説明

吸収性物品内における放出発作の存在を検出する方法

吸収性物品内に放出発作が存在することを判断する方法が開示される。警報が活性化されてから次の放出発作が存在すると判断されるまでに経過する時間量が求められる。この経過時間は、時間閾値と比較され、比較の関数として放出発作警報又は飽和警報の何れかが活性化される。警報が警報期間で活性化された後、電気的特性を求める前に電気的特性を安定化させるのを可能にするために警報期間終了後少なくとも事前設定期間に発生する第2の時間に物品の電気的特性が求められる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、着用者が着用している間に吸収性物品に放出発作が存在することを検出する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
使い捨ての吸収性物品には、おむつ、小児用トイレトレーニングパンツ及び他の乳児及び小児用ケア製品、大人用失禁用衣類及び他の大人用ケア製品、生理用ナプキン及び他の女性用ケア製品等のほか、外科用包帯及びスポンジ、並びに医療用衣類のようなパーソナルケア製品として広範な用途が見出されている。これらの物品は、身体排泄物を吸収して含み、限定された期間用いた後に廃棄することが意図され、即ち、物品は、再使用するために洗濯その他の方法で再生されることを意図されていない。従来の使い捨ての吸収性物品は、着用者の皮膚に接触するようにされた内側層と吸収性本体に吸収された液体廃棄物が物品から漏れないようにするための外側層との間に配置された吸収性本体を含む。吸収性物品の内側層は、典型的には、身体排泄物が吸収性本体に吸収されるためにそれを通過することができるように液体透過性である。
【0003】
特に、使い捨ての吸収性トレーニングパンツは、小児にトイレトレーニングをするのに有用である。典型的には、これらの使い捨ての下着は、引き上げて着用される様式は洗濯可能な布製下着と同様であるが、皮膚の健康を維持するためにおむつと同様の吸収性機能を有する。トレーニングパンツは、トイレトレーニングを受ける小児が自主的にトイレを使用する能力に自信がつくため、おむつから洗濯可能な布製下着への移行を容易にする下着となる。
【0004】
自主的にトイレを使用することを学ぶために、小児は、最初に、排尿が起こったことを認識することを学ぶ必要がある。排尿は、小児が排尿に気付かない程気がそらされている活動中に起こることが多いであろうから、この認識が、トレーニング過程での実質的なハードルを意味するものとなり得る。また、排尿が起こるときを認識する小児の能力は、使い捨ての吸収性下着の性能が向上し、放出発作が起こった後に着用者の皮膚から尿を素早く吸込んで保持することにより阻害されている場合もある。
【0005】
介護者がトイレトレーニングされる小児に対し身近で観察することは、排尿が起こるときに、そのことについて小児と介護者が話し合うことができ、学習経験を促進し向上させることができるという点で、役に立つ可能性がある。従って、排尿が起こったことを直ちに介護者に知らせ、及び/又は確認させ、それが小児の記憶にまだ新しいうちに小児と話し合うことができるようにすることは有益である。
【0006】
トイレトレーニングする小児を見守る方法の1つは、下着の湿潤度の関数である下着の電気的特性の変化を検出するシステムを用いることによるものである。例えば、電気的特性は、抵抗性、導電性、インピーダンス、静電容量又は下着の湿潤度が変化すると変化する他のパラメータのいずれかとすることができる。例えば、間隔を置いて配置された平行な導体の対を下着の吸収性材料内に位置決めすることができる。これらの導体は、下着の吸収性材料と電気的に接触し、電気的特性を監視するために検知回路に接続されており、回路は、電池のような電源を含む。例えば、回路は、導体間の抵抗を検出するための分圧器を含むことができる。回路の出力は、抵抗値に一致するアナログ出力電圧である。下着が乾燥しているときには、導体間の抵抗は、極めて高くて相対的に無限大であり、開回路のように見える。下着が濡れているとき、更に詳細には、導体間の下着の吸収性材料が濡れているときには、尿が導体として働くため、その領域の下着の抵抗は相対的に低い値に低下する。
【0007】
従って、従来のシステムでは、センサが、導体の間の抵抗を監視し、抵抗値を予め定められた固定の閾値抵抗値と比較する。抵抗値が閾値抵抗値より小さければ、検知回路(ここではセンサ)は、警報装置に信号を送信し、該警報装置が、介護者及び/又は着用者に着用者が排尿したことを知らせる。例えば、警報装置は、歌のような聴覚信号、光のような視覚信号、又は温度変化のような触覚信号を生成するための装置とすることができる。
【0008】
これらの従来の装置は、排尿の存在に対して1つの「検査」又は「試験」(即ち、下着の抵抗が固定閾値未満に低下するかどうか)を行うものでしかないため、介護者及び/又は使用者に下着に対し、排尿していないときに排尿したと知らせる偽陽性を与えやすいものとなる。先に放出発作を受けた状態にある下着に小児が座るか、或いは他の原因で圧力が加えられたために、実際にはその後の放出発作が起こっていなくても下着の抵抗が閾値より下に下がり、従って新しい放出発作が示される(即ち偽陽性を検出する)、といった状況が存在する。従って、従来の装置は、複数の放出発作を正確に検出し、及び/又は偽陽性を検出しないようにするのには不適当となる場合がある。更に、汗は、典型的には比較的長期間の間には下着を少なくとも或る程度まで飽和させる可能性があり、センサをトリガする可能性がある。更には、着用者による第1回目の尿放出発作後には、下着の抵抗値は、製品が乾燥していたときより実質的に低いものとなる。しかし、閾値は変化しておらず、従って、次の放出発作が起こっていなくても、抵抗が閾値より低くなって警報をトリガする可能性がある。
【0009】
【特許文献1】PCT特許出願WO00/37009号公報
【特許文献2】米国特許第4,940,464号公報
【特許文献3】米国特許第5,766,389号公報
【特許文献4】米国特許第6,645,190号公報
【特許文献5】米国特許第4,704,116号公報
【特許文献6】米国特許第5,883,028号公報
【特許文献7】米国特許第5,116,662号公報
【特許文献8】米国特許第5,114,781号公報
【特許文献9】米国特許出願第09/563,417号公報
【特許文献10】米国特許出願第09/698,512号公報
【特許文献11】米国特許第4,100,324号公報
【特許文献12】米国特許第5,284,703号公報
【特許文献13】米国特許第5,350,624号公報
【特許文献14】米国特許第5,964,743号公報
【特許文献15】米国特許第5,645,542号公報
【特許文献16】米国特許第6,231,557号公報
【特許文献17】米国特許第6,362,389号公報
【特許文献18】国際特許出願WO03/051254号公報
【特許文献19】米国特許第5,486,166号公報
【特許文献20】米国特許第5,490,846号公報
【特許文献21】米国特許第5,820,973号公報
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0010】
一般に、吸収性物品内に放出発作が存在することを検出して、介護者及び/又は着用者に連絡する本発明の実施形態の1つによる方法は、物品が着用者に着用されている状態で物品の電気的特性を監視する段階を含む。第1の時間での電気的特性は、第1の指示値として求められ表される。放出発作警報は、第1の指示値が放出発作を示す場合に活性化され、介護者及び/又は着用者に物品内に放出発作が存在することを知らせる。放出発作警報が活性化された後、物品の電気的特性を求める。この電気的特性は、第2の指示値として表される。第2の指示値は、物品内に第2の放出発作が存在することを示すと判断される。警報を活性化してから第2の放出発作が存在することを示すと判断するまでに経過した時間の量が求められる。経過時間は、時間閾値と比較され、この比較の関数として放出発作警報又は飽和警報の何れかが活性化される。
【0011】
別の実施形態では、本方法は、第1の時間に物品の電気的特性を監視し、この電気的特性を第1の指示値として表す段階を含む。第1の指示値が放出発作を示す場合、放出発作警報は警報期間に活性化され、介護者及び/又は着用者に物品内に第1の放出発作が存在することを知らせる。物品の電気的特性は、警報期間終了後の少なくとも事前設定期間に発生する第2の時間に求められる。事前設定期間により電気的特性を安定化することが可能になる。この電気的特性は、第2の指示値として表される。第2の指示値が放出発作を示す場合には、放出発作警報が活性化され、介護者及び/又は着用者に物品内に第2の放出発作が存在することを知らせる。
【0012】
他の目的及び特徴は、以下で一部は明らかとなり、一部は指摘される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
対応する参照記号は、図面を通して対応する部品を示す。
今度は図面、特に図1を参照すると、本発明の吸収性物品が小児用トイレトレーニングパンツの形で代表的に示されており、その全体が参照番号20で示される。吸収性物品20は、使い捨てであってもそうでなくてもよく、使い捨てとは、限定的期間の使用後に、再使用するために洗濯その他の方法で状態を整えられる代わりに、廃棄されることが意図されたる物品をいう。本発明は、本発明の範囲から逸脱することなく、以下に限定するものではないが、おむつ、女性用衛生製品、失禁用製品、医療用衣類、外科用パッド及び包帯、他のパーソナルケア又は保健医療衣類等を含むパーソナルウェアとして意図される種々の他の吸収性物品に用いるのに適することが分かる。
