説明

吸収性物品に係る連続シートの複合体の皺伸ばし装置、及び皺伸ばし方法

【課題】連続シートの中央部に重合物を重ね合わせた状態で凸部材の押圧により凹部が形成された連続シートの複合体の皺を伸ばす。
【解決手段】走行する連続シート複合体の皺を伸ばす装置であって、連続シートの中央部を保持しつつ第1走行経路に沿って移動する第1ベルト32Cと、第2走行経路に沿って移動する第2ベルト32Lと、第3走行経路に沿って移動する第3ベルト32Rと、を有する。第2走行経路Tr1Lは、上流側よりも下流側の方が第1走行経路Tr1Cから幅方向の一方側に離れるように傾き、第3走行経路Tr1Rは、上流側よりも下流側の方が第1走行経路から幅方向の他方側に離れるように傾いている。第2ベルトは連続シートに対して、幅方向に相対滑りをしながら連続シートの一方側の部分を保持し、第3ベルトは連続シートに対して、幅方向に相対滑りをしながら連続シートの他方側の部分を保持している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使い捨ておむつ等の吸収性物品の製造に係る連続シートの複合体の皺伸ばし装置、及び皺伸ばし方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、生理用ナプキン等の製造ラインにおいては、最終製品状態にてトップシート2(吸収性物品1の使用時に着用者の肌に当接するシート)となるべき不織布などの連続シート2aと、液体吸収性繊維等からなる吸収体3とを一体化する目的で、連続シート2aの幅方向の中央部に吸収体3(重合物に相当)を重ね合わせた状態で、これらを、エンボスロール10bとアンビルロール10aとの間のロール間隙に通すことが行われる(例えば図2を参照)。
【0003】
そして、ロール間隙を通過する際には、エンボスロール10bの外周面のエンボス凸部12(凸部材に相当)が連続シート2a側から前記中央部を押圧し、これにより当該中央部には、溝状凹部7が押圧形成されて吸収体3と連続シート2aとは一体化される(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−14701号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
但し、この連続シート2a側からのエンボス凸部12の押圧に起因して、連続シート2aにおける溝状凹部7の周囲部分には、連続シート2aの走行方向に沿った皺2fが発生する場合がある(例えば図3を参照)。すなわち、押圧時に、連続シート2aにおける溝状凹部7の周囲部分が幅方向の内側に寄せられて皺2fが生じ得る。そして、この皺2fが、最終製品において残存していると、吸収性物品1の見た目を悪くしたり、更には、吸収性物品1の使用時に、吸収すべき経血等の体液が当該皺2fを伝って吸収性物品1外へ漏出する虞がある。
【0006】
本発明は、上記のような従来の問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、連続シートの中央部に重合物を重ね合わせた状態で凸部材の押圧により凹部が形成された連続シートの複合体の皺を伸ばすことにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するための主たる発明は、
走行する連続シートの幅方向の中央部に重合物が重ね合わされた状態で、前記連続シート側から前記中央部に凸部材が押圧されることにより前記中央部に凹部が加工された連続シートの複合体の皺を伸ばす装置であって、
前記連続シートの前記中央部を保持しつつ第1走行経路に沿って移動する第1ベルトと、
前記第1ベルトに対して前記幅方向の一方側に隣接して設けられ、前記連続シートにおける前記中央部よりも前記一方側の部分を保持しつつ第2走行経路に沿って移動する第2ベルトと、
前記第1ベルトに対して前記幅方向の他方側に隣接して設けられ、前記連続シートにおける前記中央部よりも前記他方側の部分を保持しつつ第3走行経路に沿って移動する第3ベルトと、を有し、
前記第2走行経路は、上流側よりも下流側の方が、前記第1走行経路から前記幅方向の前記一方側に離れるように前記第1走行経路から傾いており、
前記第3走行経路は、上流側よりも下流側の方が、前記第1走行経路から前記幅方向の前記他方側に離れるように前記第1走行経路から傾いており、
前記第2ベルトは、前記連続シートに対して前記幅方向に相対滑りをしながら前記連続シートの前記一方側の部分を保持しており、
前記第3ベルトは、前記連続シートに対して前記幅方向に相対滑りをしながら前記連続シートの前記他方側の部分を保持していることを特徴とする吸収性物品に係る連続シートの複合体の皺伸ばし装置である。
【0008】
また、
走行する連続シートの幅方向の中央部に重合物が重ね合わされた状態で、前記連続シート側から前記中央部に凸部材が押圧されることにより前記中央部に凹部が加工された連続シートの複合体の皺を伸ばす方法であって、
第1走行経路に沿って設けられた第1ベルトに、前記連続シートの前記中央部を保持させつつ、前記第1ベルトを前記第1走行経路に沿って移動することと、
前記第1ベルトの前記幅方向の一方側に隣接して設けられた第2ベルトに前記連続シートの前記中央部よりも前記一方側の部分を保持させつつ、前記第2ベルトを第2走行経路に沿って移動することと、
前記第1ベルトの前記幅方向の他方側に隣接して設けられた第3ベルトに前記連続シートの前記中央部よりも前記他方側の部分を保持させつつ、前記第3ベルトを第3走行経路に沿って移動することと、を有し、
前記第2走行経路は、上流側よりも下流側の方が、前記第1走行経路から前記幅方向の前記一方側に離れるように前記第1走行経路から傾いており、
前記第3走行経路は、上流側よりも下流側の方が、前記第1走行経路から前記幅方向の前記他方側に離れるように前記第1走行経路から傾いており、
前記第2ベルトは、前記連続シートに対して前記幅方向に相対滑りをしながら前記連続シートの前記一方側の部分を保持しており、
前記第3ベルトは、前記連続シートに対して前記幅方向に相対滑りをしながら前記連続シートの前記他方側の部分を保持していることを特徴とする吸収性物品に係る連続シートの複合体の皺伸ばし方法である。
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、連続シートの中央部に重合物を重ね合わせた状態で凸部材の押圧により凹部が形成された連続シートの複合体の皺を伸ばすことが可能となり、その結果、同複合体の皺を抑制可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1Aはナプキン1の平面図であり、図1Bは、図1A中のB−B断面図である。
【図2】ナプキン1の製造ラインにおいて皺伸ばし装置30に関係するセクションS1,S2を示す概略側面図である。
【図3】トップシート2aに生じ得る皺を説明するための半製品1aの下面図である。
【図4】図4Aは、第1実施形態の皺伸ばし装置30の概略上面図であり、図4Bは、図4A中のB−B矢視図であり、図4Cは、図4A中のC−C矢視図である。
【図5】皺伸ばし装置30によりトップシート2aの皺2fが伸ばされる様子を示す半製品1aの下面図である。
