説明

可溶性かつ可溶化性である自由流動性の固体肥料組成物、およびその調製

固体で自由流動性の微粒子状肥料組成物、ならびにその製造方法を提供する。組成物は、固化しにくく、貯蔵および取り扱いが容易であり、水に急速にかつ完全に溶解し、そして肥料として直接使用することができ、また、他にほとんど不溶性の栄養素を含む濃縮水性肥料組成物の調製において役立つ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リン酸一カリウムとの混合物中に等モル比以下のリン酸を含んでなる固体で自由流動性の微粒子状肥料組成物およびその製造方法に関する。固体組成物は直接肥料として使用されるか、または、他の場合にはほとんど不溶性の栄養素を含んでなる濃縮水性肥料組成物の調製において使用される。
【背景技術】
【0002】
多くの農業用途においては、必要な栄養素を供給しながら、原液中に沈殿を形成することなく濃縮水溶液を生成し、有害なまたは無用な堆積物を土壌に残さない農芸化学組成物が必要とされる。US 5,395,418には、カルシウムのような追加の重要な栄養素と共にリン酸尿素を含む肥料組成物が記載されている。リン酸尿素を含む肥料組成物は、固体物質の沈殿および濁りを防ぐのに十分な低いpHを提供するが、尿素またはリン酸尿素の使用には欠点がないわけではない。例えば温室適用において、尿素分解細菌が存在しない可能性があるラン用の無土壌混合物のように、尿素を導入することが許されない、または尿素が最適な窒素源でない状況が存在する。さらに、尿素を含む肥料組成物の溶液は、いくつかの使用においては望ましい程度より混濁している。尿素を含まない環境において、多量のマグネシウムのような栄養素が必要とされる場合もあれば、リンおよびカリウム(PK)含有組成物が必要とされる場合もある。
【特許文献1】US 5,395,418
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって、本発明の目的は、水に急速にかつ完全に溶解し、種々の金属の塩のような他の重要な成分が高濃度で存在していても固体組成物の濁りまたは沈殿を生じない溶液を提供するPK肥料組成物を提供することである。
【0004】
本発明の別の目的は、貯蔵および取り扱いが容易である固体微粒子状組成物を提供することである。
【0005】
本発明のさらに別の目的は、Zn、Fe、Cu、Mn、Mo等のような金属の塩と共に硝酸カルシウムもしくは硝酸マグネシウムまたはリン酸カルシウムが含まれていても透明のままである溶液を形成する組成物を提供することである。
【0006】
本発明のさらなる目的は、上記の特性を損なわずに貯蔵することができる組成物を提供することである。
【0007】
本発明のよりさらなる目的は、金属塩から選択される他の栄養素と共に利用可能なPKを含む透明な水性原液の調製に使用することができる固体微粒子状肥料組成物を提供することである。
【0008】
カルシウムイオンまたはマグネシウムイオンが高濃度で存在していても透明である安定な水溶液を提供する、固体で自由流動性であり、非固化性の微粒子状肥料組成物を製造する方法を提供することも本発明の目的である。
【0009】
本発明の他の目的および利点は、記載が進行するにつれて明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、約35 wt%〜約41 wt%のリン酸(PA)、および約59 wt%〜約65 wt%のリン酸一カリウム(MKP)を含む固体微粒子状肥料組成物を提供する。この組成物は、溶液1リットル当たり最高150 グラム(g/l)までの濃度の硝酸カルシウムまたは硝酸マグネシウムの存在下で、最高150 g/lまでの濃度の透明な水溶液を室温で生成する。前記固体微粒子状肥料組成物は、好ましくは0.1〜0.6 wt%、さらに好ましくは0.2〜0.5 wt%の濃度で水を含む。本発明の肥料組成物は、硝酸カルシウムおよび硝酸マグネシウムがそれぞれ最高150 g/lまでの濃度で同時に存在する場合にも、最高150 g/lまでの濃度の透明な水溶液を生成する。上記溶解度の値は、温度10〜35℃、通常約25℃の温度を含む室温に関係する。本発明の固体微粒子状肥料組成物は、リンおよびカリウムを提供し、好ましくは前記微粒子状固体組成物および金属塩を含む透明溶液中で、他の成分と別個にまたは一緒に使用することが意図されている。P2O5部分として表される前記固体組成物中のリンの含有量は58.5〜60.5 wt%の範囲であることが好ましく、K2O部分として表される前記固体組成物中のカリウムの含有量は19.5〜22.5 wt%の範囲が好ましい。