説明

吸収性物品

【課題】良好な触感及びクッション感を与え、しかも肌当接面側から非肌当接面側へと液を速やかに引き込み、サラッとした肌触りと清潔さとを維持する吸収性物品を提供する。
【解決手段】肌当接面側のトップシート1と、非肌当接面側のバックシート5と、該両シートの間に配置される吸収体3とを有する吸収性物品であって、前記トップシート1は、肌当接面側の上層21及び非肌当接面側の下層22を有し、かつ、このトップシートの上層21及び下層22の間に空洞26が保持されるように前記トップシート上層21が肌当接面側に突出する凸部25を複数有し、前記トップシートの上層21は肌当接面側の第一層27と非肌当接面側の第二層28とを有し、該第二層28を構成する繊維をその下側の前記トップシート下層22を構成する繊維より太くした吸収性物品。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は使い捨ておむつ、生理用ナプキン、尿取りシート、パンティライナー等の吸収性物品に関する。
【背景技術】
【0002】
吸収性物品は通常着用者の肌に直接当てて使用される。特に、肌荒れのしやすいようなところに用いられることが多く、しかも長時間にわたって着用されることがある。そのため肌あたりのよりやさしいものが好まれる。他方、吸収性物品には基本的な機能として液体等の吸収保持性が高いことが要求されることは言うまでもない。
【0003】
上記のような吸収性物品の肌触りと各機能とを高める表面シートの開発が試みられている。例えば、実質的に伸縮しないシートからなる上層と下層とを有し、この両層が多数の接合部で接合されており、前記両層の間に空間を形成して前記上層に多数の凸部を形成したシートが提案されている(特許文献1、2参照)。この従来の表面シートにおいては、前記凸部の底面は矩形にされ、凸部が全体として直方体状又は截頭四角錐体状にされている。
【0004】
【特許文献1】特開2004−174234号公報
【特許文献2】特開2006−341455号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、良好な触感及びクッション感を与え、しかも肌当接面側から非肌当接面側へと液を速やかに引き込み、サラッとした肌触りと清潔さとを維持する吸収性物品の提供を目的とする。また本発明は、特にトップシートの凸部内部の空洞に液を滞らせず吸収体側へとすばやく液を移行させる吸収性物品の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題は、肌当接面側のトップシートと、非肌当接面側のバックシートと、該両シートの間に配置される吸収体とを有する吸収性物品であって、前記トップシートは、肌当接面側の上層及び非肌当接面側の下層を有し、かつ、このトップシートの上層及び下層の間に空洞が保持されるように前記トップシート上層が肌当接面側に突出する凸部を複数有し、前記トップシートの上層は肌当接面側の第一層と非肌当接面側の第二層とを有し、該第二層を構成する繊維をその下側の前記トップシート下層を構成する繊維より太くした吸収性物品によって解決された。
【発明の効果】
【0007】
本発明の吸収性物品は、良好な触感及びクッション感を与え、しかも肌当接面側から非肌当接面側へと液を速やかに引き込み、サラッとした肌触りと清潔さとを維持するという優れた作用効果を奏する。また本発明の吸収性物品は、特にトップシートの凸部内部の空洞に液を滞らせず吸収体側へとすばやく液を移行させるという優れた作用効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は本発明の吸収性物品における好ましい実施形態としての使い捨ておむつを一部切欠して模式的に示す斜視図である。同図に示したおむつはテープ型の乳幼児用使い捨ておむつであり、平面に展開した状態のおむつを多少曲げて内側(肌当接面側)からみた状態で示している。本実施形態の使い捨ておむつ10は、肌当接面側に配置される液透過性のトップシート1と、非肌当接面側に配置される液不透過性のバックシート5と、これらの間に介在する吸収体3とを有する。バックシート5は展開状態で、その両側縁が長手方向中央部cにおいて内側に括れた略砂時計形の形状を有しており、1枚のシートからなるものであっても、複数のシートからなるものであってもよい。本実施形態において、バックシート5には横漏れ防止ギャザー12が設けられており、これにより乳幼児の運動等による股関節部分における液体等の横漏れを効果的に防止しうる。本実施形態のおむつにおいては、さらに機能的な構造部やシート材等を設けてもよい。このバックシート5の上に、トップシート1及び吸収体3が、該吸収体3の上側をトップシート1が包むようにして配設されている。