【図6】ベルト面32Ca,32La,32Ra同士の間の段差D1の説明図である。
【図7】図7Aは、サクションボックス50C,50L,50Rの概略上面図であり、図7Bは、図7A中のB−B矢視図であり、図7Cは、図7A中のC−C矢視図である。
【図8】半製品1aの上下関係が逆でも良いことを示す製造ラインの一部の概略側面図である。
【図9】半製品1aの上下関係が逆の場合に皺伸ばし性が劣る理由を説明する図である。
【図10】図10Aは、第2実施形態の皺伸ばし装置30aの概略中心縦断面図であり、図10Bは、図10A中のB−B矢視図であり、図10Cは、図10A中のC−C矢視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
走行する連続シートの幅方向の中央部に重合物が重ね合わされた状態で、前記連続シート側から前記中央部に凸部材が押圧されることにより前記中央部に凹部が加工された連続シートの複合体の皺を伸ばす装置であって、
前記連続シートの前記中央部を保持しつつ第1走行経路に沿って移動する第1ベルトと、
前記第1ベルトに対して前記幅方向の一方側に隣接して設けられ、前記連続シートにおける前記中央部よりも前記一方側の部分を保持しつつ第2走行経路に沿って移動する第2ベルトと、
前記第1ベルトに対して前記幅方向の他方側に隣接して設けられ、前記連続シートにおける前記中央部よりも前記他方側の部分を保持しつつ第3走行経路に沿って移動する第3ベルトと、を有し、
前記第2走行経路は、上流側よりも下流側の方が、前記第1走行経路から前記幅方向の前記一方側に離れるように前記第1走行経路から傾いており、
前記第3走行経路は、上流側よりも下流側の方が、前記第1走行経路から前記幅方向の前記他方側に離れるように前記第1走行経路から傾いており、
前記第2ベルトは、前記連続シートに対して前記幅方向に相対滑りをしながら前記連続シートの前記一方側の部分を保持しており、
前記第3ベルトは、前記連続シートに対して前記幅方向に相対滑りをしながら前記連続シートの前記他方側の部分を保持していることを特徴とする吸収性物品に係る連続シートの複合体の皺伸ばし装置。
【0012】
このような吸収性物品に係る連続シートの複合体の皺伸ばし装置によれば、第2走行経路及び第3走行経路は、それぞれ、上流側よりも下流側の方が第1走行経路から離れるような傾斜した経路に設定されている。よって、第2ベルト及び第3ベルトは、連続シートの幅方向の端部をそれぞれ保持しながら、対応する各走行経路に沿って移動することにより、連続シートを幅方向の外側へ引っ張ってこれを伸ばすことができ、これにより、連続シートにおける走行方向に沿った皺を確実に伸ばすことができる。
また、第2ベルト及び第3ベルトは、それぞれ連続シートとの間で相対滑りをするので、過大な幅方向の引っ張り力が連続シートに作用して同シートが破れる等といった損傷を有効に抑制可能となる。
【0013】
かかる連続シートの複合体の皺伸ばし装置であって、
前記第1ベルト、前記第2ベルト、及び前記3ベルトは、それぞれ吸気孔を有し、
前記第1ベルトは、前記連続シートにおける前記中央部を吸着することにより前記中央部を保持し、
前記第2ベルトは、前記連続シートにおける前記幅方向の前記一方側の部分を吸着することにより前記一方側の部分を保持し、
前記第3ベルトは、前記連続シートにおける前記幅方向の前記他方側の部分を吸着することにより前記他方側の部分を保持するのが望ましい。
【0014】
このような吸収性物品に係る連続シートの複合体の皺伸ばし装置によれば、第1ベルト、第2ベルト、及び第3ベルトは、それぞれ連続シートにおいて保持すべき各部分を吸着してこれを保持することができる。
また、第1ベルト、第2ベルト、及び第3ベルトの上方に装置を、別途保持用のベルト等を配置しなくても済み、当該上方を開放空間とすることができるので、連続シートの走行状態を監視し易くなり、またトラブル発生時には、その復旧作業を行い易くなる。
【0015】
かかる吸収性物品に係る連続シートの複合体の皺伸ばし装置であって、
前記連続シートは、前記重合物よりも前記第1ベルト側に位置しているのが望ましい。
このような吸収性物品に係る連続シートの複合体の皺伸ばし装置によれば、連続シートは、重合物よりも第1ベルト側に位置している。つまり、連続シートは、重合物と第1ベルトとの間に位置している。よって、第2ベルト及び第3ベルトは、重合物の厚み分の段差を生じること無く、前記幅方向に円滑に引っ張ることができて、その結果、皺伸ばし性に優れる。
【0016】
かかる吸収性物品に係る連続シートの複合体の皺伸ばし装置であって、
前記重合物は、液体吸収性繊維を所定形状に成形してなる吸収体であり、
前記吸収体は、前記第1走行経路に沿って所定ピッチで前記連続シートに間欠配置されており、
前記連続シートは、前記吸収体を覆う通気性及び液透過性を有したシートであり、
前記第2ベルト及び前記第3ベルトには、前記吸収体は保持されず前記連続シートだけが保持されるのが望ましい。
このような吸収性物品に係る連続シートの複合体の皺伸ばし装置によれば、第1ベルトの通気抵抗は、吸収体の存在分だけ、第2ベルト及び第3ベルトよりも大きくなり、これにより、連続シートに付与する保持力も大きくなり易い。よって、第1ベルトに対しては連続シートを相対滑りさせないようにしつつ、第2ベルト及び第3ベルトを連続シートに対して幅方向に相対滑りをさせながら保持するという設定を行い易くなる。
【0017】
かかる吸収性物品に係る連続シートの複合体の皺伸ばし装置であって、
前記第1ベルトの前記第1走行経路に沿って移動する速度値と、前記第2ベルトの前記第2走行経路に沿って移動する速度値と、前記第3ベルトの前記第3走行経路に沿って移動する速度値とが、互いに等しくなるように、前記第1ベルト、前記第2ベルト、及び前記第3ベルトは移動されるのが望ましい。
このような吸収性物品に係る連続シートの複合体の皺伸ばし装置によれば、第1ベルト、第2ベルト、及び第3ベルトの三者の駆動機構を共通化することができる。すなわち、これら三者を一つの駆動ローラーに掛け回せば、これら第1乃至第3ベルトを一斉に駆動可能となり、これにより、装置構成の簡略化を図れる。
【0018】
また、
走行する連続シートの幅方向の中央部に重合物が重ね合わされた状態で、前記連続シート側から前記中央部に凸部材が押圧されることにより前記中央部に凹部が加工された連続シートの複合体の皺を伸ばす方法であって、
第1走行経路に沿って設けられた第1ベルトに、前記連続シートの前記中央部を保持させつつ、前記第1ベルトを前記第1走行経路に沿って移動することと、
前記第1ベルトの前記幅方向の一方側に隣接して設けられた第2ベルトに前記連続シートの前記中央部よりも前記一方側の部分を保持させつつ、前記第2ベルトを第2走行経路に沿って移動することと、
前記第1ベルトの前記幅方向の他方側に隣接して設けられた第3ベルトに前記連続シートの前記中央部よりも前記他方側の部分を保持させつつ、前記第3ベルトを第3走行経路に沿って移動することと、を有し、
前記第2走行経路は、上流側よりも下流側の方が、前記第1走行経路から前記幅方向の前記一方側に離れるように前記第1走行経路から傾いており、
前記第3走行経路は、上流側よりも下流側の方が、前記第1走行経路から前記幅方向の前記他方側に離れるように前記第1走行経路から傾いており、
