粘膜接着プラスターの有用性は良く知られており、また長年にわたって市場でいくつかの製品を入手することができる。
【0007】
しかしながら、粘膜接着剤は原則として水中で膨潤し、これらの多くはゆっくりと溶解する。このことは、湿潤環境、例えば人間の口腔内における接着剤の持続性を問題のあるものにする。
【0008】
溶解の問題に対しては、プラスターの一方の側を防水膜で被覆することが解決の一助となる。このような問題の別の解決法は、唾液中の溶解に数時間かかることが可能な、かなり大型のプラスターを使用することである。第3の選択肢は、粘膜接着剤の耐水性を改善することである。
【0009】
上記の全てのアプローチは下記の問題をもたらす。すなわち、大抵の粘膜接着剤の性質が極性の親水性であることにより、標準的な疎水性被膜の接着剤に対する付着性は一般に貧弱である一方、大型のプラスターは膨潤することによって、通常使用者にとってかなりの不快感をもたらすサイズになる。最後に、粘膜に対する付着力を維持するための、被膜なしの製剤は、食品中の化学物質、例えばアルコール、油、及び酢に対する耐性を保証することはできない。
【0010】
さらに、口内炎は、サイズが小さい(典型的には約1mm)傾向があり、口内炎を覆うプラスターがそれに匹敵するサイズを有するならば、その設置は、特に接近しにくい口腔部位では、問題となりうる。
【0011】
国際公開第03/059390号パンフレットに記載された、被膜付きの粘膜接着剤は、薬物送達のために意図されており、従ってサイズ及び設置は問題ではない。製剤の点から見ると、国際公開第03/059390号パンフレットのものは、基礎部分内にポリオキサマー(エチレンとプロピレングリコールとのブロックコポリマー)を使用することにより、基礎部分を特定の疎水性被膜と適合するようにしている。しかしながら、このような適合性は制限されており、プロピレングリコールのポリマーを付加すると、粘膜に対する付着力を著しく低下させるおそれがある。
【0012】
Mizrahi, B.、Golenser, J., Wolnerman, J.S.及びDomb, A.J., J. Pharm. Sc., 93 (12), 2004には、柑橘油及びマグネシウム塩で吸収された、架橋ポリアクリル酸及びヒドロキシプロピルセルロースを含む粘膜接着錠剤が記載されている。この錠剤は、口内炎の疼痛軽減及び速やかな治癒のための天然活性物質を放出する。
【0013】
今や驚くべきことに、本発明によるパッチが、長時間持続する付着力を有し、そして小さなサイズであっても貼り付けやすい口腔接着パッチを提供することが判った。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、粘膜接着層と保護層とを含む口腔粘膜接着パッチであって、保護層が感圧接着剤(pressure sensitive adhesive)を含む、口腔粘膜接着パッチに関する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は、本発明の好ましい実施態様の形状を示す図である。
【図2】図2は、粘着付与された蜜蝋被膜のためのプローブ−粘着力試験の例証的な曲線を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明は、極性粘膜接着剤と適合可能であると同時に、感圧接着剤でもあるバッキング、すなわち保護層を使用することにある。
【0017】
本発明の1実施態様の場合、小さな極性基が結合された疎水性分子を使用することにより、適合性を得ることができる一方、例えば適量の粘着付与剤及び可塑剤を添加することによって、被膜のレオロジーを制御することにより、付着特性を得ることができる。
【0018】
これらの添加剤の量は、被膜が標準的な粘着力試験条件下で付着仕事量40〜130J/m2を示すように計算される。
【0019】
本発明の1実施態様の場合、保護層は、人間の皮膚に対する付着強度が口腔粘膜組織に対する粘膜接着層の付着強度よりも低い感圧接着剤である。
【0020】
感圧接着剤を含む保護層は、パッチを貼り付ける人の指先に僅かに付着し、パッチが粘膜病変部上に高い精度で位置決めされるのを可能にする。パッチの、被膜のない側はこのとき、損傷粘膜組織に強力に付着し、パッチがその場所にとどまるのを可能にする。湿潤環境における粘膜接着剤の付着力は、保護層の感圧接着剤の付着力よりも強いので、指先をパッチから容易に外すことでき、そしてパッチはその場所にとどまることになる。次いで口腔内の湿潤環境は、疎水性被膜から残留粘着性を排除し、被膜が食物などに付着するのを防止する。適合性を与える被膜要素は、パッチが所定の場所に残っている限り、膜がパッチから外れないことを保証する。
