吐出キャップ
【課題】 吐出口の開口程度を可変とすることにより、内容物の吐出程度の変更を簡単として、内容物の好ましい吐出形態を得ることを目的とする。
【解決手段】 スクイズ性を有する容器である容器体17に組付けられる吐出キャップ1であって、容器体17に組付けたキャップ本体2の円筒ノズル5に、軟質弾性材製のノズル筒片10を密に覆うように外装組付けし、吐出口13を開設したノズル筒片10の頂部11を含めた上端部を、内筒ノズル5に対するノズル筒片10の下降変位を利用して、ノズル筒片10の上端開放部に張設状に組付け、このときの伸び変形により吐出口13を拡開する。
【解決手段】 スクイズ性を有する容器である容器体17に組付けられる吐出キャップ1であって、容器体17に組付けたキャップ本体2の円筒ノズル5に、軟質弾性材製のノズル筒片10を密に覆うように外装組付けし、吐出口13を開設したノズル筒片10の頂部11を含めた上端部を、内筒ノズル5に対するノズル筒片10の下降変位を利用して、ノズル筒片10の上端開放部に張設状に組付け、このときの伸び変形により吐出口13を拡開する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スクイズ性を有する容器に収納された内容物の吐出程度を、簡単に変更することのできる吐出キャップに関するものである。
【背景技術】
【0002】
はちみつ・ケーキシロップやバター・ジャム、さらにはマヨネーズ等を内容物として収納する、スクイズ性を有する容器の口筒部に装着される吐出キャップとして、内容物の吐出程度を変更設定することができるように、口径の異なる吐出口を有する複数のパーツを、組み替えることができるようにしたものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−014968号公報 上記した従来技術は、天面に中栓の吐出口が挿入される開口が設けられ、中栓を装着した状態で容器の口部に取り付けられるキャップ本体と、このキャップ本体に揺動可能にヒンジで連結され、裏面に上記吐出口と嵌合する栓体が突設された蓋体とからなるスナップキャップにおいて、上記栓体を、同心円状に配置された複数の筒状突起で構成し、そして異なった中栓の内径の異なる吐出口に対して、何れかの筒状突起が嵌合することにより、閉栓できるようにしたものである。
【0004】
すなわち、吐出口の口径の異なる複数の中栓を設け、この中栓とは別に、各中栓の吐出口に一対一で対応して密に嵌合する、複数の筒状突起を一体に設けて蓋体を有するスナップキャップを構成し、容器に対する中栓を取り替えることにより、内容物の吐出程度を切り替え変更することができるようにしたものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記した従来技術にあっては、内容物の吐出程度を切替え変更するには、容器からスナップキャップを取外した状態で、容器に対する中栓の取替え作業を行なうことになるので、内容物を吐出している途中で、この内容物の吐出程度を切替え変更することが、きわめて面倒である、と云う問題があった。
【0006】
すなわち、例えばホットケーキ等において、はちみつ・ケーキシロップ等の内容物を単に吐出して塗布するだけではなく、吐出した内容物を効率よく広い範囲に吐出して塗布したい場合には、吐出口を大きくもしくは幅広く変更することが望ましいのであるが、上記した従来技術にあっては、中栓の交換を必要とするので、この要望を満たすのがきわめて面倒となる。
【0007】
また、内容物の吐出程度を切替え変更することができるようにするには、容器に取付けられている中栓とは別の、単体物である中栓を手元に用意して置く必要があり、このためその取扱いが面倒である、と云う問題があった。
【0008】
そこで、本発明は、上記した従来技術における問題点を解消すべく創案されたもので、吐出口の開口程度を可変とすることを技術的課題とし、もって内容物の吐出程度の変更を簡単として、内容物の好ましい吐出形態を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記技術的課題を解決するための、本発明の主たる構成は、
スクイズ性を有する容器である容器体の口筒部に密装着する組付き筒に、上端を開放した筒状の内筒ノズルを起立連設したキャップ本体と、このキャップ本体の内筒ノズルを覆って昇降変位可能に密装着する有頂筒状の軟質弾性材製ノズル筒片を有するノズル筒体とを備えていること、
ノズル筒片の上端の頂部に吐出口を設け、ノズル筒片は下降変位に伴い内筒ノズルの上端開放部に押付けられて、この押付けにより強制的に伸び変形して吐出口を拡開すること、
にある。
【0010】
キャップ本体の内筒ノズルに対してノズル筒体の頂部が上位に位置している状態では、このノズル筒体が伸び変形していないので、吐出口は最小開口状態もしくは閉じた状態となっている。
【0011】
このノズル筒体が伸び変形していない状態から、キャップ本体の内筒ノズルに対してノズル筒体を下降変位させて、内筒ノズルの上端開放部にノズル筒片を押付けて、この頂部を含むノズル筒片の上端部を周囲から引っ張るようにして伸び変形させると、このノズル筒片の伸び変形の程度に従って吐出口が拡開するので、内筒ノズルに対するノズル筒体の下降程度を調整することにより、吐出口の拡開程度を正確に変更設定することができる。
【0012】
