説明

口腔健康維持および改善用組成物

ジベンゾ−p−ジオキシン誘導体を有効成分として含む、口腔健康維持および改善用組成物を提供する。本発明の組成物は、歯の腐食、歯垢形成、口臭の発生および歯肉疾患を起こす主要原因としてのバイオフィルムの生成抑制および除去効果が卓越し、口腔および歯の状態を長時間爽快かつ清潔に維持することができるようにする。また、虫歯および歯肉疾患を予防および改善することにより、口腔の健康を効果的に維持し改善させる効果を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、口腔健康維持および改善用組成物に係り、さらに詳しくは、微生物バイオフィルム形成の抑制および除去効果に優れて口腔健康を効果的に維持および改善することが可能な組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
口腔の健康或いは正常な機能および状態は、全人類の日常生活に極めて大事なことであって、異常発生の際に生活の質を著しく阻害する。口腔の健康要素に関連して最も大きな影響を及ぼす要素は歯の腐食、虫歯、歯肉疾患、歯周疾患および不快な口臭の発生であるといえる。その根本原因は口腔に生息する病原菌によって形成されるバイオフィルムである(Allaker 2008)。これらの病原菌も、口腔面に付いていない状態では唾液などの溶液状態で存在し、歯磨きまたは飲料摂取と共に容易に除去できるため、口腔に疾患を起こす機会が非常に少ない。ところが、これらの病原菌は、効果的な生存のために口腔面にくっ付く性質があって、バイオフィルムを形成する。一旦バイオフィルムが形成されると、外部の物理・化学的刺激に対する防御力が著しく大きくなるから、一般な物理的方法で除去することは難しいうえ、一時的にでも除去するためには毒性の非常に強い抗菌剤を使用するか多量の抗菌剤を使用しなければならない。バイオフィルムは、放置される場合、さらに厚くかつ強くなって歯垢を形成して数多い細菌の生息地になり、各種口腔疾患をおこす。
【0003】
このような過程を防ぐための代表的な方法として、歯科におけるスケーリングなどの物理的方法が勧められてきており、その効果も検証されてきている。ところが、歯科訪問の煩わしさ、恐ろしさおよび経済的な理由で、大部分の場合、十分な管理を受けていない。ところが、歯磨きによるバイオフィルムまたは歯垢の除去には限界があって、数多くの人口が口腔疾患に晒されている。これにより、クロルヘキシジン(chlorhexidine)、塩化セチルピリジニウム(cetylpridinium chloride)、トリクロサン(triclosan)などのように、虫歯菌および歯周炎菌を殺菌する成分の含有された製品が開発されて大衆化されている。ところが、このような合成抗生剤は、長期間使用したときは、口腔内粘膜を刺激し、正常菌も破壊して口腔内病原菌に対する耐性を増加させるうえ、歯を着色し、味覚を害するなど、人体に対する副作用が大きい。口腔洗浄剤に使用される代表的な抗菌物質としてのクロルヘキシジンの場合、ショック症状を示すことが確認されている。特に、口腔内に傷がある場合、さらに危険であると報告されている。これにより、最近、抗菌作用を有する植物由来成分の使用が増加しており、その例としてチモール(thymol)、オイカリプトール(eucalyptol)、メントール(menthol)、EGCG、キシリトール(xylitol)などが使用されているが、その効果は限定的である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、従来技術の問題点を解決するためのもので、その目的は、口腔健康の維持および改善において核心的要素といえる微生物によるバイオフィルムの生成抑制および除去効果が非常に著しいため、低い濃度でも口腔内不快感を効果的に防止し、優れた虫歯および歯肉疾患の改善機能を示すうえ、人体に安全な、口腔健康維持および改善用組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、ジベンゾ−p−ジオキシン(dibenzo-p-dioxine)誘導体を有効成分として含む、口腔健康維持および改善用組成物を提供する。
【0006】
本発明に係るジベンゾ−p−ジオキシン誘導体は、下記化学式1、化学式2、化学式3および化学式4よりなる群から選ばれる2種以上の化合物であってもよい。
【化1】

