説明

古紙切断装置及び古紙切断方法

【課題】 古紙の縦・横寸法を任意に適宜の大きさの矩形状に複数切断し、且つ、古紙の繊維を出来るだけ長く保った状態で加工可能に設けた、古紙再生装置における古紙切断装置及び古紙切断方法を開発・提供する。
【解決手段】 内板を底部に有した古紙投入容器と、該内板上昇時に古紙加圧機構・古紙給送機構から成る給送部と、複数の縦方向切断刃と、縦方向切断刃を軸支するための回転軸と、回転軸を回転駆動させる縦方向回転駆動手段と、複数の古紙給送を防止するための、上下一対の古紙加圧機構・古紙給送機構と、縦方向切断用古紙巻きこみ防止機構とからなる縦方向切断機構と、古紙の給送方向に対して垂直方向に軸支された横方向切断刃と、回転駆動手段と、該横方向切断刃を古紙給送方向に対して垂直方向に任意に移動可能に設けた横方向移動手段と、切断古紙巻きこみ防止機構から成る横方向切断機構から成る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、古紙切断装置及び古紙切断方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、新聞に使用する紙の使用量は、年間370万トンであり、一所帯あたり、年間約70Kgを消費している。又、雑誌や新聞の折り込み広告等にも紙は大量に使用されている。
【0003】
そして、近年、資源環境を踏まえた「環境に優しい紙」を目指し、各製紙会社では新聞古紙のリサイクルと軽量化についての技術開発が行われており、古紙回収により集められた新聞紙は、古紙パルプとなり、新聞用紙の素材に、約60〜80%が配合され利用されている。
【0004】
一方、新聞紙の軽量化も進み、現在では43g/m3となっている。古紙パルプには、印刷インキを取り除かない黒い低品質の古紙パルプで、板紙やダンボール等の原料として、又、印刷インキを取り除いた脱黒パルプ(海外では、脱インキパルプ=Deinked pulp:DIP)と呼ばれ、印刷用紙やトイレットペーパー等白さを要求される紙の原料となっている。
【0005】
又、依然としてインキ油を含有する再生された新聞用繊維が、浴室用・顔面用ティッシュ、ナプキン及びペータータオル等の原料として使用されている。
【0006】
その為、発明者は、古紙パルプ、特に、古新聞用紙を使用してトイレットペーパー等の再生紙を作製し、これを小型の装置内で、古紙からすべての工程を経て再生紙を得る小型古紙再生装置を開発し出願している。例えば、特許文献1のように。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特願2010-210566号
【0008】
しかし、この古紙を原料とし、パルプを製造する古紙パルプの製造工程と、古紙パルプを抄紙する抄紙工程との間に、古紙を破砕・叩解する装置を設ける必要があり、この装置も小型化(コンパクト化)する必要があり、しかも、使用する古紙の繊維をできるだけ長く保った状態で加工されることが望ましい。
【0009】
更に、このためには古紙は、再生使用するためには、繊維内部のフィブリル(小繊維)が摩擦作用で毛羽立ち、ささくれる現象である、フィブリル化させることが望ましい。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
そこで、上記(0008)の課題を解決する為に、この発明は古紙パルプを抄紙する抄紙工程において、古紙の縦・横寸法を任意に適宜の大きさの矩形状に複数切断し、且つ、古紙の繊維を出来るだけ長く保った状態で加工可能に設けた、古紙再生装置における古紙切断装置及び古紙切断方法を開発・提供する事にある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この課題を解決する為の手段として、複数の古紙を同時に投入保持可能な容量を有し、且つ、古紙給送時に給送側端部が古紙のセット枚数に合わせて所定角度程上昇・下降可能に設けた底板を底部に有した古紙投入容器と、該底板上昇時に古紙を加圧すると同時に縦切断部へと給送する古紙加圧機構・古紙給送機構から成る古紙給送