【0014】
説明のためにのみ挙げると、本発明の種々の側面によるパンツ20のようなトレーニングパンツを構成するための種々の材料及び方法は、2000年6月29日に公開されたA.FletcherらによるPCT特許出願WO00/37009号、1990年7月10日にVan Gompelらに付与された米国特許第4,940,464号、1998年6月16日にBrandonらに付与された米国特許第5,766,389号、及び2003年11月11日にOlsonらに付与された米国特許第6,645,190号に開示されており、これらは、引用により本明細書に組み入れられる。
【0015】
図1には、部分的に締結した状態で1対のトレーニングパンツ20が示されている。パンツ20は、図4に示すように、パンツの縦方向48及び縦方向に垂直な横方向49を定める。パンツ20は、一対の端部領域、別の言い方では、ここで全体的に22で示される前部ウエスト領域及び全体的に24で示される背部ウエスト領域と、これら前部及び背部ウエスト領域22、24の間に縦方向に延びてこれらを相互に連結する中央領域、別の言い方では、ここで全体的に26で示された股領域と、を更に定める。前部及び背部ウエスト領域22、24は、着用時に着用者のウエスト又は中部下部胴を全体的又は部分的に覆うか囲むパンツ20の部分を含む。股領域26は、一般に、着用時に着用者の脚間に位置決めされて着用者の下部胴及び股を覆うパンツ20の部分である。また、パンツ20は、パンツが着用されているときに着用者に面する内側表面28、及び内側表面に対向する外側表面30をも定める。図4を更に参照すると、トレーニングパンツ20は、1対の横方向に対向する側縁36、及びそれぞれ前部ウエスト縁38及び背部ウエスト縁39とよばれる1対の縦方向に対向するウエスト縁(広い意味で、縦方向端部)を有する。
【0016】
図1〜図4の実施形態では、トレーニングパンツ20は、全体的に32で示されるほぼ長方形の中央吸収性組立体と、該中央吸収性組立体とは別個に形成されてそれに固定された側部パネル34A、34Bと、を含む。側部パネル34A、34Bは、パンツ20の前部及び背部ウエスト領域22及び24それぞれで、継ぎ目に沿って中央吸収性組立体32に永久的に接着される。更に詳細には、前部側部パネル34Aは、前部ウエスト領域22に永久的に接着されて吸収性組立体32の側部マージン47を超えて横方向外向きに延びることができ、背部側部パネル34Bは、背部ウエスト領域24に永久的に接着されて吸収性組立体の側部マージンを超えて横方向外向きに延びることができる。側部パネル34A及び34Bは、接着剤、熱又は超音波接着のような当業者に公知の取り付け手段を用いて吸収性組立体32に接着することができる。
【0017】
従って、前部及び背部側部パネル34A及び34Bは、パンツ20を着用すると、着用者の臀部に位置決めされるトレーニングパンツ20の部分を含む。前部及び背部側部パネル34A及び34Bは、互いに永久的に接着してパンツ20の3次元構成を形成することもでき、図示した外観を有する締結システム59等により互いに取外し可能に連結することもできる。当技術分野では公知のように、側部パネル34A、34Bは、弾性材料又は伸張可能であるが非弾性材料を含むことができる。
【0018】
吸収性組立体32は、図1〜図3には、長方形の形状を有するように示される。しかし、吸収性組立体32は、本発明の範囲から逸脱することなく、他の形状(例えば、砂時計形、T形、I形等)とすることができることも意図されている。また、側部パネル34A、34Bは、その代わりに、本発明の範囲から逸脱することなく吸収性組立体32と一体的に形成することができることも理解できる。
【0019】
図4及び図5に最もよく示されるように、吸収性組立体32は、外側カバー40及び外側カバー40に重ね合わせ(対向する)関係で接着剤、超音波接着、熱接着、圧力接着、又は他の従来の技術により取り付けられた身体側ライナ42を含む。ライナ42は、パンツ20の縦方向端部の少なくとも一部に沿って外側カバー40に適切に接合される。また、ライナ42は、外側カバー40に適切に接合される。ライナ42は、パンツが着用されている状態で着用者の皮膚と近接する関係になるように、パンツ20の他の構成要素に対して適切に適合、即ち位置決めされる。また、吸収性組立体32は、着用者から滲出される液体身体滲出物を吸収するための外側カバー40と身体側ライナ42との間に配置された吸収性構造44と、吸収性構造と身体側ライナとの間に配置されたサージ管理層45と、を含む。身体滲出物の横方向流れを阻害するために、1対の閉じ込めフラップ46が身体側ライナ42に固定される。
【0020】
図1に部分的に示したように締結した位置のトレーニングパンツ20では、前部及び背部ウエスト領域は、締結システム48により互いに接続され、ウエスト開口部50及び1対の脚開口部52を有する3次元パンツ構成を定める。トレーニングパンツ20の前部及び背部ウエスト縁38及び39(例えば縦方向端部)は、着用者のウエストを取り囲んでパンツのウエスト開口部50(図1)を定めるように構成される。
【0021】
図4に示すように、フラップ弾性部材53は、当技術分野で公知のあらゆる適切な様式で各閉じ込めフラップ46と作動可能に接合することができる。閉じ込めフラップ46の適切な構成及び配列は、一般に、当業者には公知であり、1987年11月3日にEnloeに付与された米国特許第4,704,116号に記載されている。
【0022】
身体滲出物の閉じ込め及び/又は吸収を更に向上させるために、トレーニングパンツ20は、当業者に公知のように、前部ウエスト弾性部材54(図1)、後部ウエスト弾性部材56、及び脚弾性部材58(図2〜図4)を含むことができる。フラップ弾性部材53、ウエスト弾性部材54及び56、及び脚弾性部材58は、当業者に公知の適切な弾性材料のいずれかで形成することができる。
【0023】
図示した実施形態の締結システム80は、対応する横方向に対向する第2の締結構成要素62に再締結可能に係合するようにされた横方向に対向する第1の締結構成要素60を含む。実施形態の1つでは、各締結構成要素60、62の前部又は外側表面は、複数の係合要素を含む。第1の締結構成要素60の係合要素は、第2の締結構成要素62の対応する係合要素に繰り返し係合したり外れたりし、パンツ20を3次元構造に取外し可能に固定するようにされる。締結構成要素60、62は、接着剤締結装置、粘着性締結装置、機械的締結装置等のような吸収性物品に適切なあらゆる再締結可能な締結装置を含むことができる。また、適切な締結システムは、先に組み入れた2000年6月29日にFletcherらにより公開されたPCT特許出願WO00/37009号及び先に組み入れた2003年11月11日にOlsonらに付与された米国特許第6,645,190号に開示されている。
【0024】
外側カバー40は、適切には、実質的に液体不透過性である材料を含む。外側カバー40は、液体不透過性材料の単一の層を含むことができ、更に適切には、層の少なくとも1つが液体不透過性である多層ラミネート構造を含むことができる。外側層は、必ずしも液体透過性である必要はないが、着用者に比較的布様の感触を与えるものであることが適切である。或いは、外側カバー40は、吸収性構造に隣接又は近接する選択した領域に望ましいレベルの液体不透過性を付与するように完全に又は部分的に構成又は処理された織又は不織繊維ウェブ層を含むことができる。また、外側カバー40は、伸張可能とすることもでき、実施形態のいくつかでは、エラストマーとすることができる。Mormanらに付与された米国特許第5,883,028号、Mormanに付与された米国特許第5,116,662号及びMormanに付与された米国特許第5,114,781号を参照し、その全てを適切な外側カバー材料に関する付加的な情報のための参照として本明細書に組み入れる。
【0025】
身体側ライナ42は、従順で、柔らかい感触のものであり、着用者の皮膚に刺激がないことが適切である。また、身体側ライナ42は、液体身体滲出物が容易にその厚さを吸収性構造44まで通過することができるほど十分に液体透過性である。また、身体側ライナ42は、伸張可能とすることもでき、実施形態のいくつかでは、エラストマーとすることもできる。身体側ライナ材料に関する付加的な情報のために、2000年5月3日にRoesslerらにより出願された米国特許出願第09/563,417号、2000年10月27日にVukosらにより出願された米国特許出願第09/698,512号を参照し、この両方を参照により本明細書に組み入れる。
【0026】
吸収性構造44は、接着剤、超音波接着、熱接着等のような適切な手段で互いに接合することができる外側カバー40と身体側ライナ42との間に配置される。図示した吸収性構造44は、本明細書では、股領域26から前部及び背部ウエスト領域22及び24まで延びるように示して説明されているが、吸収性構造は、本発明の範囲から逸脱することなく、股領域から前部ウエスト領域のみに、又は背部ウエスト領域のみに延びることもできることも意図されている。
【0027】
吸収性構造44は、圧縮可能、従順性で、着用者の皮膚に刺激がなく、液体及び特定の身体排泄物を吸収して保持することができるものであることが適切である。例えば、吸収性構造44は、セルロース繊維(例えば木材パルプ繊維)、他の天然繊維、合成繊維、織又は不織シート、スクリム網状結合又は他の安定化構造、超吸収性材料、結合剤材料、界面活性剤、選択された疎水性の材料、顔料、ローション、臭気調節剤等のほか、その組み合わせを含むことができる。
