説明

同期装置及び同期方法

【課題】映像表示装置あるいは外付け機器から同期信号を出力する機構を必要としない同期装置を提供する。
【解決手段】実施形態に係る同期装置は、立体映像視聴用のシャッター眼鏡20の左右シャッターの切り替わりを、映像表示装置10が交互に表示する右眼用映像フレーム及び左眼用映像フレームの切り替わりと同期させる。同期装置は、映像表示装置10の映像表示面11に取り付けられるセンサ100と、センサ100の出力信号に応じて、左右シャッターの切り替わりを制御するように構成されたコントローラ200とを具備する。右眼用映像フレーム及び左眼用映像フレームは、右眼用映像フレーム及び左眼用映像フレームを判別するための判別マークを含む。センサ100は、映像表示面11に表示される判別マークを検出するように構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アクティブシャッター方式の立体映像視聴システムで用いられる同期装置及び同期方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、視聴者が立体映像を視聴できる立体映像視聴システムが注目されている。立体映像視聴システムには、アクティブシャッター方式と称される方式がある。アクティブシャッター方式とは、別々の角度で撮影して得られた映像フレームを映像表示装置が左右交互に表示し、それと同期してシャッター眼鏡が左右交互に開閉する方式である。
【0003】
アクティブシャッター方式を実現するためには、シャッター眼鏡の左右シャッター(左眼用シャッター及び右眼用シャッター)の切り替わりを、左眼用映像フレーム及び右眼用映像フレームの切り替わりと同期させるための同期装置が必要になる。このような同期装置としては、入力映像信号に対する信号処理によって同期信号を生成し、生成した同期信号をシャッター眼鏡のコントローラに伝送する方式が知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−322063号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、入力映像信号から同期信号を生成する従来の同期装置には、次のような問題がある。具体的には、同期信号を映像表示装置から出力する機構、あるいは、同期信号を外付け機器(チューナ装置等)から出力する機構を新たに設ける必要があるため、そのような機構を持たない映像表示装置あるいは外付け機器には適用できないという問題があった。
【0006】
そこで、本発明は、映像表示装置あるいは外付け機器から同期信号を出力する機構を必要としない同期装置及び同期方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決するために、本発明は以下のような特徴を有している。まず、本発明に係る同期装置の特徴は、立体映像視聴用のシャッター眼鏡(シャッター眼鏡20)の左右シャッターの切り替わりを、映像表示装置(映像表示装置10)が交互に表示する右眼用映像フレーム及び左眼用映像フレームの切り替わりと同期させるための同期装置であって、前記映像表示装置の映像表示面(映像表示面11)に取り付けられるセンサ(センサ100)と、前記センサの出力信号に応じて、前記左右シャッターの切り替わりを制御するように構成されたコントローラ(コントローラ200)とを具備し、前記右眼用映像フレーム及び前記左眼用映像フレームは、前記右眼用映像フレーム及び前記左眼用映像フレームを判別するための判別マークを含み、前記センサは、前記映像表示面に表示される前記判別マークを検出するように構成されることを要旨とする。
【0008】
このような同期装置によれば、映像表示装置の映像表示面を用いて、シャッター眼鏡の左右シャッターの切り替わりを右眼用映像フレーム及び左眼用映像フレームの切り替わりと同期させることができる。従って、映像表示装置あるいは外付け機器から同期信号を出力する機構を必要としない同期装置を提供できる。
【0009】
本発明に係る同期装置の他の特徴は、上記特徴に係る同期装置において、前記判別マークは、前記映像表示面の端部に対応する位置に表示され、前記センサは、前記映像表示面の端部に取り付けられることを要旨とする。
【0010】
このような特徴によれば、映像表示面において余り目立たない箇所にセンサを取り付け可能にすることができる。
【0011】
本発明に係る同期装置の他の特徴は、上記特徴に係る同期装置において、前記センサは、入射する光に応じた電気信号を出力するフォトセル(フォトセル101)と、前記フォトセルの光入射面の反対側の面と、前記フォトセルの側面とを覆うカバー(カバー102)とを具備することを要旨とする。