【0009】
本実施形態のおむつはテープ型のものとして示しており、背側rのフラップ部にはファスニングテープ13が設けられている。このテープ13を腹側fのフラップ部に設けたテープ貼付部(図示せず)に貼付して、おむつを装着固定することができる。このとき、おむつ中央cを緩やかに内側に折り曲げて、吸収体3が乳幼児の臀部から下腹部にわたって沿わされるように着用する。これにより排泄物が的確に吸収体3に吸収保持される。
【0010】
図2は図1に示したおむつの領域IIの周辺を拡大して一部断面により示す斜視図である。本実施形態のトップシート1は、肌当接面側からみて、第一層27及び第二層28からなるトップシート上層21と、トップシート下層22とをこの順で有する。このトップシート1には、トップシート上層21とトップシート下層22との間に空洞26を保持しながら上層21側に突出した多数の凸部25が配設されている。該凸部25はエンボス加工された凹部24の間に、ないしはそれらに囲まれるように配されており、この凹部24において、上記トップシート上層21及びトップシート下層22が接合されている。なお図示した凸部の形状は非着用時の圧縮されていない形状を示しており、着用時に体圧をうけると凸部は潰された状態になる。
トップシート1の下側には、肌当接面側からみて、サブレイヤ上層31とサブレイヤ下層32とからなるサブレイヤ2、吸収体3、フィルムシート4、及びバックシート5がこの順で配されている。ただし、液体等の吸収保持性や肌触り、外観等を考慮して、各部材の間及び/又は外側に他の機能性部材もしくは機能的構造部を設けてもよい。
【0011】
ここでトップシート1に設けられた複数の凸部25の好ましい配置について説明する。本実施形態においては複数の凸部25が略千鳥格子状に配置されている。ここで、千鳥格子状の配置とは、各列の凸部を該列に直交する方向に投影したときに、凸部の投影像が一列おきに重なる配置をいい、好ましくは重なった投影像の間隔が均等になる配置である。略千鳥格子状の配置はそれのみではなく、凸部の位置が製造上不可避的な量など、わずかにずれている場合も含む。なお、このような千鳥格子状に配置した凸部パターンは、後述するようなロール歯車により賦形する態様についていうと、各歯車の歯幅を調節し、各歯車間での歯が交互に隣接するように配置することにより形成することができる。
【0012】
図3は略千鳥格子状の凸部配置の好ましい形態としての4ポイントシールパターンを模式化して示したエンボスパターン図である。このパターン図では、トップシートの平面図を12行・12列のマス目に座標化して、エンボス接合部の位置関係を模式的に示している。この4ポイントシールパターンにおいては、4点のエンボスからなる接合単位の少なくとも1点を隣接する接合単位どうしが互いに共有するようにしてエンボス接合部(トップシートにしたときに凹部となる部分)24が広く配設されている。さらに具体的に説明すると、エンボス(1,3),(3,1),(3,5),(5,3)の4点で第1接合単位が構成されている。ここで( )内の数値は、(行番号,列番号)を表す。その右隣りにおいてはエンボス(3,5)を共有して、(1,7),(3,9),(5,7)とともに第2接合単位を構成している。第1接合単位の下方には、第1接合単位の点(5,3)を共有して、(7,1),(7,5),(9,3)とともに第3接合単位を構成している。さらにこの右側の第4接合単位は、エンボス(3,5),(5,3),(7,5),(5,7)を第1〜3のいずれかと共有して構成されている。このようにして、一部のエンボスを互いに共有しながら広く4ポイントエンボスパターンが形成されている。
【0013】
そして、本実施形態においては各接合単位の4点のエンボス接合部(凹部)24が取り囲むようにして、各接合単位の略中央に、前記の凸部頂部が配されるようにされている。具体的にいうと、第1接合単位の(3,3)、第2接合単位の(3,7)、第3接合単位の(7,4)、第4接合単位の(5,5)にそれぞれ凸部頂部が配されている。
【0014】