【0028】
これらの材料は、当技術分野で公知の種々の従来の方法及び技術を用いて吸収性ウェブ構造に形成することができる。例えば、吸収性構造44は、乾式形成技術、空気式形成技術、湿潤式形成技術、発泡式形成技術等のほか、その組み合わせにより形成することができる。このような技術を実行するための方法及び装置は、当技術分野では公知である。或いは、吸収性構造44は、Andersonらに付与された米国特許第4,100,324号、Everhartらに付与された第5,284,703号及びGeorgerらに付与された第5,350,624号に開示される材料のようなコフォーム材料を含むこともでき、これらは、引用により本明細書に組み入れられる。
【0029】
超吸収性材料は、吸収性構造の総重量に基づき約0〜約90重量パーセントの量で吸収性構造44内に存在するようにすることが適切である。吸収性構造の密度は、約0.10〜約0.35グラム/立方センチメートルの範囲内とすることができることが適切である。超吸収性材料は、当技術分野では公知であり、天然、合成、及び改質天然ポリマー及び材料から選択することができる。
【0030】
実施形態の1つでは、吸収性構造44は、該吸収性構造が接着剤接着されることになる場合がある外側カバー40及び身体側ライナ42のような他の構成要素の伸長可能性を阻害しないように伸張可能とすることができる。例えば、吸収性構造は、米国特許第5,964,743号、第5,645,542号、第6,231,557号、第6,362,389号、及び国際特許出願WO03/051254号に開示される材料を含むことができ、その各々の開示事項は引用により本明細書に組み入れられる。
【0031】
サージ管理層45は、接着剤、超音波又は熱接着のような当技術分野で公知の方法により、吸収性構造44及び/又は身体側ライナ42のような物品20の種々の構成要素に取り付けることができる。サージ管理層45は、物品20の吸収性構造44に急速に導入される可能性がある液体のサージ又は噴出を減速させ及び拡散させるのに役立つ。望ましくは、サージ管理層45は、液体が吸収性構造44の貯留又は保持部分に放出される前に、該液体を迅速に受け取って一時的に保持することができる。適切なサージ管理層45の例は、米国特許第5,486,166号及び米国特許第5,490,846号に記載されている。他の適切なサージ管理材料は、米国特許第5,820,973号に記載されている。これらの特許の全開示事項は、引用により本明細書に組み入れられる。
【0032】
任意的に、実質的に液体透過性のラップシート(図示せず)で吸収性構造44を取り囲み、吸収性構造44の一体性を維持するのを助けることができる。
【0033】
本発明のトレーニングパンツ20は、パンツ20内に尿(広い意味で放出発作)が存在するか否かを検出するための湿潤度監視システムを含む。湿潤度監視システムは、他の構造とすることもできるが、この特定の構造のシステムがパンツの電気的特性を監視し、そのような電気的特性を用いて、小児がパンツに排尿したかどうかを判断する。尿を検出した後、システムは、放出発作警報を生じることにより介護者及び/又は小児に尿が存在することを知らせる。警報は、例えば、歌のような聴覚信号、又は温度変化のような触覚信号、又は光の点滅のような視覚信号の何れかとすることができる。システムは、遠隔の聴覚、視覚、触覚又は他の感覚警報に無線信号を送信するための装置を含むことができることは理解される。
【0034】
図2〜図4に最もよく示される特に適切な実施形態の1つでは、湿潤度監視システムの例の1つは、全体的に参照番号70で示される。監視システム70は、物品の電気的特性(例えば抵抗R)を検出するためのセンサを含む。センサは、パンツ20内に配置された1対の間隔を置いて配置されたほぼ平行な導体C1、C2を含み、これは、導体の間に配置されるパンツの監視領域74を定める。導体C1、C2は、一般に導電性があるあらゆる材料で構成することができる。例えば、導体は、金属ストリップ(例えば、アルミニウムストリップ)、金属フィルム、コーティングフィルム、伝導性ポリマー、伝導性インク、又は伝導性糸で構成することができる。他の導体も本発明の範囲に含まれる。導体Cl、C2は、パンツ20の前部ウエスト領域22から股領域26を通って背部ウエスト領域24まで縦方向に延びる。図5に最もよく示されるように、導体Cl、C2は、吸収性構造44とサージ管理層45との間の吸収性組立体32内に配置されるが、導体は、本発明の範囲から逸脱することなく、他の部位に配置することもできる。
【0035】
電源B(図6に概略的に示す)からの電流iは、センサの導体C1、C2を通って流れる。電源iは、電池(例えば図示するもの)のような直流電源、又は交流電源である。図示する実施形態では、導体C1、C2は、導電性のあるスナップ締結装置79により電流供給源に電気的に接続される。導体を電流供給源に電気的に接続する他の方法も本発明に含まれる。図3に示すように、各導体Cl、C2の各対応する端部は、パンツ20の前部ウエスト領域22に配置される第1のスナップ締結装置部材79Aに接続される。或いは、第1のスナップ締結装置部材は、背部ウエスト領域24、又はパンツ20の他の部位に配置することができる。電源iを収容する収容部82は、第1のスナップ締結装置79Aを係合して収容部をパンツ20に固定するための対応する第2のスナップ締結装置要素79Bを有する。電源iに加えて、本実施形態の収容部82は、以下に記載することにする湿潤度監視システム70の残りの構成要素も収容するが、収容部は、残りの構成要素の一部しか含まなくても全く含まなくてもよいことを意図する。図示した実施形態では、収容部82は、スナップ締結装置79により取外し可能にパンツ20に固定されているが、該収容部は、本発明の範囲から逸脱することなくパンツに永久的に固定することもできることが分かる。
【0036】
センサの測定装置85(図6)は、パンツ20の監視領域74における電気的特性を測定する。実施形態の1つでは、パンツ20の監視領域74の抵抗Rを測定する。導体C1、C2は、間隔を置いて配置されているため、電流源iからの電流は、監視領域74を通過して回路を完成する必要がある。図6に概略的に示すように、監視領域74は、本質的に、参照記号Rで示すような抵抗器として働く。監視領域74が乾燥しているとき(例えば放出発作が存在する前)には、監視領域の抵抗は、比較的高く、例えば、抵抗が200kΩを超えることもある。監視領域74が、例えば放出発作により湿潤しているときには、尿の導電的性質のためその抵抗は低下し、例えば、抵抗が200KΩ未満まで低下する場合もある。
【0037】
別の実施形態では、パンツ20の監視領域74のコンダクタンスを測定する。上に述べたように、尿は、導電性であり、物品20は、一般に導電性がない。従って、パンツ20の監視領域74が湿潤すると、そのコンダクタンスは、乾燥時より大きくなる。インピーダンスを含むパンツ20の他の電気的特性も、本発明の範囲から逸脱することなく測定することができる。
【0038】
測定装置85は、パンツ20の監視領域74の電気的特性を示すアナログ出力信号(図6)を生成する。例えば、測定装置85は、監視領域74を横切る電圧の低下を測定し、電圧の低下に対応するアナログ出力信号を生成することができる。出力電圧信号を用いて、当技術分野で公知の適切な計算を行うか参照表を用いることにより、抵抗又は電流のような他の電気的特性を求めることができる。例えば、当技術分野で公知のように、電圧低下は、電流が一定の場合には、パンツの抵抗を示す。従って、以下に更に詳細に説明するように、パンツ20の抵抗は、測定装置85のアナログ出力信号を用いて求めることができる。
【0039】
本発明の実施形態の1つでは、測定したパンツ20の抵抗についてパーセント較差試験を行い、パンツが着用者に着用されているときに、パンツに放出発作が存在するか(又は存在しないか)を求める。この実施形態では、時間の経過に伴うパンツの監視領域で測定した電気的特性の比例較差(例えばパーセント較差)を求め、この比例較差を較差閾値と比較して放出発作がパンツに存在するかどうかを判断する。
【0040】
図7に示すこの実施形態の例の1つでは、アナログデジタル変換器89は、測定装置85からアナログ出力信号を受け取り、この信号をデジタル出力信号に変換する。マイクロプロセッサ93は、パンツ20の電気的特性(例えば抵抗)の大きさを表すデジタル出力信号を受け取り、それを分析して放出発作が存在するかを判断する。マイクロプロセッサ93は、放出発作の存在を検出すれば、放出発作警報95を活性化する。アナログデジタル変換器89は、アナログ信号をマイクロプロセッサで読むことができるデジタル信号に変換するための従来の装置である。本実施形態のアナログデジタル変換器89は、別個の装置とすることもでき、マイクロプロセッサ93の構成要素とすることもできる。説明のために、電気的特性は、以降、抵抗をいうことにするが、上に記載したように、湿潤度を反映する衣類のあらゆる可変特性とすることができる。
【0041】
図8は、パンツ20の抵抗のパーセント較差を求め、パーセント較差を較差閾値に比較して放出発作が存在するかを判断するためのマイクロプロセッサ93の命令を概略的に示す。命令100では、マイクロプロセッサ93は、メモリにデジタル出力信号からの第1の抵抗値(Rl)を収集して保存する。マイクロプロセッサ93は、次に、命令102で、一定期間サンプリングを遅延させてから、命令104で第2の抵抗値(R2)を収集して記憶する。遅延は、プログラムすることもでき、A/D変換器89及び/又はマイクロプロセッサ93のサンプリング速度の関数とすることもできる。