前記第2ベルトは、前記連続シートに対して前記幅方向に相対滑りをしながら前記連続シートの前記一方側の部分を保持しており、
前記第3ベルトは、前記連続シートに対して前記幅方向に相対滑りをしながら前記連続シートの前記他方側の部分を保持していることを特徴とする吸収性物品に係る連続シートの複合体の皺伸ばし方法。
【0019】
このような吸収性物品に係る連続シートの複合体の皺伸ばし方法によれば、第2走行経路及び第3走行経路は、それぞれ、上流側よりも下流側の方が第1走行経路から離れるような傾斜した経路に設定されている。よって、第2ベルト及び第3ベルトは、連続シートの幅方向の端部をそれぞれ保持しながら、対応する各走行経路に沿って移動することにより、連続シートを幅方向の外側へ引っ張ってこれを伸ばすことができ、これにより、連続シートにおける走行方向に沿った皺を確実に伸ばすことができる。
また、第2ベルト及び第3ベルトは、それぞれ連続シートとの間で相対滑りをするので、過大な幅方向の引っ張り力が連続シートに作用して同シートが破れる等といった損傷を有効に抑制可能となる。
【0020】
===第1実施形態===
第1実施形態に係る皺伸ばし装置30は、吸収性物品の一例としての生理用ナプキン1の製造ラインで使用される。
図1Aはナプキン1の平面図であり、図1Bは、図1A中のB−B断面図である。
ナプキン1は、例えば、通気性及び液透過性を具備した不織布等のトップシート2と、フィルム等の液不透過性のバックシート4と、これらの間に介装されて体液を吸収する吸収体3と、を有する。
【0021】
吸収体3は、パルプ繊維等の液体吸収性繊維を略直方体等の所定形状に成形したものを本体とする。その平面サイズは、ナプキン1の長手方向及び幅方向の両方向に関して、トップシート2及びバックシート4の両者よりも小さいサイズになっている。よって、これらシート2,4同士は、前記両方向に関して吸収体3からはみ出す部分にて互いに貼り合わせられ、これにより、これらシート2,4同士の間に吸収体3は保持されている。
【0022】
また、ナプキン1のトップシート2側の面たるトップシート2の表面(肌に当接する面のことであり、以下、肌側当接面とも言う)のうちで、その長手方向及び幅方向の略中央部には、凹部の一例としてのエンボス溝7が、型押し等によってナプキン1の厚み方向に押圧されて形成されている。そして、これにより、トップシート2と吸収体3との一体化が図られている。また、かかるエンボス溝7は、トップシート2の表面にナプキン1の長手方向に長い略長円形状の閉領域7aを区画しているが、その形状は何等略長円形状に限らず別形状でも良く、更には、エンボス溝7に代えて、複数の島状凹部の集合体が押圧形成されていても良い。
【0023】
また、ナプキン1は、その長手方向の略中央の位置に、幅方向の外方に突出した一対のウイング部1w,1wを有している。ここで、これらウイング部1w,1wには、吸収体3は存在しておらず、かかるウイング部1w,1wを有した外形形状の形成は、吸収体3よりも外側のトップシート2とバックシート4とが貼り合わされた部分をダイカッター等により打ち抜くことでなされる。
【0024】
ちなみに、上述の吸収体3としては、単にパルプ繊維を成形してなる成形体に限るものではなく、パルプ繊維の成形体をティッシュペーパーで被覆したものを用いても良いし、内部に高吸収性ポリマーが混入されていても良い。また、この例では、トップシート2として不織布を使用しているが、シート2の厚み方向に適度な通気性と液透過性を有していれば何等これに限らない。
【0025】
かかるナプキン1の製造ラインでは、適宜な搬送機構により、ナプキン1の半製品を所定の搬送方向に沿って所定の搬送速度で搬送する。そして、かかる搬送中に、当該半製品に対して各種部品の接着や溶着、プレス・打ち抜き等の各種加工が施され、その度に順次半製品が状態を変えていきながら、最終的には、図1Aの状態のナプキン1が生成される。
なお、半製品の搬送に供する搬送機構としては、例えば、載置面たるベルト面に吸引保持機能を有したサクションベルトコンベアや、搬送ローラー等が使用される。
【0026】
図2は、上記製造ラインにおいて皺伸ばし装置30に関係するセクションS1,S2を拡大して示す概略側面図である。なお、以下では、半製品1aの搬送方向のことを、走行方向又はMD方向とも言い、この搬送方向と直交する方向(図2中では、その紙面を貫通する方向)のことを「CD方向」又は「左右方向」とも言う。
【0027】
図2に示すセクションS1には、半製品1aとして、トップシート2の連続シート2a(以下、単にトップシート2aとも言う)の上面に複数の吸収体3,3…が載置された形態のものがMD方向に連続して送られる。詳しくは、複数の吸収体3,3…(重合物に相当)は、同トップシート2aの上面におけるCD方向の中央部に、MD方向に所定ピッチで載置されている。
【0028】
そして、先ず、エンボス加工セクションS1では、トップシート2の表面(つまり肌側当接面)に相当する下面の方から同下面にエンボス溝7を形成する。すなわち、当該セクションS1には、外周面を互いに対向させつつ、CD方向に沿った回転軸C10周りに駆動回転する上下一対のロール10a,10bが配置されている。そして、この例では、吸収体3側ではなくトップシート2側からエンボス溝7を凹ませて形成可能なように、下ロール10bの方が、外周面にエンボス凸部12(凸部材に相当)を有したエンボスロールとなっており、上ロール10aの方は、平滑な外周面で前記エンボス凸部12を受けるアンビルロールとなっている。そして、エンボス凸部12は、上述の図1Aの如きエンボス溝7に対応した略長円形状でエンボスロール10bの外周面から突出している。よって、これらロール10a,10b同士の間のロール間隙を半製品1aが通過する際に、当該半製品1aにおけるCD方向の中央部が、エンボス凸部12により型押しされて、同中央部にエンボス溝7が押圧形成される。
【0029】
そうしたら、その下流のバックシート貼り付けセクションS2では、図2に示すように、上方からバックシート4の連続シート4a(以下、単にバックシート4aとも言う)が、半製品1aと搬送方向を揃えつつ連続して供給され、当該バックシート4aが、半製品1aを上方から覆う。これにより、バックシート4aは、半製品1aの吸収体3を、同半製品1aのトップシート2aとの間に挟みながらトップシート2aに接着一体化される。そして、更に下流において適宜な不図示のダイカッターロール装置等により、図1Aの平面形状に打ち抜かれる等してナプキン1となる。
【0030】
ところで、上述のエンボス溝7の加工に伴って、トップシート2aにおけるエンボス溝7の周囲部分には、図3の半製品1aの下面図に示すように皺2fが発生する。そして、この皺2fはナプキン1の見栄えを悪くするだけでなく、ナプキン1の使用中に吸収すべき経血等の体液をナプキン1外へ漏出する原因部分になり得る。すなわち、当該皺2fを伝って体液がナプキン1の外周縁等に達して漏出する虞がある。
【0031】
そのため、かかるトップシート2aに生じた皺2fを伸ばすべく、図2に示すように、エンボス加工セクションS1とバックシート貼り付けセクションS2との間には、皺2fを伸ばすための皺伸ばし装置30が配置されている。以下、この皺伸ばし装置30について説明する。
【0032】
