吸収性物品の包装袋
【課題】
包装袋内の吸収性物品の残数が少なくなっても、物品の取出しが容易で、かつ携帯性の良い状態が保たれる、吸収性物品の包装袋を提供することにある。
【解決手段】
包装袋の側面部に山折り補助線21と谷折り補助線22を、山折り補助線21が谷折り補助線22より上側となるように配する。前記山折り補助線と前記谷折り補助線を折って、山折り補助線と谷折り補助線の間の側面部を山折り補助線の上側の側面部と谷折り補助線の下側の側面部の間に折り込み、側面部の一部に配された粘着部を側面部に付着させて側面部が折り込まれた形状を保持する。
包装袋内の吸収性物品の残数が少なくなっても、物品の取出しが容易で、かつ携帯性の良い状態が保たれる、吸収性物品の包装袋を提供することにある。
【解決手段】
包装袋の側面部に山折り補助線21と谷折り補助線22を、山折り補助線21が谷折り補助線22より上側となるように配する。前記山折り補助線と前記谷折り補助線を折って、山折り補助線と谷折り補助線の間の側面部を山折り補助線の上側の側面部と谷折り補助線の下側の側面部の間に折り込み、側面部の一部に配された粘着部を側面部に付着させて側面部が折り込まれた形状を保持する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生理用ナプキン、使い捨ておむつ等の吸収性物品を積み重ねた状態で包装する包装袋に関するものである。
【背景技術】
【0002】
生理用ナプキン、使い捨ておむつ等の吸収性物品は、扁平な矩形状に折りたたまれ、複数個が重ね合わされ、包装用の樹脂フィルム等で製造された包装袋に収納された状態で販売流通経路に置かれている。使用者は、このように多段の物品を収納したパッケージを開封し、形成された取出し口から吸収性物品を一つずつ取り出して使用するのが通常である。この場合、開封直後の物品の取出しは容易であるが、包装袋内の物品の残数が少なくなってくると、取出し口から物品までの距離が長くなり、物品が取出しづらくなってしまう。また、包装袋内の残数が少なくなると、物品に空間が開きやすく、物品の傾きなどにより包装袋全体が型崩れを起こしてしまい、物品の取出しが一層面倒になる、という問題があった。
【0003】
特許文献1は、複数段の使い捨ておむつを重ね合わせて収納した包装袋であり、側面を一周する切り取り線を有し、収納したおむつの残数が少なくなったら、この切り取り線より上側の包装袋の上面側が切り取られることにより、残ったおむつが取り出し口付近に露出し、取出しが容易になるよう構成された包装袋を開示している。
特許文献2は、特許文献1と同様に側面を一周する切り取り線を有する包装袋であり、切り取り線より下側の包装袋の底面側の一部に伸縮性があり、物品の残数が少なくなるとともに収縮する包装袋を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−292043号公報
【特許文献2】特開2007−22637号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、これら先行技術に係る包装袋を使用した場合、吸収性物品の取出しは容易となるが、天面除去後の包装袋は、その取出し口が大きく開口しており、物品が塵埃等により汚染される、転倒により内容物が飛び出しやすく携帯性が悪い、等の問題があった。
そこで、本発明の主たる課題は、包装袋内の吸収性物品の残数が少なくなっても、物品の取出しが容易で、かつ携帯性の良い状態が保たれる、吸収性物品の包装袋を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決した本発明は次記のとおりである。なお、本発明における「切り取り線」は、使用時に切り離されるミシン目、切り込み等で形成された線を示すものとする。「切断線」は、前記切り取り線と、スリット等で形成された、既に分離されている線とのうちのどちらか、あるいは両方を含む線とする。また、本発明に係る包装袋において、実際の流通、使用の状態にかかわらず、取出し口を配した面を「上面部」として各方向を定義する。
【0007】
<請求項1記載の発明>
内部に吸収性物品が上下方向に複数の層を形成して収納されている、上面部、底面部及び4つの側面部を有する六面体状の吸収性物品の包装袋であって、
前記上面部に、取出し口を形成するための切り取り線を有し、
前記側面部の上下方向中間に、周方向に沿う谷折り位置と、この谷折り位置に対して上側又は下側に離間した周方向に沿う山折り位置とを有しており、
少なくとも、前記山折り位置と前記谷折り位置との間か、又は前記谷折り位置に関して前記山折り位置と線対称をなす位置と前記谷折り位置との間に、剥離部で被覆された粘着部を有し、
前記側面部を前記山折り位置及び前記谷折り位置で各方向に折り、前記側面部のうち山折り位置と谷折り位置との間の部分をその上下両側の部分の間に折り込むとともに、前記剥離部を剥離し、これにより露出した前記粘着部を介して、前記側面部のうち前記山折り位置と前記谷折り位置の間の部分とこれに対向する部分とを接着させることによって、前記側面部が折り込まれた状態を保持できるように構成した、
ことを特徴とする吸収性物品の包装袋。
【0008】
(作用効果)