【化2】

【化3】

【化4】

【0007】
式中、Rはそれぞれ独立に水素、C1〜C5のアルキル、C2〜C5のアルケニル、フェニル、C7〜C12のフェニルアルキル、C2〜C20のアルカノイル、C3〜C20のアルケノイル、ヒドロキシフェニル、ジヒドロキシフェニルまたはトリヒドロキシフェニルである。
【発明の効果】
【0008】
本発明の口腔健康改善用組成物は、歯の腐食、歯垢形成、口臭の生成および歯肉疾患を生じさせる主要原因としてのバイオフィルムの生成抑制および除去効果に優れており、口腔および歯の状態を長時間爽快且つ清潔に維持することを可能にする。また、本発明は、虫歯および歯肉疾患を予防および改善することにより、口腔の健康を効果的に維持および改善させる効果を提供する。また、本発明の組成物は、天然成分から構成されて人体に安全であるから、年齢を問わず口腔健康の維持および改善に普遍的に使用できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の組成物7を含むチューインガムを用いて歯周疾患の予防および治療効果を対照群と比較して試験した結果を示すグラフである(PLA:プラーク量の評価、GI:歯肉検査、BOP:歯肉の間にプローブを挿脱したときの出血の評価、PD:歯と歯肉の間の深さの測定、CAL:歯肉と歯の間隔の測定)。
【図2】本発明の組成物5を含む歯磨き粉を用いて歯磨き効果の持続性を対照群と比較して試験した結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を詳細に説明する。
バイオフィルムの下部に存在するストレプトコッカス系の菌は、口腔内に存在する糖分を用いて乳酸を形成し、この乳酸が歯のエナメル質を腐食させて虫歯を発生させる。また、プラークが発達すると、歯肉に存在するP.ジンジバリス(P.gingivalis)菌が刺激性化合物を発生して歯肉組織に各種炎症を起こす。また、舌下に生息する嫌気性バクテリアからなるバイオフィルムは、口腔内に残るタンパク質を分解して硫黄またはアミン化合物を発生させ、口臭を引き起こして不快感を誘発する。
【0011】
一般人が歯磨き粉または口腔清浄剤の形で容易、安全かつ効果的に口腔の健康を維持および改善するのに適した理想的な活性成分の要件は、(1)低濃度における抗菌活性、(2)抗炎活性の持続性、(3)無刺激性、(4)持続的使用時の安全性、(5)不快感の不在などであるといえる。これにより、本発明者は、合成抗生剤の欠点、すなわち耐性増加の問題、歯牙着色、毒性、味覚損失などの副作用のおそれがない化学的構造を持つ天然由来成分であって、バイオフィルムの生成抑制および除去活性において公知の植物成分より低濃度で効果的であるうえ、持続的な効果を示す成分を見出そうと研究した。
【0012】
文献(Rosan et al, Microbes and Infection 2000, 2:1599-1607)によれば、バイオフィルムの形成は口腔組織の表面にバクテリアが付着する初期付着段階(initial attachment)と、数週にわたってバクテリアとバクテリア間の結合が膨大に形成される相互付着(co-adhesion)段階とからなる。第1段階は、約1週間にわたって起こり、ほぼ全体的にストレプトコッカス属の菌が付着する。第2段階は、数週間にわたって起こり、700余種のバクテリアが関与しうるが、主にP.ジンジバリス菌が関与するものと知られている。また、初期付着段階および相互付着段階の両方ともにおいて付着を媒介する特定のタンパク質が存在することにより、バイオフィルムの形成を可能にするということが知られている。よって、既存の抗菌成分の効果が制限的な理由は、付着段階を効果的に防ぐことができないながら、抗菌成分が、3次元溶液上に存在するバクテリアの除去に主に使用されることにより、一時的な効果のみを示すためである。よって、高濃度或いは毒性の強い抗菌成分が必要となり、これにより人体に対する毒性増加、味覚損失、バクテリアの耐性増加の欠点が発生する。よって、既存の成分を用いた製品としては、一般人が通常の方法(1日1〜2回の歯磨きおよび/或いは口腔洗浄液の使用など)ではバイオフィルムの生成を十分に予防および除去することができないうえ、副作用により、予防次元で経済的、便利、根本的かつ安全に口腔健康の維持および改善を追求することが難しい。
【0013】
バイオフィルム形成の核心要因として付着段階に対する重要性を認知した状態で、本発明者は、既存の3次元溶液上の抗菌作用ではなく、口腔面における2次元的な抗菌作用が可能な成分或いは組成を見出すことにより、そのような組成がより効果的に口腔健康の維持および改善に使用できるようにするために努力した。より具体的に、溶液上で優れた抗菌活性を有する天然化合物であって、口腔組織の表面にバクテリアが付着するときに使用される媒介タンパク質と効果的に結合できる成分を見出し、口腔内のバクテリアの付着部位を不活性化させると同時に、口腔組織の表面に抗菌成分を2次元的に配列させることにより、低い濃度でも口腔内のバイオフィルムの生成を根本的に遮断し、効果の持続性を極大化させることができるようにする。より具体的に、(1)口腔面に付着するバクテリアとしてのストレプトコッカス属の病原菌に対する抗菌効果に優れた天然化合物であって、口腔面に存在するバクテリア付着部位と効果的に結合することが可能な成分を探す。(2)バイオフィルム形成の第2段階に主に関与して炎症を引き起こすP.ジンジバリスなどのバクテリアなどに対する抗菌作用に優れた成分であって、バクテリア間の相互結合を媒介するタンパク質と結合することが可能な成分を探す。このような成分はそれ以上のバイオフィルムの蓄積を抑制するだけでなく、2次元的に配列されることにより抗菌成分の実際濃度を極大化させ、その結果としてバイオフィルムの効果的な消滅を可能にする。
【0014】
したがって、本発明が既存の技術と差別化される点は、既存の抗菌剤はストレプトコッカスおよびP.ジンジバリスの病原菌と抗菌剤の相互作用が3次元溶液上で起こるようにするが、これに対し、本発明の抗菌成分は口腔面上でバクテリアが付着できる部位に特異的に結合することにより、各種口腔疾患発生の中心を効果的に遮断するうえ、2次元上で抗菌作用が起こるようにすることである。本発明の利点は、バイオフィルムの発生点を特異的に遮断し、これと同時にその部位に抗菌力を提供することにより、従来不可能であった水準のバイオフィルム抑制効果を示すことができることである。本発明の他の利点は、2次元上で作用するので、少量の抗菌成分でバイオフィルムまたはプラークの形成を抑制し消滅させることができることである。その上、付着能力に優れた成分と抗菌活性に優れた成分との組み合わせによって多様な組成を提供することができる。
【0015】
本発明者は、このような新しい成分或いは組成を実現するために文献を研究する中、米国特許第5013542号(Method to inhibit adhesion of disease-causing microorganisms to teeth)および文献(Rosan et al., Microbes and Infection 2000, 2:1599-1607)より、口腔病原菌が歯の表面および他の病原菌に付着する過程において口腔面および病原菌の表面に存在すること、および、プロリンに富む(proline-rich)ペプチドが大きく関与するという事実を確認した。その事実に着目し、抗菌力、およびプロリンに富むペプチドとの結合力が同時に優れた成分を検索したところ、ジベンゾ−p−ジオキシン骨格を有する天然化合物およびこれらを含有した組成が抗菌力、およびプロリンに富むペプチドとの結合力の面で最も優れることを見出した。また、これらの成分およびこれらからなる組成物の微生物フィルム生成抑制および除去効果が低濃度でも卓越することを見出し、これを適用した試験製品に対する効能実験によって、その優れた実用的価値を確認することにより、本発明を完成した。
【0016】
本発明は、ジベンゾ−p−ジオキシン誘導体を有効成分として含む、口腔健康維持および改善用組成物に関する。
【0017】
好ましくは、本発明に係るジベンゾ−p−ジオキシン誘導体が下記化学式1、下記化学式2、下記化学式3および下記化学式4よりなる群から選ばれる2種以上の化合物であってもよい。
【0018】
【化5】

