説明

可撓性チューブを閉塞するための装置および方法

【課題】流体を運ぶ任意の可撓性チューブを閉塞する装置であって、該装置は可撓性チューブの区間に張力または牽引力が加えられることによって作動することができ、その場合に該張力がチューブの移動(該チューブに弛みがある場合)またはチューブの弾性伸長(該チューブに弛みがない場合)を起こさせるのに十分なものである機器を提供すること。
【解決手段】可撓性チューブの内腔を締め付けまたは閉塞する装置および方法は、可撓性チューブの管壁の一部を押圧することができる弾性力、たとえばバネ力の影響下にある閉塞具を含むことができる。閉塞具は弾性力の影響を受けることがあるが、止め具によってチューブの閉塞を阻止される。止め具はチューブ把持要素に連結されることができ、その結果、チューブ把持要素の近くのチューブへの張力は、止め具を閉塞具との係合から開除することができ、閉塞具を解放してチューブを押圧する。ある実施形態では、チューブにかかる張力は、本装置中に保持されたチューブの一部の弛みを吸収することによって、チューブ把持要素の動きを起こさせる。他の実施形態では、チューブにかかる張力は、把持要素の近くのチューブに弾性伸長を起こさせ、把持要素を移動させ、止め具を閉塞具との係合から開除する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2009年3月6日に出願された、発明の名称を「可撓性チューブを閉塞するための装置および方法」と題する米国仮特許出願番号第61/158,174号に基づく優先権を主張し、その内容はその全体が参照によって本明細書に取り込まれる。
【0002】
技術分野
本発明は、可撓性チューブのある区間の内腔を、該チューブの管壁を押圧することによって閉塞しまたは締め付けるための装置および方法に関する。典型的な用途では、本発明は、患者の血管と流体連通している可撓性チューブの部分的なまたは完全な閉塞に関するものである。
【背景技術】
【0003】
可撓性チューブを用いてある場所から別の場所に流体を移送する装置は、多くの場合チューブの可圧縮性を利用してその中を流れる流体流れを調整し制限しまたは止める。これは、生体液または治療液が電気機械的機器によって供給源または送り先と患者との間を移送される医療用途に特に有用である。たとえば、血液透析では、血液が患者の身体から透析装置を通してポンプ輸送されて、血液から老廃物および過剰体液が除去される。血液は患者から取り出され、ポンプで透析装置を通され、それから閉回路系で患者に戻される。処理された血液を戻す静脈内(IV)注射針(たとえば、フィステル針)が患者の身体から引き離されまたは外れて血液ポンプがタイミングよく止められないならば、外部への失血が起こりえる。一般に、動脈針またはカテーテル(ここで患者から血液が装置へと抜き出される)の外れは、該装置のライン中の気泡検知器によって直ちに検知されることができる。しかし、静脈針またはカテーテルの外れを検知することは、上記よりもはるかに困難である。患者が眠っているとき、またはそうでなくても静脈内ラインに加えられた張力がIV針を外してしまったことに気付かないと、この危険は高まる。透析装置から患者に血液を送達する留置血管IV針が患者の身体から外れてしまったときに、現行の透析装置は直ちに検知することができない。しかし、かかる装置は、ポンプ吐出ラインの背圧の増加、典型的にはポンプ下流の血液チューブの閉塞またはねじれによる背圧の増加を検知することができ、これによって警報を発しポンプを停止することができる。患者に流体を輸送する可撓性チューブを押圧することができる装置は、管腔内圧の必要な増加を生じさせることができ、または可能性として完全な閉塞を生じさせることさえもでき、これは外れたカテーテルからの過大な流体喪失を防ぐことができる。問題は、血管内カテーテル外れの差し迫った危険がこのような閉塞装置をどのように作動させることができるかということである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、流体を運ぶ任意の可撓性チューブを閉塞する装置であって、該装置は可撓性チューブのある区間に張力または牽引力が加えられることによって作動することができ、その場合に該張力がチューブの移動(該チューブに弛みがある場合)またはチューブの弾性伸長(該チューブに弛みがない場合)を起こさせるのに十分なものである装置、を提供することが本発明の目的である。医療への適用、たとえば血液透析への適用においては、透析装置に接続された血液チューブまたは血管内カテーテルもしくは針に接続されたチューブのいずれかが、このような可撓性チューブの区間として機能することができる。血液ポンプとIV針との間のチューブの区間に沿って所定の閾値量の張力が生じると、チューブのこの区間の一部が、取り付けられた閉塞装置を作動させるのに十分な量で移動するか、あるいは伸長するだろう。本装置を作動させるのに要求される閾値張力は、人の腕または身体の他の部分にテープ止めされた留置針またはカテーテル一式装置の外れを引き起こしうる張力よりも小さいように設定されることができる。透析装置は一般にポンプ吐出側チューブの閉塞を検知するように設計されるので、血液ポンプとIV針との間のチューブに閉塞装置を設置することによって、本発明は既存の透析装置に容易に組み込まれ、かくして不測の瀉血の危険を低減することができる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、可撓性チューブの区間の内腔を閉塞しまたは締め付けるための装置および方法に関する。ある用途では、かかる装置は、静脈内カテーテルまたは針に連結された可撓性チューブを閉塞することによる不慮の失血を防ぐのに役立つ。閉塞は、部分閉塞または完全閉塞であることができる。いずれの場合においても、流れ抵抗の増加または腔内圧力の変化が、流体ライン中の適切なセンサによって検知されて、ポンプ制御系の警報およびポンプ停止信号が発せられることができる。本発明の特徴を備えた装置は、全体として一つ以上の閉塞要素が可撓性チューブの管壁に作用を及ぼすように構成され適当な位置に置かれたアクチュエータを有する閉塞具組み立て体を含む。チューブのある長さの区間に沿った所与の閾値量の張力がチューブの該区間の一部のわずかな移動または伸長を引き起こすと、このアクチュエータが働く。本発明のある実施形態は、可撓性チューブの区間の一部が該チューブに加えられた張力に応答して移動しまたは伸長する、そのチューブの区間の内腔を締め付ける装置および方法を提供する。
【発明の効果】
【0006】
一つの実施形態では、本装置は、可撓性チューブの区間を把持する把持具、弾性力下にある少なくとも一つの閉塞具であって、該弾性力が、該把持具によって把持された可撓性チューブを該閉塞具が押圧するように付勢する、少なくとも一つの閉塞具、および該把持具に連結されまたは該把持具を含む閉塞具止め具であって、該閉塞具と係合しそして該閉塞具が該弾性力の影響下に動くことを阻止する、少なくとも一つの閉塞具止め具、を含む。把持具によって把持された該可撓性チューブの区間への張力に応答した該把持具の動きが、閉塞具から閉塞具止め具の係合を解除し、該閉塞具が開放されて該チューブを押圧することができる。
【0007】
本装置は、可撓性チューブの区間を保持するフレームであって、該フレームが第一端および第二端を有し、該第一端が把持具に連結されまたは該把持具を含むこともでき、閉塞具が該フレームの第二端の近くで該フレームに移動自在に連結される。
【0008】
本装置は、閉塞端および連結端を有するアームであって、該連結端が第二端の近くのフレームに摺動自在に連結されたアームを含むこともできる。該閉塞端は、閉塞具止め具と、把持具によって把持された可撓性チューブの区間を押圧することに適応された閉塞要素と、を係合するための表面を有することができ、これによって、閉塞具から離れる把持具の動きは、該閉塞具の閉塞端から閉塞具止め具の係合を解除させる。
【0009】
閉塞具は、基部へのフレームの第二端の近くに枢動自在に取り付けられることもでき、該基部は該フレームに摺動自在に取り付けられ、それによって、閉塞具からの閉塞具止め具の係合解除が基部から離れるフレームの動きを引き起こす。
【0010】
基部は第一端および第二端を有することができ、閉塞具は該基部の第一端の近くで該基部に取り付けられ、第二把持具が該基部の第二端に取り付けられることができる。
【0011】
本装置は、基部とフレームの第一端との間のフレームに摺動自在に取り付けられたアクチュエータを有することもでき、該アクチュエータがフレームの第一端に向かって摺動すると、該アクチュエータは閉塞具のアームに接触し該フレーム上のチューブに向って閉塞要素が動くように付勢する。
【0012】
アクチュエータバネがアクチュエータと基部との間に取り付けられことができ、該アクチュエータバネはアクチュエータを基部から離れさせフレームの第一端に向かって動くように付勢し、該アクチュエータは次に閉塞具を閉塞具止め具から係合解除して閉塞具を作動させることができる。
【0013】
アクチュエータアームは、該アクチュエータアーム上に段差状造作物を含めさせることができ、閉塞具が閉塞具止め具と接触しているときに、該段差状造作物に対向してアクチュエータは位置することができる。
【0014】
フレームはさらに、基部によって圧縮可能なトリガーバネを含むことができ、把持具によって把持されたチューブに張力がかかると、閉塞具は作動することができ、該張力は該トリガーバネを圧縮し、基部から離れるフレームの動きを生じさせるのに十分なものである。
【0015】
基部はさらに、フレームの第二端の近くのスロット内に配置されたダボを含むことができ、該スロット内のダボの移動はダボとトリガーバネとの接触を生じさせる。
【0016】
把持具は、可撓性チューブの区間が中に置かれることができる通路を有することができ、該通路の表面は隆起状造作物、たとえば稜線(ridges)、リブ(ribs)、斜交平行線(cross hatches)またはスケール(scales)を有し、第二ラッチが第二把持具に蝶番によって取り付けられることができ、該第二ラッチは該通路のまわりに留められることができる。
【0017】
さらなる実施形態では、本装置は基部、フレームおよび閉塞具を人の身体のような表面に装着するための取り付け台を有することができ、該取り付け台は該基部に連結可能でありかつ一つ以上の伸長部を有し、この伸長部にテープまたは粘着剤が施与されて該取り付け台が該表面に固定されることができる。
【0018】
取り付け台は、基部に枢動自在に連結可能であることができ、基部、フレームおよび閉塞具が、取り付け台が装着されている表面と概して平行な面内で回動することを可能にする。
【0019】
取り付け台は、基部に摺動自在に連結可能であることができる。取り付け台は、部材に取り付けられることもでき、該部材は基部のスロットを通して該基部に摺動自在に連結されかつフレームの陥凹部内に配置され、第二把持具によって把持されたチューブの区間への張力が、該部材の該陥凹部の壁面への接触を引き起こし、該フレームが該基部から離れるようにおよび閉塞具止め具が閉塞具との係合から外れるように付勢する。
【0020】
フレームは支柱を含むことができ、該支柱は取り付け台の一対のカムに接触することができ、第一方向へのフレームの回動は該支柱と第一カムとの接触を生じさせることができ、第二方向へのフレームの回動は該支柱と第二カムとの接触を生じさせることができ、いずれの接触も該フレームが該基部から離れるようにおよび閉塞具止め具が閉塞具との係合から外れるように付勢する力を生じる。
【0021】
他の実施形態では、本装置は二つ以上の閉塞具を含むことができ、少なくとも一つの閉塞具止め具とは二つ以上の閉塞具止め具を含む。ある実施形態では、チューブへの張力は、少なくともそのチューブの区間を延伸させることを含む。
【0022】
本発明の他の側面は、弾性力作動部材(たとえば、トーションバネ、板バネ、ゴムバンド)を有する閉塞具を含む。閾値の力によって弾性部材が閉塞具を第一の位置から第二の位置へ移動させ、可撓性チューブ内の流体流れが制限されるまで、該弾性部材は圧縮されたまたは張力をかけられた位置を保つ。
【0023】
本発明の他の実施形態では、閉塞具は二つの開口部を有するテーパー状収容部を含み、そこから可撓性チューブは収容部に入りまたは出て行く。該収容部はまた、該チューブに係合してもよい円筒体を中に含む。該収容部はテーパー状であり、チューブが収容部のテーパー末端に向かって移動するに従い該円筒体がチューブを内壁面に向けて締め付ける。
【0024】
本発明の他の実施形態では、可撓性チューブの単一コイルが、外周端沿いにある第一開口部および第二開口部を有する円筒状収容部の中に取り込まれる。チューブは第一開口部から収容部に入り、第二開口部から収容部を出て行く。可撓性チューブが収容部の第一および第二開口部の間において所定の閾値の力を受けると、チューブはねじれることによって自身を閉塞する。
【0025】
本発明の他の実施形態では、可撓性チューブは第一の場所において閉塞具に脱着可能に取り付けられ、該閉塞具に回動自在に連結された二つの円筒体の間で拘束される。チューブが第一の位置から第二の位置に移動するに従い、該二つの円筒体は互いに向かって回動し、チューブを閉塞することのできる概して同等かつ逆向きの締め付け力をチューブにかける。
【0026】
本発明の他の実施形態では、可撓性チューブの単一コイルが円筒状収容部の中に取り込まれる。閉塞端は内包されたコイルの内部ループに沿って位置し、それによってチューブは、所定の閾値の力がチューブに沿ってかかると、該端部に沿って閉塞される。
【0027】
本発明の他の実施形態では、本装置は、第一本体に枢動自在に連結された一対の支持アームを有する該第一本体を含む。可撓性チューブは支持アームに脱着自在に連結される。チューブに垂直な閉塞端を有する第二本体は、第一本体上の蝶番に枢動自在に連結される。閾値張力がチューブに作用したときにチューブを閉塞するのに必要な力を提供するために、バネが第一および第二本体に当接して置かれる。該張力は支持アームを第二位置へと移動させ、これによってバネ仕掛け本体は閉塞端に沿ってチューブを閉塞する。
【0028】
本発明の他の実施形態では、本装置は、本体に枢動自在に連結された一対の支持アームを有する該本体を含む。閉塞されるべき可撓性チューブは該支持アームに脱着自在に取り付けられる。プランジャが本体に摺動自在に連結され、バネが本体とプランジャとの間で圧縮される。プランジャの遠位端の近くのノッチが支持アームの一方と一時的に係合する。一対の支持アームが互いに離れるように回動すると、プランジャは第二の位置へと作動させられる。バネが次に可撓性チューブを閉塞するのに必要な押圧力を提供する。
【0029】
本発明の他の実施形態では、本装置は、中央の蝶番で枢動自在に連結された第一本体および第二本体を含む。閉塞タブが、一対のクリップによって第一本体に脱着自在に取り付けられた可撓性チューブと係合する。バネが、該閉塞タブを中央の蝶番のまわりに回動するのに必要な圧縮力を提供して、可撓性チューブを閉塞する。二つの本体は、バネの近傍の第二本体の底面上に取り付けられた保持タブの係止によって第一の位置に保持される。拘束するタブは第二本体から突き出し、可撓性アームで第一本体を係止する。ロッドが外向きに可撓性アームから離れるように突き出し、クリップが該ロッドの遠位端に連結される。チューブは該クリップに脱着自在に取り付けられる。可撓性チューブに沿った所定の閾値量の力が、可撓性アームを第一の位置から第二の位置まで動かし、かくして拘束タブは可撓性アームとの係合から解かれ、バネを作動させ、そして閉塞タブを通して可撓性チューブを閉塞する。
【0030】
本発明の他の実施形態では、本装置は、可撓性チューブを該チューブ内の流れを何ら制限することなくS字形配置に置く収容部を含む。チューブの一端は所定の力によって外向きにかつ該収容部から離れるように引っ張られるので、収容部内のチューブは閉塞される。
【0031】
本発明の他の実施形態では、本装置は、第一本体に摺動自在に連結されたタブを含む。可撓性チューブは、タブおよび第一本体に脱着自在に取り付けられる。所定の力が可撓性チューブを引っ張ると、タブは外向きかつ第一本体から離れるように摺動し、これによって第二本体にチューブの閉塞を作動させる。第二本体の底面に沿って位置する閉塞端は通常はタブの上にあるが、チューブが第一の位置から第二の位置まで動くとチューブを閉塞する。
【0032】
本発明のさらなる実施形態では、本装置はテーパー状第一端およびテーパー状第二端を有する円筒状チューブを含む。第一端は第一弁の中に挿入され、そこでチューブは該第一弁を通る開流路を作る。第二端は第二弁の中に挿入され、そこでチューブは該第二弁を通る開流路を作る。第一および第二弁は、それぞれ雌および雄継手内に置かれる。圧縮バネも該雌および雄継手が係合されている間それらの内に収容される。これらの継手が係止されると、バネが圧縮され、チューブのテーパー状両端が第一および第二弁を通り抜けて、第一および第二可撓性チューブの間に連続流路を作る。両チューブのうちの少なくとも一つの遠位端に作用する所定の閾値量の張力が両継手間の係合を解き、圧縮バネが膨張し両継手が互いとの係止から分かれることを可能にする。バネが膨張すると、チューブは第一および第二弁の双方から引き抜かれ、その結果可撓性チューブ間のいかなる流れも遮断される。
【0033】
本発明のある方法では、本方法は、力で作動する要素を有する閉塞具を用意する工程、該閉塞具を第一端および第二端を有する可撓性チューブに取り付ける工程、該閉塞具に対して相対的に該可撓性チューブが動く区間である該第一端と該第二端との間の該可撓性チューブの中心軸に沿って張力をかける工程、および該力で作動する要素を該閉塞具と組み合わせて用いて該可撓性チューブを閉塞する工程を含む。
【0034】
