説明

吐出装置

【課題】 構造簡単にして空気と液体の混合物が最適で良質な泡を吐出可能な吐出装置を提供する。
【解決手段】 本発明は泡を吐出するための吐出装置であって、液体および空気を保存するための手動圧縮可能な容器(2)を含み、該容器は、開口部(3)と、開口部の内部または上部に嵌め込まれる剛性の筐体(4、5)と、弁体(6)とを含み、該筐体は、吐出開口部(8)で終端する吐出通路(14)と連通している空気通路(11、12)ならびに液体通路(9)を含み、該弁体は、休止位置において、液体通路および空気通路から吐出通路への流れを防止するために、液体通路の開口および気体通路(10)の開口を封止した状態で被覆するとともに、吐出中には、空気と液体との混合を吐出通路の内部に生じさせるために、液体通路の開口および気体通路の開口を開放する、吐出装置に関する。本発明は、弾性の弁体が弓形部(6c)を含み、該弓形部は、液体通路中の液体が弁体に及ぼす圧力によって、弓形部が最初に液体通路の開口の封止を改善するよう、液体通路の開口の内部に延びることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、泡を吐出するための吐出装置、および、泡を形成するための泡形成組立体に関する。より詳細には、本発明はポンプ無しのスクイズ・フォーマーに関する。
特許文献1(米国特許第5,037,006号公報)は泡を吐出するための吐出装置を開示する。この公知の吐出装置は、液体および空気を保存するための手動圧縮可能な容器を含む。容器は、筐体が内部に嵌め込まれる開口部を含む。この筐体において、液体通路および空気通路は、吐出中に吐出開口部で終端する吐出通路と連通して配置されている。吐出装置は、休止位置において、液体通路の開口および空気通路の開口を封止する弁体をさらに含む。弁体は、外周で保持され、および、ばねによって液体通路および空気通路の開口に押し付けられる円形状の可撓性の要素である。
【背景技術】
【0002】
容器を圧縮/圧搾することによって、容器中の圧力は増加するので、液体通路および空気通路中の圧力も増加する。この上昇した圧力によって、空気通路および液体通路の開口の上部にある弁体は崩れ落ち、および、空気通路からの気流および液体通路からの液流が吐出通路の内部に集まる。吐出通路の内部では、液体と空気の混合物は、吐出開口部によって吐出される泡を作成するために、多数のふるいを通過する。
【0003】
容器が圧搾された後、容器自体の弾力性、または、容器の初期状態に復帰させるために設けられた復元手段のいずれかによって、容器は初期の状態に実質的に復帰する。
【0004】
公知の吐出装置の欠点は、空気と液体の混合物が最適ではなく、このため、泡の質が満足できるものでないことである。加えて、公知の吐出装置の構造は複雑であり、および、多くの構成部品を含み、これによって生産を複雑にしている。加えて、空気通路および液体通路は曲がっており、このため、液流および気流の速度は低下し、必然的に泡の質の低下にも至る。
【0005】
さらに、公知の吐出装置の欠点は、吐出装置が吐出開口部を下に向けて保持されている場合、液柱の圧力が液体通路の開口から弁体を押す可能性があり、このため、液体が吐出装置から漏出しうる。公知の吐出装置では、この漏出を防止するために、弁体を液体通路の開口に押し付けるばねの使用が提案されてきた。これは、別の部品を用いなければならないという欠点を有する。これによっても、ばねを開口に押し付けられる力が十分でない場合、漏出の可能性が依然として残る。これとは対照的に、十分な封止を得るためにねじによって作用する力が比較的大きい場合、弁を開放するために必要な力も比較的大きくなる。
【特許文献1】米国特許第5,037,006号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上述の欠点のうち1つ以上を解決する、泡を吐出するための吐出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、弾性の弁体が弓形部を含み、該弓形部は、液体通路中の液体が弁体に及ぼす圧力によって、弓形部が最初に液体通路の開口の封止を改善するよう、液体通路の開口の内部に延びることを特徴とする、吐出装置を提供する。
