説明

含油性物質の油分分離装置及びその方法

【課題】安全に効率よく含油性物質から油分を回収することができ、生産性を向上することができる含油性物質の油分分離装置及びその方法を提供する。
【解決手段】 供給口42を介して外部より供給される含油性物質に対して過熱蒸気噴射口41から超音速の過熱蒸気を噴射する。この様に過熱蒸気を超音速流として、供給されている含油性物質に対して強制衝突させることによって処理槽10に供給された含油性物質を解砕、撹拌しつつ油分を気化させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は含油性物質からそれに含まれる油分と固形物質とを分離捕集するための油分分離装置及びその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
含油性物質であるオイルサンドは膨大な埋蔵量が自然界に存在しており、このオイルサンドから石油精製を行って、石油を分離捕集する要求がある。また、その他に含油性物質としてはシリコンインゴットのスライス切断時に生ずるシリコンスラッジや、更には自動車製造工程において生ずる含油研磨スラッジ等がある。このシリコンスラッジや含油研磨スラッジ等から油分と固形物とを分離し、油分を再利用することは、環境保護の観点から極めて重要である。
かかる含油性物質の乾燥処理か分溜処理のためには気化処理が行われる。しかし、この気化処理においては引火性の問題があり、またオイルサンドから、原油分を分離するためには採算ベースラインを下げたローコストでかつ高効率の設備やプロセスが必要となる。
【0003】
特許文献1には、引火性の問題を解消し、極めて簡単でかつローコストで油分と固形物とを分離することが可能な含油性物質の油分分離装置として外部より供給される含油性物質に対して超音速の過熱蒸気を噴射する噴射空間を有する処理槽と、前記噴射空間での噴射により得られた気化物質と固形物質とを分離する分離手段と、前記気化物質を凝縮して油分を回収する凝縮手段とを含むことを特徴とする含油性物質の油分分離装置及びその方法が開示された。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−149722号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の含油性物質の油分分離装置及びその方法では、方形の処理槽の下部領域において外部より供給される含油性物質に超音速の過熱蒸気を噴射しても必ずしも効率的に固液分離が得られず、処理量に限界があり生産性の向上を図ることが困難であるという問題があった。具体的には
【0006】
本発明は以上の従来技術における問題に鑑み、安全に効率よく含油性物質から油分を回収することができ、生産性を向上することができる含油性物質の油分分離装置及びその方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の含油性物質の油分分離装置は、外部より供給される含油性物質に対して超音速の過熱蒸気を噴射する噴射空間を有する処理槽と、前記噴射空間での噴射により得られた気化物質と固形物質とを分離する分離手段と、前記気化物質を凝縮して油分を回収する凝縮手段とを含み、前記処理槽は少なくとも底部内側面が曲面状にされ、上部に排出口を有することを特徴とする。
【0008】
前記処理槽が球状にされてもよい。
前記超音速の過熱蒸気の噴射口は、前記処理槽の上部から重力方向下方に向けて開口され、前記含油性物質の供給口は前記噴射口と交差する方向に開口するようにすることができる。
【0009】
前記過熱蒸気と、前記含油性物質とが交差する位置を前記処理槽内側の中央部近傍領域とすることができる。
【0010】
また本発明の含油性物質の油分分離方法は、外部より供給される含油性物質に対して超音速の過熱蒸気を噴射空間に噴射する噴射ステップと、前記噴射空間での噴射により得られた気化物質と固形物質とを分離する分離ステップと、前記気化物質を凝縮して油分を回収する凝縮ステップとを含み、前記噴射空間の少なくとも底部内側面を曲面状に形成し、前記過熱蒸気を噴射空間に重力方向上方から下方に向けて噴射すると共に、前記含油性物質を前記過熱蒸気の噴射方向と交差する方向に供給することを特徴とする。
