説明

向上したアントラキノン着色剤組成物およびその製造法

本発明は、低いパーセントの不純物を含有するN,N'-ジアルキレンオキシ-置換1,4-ジアミノアントラキノン着色剤の組成物、該組成物を製造する方法、ならびに消費者製品の着色における、そのように製造された組成物の使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少ない割合で不純物を含有するN,N'-ジアルキレンオキシ-置換1,4-ジアミノアントラキノン着色剤の組成物、該組成物を製造する方法、および、消費者製品の着色における、そのように製造された組成物の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
アミノアントラキノンが、油、薬剤、化粧品、ワックスおよび洗浄剤の、染料および着色剤として使用されることは周知である。N,N'-ジアルキレンオキシ-置換1,4-ジアミノアントラキノンは、通常、青色であり、一般に、多くの他の青色発色団より鮮やかであり、特に、高アルカリ環境、熱および光に関して、優れた望ましい安定性を有する。本発明は、一般式(I):
【化1】

[式中、
A1およびA2は、互いに独立して、ポリエチレンオキシ-、ポリプロピレンオキシ-、またはポリエチレンオキシ-/ポリプロピレンオキシ-コポリマーであり;ポリエチレンオキシ-および/またはポリプロピレンオキシ-反復単位の数は、25またはそれ未満であり;または
A1およびA2は、互いに独立して、-CH2CH2CH2M[(CH2CH2O)x]y-であり、ここで、MはOまたはNであり、x= 1〜5であり、MがOのとき、y = 1であり、MがNのとき、y = 2であり;
R1およびR2は、ポリアルキレンオキシ鎖の末端基を表し、互いに独立して、OH、NH2およびC1〜C8アルコキシ基から成る群から選択される。]
で示される化合物を含有する着色剤に関する。
【0003】
本発明の着色剤は、着色剤の製造工程の間に発生する不純物を極めて低レベルで含有する。約1.0wt%未満の量で存在する1つの不純物は、紫色不純物である。この不純物は、一般式(II):
【化2】

[式中、A1およびR1は、一般式(I)のように定義される。]
で示される。
【0004】
約1.0wt%未満の量で着色剤組成物に存在する他の不純物は、水およびメタノールに不溶性の黒色物質である。
【0005】
N,N'-ジ脂肪族-置換1,4-ジアミノアントラキノン着色剤は、一般に、適当なアミンを使用して、1,4-ジヒドロキシアントラキノン(即ち、キニザリン)または2,3-ジヒドロ-9,10-ジヒドロキシ-1,4-アントラセンジオン(即ち、ロイコキニザリン)またはこれらの化合物の混合物から合成される。例えば、Baxterらの米国特許第5756844号は、アミノアントラキノン染料濃縮物を製造する方法を開示し、該方法において、キニザリンおよび/またはそのロイコ誘導体を3つまたはそれ以上の脂肪族アミンの混合物と反応させ、該反応を、有機溶剤、例えばグリコールおよび/またはグリコールエーテル(例えば、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル)の存在下に行っている。Titteringtonらの米国特許第6447591号は、ロイコキニザリンとキニザリンとの混合物から、ワックス状置換アントラキノン化合物を製造する方法を開示している。Buxbaumの米国特許第3164449号およびGraserらの米国特許第3597254号は、ガソリン着色剤としての1,4-ジアルキルアミノ-置換アントラキノン着色剤および混合物を開示している。
【0006】
これらの方法によるアントラキノン着色剤の製造には、いくつか不利な点がある。例えば、これらの特許のいくつかは、有機溶剤および触媒を着色剤の製造に使用しうることを開示している。一般に高価格で環境に優しくない有機溶剤の使用は、溶剤を除去するために、合成後の着色剤の精製を必要とする。さらに、これらの特許に記載されているアントラキノン着色剤のほとんどは、比較的低分子量分子であり、室温で一般に固体である。従って、これらの特許に開示されている染料の大部分は、室温で水溶性でなく、周囲条件で水相溶性でなく、水不堅牢性(即ち、非汚染性(non-staining))でない。
【0007】
他の反応経路を使用して、本明細書に開示するN,N'-ジアルキレンオキシ-置換1,4-ジアミノアントラキノン着色剤を製造することもできる。例えば、ドイツ特許第125698号に開示されているように、1,4-ジハロアントラキノン化合物を、適当なアミンおよび触媒(例えば、塩化銅)と反応させて、1,4-ジ脂肪族アミノアントラキノン着色剤が得られる。1,4-二置換アミノアントラキノン化合物は、ドイツ特許第172464号に開示されているように、1,4-ジアミノアントラキノンから、有機ハロゲン化物との反応によっても製造しうる。さらに、Zielskeの米国特許第4746461号に開示されているように、1,4-ジトシルオキシアントラキノンを使用して、対称および非対称1,4-ジアミノアントラキノン着色剤の両方を製造しうる。しかし、これらの方法に必要とされる原材料は、一般に容易に入手できない。さらに、これらの方法の多くは、経済的でなく、生成される化学廃棄物により、環境に優しくない。
【0008】
他のアントラキノン着色剤、例えば1,4-二置換脂肪族アミノアントラキノンが、Rekersらの米国特許第4846846号に開示されており、アントラキノンを、水中のキニザリン、ロイコキニザリンおよびアミンの混合物から生成し、次に、種々の精製法を行っている。好ましいアミンは、分子の末端に、反応性基、例えば、-OH、-NH2または-SHを有するsec-アルキル第一級アミンである。これらのアントラキノン着色剤は、ポリウレタン樹脂、特に発泡体を着色するために使用される。Farmerの米国特許第4137243号は、ロイコキニザリンおよびポリマージアミンからの、末端アミノ基を有するポリマーアントラキノン着色剤を開示している。ロイコキニザリンは、キニザリンをナトリウムヒドロサルファイトと還元することによりイン・サイチューで生成し得る。前記特許の方法によって製造されたポリマーアミノアントラキノン着色剤は、高レベルの不純物も含有し、従って、より高い純度のアントラキノン着色剤を得るためにさらなる精製が必要とされる。低融点または液体水溶性アントラキノン着色剤の精製は、通例、一般に環境に優しくない有機溶剤を必要とすることが多い時間のかかる抽出および洗浄処理を含む。加えて、これらの溶剤は、多くの消費者製品用途における使用に一般に適さず、完全な除去を必要とする。有機溶剤は、高価格であることが多く、アントラキノン着色剤の製造の間に付加的廃棄物を生じる。さらに、これらのアントラキノン着色剤における不純物のいくつかは、濾過するのが困難な場合が多く、通常、濁った色、変色(shade shift)および汚染を生じる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従って、種々の消費者製品(例えば、液体および固体洗濯用洗剤および液体繊維柔軟剤)に使用しうる着色剤であって、低レベルの不純物を有し、非汚染性であり、有機溶剤を使用せずに製造され、かつ高コストで時間のかかる精製および濾過工程を必要とせずに製造される着色剤が必要とされている。従って、本発明の1つの目的は、不純物の量が減少したN,N'-ジアルキレンオキシ-置換1,4-ジアミノアントラキノン着色剤を提供することである。本発明の他の目的は、溶剤を使用せずにそのようなアントラキノン着色剤を製造する方法を提供することである。本発明の他の目的は、消費者製品、例えば、液体および固体洗濯用洗剤および液体繊維柔軟剤の着色において、これらの本発明着色剤を使用することである。
【0010】
本明細書に記載されている全ての米国および外国特許ならびに米国特許出願は、全体として参照により本明細書に組み入れられる。
【0011】
本明細書に使用されている「ポリアルキレンオキシ」という用語は、下記の反復単位を有する分子構造を一般に意味する:-CH2CH2O-、-CH2CH2CH2O-、-CH2CH2CH2CH2O-、-CH2CH(CH3)O-、-CH2CH2CH(CH3)O-、およびそれらの任意組合せ。
【0012】
本明細書に使用されている「アントラキノン」という用語は、下記の一般化学構造および番号付けを一般に意味する:
【化3】