吸収性物品が上下方向に複数の層を形成して収納されている場合、取出し口は、上面部の長辺と平行で同じ長さの切り取り線として形成されるのが好ましい。取出し口が線状であるため、包装袋の開封後も内部の吸収性物品に埃等が付着するのを防ぐことができる。また、上面部の長辺と同じ長さとすることで、物品を取り出すのに十分な開口を確保できる。
【0009】
このような形態の包装袋を使用した場合、吸収性物品の残数が少なくなると包装袋上部に空隙ができ、物品を取出しづらくなる。この空隙を減じるために、包装袋の高さを低くする必要がある。本発明では、包装袋の側面部の一部を内部に折り込むことのできる形態とし、折り込んだ状態を保持するための粘着部を設けることにより、包装袋の高さを低くすることを可能とした。これにより、包装袋上部の取出し口から、残数の少なくなった吸収性物品までの距離を短くすることができる。
【0010】
特許文献1においては、包装袋上面部と側面部の一部を取り除くことにより、包装袋の高さを低くしているが、これでは上部開口が大きくなってしまう。これに対し、本発明においては、包装袋上面部を取り除かないため、上部開口を広げることなく、包装袋の高さを低くすることが可能である。
【0011】
<請求項2記載の発明>
前記剥離部が、前記側面部の切断線で囲まれた部分であり、前記剥離部が側面部から剥離されることで、前記粘着部が露出するように構成された請求項1または2に記載の吸収性物品の包装袋。
【0012】
(作用効果)
包装袋側面部の内部に粘着部を配置し、側面部外側の対応部分を剥離することによって、粘着部が露出するようにする。請求項1の発明は、側面部を構成するシートの外側に粘着剤を塗布して、そこへ剥離紙を付着させる構造にすることによっても可能であるが、包装袋外部に剥離紙による凸部が形成され、商品運搬中に前記凸部に他の商品等が接触することにより、剥離を起こしやすい、という問題がある。請求項2記載の発明に係る包装袋は、外部が平坦であるため、このような問題が生じにくく、より好ましい。
【0013】
<請求項3記載の発明>
前記取出し口を締めるように、上面部周縁または側面部上端周辺に環状に紐が配された巾着構造を有する請求項1または2に記載の吸収性物品の包装袋。
【0014】
(作用効果)
包装袋の上部に紐通し穴を形成し、紐を通して巾着構造とすることにより、より携帯性を高くすることができる。
【発明の効果】
【0015】
以上のとおり、本発明によれば、吸収性物品の包装袋において、包装袋内の物品の残数が少なくなっても、物品の取出しが容易で、かつ携帯性の良い状態を保つことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】第1の実施形態に係る生理用ナプキンの包装袋を示す斜視図である。
【図2】第1の実施形態の包装袋の側面部を折り込んだ状態を示す斜視図である。
【図3】第1の実施形態の包装袋の側面部を折り込んだ状態を示す正面図である。
【図4】図3の4−4断面図である。
【図5】図3のa部の拡大図及び断面図である。(A)剥離部を剥離していない状態の正面図、(B)剥離部を剥離した状態の正面図、(C)c−c断面、(D)d−d断面。
【図6】第2の実施形態に係る包装袋を示す斜視図である。
【図7】第2の実施形態に係る包装袋の側面部を折り込んだ状態を示す断面図である。
【図8】第3の実施形態を示す斜視図である。
【図9】第4の実施形態を示す斜視図である。
【図10】生理用ナプキンを平置きで二列に積層して収納した包装袋の斜視図である。
【図11】生理用ナプキンを底面に垂直に収納した包装袋の斜視図である。
【図12】側面部の対向する2面に1つずつ剥離部を配した包装袋の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照しつつ詳説する。本実施形態においては、吸収性物品として個別包装した生理用ナプキンを使用した形態を例示する。
【0018】
(第1の実施形態)
図1は本発明の一実施の形態に係る生理用ナプキンの包装袋を示す斜視図、図2は、使用時に側面部を折り込んだ状態を示す斜視図である。
包装袋1は、可撓性のある薄いシート材で製造されるのが好ましい。包装袋1を構成する素材は、紙、不織布、樹脂等が使用でき、限定されないが、特に、樹脂フィルム(ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム等)が好ましく使用される。樹脂フィルムを使用する場合は、通常、包装袋1の内容物が外部から視認されないよう、不透明となるよう着色され、壁部に商品名その他の必要事項が印刷された印刷部2が設けられる。
【0019】
包装袋1の上面部11及び底面部12は、樹脂フィルムを、封止線16にそって、封止線16の両端に折り込み部17を有するガセット袋状になるように、ヒートシール、超音波溶着、接着剤等によって封止することによって形成される。包装袋1の側面部は、前側パネル13、前側パネル13に対向する後側パネル14、前側パネル13及び後側パネル14を接続する、二つのサイドパネル15を含む。前側パネル13、後側パネル14、サイドパネル15は、図1に示されるようにほぼ平面的である。
【0020】
図1には、扁平な矩形に折り畳まれて個別包装された生理用ナプキン100が、底面部12に平行に一列に積層されている形態が開示されているが、生理用ナプキン100の収納形態は、垂直方向に少なくとも二層以上を有する形態であれば特に限定されない。二列の積層としてもよく(図10)、また底面部にナプキン100を垂直に重ねて形成した底面に平行な層を、二重あるいは三重以上に積層してもよい(図11、図示例は二重積層)。
