説明

含水ハロゲン化ニッケルを用いた共役芳香族化合物の製造方法

【課題】共役芳香族化合物は、医薬、農薬、液晶材料、有機エレクトロルミネッセンス(Organic Electro-Luminescence)材料及びこれらの合成中間体として有用な化合物である。共役芳香族化合物の新規な製造方法が求められている。
【解決手段】含水ハロゲン化ニッケル及び有機溶媒を含む混合物から有機溶媒の一部を留去する濃縮工程と、前記濃縮工程で得られた濃縮液、分子内に少なくとも2つの三級窒素原子を含むアミン化合物及び亜鉛の存在下、ハロゲン化芳香族化合物をカップリング反応させる反応工程とを含むことを特徴とする共役芳香族化合物の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、共役芳香族化合物の製造方法等に関する。
【背景技術】
【0002】
共役芳香族化合物は、医薬、農薬、液晶材料、有機エレクトロルミネッセンス(Organic Electro-Luminescence)材料及びこれらの合成中間体として有用な化合物である。共役芳香族化合物の製造方法としては、例えば、無水塩化ニッケル、2,2’−ビピリジン及び亜鉛の存在下、ハロゲン化芳香族化合物である4,4’−ジクロロビフェニル−2,2'−ジスルホン酸ジ(2,2−ジメチルプロピル)と、末端に塩素原子を有するポリエーテルスルホンとをカップリング反応させる方法が知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−270118号公報([0096][実施例4])
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
共役芳香族化合物の新規な製造方法が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
かかる課題を解決するために、本発明者らは鋭意検討した結果、以下の本発明に至った。
<1> 含水ハロゲン化ニッケル及び有機溶媒を含む混合物から有機溶媒の一部を留去する濃縮工程と、前記濃縮工程で得られた濃縮液、分子内に少なくとも2つの三級窒素原子を含むアミン化合物及び亜鉛の存在下、ハロゲン化芳香族化合物をカップリング反応させる工程とを含むことを特徴とする共役芳香族化合物の製造方法。
<2> ハロゲン化芳香族化合物が、式(1)
X−Ar−X (1)
(式中、Xは塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を表し、Arは置換基を有していてもよい2価の芳香族基を表す。)
で表される化合物であり、得られる共役芳香族化合物が式(3)
−Ar− (3)
(式中、Arは前記と同じ意味を表す。)
で表される構造単位を有する重合体であることを特徴とする<1>記載の製造方法。
<3> 式(1)におけるArが有する置換基が、式(4)

(式(4)中、Y’は、炭素数1〜20のアルキル基を表す。)
であることを特徴とする<2>記載の製造方法。
<4> ハロゲン化芳香族化合物が、前記式(1)で示される化合物、及び、式(2)

(式中、Xはハロゲン原子を表す。a、b及びcは、それぞれ独立に、0又は1を表し、nは5以上の整数を表す。Ar、Ar、Ar及びArは、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい2価の芳香族基を表す。Y及びYは、それぞれ独立に、単結合、カルボニル基、スルホニル基、イソプロピリデン基、ヘキサフルオロイソプロピリデン基又はフルオレン−9,9−ジイル基を表す。Z及びZは、それぞれ独立に、酸素原子又は硫黄原子を表す。)
で表される化合物であり、得られる共役芳香族化合物が前記式(3)で示される構造単位、及び、式(5)

