吸収性物品の包装体及び吸収性物品の包装体の折り畳み方法
【課題】着用者が容易に下着に装着できる吸収性物品の包装体及び吸収性物品の包装体の折り畳み方法を提供する。
【解決手段】 吸収性物品の包装体100は、包装シート70上に吸収性物品1が配置された状態で包装シート70と吸収性物品1とが折り畳まれることにより個装される。吸収性物品の包装体100を個装された吸収性物品1を開いた状態で、包装シート70及び吸収性物品1には、表面シート10側に向けて折り返される第1折り目FSと、裏面シート20側に向けて折り返される第2折り目FRと、が長手方向に隣接して形成されている。
【解決手段】 吸収性物品の包装体100は、包装シート70上に吸収性物品1が配置された状態で包装シート70と吸収性物品1とが折り畳まれることにより個装される。吸収性物品の包装体100を個装された吸収性物品1を開いた状態で、包装シート70及び吸収性物品1には、表面シート10側に向けて折り返される第1折り目FSと、裏面シート20側に向けて折り返される第2折り目FRと、が長手方向に隣接して形成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸収性物品の包装体及び吸収性物品の包装体の折り畳み方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数回折り畳んで小型化した吸収性物品の包装体が提供されている。例えば、特許文献1には、液透過性の表面シートと、液不透過性の裏面シートと、表面シートと裏面シートとの間に配置される吸収体とを有する吸収性物品を、シート状の包装シート上に配置した状態で、複数回折り畳むことによって、吸収性物品を個装した吸収性物品の包装体が記載されている。
【0003】
この吸収性物品の包装体の折り畳み方法は、吸収性物品の裏面と包装シートとが対向するように包装シート上に吸収性物品を配置する工程と、吸収性物品の長手方向に沿った2本の長手折り線を基点にして、吸収性物品の幅方向両端部を表面シート側に向けて折り返す工程と、吸収性物品の幅方向に沿った2本の幅折り線を基点にして吸収性物品の長手方向両端部を表面シート側に向けて折り返す工程と、を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許3587616号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、下着に吸収性物品を装着する際は、接着材が付された吸収性物品の裏面を下着の内面に沿わせて接着し、吸収性物品を下着に装着する。このとき、吸収性物品が一方の面側(表面シート側又は裏面シート側)に向けて折り返されていると、下着の内面に沿わせて吸収性物品を適切に配置することができないことがある。例えば、特許文献1に記載の吸収性物品は、幅折り線よりも先に長手折り線を基点にして折り畳まれているため、長手折り線全体が表面シート側に折り返されている。よって、吸収性物品の幅方向両端部全体が長手折り線を基点にして表面シート側(身体側)に折り返されており、吸収性物品の幅方向両端部を下着に沿わせて配置し難くなる。
【0006】
特に、ウイング部を備える吸収性物品においては、ウイング部を裏面側に折り返して下着の外側面に装着しなければならないが、表面シート側に折り返された長手折り線がウイング部に形成されていると、ウイング部を適切に下着の外側面に装着に難いことがある。また、ウイング部を備える吸収性物品の長手折り線全体が裏面シート側に折り返されていると、ウイング部の裏面に付された粘着剤と裏面シートの粘着剤とが接着してしまうおそれがある。
【0007】
そこで、本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、着用者が容易に下着に装着できる吸収性物品及び吸収性物品の折り畳み方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決するため、本発明の例示的側面としての吸収性物品の包装体は、液透過性の表面シート、液不透過性の裏面シート、及び前記表面シートと前記裏面シートとの間に配置される吸収体を有する吸収性本体を含む吸収性物品と、前記吸収性物品を個別に包装する包装シートと、を備え、前記包装シート上に前記吸収性物品が配置された状態で前記包装シートと前記吸収性物品とが折り畳まれることにより、前記吸収性物品が個装され、前記個装された吸収性物品を開いた状態で、前記包装シート及び前記吸収性物品には、該吸収性物品の長手方向に沿った折り目が形成されている。前記折り目は、前記表面シート側に向けて該吸収性物品及び該包装シートが折り返される第1折り目と、該第1折り目に隣接し、かつ前記裏面シート側に向けて該吸収性物品及び該包装シートが折り返される第2折り目と、を有する。
【0009】
また、本発明の他の例示的側面としての吸収性物品の包装体の折り畳み方法は、液透過性の表面シート、液不透過性の裏面シート、及び前記表面シートと前記裏面シートとの間に配置される吸収体を有する吸収性本体を含む吸収性物品と、前記吸収性物品を個別に包装する包装シートと、を備える吸収性物品の包装体の折り畳み方法であって、次のような特徴を有する。前記包装シート上に前記吸収性物品を配置する第1工程と、前記吸収性物品の前記長手方向両端部をそれぞれ含む前記吸収性物品の長手端部領域及び前記包装シートを、該長手方向と直交する幅方向に沿った幅折り目を基点にして内側に折り返す第2工程と、前記第1工程後、前記吸収性物品の前記幅方向両側部をそれぞれ含む前記吸収性物品の幅側部領域及び前記包装シートを、前記長手方向に沿った長手折り目を基点にして内側に折り返す第3工程と、を備える。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、吸収性物品の連続包装体には、表面シート側に向けて吸収性物品及び包装シートが折り返される第1折り目と、裏面シート側に向けて吸収性物品及び包装シートが折り返される第2折り目と、が長手方向に隣接して形成されるため、両方の折り目の作用によって一方側(例えば、表面シート側)のみに吸収性物品が折れ曲がることを抑制することができる。したがって、小型に折り畳まれた吸収性物品を広げた際に、吸収性物品を水平に保ち易くすることができ、下着の内面に沿わせて吸収性物品を適切に配置することができる。よって、着用者は、容易に吸収性物品を下着に装着することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る吸収性物品の包装体の肌当接面側から見た平面図である。
【図2】図1に示す吸収性物品の包装体の背面図である。
【図3】図1に示す吸収性物品の包装体の折り畳み工程の吸収性物品載置工程を模式的に示した斜視図である。
【図4】図1に示す吸収性物品の包装体の折り畳み工程の第一折り工程を模式的に示した斜視図である。
【図5】図1に示す吸収性物品の包装体の折り畳み工程の第二折り工程及び接合工程を模式的に示した斜視図である。
【図6】図1に示す吸収性物品の包装体の折り畳み工程の第三折り工程を模式的に示した斜視図である。
【図7】図1に示すA−A断面の断面図である。
【図8】本発明の第2の実施形態に係る吸収性物品の包装体の肌当接面側から見た平面図である。
【図9】変形例に係る吸収性物品の包装体の肌当接面側から見た平面図である。
【図10】変形例に係る吸収性物品の包装体の折り畳み工程の第一折り工程及び貼着工程を模式的に示した斜視図である。
【図11】変形例に係る吸収性物品の包装体の折り畳み工程の第二折り工を模式的に示した斜視図である。
【図12】変形例に係る吸収性物品の包装体の折り畳み工程の第三折り工程を模式的に示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(第1の実施形態)
図1及び図2を参照して、本発明の第1の実施形態に係る吸収性物品の包装体について説明する。図1は、吸収性物品の包装体の平面図であり、図2は、吸収性物品の包装体の背面図である。図1及び図2に示すように吸収性物品の包装体100は、吸収性物品1と、この吸収性物品1を個装する包装シート70と、を有する。本実施形態に係る吸収性物品1は、例えば、生理用ナプキンである。
【0013】
吸収性物品の包装体100は、包装シート70上に吸収性物品1が配置された状態で包装シート70と吸収性物品1とが折り畳まれることにより、吸収性物品1が個装されるように構成されている。図1及び図2は、包装シート70によって吸収性物品1を個装した後、個装された吸収性物品1を開いた状態を示している。
【0014】
吸収性物品1は、着用者の肌に当接する表面シート10と、液体を透過しない液不透過性の裏面シート20と、吸収体30とを有する。吸収体30は、表面シート10と裏面シート20との間に配設される。従って、吸収体30は、図1において破線で示される。吸収体30は、吸収性物品1の長手方向L及び幅方向Wにおける中央部分に配設される。また、吸収性物品1は、図1に示す平面視にて、吸収体30を有し、長手方向Lに延びる吸収性本体6と、長手方向Lに直交する幅方向Wにおいて吸収性本体6の外側に設けられるウイング部43,44を備える。更に、吸収性物品1は、幅方向Wにおいて吸収体30の外側に設けられるサイドシート41,42を備える。