【0021】
包装袋1の上面部には、取出し口用切り取り線18が形成されている。切り取り線は、ミシン目線、切り込み線などにより形成することができるが、取出し口用切り取り線はミシン目線とすることが特に望ましい。取出し口用切り取り線18の形状は、生理用ナプキン100を変形させることなく取り出せる大きさの取出し口が形成されれば特に限定されないが、上面部の形成する長方形の長辺と同じ長さで平行な直線であることがより好ましい。取出し口を線状とすることで、包装袋1の開封後も内部の生理用ナプキンに埃等が付着するのを防ぐことができる。また、上面部の辺と同じ長さの切り取り線とすることで、物品を取り出すのに十分な開口を確保できる。
【0022】
包装袋1は、側面部に周方向に沿う山折り位置と谷折り位置を有する。山折り位置、谷折り位置は、どちらを上側に配してもよいが、山折り位置を上側に配することが好ましい。山折り位置、谷折り位置には、目印を配さなくてもよいが、使用者が位置を確認しやすいよう、印刷されたガイドライン、ミシン目、折り目等で形成された補助線(山折り補助線21、谷折り補助線22)を配することがより好ましい。山折り補助線21、谷折り補助線は、側面部に水平方向に環状に配されるのが好ましい。包装袋1の山折り補助線21より上側の部分を頂部T、谷折り補助線22より下側の部分を底部B、山折り補助線と谷折り補助線の間の部分を中間部Mとする。両補助線21,22は、頂部T、底部Bの垂直方向の長さが、中間部Mの垂直方向の長さと比較して、同等以上の長さとなるように配される。包装袋1は、山折り補助線21、谷折り補助線22に従って側面部の樹脂シートを折りたたまれ、折りたたまれた状態を保持されることにより(保持方法の詳細は後述)、図2、図3に示すようにコンパクトな形態となる。図2において、底部Bのうち、頂部Tの側面部シートで隠れた部分を底上部BH、隠れなかった部分を底下部BLとする。
【0023】
包装袋1の印刷部2は、中間部M及び/または底上部BHに配されることが好ましい。生理用ナプキンを携帯する場合、使用者はその内容物が何であるかが分からないように化粧ポーチ等に入れて携帯することが多い。折りたたまれた状態の包装体は携帯性に優れるが、商品名等が外部から視認される状態では、生理用ナプキンの携帯用としては使用されにくい。印刷部2を中間部M及び/または底上部BHに配することで、図2のように、補助線21,22に従って折りたたまれたとき、印刷部が隠れる構造となる。このような形態の包装体は、商品流通時には商品名が外部から視認でき、使用時には商品名が外部から視認できない構造となる。
【0024】
包装袋1の側面部を形成する前面パネル13、後面パネル14、サイドパネル15の、少なくとも側面部の対向する2面(例えば、前面パネル13と後面パネル14)の中間部Mには、周囲をミシン目、スリット等の切断線51で囲まれた剥離部52が設けられる。剥離部52は、図1に示すように側面部の4面すべてにかかるよう水平方向に一周するような形態、各面に複数配された形態等を適宜選択することができるが、水平方向に細長い形態であることが好ましい。側面部の対向する2面に1つずつ剥離部を配する場合は、2つの剥離部52は、たがいに包装袋1の水平断面の中心に対して対象となるようにすることが好ましい(図12)。
【0025】
剥離部を切断線51に従って分離及び/または剥離した後の開口部には、粘着部53が露出する。剥離前後の剥離部、粘着部の正面及び断面の一部拡大図を図5(A)〜(D)に示す。切断線51は、ミシン目等の使用時に切断される切り取り線、スリット線のように既に線を挟んだ両部材が分離された分離線であってもよい。ミシン目を使用した場合は、運搬中の剥離する恐れが少ないが、使用時にミシン目を切り離さなければならず、包装袋1を構成する樹脂シートが伸展しやすい素材(例えばポリエチレン)である場合には、ミシン目の切り取り、及び剥離部52の包装袋1からの分離が困難となりやすい。一方、スリット線を使用した場合には、ミシン目と比較して剥離が容易に可能であるものの、剥離部は粘着部53によって包装体に保持されるため、粘着部53の粘着力が弱い場合には、運搬中に剥離、脱落してしまうおそれがある。したがって、前記切断線の形態は、使用する樹脂シートの性状、粘着剤等を考慮して適宜選択するのが望ましい。各剥離部の少なくとも一方の端部は、半円、反楕円、台形等の形状にトリミングされることにより、分離/剥離時に使用者が指でつまみやすく、好適である(図5(A))。
【0026】
剥離部の内側には、シリコーン、長鎖アルキルポリマー、ポリオレフィン、アルキド樹脂、フッ素化合物等の離型剤が層状、薄膜状、網目状に塗布された離型処理部54が配されていることが好ましい(図5(C))。
【0027】
包装体側面部の内側には、剥離部より一回り大きな粘着部シート55が、剥離部全体を覆うように積層されている。粘着部シート55は、ヒートシール、超音波溶着、接着剤等で側面部に固定してもよく(図示例はヒートシール56)、粘着部シート56の片面全面に粘着剤を配して、粘着部シート周縁部の粘着剤により固定してもよい。粘着部シートを配さず、包装袋1全体を内袋、外袋を有する二重構造として、内袋の外側に粘着部を配する形態をとることもできる。この場合、包装袋1の強度を高めることもできる。粘着部シート55の素材は特に限定されず、紙、樹脂シート等から選択できるが、包装袋が樹脂フィルムで構成されている場合は、ヒートシール、超音波溶着が可能な樹脂フィルムを使用することが好ましい。樹脂フィルムの原料は、包装袋と同一の素材を使用しても、異なる素材を使用してもよい。
