説明

吐出器

【課題】内容物を吐出させる際にノズルの位置が固定され、より使いやすい吐出器を提供することを目的とする。
【解決手段】容器本体の口部に装着される装着キャップ2、及び、装着キャップ2に支持されたシリンダ31と上方付勢状態で立設された押し下げ可能なステム30とを有し、ステム30がシリンダ31に対して相対的に押し下げられることでステム30の上端から容器本体内の内容物を送り出すポンプ機構3、を備える吐出器本体4と、ステム30を押し下げ操作する操作部材5と、ステム30の上端から送られた内容物を吐出するノズル60と、が備えられている吐出器1であって、ノズル60が、吐出器本体4に支持された支持部材7に保持されており、ノズル60とステム30の上端とが、変形可能な蛇腹状のフレキシブル管61を介して連通されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器本体の口部に装着されて容器本体内の内容物を吐出する吐出器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の吐出器として、従来、例えば下記特許文献1に示されているような、容器本体の口部に装着される装着キャップと、その装着キャップに吊り下げ支持され、上方付勢状態で押し下げ可能に立設されたステムを有するポンプ機構と、前記したステムに連結されたポンプヘッドと、ステムを押し下げ操作するための操作レバーと、を備える構成が知られている。ポンプヘッドには、ステムに嵌着される連通筒部と、連通筒部の上端部に突設されたノズルと、が備えられている。装着キャップには、天壁部から立設された立上げ筒部が備えられており、この立上げ筒部の上端部には軸受け壁が立設されていると共に指掛けレバーが突設されている。操作レバーは、水平軸周りに回動させて操作する操作部材であり、操作レバーの一端部は、軸受け壁に回転可能に軸支され、操作レバーの中央部には、前記ポンプヘッドの上端面に係合する係合部が設けられている。
【0003】
上記した構成の吐出器では、操作レバーと指掛けレバーとにそれぞれ指をかけた状態で操作レバーを指掛けレバー側に回動させると、操作レバーの係合部がポンプヘッドの上端面を押圧してポンプヘッドが押し下げられると共に、ポンプヘッドに連結されたステムが押し下げられる。これにより、容器本体内の内容物が、ステムの上端から連通筒部内に送り出され、連通筒部内を流通してノズルから吐出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−87808号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記した従来の吐出器では、ノズルを備えたポンプヘッドが操作レバーの回動操作に伴い押し下げられるため、使用時にノズルが内容物を吐出しながら下方に移動する。このように、内容物を吐出する際にノズルが動くと、内容物が吐出される位置が不安定となって使いにくい場合があるため、吐出時にノズルが動かない吐出器の要望がある。
【0006】
本発明は、上記した従来の問題が考慮されたものであり、内容物を吐出させる際にノズルの位置が固定され、より使いやすい吐出器を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る吐出器は、容器本体の口部に装着される装着キャップ、及び、前記装着キャップに支持されたシリンダと上方付勢状態で立設された押し下げ可能なステムとを有し、該ステムが前記シリンダに対して相対的に押し下げられることで該ステムの上端から前記容器本体内の内容物を送り出すポンプ機構、を備える吐出器本体と、前記ステムを押し下げ操作する操作部材と、前記ステムの上端から送られた前記内容物を吐出するノズルと、が備えられている吐出器であって、前記ノズルが、前記吐出器本体に支持された支持部材に保持されており、前記ノズルと前記ステムの上端とが、変形可能な蛇腹状のフレキシブル管を介して連通されていることを特徴としている。
【0008】
このような特徴により、操作部材を操作してステムをシリンダに対して相対的に押し下げると、シリンダ内の内容物が、ステムの上端からフレキシブル管に送り出され、フレキシブル管内を流通してノズルから吐出される。
吐出器本体に支持された支持部材にノズルが保持されているので、ステムが押し下げられてもノズルは移動せず、ノズルの位置は一定の位置に固定される。また、ノズルとステムの上端とを連結するフレキシブル管は変形可能であるので、ノズルの位置が固定された状態でステムが押し下げられると、フレキシブル管がステムの押し下げ動作に追従して変形する。
【0009】