【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明のN,N'-ジアルキレンオキシ-置換1,4-ジアミノアントラキノン着色剤は、一般式(I):
【化4】

[式中、
A1およびA2は、互いに独立して、ポリエチレンオキシ-、ポリプロピレンオキシ-、またはポリエチレンオキシ-/ポリプロピレンオキシ-コポリマーであり;ポリエチレンオキシ-および/またはポリプロピレンオキシ-反復単位の数は、25またはそれ未満であり;または
A1およびA2は、互いに独立して、-CH2CH2CH2M[(CH2CH2O)x]y-であり、ここで、MはOまたはNであり、x= 1〜5であり、MがOのとき、y = 1であり、MがNのとき、y = 2であり;
R1およびR2は、ポリアルキレンオキシ鎖の末端基を表し、互いに独立して、OH、NH2およびC1〜C8アルコキシ基から成る群から選択される。]
で示され;
該着色剤は、約1.0wt%またはそれ未満の、一般式(II):
【化5】

[式中、A1およびR1は、一般式(I)のように定義される。]
で示される不純物を含有し;
該着色剤は、約1.0wt%未満またはそれ未満の、水およびアルコール不溶性黒色不純物を含有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明のN,N'-ジアルキレンオキシ-置換1,4-ジアミノアントラキノン着色剤は、好ましくは水溶性である。特に、着色剤は、所望の最終用途のために充分な着色を与える濃度において水溶性であるのが好ましい。さらに、本発明のN,N'-ジアルキレンオキシ-置換1,4-ジアミノアントラキノン着色剤は、あらゆる種類の支持体、例えば、人の皮膚、織物基材、被覆面(例えば、塗装面)、セラミック面などにおいて、水不堅牢性(即ち、水を使用して支持体から洗浄可能)であるのが好ましい。さらに、本発明のN,N'-ジアルキレンオキシ-置換1,4-ジアミノアントラキノン着色剤は、一般に、周囲条件において液体または半固体である。「半固体」は、通例、着色剤が高粘性液体であるか、またはペースト状の場合もあり、融点を有する場合、それは一般に約60℃未満であることを意味する。
【0015】
N,N'-ジアルキレンオキシ-置換1,4-ジアミノアントラキノン着色剤は、1,4-ジヒドロキシアントラキノン(即ち、キニザリン)、2,3-ジヒドロ-9,10-ジヒドロキシ-1,4-アントラセンジオン(即ち、ロイコキニザリン)、またはその2つの成分の混合物から、適当なアミンを使用して下記の反応に示すように合成しうる:
【化6】