本発明の実施形態である可撓性チューブを閉塞する典型的な方法は全体として、閉塞部材を有する閉塞装置を用意する工程、閉塞されるべき可撓性チューブに該装置を連結する工程、所定の閾値量の張力を該チューブの一端にかける工程、該閉塞部材を作動して該チューブを閉塞する工程を含む。
【0035】
本発明の実施形態である可撓性チューブを閉塞する他の方法は全体として、弾性作動部材および閉塞部材を有する装置を用意する工程、閉塞されるべき可撓性チューブに該装置を連結する工程、所定の閾値量の張力を該チューブにかける工程、該弾性作動部材を作動する工程、該閉塞部材によって該チューブを閉塞する工程を含む。
【0036】
他の方法は、閉塞装置を作動可能にすることを含み、該閉塞装置は、チューブの区間を把持するための把持具、弾性力下にある閉塞具であって該把持具によって把持された該可撓性チューブを押圧するように該弾性力が該閉塞具に付勢する閉塞具、および該弾性力の影響下に該閉塞具が動くことを阻止するために該把持具に連結された閉塞具止め具を含み、該方法が、該閉塞具を動かして該閉塞具と該閉塞具止め具とを係合する工程、該閉塞具に隣接して該チューブを置く工程、および該チューブの区間を該把持具に固定する工程を含む。
【0037】
さらなる実施形態では、本閉塞装置はさらに、可撓性チューブの区間を保持するフレームであって、把持具に連結されたまたは把持具を含む第一端、および第二端を有するフレーム、該第二端の近くの該フレームに摺動自在に取り付けられた基部、該基部と該第一端との間の該フレームに摺動自在に取り付けられたアクチュエータ、および該アクチュエータと該基部との間に取り付けられたアクチュエータバネを含み、該閉塞具が該アクチュエータと接触するアームを含み、該アームは閉塞端と連結端とを有し、該閉塞端は閉塞具止め具と、該基部に枢動自在に取り付けられた連結端と、を係合するための表面を有し、該フレームの第一端に向かう該アクチュエータの動きが該閉塞具に該チューブの区間に向かう枢動を生じさせ、該閉塞具と該閉塞具止め具とを係合する方法がさらに、該アクチュエータバネを圧縮しながら該基部に向かって該アクチュエータを動かす工程、該閉塞具の該閉塞端に向かって該閉塞具止め具を動かす工程、および該閉塞具を枢動して該閉塞具の該閉塞端と該閉塞具止め具とを係合する工程を含む。
【0038】
他の実施形態では、可撓性チューブの内腔を締め付ける方法は、閉塞装置を使用することを含み、該閉塞装置は、該チューブの区間を把持するための把持具、弾性力下にある閉塞具であって該チューブを押圧するように該弾性力が該閉塞具に付勢する閉塞具、および該弾性力の影響下に該閉塞具が動くことを阻止するために該把持具に連結された閉塞具止め具を含み、この方法は、該把持具に該チューブの区間を確保する工程、該閉塞具に隣接して該チューブを置く工程、該把持具の近くで該チューブに張力をかける工程、該閉塞具から該閉塞具止め具の係合を解く工程、および該閉塞具を開放して該チューブを押圧する工程を含む。本装置はさらに、該チューブの区間を保持するためのフレームであって、第一端および第二端を有し、該第一端が把持具に連結されまたは該把持具を含むフレームを含むことができ、この場合に該閉塞具は閉塞端および連結端を有するアームを含み、該連結端は該第二端の近くのフレームに摺動自在に連結されており、また該閉塞端は該閉塞具止め具と該チューブを押圧するための閉塞要素とを係合するための表面を有し、そしてこの場合に該把持具の近くの該チューブに張力をかける工程はさらに、該把持具と該閉塞具との間の距離を増加する工程を含む。本装置はさらに、第二端の近くのフレームに摺動自在に連結された基部、該基部と該第一端との間の該フレームに摺動自在に連結されたアクチュエータ、該アクチュエータと該基部との間に連結されたアクチュエータバネ、該アクチュエータと接触する閉塞具アーム、および該基部に枢動自在に連結された閉塞具の連結端を含み、該閉塞具を開放する工程がさらに、該アクチュエータバネの影響下に該アクチュエータを開放して該第一端に向かって動かす工程、および該アクチュエータが該閉塞具アームに沿って摺動することを可能にして、該閉塞具アームに該チューブに向かう枢動を起こさせる工程を含む。
【0039】
本発明の実施形態としての可撓性チューブを閉塞するためのさらに他の方法は全体として、流体力学的に連結されるべき二つのチューブの各端に通常は閉じられている弁を設ける工程、各弁の本体中に中空円筒を挿入することによって該二つのチューブ間に流体連結を構築する工程、該二つの弁の間のバネを圧縮する工程、雄および雌継手を用いて該円筒を固定する工程、該チューブのうちの少なくとも一つに沿って所定の閾値の軸方向力をかける工程、該雄および雌継手の係合を解除する工程、該バネを用いて該継手が離間するように付勢する工程、そして両弁を閉じる工程を含む。
【0040】
本発明の他の側面は、可撓性チューブを閉塞する方法を提供する。該方法は、流体力学的に連結されるべき二つのチューブの各端に通常は閉じられている弁を設ける工程、各弁の本体中に中空円筒を挿入することによって該二つのチューブ間に流体連結を構築する工程、該二つの弁の間のバネを圧縮する工程、雄および雌継手を用いて該円筒を固定する工程、該チューブのうちの少なくとも一つに沿って所定の軸方向力をかける工程、該雄および雌継手の係合を解除する工程、該バネを用いて該継手が離間するように付勢する工程、そして両弁を閉じる工程を含み、それによっていずれの端からのさらなる流体流れも防止し、その結果透析装置の警報を作動させ、患者からの血液流失を防止する。本発明のさらなる側面は、該チューブのうちの少なくとも1に沿って加えられた軸力が十分に大きければ、本装置は該二つの弁が閉じた後これらの弁の間を完全に分離し、それによってIV針に連結された該チューブに該軸方向力がさらに作用することを排除しかつ該IV針が偶発的に外れないことを確実にする方法である。
【0041】
本発明のさらに他の側面は、透析治療中にIVチューブに力が加わったときに血液ポンプを停止する方法を提供する。該方法は、第一端および第二端を有するIVチューブに脱着自在に連結された閉塞具を用意する工程であって、該第一端が該血液ポンプの吐出側に流体力学的に連結され、該第二端がIV針に流体力学的に連結され、該IV針が透析治療を受ける患者に接続される工程、第一端と第二端との間の該IVチューブに沿って張力をかける工程、該IVチューブを閉塞する工程、閉塞警報を作動させる工程、そして該血液ポンプを停止する工程を含む。
【図面の簡単な説明】
【0042】
本発明の上記および他の特徴、側面および利点は、以下の説明および添付図面を参照することによってよりよく理解される。
【図1】Fig.1は本発明の特徴を具象化する体外血液回路の概略図である。
【図2】Fig.2は可撓性チューブの区間が本装置内にラッチで確保された、閉塞された位置の本発明の実施形態の斜視図である。
【図3】Fig.3は可撓性チューブの区間が本装置から取り出された、閉塞されていない位置の本発明の実施形態の斜視図である。
【図4】Fig.4は可撓性チューブの区間が本装置内に取り付けられた、閉塞された位置のFig.3の実施形態の平面図である。
【図5】Fig.5は可撓性チューブの区間が本装置内に取り付けられた、閉塞されておらずかつ閉塞作動可能の位置のFig.3の実施形態の平面図である。
【図6】Fig.6は可撓性チューブの区間が本装置内に取り込まれた、アクチュエータが完全に引き戻された位置にある、閉塞されていない位置のFig.3の実施形態の平面図である。
【図7】Fig.7はアクチュエータが完全に伸びているFig.2の実施形態の底面斜視図である。
【図8】Fig.8は閉塞している位置にある閉塞具を示す、Fig.2の実施形態の上断面斜視図である。
【図9】Fig.9aおよび9bはFig.8の実施形態に使用されるトリガーバネのそれぞれ斜視図および平面図である。Fig.9cおよび9dはFig.8の実施形態に使用される、異なった太さおよびバネ定数を有するトリガーバネの平面図である。
【図10】Fig.10は閉塞していないで閉塞作動可能の位置にある閉塞具を示す、Fig.8の実施形態の上断面斜視図である。
【図11】Fig.11はFig.8の実施形態のフレームの上面斜視図である。
【図12】Fig.12は取り付け台に取り付けられて示される、Fig.2の実施形態の斜視図である。
【図13】Fig.13はFig.12に示された取り付け台の斜視図である。
【図14】Fig.14はスナップファスナーによって本装置が取り付け台に取り付けられる該スナップファスナーの雌部材を示す、Fig.2の実施形態の底面斜視図である。
【図15】Fig.15はスナップファスナー台によってスナップファスナーの雌部材が本装置に取り付けられる該スナップファスナー台の斜視図である。
【図16】Fig.16はスナップファスナー台の配置位置を示す、Fig.7の実施形態のフレームの底面斜視図である。
【図17】Fig.17は基部のスロットを貫通して突き出ているスナップファスナー台を示す、Fig.7の実施形態のフレームに取り付けられた基部の底面斜視図である。
【図18】Fig.18は、基部のスロット内の前方位置にあり、後方チューブ把持具に張力がかかると本装置を作動するように配置されたスナップファスナー台を示す、Fig.7の実施形態のフレームに取り付けられた基部の底面斜視図である。
【図19】Fig.19は可撓性チューブが取り付けられた本発明の他の実施形態の上面図である。Fig.19aはFig.19の1−1線に沿って見た、Fig.19に示された実施形態の断面図である。Fig.19bはFig.19の2−2線に沿って見た、Fig.19に示された実施形態の断面図である。
【図20】Fig.20は可撓性チューブが取り付けられはっきり見えるようにカバーが取り外された本発明の実施形態の上面図である。
【図21】Fig.21は可撓性チューブが取り付けられ閉塞された位置で示される、Fig.20に示された実施形態の上面図である。
【図22】Fig.22は可撓性チューブが取り付けられた本発明の実施形態の上面図である。Fig.23は可撓性チューブが取り付けられ閉塞された位置で示される、Fig.22に示された実施形態の上面図である。Fig.24はFig.22の1−1線に沿って見た、Fig.22に示された実施形態の側面図である。
【図23】Fig.25は可撓性チューブが取り付けられた本発明の実施形態の上面図である。Fig.25aはFig.25の1−1線に沿って見た実施形態の断面図である。Fig.26は可撓性チューブが取り付けられた、Fig.25に示された実施形態のトリガーの側面図である。Fig.26aはFig.26の2−2線に沿って見たトリガーの断面図である。
【図24】Fig.27は可撓性チューブが取り付けられ閉塞された位置で示される、Fig.25に示された実施形態の上面図である。
【図25】Fig.28は可撓性チューブが取り付けられはっきり見えるように本発明の実施形態の上面が示されていない該実施形態の斜視図である。Fig.29は可撓性チューブが閉塞および非閉塞の双方の位置で示される、Fig.28に示された実施形態の平面図である。
【図26】Fig.30は可撓性チューブが取り付けられた本発明の実施形態の斜視図である。
【図27】Fig.31は可撓性チューブが閉塞されていない位置にある、Fig.30に示された実施形態の上面図である。Fig.32は可撓性チューブが閉塞された位置にある、Fig.30に示された実施形態の上面図である。
【図28】Fig.33は可撓性チューブが取り付けられた本発明の実施形態の斜視図である。
【図29】Fig.34は可撓性チューブが閉塞されていない位置にある、Fig.33に示された実施形態の上面図である。Fig.35は可撓性チューブが閉塞された位置にある、Fig.33に示された実施形態の上面図である。
【図30】Fig.36は可撓性チューブが取り付けられた本発明の実施形態の斜視図である。
【図31】Fig.37は可撓性チューブが閉塞されていない位置にある、Fig.36に示された実施形態の上面図である。
【図32】Fig.38は可撓性チューブが閉塞された位置にある、Fig.36に示された実施形態の上面図である。
【図33】Fig.39は可撓性チューブが取り付けられた本発明の実施形態の斜視図である。Fig.40は可撓性チューブが閉塞されていない位置に取り付けられた、Fig.39に示された実施形態の上面図である。Fig.41は可撓性チューブが閉塞された位置に取り付けられた、Fig.39に示された実施形態の上面図である。
【図34】Fig.42は可撓性チューブが取り付けられた本発明の実施形態の斜視図である。Fig.43は可撓性チューブが閉塞された位置に取り付けられた、Fig.42に示された実施形態の断面図である。
【図35】Fig.44は可撓性チューブが閉塞されていない位置に取り付けられた、Fig.42に示された実施形態の前面図である。
【図36】Fig.45は可撓性チューブが取り付けられた本発明の実施形態の斜視図である。Fig.46は可撓性チューブが非閉塞位置および閉塞位置の双方に取り付けられた、Fig.45に示された実施形態の断面図である。
【図37】Fig.47は可撓性チューブが取り付けられた本発明の実施形態の斜視図である。Fig.48は可撓性チューブが取り付けられたFig.47に示された実施形態の分解側面図である。Fig.49はFig.48の1−1線に沿って見た、Fig.47に示された実施形態の第一本体の上面図である。Fig.50はFig.48の2−2線に沿って見た、Fig.47に示された実施形態の第二本体の底面図である。Fig.51は可撓性チューブが取り付けられ閉塞されていない位置で示された、Fig.49の3−3線に沿って見た実施形態の側面図である。Fig.52は可撓性チューブが取り付けられ閉塞された位置で示された、Fig.49の3−3線に沿って見た実施形態の側面図である。
【図38】Fig.53は可撓性チューブが取り付けられた本発明の実施形態の斜視図である。Fig.54は可撓性チューブが取り付けられたFig.53に示された実施形態の基部およびトリガーの上面図である。Fig.55はFig.54の1−1線に沿って見た、閉塞されていない位置(Fig.55a、上図)および閉塞された位置(Fig.55b、下図)のFig.53に示された実施形態の断面図である。Fig.56はFig.53に示された実施形態のカバーの底面図である。Fig.57はFig.53に示された実施形態のトリガーの側面図である。
【図39】Fig.58は可撓性チューブが取り付けられ非閉塞位置および閉塞位置で示された本発明の実施形態の上面図である。Fig.59は可撓性チューブが閉塞された位置にある、Fig.58の1−1線に沿って見た、Fig.58に示された実施形態の断面図である。
【図40】Fig.60は可撓性チューブが取り付けられた本発明の実施形態の分解斜視図である。Fig.61は可撓性チューブが取り付けられた、中心線に沿って見たFig.60に示された実施形態の断面図である。
【図41】Fig.62は可撓性チューブが取り付けられた、中心線に沿って見た非閉塞位置の本発明の実施形態の断面図である。Fig.63は可撓性チューブが取り付けられた、中心線に沿って見た部分的に閉塞された位置のFig.62の実施形態の断面図である。Fig.64は可撓性チューブが取り付けられた、中心線に沿って見た閉塞された位置のFig.62の実施形態の断面図である。
【図42】Fig.65は可撓性チューブが取り付けられた非閉塞位置の本発明の実施形態の側面図である。
【図43】Fig.66は閉塞された位置のFig.65の実施形態の斜視図である。
【図44】Fig.67は可撓性チューブが取り付けられた閉塞された位置のFig.65の実施形態の側面図である。
【図45】Fig.68は可撓性チューブが取り付けられ非閉塞の/圧縮された位置のFig.65の実施形態の側面図である。
【図46】Fig.69は可撓性チューブが取り付けられた非閉塞の位置の本発明の実施形態の側面図である。Fig.70はA−A線に沿って見た、Fig.69に示された実施形態の断面図である。Fig.71は可撓性チューブが取り付けられた非閉塞の位置のFig.69に示された実施形態の斜視図である。Fig.75は可撓性チューブが取り付けられた非閉塞の位置のFig.69に示された実施形態の前面図である。Fig.76は可撓性チューブが取り付けられた非閉塞の位置のFig.69に示された実施形態の背面図である。
【図47】Fig.72は可撓性チューブが取り付けられた閉塞された位置のFig.69に示された実施形態の側面図である。Fig.73はA−A線に沿って見た、Fig.72に示された実施形態の断面図である。Fig.74は可撓性チューブが取り付けられた閉塞された位置のFig.69に示された実施形態の斜視図である。
【図48】Fig.77はA−A線に沿って見た、Fig.79に示された実施形態の断面図である。Fig.78は非閉塞の位置にあるFig.77および79に示された実施形態の斜視図である。Fig.79は可撓性チューブが取り付けられた非閉塞の位置のFig.78に示された実施形態の上面図である。Fig.80は可撓性チューブが取り付けられた非閉塞の位置のFig.78に示された実施形態の側面図である。
【図49】Fig.81はA−A線に沿って見た、Fig.83に示された実施形態の側面図である。Fig.82は閉塞された位置にあるFig.81および83に示された実施形態の斜視図である。Fig.83は可撓性チューブが取り付けられた閉塞された位置のFig.82に示された実施形態の上面図である。Fig.84は可撓性チューブが取り付けられた閉塞された位置のFig.82に示された実施形態の側面図である。
【図50】Fig.85は可撓性チューブが取り付けられた非閉塞の位置の本発明の実施形態の一部切り欠き図である。
【図51】Fig.86はアクチュエータ組み立て体が閉塞具から切り離された、Fig.85の実施形態の一部切り欠き図である。