部と、給送方向に平行に軸支された複数の縦方向切断刃と、該縦方向切断刃を軸支するための回転軸と、該回転軸を回転駆動させるための縦方向回転駆動手段と、縦方向切断刃の前後に設けて、複数の古紙を給送することを防止するための上下一対の古紙加圧機構・古紙給送機構と、該縦方向切断刃上部に設けた縦方向切断用古紙巻きこみ防止機構とからなる縦方向切断機構と、古紙の給送方向に対して垂直方向に軸支された横方向切断刃と、該横方向切断刃を駆動させるための回転駆動手段と、該横方向切断刃を古紙の給送方向に対して垂直方向に任意に移動可能に設けた横方向移動手段と、該横方向切断刃の前後に設けた切断古紙の巻きこみ防止機構から成る横方向切断機構から成るものである。
【0012】
又、古紙給送部において、古紙投入容器底板表面の一部又は全部は、コルク板等の滑り止め材、又は、樹脂等の滑り止め剤から成るものであ。
【0013】
又、縦方向切断機構において、古紙加圧機構・古紙給送機構と縦方向切断用古紙巻きこみ防止機構の、一部、又は、全部が単一部材から成るものである。
【0014】
又、縦方向切断機構において、複数の古紙加圧機構・古紙給送機構は、単一の駆動手段から成るものである。
【0015】
又、古紙給送部及び縦方向切断機構の加圧部材は、スプリング等の弾性体、又は、電動シリンダー、エアーシリンダー、オイルシリンダー等の押圧手段から成るものである。
【0016】
又、縦方向切断機構及び横方向切断機構において、縦方向切断刃及び横方向切断刃の上部に、古紙切断時に発生する、古紙由来の繊維屑の飛散防止手段を設けているものである。
【0017】
又、二つ折りにしてセットされ、一枚ずつ移送されてくる古紙を、古紙の送り方向と直交する方向に配置された回転軸に、適宜の間隔毎に軸支された、縦方向切断刃を、複数枚設け、これら縦方向切断刃により、縦方向に切断されながら送られた古紙を、適当間隔を空けて、古紙を横断する、横方向切断刃で切断することにより、古紙を、適宜の大きさの縦・横寸法を有する矩形状に切断することを特徴とするものである。
【0018】
又、古紙再生装置における古紙の切断装置の、縦方向切断機構及び横方向切断機構において、縦方向切断機構の縦方向切断刃、及び、横方向切断機構の横方向切断刃の取り付け角度を任意に調整変更可能に設けて、古紙の縦・横それぞれの側辺に対して、所定の傾斜を設けて切断可能に設けたものである。
【0019】
又、古紙再生装置における古紙の切断装置の、縦方向切断機構及び横方向切断機構において、縦方向切断機構の縦方向切断刃、及び、横方向切断機構の横方向切断刃の数を任意に変更可能に設けることにより、古紙切断片の大きさ及び数を任意に調整可能に設けたものである。
【発明の効果】
【0020】
この発明の効果として、古紙の送り方向と直交する方向に配置された回転軸に、適宜の間隔毎に軸支された、縦方向切断刃を、複数枚設け、これら縦方向切断刃により、縦方向に切断されながら送られた古紙を、適当間隔を空けて、古紙を横断する、横方向切断刃で切断することにより、古紙を、適宜の大きさの縦・横寸法を有する矩形状に切断可能に設けたことで、古紙の繊維を出来るだけ長く保った状態で加工可能にし、高強度の古紙パルプを製造可能にし、更に、縦方向切断部及び横方向切断部の下部に巻き込み防止機構をそれぞれ設けることで、古紙の給送を円滑にする等、極めて有益なる効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】この発明の一実施例を示し、古紙再生装置全体の正面図である。
【図2】この発明の一実施例を示し、古紙再生装置内の古紙切断装置の正面視部分拡大詳細図(図1のa部拡大詳細図)である。
【図3】この発明の一実施例を示し、古紙再生装置全体の右側面図である。
【図4】この発明の一実施例を示し、古紙再生装置内の古紙切断装置の右側面視部分拡大詳細図(図3のb部拡大詳細図)である。
【図5】この発明の一実施例を示し、古紙再生装置全体の平面視断面図である。
【図6】この発明の一実施例を示し、古紙給送状態を示す右側面視断面図である。