本発明の固体微粒子状肥料組成物は自由流動性物質である。組成物は、好適な吸湿性、例えばC.R.Uとして表した場合に約60〜約65%を有する顆粒状物質であることが好ましい。本発明の固体組成物は、硝酸カルシウムまたは硝酸マグネシウムおよび水と混合されて、沈殿を形成することなく、最高約1.0 mol/lまでのマグネシウムイオンまたはカルシウムイオンの他に最高約1.3 mol/lまでのリン酸イオンを含む透明溶液を生成し得る。本発明の好ましい実施形態において、1〜150 g/lの量の前記固体組成物は、1〜約160 g/lの硝酸カルシウムと共に水に溶解する。本発明の他の好ましい実施形態において、1〜150 gの量の前記固体組成物は1〜約150 gの硝酸マグネシウムと共に水に溶解する。
【0011】
本発明は、1〜150 g/lの前記固体組成物、ならびに、硝酸カルシウム、リン酸カルシウム、硝酸マグネシウム、ならびにマグネシウム、鉄、マンガン、銅、亜鉛、およびモリブテンの塩からなる群より選択される追加の栄養素を含む透明で安定な水性原液の調製における、約35 wt%〜約41 wt%のPA、および約59 wt%〜約65 wt%のMKP、ならびに約0.6 wt%未満の水を含む固体微粒子状肥料の使用に関する。本発明の使用には、直接または希釈した後に、肥料として使用すべき原液を調製することが含まれる。本発明の重要な態様において、固体組成物の使用は、他の肥料または肥料組成物、好ましくは硝酸カルシウム、リン酸カルシウム、硝酸マグネシウム、マグネシウム、鉄、マンガン、銅、亜鉛、およびモリブテンの塩から選択される栄養素を含む前記肥料または肥料組成物の調製において成分として使用すべき水性原液を調製することを含む。当業者であれば理解するように、種々の適用のためには、前記肥料または肥料組成物に、他の栄養素、微量栄養素、色調整剤等のような他の物質を含めることが必要であろう。本発明の使用は、肥料または肥料の調製における成分として使用すべき前記水性原液が、沈殿の形成ならびに微生物の増殖に対して安定であるという事実を利用している。本発明の組成物に金属の栄養素を導入するのにキレート剤は必要とされない。
【0012】
本発明は、P2O5およびK2O部分として表わされるリンおよびカリウムをそれぞれ58.5〜60.5 wt%および19.5〜22.5 wt%の範囲で含む固体微粒子状肥料組成物を製造する方法に関する。この肥料は、最高150 g/lまでの濃度の硝酸マグネシウムまたは硝酸カルシウムの存在下、水に室温で最高150 g/lまでの濃度で溶解して透明溶液を生成する。前記方法は、i)少なくとも50 wt%のP2O5部分を含むことが好ましい工業用または食品用のリン酸(PA)(ほとんどの不純物は本質的に水である)を提供するステップ;ii)リン酸一カリウム(MKP)を提供するステップ;iii)前記PAおよび前記MKPを水と任意の順序で混合し、攪拌しながら約65〜約90℃の温度まで加熱して透明溶液を得るステップ(ここで、混合物中の水の初期量は、前記PAおよび前記MKPと共に不純物として加えられた水を含めて、好ましくは混合物の5〜20 wt%であり、前記MKPと前記PAとの重量比は無水ベースで計算して約1.4〜約1.9である);iv)ステップiii)の溶液を、真空下、攪拌しながら約100〜約120℃の温度で蒸発させて、0.1〜0.6 wt%、好ましくは0.2〜0.5 wt%の水を含む均質な固体微粒子状物質を得るステップ;iii)混合物を冷却して自由流動性の微粒子状固体を得るステップを含んでなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
一定の比のリン酸(PA)とリン酸一カリウム(MKP)が、水性液相を調製し、次に100℃より高い温度で真空蒸発により前記相から大部分の水を除去することが含まれる方法により、容易に取り扱うことができ、自由流動性であり、所望の吸湿性レベルを有し、固化しにくい顆粒状固体に加工できることが見出された。この顆粒状固体は、肥料としてまたは肥料の調製において有利に使用される。PAおよびMKPの混合物中のPAの含有量は、有利には35 wt%〜41 wt%の狭い範囲であり、固形肥料に有利な特性を提供することが見出された。
【0014】
リン酸(PA)およびリン酸一カリウム(MKP)を含んでなる種々の肥料が報告されている。発明者らによるWO 01/74740は、等モル量のPAおよびMKPを含む組成物ならびに複塩KH5(PO4)2の結晶の形成を含んでなる、その製造方法を提供している。本発明には結晶化および結晶分離は含まれない。本発明における製造方法はより簡便であり、結晶水のような内在する水分を有さない生成物を提供する。この生成物は、等モル以下の含有量のPAを含んでなり、自由流動性で吸湿性が低く、固化する傾向がない。
