説明

可変長符号化回路

【目的】 データ幅の小さなシフタを使用し、出力データ幅を任意の幅とする。
【構成】 符号化入力はバッファメモリ2を経て可変長符号と符号長及び符号化制御の制御フラグをも格納した符号化テーブル3をアクセスする。この符号化テーブル3からの制御フラグ出力はバッファメモリ2の読出し制御端子及び符号化テーブル3の入力に接続され、可変長符号はバレルシフタ4に入力され、この上位16ビットはゲート回路5を経てレジスタ6に、下位16ビットは直接にレジスタ7に入力される。ゲート回路5にはレジスタ6の出力とレジスタ7の出力をマルチプレクサ8で切替えて帰還する。レジスタ6及び7に16ビット以上のデータが格納された時にレジスタ6の上位データを速度平滑用出力バッファメモリ9に書き込み、またマルチプレクサ8はこの上位データを除いた下位データをゲート回路5に帰還する様にレジスタ7側を選択し、順次符号化して出力する。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば画像信号の高能率符号化装置に用いられる可変長/固定長符号化回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の可変長符号化回路の構成及びその動作を図4、図5に示す。図に示した様に従来回路では最大符号長がLビットである時2Lビットのデータ幅を持ったシフタ33を用意してシフタ出力とレジスタ36、37からの帰還データをゲート回路35にて合成してレジスタ36に格納し、このレジスタ36への格納量がLビット以上になる毎に速度平均化の為の出力バッファ39にLビットずつ出力している。この様に従来は可変長符号の最大符号長が定まると一意的にバレルシフタ33のデータ幅及び出力バッファへのデータ幅が決まる為に柔軟なシステム構築ができなかった。
【0003】特に文献“Digital Coding of Compornent Television Signals for Contribution−Quality Applications in the Range 34−45 Mbits”(CMTT−2/6−E 8 Mar.1991)では最大符号長が18ビットの可変長符号を用いているが16相インターリーブの誤り訂正を施こし、また16ビット単位のビットスタッフィングを行っている。この様な場合最大符号長が18ビットであるにもかかわらず16ビット幅で符号化出力する事が望ましい。しかしながら従来技術ではこの様な柔軟性を持つ事ができなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】解決しようとする問題点は、従来の回路では可変長符号化を行うにあたり、柔軟なシステムを構築する事ができなかったというものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、符号化入力(端子1)を一時蓄えるバッファメモリ2と、そのバッファメモリ出力でアクセスされ可変長符号とその符号長及び制御情報を発生する符号化テーブル3と、この可変長符号を制御入力に従がってシフトするシフタ4と、このシフタ出力をゲート回路5を経て格納するレジスタ6、7と、このレジスタの上位ビットと下位ビットを切替えてゲート回路に帰還するためのマルチプレクサ8からなり、符号化テーブルからの制御情報に従がってバッファメモリからの読出しを制御すると共にこの制御情報を符号化テーブルに帰還する事によって1ケの長符号を複数回に分割して符号化する構成の可変長符号化回路である。
【0006】
【作用】これによれば、データ幅の小さなシフタを使用する事ができるので回路規模を小さくする事が可能であり、また出力データ幅として任意の幅を設定でき柔軟性を持たせる事ができる。
【0007】
【実施例】図1、図2には最大符号長が18ビットの可変長符号を16ビットのデータ幅で出力する本案の構成例による可変長符号化回路を示す。
【0008】符号化入力(端子1)はバッファメモリ(BM)2を経て符号化テーブル(ROM)3をアクセスする。本案ではこの符号化テーブル3に可変長符号と符号長及び符号化制御のための制御フラグをも格納している点に特徴がある。即ち符号長が16ビット以下である時はその可変長符号と符号長を直接符号化テーブル3に書き込んであり、又制御フラグとして“0”が書き込んである。又符号長が17ビット以上である時にはその符号が直接符号化テーブル3に書かれるのではなく、図3R>3に示す様に16ビット以下の長さの2つの符号に分割し、前半部に対応した符号と符号長を制御フラグ“1”と共に書き込み、後半部に対応した符号と符号長を制御フラグ“0”と共に符号化テーブル3に書き込まれている。
【0009】この符号化テーブル3からの制御フラグ出力はバッファメモリ2を構成しているFIFOメモリの読出し制御端子(/REN)及び符号化テーブル3の入力に接続されている。もしバッファメモリ2の出力が符号長が16ビット以下のデータであったならば、符号化テーブル3からの制御フラグ出力は“0”となりバッファメモリ2より次のデータの出力を要求する。もしバッファメモリ2の出力が符号長が17ビット以上のデータであったならば、はじめに可変長符号の前半部の符号とその符号長及び制御フラグ“1”を出力する。この制御フラグ“1”がバッファメモリ2の読出し制御端子に入力されるとバッファからは再び同一のデータが出力される。この制御フラグは符号化テーブル3にも入力されるがこの制御フラグ“1”をうけて後半部の符号と符号長及び制御フラグ“0”を出力する様符号化テーブル3はデータが書き込まれている。