図4A乃至図4Cは、皺伸ばし装置30の概略説明図である。図4Aは同上面図であり、図4Bは、図4A中のB−B矢視図であり、図4Cは、図4A中のC−C矢視図である。なお、図4Aでは、図の錯綜を防ぐため、半製品1aについては図示していない。
【0033】
図2に示すように、皺伸ばし装置30は、エンボス加工セクションS1の下流側に隣接配置されている。そして、この皺伸ばし装置30によれば、半製品1aに係るトップシート2aにおいてエンボス溝7の周囲部分に生じたMD方向に沿う皺2fが、図5の半製品1aの下面図に示すように順次伸ばされていく。すなわち、この皺伸ばし装置30によって搬送方向たるMD方向に搬送される間に、同図中に白抜き矢印で示すように、半製品1a(連続シートの複合体に相当)のうちのトップシート2aの部分は、その幅方向たるCD方向の両側に徐々に引っ張られていき、これにより、MD方向に沿った皺2fが次第に伸ばされて、最終的に皺伸ばし装置30の下流端辺りでは、概ね皺2fの無い状態にされる。ちなみに、図5においては、ナプキン1上における皺2fの発生部位の理解を容易にする目的で、ナプキン1の外形線を仮想的に二点鎖線で示しているが、この段階では、このような線は実際には無く、これについては、前述の図3も同様である。
【0034】
このような機能の皺伸ばし装置30は、上述の如く半製品1aをMD方向に搬送中にそのトップシート2aの皺2fを伸ばすため、その本体にサクションベルトコンベアを使用している。すなわち、図4A乃至図4Cに示すように、ベルト面32Ca,32La,32Raが吸引保持機能を有する無端のサクションベルト32C,32L,32Rが、CD方向に三本並んで配されており、各ベルト32C,32L,32Rは、それぞれ、略MD方向に沿った周回軌道を周回する。そして、図4Bに示すように、周回軌道における上部の水平の経路Tr1が、半製品1aの走行経路Tr1となっている。すなわち、各ベルト32C,32L,32Rは、上記水平の経路Tr1を走行する間に亘り、ベルト面32Ca,32La,32Ra(ベルト32C,32L,32Rの各外周面)にて半製品1aのトップシート2aを吸引保持(吸着)して半製品1aをMD方向に搬送する。そして、この走行経路Tr1の下流端PTrdでは、前述のバックシート貼り付けセクションS2が具備する搬送機構24(図2)へと半製品1aを送って引き渡す。
【0035】
ここで、半製品1aに係るトップシート2aの皺2fを伸ばすために、これら三本のベルト32C,32L,32Rには、ある工夫がなされている。
以下、その工夫について説明するが、かかる説明では、CD方向の中央のベルト32Cのことを「センターベルト32C(第1ベルトに相当)」とも言い、また、センターベルト32CのCD方向の両脇に隣接配置される前述の一対のベルト32L,32Rのことを、それぞれ「左サイドベルト32L(第2ベルトに相当)」及び「右サイドベルト32R(第3ベルトに相当)」とも言う。
更には、センターベルト32Cの上記走行経路Tr1のことを「中央走行経路Tr1C(第1走行経路に相当)」とも言い、左ベルト32Lの上記走行経路Tr1のことを「左走行経路Tr1L(第2走行経路に相当)」とも言い、右ベルト32Rの上記走行経路Tr1のことを「右走行経路Tr1R(第3走行経路に相当)」とも言う。
【0036】
先ず、図4Aに示すように、センターベルト32Cに係る中央走行経路Tr1Cは、MD方向に対して平行に設定されている。これに対して、左サイドベルト32Lの左走行経路Tr1L及び右サイドベルト32Rの右走行経路Tr1Rは、それぞれ、MD方向から所定の傾斜角度θだけCD方向の外側に傾いて(開いて)設定されている。
すなわち、左走行経路Tr1Lについては、MD方向の上流側よりも下流側の方が中央走行経路Tr1CからCD方向の左側に離れるように中央走行経路Tr1Cから傾いて(開いて)おり、右走行経路Tr1Rにあっては、MD方向の上流側よりも下流側の方が中央走行経路Tr1CからCD方向の右側に離れるように中央走行経路Tr1Cから傾いて(開いて)いる。
【0037】
よって、かかる構成によれば、先ず、センターベルト32Cは、そのベルト面32Caによって半製品1aのトップシート2aのCD方向の中央部を吸引保持(吸着)しながらMD方向に半製品1aを送る。また、これと同時並行して、左サイドベルト32L及び右サイドベルト32Rは、それぞれ、各ベルト面32La,32Raによって半製品1aのトップシート2aのCD方向の各端部を吸引保持(吸着)しながら周回するが、その際には、上記の傾斜角度θに基づいて、各サイドベルト32L,32Rは、トップシート2aをCD方向の左右の外側へ引っ張ってこれを伸ばす。そして、これにより、トップシート2aのMD方向に沿った皺2fは伸ばされる。
【0038】
また、この時、左サイドベルト32L及び右サイドベルト32Rにあっては、トップシート2aに対してCD方向に相対滑りをしながらトップシート2aの各端部を吸引保持するように設定されている。よって、左サイドベルト32L及び右サイドベルト32Rは、上述の相対滑りに基づいて、過大なCD方向の引っ張り力をトップシート2aに作用させずに皺2fを伸ばすのに必要な程度の大きさの引っ張り力を同シート2aに作用させることができて、その結果、同シート2aが破れる等といった損傷を有効に防ぐことができる。なお、このようにCD方向の相対滑りを生じさせながらトップシート2aの各端部を吸引保持するための設定方法については、後述する。
【0039】
ちなみに、上述の左右のサイドベルト32L,32Rの各傾斜角度θ,θは、互いにMD方向に関して勝手反対の関係にあり、つまり、これら傾斜角度θの大きさは互いに同値であることを基本とする。但し、場合によっては、多少異なっていても良い。すなわち、各傾斜角度θ,θは、それぞれ、例えば1〜10°の範囲から任意に選択され、ここでは各傾斜角度θ,θとして、互いに同値の4°が選択されている。
【0040】
また、各ベルト32C,32L,32Rの周回速度の値Vは、互いに同じ速度値(m/秒)であることを基本とし、この例では互いに同値になるようにしている。しかし、場合によっては、左右のサイドベルト32L,32Rの周回速度値VL,VR同士を、センターベルト32Cの周回速度値VCに対してその±5%の範囲で異ならせても良い。また、センターベルト32Cの周回速度値VCは、例えば、この皺伸ばし装置30の上流及び下流に隣り合うセクションS1,S2の半製品1aの走行速度値VBと概ね等しくなるように制御され、つまり、これらベルト32C,32L,32Rの周回速度VC,VL,VRは、前記走行速度VBに同期している。
【0041】
ここで、かかる皺伸ばし装置30の構成について、より具体的に説明する。
図4Bに示すように、各ベルト32C,32L,32Rは、それぞれ、周回軌道を規定する複数のローラー34C,34C…,34L,34L…,34R,34R…に掛け回されている。図示例では、各ベルト32C,32L,32Rに対して、それぞれ7本のローラー34C,34C…,34L,34L…,34R,34R…が設けられ、各ベルト32C,32L,32Rは、それぞれ対応する7本のローラー34C,34C…,34L,34L…,34R,34R…に掛け回されている。
【0042】