【0012】
このような特徴によれば、センサをシンプルな構成で実現できるため、同期装置のコスト増を抑制できる。また、判別マーク以外の光をカバーによって遮ることができ、判別マークの検出精度を改善できる。
【0013】
本発明に係る同期装置の他の特徴は、上記特徴に係る同期装置において、前記右眼用映像フレーム及び前記左眼用映像フレームのそれぞれに対応する映像信号を前記映像表示装置に出力する外付け機器(外付け機器30)をさらに具備し、前記外付け機器は、前記右眼用映像フレーム及び前記左眼用映像フレームのそれぞれに対応する映像信号に対し、前記判別マークに対応する映像信号を挿入することを要旨とする。
【0014】
このような特徴によれば、元々の映像信号に判別マークが付与されていないケースにおいても、映像表示装置の前段で判別マークを付与することができる。
【0015】
本発明に係る同期方法の特徴は、立体映像視聴用のシャッター眼鏡の左右シャッターの切り替わりを、映像表示装置が交互に表示する右眼用映像フレーム及び左眼用映像フレームの切り替わりと同期させるための同期方法であって、前記右眼用映像フレーム及び前記左眼用映像フレームに対応する映像信号であって、前記右眼用映像フレーム及び前記左眼用映像フレームは、前記右眼用映像フレーム及び前記左眼用映像フレームを判別するための判別マークを含む映像信号を前記映像表示装置に入力するステップと、前記映像表示装置の映像表示面に取り付けられるセンサが、前記映像表示面に表示される前記判別マークを検出するステップと、コントローラが、前記センサの出力信号に応じて、前記左右シャッターの切り替わりを制御するステップとを具備することを要旨とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、映像表示装置あるいは外付け機器から同期信号を出力する機構を必要としない同期装置及び同期方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】第1実施形態に係る立体映像視聴システムの全体構成を示す図である。
【図2】図2(a)は、右眼映像用判別マークを説明するための図であり、図2(b)は、左眼映像用判別マークを説明するための図である。
【図3】第1実施形態に係るセンサの構成を示す概略断面図である。
【図4】第1実施形態に係るコントローラ及びシャッター眼鏡の動作を示すフローチャートである。
【図5】第2実施形態に係る立体映像視聴システムの全体構成を示す図である。
【図6】第2実施形態に係る外付け機器の動作を示すフローチャートである。
【図7】その他の実施形態に係るシャッター眼鏡の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図面を参照して、本発明の第1実施形態、第2実施形態、及びその他の実施形態を説明する。以下の各実施形態における図面において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付す。
【0019】
(1)第1実施形態
以下、第1実施形態について、(1.1)立体映像視聴システムの構成、(1.2)判別マーク、(1.3)センサの構成、(1.4)コントローラ及びシャッター眼鏡の動作、(1.5)第1実施形態の効果、(1.6)第1実施形態の変更例の順に説明する。
【0020】
(1.1)立体映像視聴システムの構成
図1は、第1実施形態に係る立体映像視聴システム1Aの全体構成を示す図である。
【0021】
図1に示すように、第1実施形態に係る立体映像視聴システム1Aは、立体映像を表示する映像表示面11を有する映像表示装置10と、映像表示装置10の映像表示面11に取り付けられるセンサ100と、センサ100と有線又は無線により接続されるコントローラ200と、コントローラ200と有線又は無線により接続されるシャッター眼鏡20とを有する。
【0022】
第1実施形態において、センサ100及びコントローラ200は、立体映像視聴用のシャッター眼鏡20の左右シャッターの切り替わりを、映像表示装置10が交互に表示する右眼用映像フレーム及び左眼用映像フレームの切り替わりと同期させるための同期装置を構成する。
【0023】
映像表示装置10は、テレビジョン受像機又はディスプレイであり、外部から入力される立体映像信号INに応じて、映像表示面11に映像を表示する。立体映像信号INは、右眼用映像フレームに対応する映像信号IN_Rと、左眼用映像フレームに対応する映像信号IN_Lとを含んで構成される。
【0024】
右眼用映像フレームに対応する映像信号IN_Rには、右眼映像用判別マークに対応する映像信号が含まれており、左眼用映像フレームに対応する映像信号IN_Lには、左眼映像用判別マークに対応する映像信号が含まれている。