【化6】

【化7】

【化8】

【0019】
式中、Rはそれぞれ独立に水素、C〜Cのアルキル、C〜Cのアルケニル、フェニル、C〜C12のフェニルアルキル、C〜C20のアルカノイル、C〜C20のアルケノイル、ヒドロキシフェニル、ジヒドロキシフェニルまたはトリヒドロキシフェニルである。
【0020】
好ましくは、Rはそれぞれ独立に水素;メチル;エテニル;ベンジル;アセチルまたはオレオイル(oleoyl);4−ヒドロキシフェニル;2,4−ヒドロキシフェニル;または2,4,6−トリヒドロキシフェニルである。さらに好ましくは水素である。
【0021】
前記口腔健康維持および改善用組成物は、組成物の全体重量に対し、化学式1の化合物3〜70重量%、化学式2の化合物1〜75重量%、化学式3の化合物2〜60重量%、および化学式4の化合物2〜60重量%を含有することが好ましい。さらに好ましくは、組成物の全体重量に対し、化学式1の化合物15〜60重量%、化学式2の化合物6〜50重量%、化学式3の化合物15〜50重量%、および化学式4の化合物12〜50重量%を含有する。
【0022】
前記化学式1〜4の化合物は、口腔健康維持および改善に役立つ様々な優れた効能を有するが、特に次の観点で優れた効能を示す。
【0023】
前記化学式1の化合物は、特にバイオフィルムの初期形成過程に関与する虫歯原因多種菌に対する抑制効能に非常に優れた特性を持つ。よって、前述したような含量の範囲内で含まれる場合、特に、組成物のバイオフィルム形成抑制効能、および虫歯原因菌などのバクテリアに対する抗菌活性効能を強化させる。
【0024】
前記化学式2の化合物は、特に歯周細胞の炎症抑制活性(TNF−α抑制活性およびIL−1β抑制活性)に非常に優れた特性を持つ。したがって、前述したような含量の範囲内で組成物に含まれる場合、特に歯周炎抑制および改善効果を強化させる。
【0025】
前記化学式3の化合物は、特に、バイオフィルムの初期形成過程に関与する虫歯原因多種菌に対する抑制効能、およびバイオフィルムの第2段階の発達に関与する歯周炎原因菌に対する優れた抗菌活性効能を有する。したがって、前述したような含量の範囲内で組成物に含まれる場合、特に、バイオフィルム形成抑制効能、および虫歯原因菌や歯周炎原因菌などのバクテリアに対する抗菌活性効能を強化させる。
【0026】
前記化学式4の化合物は、特に、バクテリアが付着する初期付着段階(initial attachment)で口腔組織の表面に対するバクテリアの付着を防止する効能に非常に優れた特性を持つ。したがって、前述したような含量の範囲内で組成物に含まれる場合、特にバイオフィルム形成抑制効能を強化させる。
【0027】
本発明の口腔健康維持および改善用組成物において、前記化学式1、化学式2、化学式3および化学式4よりなる群から選ばれる2種以上の化合物が化学式1の化合物、化学式3の化合物および化学式4の化合物であれば、バイオフィルム生成抑制活性に特に優れる。
【0028】
本発明の口腔健康維持および改善用組成物は、下記化学式5、化学式6、化学式7、化学式8、化学式9および化学式10よりなる群から選ばれる少なくとも1種のジベンゾ−p−ジオキシン(dibenzo-p-dioxine)誘導体をさらに含むことができる:
【0029】
【化9】