(式(5)中、a、b、c、n、Ar、Ar、Ar、Ar、Y、Y、Z及びZは前記と同じ意味を表す。)
で表される構造単位を有する重合体であることを特徴とする<2>又は<3>記載の製造方法。
【0006】
<5> 分子内に少なくとも2つの三級窒素原子を含むアミン化合物が、2,2’-ビピリジル、1,10−フェナントロリン、1,4,7−トリメチル−1,4,7−トリアザシクロノナン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン及びN,N,N’,N’−テトラエチルエチレンジアミンからなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする<1>〜<4>のいずれか記載の製造方法。
<6> 含水ハロゲン化ニッケルがハロゲン化ニッケルの水和物又はハロゲン化ニッケル含有水溶液であることを特徴とする<1>〜<5>のいずれか記載の製造方法。
<7> 濃縮工程で得られた濃縮液における含水量が、該濃縮液100重量部に対して、0.01ppm重量部〜0.15ppm重量部の範囲であることを特徴とする<1>〜<6>のいずれか記載の製造方法。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、共役芳香族化合物の新規な製造方法が提供可能である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の製造方法は、含水ハロゲン化ニッケル及び有機溶媒を含む混合物から有機溶媒の一部を留去する濃縮工程(以下、濃縮工程と記すことがある)と、前記濃縮工程で得られた濃縮液、分子内に少なくとも2つの三級窒素原子を含むアミン化合物及び亜鉛の存在下、ハロゲン化芳香族化合物をカップリング反応させる反応工程(以下、反応工程と記すことがある)を含む。
【0009】
まず、本発明の製造方法における濃縮工程について説明する。
濃縮工程に用いられる含水ハロゲン化ニッケルとは、例えば、塩化ニッケル、臭化ニッケル、ヨウ化ニッケル等のハロゲン化ニッケルが水分を含んだ状態で存在するものであれば特に限定されないが、取扱いの容易さから、水溶液又は粒状の水和物であるものが好ましく、水溶液がさらに好ましい。
含水ハロゲン化ニッケル1重量部における水分の含有量の下限としては、例えば、0.1重量部を挙げることができる。好ましくは、例えば、0.4重量部を挙げることができる。因みに、0.4重量部以上であると、含水ハロゲン化ニッケルの凝集が抑制される傾向があることから好ましい。
含水ハロゲン化ニッケルの水分の含有量の上限は特に限定されないが、好ましくは、含水ハロゲン化ニッケルの水溶液100重量部における水分の含有量の上限としては、例えば、90重量部を挙げることができる。好ましくは、例えば、60重量部を挙げることができる。
中でも、含水ハロゲン化ニッケルがハロゲン化ニッケルの水和物又はハロゲン化ニッケル含有水溶液であることが好ましい。
【0010】
本発明における含水ハロゲン化ニッケルの使用量としては、反応工程で用いられるハロゲン化芳香族化合物の物質量1モルに対して0.01モル〜5モルの範囲等を挙げることができる。ハロゲン化ニッケルの使用量が5モル以下であると、ハロゲン化芳香族化合物がその芳香環上の炭素原子に2個のハロゲン原子を有する場合には、分子量の大きい共役芳香族化合物が得られる傾向があり、また、ハロゲン化ニッケルの使用量が0.01モル以上であると、分子量の小さい共役芳香族化合物が得られる傾向があることから、所望の分子量を有する共役芳香族化合物が得られるように、含水ハロゲン化ニッケルの使用量を適宜、調整すればよい。
また、ハロゲン化芳香族化合物がその芳香環上の炭素原子に1個のハロゲン原子を有する場合には、反応工程で用いられるハロゲン化芳香族化合物の物質量1モルに対して含水ハロゲン化ニッケルの使用量が0.01モル以上であると、目的とする共役芳香族化合物の収率が高い傾向がある。
【0011】
有機溶媒としては、反応工程の反応溶媒として使用し得る有機溶媒であることが好ましい。有機溶媒としては、例えば、ジメチルスルホキシド、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホリックトリアミド等の非プロトン性極性溶媒、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素溶媒、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶媒、例えば、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル溶媒、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル等のエステル溶媒等が挙げられる。かかる溶媒は、単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。中でも、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、トルエン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、酢酸エチル等をより好ましく挙げることができる。
【0012】
濃縮工程で得られる濃縮液の含水量としては、該濃縮液100重量部に対して、例えば、0.01重量部〜0.15重量部の範囲を挙げることができる。好ましくは、例えば、0.05重量部〜0.13重量部の範囲を挙げることができる。
濃縮工程において混合物を攪拌させながら有機溶媒の一部を留去し、得られる濃縮液における含水量が0.01重量部以上であると、該濃縮液中に水分量が低減されたハロゲン化ニッケルが粒状に分散し、該含水ハロゲン化ニッケルの凝結が抑制される傾向があり、結果として、後述する反応工程においてカップリング反応を充分に進行する傾向があることから好ましい。得られる濃縮液における含水量が0.15重量部以下であると、ハロゲン化芳香族化合物がその芳香環上の炭素原子に2個のハロゲン原子を有する場合には、分子量の大きい共役芳香族化合物が得られる傾向があり、また、ハロゲン化芳香族化合物がその芳香環上の炭素原子に1個のハロゲン原子を有する場合には、目的とする共役芳香族化合物の収率が高い傾向がある。
濃縮工程に用いられる有機溶媒の量は、上記含水量に達するまで濃縮するために十分な量の量であればよく、有機溶媒の量が十分でない場合は無水か低水分量の有機溶媒を濃縮工程に加えればよい。
【0013】
濃縮工程は、常圧下で行ってもよいが、減圧下で行うことが好ましい。濃縮温度としては、例えば、0℃〜200℃の温度範囲を挙げることができる。好ましくは、例えば、20℃〜120℃の温度範囲を挙げることができる。
【0014】
次に、反応工程について説明する。
反応工程に用いられる亜鉛は、粉末状のものが好ましい。亜鉛の使用量としては、反応工程に用いられるハロゲン化芳香族化合物に含まれるハロゲン原子の1モルに対して、例えば、1モル以上を好ましく挙げることができる。一方、その上限は特に制限されないが、例えば、10モル以下を挙げることができる。好ましくは、例えば、5モル以下を挙げることができる。
【0015】