吐出口の拡開程度の設定が完了したならば、容器体を倒立姿勢にしながらその胴部を押圧して、内容物を目的箇所に吐出するのであるが、この際、吐出口の拡開程度は所望する程度に設定されているので、目的箇所に対する内容物の吐出状態は所望したものとなる。
【0013】
内容物を吐出した後は、内筒ノズルに対するノズル筒体の組付き位置を、元の位置に戻しておくのが、頂部の弾性伸縮変形機能を安定的に維持する点、および容器体に収納されている内容物の品質を早期に劣化させない点から望ましい。
【0014】
本発明の別の構成は、上記した主たる構成に加えて、キャップ本体の内筒ノズルを、ネジ筒構造をした下端部の取付け筒片の上端から筒状のガイド筒片を起立連設して構成し、ノズル筒体を、取付け筒片に昇降変位可能に螺合する小キャップ片と、下端部の結合筒部を小キャップ片の上端に離脱不能にアンダーカット結合させたノズル筒片とから構成した、ものである。
【0015】
内筒ノズルに取付け筒片を設け、ノズル筒体に小キャップ片を設けたものにあっては、内筒ノズルに対するノズル筒体の昇降変位を、螺合動作を利用して達成することができるので、吐出口の拡開程度を正確に設定することができると共に、設定した吐出口の拡開程度を、妄りに変化しないように保持することができる。
【0016】
また、本発明の別の構成は、上記した主たる構成に加えて、ノズル筒体のノズル筒片の上端部を、上方に縮径する有頂錐筒状のテーパー筒部に構成した、ものである。
【0017】
ノズル筒片の上端部を、上方に縮径する有頂錐筒状のテーパー筒部に構成したものにあっては、テーパー筒部が、ノズル筒片の頂部の伸び変形に対してガイド機能を発揮するので、頂部の伸び変形を無理なくスムーズに達成することができる。
【0018】
また、本発明の別の構成は、上記した主たる構成に加えて、ノズル筒片の頂部に開設された吐出口を、スリット状に構成した、ものである。
【0019】
吐出口をスリット状に構成したものにあっては、吐出口自体に開閉能力を付与することができるので、内容物の不都合な漏出の発生に対する阻止作用を高めることができる。
【0020】
また、本発明の別の構成は、上記した主たる構成に加えて、ノズル筒片の頂部に、複数の吐出口を配設した、ものである。
【0021】
複数の吐出口を配設したものにあっては、各吐出口の拡開と同時に、各吐出口の拡散を得ることができるので、内容物を広範囲に吐出するのに、効果的に機能する。
【0022】
また、本発明の別の構成は、上記した主たる構成に加えて、内筒ノズルのガイド筒片を非真円形筒状とすると共に、ノズル筒体の円形の結合筒部を除くノズル筒片部分を同じ非真円形筒状とし、ガイド筒片とノズル筒片との間にキーとキー溝とから成る回り止め機構を形成し、結合筒部と小キャップ片とのアンダーカット結合を空転自在とした、ものである。
【0023】
ガイド筒片および結合筒部を除くノズル筒片部分を非真円形筒状としたものにあっては、拡開した吐出口が位置する吐出キャップの先端を、内容物の吐出形態に適合する形状とすることが可能であり、回り止め機構を設けると共に、結合筒部と小キャップ片とのアンダーカット結合を空転自在とすることにより、この吐出キャップの先端における吐出口の拡開形態さらには配設形態を、適正に維持することができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明は、上記した構成となっているので、以下に示す効果を奏する。
本発明の主たる構成にあっては、内筒ノズルに対するノズル筒体の下降程度を調整することにより、吐出口の拡開程度を正確に変更設定することができるので、吐出させた内容物を簡単に所望する形態とすることができる。
【0025】
内筒ノズルに取付け筒片を設け、ノズル筒体に小キャップ片を設けたものにあっては、吐出口の拡開程度を正確に設定することができると共に、設定した吐出口の拡開程度を、妄りに変化しないように保持することができるので、正確で安定した内容物の吐出動作を得ることができる。
【0026】
ノズル筒片の上端部を、上方に縮径する有頂錐筒状のテーパー筒部に構成したものにあっては、頂部の伸び変形を無理なくスムーズに達成することができるので、スムーズで無理のない吐出口の拡縮変形動作を得ることができる。
【0027】
吐出口をスリット状に構成したものにあっては、内容物の不都合な漏出の発生に対する阻止作用を高めることができるので、内容物のより安全な収納保持作用を得ることができる。
【0028】
複数の吐出口を配設したものにあっては、内容物を広範囲に吐出するのに、効果的に機能することができるので、内容物の広い範囲への吐出分散を簡単に達成できる。
【0029】
ガイド筒片および結合筒部を除くノズル筒片部分を非真円形筒状としたものにあっては、拡開した吐出口が位置する吐出キャップの先端を、内容物の吐出形態に適合する形状とすることが可能であると共に、吐出キャップの先端における吐出口の拡開形態および配設形態を、適正に維持することができるので、内容物の吐出使用目的に応じて、望ましい内容物の吐出形態を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の一実施形態例を組付けた吐出容器の、一部縦断全体図である。
【図2】図1の一実施形態例の非拡開時の、半縦断面図である。
【図3】ガイド筒片を楕円筒状に構成した場合の、短径に沿った半縦断面図である。
【図4】ガイド筒片を楕円筒状に構成した場合の図2中、A−A線に沿った、拡大断面図である。