【化10】

【化11】

【化12】

【化13】

【化14】

【0030】
式中、Rはそれぞれ独立に水素、C〜Cのアルキル、C〜Cのアルケニル、フェニル、C〜C12のフェニルアルキル、C〜C20のアルカノイル、C〜C20のアルケノイル、ヒドロキシフェニル、ジヒドロキシフェニルまたはトリヒドロキシフェニルである。
【0031】
好ましくは、Rはそれぞれ独立に水素;メチル;エテニル;ベンジル;アセチルまたはオレオイル(oleoyl);4−ヒドロキシフェニル;2,4−ヒドロキシフェニル;または2,4,6−トリヒドロキシフェニルである。さらに好ましくは水素である。
【0032】
化学式5、化学式6、化学式7、化学式8、化学式9および化学式10よりなる群から選ばれる少なくとも1種の本発明に係るジベンゾ−p−ジオキシン(dibenzo-p-dioxine)誘導体は、本発明の組成物に組成物の全体重量に対し0.1〜50重量%で含有できる。
【0033】
本発明の口腔健康維持および改善用組成物にさらに含まれる化学式5、化学式6、化学式7、化学式8、化学式9および化学式10よりなる群から選ばれる少なくとも1種のジベンゾ−p−ジオキシン誘導体が化学式7の化合物を含む場合に、さらに好ましい活性を示す。
【0034】
前記化学式7の化合物は、特に、バイオフィルムの初期形成過程に関与する虫歯原因多種菌に対する抑制効能、およびバイオフィルムの第2段階の発達に関与する歯周炎原因菌に対する優れた抗菌活性効能を有する。したがって、本発明の組成物に含まれる場合、特に、バイオフィルム形成抑制効能、および虫歯原因菌や歯周炎原因菌などのバクテリアに対する抗菌活性効能を強化させる役目をする。
【0035】
本発明の口腔健康維持および改善用組成物が化学式1、化学式3および化学式7の化合物を含む場合に、バイオフィルム除去活性に特に優れた特性を持つ。
【0036】
本発明の口腔健康維持および改善用組成物がジベンゾ−p−ジオキシン誘導体として前記化学式1〜化学式10の化合物を全て含む場合に、化学式1の化合物3〜50重量%、化学式2の化合物1〜15重量%、化学式3の化合物2〜40重量%、化学式4の化合物2〜30重量%、化学式5の化合物0.1〜10重量%、化学式6の化合物0.1〜10重量%、化学式7の化合物2〜40重量%、化学式8の化合物0.1〜10重量%、化学式9の化合物0.1〜6重量%、および化学式10の化合物0.1〜20重量%で含むことが好ましい。
【0037】
本発明の口腔健康維持および改善用組成物は、薬学的製剤や健康補助食品などとして製造できる。薬学的製剤として製造される場合は、当該分野で通常使用される、薬学的に許容できる担体をさらに含むことができる。また、前記薬学的組成物は補助活性物質をさらに含むことができる。
【0038】
本発明の組成物による薬学的組成物は、錠剤、トローチ、カプセル、エリキシル剤、サスペンション、シロップ、ウエハースなどの形で製造できる。また、本発明の組成物による健康補助食品は、錠剤、粉末、カプセル、サスペンション、シロップ、飲料、食品(例えば、バー(bar)またはパン)、歯磨き粉、チューインガム、キャンデーなどの形で製造できる。
【0039】
本発明の口腔健康維持および改善用組成物の一日使用量は0.01〜100mgであることが好ましい。本発明の口腔健康維持および改善用組成物は、口腔内におけるバイオフィルムの発生抑制および除去、歯の腐食予防、歯垢形成予防、歯肉疾患の予防および改善、並びに口臭改善の用途で好ましく使用できる。
【0040】
以下、実施例によって本発明をより詳細に説明する。ところが、下記の実施例は、本発明さらに具体的に説明するためのもので、本発明の範囲を限定するものではない。下記の実施例は本発明の範囲内で当業者によって適切に修正および変更できる。
【0041】
本発明に係るジベンゾ−p−ジオキシン誘導体は、通常の任意の方法によって得ることができ、市販の試薬を用いて合成することができ、天然物、特に海藻類から抽出および分離して得ることができる。
【0042】
実施例1.ジベンゾ−p−ジオキシン誘導体の分離精製
実施例1−1.サガラメからポリフェノール混合物の精製
サガラメ(Eisenia arborea)1kgから新鮮な状態で搾汁器を用いて繊維質を除去した後、95%のエチルアルコール(4L)を加えて常温で30分間攪拌し、溶液のみを濾過した後、乾燥させて58gの褐色粉末を得た。得られた乾燥粉末を20倍量の蒸留水(50℃)に溶解させた後、PVPP(Polyvinylpyrrolidone)樹脂(乾燥粉末の10倍)と混合して攪拌した後(50℃、1hr)、溶液を濾過して除去し、十分な量の蒸留水(PVPP樹脂の5倍以上)で洗浄した。洗浄されたPVPP樹脂に95%エタノール(PVPP樹脂の3倍量)を加えて常温で30分間攪拌した後、溶液を濾取して乾燥させて8gの黒褐色粉末を得た。フォリン試薬を用いて総ポリフェノール含量を測定した結果、95.6%であった。
【0043】
実施例1−2.精製されたポリフェノール混合物からジベンゾ−p−ジオキシン誘導体の分離
前記実施例1で得たポリフェノール混合物を0.2μmの膜濾過紙で濾過して高速液体クロマトグラフィーにロードした。高速液体クロマトグラフィーにおいて、カラムとしてはHP ODS Hypersilカラムを使用し、溶媒としては蒸留水とメタノールを使用した。1.0mL/分の流速で溶媒を供給し、メタノール15%〜70%を用いて30分間にわたって線形勾配(linear gradient)をかけて10個の活性物質を分離した。各化合物は化学式1〜10のジベンゾ−p−ジオキシン誘導体であることを確認した。
【0044】
【化15】

