説明

吐出方法及び吐出用液体組成物

【課題】 不安定なニトログリセリンであっても安定に吐出可能な吐出方法及び吐出用液体組成物を提供する。
【解決手段】 本発明の吐出方法は、ニトログリセリンをアルコールに溶解させる第1工程、前記ニトログリセリンのアルコール溶液を水と混合する第2工程、前記第2工程で得られた溶液をインクジェット吐出機構により吐出させる第3工程、を含むことを特徴とするニトログリセリンを含む液体の吐出方法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ニトログリセリンの吐出方法及び吐出用液体組成物に関する。そして、本明細書に記載しているその他の発明は、人体や動物の生体に有用な薬液を皮膚を経由して投与する皮膚吸収型薬液投与装置に関するもので、主に、医療分野に用いられるものである。動物の場合は、獣医学的医療分野に用いられるものである。
【0002】
さらに、詳しくは、携帯型の機器を用いて連続的もしくは、断続的、あるいは、ある制御プログラムにより、種々の要因や因子に応じて薬液を投与する皮膚吸収型薬液投与装置に関するものである。
【0003】
また、さらに詳しくは、前記投与機構が、皮膚への違和感やかぶれや炎症などの発生を防止するために、皮膚に対して非接触型で薬液を投与する装置に関するものである。
【0004】
また、医療用ばかりでなく、薬効成分を健康薬や美容薬に変更して、女性の肌や体の美容に応用することで美容やエステティックにも関連するものである。
【背景技術】
【0005】
皮膚経由の皮膚吸収型薬液投与方法は、古くから湿布やバンソウコウなどといった炎症や腫れ、かぶれなどの症状を押さえる薬液を、布や亜鉛華などの粘着物に含浸させて、これを患部に直接あて、治療する方法が知られている。これらの技術を詳しく公開したものの一例が、日本国特許登録第2533339号(特許文献1)に示される湿布薬組成物とその投与方法であり、各種の薬効組成物を複数組み合わせて、湿布薬として投与することが記載されている。
【0006】
しかしながら、この投与方法では主に2つの大きな問題点が存在する。
【0007】
その第一の問題点は、湿布薬として湿布構造体に前記の薬効成分を吸収させ、
この状態の湿布薬を皮膚に直接貼り付けて、所謂、拡散効果で薬液を皮膚経由で吸収させるものであるために、その効能は貼り付け初期に高く、暫時減衰して行くことは自明である。
【0008】
また、効果が強すぎた場合は、該湿布薬を取り除く必要がある。しかし、各自経験が在られると思うが該湿布薬を除去するときに、非常に、痛い思いをする。これは、前記湿布薬が皮膚へ良好に密着しており、且つ、表面にある微細な毛にまで密着しているために、除去する時に皮膚に傷を付けるためである。むしろ、第一の主な問題点は、薬効が暫時減衰することである。
【0009】
第2の主な問題点は、前述した除去時の痛みもその中に含まれるが、湿布薬が直接皮膚に接触しているために、違和感やかぶれやややもすると炎症を起こすことである。
【0010】
このような問題点を一部解消したものが、特開平9−262285号公報(特許文献2)に記載されている。それは、図4に示すように薬液の貯蔵された薬液タンクから薬液を吸引し、これを携帯の注入器により体内に注射針などにより投与するというものである。この場合は皮膚吸収型の薬液ばかりでなく、皮下注射や静脈注射などで直接人体の血管に投与し臓器などの患部に効果を上げるように構成されている。注射を皮膚投与に切り替えれば、容易に皮膚投与形態の薬液投与方法とすることは可能であることは自明である。
【0011】
しかしながら、この方法にも解決すべき問題が存在する。それは、薬液の供給圧力を上げないと皮膚に吹き付けることが不可能であり、吹き付けや噴霧が不可能であれば、直接皮膚に接触しておかねばならない。それでは、前記の違和感やかぶれなどの症状が発生することを防止できないのである。さらに、技術内容を検証すると、その装置は携帯型とは言え、図4に示すようにかなり、大掛かりな装置である。その理由は、投与の方法がポンプや電磁アクチュエータユニット101を用いているために、投与量の精度が0.2ml程度の誤差を有することで、必然的にその許容範囲を低減させるために薬液を低い濃度に下げているためである。投与の精度を0.001ml(1マイクロリットル)程度の精度以下に出来るのであれば、その薬液濃度も上げられ、図4中の6に示す貯蔵タンクや貯蔵量の低減などにより、該装置の小型化も可能である。しかしながら、現行のポンプや電磁アクチュエータを用いている段階では、この精度はクリアできないし、装置の小型化も計れない。