【0042】
保存した第1及び第2の抵抗値(R1、R2)に対しては、命令106で、マイクロプロセッサ93が、第2の値(R2)を第1の値(Rl)から減算して得られる差を第1の値(Rl)で割り、得られる商に100%を掛ける。得られる値は、命令108で較差指示値(DIV)として保存される。
【0043】
命令110では、得られる較差指示値(DIV)は、次に、較差閾値(DTV)と比較して放出発作が存在するかどうかを判断する。例えば、較差指示値(DIV)が較差閾値(DTV)より大きければ、これは、放出発作が存在することを示す。例として、較差閾値(DTV)は、10%と20%(抵抗の10%及び20%減少を示す)との間の値とすることもでき、更に詳細には、較差閾値は、約15%とすることもできる。較差指示値を較差閾値と比較して放出発作の存在が示される場合には、他の指標が無ければ、マイクロプロセッサ93は、命令112で放出発作警報95を活性化し、介護者及び/又は着用者に放出発作が存在することを知らせる。しかし、較差指示値(DIV)を較差閾値(DTV)に比較して放出発作の存在が示されない場合には、他の指標が無ければ、マイクロプロセッサ93は、放出発作が示されるまで、新しい較差指示値を求めて較差閾値と比較するために上の段階を繰り返すように命令される。
【0044】
パーセント較差試験は放出発作の前にはパンツの抵抗の大きさと無関係であるため、パーセント較差試験は、従来の大きさ閾値試験より精度が上がる(即ち、放出発作の検出が良好になり偽陽性を検出する頻度が小さくなる)ことを意味する。パーセント較差試験は、抵抗の変化量に焦点を合わせており、複数の排尿を更に正確に検出することができる。
【0045】
例として、抵抗が200KΩから50KΩまで変化し、較差指示値が75%、較差閾値が20%になると、放出発作警報が活性化されることになる。別の例では、抵抗が60KΩから50KΩまで変化し、較差指示値が17%、較差閾値が20%になった場合には、放出発作警報は活性化されない。
【0046】
較差を用いる実施形態の別の例では、マイクロプロセッサ93に対する命令は、順次的に生じた前の複数の抵抗値を現在値と比較したパーセント較差、例えば、第3回目の抵抗値(R3)と第2回目の抵抗値(R2)との間、及び第3回目の値(R3)と第1回目の抵抗値(Rl)との間の較差を求める段階を含むことができる。
【0047】
図9は、この実施形態に対するマイクロプロセッサの命令を概略的に示す。命令116では、マイクロプロセッサ93は、メモリに第1の時間でのデジタル出力信号からの第1の抵抗値(Rl)を収集して保存する。マイクロプロセッサは、次に、命令118で一定期間遅延し、その後、命令120で第2の抵抗値(R2)を収集して保存する。命令122では、マイクロプロセッサ93は遅延し、その後、命令124で第3の抵抗値(R3)を収集して保存する。保存された値を用いて、マイクロプロセッサ93は、第3の値(R3)から第2の値(R2)を減算し、命令126で、得られる差を第2の値(R2)で割り、パーセント較差を得る。パーセント較差は、命令128で第1の較差指示値(DIV1)として保存し、命令130で較差閾値(DTV)に比較し、比較により放出発作が存在することが示されたかどうかを判断する。
【0048】
第1の較差指示値(DIV1)を比較することにより放出発作が存在することが示される場合には、命令132で放出発作警報95が活性化される。比較により放出発作が存在することが示されない場合には、マイクロプロセッサは、134で第1の値(Rl)を第3の値(R3)から減算し、その差を第1の値(Rl)で割ることにより第2の較差指示値(DIV2)を計算するように命令される。この第2のパーセント較差(DIV2)は、命令136で第2の較差指示値(DIV2)として保存される。次に、命令138で、第2の較差指示値(DIV2)は、較差閾値(DTV)に比較される。
【0049】
第2の較差指示値(DIV2)を較差閾値(DTV)と比較することにより放出発作の存在が示される場合には、命令132で放出発作警報が活性化される。比較により放出発作の存在が示されない場合には、マイクロプロセッサは、放出発作が示されるまで新しい較差指示値を較差閾値に比較するために上の段階を繰り返すように命令される。
【0050】
上の例では、前記第1の指示値(DIV1)又は第2の指示値(DIV2)の何れかが較差閾値(DIV)より低い場合には、マイクロプロセッサ93は、放出発作警報95を活性化する。また、第1の指示値及び第2の指示値の両方が閾値より大きい(即ち比較の両方が放出発作の存在を示す)場合にのみ警報95が示されることになるものとする。例えば、第1、第2、及び第3の値がそれぞれ85KΩ、75KQ、65KΩである場合には、R3−R2及びR3−R1の較差指示値は、それぞれ13%及び24%である。較差閾値が20%であると仮定すれば、放出発作警報は、R3−R2を閾値と比較するときには活性化されないが、R3−R1を閾値と比較するときには活性化されることになる。
【0051】
本発明の別の実施形態では、測定したパンツ20の電気的特性に変化レート試験を行い、放出発作が存在するか(又は存在しないか)を判断する。この実施形態では、時間の経過に伴うパンツ20の監視領域74で測定した電気的特性の変化レートを求め、この変化レートをレート閾値と比較してパンツに放出発作が存在するかどうかを判断する。
【0052】
この実施形態の例の1つでは、測定装置からの出力信号は、上に説明し、図7に示すように、(例えばアナログデジタル変換器89を介して)デジタル出力信号に変換され、マイクロプロセッサ93に受け取られる。図10は、パンツ20の抵抗の変化レートを求めてこの変化レートをレート閾値と比較して放出発作が存在するか否かを判断するためのマイクロプロセッサ93の命令の例の1つを概略的に示す。命令142では、マイクロプロセッサ93は、そのメモリに、第1の時間のデジタル出力信号から第1の抵抗値(Rl)を収集して保存する。マイクロプロセッサ93は、次に、命令144で一定の時間遅延し、その後、命令146で第2の抵抗値(R2)を収集して保存する。上に説明したように、遅延は、A/D変換器89のサンプリング期間により決定され、及び/又はマイクロプロセッサ93内の命令によりプログラム可能である。
【0053】
命令148では、保存した第1及び第2の値(Rl、R2)を用い、マイクロプロセッサ93が、第2の値を第1の値から減算し、得られる差をサンプリング期間で割る。得られる値は、命令150でレート指示値(RIV)として保存される。命令152では、マイクロプロセッサ93は、得られるレート指示値(RIV)をレート閾値(RTV)と比較し、放出発作が存在するかどうかを判断する。例えば、レート指示値(RIV)がレート閾値(RTV)より大きい場合には、これは、放出発作が存在することを示す。命令154では、レート指示値をレート閾値と比較して放出発作の存在が示される場合には、他に指標がなければ、マイクロプロセッサ93は、放出発作警報95を活性化して介護者及び/又は着用者に放出発作が存在することを知らせる。しかし、レート指示値をレート閾値と比較して放出発作の存在が示されない場合には、他に指標がなければ、マイクロプロセッサ93は、放出発作が示されるまで、新しいレート指示値を求めてそれをレート閾値と比較するために上の段階を繰り返すように命令される。
【0054】
上に論じたパーセント較差試験におけるように、変化レート試験は、パンツの電気的特性の大きさとは無関係であり、特性がどれほど迅速に変化するかに焦点を合わせているため、従来の大きさ閾値試験より更に正確である(即ち放出発作の検出を良好にして偽陽性の検出を少なくする)ことが意図される。
【0055】
例えば、抵抗が0.3秒の間に200KΩから50kまで変化し、レート指示値が450KΩ/sとなり、レート閾値が25KΩ/sである場合には、放出発作警報が活性化されることになる。別の例として、抵抗が0.3秒の間に75KΩから68KΩまで変化し、レート指示値が21KΩ/sとなり、レート閾値が25KΩ/sである場合には、放出発作警報は活性化されないことになる。この後者の例においては、抵抗の低下は、飽和されたパンツ内でのばらつき、汗の存在、又は放出発作以外の多数の他の原因により引き起こされたものである可能性がある。
【0056】
図11に示すように、変化レートに基づく実施形態の別の例では、マイクロプロセッサに対する命令は、現在の値に比較した連続する前の値の間の変化レート(例えば、第3の値と第2の値との間及び第3の値と第1の値との間の変化レート)を求める段階を含むことができる。この例は、命令160で第3の値(R3)と第2の値(R2)との間の第1のレート指示値(RIV1)を求めて命令162でレート閾値(RTV)と比較し、命令164で第3の値(R3)と第1の値(Rl)との間の第2のレート指示値(RIV2)を求めて命令166でレート閾値(RTV)と比較することを除き、実質的に、パーセント較差の実施形態に関する図9で与えられる命令に類似する。
【0057】
変化レートの実施形態(図12及び13)の別の例では、測定装置85からの出力信号は、測定装置からのアナログ出力信号の変化レートを示すアナログ変化レート信号を生成するそれぞれの回路165を通して供給される。例えば、測定装置85が電圧信号を生成するとき、微分器のような演算増幅器を用いて、電圧の変化レートを示す信号を生成することができる。図14に、本発明のこの実施形態と共に用いるのに適する例示的な微分器を概略的に示す。図14の微分器167の入力169は、測定装置85からのアナログ出力信号であり、微分器の出力170は、抵抗プロファイル変化レートの変化の線形表現である。