亜鉛の表面の一部は、酸化亜鉛になっていることもある。このように酸化亜鉛を含む亜鉛はそのままカップリング反応に供することもできるし、かかる酸化亜鉛を酸で除去してからカップリング反応に供することもできる。酸としては、例えば、塩酸、硫酸等の無機酸、例えば、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、フルオロ酢酸、ジフルオロ酢酸、トリフルオロ酢酸等のカルボン酸化合物、例えば、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、フルオロメタンスルホン酸、ジフルオロメタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸等のスルホ基を有する有機化合物(以下、スルホン酸化合物と記すことがある)等を挙げることができる。酸としては、1種単独でも、2種以上組み合わせて用いてもよい。好ましくは、例えば、カルボン酸化合物、スルホン酸化合物等を挙げることができる。より好ましくは、例えば、スルホン酸化合物等が挙げられる。酸の使用量としては、亜鉛1モルに対して、例えば、0.0001モル〜0.2モルの範囲等を挙げることができる。好ましくは、例えば、0.001モル〜0.2モルの範囲等が挙げられる。
【0016】
反応工程は、分子内に少なくとも2つの三級窒素原子を含むアミン化合物(以下、アミン化合物と記すことがある)存在下に行う。
アミン化合物に含まれる三級窒素原子とは、3つ又は2つの炭素原子と結合している窒素原子(-C=N-C-、-C-N(-C-)-C−)を意味し、該炭素原子は、芳香族性を有していてもよい。
アミン化合物に含まれる2つの三級窒素原子は、炭素原子2個を介して結合していることが好ましい。
アミン化合物としては、例えば、2,2’-ビピリジン、1,10−フェナントロリン、4,4’−ジフルオロ−2,2’−ビピリジン、5,5’−ジフルオロ−2,2’−ビピリジン、4,4’−ビス(トリフルオロメチル)−2,2’−ビピリジン、5,5’−ビス(トリフルオロメチル)−2,2’−ビピリジン、4,4’−ビス(メトキシカルボニル)−2,2’−ビピリジン、5,5’−ビス(メトキシカルボニル)−2,2’−ビピリジン、4,4’−ビス(エトキシカルボニル)−2,2’−ビピリジン、5,5’−ビス(エトキシカルボニル)−2,2’−ビピリジン、4,4’−ジメチル−2,2’−ビピリジン、4,4’−ジノニル−2,2’−ビピリジン、4,4’−ジメトキシ−2,2’−ビピリジン、4,4’−ジフェニル−2,2’−ビピリジン、5,5’−ジメチル−2,2’−ビピリジン、4,4’,5,5’−テトラメチル−2,2’−ビピリジン、4,4’−ビス(1,1−ジメチルエチル)−2,2’−ビピリジン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)−2,2’−ビピリジン、1,4,7−トリメチル−1,4,7−トリアザシクロノナン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン及びN,N,N’,N’−テトラエチルエチレンジアミンを挙げることができる。好ましくは、例えば、2,2’-ビピリジン、1,10−フェナントロリン、4,4’−ビス(メトキシカルボニル)−2,2’−ビピリジン、4,4’−ジメチル−2,2’−ビピリジンを挙げることができる。これらのアミン化合物は2種以上の化合物を混合して用いてもよいし、単独で使用してもよい。
アミン化合物の使用量としては、カップリング反応で用いられる含水ハロゲン化ニッケル1モルに対して、例えば、0.1モル〜10モルの範囲を挙げることができる。好ましくは、例えば、0.5モル〜5モルの範囲を挙げることができる。より好ましくは、例えば、0.8モル〜2モルの範囲を挙げることができる。アミン化合物の使用量が含水ハロゲン化ニッケル1モルに対して0.1モル以上であると、ハロゲン化芳香族化合物が前記式(1)又は前記式(2)で表される化合物である場合には、得られる共役芳香族化合物の分子量が向上する傾向があり、また、10モル以下であると、カップリング反応の反応速度が向上する傾向があることから好ましい。
【0017】
反応工程で原料として用いられるハロゲン化芳香族化合物とは、その芳香環上の炭素原子にハロゲン原子を有する化合物を意味する。尚、前記芳香環上の炭素原子に複数のハロゲン原子を有する化合物は、重合体である共役芳香族化合物を与えることから好ましい。
前記芳香環上の炭素原子に複数のハロゲン原子を有する化合物としては、例えば、式(1)
X−Ar−X (1)
(式中、Xは塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を表し、Arは置換基を有していてもよい2価の芳香族基を表す。)
で表される化合物(以下、化合物(1)と記すことがある)等を挙げることができる。
ここで、「2価の芳香族基」とは、置換基を有していてもよい芳香族化合物の芳香環上に存在する水素原子を2個取り去って得られる基を意味する。置換基を有しないArとしては、例えば、1,3−フェニレン基、1,4−フェニレン基等の2価の単環性芳香族基、例えば、ナフタレン−1,3−ジイル基、ナフタレン−1,4−ジイル基、ナフタレン−1,5−ジイル基、ナフタレン−1,6−ジイル基、ナフタレン−1,7−ジイル基、ナフタレン−2,6−ジイル基、ナフタレン−2,7−ジイル基等の2価の縮環系芳香族基、例えば、ピリジン−2,5−ジイル基、ピリジン−2,6−ジイル基、キノキサリン−2,6−ジイル基、チオフェン−2,5−ジイル基等の2価のヘテロ芳香族基等を挙げることができる。好ましくは、例えば、2価の単環性芳香族基、2価の縮環系芳香族基等が挙げられる。より好ましくは、例えば、1,4−フェニレン基、ナフタレン−1,4−ジイル基、ナフタレン−1,5−ジイル基、ナフタレン−2,6−ジイル基、ナフタレン−2,7−ジイル基等が挙げられる。
【0018】
置換基としては、例えば、電子求引性基、下記G群より選ばれる基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基、下記G群より選ばれる基を有していてもよい炭素数1〜20のアルコキシ基、下記G群より選ばれる基を有していてもよい炭素数6〜20のアリール基、下記G群より選ばれる基を有していてもよい炭素数6〜20のアリールオキシ基、下記G群より選ばれる基を有していてもよい炭素数7〜20のアラルキル基、下記G群より選ばれる基を有していてもよい炭素数7〜20のアラルキルオキシ基、下記G群より選ばれる基を有していてもよい炭素数1〜20の炭化水素基を有するアミノ基等を挙げることができる。
【0019】
〔G群〕
フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数6〜12のアリールオキシ基
【0020】
前記G群より選ばれる基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基における「炭素数1〜20のアルキル基」としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、2,2−ジメチルプロピル基、シクロペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、n−ヘプチル基、2−メチルペンチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基及びn−イコシル基等の直鎖状、分枝鎖状もしくは環状のアルキル基が挙げられる。前記G群より選ばれる基を置換基として有していてもよいアルキル基とは、ここに例示するアルキル基が有する水素原子の一部又は全部が、前記G群より選ばれる基に置き換わった基を意味する。置換基を有する場合には、当該置換基にある炭素原子の数も合わせて、その炭素数の合計が1〜20の範囲である。これらの中でも、置換基を有さないアルキル基が好ましく、炭素数1〜10の範囲のアルキル基がさらに好ましい。
【0021】