【0012】
従って、後者の問題点は、噴霧圧や供給圧を高く設定できないので、直接皮膚への密着投与か、注射などでの投与しかできないことであり、さらには、投与量の精度がバラツキが大きいために薬液の濃度が低濃度化され、そのために貯蔵タンクや貯蔵量が増大し、携帯装置の小型化が十分に行えないという問題点である。
また、本明細書に記載した薬液投与装置で吐出する薬液の一つであるニトログリセリンは、狭心症の治療薬として用いることができるものの、非常に不安定である。
【特許文献1】日本国特許登録第2533339号
【特許文献2】9−262285号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の課題は、前記の問題点を解決することで、以下に掲げる項目である。
1)直接人体の皮膚に触れずに、薬液を投与できる方法を見出し、違和感やかぶれ、炎症の発生の恐れのない投与装置を提供する。
2)連続的に投与する場合は投与量の一定化を実現する装置を提供する。
3)断続的、あるいは、症状に応じて時系列的に投与量を変化させて投与する装置を提供する。
4)噴霧圧もしくは供給圧を上げて、供給部が直接人体の皮膚に触れない投与装置を提供する。
5)投与量の精度を著しく向上させる方法を実現して、薬液の薬効成分の濃度を高め、貯蔵薬液やそのタンクを小型化し、装置の更なる小型化や携帯利便性を向上させた薬液の投与装置を提供する。
6)不安定なニトログリセリンであっても安定に吐出可能な吐出方法及び吐出用液体組成物を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の吐出方法は、ニトログリセリンをアルコールに溶解させる第1工程、前記ニトログリセリンのアルコール溶液を水と混合する第2工程、前記第2工程で得られた溶液をインクジェット吐出機構により吐出させる第3工程、を含むことを特徴とするニトログリセリンを含む液体の吐出方法である。
【0015】
また、本発明の吐出用液体組成物は、インクジェット吐出機構により吐出させるための吐出用液体組成物であって、ニトログリセリン、アルコール、水を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、非常に不安定なニトログリセリンであっても、インクジェット方式の原理によって吐出することが可能となった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以上の問題を解決する方法として鋭意検討した結果、本発明者は、5ng〜60ngを最小の秤量単位として精度保証可能な方法で、且つ、空間を約20mm程度飛翔可能な方法である薬液吐出機構を用いる薬液の皮膚投与方法を見出した。
【0018】
つまり、前記の薬効のある薬性成分を含んだ液体を薬液吐出機構から、皮膚に噴射投与することで、直接皮膚に触れることの無い投与方法とすることが可能である。
【0019】
また、薬液吐出機構を電子回路にてプログラム制御することで、連続且つ断続且つ、投与量の変動を付けて投与可能である。さらに、薬液吐出により供給圧も薬液が空間を飛翔するレベルまで容易に上昇せしめることが可能である。
【0020】
さらには、その吐出量精度は一旦吐出穴の大きさや吐出時間(吐出素子の駆動時間)を設定すれば、設定量の約5%以内である。しかも、一回の吐出量が最低5ng(0.000005マイクロリットル)〜60ng(0.000060マイクロリットル)まで制御可能である。従って、0.1ミリリットル程度の精度はいともたやすくクリア出来るし、その1/1000の01マイクロリットルの精度なども容易に達成可能なものである。つまり、20ng(20×10(−9)g)と一回の吐出量を設定した場合、60本の吐出ノズルを用いて、0.1マイクロリットルの投与量を設定しようとすれば、約83回の吐出を行う必要があり、その動作量の5%の誤差としても、0.005マイクロリットルの誤差しか有り得ないのである。さらには、60本のノズルそれぞれの駆動が制御出来るので、その秤量レベルもさらに高くなる。一本のノズルで投与すれば、かなり時間がかかるとしても、60本のノズルであれば、短時間に処理可能である。一回の吐出時間が、約50マイクロ秒程度であるので、1万回の駆動でも僅か0.5秒程度である。