【図7】この発明の使用例を示し、古紙切断要領図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
この発明を実施するための最良の形態として、古紙パルプ製造工程と古紙パルプを抄紙する抄紙工程を有する小型古紙再生装置において、複数の古紙(RP)を同時に投入保持可能な容量を有し、且つ、古紙給送時に給送側端部が古紙のセット枚数に合わせて所定角度(α)程上昇・下降可能に設けた底板(1a)を底部に有した古紙投入容器(1b)と、該底板上昇時に古紙(RP)を加圧すると同時に縦切断部へと給送する古紙加圧機構(1c)・古紙給送機構(1d)から成る古紙給送部(1)と、給送方向に平行に軸支された複数の縦方向切断刃(2b)と、該縦方向切断刃を軸支するための回転軸(2a)と、該回転軸を回転駆動させるための縦方向回転駆動手段(M1)と、縦方向切断刃(2b)の前後に設けて、複数の古紙を給送することを防止するための上下一対の古紙加圧機構(2c)・古紙給送機構(2d)と、該縦方向切断刃上部に設けた縦方向切断用古紙巻きこみ防止機構(2e)とからなる縦方向切断機構(2)と、古紙の給送方向に対して垂直方向に軸支された横方向切断刃(3a)と、該横方向切断刃を駆動させるための回転駆動手段(M2)と、該横方向切断刃を古紙の給送方向に対して垂直方向に任意に移動可能に設けた横方向移動手段(3b)と、該横方向切断刃の前後に設けた切断古紙の巻きこみ防止機構(3c)から成る横方向切断機構(3)から成る事を特徴とする古紙切断装置から構成される。
【実施例1】
【0023】
そこで、この発明の一実施例を図1〜図5に基づいて詳述すると、まず、古紙切断装置(S)は、図1・図3に示すように、底部の四角に脚輪(CA)と滑り止め用のストッパー(ST)をそれぞれ設けた、古紙再生装置本体の、やや上方部位置に設けられ、主に古紙を給送するための古紙給送部(1)と、古紙を縦方向に複数箇所切断する縦方向切断機構(2)と、古紙を更に横方向に複数箇所切断する横方向切断機構(3)とで構成される。
【0024】
そして、前記、古紙給送部(1)は、図2・図4に示すように、古紙(新聞紙二つ折り)の大きさに適合した箱状(引き出し方式)の古紙投入容器(1b)を設け、且つ、該古紙投入容器は容器の奥側下部に軸支して設けた、L字型回動式持ち上げ部材(1e)を上・下方向に回動させて、底板(1a)の奥側一端を上昇・下降させて傾斜させ、且つ、該給送部中央上方には、底板(1a)上昇時に古紙(RP)を加圧すると同時に、縦方向切断機構(2)方向へと給送する古紙加圧機構(1c)・古紙給送機構(1d)をそれぞれ設けて、古紙を一部ずつ確実に給送するようにしたものである。又、前記L字型回動式持ち上げ部材(1e)は、古紙投入容器内の古紙の残量枚数に応じて持ち上げ所定角度(α)が最適になるよう適宜調整されるように設けられている。又、前記、古紙投入容器(1b)は複数の古紙を同時に投入保持可能な容量を有し、且つ、古紙投入容器の側壁には、古紙の横幅サイズに合わせて側壁ガイドを調整可能に設け、古紙が不均等に給送されることを防止できるように設けられ、更に、底板表面は古紙との摩擦を適切に保持するために、コルク板等の滑り止め材、或いは、樹脂等の滑り止め剤を貼付・塗布することも可能である。又、前記、古紙加圧機構・古紙給送機構は、給紙ローラー・給紙ローラーシャフト・駆動伝達シャフト・ガイド部材・バネ等の加圧部材から成り、モーター等で発生した回転駆動は、ベルト等の駆動伝達手段により駆動伝達シャフトに伝達される。そして、更に駆動伝達シャフト、及び、給紙ローラーシャフトに固定されたギア等の駆動伝達手段により、給紙ローラーに伝達され、給紙ローラーが回転駆動する。又、バネ等の加圧部材は、ガイド部材に設けられている。又、前記、底板(1a)が所定角度上昇すると、底板に積載された古紙の給紙側端部が給紙ローラーと接触し、所定圧力が加わる。その後、モーター等の回転駆動手段が駆動することで、古紙が縦方向切断機構部へと給送される。そして、更に前記古紙加圧機構・古紙給送機構は、ローラーとバネ等の加圧部材、及び、ガイド部材で構成され、破砕機底板下部の投入側端部付近に設けられ、給紙時は、モーター等の駆動手段により下降し、適切な圧力を加えることで発生する古紙保持力と、古紙加圧機構・古紙給送機構により古紙に加わる古紙給紙力との均衡を保持し、複数の給紙を防止する仕組みに成っている。