【0011】
前記噴射ステップにおいて、前記噴射空間上部から前記噴射空間での噴射により得られた気化物質と固形物質とを排気するようにすることができる。
【0012】
前記過熱蒸気と、前記含油性物質とが交差する位置を前記噴射空間の中央部近傍領域とすることができる。
【0013】
本発明によれば高温高圧の過熱蒸気をスロート形状のノズルを通して超音速流としてイチジク形状又は茄子形状又はフラスコ状等の球状噴射空間の重力方向上方から下方に向けて噴射すると共に、一方含油性物質をフィーダーにより前記過熱蒸気の噴射方向と交差する方向に向けて供給する。従って、球状噴射空間の底部球状曲面方向に超高速流の過熱蒸気が噴射されて含油性物質に対する強制衝突が行われる。
それによって含油性物質が瞬間的に解砕されて生じた固形物及び気化した油分は球状噴射空間内側において球状曲面に倣う方向に底部から上方に吹き上げられ、重力によって落下して球状噴射空間内側に回動し、その過程で固形物は相互間の接触によって微細化されて、一定程度微細化された状態で、気化した油分と共に噴射空間上部から排出され遠心分離等により分離され、気化された油分は冷却液化される。
【0014】
その様に球状噴射空間の底部球状曲面方向に超高速流の過熱蒸気が噴射されて含油性物質に対する強制衝突が行われるので、球状噴射空間を形成する処理槽底部内面の摩擦による損耗は防止され、処理量を格段に向上することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、高温高圧の過熱蒸気を超音速流で含油性物質に噴射することで、瞬時に解砕気化するようにしているので、油分の引火による爆発等の問題がなく、また、小型軽量でかつ効率の良い油分の分離が可能となるという効果がある。
【0016】
また、安全に効率よく含油性物質から油分を回収する処理量の向上が可能であり、生産性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施の形態の含油性物質の油分分離装置の全体構成を示す模式的ブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態の含油性物質の油分分離装置の要部拡大模式図である。
【図3】本発明の含油性物質の油分分離装置と比較するために示す比較例としての油分分離装置の要部拡大模式図である。
【図4】本発明の実施の形態の含油性物質の油分分離装置の動作を示す処理フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳述する。
図1は本発明の含油性物質の油分分離装置1の全体構成を示す模式的ブロック図である。
図1に示すように油分分離装置1は蒸気ボイラ2及び電源装置3及び冷却水源4及び燃料5等の所要のエネルギー源を備える。また処理する材料(汚泥)を供給するホッパー6内側には処理する材料の送り込みを容易にするためのブリッジ・ブレーカー7が配置され、ブリッジ・ブレーカー7はブリッジ・ブレーカーモーター8によって駆動される。ホッパー6内側の材料は材料送り装置9によって処理槽10に供給される。この材料送り装置9は材料送りモーター11によって駆動される。
【0019】
過熱炉12へ蒸気を送給する蒸気ボイラ2からの蒸気圧力は圧力センサ13によって検知される。その蒸気ボイラ2からの蒸気はモーターバルブ14を介して過熱炉12に送給される。過熱炉12では蒸気ボイラ2から送給された蒸気を過熱蒸気に変換する。バーナー15a、15bは過熱炉の熱源であり、入力温度センサー16は過熱炉12で過熱された蒸気温度を検知する。
【0020】
過熱炉12はドレインバルブ17を備え、このドレインバルブ17を介して過熱炉12からの排水を排出する。ジェットノズル18は過熱蒸気の噴射ノズルであり、ジェットノズル18から処理槽10内に過熱蒸気を噴射することによって処理材料の固液分離が行われる。ジェットノズル18には消火用水バルブ19を介して処理槽10内の急激な温度上昇を防ぐことができるようにされている。
【0021】