【図5】吐出口の一実施形態例を示す、非拡開時の拡大平面図である。
【図6】図2の一実施形態例の拡開時の、半縦断面図である。
【図7】図5に示した吐出口の一実施形態例の、拡開時の拡大平面図である。
【図8】吐出口の他の実施形態例を示す、非拡開時の拡大平面図である。
【図9】図8に示した吐出口の他の実施形態例を示す、拡開時の拡大平面図である。
【図10】吐出口のさらに他の実施形態例の、非拡開時の半縦断面図である。
【図11】図10に示した吐出口の実施形態例の、非拡開時の拡大平面図である。
【図12】図10に示した吐出口の実施形態例の、拡開時の半縦断面図である。
【図13】図10に示した吐出口の実施形態例の、拡開時の拡大平面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照しながら説明する。
【0032】
図面は、本発明の一実施形態例を示すもので、吐出キャップ1は、キャップ本体2とノズル筒体8とから構成され、キャップ本体2は、チューブ容器や樹脂材料製ブローボトルさらにはデラミボトル等のスクイズ性を有する容器体17の口筒部18に、密に螺合組付きする組付き筒3と、この組付き筒3の上端に内鍔状の頂板4を介して起立連設された内筒ノズル5とから構成され、ノズル筒体8は、円筒状の小キャップ片9と、この小キャップ片9に離脱不能に組付けられたノズル筒片10とから構成されている。
【0033】
キャップ本体2の内筒ノズル5(図2参照)は、下端部の取付け筒片6の上端に、上端を開放した筒状のガイド筒片7を起立連設して構成され、取付け筒片6は、外周面に螺条を刻設した雄ネジ筒構造となっており、ガイド筒片7は、基本的には真円筒状であるが、図示実施例の場合は、前後にやや扁平な楕円筒状(図4参照)としている。
【0034】
ノズル筒体8の小キャップ片9(図2参照)は、取付け筒片6に螺合する螺条を内周面に刻設した雌ネジ筒構造をしており、またノズル筒片10(図2参照)は、軟質弾性材、例えばシリコンゴム等のエラストマーにより有頂筒状に構成されてガイド筒片7を覆って昇降変位可能に密装着しており、頂部11を含めた上端部は、上方に縮径した錐筒形状のテーパー筒部12に形成されており、下端部は、円筒形状の結合筒部14に形成されて、小キャップ片9の上端部と離脱不能にアンダーカット結合しており、この結合筒部14を除く部分は、ガイド筒片7に合わせて、前後にやや扁平な楕円筒状(図4参照)となっている。
【0035】
結合筒部14を除くノズル筒片10部分およびガイド筒片7が、楕円筒状に形成されているのは、拡開時における吐出口13の開口横幅を大きくして、内容物を幅広に吐出できるようにするためであるが、このためガイド筒片7とノズル筒片10の間は相対回動変位を不能とすることが望ましい。このガイド筒片7とノズル筒片10の間は相対回動変位を不能とするために、図3に示すように、両者の間にはキーとキー溝の組合せで構成された回り止め機構15が形成されている。
【0036】
このように、ガイド筒片7を真円筒状ではなく、楕円筒状にした場合には、キャップ本体2のガイド筒片7とノズル筒体8のノズル筒片10とは、相対回動不能に組付けることが望ましく、ノズル筒体8の小キャップ片9とノズル筒片10は相対回動可能にアンダーカット結合する必要があり、このためノズル筒片10の小キャップ片9に対するアンダーカット結合部分である結合筒部14は、他のノズル筒片10部分が楕円筒状であるにもかかわらず、真円筒状(図5参照)に構成されている。
【0037】
ノズル筒片10の頂部11、すなわちテーパー筒部12の頂部11には、吐出口13が設けられているが、この吐出口13は、ガイド筒片7の平断面形状に適合するようにその開口形状を設定するのがよく、図示実施形態例の場合、ガイド筒片7の平断面形状が楕円筒状であるので、この楕円の長径に沿った方向に開口幅を大きくした形状としている。
【0038】
図5および図7に示した吐出口13の第一実施例の場合、吐出口13は、楕円筒状のガイド筒片7の長径にその長径の向きを一致させた楕円状に開口されており、その拡開状態は相似状に行われることになる。
【0039】
図8および図9に示した吐出口13の第二実施例の場合、吐出口13は、楕円筒状のガイド筒片7の長径に沿って形成されたスリット状となっており、その拡開状態は、長径に沿った長さが増大すると共に、短径に沿って開口幅が増大する拡開状態となる。なお、この吐出口13の第二実施例の場合、縮開状態では吐出口13が略密に閉じた状態となるので、ある程度の容器密閉保持能力を得ることができると共に、容器の転倒などによる、内容物の不都合な漏出を防止できる。
【0040】
図10ないし図13に示した吐出口13の第三実施例の場合、吐出口13は、楕円筒状のガイド筒片7の長径に沿って三つの円形孔を並べて形成されており、その拡開状態は、各円形孔の孔径が拡大すると共に、その配列幅がガイド筒片7の長径に沿って拡大するものとなる。
【0041】
なお、図1に2点鎖線で図示したものは、吐出キャップ1全体を覆うオーバーキャップ16で、このオーバーキャップ16を組付けておくことにより、非使用時における吐出口13に対するゴミの付着とか、容器体17の転倒による内容物の不本意な漏出等の発生を防止することができる。
【0042】