【0015】
表面シート10は、体液等の液体を透過する液透過性のシートである。表面シート10は、少なくとも吸収体30の表面を覆う。表面シート10は、不織布、織布、有孔プラスチックシート、メッシュシート等、液体を透過する構造のシート状の材料であれば、特に限定されない。織布や不織布の素材としては、天然繊維、化学繊維のいずれも使用できる。
【0016】
裏面シート20は、表面シート10の長さと略同一の長さを有する。裏面シート20は、ポリエチレン、ポリプロピレン等を主体としたフィルム、通気性の樹脂フィルム、スパンボンド、又はスパンレース等の不織布に通気性の樹脂フィルムが接合されたシートなどを用いることができる。裏面シート20は、着用時の違和感を生じさせない程度の柔軟性を有する材料とすることが好ましい。
【0017】
吸収体30は、親水性繊維、パルプを含む。吸収体30は、親水性繊維又は粉体をエアレイド法によって積層して形成されてもよいし、親水性繊維又は粉体をエアレイド法によってシート状に成形したエアレイドシートでもよい。サイドシート41,42は、表面シート10と同様の材料から選ぶことができる。但し、サイドシート41,42を乗り越えて吸収性物品1外方へ経血が流れることを防止するためには、疎水性又は撥水性を有することが好ましい。
【0018】
サイドシート41,42は、表面シート10の両側に配設される。サイドシート41,42は、吸収体30の側縁の一部及びウイング部43,44を覆う。吸収性物品1では、表面シート10、サイドシート41,42、及び裏面シート20の周縁が接合されて、吸収体30が内封される。表面シート10と裏面シート20との接合方法としては、ヒートエンボス加工、超音波、又はホットメルト型接着剤のいずれか一つ、又は複数を組み合わせることが可能である。
【0019】
裏面シート20において、ショーツと接触する表面には、接着剤が塗布された塗布領域50が複数設けられている(図2参照)。塗布領域50は、幅方向に延びて複数設けられている。複数の塗布領域50は、裏面シート20の長手方向Lに沿って間欠的に配置されている。この塗布領域50は、ウイング部43及びウイング部44において、ショーツと接触する表面にも設けられる。使用前の状態では、接着剤は、包装シート70に接しており、包装シート70によって使用前に接着剤が劣化するのを防止している。そして、使用時に着用者によって包装シート70が剥離される。なお、包装シート70以外の紙等からなる保護シートによって使用前に接着剤が劣化するのを防止するように構成してもよい。
【0020】
表面シート10には、複数の圧搾溝21、22が設けられている。圧搾溝21、22は、表面シート10から吸収体30までを厚さ方向に圧搾して構成されている。なお、本実施形態では、圧搾溝21,22は、エンボス加工によって圧搾加工される。
【0021】
包装シート70は、吸収性物品1を個別に包装する。包装シート70は、吸収性物品1の裏面シート20側において吸収性物品1と対向する対向面71と、吸収性物品1を収容した状態で外側に位置する非対向面72と、を有する。
【0022】
なお、包装シート70は、質感向上等の目的のために包装シート70の表面に丸点エンボスや梨地エンボスのような表面加工が施されていてもよい。包装シート70の材質としては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン、ポリエステル等のプラスチックフィルムやナイロンフィルムなどの各種フィルム、硫酸バリウムなどのフィラーを入れて延伸させた通気性フィルム、不織布をラミネートさせたフィルム等が挙げられる。更に、包装シート70の表面には、接着剤の粘着力を低下させることなく剥離可能にする処理が施されている。
【0023】
吸収性物品1及び包装シート70は、幅方向W及び長手方向Lに沿った所定の折り位置において、吸収性物品1の表面シート10を内側にして折り畳まれる。吸収性物品1が折り畳まれた状態で、包装シート70の長手方向Lにおける一方の端部が包装シート70に貼着される。包装シート70の端部は、粘着テープ75によって包装シート70の一部と貼着される。
【0024】
次いで、吸収性物品の包装体100の折り畳み方法を説明する。図3から図6は、吸収性物品の包装体100の折り畳み工程を模式的に示した斜視図である。吸収性物品の包装体100の折り畳み工程は、吸収性物品載置工程S1と、第1折り工程S2と、第2折り工程S3と、接合工程S4と、第3折り工程S5と、を有する。
【0025】
吸収性物品載置工程S1では、図3に示すように、包装シート70上に吸収性物品1が配置される。包装シート70と吸収性物品1の裏面シート20とが対向する。なお、図3においては、1個の吸収性物品1を個装する寸法の包装シート70上に吸収性物品1を配置しているが、例えば、搬送方向に沿って連続する包装シート上に、所定間隔を空けて吸収性物品を配置するように構成してもよい。本実施形態では、説明の便宜上、1個の吸収性物品の包装体によって折り畳み方法を説明する。
【0026】
第一折り工程S2では、図4に示すように、包装シート70と吸収性物品1とが、吸収性物品1の長手方向両端部1A、1Bのうち一方の端部側を含む端部領域側から、幅方向Wに沿った第1幅折り目(図1参照)FW1を基点に内側に折り返される。ここで、吸収性物品1の長手方向両端部1A、1Bのうち一方の端部とは、具体的には、着用者の後方部に配置される後端部1Bである。なお、吸収性物品1の長手方向両端部1A、1Bのうち一方の端部は、例えば、着用者の後方部に配置される前端部1Aであってもよく、第一折り工程において前端部1A側を含む端部領域側から折り返すように構成してもよい。
【0027】
第二折り工程S3では、図5に示すように、包装シート70と吸収性物品1とが、吸収性物品1の長手方向Lにおける前端部1A側から、幅方向Wに沿った第2幅折り目FW2(図1参照)を基点に内側に折り返される。
【0028】
接合工程S4は、図5に示すように、第1幅折り目FW1及び第2幅方向折り目FW2を基点に折り返された吸収性物品1及び包装シート70の幅方向両端部を熱溶着によって接着する。図5に示す斜線部分は、熱溶着によって接着された領域である。そして、粘着テープ75によって、包装シート70の端部を包装シート70の非対向面72に貼着する。本工程により、吸収性物品1が包装シート70によって個装される。
【0029】
なお、本実施形態では、第1幅折り目FW1及び第2幅方向折り目FW2を基点に折り返された吸収性物品1及び包装シート70の幅方向両端部を熱溶着によって接着しているが、吸収性物品1及び包装シート70の幅方向両端部を接着しなくてもよい。また、吸収性物品1及び包装シート70の幅方向両端部の接着方法は、圧着又は超音波溶着によって接着してもよい。
【0030】
第三折り工程S5では、図6に示すように、包装シート70と吸収性物品1とが、吸収性物品1の幅方向Wにおける両端部側から、長手方向Lに沿った第1長手折り目FL1及び第2長手折り目FL2(図1参照)を基点に内側に折り返される。上述した工程S1〜S5が実行されることによって、吸収性物品の包装体100は、折り畳まれて小型化される。
【0031】
なお、包装シート70と吸収性物品1とを、吸収性物品1の幅方向Wにおける両端部側から折り返す際は、幅方向Wにおける一方の端部側から片方ずつ折り返すように構成してもよいし、幅方向Wにおける両端部側から両方を一遍に折り返すように構成してもよい。
【0032】
このように折り畳むことにより、吸収性物品1を包装シート70によってコンパクトに個装することができる。吸収性物品1を小型化することにより、小物入れ、ポシェット等のバッグに収納する場合、バッグの収納スペースを大きく占有する事がなく、簡便な携帯を可能とする。また、吸収性物品1をコンパクトに個装することにより、使用時にトイレ等に携帯する際に、折り返さない状態でも手の中に配置し、他人から見えないように保持する事が可能となる。
【0033】
次いで、このように折り畳まれた吸収性物品の包装体100を開いた状態における折り目について、図1、図2及び図7を参照して説明する。図7は、図1に示すA−A断面図である。図1及び図2に示す一点鎖線及び二点鎖線は、折り目を示す仮想線である。吸収性物品1の表面シート10側に向けて吸収性物品1及び包装シート70が折り返される第1折り目FSを一点鎖線にて示す。また、吸収性物品1の裏面シート20側に向けて吸収性物品1及び包装シート70が折り返される第2折り目FRを二点鎖線にて示す。
【0034】
吸収性物品1及び包装シート70には、吸収性物品1の長手方向Lに沿った第1長手折り目FL1及び第2長手折り目FL2と、吸収性物品1の幅方向Wに沿った第1幅折り目FW1及び第2幅折り目FW2と、が形成されている。
【0035】
