説明

可動式便器ユニット

【課題】 被介護者を介護する介護者の負担を軽減することができるとともに、使用後の臭気等によって室内の居住性が悪化するようなことがないようにすることが可能な便器ユニットを提供する。
【解決手段】 便器ユニット10は、座面22の下方に排泄物を収容する容器を有する便器20と、便器20を、建物1の床面3上を移動可能に支持する移動手段30とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、便器ユニットに関し、特に、室内のベッド上の被介護者の自立排泄を支援するのに有効な可動式便器ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
歩行困難者等の被介護者(以下、「被介護者」という。)は、病院、福祉施設、自宅等の室内のベッドからトイレまで移動するのが困難であるため、介護者の支援を受けながらトイレへと移動し、排泄を行っている。
【0003】
また、介護者にかかる労力と時間と手間を軽減するために、室内に常備可能な簡易式の便器(ポータブルトイレ)が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2000−287880号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、簡易式の便器を室内に常備すると、使用後の便器から発する臭気等のために、室内の居住性が悪化する。
【0005】
本発明は、上記のような従来の課題に鑑みてなされたものであって、便器を可動式に構成することにより、被介護者を介護する介護者の負担を軽減することができるとともに、使用後の臭気等によって室内の居住性が悪化するようなことがないようにすることが可能な便器ユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記のような課題を解決するために、本発明は、以下のような手段を採用している。
すなわち、本発明の便器ユニットは、座面の下方に排泄物を収容する容器を有する便器と、前記便器を支持する移動手段とを備えたことを特徴とする。
【0007】
本発明の便器ユニットによれば、便器は、移動手段によって支持されているので、便器ユニットを室内から離れた場所に保管しておいても、便器ユニットを室内へ容易に搬入することができる。従って、被介護者を介護する介護者の負担を軽減することができる。また、便器ユニットを室内から離れた場所に保管しておくことができるので、使用後の便器ユニットから発する臭気等によって室内の居住性が悪化するようなことはない。
【0008】
また、本発明の便器ユニットは、前記移動手段は、前記便器を支持する基台と、該基台に設けられる車輪と、前記基台に設けられて前記車輪を回転駆動するモータと、前記基台に設けられて前記モータに電力を供給するリチウムイオン電池とを備えていることを特徴とすることとしてもよい。
【0009】
本発明の便器ユニットによれば、リチウムイオン電池からモータに電力を供給することにより、モータが回転駆動して、該回転駆動されたモータによって車輪が回転駆動され、その結果、基台と一体に便器が移動することになる。
【0010】
この場合、移動手段は、基台と、車輪と、モータと、リチウムイオン電池とからなる、機構、制御が簡単なものであるので、製造が容易であるとともに製造に要する費用を安く抑えることができ、安価なものを提供することができる。
【0011】
また、リチウムイオン電池は、他の公知の電池よりも出力が高くかつ軽量であるため、便器ユニットの総重量を軽くすることができる。
【0012】
また、本発明の便器ユニットは、障害物を検知する障害物センサを備え、該障害物センサからの検知信号により、前記モータの回転駆動が制御されることを特徴とすることとしてもよい。
【0013】
本発明の便器ユニットによれば、モータの回転駆動が障害物センサの検知信号により制御されるので、便器ユニットが移動する際に、便器ユニットが障害物に衝突するようなことはなく、安全性を高めることができる。
【0014】
また、本発明の便器ユニットは、前記基台と前記便器との間には、前記便器を昇降させる昇降手段が設けられていることを特徴とすることとしてもよい。
【0015】
本発明の便器ユニットによれば、便器を昇降させる昇降手段を備えているので、便器を昇降させることにより、便器の位置(座面の高さ)を調整することができ、身長等の異なる様々な人々に対応させることができる。
【0016】
さらに、本発明の便器ユニットは、前記移動手段が、指定された2点間を指定された経路に沿って移動するように、前記モータの回転駆動を制御する制御手段を備えていることを特徴とすることとしてもよい。