【0008】
このような実施形態は、吐出装置の休止位置において、弁体の上方にある液柱によって所定の圧力が弁体に作用するので、有利である。本発明ではこの圧力は、吐出開口部が下方を向いている休止位置において、液体通路の開口の封止を改善するために用いられる。
一実施形態では、弁体の弓形部は、弓形部がその内部に延びる開口の一方の縁部に他方の縁部よりも近接して位置する上部を含む。この形状を理由に、弓形部に作用する圧力によって、縁部上の弁体のより良好な封止が得られる。
【0009】
一実施形態では、弓形部は、開口の他方の縁部により近接している第2の上部を含む。この実施形態では、弓形部は、2個のこぶを持つ駱駝(「フタコブラクダ」)の背中に類似した断面を有してもよい。このような実施形態では、開口の対向する両縁部の上に、より良好な封止が得られる。
このような実施形態は、弁体の1つまたは複数の上部もまた環状である、環状開口を有する吐出装置において、とりわけ有利でありうる。
【0010】
一実施形態では、気体通路の開口および液体通路の開口は略環状であり、および、互いに略同心円状に配置されている。
【0011】
環状の設計の気体通路および液体通路の開口を作成することによって、吐出される液体および液体と混合される空気の量が、できる限り大きな表面積上に分布する。2個の環状開口が互いに略同心円状に配置されているので、改善された液体と気流との混合が得られる。
【0012】
この点において、液体通路および/または空気通路の環状開口は、1個の略環状開口によってまたは円形に配置されている多数の開口部によって形成されてもよいことがわかる。
【0013】
一実施形態では、液体通路の環状開口の直径が空気通路の環状開口の直径よりも大きい。この結果として、液体通路の環状開口から流れる液体は、泡が吐出されている時は気体通路の環状開口を通って流れ、良好な混合物が達成される。
【0014】
一実施形態では、弁体は略円錐状である。語「円錐状」は、弁体が略円対称の設計であること、および、対称の中心軸の方向において、直径が弁体の一方の端部において弁体の他方の端部よりも大きいことを意味すると理解される。直径は、全長にわたって次第に小さくなってもよいが、円錐形状の長さの一部にわたって増加するか一定のままであってもよい。
【0015】
一実施形態では、弁体は少なくとも部分的に、可撓性の、好ましくは弾性の、材料、たとえばシリコーンから成る。弁体を可撓性の材料から製造することによって、弁体の弁機能を提供するために、吐出装置中に別の移動する構成部品を設置する必要はない。弾性の材料を用いることによって、容器が圧搾された結果、泡が吐出された後、弁体は休止位置に復帰する。しかし、この復帰運動は、他の適切な方法において、ばね要素を用いることによって、または、弁体にプリテンションをかけることによって、影響を受けうる。
【0016】
一実施形態では、筺体は中心軸に対して略円対称であり、および/または、吐出される液体は、吐出中に、筺体の長手方向に相対する方向に移動する。このような実施形態では、液体の主方向が2回以上逆向きになる複雑な流路を進む必要はない。これによってまた、吐出装置の比較的単純な構成が可能になる。
【0017】
本発明による泡形成組立体は、液体および空気を保存するための手動圧縮可能な容器を含み、該泡形成組立体が前記容器の開口部の上部または内部に搭載可能であるスクイズ・
フォーマーに有利に適用してもよい。
【0018】
泡を吐出するための吐出装置の代替的な実施形態では、本発明による泡形成組立体は、圧力を受けた液体および気体を保持する容器の内部または上部に、たとえば、発泡性液体および推進高圧ガスを備えた容器の上部に配置されてもよい。また、泡形成組立体は、圧力を受けた発泡性液体および気体を提供できる任意の他の装置、たとえば、液体ポンプおよび空気ポンプを備えた装置、または、連続的に圧力を受けた液体補給品および気体補給品を備えた装置を提供することができる装置、と組み合わせてもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、下記の添付の図面を参照して例示的な実施形態によって、本発明をさらに詳細に説明する。