第1幅折り目FW1及び第2幅折り目FW2は、いずれも吸収性物品1の表面シート側に向けて折り返された第1折り目FSである。したがって、吸収性物品1を開いた状態では、長手方向Lの両端部は、長手方向Lにおける中央領域(第1幅折り目FW1及び第2幅折り目FW2よりも長手方向内側の領域)に対して、表面シート10側に折り返されている。
【0036】
第1長手折り目FL1及び第2長手折り目FL2は、長手方向Lにおいて隣接して配置された第1折り目FSと第2折り目FRとを有する。具体的には、長手方向両端部に第1折り目FSが形成されており、第1折り目FSと第1折り目FSとの間に第2折り目FRが形成されている。
【0037】
第1長手折り目FL1及び第2長手折り目FL2における第1折り目FSと第2折り目FRとの境目Bは、ウイング部43、44の幅方向両側辺間の領域であって、かつウイング部の長手方向両端部E1、E2間の領域(以下、ウイング部対応領域とする。)A1に形成されている。ウイング部対応領域A1は、図1に示す斜線部分である。
【0038】
ウイング部対応領域A1に形成された第1長手折り目FL1及び第2長手折り目FL2は、長手方向Lに沿って第1折り目FS、第2折り目FR、第1折り目FSの順で形成されている。
【0039】
このように第1折り目FSと第2折り目FRとの境目Bをウイング部対応領域A1に設けることにより、ウイング部対応領域A1に第1折り目FSと第2折り目FRとが形成されるため、両方の折り目の作用によって一方側(例えば、表面シート10側)のみに折れ曲がることを抑制し、折り癖を残し難くすることができる。したがって、小型に折り畳まれた吸収性物品1を広げた際に、吸収性物品1を水平に保ち易くすることができる。着用者は、吸収性物品を容易に下着の内面に沿わせて配置したり、ウイング部を下着の非当接面側に容易に折り曲げて配置したりすることができ、装着性を向上させることができる。また、折り癖を残し難くすることにより、吸収性物品1を下着に装着した際に、折り目によって下着から吸収性物品1が浮いてしまうことを抑制することができる。
【0040】
また、ウイング部対応領域A1において、第2折り目FRの長手方向における長さは、第1折り目FSの長手方向の長さよりも長い。図7に示すように、第2折り目FRよりも幅方向外側に位置するウイング部43、44は、裏面シート側に折り返されている。したがって、第2折り目FRを長く形成することにより、ウイング部は、表面シート10側よりも裏面シート20側に折れ易くなる。
【0041】
例えば、ウイング部33、34が表面シート側に折り返されていると、下着に装着する際に裏面シート20から離間する方向に力が働いて、ウイング部33、34がずれて装着されたり、装着したウイング部ウイング部33、34が下着から離れてしまったりするおそれがある。しかし、第2折り目FRを長く形成することにより、着用者は、ウイング部33、34を適切な位置で裏面シート側に折り返すことができる。
【0042】
更に、ウイング部対応領域A1において、第2折り目FRの長手方向両端部のそれぞれに対する長手方向外側には、第1折り目FSが形成されている。例えば、ウイング部対応領域A1の全域において第2折り目FRが形成されていると、吸収性物品1を包装シート70から外した際にウイング部33、34が吸収性物品1の裏面シート20に近接し、ウイング部33、34の接着剤と吸収性本体6の接着剤とが接着するおそれがある。しかし、ウイング部対応領域A1において、第2折り目FRの長手方向両端部に第1折り目FSが形成されていることにより、ウイング部33、34が裏面シート20側から離間する方向への力が第1折り目FSによって作用し、ウイング部33、34が裏面シート20に接着することを防ぐことができる。
【0043】
また、第1長手折り目FL1及び第2長手折り目FL2における第1折り目FSと第2折り目FRとの境目Bは、ウイング部33、34の幅方向両側辺間の領域であって、かつウイング部33、34の幅方向長さが最も長い最大幅位置と、ウイング部の長手方向両端部E1、E2との長手方向における間の領域(ウイング傾斜領域)A2に形成されている。ウイング傾斜領域A2は、図1に示す斜線部分である。
【0044】
なお、ウイング傾斜領域A2を区画するウイング部33、34の幅方向長さが最も長い最大幅位置M1は、最大幅位置となる部分のうち最も長手方向外側に位置する部分である。この最大幅位置よりも長手方向外側に位置するウイング部は、長手方向外側に向かって除々に幅方向の長さが短くなっており、幅方向W及び長手方向Lに対して傾斜している。
【0045】
ウイング部33、34は、吸収体30を有する吸収性本体6と比べて厚さが薄く、比較的皺が生じ易い。また、ウイング部33、34の裏面には、接着剤が付されており、ウイング部33、34を下着の非当接面側に折り返す際に接着剤同士がくっついて、ウイング部33、34に皺が生じることがある。しかし、第1折り目FSと第2折り目FRとの境目Bをウイング傾斜領域A2に設けることにより、第1折り目FSと第2折り目FRとの作用によってウイング部33、34を長手方向において水平に保ち、ウイング部33、34に皺が生じる不具合を防止することができる。
【0046】
なお、第1の実施形態においては、第1折り目FSと第2折り目FRとは、連なって配置されているが、第1折り目FSと第2折り目FRとの間に、隙間が設けられていてもよい。
【0047】
また、本実施形態においては、第1長手折り目FL1及び第2長手折り目FL2は、ウイング部33、34上に形成されているが、第1長手折り目FL1及び第2長手折り目FL2の位置は、この構成に限られない。例えば、ウイング部よりも幅方向内側に、第1長手折り目FL1及び第2長手折り目FL2が形成されていてもよい。また、第1長手折り目FL1及び第2長手折り目FL2は、吸収体6の幅方向外側に形成されていてもよいし、吸収体と重なる位置に形成されていてもよい。
【0048】
(第2の実施形態)
次いで、第2の実施形態に係る吸収性物品の包装体101について、図8を参照して詳細に説明する。なお、第2の実施形態の説明においては、第1の実施形態と異なる構成について説明し、同様の構成については説明を省略する。図8は、第2の実施形態に係る吸収性物品の包装体101の肌当接面からみた平面図である。
【0049】
第2の実施形態に係る吸収性物品2は、第1の実施形態に係る吸収性物品と異なり、吸収性物品2の後方領域において吸収性本体6よりも幅方向外側に延出するエンドフラップ部45、46を備える。また、吸収性物品の包装体101には、吸収性物品1の長手方向Lに沿った第1長手折り目FL1及び第2長手折り目FL2と、吸収性物品1の幅方向Wに沿った第1幅折り目FW1、第2幅折り目FW2及び第3幅折り目FW3と、が形成されている。
【0050】
第1幅折り目FW1及び第2幅折り目FW2は、いずれも吸収性物品2の表面シート10側に向けて吸収性物品2及び包装シート70が折り返される第1折り目FSである。一方、第3幅方向折り目FW3は、吸収性物品2の表面シート10側に向けて吸収性物品2及び包装シート70が折り返される第2折り目FRである。
【0051】
第1長手折り目FL1及び第2長手折り目FL2には、長手方向Lに沿って第1折り目FSと第2折り目FRとが隣接して形成されている。具体的には、吸収性物品の長手方向に沿って、吸収性物品の前端部を含む領域から、第1折り目FS、第2折り目FR、第1折り目FS、第2折り目FRの順で形成されている。
【0052】
第1折り目FSと第2折り目FRとの境目Bは、エンドフラップ部45、46の幅方向両側辺間の領域であって、かつエンドフラップ部の長手方向両側部E3、E4間の領域(以下、エンドフラップ部対応領域)A3と、ウイング部対応領域A1と、に形成されている。エンドフラップ部対応領域A3は、図8に示す斜線部分である。なお、本実施の形態では、長手方向におけるウイング部33、34の後端部E2と、長手方向におけるエンドフラップ部45、46の前端部E3とは、同じ位置である。
【0053】
このように第1長手折り目FL1及び第2長手折り目FL2における第1折り目FSと第2折り目FRとの境目Bをエンドフラップ部対応領域A3に設けることにより、両方の折り目の作用によって一方側(例えば、表面シート10側)のみに折れることを抑制し、折り癖を残し難くすることができ、例えば、エンドフラップ部対応領域A3を水平に保ち易くすることができる。エンドフラップ部対応領域A3を水平に保つことにより、エンドフラップ部45、46を下着の内面に沿わせて適切に配置することができる。
【0054】
なお、図8に示す吸収性物品の包装体101は、包装シート70によって吸収性物品2を個装した後、個装された吸収性物品2を開いた状態である。この吸収性物品の包装体101の折り畳み方法としては、例えば、包装シート70上に吸収性物品2を配置した後、吸収性物品2の後端部2Bを含む後方領域を、第2幅折り目FW2を基点として、吸収性物品2の前端部2Aを含む前方領域に対して内側に折り畳む。
【0055】