各ローラー34C,34C…,34L,34L…,34R,34R…は、それぞれ、対応する定位置に移動不能に固定されつつ、略CD方向に沿った回転軸周りに回転可能に不図示のフレーム等の支持部材によって支持されている。そして、これらローラー34C,34C…,34L,34L…,34R,34R…のうちで最上部に配置された各一対のローラー34C1,34C1,34L1,34L1,34R1,34R1が、前述の半製品1aの各走行経路Tr1C,Tr1L,Tr1Rを規定するパスラインローラーである。
【0043】
すなわち、図4Aの例では、センターベルト32Cに対応させて、一対のローラー34C1,34C1がMD方向に所定間隔をあけて並んでおり、これによりこれらローラー34C1,34C1同士の間には水平な中央走行経路Tr1Cが設定され、また、左サイドベルト32Lに対応させて、一対のローラー34L1,34L1がMD方向に所定間隔をあけて並んでおり、これによりこれらローラー34L1,34L1同士の間には水平な左走行経路Tr1Lが設定され、更には、右サイドベルト32Rに対応させて、一対のローラー34R1,34R1がMD方向に所定間隔をあけて並んでおり、これによりこれらローラー34R1,34R1同士の間には水平な右走行経路Tr1Rが設定されている。
【0044】
また、この例では、これら三つの各走行経路Tr1C,Tr1L,Tr1Rは、互いに同一平面上に形成されている。すなわち、図4Cに示すように、三つのベルト32C,32L,32Rの各ベルト面32Ca,32La,32Raは、上記走行経路Tr1C,Tr1L,Tr1Rにおいて互いに同一面上に位置されている。よって、各ベルト面32Ca,32La,32Raによって安定してトップシート2aを保持可能になるとともに、同シート2aに対してCD方向の引っ張り力を安定して付与することができる。但し、図6に示すように、ベルト面32Ca,32La,32Ra同士の間に、多少の段差D1を生じても良い。すなわち、ベルト面32Ca,32La,32Ra同士が、互いに平行な状態を維持しつつ、ベルト面32Ca,32La,32Raの法線方向の位置が互いに0mm〜5mmのずれ量δ1の範囲でずれていても良い。但し、このずれ量δ1が大きくなると、トップシート2aの保持安定性が低下するので、このずれ量δ1は小さい方が好ましい。
【0045】
一方、図4Bに示すように、最下部に配置された各ローラー34C,34L,34Rは、各ベルト32C,32L,32Rを駆動回転する駆動ローラー34C2,34L2,34R2である。なお、この例では、各ベルト32C,32L,32Rの駆動ローラー34C2,34L2,34R2は互いに連結一体化されており、例えば一つの電動モーターを駆動源として駆動回転する。そして、これにより、三本の各ベルト32C,32L,32Rは、周回速度値VC,VL,VRを互いに同速に揃えつつ周回する。ちなみに、ここで駆動ローラー34C2,34L2,34R2は、この最下部のローラーのみであり、他のローラー34C,34C…,34L,34L…,34R,34R…は所謂従動ローラーである。つまり、基本的には、これら他のローラー34C,34C…,34L,34L…,34R,34R…は、それぞれ、その外周面に当接するベルト32C,32L,32Rによって連れ回りをする。
【0046】
また、上記のパスラインローラー34C1,34L1,34R1及び駆動ローラー34C2,34L2,34R2以外のローラー34C,34L,34Rは、周回軌道の内側の空間に、後述するサクションボックス50C,50L,50Rを配置すべく同空間のサイズを拡張するためのローラーか、或いは各ベルト32C,32L,32Rを所定の巻き付け角度で駆動ローラー34C2,34L2,34R2に巻き付けるためのテンションローラーとして機能する。
【0047】
ところで、各ベルト32C,32L,32Rは、それぞれ、ベルト面32Ca,32La,32Raに半製品1aのトップシート2aを吸引保持すべく吸引保持機能を有している旨を前述したが、かかる機能は次のような構成により実現されている。
先ず、図4Aに示すように、各ベルト32C,32L,32Rには、それぞれ、その厚み方向に貫通する複数の同形状の貫通孔36,36…(吸気孔に相当)が各ベルト32C,32L,32Rの全長に亘って均等分布で配置されている。また、図4B及び図4Cに示すように、各ベルト32C,32L,32Rの周回軌道の内側の空間には、それぞれ、略直方体の箱状のサクションボックス50C,50L,50Rが配置されており、各サクションボックス50C,50L,50Rの内部空間SP,SP,SPは、適宜な負圧源に連通されて負圧状態に維持されている。そして、各サクションボックス50C,50L,50Rが具備する壁部のうちで、上記の走行経路Tr1C,Tr1L,Tr1Rと対向する上面壁部50Cw,50Lw,50Rwには、複数のMD方向に沿った長孔52,52…が壁厚方向に貫通形成されており、これら長孔52,52…からは、上述の負圧状態に応じた吸気が行われる(適宜に図7Aも参照)。
【0048】
よって、各ベルト32C,32L,32Rが周回軌道においてサクションボックス50C,50L,50Rの上面壁部50Cw,50Lw,50Rwと対向する経路たる上記の走行経路Tr1C,Tr1L,Tr1Rを通る間は、各ベルト32C,32L,32Rの貫通孔36,36…から吸気が行われ、これにより、半製品1aをベルト面32Ca,32La,32Raに吸引保持する一方、走行経路Tr1C,Tr1L,Tr1Rの下流端PTrdに達して走行経路Tr1C,Tr1L,Tr1Rを通過し終えたら、駆動ローラー34C2,34L2,34R2の位置を経由して走行経路Tr1C,Tr1L,Tr1Rの上流端PTruに戻るまでは、ベルト32C,32L,32Rの貫通孔36,36…からの吸気は停止され、つまり、吸引保持は停止状態となる。
【0049】
また、上記の走行経路Tr1においては、それぞれ左サイドベルト32L及び右サイドベルト32Rは半製品1aのトップシート2aに対してCD方向に相対滑りをしながら吸引保持している旨を前述したが、このような相対滑りを伴った吸引保持は、吸引保持に係る保持力の調整により達成されている。
例えば、図4Aの例では、上記の走行経路Tr1において半製品1aを吸引保持する保持力の大きさが、左サイドベルト32Lと右サイドベルト32Rとについては互いに等しくなるように設定されているが、センターベルト32Cの保持力FC(kN)の大きさについては、左サイドベルト32Lの保持力FL(kN)と右サイドベルト32Rの保持力FR(kN)の合算値(=FL+FR)よりも大きくなるように設定されている。そして、これにより、センターベルト32Cについては、半製品1aに係るトップシート2aとの間で概ね相対滑りをすること無く同シート2aを保持するが、左サイドベルト32L及び右サイドベルト32Rについては、CD方向に相対滑りを伴いながら同シート2aを保持するようになっている。
【0050】
このような保持力FC,FL,FRの大きさの調整は、ここでは、次のようにして実現されている。図7A乃至図7Cに、サクションボックス50C,50L,50Rの概略説明図を示す。図7Aは同上面図であり、図7Bは、図7A中のB−B矢視図であり、図7Cは、図7A中のC−C矢視図である。なお、これら図7A乃至図7Cは、図4A乃至図4Cから各ベルト32C,32L,32Rを取り外した状態の図に相当する。
【0051】