また、本発明に係る吐出器は、前記フレキシブル管と、該フレキシブル管の一端部に連設されて前記ステムの上端に嵌合する筒状の継手部と、前記フレキシブル管の他端部に連設された前記ノズルと、が一体に形成されていることが好ましい。
これにより、ノズルとフレキシブル管とを別々に形成してそれらを連結する構成に比べて、部品数が低減され、製造時の組立工数が低減される。
【0010】
また、本発明に係る吐出器は、前記フレキシブル管が、一端側から他端側に向かって漸次縮径又は拡径されたテーパー形状に形成されていると共に、内周面及び外周面のうちの少なくとも一方に、管周方向に延在する段差が管軸方向に連続に形成された管体であることが好ましい。
これにより、フレキシブル管を射出成形で形成することが可能となる。したがって、特に、上述したようにフレキシブル管と継手部とノズルとを一体に形成する場合に好適である。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る吐出器によれば、内容物を吐出させる際にノズルの位置が固定されるので、使いやすさを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施の形態を説明するための吐出器の縦断面図である。
【図2】本発明の実施の形態を説明するためのフレキシブル管、継手管及びノズルの縦断面図である。
【図3】本発明の実施の形態を説明するための操作部材の斜視図である。
【図4】本発明の実施の形態を説明するための吐出器の縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明に係る吐出器の実施の形態について、図面に基いて説明する。
なお、本実施の形態では、後述するノズル部60の先端側(図1における左側)を「前方」とし、その反対側(図1における右側)を「後方」とする。また、後述するヘッドカバー7(本発明における支持部材に相当する。)の幅方向、つまり、前後方向に直交する水平方向を「左右方向」とする。
また、図1に示す符号Oは、後述するポンプ機構3の中心軸線を示しており、以下、単に軸線Oと記す。また、この軸線O方向を「軸方向」と記し、軸線Oに直交する方向を「径方向」と記し、軸線O回りの方向を「周方向」と記す。
また、軸方向のうち、吐出器1におけるヘッドカバー7側(図1における上側)を「上方」とし、その反対側、つまり吐出器1におけるポンプ機構3側(図1における下側)を「下方」とする。
【0014】
図1に示すように、吐出器1は、図示せぬ容器本体の内側に収容された内容物を吐出するための吐出ポンプである。この吐出器1の概略構成としては、装着キャップ2及びポンプ機構3を備える吐出器本体4と、ポンプ機構3を操作する操作部材5と、ポンプ機構3によって送り出された内容物を外部に吐出する吐出管部材6と、吐出器本体4に支持されたヘッドカバー7と、を備えている。
【0015】
装着キャップ2は、図示せぬ容器本体の口部に装着されるキャップ体であり、軸線Oを中心軸線にして軸方向に沿って延設された円筒形状の筒部である。この装着キャップ2の内周面には図示せぬ雌ねじが形成されており、装着キャップ2は図示せぬ容器本体の口部に螺着される。
【0016】
ポンプ機構3は、容器本体内の内容物を送り出す公知のポンプ機構である。このポンプ機構3は、装着キャップ2に支持されて垂下されたシリンダ31と、シリンダ31の上端部に嵌合した補助キャップ32と、シリンダ31の下端部に連結されたディップチューブ33と、上方付勢状態で立設された押し下げ可能なステム30と、を備えている。
【0017】
補助キャップ32は、装着キャップ2の上方に配設されている。この補助キャップ32には、ステム30が緩挿する図示せぬ内筒部が備えられている。また、補助キャップ32の外周面には、径方向外側に向けて突出した係合凸部34が全周に亘って形成されている。シリンダ31は、軸線Oを中心軸線にして軸方向に延在する筒部であり、装着キャップ2の内側に配設されて装着キャップ2の下側開口部から軸方向に沿って下向きに突出されている。また、シリンダ31の内側には、ステム30を上方に付勢する図示せぬスプリングが収容されている。
【0018】
ステム30は、シリンダ31の内側に配設された管部材であり、軸線Oを共通軸にしてシリンダ31と同軸上に延設されている。ステム30は、補助キャップ32の図示せぬ内筒部を通って補助キャップ32の上方に向けて突出している。この補助キャップ32の上方に突出したステム30の上端部には、上記した吐出管部材6が嵌着される嵌着部35が設けられている。この嵌着部35はステム30の中間部36に比べて縮径されている。また、シリンダ31の内側に配置されたステム30の下端部には、シリンダ31の内周面に摺接された図示せぬピストンが設けられている。
【0019】