次いで、吸収性物品2の前端部2Aを含む前方領域上に吸収性物品2の後端部2Bを含む後方領域を重ねた状態で、第1幅折り目FW1及び第3幅折り目FW3を基点として、吸収性物品2及び包装シート70を折り畳む。次いで、包装シート70の幅方向両端部を接合して、粘着テープ75を貼付した後、包装シート70及び吸収性物品2の幅方向両端部を、第1長手折り目FL1及び第2長手折り目FL2を基点として内側に折り畳む。このように折り畳むことにより、吸収性物品1が包装シート70によって個装され、かつ個装された吸収性物品1を開くことにより、図8に示す状態となる。
【0056】
第2の実施形態に係る吸収性物品の包装体101は、吸収性物品2の幅方向Wに沿った第1幅折り目FW1、第2幅折り目FW2及び第3幅折り目FW3が形成されているが、幅折り目の数は、この構成に限定されない。また、第1折り目FSと第2折り目FRとの境目Bは、必ずしもウイング部対応領域A1又はエンドフラップ部対応領域A3に設けられてなくてもよい。
【0057】
次いで、図9を参照して変形例に係る吸収性物品の包装体を説明する。図9(a)は、変形例1に係る吸収性物品の包装体の肌当接面側から見た平面図であり、図9(b)は、変形例2に係る吸収性物品の包装体の肌当接面側から見た平面図であり、図9(c)は、変形例3に係る吸収性物品の包装体の肌当接面側から見た平面図である。なお、変形例の説明においては、第2の実施形態と異なる構成について説明し、同様の構成については説明を省略する。
【0058】
変形例1に係る吸収性物品3の包装体102には、吸収性物品3の長手方向Lに沿った第1長手折り目FL1及び第2長手折り目FL2と、吸収性物品3の幅方向Wに沿った第1幅折り目FW1と、が形成されている。第1長手折り目FL1及び第2長手折り目FL2には、第1折り目FSと第2折り目FRが形成されている。吸収性物品3の前端部3Aを含む領域には、第1折り目FSが形成され、吸収性物品3の後端部3Bを含む領域には、第2折り目FRが形成されている。
【0059】
変形例2に係る吸収性物品4の包装体103及び変形例3に係る吸収性物品5の包装体104には、長手方向Lに沿った第1長手折り目FL1及び第2長手折り目FL2が形成されている。第1長手折り目FL1及び第2長手折り目FL2は、長手方向Lに沿って第1折り目FS、第2折り目FR、第1折り目FSの順で形成されている。
【0060】
また、変形例2における第1折り目FSと第2折り目FRとの境目Bは、ウイング部対応領域A1とエンドフラップ部対応領域A3に形成されている。一方、変形例3における第1折り目FSと第2折り目FRとの境目Bは、エンドフラップ部対応領域A3と、ウイング部の前端部E1と重なる位置に設けられている。また、変形例3における第1長手折り目FL1及び第2長手折り目FL2は、吸収体30と重なる位置に形成されている。
【0061】
次いで、変形例に係る吸収性物品105の包装体の折り畳み方法を説明する。図10から図12は、吸収性物品の包装体105の折り畳み工程を模式的に示した斜視図である。吸収性物品の包装体105の折り畳み工程は、吸収性物品載置工程S1と、第1折り工程S2と、第2折り工程S3と、第3折り工程S4と、貼着工程S5とを有するが、吸収性物品載置工程S1については、実施の形態に係る折り畳み工程と同様であるため、説明を省略する。
【0062】
第一折り工程S2では、図10に示すように、包装シート70と吸収性物品1とが、吸収性物品6の長手方向両端部6A、6Bのうち一方の端部側である前端部6Aを含む端部領域側から、幅方向Wに沿った第1幅折り目FW1を基点に内側に折り返される。
【0063】
第二折り工程S3では、図11に示すように、包装シート70と吸収性物品1とが、吸収性物品6の長手方向両端部6A、6Bのうち一方の端部側である後端部6Bを含む端部領域側から、幅方向Wに沿った第2幅折り目FW2を基点に内側に折り返される。
【0064】
第三折り工程S4では、図12に示すように、包装シート70と吸収性物品1とが、吸収性物品1の幅方向Wにおける両端部側から、長手方向Lに沿った第1長手折り目FL1及び第2長手折り目FL2を基点に背面側に折り返される。なお、第三折り工程S4は、本実施形態のように図示する背面側に向けて折り返してもよいし、図示する表側に向けて折り返すように構成してもよい。そして、粘着工程S5では、図12に示すように、貼着テープ75によって、包装シート70の端部を包装シート70の外側に位置する面に貼着する。本工程により、吸収性物品1が包装シート70によって個装される。
【0065】
このように、吸収性物品の包装体を折り畳むことにより、吸収性物品及び包装シートの平面面積を広げた場合と比べて約1/9にすることができるため、吸収性物品をコンパクトにすることができる。
【0066】
また、本発明の吸収性物品は、生理用ナプキン以外に、パンティライナー(おりものシート)、失禁パッド等であってもよい。
【0067】
このように、本発明は、ここでは記載していない様々な実施形態などを含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は、上述の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
【符号の説明】
【0068】
1、2…吸収性物品、 1A…前端部、 1B…後端部、 10…表面シート、 20…裏面シート、 21,22…圧搾部、 30…吸収体、 41,42…サイドシード、 43,44…ウイング部、 45,46…エンドフラップ部、 50…塗布領域、 70…包装シート、 71…対向面、 72…非対向面、 75…粘着テープ、 100、101、102、103、104…吸収性物品の包装体
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸収性物品の包装体及び吸収性物品の包装体の折り畳み方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数回折り畳んで小型化した吸収性物品の包装体が提供されている。例えば、特許文献1には、液透過性の表面シートと、液不透過性の裏面シートと、表面シートと裏面シートとの間に配置される吸収体とを有する吸収性物品を、シート状の包装シート上に配置した状態で、複数回折り畳むことによって、吸収性物品を個装した吸収性物品の包装体が記載されている。
【0003】
この吸収性物品の包装体の折り畳み方法は、吸収性物品の裏面と包装シートとが対向するように包装シート上に吸収性物品を配置する工程と、吸収性物品の長手方向に沿った2本の長手折り線を基点にして、吸収性物品の幅方向両端部を表面シート側に向けて折り返す工程と、吸収性物品の幅方向に沿った2本の幅折り線を基点にして吸収性物品の長手方向両端部を表面シート側に向けて折り返す工程と、を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許3587616号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、下着に吸収性物品を装着する際は、接着材が付された吸収性物品の裏面を下着の内面に沿わせて接着し、吸収性物品を下着に装着する。このとき、吸収性物品が一方の面側(表面シート側又は裏面シート側)に向けて折り返されていると、下着の内面に沿わせて吸収性物品を適切に配置することができないことがある。例えば、特許文献1に記載の吸収性物品は、幅折り線よりも先に長手折り線を基点にして折り畳まれているため、長手折り線全体が表面シート側に折り返されている。よって、吸収性物品の幅方向両端部全体が長手折り線を基点にして表面シート側(身体側)に折り返されており、吸収性物品の幅方向両端部を下着に沿わせて配置し難くなる。
【0006】
特に、ウイング部を備える吸収性物品においては、ウイング部を裏面側に折り返して下着の外側面に装着しなければならないが、表面シート側に折り返された長手折り線がウイング部に形成されていると、ウイング部を適切に下着の外側面に装着に難いことがある。また、ウイング部を備える吸収性物品の長手折り線全体が裏面シート側に折り返されていると、ウイング部の裏面に付された粘着剤と裏面シートの粘着剤とが接着してしまうおそれがある。
【0007】
そこで、本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、着用者が容易に下着に装着できる吸収性物品及び吸収性物品の折り畳み方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決するため、本発明の例示的側面としての吸収性物品の包装体は、液透過性の表面シート、液不透過性の裏面シート、及び前記表面シートと前記裏面シートとの間に配置される吸収体を有する吸収性本体を含む吸収性物品と、前記吸収性物品を個別に包装する包装シートと、を備え、前記包装シート上に前記吸収性物品が配置された状態で前記包装シートと前記吸収性物品とが折り畳まれることにより、前記吸収性物品が個装され、前記個装された吸収性物品を開いた状態で、前記包装シート及び前記吸収性物品には、該吸収性物品の長手方向に沿った折り目が形成されている。前記折り目は、前記表面シート側に向けて該吸収性物品及び該包装シートが折り返される第1折り目と、該第1折り目に隣接し、かつ前記裏面シート側に向けて該吸収性物品及び該包装シートが折り返される第2折り目と、を有する。