【0058】
図12に戻ると、本実施形態の応答回路165を用いる例の1つでは、調整回路175が、応答回路165からアナログ変化レート(right)信号を受け取る。調整回路175は、アナログ変化レート信号がレート閾値に対応する値より大きな値を有するかどうかを判断する閾値検出器である。調整回路175は、応答回路165からの出力信号がレート閾値より大きな変化レートを示す場合には正の出力電圧(例えば+5ボルト)を生成する。そうでなければ、調整回路175は、無の信号(例えば0ボルト)又は負の信号のような異なる信号を生成する。調整回路175からの出力に応答して、マイクロプロセッサ93は、放出発作に対応するものとして正の信号を認識して放出発作警報95を活性化し、マイクロプロセッサは、無の信号又は負の信号を無視する。或いは、マイクロプロセッサは、無の信号(例えば0ボルト)又は負の信号(例えば−5ボルト)に応答して放出発作警報95を活性化するようにプログラムすることができる。
【0059】
或いは、図13を参照すると、応答回路165を用いる別の例では、アナログデジタル変換器89は、応答回路からのアナログ変化レート信号をパンツの抵抗の変化レートを示すデジタル出力信号に変換する。マイクロプロセッサ93は、デジタル出力信号を受け取り、レート指示値を収集して保存する。保存したデジタル値は、レート指示値を示しており、マイクロプロセッサ93は、保存した値をレート閾値と比較してパンツに放出発作の存在を示すものがあるかどうかを判断する。
【0060】
別の実施形態では、パーセント較差の実施形態及び変化レートの実施形態の両方を組み合わせて1つの実施形態とすることができ、それによって、放出発作警報95は、較差指示値(DIV)を較差閾値(DTV)と比較すること及びレート指示値(RIV)をレート閾値(RTV)と比較することの両方で放出発作が存在することが示される場合にのみ活性化される。或いは、放出発作警報は、較差指示値を較差閾値に比較すること又はレート指示値をレート閾値と比較することの何れかが放出発作の存在を示す場合に活性化させることもできる。
【0061】
この実施形態の例の1つ(図示せず)は、図8及び図10(R2−R1を用いる)又は図9及び図11(R3−R2及びR3−R1を用いる)の例の組み合わせであり、測定装置からのアナログ出力信号がデジタル出力信号に変換され、マイクロプロセッサが、デジタル出力信号を用いて、レート指示値及び較差指示値の両方を計算し、両方の値をそれぞれの閾値に比較して放出発作の存在を求めるように命令される。
【0062】
図15には、別の例が示される。この例は、図7及び図12の実施形態による態様の組み合わせである。測定装置85からのアナログ出力信号は、アナログデジタル変換器89及び応答回路165の両方に供給される。マイクロプロセッサ93は、アナログデジタル変換器89からのデジタル出力信号を用いて較差指示値(任意的に第2の較差指示値)を計算し、図8及び図9に示すように、(各)指示値を較差閾値と比較したものが放出発作の存在を示すかどうかを判断する。上に説明し、図12に示すように、調整回路175は、応答回路165からのアナログ変化レート信号を受け取り、マイクロプロセッサ93に放出発作の存在を示す対応する出力信号を生成する。上に説明したように、パーセント較差試験及び変化レート試験の両方が放出発作を示す場合にはマイクロプロセッサ93に放出発作警報95を活性化するように命令することができ、或いは、パーセント較差試験又は変化レート試験の何れかが放出発作を示す場合にマイクロプロセッサに放出発作警報を活性化するように命令することができる。
【0063】
図16には、本実施形態の更に別の例が示される。この例は、図7及び図13の実施形態の側面の組み合わせである。測定装置85からのアナログ出力信号は、第1のアナログデジタル変換器89A及び応答回路165の両方に供給される。マイクロプロセッサ93は、第1のアナログデジタル変換器89Aからのデジタル出力信号を用いて較差指示値(及び任意的に第2の較差指示値)を計算し、図8及び図9に示すように(各)値を較差閾値と比較することで放出発作の存在が示されるかどうかを判断する。図13に示すように、応答回路165からのアナログ変化レート信号は、第2のアナログデジタル変換器89Bによりデジタル変化レート信号に変換される。デジタル変化レート信号は、次に、マイクロプロセッサ93に送られ、そこで、マイクロプロセッサがデジタルの値をレート閾値と比較し、放出発作が存在することを示す。再び、マイクロプロセッサ93の命令に応じて、変化レート試験及びパーセント較差試験の両方が放出発作を示す場合又は試験の何れかが放出発作を示す場合の何れかに放出発作警報95が活性される。
【0064】
本発明の別の実施形態(図17及び図18)では、偽陽性検査を行い、測定した電気的特性が、放出発作の存在により引き起こされたにしては高すぎるか、低すぎるかの何れであるかどうかを判断する。例えば、パンツ20の抵抗が極めて高ければ(例えば5,000KΩを超える)、これは、センサが適切に放出発作を受けていないことを示す可能性がある。別の例として、パンツの抵抗が極めて低ければ(例えば0.5KΩ未満)、これは、例えば、パンツ内部の導体が接触し、それによって短絡回路が生じたことを示す可能性がある。この偽陽性検査の実施形態は、本発明のあらゆる他の実施形態又は放出発作の存在を判断するためのあらゆる他の実施形態と組み合わせて用いることができる。例えば、この実施形態を用いて、求めた変化レート及び/又は求めたパーセント較差が放出発作の存在を本当に示すには高すぎたり低すぎたりしないかを確認することができる。
【0065】
例の1つでは、図17に概略的に図示するように、マイクロプロセッサ93が、指示値(例えば、較差指示値、レート指示値、又は大きさの指示値)をそれぞれの閾値に比較することで放出発作の存在が示されるかを判断する(参照番号180で示されるように、マイクロプロセッサは、それぞれ命令182及び184で、現在の抵抗値(R)が上方検査値(UCV)より大きいか又は下方検査値(LCV)より小さいかを判断するように命令される。現在の抵抗値(R)が上方検査値(UCV)より大きいか下方検査値(LCV)より小さいかの何れかであれば、マイクロプロセッサ93は、利用可能である場合には新しい抵抗値を用いて先の作業を繰り返すように命令される。現在の抵抗値が上方検査値より高くなく下方検査値より低くもない場合には、マイクロプロセッサ93は、他に介在する段階が存在しなければ、命令188で放出発作警報95を活性化するように命令される。
【0066】
この実施形態の別の例(図18)では、偽陽性確認回路190を用いて、抵抗値が上方検査値及び下方検査値よりそれぞれ高いか又は低いかを判断する。図18に概略的に示すように、測定装置85からのアナログ出力信号は、偽陽性確認回路190に送られる。確認回路190のアナログ出力信号は、現在の抵抗値が上方検査値及び下方検査値よりそれぞれ高いか低いかを示す。図18の特定の例では、調整回路192は、確認回路190のアナログ出力信号を受け取り、マイクロプロセッサ93に抵抗値が上方及び下方検査値よりそれぞれ高いか低いことを示す出力信号を生成する。或いは、別の例(図示せず)では、確認回路のアナログ出力信号は、アナログデジタル変換器を用いてデジタル出力信号に変換することができる。この例では、マイクロプロセッサは、変換器からデジタル出力信号を受け取り、デジタルの値を上方及び下方検査値に比較して偽陽性が存在するかどうかを判断する。
【0067】
例として、確認回路190は、図19に示すようにウィンドウコンパレータ回路を含むことができる。確認回路190は、本発明の範囲から逸脱することなく他の種類の回路を含むこともできる。確認回路190の入力195は、測定装置85からのアナログ出力信号であり、回路の出力197は、抵抗が上方検査値及び下方検査値よりそれぞれ高いか低いかどうかを示す。
【0068】
本発明の別の実施形態では、マイクロプロセッサ93は、パンツ20が飽和されるときを求めるように命令される。典型的には、例えば尿によりパンツ20が飽和されると、マイクロプロセッサは、着用者が次の放出発作をおこさなくても、放出発作の存在を示し続ける(例えば、放出発作警報を活性化し続ける)可能性がある。この偽陽性は、従来の監視システムに典型的であるように、放出発作の存在を示す試験又は指標が、パンツの抵抗(又は他の電気的特性)を大きさ閾値と比較する構成において典型的に生じる。偽陽性は、例えば飽和したパンツの抵抗が、典型的には大きさ閾値より小さい状態であり続けることにより起こる。従って、この実施形態によれば、本発明の監視システムは、介護者及び/又は着用者にパンツが飽和されていてパンツを取り替える必要があること、監視システム(又は少なくとも収容部内のシステムの構成要素)を乾燥したパンツの新しい対に対して配置する必要があることを知らせる。
【0069】