【0025】
その結果、映像表示装置10は、右眼映像用判別マークを含む右眼用映像フレームを映像表示面11に表示し、左眼映像用判別マークを含む左眼用映像フレームを映像表示面11に表示する。右眼映像用判別マーク及び左眼映像用判別マークの詳細については後述する。
【0026】
センサ100は、映像表示面11に取り付けられ、右眼映像用判別マーク及び左眼映像用判別マークのそれぞれを検出し、検出結果を示す信号(以下、センサ出力信号と称する)を出力する。右眼映像用判別マーク及び左眼映像用判別マークの詳細については後述する。
【0027】
コントローラ200は、センサ100からのセンサ出力信号が入力される。コントローラ200は、センサ出力信号から右眼用映像フレーム及び左眼用映像フレームを判別し、判別結果に応じた制御信号を出力する。コントローラ200の詳細については後述する。
【0028】
シャッター眼鏡20は、コントローラ200からの制御信号が入力される。シャッター眼鏡20は、左眼用シャッター20L及び右眼用シャッター20R(図7参照)を具備し、コントローラ200からの制御信号に応じて左眼用シャッター20L及び右眼用シャッター20Rのそれぞれを開閉する。なお、左眼用シャッター20L及び右眼用シャッター20Rは、例えば液晶シャッターとして構成される。シャッター眼鏡20の詳細については後述する。
【0029】
このように、本実施形態に係る同期装置は、映像表示面11に取り付けられるセンサ100と、センサ100の出力信号に応じて、左右シャッター(左眼用シャッター20L及び右眼用シャッター20R)の切り替わりを制御するように構成されたコントローラ200とを具備する。右眼用映像フレーム及び左眼用映像フレームは、右眼用映像フレーム及び左眼用映像フレームを判別するための判別マークを含む。センサ100は、映像表示面11に表示される判別マークを検出するように構成される。
【0030】
(1.2)判別マーク
次に、図2を用いて、右眼映像用判別マーク及び左眼映像用判別マークの詳細について説明する。図2(a)は、右眼映像用判別マークを説明するための図であり、図2(b)は、左眼映像用判別マークを説明するための図である。
【0031】
図2(a)及び(b)に示すように、右眼映像用判別マーク及び左眼映像用判別マークは、映像表示面11の端部に対応する位置に表示される。図2の例では、右眼映像用判別マーク及び左眼映像用判別マークは、映像表示面11の左上端部に対応する位置に表示される。
【0032】
マーク表示位置は、左上端部に限らず、右上端部、左下端部、又は右下端部であってもよい。但し、マーク表示位置は、映像表示面11において走査(映像表示)が開始される位置とすることが望ましい。
【0033】
図2(a)に示すように、右眼映像用判別マークは、例えばn×n画素の白色領域(すなわち高輝度領域)として構成される。図2(b)に示すように、左眼映像用判別マークは、例えばn×n画素の黒色領域(すなわち低輝度領域)として構成される。但し、右眼映像用判別マークを黒色領域として構成し、左眼映像用判別マークを白色領域として構成してもよい。
【0034】
(1.3)センサの構成
次に、図3を用いて、第1実施形態に係るセンサ100の詳細について説明する。図3は、第1実施形態に係るセンサ100の構成を示す概略断面図である。センサ100は、映像表示面11の端部(本実施形態では左上端部)に取り付けられる。
【0035】
図3に示すように、センサ100は、入射する光に応じた電気信号(すなわちセンサ出力信号)を出力するフォトセル101と、フォトセル101の光入射面の反対側の面と、フォトセル101の側面とを覆うカバー102とを具備する。カバー102は、例えば接着により映像表示面11の端部に取り付けられる。フォトセル101は、例えばフォトトランジスタを用いて構成される。フォトセル101には、センサ出力信号をコントローラ200に伝送するためのケーブルが接続される。
【0036】
フォトセル101は、入射光の光量(すなわち、輝度)が高いほど、大きい信号レベルのセンサ出力信号を出力する。従って、白色領域として構成された右眼映像用判別マークからの光がフォトセル101に入射すると、フォトセル101は、大きい信号レベルのセンサ出力信号を出力する。一方、黒色領域として構成された左眼映像用判別マークに対しては、フォトセル101は、小さい信号レベルのセンサ出力信号を出力する。
【0037】
フォトセル101の周囲はカバー102によって覆われているため、判別マーク以外の光はフォトセル101の光入射面に入射しないようにすることができる。
【0038】