【0016】
いくつかの理由により、1,4-ジヒドロキシアントラキノンを出発物質として使用する場合、キニザリンおよびロイコキニザリンの混合物を使用するのが一般に好ましい。第一に、キニザリンと脂肪族第一級アミンとの反応は一般にゆっくりであり、反応を完了させることが困難な場合が多い。反応は、望ましくないレベルの不純物を生じる傾向もある。さらに、ロイコキニザリンは、キニザリンより高価格であり、形成されたロイコ生成物は、最終生成物を得るために酸化する必要がある。従って、ロイコキニザリンだけを使用するのは一般に非経済的である。ロイコキニザリンは、還元剤(例えば、亜鉛、ヒドロ亜硫酸塩など)を使用して、還元によってキニザリンから生成できるが、この余分の還元反応は、最終生成物中の不純物を一般に増加させ、精製(例えば、濾過によるこれらの不純物の除去)が困難である。従って、キニザリンとロイコキニザリンとの混合物を使用するのが一般に好ましい。特に、キニザリンとロイコキニザリンとの混合物における、キニザリン/ロイコキニザリンのモル比は、好ましくは約1〜約5、より好ましくは約1〜3である。
【0017】
多くのポリアルキレンオキシ-置換アミン、またはアミンの混合物を使用して、ロイコキニザリンとキニザリンとの混合物と反応させて、本発明のアントラキノン着色剤を生成しうる。アミンは第一級アミンであるのが好ましい。好ましくは、ポリアルキレンオキシ置換アミンは、優れた水溶性を付与する傾向のあるポリエチレンオキシ-置換アミンから主に構成される。しかし、アミンは、ポリエチレンオキシ-ポリプロピレンオキシ-置換アミンであってもよい。反応混合物に添加されるポリアルキレンオキシ置換アミンの量は、必要とされる化学量論量の約100%〜約120%、好ましくは必要とされる化学量論量の約100%〜約110%であるのが好ましい。
【0018】
本発明に使用することができる多くの商業的に入手可能なポリアルキレンオキシ-置換アミンが存在する。例えば、ポリオキシアルキレンアミンはJeffamine(登録商標)アミン(Huntsman Chemical Company , Austin, Texasから商業的に入手可能)を包含し、それは、モノアミン、例えば、M-600、M-100、M-2005およびM-2070、ならびにジアミンを包含する。ヒドロキシル基を有するアミンの例は、ジエチレングリコールアミンおよび3-アミノプロピルジエチレングリコール(Dixie Chemical Companyから商品名DCA 163として入手可能)である。他の例は、ポリアルキレンオキシ-置換ジアミン、例えば、ビス(ヒドロキシアルキル)ジアミン(Tomah Products, Inc.からのAPDEAおよびAPDIPAを包含する)である。Tomahからの他の系列のグリコールエーテル第一級アミンは、PA-EGM、PA-EGB、PA-EGH、PA-DEGM、PA-DEGB、PA-PGM、PA-PGB、PA-DPGMおよびPA-DPGBを包含する。Tomahからの他の系列のジ-第一級アミンは、DPA-DEG、DPA-200E、DPA-400E、DPA-1000EおよびNDPA-10を包含する。
【0019】
本発明のN,N'-ジアルキレンオキシ-置換1,4-ジアミノアントラキノン着色剤は、一般に、下記の手順によって合成される。しかし、反応速度は、例えば、使用する温度、アミンおよび撹拌速度によって影響を受けうる。反応の進行は、可視分光法および/または高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によって監視することができる。
【0020】
攪拌機、温度調節器および冷却器を取り付けた反応フラスコ中で、不活性雰囲気下に、キニザリンとロイコキニザリンとの混合物をポリアルキレンオキシ-置換アミンに添加しうる。次に、不活性雰囲気下に、反応混合物を、約65℃〜約120℃、好ましくは約75℃〜約95℃の温度に加熱する。一般に、反応速度は低温では遅すぎることが分かっている。しかし、温度が高いほど、より多くの不純物が一般に生じる。
【0021】
縮合反応は、反応温度において約1時間〜約20時間で一般に終了する。一旦、縮合反応が終了したら、いくつかの方法を使用して、ロイコ形態の生成物を1,4-ジアミノアントラキノンに酸化することができる。生成物を酸化するのに使用しうる1つの方法は、約60℃〜約100℃、好ましくは約75℃〜約95℃の温度で、反応混合物中に空気を吹き込むことである。他の酸化方法、例えば、過酸化物による酸化、ニトロベンゼン中での加熱、または他の弱有機酸化剤での酸化を使用しうる。しかし、ほとんどの場合、これらの酸化法は、空気酸化法ほど清浄でなく経済的でない。
【0022】
この反応の間に形成される一般式(II)で示される不純物の1つは、1-アミノアルキレンオキシ-置換4-ヒドロキシアントラキノンである。この不純物は、一般に明るい紫色であり、メタノール中、約550nm〜590nmにおいて、可視吸収ピークを有する。この不純物が最終生成物に約1%より高いレベルで存在する場合、それは、着色剤の明度(brightness)、および織物のような支持体からの洗浄可能性に一般に影響を及ぼす。アントラキノン着色剤を製造するのに使用される反応条件を調節することによって、この不純物を約1.0%未満のレベルに調節しうることが見出された。具体的に言えば、溶剤、例えば、水結合極性溶剤(グリセロール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリオールなどを包含する)の使用を必要としない方法を使用して、アントラキノン着色剤を合成しうる。これらの無水またはほぼ無水条件下に、この紫色不純物を、アントラキノン着色剤の性能に有意な作用を一般に有さない最小限レベル(即ち、<1.0%)に減少しうる。
【0023】
本発明のアントラキノン着色剤中に実質的に減少した量で存在する他の不純物は、水およびメタノールに不溶性の黒色固形物である。一般に、不溶性黒色固形物は微細粒子から成り、該微細粒子は、繊維を汚し、多くの場合、濾過によって除去することが困難であり、それ故に、処理の問題を生じる。例えば、時間の経過と共に、いくらかの不純物が、工程ライン、およびドラムコンテナの底部に沈降して、望ましくないスラッジ様付着層を形成する傾向がある。この不純物は、着色剤の精製に使用されるフィルターを塞ぐ傾向もある。従って、アントラキノン着色剤の製造中に形成されるこの不純物を、除去するかまたは減少させることが極めて望ましい。反応を本明細書に記載のように調節した場合(例えば、溶剤不使用)、不溶性黒色固体不純物を約1.0wt%未満に減少しうることが見出された。
【0024】
さらに、本発明のアントラキノン着色剤は、種々の消費者製品における使用に関して、他の多くの望ましい有利な特性を一般に有する。該着色剤は、優れた耐アルカリ性を一般に有する。それらは、安全性の問題なしに、例えばpH約8〜約13のような高いpHの配合物において、一般に使用することができる。そのようなpH範囲は、粉末洗剤、重質液体洗剤、硬質面清浄剤などにしばしば見られる。さらに、これらのアントラキノン着色剤は、アントラキノン発色団の蛍光により、望ましい色明度(color brightness)を示しうる。従って、これらのアントラキノン着色剤は、種々の身体ケア、ホームケアおよび織物ケア製品を着色するのに使用しうる。例えば、着色剤を使用して、固形石鹸、液体石鹸、繊維柔軟剤、自動車洗浄配合物、ガラスクリーナー、トイレクリーナー、シャンプーなどを着色しうる。本発明のアントラキノンと共に使用するのに適していると考えられる洗濯用洗剤配合物(粒状および液体の両方)の例は、Bruhnkeの米国特許第5770552号に開示されている。本発明のアントラキノンと共に使用するのに適していると考えられる繊維柔軟剤配合物の例は、Bruhnkeの米国特許第5770557号に開示されている。
【0025】
アントラキノン着色剤は、工業用配合物、例えば、重質工業用清浄剤および洗浄剤および化学肥料にも使用できる。さらに、本発明の着色剤は、熱可塑性材料(例えば、ポリオレフィンおよびポリエステル)および熱硬化性材料(例えば、ポリウレタン発泡体)の着色における使用にも好適であると考えられる。本発明のアントラキノンと共に使用するのに適していると考えられる熱可塑性配合物の例は、Baumgartnerらの米国特許第4640690号、第4732570号および第4812141号に開示されている。
【0026】
本発明のアントラキノンと共に使用するのに適していると考えられる熱硬化性配合物の例は、米国特許第4284729号(Crossら)および第4846846号(Rekersら)に開示されている。一般に、ポリウレタン発泡体は、ポリオールとイソシアネートとの反応生成物の触媒重合によって製造される。重合工程に存在する発泡剤は、必要とされる気泡形成能力を一般に付与する。そのような反応は、ポリウレタン工業において周知であり、長年にわたって実施されている。
【0027】
本発明のアントラキノン着色剤と、1つまたはそれ以上の付加的水溶性着色剤とをブレンドすることによって、種々の色および明度(shade)を得ることも、本発明の範囲内と考えられる。着色剤のブレンディングは、例えば、実質的に同じ溶解性を有する着色剤を組み合わせた場合に、容易に行いうる。着色剤の1つの例示的種類は、Reactint(登録商標)着色剤(Milliken Chemical, Spartanburg, South Carolinaから入手可能)を包含する。Reactint(登録商標)着色剤は、一般に、室温で水溶解性または分散性であり、本発明のアントラキノン着色剤と適切にブレンドして、向上した色および明度が得られる。
【実施例】
【0028】
下記の実施例は、例示目的で示され、本発明の範囲を限定するものとみなすべきでない。
【0029】
全ての明度および吸光度は、Beckman DU 650分光計を使用して測定した。一般に、明度が高いほど、より強い着色剤である。一般式(II)で示される紫色不純物は、Waters(商標)996フォトダイオードアレー検出器を使用してWaters(商標)Alliance 2695クロマトグラフィーシステムを用いてHPLC分析により測定した。全ての数値およびパーセントは、他に指定しなければ、100パーセント固形分に基づいて示されている。
【0030】
水およびメタノールに不溶性の黒色不純物は、下記の方法を使用して測定した。約10gの青色着色剤を、水で約5wt%に希釈した。次に、混合物を約15分間撹拌し、pHを濃塩酸で約<5.0に調節した。混合物をさらに15分間撹拌し、予め秤量した1ミクロンサイズのフィルターで濾過した。フィルターを通る液体が実質的に無色になるまで、固体黒色不純物をメタノールで洗浄した。固体不純物およびフィルターを約15分間風乾し、次に、100℃のオーブンで約30分間乾燥した。乾燥したフィルターおよび不純物を秤量し、不溶性不純物のパーセントを算出した。
【0031】
実施例1
機械攪拌器、温度プローブ、水冷凝縮器およびガス導入管を取り付けた1Lのガラス反応器に、2-[2-(3-アミノプロポキシ)エトキシ]エタノール(291g)、ロイコキニザリン(52g)およびキニザリン(152g)を加えた。反応混合物を窒素雰囲気下に70℃に加熱し、その時点で撹拌を開始した。次に、反応混合物を80℃に加熱した。その温度で4時間加熱した後、緩やかな空気の流れを反応混合物に導入し、空気を吹き込みながら80℃での加熱を続けて、反応混合物を酸化した。さらに5時間加熱した後、酸化が終了した。次に、反応混合物を室温に冷却して、639ナノメートルにおける極大吸収および明度31.5(メタノール中の吸収/g/L)を有する青色アントラキノン着色剤を得た。着色剤は、0.2%の1-(3-(2-(2-ヒドロキシエトキシ)エトキシ)プロピルアミノ)-4-ヒドロキシアントラキノン(即ち、紫色不純物)、ならびに0.7%の水およびメタノール不溶性黒色不純物を含有していた。アントラキノン着色剤の構造を以下に示す:
【化7】