【0020】
図1および2は、本発明による吐出装置の第1の実施形態を示す。吐出装置は全体が参照番号1によって示される。吐出装置1はスクイズ・フォーマー型である。このようなスクイズ・フォーマーは、容器が圧搾されることによって、吐出開口部を通って泡を吐出する。容器が圧搾された後、容器は、容器自体の弾力性、または、容器の初期状態に復帰させるために設けられた復元手段のいずれかによって、初期状態に復帰する。
【0021】
吐出装置1を用いて形成することができる泡は、たとえば、石鹸、シャンプー、髭剃りクリーム、洗浄液、日焼けローション、日焼け後ローション、液体洗剤、スキンケア製品などといった、様々な異なる用途に適しうる。
【0022】
吐出装置は休止位置において示されている、すなわち、容器は圧搾されていない。このようなスクイズ・フォーマーは手で操作できる。しかし、この目的を対象とした装置を用いるにあたり、容器を押すことも可能である。
【0023】
図示されたスクイズ・フォーマーは、吐出中は手で保持することができる。このスクイズ・フォーマーまたは類似の吐出装置を、たとえば公衆トイレにおいて見い出すことができるホルダーに類似した、たとえば壁に取り付けられるホルダーに、設置することもできる。
【0024】
吐出装置1は液体および空気を含有する手動圧縮可能な容器2を含む。容器は、泡形成組立体が嵌め込まれる開口部3を有する。容器2は任意の適切な形状、たとえば、楕円形または円形断面を有する形状を有してもよい。
【0025】
泡形成組立体は、対称の中心軸A−Aに対して略円対称である。該泡形成組立体は、第1の筐体部4および第2の筐体部5を備えた筐体を含む。第2の筐体部5はねじ接続によって容器2に取り付けられ、第1の筐体部4は、容器2と第2の筐体部5との間で封止した状態でクランプ止めされている。代替的には、第2の筐体部5は、スナップ接続、溶接接続、気密封止または他の適切な接続によって、容器2の上部または内部に取り付けられてもよい。さらに、該泡形成組立体は、第1の筐体部4と第2の筐体部5との間のクランプ止め部6aの近傍にクランプ止めされる略円錐状の弁体6を含む。弁体6は可撓性の、好ましくは弾性の材料から成る。シリコーンは弁体6にとって特に適切な材料であることが実証されている。
【0026】
液体に相対して、空気は容器2の上部に位置している。この液体およびこの空気を吐出装置1によって泡へと変化させることができ、泡は封止蓋7の中の吐出開口部8を通って吐出される。液体と空気との混合を可能にするために、容器中の液体から、第1の筐体部4中の開口部9を介して液体通路(円形の縁部4aと4bとの間の)の環状開口10まで至
る液体通路が設けられている。
【0027】
空気には、容器2の上部の空気から、管11を介して、空気通路(円形の縁部4aと4cとの間の)の環状開口12へと至る空気通路が設けられている。示されている休止位置において、環状開口10および環状開口12の両方が弁体6によって封止されている。2個の環状開口10、12が開放されている場合、すなわち、弁体6によって封止されていない場合、液体通路および空気通路は吐出通路と連通する。吐出通路は、2個の小さなふるい13Aを備えたふるい要素13が内部に配置された弁体6の中央部を通り、弁体6の中央開口部14を通り、第2の筐体部5および封止蓋7を通り、吐出開口部8へと至る。
【0028】
原則として、空気通路は、休止位置において弁体によって被覆される空気通路の開口と流体連通する容器中に空気を取り込む1本以上の空気管を含む。対応して、液体通路は、液体の休止位置において弁体によって被覆される液体通路の開口と流体連通する容器中に液体を取り込む1本以上の液管を含む。
【0029】
液体通路の環状開口10、空気通路の環状開口12、および、吐出通路は互いに略同心円状に配置されている。この場合、環状開口10の直径は環状開口12よりも大きい。さらに、弁体6中の中央通路14の内径は、環状開口10および12それぞれの直径よりも小さい。ここで、弁体6についてより詳細に論じる。点6aにおいて、弁体6は第1の筐体部4と第2の筐体部5との間に封止的にクランプ止めされる。さらに、弁体は、環状縁部4aおよび4cによって円錐状面5に押し付けられる。休止位置において、円形の縁部4aおよび4cに沿ってより良好な封止を得るために、弁体6は第1の筐体部4と第2の筐体部5との間のいくつかの軸方向のプリテンションに嵌め込まれる。