ヘッドカバー7は、吐出管部材6を収容するカバー部材であり、上記した装着キャップ2及びポンプ機構3からなる吐出器本体4に装着されている。詳しく説明すると、ヘッドカバー7の下端部は、筒状に形成されており、装着キャップ2の上方に配設されている。このヘッドカバー7の下端部の内周面には、径方向内側に向けて突出した係止部70が全周に亘って環状に形成されている。この係止部70は、補助キャップ32に形成されたリング部8と係合凸部34との間に挟持されている。
【0020】
また、ヘッドカバー7の上部には、前方に向けて突出した突出部71が形成されており、その突出部71には後述するノズル部60を保持するノズル保持部72が形成されている。このノズル保持部72には、後述するノズル部60の中心軸線(ノズル軸線P)回りに延在する凹部76が形成されている。また、ヘッドカバー7の内面のうち、ノズル保持部72の後方の位置には、前後方向に延在すると共に後端部が下向きに湾曲したガイド壁部73が配設されている。また、ヘッドカバー7の内面のうち、ガイド壁部73の下方の位置には、操作部材5を回転可能に軸支する軸部74が配設されている。この軸部74は、左右方向に延在する円筒形状の軸部である。また、ヘッドカバー7の後方側の壁部には、上下方向に延在する長孔状のスリット75が形成されている。
なお、ヘッドカバー7は、左右に分割された一対の半割部材を組み合わせることで形成される部材である。
【0021】
図1、図2に示すように、吐出管部材6は、ステム30の上端部に連結されてステム30の内側に連通する管部材である。この吐出管部材6には、内容物を吐出するノズル部60(本発明におけるノズルに相当する。)と、変形可能な蛇腹状のフレキシブル管部61(本発明におけるフレキシブル管に相当する。)と、ステム30の嵌着部35に嵌着される継手部62と、が備えられている。上記した継手部62はフレキシブル管部61の一端部に連設され、ノズル部60はフレキシブル管部61の他端部に連設されている。また、これらノズル部60とフレキシブル管部61と継手部62とは一体に形成されており、例えば射出成形法などによって成形される。
なお、図2に示す鎖線Lは、吐出管部材6の中心軸線を示しており、以下「管軸線L」と記す。また、管軸線Lに沿った方向を「管軸方向」とし、管軸線Lに直交する方向を「管径方向」とし、管軸線L回りの方向を「管周方向」とする。
【0022】
継手部62は、吐出管部材6をステム30に継手するための円筒形状の筒部であり、フレキシブル管部61の一端部に連設されて管軸線Lを中心軸線にして延設されている。この継手部62には、上記したステム30の嵌着部35に嵌着される下筒部63と、下筒部63の上端に連設された上筒部64と、下筒部63と上筒部64の接続箇所から管径方向外側に突出したフランジ状のストッパー部65と、上筒部64の上端部の外周面に突設された係合部66と、が備えられている。下筒部63の内側には嵌着部35が嵌合されている。上筒部64は、下筒部63よりも小径の筒部であり、下筒部63の上方に配設されている。ストッパー部65は、ステム30の押し下げ量を制限する部材であり、継手部62が所定位置まで降下したところで補助キャップ32の上面に係止される。係合部66は、上筒部64の上端部の左右両側にそれぞれ突出した羽根部であり、前後方向に沿った縦断面視において下向きに湾曲している。
【0023】
フレキシブル管部61は、一端側(継手部62側)から他端側(ノズル部60側)に向かって漸次縮径されたテーパー形状の筒部であり、継手部62の内側に連通されている。このフレキシブル管部61の内周面には、管周方向に延在する複数の段差67が管軸方向に連続に形成されている。この段差67は、管軸線Lに沿って延在する直筒状の内周面と管軸線Lに対して垂直な円環状の段差面とによって形成されている。なお、段差67は、管軸線Lに対して傾斜するテーパー筒状の内周面と管軸線Lに対して垂直な円環状の段差面とによって形成されていてもよく、或いは、上記した段差面が管軸線Lの垂直面に対して傾斜した傾斜面であってもよい。また、フレキシブル管部61は、継手部62側の端部が略直角に折り曲げられた状態でヘッドカバー7の内側に配設されており、その折り曲げ箇所よりもノズル部60側の部分は前後方向に延設されている。
【0024】
ノズル部60は、前方に向けて内容物を吐出する円筒形状の筒部であり、フレキシブル管部61の他端部に連設されて前後方向に沿って延設されている。このノズル部60は、ヘッドカバー7のノズル保持部72に保持されており、ノズル部60の位置はヘッドカバー7によって固定されている。詳しく説明すると、ノズル部60の外周面には、ノズル径方向(ノズル軸線Pに直交する方向)に突出したフランジ部68が設けられており、このフランジ部68がノズル保持部72の凹部76の内側に嵌合されている。また、ノズル部60の先端部はヘッドカバー7の突出部71の先端開口部から外部に突出されている。