【図52】Fig.87は可撓性チューブが取り付けられた閉塞された位置のFig.85の実施形態の一部切り欠き図である。
【図53】Fig.88は可撓性チューブが取り付けられた非閉塞の位置の本発明の実施形態の斜視図である。Fig.89は可撓性チューブが取り付けられた非閉塞の位置のFig.88の実施形態の上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
Fig.1に示されるように、典型的な血液透析装置は患者10に接続された体外血液回路5を含む。該体外回路5は一般に、血液透析治療のために構成された可撓性静脈内(「IV」)チューブ20の二つの区画(通常、動脈血セットおよび静脈血セットと呼ばれる。)を含む。二つの針を用いる配置では、血液は動脈接続カテーテルまたは針12を通して患者から抜き出され、静脈接続カテーテルまたは針14を通して戻され、これらのそれぞれは、典型的には体外血液回路の血液セットよりも小さい直径を有する、付け足されたまたはそれに接続されたある長さの延長チューブを有していてもよい。それぞれの接続カテーテル/針はまた典型的には雌型ルアーロックコネクタが終点となる。動脈カテーテル/針からの血液は、血液ポンプ30を介してダイアライザ40まで200〜800ml/分の範囲で所与の治療期間中ほとんど連続的に移送される。清澄な溶液である透析液はダイアライザ40の入口42までポンプ輸送され、ダイアライザ40中を血液と向流方向に流れ、ダイアライザの出口44から出て行く。典型的には抗凝血剤であるヘパリンが、ダイアライザ40の上流の注入場所32において体外血液回路5に添加される。処理された血液はダイアライザ40から出て静脈血セット中をポンプ輸送され、最後に該血液は、延長チューブを用いてまたは用いないで静脈カテーテル/針14を通って患者10に戻される。ある実施形態では、本発明の主題である閉塞装置50が、静脈もしくは動脈血セットのいずれか上に、またはチューブの区間の両端および静脈カテーテル/針組み立て体の接続端に雄型および雌型ルアーロックコネクタを組み込むことによって、静脈もしくは動脈血セットと静脈もしくは動脈カテーテル/針との間の延長チューブに沿って置かれることができる。間に入る延長チューブの区間上に閉塞装置50を設置することが好ましいといえよう。というのは、典型的には、これはより小さい直径を有し、したがってより容易に閉塞されるからである。いずれの場合でも、閉塞装置50は、患者の腕から針を外そうとする何らかの力が閉塞装置50にもかかり、外れた針が重大な失血を引き起こし得る前に閉塞装置の作動を生じさせるように、好ましくは静脈フィステル針14に十分近接して置かれる。
【0044】
血液回路のあるいくつかの要素は透析制御システム70と交信することができる。制御システム70は多数の圧力センサから、何よりもとりわけ体外回路5の静脈戻りライン上の圧力センサ60からの圧力信号を受けることができる。制御システム70は多数のライン中気泡センサから、何よりもとりわけ体外回路5の動脈側上のライン中気泡センサ62からの信号も受けることができる。動脈ライン中の何らかの空気をセンサ62が検知すると、その結果、警報レベルの信号が制御システム70に送られ得、制御システム70は次に血液ポンプ30に停止命令を送り、そして可聴および/または視認警報を患者10または医療提供者に発することができる。所定の操作圧力範囲より上または下の管腔内圧をセンサ60が検知すると、回路5の静脈チューブの部分的または完全な閉塞を表示する警報を制御装置70に発させ、その結果、たとえば停止命令80が血液ポンプ30に送られる。体外血液回路5の圧力は、該体外回路の血液チューブ20内の障害物または流れ制限物によって影響を受けることがある(すなわち、「閉塞」)。典型的には血液ポンプ30から下流の血液セットまたは針セット中の閉塞は、可撓性チューブ20のねじれまたは曲げによって引き起こされ、これはチューブ20を通る血液の流れを制限するのに十分なほど該チューブの断面積を減少させ、かつ上流の血液回路にたとえば、圧力センサ60によって検知可能な過大な背圧を生じさせる。血液ポンプ30の上流に閉塞が生じる場合には、動脈ライン中の追加の圧力センサが所定の操作範囲未満の圧力を検知することができる。いずれの場合でも、閉塞警報は制御システム70において発せられ、たとえば血液ポンプ30に停止命令80を送ることができる。
【0045】
可撓性チューブ20を押圧しまたは閉塞するための閉塞装置50の存在は、患者の身体10からカテーテル/針14が外れるおそれがあるならば、同様な停止命令80を生じさせることができる。装置50の作動は、静脈チューブ20の管腔内圧を十分に上げて、警報レベルの信号を圧力センサ60を介して制御システム70に送る。所定の操作圧力範囲は、圧力センサ60についてならびに系中の他のいずれのセンサについても独立にプログラミングされることができる。
【0046】
さらなる実施形態では、および重複したまたはフェイルセーフの安全装置の一部としては、閉塞装置50はまた、閉塞装置50が作動すると閉塞信号82を制御システム70に送り、該制御システムが次に停止命令80を血液ポンプ30に伝えることができる機械的、電気的または磁気的スイッチまたはセンサを含んでいてもよい。閉塞信号82は無線でまたは信号線のような従来の手段によって制御システム70に送信されることができる。
【0047】
一つの実施形態では、閉塞具組み立て体はチューブの張力で作動するクランプであり、これは、本装置のいずれの側のチューブにかけられた張力にも応答して、可撓性チューブの管壁に閉塞圧力をかけ、該チューブ内の流体の流れを制限してその管腔内圧を増加することができる。閉塞具組み立て体は、可撓性チューブに接続されかつテーピングのような標準的な方法によって患者に固定された血管内針が外れる危険があるであろうほどの張力が、ある長さの可撓性チューブにかけられたときはいつでも作動される。ある長さのチューブへの張力は、取り付けられた血管内カテーテルの外れを生じさせる前に、ある区画のチューブまたはカテーテルがテープによって患者の身体に固定されていることを前提として、該チューブのある程度の延伸を生じさせることができるという事実を、本発明は利用している。あるいはその代わりに、ある長さのチューブへの張力は、閉塞具組み立て体中に置かれたチューブの区間に十分な量の弛みが存在するならば、そのある長さのチューブの移動を生じさせることができる。この実施例では、閉塞具組み立て体は、1の次元方向にそれに直交する次元よりも相対的に平らであり、それが患者の腕または身体の他の部分に適度にしっかりとかつ心地よく静置されることを可能にする。好ましくは、閉塞具組み立て体は、使用者がある長さのチューブを該組み立て体中に容易に挿入し片手で該組み立て体の位置を変えまたは再作動可能にすることを可能にする。
【0048】
Fig.2は、閉塞具組み立て体100を例示し、この中に接続針14に連結された可撓性チューブの区間20が取り付けられている。この実施形態では、閉塞具組み立て体100は一つ以上の閉塞具110を含み、該閉塞具110はその遠位端に閉塞要素111を有し、その近位端112で基部120に枢動自在に接続されている。該一つ以上の閉塞具110は、一緒に(または単一の閉塞具の場合には静止部材に向けて)、アクチュエータ130が該一つ以上の閉塞具110の遠位端に向かって前進するときに、アクチュエータ130によって閉塞要素111を、取り込まれたチューブ20に対して強制的に押し付けることができる。一つ以上の閉塞具110の締め付け動作は、コレットソケットがコレットを囲んで前進するときにコレットが内側に配置された物体に及ぼす締め付け動作と異なるものではない。この実施例では、一つ以上の閉塞具110の外表面に沿ってそれを取り囲んでいるアクチュエータ130が遠位方向に前進するときに、可撓性チューブ20は一つ以上の閉塞具110の内側でコレット動作によって締め付けられる。(以下においては、二つ以上の閉塞具の存在を前提として、閉塞具組み立て体100の対になったまたは複数の要素が説明されることに注意せよ。二つ以上の閉塞具が好ましい実施形態であるといえるけれども、一つのみの閉塞具が本発明について想定されるならば、以下の説明は一つの要素が適切であるとする可能性を排除するように解釈されてはならない。)
【0049】
アクチュエータ130はアクチュエータバネ140によって遠位方向に押し出され、そうされる際に複数の閉塞具110の遠位端を互いに(または単一の閉塞具の場合には静止部材に向けて)近づけさせる。フレーム150は、閉塞具110の遠位端を開放または「閉塞作動可能」の位置に支承する閉塞具止め具151を含み、アクチュエータバネ140がアクチュエータ130を閉塞具110に沿って遠位方向に動かすことを防止する。可撓性チューブ20に張力がかかると、フレーム150は基部120から引き離される。この引き離しは、閉塞具110の遠位端を閉塞具止め具151から外すのに十分なものであり、それによって複数の閉塞具110が互いに近づきそしてアクチュエータ130がアクチュエータバネ140の力の下に遠位方向に前進することを可能にする。チューブ20にかけられた何らかの延伸力は、結果として基部120とフレーム150との間の引き離し力になる。というのは、チューブ20は閉塞具組み立て体100の各端においてしっかりと把持されているからである。この場合、閉塞具110に沿ってアクチュエータ130を押し出すのに必要となるバネ力は、個々のバネの直径または太さを最少にし、組み立て体100が全体として一面内でより平らな輪郭を有することが可能になるように、二つ以上のバネに分けられることができる。
【0050】
Fig.3は典型的な二重バネ閉塞具組み立て体100の斜視図である。C字型アクチュエータ130は二つのアクチュエータ部分130aおよび130bを有し、これらのそれぞれは別々のアクチュエータバネ140(Fig.4および5に、より詳細に示される。)によって動かされる。二つのアクチュエータバネ140は一端が基部120中に部分的に収容されて(または別の方法で連結されて)おり、他端がアクチュエータ130のアクチュエータ部分130aおよび130bに部分的に収容されて(または別の方法で連結されて)いる。アクチュエータ130は閉塞具組み立て体100のフレーム150によってガイドされ、この場合フレーム150もまた前方チューブ把持具152を取り込みまたはそれに連結されている。後方チューブ把持具160は基部120に、この実施例ではダボまたは支軸161によって、接続されまたは連結されることができる。この示された実施例では、閉塞具110はアクチュエータ130のアクチュエータ部分130aおよび130bと相互に作用してチューブ区間20の側面に対して締め付け力をかける。閉塞具110の近位端112は確保され基部120に取り付けられた閉塞具ダボまたは支軸161のまわりを回動する。他の実施形態では、単一の閉塞アームだけが存在するのでもよく、対向する構成部材はアクチュエータの対向するアクチュエータ部分のために単に静止ガイドの役割をする。チューブ区間20は、閉塞具110とアクチュエータ130の二つのアクチュエータ部分130aおよび130bとの間に置かれることができる。基部120もまた、閉塞組み立て体100の中央にチューブ区間20を配置するのに適合するようにC字形をしている。
【0051】
所定の閾値量の張力が可撓性チューブ20にかかり、該チューブをわずかに延伸させ(または少なくとも弛んだチューブ区間を真直ぐにさせ)、フレーム150を基部120からわずかに引き離し、そして閉塞具110の遠位端を閉塞具止め具151との係合から開放させると、閉塞組み立て体100が作動されてチューブ区間20を閉塞することができる。閉塞具110の端部が閉塞具止め具151との接触を解除すると、アクチュエータバネ140はアクチュエータ130に対してアクチュエータ部分130aおよび130bと閉塞具110との間の摩擦抵抗に打ち勝つのに十分な力を付与し、閉塞具110の外表面に沿ってアクチュエータ130を前進させ、閉塞要素111の間に挟み付け力または締め付け力を与える。Fig.4に示されたように、長さ方向に向けられたアクチュエータバネ140は、閉塞具110に沿ったアクチュエータ130の運動を生じさせる力を与え、これはチューブ20の側面に対して直交する力を与え、その内腔を閉塞または締め付ける。閉塞具110の閉塞力は、アクチュエータ130に作用するアクチュエータバネ140の力によって持続される。
【0052】
前方チューブ把持具152および後方チューブ把持具160は、閉塞具組み立て体100内にチューブ区間20を確保することができる通路を含むことができる。さらなる実施形態では、前方ラッチ153および後方ラッチ163は、それぞれ前方チューブ把持具152および後方チューブ把持具160に枢動自在に接続され、一本の指でまたは片手の親指と他の一本の指とで枢動して、カチッと開き、把持具152、160および取り込まれたチューブの上にカチッと閉じることができる。ラッチ153および163は、これらのラッチを指先で操作するのを容易にする取っ手を持つことができる。ラッチ153および163は、好ましくは使用者がチューブ区間を閉塞具組み立て体100上に、それが使用者の身体の上に置かれている間、片手で装着することを可能にする。把持具152および160の通路の表面は、好ましくはチューブを把持する造作物、たとえば稜線、リブ、斜交平行線、スケールまたは他の隆起状表面造作物(たとえば、横断方向に並んだ鋸歯状稜線)を有し、さらには非隆起状の粘着性もしくはエラストマー性表面、またはチューブ20を適所に保持するのを助けることができる他の方法による粘着性の表面を有することができる。これらの表面または造作物は、十分な摩擦抵抗を接したチューブ壁に与え、とりわけチューブ区間20のそれぞれの区画がラッチ153および163によっていったんしっかりと取り込まれた後は、把持具152および160に対して相対的なチューブの動きを防止することができる。一つの実施形態では、表面造作物は、むきだしの可撓性チューブ区間自体を把持することができる。他の実施形態では、表面造作物は、チューブ区間20が連結されている継手のかかり部21および22の上に重なる可撓性チューブの輪郭を捕捉するように成形される。
【0053】
Fig.5に示されたように、閉塞具組み立て体100が作動可能の状態にあるときに、複数の閉塞具110は、該閉塞具110の端部114に効いている閉塞具止め具151によって互いからおよびチューブ区間20から分け隔てられている。複数の閉塞具110間の距離は、圧縮されたアクチュエータバネ140の力の下にアクチュエータ130が遠位方向に動くことを妨げるのに十分なものであることができる。閉塞具止め具151と閉塞具端114との間の摩擦抵抗に打ち勝つのに十分な閉塞具組み立て体100の外側のチューブの区間20への張力は、閉塞具止め具151から閉塞具110の係合を開放させる。可撓性チューブについての所望の作動張力が得られるまで、かみ合う表面の構成、形状および面積は実験的に様々に変えられることができる。患者の身体に適切にテープ止めされた連結針を外すのに要するチューブ張力を測定し、そして作動張力をこの針を外す張力よりも安全に低い値に設定することによって、チューブの作動張力は決定されることができる。たとえば、閉塞具組み立て体100は、約0.6〜1ポンド(0.272〜0.454kg)の張力がチューブ区間20にかかると作動するように構築されることができる。ある実施形態では作動張力は0.6ポンド(0.272kg)未満であってもよい。ほとんどの状況では、IVカテーテルが人の身体に比較的ぞんざいな仕方でテープ止めされている事態に対応するように、本装置100は約1ポンド(0.454kg)の張力未満で作動するのが慎重な対応だろう。
【0054】
使用されて時間が経つと、また閉塞具110およびフレーム150に用いられた材料のタイプに応じて、閉塞具端114と閉塞具止め具151との間の摩擦抵抗が変化して、閉塞具組み立て体100が作動するチューブ張力の閾値が変化してしまうことがある。それに加えてまたは任意的に、Fig.6に示されたように、作動可能の位置にあるときに、アクチュエータ130のアクチュエータ部分130aおよび130bの先端に接触するようにアクチュエータ受け台115が閉塞具110に組み込まれてもよい。ある実施形態におけるアクチュエータ受け台115は閉塞具110の外面上に段差状造作物を含み、アクチュエータ130の最先端とかみ合い関係を形成し、閉塞具110に作用するコレット力の一部を解放する。好ましくは、閉塞具110の表面を基準としたアクチュエータ受け台115の傾斜角度は、アクチュエータバネ140の圧縮された付勢力のほとんどを閉塞具110の長手に沿って長さ方向に向けるように、十分に垂直に近いものである。このようにして、閉塞具止め具151に対向する閉塞具110の遠位端114に作用する締め付け力またはコレット力の量は減少し、本装置100の作動後の閉塞具端114と閉塞具止め具151との間の摩擦抵抗を低減して、それが作動したときに、より予測可能な開放力を生み出す。閉塞具止め具151から閉塞具端114の係合が解かれると、圧縮されたアクチュエータバネ140の力の作用下にアクチュエータ130が開放されるのが妨げられないように、好ましくはアクチュエータ受け台115は垂直から数度傾斜した角度を有する。
【0055】