【0030】
弁体6は、少なくとも部分的に、液体通路の環状開口10内に位置する弓形部6cを有
する。この弓形部6cは、容器中の液柱および休止位置において弁体を押し付ける液体通
路によって、より良い封止が地点4aで得られるという利点を有する。これによって、弓形部6cが内向きに押され、このため、弓形の両側が横方向に押される。この結果として
、弓形部6cの外側がクランプ6aに向かって押され、および、弓形部6cの内側が、円形の縁部4cおよび円形の縁部4aに押し付けられ、これによって封止作用が高められる。
【0031】
この場合、環状開口10の内部で延びる弓形部6の断面は対称的な設計でないこと、しかし、弓形部6cの上部が縁部4aの比較的近傍に位置すること、すなわち、弓形部6cの
上部が縁部4bよりも縁部4aにより近傍にあることはとりわけ有利である。この形状によって、弓形部6cは、液柱の圧力を受けて、とりわけ縁部4cを押し付け、ここに良好な封止をもたらす。環状開口10の反対側が部分6aでのクランプ止めによって封止されるので、開口は大きなクランプ力を必要とすることなく弁体6によって効率的に封止される。
【0032】
弁体6が開口の片側にクランプ止めされていない代替的な実施形態では、両方の縁部に作用する弁体の弓形部の非常に強いクランプ効果の利点を達成するために、上部を開口の両方の縁部の近傍に設けることができる。弁体の弓形部の断面は、弁体の2個の上部が駱駝のこぶを表している駱駝の背中に類似している。
【0033】
クランプ止め部6aの外側に位置する側では、弁体6は、容器2中の液体が吐出されたために容器2中に所定の減圧が形成される場合に、空気を容器2中に取り入れることができる吸気弁用の弁としての働きをする封止リップ6bを有する。封止リップ6bは外側に向かう容器2の通路を通常は封止するが、しかし、容器2中に減圧がある場合は、外部から開口部15を通る容器2への空気の流れを可能にする。
【0034】
吐出装置1は封止蓋7をさらに含む。第2の筐体部5に相対して、この封止蓋7は、図
1および2に示すように、少なくとも開放位置、および閉鎖位置(図面の上側に向かって、筺体と相対)へと移動することができる。閉鎖位置において、第2の筐体部5の突起部5bは吐出開口部8へと移動し、吐出開口部8を通って泡を吐出することができないようにする。弁体6bおよび開口部15を介して容器2の内部に至る吸気通路は、封止蓋が閉
鎖位置に位置する場合に封止される。封止蓋7は、さらに、第2の筐体部5の相補的フィンガーと係合する多数の上向きフィンガーも有する。これら相互に係合するフィンガーは閉鎖位置においてさらなる封止を形成する。
【0035】
第1の筐体部4の外周の近傍において、第1の筐体部4は、容器2の方向に斜めにおよび内向きに(中心線A−Aに向かって)延びる自由突起リップ29を有する。このリップ29は、第1の筐体部4と容器2との間の接続を封止するための封止要素としての働きをする。このような封止は蟹爪としても知られているが、しかし、泡吐出装置において、とりわけスクイズ・フォーマーにおいてこれまで用いられたことはなかった。
【0036】
容器2が封止蓋の開放位置において圧搾されると、容器2中の圧力が増加する。最初は、圧力が増加すると、確実に、弁体6の弓形部6cが環状縁部4aにより強く押し付けら
れ、弁体6と環状縁部4aとの間により良い封止状態の間をもたらす。縁部4aを圧搾す
ることによって容器2中の圧力がさらに増加すると、弓形部6cはある時点で下方へと移
動し、その結果、環状縁部4aから外れる。この結果、環状縁部4aと弁体6との間の間
隙を通って液流が流れる。容器内の圧力が増加することによって、その後、弁体6も環状縁部4cから外れ、空気および液流は環状縁部4cと弁体6との間を流れることが可能になる。こうして、液体は空気とここで混合される。液体と空気の両方が狭い円形の間隙の間を流れるので、空気と液体の良好な混合物が結果として生じる。この空気と液体の混合物は次いで小さなふるい13Aを通って流れる、これによって(改善された)泡を生産する。この泡は吐出通路を通り吐出開口部へと下方に向かって、吐出開口部より泡が吐出される。