【0017】
本発明の便器ユニットによれば、制御手段がモータの回転駆動を制御することにより、移動手段が、指定された2点間を指定された経路に沿って移動するので、手作業による便器ユニットの搬入の必要がなくなる。従って、介護者がいない場合であっても、被介護者は、自分の近くに便器ユニットを移動させて使用することが可能となる。
【発明の効果】
【0018】
以上、説明したように、本発明の便器ユニットによれば、便器は、移動手段によって支持されているので、便器ユニットを室内から離れた場所に保管しておいても、便器ユニットを室内へ容易に搬入することができる。従って、被介護者を介護する介護者の負担を軽減することができる。また、便器ユニットを室内から離れた場所に保管しておくことができるので、使用後の便器ユニットから発する臭気等によって室内の居住性が悪化するようなことはない。
【0019】
また、本発明の便器ユニットによれば、移動手段は、基台と、車輪と、モータと、リチウムイオン電池とからなる、機構、制御が簡単なものであるので、製造が容易であるとともに便器ユニット全体の製造に要する費用を安く抑えることができ、安価なものを提供することができる。また、リチウムイオン電池は、他の公知の電池よりも出力が高くかつ軽量であるため、便器ユニットの総重量を軽くすることができる。
【0020】
さらに、本発明の便器ユニットによれば、モータの回転駆動が障害物センサの検知信号により制御されるので、便器ユニットが移動する際に、便器ユニットが障害物に衝突するようなことはなく、安全性を高めることができる。
【0021】
さらに、本発明の便器ユニットによれば、便器を昇降させる昇降手段を備えているので、便器を昇降させることにより、便器の位置(座面の高さ)を調整することができ、身長等の異なる様々な人々に対応させることができ、汎用性を高めることができる。
【0022】
さらに、本発明の便器ユニットによれば、制御手段がモータを制御することにより、移動手段が、指定された2点間を指定された経路に沿って移動するので、手作業による便器ユニットの搬入の必要がなくなる。従って、介護者がいない場合であっても、被介護者は、自分の近くに便器ユニットを移動させて使用することが可能となり、介護者の負担を軽減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
図1〜図4には、本発明による便器ユニットの一実施の形態が示されている。図1は、便器ユニットの全体を示す概略図、図2は、図1の便器ユニットの制御構成を示すブロック図、図3は、図1の便器ユニットの保管状態を示す説明図、図4は、図1の便器ユニットの使用状態を示す説明図である。
【0024】
すなわち、本実施の形態の便器ユニット10は、病院、福祉施設、自宅等の建物1の室内2にいる歩行困難者等の被介護者(以下、「被介護者」という。)の自立排泄を支援するのに有効なものであって、便器20と、便器20の下方に設けられて、便器20を建物1の床面3上を移動可能に支持する移動手段30と、移動手段30と便器20との間に設けられて、便器20を上下方向に昇降させる昇降手段40と、移動手段30に設けられて、移動手段30及び昇降手段40を制御する制御手段50とを備えている。
【0025】
この便器ユニット10は、制御手段50による移動手段30の制御により、室外4の充電ステーション4aと室内2のベッド2aとの2点間を、予め指定された移動経路5に沿って移動するようになっている。
なお、本実施の形態では、移動経路5は、磁気テープ等の誘導テープ5aを床面3に貼付することで指定される。
【0026】
便器20は、上部中央に略長円形の貫通孔21が形成された座面22と、座面22の下方に設けられるとともに排泄物を収容する容器(図示せず)とを備えている。なお、便器20は、上記の構成のものに限らず、公知の各種の簡易式の便器を用いることができる。
【0027】
移動手段30は、上方に便器20が設けられる四角形板状の基台31と、基台31の下面の一端部(図1の左端部)に設けられる駆動輪32と、基台31の下面の他端部(図1の右端部)に設けられる一対のキャスタ33、33と、駆動輪32に動力伝達機構を介して連結されるモータ34と、基台31に設けられてモータ34に電力を供給するリチウムイオン電池35と、基台31の上面に設けられた制御箱51内に収容されてモータ34の回転駆動を制御する制御手段50と、基台31の各側面の略中央部にそれぞれ設けられる障害物センサ36とを備えている。