処理槽10にはドレインバルブ(図示せず)が設けられており、このドレインバルブを介して処理槽10内の排水を排出する。
処理槽10の排出口20はサイクロン21と連結されており、サイクロン21によって、処理槽10から排出され気化された水分、油分及び粉状の固形成分の内、粉状の固形分を捕集する。
【0022】
このサイクロン21のガス排出口21aには出力温度センサー22が設けられ、出力温度センサー22によってガス排出口21aから排出される排出ガスの出口温度の検知が行われる。サイクロン21のガス排出口21aからの排出ガスはバグフィルタ23を通過してサイクロンで捕集しきれなかった超微粉を捕集し、ガス状の水分、油分を液化する水槽スクラバー24に導かれる。スクラバー24には液化促進装置25及びウオーターハンマー防止用水バルブ26が取り付けられている。またこのスクラバー24に隣接して水位差によるオーバーフローを利用してスクラバー24から油分を回収する油槽27が配置される。
【0023】
液化促進装置25には運転停止時スクラバー水逆流防止バルブ28が取り付けられ、この運転停止時スクラバー水逆流防止バルブ28によって運転停止時の温度の急激な低下による油分分離装置1内圧力の低下によるスクラバー水の油分分離装置1への吸引を防止するための吸気を行う。さらにスクラバー24にはスクラバー24内側における水レベルのコントロールを行うための水位センサー29、スクラバー24内の水位の調整を行う水放流ポンプ30、水位センサー29からの信号で開閉してスクラバー水の排出を行うモーターバルブ31、スクラバー24に隣接して配置された油槽27に回収した油レベルのコントロールを行うための油レベルセンサー32、油レベルセンサーからの信号によってON/OFFし、油槽27に回収した油の放出を行うオイル排出ポンプ33が装備される。さらに処理後のスクラバー24内側のスチーム及び蒸気化油は排気ダクト34から排出される。
【0024】
一方、サイクロン21で分離された固形成分は残渣タンク35に収納される。残渣タンク35には固形成分の収納量を検知するパドル・センサー36が設けられ、パドル・センサー36で一定以上の固形成分の収納量を検知すると残渣送りモーター37が駆動し、残渣送りモーター37によって駆動される残渣フィーダー冷却装置38によって固形成分の冷却が行われる。
【0025】
油分分離装置1は各機器や各システム制御に対し電力を配布するコントロールボード39を有し、コントロールボード39によって上述の油分分離装置1各部の駆動状態の検知及び駆動制御が行われる。
【0026】
図2は本発明の含油性物質の油分分離装置1の要部拡大模式図である。
図2に示すように処理槽10はその本体がイチジク形状又は茄子形状又はフラスコ状等の球状にされてなり、その球状本体内側に噴射空間40を有する。また球状本体はその一側部の上部にサイクロン21に連通する排出口20を有する。
【0027】
処理槽10は球状にされてなるので底部内側面10a及び天地方向側部10b内側面が曲面状となる。この処理槽10の噴射空間40には、ジェットノズル18から処理槽10内に過熱蒸気を噴射する過熱蒸気噴射口41が開口する。過熱蒸気噴射口41の開口位置は処理槽10内側すなわち球状本体噴射空間40の中央部近傍領域とされる。過熱蒸気噴射口41の開口方向すなわち過熱蒸気噴射方向は処理槽10の上部から重力方向下方とされる。
【0028】
さらに処理槽10の天地方向側部10bには含油性物質を供給するスクリューフィーダーを用いた材料送り装置9が貫通し、球状本体噴射空間40の中央部近傍領域には含油性物質の供給口42が配置される。材料送り装置9はホッパー6から重力方向に一段上げて切り離し処理槽10に材料を送り込む様に曲折させることによって、ペースト状化した原料の処理槽10からホッパー6への逆流を防止する様にされている。
【0029】
供給口42は噴射空間40に向けての含油性物質の供給方向が過熱蒸気噴射口41からの過熱蒸気の噴射方向と交差する方向となるように配置される。この供給口42を介して外部より供給される含油性物質に対して過熱蒸気噴射口41から超音速の過熱蒸気を噴射する。この様に過熱蒸気を超音速流として、供給されている含油性物質に対して強制衝突させることによって処理槽10に供給された含油性物質を解砕、撹拌しつつ油分を気化させる。