本実施形態の例の1つでは、測定装置85からのアナログ出力信号は、図7に示され、上に説明されるように、デジタル出力信号に変換され、マイクロプロセッサ93に送られる。図20を参照すると、マイクロプロセッサ93は、命令200で、デジタル出力信号からの抵抗値(Rl)を収集して保存する。この図示された実施形態では、全てデジタル的手法を用いるが、当業者には一般に公知であるように、他の例では、部分的又は全体的にアナログ手法を用いることもできることが分かる。命令202ではマイクロプロセッサ93は、測定した抵抗値(Rl)(広い意味では大きさの指示値)を大きさの閾値(MTV)と比較し、測定した抵抗が放出発作の存在を示すかどうかを判断する(広い意味で第1の試験)。例えば、マイクロプロセッサ93には、抵抗が約30KΩと90KΩとの間、更に詳細には約55KΩの大きさの閾値より小さいかどうかを判断するように命令することができる。この第1の試験は、本発明の範囲から逸脱することなく、大きさの閾値試験以外の試験とすることもできることは理解される。
【0070】
比較の結果が放出発作の存在を示すものでなければ、マイクロプロセッサ93は、大きさの閾値との比較で放出発作の存在が示されるまで、上の段階を繰り返し、次の抵抗値を継続的に収集して保存し、比較するように命令される。比較により放出発作の存在が示されれば、マイクロプロセッサ93は、206で、最後の放出発作警報95(ある場合)が事前設定期間内で以前にトリガされたかどうかを判断するように命令される。一例では、マイクロプロセッサは、新しい放出発作と以前の放出発作との間の経過時間の大きさを比較し、その大きさを時間閾値と比較する。例えば、時間閾値は、90秒と300秒との間、更に詳細には約120秒とすることができる。最後の放出発作警報95が、予め設定した期間内より以前にトリがされた場合には、マイクロプロセッサ93は、命令208で飽和警報を活性化する。飽和警報は、介護者及び/又は着用者に、パンツ20が飽和されており、取り替えることが必要であることを知らせることを除き、放出発作警報95と同様である。例えば、飽和警報は、介護者及び/又は着用者に、パンツが飽和されたことを知らせる放出発作警報とは異なる楽曲を演奏することもでき、異なる音を出すこともできる。
【0071】
最後の放出発作警報が、予め決定した期間以内にトリガしなかった場合には、マイクロプロセッサ93は、命令210で放出発作警報95を活性化し、介護者及び/又は着用者に放出発作が存在することを知らせる。放出発作警報95が活性化されている間には、マイクロプロセッサ93は、放出発作の存在を判断する(例えば抵抗値を大きさの閾値に比較する)のを中止するように命令される。警報の時間は、命令212でマイクロプロセッサのメモリに保存され、放出発作警報95は、一定の期間、例えば15秒と60秒との間活性化される。放出発作警報95が活性化される期間は、マイクロプロセッサ93及び/又は警報に組み込まれた予め設定された時間とすることができる。或いは、監視システム70は、警報リセットボタン(図示せず)を含み、それによって、介護者及び/又は着用者は、それが活性化された後のいつでもボタンを押して警報を非活性化することができるようにする。
【0072】
放出発作警報95活性化期間の後、マイクロプロセッサ93は、放出発作が存在するか否かを判断する工程を再開する前に、命令214で一定の期間更に分析するのを遅延させる(例えば、抵抗値を大きさの閾値に比較するのを遅延させる)ように命令する。この遅延機能により、放出発作の発生の後にパンツの抵抗プロファイルを安定化させることができる。図20Aに示す例は、遅延の利点を示す。図20Aに示すように、時間T1(即ち、約1.5秒の時点)においては、放出発作が存在するため、パンツの抵抗は約30KΩまで低下する。初めの放出発作の後、放出物はパンツの吸収性材料に吸収されて該吸収性材料に混ぜ合わされるため、時間の経過とともに抵抗はゆっくりと増大する。放出発作警報95は、時間T2において(例えば約20秒に時点で)(介護者又は使用者の手動によるか、又はマイクロプロセッサによるかの何れかで)非活性化される。遅延命令がなければ、マイクロプロセッサ93は、警報が非活性化された直後に(例えば20秒の時点で)抵抗値を閾値と比較し始める。大きさの閾値が55KΩであるとすると、時間20秒でのパンツの抵抗が50KΩであるため、これは、偽放出発作警報又は偽飽和警報の何れかとなることになる。抵抗は、安定点(この例ではほぼ70KΩ)まで増大するのに十分な時間がなく、依然として大きさの閾値より低い。しかし、本発明のこの時間遅延の実施形態では、マイクロプロセッサによる次の放出発作の判断が、放出発作警報を非活性化した後例えば30秒間遅延させられ、それによって、パンツの抵抗は、時間T4(即ち50秒)で安定抵抗(70KΩ)まで増大させることができる。この遅延機能により、マイクロプロセッサ93が偽放出発作又は偽飽和を検出する機会が減少し、それによって、放出発作を検出する監視システム70の精度が向上する。
【0073】
例として、マイクロプロセッサ93は、放出発作が存在するか否かを判断する(例えば現在の測定抵抗を大きさの閾値と比較する)段階を再開する前に、約5秒と600秒との間、更に詳細には約10秒と約60秒との間の予め決定した期間だけ遅延させるように命令することができる。時間の遅延は、警報を活性化する期間の長さに依存するものとすることができる。例えば、放出発作警報95が、1秒後に介護者及び/又は着用者により手動的に(例えばボタンを押すことにより)非活性化される場合には、時間の遅延は、30秒後に警報が非活性化される場合より大きくすることができる。本発明のこの実施形態のこの側面は、上に論じたように、パンツの抵抗を安定化させる目的のもとでは直感的である。
【0074】
遅延機能及び飽和検出機能は、本発明の監視システムにとって互いに依存性をもった機能ではなく、本発明の実施形態は、本発明の範囲から逸脱することなく片方のみを有するものとすることができる。
【0075】
ここで図21〜図23を参照すると、本発明の監視システムの更に別の実施形態は、実質的に、図9に示すパーセント較差の実施形態の側面と、それぞれ命令217及び219で具体的に示されるように第2の試験(例えば、両方とも第3の抵抗及び第2の抵抗を用いて計算した第1の較差指示値−DIV1及び第1のレート指示値−RIV1をそれぞれの閾値−DTV及びRTVに比較する)及び第3の試験(例えば、両方とも第3の抵抗及び第1の抵抗を用いて計算された第2の較差指示値−DIV2及び第2のレート指示値−RIV2をそれぞれの閾値−DTV及びRTVに比較する)として図11に示す変化レートの実施形態の側面とを組み合わせたものである。監視システム70は、更に、命令221及び223でそれぞれ具体的に示されるように、図20に示す飽和指標及び遅延機能の実施形態を組み合わせたものである。
【0076】
この実施形態の例の1つでは、図21に概略的に示されるように、マイクロプロセッサ93は、命令226で、現在の抵抗値(R3)(即ち、大きさの指示値)を湿潤/乾燥閾値(W/DTV)に比較し、パンツが以前に放出発作を受けて次の検知の準備ができているか、又は依然として乾いており放出発作を受けていないかを判断するように命令される。この図示した実施形態は、全てデジタル的手法を用いているが、他の例では、一般に当業者には公知であるように、部分的又は全体的にアナログ的手法を用いることもできることが分かる。例として、マイクロプロセッサ93には、抵抗値が、パンツが乾燥していて以前に放出発作を受けていないことを示すことになる例えば200KΩ(湿潤/乾燥閾値)を超えるかどうかを判断するように命令することができる。抵抗値(R3)を湿潤/乾燥閾値(W/DTV)比較してパンツが乾燥している(例えばR3が200KΩより大きい)ことが示されれば、マイクロプロセッサ93は、命令228で、現在の電気的値が大きさの閾値と比較して放出発作が存在することを示すかどうかを判断するように命令される(広い意味で第1の試験)。例えば、マイクロプロセッサ93は、抵抗の現在の値が、約30KΩと90KΩとの間、更に詳細には約55KΩである大きさの閾値より小さいかどうかを判断することができる。現在の抵抗値を大きさの閾値と比較して放出発作が存在することが示されなければ、マイクロプロセッサ93は、抵抗値を収集、保存し、大きさの閾値の閾値と比較してその比較で放出発作が存在することを示されるかどうかを探し続ける。図21に示すように、マイクロプロセッサ93は、再び湿潤/乾燥試験を行わないが、行っても本発明の範囲から逸脱することにはならない。
【0077】
命令226において抵抗値(R3)を湿潤/乾燥閾値(W/DTV)に比較してパンツが乾燥していることが示されなければ(即ち、パンツが湿潤していることが示されれば)、マイクロプロセッサ93は、現在の電気的値を大きさの閾値に比較する第1の試験を省くように命令される(命令228で具体的に示される)。典型的には、第1の放出発作の後には試験が不正確であるため、第1の放出発作の後(即ちパンツが以前に放出発作を受けた後)にパンツ20の抵抗を閾値に比較する(即ち第1の試験を実施する)ことは有利ではない。しかし、この試験は、パンツが乾燥しているときには有利である可能性があり、このため、パンツが乾燥していると示されるときに試験を行う。
【0078】