なお、リチウムイオン電池35の電力は、モータ34だけでなく、便器ユニット10の各部に供給される。
【0028】
駆動輪32は、基台31の下面の一端部に軸受(図示せず)を介して回転可能に設けられるシャフト32aと、このシャフト32aの両端に取り付けられる車輪32b、32cとを備え、この駆動輪32のシャフト32aの一部に動力伝達機構を介してモータ34の出力軸が連結されている。
【0029】
各キャスタ33は、基台31の下面側に旋回可能に取り付けられる取付部33aと、この取付部33aの下部に一体に設けられて取付部33aと一体に旋回可能な保持部材33bと、この保持部材33bによって回転可能に支持されて床面3上を転動可能な従動輪33cとを備えている。
なお、キャスタ33は、上記のような構成のものに限らず公知の各種のキャスタを用いることができる。
【0030】
制御手段50からの信号によりモータ34を回動駆動させると、動力伝達機構を介して駆動輪32が回転駆動し、駆動輪32の両車輪32b、32cが床面3上を転動し、車輪32b、32cの転動に追従して各キャスタ33の従動輪33cが床面3上を転動し、基台31が床面3上を前後、左右方向に移動し、又は床面3上を旋回することになる。
【0031】
この場合、障害物センサ36からの検知信号が制御手段50に入力されると、その入力信号に応じて制御手段50によってモータ34の回転駆動が制御され、便器ユニット10が障害物へ衝突するのを回避することができるので、便器ユニット10の安全性を高めることができる。
【0032】
なお、駆動輪32の両車輪32b、32cを独立して回転駆動させるように構成し、制御手段50からの信号によって両車輪32b、32cの回転数に差を持たせることにより、便器ユニット10の移動方向を変えるように構成してもよい。
【0033】
モータ34は、本実施の形態では、前記の制御箱51内に収容されている。このモータは、図3及び図4に示すように、リモートコントローラ(以下、リモコン)6の押釦スイッチ(例えば、使用、保管の旨の押釦スイッチ)を操作することにより、リモコン6からの信号が受信部52を介して制御手段50に入力され、その信号に応じて制御手段50によってモータ34の回転駆動が制御される。
【0034】
本実施の形態では、リモコン5の使用の旨の押釦スイッチが操作されると、便器ユニット10が充電ステーション4aから移動経路5に沿ってベッド2aに向かう方向に床面3上を移動し、保管の旨の押釦スイッチが操作されると、便器ユニット10がベッド2aから移動経路5に沿って充電ステーション4aに向かう方向に床面3上を移動するように、つまり、便器ユニット10が誘導テープ5aに追従しながら移動するように、移動手段30はモータ34の回転駆動を制御する。
【0035】
リチウムイオン電池35は、例えば、充電ステーション4aの床面3側に配設された充電器のインターフェース(図4参照)に接続可能となっており、便器ユニット10を充電ステーション4aに保管した際に、リチウムイオン電池35が充電器のインターフェースに接続されて自動的に充電される。ここで、リチウムイオン電池35は、他の公知の充電可能な電池よりも出力が高くかつ軽量であるので、便器ユニット10の総重量を軽くすることができる。
【0036】
前記のように、移動手段30は、機構、制御が簡単なものであるため、製造が容易であるとともに製造に要する費用が安価であり、これにより、便器ユニット10全体の価格を安く抑えることができ、安価なものを提供することができる。
【0037】
なお、本実施の形態においては、基台31の各側面にそれぞれ障害物センサ36(4つの障害物センサ)を設けているが、障害物センサ36は、4つに限らず、3つ以下、5つ以上であってもよい。また、障害物センサ36は、基台31の側面に限らず、便器20の側面等、便器ユニット10の外周面のどこに設けてもよい。要は、便器20がどの方向に移動しても、少なくとも1つの障害物センサ36が便器20の移動方向前方にある障害物を検知することが可能となるように、障害物センサ36を設ければよい。
【0038】
昇降手段40は、例えば、上下方向に移動可能な複数(本実施の形態では4つ)のアクチュエータ41と、アクチュエータ41を上下動させる駆動源42(図2参照)とを備え、駆動源42の作動によってアクチュエータ41を上下動させることにより、アクチュエータ41に追従させて便器20を上下方向に移動させることができる。
【0039】
アクチュエータ41としては、例えば、電動式ジャッキ、油圧式ジャッキ等が挙げられる。本実施の形態においては、基台31と便器20との間の4隅に4つの電動式ジャッキ(アクチュエータ41)を設け、移動手段30のリチウムイオン電池35から各電動式ジャッキのモータ(駆動源42)に電力を供給することにより、各電動式ジャッキを上下動させるように構成している。