【0015】
固体組成物中のPAの上記最適含有量35〜41 wt%は、0.8〜0.9のモル比PA/MKPに対応する。理論的考察はなされていないが、この等モル以下の比により、得られる固体が非晶質の特徴を有するようである。このことは本発明において有利であり、その結果、起こりうる問題、例えば内在する水に関連する問題、および同様の現象が回避される。
【0016】
本発明は、カリウムおよびリンの供給源として容易に使用され、施肥に直接使用されるか、あるいは固体または液体の調製物の調製に使用される易溶性微粒子状固体を提供する。本発明の固体は、完全にかつ急速に溶解し、任意の順序で混合物に加えることができる追加の栄養素を溶解させる能力が高い水溶液を提供するので、水溶液を調製する際に、微粒子状固体の有利な特性が十分に活用される。このような栄養素は、硝酸カルシウム、リン酸カルシウム、硝酸マグネシウム、ならびに追加のマグネシウムの塩、ならびに鉄、マンガン、銅、亜鉛、およびモリブテンの塩から選択されることが好ましい。本発明の微粒子状固体は、水に溶解したときに、好適なpH値、通常2.2〜2.8を提供し、キレート剤を用いずに重要な金属の栄養素を含むことができる。150 g/lの硝酸カルシウムまたは硝酸マグネシウムに関して、そのような混合物を肥料として使用することだけではなく、一態様において、本発明の固体組成物が高い可溶化能を示すことも意図される。なぜなら、リン酸とカルシウムとの組み合わせは、他の場合には両立しないが、本発明においては透明溶液を提供するからである。当然、実用的には、当業者は、前述の高濃度またはより低い濃度の組成物を必要に応じて選択するであろう。したがって、本発明の微粒子状で、自由流動性の固形肥料は、直ちに利用可能なPKの固体供給源を提供すること、濃縮された液体のPK供給源を他の栄養素と共に提供すること、透明な液体栄養素混合物を製造するための可溶化剤を提供すること、尿素を含まない適用のための濃縮された透明な液体NPK混合物を提供すること等を含む、種々の農業の目的のための簡便な方法を提供する。本発明の重要な態様は、一貫性(consistency)であり、固化しにくい自由流動性粉末であるため組成物の長期保存の後でも容易に取り扱うことを可能にする。
【0017】
本発明は、PAおよびMKPを含んでなる(PAは35〜41 wt% PAである)、固体微粒子状組成物を製造する方法を提供する。この組成物は容易に使用され、取り扱われる。直接または他の栄養素と共に使用されて、それらは原液中に沈殿物を形成することなく、土壌中に堆積物を生じさせることなく、重要な成分を土壌に提供する。微粒子状固体肥料は、本発明の一態様において、他の場合にはほとんど溶けないかまたは不溶性の成分の可溶化剤として使用される。本発明の方法は、PAおよびMKPを含む濃縮液相を高温で提供する段階、ならびに真空下高温でそれを均質化しながら混合物から溶媒を除去する段階を含む。本発明の方法は、所望の温度および圧力の他に、液相から固相への転移(transition)の間およびその後も継続して液相中を攪拌することを確実にする装置を必要とし、反応混合物と接触しているこの装置の部分は反応物および生成物に対して耐性がある。
【0018】
本方法の好ましい実施形態において、工業用PAが提供され、実質的に乾燥したリン酸一カリウムが提供され、これらの原料が任意の順序で比較的少量の水と混合される。水の量は、混合物の総重量の約20 wt%を越えないことが好ましい。加えるべき水の量を計算する際、原料の含水率は、混合物中の水が合計して5〜20 wt%であるように考慮される。本発明における工業用PAなる用語は工業グレードまたは食品グレードを含むことが意図され、好ましくは少なくとも60 wt%のH3PO4を含む原料、例えば55〜67 wt%のP2O5を含む原料に関し、残りは主に水であり、少量の農業的に許容される不純物が存在していてもよい。前記MKPは、好ましくは数wt%未満の水、例えば1 wt%未満を含み、スムーズな原料の取り扱いを可能にする。本発明の方法を実施するための装置は、室温〜約125℃の温度を含む本方法で使用される範囲のいずれの温度においても、継続的な均質化を確実にする。さらに、前記装置により、必要であれば反応混合物を冷却することが可能となる。最後に、少なくとも100 mbarを提供するために、安定で十分な真空を確保しなければならない。
【0019】