チューブ区間20にもはやそれ以上引き離し力がかからなくなると、閉塞具組み立て体100が開放された後、単にアクチュエータ30を掴み、基部120に向かってそれを引き戻し、アクチュエータバネ140を圧縮することによって、閉塞具組み立て体100は再び作動可能にされることができる。Fig.6に示されたように、閉塞具組み立て体100を作動可能にすることは、好ましくは指受け台の形状をしているアクチュエータ部分130aおよび130bの先端面を使用者に、たとえば人差し指および中指で掴ませ、そして親指で押さえられている基部120に向かってアクチュエータ130を後方に引くことを含む。あるいは、(Fig.6に示された)基部部分120aおよび120bは、それぞれ人差し指および中指で掴まれることができ、アクチュエータは親指で掴まれることができて、再び作動可能の状態を達成することができる。基部120の後方側にまたはアクチュエータ130の先端側に使用者の手の親指をかけることによって、片手で本装置を作動可能にすることが可能である。そのようにすると、Fig.7に示されたように、アクチュエータ130の底面の後方端131は、フレーム150から伸びたまたはフレーム150に連結されたフレーム柱155と係合し、フレーム150を近位端方向に引き寄せ、閉塞具110の遠位端114に向かって閉塞具止め具151を押し付け、二つの閉塞具110を押し広げ、そして閉塞具110の遠位端114を閉塞具止め具151の上に載せることができる。一つの実施形態では、アクチュエータ130の底面の後方端131は、任意的にスロット132を含むことができ、その中にフレーム柱155がFig.7に示されたように進入することができる。ある実施形態では、アクチュエータ130の底面のスロット状後方端131は、本装置100を再び作動可能にする際に、アクチュエータ閉塞具110と閉塞具止め具151とを整列させるのを助けることができる。他の実施形態では、アクチュエータスロット132は十分に長くて、フレーム柱155の後方側への力がフレーム150を基部120を基準にして前方に移動させて閉塞具組み立て体100を作動させることを可能にする。Fig.4に示されるように、閉塞具端114の先端116は、閉塞具止め具151を摺動させて閉塞具端114を越え易くさせるように、閉塞具止め具151の後方端154の角度に対応するような角度を付けられることができる。閉塞具110が閉塞具止め具151の上に載ってしまった後は、使用者によるアクチュエータ130の開放は、それがバネ140の力の下に閉塞具110のアクチュエータ受け台115に達するまで前進することを可能にする。アクチュエータ受け台115との接触および閉塞具端114と閉塞具止め具151との接触の組み合わせは、本装置100を作動可能の状態にする。好ましくは、アクチュエータバネ140のバネ速度は穏やかなものにされて、非力または虚弱体質の人が片手で本装置100を再び作動可能にすることを可能にする。たとえば、アクチュエータバネ140を圧縮し装置100を作動可能にするのに必要な再作動可能力は、約4.5〜5.0ポンド(2.04〜2.27kg)の間に保たれることができる。好ましくは、多種多様な病状や衰弱した使用者に適合するように、最大再作動可能力は約6ポンド(2.72kg)未満に保たれる。一般に、現在使用されているほとんどの医療用静脈内チューブの場合、閉塞具バネ140のこの指針が許容するバネ速度は、少なくとも約800mmHgの管腔内圧力下の流体を含む可撓性チューブを完全に閉塞するためにもなお十分なものである。他の医療または非医療用途では、その下で閉塞装置が依然として首尾よく作動する管腔内圧力量は、これよりも高くてよい。その場合、閉塞具バネは、上記よりも高いバネ速度を有するバネによって交換される必要があることがある。さらに、使用されている可撓性チューブの剛性または弾力性が装置100の説明された実施形態によって包含されるチューブと異なるならば、閉塞具バネはこれよりも高いまたは低いバネ速度を有するバネによって交換される必要があることがある。
【0056】
閉塞具110の開放を作動するのに必要とされるチューブ区間20にかかる張力は、閉塞具端114の摩擦に関わる表面特性を変えることによって、たとえばそれが閉塞具止め具151と接触する表面積を変えることによって、または閉塞具止め具151との閉塞具端114の傾斜角度を変えることによって、調整されることができる。さらに、閉塞具止め具151と閉塞具端114との間の接触表面は、閉塞組み立て体100を作動させるのに所望される張力の程度に応じて、異なるかみ合い関係(たとえば、歯および溝の断面形状)を有することができる。
【0057】
好ましくは、張力で作動する閉塞組み立て体100は、それが取り付けられた可撓性チューブ20に加えられる比較的狭い範囲内の張力で作動しなければならない。その上、閉塞組み立て体100の作動特性は、好ましくは経時的におよび反復使用後に変化してはならない。製造工程におけるばらつき、可動部品間の所要公差および反復使用による接触表面の磨耗のような要因は、上で説明した閉塞組み立て体100の性能をさらに高めることによって軽減されることができる。
【0058】
Fig.8は、作動バネ170を組み込んでいる閉塞組み立て体100の別の実施形態の切り欠き図であり、該作動バネ170は閉塞組み立て体100を作動可能の状態に保つのを助けることができ、そしてトリガーダボまたは支軸161がスロット157にわたって摺動させトリガーバネ170を圧縮するのに十分な引き離し力がかかると、アクチュエータバネ140の力の作用下に基部120からフレーム150が離れる動き(またはその逆)を可能にする。Fig.10に示されたように、閉塞具ダボまたは支軸113が基部120に取り付けられており、トリガーダボまたは支軸161と並行してフレーム150のスロット158に沿って摺動し、フレーム150を基準として(基部120とともに)閉塞具110の並進的なまたは長さ方向の動きを可能にすることができることに注意せよ。
【0059】
環状のトリガーバネ170がこの実施形態に例示されているが、任意の他の型のバネも用いられることができて、同じ結果、すなわち閉塞組み立て体100の開放を引き起こすために可動部品間の摩擦に依存しない、バネに基づいたトリガー機構をもたらすことを達成することができるだろう。たとえば、閉塞具止め具151は、適切な形状を有する端部を持つ閉塞具を作動可能な位置に保つバネ仕掛け突起部を含むことができるだろう。バネ仕掛け突起部は、チューブ20にかかる所定の閾値の張力によって圧縮可能であり、閉塞具端が閉塞具止め具から滑り外れて本装置を作動させることを可能にするだろう。トリガーバネ170はその収納部156内に置かれることができ、バネ170と収納部156との上に後方チューブ把持具160を位置させることによって適所に保持されることができる。この型の組立構成では、基部120から後方チューブ把持具160を取り外して、異なるバネ速度を有するトリガーバネに代えることによって作動力を容易に調整することができる。これは、たとえば、Fig.9に示されたようにトリガーバネ170の環の太さを変えることによって達成されることができる。Fig.9aおよび9bは、三つの典型的なバネ速度のうちの最低の速度を有するトリガーバネを、それぞれ斜視図および上面図で示す。Fig.9cおよび9dは、累進的に増加したバネ速度を有するトリガーバネをそれぞれ示す。現在の医療級チューブを用いる典型的な用途では、トリガーバネ170は、チューブ20への約0.6〜1ポンド(0.272〜0.454kg)の張力に応答してトリガーダボまたは支軸161によって圧縮可能でなければならない。ある実施形態では、トリガーバネ170の圧縮を引き起こすことができる張力の範囲は、約0.5〜2ポンド(0.227〜0.907kg)の範囲であることができる。他の医療または非医療用途の場合、異なるバネ速度を有するトリガーバネ170に代えることによって作動力はそれ以上またはそれ以下に調整されることができる。使用する可撓性チューブが、本明細書で説明した装置100の実施形態によって包含されるものとは異なる弾性または引張特性を有するならば、トリガーバネの特性も変えられることできる。
【0060】
本発明の装置を始動させる主要手段としてのトリガーバネの使用は、作動力への正確かつ精密な応答を得るために、閉塞具止め具151と閉塞具端114との間の摩擦抵抗への依存を低減する。作動力をトリガーバネの圧縮にほとんど依存させることによって、装置100は、その多数回の使用にわたって、より信頼性または一貫性のある様式でチューブ20への張力に応答して作動することができる。例示された実施例では、基部120によって形成された軌道内をフレーム150が前後に摺動すると、トリガーダボまたは支柱161はトリガーバネ170を圧縮する。Fig.8は、閉塞具が開放され、すなわち閉塞する位置にあるときの、トリガーダボまたは支柱161の、トリガーバネ170およびフレーム150との相対的な位置を示す。Fig.10は、閉塞具110が作動可能の位置にあるときの、トリガーダボまたは支柱161の、トリガーバネ170およびフレーム150との相対的な位置を示す。作動可能の位置から開放された(閉塞する)位置への移動は、トリガーダボまたは支柱161がスロット157に沿って動き、トリガーバネ170をその過程で一時的に圧縮することを要求する。一つの実施形態では、トリガーダボまたは支柱161は、たとえば、Fig.3およびFig.12に示されたように、後方チューブ把持具160を基部120に連結する役割もすることができる。別の実施形態では、後方チューブ把持具160は、閉塞具組み立て体100の取り外し可能なまたは永久固定された要素であることができる。後方チューブ把持具160は通路を含むことができ、その中にチューブ区間20が入れられ固定される。前方把持具152と同じように、後方チューブ把持具160の通路は表面造作物を有し、これは、特にラッチ163がチューブ把持具160の通路の上に固定されたときに取り込まれたチューブ区間20の把持を強化することができる。この実施形態では、フレーム150は、トリガーバネ170の確保された配置場所および適切な機能に対応するためのトリガーバネ収容部156を含む。フレーム150は、基部120との相対的なフレーム150の動きに対応するためのスロット157も有する。これらの特徴はFig.11により明確に示され、Fig.11はフレーム150の上側を分離して示す。スロット157は、基部120に取り付けられたトリガーダボまたは支柱161と相対的にフレーム150が動くことを可能にし、他方、スロット158は、基部120に取り付けられた閉塞具ダボまたは支柱113と相対的にフレーム150が動くことを可能にする。同様にこの実施形態に示されるのはアクチュエータ止め具159であり、これはアクチュエータ130がその完全に作動された位置から行き過ぎるのを防ぐ。
【0061】
他の実施形態では、閉塞具組み立て体100は取り付け台180の上に取り付けられることができ、取り付け台180は次に任意の表面、たとえば患者の腕または他の身体部分に添えられることができる。好ましくは、取り付け台180はその一部が患者の腕に容易に、たとえば片手だけでテープ止めされるような形状をしている。Fig.13は一つのかかる実施例を示し、この実施例では取り付け台180は一つ以上の伸長部または翼181を含み、取り付け台180を人の腕に載せるときに、これを横断してテープの細片を貼ることができる。この場合、テープ片を伸長部181のうちの一つの上に貼り、テープを伸ばす動作に合わせて取り付け台180を持ち上げ、それを適当な表面上に置き、テープ片の両端を受け表面に押し付ければ足りる。これに続いて、追加のテープ片を残りの伸長部または翼181の上に置いて、受け手の表面に取り付け台180を固定することができる。取り付け台は、その底面を覆って粘着剤またはベルクロ(商標)材が予め貼られた使い捨て台であってもよく、これは取り付け台が使用者の皮膚にしっかりと取り付けられることを可能にする。他の実施形態では、閉塞具組み立て体100と相互に用いられる取り付け台の構成要素が、使用者の腕または手首のまわりに装着されることができるストラップにつなげられまたは取り付けられてもよい。
【0062】
一つの実施形態では、取り付け台180はスナップファスナーによって閉塞具組み立て体100の底に取り付けられ、その雄要素182がFig.13に見られる。該スナップファスナーは雄要素および雌要素を含み、そのいずれも取り付け台180の中心に取り付けられることができる。この実施例では、雄要素182が取り付け台180に取り付けられる。スナップファスナーを使用すると、取り付けられた閉塞具組み立て体100が雄要素182(またはその代わりにスナップファスナーの雌要素)によって形成された軸のまわりに回動することができる。閉塞具組み立て体100も取り付け台180に片手で取り付けられかつ取り外されることができると好都合である。スナップファスナーの雌要素183がFig.14に示される。この実施例では、これは、基部120の底面に隣接した閉塞具組み立て体100の底にねじ込まれる。テフロン(商標)ワッシャ184または他の比較的摩擦のないスペーサが雌要素183と基部120の隣接表面との間に挿入されることができる。1の実施形態では、雌要素183は基部120に剛結合される。かくして、閉塞具組み立て体100の先端にある(すなわち、前方チューブ把持具152に隣接した)チューブ20への何らかの張力は、患者の身体にテープ止めされたチューブ20の一部、および同様に患者の身体に固定された取り付け台180の双方によって、該基部を通して抵抗されることになる。
【0063】
他の実施形態では、取り付け台180は、基部120内のスロット中を短い距離だけ前後に動くことができる取り付け本体を介して閉塞具組み立て体100に緩く接続される。取り付け本体が、基部120のスロットの前方端に接触する前にフレーム150の後方端に接触させられるならば、閉塞具組み立て体100の先端に加えて閉塞具組み立て体100の後端にある(すなわち、後方チューブ把持具160に隣接した)チューブ20にかけられた張力によって閉塞具組み立て体100は作動させられることができる。基部120に直接取り付けるよりはむしろ、たとえば雌要素183はFig.7に示されたスナップファスナー台185に取り付けられることができる。スナップファスナー台185は基部スロット121を貫通して突き出し、その中を前後に動くことができる。スナップファスナー台185はFig.15に分離して示される。スナップファスナー台185の基部186は、Fig.16に示されたようにフレーム150の底面のフレームスロット159内に緩く嵌合するような大きさである。スナップファスナー台185はかくしてスロット159内を前後に動くことができる。スナップファスナー台185は、Fig.17に示されるように基部120によって閉塞具組み立て体100内に保持される。スナップファスナー台185の取り付け要素は基部スロット121を貫通して突き出す。かくして、スナップファスナー台185(および、したがって後でそれに取り付けられる取り付け台180)は、フレーム150および基部120の両方に対して相対的に動くことができる。スナップファスナー台185が(Fig.17に示されたように)基部スロット121に関して後方へ(すなわち、後方チューブ把持具160に向かって)の移動の終点に達すると、それは、フレームスロット159に関してはさらに後方に基部120を自体とともに引き連れて移動することができる。張力が前方把持具152の近くでチューブ20にかかると、この追加の移動は生じることができる。フレームスロット159によって可能とされるこの追加の後方へ移動は、トリガーダボまたは支柱161がスロット157内を移動するのに十分なものである。チューブ20への張力が閉塞具110を配置するために規定された閾値レベルに達したならば、トリガーダボまたは支柱はトリガーバネ170を圧縮することができ、本装置100は作動することになる。
【0064】
その上、後方チューブ把持具160の近くのチューブ20に張力がかかると、装置100は作動することができる。この場合、チューブ把持具160への後部張力(すなわち、針21とチューブ把持具160との間の張力)および取り付けられた基部120へのスナップファスナー台185(これは取り付け台180に取り付けられると固定される。)に関しての後部張力は、スナップファスナー台基部186の先端をフレームスロット159の後端に接触させる。この位置は、フレームスロット159との関係でFig.16に、および基部スロット121に関してFig.18に示される。チューブ張力が閉塞具組み立て体100を作動するように規定された閾値力に達すると、スナップファスナー台185はフレーム150を前方に押すことができ、トリガーダボまたは支柱161がトリガーバネ170に打ち勝ちそれを圧縮して閉塞具組み立て体100を作動させる。かくして、この実施形態では、使用者の身体に適切に固定された閉塞具組み立て体100は、前方チューブ把持具152または後方チューブ把持具160のいずれかに作用する張力によって作動することができる。
【0065】
他の実施形態では、軸外張力がチューブ20にかかり、閉塞具組み立て体100がその取り付け台180上で回動する傾向が生じると、閉塞具組み立て体100は作動することができる。軸外張力は、たとえば、閉塞具組み立て体100の外にあるチューブ20の区間が、閉塞具組み立て体100内に固定されているチューブ20の区間に関してある角度を持って引っ張られると生じることができる。フレーム柱155(たとえば、Fig.14に見られる。)はアクチュエータ130の底面およびスナップファスナーの雌要素183を超えて突き出すのに十分なほど高く作られることができる。一つの実施形態では、アクチュエータスロット132の長さは、フレーム150が十分に前進し、(Fig.10に示されたように)トリガーダボまたは支柱161をトリガーバネ170に抗して前進させて閉塞具組み立て体100を作動させることを可能にする。Fig.13を参照すると、フレーム柱155が取り付け台180の受け器187の中に位置していると、閉塞具組み立て体100は、フレーム柱がカム要素188aまたは188bに接触するまで時計方向または反時計方向に回動することができる。閉塞具組み立て体100にその取り付け台の取り付け点(これは、たとえば上記したスナップファスナー組み立て体であることができる。)まわりの回動を生じさせるチューブ20への軸外張力は、カム要素188aまたは188bに抗してフレーム柱155によって十分な力が加えられ、フレーム柱155をアクチュエータスロット132内で前進させると直ぐに、閉塞具組み立て体100を作動させる。