【化16】

【化17】

【化18】

【化19】

【化20】

【化21】

【化22】

【化23】

【化24】

【0045】
式中、Rは水素である。
【0046】
実施例2.プロリンに富むペプチドとの結合(binding)/不活性化(inactivation)実験
本発明のジベンゾ−p−ジオキシン化合物、および抗菌活性がよく知られている成分がバイオフィルムの形成において決定的な役目をする付着段階を抑制する能力を評価した。付着活性は、同じ濃度で、固定化されたプロリンに富むタンパク質1に試料が結合する度合いからELISA法で決定した。より詳しくは次のとおり行われた。
【0047】
PRP1(Proline-rich protein 1)を、3名の男性から提供された唾液からRamasubbu et al(Ramasubbu, N., M. S. Reddy, E. J. Bergey, G. G. Haraszthy, S.-D. Soni, and M. J. Levine. 1991. Large-scale purification and characterization of the major phosphoproteins and mucins of human submandibular-sublingual saliva. Biochem. J. 280:341-352.)の方法で分離精製した。精製されたPRP1(2mmoL/mL、リン酸緩衝溶液pH7.4)を、2%グルタルアルデヒド(リン酸緩衝溶液、pH7.4)で活性化された96−ウェルプレートに処理した後、4℃で一晩培養(overnight incubation)させて固定させた。0.1% Tween20の含まれたリン酸緩衝溶液(PBST溶液)で3回洗浄し、カゼイン溶液を処理して常温で1時間放置した後、さらにPBST溶液で3回洗浄した。化学式1〜10および比較試料(100μg/mL)を各ウェルに添加し、常温で3時間放置した後、PBST溶液で3回洗浄し、しかる後に、カゼイン溶液を処理した。Rabbit Anti−Human PRAP1 Polyclonal Antibody(Abcam、英国)を1:10,000で希釈して各ウェルに添加した後、4℃で一晩放置し、しかる後に、PBST溶液で3回洗浄することにより、結合してしない抗体を除去した。結合した抗体は、AP−conjugated Goat anti−rabbit IgG(H+L)(Anaspec、USA)を2次抗体として用い、p−ニトロフェニルホスフェート(p-Nitrophenyl phosphate)を基質として用いて405nmで検出し、次の式を用いて計算した。陰性対照試料としてアルブミン(bovine serum albumin)を使用した。
【0048】
PRP1に対する付着活性(%)=100×(陰性対照試料処理時の吸光度−試料処理時の吸光度)/陰性対照試料処理時の吸光度
実験結果:化学式4の化合物が最も優れた効果を示した。
【0049】
【表1】

【0050】
実施例3.溶液上における抗菌活性の評価
実施例3−1.バイオフィルムの初期形成過程に関与する虫歯原因菌に関する溶液上における抗菌活性の測定
口腔面のバクテリア付着部位に結合して付着部位を封鎖すると同時に、付着するバクテリアに対する抗菌活性まで兼備すれば、バイオフィルム生成抑制効果がさらに大きくなる。よって、付着段階に対する抑制と独立して溶液上における抗菌活性を測定し、活性に優れた成分を探索した。
【0051】
前記実施例2で製造された試験物および比較サンプルに対して、虫歯の原因菌としてのストレプトコッカスミュータンス(Streptococcus mutans、ATCC25275)、ストレプトコッカスサングイス(S.sanguis ATCC10556)(American type culture Collection、Rockwille、MD、USA)、アクチノミセスビスコサス(Actinomyces viscosus KCCM 12074、Korea Culture enter of Microorganisms、ソウル)からなる多種菌に対する抗菌活性を測定した。全ての菌は嫌気性条件の下に37℃で24時間BHI(brain heart infusion broth, DIFCO laboratories、Ditroit、MI、USA)培養液内で培養された。各試料の抗菌活性は、培養液微細希釈法を用いた最小阻害濃度(Minimum inhibitory concentration、MIC)測定法を用いて測定した。より詳しくは、前記組成物の標準溶液を、1,000μg/mLの濃度で10% DMSO溶液を溶媒として製造した後、これを、BHI培養液を用いて段階的に2倍ずつ連続希釈し、0.25〜125μg/mL溶液を製造した。96−ポリスチレンプレートの各ウェル当たり20μLの多腫菌を接種させ、細胞濃度が1×10CFU/mLとなるように培養液を用いて濃度を調節し後、連続希釈して製造された様々な濃度の前記試料を添加し、37℃で24時間培養した。各ウェル内のバクテリアの成長程度を、596nmで吸光度を測定して求めた。最小阻害濃度(MIC)は、対照群(試料を処理していないセル)と比較してバクテリアの成長が90%以上阻害される試料の最小濃度で決定した。全ての実験を3回繰り返し行い、その各平均値を使用した。各試料の最小阻害濃度(MIC)を下記表2に示す。
【0052】
実施例3−2.バイオフィルムの第2段階の発達に関与する歯周炎原因菌に対する抗菌活性の測定
前記実施例2で製造された試験物を用いて、歯周炎の原因菌としてのポルフィロモナスジンジバリス(Porphyromonas gingivalis ATCC 53978)、ポルフィロモナスエンドドンターリス(Porphyromonas endodotalis ATCC 35406)、プレボテラインターメディア(Provotella intermedia ATCC 25611)に対する抗菌活性を測定した。全てのバクテリアは、嫌気性条件の下(90%N、5%CO、5%H)に37℃で24時間培養液(30g/L トリプティックソイブロス(trypticase soy broth、5g/L酵母エキス、0.5g/L L−システイン、5μg/mLヘミンおよび0.2μg/mLビタミンK1)で培養された。前記組成物の歯周炎菌に対する抗菌活性は、培養液微細希釈法を用いた最小阻害濃度(MIC)測定法を用いて測定した。より詳しくは、前記組成物の標準溶液を、1,000μg/mLの濃度で10% DMSO溶液を溶媒として製造した後、これをBHI培養液を用いて段階的に2倍ずつ連続希釈して0.25〜125μg/mLの溶液を製造した。96−ポリスチレンプレートの各ウェルあたり20μLのバクテリアを接種させ、前記菌株の細胞数が1×10CFU/mLとなるように培養液を用いて濃度を調節した後、連続希釈して製造された様々な濃度の前記組成物を添加し、37℃で24時間培養した。各ウェル内のバクテリアの成長程度を、596nmで吸光度を測定して求めた。最小阻害濃度(MIC)は、対照群(試料を処理してないセル)と比較して、バクテリアの成長が90%以上阻害される試料の最小濃度で決定した。全ての実験を3回繰り返し行い、その各平均値を使用した。各組成物の最小阻害濃度(MIC)を下記表2に示す。
【0053】
【表2】