上記真空を用いる方法において35〜41 wt%の範囲のPAを含むことにより、尿素を含まない環境または他の目的のための、直接使用または原液としての、すぐに利用できるPKの提供または可溶性の低い栄養素の可溶化のための、水溶性固体または高濃度水溶液としての、肥料組成物を調製するための柔軟性のある方法が提供される。
【0020】
以下の実施例により本発明を説明するが、本発明を限定することを決して意図しない。
【実施例1】
【0021】
オイル加熱システムを備えたステンレススチール製の7リットル乾燥器−反応容器中で、62.8 wt%のP2O5部分を含む工業用リン酸(PA)2436グラムを、リン酸一カリウム(MKP)3366グラム、および92グラムの水と混合した。ここで使用したPAおよびMKPは、Rotem Amfert Negev Ltdの製品である。混合物を連続的に25 rpmで撹拌しながら90℃に加熱して透明溶液を得た。反応容器を閉じて真空ポンプに接続し、混合物を約116〜118℃の温度に加熱しながら、約5時間、次第に100 mbar未満の圧力に減少させた。0.5 wt%未満の含水量を有する固体を約40℃に冷却し、その物質を取り出した。約4.8 kgの微粒子状の生成物を得た。2 mmのふるい上でふるいにかけた後、約4.7 kgの物質を得、より大きい粒子を次のバッチに加えた。
【0022】
水の含有量は熱重量分析により、P2O5の含有量は分光光度的に、K2Oの含有量はテトラフェニルボレートを用いた電位差滴定により測定した。試料による水の吸収により質量が3%より大きく増加する環境の相対湿度を測定することにより、吸湿性を臨界相対湿度(C.R.U.)として特徴づけた。C.R.Uとして表した場合、生成物の吸湿性は60〜65 %であった。
【0023】
流動性指標は、i)出口が閉じられ、100 mmの上面直径および10 mmの出口直径を有するステンレス製の滑らかな漏斗を、300グラムの試験物質で満たし、ii)出口を開いた後にこの物質が出口を通過するのにかかった時間tを測定することにより決定した。流動性指標FI%をFI% = 100*(t0/t)(ここで、toは標準物質に対して測定された流れ時間(flow time)である)として計算した。生成物のFI値は本方法において使用したMKPのFIよりも高かった。
【実施例2】
【0024】
加圧水加熱システムおよびシャフト攪拌システム(shaft stirring system)を備えた30リットル乾燥器−反応容器に、約67 wt%のP2O5部分である12.5 kgのPAを入れ、19 kgのMKP、および4 kgの水を入れた。混合物を25 rpmで攪拌し、90℃に加熱して、透明溶液を得た。反応容器を閉じて真空ポンプに接続し、混合物を加熱して約110℃の温度、約50 mbarの圧力に維持した。0.4 wt%の水を含む固体を得、真空を停止し、温度を45℃に下げた。59.5%のP2O5 部分および21.4%のK2O 部分を含む自由流動性の微粒子状物質を得た。微粒子状固体を蒸留水に150 g/lで溶解した場合、1週間の期間中沈殿は観察されなかった。生成物の吸湿性はC.R.U.として表すと60〜65 %であった。1 wt%溶液のpHは2.4であった。
【実施例3】
【0025】
実施例2で得られた生成物を水に溶解し、種々の量のCa(NO3)2、Mg(NO3)2、および金属硫酸塩を所要の濃度に達するまで加えた。結果を生成物の代わりにリン酸一アンモニウム(MAP)を使用した組成物と比較した。表1に結果を示す。値は水溶液1リットル当たりのグラムを意味し、本発明の生成物はPrと示す。
【0026】
表1
1リットルの水溶液中にリン酸一アンモニウム(MAP)または本発明の生成物(Pr)を含む種々の組み合わせの栄養素の溶解度
【表1】

【0027】
本発明をいくつかの具体的な例に関して説明して来たが、多くの修正および変更が可能である。したがって、特許請求の範囲内で、前記具体的な例示とは別に本発明を実施し得ることを理解されたい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
約35 wt%〜約41 wt%のリン酸(PA)、約59 wt%〜約65 wt%のリン酸一カリウム(MKP)、および0.1〜0.6 wt%の水を含む、固体で自由流動性の微粒子状肥料組成物。
【請求項2】
最高150 g/lまでの濃度の硝酸カルシウムまたは硝酸マグネシウムの存在下、1リットルの溶液当たり最高150グラム(g/l)までの濃度の透明な水溶液を室温で生成する、請求項1に記載の固体で自由流動性の微粒子状肥料組成物。
【請求項3】