【0066】
さらなる実施形態では、閉塞具組み立て体100を作動させるのに要するチューブ20への閾値軸外張力は、軸上の閾値張力におおよそ一致するように調整されることができる(すなわち、閉塞具組み立て体100の外にあるチューブ20の区間が閉塞具組み立て体100内にある区間と同一線上にあるときは)。この場合、取り付け台180の(Fig.13に示された)バネアーム189aおよび189bは、Fig.12に示されたように基部120の近接した、より狭い部分122を取り囲むように位置する。チューブ20への軸外張力が、作動動作が望まれるときの軸上張力と同等のレベルに達するまで、閉塞具組み立て体100の回動を抑えるバネ速度を有するように、バネアーム189aおよび189bは構築されることができる。かくして、チューブ20に軸外張力がかかるとフレーム柱155とカム要素188aまたは188bとが接触することによって、閉塞具組み立て体100の時期尚早の作動を防止することが可能になる。
【0067】
バネアーム189aおよび189bは、多くの材料、たとえば引張特性を有する金属またはプラスチックから作られることができる。一つの実施形態では、取り付け台180ならびにバネアーム189aおよび189bの双方ともポリプロピレン、たとえばEXXON ESCORENE(商標)9074から作られることができる。フレーム150、アクチュエータ130、基部120、閉塞具110、把持具152および160ならびにラッチ153および163が作られることができる材料は、好ましくは可動部品間の接触による磨耗に耐えるのに必要な硬さを有する任意の適当な金属またはプラスチックを含む。一つの実施形態では、これらの要素はハードコート陽極酸化処理された6061−T6アルミニウムから作られることができる。好ましくは、アクチュエータバネ140、トリガーバネ170およびトリガーダボまたは支柱161は、磨耗に耐え一貫した機能関係を維持するためにステンレス鋼または他の同様に硬化された材料から作られる。使用者が取り付け台180に関して適切な方向に閉塞具組み立て体100を取り付け台180に取り付けるのを助けるために、閉塞具組み立て体100および取り付け台180の双方の対応する端部の任意の適当な表面上に図形191が描かれまたは刻印されることができる。一つの実施形態では、そろいの図形191が、後方ラッチ163の上面および取り付け台180の後方支持表面190の上に刻印される。
【0068】
Fig.19に示されるように、可撓性チューブを閉塞する装置の他の実施形態200は、全体として第一周囲端202および第二周囲端204を有するテーパ状平面体201を含み、第一周囲端は第二周囲端204よりも一般に長い。収容部208が平面体201の上面に取り付けられている。該収容部のカバーははっきり見えるように除かれている。収容部208の全体図の寸法は平面体201の全体形状に従っている。収容部内の第一開口210および第二開口212はチューブ20を受け入れる大きさである。第一端20aおよび第二端20bを有するチューブ20は、平面体201の第一周囲端202の近くに置かれたクリップ206において該平面体に一次的に取り込まれる。円柱または楕円柱体220が収容部内に摺動自在に収容されチューブ20に隣接しており、チューブ20は第一開口210から第二開口212まで伸びている。操作的には、本装置のこの実施形態は、可撓性チューブに作用する閾値力Fに応答して該チューブを閉塞することができる。閾値力Fはチューブの第二端に作用し、かくしてチューブを外向きに第二開口212から離れるように動かす。収容部208内のチューブ20に生じる動きは、円柱220を第二の位置220aまで回動させ、かくしてチューブ20を変形させて収容部の内壁209に向かって閉塞された位置22に置く。
【0069】
Fig.19aはFig.19の1−1線に沿って見た、Fig.19に示された実施形態の断面図である。円柱220およびチューブ20が収容部208内に収容されている。円柱220は第一表面224、第二表面226および周囲端222を含む。複数の稜線228が周囲端222に沿って置かれ、第一表面224および第二表面226に対して概して垂直方向を向いていることができる。稜線228はチューブ20に接するようになり収容部208内でチューブ20と係合し、それによって収容部208内のチューブ20の縦方向運動は円柱220の回動運動に形を変える。収容部208の内表面は一般的に平滑であることができ、チューブ20が収容部208内で摺動自在に動くことを可能にする。加えて、第一表面224および第二表面226は一般的に平滑であることができ、円柱220が収容部208内で摺動自在におよび/または回動自在に動くことを可能にする。
【0070】
Fig.19bはFig.19の2−2線に沿って見た、Fig.19に示された実施形態の断面図である。チューブ20はクリップ206によって平面体201に確保される。十分な張力がチューブ20の第二端20bにかけられて円柱220が回動しチューブ20の管壁を圧縮することができる限り、他の手段がチューブを平面体201に拘束するのに用いられてもよい。チューブを平面体201に取り付けるさらなる手段は、チューブ20と平面体201との永久的接続、または本閉塞装置の再使用を可能にする解除可能な接続を含むことができる。
【0071】
Fig.20に示されたように、可撓性チューブを閉塞する装置の他の実施形態300は、全体として第一支持アーム310および第二支持アーム312を含む。これらのアームは第一平面体302と第二平面体312(この第二平面体は本質的にカバーであり、はっきり見えるように示されていない。)との間に配置されている。これらの平面体は概して互いに平行である。チューブ20はこれらの平面体と支持アーム310および312と間に置かれる。第一平面体302は第一周囲端304および第二周囲端306を有する。クリップ308、309は第一周囲端304の近くの第一平面体302上に置かれ、チューブ20を適所に保持する。第二平面体(示されていない。)は、チューブを第一平面体から取り外す助けとなるように、チューブクリップの上までは拡がっていない。支持アーム310および312は、蝶番またはそれぞれ回動軸314および316によって平面体に枢動自在に取り付けられる。一つの実施形態では、蝶番は一般的に支持アームの中間点の近くに置かれることができる。閉塞部材318および320はそれぞれ支持アーム310および312に取り付けられる。閉塞部材318および320は互いに向かって突き出て、チューブ20の外表面と係合する。トリガーアーム326および328は、それぞれ支持アーム310および312の遠位端に枢動自在に取り付けられる。各トリガーアーム326および328は半円形またはC字形であることができ、対向した配置でチューブ20の隣接した区画を取り囲むことができ、該アームの内側端がチューブの側面に軽く接触している。トリガーアーム326および328の対向する二つの足は、チューブ20の長軸に大まかに垂直であるときに接触している。トリガーアームの遠位端が互いにおよびチューブ20と係合しているときは閉塞アーム318および320はチューブ20を閉塞しない。第一の位置21では、クリップ308/309と閉塞部材318/320との間の張力緩和のために、チューブ20はある量の弛みを与えられている。チューブ20が第一の位置21にある間は、トリガーアーム326および328はチューブ20の長軸に大まかに垂直であり、チューブ20は閉塞されないで居る。
【0072】
Fig.20に示されたように、第一バネ334は第一支持アーム310の第一接触表面330に対して押圧力を与える。同様に、第二バネ336は第二支持アーム312の第二接触表面332に対して同様の力を与える。バネ334および336は、それぞれバネクリップ338および340によって第一平面体に取り付けられている。これらのバネは一般的に同じ大きさであり、各アームに同じ量の力を与える。これらのバネは板バネとして示されているが、チューブ20を閉塞するのに必要な力を与えることができる(たとえば、コイルバネのような)任意の型の弾性要素であってもよい。トリガーアーム326および328がチューブ20の軸に大まかに垂直であり互いに接触している間は、バネ334および336はチューブを閉塞するのを妨げられている。しかし、トリガーアームが(Fig.21に示されたように)第二の位置に回動すると、バネ334および336は、一対の閉塞部材318および320の間でチューブ20を挟み付けることによって該チューブを閉塞するのに必要な力を与える。
【0073】
Fig.21に示されたように、実施形態300が閉塞された位置で示される。所定の閾値力Fが第二端20bに作用すると、チューブ20の弛み21は取り除かれ、該チューブは一般的に第二周囲端306に向かって動く。トリガーアーム326および328はチューブと係合しているので、チューブ20の長さ方向の動きはアーム326および328を回動するように作用する。トリガーアームの回動は支持アーム310および312の回動をもたらし、そしてバネ334および336の力の下で、閉塞部材318および320はチューブ20の側面に対して閉塞力をかける。
【0074】
Fig.22に示されたように、可撓性チューブを閉塞する装置の他の実施形態400は、全体として中央蝶番410によって枢動自在に繋がれた二つの本体402および404を含む。第一クリップ406は本体402に取り付けられ、第二クリップ408は本体404に取り付けられて、両クリップ間の第一の位置21にチューブ20を保持する。Fig.23に示されたようにチューブが適切な閉塞をするために、チューブ20が第一の位置21にあるときは張力緩和が与えられている。バネ420は蝶番410に回動自在に取り付けられ、そこでそれはクリップ406および408の間で圧縮され、Fig.24に示されたトング430および溝432によって圧縮状態に保たれる。両本体は、所定の力Fがチューブの第一端20aおよび第二端20bにかけられるまで、Fig.22および24に示された実矧ぎ継ぎによって第一の位置に保持される。力Fは蝶番410のまわりの回動力になる。この回動力がトング430および溝432の実矧ぎ継ぎの抵抗に打ち勝つと、バネは圧縮が解かれチューブをFig.23に示された第二の位置22へと動かす。
【0075】
Fig.25に示されるように、可撓性チューブを閉塞する装置の他の実施形態500は全体として中空円筒体502を含み、中空円柱体502はその両端に置かれた第一環状端504および第二環状端505を有する。半環状アーム506および508が第二周囲端505に取り付けられ、そこから張り出している。弾性作動部材520がアーム506および508の遠位端に置かれ、該アームの遠位端を互いに向けて曲げることができる。あるいは、作動部材520は、アーム506および508の遠位端を互いに向けて押圧するバネのような力を発揮する、たとえば金属製バネクリップのような任意の部材であってもよい。アーム506および508は互いに向けて曲がり、その結果チューブ20を閉塞し、それからそれらの元の位置に戻ることができる。第一閉塞部材510および第二閉塞部材512は、それぞれ第一アーム506および第二アーム508に取り付けられている。閉塞部材510および512は剛体であり、弾性作動部材520がアーム506および508を互いに向けて曲げると、チューブ20を閉塞することができる。チューブ20は、円柱体502内に配置されたクランプ514によって第一環状端504の近くで該円筒体に固定されることができる。クランプ514はチューブ20を該円筒体にしっかりと保持する。好ましくは、チューブ20は一般的に実施形態500の長軸に沿って中心が置かれる。曲線状ブラケット550がアーム506および508の遠位端の近くでチューブ20に固定されることができる。曲線状ブラケット550のテーパー状先端552は、弾性作動部材520がチューブ20を閉塞するのに抗するように、第一アーム506および第二アーム508の内表面に摺動自在に係合することができる。閉塞されていない位置21では、テーパー状先端552が第一アーム506および第二アーム508の遠位端の間にある間は、チューブは所定量の張力緩和を与えられている。
【0076】
Fig.27に示されるように、閾値力Fがチューブ20の第一端20aにかかると、テーパー状先端552は弾性作動部材520によって外向きに第一アーム506および第二アーム508の遠位端から離れるように付勢され、その結果、閉塞部材510および512がチューブを変形して第二の位置22にさせ、そこで流れが遮られる。その時点で、閉塞されていない位置21で与えられていた張力緩和は一般的にチューブから取り除かれ、アーム506および508が角度αだけ曲がり、それによってチューブは変形して第二の位置22になる。
【0077】
Fig.25aはFig.25の1−1線に沿って見た実施形態の断面図を示す。第一閉塞部材510および第二閉塞部材512は、非閉塞状態で示されたチューブの対向する両側に近接している。弾性作動要素520が第一アーム506および第二アーム508に押圧力を付与する。
【0078】
Fig.26は可撓性チューブがその中に取り付けられた、Fig.25に示された実施形態のトリガーの側面図である。ブラケット550は、テーパー状円筒先端552に取り付けられた曲線状支持区画551から成っている。曲線状タブ554〜557が支持区画551から外側に伸びており、チューブが該支持区画と接触を保つように構成されている。テーパー状先端552の内周面は概してチューブの外周面と完全に接触している。先端552は、閾値力Fがチューブの第一端20aに表示された方向にかかると、第一アーム506および第二アーム508から離れるように付勢されるように、曲線状支持区画551から次第に先細になっている。さらに、Fig.26aはFig.26の2−2線に沿って見たトリガーの断面図である。
【0079】
Fig.28に示されたように、可撓性チューブを閉塞する装置の他の実施形態600は、全体として上面(はっきり見えるように示されていない。)、底面630および曲線状周囲端620を有する円筒形収容部610を含む。第一端20aおよび第二端20bを有するチューブ20の単一環が、収容部610内に完全に取り込まれている。
【0080】
Fig.29は第一の位置21および第二の位置22にあるチューブを示す。チューブは収容部610に曲線状周囲端620に沿う第一開口640を通って入り、同じ様に第二開口642を通って出て行く。第一の位置21にある間はチューブは閉塞されておらず、該チューブ内の流れは遮られていない。しかし、閾値力Fがチューブの第一端20aまたは第二端20bのいずれかにかかると、チューブは収容部内で変形しまたはねじれて第二の位置22となり、該チューブ内の流体流れは制限される。
【0081】
Fig.30およびFig.31の上面図に示されたように、可撓性チューブを閉塞する装置の他の実施形態700は、全体として蝶番714によって枢動自在に取り付けられた第一アーム710および第二アーム712を含む。可撓性チューブ20はクリップ726によって第二アーム712に確保され、これらの二つのアームの長手間に配置される。一対の第一トリガーアーム722aおよび722bが、チューブ20の向こう側にある第一アーム710に置かれる。同様に、もう一対の第二トリガーアーム724aおよび724bが、第二アーム712に置かれる。第一トリガーアーム722aおよび722bの遠位端は、第二トリガーアーム724aおよび724bの遠位端とノッチ係合する。該ノッチは、アーム710および712の周りに巻かれた弾性作動要素720の圧縮力に抵抗する。一対のロッド728aおよび728bが、それぞれトリガーアーム722aおよび722bから外向きに伸びている。該ロッドの遠位端はチューブクランプ730にそれぞれつながれている。チューブクランプ730は可撓性チューブ20の第一端20aの近くで該チューブをしっかりと挟んで、チューブ20とクランプ730との間の何らかの滑りを最小にする。張力緩和21がチューブクランプ730とクリップ726との間に与えられる。かかる緩和は、クリップ726に張力をかけずにクランプ730とクリップ726との間のチューブ20の軸方向の動きを可能にする。
【0082】
Fig.32に示されたように、トリガーアームから離れるクランプ730の動きは、ロッド728aおよび728bに沿って形を変えて、第一トリガーアーム722aおよび722bが第二トリガーアーム724aおよび724bから離れて曲折する結果となる。第一トリガーアーム722aおよび722bの遠位端が第二トリガーアーム724aおよび724b上のノッチを超えて動くと、弾性作動要素720は第一アーム710を蝶番714のまわりに角度αだけ回動させる。この回動は閉塞部材716および718を互いに近づけ、かくしてFig.32に示されたようにチューブの区画22を挟み付ける。
【0083】
Fig.33に示されたように、可撓性チューブ20を閉塞する装置の他の実施形態800は、全体として蝶番860および862によって枢動自在に取り付けられた第一アーム820および第二アーム822を含む。第一端20aおよび第二端20bを有するチューブ20はクリップ870および872に脱着自在に取り付けられる。チューブ20は、第一アームと第二アームとの間および第一蝶番860と第二蝶番862との間に配置される。弾性力作動体845が第一支持部材840および第二支持部材842のまわりに張られており、支持部材840および842はそれぞれ第一アーム820および第二アーム822に取り付けられている。Fig.35に示されたようにアーム820および822が蝶番860および862のまわりに枢動したときに、これらの支持部材は弾性作動体845が滑らないように抑える。本装置を非閉塞の位置に戻すときに蝶番860のまわりにアームを回動させるのに役立つように、複数のリブ890が、把持表面としてアーム820および822の外表面に沿って設けられることができる。