【0037】
弁体6は、こうして、いわば連続的に、吐出中に環状縁部4aおよび4cの上を転がり、こうして、液体および空気は、吐出通路を介して吐出開口部へと流れることができ、吐出通路の内部に泡を形成する。この転がり効果は泡を形成するために有利であることが見出されてきた。
【0038】
吐出装置1の実施形態の第1の利点は、液体通路および空気通路の環状開口は、比較的大きな表面積にわたって液体および空気を分配させ、比較的良好な混合をもたらすことである。ちなみに、この利点は、一方または両方の環状開口が360度未満の角度で延びるか、または、集合的に分断された環状開口部を形成するいくつかの開口部へとさらに分割される場合にも達成される。このような実施形態は、本発明の保護の範囲内にあると考えられる。
【0039】
代替的な実施形態では、弁体を堅く設計し、および、ばね要素を用いて第1の筐体部4に弁体を押し付けたり引いたりできる。容器中の圧力が増加すると、ばねは次いで、圧縮または延出され、弁体6と第2の筐体部4との間に間隙を形成する。この結果として、泡を形成および吐出することが可能になる。しかし、このような実施形態では、上記に記載の有利な転がり効果は発生しないであろう。
【0040】
吐出装置1の実施形態の第2の利点は、弁体の内部に設けられた中央開口部14によって、液流および/または気流が90度以上で曲がる必要はないことである。この開口部14を設けることによって、液流および気流は速度を維持することができ、したがって、より良好な液体と空気の混合物が生じる。この場合、弁体6が略円錐状に設計され、その結果、液流および気流の速度がさらにより効果的に維持されると、さらに有利である。加え
て、円錐形状は、泡の生産を支援するふるい要素を円錐に嵌め込むことができるという利点を有する。ふるい要素を円錐形状に嵌め込むことによって、筺体の全体の高さは減少する。一般に、吐出装置の図示された実施形態が、吐出される液体は、吐出中には、対称の中心軸の方向と相対する方向に移動するという利点を有する。このことは吐出装置の具体的な構造によって可能になり、および、所望の品質の泡を生成するのに役立つ。
【0041】
吐出装置1の実施形態の第3の利点は、弁体6の弓形部6cが第2の筐体部4と弁体6
との間の封止を支持することである。その結果、休止位置において、すなわち、容器2が圧搾されない場合に、より良好な封止が達成され、こうして、液体が吐出装置から漏出するリスクを低減する。加えて、弓形部6cは、弁体が第2の筐体部4から外れる圧力閾値
を作成し、一定の品質をもつ改善された泡を保証する。
【0042】
図3(すなわち、図3Aおよび3B)は本発明によるスクイズ・フォーマーの第2の実施形態を示す。このスクイズ・フォーマーは、図1および2に示される実施形態にしたがって一般に構成される。したがって、このスクイズ・フォーマーの略同一の構成部品を示すために同一の参照番号が用いられてきた。さらに、図1および2によるスクイズ・フォーマーの上述の動作は、一般に図3Aの実施形態にも適用される。
【0043】
図1および2のスクイズ・フォーマーと図3Aのスクイズ・フォーマーとの最も重要な違いは、図3Aにおいて参照番号20によって示される第3の筐体部を含むことである。この追加的な筐体部20によって、図3のスクイズ・フォーマーは下記に記載される多数の追加的な利点を有する。
【0044】
第3の筐体部20は、弁体6上のクランプ止め部6aと第1の筐体部4との間でクランプ止めされる。この実施形態では、弁体6はこうして第2の筐体部5と第3の筐体部20との間でクランプ止めされる。第1の筐体部4は、開口部9aおよび9bをそれぞれ内部に設けたスリーブ4e/4fを含む。これらスリーブ4e/4fは、封止した状態で第3の筐体部の開口部24内に配置される。
【0045】
開口部9aを通って環状開口10へと流れる液体は、このように、第1の筐体部4と第
3の筐体部20との間に位置する空間21には到達できない。この空間21は、吸気弁6bのすぐ上の空間22とライザー11の内部とを接続する。この結果として、所定量の液
体の吐出後に、容器2の通気中に吸気弁6bを通って進入する空気は、空間22および2