最高150 g/lまでの濃度の硝酸カルシウムおよび最高150 g/lの濃度までの硝酸マグネシウムの存在下、最高150 g/lまでの濃度の透明な水溶液を室温で生成する、請求項1に記載の固体で自由流動性の微粒子状肥料組成物。
【請求項4】
0.2〜0.5 wt%の濃度の水を含み、固化しにくい傾向を示す、請求項1に記載の固体組成物。
【請求項5】
次の範囲の含有量の部分:58.5〜60.5 wt%のP2O5 および19.5〜22.5 wt%のK2Oを含む、請求項1に記載の固体組成物。
【請求項6】
1〜150 g/lの前記固体組成物、ならびに硝酸カルシウム、リン酸カルシウム、硝酸マグネシウム、ならびにマグネシウム、鉄、マンガン、銅、亜鉛、およびモリブテンの塩からなる群より選択される追加の栄養素を含んでなる透明で安定な水性原液の調製における、請求項1に記載の固体組成物の使用。
【請求項7】
前記原液がキレート剤を含まない、請求項6に記載の使用。
【請求項8】
前記水性原液が、肥料または肥料の調製における成分である、請求項6に記載の使用。
【請求項9】
前記水性原液が無機沈殿物の形成に対して安定である、請求項6に記載の使用
【請求項10】
前記水性原液が微生物の増殖に対して安定である、請求項6に記載の使用。
【請求項11】
硝酸カルシウムまたは硝酸マグネシウムおよび水と混合されて、最高約1.0 mol/lまでのマグネシウムイオンまたはカルシウムイオンの他に最高約1.3 mol/lまでのリン酸イオンを含む透明溶液を提供することが可能な、請求項1に記載の固体微粒子状肥料組成物。
【請求項12】
前記透明溶液が、最高150 gまでの前記固体組成物、最高約160 gまでの硝酸カルシウム、および混合物の体積が1リットルになるような量の水を混合することにより得られる、請求項11に記載の固体組成物。
【請求項13】
前記透明溶液が、最高150 gまでの前記固体組成物、最高約150 gまでの硝酸マグネシウム、および混合物の体積が1リットルになるような量の水を混合することにより得られる、請求項11に記載の固体組成物。
【請求項14】
P2O5およびK2O部分として表されるリンおよびカリウムを、それぞれ58.5〜60.5 wt%および19.5〜22.5 wt%の範囲で含む固体微粒子状肥料組成物の製造方法であって、
i) 不純物の大部分が本質的に水である工業用リン酸(PA)を提供するステップ;
ii) リン酸一カリウム(MKP)を提供するステップ;
iii) 任意の順序で前記PAおよび前記MKPを水と混合し、約65〜約90℃の温度に加熱して透明溶液を得る(ここで、混合物中の水の初期量は、前記PAおよび前記MKPと共に不純物として加えられた水も含み、混合物の5〜20 wt%であり、前記PAに対する前記MKPの重量比は、無水ベースで計算して1.4〜1.9である)ステップ;
iv) ステップ iii)の溶液を、真空下、約100〜約120℃の温度で蒸発させて0.1〜0.6 wt%の水を含む固体の均質な物質を得るステップ;および
v) 上記固体を冷却して前記固体微粒子状自由流動性肥料を得るステップ
を含む前記方法。
【請求項15】
前記真空が100 mbar以下の圧力を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記真空を攪拌下で適用し、液体から固体への相転移の間継続させる、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記微粒子状肥料が固化しにくい傾向を示す、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
前記微粒子状肥料が、最高150 g/lまでの濃度の硝酸マグネシウムまたは硝酸カルシウムの存在下、水に室温で最高150 g/lまでの濃度で溶解して透明溶液を生成する、請求項14に記載の方法。

【公表番号】特表2009−529484(P2009−529484A)
【公表日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−557899(P2008−557899)
【出願日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【国際出願番号】PCT/IL2007/000300
【国際公開番号】WO2007/102159
【国際公開日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【出願人】(502359769)ロテム アムフェルト ネゲヴ リミテッド (1)
【Fターム(参考)】