【0084】
Fig.34に示されたように、第一の位置21にある間、アーム820および822は互いに概して平行であり、弾性作動体845は蝶番のまわりにおおよそ零のモーメントを発生する。しかし、アーム820および822が互いに向かって回動すると、弾性作動体845は蝶番のまわりにあるモーメントを発生する。トリガーアーム830の反対側に置かれた第一アーム820の遠位端に、閉塞部材850が置かれる。Fig.35に示されたように閾値力Fが第一端20aにかかると、チューブ20を閉塞するように、閉塞部材850はチューブ20に概して垂直である。閉塞端の近くでチューブ20を支持しているのは、一対のクリップ870および872である。これらのクリップは、チューブ20が第二アーム822に脱着自在に取り付けられることを可能にする。テーパー状端880が第一端20aの近くでチューブに取り付けられる。テーパー状端880は一般的に形が円筒形であり、トリガーアーム830および832の遠位端と摺動自在に係合している。第一の位置21にある間、テーパー状端880の最も細い部分はトリガーアーム830と832との間に位置している。
【0085】
Fig.35に示されるように、閾値力Fが第一端20aにかかると、テーパー状端880はトリガーアーム830および832から離れて外向きに動き、その結果これらのアームが開かれる。トリガーアーム830および832が分かれると、閉塞端850は第二端20bの近くでチューブ20を閉塞する。本装置のこの実施形態が作動されチューブ20が第二の位置22になった後、テーパー状端880の最も細い部分がトリガーアーム830と832との間に位置するようにテーパー状端880を摺動させることによって、チューブ20は第一の位置21に戻ることができる。テーパー状端880をトリガーアームに向けて摺動させることによって、所定量の張力緩和21が、テーパー状端880と一対のクリップ870および872との間のチューブ20に生成される。チューブ20に過度の張力をかけないで力Fがテーパー状端880をある距離だけ摺動させることができるような張力緩和が要求される。
【0086】
Fig.36に示されたように、可撓性チューブ20を閉塞する装置の他の実施形態900は、全体として一対の偏心状またはカム状体920および922が基部910の片側の上に回転自在に取り付けられた基部910を含む。典型的な実施形態では、偏心状またはカム状体920および922は、近接するチューブ20を係合することができる把持手段を持つ偏心状周囲端を有する。該把持手段は、該基部の平面と垂直の方向を向いた複数の稜線および溝であることができる。可撓性チューブ20は、偏心状またはカム状体920と922との間に配置され、該基部の反対側にクリップ930で脱着自在に取り付けられる。任意の手段がチューブ20の該クリップ内での摺動を妨げ、拘束されている間のチューブを閉塞しないものである限り、チューブ20は、その任意の手段によって脱着自在に取り付けられることができる。偏心状またはカム状体920、922は、把持手段が近接するチューブ20と係合するが、Fig.36および37に示されたようにチューブ20が第一の位置21にある間は閉塞状態を形成しないような形状をしている。
【0087】
Fig.38に示されたように、力Fが第一端20aにかかると、チューブ20は基部910から離れて外向きに動くが、クリップ930によって拘束される。動いている間に、チューブ20は次に該把持手段と係合し、該偏心状体を互いに向けて回動させる。該偏心状部材はカム様式で回動し、それによってチューブ20を変形して第二の閉塞された位置22にする。第一端20aがクリップ930に向かって動かされ、その結果、偏心状またはカム状体920および922が互いに離れて所定の位置まで回動し、その位置がチューブ20内の流れを制限しないことを可能にするならば、チューブ20は閉塞されていない第一の位置21に戻ることができる。
【0088】
Fig.39、40および41に示されたように、可撓性チューブ20を閉塞する装置の他の実施形態1000は、全体としてチューブ20の単一環を支持するための傾斜内表面を有する円筒形収容部1010を含む(この実施形態は本質的にFig.28に示された実施形態600の改良版である。)。チューブの単一環は収容部1010内に完全に取り込まれている。チューブ20は第一開口1014で収容部1010に入り、該傾斜内表面に沿って単一の閉塞されていない環を形成し、そして第二開口1016で収容部1010を出て行く。カバー1012が二つの可撓性タブ1018によって収容部1010に取り付けられる。閉塞端1022が該傾斜内表面からカバー1012まで立っている。尖頭タブ1021を有する可撓性アーム1020が該傾斜内表面からカバー1012の下の所定の位置まで突き出ている。Fig.39および40に示されたように、チューブ20が非閉塞の位置にある間は、タブ1021はチューブ20と係合しない。
【0089】
Fig.41に示されたように、閾値力Fがチューブの第一端20aにかかると、チューブの一部は第一開口1014から離れるように外向きに動く。アーム1020は、タブ1021がチューブ20と係合しそれを閉塞された位置22に保持することができるように、チューブ20から反れ離れるように設定される。Fig.39および40に示されたようにチューブ20がその閉塞されていない位置に戻ることができるようにアーム1020が反れ離れるまで、チューブ20は閉塞端1022のまわりで曲げられ位置22に保持される。力Fがかかるとチューブ20が、第二開口1016との関係では動かないで該閉塞端のまわりで曲がることができるように、該傾斜表面はチューブ20を支持し変形する手段を提供する。
【0090】
Fig.42に示されたように、可撓性チューブ20を閉塞する装置の他の実施形態1100は、全体としてチューブ20を閉塞するための端部1118を有する閉塞部材1114に枢軸で連結された基部1110を含む。基部1110と閉塞部材1114との間のバネ116が圧縮され、それによって閉塞部材1114は中央蝶番1120のまわりに回動するように付勢される。第一端20aおよび第二20bを有するチューブ20は、クリップ1113aによって第一アーム1111におよびまたクリップ1113bによって第二アーム1112に確保される。アーム1111および1112は互いに概して対称形であり、基部1110から離れるように回動することができる。Fig.42および44に示されたように非閉塞の位置では、閉塞部材1114の前方端は部材1112および1111の上面によって支持され、他方、部材1112および1111はそれらの間にごく小さい間隙を残して互いに近接し合って位置している。
【0091】
Fig.43に示されたように、閾値力Fがチューブの第一および第二端を引っ張ると、アーム1111および1112は回動して互いに分かれ基部1110から離れる。これらのアームが回動して互いに分かれると、これらの間の間隙が大きくなり閉塞部材1114はもはや該アームの上に載っていることはできず、バネ1116によってチューブ20を閉塞するように付勢される。バネ1116を圧縮し元の位置に戻ったアーム1111および1112の上に閉塞部材1114を載せることによって、チューブ20はその閉塞されていない位置に戻る。
【0092】
Fig.45および46に示されたように、可撓性チューブを閉塞する装置の他の実施形態1200は全体として、概して平らな面を有する第一本体1202、第一本体1202に枢動自在に連結された第二本体1206、第一本体1202に摺動自在に連結されたプランジャ1220、および該プランジャと第一本体との間に置かれた圧縮バネ1230を含む。チューブ20をその間に通すための二つの曲線状側壁を有する第一通路1204が、第一本体1202の一端に位置し、他方、曲線状部材1210が第一本体1202の反対端に連結される。さらに、プランジャ1220は第一本体1202上に摺動自在に取り付けられ、圧縮バネ1230が第一通路1204中にプランジャ1220を動かしそこにあるチューブを閉塞するのに必要な力を提供する。
【0093】
Fig.45および46に示されたように、第一の位置において、バネ1230は曲線状部材1210およびプランジャ1220に挟まれて圧縮される。これはプランジャ1220から突き出ているタブ1224によって抑えられ、そこでこれは第二通路1208の側壁と係合する。チューブ20の第一端20aおよび第二端20bに作用する閾値力Fは、第二通路1208を回動させて第一通路1204から離れるように付勢する。プランジャ1220はタブ1224によって適所に保持されており、上記の動作後に、Fig.46に示されたように第二部材1206が動いて第一部材1202から離れ、このようにしてプランジャ1220が圧縮バネ1230によって第一通路1204中に開放され、チューブ20を変形して第二の位置22にする。チューブ20は、各通路の入口近くに置かれたクリップ1210によって第一および第二通路1204、1208内に脱着可能に取り付けられる。チューブ20はこれらの通路内でわずかに曲線状に湾曲しており、チューブ20の第一および第二端20a、20bに閾値力Fが作用すると、これらのクリップ間のチューブ20の自由な動きが可能になる。バネ1230を圧縮し該バネを圧縮状態に保持するためにタブ1224を第二部材と係合することによって、チューブ20は非閉塞に保たれることができる。
【0094】
Fig.47に示されたように、可撓性チューブ20を閉塞する装置の他の実施形態1300は全体として、第一本体1302から後方に伸びているアーム1306を有する該第一本体1302、蝶番(示されていない。)によって該第一本体に枢動自在に連結された第二本体1304を含み、第二本体は閉塞端1312を有し、ロッド1308がアーム1306の遠位端に連結され該アームから外向きに突き出し、チューブ20の第一端20aに脱着可能に取り付けられるように設定されたクランプ1309がアーム1306の遠位端に添えられる。一対のクリップ1310が第一本体1302から突出し、本体1302との間でチューブ20をしっかりと保持する。二つのクリップ1310は所定の距離だけ分離され、閉塞端1312がクリップ1310に接触しないでそれらの間を通ることを可能にする。伸長部1314は第二本体1304から外向きに突き出ている。これは、タブ1316がアーム1306と係合しバネ1330を圧縮状態に保持するように、本体1302と該アームとの間で受承される。バネ1330が圧縮状態にある間は、該閉塞端はチューブ20を閉塞しない。しかし、閾値力Fがチューブ20の第一端20aにかかると、それはクランプ1309、ロッド1308およびアーム1306を動かして本体1302から離れさせる。アーム1306の外向きへの動きはバネの圧縮を解かせる。というのは、図52に示されたようにタブ1316はもはやアーム1306と係合しないからである。バネ1330の膨張は該閉塞端をチューブ20中に押し込み、かくしてチューブ20を閉塞する。
【0095】
Fig.48は、はっきり見えるように第一本体1302および第二本体1304を分離した実施形態1300の側面図である。ピン1320は閉塞端1312の各側に置かれ、第一本体に置かれた蝶番1321によって受承される。バネ1330は二つの本体間に置かれ、Fig.49および50に示されたように一対のバネ受承体1331によって適所に保持される。
【0096】
Fig.49はFig.48の1−1線に沿って見た、チューブ20を有する本体1302の上面図である。力F(示されていない。)がチューブ20の第一端20aに作用している間、クリップ1310はチューブ20を適所に保持する。Fig.50はFig.48の2−2線に沿って見た、第二本体1304の底面の断面図である。Fig.51はFig.49の3−3線に沿って見た閉塞されていない状態の実施形態1300の側面図であり、バネ1330が完全に圧縮された位置にあることを示す。タブ1316はバネ1330を圧縮状態に保持し、そこで力Fがロッド1308に作用すると、次にタブ1316が第二本体1304を開放し、かくして閉塞端1312を回動させてチューブ20中に押し込む。Fig.52はFig.49の3−3線に沿って見た閉塞された状態の実施形態1300の断面図であり、力Fがロッド1308に作用していることを示す。力Fを取り除きタブ1316とアーム1306との係合を解くことによって、実施形態1300は閉塞されていない状態に戻ることができる。
【0097】
Fig.53および54に示されたように、可撓性チューブ20を閉塞する装置の他の実施形態1400は全体として基部1402を含み、基部1402はその長軸に沿って摺動自在に取り付けられたトリガー1406を有する。チューブ20は、基部1402の長軸に沿ってトリガー1406と脱着可能に連結される。チューブ20は、さらに基部1402の反対側に置かれた一対のクリップ1418のうちの一つで基部1402と連結される。該クリップは、トリガーが作動したときにチューブ20が動かないようにそれを基部1402に固定する。基部1402の対向する両側の中央に置かれた一対の蝶番1416によって、カバー1404が基部1402に枢動自在に連結される。
【0098】
Fig.55に示されたように、トリガー1406が基部1402内に完全に挿入されたときには閉塞端1412はトリガー1406の上にある。しかし、チューブの第一端20aに作用する力Fによってトリガー1406が外向きに動き基部1402から距離Dだけ離れると、該閉塞端は、バネ1420によってチューブ20を完全に閉塞するのに十分な押圧力でチューブ20の上に載るように付勢される。
【0099】
Fig.56に示されたように、カバー1404の底面は、閉塞端1412、一対のタブ1414およびバネ保持具1422を含む。閉塞端1412は基部1402の長軸に垂直である。該一対のタブは基部から突き出し、基部にある一対の蝶番1416と回動自在に係合する。バネ保持具1422は、閉塞端とはタブの反対側に置かれ、バネ1420を受承するように設定される。
【0100】
Fig.57に示されたように、トリガー1406は、基部上の一対の稜線(示されていない。)によって枢動自在に受承される通路1410を含む。さらに、チューブ20が基部1402内に完全に挿入されている間は閉塞部材1412がチューブ20と接触しないように、トリガーの上端1408は位置決めされる。
【0101】
Fig.58に示されたように、可撓性チューブ20を閉塞する装置の他の実施形態1500は、全体として第一入口1502および第二入口1504を有する曲面状中空体を含む。該中空体は第一曲面端1510および第二曲面端1512を有し、これらは収容部内のチューブの形状を決定する。チューブ21の第一区画は、チューブの第一端20aが外側に動き第一入口1502から離れると、第一入口1502に向かって自由に動くことができる。閾値力Fが第一端20aに作用しチューブ20が変形されて第二の位置22になると、それによってチューブ20は完全に閉塞される。第二端20bは、第二曲面端1512の外側にそれから遠くに張り出しているクリップ1506によって位置が決められる。加えて、第二端20bに作用する何らかの力がクリップ1506およびチューブ20と第一曲面端1510との間で生じた摩擦によって抗されるように、チューブ20は第一曲面端1510によって摩擦で適所に保持される。
【0102】
Fig.59はFig.58の1−1線に沿って見た実施形態1500の断面図である。スロット1508を有する脱着自在のカバー1514は、チューブ20を手で扱い易くするための本実施形態の片側を構成する。
【0103】
Fig.60に示されたように、可撓性チューブ20を閉塞する装置の他の実施形態1600は、全体として雄継手1602および雌継手1604を含む。第一チューブ20aは雄継手1602に固定され、他方、第二チューブ20bは雌継手1604に固定される。完全に貫通している水密スリットを有する第一弁1606は通常、閉じられており雄継手1602の遠位端内に置かれる。同様に水密スリットを有する第二弁1608は通常、閉じられており雌継手1604の遠位端の内側に置かれる。これらのスリットは中空円筒1610を受承するように設定されており、これによって円筒1610が該スリット内に完全に挿入されときに中空円筒1610の外面と該スリットの内面との間に水密シールが生成される。雄継手1602は雌継手1604と係止するように設定されている。Fig.60および61に示された実矧ぎ継ぎ組み立て体は、該継手を係止する一つの手段に過ぎない。雄および雄継手1602、1604が完全に係止されると、内部バネ1612がこれらの二つの継手間で圧縮状態に保持される。いったん連結されると、中空円筒1610は第一弁および第二弁を通る流路を形成して、その結果第一チューブ20aおよび第二チューブ20bは互いに流体連通する。中空円筒1610がスリットから外れると、弁が閉じられ、各チューブ20の遠位端がシールされる。既に説明してきた実施形態と異なり、本発明が作動すると、二つの片割れ1602および1604は完全に分かれる。これは流体流れを停止し、さらなる力が針部位に作用することを防止する。
【0104】
Fig.61に示されたように、バネ1612は雄および雄継手1602、1604の間に各継手の遠位端の実矧ぎ継ぎ組み立て体によって圧縮状態に保持される。第一および第二チューブを外向きに離れさせるように作用する閾値力Fが実矧ぎ組み立て体間の係止力を上回ると、バネ1612が継手を互いに分けるように付勢する。バネ1612は、引き裂くことのできる生体適合性の材料1614(たとえば、ポリオレフィン)またはその同等物中に封入されてもよく、それによってバネ1612は中空円筒1610内で流体と直接接触しない。
【0105】