次に、この吐出口13の拡開動作を説明する。図2および図5の縮開状態から、小キャップ片9の回動操作により、ノズル筒片10をガイド筒片7に対して下降変位させると、ノズル筒片10は、その頂部11を含めた上端部をガイド筒片7の上端開放縁に強制的に擦りつけられながら下降変位するので、ノズル筒片10の上端部は、ガイド筒片7の上端開放縁に支持された状態で伸び変形し、ガイド筒片7の上端開放部に張設状に位置(図6参照)し、この際の伸び変形により吐出口13は拡開状態(図7参照)となる。この際、小キャップ片9はノズル筒片10に対して空転する。
【0043】
このように吐出口13を拡開状態にしてから、容器体17を略倒立姿勢に反転させ、そのまま胴部19を押圧して内容物を吐出させる。
【0044】
このノズル筒片10の、頂部11を含めた上端部の伸び変形に際して、ノズル筒片10の上端部がテーパー筒部12となっているので、ガイド筒片7の上端開放縁に擦りつけながらの伸び変形がスムーズに得ることができ、これにより吐出口13の拡開動作は無理なく円滑に達成される。
【0045】
反対に吐出口13が拡開している状態から、小キャップ片9の回動操作により、ノズル筒片10をガイド筒片7に対して上昇変位させると、ノズル筒片10は、その弾性復元力により、頂部11を含めた上端部をガイド筒片7の上端開放縁に擦りつけながら上昇変位して、収縮変形するので、吐出口13は縮開状態に復帰する。
【0046】
このように、吐出口13の拡開・縮開動作は、ノズル筒片10の上端部をガイド筒片7の上端開放縁に擦りつけながら行われるので、ノズル筒片10の内周面とガイド筒片7の上端開放縁との間は滑り易いのがよく、それゆえ図示実施例に示すように、ガイド筒片7の上端開放部の外周縁部分は円弧状に角取りした円滑面としておくのが望ましい。
【0047】
図示実施例の場合、ガイド筒片7に対するノズル筒片10の昇降変位が、小キャップ片9の取付け筒片6に対する螺合組付きにより達成維持されるので、螺合結合の組付き姿勢保持作用を利用して、吐出口13の拡開程度を、縮開状態と全拡開状態の間の任意の拡開程度に設定することが可能であり、これにより内容物の必要吐出量や所望する吐出幅範囲等に好適に適合するように吐出口13の拡開程度を設定することが可能である。
【0048】
なお、図示実施例の場合、ガイド筒片7が楕円筒状の場合を主体として説明したが、ガイド筒片7は基本的には真円筒状であり、楕円筒状はそのバリエーションの一部に過ぎずないが、楕円筒状の他に、角取りした角筒状であってもよい。ただ筒形状が真円筒状以外の場合は、ガイド筒片7とノズル筒片10との間に回り止め機構15を設けておくのが望ましい。
【0049】
また、取扱われる内容物は、はちみつ・ケーキシロップやバター・ジャム、さらにはマヨネーズ等の食品に限られることはなく、食品以外のペースト状物品も内容物として取扱うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0050】
以上説明したように、本発明の吐出キャップは、吐出口の拡開程度を、ノズル筒片の頂部の伸び変形程度に従って自由に設定変更させることができるので、吐出口の大きさを無段階に変更したい用途に、幅広く利用できることが期待できる。
【符号の説明】
【0051】
1 ;吐出キャップ
2 ;キャップ本体
3 ;組付き筒
4 ;頂板
5 ;内筒ノズル
6 ;取付け筒片
7 ;ガイド筒片
8 ;ノズル筒体
9 ;小キャップ片
10 ;ノズル筒片
11 ;頂部
12 ;テーパー筒部
13 ;吐出口
14 ;結合筒部
15 ;回り止め機能
16 ;オーバーキャップ
17 ;容器体
18 ;口筒部
19 ;胴部
【技術分野】
【0001】
本発明は、スクイズ性を有する容器に収納された内容物の吐出程度を、簡単に変更することのできる吐出キャップに関するものである。
【背景技術】
【0002】
はちみつ・ケーキシロップやバター・ジャム、さらにはマヨネーズ等を内容物として収納する、スクイズ性を有する容器の口筒部に装着される吐出キャップとして、内容物の吐出程度を変更設定することができるように、口径の異なる吐出口を有する複数のパーツを、組み替えることができるようにしたものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−014968号公報 上記した従来技術は、天面に中栓の吐出口が挿入される開口が設けられ、中栓を装着した状態で容器の口部に取り付けられるキャップ本体と、このキャップ本体に揺動可能にヒンジで連結され、裏面に上記吐出口と嵌合する栓体が突設された蓋体とからなるスナップキャップにおいて、上記栓体を、同心円状に配置された複数の筒状突起で構成し、そして異なった中栓の内径の異なる吐出口に対して、何れかの筒状突起が嵌合することにより、閉栓できるようにしたものである。
【0004】
すなわち、吐出口の口径の異なる複数の中栓を設け、この中栓とは別に、各中栓の吐出口に一対一で対応して密に嵌合する、複数の筒状突起を一体に設けて蓋体を有するスナップキャップを構成し、容器に対する中栓を取り替えることにより、内容物の吐出程度を切り替え変更することができるようにしたものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記した従来技術にあっては、内容物の吐出程度を切替え変更するには、容器からスナップキャップを取外した状態で、容器に対する中栓の取替え作業を行なうことになるので、内容物を吐出している途中で、この内容物の吐出程度を切替え変更することが、きわめて面倒である、と云う問題があった。