1を連続的に通って、およびライザー11を通って、容器2の上部へと流れる。図1および2の実施形態と比較して、容器2の通気の前に、空気が容器2中の液体を通過することが防止される。図1および2の実施形態は、瓶を通気するのに必要な空気は液体を通って流れるので、泡が容器2中にすでに形成されている可能性があるという欠点を有する。
【0046】
第3の筐体部20を用いて空間21を形成することによって、通気中の容器2中での泡の生産は、このように、構造的に単純な態様で防止される。代替的な実施形態では、たとえば図1および2の実施形態において、第1の筐体部4または第2の筐体部5を通る空気管を設けることができる。空気管は、吸気弁をライザーの内部に接続して、空気が容器中の液体の間を流れる必要なしに容器を通気できる。
【0047】
図3Aのスクイズ・フォーマーの実施形態の別の利点は、第3の筐体部20を設けることによって、スクイズ・フォーマーを、下記に詳細に説明するように、単純な態様で、2つ以上の空気/液体の比率で泡を供給できるようにすることである。
【0048】
図4は第1の筐体部4の上面図を示す。この第1の筐体部4は略円形であり、および、3個の開口部9が他の3個の開口部9bよりも大きな直径を有する、6個の開口部によっ
て囲繞された中央開口部23を含む。泡が吐出されている間、および容器2の通気中にも、空気は中央開口部23を通って流れる。所望の空気/液体の比率に応じて、1個以上の開口部9aおよび9bが、スクイズ・フォーマーの操作中に、液体が開口部を通って流れることができるよう、設けられている。
【0049】
図5は第3の筐体部20の上面図を示す。この第3の筐体部20は、第3の筐体部20の第1の筐体部4に対する回旋位置に応じて、第1の筐体部4の大きな開口部9aまたは
小さな開口部9bのいずれかと整列できる3個の開口部24を含む。第3の筐体部20は
、第2の筐体部20に対する第1の筐体部4の位置に応じて、大きな開口部9aまたは小
さな開口部9bのいずれかを封止する3個の封止穴25をさらに含む。
【0050】
図3Aはその左側に、開口部9aが内部に設けられた第1の筐体部4のスリーブ4eが、開口部24が内部に設けられたスリーブの中に位置しており、一方、図の右側に示すように、開口部9bが内部に設けられたスリーブ4fは、封止穴25によって封止されていることをはっきりと示している。したがって、スクイズ・フォーマー1の動作中、液体は3個の大きな開口部9aのみを通過する。
【0051】
仮に、第1の筐体部4および第3の筐体部20が互いに60度回旋したとすると、開口部24は小さな開口部9bと整列し、一方、大きな開口部9aは封止穴25によって封止されたであろう。この結果、スクイズ・フォーマーの動作中にはより少量の液体が開口部9bから流れ、一方、容器2が圧搾されたことによって、ライザー11を通って流れる空気
の量は、実質的に同じままであろう。こうして、空気/液体の比率は第3の筐体部20に対する第1の筐体部4の回旋位置に応じて変化する。
【0052】
この構成によって、封止穴によって随意的に封止される第1の筐体部中の開口部の数を変化させることによって、ならびに、それぞれの開口部の大きさを変化させることによって、空気/液体の比率を変化させる多くの可能性が提供されることは、当業者にとって明らかである。
【0053】
空気/液体の比率に影響を及ぼす別の可能性は、空気通路の最小の直径の調整、たとえば、ライザー11の内径を調整すること、または第1の筐体部4中の中央開口部23の直径を調整することによる。空気/液体の比率を調整するために提供された選択肢を用いて、容器2が圧搾される時に形成される泡の総量に影響を及ぼすこともできる。
【0054】
図3Aの本実施形態では、2つの位置のみが可能である:図3に示すように、3個の大きな開口部9aを通って液体が吐出される位置、および、第1の筐体部4が第3の筐体部2
0に対して60度回旋し、これによって、液体が3個の小さな開口部9bを通って吐出さ
れる位置である。スクイズ・フォーマー1の様々な構成部品を容器2に嵌め込む際、第1の筐体部4が第3の筐体部20に対して嵌め込まれる位置に関して、たとえば液体に応じて選択が行われる。