【0009】
また、本発明の他の例示的側面としての吸収性物品の包装体の折り畳み方法は、液透過性の表面シート、液不透過性の裏面シート、及び前記表面シートと前記裏面シートとの間に配置される吸収体を有する吸収性本体を含む吸収性物品と、前記吸収性物品を個別に包装する包装シートと、を備える吸収性物品の包装体の折り畳み方法であって、次のような特徴を有する。前記包装シート上に前記吸収性物品を配置する第1工程と、前記吸収性物品の前記長手方向両端部をそれぞれ含む前記吸収性物品の長手端部領域及び前記包装シートを、該長手方向と直交する幅方向に沿った幅折り目を基点にして内側に折り返す第2工程と、前記第1工程後、前記吸収性物品の前記幅方向両側部をそれぞれ含む前記吸収性物品の幅側部領域及び前記包装シートを、前記長手方向に沿った長手折り目を基点にして内側に折り返す第3工程と、を備える。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、吸収性物品の連続包装体には、表面シート側に向けて吸収性物品及び包装シートが折り返される第1折り目と、裏面シート側に向けて吸収性物品及び包装シートが折り返される第2折り目と、が長手方向に隣接して形成されるため、両方の折り目の作用によって一方側(例えば、表面シート側)のみに吸収性物品が折れ曲がることを抑制することができる。したがって、小型に折り畳まれた吸収性物品を広げた際に、吸収性物品を水平に保ち易くすることができ、下着の内面に沿わせて吸収性物品を適切に配置することができる。よって、着用者は、容易に吸収性物品を下着に装着することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る吸収性物品の包装体の肌当接面側から見た平面図である。
【図2】図1に示す吸収性物品の包装体の背面図である。
【図3】図1に示す吸収性物品の包装体の折り畳み工程の吸収性物品載置工程を模式的に示した斜視図である。
【図4】図1に示す吸収性物品の包装体の折り畳み工程の第一折り工程を模式的に示した斜視図である。
【図5】図1に示す吸収性物品の包装体の折り畳み工程の第二折り工程及び接合工程を模式的に示した斜視図である。
【図6】図1に示す吸収性物品の包装体の折り畳み工程の第三折り工程を模式的に示した斜視図である。
【図7】図1に示すA−A断面の断面図である。
【図8】本発明の第2の実施形態に係る吸収性物品の包装体の肌当接面側から見た平面図である。
【図9】変形例に係る吸収性物品の包装体の肌当接面側から見た平面図である。
【図10】変形例に係る吸収性物品の包装体の折り畳み工程の第一折り工程及び貼着工程を模式的に示した斜視図である。
【図11】変形例に係る吸収性物品の包装体の折り畳み工程の第二折り工を模式的に示した斜視図である。
【図12】変形例に係る吸収性物品の包装体の折り畳み工程の第三折り工程を模式的に示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(第1の実施形態)
図1及び図2を参照して、本発明の第1の実施形態に係る吸収性物品の包装体について説明する。図1は、吸収性物品の包装体の平面図であり、図2は、吸収性物品の包装体の背面図である。図1及び図2に示すように吸収性物品の包装体100は、吸収性物品1と、この吸収性物品1を個装する包装シート70と、を有する。本実施形態に係る吸収性物品1は、例えば、生理用ナプキンである。
【0013】
吸収性物品の包装体100は、包装シート70上に吸収性物品1が配置された状態で包装シート70と吸収性物品1とが折り畳まれることにより、吸収性物品1が個装されるように構成されている。図1及び図2は、包装シート70によって吸収性物品1を個装した後、個装された吸収性物品1を開いた状態を示している。
【0014】
吸収性物品1は、着用者の肌に当接する表面シート10と、液体を透過しない液不透過性の裏面シート20と、吸収体30とを有する。吸収体30は、表面シート10と裏面シート20との間に配設される。従って、吸収体30は、図1において破線で示される。吸収体30は、吸収性物品1の長手方向L及び幅方向Wにおける中央部分に配設される。また、吸収性物品1は、図1に示す平面視にて、吸収体30を有し、長手方向Lに延びる吸収性本体6と、長手方向Lに直交する幅方向Wにおいて吸収性本体6の外側に設けられるウイング部43,44を備える。更に、吸収性物品1は、幅方向Wにおいて吸収体30の外側に設けられるサイドシート41,42を備える。
【0015】
表面シート10は、体液等の液体を透過する液透過性のシートである。表面シート10は、少なくとも吸収体30の表面を覆う。表面シート10は、不織布、織布、有孔プラスチックシート、メッシュシート等、液体を透過する構造のシート状の材料であれば、特に限定されない。織布や不織布の素材としては、天然繊維、化学繊維のいずれも使用できる。
【0016】
裏面シート20は、表面シート10の長さと略同一の長さを有する。裏面シート20は、ポリエチレン、ポリプロピレン等を主体としたフィルム、通気性の樹脂フィルム、スパンボンド、又はスパンレース等の不織布に通気性の樹脂フィルムが接合されたシートなどを用いることができる。裏面シート20は、着用時の違和感を生じさせない程度の柔軟性を有する材料とすることが好ましい。
【0017】
吸収体30は、親水性繊維、パルプを含む。吸収体30は、親水性繊維又は粉体をエアレイド法によって積層して形成されてもよいし、親水性繊維又は粉体をエアレイド法によってシート状に成形したエアレイドシートでもよい。サイドシート41,42は、表面シート10と同様の材料から選ぶことができる。但し、サイドシート41,42を乗り越えて吸収性物品1外方へ経血が流れることを防止するためには、疎水性又は撥水性を有することが好ましい。
【0018】
サイドシート41,42は、表面シート10の両側に配設される。サイドシート41,42は、吸収体30の側縁の一部及びウイング部43,44を覆う。吸収性物品1では、表面シート10、サイドシート41,42、及び裏面シート20の周縁が接合されて、吸収体30が内封される。表面シート10と裏面シート20との接合方法としては、ヒートエンボス加工、超音波、又はホットメルト型接着剤のいずれか一つ、又は複数を組み合わせることが可能である。
【0019】
裏面シート20において、ショーツと接触する表面には、接着剤が塗布された塗布領域50が複数設けられている(図2参照)。塗布領域50は、幅方向に延びて複数設けられている。複数の塗布領域50は、裏面シート20の長手方向Lに沿って間欠的に配置されている。この塗布領域50は、ウイング部43及びウイング部44において、ショーツと接触する表面にも設けられる。使用前の状態では、接着剤は、包装シート70に接しており、包装シート70によって使用前に接着剤が劣化するのを防止している。そして、使用時に着用者によって包装シート70が剥離される。なお、包装シート70以外の紙等からなる保護シートによって使用前に接着剤が劣化するのを防止するように構成してもよい。
【0020】
表面シート10には、複数の圧搾溝21、22が設けられている。圧搾溝21、22は、表面シート10から吸収体30までを厚さ方向に圧搾して構成されている。なお、本実施形態では、圧搾溝21,22は、エンボス加工によって圧搾加工される。
【0021】
包装シート70は、吸収性物品1を個別に包装する。包装シート70は、吸収性物品1の裏面シート20側において吸収性物品1と対向する対向面71と、吸収性物品1を収容した状態で外側に位置する非対向面72と、を有する。
【0022】
なお、包装シート70は、質感向上等の目的のために包装シート70の表面に丸点エンボスや梨地エンボスのような表面加工が施されていてもよい。包装シート70の材質としては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン、ポリエステル等のプラスチックフィルムやナイロンフィルムなどの各種フィルム、硫酸バリウムなどのフィラーを入れて延伸させた通気性フィルム、不織布をラミネートさせたフィルム等が挙げられる。更に、包装シート70の表面には、接着剤の粘着力を低下させることなく剥離可能にする処理が施されている。
【0023】
吸収性物品1及び包装シート70は、幅方向W及び長手方向Lに沿った所定の折り位置において、吸収性物品1の表面シート10を内側にして折り畳まれる。吸収性物品1が折り畳まれた状態で、包装シート70の長手方向Lにおける一方の端部が包装シート70に貼着される。包装シート70の端部は、粘着テープ75によって包装シート70の一部と貼着される。
【0024】