【0021】
本発明のパッチは、口内炎上にパッチを正確に設置するのを可能にする点で独自のものである。
【0022】
本発明は、患者が著しく小型のパッチを使用するのを可能にし、従って口内炎の治療に伴う不快感が大幅に低減される。
【0023】
本発明によるパッチは、単独潰瘍の患者及びRAS患者の両方を治療する上で極めて効果的である。
【0024】
本発明の1実施態様の場合、粘膜接着層は、僅かに架橋されたポリアクリル酸を含む。
【0025】
本発明の1実施態様の場合、粘膜接着層は、(酸の重量を基準として)0%〜10%のポリエチレングリコールで可塑化された49重量%〜69重量%の、僅かに架橋されたポリアクリル酸と、14重量%〜40重量%の、ヒドロキシプロピルセルロースのような水溶性変性セルロースと、0重量%〜20重量%のキトサンと、0重量%〜19重量%の、スクロースオクタスルフェートのような、損傷された粘膜組織に付着するポリマーとを含む。
【0026】
本発明の1実施態様の場合、僅かに架橋されたポリアクリル酸は、Carbopol 71G NF、Carbopol 971P NF、Carbopol 974P NF、Carbopol 934P NF、及びNoveon AA-1から成る群から選択される1つ又は2つ以上である。
【0027】
本発明の1実施態様の場合、ポリアクリル酸は、ポリマレイン酸塩、例えばInternational Specialty Products Gantrez(登録商標)シリーズに置き換えられてよい。
【0028】
本発明の1実施態様によれば、粘膜接着剤のポリアクリル酸は、可塑剤と混合されていない。
【0029】
本発明の1実施態様の場合、ヒドロキシプロピルセルロースは、澱粉、ヒドロキシプロピルメチルセルロース又は他の多糖類、例えばトラガカントガムによって置き換えられてよい。
【0030】
本発明の1実施態様の場合、キトサンは、ガラクトマンナンによって置き換えられてよい。
【0031】
任意には、製剤は味を改良するために、香料又は精油、例えば柑橘類又はハッカを含んでいてもよく、又は、病変部の治療にとってより好ましい環境をつくるために、塩、例えば塩化マグネシウムを含んでいてもよい。
【0032】
本発明の1実施態様の場合、感圧接着剤は、スチレン・ブロックコポリマー、エチレンビニルアセテート・コポリマー及びポリアクリレートの群から選択されるポリマーを含む。
【0033】
本発明の別の実施態様の場合、保護層は、無水マレイン酸がグラフトされた30重量%〜70重量%のスチレン−エチレン−ブチレン−スチレン・ブロックコポリマー、20重量%〜50重量%の変性ロジンエステルのような粘着付与剤、10重量%の低分子量パラフィンのような可塑剤を含む。
【0034】
本発明の別の実施態様の場合、保護層は、蜜蝋及び植物起源の蝋の群から選択される蝋を含む。
【0035】
本発明の別の実施態様の場合、保護層は、コロフォニー、変性ロジンエステル及び炭化水素粘着付与剤樹脂から成る群から選択される10%〜30%のもので粘着付与された蜜蝋、カルナバ又はカンデリラ蝋を含む。
【0036】
プレス又は押し出しによって、蜜蝋を基剤とする保護層を被着することができ、或いは、100℃未満の温度に加熱することにより保護層を噴霧することもできる。さらに、蜜蝋の使用は、溶剤を必要でなくする。
【0037】
本発明の1実施態様の場合、保護層は60%〜90%の蝋と、0%〜10%の植物油と、0%〜30%の、コロフォニー、変性ロジンエステル及び炭化水素粘着付与剤樹脂から成る群から選択されるものとを含む。
【0038】
本発明の1実施態様によれば、保護層の粘着製剤は、適宜の可塑剤(例えばテルピネオール)を有するシェラック又はゼイン、又はポリエチレングリコール、ジアセチン又はトリアセチンで可塑化され、そしてロジンエステルで粘着付与されたエチルセルロース;アクリル酸又はメタクリル酸モノマー単位を含有するアクリル酸コポリマー;及びスチレン及び親水性アクリル酸モノマーのブロックコポリマーを含む。
【0039】
本発明の1実施態様によれば、粘膜接着層と保護層とを含有する口腔粘膜接着パッチを製造する方法が:
(1) (酸の重量を基準として)0%〜10%のポリエチレングリコールで可塑化された49重量%〜69重量%の、僅かに架橋されたポリアクリル酸と、14重量%〜40重量%の、ヒドロキシプロピルセルロースのような水溶性変性セルロースと、0重量%〜20重量%のキトサンと、0重量%〜19重量%の、スクロースオクタスルフェートのような、損傷された粘膜組織に付着するポリマーとを、強力ミキサー内で混合し、次いで
(2) 粘膜接着層を標準的な錠剤製造装置上でプレス又は焼結し、
(3) 約180℃の温度で、無水マレイン酸がグラフトされた30重量%〜70重量%のスチレン−エチレン−ブチレン−スチレン・ブロックコポリマーと、20重量%〜50重量%の変性ロジンエステルのような粘着付与剤と、10重量%の低分子量パラフィンのような可塑剤とを混合することにより、保護層のための混合物を形成し、
(4) (2)から生じた粘膜接着層の一方の側に(3)の混合物を押し出すか、噴霧するか、又はプレスする
ことを含む。
【0040】
本発明の別の実施態様によれば、粘膜接着層と保護層とを含有する口腔粘膜接着パッチを製造する方法が:
(1) (酸の重量を基準として)0%〜10%のポリエチレングリコールで可塑化された49重量%〜69重量%の、僅かに架橋されたポリアクリル酸と、14重量%〜40重量%の、ヒドロキシプロピルセルロースのような水溶性変性セルロースと、0重量%〜20重量%のキトサンと、0重量%〜19重量%の、スクロースオクタスルフェートのような、損傷された粘膜組織に付着するポリマーとを、強力ミキサー内で混合し、次いで
(2) 粘膜接着層を標準的な錠剤製造装置上でプレス又は焼結し、
(3) 約70℃の温度で、80重量%〜90重量%の蜜蝋と、10重量%〜20重量%の変性ロジンエステルのような粘着付与剤とを混合することにより、該保護層のための混合物を形成し、
(4) (2)から生じた粘膜接着層の一方の側に(3)の混合物を押し出すか、噴霧するか、又はプレスする
ことを含む。
【0041】
本発明の好ましい実施態様の場合、保護層は、歯肉の色を模倣する0〜1重量%の顔料を含んでいてよい。
【0042】
本発明の1実施態様の場合、粘膜接着パッチは、粘膜接着トローチであり、その輪郭を図1に示す。そのサイズは約6x8x0.8mmである。パッチの一方の側は、厚さが真ん中で最大(0.8mm)でありエッジでゼロになるようにドーム形であるのに対して、他方の側は完全に平らである。
【0043】
本発明の1実施態様の場合、パッチは全ての方向で3〜10mm幅であり、そして0.2〜1mm厚、好ましくは6x8mm幅であり且つ0.6mm厚である。
【0044】
本発明の1実施態様の場合、パッチは、保護層を備えた1つの湾曲側と、粘膜組織に面する1つのほぼ平坦な側とを有している。
【0045】
本発明の1実施態様によれば、パッチは、口内炎を治療するために使用される。
【0046】
図2は、粘着付与された蜜蝋被膜(87%の蜜蝋、13%の炭化水素樹脂)のプローブ−粘着力曲線を示す。付着仕事量(曲線によってカバーされた面積をプローブの表面積で割り算したものに相当)は、約91J/m2であり、プローブの速度は10-4m/sである。曲線のデータは、ASTM D2979に基づく試験法に従って得られる。
【実施例】
【0047】
例1
材料
下記材料を使用することにより、本発明による錠剤を調製した:
・ Noveon AA-1、架橋ポリアクリル酸、Lubrizolによって提供
・ Klucel HF、ヒドロキシプロピルセルロース、Herculesによって提供
・ ChitoClear、キトサン、Primexによって提供
・ S215、スクロースオクタスルフェート、Giulini Chemiによって提供
・ ポリエチレングリコール、平均分子量300ダルトン、Sigma Aldrichによって提供
・ Kraton 1924、スチレン−エチレン/ブチレン−スチレン・ブロックコポリマー、Kratonによって提供
・ Primol 352、流動パラフィン、ExxonMobilによって提供
・ Arkon P 115、合成樹脂粘着付与剤、Arakawa Chemicals製
・ 酸化鉄、Sigma-Aldrichによって提供
【0048】
方法