前記G群より選ばれる基を有していてもよいアルコキシ基の「炭素数1〜20のアルコキシ基」としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、2,2−ジメチルプロポキシ基、シクロペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、2−メチルペンチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、n−ノニルオキシ基、n−デシルオキシ基、n−ウンデシルオキシ基、n−ドデシルオキシ基、n−トリデシルオキシ基、n−テトラデシルオキシ基、n−ペンタデシルオキシ基、n−ヘキサデシルオキシ基、n−ヘプタデシルオキシ基、n−オクタデシルオキシ基、n−ノナデシルオキシ基、n−イコシルオキシ基等の直鎖状、分枝鎖状もしくは環状の炭素数1〜20のアルコキシ基が挙げられる。前記G群より選ばれる基を置換基として有していてもよいアルコキシ基とは、ここに例示するアルコキシ基が有する水素原子の一部又は全部が、前記G群より選ばれる基に置き換わった基を意味する。置換基を有する場合には、当該置換基にある炭素原子の数も合わせて、その炭素数の合計が1〜20の範囲である。これらの中でも、置換基を有さないアルコキシ基が好ましく、炭素数1〜10の範囲のアルコキシ基がさらに好ましい。
【0022】
前記G群より選ばれる基を有していてもよいアリール基の「炭素数6〜20のアリール基」としては、フェニル基、2−トリル基、3−トリル基、4−トリル基、2,3−キシリル基、2,4−キシリル基、2,5−キシリル基、2,6−キシリル基、3,4−キシリル基、3,5−キシリル基、2,3,4−トリメチルフェニル基、2,3,5−トリメチルフェニル基、2,3,6−トリメチルフェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基、3,4,5−トリメチルフェニル基、2,3,4,5−テトラメチルフェニル基、2,3,4,6−テトラメチルフェニル基、2,3,5,6−テトラメチルフェニル基、ペンタメチルフェニル基、エチルフェニル基、n−プロピルフェニル基、イソプロピルフェニル基、n−ブチルフェニル基、sec−ブチルフェニル基、tert−ブチルフェニル基、n−ペンチルフェニル基、ネオペンチルフェニル基、n−ヘキシルフェニル基、n−オクチルフェニル基、n−デシルフェニル基、n−ドデシルフェニル基、n−テトラデシルフェニル基、ナフチル基及びアントラセニル基等が挙げられる。前記G群より選ばれる基を置換基として有していてもよいアリール基とは、ここに例示するアリール基が有する水素原子の一部又は全部が、前記G群より選ばれる基に置き換わった基を意味する。置換基を有する場合には、当該置換基にある炭素原子の数も合わせて、その炭素数の合計が6〜20の範囲である。これらの中でも、置換基を有さないアリール基が好ましく、炭素数6〜10の範囲のアリール基がさらに好ましく、フェニル基が特に好ましい。
前記G群より選ばれる基を置換基として有していてもよい炭素数6〜20のアリールオキシ基としては、フェノキシ基、n−ブチルフェニルオキシ基、2−ナフチルオキシ基及び2−アントリルオキシ基等の前記に例示したアリール基と酸素原子とから構成されるものが挙げられる。
【0023】
前記G群より選ばれる基を有していてもよい「炭素数7〜20のアラルキル基」としては、ベンジル基、(2−メチルフェニル)メチル基、(3−メチルフェニル)メチル基、(4−メチルフェニル)メチル基、(2,3−ジメチルフェニル)メチル基、(2,4−ジメチルフェニル)メチル基、(2,5−ジメチルフェニル)メチル基、(2,6−ジメチルフェニル)メチル基、(3,4−ジメチルフェニル)メチル基、(4,6−ジメチルフェニル)メチル基、(2,3,4−トリメチルフェニル)メチル基、(2,3,5−トリメチルフェニル)メチル基、(2,3,6−トリメチルフェニル)メチル基、(3,4,5−トリメチルフェニル)メチル基、(2,4,6−トリメチルフェニル)メチル基、(2,3,4,5−テトラメチルフェニル)メチル基、(2,3,4,6−テトラメチルフェニル)メチル基、(2,3,5,6−テトラメチルフェニル)メチル基、(ペンタメチルフェニル)メチル基、(エチルフェニル)メチル基、(n−プロピルフェニル)メチル基、(イソプロピルフェニル)メチル基、(n−ブチルフェニル)メチル基、(sec−ブチルフェニル)メチル基、(tert−ブチルフェニル)メチル基、(n−ペンチルフェニル)メチル基、(ネオペンチルフェニル)メチル基、(n−ヘキシルフェニル)メチル基、(n−オクチルフェニル)メチル基、(n−デシルフェニル)メチル基、(n−デシルフェニル)メチル基、ナフチルメチル基及びアントラセニルメチル基等が挙げられる。前記G群より選ばれる基を置換基として有していてもよいアラルキル基とは、ここに例示するアラルキル基が有する水素原子の一部又は全部が、前記G群より選ばれる基に置き換わった基を意味する。置換基を有する場合には、当該置換基にある炭素原子の数も合わせて、その炭素数の合計が7〜20の範囲である。これらの中でも、置換基を有さないアラルキル基が好ましく、炭素数7〜10の範囲のアリール基がさらに好ましく、ベンジル基が特に好ましい。
【0024】
前記G群より選ばれる基を有していてもよい炭素数7〜20のアラルキルオキシ基の「炭素数7〜20のアラルキルオキシ基」としては、ベンジルオキシ基、(2−メチルフェニル)メトキシ基、(3−メチルフェニル)メトキシ基、(4−メチルフェニル)メトキシ基、(2,3−ジメチルフェニル)メトキシ基、(2,4−ジメチルフェニル)メトキシ基、(2,5−ジメチルフェニル)メトキシ基、(2,6−ジメチルフェニル)メトキシ基、(3,4−ジメチルフェニル)メトキシ基、(3,5−ジメチルフェニル)メトキシ基、(2,3,4−トリメチルフェニル)メトキシ基、(2,3,5−トリメチルフェニル)メトキシ基、(2,3,6−トリメチルフェニル)メトキシ基、(2,4,5−トリメチルフェニル)メトキシ基、(2,4,6−トリメチルフェニル)メトキシ基、(3,4,5−トリメチルフェニル)メトキシ基、(2,3,4,5−テトラメチルフェニル)メトキシ基、(2,3,4,6−テトラメチルフェニル)メトキシ基、(2,3,5,6−テトラメチルフェニル)メトキシ基、(ペンタメチルフェニル)メトキシ基、(エチルフェニル)メトキシ基、(n−プロピルフェニル)メトキシ基、(イソプロピルフェニル)メトキシ基、(n−ブチルフェニル)メトキシ基、(sec−ブチルフェニル)メトキシ基、(tert−ブチルフェニル)メトキシ基、(n−ヘキシルフェニル)メトキシ基、(n−オクチルフェニル)メトキシ基、(n−デシルフェニル)メトキシ基、ナフチルメトキシ基、アントラセニルメトキシ基等の前記に例示したアラルキル基と酸素原子とから構成されるものが挙げられる。
【0025】
前記G群より選ばれる基を有していてもよい炭素数1〜20の炭化水素基で置換されたアミノ基としては、例えば、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジ−n−プロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ジ−n−ブチルアミノ基、ジ−sec−ブチルアミノ基、ジ−tert−ブチルアミノ基、ジ−イソブチルアミノ基、tert−ブチルイソプロピルアミノ基、ジ−n−ヘキシルアミノ基、ジ−n−オクチルアミノ基、ジ−n−デシルアミノ基、ジフェニルアミノ基等を挙げることができる。これらの中でも、例えば、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基等が好ましく挙げられる。
【0026】
本明細書において、「電子求引性基」とは、化学便覧基礎編改訂5版II−379〜II−380(日本化学会編、丸善株式会社発行)において定義される置換基定数σ値が正である基である。電子求引性基としては、置換基定数σ値が0.3〜1の範囲である基が好ましく、0.5〜1の範囲である基がより好ましく、0.7〜1の範囲である基が特に好ましい。
具体的には、ニトロ基(−NO)、ホルミル基(−CHO)、式(4)