なお、右眼映像用判別マーク及び左眼映像用判別マークはn×n画素のサイズであるが、nの値は、センサ100を小型化すれば、非常に小さい値とすることができ、センサ100が映像視聴の邪魔になる可能性を低減できる。
【0039】
(1.4)コントローラ及びシャッター眼鏡の動作
図4は、第1実施形態に係るコントローラ200及びシャッター眼鏡20の動作を示すフローチャートである。
【0040】
図4に示すように、ステップS101において、コントローラ200は、センサ100からのセンサ出力信号を閾値と比較し、センサ出力信号が閾値以上であるか否かを確認する。センサ出力信号が閾値以上である場合には、処理がステップS102に進む。一方、センサ出力信号が閾値未満である場合には、処理がステップS103に進む。
【0041】
ステップS102において、コントローラ200は、右眼用映像フレームが検出されたことを示す制御信号をシャッター眼鏡20に出力する。当該制御信号が入力されたシャッター眼鏡20は、右眼用シャッター20Rを開くとともに、左眼用シャッター20Lを閉じる。
【0042】
ステップS103において、コントローラ200は、左眼用映像フレームが検出されたことを示す制御信号をシャッター眼鏡20に出力する。当該制御信号が入力されたシャッター眼鏡20は、右眼用シャッター20Rを閉じるとともに、左眼用シャッター20Lを開く。
【0043】
なお、コントローラ200が出力する制御信号は、例えば、右眼用映像フレームが検出されたことを示す制御信号を“1”、左眼用映像フレームが検出されたことを示す制御信号を“0”といったように、二値の信号とすることができる。
【0044】
ステップS102又はステップS103の後、処理がステップS101に戻る。
【0045】
(1.5)第1実施形態の効果
以上説明したように、第1実施形態によれば、映像表示装置10の映像表示面11を用いて、シャッター眼鏡20の左右シャッターの切り替わりを右眼用映像フレーム及び左眼用映像フレームの切り替わりと同期させることができる。従って、映像表示装置10から同期信号を出力する機構を必要としない同期装置を提供できる。
【0046】
また、第1実施形態では、判別マークは、映像表示面11の端部に対応する位置に表示され、センサ100は、映像表示面11の端部に取り付けられる。これにより、映像表示面11において余り目立たない箇所にセンサ100を取り付け可能にすることができる。
【0047】
さらに、第1実施形態では、センサ100は、入射する光に応じた電気信号を出力するフォトセル101と、フォトセル101の光入射面の反対側の面と、フォトセル101の側面とを覆うカバー102とを具備する。これにより、センサ100をシンプルな構成で実現できるため、同期装置のコスト増を抑制できる。また、判別マーク以外の光をカバー102によって遮ることができ、判別マークの検出精度を改善できる。
【0048】
(1.6)第1実施形態の変更例
本変更例では、フォトセル101の光入射面側に、特定周波数の光のみを通過させる光フィルタを設ける。このような構成では、右眼映像用判別マーク及び左眼映像用判別マークの何れか一方を特定周波数の光の領域として構成し、他方を他の周波数の光の領域として構成すればよい。光フィルタを通過した特定周波数の光は、フォトセル101に入射する。フォトセル101は、特定周波数の光が入射されたときに大きい信号レベルのセンサ出力信号を出力する。その他の構成及び動作は上述した第1実施形態と同様である。
【0049】
(2)第2実施形態
以下、第2実施形態について、(2.1)立体映像視聴システムの構成、(2.2)外付け機器の動作、(2.3)第2実施形態の効果、(2.4)第2実施形態の変更例の順に説明する。第2実施形態では、第1実施形態との相違点を主として説明し、重複する説明を省略する。
【0050】
(2.1)立体映像視聴システムの構成
図5は、第2実施形態に係る立体映像視聴システムの全体構成を示す図である。
【0051】
図5に示すように、第2実施形態に係る立体映像視聴システム1Bは、映像表示装置10に映像信号INを出力する外付け機器30をさらに具備する点で第1実施形態とは異なる。外付け機器30は、例えば、チューナ装置又はディスク再生装置、あるいは、これらの装置と映像表示装置10との間に接続される映像信号変換装置である。
【0052】
外付け機器30は、右眼用映像フレーム及び左眼用映像フレームのそれぞれに対応する映像信号IN_R及びIN_Lを映像表示装置10に出力する。外付け機器30は、その出力段において、右眼用映像フレーム及び左眼用映像フレームのそれぞれに対応する映像信号IN_R及びIN_Lに対し、判別マークに対応する映像信号を挿入する。また、外付け機器30は、リモコン31によって操作可能に構成される。