【0032】
比較例1
この比較例は、Rekersらの米国特許第4846846号に全般的に記載されているように調製した。
【0033】
機械撹拌器、温度計、冷却器および窒素導入口を取り付けた四つ口の1L反応フラスコに、水(172g)、キニザリン(69.08g)、ロイコキニザリン(23.16g)および2-[2-(3-アミノプロポキシ)エトキシ]エタノール(137.38g)を加えた。得られた混合物を窒素雰囲気下に5時間にわたって95℃に加熱して、青色混合物を得た。次に、80℃で3時間にわたって反応混合物に空気を吹き込むことによって、反応混合物を酸化して、固形分55.94%、明度(55.94%固形分に基づく)17.29(メタノール中の吸収/g/L)および639nmにおける極大吸収を有する粘性青色液体398gを得た。100%固形分に基づいて、着色剤は1.67%の1-(3-(2-(2-ヒドロキシエトキシ)エトキシ)プロピルアミノ)-4-ヒドロキシアントラキノン(即ち、紫色不純物)、ならびに1.73%の水およびメタノール不溶性黒色不純物を含有していた。
【0034】
このように、これらの結果は、本発明のアントラキノン着色剤を、水のような溶剤を使用せずに調製した場合に、より少ない不純物が生じることを示している。具体的には、約1.0%未満の紫色不純物ならびに水およびメタノール不溶性黒色不純物が生じる。
【0035】
実施例2
攪拌器、冷却器および温度調節器を取り付けた三つ口の250mL反応フラスコに、3-[2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ]プロピルアミン(35.43g)、ロイコキニザリン(4.84g)およびキニザリン(14.41g)を窒素下に加えた。混合物を95℃に加熱し、3時間撹拌した。次に、試料を採取し、UV-visスペクトルを検査して、反応が終了したことを確認した。次に、反応混合物を80℃に冷却し、空気を反応混合物に吹き込んで、ロイコ形の生成物を2時間酸化して、濃厚な濃青色着色剤51.2gを得た。着色剤は、明度22.07(メタノール中の吸収/g/L)および639nmにおける極大吸収を有していた。着色剤は、0.2%の1-(3-(2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ)プロピルアミノ)-4-ヒドロキシアントラキノン(即ち、紫色不純物)、ならびに0.32%の水およびメタノール不溶性黒色不純物を含有していた。アントラキノン着色剤の構造を以下に示す:
【化8】