【0030】
図3は本発明の含油性物質の油分分離装置1と比較するために示す比較例としての油分分離装置100の要部拡大模式図である。
図3に示すように処理槽101はその本体が円筒状にされてなり、その円筒状本体内側に噴射空間102を有する。また円筒状本体はその一側部の円筒軸位置にサイクロン103に連通する排出口104を有する。この処理槽101は円筒軸方向が天地方向と直交するように配置されている。
【0031】
また処理槽101の噴射空間102には、ジェットノズル105から処理槽101内に過熱蒸気を噴射する過熱蒸気噴射口106が開口する。過熱蒸気噴射口106の開口位置は円筒状本体の天地方向底部101aとされる。また過熱蒸気噴射口106は過熱蒸気噴射方向が円筒状本体の円筒曲面107内側円周方向に倣う方向となるように配置される。
【0032】
さらに処理槽101の天地方向側部101bには含油性物質を供給するスクリューフィーダーを用いた材料送り装置108の供給口109が設けられる。この供給口109を介して外部より供給される含油性物質に対して過熱蒸気噴射口106から超音速の過熱蒸気を噴射する。この様に過熱蒸気を超音速流として、供給されている含油性物質に対して強制衝突させることによって処理槽101に供給された含油性物質を解砕、撹拌しつつ油分を気化させる。
【0033】
この比較例の油分分離装置100では、円筒状噴射空間102の天地方向底部101aにおいて含油性物質に過熱蒸気を噴射することによって、含油性物質が解砕されて生じた固形物及び気化した油分は円筒状噴射空間102内側において円筒曲面107によって形成される円周方向に倣う方向に上方に吹き上げられ、天地方向上部101cに至った後、重力によって落下する円運動を行いその過程で含油性物質が解砕されて生じた固形物は微細化される。
【0034】
この比較例の油分分離装置100で処理量を増やし生産性を向上しようとする場合、処理槽101の体積を大きくする必要があり、不可避的に円筒形の処理槽101の円筒曲面107を有する円筒の横断面の円の直径を大きくする必要が生じる。しかしその場合には、過熱蒸気噴射口106から噴射する過熱蒸気をを増やしても、含油性物質が解砕されて生じた固形物及び気化した油分が上方へ這い上がる十分な力を加えることはできず、円滑な攪拌を行うことはできない。したがって円筒形の処理槽101の円筒曲面107の円の直径には限界があり、生産性の向上にも限界がある。
【0035】
これに対し本発明の含油性物質の油分分離装置1では図2に示すように処理槽10は球状にされてなり、球状の処理槽10上部からジェットノズル18によって加熱蒸気を噴出すると、重力も加えられることによって処理槽10内部は嵐の様な乱流が生じた状態になる。そのため、含油性物質を解砕して得られた気化された油分及び微細化され軽量乾燥化された固形分は円滑にサイクロン21に連通する上部の排出口20から排出される。しかも斯かる運動は蒸気量を増やすことによって阻害されることなくむしろ促進され、処理槽10における処理量の増量を容易に行うことができる。
【0036】
図4は本発明の実施の形態の動作を示す処理フローチャートである。
過熱蒸気を球状噴射空間40に重力方向上方から球状噴射空間40の曲面状底部内側面10aに向けて噴射し(ステップS1)、球状噴射空間40の天地方向側部10bから過熱蒸気の噴射方向と交差する方向に含油性物質を供給する(ステップS2)。
【0037】
超音速流となって処理槽10へ導入された過熱蒸気は、過熱蒸気噴射口41から噴射空間40へ噴射される。この噴射空間40においてこの超音速流の過熱蒸気を供給口42から供給される含油性物質に強制的に衝突させることにより(ステップS3)、含油性物質は瞬間的に解砕され油分は気化される(ステップS4)。
【0038】
含油性物質に過熱蒸気を噴射することによって、含油性物質が瞬間的に解砕されて生じた固形物及び気化した油分は球状噴射空間40内側において曲面状底部内側面10a及び球状噴射空間40内側面に倣う方向に上方に吹き上げられ、天地方向上部10cに至った後、重力によって落下する(ステップS5)。さらに重力によって落下した固形物及び気化した油分は熱蒸気噴射口41から噴射空間40へ噴射される超音速流の過熱蒸気の推力によって曲面状底部内側面10a及び球状噴射空間40内側面に倣う方向に再度上方に吹き上げられる(ステップS6)。