ポリエチレングリコールの5%アルコール溶液を液滴状に装置に加えながら、279gのNoveon AA-1、47gのChitoClear及び45gのS215を、強力ミキサー内で混合した。ポリエチレングリコールの総量は、上記3種の材料の合体重量の約3%であった。10分後、混合物を乾燥器に移し、そこで8時間にわたって50℃で放置した。結果として生じた顆粒を、粉末ミキサー内で128gのKlucel HFと混合した。次いで、結果として生じた混合物を、標準的な錠剤機によってプレスして錠剤にした。
【0049】
8gのKraton 1924、1.5gのArkon P 115、0.5gのPrimol 352及び0.05gの酸化鉄を、磁気攪拌機によって100mlのシクロヘキサンと混合した。次いで、その結果として生じた溶液を、約0.2mm厚の層ができるまで、錠剤上に噴霧した。
【0050】
次いで、被覆された錠剤を、真空炉内で一晩にわたって乾燥させることにより、残留シクロヘキサンを排除した。
【0051】
結果
バッキング層は、人工唾液中の錠剤の崩壊時間を著しく低減することが判った。バッキング層は、指に僅かにくっつくが、しかし錠剤の他方の側が歯肉に付着すると、指から容易に外れることが判った。最後に、この生成物は、罹患患者における口内炎に起因する疼痛を軽減することが判った。
【0052】
例2
蜜蝋を用いた製造手順
(1) 層流、高剪断の低速ミキサー(例えばプラネタリ・ミキサー、二軸ミキサーなど)内で、僅かに架橋されたポリアクリル酸を無水アルコール(酸の重量を基準として20%〜200%)と、数分間にわたってアルコールを粉末酸中に注ぐことによって、混合する。ミキサーの速度、及びアルコールの量は、平均サイズが0.5cm〜1cm直径である塊を得るように調節する。
(2) 少なくとも99.99%のアルコールが排除され、そして塊が脆弱になり多孔質になるまで、(1)の材料を、2〜8時間にわたって50〜80℃の温度で乾燥させる。
(3) (2)の材料をブレード・ミル内で粉砕することにより、結果として生じる粒子の直径を約300μmにする。
(4) (3)の顆粒を粉末ミキサー(反転ミキサー)内で、キトサン、ヒドロキシプロピルセルロース及びスクラルフェートと、約4時間にわたって、下記の比率で混合する:
顆粒(3):49%〜60%
ヒドロキシプロピルセルロース:22%〜30%
キトサン:0%〜12%
スクラルフェート:8%〜15%
上記粉末は、平均粒度が100μm〜600μm直径となるように選択される。
(5) 蜜蝋(80%〜90%)、Arkon P 90(10%〜20%)を、これらが完全に溶融するまで加熱し、そして高剪断の高速インペラ(好ましくはダブルクラウン又は歯の付いたインペラ)によって混合した。この時点で、PV fast red BNP(残留成分の重量を基準として0.08%〜0.16%)を混合物に添加し、次いでこれを均質になるまで攪拌し、そして冷却する。
(6) (3)の粉末混合物を錠剤機内でプレスすることにより、図1に示された形状及びサイズの錠剤を形成する。
(7) (5)の蜜蝋混合物を、約0.2mm厚の層が得られるまで、生成物(6)の凸面側にプレスするか又は噴霧する。次いで、生成物を冷却し、そして気密な容器内にパッキングする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
粘膜接着層と保護層とを含む口腔粘膜接着パッチであって、該保護層が感圧接着剤を含む、口腔粘膜接着パッチ。
【請求項2】
前記感圧接着剤が、スチレン・ブロックコポリマー、エチレンビニルアセテート・コポリマー及びポリアクリレートの群から選択されるポリマーを含む、請求項1に記載のパッチ。
【請求項3】
前記保護層が、無水マレイン酸がグラフトされた30重量%〜70重量%のスチレン−エチレン−ブチレン−スチレン・ブロックコポリマー、20重量%〜50重量%の変性ロジンエステルのような粘着付与剤、10重量%の低分子量パラフィンのような可塑剤を含む、請求項1又は2に記載のパッチ。
【請求項4】
前記保護層が、蜜蝋及び植物起源の蝋の群から選択される蝋を含む、請求項1に記載のパッチ。
【請求項5】
前記保護層が60%〜90%の蝋と、0%〜10%の植物油と、0%〜30%の、コロフォニー、変性ロジンエステル及び炭化水素粘着付与剤樹脂から成る群から選択されるものとを含む、請求項1又は4に記載のパッチ。
【請求項6】
前記保護層が、人間の皮膚に対する付着強度が口腔粘膜組織に対する粘膜接着層の付着強度よりも低い感圧接着剤である、請求項1から5までのいずれか1項に記載のパッチ。
【請求項7】