【0028】
粘着部53には、ホットメルト粘着剤、アクリル系粘着剤、天然ゴム系粘着剤、合成ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤等の既知の粘着剤が層状、薄膜状、網目状に配される。
【0029】
図4に、折りたたまれた状態の包装袋1の断面図を示す。剥離部52が剥離されることにより、中間部Mの側面外側に粘着部53が露出する。山折り補助線21、22に従って、側面部が折りたたまれることにより、粘着部53は、底上部BHの側面外側に対向する。粘着部53が底上部BHの対応部位に付着されることにより、折りたたまれた状態が保持される。底上部BHの側面外側の、粘着部53を付着するのに適した位置にガイドラインを印刷しておくと、粘着部53が誤った場所に付着され、包装袋1の形態が崩れるのを防ぐことができる。
【0030】
(第2の実施形態)
図6、図7に第2の実施形態を示す。第2の実施形態においては、剥離部が底上部BHの側面外側に配される。図7に折りたたまれた状態の包装袋1の断面図を示す。剥離部52が剥離されることにより、底上部BHの側面外側に粘着部53が露出する。山折り補助線21、22に従って、側面部が折りたたまれることにより、粘着部53は、中間部Mの側面外側に対向する。粘着部53が中間部Mの対応部位に付着されることにより、折りたたまれた状態が保持される。
【0031】
(第3の実施形態)
図8に第3の実施形態を示す。山折り補助線21、谷折り補助線22、剥離部52は、それぞれ複数配することもできる。図8では各2つずつの形態を例示している。比較的大容量の包装袋1において、好適に使用できる。
【0032】
(第4の実施形態)
図9に第4の実施形態を示す。取出し口周辺に巾着構造を有する包装袋3においても、側面部を折りたたむことにより、巾着構造を保持したままコンパクトにすることが可能である。図9に示すように、本形態おいては、側面部が上面部より上に延出して形成された上端部THがあり、その上端部THの周縁には、紐通し穴91が環状に形成されている。紐通し穴91は少なくとも1つの紐通し口93(図示例では2つ)を有し、紐通し穴91に通された輪状の紐92が、紐通し口93から露出しており、使用者が紐92の前記露出した部分をつまんで、包装袋1の水平断面中心から外側方向に向かって水平に引っ張ることにより(図中矢印方向)紐通し穴を配した上端部THの周縁が絞られる。紐通し穴の位置は、上端部THに限定されず、上面部の周縁11、側面部頂部Tとしてもよい。また、紐通し穴の形状は環状でなくてもよく、少なくとも対向する2面の上端部か側面部頂部、または上端部の対向する2辺周辺に配されていればよい。紐92の素材は特に限定されず、綿、麻、ポリエステル等の繊維糸や、ポリエチレン、ポリプロピレン等の樹脂フィルムを細長構造としたもの等を使用できる。巾着構造を有する包装袋3は、上端部が絞られた状態では、転倒による内容物の飛び出しがなく携帯性に優れるため、より好適に使用できる。紐1本、紐通し口1つが配され、紐が一方向にのみ引っ張られて収納袋上部が閉じられる形態も、紐2本、紐通し口2つが配され、2本の紐が互いに反対方向に引っ張られて収納袋上部が絞られる形態も、どちらも使用できる。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本発明は、上記例のような生理用ナプキンの包装袋に好適なものであるが、パンティーライナー、使い捨ておむつ、吸収パッド等の包装袋にも適用できるものである。
【符号の説明】
【0034】
1…包装袋、11…上面部、12…底面部、2…印刷部、21…山折り補助線、22…谷折り補助線、51…切断線、52…剥離部、53…粘着部、54…離型処理部、55…粘着部シート、91…紐通し穴、92…紐、100…生理用ナプキン。
【技術分野】
【0001】
本発明は、生理用ナプキン、使い捨ておむつ等の吸収性物品を積み重ねた状態で包装する包装袋に関するものである。
【背景技術】
【0002】
生理用ナプキン、使い捨ておむつ等の吸収性物品は、扁平な矩形状に折りたたまれ、複数個が重ね合わされ、包装用の樹脂フィルム等で製造された包装袋に収納された状態で販売流通経路に置かれている。使用者は、このように多段の物品を収納したパッケージを開封し、形成された取出し口から吸収性物品を一つずつ取り出して使用するのが通常である。この場合、開封直後の物品の取出しは容易であるが、包装袋内の物品の残数が少なくなってくると、取出し口から物品までの距離が長くなり、物品が取出しづらくなってしまう。また、包装袋内の残数が少なくなると、物品に空間が開きやすく、物品の傾きなどにより包装袋全体が型崩れを起こしてしまい、物品の取出しが一層面倒になる、という問題があった。
【0003】
特許文献1は、複数段の使い捨ておむつを重ね合わせて収納した包装袋であり、側面を一周する切り取り線を有し、収納したおむつの残数が少なくなったら、この切り取り線より上側の包装袋の上面側が切り取られることにより、残ったおむつが取り出し口付近に露出し、取出しが容易になるよう構成された包装袋を開示している。