【0021】
このように薬液吐出機構を用いることで、前記の薬液の投与に関する従来の問題点は十分に解決することが可能となる。
【0022】
図1に、本発明の参考例にかかる薬液投与装置の構成概略図を示す。図1(a)は装置の外観図であり、図1(b)はその透視図である。図2にその動作ブロック図を示す。
【0023】
図1に示すように、薬液吐出機構1は複数の吐出ノズル2から、薬液3を非常に微量なレベルで秤量、吐出、投与することが可能である。薬液吐出機構としては、いわゆるインクジェットプリンタに用いられる液体吐出機構を用いるのが好適である。
【0024】
薬液吐出機構は、吐出口毎に設けられ薬液に熱による状態変化を生起させ該状態変化に基づいて薬液を吐出口から吐出させて飛翔的液滴を形成する熱エネルギー発生素子を有する。この素子4の駆動により、薬液3はノズルから吐出し、人体の皮膚5へと付着する。薬液中の薬効成分は、人体の皮膚の表面にある汗腺や皮膚の細胞膜を経由して、毛細血管へと浸透し、その周りの細胞へも浸透拡散し、そこから毛細血管を経由して、静脈や動脈を経由し、人体の各部へと拡散、供給される。皮膚投与の特徴は経口投与と異なり薬物の解毒分解作用のある肝臓を経由せずに直接的に患部若しくは人体に投与されることも優位な点の1つである。
【0025】
薬液3は吐出ノズル2から吐出された分だけ、薬液貯蔵タンク6から供給されて来る。
【0026】
図1に示すように、インクジェット吐出機構1のノズル2の出口を木綿などの皮膚にやさしい構造物7を用いて皮膚5より約3〜6mm程度浮かすように設定してさらにプログラムにより断続的に投与するようにしておけば、皮膚5が常に薬液で濡れているわけではないので、違和感やかぶれ、カユミなどの発生もない。
【0027】
さらに、薬液吐出機構1は縦横10mm以下で高さもせいぜい10mm程度であり、そこに薬液供給部として薬液パイプ31で薬液タンク6と結合させ、小型の吐出制御機構8を用いれば、小型の携帯に便利な薬液投与装置が構成される。
【0028】
薬液の量も、患部の症状にもよるが10mlもあれば、一日の使用量は満足出来るはずであり、従って、薬液タンク6の大きさもせいぜい20立方センチメートル程度以下となる。
【0029】
このような携帯装置システム9を図2に示すブロック図に基付いて動作させれば、良好な薬液の皮膚投与方法が確立される。
【0030】
その動作システムは、図2を用いて説明すれば、まず、使用者は使用を開始するにあたり起動スイッチ91を動作ONにする。これにより、電力供給部81より電力が薬液吐出制御機構8に供給される。薬液吐出制御機構8に配置されている演算制御部61は動作プログラム記憶メモリ部60より所定のプログラムに従い動作を開始する。
【0031】
このプログラムは主にどのようなタイミングでどの位置の薬液吐出素子42を動作させるのかの制御を行うものである。その信号は、前記吐出制御機構8より信号線41を経由して薬液吐出素子4に伝えられる。
【0032】
また、吐出される薬液3は薬液タンク6より薬液パイプ31を経由して薬液吐出素子4に供給される。薬液3は、薬液吐出部4により微少薬液滴300として空間を飛翔して人体5の皮膚55へ到達し、さらに皮膚55を経由して細胞組織56へ到達する。このようにして薬液3は微少液滴となり、非常に精緻な量で人体5へ投与され、最終的には細胞56や人体内部の毛細血管へと供給される。
【0033】
図3は、薬液吐出素子4を拡大した場合の断面概略図である。
【0034】
薬液吐出素子4中の薬液3は共通液室44を経由して個別液室43に導入される。この個別液室43内の薬液30はインク吐出駆動素子42により加熱発泡し、薬液吐出孔2より液滴300となって皮膚55に向かって飛翔する。吐出素子4と皮膚55とは直接接触しないように、保護構造物7で隔離されている構造となっているために、インクジェット吐出孔2と皮膚55は直接接することが無く、違和感やかぶれ、かゆみを発生することはない。