【0039】
その結果、含油性物質が瞬間的に解砕されて生じた固形物及び気化した油分は曲面状底部内側面10a及び球状噴射空間40内側面に倣う方向に回動し、曲面状底部内側面10aと天地方向上部10bとの間の移動を反復する(ステップS7)。その過程で含油性物質が瞬間的に解砕されて生じた固形物は相互間の接触及び球状噴射空間40内側への接触によって微細化されて(ステップS8)、一定程度微細化された状態で、気化した油分と共に排出口20からサイクロン21に向けて排出される。
【0040】
処理槽10からは気化された油分と微粉末がサイクロン21へ供給され、サイクロン21において遠心分離、衝突分離等により気体と固体との分離が行われる(ステップS9)。分離された気体はサイクロン21からバグフィルタ23を介してスクラバー24へ導出され、バグフィルタ23においてサイクロンで捕集しきれなかった超微粉を捕集する(ステップS10)。一方、固形物はサイクロン21から残渣タンク35へ排出される(ステップS11)。スクラバー24では、気化した油や水が液体に戻される(ステップS12)。さらにスクラバー24から分離排水された温水を浄化処理した後、排水する(ステップS13〜S15)。
また水と分離された油分の回収が行われる(ステップS16)。
【符号の説明】
【0041】
10・・・処理槽、10a・・・曲面状底部内側面、40・・・球状噴射空間、41・・・過熱蒸気噴射口、9・・・材料送り装置、21・・・サイクロン、24・・・スクラバー。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部より供給される含油性物質に対して超音速の過熱蒸気を噴射する噴射空間を有する処理槽と、前記噴射空間での噴射により得られた気化物質と固形物質とを分離する分離手段と、前記気化物質を凝縮して油分を回収する凝縮手段とを含み、前記処理槽は少なくとも底部内側面が曲面状にされ、上部に排出口を有することを特徴とする含油性物質の油分分離装置。
【請求項2】
前記処理槽が球状にされる請求項1記載の含油性物質の油分分離装置。
【請求項3】
前記超音速の過熱蒸気の噴射口は、前記処理槽の上部から重力方向下方に向けて開口され、前記含油性物質の供給口は前記噴射口と交差する方向に開口する請求項1又は請求項2記載の含油性物質の油分分離装置。
【請求項4】
前記過熱蒸気と、前記含油性物質とが交差する位置を前記処理槽内側の中央部近傍領域とする請求項1又は請求項2又は請求項3記載の含油性物質の油分分離方法。
【請求項5】
外部より供給される含油性物質に対して超音速の過熱蒸気を噴射空間に噴射する噴射ステップと、前記噴射空間での噴射により得られた気化物質と固形物質とを分離する分離ステップと、前記気化物質を凝縮して油分を回収する凝縮ステップとを含み、前記噴射空間の少なくとも底部内側面を曲面状に形成し、前記過熱蒸気を噴射空間に重力方向上方から下方に向けて噴射すると共に、前記含油性物質を前記過熱蒸気の噴射方向と交差する方向に供給することを特徴とする含油性物質の油分分離方法。
【請求項6】
前記噴射ステップにおいて、前記噴射空間上部から前記噴射空間での噴射により得られた気化物質と固形物質とを排気する請求項5記載の含油性物質の油分分離方法。
【請求項7】
前記過熱蒸気と、前記含油性物質とが交差する位置を前記噴射空間の中央部近傍領域とする請求項5又は請求項6記載の含油性物質の油分分離方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−91116(P2012−91116A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−240719(P2010−240719)
【出願日】平成22年10月27日(2010.10.27)
【出願人】(510284705)株式会社プロスパー (4)
【Fターム(参考)】