前記粘膜接着層が、僅かに架橋されたポリアクリル酸を含む、請求項1から6までのいずれか1項に記載のパッチ。
【請求項8】
前記粘膜接着層が、(酸の重量を基準として)0%〜10%のポリエチレングリコールで可塑化された49重量%〜69重量%の、僅かに架橋されたポリアクリル酸と、14重量%〜40重量%の、ヒドロキシプロピルセルロースのような水溶性変性セルロースと、0重量%〜20重量%のキトサンと、0重量%〜19重量%の、スクロースオクタスルフェートのような、損傷された粘膜組織に付着する生成物とを含む、請求項1から7までのいずれか1項に記載のパッチ。
【請求項9】
前記僅かに架橋されたポリアクリル酸が、カルボポール(Carbopol)71G NF、カルボポール(Carbopol)971P NF、カルボポール(Carbopol)974P NF、カルボポール(Carbopol)934P NF、及びノベオン(Noveon)AA-1から成る群から選択される1つ又は2つ以上である、請求項1から8までのいずれか1項に記載のパッチ。
【請求項10】
前記パッチが全ての方向で3〜10mm幅であり、そして0.2〜1mm厚、好ましくは6x8mm幅であり且つ0.6mm厚である、請求項1から9までのいずれか1項に記載のパッチ。
【請求項11】
前記パッチが、保護層を備えた1つの湾曲側と、粘膜組織に面する1つのほぼ平坦な側とを有している、請求項1から10までのいずれか1項に記載のパッチ。
【請求項12】
口内炎を治療するための、請求項1から11までのいずれか1項に記載のパッチの使用。
【請求項13】
粘膜接着層と保護層とを含有する口腔粘膜接着パッチを製造する方法であって、該方法が:
(1) (酸の重量を基準として)0%〜10%のポリエチレングリコールで可塑化された49重量%〜69重量%の、僅かに架橋されたポリアクリル酸と、14重量%〜40重量%の、ヒドロキシプロピルセルロースのような水溶性変性セルロースと、0重量%〜20重量%のキトサンと、0重量%〜19重量%の、スクロースオクタスルフェートのような、損傷された粘膜組織に付着するポリマーとを、強力ミキサー内で混合し、次いで
(2) 該粘膜接着層を標準的な錠剤製造装置上でプレス又は焼結し、
(3) 約180℃の温度で、無水マレイン酸がグラフトされた30重量%〜70重量%のスチレン−エチレン−ブチレン−スチレン・ブロックコポリマーと、20重量%〜50重量%の変性ロジンエステルのような粘着付与剤と、10重量%の低分子量パラフィンのような可塑剤とを混合することにより、該保護層のための混合物を形成し、
(4) (2)から生じた該粘膜接着層の一方の側に(3)の混合物を押し出すか、噴霧するか、又はプレスする
ことを含む、方法。
【請求項14】
粘膜接着層と保護層とを含有する口腔粘膜接着パッチを製造する方法であって、該方法が:
(1) (酸の重量を基準として)0%〜10%のポリエチレングリコールで可塑化された49重量%〜69重量%の、僅かに架橋されたポリアクリル酸と、14重量%〜40重量%の、ヒドロキシプロピルセルロースのような水溶性変性セルロースと、0重量%〜20重量%のキトサンと、0重量%〜19重量%の、スクロースオクタスルフェートのような、損傷された粘膜組織に付着するポリマーとを、強力ミキサー内で混合し、次いで
(2) 該粘膜接着層を標準的な錠剤製造装置上でプレス又は焼結し、
(3) 約70℃の温度で、80重量%〜90重量%の蜜蝋と、10重量%〜20重量%の変性ロジンエステルのような粘着付与剤とを混合することにより、該保護層のための混合物を形成し、
(4) (2)から生じた該粘膜接着層の一方の側に(3)の混合物を押し出すか、噴霧するか、又はプレスする
ことを含む、方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2011−526256(P2011−526256A)
【公表日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−515112(P2011−515112)
【出願日】平成21年6月29日(2009.6.29)
【国際出願番号】PCT/DK2009/050152
【国際公開番号】WO2010/006612
【国際公開日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【出願人】(500085884)コロプラスト アクティーゼルスカブ (153)
【Fターム(参考)】