【0025】
図1、図3に示すように、操作部材5は、ステム30を押し下げ操作するための操作レバーであり、ヘッドカバー7に水平軸回りに回転可能に取り付けられている。詳しく説明すると、操作部材5は、前後方向に延在すると共に前後方向に波形に湾曲した板状の部材である。この操作部材5の前方部分及び中間部分はヘッドカバー7の内側に配設されており、操作部材5の後方部分はヘッドカバー7のスリット75からヘッドカバー7の外部に突出されている。
【0026】
操作部材5の前端部には、左右方向に延在する軸筒部50が設けられている。この軸筒部50は、両端がそれぞれ開口された円筒形状の筒部であり、この軸筒部50の内側に上記した軸部74が挿通されて操作部材5が軸支されており、操作部材5が前後方向に延びる鉛直面に沿って回転可能となっている。また、操作部材5の前端部分の中央部には、軸筒部50と板状部分とに亘るリブ53が突設されている。
【0027】
また、操作部材5の中間部分には、前後方向に長い長方円形状の開口部51が形成されている。この開口部51の内側には、フレキシブル管部61が挿通されている。また、操作部材5の中間部のうち、上記開口部51の幅方向両側部分には、操作部材5の下向きの回転操作に伴い上記した継手部62の係合部66の上面を押圧する押圧片52がそれぞれ垂設されている。これら一対の押圧片52,52は、平板状の板部であり、レキシブル管部61を挟んで左右方向に対向配置されている。また、押圧片52,52の先端縁(下端縁)は円弧状に形成されており、押圧片52,52の先端は継手部62の係合部66の上面に当接されている。
【0028】
次に、上記した構成からなる吐出器の作用について説明する。
【0029】
上記した構成の吐出器1を使用する際には、図4に示すように、操作部材5の後方部分(後端部)を押し下げて操作部材5を左右方向に延在する軸部74回りに回動させる。これにより、操作部材5の押圧片52が継手部62の係合部66の上面を押圧し、継手部62が押し下げられると共に継手部62に連結されたステム30が押し下げられる。ステム30が押し下げられると、シリンダ31内の内容物がステム30内を流通してステム30の上端から継手部62の上筒部64内に流入する。そして、上筒部64内に流入した内容物は、フレキシブル管部61内を流通してノズル部60の先端開口部から外部に吐出される。
【0030】
また、ノズル部60はヘッドカバー7のノズル保持部72に保持されているので、上述したように継手部62(ステム30)が押し下げられても、ノズル部60は移動せず、ノズル部60の位置は一定の位置に固定される。また、ノズル部60と継手部62(ステム30の上端)とを連結するフレキシブル管部61は変形可能であるので、ノズル部60の位置が固定された状態で継手部62(ステム30)が押し下げられると、フレキシブル管部61が継手部62(ステム30)の押し下げ動作に追従して変形して略1/4円弧形状になる。
【0031】
上記した吐出器1によれば、操作部材5を操作してステム30を押し下げてノズル部60から内容物を吐出させる際に、ノズル部60の位置が固定されるので、内容物が吐出される位置が安定し、使いやすさを向上させることができる。
【0032】
また、上記した吐出器1では、ノズル部60とフレキシブル管部61と継手部62とが一体に形成された吐出管部材6が備えられているので、ノズル部60とフレキシブル管部61とを別体で形成して連結する構成に比べて部品数が低減され、製造時の組立工数が低減される。これにより、吐出器1の製造時の組立作業を軽減することができ、量産性を向上させることができる。
【0033】
また、上記した吐出器1では、フレキシブル管部61が、継手部62側からノズル部60側に向かって漸次縮径されたテーパー形状に形成されていると共に、内周面に管周方向に延在する段差67が管軸方向に連続に形成された管体であるため、吐出管部材6を射出成形で形成することが可能となる。すなわち、吐出管部材6を成形する金型のうち、吐出管部材6の外面を形成する金型としては、管径方向に分割可能な割り金型を使用し、また、吐出管部材6の内面を形成する金型としては、直線状に延在する棒状の中子を使用する。上記した吐出管部材6の成形時において金型を取り外す際に、外面の金型は管径方向に分割することで取り外され、また、上記した中子は、フレキシブル管部61の大径側(継手部62側)から抜き出すことで取り外される。
【0034】
