説明

吊り下げひも付き物品収納ケース

【課題】 吊り下げひもの納まりが容易になされる吊り下げひも付き物品収納ケースを提供する。
【解決手段】 ケース本体2に吊り下げひも3が一体に取り付けられてなる吊り下げひも付き物品収納ケースにおいて、ケース本体2の周面に、吊り下げひも3を収納するための収納用溝部20が形成されてなることを特徴とする吊り下げひも付き物品収納ケース

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、殺菌洗浄剤、防臭剤、防虫剤等を収納するように用いる吊り下げひも付き物品収納ケースに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、台所の流し台ストレーナのヌメリ取り具として、ケース内に殺菌洗浄用錠剤を納めたものを取手に吊り下げる状態でストレーナ内に収納使用するものがある。また、トイレ等の防臭具としてケース内に防臭剤を納めたものを吊り下げひもでトイレ内に吊り下げ使用するものがある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記のこの種製品の場合、製造販売に際し次のような問題があった。すなわち、この種製品は全体が透明のパッケージ内等に納められて販売される場合が多いが、その際に長い吊り下げひもの納まりが悪くなる問題が生じた。これを見栄え良くするためには、例えば、ひもをケースの背面側等に束ね納めるようにしているが、この作業は複雑で必ず人手を要して製造に非常に手間のかかることとなった。とくに、ケース内に殺菌洗浄用錠剤を納めたヌメリ取り具の場合は、ケース表面の全体に殺菌洗浄用錠剤の溶け出し用の開口が設けられているので、殺菌洗浄用錠剤を内部に納めた後にひもの処理のためにケースに手を触れることは衛生上好ましくなかった。
【0004】
この発明では、吊り下げひもの納まりが容易になされる吊り下げひも付き物品収納ケースを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明では、ケース本体に吊り下げひもが一体に取り付けられてなる吊り下げひも付き物品収納ケースにおいて、前記ケース本体の周面に、前記吊り下げひもを収納するための収納用溝部が形成されてなることを特徴とする吊り下げひも付き物品収納ケースを提供する。
【0006】
上記構成の吊り下げひも付き物品収納ケースによれば、ケース本体に吊り下げひも収納用溝部が設けられたことで、吊り下げひもがその収納用溝内に巻き込むようにされて容易に納められる。これにより、販売時製品において吊り下げひもが目に触れないことで見栄えが良く、また、製品製造時に吊り下げひもを束ねたり、その束ねたものをどこかに固定するような作業も省略できる。とくに、吊り下げひもの収納用溝内への巻き込み作業は人手によることなく機械によって行うことが可能となるので、製品の自動生産が行えるようになる。
【0007】
この発明の吊り下げひも付き物品収納ケースは、物品収納ケースが吊り下げひもにより吊り下げ使用されるヌメリ取り具、防臭具、防虫具等の全ての形態のものに適用可能である。
【発明の効果】
【0008】
この発明によれば、吊り下げひもの納まりが容易になされる吊り下げひも付き物品収納ケースが得られ、これによりこの吊り下げひも付き物品収納ケースを使用する製品の販売時の見栄えが良くなり、また、製造効率も向上される。とくに、製品の製造が機械により自動的になされるようになることで、製造効率が格段に向上され、かつ、製造に際しての衛生環境も改善される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
図1はこの発明の吊り下げひも付き物品収納ケースの外観斜視図、図2は同分解斜視図、図3はそのケース本体の正面図、図4は同側面図、図5は同断面図である。
【0010】
吊り下げひも付き物品収納ケース1は、プラスチックス製のケース本体2に吊り下げひも3が取り付けられて構成されている。ケース本体4は略同形の一対の略ハート形状のケース片4、5それぞれが互いに合わされて一体とされるもので、それらケース片4、5それぞれには多数の開口6が設けられている。
【0011】
ケース片4、5それぞれの互いに接合される周縁接合面には相対する位置に台部7それぞれが連続して設けられ、一方のケース片4の台部には3ケ所に位置決め用の凸部8それぞれが形成され、他方のケース片5の台部7には前記凸部8それぞれが嵌入される位置決め用凹部10それぞれが形成されている。また、ケース片5の台部には6ケ所に係止爪12それぞれが突設され、ケース片4の台部7の1ケ所にはひも固定面13が若干突出して形成され、さらにケース片4の周縁にはひも離脱防止用の保持舌15のそれぞれが突出形成されている。