特許文献2は、特許文献1と同様に側面を一周する切り取り線を有する包装袋であり、切り取り線より下側の包装袋の底面側の一部に伸縮性があり、物品の残数が少なくなるとともに収縮する包装袋を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−292043号公報
【特許文献2】特開2007−22637号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、これら先行技術に係る包装袋を使用した場合、吸収性物品の取出しは容易となるが、天面除去後の包装袋は、その取出し口が大きく開口しており、物品が塵埃等により汚染される、転倒により内容物が飛び出しやすく携帯性が悪い、等の問題があった。
そこで、本発明の主たる課題は、包装袋内の吸収性物品の残数が少なくなっても、物品の取出しが容易で、かつ携帯性の良い状態が保たれる、吸収性物品の包装袋を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決した本発明は次記のとおりである。なお、本発明における「切り取り線」は、使用時に切り離されるミシン目、切り込み等で形成された線を示すものとする。「切断線」は、前記切り取り線と、スリット等で形成された、既に分離されている線とのうちのどちらか、あるいは両方を含む線とする。また、本発明に係る包装袋において、実際の流通、使用の状態にかかわらず、取出し口を配した面を「上面部」として各方向を定義する。
【0007】
<請求項1記載の発明>
内部に吸収性物品が上下方向に複数の層を形成して収納されている、上面部、底面部及び4つの側面部を有する六面体状の吸収性物品の包装袋であって、
前記上面部に、取出し口を形成するための切り取り線を有し、
前記側面部の上下方向中間に、周方向に沿う谷折り位置と、この谷折り位置に対して上側又は下側に離間した周方向に沿う山折り位置とを有しており、
少なくとも、前記山折り位置と前記谷折り位置との間か、又は前記谷折り位置に関して前記山折り位置と線対称をなす位置と前記谷折り位置との間に、剥離部で被覆された粘着部を有し、
前記側面部を前記山折り位置及び前記谷折り位置で各方向に折り、前記側面部のうち山折り位置と谷折り位置との間の部分をその上下両側の部分の間に折り込むとともに、前記剥離部を剥離し、これにより露出した前記粘着部を介して、前記側面部のうち前記山折り位置と前記谷折り位置の間の部分とこれに対向する部分とを接着させることによって、前記側面部が折り込まれた状態を保持できるように構成した、
ことを特徴とする吸収性物品の包装袋。
【0008】
(作用効果)
吸収性物品が上下方向に複数の層を形成して収納されている場合、取出し口は、上面部の長辺と平行で同じ長さの切り取り線として形成されるのが好ましい。取出し口が線状であるため、包装袋の開封後も内部の吸収性物品に埃等が付着するのを防ぐことができる。また、上面部の長辺と同じ長さとすることで、物品を取り出すのに十分な開口を確保できる。
【0009】
このような形態の包装袋を使用した場合、吸収性物品の残数が少なくなると包装袋上部に空隙ができ、物品を取出しづらくなる。この空隙を減じるために、包装袋の高さを低くする必要がある。本発明では、包装袋の側面部の一部を内部に折り込むことのできる形態とし、折り込んだ状態を保持するための粘着部を設けることにより、包装袋の高さを低くすることを可能とした。これにより、包装袋上部の取出し口から、残数の少なくなった吸収性物品までの距離を短くすることができる。
【0010】
特許文献1においては、包装袋上面部と側面部の一部を取り除くことにより、包装袋の高さを低くしているが、これでは上部開口が大きくなってしまう。これに対し、本発明においては、包装袋上面部を取り除かないため、上部開口を広げることなく、包装袋の高さを低くすることが可能である。
【0011】
<請求項2記載の発明>
前記剥離部が、前記側面部の切断線で囲まれた部分であり、前記剥離部が側面部から剥離されることで、前記粘着部が露出するように構成された請求項1または2に記載の吸収性物品の包装袋。
【0012】
(作用効果)
包装袋側面部の内部に粘着部を配置し、側面部外側の対応部分を剥離することによって、粘着部が露出するようにする。請求項1の発明は、側面部を構成するシートの外側に粘着剤を塗布して、そこへ剥離紙を付着させる構造にすることによっても可能であるが、包装袋外部に剥離紙による凸部が形成され、商品運搬中に前記凸部に他の商品等が接触することにより、剥離を起こしやすい、という問題がある。請求項2記載の発明に係る包装袋は、外部が平坦であるため、このような問題が生じにくく、より好ましい。
【0013】
<請求項3記載の発明>
前記取出し口を締めるように、上面部周縁または側面部上端周辺に環状に紐が配された巾着構造を有する請求項1または2に記載の吸収性物品の包装袋。
【0014】
(作用効果)
包装袋の上部に紐通し穴を形成し、紐を通して巾着構造とすることにより、より携帯性を高くすることができる。
【発明の効果】
【0015】
以上のとおり、本発明によれば、吸収性物品の包装袋において、包装袋内の物品の残数が少なくなっても、物品の取出しが容易で、かつ携帯性の良い状態を保つことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】第1の実施形態に係る生理用ナプキンの包装袋を示す斜視図である。