(式(4)中、Y’は、炭素数1〜20のアルキル基を表す。)
で示される基、
下記式
−CO Y’
(式中、Y’は前記Y’と同一の意味を表わす。)
で示される基、トリフルオロメチル基等を挙げることができる。好ましくは、例えば、式(4)で示される基等を挙げることができる。
【0027】
化合物(1)としては、例えば、1,3−ジクロロベンゼン、1,4−ジクロロベンゼン、1,3−ジブロモベンゼン、1,4−ジブロモベンゼン、1,3−ジヨードベンゼン、1,4−ジヨードベンゼン、2,4−ジクロロトルエン、2,5−ジクロロトルエン、3,5−ジクロロトルエン、2,4−ジブロモトルエン、2,5−ジブロモトルエン、3,5−ジブロモトルエン、2,4−ジヨードトルエン、2,5−ジヨードトルエン、3,5−ジヨードトルエン、1,3−ジクロロ−4−メトキシベンゼン、1,4−ジクロロ−3−メトキシベンゼン、1,3−ジブロモ−4−メトキシベンゼン、1,4−ジブロモ−3−メトキシベンゼン、1,3−ジヨード−4−メトキシベンゼン、1,4−ジヨード−3−メトキシベンゼン、1,3−ジクロロ−4−アセトキシベンゼン、1,4−ジクロロ−3−アセトキシベンゼン、1,3−ジブロモ−4−アセトキシベンゼン、1,4−ジブロモ−3−アセトキシベンゼン、1,3−ジヨード−4−アセトキシベンゼン、1,4−ジヨード−3−アセトキシベンゼン、2,5−ジクロロベンゾフェノン、2,5−ジブロモベンゾフェノン、2,5−ジクロロ−4’−フェノキシベンゾフェノン、2,5−ジブロモ−4’−フェノキシベンゾフェノン、
【0028】
2,5−ジクロロベンゼンスルホン酸イソプロピル、2,5−ジクロロベンゼンスルホン酸イソブチル、2,5−ジクロロベンゼンスルホン酸(2,2−ジメチルプロピル)、2,5−ジクロロベンゼンスルホン酸シクロヘキシル、2,5−ジクロロベンゼンスルホン酸n−オクチル、2,5−ジクロロベンゼンスルホン酸n−ペンタデシル、2,5−ジクロロベンゼンスルホン酸n−イコシル、N,N−ジエチル−2,5−ジクロロベンゼンスルホンアミド、N,N−ジイソプロピル−2,5−ジクロロベンゼンスルホンアミド、N−(2,2−ジメチルプロピル)−2,5−ジクロロベンゼンスルホンアミド、N−n−ドデシル−2,5−ジクロロベンゼンスルホンアミド、N−n−イコシル−2,5−ジクロロベンゼンスルホンアミド、3,5−ジクロロベンゼンスルホン酸イソプロピル、3,5−ジクロロベンゼンスルホン酸イソブチル、3,5−ジクロロベンゼンスルホン酸(2,2−ジメチルプロピル)、3,5−ジクロロベンゼンスルホン酸シクロヘキシル、3,5−ジクロロベンゼンスルホン酸n−オクチル、3,5−ジクロロベンゼンスルホン酸n−ペンタデシル、3,5−ジクロロベンゼンスルホン酸n−イコシル、
【0029】
2,5−ジブロモベンゼンスルホン酸イソプロピル、2,5−ジブロモベンゼンスルホン酸イソブチル、2,5−ジブロモベンゼンスルホン酸(2,2−ジメチルプロピル)、2,5−ジブロモベンゼンスルホン酸シクロヘキシル、2,5−ジブロモベンゼンスルホン酸n−オクチル、2,5−ジブロモベンゼンスルホン酸n−ペンタデシル、2,5−ジブロモベンゼンスルホン酸n−イコシル、N,N−ジエチル−2,5−ジブロモベンゼンスルホンアミド、N,N−ジイソプロピル−2,5−ジブロモベンゼンスルホンアミド、N−(2,2−ジメチルプロピル)−2,5−ジブロモベンゼンスルホンアミド、N−n−ドデシル−2,5−ジブロモベンゼンスルホンアミド、N−n−イコシル−2,5−ジブロモベンゼンスルホンアミド、3,5−ジブロモベンゼンスルホン酸イソプロピル、3,5−ジブロモベンゼンスルホン酸イソブチル、3,5−ジブロモベンゼンスルホン酸(2,2−ジメチルプロピル)、3,5−ジブロモベンゼンスルホン酸シクロヘキシル、3,5−ジブロモベンゼンスルホン酸n−オクチル、3,5−ジブロモベンゼンスルホン酸n−ペンタデシル、3,5−ジブロモベンゼンスルホン酸n−イコシル、
【0030】
2,5−ジヨードベンゼンスルホン酸イソプロピル、2,5−ジヨードベンゼンスルホン酸イソブチル、2,5−ジヨードベンゼンスルホン酸(2,2−ジメチルプロピル)、2,5−ジヨードベンゼンスルホン酸シクロヘキシル、2,5−ジヨードベンゼンスルホン酸n−オクチル、2,5−ジヨードベンゼンスルホン酸n−ペンタデシル、2,5−ジヨードベンゼンスルホン酸n−イコシル、N,N−ジエチル−2,5−ジヨードベンゼンスルホンアミド、N,N−ジイソプロピル−2,5−ジヨードベンゼンスルホンアミド、N−(2,2−ジメチルプロピル)−2,5−ジヨードベンゼンスルホンアミド、N−n−ドデシル−2,5−ジヨードベンゼンスルホンアミド、N−n−イコシル−2,5−ジヨードベンゼンスルホンアミド、3,5−ジヨードベンゼンスルホン酸イソプロピル、3,5−ジヨードベンゼンスルホン酸イソブチル、3,5−ジヨードベンゼンスルホン酸(2,2−ジメチルプロピル)、3,5−ジヨードベンゼンスルホン酸シクロヘキシル、3,5−ジヨードベンゼンスルホン酸n−オクチル、3,5−ジヨードベンゼンスルホン酸n−ペンタデシル、3,5−ジヨードベンゼンスルホン酸n−イコシル、
【0031】
2,4−ジクロロベンゼンスルホン酸(2,2−ジメチルプロピル)、2,4−ジブロモベンゼンスルホン酸(2,2−ジメチルプロピル)、2,4−ジヨードベンゼンスルホン酸(2,2−ジメチルプロピル)、2,4−ジクロロ−5−メチルベンゼンスルホン酸(2,2−ジメチルプロピル)、2,5−ジクロロ−4−メチルベンゼンスルホン酸(2,2−ジメチルプロピル)、2,4−ジブロモ−5−メチルベンゼンスルホン酸(2,2−ジメチルプロピル)、2,5−ジブロモ−4−メチルベンゼンスルホン酸(2,2−ジメチルプロピル)、2,4−ジヨード−5−メチルベンゼンスルホン酸(2,2−ジメチルプロピル)、2,5−ジヨード−4−メチルベンゼンスルホン酸(2,2−ジメチルプロピル)、2,4−ジクロロ−5−メトキシベンゼンスルホン酸(2,2−ジメチルプロピル)、2,5−ジクロロ−4−メトキシベンゼンスルホン酸(2,2−ジメチルプロピル)、2,4−ジブロモ−5−メトキシベンゼンスルホン酸(2,2−ジメチルプロピル)、2,5−ジブロモ−4−メトキシベンゼンスルホン酸(2,2−ジメチルプロピル)、2,4−ジヨード−5−メトキシベンゼンスルホン酸(2,2−ジメチルプロピル)、2,5−ジヨード−4−メトキシベンゼンスルホン酸(2,2−ジメチルプロピル)、
【0032】
4−(2,5−ジクロロベンゾイル)ベンゼンスルホン酸(2,2−ジメチルプロピル)、4−(2,5−ジブロモベンゾイル)ベンゼンスルホン酸(2,2−ジメチルプロピル)、4−(2,5−ジヨードベンゾイル)ベンゼンスルホン酸(2,2−ジメチルプロピル)、3−(2,5−ジクロロベンゾイル)ベンゼンスルホン酸(2,2−ジメチルプロピル)、3−(2,5−ジブロモベンゾイル)ベンゼンスルホン酸(2,2−ジメチルプロピル)、3−(2,5−ジヨードベンゾイル)ベンゼンスルホン酸(2,2−ジメチルプロピル)
【0033】
2,2’−ジクロロビフェニル、2,2’−ジブロモビフェニル、2,2’−ジヨードビフェニル、3,3’−ジクロロビフェニル、3,3’−ジブロモビフェニル、3,3’−ジヨードビフェニル、4,4’−ジクロロビフェニル、4,4’−ジブロモビフェニル、4,4’−ジヨードビフェニル、
【0034】
4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジメチル、4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジエチル、4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジ(n−プロピル)、4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジイソプロピル、4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジ(n−ブチル)、4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジイソブチル、4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジ(2,2−ジメチルプロピル)、4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジシクロヘキシル、4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジ(n−オクチル)、4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジ(n−ペンタデシル)、4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジ(n−イコシル)、
【0035】
4,4’−ジブロモビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジメチル、4,4’−ジブロモビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジエチル、4,4’−ジブロモビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジ(n−プロピル)、4,4’−ジブロモビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジイソプロピル、4,4’−ジブロモビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジ(n−ブチル)、4,4’−ジブロモビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジイソブチル、4,4’−ジブロモビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジ(2,2−ジメチルプロピル)、4,4’−ジブロモビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジシクロヘキシル、4,4’−ジブロモビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジ(n−オクチル)、4,4’−ジブロモビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジ(n−ペンタデシル)、4,4’−ジブロモビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジ(n−イコシル)、
【0036】
4,4’−ジクロロビフェニル−3,3’−ジスルホン酸ジメチル、4,4’−ジクロロビフェニル−3,3’−ジスルホン酸ジエチル、4,4’−ジクロロビフェニル−3,3’−ジスルホン酸ジ(n−プロピル)、4,4’−ジクロロビフェニル−3,3’−ジスルホン酸ジイソプロピル、4,4’−ジクロロビフェニル−3,3’−ジスルホン酸ジ(n−ブチル)、4,4’−ジクロロビフェニル−3,3’−ジスルホン酸ジイソブチル、4,4’−ジクロロビフェニル−3,3’−ジスルホン酸ジ(2,2−ジメチルプロピル)、4,4’−ジクロロビフェニル−3,3’−ジスルホン酸ジシクロヘキシル、4,4’−ジクロロビフェニル−3,3’−ジスルホン酸ジ(n−オクチル)、4,4’−ジクロロビフェニル−3,3’−ジスルホン酸ジ(n−ペンタデシル)、4,4’−ジクロロビフェニル−3,3’−ジスルホン酸ジ(n−イコシル)、
【0037】
4,4’−ジブロモビフェニル−3,3’−ジスルホン酸ジメチル、4,4’−ジブロモビフェニル−3,3’−ジスルホン酸ジエチル、4,4’−ジブロモビフェニル−3,3’−ジスルホン酸ジ(n−プロピル)、4,4’−ジブロモビフェニル−3,3’−ジスルホン酸ジイソプロピル、4,4’−ジブロモビフェニル−3,3’−ジスルホン酸ジ(n−ブチル)、4,4’−ジブロモビフェニル−3,3’−ジスルホン酸ジイソブチル、4,4’−ジブロモビフェニル−3,3’−ジスルホン酸ジ(2,2−ジメチルプロピル)、4,4’−ジブロモビフェニル−3,3’−ジスルホン酸ジシクロヘキシル、4,4’−ジブロモビフェニル−3,3’−ジスルホン酸ジ(n−オクチル)、4,4’−ジブロモビフェニル−3,3’−ジスルホン酸ジ(n−ペンタデシル)、4,4’−ジブロモビフェニル−3,3’−ジスルホン酸ジ(n−イコシル)、4,4’−ジクロロ−2,2’,6,6’−ビフェニルテトラスルホン酸テトラメチル、4,4’−ジクロロ−2,2’,6,6’−ビフェニルテトラスルホン酸テトラエチル、4,4’−ジクロロ−2,2’,6,6’−ビフェニルテトラスルホン酸テトラキス(2,2−ジメチル−1−プロピル)等を挙げることができる。
【0038】
そして、ハロゲン化芳香族化合物として化合物(1)をカップリング反応させることにより、式(3)
−Ar− (3)
(式中、Arは前記と同じ意味を表す。)
で表される構造単位を有する重合体を共役芳香族化合物として得ることができる。
【0039】
ハロゲン化芳香族化合物の異なる例示として、例えば、式(2)