次いで、吸収性物品の包装体100の折り畳み方法を説明する。図3から図6は、吸収性物品の包装体100の折り畳み工程を模式的に示した斜視図である。吸収性物品の包装体100の折り畳み工程は、吸収性物品載置工程S1と、第1折り工程S2と、第2折り工程S3と、接合工程S4と、第3折り工程S5と、を有する。
【0025】
吸収性物品載置工程S1では、図3に示すように、包装シート70上に吸収性物品1が配置される。包装シート70と吸収性物品1の裏面シート20とが対向する。なお、図3においては、1個の吸収性物品1を個装する寸法の包装シート70上に吸収性物品1を配置しているが、例えば、搬送方向に沿って連続する包装シート上に、所定間隔を空けて吸収性物品を配置するように構成してもよい。本実施形態では、説明の便宜上、1個の吸収性物品の包装体によって折り畳み方法を説明する。
【0026】
第一折り工程S2では、図4に示すように、包装シート70と吸収性物品1とが、吸収性物品1の長手方向両端部1A、1Bのうち一方の端部側を含む端部領域側から、幅方向Wに沿った第1幅折り目(図1参照)FW1を基点に内側に折り返される。ここで、吸収性物品1の長手方向両端部1A、1Bのうち一方の端部とは、具体的には、着用者の後方部に配置される後端部1Bである。なお、吸収性物品1の長手方向両端部1A、1Bのうち一方の端部は、例えば、着用者の後方部に配置される前端部1Aであってもよく、第一折り工程において前端部1A側を含む端部領域側から折り返すように構成してもよい。
【0027】
第二折り工程S3では、図5に示すように、包装シート70と吸収性物品1とが、吸収性物品1の長手方向Lにおける前端部1A側から、幅方向Wに沿った第2幅折り目FW2(図1参照)を基点に内側に折り返される。
【0028】
接合工程S4は、図5に示すように、第1幅折り目FW1及び第2幅方向折り目FW2を基点に折り返された吸収性物品1及び包装シート70の幅方向両端部を熱溶着によって接着する。図5に示す斜線部分は、熱溶着によって接着された領域である。そして、粘着テープ75によって、包装シート70の端部を包装シート70の非対向面72に貼着する。本工程により、吸収性物品1が包装シート70によって個装される。
【0029】
なお、本実施形態では、第1幅折り目FW1及び第2幅方向折り目FW2を基点に折り返された吸収性物品1及び包装シート70の幅方向両端部を熱溶着によって接着しているが、吸収性物品1及び包装シート70の幅方向両端部を接着しなくてもよい。また、吸収性物品1及び包装シート70の幅方向両端部の接着方法は、圧着又は超音波溶着によって接着してもよい。
【0030】
第三折り工程S5では、図6に示すように、包装シート70と吸収性物品1とが、吸収性物品1の幅方向Wにおける両端部側から、長手方向Lに沿った第1長手折り目FL1及び第2長手折り目FL2(図1参照)を基点に内側に折り返される。上述した工程S1〜S5が実行されることによって、吸収性物品の包装体100は、折り畳まれて小型化される。
【0031】
なお、包装シート70と吸収性物品1とを、吸収性物品1の幅方向Wにおける両端部側から折り返す際は、幅方向Wにおける一方の端部側から片方ずつ折り返すように構成してもよいし、幅方向Wにおける両端部側から両方を一遍に折り返すように構成してもよい。
【0032】
このように折り畳むことにより、吸収性物品1を包装シート70によってコンパクトに個装することができる。吸収性物品1を小型化することにより、小物入れ、ポシェット等のバッグに収納する場合、バッグの収納スペースを大きく占有する事がなく、簡便な携帯を可能とする。また、吸収性物品1をコンパクトに個装することにより、使用時にトイレ等に携帯する際に、折り返さない状態でも手の中に配置し、他人から見えないように保持する事が可能となる。
【0033】
次いで、このように折り畳まれた吸収性物品の包装体100を開いた状態における折り目について、図1、図2及び図7を参照して説明する。図7は、図1に示すA−A断面図である。図1及び図2に示す一点鎖線及び二点鎖線は、折り目を示す仮想線である。吸収性物品1の表面シート10側に向けて吸収性物品1及び包装シート70が折り返される第1折り目FSを一点鎖線にて示す。また、吸収性物品1の裏面シート20側に向けて吸収性物品1及び包装シート70が折り返される第2折り目FRを二点鎖線にて示す。
【0034】
吸収性物品1及び包装シート70には、吸収性物品1の長手方向Lに沿った第1長手折り目FL1及び第2長手折り目FL2と、吸収性物品1の幅方向Wに沿った第1幅折り目FW1及び第2幅折り目FW2と、が形成されている。
【0035】
第1幅折り目FW1及び第2幅折り目FW2は、いずれも吸収性物品1の表面シート側に向けて折り返された第1折り目FSである。したがって、吸収性物品1を開いた状態では、長手方向Lの両端部は、長手方向Lにおける中央領域(第1幅折り目FW1及び第2幅折り目FW2よりも長手方向内側の領域)に対して、表面シート10側に折り返されている。
【0036】
第1長手折り目FL1及び第2長手折り目FL2は、長手方向Lにおいて隣接して配置された第1折り目FSと第2折り目FRとを有する。具体的には、長手方向両端部に第1折り目FSが形成されており、第1折り目FSと第1折り目FSとの間に第2折り目FRが形成されている。
【0037】
第1長手折り目FL1及び第2長手折り目FL2における第1折り目FSと第2折り目FRとの境目Bは、ウイング部43、44の幅方向両側辺間の領域であって、かつウイング部の長手方向両端部E1、E2間の領域(以下、ウイング部対応領域とする。)A1に形成されている。ウイング部対応領域A1は、図1に示す斜線部分である。
【0038】
ウイング部対応領域A1に形成された第1長手折り目FL1及び第2長手折り目FL2は、長手方向Lに沿って第1折り目FS、第2折り目FR、第1折り目FSの順で形成されている。
【0039】
このように第1折り目FSと第2折り目FRとの境目Bをウイング部対応領域A1に設けることにより、ウイング部対応領域A1に第1折り目FSと第2折り目FRとが形成されるため、両方の折り目の作用によって一方側(例えば、表面シート10側)のみに折れ曲がることを抑制し、折り癖を残し難くすることができる。したがって、小型に折り畳まれた吸収性物品1を広げた際に、吸収性物品1を水平に保ち易くすることができる。着用者は、吸収性物品を容易に下着の内面に沿わせて配置したり、ウイング部を下着の非当接面側に容易に折り曲げて配置したりすることができ、装着性を向上させることができる。また、折り癖を残し難くすることにより、吸収性物品1を下着に装着した際に、折り目によって下着から吸収性物品1が浮いてしまうことを抑制することができる。
【0040】
また、ウイング部対応領域A1において、第2折り目FRの長手方向における長さは、第1折り目FSの長手方向の長さよりも長い。図7に示すように、第2折り目FRよりも幅方向外側に位置するウイング部43、44は、裏面シート側に折り返されている。したがって、第2折り目FRを長く形成することにより、ウイング部は、表面シート10側よりも裏面シート20側に折れ易くなる。
【0041】
例えば、ウイング部33、34が表面シート側に折り返されていると、下着に装着する際に裏面シート20から離間する方向に力が働いて、ウイング部33、34がずれて装着されたり、装着したウイング部ウイング部33、34が下着から離れてしまったりするおそれがある。しかし、第2折り目FRを長く形成することにより、着用者は、ウイング部33、34を適切な位置で裏面シート側に折り返すことができる。
【0042】
更に、ウイング部対応領域A1において、第2折り目FRの長手方向両端部のそれぞれに対する長手方向外側には、第1折り目FSが形成されている。例えば、ウイング部対応領域A1の全域において第2折り目FRが形成されていると、吸収性物品1を包装シート70から外した際にウイング部33、34が吸収性物品1の裏面シート20に近接し、ウイング部33、34の接着剤と吸収性本体6の接着剤とが接着するおそれがある。しかし、ウイング部対応領域A1において、第2折り目FRの長手方向両端部に第1折り目FSが形成されていることにより、ウイング部33、34が裏面シート20側から離間する方向への力が第1折り目FSによって作用し、ウイング部33、34が裏面シート20に接着することを防ぐことができる。
【0043】
また、第1長手折り目FL1及び第2長手折り目FL2における第1折り目FSと第2折り目FRとの境目Bは、ウイング部33、34の幅方向両側辺間の領域であって、かつウイング部33、34の幅方向長さが最も長い最大幅位置と、ウイング部の長手方向両端部E1、E2との長手方向における間の領域(ウイング傾斜領域)A2に形成されている。ウイング傾斜領域A2は、図1に示す斜線部分である。
【0044】
なお、ウイング傾斜領域A2を区画するウイング部33、34の幅方向長さが最も長い最大幅位置M1は、最大幅位置となる部分のうち最も長手方向外側に位置する部分である。この最大幅位置よりも長手方向外側に位置するウイング部は、長手方向外側に向かって除々に幅方向の長さが短くなっており、幅方向W及び長手方向Lに対して傾斜している。
【0045】