【0025】
又、前記、縦方向切断機構(2)は、図5に示すように、縦方向切断刃を軸支するための回転軸(2a)と、該回転軸を回転駆動させるための、電動式モートル等の縦方向回転駆動手段(M1)と、縦方向切断刃(2b)の前後に設けて、複数の古紙を給送することを防止するための、上下一対の古紙加圧機構(2c)・古紙給送機構(2d)と、該縦方向切断刃上部に設けた縦方向切断用古紙巻きこみ防止機構(2e)とから成るものである。そして、前記、縦方向切断刃(2b)は、適切な間隔で回転軸(2a)に軸支・固定され、モーター等の縦方向回転駆動手段(M)とベルト等の駆動伝達手段により回転するよう設けられている。そして、切断古紙の巻き込み防止機構(2e)は、板材と左右一対のバネ等の加圧部材、及び、跳ね上がり調整部材から成り、板材は、破砕機底板上部と適切な間隔で設けられ、且つ、切断時に古紙を適切に押圧すると同時に、切断刃の回転方向への古紙の巻き込みを防止する。又、切断刃前後に設けた上下一対の古紙加圧機構・古紙給送機構は、破砕機底板下部で回転軸により軸支されたローラーと、該ローラーを駆動させるモーター等の駆動手段と、ベルト等の駆動伝達手段、破砕機底板の上部に設けられたローラーと、バネ等の加圧部材、ガイド部材、及び、これらで構成された押圧部を所定範囲で上下させるモーター等の駆動手段で構成されている。そして、給送部より給送された古紙は、所定位置でセンサーに感知され、切断前押圧部が下降することで、所定圧力で押圧されながら切断される。切断された古紙は、更に、給送され、所定位置にてセンサーが感知し、切断後、押圧部が下降し、古紙を所定圧力で押圧しながら横方向切断機構部(3)へと給送される。
【0026】
又、前記、横方向切断機構(3)は、図5に示すように、古紙の給送方向に対して垂直方向に軸支された横方向切断刃(3a)と、該横方向切断刃を駆動させるための回転駆動手段(M2)と、該横方向切断刃を古紙の給送方向に対して垂直方向に任意に移動可能に設けた横方向移動手段(3b)と、該横方向切断刃の前後に設けた切断古紙の巻きこみ防止機構(3c)から成るものである。そして、横切断刃は、モーター等の駆動手段に切断刃が、軸支・固定されており、該駆動手段の駆動に連動して回転する。又、該駆動手段は、固定部により固定されている。更に、左右移動機構は、給送方向に垂直な方向に移動するアクチュエーター等の駆動手段と、固定部材と、固定されたアクチュエーター作動部で構成される。又、巻き込み防止機構は、中央部分が空隙である船形形状部材で構成され、切断刃が、該空隙部分に配置され、且つ、破砕機底板上面と船形形状部材とが所定間隔で配置されるように固定部材により固定されている。又、該船形形状部材は、アクチュエーター等の駆動手段と連動して駆動する。そして、縦方向切断機構より給送された古紙は、所定位置にてセンサーに感知され、給送が停止される。その後、横方向切断機構の駆動手段が駆動することにより、横方向切断刃が回転し、横方向移動手段が駆動することで、古紙が給送方向に垂直な方向で切断される。そして、切断時に古紙は、破砕機底板上面端部と船形形状部材とで適度に挟み込まれることで、切断刃に巻き込むことも無く、一定の大きさで切断される。
【0027】
続いて、本古紙切断装置によって切断される古紙の切断方法について説明すると、新聞紙等の古紙を二つ折りにしてセットし、一枚ずつ給送する古紙(RP)を、古紙の送り方向と直交する方向に配置された回転軸(2a)に、適宜の間隔毎に軸支された、縦方向切断刃(2b)を、複数枚それぞれ設け、これら縦方向切断刃(2b)により、縦方向に切断されながら送られた古紙(RP)を、適当間隔を空けて、古紙を横断する、横方向切断刃(3a)で切断することにより、古紙を、適宜の大きさの縦(Y)・横(X)寸法を有する、矩形状に切断し、且つ、縦方向切断機構(2)の縦方向切断刃(2b)、及び、横方向切断機構(3)の横方向切断刃(3a)の上部に、古紙切断時に発生する、古紙由来の繊維屑の飛散防止兼巻き込み防止機構(2e)(3c)をそれぞれ設けたことを特徴とするものである。従って、上記、矩形状の古紙切断片は、その都度、状況や用途に応じて、任意に変更することが可能である。