【0036】
比較例2
攪拌器、冷却器および温度調節器を取り付けた三つ口の250mL反応フラスコに、水(36.45g)、ロイコキニザリン(4.84g)、キニザリン(14.41g)、および3-[2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ]プロピルアミン(35.43g)を、窒素下に加えた。混合物を95℃に5時間加熱した。反応の終了を、592nmおよび639nmにおける反応混合物の可視吸収によって確認した。次に、空気を反応混合物に80℃で3時間吹き込んで、ロイコ生成物を酸化して、濃青色着色剤77.17gを得た。着色剤は、639nmにおける極大吸収および明度14.29(メタノール中の吸収/g/L)を有し、固形分は46.32%であった。着色剤は、7.81%の1-(3-(2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ)プロピルアミノ)-4-ヒドロキシアントラキノン(即ち、紫色不純物)、ならびに4.68%の水およびメタノール不溶性黒色不純物を含有していた。
【0037】
これらの結果は、本発明のアントラキノン着色剤を、水のような溶剤を使用せずに調製した場合に、より少ない不純物が生じることを示している。より具体的に言えば、約1.0%未満の紫色不純物ならびに水およびメタノール不溶性黒色不純物が生じる。
【0038】
実施例3
攪拌棒、温度計、冷却器および窒素導入口を取り付けた三つ口の500mL丸底フラスコに、キニザリン(43.1g)、ロイコキニザリン(14.8g)、および2,2'-[(3-アミノプロピル)イミノ]ジエタノール(100.0g)を加えた。得られた混合物を、窒素雰囲気下に4時間にわたって90℃に加熱して、青色混合物を得た。90℃で4時間後、反応混合物に空気を80℃で2時間吹き込むことによって、反応混合物を酸化して、明度30.0(メタノール中の吸収/g/L)および640nmにおける極大吸収を有する青色液体120gを得た。着色剤は、0.74%の1-(3-(ビス(2-ヒドロキシエチル)アミノ)プロピルアミノ)-4-ヒドロキシアントラキノン(即ち、紫色不純物)、ならびに0.35%の水およびメタノール不溶性黒色不純物を含有していた。アントラキノン着色剤の構造を以下に示す:
【化9】