ウイング部33、34は、吸収体30を有する吸収性本体6と比べて厚さが薄く、比較的皺が生じ易い。また、ウイング部33、34の裏面には、接着剤が付されており、ウイング部33、34を下着の非当接面側に折り返す際に接着剤同士がくっついて、ウイング部33、34に皺が生じることがある。しかし、第1折り目FSと第2折り目FRとの境目Bをウイング傾斜領域A2に設けることにより、第1折り目FSと第2折り目FRとの作用によってウイング部33、34を長手方向において水平に保ち、ウイング部33、34に皺が生じる不具合を防止することができる。
【0046】
なお、第1の実施形態においては、第1折り目FSと第2折り目FRとは、連なって配置されているが、第1折り目FSと第2折り目FRとの間に、隙間が設けられていてもよい。
【0047】
また、本実施形態においては、第1長手折り目FL1及び第2長手折り目FL2は、ウイング部33、34上に形成されているが、第1長手折り目FL1及び第2長手折り目FL2の位置は、この構成に限られない。例えば、ウイング部よりも幅方向内側に、第1長手折り目FL1及び第2長手折り目FL2が形成されていてもよい。また、第1長手折り目FL1及び第2長手折り目FL2は、吸収体6の幅方向外側に形成されていてもよいし、吸収体と重なる位置に形成されていてもよい。
【0048】
(第2の実施形態)
次いで、第2の実施形態に係る吸収性物品の包装体101について、図8を参照して詳細に説明する。なお、第2の実施形態の説明においては、第1の実施形態と異なる構成について説明し、同様の構成については説明を省略する。図8は、第2の実施形態に係る吸収性物品の包装体101の肌当接面からみた平面図である。
【0049】
第2の実施形態に係る吸収性物品2は、第1の実施形態に係る吸収性物品と異なり、吸収性物品2の後方領域において吸収性本体6よりも幅方向外側に延出するエンドフラップ部45、46を備える。また、吸収性物品の包装体101には、吸収性物品1の長手方向Lに沿った第1長手折り目FL1及び第2長手折り目FL2と、吸収性物品1の幅方向Wに沿った第1幅折り目FW1、第2幅折り目FW2及び第3幅折り目FW3と、が形成されている。
【0050】
第1幅折り目FW1及び第2幅折り目FW2は、いずれも吸収性物品2の表面シート10側に向けて吸収性物品2及び包装シート70が折り返される第1折り目FSである。一方、第3幅方向折り目FW3は、吸収性物品2の表面シート10側に向けて吸収性物品2及び包装シート70が折り返される第2折り目FRである。
【0051】
第1長手折り目FL1及び第2長手折り目FL2には、長手方向Lに沿って第1折り目FSと第2折り目FRとが隣接して形成されている。具体的には、吸収性物品の長手方向に沿って、吸収性物品の前端部を含む領域から、第1折り目FS、第2折り目FR、第1折り目FS、第2折り目FRの順で形成されている。
【0052】
第1折り目FSと第2折り目FRとの境目Bは、エンドフラップ部45、46の幅方向両側辺間の領域であって、かつエンドフラップ部の長手方向両側部E3、E4間の領域(以下、エンドフラップ部対応領域)A3と、ウイング部対応領域A1と、に形成されている。エンドフラップ部対応領域A3は、図8に示す斜線部分である。なお、本実施の形態では、長手方向におけるウイング部33、34の後端部E2と、長手方向におけるエンドフラップ部45、46の前端部E3とは、同じ位置である。
【0053】
このように第1長手折り目FL1及び第2長手折り目FL2における第1折り目FSと第2折り目FRとの境目Bをエンドフラップ部対応領域A3に設けることにより、両方の折り目の作用によって一方側(例えば、表面シート10側)のみに折れることを抑制し、折り癖を残し難くすることができ、例えば、エンドフラップ部対応領域A3を水平に保ち易くすることができる。エンドフラップ部対応領域A3を水平に保つことにより、エンドフラップ部45、46を下着の内面に沿わせて適切に配置することができる。
【0054】
なお、図8に示す吸収性物品の包装体101は、包装シート70によって吸収性物品2を個装した後、個装された吸収性物品2を開いた状態である。この吸収性物品の包装体101の折り畳み方法としては、例えば、包装シート70上に吸収性物品2を配置した後、吸収性物品2の後端部2Bを含む後方領域を、第2幅折り目FW2を基点として、吸収性物品2の前端部2Aを含む前方領域に対して内側に折り畳む。
【0055】
次いで、吸収性物品2の前端部2Aを含む前方領域上に吸収性物品2の後端部2Bを含む後方領域を重ねた状態で、第1幅折り目FW1及び第3幅折り目FW3を基点として、吸収性物品2及び包装シート70を折り畳む。次いで、包装シート70の幅方向両端部を接合して、粘着テープ75を貼付した後、包装シート70及び吸収性物品2の幅方向両端部を、第1長手折り目FL1及び第2長手折り目FL2を基点として内側に折り畳む。このように折り畳むことにより、吸収性物品1が包装シート70によって個装され、かつ個装された吸収性物品1を開くことにより、図8に示す状態となる。
【0056】
第2の実施形態に係る吸収性物品の包装体101は、吸収性物品2の幅方向Wに沿った第1幅折り目FW1、第2幅折り目FW2及び第3幅折り目FW3が形成されているが、幅折り目の数は、この構成に限定されない。また、第1折り目FSと第2折り目FRとの境目Bは、必ずしもウイング部対応領域A1又はエンドフラップ部対応領域A3に設けられてなくてもよい。
【0057】
次いで、図9を参照して変形例に係る吸収性物品の包装体を説明する。図9(a)は、変形例1に係る吸収性物品の包装体の肌当接面側から見た平面図であり、図9(b)は、変形例2に係る吸収性物品の包装体の肌当接面側から見た平面図であり、図9(c)は、変形例3に係る吸収性物品の包装体の肌当接面側から見た平面図である。なお、変形例の説明においては、第2の実施形態と異なる構成について説明し、同様の構成については説明を省略する。
【0058】
変形例1に係る吸収性物品3の包装体102には、吸収性物品3の長手方向Lに沿った第1長手折り目FL1及び第2長手折り目FL2と、吸収性物品3の幅方向Wに沿った第1幅折り目FW1と、が形成されている。第1長手折り目FL1及び第2長手折り目FL2には、第1折り目FSと第2折り目FRが形成されている。吸収性物品3の前端部3Aを含む領域には、第1折り目FSが形成され、吸収性物品3の後端部3Bを含む領域には、第2折り目FRが形成されている。
【0059】
変形例2に係る吸収性物品4の包装体103及び変形例3に係る吸収性物品5の包装体104には、長手方向Lに沿った第1長手折り目FL1及び第2長手折り目FL2が形成されている。第1長手折り目FL1及び第2長手折り目FL2は、長手方向Lに沿って第1折り目FS、第2折り目FR、第1折り目FSの順で形成されている。
【0060】
また、変形例2における第1折り目FSと第2折り目FRとの境目Bは、ウイング部対応領域A1とエンドフラップ部対応領域A3に形成されている。一方、変形例3における第1折り目FSと第2折り目FRとの境目Bは、エンドフラップ部対応領域A3と、ウイング部の前端部E1と重なる位置に設けられている。また、変形例3における第1長手折り目FL1及び第2長手折り目FL2は、吸収体30と重なる位置に形成されている。
【0061】
次いで、変形例に係る吸収性物品105の包装体の折り畳み方法を説明する。図10から図12は、吸収性物品の包装体105の折り畳み工程を模式的に示した斜視図である。吸収性物品の包装体105の折り畳み工程は、吸収性物品載置工程S1と、第1折り工程S2と、第2折り工程S3と、第3折り工程S4と、貼着工程S5とを有するが、吸収性物品載置工程S1については、実施の形態に係る折り畳み工程と同様であるため、説明を省略する。
【0062】
第一折り工程S2では、図10に示すように、包装シート70と吸収性物品1とが、吸収性物品6の長手方向両端部6A、6Bのうち一方の端部側である前端部6Aを含む端部領域側から、幅方向Wに沿った第1幅折り目FW1を基点に内側に折り返される。
【0063】
第二折り工程S3では、図11に示すように、包装シート70と吸収性物品1とが、吸収性物品6の長手方向両端部6A、6Bのうち一方の端部側である後端部6Bを含む端部領域側から、幅方向Wに沿った第2幅折り目FW2を基点に内側に折り返される。
【0064】
第三折り工程S4では、図12に示すように、包装シート70と吸収性物品1とが、吸収性物品1の幅方向Wにおける両端部側から、長手方向Lに沿った第1長手折り目FL1及び第2長手折り目FL2を基点に背面側に折り返される。なお、第三折り工程S4は、本実施形態のように図示する背面側に向けて折り返してもよいし、図示する表側に向けて折り返すように構成してもよい。そして、粘着工程S5では、図12に示すように、貼着テープ75によって、包装シート70の端部を包装シート70の外側に位置する面に貼着する。本工程により、吸収性物品1が包装シート70によって個装される。
【0065】