【0053】
第2実施形態において、センサ100、コントローラ200、及び外付け機器30は、立体映像視聴用のシャッター眼鏡20の左右シャッターの切り替わりを、映像表示装置10が交互に表示する右眼用映像フレーム及び左眼用映像フレームの切り替わりと同期させるための同期装置を構成する。
【0054】
(2.2)外付け機器の動作
図6は、第2実施形態に係る外付け機器30の動作を示すフローチャートである。
【0055】
図6に示すように、ステップS201において、外付け機器30は、映像表示装置10に出力する映像信号INが左眼用映像フレームに対応する映像信号IN_Lであるか右眼用映像フレームに対応する映像信号IN_Rであるかを確認する。映像表示装置10に出力する映像信号INが左眼用映像フレームに対応する映像信号IN_Lである場合には、処理がステップS202に進む。一方、映像表示装置10に出力する映像信号INが右眼用映像フレームに対応する映像信号IN_Rである場合には、処理がステップS203に進む。
【0056】
ステップS202において、外付け機器30は、左眼用映像フレームに対応する映像信号IN_Lに対し、左眼映像用判別マークに対応する映像信号を挿入する。具体的には、外付け機器30は、左眼用映像フレームの端部に対応する映像信号区間を、左眼映像用判別マークに対応する映像信号に置換する。
【0057】
ステップS203において、外付け機器30は、右眼用映像フレームに対応する映像信号IN_Rに対し、右眼映像用判別マークに対応する映像信号を挿入する。具体的には、外付け機器30は、右眼用映像フレームの端部に対応する映像信号区間を、右眼映像用判別マークに対応する映像信号に置換する。
【0058】
なお、右眼映像用判別マーク及び左眼映像用判別マークは、第1実施形態と同様に構成することができる。
【0059】
(2.3)第2実施形態の効果
以上説明したように、第2実施形態によれば、映像表示装置10の映像表示面11を用いて、シャッター眼鏡20の左右シャッターの切り替わりを右眼用映像フレーム及び左眼用映像フレームの切り替わりと同期させることができる。従って、映像表示装置10あるいは外付け機器30から同期信号を出力する機構を必要としない同期装置を提供できる。
【0060】
また、第2実施形態では、外付け機器30において判別マークを付与する構成である。このため、元々の映像信号に判別マークが付与されていないケースにおいても、映像表示装置10の前段で判別マークを付与することができる。
【0061】
さらに、第2実施形態は、外付け機器30から同期信号を出力する機構を設けるケースと比較して、次のような効果が得られる。外付け機器30から同期信号を出力する機構を設けるケースでは、映像表示装置10における処理遅延に起因して、外付け機器30から出力される同期信号と、実際の映像の状態とが非同期になる問題がある。一方、第2実施形態では、実際の映像の状態に基づいてシャッター眼鏡20の同期をとっているため、そのような問題を解消できる。
【0062】
(2.4)第2実施形態の変更例
上述した第2実施形態では、外付け機器30は、右眼映像用判別マーク及び左眼映像用判別マークを予め定められた位置及びサイズで挿入していた。しかしながら、外付け機器30は、判別マークの表示位置及びサイズは、ユーザからの操作に応じて変更してもよい。
【0063】
ユーザからの操作に応じて判別マークの表示位置を変更可能にすることによって、センサ100の取り付け位置をユーザの好みに合わせることができる。また、ユーザからの操作に応じて判別マークのサイズを変更可能にすることによって、センサ100のサイズと判別マークのサイズとを合わせることができる。
【0064】
さらに、外付け機器30は、判別マークの表示位置及びサイズを、映像信号INの内容に応じて自動で変更してもよい。例えば、映像フレームに無画部が含まれる場合(例えば、サイドパネルやレターボックス)には、当該無画部に判別マークが表示されるように判別マークに対応する映像信号を挿入してもよい。
【0065】
(3)その他の実施形態
上記のように、本発明は各実施形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなる。
【0066】
例えば、上述した各実施形態では、コントローラ200が出力する制御信号は、左右シャッターの切り替え制御に直接的に使用されていたが、左右シャッターの切り替え制御に間接的に使用されてもよい。例えば、シャッター眼鏡20内にPLL回路が設けられる場合には、コントローラ200が出力する制御信号をPLL回路の再同期に使用してもよい。このような構成によれば、センサ100において誤検出が生じた場合であっても、立体映像とシャッター眼鏡20との間の同期外れが生じる可能性を低減できる。