【図2】第1の実施形態の包装袋の側面部を折り込んだ状態を示す斜視図である。
【図3】第1の実施形態の包装袋の側面部を折り込んだ状態を示す正面図である。
【図4】図3の4−4断面図である。
【図5】図3のa部の拡大図及び断面図である。(A)剥離部を剥離していない状態の正面図、(B)剥離部を剥離した状態の正面図、(C)c−c断面、(D)d−d断面。
【図6】第2の実施形態に係る包装袋を示す斜視図である。
【図7】第2の実施形態に係る包装袋の側面部を折り込んだ状態を示す断面図である。
【図8】第3の実施形態を示す斜視図である。
【図9】第4の実施形態を示す斜視図である。
【図10】生理用ナプキンを平置きで二列に積層して収納した包装袋の斜視図である。
【図11】生理用ナプキンを底面に垂直に収納した包装袋の斜視図である。
【図12】側面部の対向する2面に1つずつ剥離部を配した包装袋の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照しつつ詳説する。本実施形態においては、吸収性物品として個別包装した生理用ナプキンを使用した形態を例示する。
【0018】
(第1の実施形態)
図1は本発明の一実施の形態に係る生理用ナプキンの包装袋を示す斜視図、図2は、使用時に側面部を折り込んだ状態を示す斜視図である。
包装袋1は、可撓性のある薄いシート材で製造されるのが好ましい。包装袋1を構成する素材は、紙、不織布、樹脂等が使用でき、限定されないが、特に、樹脂フィルム(ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム等)が好ましく使用される。樹脂フィルムを使用する場合は、通常、包装袋1の内容物が外部から視認されないよう、不透明となるよう着色され、壁部に商品名その他の必要事項が印刷された印刷部2が設けられる。
【0019】
包装袋1の上面部11及び底面部12は、樹脂フィルムを、封止線16にそって、封止線16の両端に折り込み部17を有するガセット袋状になるように、ヒートシール、超音波溶着、接着剤等によって封止することによって形成される。包装袋1の側面部は、前側パネル13、前側パネル13に対向する後側パネル14、前側パネル13及び後側パネル14を接続する、二つのサイドパネル15を含む。前側パネル13、後側パネル14、サイドパネル15は、図1に示されるようにほぼ平面的である。
【0020】
図1には、扁平な矩形に折り畳まれて個別包装された生理用ナプキン100が、底面部12に平行に一列に積層されている形態が開示されているが、生理用ナプキン100の収納形態は、垂直方向に少なくとも二層以上を有する形態であれば特に限定されない。二列の積層としてもよく(図10)、また底面部にナプキン100を垂直に重ねて形成した底面に平行な層を、二重あるいは三重以上に積層してもよい(図11、図示例は二重積層)。
【0021】
包装袋1の上面部には、取出し口用切り取り線18が形成されている。切り取り線は、ミシン目線、切り込み線などにより形成することができるが、取出し口用切り取り線はミシン目線とすることが特に望ましい。取出し口用切り取り線18の形状は、生理用ナプキン100を変形させることなく取り出せる大きさの取出し口が形成されれば特に限定されないが、上面部の形成する長方形の長辺と同じ長さで平行な直線であることがより好ましい。取出し口を線状とすることで、包装袋1の開封後も内部の生理用ナプキンに埃等が付着するのを防ぐことができる。また、上面部の辺と同じ長さの切り取り線とすることで、物品を取り出すのに十分な開口を確保できる。
【0022】
包装袋1は、側面部に周方向に沿う山折り位置と谷折り位置を有する。山折り位置、谷折り位置は、どちらを上側に配してもよいが、山折り位置を上側に配することが好ましい。山折り位置、谷折り位置には、目印を配さなくてもよいが、使用者が位置を確認しやすいよう、印刷されたガイドライン、ミシン目、折り目等で形成された補助線(山折り補助線21、谷折り補助線22)を配することがより好ましい。山折り補助線21、谷折り補助線は、側面部に水平方向に環状に配されるのが好ましい。包装袋1の山折り補助線21より上側の部分を頂部T、谷折り補助線22より下側の部分を底部B、山折り補助線と谷折り補助線の間の部分を中間部Mとする。両補助線21,22は、頂部T、底部Bの垂直方向の長さが、中間部Mの垂直方向の長さと比較して、同等以上の長さとなるように配される。包装袋1は、山折り補助線21、谷折り補助線22に従って側面部の樹脂シートを折りたたまれ、折りたたまれた状態を保持されることにより(保持方法の詳細は後述)、図2、図3に示すようにコンパクトな形態となる。図2において、底部Bのうち、頂部Tの側面部シートで隠れた部分を底上部BH、隠れなかった部分を底下部BLとする。
【0023】
包装袋1の印刷部2は、中間部M及び/または底上部BHに配されることが好ましい。生理用ナプキンを携帯する場合、使用者はその内容物が何であるかが分からないように化粧ポーチ等に入れて携帯することが多い。折りたたまれた状態の包装体は携帯性に優れるが、商品名等が外部から視認される状態では、生理用ナプキンの携帯用としては使用されにくい。印刷部2を中間部M及び/または底上部BHに配することで、図2のように、補助線21,22に従って折りたたまれたとき、印刷部が隠れる構造となる。このような形態の包装体は、商品流通時には商品名が外部から視認でき、使用時には商品名が外部から視認できない構造となる。