【0039】
比較例3
攪拌棒、温度計、冷却器および窒素導入口を取り付けた三つ口の500mL丸底フラスコに、水(62.7g)、キニザリン(43.1g)、ロイコキニザリン(14.8g)、および2,2'-[(3-アミノプロピル)イミノ]ジエタノール(84.4g)を加えた。得られた混合物を、窒素雰囲気下に4時間にわたって90℃に加熱して、青色混合物を得た。90℃で4時間後、反応混合物に空気を80℃で2時間吹き込むことによって、反応混合物を酸化して、明度20.4(メタノール中の吸収/g/L)および640nmにおける極大吸収を有する青色液体160gを得た。着色剤は、4.34%の1-(3-(ビス(2-ヒドロキシエチル)アミノ)プロピルアミノ)-4-ヒドロキシアントラキノン(即ち、紫色不純物)、ならびに2.91%の水およびメタノール不溶性黒色不純物を含有していた。
【0040】
これらの結果は、本発明のアントラキノン着色剤を、水のような溶剤を使用せずに調製した場合に、より少ない不純物が生じることを示している。より具体的に言えば、約1.0%未満の紫色不純物ならびに水およびメタノール不溶性黒色不純物が生じる。
【0041】
実施例4
消費者製品に使用される着色剤配合物、例えば、液体および固体洗濯用洗剤および繊維柔軟剤は、配合物にアントラキノン着色剤を使用することが多い。先行技術のアントラキノン着色剤と比較して、本発明のアントラキノン着色剤の汚染の減少を示すために、2つの着色剤配合物を調製した。着色剤配合物1は、実施例1に記載した方法に従って調製した本発明のアントラキノン着色剤を使用して調製した。着色剤配合物2は、比較例1に記載した方法に従って調製した先行技術のアントラキノンを使用して調製した。綿テリー織物を汚染するそれらの傾向を、以下のように評価した。
【0042】
各着色剤配合物6%を含有する着色ゼオライト添加剤を、白色粉末洗剤に2.5%で組み込んだ。各着色剤配合物は、約36%の各アントラキノンを含有していた。着色洗剤(2.5g)を、皿の上の3つの白色テリー織物スワッチに振りかけた。水50mLを皿にゆっくり注ぎ、16時間置いた。次に、スワッチを水で濯ぎ、乾燥させた。2つの配合物の汚染を、非汚染織物試料と比較し、American Association of Textile Chemists and Colorists Gray Scale for Evaluating Stainingを使用して評価した。このスケール(Scale)は、1〜5の評価尺度を使用して汚染を評価し、数値が高いほど、低い汚染を示す。試験結果を、下記の表1に示す。
【表1】

【0043】
試験結果は、本明細書に記載されている本発明の方法によって調製された本発明のアントラキノン着色剤を、着色剤配合物に添加した場合、織物の汚染がより少ないことを示している。結果は、本発明のアントラキノンが水不堅牢性であり、即ち、着色剤を織物から水で洗い流せることも示している。
【0044】
実施例5
本発明のアントラキノン着色剤を合成する新規方法は、より少ない紫色不純物を生じる。この紫色不純物の減少は、より明るい色、一般により明るい青色、を有する着色剤を生じる。これに対して、より高いレベルの紫色不純物を有する青色着色剤、例えば、先行技術の方法によって製造された着色剤は、着色剤においてより強い赤色度(redness)を有すると考えられる。赤味は着色剤を濁らせ、着色剤がより低い色鮮やかさに見えるため、これは望ましくない。
【0045】
本発明アントラキノンのこの好ましい特徴を示すために、本発明のアントラキノン着色剤のバッチを、前記の実施例1に記載のように合成した。比較のために、先行技術のアントラキノン着色剤のバッチを、前記の比較例1に記載のように合成した。Gretag-MacBeth(商標)Color-Eye 7000Aを使用して、着色剤の色相角を測定した。色相角は、一般に、色の明度(shade of a color)の尺度である。試験の結果は、本発明のアントラキノン着色剤が約241.5°の色相角を示し、先行技術の着色剤は約244.3°の色相角を示したことを示している。このように、先行技術の着色剤は、本発明の着色剤と比較した場合に、あまり好ましくない高い赤色度(red shade)を示した。
【0046】
この作用をさらに示すために、本発明のアントラキノン着色剤のバッチに、増加する量の紫色不純物を意図的に添加した。色相角における作用を、表2および図1に示す。結果は、着色剤に存在する紫色不純物の量を増加させることによって、着色剤がより強い赤味(red cast)を示すことを示している。先に記載したように、不純物を含有しない着色剤と比較して、所望の青色が濁り、低い色鮮やかさである故に、この作用は好ましくない。
【表2】