【0035】
前記装置システム9を人体5に、ベルトで固定し、動作スイッチ91をONにすると、吐出動作制御機構8により、設定されたプログラムに応じて、吐出機構1より必要とされる量の薬液3が皮膚上に投与される。人体の皮膚5は、この薬液3を吸収し、患部に至り、薬効効果を発揮して、症状の緩和が行われる。一定の量の薬液の投与が終了したら、吐出機構1は動作を停止し、次の吐出のタイミングまで待機しておくことで一連の動作が確立される。
【0036】
参考例−1)
図1に示した装置を、キヤノン社製BC−02のインクジェットカートリッジのインクジェット吐出機構の先端部を用いて製作した。この製作した装置を、ボタン電池を電力供給源として動作させた。薬液3は、興和製薬(株)のインドメタシン配合の鎮痛薬を水とエチルアルコールにより薄めて、20センチポイズ程度の粘度として用いた。この装置を腰の部分に2機、左右に装着することで、腰痛の改善効果が見られた。投与のタイミングは、3分間に0.03ml断続的に投与するというものである。
【0037】
参考例−2)
また、上記の薬液を、武田製薬(株)の水虫治療薬ダマリンを使用して、純水を用いて20センチポイズ以下に薄め、水虫の症状のある者に試験的に用いてもらった。その結果、3日後では、随時、該薬液が投与されていた部分は、水虫の症状が改善しているのが確認された。
【0038】
参考例−3)
子豚の背中に本装置を強固に固定し、あがいても取れないように配置した。
【0039】
薬液として、皮膚に炎症が発生しない程度の非常に薄めた唐辛子抽出物水溶液を投与した。この子豚は、他の子豚よりも発育が遅れ、体が幾分小型であり、冬期の畜舎の中では震えていた。唐辛子抽出物は、発熱効果を生み出すカプサイシンが含まれており、これを皮膚に投与すると発熱しかぶれを起こすが、韓国や北朝鮮などでは唐辛子を靴の内部にいれ、足の皮膚と該唐辛子中のカプサイシンの接触発熱効果による保温効果として利用している。
【0040】
3分間に一回、0.02mlを子豚の背中の皮膚に投与することを行った結果、この子豚は震えを停止させ、元気になった。その後、この装置を1月間この子豚に搭載した結果、この子豚の発育は他の子豚よりも順調に進行し、1月後では他の子豚と同等の大きさまで発育した。
【0041】
これと、同じ成分の上記薬液を、被験者の腰痛部分と肩こりの部分に同様に1週間投与したところ、腰痛と肩こりの改善効果が見られた。
【0042】
参考例−4)
前記薬液吐出機構を複数の液室に別れたキヤノン社製BC−05カートリッジのヘッド機構を用いて構成した。このヘッドは、20個ずつのノズルが3つの種類のインクを吐出できるように分割されているものである。この3つの液室を3種類の薬液のインクタンクと接続した。
【0043】
1つの薬液は前記のインドメタシン配合の鎮痛薬効液、2つ目の薬液は前記唐辛子のカプサイシンの発熱発汗薬効液、3つ目の薬液は武田製薬(株)のアリナミン錠をエチルアルコール中で粉砕し、エチルアルコールをほぼ蒸発せしめた後に純水に溶解させた薬液である。
【0044】
これらの3つの薬液を前記薬液タンク6にそれぞれのタンクに分けて投与した。これら薬液の投入された前記のインクジェットによる薬液投与機構を被験者の腰痛の患部に装填し、同様に1週間の試験を行った。プログラムは、3分置きに、0.03mlをインドメタシン薬効液、アリナミン抽出液カプサイシン液の順番で行った。同時に、これらの薬液を試しに皮膚に投与した結果、違和感を感じたので、別々に分けて投与することとした。その結果、腰痛は前回使用した場合より、かなり改善された。
【0045】
また、薬液吐出口が直接皮膚に接触していない非接触型であるので、その部分に冷感や寒気を感じる場合は、その部分の皮膚に目の粗いガーゼなどを添付しても良い。そうすることで、薬液が直接皮膚に到達する確率が上昇するし、また、ガーゼに染み込んだとしても、ガーゼの繊維量は少ないので吸着量も少なく、さらに、人体の方へ再吸収される。
【0046】