【0054】
グルコン酸クロルヘキシジンが溶液上で最も強力な抗菌作用を示した。天然成分の中では、化学式3および7が最も優れた抗菌作用を示した。
【0055】
実施例4.P.ジンジバリス菌から分泌されるLPSによって誘導される歯周細胞の炎症抑制活性の評価
歯周炎とは、歯肉炎症とこれによる歯周細胞の破壊により起こる一連の感染疾患をいう。歯周炎と関連のある様々なバクテリアのうち、ポルフィロモナスジンジバリス(Porphyromonas gingivalis)は、これらの中でも最もよく知られているバクテリアである。このようなバクテリアにより生成されるLPS、タンパク質、或いはタンパク質分解酵素などは、代表的な細胞毒性物質であって、歯周疾患と密接した関係がある。
【0056】
P.ジンジバリスによって生成されたLPSは、インターロイキン−1(IL−1β)或いは腫瘍壊死因子(TNF−α)などの炎症因子の生成を促進して、これらの炎症因子は各種歯周疾患を起こす原因として知られている。
【0057】
したがって、前記組成物のP.ジンジバリスによって生成されたLPSにより発現されるインターロイキン−1(IL−1β)と腫瘍壊死因子(TNF−α)の生成抑制効果から歯周炎予防効果を測定した。
【0058】
P.ジンジバリス(A7A1−28)は、BHI培養液(5mgのヘミンおよび0.5mgのビタミンK/mL含有)を用いて37℃で嫌気性条件の下で(90%N、5%Hおよび5%CO)24時間培養した。P.ジンジバリスによって生成されたLPSをフェノール蒸留水方法を用いて抽出した。より詳しくは、培養されたバクテリアセルを蒸留水にサスペンションさせ、同量の90%フェノールを60℃で添加した後、20分間攪拌した。水溶液層を遠心分離(4℃で7000rpmにて15分間)して分離した後、非イオン化水を用いて4℃で3日間透析し、しかる後に、これをさらに遠心分離(4℃で40,000rpmにて1.5時間)して沈殿物を得た。この沈殿物を透析によって精製した後、これを真空乾燥させて4℃に保管した。マウス由来のマクロファージ(RAW 264.7)を、ブドウ糖4.5g/l、10%血清および1%抗生剤が含有されたDMEM培地に接種して37℃で24時間培養した。これらの細胞を分注して48時間培養した後、化学式1〜10および比較試料を50μg/mLの濃度でDMEM培地に希釈させ、これを培養されたマクロファージに処理し、37℃で3日間培養した。培養の後、培地を全て除去し、溶菌バッファ(0.1Mリン酸カリウムバッファ、pH7.8/1%Triton X−100/1mM DTT/2mM EDTA)を用いて培養液を処理した後、培養液内の生成されたインターロイキン−1βと腫瘍壊死因子(TNF−α)の量を酵素免疫アッセイ法(Enzyme-linked immunosorbent assay、ELISA)によって測定した。その結果を下記表3に示す。
【0059】
【表3】

【0060】
表3に示すように、グルコン酸クロルヘキシジンは、培養された細胞を消滅させたので測定が不可であり、化学式2が最も優れた活性を示した。
【0061】
実施例5.組成物1〜12の製造
前記実施例3および4から分かるように、ジベンゾ−p−ジオキシン成分がバイオフィルムの生成を抑制するのに必要なそれぞれの活性において最も優れた。各活性の優れた成分を選定して組成物1〜10を製造した。各組成物の化学的組成を下記表4に示す。
【0062】
【表4】