【0024】
包装袋1の側面部を形成する前面パネル13、後面パネル14、サイドパネル15の、少なくとも側面部の対向する2面(例えば、前面パネル13と後面パネル14)の中間部Mには、周囲をミシン目、スリット等の切断線51で囲まれた剥離部52が設けられる。剥離部52は、図1に示すように側面部の4面すべてにかかるよう水平方向に一周するような形態、各面に複数配された形態等を適宜選択することができるが、水平方向に細長い形態であることが好ましい。側面部の対向する2面に1つずつ剥離部を配する場合は、2つの剥離部52は、たがいに包装袋1の水平断面の中心に対して対象となるようにすることが好ましい(図12)。
【0025】
剥離部を切断線51に従って分離及び/または剥離した後の開口部には、粘着部53が露出する。剥離前後の剥離部、粘着部の正面及び断面の一部拡大図を図5(A)〜(D)に示す。切断線51は、ミシン目等の使用時に切断される切り取り線、スリット線のように既に線を挟んだ両部材が分離された分離線であってもよい。ミシン目を使用した場合は、運搬中の剥離する恐れが少ないが、使用時にミシン目を切り離さなければならず、包装袋1を構成する樹脂シートが伸展しやすい素材(例えばポリエチレン)である場合には、ミシン目の切り取り、及び剥離部52の包装袋1からの分離が困難となりやすい。一方、スリット線を使用した場合には、ミシン目と比較して剥離が容易に可能であるものの、剥離部は粘着部53によって包装体に保持されるため、粘着部53の粘着力が弱い場合には、運搬中に剥離、脱落してしまうおそれがある。したがって、前記切断線の形態は、使用する樹脂シートの性状、粘着剤等を考慮して適宜選択するのが望ましい。各剥離部の少なくとも一方の端部は、半円、反楕円、台形等の形状にトリミングされることにより、分離/剥離時に使用者が指でつまみやすく、好適である(図5(A))。
【0026】
剥離部の内側には、シリコーン、長鎖アルキルポリマー、ポリオレフィン、アルキド樹脂、フッ素化合物等の離型剤が層状、薄膜状、網目状に塗布された離型処理部54が配されていることが好ましい(図5(C))。
【0027】
包装体側面部の内側には、剥離部より一回り大きな粘着部シート55が、剥離部全体を覆うように積層されている。粘着部シート55は、ヒートシール、超音波溶着、接着剤等で側面部に固定してもよく(図示例はヒートシール56)、粘着部シート56の片面全面に粘着剤を配して、粘着部シート周縁部の粘着剤により固定してもよい。粘着部シートを配さず、包装袋1全体を内袋、外袋を有する二重構造として、内袋の外側に粘着部を配する形態をとることもできる。この場合、包装袋1の強度を高めることもできる。粘着部シート55の素材は特に限定されず、紙、樹脂シート等から選択できるが、包装袋が樹脂フィルムで構成されている場合は、ヒートシール、超音波溶着が可能な樹脂フィルムを使用することが好ましい。樹脂フィルムの原料は、包装袋と同一の素材を使用しても、異なる素材を使用してもよい。
【0028】
粘着部53には、ホットメルト粘着剤、アクリル系粘着剤、天然ゴム系粘着剤、合成ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤等の既知の粘着剤が層状、薄膜状、網目状に配される。
【0029】
図4に、折りたたまれた状態の包装袋1の断面図を示す。剥離部52が剥離されることにより、中間部Mの側面外側に粘着部53が露出する。山折り補助線21、22に従って、側面部が折りたたまれることにより、粘着部53は、底上部BHの側面外側に対向する。粘着部53が底上部BHの対応部位に付着されることにより、折りたたまれた状態が保持される。底上部BHの側面外側の、粘着部53を付着するのに適した位置にガイドラインを印刷しておくと、粘着部53が誤った場所に付着され、包装袋1の形態が崩れるのを防ぐことができる。
【0030】
(第2の実施形態)
図6、図7に第2の実施形態を示す。第2の実施形態においては、剥離部が底上部BHの側面外側に配される。図7に折りたたまれた状態の包装袋1の断面図を示す。剥離部52が剥離されることにより、底上部BHの側面外側に粘着部53が露出する。山折り補助線21、22に従って、側面部が折りたたまれることにより、粘着部53は、中間部Mの側面外側に対向する。粘着部53が中間部Mの対応部位に付着されることにより、折りたたまれた状態が保持される。
【0031】
(第3の実施形態)
図8に第3の実施形態を示す。山折り補助線21、谷折り補助線22、剥離部52は、それぞれ複数配することもできる。図8では各2つずつの形態を例示している。比較的大容量の包装袋1において、好適に使用できる。
【0032】
(第4の実施形態)