【0047】
実施例6
標準着色ポリウレタン発泡体物品を、Rekersらの米国特許第4846846号に開示されている方法と同様に作製した。発泡体配合物に使用した成分は以下の通りである(php=ポリオール100部当たりの部)
【表3】

【0048】
着色剤ブレンドは、0.2phpの本発明アントラキノン着色剤(実施例1に記載した手順によって調製)および0.8phpの黄色着色剤(Reactint(登録商標)Yellow X15、Milliken Chemical, Spartanburg, South Carolinaから入手可能)から構成された。
【0049】
前記の成分を、反応器中で合わし、混合し、反応は「ヘルス(health)」気泡(ゲル化および発泡の平衡を示す)を生じ、次に、反応器を185℃(電子オーブン内で発生させて、工業製造レベルで遭遇する実際の熱履歴を模擬した)に約10分間暴露した。このようしてポリウレタン発泡体物品を作製した。
【0050】
次に、発泡体物品を半分にスライスし、Hunter Ultrascan XE分光光度計を使用して、色について評価した。発泡体物品は、C(彩度)45.54を示した。
【0051】
比較例6
着色剤ブレンドを変更した以外は前記実施例6に記載した方法に従って、ポリウレタン発泡体物品(「発泡体2」)を作製した。着色剤ブレンドは、0.2phpの青色着色剤(比較例1に記載した手順に従って調製)および0.8phpの黄色着色剤(Reactint(登録商標) Yellow X15、Milliken Chemical, Spartanburg, South Carolinaから入手可能)から構成された。
【0052】
得られた発泡体物品を半分にスライスし、Hunter Ultrascan XE分光光度計を使用して、色について評価した。発泡体物品は、C(彩度)43.96を示した。
【0053】
実施例6の発泡体物品は、比較例6の発泡体物品より高いC値を示した。このように、より高いC値はより明るい色の特徴であるため、試験結果は、本発明のアントラキノン着色剤を使用することによって、より明るい緑色が得られることを示している。これらの結果は、さらに、本発明のアントラキノン着色剤を他の水溶性着色剤と組み合わせて、種々の明度および色が得られることも示している。
【0054】
このように、溶剤を使用せずにまたは精製せずに製造された本発明のアントラキノン着色剤は、より低いレベルの不純物を生じることが示されている。先に記載したように、減少した不純物レベルは、支持体、例えば織物支持体において、より少ない汚染を示すので好ましい。さらに、高い不純物レベルは赤味を有する着色剤を生じ、その赤味は青色アントラキノン着色剤を濁らせ、より低い鮮やかさにすることが示されているため、減少した不純物レベルは有利である。アントラキノン着色剤と他の着色剤とを組み合わせた場合、より明るい色および色調が得られる。従って、本発明のアントラキノン着色剤を、種々の身体ケア、ホームケアおよび織物ケア製品(例えば、液体および固体洗濯用洗剤ならびに液体繊維柔軟剤)、ならびに熱可塑性材料および熱硬化性材料(例えば、ポリウレタン発泡体物品)に組み込みうる。
【0055】
本発明のこれらおよび他の変更および変型は、本発明の意図および範囲を逸脱せずに、当業者によって実施しうる。さらに、当業者は、先の記載は例示するものにすぎず、請求の範囲に記載されている本発明の範囲を限定するものでないことを理解する。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】図1は、色相角(hue angle)における紫色汚染物の作用を示す線グラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a) 一般式(I):
【化1】

[式中、
A1およびA2は、互いに独立して、ポリエチレンオキシ-、ポリプロピレンオキシ-、またはポリエチレンオキシ-/ポリプロピレンオキシ-コポリマーであり;ポリエチレンオキシ-および/またはポリプロピレンオキシ-反復単位の数は、25またはそれ未満であり;または
A1およびA2は、互いに独立して、-CH2CH2CH2M[(CH2CH2O)x]y-であり、ここで、MはOまたはNであり、x= 1〜5であり、MがOのとき、y = 1であり、MがNのとき、y = 2であり;
R1およびR2は、ポリアルキレンオキシ鎖の末端基を表し、互いに独立して、OH、NH2およびC1〜C8アルコキシ基から成る群から選択される。]
で示される化合物;
b) 一般式(II):
【化2】