【0028】
次に、本装置の作業及び操作手順について説明すると、まず、最初に装置本体のほぼ中央前面に挿着して設けた古紙投入容器(1b)を投入口から引き出し、二つ折りに重合した複数枚の新聞紙等の古紙を容器内にセットし、引き出した元の投入口に挿着する。すると、新聞紙検知用のリミットスィッチが作動し、正常であれば運転開始用ランプが点灯する。そして、運転釦を押すと古紙が定位置にセットされているかをリミットスィッチにより確認し、L字型回動式持ち上げ部材を回動させるための底板上昇駆動手段の電源が入力(ON)され、底板(1a)の内側一端が上方に持ち上げられ、且つ、古紙給送部上部に設けた古紙加圧機構(1c)・古紙給送機構(1d)の回転駆動手段の電源が入力(ON)され、給送状態にセットされる。そして、更に数秒後所定間隔おいて、縦方向切断機構部の古紙加圧機構(2c)・古紙給送機構(2d)の駆動手段が下降及び回転して、数秒後に古紙が横方向切断機構(3)部へ給送される。正常に給送されると、新聞紙検知用センサーが作動し、横方向切断機構部の電動式モートル等の横方向回転駆動手段(M2)が回転し、横方向切断刃(3a)が回転し、且つ、横方向切断機構部の横方向移動手段(3b)が左右方向に、予め設定された所定寸法ほど移動し、古紙(RP)は図6に示すように、縦(Y)・横(X)所定寸法を有する矩形状にそれぞれ切断される。そして、横方向移動手段(3b)によって所定位置まで移動すると、リミットスィッチが作動して、横方向移動手段(3b)の回転方向と、横方向切断刃(3a)の駆動方向が切り替わり、横方向切断刃(3a)が逆転しながら、基の定位置(原点)まで移動する。そして、更に横方向切断機構(3)の作動は、予め設定した間隔と切断回数だけ同じ動作を複数回繰り返すことで複数の矩形状に切断することが出来る。
【実施例2】
【0029】
又、上記、実施例1では古紙の切断方向が、古紙の縦・横それぞれの側辺に対して平行な、矩形状に切断可能に設けられていたが、その他の実施例として、用途や状況に応じて、古紙の縦・横それぞれの側辺に対して、所定の角度を設けて切断可能に設けたものである。
【0030】
又、更に上記、実施例1では古紙の切断片数が限定されていたが、これも、用途や状況に応じて、古紙の切断片数を任意に変更可能に設けたものである。
【産業上の利用可能性】
【0031】
この発明の古紙切断装置及び古紙切断方法は、古紙の送り方向と直交する方向に配置された回転軸に、適宜の間隔毎に軸支された、縦方向切断刃を、複数枚設け、これら縦方向切断刃により、縦方向に切断されながら送られた古紙を、適当間隔を空けて、古紙を横断する、横方向切断刃で切断することにより、古紙を、適宜の大きさの縦・横寸法を有する矩形状に切断可能に設けたことで、古紙の繊維を出来るだけ長く保った状態で加工可能にし、高強度の古紙パルプを製造可能にするため、本装置を製造・販売することで、製紙会社を始め関係市場に寄与する点で産業上の利用可能性を有する。
【符号の説明】
【0032】
1 古紙給送部
1a 底板
1b 古紙投入容器
1c 古紙加圧機構
1d 古紙給送機構
1e L字型回動式持ち上げ部材
2 縦方向切断機構
2a 回転軸
2b 縦方向切断刃
2c 古紙加圧機構
2d 古紙給送機構
2e 飛散防止兼巻き込み防止機構(縦方向側)
3 横方向切断機構
3a 横方向切断刃
3b 横方向移動手段
3c 飛散防止兼巻き込み防止機構(横方向側)
CA 脚輪
M1 縦方向回転駆動手段
M2 横方向回転駆動手段
O 落下穴
RP 古紙
S 古紙切断装置
ST ストッパー
X 横
Y 縦
α 所定角度


【特許請求の範囲】
【請求項1】