【0063】
実施例6.バイオフィルム生成予防効果の評価
前記実施例5で製造された組成物と比較試料に対してバイオフィルム生成抑制活性を測定した。前記組成物は、100%ジメチルスルホキシドに溶かして0.5−40μL/mLの濃度でムチンを用いて希釈した。人工唾液は、1%タイプIIIムチン(mucin from porcine stomach、Sigma−Aldrich)を付着緩衝溶液に希釈させた後、121℃で15分間滅菌させたものを使用した。
【0064】
菌株としては、虫歯原因菌としてのストレプトコッカスミュータンス(Streptococcus mutans、ATCC25275)、ストレプトコッカスサングイス(S.sanguis ATCC10556)(American type culture Collection、rockwille、MD、USA)、アクチノミセスビスコサス(Actinomyces viscosus KCCM 12074、Korea Culture enter of Microorganisms、ソウル)を使用し、これらを接種して多種(multi-species)接種溶液を製造した。より詳しくは、培養された各バクテリアを遠心分離機によって分離した後(4500、5min)、PBS(phosphate-buffered saline、pH7.2)で洗浄した。これを付着緩衝溶液(10mM KPO4、50mM KCl、1mM CaCl、0.1mM MgCl、pH7.0)にさらに1×10CFU/mL濃度でサスペンションさせた。接種細胞溶液は各バクテリアを同じ濃度で含んだ。前記組成物のバイオフィルム生成抑制活性を測定するために、RukayadiとHwangの方法を使用した。より詳しくは、96ウェルポリスチレンマイクロプレートの各ウェルに0.5〜50μg/mLの試料を入れて常温でシェーカーを用いて3時間培養した後、空気中で乾燥させた。試料がコートされた96−ウェルプレートに20μLのバクテリア接種液を添加し、全体体積が200μlとなるように培養液を満たした後(最終濃度1×10CFU/mL)、37℃で24時間培養した。残っている培養液を除去した後、200μL 50mM PBSを用いて、残ったバイオフィルムを形成していないセルを洗浄した。バイオフィルムを形成したセルを0.4%クリスタルバイオレット溶液を30分間着色した後、蒸留水を用いて、残っている溶液を綺麗に洗浄した。着色されたセルを95%エタノール200μLに溶かした後、その量を吸光度(596nm)を用いて測定した。本試料のバイオフィルム抑制効果は次の式を用いて測定し、その結果を下記表5に示す。
【0065】
バイオフィルム生成予防効果(%)=(1−試料がコートされたセルの吸光度/対照群セルの吸光度)×100
試料がコートされていないセルを対照群として使用し、50%予防効果を示す濃度(IC50)を求めた。
【0066】
【表5】

【0067】
実施例7.バイオフィルム除去効果の評価
口腔内に既に形成されたバイオフィルムを効果的に除去することは、口腔の健康を改善させるに際して、生成を抑制することと同様に重要である。したがって、前記実施例5で製造された組成物と比較サンプルに対してバイオフィルムの除去効果を測定した。製造された組成物と比較試料に対するバクテリアバイオフィルム除去効果を測定するために、96−ウェルプレートに様々なバクテリアバイオフィルムをStepanovicの方法によって次のようにコートした。各プレートに200μLの人工唾液を入れ、常温で3時間軽く振とうしながら培養した後、付着していない残りの人工唾液を除去した後、プレートを空気中で乾燥させる。プレートにバクテリア接種液20μLを入れ、3%スクロース含有BHI培養液を用いて37℃で24時間培養してバイオフィルムを形成させた。残っている培養液を除去した後、200μL 500mM PBSを用いて、残ったバイオフィルムを形成していないセルを洗浄した。各セルに試験物または比較試料を0.5〜50μg/mLの濃度で処理し、1時間培養した。バイオフィルムを形成したセルを、0.4%クリスタルバイオレット溶液を用いて30分間着色した後、蒸留水を用いて、残っている溶液を綺麗に洗浄した。着色されたセルを95%エタノール200μLに溶かした後、吸光度を測定した(596nm)。各試料のバイオフィルム除去活性は処理前後の吸光度を比較して決定した。
【0068】
バイオフィルム除去効果は次の式によって計算した。50%除去効果を示す濃度(IC50)を求め、下記表6に示す。
【0069】
バイオフィルム除去効果(%)=(1−試料の吸光度/試料を処理していないセルの吸光度)×100
【0070】
【表6】

【0071】
実施例8.歯周疾患に対する予防および治療効果の評価
前記組成物の歯周疾患予防および治療効果を、下記表7に記載の方法に従う臨床試験によって評価した。
【0072】
【表7】

【0073】
チューインガムの製造成分を下記表8に示す。
【0074】
【表8】

【0075】
前記評価結果、図1に示すように、本発明の組成物7を含むチューインガムを使用した試験群の歯周状態の改善効果および歯周疾患の予防効果が、対照群と比較して非常に優れることを確認した。
【0076】
実施例9.前記組成物の虫歯予防効果
前記組成物6の虫歯予防および虫歯内に存在するバクテリアに対する抗菌効果を、下記表9に記載の方法による臨床試験によって評価した。
【0077】
【表9】