先ず、三つの各サクションボックス50C,50L,50R内の負圧の気圧値が互いに略同値になるように調整される。例えばこの例では、これら三つのサクションボックス50C,50L,50Rに同一のサクション管55を直結し、これにより、サクションボックス50C,50L,50R内の空気を吸引するサクション管55を共用することで、3つのサクションボックス50C,50L,50Rの気圧値が略同値になるようにしている。なお、図7A及び図7Bに示すように、この例では、かかるサクション管55,55がMD方向の複数箇所(図示例では二箇所)にそれぞれ配置され、また、各サクション管55,55はブロワ等の上記負圧源に連結されており、これにより、各サクションボックス50C,50L,50R内の気圧を上述の負圧にする。
【0052】
また、図4Aに示すように、各サイドベルト32L,32Rの複数の貫通孔36,36…のうちで走行経路Tr1に位置する貫通孔36,36…の面積の合計値を、左サイドベルト32Lと右サイドベルト32Rとで互いに等しくなるようにするとともに、左サイドベルト32Lに係る上記合計値と右サイドベルト32Rに係る上記合計値との加算値よりも、センターベルト32Cの貫通孔36,36…のうちで走行経路Tr1に位置する貫通孔36,36…の面積の合計値の方が大きくなるように設定している。これにより、貫通孔36,36…からの吸気によるセンターベルト32Cの保持力FCの大きさを、左サイドベルト32Lの保持力FLと右サイドベルト32Rの保持力FRとの合力(=FL+FR)の大きさよりも大きくしている。
【0053】
ちなみに、図4Cに示すように、センターベルト32Cが吸引保持すべきトップシート2aの中央部は、吸収体3が重なっている分だけ通気抵抗が大きくなっているので、その分だけセンターベルト32Cの保持力は、左右のサイドベルト32L,32Rよりも大きくなる。よって、これら左右のサイドベルト32L,32Rは、更に相対滑りを行い易くなり、このことも、上述の相対滑りをしながらの吸引保持の実現に有効に寄与する。
【0054】
また、この図の例では、走行経路Tr1に位置するベルト32C,32L,32Rの部分の貫通孔36,36…の面積の合計値の設定によって、保持力FC,FL,FRの大きさを調整していたが、何等これに限るものではない。例えば、各サクションボックス50C,50L,50Rが、その内部の気圧値を互いに個別調整可能に構成されている場合には、各気圧値をそれぞれ独立に設定することで、保持力FC,FL,FRの調整を行っても良い。その場合の調整方法の一例としては、左右のサイドベルト32L,32Rの各サクションボックス50L,50R内の負圧の気圧値を同値にするとともに、センターベルト32Cのサクションボックス50C内の負圧の気圧値を上記サイドベルト32L,32R用の各気圧値よりも下げる(つまり、負圧レベルを大きくする)こと等が挙げられる。
【0055】
なお、望ましくは、各サクションボックス50C,50L,50Rの長孔52,52…のCD方向のサイズについては、長孔の52,52…の上方を通過する貫通孔36,36…が当該長孔52,52…内に収まるようなサイズに設定すると良い。そのようにすれば、各長孔52,52…は、CD方向に関して貫通孔36,36…を一部も塞がないようになって、これら貫通孔36,36…の吸気を概ね阻害しないようにできる。そのため、図4A及び図7Aの例では、そのようなサイズに設定されている。
【0056】
ところで、上述の第1実施形態では、図2に示すように、製造ラインにおいて、トップシート2aの上面に吸収体3を重ね合わせていたが、これらの上下関係は何等これに限るものではなく、図8の概略側面図に示すように、この位置関係を逆にしても良い。すなわち、トップシート2aの下面に吸収体3を重ね合わせても良い。
そして、この場合には、エンボス加工セクションS1のエンボスロール10bとアンビルロール10aの配置関係も上下逆転することとなり、つまり、エンボスロール10bの下方にアンビルロール10aが配置されることになる。また、バックシート貼り付けセクションS2にあっても、バックシート4aは、半製品1aの下方から供給されて接着されることになる。
【0057】
但し、皺伸ばし装置30については、上述の第1実施形態と全く同じ構成のものを適用可能である。つまり、皺伸ばし装置30は、上下反転されずにそのまま使用される。しかしながら、この場合には、図9に示すように、吸収体3がトップシート2aよりもセンターベルト32C側に位置しているので、トップシート2aは、センターベルト32Cと左右のサイドベルト32L,32Rとの間の位置において、吸収体3の厚み分の段差D2を生じ、これにより、左右のサイドベルト32L,32RによるCD方向の引っ張り力を円滑に付与し難くなって皺伸ばし性に劣るものと考えられる。従って、かかる皺伸ばし性の観点からは、図8の例よりも前述の第1実施形態の構成たる図2の構成の方が望ましい。
【0058】
===第2実施形態===
図10A乃至図10Cは、第2実施形態に係る皺伸ばし装置30aの概略説明図である。図10Aは同中心縦断面図である。また、図10Bは、図10A中のB−B矢視図であり、図10Cは、図10A中のC−C矢視図である。なお、図10B中では、図の錯綜を防ぐべく、半製品1aについては図示していない。
【0059】
前述の第1実施形態では、半製品1aを保持するための保持力FC,FL,FRを、各ベルト32C,32L,32Rの貫通孔36からの吸気によって得ていたが、この第2実施形態では、半製品1aを上下一対のベルト41,42で挟み込むことにより生じる挟圧力を保持力として用いている点で相違する。
【0060】
すなわち、図10A乃至図10Cに示すように、この皺伸ばし装置30aにあっては、上下一対の無端ベルト41,42を有したベルト対G40C,G40L,G40Rが、CD方向に3対並んで配されている。そして、各ベルト対G40C,G40L,G40Rとも、所定の周回軌道を周回する上無端ベルト41と、上無端ベルト41の下方に対向配置されて、所定の周回軌道を周回する下無端ベルト42と、を有する。
【0061】
なお、以下では、CD方向の中央に位置するベルト対G40Cのことを、「センターベルト対G40C」とも言い、また、センターベルト対G40CのCD方向の両脇に隣接配置される左右一対のベルト対G40L,G40Rのことを、それぞれ「左サイドベルト対G40L」及び「右サイドベルト対G40R)」とも言う。
【0062】
また、これらベルト対G40C,G40L,G40Rの基本構造は概ね同じであるため、以下の説明では、ベルト対G40C,G40L,G40Rの区別をせずに説明するが、実際には互いの設備諸元が若干相違している。例えば、センターベルト対G40Cに係る無端ベルト41,42の幅寸法は、左右のサイドベルト対G40L,G40Rに係る無端ベルト41,42の幅寸法よりも広くなっている。
【0063】
図10A乃至図10Cに示すように、各ベルト対G40C,G40L,G40Rの下無端ベルト42は、それぞれ、MD方向に間隔をあけて並ぶ一対のローラー44,44に掛け回されている。そして、これらローラー44,44のうちの少なくとも一方のローラー44は、駆動源としての電動モーター(不図示)から駆動回転力が付与されて駆動回転し、これにより下無端ベルト42は周回する。
【0064】