このように、吸収性物品の包装体を折り畳むことにより、吸収性物品及び包装シートの平面面積を広げた場合と比べて約1/9にすることができるため、吸収性物品をコンパクトにすることができる。
【0066】
また、本発明の吸収性物品は、生理用ナプキン以外に、パンティライナー(おりものシート)、失禁パッド等であってもよい。
【0067】
このように、本発明は、ここでは記載していない様々な実施形態などを含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は、上述の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
【符号の説明】
【0068】
1、2…吸収性物品、 1A…前端部、 1B…後端部、 10…表面シート、 20…裏面シート、 21,22…圧搾部、 30…吸収体、 41,42…サイドシード、 43,44…ウイング部、 45,46…エンドフラップ部、 50…塗布領域、 70…包装シート、 71…対向面、 72…非対向面、 75…粘着テープ、 100、101、102、103、104…吸収性物品の包装体
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液透過性の表面シート、液不透過性の裏面シート、及び前記表面シートと前記裏面シートとの間に配置される吸収体を有する吸収性本体を含む吸収性物品と、前記吸収性物品を個別に包装する包装シートと、を備え、前記包装シート上に前記吸収性物品が配置された状態で前記包装シートと前記吸収性物品とが折り畳まれることにより、前記吸収性物品が個装される吸収性物品の包装体であって、
前記個装された吸収性物品を開いた状態で、前記包装シート及び前記吸収性物品には、該吸収性物品の長手方向に沿った折り目が形成されており、
前記折り目は、前記表面シート側に向けて該吸収性物品及び該包装シートが折り返される第1折り目と、該第1折り目に隣接し、かつ前記裏面シート側に向けて該吸収性物品及び該包装シートが折り返される第2折り目と、を有する、吸収性物品の包装体。
【請求項2】
前記第2折り目の前記長手方向両端部のそれぞれに対する前記長手方向外側には、前記第1折り目が形成されている、請求項1に記載の吸収性物品の包装体。
【請求項3】
前記吸収性物品は、前記吸収性本体の幅方向両端部から幅方向外側に延出するウイング部を更に備えており、
前記第1折り目と前記第2折り目との境目は、前記ウイング部の幅方向両側辺間の領域であって、かつ前記ウイング部の長手方向両端部間の領域に形成されている、請求項1又は請求項2に記載の吸収性物品の包装体。
【請求項4】
前記ウイング部の幅方向両側辺間の領域であって、かつ前記ウイング部の長手方向両側部間の領域において、前記第2折り目の前記長手方向の長さは、前記第1折り目の該長手方向の長さよりも長い、請求項3に記載の吸収性物品の包装体。
【請求項5】
前記ウイング部の幅方向両側辺間の領域であって、かつ前記ウイング部の長手方向両側部間の領域において、前記第2折り目の前記長手方向両端部のそれぞれに対する前記長手方向外側には、前記第1折り目が形成されている、請求項3又は請求項4に記載の吸収性物品の包装体。
【請求項6】
前記境目は、前記ウイング部の前記幅方向両側辺間の領域であって、かつ該ウイング部の幅方向長さが最も長い最大幅位置と、該ウイング部の長手方向端部との長手方向における間の領域に形成されている、請求項3から請求項5のいずれかに記載の吸収性物品の包装体。
【請求項7】
前記吸収性物品は、前記吸収性物品の後方領域において、前記吸収性本体の幅方向両端部から幅方向外側に延出するエンドフラップ部を更に備えており、
前記第1折り目と前記第2折り目との境目は、前記エンドフラップ部の幅方向両側辺間の領域であって、かつ前記エンドフラップ部の長手方向両側部間の領域に形成されている、請求項1から請求項6のいずれかに記載の吸収性物品の包装体。
【請求項8】
液透過性の表面シート、液不透過性の裏面シート、及び前記表面シートと前記裏面シートとの間に配置される吸収体を有する吸収性本体を含む吸収性物品と、前記吸収性物品を個別に包装する包装シートと、を備える吸収性物品の包装体の折り畳み方法であって、
前記包装シート上に前記吸収性物品を配置する第1工程と、
前記吸収性物品の前記長手方向両端部をそれぞれ含む前記吸収性物品の長手端部領域及び前記包装シートを、該長手方向と直交する幅方向に沿った幅折り目を基点にして内側に折り返す第2工程と、
前記第1工程後、前記吸収性物品の前記幅方向両側部をそれぞれ含む前記吸収性物品の幅側部領域及び前記包装シートを、前記長手方向に沿った長手折り目を基点にして内側に折り返す第3工程と、を備える、吸収性物品の包装体の折り畳み方法。
【請求項1】
液透過性の表面シート、液不透過性の裏面シート、及び前記表面シートと前記裏面シートとの間に配置される吸収体を有する吸収性本体を含む吸収性物品と、前記吸収性物品を個別に包装する包装シートと、を備え、前記包装シート上に前記吸収性物品が配置された状態で前記包装シートと前記吸収性物品とが折り畳まれることにより、前記吸収性物品が個装される吸収性物品の包装体であって、
前記個装された吸収性物品を開いた状態で、前記包装シート及び前記吸収性物品には、該吸収性物品の長手方向に沿った折り目が形成されており、
前記折り目は、前記表面シート側に向けて該吸収性物品及び該包装シートが折り返される第1折り目と、該第1折り目に隣接し、かつ前記裏面シート側に向けて該吸収性物品及び該包装シートが折り返される第2折り目と、を有する、吸収性物品の包装体。
【請求項2】
前記第2折り目の前記長手方向両端部のそれぞれに対する前記長手方向外側には、前記第1折り目が形成されている、請求項1に記載の吸収性物品の包装体。
【請求項3】
前記吸収性物品は、前記吸収性本体の幅方向両端部から幅方向外側に延出するウイング部を更に備えており、
前記第1折り目と前記第2折り目との境目は、前記ウイング部の幅方向両側辺間の領域であって、かつ前記ウイング部の長手方向両端部間の領域に形成されている、請求項1又は請求項2に記載の吸収性物品の包装体。
【請求項4】
前記ウイング部の幅方向両側辺間の領域であって、かつ前記ウイング部の長手方向両側部間の領域において、前記第2折り目の前記長手方向の長さは、前記第1折り目の該長手方向の長さよりも長い、請求項3に記載の吸収性物品の包装体。
【請求項5】
前記ウイング部の幅方向両側辺間の領域であって、かつ前記ウイング部の長手方向両側部間の領域において、前記第2折り目の前記長手方向両端部のそれぞれに対する前記長手方向外側には、前記第1折り目が形成されている、請求項3又は請求項4に記載の吸収性物品の包装体。
【請求項6】
前記境目は、前記ウイング部の前記幅方向両側辺間の領域であって、かつ該ウイング部の幅方向長さが最も長い最大幅位置と、該ウイング部の長手方向端部との長手方向における間の領域に形成されている、請求項3から請求項5のいずれかに記載の吸収性物品の包装体。
【請求項7】
前記吸収性物品は、前記吸収性物品の後方領域において、前記吸収性本体の幅方向両端部から幅方向外側に延出するエンドフラップ部を更に備えており、
前記第1折り目と前記第2折り目との境目は、前記エンドフラップ部の幅方向両側辺間の領域であって、かつ前記エンドフラップ部の長手方向両側部間の領域に形成されている、請求項1から請求項6のいずれかに記載の吸収性物品の包装体。
【請求項8】
液透過性の表面シート、液不透過性の裏面シート、及び前記表面シートと前記裏面シートとの間に配置される吸収体を有する吸収性本体を含む吸収性物品と、前記吸収性物品を個別に包装する包装シートと、を備える吸収性物品の包装体の折り畳み方法であって、
前記包装シート上に前記吸収性物品を配置する第1工程と、
前記吸収性物品の前記長手方向両端部をそれぞれ含む前記吸収性物品の長手端部領域及び前記包装シートを、該長手方向と直交する幅方向に沿った幅折り目を基点にして内側に折り返す第2工程と、
前記第1工程後、前記吸収性物品の前記幅方向両側部をそれぞれ含む前記吸収性物品の幅側部領域及び前記包装シートを、前記長手方向に沿った長手折り目を基点にして内側に折り返す第3工程と、を備える、吸収性物品の包装体の折り畳み方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−135449(P2012−135449A)
【公開日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−290079(P2010−290079)
【出願日】平成22年12月27日(2010.12.27)
【出願人】(000115108)ユニ・チャーム株式会社 (1,219)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年12月27日(2010.12.27)
【出願人】(000115108)ユニ・チャーム株式会社 (1,219)
【Fターム(参考)】
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