[式中、A1およびR1は、一般式(I)のように定義される。]
で示される不純物であって、約1.0wt%未満の量で存在する不純物;および
c) 水およびメタノールに不溶性の黒色不純物であって、約1.0wt%未満の量で存在する不純物
を含んで成る着色剤。
【請求項2】
着色剤が、N,N'-ジアルキレンオキシ-置換1,4-ジアミノアントラキノンである請求項1に記載の着色剤。
【請求項3】
水溶性である請求項1に記載の着色剤。
【請求項4】
水不堅牢性である請求項1に記載の着色剤。
【請求項5】
式(II)で示される不純物が、1-アミノアルキレンオキシ-置換4-ヒドロキシアントラキノンである請求項1に記載の着色剤。
【請求項6】
式(II)で示される不純物が、1-(3-(2-(2-ヒドロキシエトキシ)エトキシ)プロピルアミノ)-4-ヒドロキシアントラキノンである請求項5に記載の着色剤。
【請求項7】
式(II)で示される不純物が、1-(3-(2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ)プロピルアミノ)-4-ヒドロキシアントラキノンである請求項5に記載の着色剤。
【請求項8】
式(II)で示される不純物が、1-(3-(ビス(2-ヒドロキシエチル)アミノ)プロピルアミノ)-4-ヒドロキシアントラキノンである請求項5に記載の着色剤。
【請求項9】
約242.0〜約244.5の色相角を示す請求項1に記載の着色剤。
【請求項10】
少なくとも1つの付加的水溶性着色剤とブレンドされている請求項1に記載の着色剤。
【請求項11】
液体洗濯用洗剤に組み込まれている請求項1に記載の着色剤。
【請求項12】
粒状洗濯用洗剤に組み込まれている請求項1に記載の着色剤。
【請求項13】
液体繊維柔軟剤に組み込まれている請求項1に記載の着色剤。
【請求項14】
熱硬化性材料に組み込まれている請求項1に記載の着色剤。
【請求項15】
ポリウレタン発泡体物品に組み込まれている請求項14に記載の着色剤。
【請求項16】
熱可塑性材料に組み込まれている請求項1に記載の着色剤。
【請求項17】
a) 2,3-ジヒドロ-9,10-ジヒドロキシ-1,4-アントラセンジオン、1,4-ジヒドロキシアントラキノンおよびポリアルキレンオキシ-置換アミンを合わして、混合物にする工程;
b) 混合物を撹拌し加熱することによって、混合物の縮合反応を開始させて、縮合生成物を得る工程;および
c) 縮合生成物を酸化して、N,N'-ジアルキレンオキシ-置換1,4-ジアミノアントラキノン着色剤を生成する工程;
を含んで成る着色剤の製造法であって、着色剤が、約1.0%未満の紫色不純物および約1.0%未満の水およびメタノールに不溶性の黒色不純物を含有する製造法。
【請求項18】
工程(b)の縮合反応を、不活性雰囲気において行う請求項17に記載の方法。
【請求項19】
1,4-ジヒドロキシアントラキノン対2,3-ジヒドロ-9,10-ジヒドロキシ-1,4-アントラセンジオンのモル比が、約1〜約5である請求項17に記載の方法。
【請求項20】
1,4-ジヒドロキシアントラキノン対2,3-ジヒドロ-9,10-ジヒドロキシ-1,4-アントラセンジオンのモル比が、約1〜約3である請求項19に記載の方法。
【請求項21】
工程(a)のポリアルキレンオキシ-置換アミンが、ポリエチレンオキシ-置換アミンである請求項17に記載の方法。
【請求項22】
工程(a)のポリアルキレンオキシ-置換アミンが、ポリエチレンオキシ-ポリプロピレンオキシ-置換アミンである請求項17に記載の方法。
【請求項23】
工程(a)のポリアルキレンオキシ-置換アミンが、ジエチレングリコールアミン、アミノプロピルジエチレングリコールアミン、ポリアルキレンオキシ-置換ジアミンおよびグリコールエーテル第一級アミンから成る群から選択される請求項17に記載の方法。
【請求項24】
ポリアルキレンオキシ-置換アミンを、必要とされる化学量論量の約100%〜約120%の量で混合物に添加する請求項17に記載の方法。
【請求項25】
ポリアルキレンオキシ-置換アミンを、必要とされる化学量論量の約100%〜約110%の量で混合物に添加する請求項24に記載の方法。
【請求項26】
工程(b)の縮合反応を、約65℃〜約120℃の温度で行う請求項17に記載の方法。
【請求項27】
工程(b)の縮合反応を、約75℃〜約95℃の温度で行う請求項26に記載の方法。
【請求項28】
工程(b)の縮合反応を、約1時間〜約20時間で行う請求項17に記載の方法。
【請求項29】
工程(c)の酸化を、約60℃〜約100℃の温度で反応混合物に空気を吹き込むことによって行う請求項17に記載の方法。
【請求項30】
工程(c)の酸化を、約75℃〜約95℃の温度で行う請求項29に記載の方法。
【請求項31】
請求項17に記載の方法の生成物。

【図1】
image rotate


【公表番号】特表2008−523215(P2008−523215A)
【公表日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−545563(P2007−545563)
【出願日】平成17年12月2日(2005.12.2)
【国際出願番号】PCT/US2005/044111
【国際公開番号】WO2006/062970
【国際公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【出願人】(599060788)ミリケン・アンド・カンパニー (65)
【氏名又は名称原語表記】Milliken & Company
【Fターム(参考)】