説明

吐出器

【課題】ノズルの金型形状を簡素化すると共に、内容物の液垂れを防止しつつ十分な大きさの外気導入口を形成することができる吐出器を提供することを目的とする。
【解決手段】容器内から供給された内容物が流通する流路54を有するヘッド部5と、ヘッド部5に対して横向きに配設されたノズル6と、が備えられ、ノズル6の周壁部7の内側に、流路54から供給された内容物と外部から供給された空気とを混合すると共にその気液混合体を発泡させる造泡部9が設けられ、液状の内容物をノズル6内で泡状にしてノズル6先端から吐出する吐出器1において、周壁部7には、造泡部9内と外部とを連通する外気導入口72が形成されており、外気導入口72は、周壁部7の内周面を形成するコア金型にキャビティ金型の一部を接触させて周壁部7を形成することによりその接触部分に形成された開口であり、周壁部7の側部及び上部のうちの少なくとも一方に形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液状の内容物を泡状にして吐出する吐出器に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の吐出器として、従来、例えば下記特許文献1に示されているような、液状の内容物をノズル内で泡状にしてノズル先端から吐出させる吐出器が知られている。詳しく説明すると、上記したノズルには、筒状の周壁部(ソケット)が備えられている。この周壁部には、外部と造泡部内とを連通する外気導入口(開孔)が形成されており、周壁部の内側には、容器内から供給された液状の内容物と外気導入口を介して外部から供給された空気とを混合すると共にその気液混合体を発泡させる造泡部(造泡筒)が設けられている。上記したノズルを有する吐出器によれば、容器内の液状の内容物が造泡部内に供給されると共に外気(空気)が外気導入口を通って造泡部内に供給される。そして、これらが造泡部内で混合されて気液混合体となり、この気液混合体が造泡部によって発泡して泡状となってノズル先端から吐出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−305207号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記した従来の吐出器では、ノズルの周壁部を成形する際に周壁部の金型にノズル径方向にピンを差し込むことで、周壁部に外気導入口を形成している。このため、金型の形状が複雑であり、成形作業が煩雑であるという問題が存在する。また、外気導入口の開口面積を大きくすると、造泡部内に残った内容物が外気導入口から漏れ出てしまうおそれもあった。
【0005】
本発明は、上記した従来の問題が考慮されたものであり、ノズルの金型形状を簡素化すると共に、内容物の液垂れを防止しつつ充分な大きさの外気導入口を形成することができる吐出器を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る吐出器は、容器内から供給された内容物が流通する流路を有するヘッド部と、該ヘッド部に対して横向きに配設されたノズルと、が備えられ、該ノズルの周壁部の内側に、前記流路から供給された内容物と外部から供給された空気とを混合すると共に前記内容物と前記空気とからなる気液混合体を発泡させる造泡部が設けられ、液状の前記内容物を前記ノズル内で泡状にして該ノズル先端から吐出する吐出器において、前記周壁部には、前記造泡部内と外部とを連通する外気導入口が形成されており、前記外気導入口は、前記周壁部の内周面を形成するコア金型にキャビティ金型の一部を接触させて前記周壁部を形成することによりその接触部分に形成された開口であり、前記周壁部の側部及び上部のうちの少なくとも一方に形成されていることを特徴としている。
【0007】
このような特徴により、キャビティ金型にピン等を差し込むことなく、周壁部に外気導入口が形成される。すなわち、ノズルの周壁部を成形する際、コア金型にキャビティ金型の一部を接触させることにより、その接触部分に樹脂が回らず、外気導入口が形成される。しかも、この方法で形成される外気導入口は、その開口面積を大きくしやすい。
また、周壁部の下部に外気導入口が形成されていないので、造泡部内に供給された内容物のうち、外部に吐出されずに残留した内容物が、周壁部(造泡部)の下部の内側に溜められることによって、外気導入口からの液垂れが防止される。
【0008】
また、本発明に係る吐出器は、前記内容物が、液体消毒剤、液体洗浄剤又は液体化粧料であることが好ましい。