【0010】即ちこの制御フラグをバッファメモリ2の読出し制御入力及び符号化テーブル3の入力に帰還する事によって、17ビット以上の符号長の長い符号2ケの符号長の短い可変長符号の集合と見なして2ステップに分割して符号化テーブル3をアクセスする事になる。
【0011】符号化テーブル3の出力の可変長符号は次に32ビットのデータ幅を持ったバレルシフタ(SFT)4に入力される。バレルシフタ4の上位16ビットはゲート回路5を経てレジスタ(R)6に、下位16ビットは直接にレジスタ(R)7に入力される。更にこのゲート回路5にはレジスタ6の出力16ビットとレジスタ7の出力16ビットのデータをマルチプレクサ(MUX)8で切替えて帰還し、符号化テーブル3で発生する可変長符号を次々につなぎ合わせて合成している。レジスタ6及び7に16ビット以上のデータが格納された時にレジスタ6の上位16ビットを速度平滑用出力バッファメモリ(BM)9に書き込み、またマルチプレクサ8はこの上位16ビットを除いた下位データをゲート回路5に帰還する様にレジスタ7側を選択し、順次符号化して出力(端子10)する。
【0012】これら符号化部の制御は符号化テーブル3からの符号長出力を累積(加算器11)しているレジスタ(R)12の状態によって行っている。レジスタ6及び7に16ビット以上のデータが蓄積される毎に上位データ16ビットがバッファメモリ9に出力されるので、レジスタ12の値が16以上である事を検出してバッファメモリ9及びマルチプレクサ8を制御する。図ではレジスタ12のMSB出力をこの検出出力として用い、マルチプレクサ8及びバッファメモリ9を制御している。
【0013】シフタ4の制御はこのレジスタ12の下位4ビットを用いて行い、又符号長の累積はこのレジスタ12の下位4ビットと符号化テーブル3からの符号長出力の和を再びこのレジスタ12に入力する事によって行っている。符号化テーブル3からの可変長符号及びその符号長の出力以降の処理は図4、図5の従来例と同様である。
【0014】こうして上述の装置によれば、データ幅の小さなシフタ4を使用する事ができるので回路規模を小さくする事が可能であり、また出力データ幅として任意の幅を設定でき柔軟性を持たせる事ができるものである。
【0015】なお図1、図2では出力データ幅を16ビットとするためにバレルシフタ4として32ビットデータ幅のそれを用い、17ビット以上の長符号を2回に分割して符号化した。この制御のために1ビットの制御フラグを設け、入力側バッファメモリ2の読出し制御や符号化テーブル3入力に帰還していた。一般的には出力データ幅は何ビットでもよく、この2倍のデータ幅を持ったバレルシフタを用いて構成する事ができ、長符号の分割も2回に限定されるものではない。
【0016】
【発明の効果】この発明によれば、データ幅の小さなシフタを使用する事ができるので回路規模を小さくする事が可能であり、また出力データ幅として任意の幅を設定でき柔軟性を持たせる事ができるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による可変長符号化回路の一例の構成図である。
【図2】その説明のための図である。
【図3】その説明のための図である。
【図4】従来の可変長符号化回路の構成図である。
【図5】その説明のための図である。
【符号の説明】
1 入力端子
2 バッファメモリ
3 符号化テーブル
4 バレルシフタ
5 ゲート回路
6、7 レジスタ
8 マルチプレクサ
9 速度平滑用出力バッファメモリ
10 出力端子
11 加算器
12 レジスタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】 符号化入力を一時蓄えるバッファメモリと、そのバッファメモリ出力でアクセスされ可変長符号とその符号長及び制御情報を発生する符号化テーブルと、この可変長符号を制御入力に従がってシフトするシフタと、このシフタ出力をゲート回路を経て格納するレジスタと、このレジスタの上位ビットと下位ビットを切替えてゲート回路に帰還するためのマルチプレクサからなり、符号化テーブルからの制御情報に従がってバッファメモリからの読出しを制御すると共にこの制御情報を符号化テーブルに帰還する事によって1ケの長符号を複数回に分割して符号化する構成の可変長符号化回路。

【図3】
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【図1】
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【図2】
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【図4】
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【図5】
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