【0006】
すなわち、例えばホットケーキ等において、はちみつ・ケーキシロップ等の内容物を単に吐出して塗布するだけではなく、吐出した内容物を効率よく広い範囲に吐出して塗布したい場合には、吐出口を大きくもしくは幅広く変更することが望ましいのであるが、上記した従来技術にあっては、中栓の交換を必要とするので、この要望を満たすのがきわめて面倒となる。
【0007】
また、内容物の吐出程度を切替え変更することができるようにするには、容器に取付けられている中栓とは別の、単体物である中栓を手元に用意して置く必要があり、このためその取扱いが面倒である、と云う問題があった。
【0008】
そこで、本発明は、上記した従来技術における問題点を解消すべく創案されたもので、吐出口の開口程度を可変とすることを技術的課題とし、もって内容物の吐出程度の変更を簡単として、内容物の好ましい吐出形態を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記技術的課題を解決するための、本発明の主たる構成は、
スクイズ性を有する容器である容器体の口筒部に密装着する組付き筒に、上端を開放した筒状の内筒ノズルを起立連設したキャップ本体と、このキャップ本体の内筒ノズルを覆って昇降変位可能に密装着する有頂筒状の軟質弾性材製ノズル筒片を有するノズル筒体とを備えていること、
ノズル筒片の上端の頂部に吐出口を設け、ノズル筒片は下降変位に伴い内筒ノズルの上端開放部に押付けられて、この押付けにより強制的に伸び変形して吐出口を拡開すること、
にある。
【0010】
キャップ本体の内筒ノズルに対してノズル筒体の頂部が上位に位置している状態では、このノズル筒体が伸び変形していないので、吐出口は最小開口状態もしくは閉じた状態となっている。
【0011】
このノズル筒体が伸び変形していない状態から、キャップ本体の内筒ノズルに対してノズル筒体を下降変位させて、内筒ノズルの上端開放部にノズル筒片を押付けて、この頂部を含むノズル筒片の上端部を周囲から引っ張るようにして伸び変形させると、このノズル筒片の伸び変形の程度に従って吐出口が拡開するので、内筒ノズルに対するノズル筒体の下降程度を調整することにより、吐出口の拡開程度を正確に変更設定することができる。
【0012】
吐出口の拡開程度の設定が完了したならば、容器体を倒立姿勢にしながらその胴部を押圧して、内容物を目的箇所に吐出するのであるが、この際、吐出口の拡開程度は所望する程度に設定されているので、目的箇所に対する内容物の吐出状態は所望したものとなる。
【0013】
内容物を吐出した後は、内筒ノズルに対するノズル筒体の組付き位置を、元の位置に戻しておくのが、頂部の弾性伸縮変形機能を安定的に維持する点、および容器体に収納されている内容物の品質を早期に劣化させない点から望ましい。
【0014】
本発明の別の構成は、上記した主たる構成に加えて、キャップ本体の内筒ノズルを、ネジ筒構造をした下端部の取付け筒片の上端から筒状のガイド筒片を起立連設して構成し、ノズル筒体を、取付け筒片に昇降変位可能に螺合する小キャップ片と、下端部の結合筒部を小キャップ片の上端に離脱不能にアンダーカット結合させたノズル筒片とから構成した、ものである。
【0015】
内筒ノズルに取付け筒片を設け、ノズル筒体に小キャップ片を設けたものにあっては、内筒ノズルに対するノズル筒体の昇降変位を、螺合動作を利用して達成することができるので、吐出口の拡開程度を正確に設定することができると共に、設定した吐出口の拡開程度を、妄りに変化しないように保持することができる。
【0016】
また、本発明の別の構成は、上記した主たる構成に加えて、ノズル筒体のノズル筒片の上端部を、上方に縮径する有頂錐筒状のテーパー筒部に構成した、ものである。
【0017】
ノズル筒片の上端部を、上方に縮径する有頂錐筒状のテーパー筒部に構成したものにあっては、テーパー筒部が、ノズル筒片の頂部の伸び変形に対してガイド機能を発揮するので、頂部の伸び変形を無理なくスムーズに達成することができる。
【0018】
また、本発明の別の構成は、上記した主たる構成に加えて、ノズル筒片の頂部に開設された吐出口を、スリット状に構成した、ものである。
【0019】
吐出口をスリット状に構成したものにあっては、吐出口自体に開閉能力を付与することができるので、内容物の不都合な漏出の発生に対する阻止作用を高めることができる。
【0020】
また、本発明の別の構成は、上記した主たる構成に加えて、ノズル筒片の頂部に、複数の吐出口を配設した、ものである。
【0021】
複数の吐出口を配設したものにあっては、各吐出口の拡開と同時に、各吐出口の拡散を得ることができるので、内容物を広範囲に吐出するのに、効果的に機能する。
【0022】
また、本発明の別の構成は、上記した主たる構成に加えて、内筒ノズルのガイド筒片を非真円形筒状とすると共に、ノズル筒体の円形の結合筒部を除くノズル筒片部分を同じ非真円形筒状とし、ガイド筒片とノズル筒片との間にキーとキー溝とから成る回り止め機構を形成し、結合筒部と小キャップ片とのアンダーカット結合を空転自在とした、ものである。
【0023】