【0040】
この場合、各電動式ジャッキのモータは、前述した制御手段50によって回転駆動が制御されており、前述したリモコン6の押釦スイッチ(上昇、下降、停止の押釦スイッチ)の操作により、リモコン6からの信号が受信部52を介して制御手段50に入力され、その信号に応じて制御手段50によって各電動式ジャッキのモータの回転駆動が制御され、便器20が上下方向に移動される。
【0041】
なお、アクチュエータ(電動式ジャッキ)は、4つに限らず、便器20を安定して上下方向に移動させることができる数量であればよい。
【0042】
次に、上記のように構成した便器ユニット10の使用方法について説明する。
まず、ベッド2a上の被介護者が便器ユニット10を使用しようとする場合には、被介護者がリモコン6の使用の旨の押釦スイッチを操作する。これにより、図3に示すように充電ステーション4aに保管されている便器ユニット10は、自動的に、移動経路5に沿って室内2のベッド2aに向かって移動する。この移動に際して、制御手段50は、移動経路5を示す誘導テープ5aを読み取り、読み取った情報に基づいて、移動手段30のモータ34を回転駆動している。なお、便器ユニット10は、制御手段50が誘導テープ5aを読み取るために必要なセンサ(磁気センサや光センサ等)を備えている。
【0043】
ここで、便器ユニット10の移動経路5となり得る範囲にある床面3を予め平らに形成しておくことにより、便器ユニット10の移動が妨げられることはなく、便器ユニット10を充電ステーション4aから室内2にスムーズに移動させることができる。
【0044】
また、便器ユニット10の移動経路5上に配設される扉7は、便器ユニット10が扉7に衝突するのを避けるために、自動扉となっている。
【0045】
さらに、扉7を、透明な部材で構成しておくことにより、便器ユニット10の位置や移動方向を室内2側から確認することができる。
【0046】
そして、便器ユニット10は、ベッド2aの近くまで移動して予め指定されている地点(誘導テープ5aの末端)に到達すると、制御手段50は、移動手段30のモータ34の回転駆動を停止させて、便器ユニット10を停止させる。このようにして、充電ステーション4aから便器ユニット10をベッド2aの近くまで移動させることにより、被介護者が便器ユニット10を使用可能な状態となる。そして、被介護者が便器ユニット10を使用して排泄を済ませた後に、被介護者がリモコン6の保管の旨の押釦を操作すると、便器ユニット10は、室内2から移動経路5に沿って元の充電ステーション4aに向かって移動して、誘導テープ5aのもう一方の末端にある充電ステーション5aに到達すると停止する。
【0047】
上記のように構成した本実施の形態による便器ユニット10にあっては、被介護者が室内2のベッド2a上でリモコン6の使用の旨の押釦スイッチを操作するだけで、充電ステーション4aから便器ユニット10を床面3上を移動させて室内2のベッド2aの近くまで移動させ、使用可能な位置に配置することができる。従って、被介護者が便器ユニット10を使用する際に、自力で移動する距離を短くすることができるので、手作業による便器ユニット10の搬入の必要がなくなり、被介護者の負担を軽減することができる。また、被介護者が介護者の支援を受けなくても、排泄を自立的に行うことができるので、介護者にかかる労力と時間と手間を軽減することができる。さらに、便器ユニット10の便器20の高さを昇降手段40によって調整することができるので、身長等の異なる様々な被介護者に対応することができ、汎用性を高めることができる。
【0048】
さらに、便器ユニット10の使用が済んだ後に、被介護者がリモコン6の保管の旨の押釦スイッチを操作するだけで、便器ユニット10を室内2から離れた充電ステーション4aに移動させることができるので、使用後の排泄物からの臭気等によって室内2の居住性が悪化するようなことはない。
【0049】
さらに、便器ユニット10を充電ステーション4aに保管することにより、リチウムイオン電池35の充電を自動的に行うことができるので、被介護者や介護者がリチウムイオン電池35の電力不足を懸念する必要はない。
【0050】
なお、前記の説明においては、移動経路5は、誘導テープ5aを床面3に貼付することで指定されている。ここで、誘導テープ5aは、便器ユニット10を使用時の便器20の前面の向きと保管時の便器20の背面の向きとを考慮して貼付されることが好ましく、本実施の形態では、略コ字形に貼付されている。一方、便器ユニット10の移動距離を短くするために、誘導テープ5aを直線状に貼付してもよい。