【0009】
また、本発明に係る吐出器は、前記内容物が、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、及びノニオン界面活性剤のうちの少なくとも1つの界面活性剤を含有し、該界面活性剤の総含有量が0.01重量%以上、1.00重量%以下であると共にアルコール濃度が10%以上、40%以下であることが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る吐出器によれば、キャビティ金型やコア金型に差し込むピン等を用いることなく、周壁部に外気導入口が形成されるので、金型形状を簡素化することができると共に、内容物の液垂れを防止しつつ充分な大きさの外気導入口を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施の形態を説明するための吐出器の部分破断図である。
【図2】図1に示すA−A間の断面図である。
【図3】本発明の実施の形態を説明するための内容物(液体組成物)の実施例を示す成分表である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明に係る吐出器の実施の形態について、図面に基いて説明する。
なお、本実施の形態では、吐出器1における押下ヘッド4側(図1における上側)を上方とし、その反対側(図1における下側)を下方とする。また、図1に示す符号Oは、吐出器1の中心軸線を示しており、以下、単に軸線Oと記す。また、この軸線O方向を、以下、単に「軸方向」と記し、軸線Oに直交する方向を、以下、単に「径方向」と記し、軸線O回りの方向を、以下、単に「周方向」と記す。また、軸線Oに直交する鎖線Lは、後述するノズル6の中心軸線を示しており、以下、単にノズル軸線Lと記す。また、このノズル軸線L方向を、以下、単に「ノズル軸方向」と記し、ノズル軸線Lに直交する方向を、以下、単に「ノズル径方向」と記し、ノズル軸線L回りの方向を、以下、単に「ノズル周方向」と記す。
【0013】
図1に示すように、吐出器1は、内容物を収容した図示せぬ容器の口部に装着され、その容器内の内容物をノズル6内で泡状にして当該ノズル6先端から吐出する吐出器であり、ノズル6を有する押下ヘッド4を押し下げることでノズル6から泡状の内容物が吐出される押し下げ式の吐出ポンプである。具体的に説明すると、吐出器1の概略構成としては、図示せぬ容器の口部に装着された装着キャップ2と、その装着キャップ2に取り付けられた図示せぬポンプと、そのポンプのシリンダ上端から上方付勢状態で押込み可能に起立した図示せぬステムと、そのステムの上端部に継手部材3を介して連結された押下ヘッド4と、が備えられている。
【0014】
装着キャップ2には、軸線Oに対して略垂直に配設された円環板状の天壁部20と、天壁部20の外縁から垂下された円筒状の周壁部21と、天壁部20の内縁から立設された円筒状のガイド部22と、が備えられている。周壁部21は、軸線Oを中心軸線にして軸方向に沿って延設されており、周壁部21の内周面には、図示せぬ容器の口部に螺着される図示せぬ雌ねじが形成されている。ガイド部22は、押下ヘッド4の押し下げ方向を案内する筒状の壁部であり、軸線Oを中心軸線にして軸方向に沿って延設されている。
【0015】
継手部材3は、軸線Oに対して略垂直に配設された円環板状の天壁部30と、天壁部30の外縁から垂下された下筒部31と、天壁部30の外縁から立設された外筒部32と、天壁部30の上面から立設されて外筒部32の内側に配設された内筒部33と、を備えている。下筒部31の下部は、上記したガイド部22の内側に軸方向に沿って摺動可能に嵌め込まれており、また、下筒部31の内側には、図示せぬステムの上端部が連結されている。
【0016】
押下ヘッド4は、指等で押し下げ操作するための操作部であり、その概略構成としては、継手部材3に取り付けられたヘッド部5と、ヘッド部5に設けられたノズル6と、を備えている。
【0017】