一方、各ベルト対G40C,G40L,G40Rの上無端ベルト41も、MD方向に間隔をあけて並ぶ一対のローラー43,43に掛け回されている。そして、上無端ベルト41は、対向する下無端ベルト42との間に半製品1aを所定の挟圧力で挟み込んで搬送する。すなわち、各ベルト対G40C,G40L,G40Rに係り、それぞれ、上無端ベルト41と下無端ベルト42との間に形成された走行経路Tr1C,Tr1L,Tr1Rを、これら無端ベルト41,42と略一体となって半製品1aは移動する。そして、その下流端PTrdでバックシート貼り付けセクションS2の搬送機構24(図2)に半製品1aを引き渡す。
【0065】
なお、上無端ベルト41にあっては、下無端ベルト42から駆動力を得て従動周回する従動ベルトとして構成されても良いし、上述の電動モーターから適宜な歯車伝達機構等により駆動力が伝達されて駆動周回する駆動ベルトとして構成されても良い。なお、後者の駆動周回の場合には、上無端ベルト41は、下無端ベルト42と同期しつつ同じ周回速度で周回動作をするのは言うまでも無い。
【0066】
ところで、図10A及び図10Bに示すように、センターベルト対G40Cにおいて上無端ベルト41と下無端ベルト42との間に形成された走行経路Tr1C(以下、中央走行経路Tr1Cとも言う)は、MD方向に対して平行に設定されている。一方、左サイドベルト対G40Lにおいて上無端ベルト41と下無端ベルト42との間に形成された走行経路Tr1L(以下、左走行経路Tr1Lとも言う)、及び、右サイドベルト対G40Rにおいて上無端ベルト41と下無端ベルト42との間に形成された走行経路Tr1R(以下、右走行経路Tr1Rとも言う)は、それぞれ、MD方向から所定の傾斜角度θでもってCD方向の外側に傾いて(開いて)設定されている(図10Bを参照)。
【0067】
すなわち、左走行経路Tr1Lについては、MD方向の上流側よりも下流側の方が中央走行経路Tr1CからCD方向の左側に離れるように中央走行経路Tr1Cから傾いて(開いて)おり、右走行経路Tr1Rにあっては、MD方向の上流側よりも下流側の方が中央走行経路Tr1CからCD方向の右側に離れるように中央走行経路Tr1Cから傾いて(開いて)いる。
【0068】
よって、かかる構成によれば、先ず、センターベルト対G40Cは、上記の中央走行経路Tr1Cにおいて、半製品1aのCD方向の中央部を挟圧保持しながら周回して半製品1aを送る。また、これと同時並行して、左サイドベルト対G40L及び右サイドベルト対G40Rは、それぞれ、左走行経路Tr1L及び右走行経路Tr1Rにおいて、半製品1aのトップシート2aのCD方向の対応する各端部を挟圧保持しながら周回するが、その際には、上記の傾斜角度θに基づいて、各サイドベルト対G40L,G40Rは、トップシート2aをCD方向の外側へ引っ張ってこれを伸ばす。その結果、トップシート2aのMD方向に沿った皺2fは伸ばされて概ね皺2fの無い状態にされる。
【0069】
なお、この時には、左サイドベルト対G40Lの各ベルト41,42及び右サイドベルト対G40Rの各ベルト41,42にあっては、トップシート2aに対してCD方向に相対滑りをしながらトップシート2aの各端部を挟圧保持するように設定されている。よって、左サイドベルト対G40L及び右サイドベルト対G40Rは、上述の相対滑りに基づいて、過大な幅方向の引っ張り力をトップシート2aに作用させずに、皺2fを伸ばすのに必要な程度の大きさの引っ張り力を同シート2aに作用させることができて、その結果、同シート2aが破れる等といった損傷を有効に防ぐことができる。
【0070】
このような相対滑りをしながらの挟圧保持は、例えば、上無端ベルト42と下無端ベルト41とで半製品1aを挟む込む挟圧力の大きさの設定により実現される。
例えば、上記の走行経路Tr1L,Tr1Rにおいて半製品1aを挟圧保持する挟圧力の大きさが、左サイドベルト対G40Lと右サイドベルト対G40Rとについて互いに等しくなるように設定するとともに、走行経路Tr1Cのセンターベルト対G40Cの挟圧力FC(kN)の大きさが、走行経路Tr1Lの左サイドベルト対G40Lの挟圧力FL(kN)と走行経路Tr1Rの右サイドベルト対G40Rの挟圧力FR(kN)の合算値(=FL+FR)よりも大きくなるように設定すれば良い。
そうすれば、センターベルト対G40Cについては、半製品1aとの間で概ね相対滑りをすること無く半製品1aを挟圧保持するが、左サイドベルト対G40L及び右サイドベルト対G40Rについては、CD方向に相対滑りを伴いながら半製品1aのトップシート2aを挟圧保持可能となる。
【0071】
ちなみに、上述のような挟圧力FC,FL,FRの調整は、各走行経路Tr1C,Tr1L,Tr1Rにおける上無端ベルト41と下無端ベルト42との間のクリアランスCLの設定や、上無端ベルト41及び下無端ベルト42の幅寸法の設定等により行うことができる。
【0072】
また、左サイドベルト対G40Lや右サイドベルト対G40Rに係る上述の傾斜角度θや、各ベルト41,42の周回速度値等の設備諸元は、前述の第1実施形態と概ね同じであるので、その説明については省略する。
【0073】
===その他の実施の形態===
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、かかる実施形態に限定されるものではなく、以下に示すような変形が可能である。
【0074】
前述の実施形態では、吸収性物品1が、体液としての経血を吸収する生理用ナプキン1の場合を例示したが、何等これに限るものではない。例えば、体液(排泄液も含む)として尿を吸収する使い捨ておむつや、ペットの尿を吸収するペットシート等でも良い。
【0075】
前述の実施形態では、連続シート2aに重ね合わされる重合物の一例として、液体吸収性繊維等からなる吸収体3を例示したが、何等これに限るものではない。例えば、上述の連続シート2aに対して、重合物としての別の連続シートを重ね合わせても良い。
前述の実施形態では、連続シート2aとして、通気性を有した不織布製のトップシート2aを例示したが、何等これに限るものではなく、連続シート2aがバックシートであっても良いし、連続シート2aがフィルムでも織布でも良いし、連続シート2aが非通気性のシートであっても良い。
【0076】
前述の実施形態では、走行経路Tr1C,Tr1L,Tr1Rを水平方向としていたが、何等これに限るものではなく、所定の傾斜角度でもって走行経路Tr1C,Tr1L,Tr1Rが水平方向から傾いていても良い。
【0077】
前述の第1実施形態では、皺伸ばし装置30が具備するベルト32C,32L,32Rの数が3つの場合を例示したが、ベルトの数は何等これに限るものではなく、4つ以上でも良い。例えば、中央にセンターベルト32Cを一つ配し、その両脇に左サイドベルト32L及び右サイドベルトを、それぞれ2つずつ配置しても良い。同様に第2実施形態では、皺伸ばし装置30aが具備するベルト対G40C,G40L,G40Rの数が3対の場合を例示したが、ベルト対の数は何等これに限るものではなく、4対以上でも良い。
【0078】
前述の第1実施形態では、各ベルト32C,32L,32Rの貫通孔36,36…を、図4Aに示すような正円孔にしていたが、貫通孔36の平面形状は何等正円形に限るものではなく、例えば楕円形等の円形でも良いし、四角形等の多角形でも良い。