【0051】
また、前記の説明においては、移動経路5は、予め指定されているとしたが、予め指定されていなくてもよい。例えば、リモコン6に複数の押釦スイッチ等を設けて、リモコン6の操作によって便器ユニット10を操縦可能に構成してもよい。
【0052】
また、前記の説明では、リチウムイオン電池35が移動手段30の基台31に設けられているとしたが、便器20等、便器ユニット10のいかなる場所に設けられてもよい。但し、リチウムイオン電池35が充電ステーション4aで充電可能な場所に設けることが好ましい。なお、このような作用効果を奏することができる電池であれば、他の電池を用いてもよい。同様に、制御手段50も、便器ユニット10のいかなる場所に設けられてもよく、要は、移動手段30のモータ34の回転駆動の制御や、アクチュエータ41の駆動源42の制御が可能となるように、それらに電気的に接続されていればよい。
【0053】
さらに、前記の説明では、扉7が透明部材で構成されているとしたが、不透明な部材で構成されていてもよい。また、便器ユニット10の移動経路5上に扉7が配設されていなくてもよいが、扉7を配設することで、使用後の便器ユニット10から発する臭気等が室内2に流入するのが遮断されて室内2の居住性が高まるのは勿論のことである。
【0054】
また、前述の実施の形態における便器ユニット10に、座面22を温めるためのヒータや、排泄物を収容した容器の上部等を洗浄するための水洗設備や、使用後の便器ユニット10から発する臭気を吸着等により脱臭する脱臭設備や、座面22の貫通孔21を閉塞するための蓋や、座面22の後方で被介護者の背中を支持するための背もたれや、座面22の両端の上方で被介護者の腕を支持するための手すり等を設けてもよいのは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明による便器ユニットの全体を示した概略図である。
【図2】図1の便器ユニットの制御構成を示したブロック図である。
【図3】図1の便器ユニットの保管状態を示した説明図である。
【図4】図1の便器ユニットの使用状態を示した説明図である。
【符号の説明】
【0056】
1 建物
2 室内
2a ベッド
3 床面
4 室外
4a 充電ステーション
5 移動経路
5a 誘導テープ
6 リモートコントローラ(リモコン)
7 扉
10 便器ユニット
20 便器
21 貫通孔
22 座面
30 移動手段
31 基台
32 駆動輪
32a シャフト
32b、32c 駆動輪
33 キャスタ
33a 取付部
33b 保持部材
33c 従動輪
34 モータ
35 リチウムイオン電池
36 障害物センサ
40 昇降手段
41 アクチュエータ(電動式ジャッキ)
42 駆動源(モータ)
50 制御手段
51 制御箱
52 受信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
座面の下方に排泄物を収容する容器を有する便器と、前記便器を支持する移動手段とを備えたことを特徴とする可動式便器ユニット。
【請求項2】
前記移動手段は、前記便器を支持する基台と、該基台に設けられる車輪と、前記基台に設けられて前記車輪を回転駆動するモータと、前記基台に設けられて前記モータに電力を供給するリチウムイオン電池とを備えていることを特徴とする請求項1に記載の可動式便器ユニット。
【請求項3】
障害物を検知する障害物センサを備え、該障害物センサからの検知信号により、前記モータの回転駆動が制御されることを特徴とする請求項2に記載の可動式便器ユニット。
【請求項4】
前記基台と前記便器との間には、前記便器を昇降させる昇降手段が設けられていることを特徴とする請求項2から4の何れか1項に記載の可動式便器ユニット。
【請求項5】
前記移動手段が、指定された2点間を指定された経路に沿って移動するように、前記モータの回転駆動を制御する制御手段を備えていることを特徴とする請求項2から4の何れか1項に記載の可動式便器ユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−17248(P2010−17248A)
【公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−178290(P2008−178290)
【出願日】平成20年7月8日(2008.7.8)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)
【Fターム(参考)】