ヘッド部5は、上面に押圧面50が形成された天壁部51と、天壁部51の外縁から垂下された周壁部52と、天壁部51の下面から垂下されて周壁部52の内側に配設された連通筒部53と、を備えている。周壁部52は、軸線Oを中心軸線にして軸方向に沿って延設された円筒形状の筒部である。この周壁部52の内径は、上記した装着キャップ2のガイド部22の外径よりも大きく、周壁部52は、押下ヘッド4が押し下げられることでガイド部22の外側に被せられる。また、連通筒部53は、軸線Oを共通軸にして周壁部52と同軸上に配設された円筒形状の筒部である。この連通筒部53は、上記した継手部材3の外筒部32の内側に配設されており、連通筒部53の内側には、上記した継手部材3の内筒部33が嵌合されている。この連通筒部53の内部は、継手部材3を介して図示せぬステムの内側に連通されており、図示せぬ容器内から供給された内容物が流通する流路54となっている。
【0018】
ノズル6は、上記した流路54から供給された液状の内容物を泡状にして吐出する泡放出ノズルであり、ヘッド部5に対して横向きに配設されている。このノズル6には、ノズル軸方向に沿って延設された筒状の周壁部7と、周壁部7の基端部(基端周壁部70)内に配設された噴霧部8と、周壁部7の先端部(先端周壁部71)内に配設された造泡部9と、が備えられている。
【0019】
周壁部7は、基端が流路54の上端に連通され、先端がヘッド部5の外部に向けて開放された筒状の壁部であり、ヘッド部5と一体に形成されている。この周壁部7は、ヘッド部5内に配設された基端周壁部70と、ヘッド部5の外部に配設された先端周壁部71と、を備えている。基端周壁部70は、ヘッド部5の周壁部52と連通筒部53との間に介在されており、その上部がヘッド部5の天壁部51によって構成されている。先端周壁部71は、基端周壁部70よりも大径の筒部であり、ヘッド部5の周壁部52の外周面から径方向外側に向けて突出されている。この先端周壁部71の基端部(基端周壁部70側の端部)には、造泡部9内と外部とを連通する外気導入口72が形成されている。
【0020】
外気導入口72は、周壁部7の内周面を形成する図示せぬコア金型に図示せぬキャビティ金型の一部を接触させて周壁部7を形成することによりその接触部分に形成された喰い切り開口である。この外気導入口72は、図1、図2に示すように、先端周壁部71の上部から側部にかけてノズル周方向に沿って延在する長孔状の開口であり、図2に示すようにノズル断面視において左右対称に配設されている。また、この外気導入口72の内側には、先端周壁部71の上部中央部分の位置にブリッジ73が架設されている。
【0021】
ここで、外気導入口72を形成する方法について詳しく説明する。まず、ヘッド部5及びノズル6の周壁部7を形成する図示せぬキャビティ金型のうち、上記した周壁部7を形成する部分の内面(キャビティ面)に喰い切り凸部を突設しておく。この喰い切り凸部は、ノズル周方向に相当する方向に延在する略C字状の凸部であり、その中央部分に凹部が形成されている。そして、図示せぬキャビティ金型の内側に、周壁部7の内周面を形成するコア金型を配置する。このとき、喰い切り凸部の先端面とコア金型の外周面とを当接させる。その後、キャビティ内に樹脂を射出することでヘッド部5及びノズル6の周壁部7が一体に形成される。このとき、上記した喰い切り凸部によって周壁部7に外気導入口72が形成される。また、上記した喰い切り凸部の中央部分の凹部によって、外気導入口72の中央部分にブリッジ73が形成される。
【0022】
噴霧部8は、液状の内容物をスピン流路80で渦状に流通させて当該内容物を噴霧孔81から造泡部9内に向けて噴霧する部分である。具体的に説明すると、噴霧部8には、基端周壁部70の内側に配設されてノズル軸線Lを共通軸にして基端周壁部70と同軸上に延設された円柱状の中心部82と、該中心部82にノズル先端側(先端周壁部71側)から被着された噴霧キャップ83と、が備えられている。
【0023】
中心部82の基端部(流路54側の端部)は、基端周壁部70の基端部(流路54側の端部)に連結されており、中心部82は、周壁部7及びヘッド部5と一体に形成されている。中心部82の外周面には、ノズル軸方向に沿って延在する凹溝84が形成されている。
【0024】
噴霧キャップ83は、中心部82の外周に周設された円筒形状の筒部85と、この筒部85の端部に設けられた端壁部86と、を備えている。筒部85は、ノズル軸線Lを共通軸にして中心部82と同軸上に配設されており、基端周壁部70の内周面にアンダーカット嵌合されている。端壁部86は、ノズル軸線Lに対して垂直に配設された壁部であり、基端周壁部70の先端部内であって中心部82のノズル先端側(先端周壁部71側)に配設されている。この端壁部86のノズル基端側(中心部82側)の表面は、中心部82の先端面に当接されており、その表面には、上記した凹溝84に連通するスピン流路80が形成されている。また、端壁部86の中央部分には、スピン流路80に連通する貫通孔状の噴霧孔81が形成されている。