【0079】
前述の第1実施形態では、各サクションボックス50C,50L,50Rの長孔52,52…を、図7Aに示すような略矩形の長孔にしていたが、その形状は何等これに限るものではない。例えば矩形以外の多角形や、楕円等の円形にしても良い。
【符号の説明】
【0080】
1 生理用ナプキン(吸収性物品)、1a 半製品(連続シートの複合体)、
1w ウイング部、
2 トップシート、2aトップシート(連続シート)、
2f 皺、3 吸収体(重合物)、
4 バックシート、4a バックシート、
7 エンボス溝(凹部)、7a 閉領域、
10a アンビルロール、10b エンボスロール、
12 エンボス凸部(凸部材)、
24 搬送機構、
30 皺伸ばし装置、30a 皺伸ばし装置、
32C センターベルト(第1ベルト)、32Ca ベルト面、
32L 左サイドベルト(第2ベルト)、32La ベルト面、
32R 右サイドベルト(第3ベルト)、32Ra ベルト面、
34C ローラー、
34C1 パスラインローラー、
34L1 パスラインローラー、
34R1 パスラインローラー、
34C2 駆動ローラー、34L2 駆動ローラー、34R2 駆動ローラー、
36 貫通孔(吸気孔)、
41 上無端ベルト、42 下無端ベルト、
43 ローラー、44 ローラー、
50C サクションボックス、50Cw 上面壁部、
50L サクションボックス、50Lw 上面壁部、
50R サクションボックス、50Rw 上面壁部、
52 長孔、
55 サクション管、
G40C センターベルト対、
G40L 左サイドベルト対、
G40R 右サイドベルト対、
S1 エンボス加工セクション、S2 バックシート貼り付けセクション、
Tr1 走行経路、
Tr1C 中央走行経路、Tr1L 左走行経路、Tr1R 右走行経路、
PTrd 下流端、PTru 上流端
SP 内部空間、C10 回転軸、
CL クリアランス、D1 段差、D2 段差

【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行する連続シートの幅方向の中央部に重合物が重ね合わされた状態で、前記連続シート側から前記中央部に凸部材が押圧されることにより前記中央部に凹部が加工された連続シートの複合体の皺を伸ばす装置であって、
前記連続シートの前記中央部を保持しつつ第1走行経路に沿って移動する第1ベルトと、
前記第1ベルトに対して前記幅方向の一方側に隣接して設けられ、前記連続シートにおける前記中央部よりも前記一方側の部分を保持しつつ第2走行経路に沿って移動する第2ベルトと、
前記第1ベルトに対して前記幅方向の他方側に隣接して設けられ、前記連続シートにおける前記中央部よりも前記他方側の部分を保持しつつ第3走行経路に沿って移動する第3ベルトと、を有し、
前記第2走行経路は、上流側よりも下流側の方が、前記第1走行経路から前記幅方向の前記一方側に離れるように前記第1走行経路から傾いており、
前記第3走行経路は、上流側よりも下流側の方が、前記第1走行経路から前記幅方向の前記他方側に離れるように前記第1走行経路から傾いており、
前記第2ベルトは、前記連続シートに対して前記幅方向に相対滑りをしながら前記連続シートの前記一方側の部分を保持しており、
前記第3ベルトは、前記連続シートに対して前記幅方向に相対滑りをしながら前記連続シートの前記他方側の部分を保持していることを特徴とする吸収性物品に係る連続シートの複合体の皺伸ばし装置。
【請求項2】
請求項1に記載の吸収性物品に係る連続シートの複合体の皺伸ばし装置であって、
前記第1ベルト、前記第2ベルト、及び前記3ベルトは、それぞれ吸気孔を有し、
前記第1ベルトは、前記連続シートにおける前記中央部を吸着することにより前記中央部を保持し、
前記第2ベルトは、前記連続シートにおける前記幅方向の前記一方側の部分を吸着することにより前記一方側の部分を保持し、
前記第3ベルトは、前記連続シートにおける前記幅方向の前記他方側の部分を吸着することにより前記他方側の部分を保持することを特徴とする吸収性物品に係る連続シートの複合体の皺伸ばし装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の吸収性物品に係る連続シートの複合体の皺伸ばし装置であって、
前記連続シートは、前記重合物よりも前記第1ベルト側に位置していることを特徴とする吸収性物品に係る連続シートの複合体の皺を伸ばす装置。
【請求項4】
請求項2に記載の吸収性物品に係る連続シートの複合体の皺伸ばし装置であって、
前記重合物は、液体吸収性繊維を所定形状に成形してなる吸収体であり、
前記吸収体は、前記第1走行経路に沿って所定ピッチで前記連続シートに間欠配置されており、
前記連続シートは、前記吸収体を覆う通気性及び液透過性を有したシートであり、
前記第2ベルト及び前記第3ベルトには、前記吸収体は保持されず前記連続シートだけが保持されることを特徴とする吸収性物品に係る連続シートの複合体の皺伸ばし装置。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れかに記載の吸収性物品に係る連続シートの複合体の皺伸ばし装置であって、
前記第1ベルトの前記第1走行経路に沿って移動する速度値と、前記第2ベルトの前記第2走行経路に沿って移動する速度値と、前記第3ベルトの前記第3走行経路に沿って移動する速度値とが、互いに等しくなるように、前記第1ベルト、前記第2ベルト、及び前記第3ベルトは移動されることを特徴とする吸収性物品に係る連続シートの複合体の皺伸ばし装置。
【請求項6】
走行する連続シートの幅方向の中央部に重合物が重ね合わされた状態で、前記連続シート側から前記中央部に凸部材が押圧されることにより前記中央部に凹部が加工された連続シートの複合体の皺を伸ばす方法であって、
第1走行経路に沿って設けられた第1ベルトに、前記連続シートの前記中央部を保持させつつ、前記第1ベルトを前記第1走行経路に沿って移動することと、
前記第1ベルトの前記幅方向の一方側に隣接して設けられた第2ベルトに前記連続シートの前記中央部よりも前記一方側の部分を保持させつつ、前記第2ベルトを第2走行経路に沿って移動することと、
前記第1ベルトの前記幅方向の他方側に隣接して設けられた第3ベルトに前記連続シートの前記中央部よりも前記他方側の部分を保持させつつ、前記第3ベルトを第3走行経路に沿って移動することと、を有し、
前記第2走行経路は、上流側よりも下流側の方が、前記第1走行経路から前記幅方向の前記一方側に離れるように前記第1走行経路から傾いており、
前記第3走行経路は、上流側よりも下流側の方が、前記第1走行経路から前記幅方向の前記他方側に離れるように前記第1走行経路から傾いており、
前記第2ベルトは、前記連続シートに対して前記幅方向に相対滑りをしながら前記連続シートの前記一方側の部分を保持しており、
前記第3ベルトは、前記連続シートに対して前記幅方向に相対滑りをしながら前記連続シートの前記他方側の部分を保持していることを特徴とする吸収性物品に係る連続シートの複合体の皺伸ばし方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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