Fig.62、63および64に示されたように、可撓性チューブを閉塞する装置の他の実施形態1700は、全体として雌継手1702および雄継手1704を含み、雌継手1702および雄継手は係止されて第一チューブ20aおよび第二チューブ20bの間に流体接続を形成している。Fig.62、63および64は、様々な閉塞位置にある実施形態1700の断面図を示す。雌継手1702は一般的に、通常閉じられている逆止弁1705を保持するように構成された第一円筒体1708および第二円筒体1712を含む。周囲溝1720および第一ガスケット1722が該第二円筒体の外周上に置かれている。溝1720およびガスケット1722は雄継手1704と係合するように構成され、該雌継手とシールを形成する。雄継手1704は逆止弁1705および中空テーパー体1706を含み、テーパー体1706は該逆止弁を開くことができる。バネ1714が中空テーパー体1706と第三円筒体1710との間で圧縮される。二つの継手が接合されると、本実施形態においていくつかの逐次的動作が起きる。すなわち、最初に該中空テーパー体がFig.63に示されたように逆止弁1705の凹部と係合し始める。次に、該中空テーパー体はバネ1714を第三円筒体1710に向けて押圧し、ついにはガスケット1724が溝1720と完全にかみ合う。最後に、かみ合った後、該中空テーパー体は逆止弁1705を貫通して、かくしてチューブ20aおよび20bの内にの任意の流体のための制限されていない流路を形成する。第一ガスケットと第三円筒体の内側直径とによって、さらなる流体シールが与えられる。
【0106】
患者と雄継手1704とはトリガーワイヤ1718によってつながれてもよい。Fig.63に示されたように閾値力Fが雌継手1702に作用すると、該ワイヤは雌継手1702と雄継手1704との間を分離する力を生じる。
【0107】
Fig.62に示されたように、通常の流れ条件の間はトリガーワイヤ1718は弛んでおり、雄および雌継手1704、1702は完全に係合している。しかし、Fig.63および64に示されたように、閾値力Fが第一チューブ20aを通して雌継手1702に作用すると、これらの継手は互いに分離し始めて、続いて次々と動作が起きる。すなわち、最初にトリガーワイヤ1718が緊張し、そして力F’が雄継手1704にブラケット1716を介して力Fと等しくかつ逆向きにかかる。次に、溝1720およびガスケット1724が互いの係合から開放される。さらに、バネ1714が二つの継手の分離を付勢し、その結果、テーパー体1706が二つの逆止弁の双方から抜け出して、かくしてチューブ20aと20bとの間の流れの停止を確実にする。チューブの閉塞を解くためには、力Fがチューブ20aから取り除かれなければならず、かつFig.62に示されたように二つの継手が係止状態に戻されなければならない。
【0108】
Fig.65および66に示されたように、可撓性チューブを閉塞する装置の他の実施形態1800は、全体として二つの逆止弁継手1814a、b(たとえば、ダックビル弁)を含み、これらは二つの雄継手1812a、bと係止された内部通路1806の両端に位置し、第一チューブ20aと第二チューブ20bとの間の流体接続を形成する。各継手はダックビル弁の対応する雄/雌部分をその中に配置させている。Fig.65および66では、ダックビル弁1814a、1814b間の結合部が見えるように、収容部の一部が透明に描かれている。係止は、各雄弁継手1812a、bの基部1810a、bに取り付けられた一対のラッチアーム1802a、bによって容易にされる。内部環および外部環1808a、bが内部通路1806から(それぞれ)半径方向に張り出ており、各ラッチアーム1802a、b上の戻り止め1818と係合する。
【0109】
ベローズ1816が内部通路1806を取り囲み、核基部1810a、bと係合してもよい。環1808a、bからラッチアーム1802a、1802bが意図せざる係合解除を起こさないで、本装置が複数の位置で機能することが可能であるように、ベローズ1816は十分な容積の内部空洞を規定する。各基部1810a、b間の距離が変わると、ベローズ1816は圧縮および圧縮開放によって複数の位置に対応する。変化した実施形態では、Fig.68(詳細は省略)に示されたように、ベローズ1816はバネ1820を組み込んで、環1808a、bとの係合からラッチアーム1802a、1802bを解くのに要する力を低減する。内部通路1806を流れる流体が第一の位置にあるバネ1820の中心の長軸を本質的に貫流するように、バネ1820はベローズ1816の内部に完全に封入されてもよい。
【0110】
好まれる実施形態では、一つの内部環1808aおよび二つの外部環1808bが存在して、流体流れが可能になりまたは停止されることができる複数の位置が容易にとられる。第一の位置では、Fig.65に示されたように、各一対のラッチアーム1802a、1802b上の戻り止め1818が内部環1808aと係合される。ラッチアーム1802a、1802bは互いに対向しており、内部環1808aとの同時結合に対応できる。この配置の結果、貫通されたダックビル弁を介して内部通路1806を通って流体が自由に流れることができるように、雄弁継手1812a、bが雌弁継手1814a、bと係合される。核基部1810a、bはOリング(示されていない。)を用いてさらなる流体シールを提供することができる。
【0111】
第二の位置では、Fig.67に示されたように、一対のラッチアーム1804が内部環1808aとの係合から解かれ、これは対応するダックビル弁の部分を係合解除する。この結果、一方のダックビル弁は貫通されず、流体が内部通路1806を通って流れることが妨げられる。第三の位置では、Fig.66に示されたように、各一対のラッチアーム1802a、1802bが内部環1808aとの係合から解かれるが、外部環1808bとは係合されたままである。この結果、双方のダックビル弁が貫通されない状態になるので、内部通路1806内への流体流れが停止される。第二および第三の位置は、チューブ20の片端または両端に作用する力の結果であることがある。さらに、ラッチアーム1802、1804をそれらのそれぞれの環との係合から離脱させる力は、さらにバネ1820が収容部区画1812a、bを反対方向に付勢し、それによって本装置1800が第一の位置から移行することを可能にする。実質的な力がチューブ20の片端または両端に作用するならば、本装置は完全に分離し、流体流れを無期限に停止することができる。
【0112】
Fig.69〜76に示されたように、可撓性チューブを閉塞する装置の他の実施形態1900は、全体として一対のアーム1906a、b上を摺動しチューブ20を閉塞することができる可動収容部1904を含む。Fig.69およびFig.70に示されたように、固定収容部1902と可動収容部1904との間に配置されたバネ1908は、可動収容部1904を固定収容部1902から遠ざけるがトリガー1914に近づけるように付勢しようとする位置エネルギーを有し、トリガー1914は本装置を閉塞されていない状態に保持する。トリガー1914はFig.70、71および75において最もよく観察され、これはアーム1906a、bの両側の可動収容部1904と相互に作用する。トリガー1914は本質的に、固定収容部1902に一端でおよびチューブ20に他端で連結された可撓性継手1912の一部である。この可撓性配置はチューブ20に及ぼされた張力または伸長力に応答してトリガー1914が内側に向かって動くことを可能にし、それによってトリガー1914を可動収容部1904との係合から解き、バネ1908内の位置エネルギーを放出させる。
【0113】
閉塞されていない状態では、アーム1906a、bはチューブ20の長軸から概して反れている。したがって、アーム1906a、bの遠位端に置かれた閉塞部材1910a、bは、流体が装置1900中を自由に流れることができるようにチューブ20から離れて保持されている。閉塞された状態では、Fig.73および74に示されたように、バネ1908からの位置エネルギーが放出され可動収容部1904の摺動動作がアーム1906a、bを強制合体させると、閉塞部材1910a、bはチューブ20を挟み付けその中の流れを停止する。トリガー1914がリセットされるように収容部の区画1902、1904を強制合体することによって、本装置は閉塞されていない状態に戻ることができる。
【0114】
Fig.77〜84に示されたように、可撓性チューブを閉塞する装置の他の実施形態2000は、全体として摺動自在に連結されかつチューブ20への力に応答して直線的に係合解除することができる第一通路2014および第二通路2016を含む。Fig.77に示されたように、第一収容部2002は、第一通路2014が可撓性チューブ20aの一端を受けるように規定する。第一通路2014は、流体をシール性境界面2012を介して第二収容部2004内の第二通路2016中に導く。流体が摺動中および係合解除された位置にある装置2000から滲出するのを防ぐために、シール性境界面2012は弾性材料、たとえば医療級シリコーンであることができる。好まれる実施形態では、シール性境界面2012は第一収容部2002中に埋め込まれるが、別の変化した実施形態では、両方の収容区画がシール性境界面を組み込んでいてもよい。収容区画2002、2004は、第二収容部2004から突出した二つのかぎ状部分2006a、bによって摺動自在に結合される。収容区画2002、2004間に置かれたバネ2010は、チューブ20のどちらの端にかけられた力にも応答して通路2014、2016を係合解除するのに必要な力を与える。
【0115】
閉塞されていない位置では、Fig.77〜80に示されたように、通路2014、2016が一列に並んだときに、流体は本装置2000を通って流れることができる。本装置2000を本質的に一体に保っている収容区画2002、2004に、圧縮されたバネ2010が力をかけるように、バネ2010はカムオーバーセンター方法論を用いて設計される。収容区画2002、2004のいずれもが摺動自在に係合解除し始める場合には、すなわちチューブ20に軸方向の力がかかると、バネ2010の湾曲した特性はバネ2010が回転し圧縮を開放することを可能にする。バネ2010が圧縮を開放すると、収容区画2002、2004はさらに離されるように付勢されて、本装置2000を閉塞された位置に動かす。
【0116】
閉塞された位置では、Fig.81〜84に示されたように、収容区画2002、2004に作用する一定の力が通路2014、2016をずれた状態に保持するように、バネ2010は圧縮を部分的に開放した状態に留まる。通路2014、2016は、シール性境界面2012が本装置2000から流体が漏れ出すのを防ぐように閉塞される。第一収容部2002に取り付けられたアーム2008は、本装置2000を閉塞されていない位置に戻す手段を提供し、バネ2010がオーバーセンターの圧縮された状態に戻ることを可能にすることができる。
【0117】
他の側面では、本発明は、可撓性チューブの区画を取り囲みかつバネ仕掛けアクチュエータからその閉塞力を引き出す閉塞具組み立て体を含み、該バネは可撓性チューブに即して長さ方向に作用する。(静脈内カテーテルが外れるおそれがあると推定される引張力によって生じる)チューブの区画にかかる所定の閾値量の張力は、チューブの特定量の伸長(弛みがない場合)または移動(弛みがある場合)を引き起こし、これは次なる順番として開放部材にバネ仕掛けのアクチュエータを作動させる。該アクチュエータは次に閉塞具と相互に作用して長さ方向のバネ力をチューブに対する横断方向の閉塞力に変換し、その内腔を閉塞しまたは締め付けることができる。本組み立て体は、開放部材、閉塞具、アクチュエータ、バネおよびバネ収容部を含むことができる。開放部材の少なくとも一部はチューブに取り付けられ、その結果チューブの伸長または移動はチューブの区画に沿った長さ方向の開放部材の並進運動となる。開放部材の運動はバネ仕掛けアクチュエータの開放を作動させる。アクチュエータの開放を作動させるために、開放部材はアクチュエータもしくはバネ保持要素と直接接触することができ、または閉塞具との接触を介して間接的に作用し、該閉塞具が次なる順番としてアクチュエータもしくはバネ保持要素と接触することができる。いったん開放されると、アクチュエータは、圧縮されたバネの力の下で可撓性チューブに沿って長さ方向に移動し、閉塞具を可撓性チューブに向けて押し付け、その内腔を閉塞しまたは締め付けることができる。
【0118】
一つの実施形態では、閉塞具は開放部材とアクチュエータとの中間構造体の役割をすることができる。たとえば、組み立て体が作動可能の状態にあるときは、開放部材は閉塞具と係合し閉塞具を固定する。さらに、閉塞具の他の部分はアクチュエータを作動可能の状態に保持することができ、該アクチュエータはバネ収容部内の圧縮されたバネの力の下にある。開放部材は、チューブの影響を及ぼされた区間とともに長さ方向に動き、そして閉塞具との係合から離脱することによってチューブへの所定の閾値量の張力に応答することができ、これは次なる順番としてアクチュエータを開放して、アクチュエータバネの力の下でチューブに対して閉塞具を押圧することができる。
【0119】
Fig.85は、長さ方向に作用するバネ仕掛けアクチュエータを取り込んでいる本発明の実施形態の一部切り欠き図を示す。Fig.85〜87に示された実施形態では、閉塞具組み立て体3000は、ある長さの可撓性チューブ20に沿って置かれる。該チューブの区画はこれ以外は標準的な血管カテーテル(たとえば、血液透析または中央静脈カテーテル)中に取り込まれることができるか、あるいは両端で継手(たとえば、ルアーロック継手)を介して任意の他の可撓性チューブに接続可能である。例示された実施形態では、ルアーロック継手3050は、本組み立て体の一端に蓋3060を被せられて示されている。閉塞具3002は、閉塞具3002のアーム3010が閉塞要素3006を含むように置かれる。開放具3030の第一区画3032が可撓性チューブ20の第一区画20aに取り付けられる。開放具3030の第二区画は、閉塞具3002の対応する接触要素3014と接触するための接触要素3034を含む。例示された実施形態では、開放具接触要素3034は閉塞具接触要素3014に摩擦的に楔止めされ、閉塞具3002のアーム3010をわずかに上げて相対的に動かないようにして、チューブ20に向かっての閉塞具3002の曲がりを防ぐ。
【0120】
閉塞具3002の少なくとも一部は可撓性チューブ20の第二区画20bに取り付けられる。Fig.85に例示された実施形態では、たとえば閉塞具3002の区画3022が(たとえば、接着剤、超音波溶接または他の手段によって)可撓性チューブ20の第二区画20bに取り付けられる。アクチュエータ組み立て体3070(Fig.86参照)が閉塞具3002の伸長区画3026の上に取り付けられることができる。例示された実施形態では、アクチュエータ組み立て体3070はアクチュエータ3072、バネ収容部3074およびバネ3076を含む。アクチュエータ組み立て体3070の少なくとも(たとえば、バネ収容部3074のような)一部は、チューブ20の第二区画20bもしくは閉塞具3302の区画3022に永久的に固定されることができ、またはそれは閉塞具3002の区画3022に脱着自在に取り付けられ(てアクチュエータ組み立て体3070の潜在的再使用を可能にす)ることができる。作動可能の位置では、アクチュエータ3072はバネ収容部3074上に摺動自在に取り付けられ、バネ収容部3074内に置かれたバネ3076を圧縮する。閉塞具3002の外側に形成された止め具3018はアクチュエータ3072の前方端3078と接触する。
【0121】
作動可能の状態では、開放具接触要素3034と閉塞具接触要素3014との接触は、閉塞具アーム3010をチューブ20から離れた位置に置き、閉塞具止め具3018をアクチュエータ3072の前方端3078に対向した位置に置く。この作動可能の位置では、閉塞具止め具3018はアクチュエータ3072が圧縮されたバネ3076によって開放されるのを防ぐ。
【0122】
十分な張力がチューブ20の長さ方向にかかると、第一端20aまたは第二端20bのいずれかから、開放具3030を閉塞具3002から分離させようとする長さ方向の力が生じる。所定の閾値牽引力に達すると、それは閉塞具接触要素3014から開放具接触要素3034を分離することへの抵抗に打ち勝ち、閉塞具アーム3010はチューブ20に向かって自由に動く。閉塞具アーム3010が動くと、Fig.87に示されたように、閉塞具止め具3018はアクチュエータ3072の前方端3078との係合を解かれ、アクチュエータ3072を開放して閉塞具アーム3010に沿って長さ方向に摺動させる。バネ3076によって与えられる長さ方向の力の下で、アクチュエータ3072は閉塞具アーム3010に沿って摺動し、閉塞具要素3006をチューブ20の側壁面に押し付け、それによってその内腔を閉塞しまたは締め付ける。
【0123】
例示された実施形態では、アクチュエータ3072の開放を引き起こすのに必要な牽引力の量は、開放具接触要素3034と閉塞具接触要素3014との間の保持特性を変更することによって変えられることができる。二つの接触要素3034および3014は楔形をしており、したがってこれらの保持特性は、かみ合う表面の滑らかさおよび組成ならびに楔止めし合う表面の角度を変えることによって様々にすることができる。さらに、二つの接触要素間の係合の長さを変更することも保持特性を、したがって本装置の開放およびチューブの閉塞を作動させるためにチューブにかけなければならない閾値量の張力を、変えることができる。より一般的に言うと、二つの接触要素の相互作用がバネ仕掛けアクチュエータを作動させるように設計されるその接触要素は、多くの形態をとることができる。接触要素の他の非限定的実施形態は、たとえば歯および溝の配置を含むことができ、その場合に歯要素の形状または溝要素の形状および深さはこれらの要素の保持特性を、したがってこれらを分離するために要する力を、変えるために様々にされることができる。他の実施形態では、取り付けられた可撓性チューブ区間に張力がかかると、互いに(分離するのではなくてむしろ)接触することによって、アクチュエータを作動するように接触要素が構成されることができることもあり得る。