ガーゼを、状況に応じて、適時薬液吸着量の少ないポリエステルやプリプロピレンの粗い繊維にしても良い。このようにすることで、間接的な薬液の投与を行うことが可能となる。
【0047】
(実施例−
ニトログリセリンは、血管の拡張作用が有り、心筋梗塞などの心臓病の処置薬として使用され、主に、経口投与の錠剤の形で市販され使用されている。また、近年は経皮膚投与の貼り剤に染み込ませた形での投与処方の場合もある。
【0048】
ニトログリセリンが、本発明の薬液吐出機構1にて、空間を飛翔して投与可能かどうかの実験を行った。ニトログリセリンは水には不溶であるが、エチルアルコール、イソプロピルアルコールなどには溶解する。日本国政府指定の防爆施設の内部にて、ニトログリセリンをイソプロピルアルコールに10wt%溶解させた溶液を作製し(第1工程)、これを1%のマゼンダ色素を溶解させた純水と1:1で混合し、ニトログリセリン5wt%の薬液3(吐出用液体組成物)とした。薬液は、薄いピンク色の均一な溶液となり、良好にニトログリセリンが混合溶解されていることを示した(第2工程)。この薬液3を注射器にて慎重に薬液タンク6に入れ、これを薬液吐出機構1にて、吐出、空間飛翔の確認を行った(第3工程)。その結果、何ら危険を伴うことなく良好に連続吐出と空間飛翔が確認された。確認は、紙の上に前記薬液を付着させて、マゼンダの色が紙に付着しているかどうかで行った。前記の10%のニトログリセリンのイソプロピルアルコール溶液とマゼンダ色素混合の純水の混合比率を、2:1にしても良好な吐出と空間飛翔、および、薬液の付着が確認された。上記の紙を、人体の皮膚に変更すれば、ニトログリセリンの人体の皮膚への投与は良好に行えるものである。また、イソプロピルアルコールをエチルアルコールに変更すれば、人体へのニトログリセリンの投与薬液とすることは容易に可能である。
【0049】
以上のように、本発明の吐出機構に使用され得る溶液に溶解する薬物であれば、その薬物は制限されない。使用され得る溶液としては、基本的には、水溶液であることが望ましい
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明にかかる参考例の薬液投与装置の概略斜視図である。
【図2】そのブロック構成図である。
【図3】薬液投与部分の断面概略図である。
【図4】従来技術の概略説明図である。
【符号の説明】
【0051】
1 薬液吐出機構
2 吐出ノズル
3 薬液
4 吐出部
5 人体
6 薬液貯蔵タンク
7 保護構造物
8 薬液吐出制御機構
9 携帯装置システム
30 個別液室中の薬液
31 薬液パイプ
41 薬液吐出駆動信号線
42 発熱素子
43 個別液室
44 共通液室
48 薬液タンク残量検知信号線
55 皮膚層
56 皮下組織
60 プログラム等の記憶メモリ部
61 演算制御部
81 電力供給部
82 電力供給線
91 動作スイッチ
94 筐体
95 固定ベルト
96 固定フック
300 飛翔中の薬液
100 従来の薬液投与機器
101 注入動作機構
102 その他制御機構

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ニトログリセリンをアルコールに溶解させる第1工程、
前記ニトログリセリンのアルコール溶液を水と混合する第2工程、
前記第2工程で得られた溶液をインクジェット吐出機構により吐出させる第3工程、
を含むことを特徴とするニトログリセリンを含む液体の吐出方法。
【請求項2】
インクジェット吐出機構により吐出させるための吐出用液体組成物であって、
ニトログリセリン、アルコール、水を含むことを特徴とする吐出用液体組成物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−55197(P2008−55197A)
【公開日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−283540(P2007−283540)
【出願日】平成19年10月31日(2007.10.31)
【分割の表示】特願平10−366927の分割
【原出願日】平成10年12月24日(1998.12.24)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】