現在の抵抗値を乾燥/湿潤閾値と比較するとパンツが以前に放出発作を受けたことが示され、次の排尿を検出する準備ができている(例えばR3<W/DTV)か、又はパンツが乾燥していて(例えばR3>W/DTV)現在の値を大きさの閾値に比較すると放出発作が存在することが示される(例えばR3<MTV)かの何れかである場合には、マイクロプロセッサは、命令217で第2の試験、場合によっては命令219で第3の試験を行い、放出発作が存在するかを判断する。第2及び第3の試験は、上に詳細に説明しており、第3及び第2の値の間のパーセント較差及び変化レートが放出発作の存在を示す(例えばDIV1>DTV及びRIV1>DTV)かどうか、及び第3及び第1の値の間のパーセント変化及び変化レートが放出発作の存在を示す(例えばDIV1>DTV及びRIV1>DTV)かどうかを判断する段階を含む。第2の試験又は第3の試験が放出発作の存在を示す場合には、マイクロプロセッサ93は、上に説明し図20及び本図に示すように、命令221で飽和指示試験及び命令223で時間遅延機能を行うように命令される。第2の試験も第3の試験も放出発作の存在を示さない場合には、マイクロプロセッサ93は、試験の1つに合格するまで、新しい現在の抵抗値(例えば第4の値)で再び第2の試験、場合によっては第3の試験を行うように命令される。
【0079】
この実施形態の別の例(図22)は、図21に示す例と同様である。この例では、パンツ20が湿潤しており、現在次の排尿を検出しているとマイクロプロセッサ93が判断する場合に、新しい大きさの閾値を計算して現在の抵抗値と比較する命令を含む。この図示した実施形態は、全てデジタル的手法を用いているが、他の例では、一般に当業者には理解されるように、部分的又は全体的にアナログ的手法を用いることもできる。上に説明したように、パンツ20が湿潤した後における抵抗が安定しているときのパンツの抵抗は、パンツが乾燥しているときとは異なり、従って、固定された大きさの閾値(例えば55KΩ)を用いることは、誤って放出発作警報95をトリガする可能性があるため有利ではないであろう。例えば、第1の放出発作の後、パンツの抵抗は、最初に50KΩの抵抗まで減少した後に安定化することがある。マイクロプロセッサ93が、大きさの閾値が55KQの試験を単独で用いる場合には、マイクロプロセッサは、次の放出発作が起こっていなくても放出発作警報をトリガすることになる。第1の放出発作の後にパンツの平均抵抗値に基づいて新しい閾値を計算すると、このような偽陽性の検出が生じることを防止するのに役立つ。
【0080】
図22は、新しい大きさの閾値を計算する上の機能を行うためのマイクロプロセッサ93に対する命令を概略的に示す。この図示する実施形態は、全てデジタル的手法を用いるが、当業者には一般に理解されるように、他の例では、部分的又は全体的にアナログ的手法を用いることもできることが分かる。命令231では、マイクロプロセッサは、図21の例を参照して上に説明したように、現在の抵抗値(即ち、第3の値)を湿潤/乾燥閾値(例えば200KΩ)と比較してパンツが湿潤又は乾燥しているかを判断する。比較によりパンツが乾燥している(例えば第3の値が200KΩより大きい)ことが示される場合には、マイクロプロセッサ93は、それぞれ命令233及び235で大きさの閾値を予め定めた値(例えば55KΩ)に設定し、現在の抵抗値を閾値と比較して放出発作が存在するかを判断する。
【0081】
比較によりパンツが湿潤している(例えば第3の抵抗値が200KΩ未満である)ことが示される場合には、マイクロプロセッサ93は、それぞれ命令237及び235で、大きさの閾値として平均の大きさの閾値を設定し、現在の抵抗値を大きさの閾値に比較するように命令される。パンツの抵抗が安定化された平均抵抗値は、放出発作警報95及び遅延期間が活性化された後に、命令240でマイクロプロセッサ93により計算される。命令237では、この平均抵抗値は、100%より小さい何らかのパーセントを掛けて平均の大きさの閾値を計算する。例えば、平均抵抗値には、50%と95%との間のパーセント、更に詳細には、80%と90%との間のパーセントを掛けることができる。
【0082】
現在の抵抗値を平均閾値と比較して放出発作が存在することが示される場合には、マイクロプロセッサのための次の命令は、第3の試験(例えば第3の値と第1の値との間のパーセント較差及びレート変化の比較)が放出発作の存在を示さない場合には、マイクロプロセッサは、命令231に戻って新しい抵抗値(例えば第4の値)を湿潤/乾燥閾値と比較し、新しい値を適切な閾値(即ち、固定された大きさの閾値又は平均の大きさの閾値の何れか)と比較するように命令されることを除き、図21に示される先の例における命令と同様である。
【0083】
概略的に図23に示される更に別の例は、図22に与えられ、上に説明した例と同様である。この例は、放出発作後にパンツ20の抵抗が実質的に安定化するまで平均の大きさの閾値の決定を遅延するための命令を更に含む。上に説明したように、放出発作によりパンツ20が湿潤された後、パンツの抵抗は、放出発作が起こった後時間の経過に伴い一般に上昇し続ける。従って、更に正確な抵抗の平均を計算するために、マイクロプロセッサに平均の大きさの閾値を計算するように命令する前に、マイクロプロセッサ93に物品の抵抗が実質的に安定するまで待つように命令することが有利である。
【0084】
この実施形態では、物品20の電気的特性の変化を監視し、電気的特性が安定かしたかどうかを判断する。例えば、監視した変化は、変化レート(例えば、上に記載するように求められる)、パーセント変化、又は物品の電気的特性の安定化を一般に示すあらゆる他の変化とすることができる。図23に示す例では、放出発作警報及び遅延を活性化した後、マイクロプロセッサ93は、命令242で、パンツの抵抗のパーセント変化を予め設定した下方パーセント(広い意味では、予め設定した下方値)と比較し、抵抗がこの下方設定パーセントより大きいかどうかを判断するように命令される。下方設定パーセントは、例えば、−0.1%と−10%との間、又は更に詳細には約−5%とすることができる。マイクロプロセッサは、図8に概略的に示すように、パーセント較差を計算するのと同じように抵抗のパーセント変化を計算することができる。即ち、マイクロプロセッサは、抵抗値収集して保存し、遅延させ、次に、次の抵抗値を収集して保存する。後の値を前の値から減算し、その差を前の値で割ってパーセント変化の値を得る。この計算には、放出発作警報を活性化した後に収集した抵抗値を用いる。パーセント変化を計算する他の方法も本発明の範囲に含まれる。
【0085】
パンツ20の抵抗が、予め設定した下方パーセント(例えば−5%未満)より大きいレートで増大しない場合には、マイクロプロセッサ93は、命令244で、予め決定した期間遅延させるように命令される。例えば、遅延期間は、60秒と300秒との間、更に詳細には約120秒とすることができる。時間遅延の後、マイクロプロセッサ93は、245で、命令244での時間遅延の後に計算された新しい抵抗のパーセント変化を下方事前設定パーセントに比較して抵抗が下方事前設定パーセントより大きいかどうかを判断する。抵抗が、依然として、下方設定パーセントより大きなレートで増大しない場合には、マイクロプロセッサ93は、飽和警報を活性化するように命令される。
【0086】
パンツの抵抗が、命令244の時間遅延の前又は後の何れかにおいて、予め設定した下方パーセント(例えば−5%より大きい)より大きなレートで増大する場合には、マイクロプロセッサ93は、命令246で抵抗のパーセント変化を予め設定した上方パーセント(広い意味では予め設定した上方値)に比較し、パーセント変化が上方事前設定パーセントより小さいかどうかを判断するように命令される。上方設定パーセントは、例えば、1%と10%との間、更に詳細には約5%とすることができる。パーセント変化が、上方設定パーセントより小さい場合には、マイクロプロセッサは、命令240で平均の大きさの閾値に用いられる平均抵抗の計算を始めるように命令される。即ち、パーセント変化が、下方設定パーセントより大きく上方の設定パーセントより小さいことで示されるように抵抗が安定化した後、マイクロプロセッサ93は、抵抗をサンプリングし、サンプリングした抵抗を用いて平均抵抗(例えば平均抵抗)の計算を開始するように命令される。パーセント変化が予め設定した上方パーセントより大きい場合には、マイクロプロセッサ93は、抵抗のパーセント変化が上方設定パーセントより小さくなるときを継続的に調べ、それによって抵抗が実質的に安定したことを示すように命令される。計算した平均抵抗は、保存され、必要に応じて用いられる。
【0087】
前記較差閾値(DTV)、レート閾値(RTV)、下方検査値(LCV)、上方検査値(UCV)、大きさの閾値(MTV)、飽和指標実施形態のための時間閾値、時間遅延期間、湿潤/乾燥閾値(W/DTV)、及び予め設定した上方及び下方パーセントに与えられる例示的な値を含む上の試験/検査に与えられる例示的な値及び値の範囲は、単なる例であり、本発明に実際に用いられる値及び期間は、パンツの材料特性(特に監視領域)、用いるセンサの種類、用いる導体の種類、パンツ内の導体の位置、使用者の好み、及び種々の試験に用いられる指示値及び期間に影響を及ぼすあらゆる他の変数のような変数に応じて変化する可能性があることは理解される。
【0088】
本発明又はその実施形態の要素について言及する場合には、不定冠詞と定冠詞及び「前記」は、1つ又はそれ以上の要素が存在することを意図するものである。用語「備える」、「含む」及び「有する」は、包括的であるものとし、列記した要素以外に付加的な要素が存在する可能性があることを意味する。
上記を考慮すると、本発明の目的のいくつかが達成され、他の有利な結果が得られることがわかるであろう。
本発明の範囲から逸脱することなく、上記の構造、製品、及び方法には種々の変更を行うことができるため、上術の記載に含まれ、添付の図面に示される全ての事項は、実例を示すものであり、限定的な意味で解釈されるものではないことが意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】トレーニングパンツの片側が締結され、対向する側が締結されていない機械的締結システムを有するトレーニングパンツの形で示される本発明の物品の側面斜視図である。