【0124】
Fig.85〜87に示された実施形態は二つの対向する閉塞具アーム3010および3012ならびに閉塞具要素3006および3008を備えているけれども、同様の閉塞機構が、チューブ20の外周まわりに置かれた単一の閉塞具アームまたは三つ以上の閉塞具アームに適用されることができる。これらの実施形態のいずれでも、バネによって加えられた長さ方向の力は、閉塞具3002のような閉塞具と相互作用するアクチュエータ3072のようなアクチュエータによって、可撓性チューブに作用するおおよそ横断方向の力に変換されることができる。この実施例では、アクチュエータはバネによって駆動され、その結果、アクチュエータの内表面が一つまたは複数の閉塞具の表面に沿って摺動し、閉塞具をチューブに対して押し付ける。
【0125】
Fig.85〜87に例示された閉塞具組み立て体3000は、チューブ20への張力が取り除かれた後、再作動可能にされることができる。バネ収容部3074の基部3084の後ろに親指を掛けて、指掛け3080および3082は二本指で掴まれることができ、次にFig.85に示されたようにアクチュエータ3072がその作動可能の位置に引き戻されることができる。チューブ20が緩んだ状態にあると、開放具接触要素3034は閉塞具接触要素3014と楔止めされた関係に戻ることができ、閉塞具止め具3018がアクチュエータ3072をその作動可能の位置にもう一度保持することを可能にする。
【0126】
チューブ20の弾性が、開放具接触要素とその相対する接触要素との適切な再係合を生じさせるのに不十分であるならば、アクチュエータ3072自体が使用者によって引っ張られて作動可能の位置にされるときに、該アクチュエータは開放具接触要素を引っ張って適切な再係合をさせるように設計されることができる。この実施例はFig.86に示され、この場合、開放具3030の区画は、アクチュエータ摺動ガイド3086が作動可能の位置に引き戻されたときにその後方端3088によって捕捉されることができる段差状造作物3036を含むことができる。間隙3090に等しい距離だけ開放具3030を引き戻せば、開放具接触要素3034を閉塞具接触要素3014と完全に係合するのに要求される適正な距離が与えられる。
【0127】
他の実施形態では、Fig.88および89に示されたように、可撓性チューブを閉塞する装置の実施形態4000は全体として第一本体4002を含み、第一本体4002は第二本体4004にバネ仕掛けクリップ4006によって摩擦でつながれている。第一端20aおよび第二端20bを有する可撓性チューブ20は各本体に複数のクランプ4010によって固定されている。チューブ20の曲がった区画を真っ直ぐにするようにチューブ20の第一端または第二端のいずれかに軸方向に作用する所定の閾値力F(示されていない。)によって、2つの本体が分離されると、バネ仕掛けクリップ4006は、第二本体によって確保されていたチューブ20を閉塞する。より具体的に言うと、バネ仕掛けクリップ4006は第一本体4002上に置かれた円柱形ハブ4012に係止されている。クリップ4006は十分な圧縮力を生成して、所定の力Fが可撓性チューブ20に作用するのよりも小さい摩擦力で本体4002および4004を一緒に保持する。所定の力Fによって二つの本体が互いに引き離されると、クリップ4006は摺動してハブ4012から外れて閉塞を起こさせる。
【0128】
他の実施形態では、視認または可聴警報が閉塞具組み立て体に含められることができる。開放の際のアクチュエータの動きは、閉塞具組み立て体に取り付けられたまたは含められた電池駆動警報の電気スイッチを作動させる役割をすることができる。たとえば、ホールセンサまたは機械的スイッチが、アクチュエータの開放を検知するために使用されることができ、これは次に装置に取り付けられた圧電型ブザーまたは発光ダイオード(「LED」)光を作動させることができる。現場警報は、たとえば血液透析装置または血液潅流装置のような体外血流装置において有用でありうるだろう。可聴または視認警報は、血液透析装置の圧力センサが血液透析ポンプの運転停止を発動する前に、使用者にチューブ閉塞についての警報を発する役割をすることができるだろう。静脈内カテーテルの外れに至らない張力の場合には、使用者はかくして可撓性チューブへの張力を取り除く機会を有し、治療(たとえば、血液ポンプ送り)が自動的に中断される前に閉塞具組み立て体を再び作動可能にするだろう。LED光は、使用者に本装置が適切に作動可能にされていることを表示するために使用されることもできる。
【0129】
さらに他の実施形態では、上記の閉塞具組み立て体(たとえば、長さ方向に作用するバネ力を利用するもの)は、動脈および静脈ラインが体外血流回路において別々に使用されるときは、これらのラインの双方に対応するように並んで置かれた二つの通路を有することができる。各ラインは、装置内で二つのラインを分ける共通の壁または隔壁に対して各ラインを押し付ける専用の閉塞要素を有することができる。閉塞具組み立て体100および3000について上記したように、双方の閉塞要素は同じアクチュエータによってそれぞれのラインに対して押圧されることができる。かくして、これらのラインのうちの一つにかかわる静脈内カテーテルの何らかの潜在的外れは、双方のラインの閉塞を自動的に作動させ、残っている無傷の静脈内カテーテルを介して空気が患者の血液循環内に引き込まれる危険を回避するのに役立つ。
【0130】
本明細書に記載された発明は静脈内注射に使用される可撓性チューブに限定される必要はない。これは、たとえば非IV用途に使用される医療チューブ、たとえば腹膜腔、胃、膀胱または任意の他の空洞器官につながるチューブに適用されることもできる。さらに、本発明は何らかの従属容器への流体流れを、いったん該容器が特定量の流体を蓄積し閾値重量に達したら、止めることが望ましい状況に適用されることもできる。その上さらに、本発明は医療用であれ、非医療用であれ、可撓性チューブ内の流体流れを、過度の張力が該チューブにかかったならば止めることが望ましい状況に適用されることができる。引き離す力が開放された後に、引張特性を有する可撓性チューブが収縮することができることも正しく評価されることができる。かくして、長さ方向の張力下に保持された可撓性チューブが開放され、その張力下前の長さに緩和して戻ることが可能になるならば、本明細書に記載された発明は非閉塞状態から閉塞状態に、または逆に閉塞状態から非閉塞状態へと作動するように構成されることもできる。いずれの方向への長さの変化も、閉塞装置の作動を引き起こすのに利用されることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
可撓性チューブの内腔を締め付ける装置であって、該装置が
可撓性チューブの区間を把持する把持具、
弾性力下にある少なくとも一つの閉塞具であって、該弾性力が、該把持具によって把持された可撓性チューブを該閉塞具が押圧するように付勢する、少なくとも一つの閉塞具、および
該把持具に連結されまたは該把持具を含む閉塞具止め具であって、該閉塞具と係合し該閉塞具が該弾性力の影響下に動くことを阻止する、少なくとも一つの閉塞具止め具
を含み、
該把持具によって把持された該可撓性チューブの区間への張力に応答した該把持具の動きが、該閉塞具から該閉塞具止め具の係合を解き、該閉塞具を開放して該チューブを押圧することができる、装置。
【請求項2】
可撓性チューブの区間を保持し、第一端および第二端を有するフレームであって、該第一端が把持具に連結されまたは該把持具を含み、閉塞具が該第二端の近くの該フレームに移動自在に連結されたフレームをさらに含むものである、請求項1に記載された装置。
【請求項3】
閉塞具が、閉塞端および連結端を有するアームであって、該連結端が第二端の近くのフレームに摺動自在に連結され、該閉塞端が、閉塞具止め具と、把持具によって保持された可撓性チューブの区間を押圧する閉塞要素と、を係合するための表面を有するアームを含み、該閉塞具の該閉塞端との係合からの閉塞具止め具の離脱が、該把持具と該閉塞具との間の距離が増加したときに生じるものである、請求項2に記載された装置。
【請求項4】
閉塞具が基部へのフレームの第二端の近くに枢動自在に取り付けられ、該基部が該フレームに摺動自在に取り付けられ、それによって、該閉塞具との係合からの閉塞具止め具の離脱が該基部から離れる該フレームの動きを引き起こすものである、請求項3に記載された装置。
【請求項5】
基部が第一端および第二端を有し、閉塞具が該基部の該第一端の近くで該基部に取り付けられ、第二把持具が該基部の該第二端に連結されるものである、請求項4に記載された装置。
【請求項6】
アクチュエータが基部とフレームの第一端との間の該フレームに摺動自在に取り付けられ、該アクチュエータが該フレームの第一端に向かって摺動すると、該アクチュエータが、閉塞具のアームに接触し該フレーム上のチューブに向って閉塞要素が動くように付勢するものである、請求項4に記載された装置。
【請求項7】
アクチュエータバネがアクチュエータと基部との間に取り付けられ、該アクチュエータバネが、該アクチュエータを該基部から離れさせてフレームの第一端に向かって動くように付勢し、閉塞具止め具との係合から閉塞具を解いて該閉塞具を作動させるものである、請求項6に記載された装置。
【請求項8】
段差状造作物がアクチュエータアーム上に含められ、閉塞具が閉塞具止め具と接触しているときに、該段差状造作物に対向してアクチュエータが位置することができる、請求項7に記載された装置。
【請求項9】
フレームが、基部によって圧縮可能なトリガーバネをさらに含み、把持具によって把持されたチューブに張力をかかると閉塞具が作動することができ、該張力が該トリガーバネを圧縮し該基部から離れる該フレームの動きを生じさせるのに十分なものである、請求項7に記載された装置。
【請求項10】
基部が、フレームの第二端の近くのスロット内に配置されたダボをさらに含み、該スロット内の該ダボの移動が該ダボとトリガーバネとの接触を生じさせるものである、請求項9に記載された装置。
【請求項11】
把持具が、可撓性チューブの区間が中に置かれることができる通路を規定し、該通路の表面は稜線、リブ、斜交平行線およびスケールからなる群から選択された隆起状造作物を有し、ラッチが該把持具に蝶番によって取り付けられ、該ラッチが該通路のまわりに留められることができるものである、請求項1に記載された装置。
【請求項12】
第二把持具が、可撓性チューブの区間が中に置かれることができる通路を規定し、該通路の表面は稜線、リブ、斜交平行線およびスケールからなる群から選択された隆起状造作物を有し、第二ラッチが該第二把持具に蝶番によって取り付けられ、該第二ラッチが該通路のまわりに留められることができるものである、請求項5に記載された装置。
【請求項13】
基部、フレームおよび閉塞具を表面に装着するための取り付け台をさらに含み、該取り付け台が該基部に連結可能でありかつ一つ以上の伸長部を有し、該伸長部にテープまたは粘着剤が施与されて該取り付け台が該表面に固定されることができる、請求項5に記載された装置。
【請求項14】
取り付け台が、基部に枢動自在に連結可能であり、該基部、フレームおよび閉塞具が、該取り付け台が装着されている表面と概して平行である面内で回動することが可能である、請求項13に記載された装置。
【請求項15】
取り付け台が、基部に摺動自在に連結可能である、請求項13に記載された装置。
【請求項16】
取り付け台が、部材に取り付けられることができ、該部材は基部のスロットを通して該基部に摺動自在に連結されかつフレームの陥凹部内に配置され、第二把持具によって把持されたチューブの区間への張力が、該部材の該陥凹部の壁面への接触を引き起こし、該フレームが該基部から離れるようにおよび閉塞具止め具が閉塞具との係合から外れるように付勢するものである、請求項15に記載された装置。
【請求項17】
フレームが支柱を含み、該支柱が取り付け台上の一対のカムに接触することができ、第一方向へのフレームの回動が該支柱と第一カムとの接触を生じさせることができ、第二方向への該フレームの回動が該支柱と第二カムとの接触を生じさせることができ、当該接触が、該フレームが基部から離れるようにおよび閉塞具止め具が閉塞具との係合から外れるように付勢する力を生じるものである、請求項14に記載された装置。
【請求項18】
少なくとも一つの閉塞具が二つ以上の閉塞具を含み、少なくとも一つの閉塞具止め具が二つ以上の閉塞具止め具を含むものである、請求項1に記載された装置。
【請求項19】
チューブへの当該張力が、少なくともチューブの区間を延伸させることを含むものである、請求項1に記載された装置。
【請求項20】
可撓性チューブの内腔を締め付ける閉塞装置を作動可能にする方法において、該閉塞装置が、該チューブの区間を把持するための把持具、弾性力下にある閉塞具であって該チューブを押圧するように該弾性力が該閉塞具に付勢する閉塞具、および該弾性力の影響下に該閉塞具が動くことを阻止するために該把持具に連結された閉塞具止め具を含み、該方法が、
該閉塞具を動かして該閉塞具と該閉塞具止め具とを係合する工程、
該閉塞具に隣接して該チューブを置く工程、および
該チューブの区間を該把持具に固定する工程
を含む、上記方法。
【請求項21】
閉塞装置が、可撓性チューブの区間を保持するフレームであって把持具に連結されたまたは把持具を含む第一端、および第二端を有するフレーム、該第二端の近くの該フレームに摺動自在に取り付けられた基部、該基部と該第一端との間の該フレームに摺動自在に取り付けられたアクチュエータ、および該アクチュエータと該基部との間に取り付けられたアクチュエータバネをさらに含み、該閉塞具が該アクチュエータと接触するアームを含み、該アームは閉塞端と連結端とを有し、該閉塞端は閉塞具止め具と、該基部に枢動自在に連結され該連結端と、を係合するための表面を有し、該フレームの第一端に向かう該アクチュエータの動きが該閉塞具に該チューブの区間に向かう枢動を生じさせ、該閉塞具と該閉塞具止め具とを係合する方法が、
該アクチュエータバネを圧縮しながら該基部に向かって該アクチュエータを動かす工程、
該閉塞具の該閉塞端に向かって該閉塞具止め具を動かす工程、および
該閉塞具を枢動して該閉塞具の該閉塞端と該閉塞具止め具とを係合する工程
をさらに含む、請求項20に記載された方法。
【請求項22】
閉塞装置を使用して可撓性チューブの内腔を締め付ける方法において、該閉塞装置が、該チューブの区間を把持するための把持具、弾性力下にある閉塞具であって該チューブを押圧するように該弾性力が該閉塞具に付勢する閉塞具、および該把持具に連結された閉塞具止め具であって、該閉塞具止め具が該閉塞具と係合し該弾性力の影響下に該閉塞具が動くことを阻止する、閉塞具止め具を含み、
該閉塞具に隣接して該チューブを置く工程、
該把持具に該チューブの区間を固定する工程、
該把持具の近くの該チューブに張力をかける工程、
該閉塞具から該閉塞具止め具の係合を解く工程、および
該閉塞具を開放して該チューブを押圧する工程
を含む、上記方法。
【請求項23】
閉塞装置が、該チューブの区間を保持するためのフレームであって第一端および第二端を有し該第一端が把持具に連結されまたは該把持具を含むフレームをさらに含み、該閉塞具が閉塞端および連結端を有するアームを含み、該連結端が該第二端の近くの該フレームに摺動自在に連結され、該閉塞端が該閉塞具止め具と該チューブを押圧するための閉塞要素とを係合するための表面を有し、該把持具の近くの該チューブに張力をかける工程が
該把持具と該閉塞具との間の距離を増加する工程
をさらに含む、請求項22に記載された方法。
【請求項24】
閉塞装置が、第二端の近くのフレームに摺動自在に連結された基部、該基部と該第一端との間の該フレームに摺動自在に連結されたアクチュエータ、および該アクチュエータと該基部との間に取り付けられたアクチュエータバネ、該アクチュエータと接触する該閉塞具アーム、および該基部に枢動自在に連結された該閉塞具の連結端をさらに含み、該閉塞具を開放する工程が、
該アクチュエータバネの影響下に該アクチュエータを開放して該第一端に向かって動かす工程、および
該アクチュエータが該閉塞具アームに沿って摺動することを可能にして、該閉塞具アームに該チューブに向かう枢動を起こさせる工程
をさらに含む、請求項23に記載された方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【図50】
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【図51】
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【図52】
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【図53】
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【公表番号】特表2012−519544(P2012−519544A)
【公表日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−552994(P2011−552994)
【出願日】平成22年2月26日(2010.2.26)
【国際出願番号】PCT/US2010/025617
【国際公開番号】WO2010/101783
【国際公開日】平成22年9月10日(2010.9.10)
【出願人】(594010009)デカ・プロダクツ・リミテッド・パートナーシップ (62)
【Fターム(参考)】