で表される化合物(以下、化合物(2)と記すことがある。)を挙げることができる。
化合物(2)における、a、b及びcは、それぞれ独立に、0又は1を表す。nは2以上の整数を表し、好ましくは5以上の整数を表す。
化合物(2)における、Ar、Ar、Ar及びArは、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい2価の芳香族基を表す。を表す。
化合物(2)におけるY及びYは、それぞれ独立に、単結合、カルボニル基(−CO−)、スルホニル基(−SO2−)、イソプロピリデン基(−C(CH32−)、ヘキサフルオロイソプロピリデン基(−C(CF32−)又はフルオレン−9,9−ジイル基を表す。
化合物(7)におけるZ及びZは、それぞれ独立に、酸素原子(−O−)又は硫黄原子(−S−)を表す。
【0040】
化合物(2)としては、例えば、下記に示す化合物、及び、下記に示す化合物の両末端の塩素原子が臭素原子に代わった化合物等を挙げることができる。

【0041】

【0042】

【0043】

【0044】

【0045】

【0046】
化合物(2)は、例えば、日本国特許第2745727号公報等に記載されるような公知の方法に準じて製造したものを用いてもよいし、市販されているものを用いてもよい。市販されているものとしては、例えば、住友化学株式会社製スミカエクセルPES等が挙げられる。
化合物(2)としては、そのポリスチレン換算の重量平均分子量が500以上のものを好ましく挙げることができる。より好ましくは、1,000〜1,000,000であるものを挙げることができる。尚、本発明の製造方法によれば、化合物(2)の重量平均分子量が3000以下のものであっても、高い分子量の共役芳香族化合物を得ることができる。
【0047】
また、ハロゲン化芳香族化合物として化合物(1)をカップリング反応させることにより、式(5)