【0078】
前記評価結果、下記表10に示すように、本発明の組成物6の虫歯改善効果および予防効果が優れることを確認した。
【0079】
【表10】

【0080】
実施例10.歯磨き効果の持続性の比較実験
一般人が日常生活で最も大きい不便を感じる口臭の発生など、口腔内不快度に及ぼす影響を、歯磨き粉を用いて下記表11に記載の方法で評価した。対照歯磨き粉としては、口臭除去効果に優れるものと知られているカジメ抽出物およびクロルヘキシジンの含まれた歯磨き粉を使用した。
【0081】
【表11】

【0082】
前記実験結果によれば、図2に示すように、本発明の組成物5を含む歯磨き粉を使用した実験群は歯磨き効果が長時間持続されたが、活性成分としてカジメ抽出物を含む歯磨き粉またはクロルヘキシジンを含む歯磨き粉を使用した実験群は歯磨き効果が長く持続されなかった 。



【特許請求の範囲】
【請求項1】
ジベンゾ−p−ジオキシン(dibenzo-p-dioxine)誘導体を有効成分として含む、口腔健康維持および改善用組成物。
【請求項2】
前記ジベンゾ−p−ジオキシン誘導体が、下記化学式1、化学式2、化学式3および化学式4よりなる群から選ばれる2種以上の化合物であることを特徴とする、請求項1に記載の口腔健康維持および改善用組成物。
【化1】

【化2】

【化3】

【化4】

(式中、Rはそれぞれ独立に水素、C〜Cのアルキル、C〜Cのアルケニル、フェニル、C〜C12のフェニルアルキル、C〜C20のアルカノイル、C〜C20のアルケノイル、ヒドロキシフェニル、ジヒドロキシフェニルまたはトリヒドロキシフェニルである)
【請求項3】
前記Rはそれぞれ独立に水素、メチル、エテニル、ベンジル、アセチル、オレオイル、4−ヒドロキシフェニル、2,4−ヒドロキシフェニルまたは2,4,6−トリヒドロキシフェニルであることを特徴とする、請求項2に記載の口腔健康維持および改善用組成物。
【請求項4】
前記組成物の全体重量に対し、化学式1の化合物は3〜70重量%、化学式2の化合物は1〜75重量%、化学式3の化合物は2〜60重量%、化学式4の化合物は2〜60重量%で含有されることを特徴とする、請求項2に記載の口腔健康維持および改善用組成物。
【請求項5】
前記口腔健康維持および改善用組成物に含まれる化学式1、化学式2、化学式3および化学式4よりなる群から選ばれる少なくとも2種の化合物が化学式1の化合物、化学式3の化合物および化学式4の化合物であることを特徴とする、請求項2に記載の口腔健康維持および改善用組成物。
【請求項6】
前記口腔健康維持および改善用組成物は下記化学式5、化学式6、化学式7、化学式8、化学式9および化学式10よりなる群から選ばれる少なくとも1種のジベンゾ−p−ジオキシン誘導体をさらに含むことを特徴とする、請求項2に記載の口腔健康維持および改善用組成物。
【化5】

【化6】

【化7】

【化8】

【化9】

【化10】

(式中、Rはそれぞれ独立に水素、C〜Cのアルキル、C〜Cのアルケニル、フェニル、C〜C12のフェニルアルキル、C〜C20のアルカノイル、C〜C20のアルケノイル、ヒドロキシフェニル、ジヒドロキシフェニルまたはトリヒドロキシフェニルである)
【請求項7】
前記化学式5、化学式6、化学式7、化学式8、化学式9および化学式10よりなる群から選ばれる少なくとも1種のジベンゾ−p−ジオキシン誘導体が化学式7の化合物であることを特徴とする、請求項6に記載の口腔健康維持および改善用組成物。
【請求項8】
前記口腔健康維持および改善用組成物に含まれる化学式1、化学式2、化学式3および化学式4よりなる群から選ばれる少なくとも2種の化合物が化学式1の化合物および化学式3の化合物であることを特徴とする、請求項7に記載の口腔健康維持および改善用組成物。
【請求項9】
前記Rはそれぞれ独立に水素、メチル、エテニル、ベンジル、アセチル、オレオイル、4−ヒドロキシフェニル、2,4−ヒドロキシフェニル、または2,4,6−トリヒドロキシフェニルであることを特徴とする、請求項6に記載の口腔健康維持および改善用組成物。
【請求項10】
前記化学式5、化学式6、化学式7、化学式8、化学式9および化学式10よりなる群から選ばれる少なくとも1種のジベンゾ−p−ジオキシン誘導体が組成物の全体重量に対し0.1〜50重量%で含有されることを特徴とする、請求項6に記載の口腔健康維持および改善用組成物。
【請求項11】
口腔内バイオフィルムの発生抑制および除去、歯の腐食予防、歯垢形成の予防、歯肉疾患の予防および改善、または口臭改善の機能を有することを特徴とする、請求項1に記載の口腔健康維持および改善用組成物。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2012−531404(P2012−531404A)
【公表日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−517361(P2012−517361)
【出願日】平成21年9月25日(2009.9.25)
【国際出願番号】PCT/KR2009/005480
【国際公開番号】WO2010/150944
【国際公開日】平成22年12月29日(2010.12.29)
【出願人】(511312311)ボタメディ インク (2)
【Fターム(参考)】