【0055】
さらに図5は、第3の筐体部20の中央部と外側部が架橋部26によって互いに接続されていることを示す。これら架橋部26によって、3個の開口部によって開口12が形成され、該開口部は輪形状に配置される。いくつかの開口部を備えた開口12のこのような実施形態は、本発明の出願の文脈において言及される略環状開口とみなされる。
【0056】
図3の実施形態と図1および2の実施形態との別の違いは、図3の実施形態において、2個の小さなふるい28aを含む第2のふるい要素28が設けられていることである。形
成される泡およびこの目的で用いられる液体に応じて、この第2のふるい要素28を用いて、吐出される泡の品質にさらに影響を与えてもよい。一般に、追加的なふるい要素を設
けることによって、泡がより微細およびより均一になる。適用に応じて、これらふるい要素13、28のうち1つまたはその組み合わせを選択することができ、それぞれのふるい要素13、28中に用いられる小さなふるいの型を用途に適するよう修正することもできる。代替的な実施形態では、ふるい要素13、28は、ふるい要素単体としてとして設計することもでき、このふるい要素単体の半分が弁体の中に延びている。
【0057】
可能な一実施形態において、小さなふるいのうち一つは、比較的小さな1個以上の穴を有する小さな板と置換され、これによって、ふるい要素に拡大空間機能を与える。
【0058】
スクイズ・フォーマーの上述の実施形態は、蓋位置が下を向いている位置で記載されてきた。上記および/または下記のすべての参照は、この位置に相対して行われる。吐出装置はこの位置で用いられるよう設計されている。この場合、封止蓋7は、この封止蓋7の上に吐出装置を立設されるよう設計され、一方、容器2は、上部が凸型であるため、上部の上に立設するには適していない。しかし、泡を吐出するおよび/または休止するために、吐出装置を上下逆に(示された位置とは反対に)できる実施形態を提供することも可能である。このような実施形態は、本発明の保護の範囲内にあるとみなされる。
【0059】
一態様に関して記載した個々の特徴は、本発明の他のいずれかの一態様による実施形態においても適用できることは当業者には明らかである。このような実施形態は、本発明の保護の範囲内にあるとみなされる。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明による吐出装置の第1の実施形態の断面を示す。
【図2】図1の吐出装置の一部をより詳細に示す。
【図3A】本発明による吐出装置の第2の実施形態の断面を示す。
【図3B】図3Aの吐出装置の一部をより詳細に示す。
【図4】図3Aの実施形態の第1の筐体部の上面図を示す。
【図5】図3Aの実施形態の第3の筐体部の上面図を示す。
【符号の説明】
【0061】
1 吐出装置
2 容器
3 開口部
4 第1の筐体部
5 第2の筐体部
6 弁体
6a クランプ
7 封止蓋
8 吐出開口部
9 開口部
10 環状開口
11 ライザー
12 環状開口
12 開口
13 要素
14 開口部
15 開口部
20 筐体部
23 中央開口部
24 開口部
25 穴
26 架橋部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体および空気を保存するための手動圧縮可能な容器と、および
容器中の開口部の内部または上部に取り付けられる泡を形成するための泡形成組立体と、
を含み、
該泡形成組立体は、
それぞれが開口部で終端するとともに吐出開口部で終端する吐出通路 と連通している、空気通路および液体通路を有する筐体と、および
休止位置において、液体通路および空気通路から吐出通路への流れを 防止するために、液体通路の開口および気体通路の開口を封止した状態 で被覆するとともに、吐出中には、空気と液体との混合を吐出通路の内 部に生じさせるために、液体通路の開口および気体通路の開口を開放す る弁体と、
を含む、
泡を吐出するための吐出装置であって、
弾性の弁体が弓形部を含み、該弓形部は、液体通路中の液体が弁体に及ぼす圧力によって、弓形部が最初に液体通路の開口の封止を改善するよう、液体通路の開口の内部に延びる
ことを特徴とする吐出装置。
【請求項2】