【0012】
上記のような構成において、ケース片4、5のそれぞれは台部7それぞれが互いに接合される状態において一体とされ、その際には位置決め用の凸部8それぞれが位置決め用の凹部10それぞれに嵌入されるとともに、係止爪12それぞれが開口6それぞれに差し込まれてその縁部に係止され、これによりケース片4、5それぞれが互いに位置ずれしない状態において接合固定されている。また、吊り下げひも3の一対の端部がひも固定面13部分に挟持される状態に取り付けられ、図6に示すように、固定面13に設けられた食い込み歯16が吊り下げひも3に食い込むことで、吊り下げひも3はケース片4、5それぞれが接合された状態において強固にケース本体2に固定されている。
【0013】
上記のように形成されるケース本体2は、ケース片4、5の周縁接合面が台部7それぞれが付き合わされ接合されることで、その周囲に吊り下げひも3の収納用溝部としての環状溝20を備えるものととなり、図7に示すように、この環状溝20内に吊り下げひも3が巻かれるようにして納められ、その吊り下げひも3は保持舌15それぞれにより保持されることで環状溝20内に安定収納される。このように吊り下げひも3が環状溝20内に収納されることで、製品販売時において吊り下げひも3が見栄え良く納まる。保持舌15は、吊り下げひも3の巻き込みの際には折れ曲がり変形することでその巻き込みを妨げず、かつ、ある程度の弾力強度を持つことで収納された吊り下げひも3を環状溝20内に保持する。
【0014】
次に上記吊り下げひも付き物品収納ケース1を使用してのヌメリ取り具の組み立て製造について説明する。製造ライン上にケース片4を接合面側を上にして送り、そのケース片4内に殺菌洗浄用錠剤を置き、さらにその上部に接合面側を下にしたケース片5を位置合わせして置き、一体に接合する。上記ケース片5を置く先立って吊り下げひも3の一対の端部を、図2に示すように、ケース片4の上に配置して接合することで、これによりケース片4、5それぞが接合されたケース本体2には吊り下げひも3が一体に固定された状態となる。さらに、ケース片4、5を接合し吊り下げひも3を取り付けた直後に、固定状態とした吊り下げひも3に対してケース本体2を水平面方向おいて回転させ、吊り下げひも3をケース体2の環状溝20内に巻き込んで納める。上記の巻き込みは、ケース本体2側を固定状態として吊り下げひも3側を回転移動して行ってもよい。
【0015】
上記のようして組み立て製造されたヌメリ取り具は、その吊り下げひも3が取手に結び付けられる状態で流し台のストレーナ内に収納使用され、内部の殺菌洗浄用錠剤がケース本体2の開口6それぞれを通して溶け出すことでストレーナのヌメリ取り機能を果す。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の吊り下げひも付き物品収納ケースの実施形態の斜視図
【図2】この発明の吊り下げひも付き物品収納ケースの実施形態の分解斜視図
【図3】この発明の吊り下げひも付き物品収納ケースのケース本体の実施形態の正面図
【図4】この発明の吊り下げひも付き物品収納ケースのケース本体の実施形態の側面図
【図5】この発明の吊り下げひも付き物品収納ケースのケース本体の実施形態の図3のA−A断面図
【図6】この発明の吊り下げひも付き物品収納ケースの実施形態の部分拡大断面図
【図7】この発明の吊り下げひも付き物品収納ケースの吊り下げひも収納時の実施形態の斜視図
【符号の説明】
1 吊り下げひも付き物品収納ケース
2 ケース本体
3 吊り下げひも
20 環状溝(収納用溝部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケース本体に吊り下げひもが一体に取り付けられてなる吊り下げひも付き物品収納ケースにおいて、
前記ケース本体の周面に、前記吊り下げひもを収納するための収納用溝部が形成されてなることを特徴とする吊り下げひも付き物品収納ケース。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−24367(P2008−24367A)
【公開日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−222107(P2006−222107)
【出願日】平成18年7月20日(2006.7.20)
【出願人】(505129965)ウェ・ルコ物流株式会社 (11)
【Fターム(参考)】