【0025】
造泡部9は、噴霧孔81から噴霧された内容物と上記した外気導入口72を通して外部から供給された空気とを混合すると共にそれら内容物と空気とからなる気液混合体を発泡させる部分である。具体的に説明すると、造泡部9には、先端周壁部71の内側に嵌合されたメッシュリング90と、メッシュリング90の内側に収納された内筒体91と、が備えられている。
【0026】
メッシュリング90は、ノズル軸線Lを共通軸にして先端周壁部71と同軸上に配設された円筒形状の部材であり、メッシュリング90のノズル先端側の端部には、ノズル軸線Lに対して垂直に配設されたメッシュシート92が張設されている。内筒体91は、ノズル軸線Lを共通軸にしてメッシュリング90と同軸上に配設された円筒形状の部材であり、内筒体91のノズル基端側の端部には、メッシュリング90の基端面に掛止される爪部93が複数配設されている。複数の爪部93は、ノズル周方向に間隔をあけて配設されており、上記した外気導入口72は、周方向に隣り合う爪部93の間から造泡部9内に向けて開放されている。
【0027】
次に、上記した容器の内側に収容されて吐出器1によって泡状にして吐出される内容物について説明する。
内容物は、容器内において液状を成す液体組成物であり、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、及びノニオン界面活性剤のうちの少なくとも1つの界面活性剤を含有し、その界面活性剤の総含有量が0.01重量%以上、1.00重量%以下であると共にアルコール濃度が10%以上、40%以下の液体組成物であり、具体的には、液体消毒剤、液体洗浄剤又は液体化粧料である。
ここで、上記した液体組成物の実施例を図3に示す。
図3は液体組成物の一例の成分表である。
図3に示す液体組成物は、界面活性剤として、カチオン界面活性剤である塩化ベンザルコニウムを0.05重量%含有していると共に、ノニオン界面活性剤であるポリオキシエチレン(60)硬化ヒマシ油を0.1重量%含有している。また、エチルアルコールを30重量%含有している。
【0028】
次に、上記した構成の吐出器1の作用について説明する。
【0029】
上記した吐出器1を使用する際、押下ヘッド4の押圧面50を指等で押圧して押下ヘッド4を押し下げる。これにより、図示せぬ容器内の内容物が図示せぬステム及び継手部材3内を通ってヘッド部5の流路54内に流入する。そして、流路54内の内容物は、噴霧部8の凹溝84内を通ってスピン流路80内に流入し、スピン流路80で渦状に流通した後、噴霧孔81から造泡部9内に向けて噴霧される。この内容物は、造泡部9内において内筒体91の内周面に衝突しながら攪拌される。一方、吐出器1の外部の空気が外気導入口72を通って造泡部9内に流入する。これにより、造泡部9内において内容物と空気とが攪拌混合され、これら空気と内容物とからなる気液混合体が発泡する。そして、この気液混合体は、ノズル6の先端から吐出される。このとき、気液混合体は、メッシュリング90のメッシュシート92を通過して吐出されるので、メッシュシート92によって更に発泡あるいは整泡される。また、上記した周壁部7の下部に外気導入口72が形成されていないので、外部に吐出されずに造泡部9内に残留した内容物が、外気導入口72から漏出しにくく、周壁部7(造泡部9)の下部の内側に溜められる。
【0030】
上記した吐出器1によれば、上述したように、周壁部7の外気導入口72が喰い切り孔であり、キャビティ金型やコア金型にピン等を差し込むことなく、周壁部7に外気導入口72が形成される。したがって、キャビティ金型やコア金型にピン等を挿入させる孔を形成する必要がなく、金型形状を簡素化することができる。
【0031】
また、上記した吐出器1によれば、上記した外気導入口72が上述した喰い切り工法で形成されているため、外気導入口72の開口面積を大きくしやすい。また、上記した外気導入口72は、周壁部7の下部に形成されていないため、造泡部9内に残留した内容物が造泡部9の下部の内側に溜められる。したがって、外気導入口72からの内容物の液垂れを防止しつつ十分な大きさの外気導入口72を形成することができる。
さらに、外気導入口72の中央部分にブリッジ73が架設されているので、外気導入口72を大きく形成しても、ノズル6の周壁部7の強度を確保することができる。
【0032】