図9に第4の実施形態を示す。取出し口周辺に巾着構造を有する包装袋3においても、側面部を折りたたむことにより、巾着構造を保持したままコンパクトにすることが可能である。図9に示すように、本形態おいては、側面部が上面部より上に延出して形成された上端部THがあり、その上端部THの周縁には、紐通し穴91が環状に形成されている。紐通し穴91は少なくとも1つの紐通し口93(図示例では2つ)を有し、紐通し穴91に通された輪状の紐92が、紐通し口93から露出しており、使用者が紐92の前記露出した部分をつまんで、包装袋1の水平断面中心から外側方向に向かって水平に引っ張ることにより(図中矢印方向)紐通し穴を配した上端部THの周縁が絞られる。紐通し穴の位置は、上端部THに限定されず、上面部の周縁11、側面部頂部Tとしてもよい。また、紐通し穴の形状は環状でなくてもよく、少なくとも対向する2面の上端部か側面部頂部、または上端部の対向する2辺周辺に配されていればよい。紐92の素材は特に限定されず、綿、麻、ポリエステル等の繊維糸や、ポリエチレン、ポリプロピレン等の樹脂フィルムを細長構造としたもの等を使用できる。巾着構造を有する包装袋3は、上端部が絞られた状態では、転倒による内容物の飛び出しがなく携帯性に優れるため、より好適に使用できる。紐1本、紐通し口1つが配され、紐が一方向にのみ引っ張られて収納袋上部が閉じられる形態も、紐2本、紐通し口2つが配され、2本の紐が互いに反対方向に引っ張られて収納袋上部が絞られる形態も、どちらも使用できる。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本発明は、上記例のような生理用ナプキンの包装袋に好適なものであるが、パンティーライナー、使い捨ておむつ、吸収パッド等の包装袋にも適用できるものである。
【符号の説明】
【0034】
1…包装袋、11…上面部、12…底面部、2…印刷部、21…山折り補助線、22…谷折り補助線、51…切断線、52…剥離部、53…粘着部、54…離型処理部、55…粘着部シート、91…紐通し穴、92…紐、100…生理用ナプキン。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に吸収性物品が上下方向に複数の層を形成して収納されている、上面部、底面部及び4つの側面部を有する六面体状の吸収性物品の包装袋であって、
前記上面部に、取出し口を形成するための切り取り線を有し、
前記側面部の上下方向中間に、周方向に沿う谷折り位置と、この谷折り位置に対して上側又は下側に離間した周方向に沿う山折り位置とを有しており、
少なくとも、前記山折り位置と前記谷折り位置との間か、又は前記谷折り位置に関して前記山折り位置と線対称をなす位置と前記谷折り位置との間に、剥離部で被覆された粘着部を有し、
前記側面部を前記山折り位置及び前記谷折り位置で各方向に折り、前記側面部のうち山折り位置と谷折り位置との間の部分をその上下両側の部分の間に折り込むとともに、前記剥離部を剥離し、これにより露出した前記粘着部を介して、前記側面部のうち前記山折り位置と前記谷折り位置の間の部分とこれに対向する部分とを接着させることによって、前記側面部が折り込まれた状態を保持できるように構成した、
ことを特徴とする吸収性物品の包装袋。
【請求項2】
前記剥離部が、前記側面部の切断線で囲まれた部分であり、前記剥離部が側面部から剥離されることで、前記粘着部が露出するように構成された請求項1に記載の吸収性物品の包装袋。
【請求項3】
前記取出し口を締めるように、上面部周縁または側面部上端周辺に環状に紐が配された巾着構造を有する請求項1または2に記載の吸収性物品の包装袋。
【請求項1】
内部に吸収性物品が上下方向に複数の層を形成して収納されている、上面部、底面部及び4つの側面部を有する六面体状の吸収性物品の包装袋であって、
前記上面部に、取出し口を形成するための切り取り線を有し、
前記側面部の上下方向中間に、周方向に沿う谷折り位置と、この谷折り位置に対して上側又は下側に離間した周方向に沿う山折り位置とを有しており、
少なくとも、前記山折り位置と前記谷折り位置との間か、又は前記谷折り位置に関して前記山折り位置と線対称をなす位置と前記谷折り位置との間に、剥離部で被覆された粘着部を有し、
前記側面部を前記山折り位置及び前記谷折り位置で各方向に折り、前記側面部のうち山折り位置と谷折り位置との間の部分をその上下両側の部分の間に折り込むとともに、前記剥離部を剥離し、これにより露出した前記粘着部を介して、前記側面部のうち前記山折り位置と前記谷折り位置の間の部分とこれに対向する部分とを接着させることによって、前記側面部が折り込まれた状態を保持できるように構成した、
ことを特徴とする吸収性物品の包装袋。
【請求項2】
前記剥離部が、前記側面部の切断線で囲まれた部分であり、前記剥離部が側面部から剥離されることで、前記粘着部が露出するように構成された請求項1に記載の吸収性物品の包装袋。
【請求項3】
前記取出し口を締めるように、上面部周縁または側面部上端周辺に環状に紐が配された巾着構造を有する請求項1または2に記載の吸収性物品の包装袋。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2010−215265(P2010−215265A)
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−63831(P2009−63831)
【出願日】平成21年3月17日(2009.3.17)
【出願人】(390029148)大王製紙株式会社 (2,041)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年3月17日(2009.3.17)
【出願人】(390029148)大王製紙株式会社 (2,041)
【Fターム(参考)】
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