ガイド筒片および結合筒部を除くノズル筒片部分を非真円形筒状としたものにあっては、拡開した吐出口が位置する吐出キャップの先端を、内容物の吐出形態に適合する形状とすることが可能であり、回り止め機構を設けると共に、結合筒部と小キャップ片とのアンダーカット結合を空転自在とすることにより、この吐出キャップの先端における吐出口の拡開形態さらには配設形態を、適正に維持することができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明は、上記した構成となっているので、以下に示す効果を奏する。
本発明の主たる構成にあっては、内筒ノズルに対するノズル筒体の下降程度を調整することにより、吐出口の拡開程度を正確に変更設定することができるので、吐出させた内容物を簡単に所望する形態とすることができる。
【0025】
内筒ノズルに取付け筒片を設け、ノズル筒体に小キャップ片を設けたものにあっては、吐出口の拡開程度を正確に設定することができると共に、設定した吐出口の拡開程度を、妄りに変化しないように保持することができるので、正確で安定した内容物の吐出動作を得ることができる。
【0026】
ノズル筒片の上端部を、上方に縮径する有頂錐筒状のテーパー筒部に構成したものにあっては、頂部の伸び変形を無理なくスムーズに達成することができるので、スムーズで無理のない吐出口の拡縮変形動作を得ることができる。
【0027】
吐出口をスリット状に構成したものにあっては、内容物の不都合な漏出の発生に対する阻止作用を高めることができるので、内容物のより安全な収納保持作用を得ることができる。
【0028】
複数の吐出口を配設したものにあっては、内容物を広範囲に吐出するのに、効果的に機能することができるので、内容物の広い範囲への吐出分散を簡単に達成できる。
【0029】
ガイド筒片および結合筒部を除くノズル筒片部分を非真円形筒状としたものにあっては、拡開した吐出口が位置する吐出キャップの先端を、内容物の吐出形態に適合する形状とすることが可能であると共に、吐出キャップの先端における吐出口の拡開形態および配設形態を、適正に維持することができるので、内容物の吐出使用目的に応じて、望ましい内容物の吐出形態を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の一実施形態例を組付けた吐出容器の、一部縦断全体図である。
【図2】図1の一実施形態例の非拡開時の、半縦断面図である。
【図3】ガイド筒片を楕円筒状に構成した場合の、短径に沿った半縦断面図である。
【図4】ガイド筒片を楕円筒状に構成した場合の図2中、A−A線に沿った、拡大断面図である。
【図5】吐出口の一実施形態例を示す、非拡開時の拡大平面図である。
【図6】図2の一実施形態例の拡開時の、半縦断面図である。
【図7】図5に示した吐出口の一実施形態例の、拡開時の拡大平面図である。
【図8】吐出口の他の実施形態例を示す、非拡開時の拡大平面図である。
【図9】図8に示した吐出口の他の実施形態例を示す、拡開時の拡大平面図である。
【図10】吐出口のさらに他の実施形態例の、非拡開時の半縦断面図である。
【図11】図10に示した吐出口の実施形態例の、非拡開時の拡大平面図である。
【図12】図10に示した吐出口の実施形態例の、拡開時の半縦断面図である。
【図13】図10に示した吐出口の実施形態例の、拡開時の拡大平面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照しながら説明する。
【0032】
図面は、本発明の一実施形態例を示すもので、吐出キャップ1は、キャップ本体2とノズル筒体8とから構成され、キャップ本体2は、チューブ容器や樹脂材料製ブローボトルさらにはデラミボトル等のスクイズ性を有する容器体17の口筒部18に、密に螺合組付きする組付き筒3と、この組付き筒3の上端に内鍔状の頂板4を介して起立連設された内筒ノズル5とから構成され、ノズル筒体8は、円筒状の小キャップ片9と、この小キャップ片9に離脱不能に組付けられたノズル筒片10とから構成されている。
【0033】
キャップ本体2の内筒ノズル5(図2参照)は、下端部の取付け筒片6の上端に、上端を開放した筒状のガイド筒片7を起立連設して構成され、取付け筒片6は、外周面に螺条を刻設した雄ネジ筒構造となっており、ガイド筒片7は、基本的には真円筒状であるが、図示実施例の場合は、前後にやや扁平な楕円筒状(図4参照)としている。
【0034】
ノズル筒体8の小キャップ片9(図2参照)は、取付け筒片6に螺合する螺条を内周面に刻設した雌ネジ筒構造をしており、またノズル筒片10(図2参照)は、軟質弾性材、例えばシリコンゴム等のエラストマーにより有頂筒状に構成されてガイド筒片7を覆って昇降変位可能に密装着しており、頂部11を含めた上端部は、上方に縮径した錐筒形状のテーパー筒部12に形成されており、下端部は、円筒形状の結合筒部14に形成されて、小キャップ片9の上端部と離脱不能にアンダーカット結合しており、この結合筒部14を除く部分は、ガイド筒片7に合わせて、前後にやや扁平な楕円筒状(図4参照)となっている。
【0035】
結合筒部14を除くノズル筒片10部分およびガイド筒片7が、楕円筒状に形成されているのは、拡開時における吐出口13の開口横幅を大きくして、内容物を幅広に吐出できるようにするためであるが、このためガイド筒片7とノズル筒片10の間は相対回動変位を不能とすることが望ましい。このガイド筒片7とノズル筒片10の間は相対回動変位を不能とするために、図3に示すように、両者の間にはキーとキー溝の組合せで構成された回り止め機構15が形成されている。
【0036】