(式(5)中、a、b、c、n、Ar、Ar、Ar、Ar、Y、Y、Z及びZは前記と同じ意味を表す。)
で表される構造単位を有する重合体を共役芳香族化合物として得ることもできる。
【0048】
ハロゲン化芳香族化合物は、化合物(1)と化合物(2)との両者であることが好ましい。化合物(1)と化合物(2)との両者を用いる場合の重量比率のうち、得られる共役芳香族化合物中の化合物(1)に由来する構造単位の含有量としては、当該共役芳香族化合物100重量部に対し、例えば、5重量部以上、95重量部以下が挙げられる。好ましくは30重量部以上、90重量部以下が挙げられる。また、当該共役芳香族化合物中の化合物(2)に由来する構造単位の含有量としては、当該共役芳香族化合物100重量部に対し、例えば、5重量部以上、95重量部以下が挙げられる。好ましくは、10重量部以上、70重量部以下が挙げられる。
【0049】
また、ハロゲン化芳香族化合物として、式(11)
Ar−X (11)
(式中、X及びArは前記と同じ意味を表す。)
で表される化合物を用いれば、式(13)
Ar−Ar (13)
で表される共役芳香族化合物を得ることができる。
【0050】
反応工程は、溶媒存在下に行うことが好ましい。溶媒としては、濃縮工程の項で例示されたものと同様の溶媒を挙げることができる。
溶媒の使用量としては、用いられるハロゲン化芳香族化合物1重量部に対して、例えば、0.5重量部〜20重量部の範囲を挙げることができる。好ましくは、例えば、1重量部〜10重量部の範囲を挙げることができる。
【0051】
反応工程は、窒素ガス又はアルゴンガス等の不活性ガスの雰囲気下に行われることが好ましい。
反応工程の反応温度としては、用いられるハロゲン化芳香族化合物の種類及びその量、含水ハロゲン化ニッケルの使用量等により適宜調節できるが、例えば、0℃〜300℃の範囲を挙げることができる。好ましくは、例えば、50℃〜250℃の範囲を挙げることができる。より好ましくは、例えば、100℃〜200℃の範囲をあげることができる。特に好ましくは、例えば、140℃〜180℃の範囲を挙げることができる。反応温度が0℃以上であると、共役芳香族化合物が生成する速度が向上し反応時間が短縮される傾向があることから好ましく、反応温度が300℃以下であると生成した共役芳香族化合物が分解するといった副反応の発生が抑制される傾向があることから好ましい。
反応工程の反応時間としては、用いられるハロゲン化芳香族化合物の種類及びその量、含水ハロゲン化ニッケルの使用量等により適宜調節できるが、例えば、1時間〜48時間の範囲を挙げることができる。また、反応工程で得られる反応混合物を所定時間おきにサンプリングし、サンプリングした反応混合物を、例えば、液体クロマトグラフィー分析、ガスクロマトグラフィー分析又はゲル浸透クロマトグラフィー等の分析手段により、ハロゲン化芳香族化合物の消失の度合いや、共役芳香族化合物)の生成の度合いを求めて、反応時間を調節することもできる。
【0052】
このような反応工程により、共役芳香族化合物を得ることができる。
ハロゲン化芳香族化合物が、化合物(1)であれば、共役芳香族化合物として式(3)
−Ar− (3)
(式中、Arは前記と同じ意味を表す。)
で表される構造単位を有する重合体を得ることができる。ハロゲン化芳香族化合物が、化合物(2)であれば、共役芳香族化合物として式(5)

(式(5)中、a、b、c、n、Ar、Ar、Ar、Ar、Y、Y、Z及びZは前記と同じ意味を表す。)
で表される構造単位を有する重合体を得ることができる。
【0053】
本発明の製造方法により得られる共役芳香族化合物は更に精製してもよい。共役芳香族化合物の精製方法は、前記反応工程を行った後、生成した共役芳香族化合物を、含水ハロゲン化ニッケル、亜鉛、ニッケルの亜鉛塩、化合物(1)の未反応物、化合物(2)の未反応物、及び溶媒から分離精製することで得ることができる。かかる分離精製としては、ろ過、抽出、濃縮、再結晶、再沈殿及びクロマトグラフィー分離といった公知の精製操作又はこれらを組み合わせた精製操作から、前記未反応物の種類や、分離精製の対象となる化合物(2)の種類に応じて適宜最適な操作を選択すればよい。
【実施例】
【0054】
以下、本発明を実施例によりさらに詳しく説明する。
得られたポリアリーレンを、ゲル浸透クロマトグラフィーにより分析(分析条件は下記のとおり)し、分析結果からポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)を算出した。
<分析条件>
測定装置:CTO−10A(株式会社島津製作所製)
カラム:TSK−GEL(東ソー株式会社製)
カラム温度:40℃
移動相:臭化リチウム含有N,N−ジメチルホルムアミド(臭化リチウム濃度:10mmol/dm
流量:0.5mL/分
検出波長:300nm
【0055】
[実施例1]
<濃縮工程>
塩化ニッケルを50重量%含有する水溶液1.84gとN−メチル−2−ピロリドン117.3gとを混合し、得られた混合液の重量が88gになるまで、当該混合液を減圧度2kPa、内温90℃の条件下で濃縮した。
【0056】
<反応工程>
濃縮工程で得られた濃縮液に、2,2’−ビピリジン1.11gを加えた後、得られた混合物を50℃で1時間撹拌することにより、溶液Aを得た。溶液Aの含水濃度は794ppmであった。
また、メタンスルホン酸41mgとN−メチル−2−ピロリドン2.7gとを含む溶液Bを調製した。
さらに、下記式

で示されるポリ(オキシ−4,4’−ビフェニレンオキシ−1,4−フェニレンスルホニル−1,4−フェニレン)(住友化学株式会社製;Mw=1,500、以下、化合物(2−1)と記すことがある)2.93gと4,4'−ジクロロビフェニル−2,2'−ジスルホン酸ジ(2,2−ジメチルプロピル)(以下、化合物(1−1)と記すことがある)19.0gと亜鉛粉末3.47gとN−メチル−2−ピロリドン148.8gとを混合した溶液Cを調製した。
溶液Cに溶液Bを混合した後、得られた混合溶液を40℃で3時間撹拌して、溶液Dを得た。溶液Dの含水濃度は573ppmであった。溶液Dに溶液Aを注ぎ込み、得られた混合溶液を15℃で9時間撹拌して、化合物(2−1)に由来する構造単位(即ち、下記式

で示される構造単位)、及び化合物(1−1)に由来する構造単位(すなわち、下記式

で示される構造単位)を含む共役芳香族化合物を得た。得られた共役芳香族化合物の重量平均分子量(Mw)は443,000g/mol、数平均分子量(Mn)は190,000g/molであった。
【0057】
[実施例2]
<濃縮工程>
塩化ニッケル六水和物1.68gとN−メチル−2−ピロリドン117.3gとを混合し、得られた混合液の重量が88gになるまで、当該混合液を減圧度2kPa、内温90℃の条件下で濃縮した。
<反応工程>
濃縮工程で得られた濃縮液に、2,2’−ビピリジン1.55gを加えた後、得られた混合物を50℃で1時間撹拌した。撹拌後、これを15℃に冷却することにより、溶液Aを得た。溶液Aの含水濃度は798ppmであった。
前記溶液Aを用いることと、溶液Dの含水濃度が197ppmであったこと以外は実施例1と同様にして、化合物(2−1)に由来する構造単位及び化合物(1−1)に由来する構造単位を含む共役芳香族化合物を得た。得られた共役芳香族化合物の重量平均分子量(Mw)は497,000g/mol、数平均分子量(Mn)は202,000g/molであった。
【0058】
[実施例3]
<濃縮工程>
臭化ニッケルを50重量%含有する水溶液3.09gとN−メチル−2−ピロリドン117.3gとを混合し、得られた混合液の重量が88gになるまで、当該混合液を減圧度2kPa、内温90℃の条件下で濃縮した。
<反応工程>
濃縮工程で得られた濃縮液に、2,2’−ビピリジン1.55gを加え、50℃で1時間撹拌した。攪拌後、これを15℃に冷却することにより、溶液Aを得た。溶液Aの含水濃度は881ppmであった。
前記溶液Aを用いることと溶液Dの含水濃度が197ppmであったこと以外は実施例1と同様にして、化合物(2−1)に由来する構造単位及び化合物(1−1)に由来する構造単位を含む共役芳香族化合物を得た。得られた共役芳香族化合物の重量平均分子量(Mw)は416,000g/mol、数平均分子量(Mn)は169,000g/molであった。
【0059】
[実施例4]
<濃縮工程>
塩化ニッケル6水和物4.35gとN−メチル−2−ピロリドン1160.0gとを混合し、得られた混合液の重量が121.5gになるまで、当該混合液を減圧度2kPa、内温90℃の条件下で濃縮した。
【0060】
<反応工程>
濃縮工程で得られた濃縮液に、4,4’−ビス(メトキシカルボニル)−2,2’−ビピリジン0.50gと4,4’−ジメチル−2,2’−ビピリジン3.03gを加えた後、得られた混合物を50℃で1時間撹拌することにより、溶液Aを得た。溶液Aの含水濃度は104ppmであった。
また、メタンスルホン酸94mgとN−メチル−2−ピロリドン6.2gとを含む溶液Bを調製した。
さらに、下記式