以上、本発明に係る吐出器の実施の形態について説明したが、本発明は上記した実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、上記した実施の形態では、押下ヘッド4を有する押し下げ式の吐出器1について説明しているが、本発明は、トリガーを有するトリガー式の吐出器であってもよく、或いは、容器の胴部をスクイズ変形させて内容物を吐出させるスクイズ式の吐出容器であってもよい。
【0033】
また、上記した実施の形態では、ノズル軸線Lが吐出器1の軸線Oに直交する方向に延在されており、ノズル6が水平方向に延設されているが、本発明は、ノズルが斜め上方若しくは斜め下方に延在されていてもよい。
【0034】
また、上記した実施の形態では、ノズル6に噴霧部8が備えられ、造泡部9内に霧状の内容物が供給されるが、本発明は、噴霧部8を省略することも可能であり、内容物が液状のまま造泡部9内に供給されてもよい。
【0035】
また、上記した実施の形態では、造泡部9が、メッシュリング90の内側に内筒体91が嵌合された構成からなるが、本発明は、他の構成の造泡部であってもよい。例えば、内筒体91及びメッシュリング90の何れか一方を省略して他方のみで気液混合体を発泡させることも可能であり、また、上記したメッシュリング90と内筒体91とを一体に形成することも可能である。
【0036】
また、上記した実施の形態では、図示せぬステムの上端部に継手部材3を介して押下ヘッド4が連結されているが、本発明は、継手部材3を省略してステムと押下ヘッドとを直結させることも可能である。なお、上記したステムは、複数の部材から構成されるものであってもよい。
【0037】
また、上記した実施の形態では、先端周壁部71の基端部に、ノズル周方向に沿って延在する長孔状の外気導入口72が形成され、その外気導入口72の中央部分にブリッジ73が架設されているが、本発明は、外気導入口の位置や形状は適宜変更可能である。例えば、先端周壁部71の上部のみ、或いは、先端周壁部71の側部のみに外気導入口が形成されていてもよい。さらに、先端周壁部71のノズル軸方向の中間部分に外気導入口を形成することも可能であり、また、上記したブリッジ73を省略して例えば先端周壁部71の上半分(180度の範囲)の全体に外気導入口を形成することも可能である。さらに、本発明の外気導入口の形状は、長孔状以外であってもよく、例えば、図示せぬキャビティ金型のキャビティ面に、円柱状や角柱状の喰い切り凸部を突設させることで、丸孔状或いは矩形孔状の外気導入口を形成することも可能である。
【0038】
その他、本発明の主旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0039】
1 吐出器
5 ヘッド部
6 ノズル
7 周壁部
9 造泡部
54 流路
72 外気導入口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器内から供給された内容物が流通する流路を有するヘッド部と、該ヘッド部に対して横向きに配設されたノズルと、が備えられ、
該ノズルの周壁部の内側に、前記流路から供給された内容物と外部から供給された空気とを混合すると共に前記内容物と前記空気とからなる気液混合体を発泡させる造泡部が設けられ、
液状の前記内容物を前記ノズル内で泡状にして該ノズル先端から吐出する吐出器において、
前記周壁部には、前記造泡部内と外部とを連通する外気導入口が形成されており、
前記外気導入口は、前記周壁部の内周面を形成するコア金型にキャビティ金型の一部を接触させて前記周壁部を形成することによりその接触部分に形成された開口であり、前記周壁部の側部及び上部のうちの少なくとも一方に形成されていることを特徴とする吐出器。
【請求項2】
請求項1に記載の吐出器において、
前記内容物は、液体消毒剤、液体洗浄剤又は液体化粧料であることを特徴とする吐出器。
【請求項3】
請求項1または2に記載の吐出器において、
前記内容物は、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、及びノニオン界面活性剤のうちの少なくとも1つの界面活性剤を含有し、該界面活性剤の総含有量が0.01重量%以上、1.00重量%以下であると共にアルコール濃度が10%以上、40%以下であることを特徴とする吐出器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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