【図2】図1のパンツの斜視図である。
【図3】物品から除去された監視システムの収容部を示す図2と同様のパンツの斜視図である。
【図4】パンツが締結されずに広げられて平たくされた状態であり、着用時に着用者に面するトレーニングパンツの表面を示し、その下の特徴を示すために一部切り欠かれた図1のトレーニングパンツの平面図である。
【図5】図4の線5−5を含む平面でとったパンツの断面図である。
【図6】パンツ及び本発明の監視システムの実施形態の1つの略図である。
【図7】パンツの電気的特性を測定するための測定装置及び測定装置からのアナログ出力をマイクロプロセッサに読まれるデジタルの値に変換するためのアナログデジタル変換器を含む本発明の構成要素/装置の作業の順序を示す本発明の実施形態の1つのブロック図である。
【図8】パンツの測定した抵抗の比例較差を用いて放出発作が存在するかを判断する本発明のマイクロプロセッサのための例示的な命令のブロック図である。
【図9】連続する抵抗値を用い、測定したパンツの抵抗の比例較差を求める本発明のマイクロプロセッサのための例示的な命令のブロック図である。
【図10】測定したパンツの抵抗の変化レートを用いて放出発作が存在するかを判断する本発明のマイクロプロセッサのための例示的な命令のブロック図である。
【図11】連続する抵抗値を用い、測定したパンツの抵抗の変化レートを求める本発明のマイクロプロセッサのための例示的な命令のブロック図である。
【図12】応答回路及び調整回路を含むパンツの抵抗の変化レートを求める本発明の実施形態の1つの装置/構成要素のブロック図である。
【図13】応答回路及びアナログデジタル変換器を含むパンツの抵抗の変化レートを求める本発明の別の実施形態の装置/構成要素のブロック図である。
【図14】微分器の形の例示的な応答回路の略図である。
【図15】パンツの抵抗の比例較差及び変化レートを用いてパンツに放出発作が存在するかを判断するために図7及び図12に示される実施形態を組み合わせる本発明の実施形態のブロック図である。
【図16】パンツの抵抗の比例較差及び変化レートを用いてパンツに放出発作が存在するかを判断するために図7及び図13に示される実施形態を組み合わせる本発明の別の実施形態のブロック図である。
【図17】測定した抵抗が、放出発作が存在することを正確に示すには高すぎるか低すぎるかの何れかであるかどうかを判断するマイクロプロセッサのための命令のブロック図である。
【図18】測定した抵抗が、放出発作が存在することを正確に示すには高すぎるか低すぎるかの何れかであるかどうかを判断する本発明の別の実施形態の装置/構成要素のブロック図であり、偽陽性確認回路を含む図である。
【図19】例示的な偽陽性確認回路の略図である。
【図20】パンツが飽和されているかどうかを判断し、放出発作の後にパンツの抵抗を安定化させるマイクロプロセッサのための命令を示す本発明の別の実施形態のブロック図である。
【図20A】放出発作を受けたパンツの例示的な抵抗プロファイルを示すグラフである。
【図21】パンツが乾燥しているか、最近放出発作を受けたか、又は飽和されているかどうかを判断するマイクロプロセッサのための命令を示す本発明の別の実施形態のブロック図である。
【図22】図21の実施形態と同様であり、更に、パンツが最近放出発作を受けた場合に平均の大きさの閾値を計算する命令を含む本発明の別の実施形態のブロック図である。
【図23】図22と同様であり、更に、抵抗が安定化するまで平均の大きさの閾値の計算を遅延させる命令を含む本発明の別の実施形態のブロック図である。
【符号の説明】
【0090】
20 パンツ
22 前部ウエスト領域
24 背部ウエスト領域
26 股領域
42 身体側ライナ
50 ウエスト開口部
52 脚開口部
58 脚弾性部材
70 湿潤度監視システム
74 パンツの監視領域
79 スナップ締結装置
82 収容部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸収性物品内における放出発作の存在を検出して介護者及び/又は着用者に連絡する方法であって、
前記方法が、
前記物品が着用者に着用されている状態で前記物品の電気的特性を監視する段階と、
第1の時間に前記物品の第1の指示値として表される電気的特性を求める段階と、
前記第1の指示値が放出発作を示す場合に、放出発作警報を活性化し、前記介護者及び/又は着用者に前記物品内に放出発作が存在することを知らせる段階と、
前記放出発作警報を活性化した後に第2の指示値として表される前記物品の電気的特性を求める段階と、
前記第2の指示値が前記物品内に第2の放出発作の存在を示していることを判断する段階と、
前記警報を活性化してから前記第2の放出発作が存在することを示すと判断するまでに経過した時間量を求める段階と、
前記経過時間を時間閾値と比較して、前記比較の関数として放出発作警報又は飽和警報の何れかを活性化する段階と、
を含む方法。
【請求項2】
前記第1及び第2の指示値が、大きさの閾値と比較したときに放出発作を示すことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記物品の監視される電気的特性が抵抗であり、前記第1及び第2の指示値が、前記大きさの抵抗閾値よりも小さい場合に放出発作を示すことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記物品の記監視される電気的特性がコンダクタンスであり、前記第1及び第2の指示値が、前記大きさのコンダクタンス閾値よりも大きい場合に放出発作を示すことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記時間閾値が、約60秒と約300秒との間であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記時間閾値が、約90秒と約180秒との間であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記時間閾値が、約120秒であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記放出発作警報を活性化した後に前記物品の電気的特性を求める段階が、センサ放出発作信号を活性化した後事前設定期間に前記物品の電気的特性を求める段階を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
吸収性物品内における放出発作の存在を検出して介護者及び/又は着用者に連絡する方法であって、
前記方法が、
前記物品が着用者に着用されている状態で前記物品の電気的特性を監視する段階と、
第1の時間に前記物品の第1の指示値として表される電気的特性を求める段階と、
前記第1の指示値が放出発作を示す場合に、放出発作警報を警報期間活性化して、前記介護者及び/又は着用者に前記物品内に第1の放出発作が存在することを知らせる段階と、
前記警報期間終了後、前記電気的特性を安定化することを可能にする少なくとも事前設定期間に発生する第2の時間において、第2指示値として表される前記物品の電気的特性を求める段階と、
前記第2の指示値が放出発作を示す場合に、前記放出発作警報を活性化して、前記介護者及び/又は前記着用者に前記物品内に第2の放出発作が存在することを知らせる段階と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項10】
前記第1及び第2の指示値が、大きさの閾値と比較したときに放出発作を示すことを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記事前設定期間が、約5秒から600秒の間持続することを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記事前設定期間が、約10秒から約60秒の間持続することを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項13】
前記事前設定期間が、約15秒持続することを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項14】
前記警報を活性化してから前記第2の放出発作が存在することを示すと判断するまでに経過した時間の量を求め、前記経過時間を時間閾値と比較し、前記比較の関数として放出発作警報又は飽和警報の何れかを活性化する段階を更に含むことを特徴とする請求項9に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図20A】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公表番号】特表2009−505781(P2009−505781A)
【公表日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−529016(P2008−529016)
【出願日】平成18年6月2日(2006.6.2)
【国際出願番号】PCT/US2006/021735
【国際公開番号】WO2007/027266
【国際公開日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【出願人】(504460441)キンバリー クラーク ワールドワイド インコーポレイテッド (396)
【Fターム(参考)】