弁体の弓形部の上部が、弓形部がその内部に延びる開口の一方の縁部に他方の縁部よりも近接して位置する、請求項1に記載の吐出装置。
【請求項3】
弓形部が開口の他方の縁部により近接している第2の上部を含む、請求項2に記載の吐出装置。
【請求項4】
弓形部がその内部に延びる開口が環状である、請求項1に記載の吐出装置。
【請求項5】
弁体が略円錐状である、請求項1に記載の吐出装置。
【請求項6】
弁体が、すべての側に自由に延びるとともに容器を通気するために、筺体中の通気開口部用の弁としての役割を果たす縁部を含む、請求項1に記載の吐出装置
【請求項7】
気体通路の開口および液体通路の開口は略環状であり、および、互いに略同心円状に配置されている、請求項1に記載の吐出装置。
【請求項8】
液体通路の環状開口の直径が空気通路の環状開口の直径よりも大きい、請求項7に記載の吐出装置。
【請求項9】
弁体が、弁体を筺体中に締め付ける環状のクランプ止め部を含み、および、クランプ止め部の直径が液体通路の環状開口および気体通路の環状開口の直径よりも大きい、請求項7に記載の吐出装置。
【請求項10】
吐出通路が液体通路および空気通路の環状開口と同心円状に配置されている、請求項9に記載の吐出装置。
【請求項11】
弁体が弾性である、請求項1に記載の吐出装置。
【請求項12】
吐出装置が対称の中心軸に対して略円対称であり、および、吐出される液体が、吐出中に、対称の中心軸の方向に相対する一方向に移動する、請求項1に記載の吐出装置。
【請求項13】
弁体がシリコーン材料から成る、請求項1に記載の吐出装置。
【請求項14】
液体通路および/または空気通路の環状開口が1個の開口部を含む、請求項1に記載の吐出装置。
【請求項15】
液体通路および/または空気通路の環状開口が、数個の開口部を含む、請求項1に記載の吐出装置。
【請求項16】
弁体が液体通路の開口および気体通路の開口に押し付けられるよう、弁体が筺体中に軸方向のプレストレスを搭載した、請求項1に記載の吐出装置。
【請求項17】
吐出装置が、容器を圧搾することによって泡が吐出できる開放位置と、吐出開口部が封止される閉鎖位置との間を移動することができる封止蓋を含む、請求項1に記載の吐出装置。
【請求項18】
それぞれが開口で終端するとともに、吐出開口部で終端する吐出通路と連通している空気通路および液体通路を有する筐体と、および
休止位置において、液体通路および空気通路から吐出通路への流れを防止するために、液体通路の開口および気体通路の開口を封止した状態で被覆するとともに、空気と液体との混合を吐出通路の内部に生じさせるために、吐出中に、液体通路の開口および気体通路の開口を開放する弁体と
を含む、泡を形成するための泡形成組立体であって、
弾性の弁体が弓形部を含み、該弓形部は、液体通路中の液体が弁体に及ぼす圧力によって、弓形部が最初に液体通路の開口の封止を改善するよう、液体通路の開口の内部に延びる
ことを特徴とする泡形成組立体。
【請求項19】
請求項18に記載の泡形成組立体を含み、液体通路および空気通路が、圧力を受けた液体を含む液体源、および、圧力を受けた気体を含む気体源とそれぞれ接続されている、泡を吐出するための吐出装置。
【請求項20】
請求項18に記載の泡形成組立体を含み、液体通路および空気通路は、発泡性液体および気体とりわけ空気を含む容器と流体連通し、発泡性液体および気体は圧力を受けているかまたは圧力を受けることができる、泡を吐出するための吐出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2009−524558(P2009−524558A)
【公表日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−552251(P2008−552251)
【出願日】平成19年1月23日(2007.1.23)
【国際出願番号】PCT/NL2007/000023
【国際公開番号】WO2007/086731
【国際公開日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【出願人】(501492557)レクサム エアースプレー エヌ ブイ (7)
【Fターム(参考)】