古紙パルプ製造工程と古紙パルプを抄紙する抄紙工程を有する小型古紙再生装置において、複数の古紙(RP)を同時に投入保持可能な容量を有し、且つ、古紙給送時に給送側端部が古紙のセット枚数に合わせて所定角度(α)程上昇・下降可能に設けた底板(1a)を底部に有した古紙投入容器(1b)と、該底板上昇時に古紙(RP)を加圧すると同時に縦切断部へと給送する古紙加圧機構(1c)・古紙給送機構(1d)から成る古紙給送部(1)と、給送方向に平行に軸支された複数の縦方向切断刃(2b)と、該縦方向切断刃を軸支するための回転軸(2a)と、該回転軸を回転駆動させるための縦方向回転駆動手段(M1)と、縦方向切断刃(2b)の前後に設けて、複数の古紙を給送することを防止するための上下一対の古紙加圧機構(2c)・古紙給送機構(2d)と、該縦方向切断刃上部に設けた縦方向切断用古紙巻きこみ防止機構(2e)とからなる縦方向切断機構(2)と、古紙の給送方向に対して垂直方向に軸支された横方向切断刃(3a)と、該横方向切断刃を駆動させるための回転駆動手段(M2)と、該横方向切断刃を古紙の給送方向に対して垂直方向に任意に移動可能に設けた横方向移動手段(3b)と、該横方向切断刃の前後に設けた切断古紙の巻きこみ防止機構(3c)から成る横方向切断機構(3)から成る事を特徴とする古紙切断装置。
【請求項2】
前記、古紙給送部(1)において、古紙投入容器底板表面の一部又は全部は、コルク板等の滑り止め材、又は、樹脂等の滑り止め剤から成ることを特徴とする請求項1記載の古紙切断装置。
【請求項3】
前記、縦方向切断機構(2)において、古紙加圧機構(2c)・古紙給送機構(2d)と縦方向切断用古紙巻きこみ防止機構(2e)の、一部、又は、全部が単一部材から成ることを特徴とする請求項1記載の古紙切断装置。
【請求項4】
前記、縦方向切断機構(2)において、複数の古紙加圧機構(2c)・古紙給送機構(2d)は、単一の駆動手段から成ることを特徴とする請求項1記載の古紙切断装置。
【請求項5】
前記、古紙給送部(1)及び縦方向切断機構(2)の加圧部材は、スプリング等の弾性体、又は、電動シリンダー、エアーシリンダー、オイルシリンダー等の押圧手段から成ることを特徴とする請求項1記載の古紙切断装置。
【請求項6】
前記、縦方向切断機構(2)及び横方向切断機構(3)において、縦方向切断刃(2b)及び横方向切断刃(3a)の上部に、古紙切断時に発生する、古紙由来の繊維屑の飛散防止手段を設けていることを特徴とする請求項1記載の古紙切断装置。
【請求項7】
古紙再生装置における古紙の切断装置(S)であって、二つ折りにしてセットされ、一枚ずつ給送されてくる古紙(RP)を、古紙の送り方向と直交する方向に配置された回転軸(2a)に、適宜の間隔毎に軸支された、縦方向切断刃(2b)を、複数枚それぞれ設け、これら縦方向切断刃(2b)により、縦方向に切断されながら送られた古紙(RP)を、適当間隔を空けて、古紙を横断する、横方向切断刃(3a)で切断することにより、古紙を、適宜の大きさの縦(Y)・横(X)寸法を有する、矩形状に切断し、且つ、縦方向切断機構(2)の縦方向切断刃(2b)、及び、横方向切断機構(3)の横方向切断刃(3a)の上部に、古紙切断時に発生する、古紙由来の繊維屑の飛散防止兼巻き込み防止手段(2e)(3c)をそれぞれ設けたことを特徴とする古紙再生装置における古紙の切断方法。
【請求項8】
古紙再生装置における古紙の切断装置の、縦方向切断機構及び横方向切断機構において、縦方向切断機構(2)の縦方向切断刃(2b)、及び、横方向切断機構(3)の横方向切断刃(3a)の取り付け角度を任意に調整変更可能に設けて、古紙の縦・横それぞれの側辺に対して、所定の傾斜を設けて切断可能に設けたことを特徴とする請求項7記載の古紙の切断方法。
【請求項9】
古紙再生装置における古紙の切断装置の、縦方向切断機構及び横方向切断機構において、縦方向切断機構(2)の縦方向切断刃(2b)、及び、横方向切断機構(3)の横方向切断刃(3a)の数を任意に変更可能に設けることにより、古紙切断片の大きさ及び数を任意に調整可能に設けたことを特徴とする請求項7記載の古紙の切断方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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