で示されるポリ(オキシ−4,4’−ビフェニレンオキシ−1,4−フェニレンスルホニル−1,4−フェニレン)(Mw=2,600、以下、化合物(2−2)と記すことがある)33.4gと4,4’−ジクロロ−2,2’,6,6’−ビフェニルテトラスルホン酸テトラキス(2,2−ジメチル−1−プロピル)(以下、化合物(1−2)と記すことがある)40.3gと亜鉛粉末7.9gとN−メチル−2−ピロリドン320.0gとトルエン400.0gを混合した溶液Cを調製した。
溶液Cに溶液Bを混合した後、得られた混合溶液を50℃で1時間撹拌して、溶液Dを得た。溶液Dの含水濃度は546ppmであった。溶液Dに溶液Aを注ぎ込み、得られた混合溶液を55℃で2時間撹拌して、化合物(2−2)に由来する構造単位(即ち、下記式

で示される構造単位)、及び化合物(1−2)に由来する構造単位(即ち、下記式

で示される構造単位)を含む共役芳香族化合物を得た。得られた共役芳香族化合物の重量平均分子量(Mw)は530,000g/mol、数平均分子量(Mn)は183,000g/molであった。
【0061】
[実施例5]
<濃縮工程>
塩化ニッケル6水和物2.45gとN−メチル−2−ピロリドン76.4gとを混合し、得られた混合液の重量が51.7gになるまで、当該混合液を減圧度2kPa、内温90℃の条件下で濃縮した。
【0062】
<反応工程>
濃縮工程で得られた濃縮液に、2,2’−ビピリジン1.61gを加えた後、得られた混合物を50℃で1時間撹拌することにより、溶液Aを得た。溶液Aの含水濃度は987ppmであった。
また、メタンスルホン酸59mgとN−メチル−2−ピロリドン3.9gとを含む溶液Bを調製した。
さらに、下記式

で示されるポリ(オキシ−1,4−フェニレンスルホニル−1,4−フェニレン)(Mw=3,300、以下、化合物(2−3)と記すことがある)4.5gと4,4'−ジクロロビフェニル−2,2'−ジスルホン酸ジ(2,2−ジメチルプロピル)(以下、化合物(1−1)と記すことがある)28.5gと亜鉛粉末5.1gとN−メチル−2−ピロリドン310.8gを混合した溶液Cを調製した。
溶液Cに溶液Bを混合した後、得られた混合溶液を40℃で3時間撹拌して、溶液Dを得た。溶液Dの含水濃度は757ppmであった。溶液Dに溶液Aを注ぎ込み、得られた混合溶液を55℃で2時間撹拌して、化合物(2−3)に由来する構造単位(即ち、下記式

で示される構造単位)、及び化合物(1−1)に由来する構造単位(即ち、下記式

で示される構造単位)を含む共役芳香族化合物を得た。得られた共役芳香族化合物の重量平均分子量(Mw)は444,000g/mol、数平均分子量(Mn)は147,000g/molであった。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明によれば、共役芳香族化合物の新規な製造方法が提供可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
含水ハロゲン化ニッケル及び有機溶媒を含む混合物から有機溶媒の一部を留去する濃縮工程と、前記濃縮工程で得られた濃縮液、分子内に少なくとも2つの三級窒素原子を含むアミン化合物及び亜鉛の存在下、ハロゲン化芳香族化合物をカップリング反応させる反応工程とを含むことを特徴とする共役芳香族化合物の製造方法。
【請求項2】
ハロゲン化芳香族化合物が、式(1)
X−Ar−X (1)
(式中、Xは塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を表し、Arは置換基を有していてもよい2価の芳香族基を表す。)
で表される化合物であり、得られる共役芳香族化合物が式(3)
−Ar− (3)
(式中、Arは前記と同じ意味を表す。)
で表される構造単位を有する重合体であることを特徴とする請求項1記載の製造方法。
【請求項3】
式(1)におけるArが有する置換基が、式(4)

(式(4)中、Y’は、炭素数1〜20のアルキル基を表す。)
であることを特徴とする請求項2記載の製造方法。
【請求項4】
ハロゲン化芳香族化合物が、前記式(1)で示される化合物、及び、式(2)

(式中、Xはハロゲン原子を表す。a、b及びcは、それぞれ独立に、0又は1を表し、nは5以上の整数を表す。Ar、Ar、Ar及びArは、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい2価の芳香族基を表す。Y及びYは、それぞれ独立に、単結合、カルボニル基、スルホニル基、イソプロピリデン基、ヘキサフルオロイソプロピリデン基又はフルオレン−9,9−ジイル基を表す。Z及びZは、それぞれ独立に、酸素原子又は硫黄原子を表す。)
で表される化合物であり、得られる共役芳香族化合物が前記式(3)で示される構造単位、及び、式(5)

(式(5)中、a、b、c、n、Ar、Ar、Ar、Ar、Y、Y、Z及びZは前記と同じ意味を表す。)
で表される構造単位を有する重合体であることを特徴とする請求項2又は3記載の製造方法。
【請求項5】
分子内に少なくとも2つの三級窒素原子を含むアミン化合物が、2,2’-ビピリジル、1,10−フェナントロリン、1,4,7−トリメチル−1,4,7−トリアザシクロノナン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン及びN,N,N’,N’−テトラエチルエチレンジアミンからなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか記載の製造方法。
【請求項6】
含水ハロゲン化ニッケルが、ハロゲン化ニッケルの水和物又はハロゲン化ニッケル含有水溶液であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか記載の製造方法。
【請求項7】
濃縮工程で得られた濃縮液における含水量が、該濃縮液100重量部に対して、0.01重量部〜0.15重量部の範囲であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか記載の製造方法。

【公開番号】特開2012−214705(P2012−214705A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−38342(P2012−38342)
【出願日】平成24年2月24日(2012.2.24)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【Fターム(参考)】