このように、ガイド筒片7を真円筒状ではなく、楕円筒状にした場合には、キャップ本体2のガイド筒片7とノズル筒体8のノズル筒片10とは、相対回動不能に組付けることが望ましく、ノズル筒体8の小キャップ片9とノズル筒片10は相対回動可能にアンダーカット結合する必要があり、このためノズル筒片10の小キャップ片9に対するアンダーカット結合部分である結合筒部14は、他のノズル筒片10部分が楕円筒状であるにもかかわらず、真円筒状(図5参照)に構成されている。
【0037】
ノズル筒片10の頂部11、すなわちテーパー筒部12の頂部11には、吐出口13が設けられているが、この吐出口13は、ガイド筒片7の平断面形状に適合するようにその開口形状を設定するのがよく、図示実施形態例の場合、ガイド筒片7の平断面形状が楕円筒状であるので、この楕円の長径に沿った方向に開口幅を大きくした形状としている。
【0038】
図5および図7に示した吐出口13の第一実施例の場合、吐出口13は、楕円筒状のガイド筒片7の長径にその長径の向きを一致させた楕円状に開口されており、その拡開状態は相似状に行われることになる。
【0039】
図8および図9に示した吐出口13の第二実施例の場合、吐出口13は、楕円筒状のガイド筒片7の長径に沿って形成されたスリット状となっており、その拡開状態は、長径に沿った長さが増大すると共に、短径に沿って開口幅が増大する拡開状態となる。なお、この吐出口13の第二実施例の場合、縮開状態では吐出口13が略密に閉じた状態となるので、ある程度の容器密閉保持能力を得ることができると共に、容器の転倒などによる、内容物の不都合な漏出を防止できる。
【0040】
図10ないし図13に示した吐出口13の第三実施例の場合、吐出口13は、楕円筒状のガイド筒片7の長径に沿って三つの円形孔を並べて形成されており、その拡開状態は、各円形孔の孔径が拡大すると共に、その配列幅がガイド筒片7の長径に沿って拡大するものとなる。
【0041】
なお、図1に2点鎖線で図示したものは、吐出キャップ1全体を覆うオーバーキャップ16で、このオーバーキャップ16を組付けておくことにより、非使用時における吐出口13に対するゴミの付着とか、容器体17の転倒による内容物の不本意な漏出等の発生を防止することができる。
【0042】
次に、この吐出口13の拡開動作を説明する。図2および図5の縮開状態から、小キャップ片9の回動操作により、ノズル筒片10をガイド筒片7に対して下降変位させると、ノズル筒片10は、その頂部11を含めた上端部をガイド筒片7の上端開放縁に強制的に擦りつけられながら下降変位するので、ノズル筒片10の上端部は、ガイド筒片7の上端開放縁に支持された状態で伸び変形し、ガイド筒片7の上端開放部に張設状に位置(図6参照)し、この際の伸び変形により吐出口13は拡開状態(図7参照)となる。この際、小キャップ片9はノズル筒片10に対して空転する。
【0043】
このように吐出口13を拡開状態にしてから、容器体17を略倒立姿勢に反転させ、そのまま胴部19を押圧して内容物を吐出させる。
【0044】
このノズル筒片10の、頂部11を含めた上端部の伸び変形に際して、ノズル筒片10の上端部がテーパー筒部12となっているので、ガイド筒片7の上端開放縁に擦りつけながらの伸び変形がスムーズに得ることができ、これにより吐出口13の拡開動作は無理なく円滑に達成される。
【0045】
反対に吐出口13が拡開している状態から、小キャップ片9の回動操作により、ノズル筒片10をガイド筒片7に対して上昇変位させると、ノズル筒片10は、その弾性復元力により、頂部11を含めた上端部をガイド筒片7の上端開放縁に擦りつけながら上昇変位して、収縮変形するので、吐出口13は縮開状態に復帰する。
【0046】
このように、吐出口13の拡開・縮開動作は、ノズル筒片10の上端部をガイド筒片7の上端開放縁に擦りつけながら行われるので、ノズル筒片10の内周面とガイド筒片7の上端開放縁との間は滑り易いのがよく、それゆえ図示実施例に示すように、ガイド筒片7の上端開放部の外周縁部分は円弧状に角取りした円滑面としておくのが望ましい。
【0047】
図示実施例の場合、ガイド筒片7に対するノズル筒片10の昇降変位が、小キャップ片9の取付け筒片6に対する螺合組付きにより達成維持されるので、螺合結合の組付き姿勢保持作用を利用して、吐出口13の拡開程度を、縮開状態と全拡開状態の間の任意の拡開程度に設定することが可能であり、これにより内容物の必要吐出量や所望する吐出幅範囲等に好適に適合するように吐出口13の拡開程度を設定することが可能である。
【0048】
なお、図示実施例の場合、ガイド筒片7が楕円筒状の場合を主体として説明したが、ガイド筒片7は基本的には真円筒状であり、楕円筒状はそのバリエーションの一部に過ぎずないが、楕円筒状の他に、角取りした角筒状であってもよい。ただ筒形状が真円筒状以外の場合は、ガイド筒片7とノズル筒片10との間に回り止め機構15を設けておくのが望ましい。
【0049】
また、取扱われる内容物は、はちみつ・ケーキシロップやバター・ジャム、さらにはマヨネーズ等の食品に限られることはなく、食品以外のペースト状物品も内容物として取扱うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0050】
以上説明したように、本発明の吐出キャップは、吐出口の拡開程度を、ノズル筒片の頂部の伸び変形程度に従って自由に設定変更させることができるので、吐出口の大きさを無段階に変更したい用途に、幅広く利用できることが期待できる。