以上、本発明に係る吐出器の実施の形態について説明したが、本発明は上記した実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、上記した実施の形態では、ノズル部60が水平方向(前方)に向けられているが、本発明におけるノズルの向きは適宜変更可能であり、例えば、斜め下向きや斜め上向きにノズルが向けられていてもよい。
【0035】
また、上記した実施の形態では、フレキシブル管部61等を収容するヘッドカバー7が装着キャップ2やポンプ機構3の補助キャップ32と別体に形成されて吐出器本体4の上部に装着されているが、本発明は、ヘッドカバー7が装着キャップ2や補助キャップ32と一体に形成されていてもよい。さらに、本発明は、ヘッドカバー7を省略することが可能である。ただし、この場合、吐出器本体4に支持される支持部材を別途設けて、その支持部材にノズル部60を保持させる。
【0036】
また、上記した実施の形態では、前後方向に延在すると共に後端部がヘッドカバー7の後方側に突出した操作部材5が備えられているが、本発明は、他の操作部材であってもよく、例えば、操作部材として、継手部62の係合部66に係合する押し下げ可能な押下ヘッドや、ヘッドカバー7の前方側に突出した操作部材が備えられていてもよい。
また、上記した実施の形態では、操作部材5に係合する係合部66が継手部62に設けられているが、本発明は、操作部材に係合する係合部がステムに設けられていてもよい。
【0037】
また、上記した実施の形態では、ノズル部60とフレキシブル管部61と継手部62とが一体に形成された吐出管部材6が備えられているが、本発明は、ノズルとフレキシブル管とが別体に形成されていてもよい。
【0038】
また、上記した実施の形態では、フレキシブル管部61が、継手部62側からノズル部60側に向かって漸次縮径されたテーパー形状に形成されていると共に内周面に複数の段差67が連続に形成された管体となっているが、本発明は、他の形状のフレキシブル管であってもよい。例えば、継手部側からノズル側に向かって漸次拡径されたテーパー形状のフレキシブル管であってもよい。また、フレキシブル管の内周面でなくて外周面に段差が形成されていてもよく、また、内周面及び外周面の互いに対応する位置にそれぞれ段差が形成されていてもよい。さらに、本発明におけるフレキシブル管は、管軸方向に連続的に襞状の折り目が形成された蛇腹管であってもよい。
【0039】
その他、本発明の主旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0040】
1 吐出器
2 装着キャップ
3 ポンプ機構
4 吐出器本体
5 操作部材
7 ヘッドカバー(支持部材)
30 ステム
31 シリンダ
60 ノズル部(ノズル)
61 フレキシブル管部(フレキシブル管)
62 継手部
67 段差

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器本体の口部に装着される装着キャップ、及び、前記装着キャップに支持されたシリンダと上方付勢状態で立設された押し下げ可能なステムとを有し、該ステムが前記シリンダに対して相対的に押し下げられることで該ステムの上端から前記容器本体内の内容物を送り出すポンプ機構、を備える吐出器本体と、
前記ステムを押し下げ操作する操作部材と、
前記ステムの上端から送られた前記内容物を吐出するノズルと、
が備えられている吐出器であって、
前記ノズルが、前記吐出器本体に支持された支持部材に保持されており、
前記ノズルと前記ステムの上端とが、変形可能な蛇腹状のフレキシブル管を介して連通されていることを特徴とする吐出器。
【請求項2】
請求項1に記載の吐出器において、
前記フレキシブル管と、該フレキシブル管の一端部に連設されて前記ステムの上端に嵌合する筒状の継手部と、前記フレキシブル管の他端部に連設された前記ノズルと、が一体に形成されていることを特徴とする吐出器。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の吐出器において、
前記フレキシブル管が、一端側から他端側に向かって漸次縮径又は拡径されたテーパー形状に形成されていると共に、内周面及び外周面のうちの少なくとも一方に、管周方向に延在する段差が管軸方向に連続に形成された管体であることを特徴とする吐出器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−51613(P2012−51613A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−194835(P2010−194835)
【出願日】平成22年8月31日(2010.8.31)
【出願人】(000006909)株式会社吉野工業所 (2,913)
【Fターム(参考)】