【0067】
また、上述した各実施形態では、映像表示装置10の一例としてテレビジョン受像機又はディスプレイを説明したが、テレビジョン受像機又はディスプレイに限らず、映像表示装置10がプロジェクタであってもよい。この場合、プロジェクタから映像光が投写されるスクリーンが映像表示面に相当する。
【0068】
さらに、上述した各実施形態では、左右シャッターを制御するコントローラ200は、シャッター眼鏡20の外部に設けられていたが、次のように構成してもよい。図7は、その他の実施形態に係るシャッター眼鏡20の構成を示すブロック図である。図7に示すように、その他の実施形態に係るシャッター眼鏡20は、左右シャッター(左眼用シャッター20L、右眼用シャッター20R)に加え、左右シャッター(左眼用シャッター20L、右眼用シャッター20R)を制御するコントローラ200を具備する。すなわち、本実施形態では、コントローラ200は、シャッター眼鏡20に設けられる。
【0069】
このように本発明は、ここでは記載していない様々な実施形態等を包含するということを理解すべきである。したがって、本発明はこの開示から妥当な特許請求の範囲の発明特定事項によってのみ限定されるものである。
【符号の説明】
【0070】
IN…映像信号、1A,1B…立体映像視聴システム、10…映像表示装置、11…映像表示面、20…シャッター眼鏡、20L…左眼用シャッター、20R…右眼用シャッター、30…外付け機器、31…リモコン、100…センサ、101…フォトセル、102…カバー、200…コントローラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
立体映像視聴用のシャッター眼鏡の左右シャッターの切り替わりを、映像表示装置が交互に表示する右眼用映像フレーム及び左眼用映像フレームの切り替わりと同期させるための同期装置であって、
前記映像表示装置の映像表示面に取り付けられるセンサと、
前記センサの出力信号に応じて、前記左右シャッターの切り替わりを制御するように構成されたコントローラとを具備し、
前記右眼用映像フレーム及び前記左眼用映像フレームは、前記右眼用映像フレーム及び前記左眼用映像フレームを判別するための判別マークを含み、
前記センサは、前記映像表示面に表示される前記判別マークを検出するように構成されることを特徴とする同期装置。
【請求項2】
前記判別マークは、前記映像表示面の端部に対応する位置に表示され、
前記センサは、前記映像表示面の端部に取り付けられることを特徴とする請求項1に記載の同期装置。
【請求項3】
前記センサは、
入射する光に応じた電気信号を出力するフォトセルと、
前記フォトセルの光入射面の反対側の面と、前記フォトセルの側面とを覆うカバーと
を具備することを特徴とする請求項1又は2に記載の同期装置。
【請求項4】
前記右眼用映像フレーム及び前記左眼用映像フレームのそれぞれに対応する映像信号を前記映像表示装置に出力する外付け機器をさらに具備し、
前記外付け機器は、前記右眼用映像フレーム及び前記左眼用映像フレームのそれぞれに対応する映像信号に対し、前記判別マークに対応する映像信号を挿入することを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の同期装置。
【請求項5】
立体映像視聴用のシャッター眼鏡の左右シャッターの切り替わりを、映像表示装置が交互に表示する右眼用映像フレーム及び左眼用映像フレームの切り替わりと同期させるための同期方法であって、
前記右眼用映像フレーム及び前記左眼用映像フレームに対応する映像信号であって、前記右眼用映像フレーム及び前記左眼用映像フレームは、前記右眼用映像フレーム及び前記左眼用映像フレームを判別するための判別マークを含む映像信号を前記映像表示装置に入力するステップと、
前記映像表示装置の映像表示面に取り付けられるセンサが、前記映像表示面に表示される前記判別マークを検出するステップと、
コントローラが、前記センサの出力信号に応じて、前記左右シャッターの切り替わりを制御するステップと
を具備することを特徴とする同期方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−95050(P2012−95050A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−239991(P2010−239991)
【出願日】平成22年10月26日(2010.10.26)
【出願人】(390040187)株式会社バッファロー (378)
【Fターム(参考)】