【符号の説明】
【0051】
1 ;吐出キャップ
2 ;キャップ本体
3 ;組付き筒
4 ;頂板
5 ;内筒ノズル
6 ;取付け筒片
7 ;ガイド筒片
8 ;ノズル筒体
9 ;小キャップ片
10 ;ノズル筒片
11 ;頂部
12 ;テーパー筒部
13 ;吐出口
14 ;結合筒部
15 ;回り止め機能
16 ;オーバーキャップ
17 ;容器体
18 ;口筒部
19 ;胴部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スクイズ性を有する容器である容器体(17)の口筒部(18)に密装着する組付き筒(3)に、上端を開放した筒状の内筒ノズル(5)を起立連設したキャップ本体(2)と、前記内筒ノズル(5)を覆って昇降変位可能に密装着する有頂筒状の軟質弾性材製ノズル筒片(10)を有するノズル筒体(8)とを備え、前記ノズル筒片(10)の上端の頂部(11)に吐出口(13)を設け、前記ノズル筒片(10)は下降変位に伴い内筒ノズル(5)の上端開放部に押付けられ、該押付けにより強制的に伸び変形して吐出口(13)を拡開することを特徴とする吐出キャップ。
【請求項2】
キャップ本体(2)の内筒ノズル(5)を、ネジ筒構造をした下端部の取付け筒片(6)の上端から筒状のガイド筒片(7)を起立連設して構成し、ノズル筒体(8)を、前記取付け筒片(6)に昇降変位可能に螺合する小キャップ片(9)と、下端部の結合筒部(14)を前記小キャップ片(9)の上端に離脱不能にアンダーカット結合させたノズル筒片(10)とから構成した請求項1に記載の吐出キャップ。
【請求項3】
ノズル筒体(8)のノズル筒片(10)の上端部を、上方に縮径する有頂錐筒状のテーパー筒部(12)に構成した請求項1または2に記載の吐出キャップ。
【請求項4】
ノズル筒片(10)の頂部(11)に開設された吐出口(13)を、スリット状に構成した請求項1〜3のいずれか1項に記載の吐出キャップ。
【請求項5】
ノズル筒片(10)の頂部(11)に、複数の吐出口(13)を配設した請求項1〜4のいずれか1項に記載の吐出キャップ。
【請求項6】
内筒ノズル(5)のガイド筒片(7)を非真円形筒状とすると共に、ノズル筒体(8)の円形の結合筒部(14)を除くノズル筒片(10)部分を同じ非真円形筒状とし、前記ガイド筒片(7)とノズル筒片(10)との間にキーとキー溝とから成る回り止め機構(15)を形成し、前記結合筒部(14)と小キャップ片(9)とのアンダーカット結合を空転自在とした請求項1〜5のいずれか1項に記載の吐出キャップ。
【請求項1】
スクイズ性を有する容器である容器体(17)の口筒部(18)に密装着する組付き筒(3)に、上端を開放した筒状の内筒ノズル(5)を起立連設したキャップ本体(2)と、前記内筒ノズル(5)を覆って昇降変位可能に密装着する有頂筒状の軟質弾性材製ノズル筒片(10)を有するノズル筒体(8)とを備え、前記ノズル筒片(10)の上端の頂部(11)に吐出口(13)を設け、前記ノズル筒片(10)は下降変位に伴い内筒ノズル(5)の上端開放部に押付けられ、該押付けにより強制的に伸び変形して吐出口(13)を拡開することを特徴とする吐出キャップ。
【請求項2】
キャップ本体(2)の内筒ノズル(5)を、ネジ筒構造をした下端部の取付け筒片(6)の上端から筒状のガイド筒片(7)を起立連設して構成し、ノズル筒体(8)を、前記取付け筒片(6)に昇降変位可能に螺合する小キャップ片(9)と、下端部の結合筒部(14)を前記小キャップ片(9)の上端に離脱不能にアンダーカット結合させたノズル筒片(10)とから構成した請求項1に記載の吐出キャップ。
【請求項3】
ノズル筒体(8)のノズル筒片(10)の上端部を、上方に縮径する有頂錐筒状のテーパー筒部(12)に構成した請求項1または2に記載の吐出キャップ。
【請求項4】
ノズル筒片(10)の頂部(11)に開設された吐出口(13)を、スリット状に構成した請求項1〜3のいずれか1項に記載の吐出キャップ。
【請求項5】
ノズル筒片(10)の頂部(11)に、複数の吐出口(13)を配設した請求項1〜4のいずれか1項に記載の吐出キャップ。
【請求項6】
内筒ノズル(5)のガイド筒片(7)を非真円形筒状とすると共に、ノズル筒体(8)の円形の結合筒部(14)を除くノズル筒片(10)部分を同じ非真円形筒状とし、前記ガイド筒片(7)とノズル筒片(10)との間にキーとキー溝とから成る回り止め機構(15)を形成し、前記結合筒部(14)と小キャップ片(9)とのアンダーカット結合を空転自在とした請求項1〜5のいずれか1項に記載の吐出キャップ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−30835(P2012−30835A)
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−171590(P2010−171590)
【出願日】平成22年7月30日(2010.7.30)
【出願人】(000006909)株式会社吉野工業所 (2,913)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年7月30日(2010.7.30)
【出願人】(000006909)株式会社吉野工業所 (2,913)
【Fターム(参考)】
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