ここで4ポイントシールパターンにおける凸部の連設形態についていうと、図3のエンボス(3,1)から(11,9)に向かう方向に引いた補助線q1におけるトップシート断面では、凹部24を有する形態となる。具体的には、図4に示したように、トップシート上層21とトップシート下層22とがエンボス加工により形成された凹部24における接合界面24aで接合され、空洞26がそれぞれ区分された断面形態となる。ここで図4は図2に示した領域IVを拡大して示す断面図に相当し、ここではトップシート1及びサブレイヤ2のみを図示している。なお、このようにトップシート1及びサブレイヤ2のみを図示することは、後述する図5及び図7においても同様である。
【0015】
一方、エンボス(1,9)から(9,1)に向かう方向に引いた補助線q2の断面では、接合部を介さず内部空洞が連続した形態となる。具体的には、図5に示したように、連結部29により凸部25が連繋されている。そして、上層21と下層22との間には空間29aが形成され、隣接する空洞26が連続した状態とされている。すなわち、4ポイントシールパターンにおいては、断面方向により凸部の連結状態と内部の空洞の連続状態が異なっている。このような4ポイントシールパターンにより、軟便等の高粘性液や半固形物が内部空洞26に収納されたときに広くトップシート1の面方向に拡散しやすく、体圧がかかったときにも簡単には肌当接面側に逆戻りさせず、清潔で良好な着用状態が維持される点で好ましい。
【0016】
図6は略千鳥格子状の配置においける別の好ましい実施態様としての6ポイントシールパターンを模式化して示したエンボスパターン図である。これについて詳述すると、エンボス(1,2),(1,4),(3,1),(3,5),(5,2),(5,4)の6点で第1の6点のエンボスからなる接合単位(第1接合単位)が構成されている。そして右隣りの第2接合単位は、エンボス(1,8),(1,10),(3,7),(3,11),(5,8),(5,10)の6点で構成されている。さらに第1接合単位の下方の第3接合単位は、第1接合単位の下部の2点(5,2),(5,4)を共有するようにして、(7,1),(7,5),(9,2),(9,4)とともに6点で構成されている。さらにこの右の第4接合単位は、エンボス(3,5),(3,7),(5,4),(7,5),(5,8)を第1〜3要素のいずれかと共有し、エンボス(7,7)と合わせた6点で構成されている。このようにして各接合単位の一部を互いに共有しつつ、6点パターンが広く繰り返され構成されている。そして、凸部の頂部が、第1〜4の接合単位の略中央に、具体的には第1接合単位の(3,3)、第2接合単位の(3,9)、第3接合単位の(7,3)、第4接合単位の(5,6)にそれぞれ配されている。
【0017】
上述のようにして6ポイントシールパターンでトップシート上層21とトップシート下層22とを接合することにより、通常前記接合単位をなす6点のエンボスに囲まれてその中央に凸部が形成される。そして、図4に示したトップシート断面のように深さのある凹部24で上層21と下層22とが接合された断面(r1線断面)(ただし図4は2つの連続した凸部を示しているのに対し、図7に示した断面線r1では1つの凸部の範囲のみが示されている。)だけでなく、図5に示したような連結部29が凸部を連結し、その内部には連結部内部空間29aを有する断面(r2線断面)がある。そして、さらに図7に示した尾根部71にトンネル状のチャンネル72を有する断面部分(r3線断面)が形成され、より多様な断面形態により機能的に液等の吸収性や、柔軟性、ドレープ性、クッション性を発揮する。6ポイントシールパターンにおいては、尾根部71及び連結部29の両者が凸部を連結しており、これらを区別して第1の連結部(尾根部)71及び第2の連結部(連結部)29ということがある。このとき、第2の連結部29の内部空間29aがなく、上層と下層とが接合されていてもよく、あるいは連結部29が凸部を連結しない突起状の小凸部であってもよい。なお、凸部の幅は、q1、q2、r1、r2、r3において異なることがあるが、図4、図5、図7においてその幅の関係を示すものではない。
【0018】
このように、4ポイントもしくは6ポイントシールパターンとすることにより、トップシート1に配した多数の凸部25が着用者の肌を広く均一に支えるため、内部空洞26が局部的に潰れるようなことがなく、シート全面にわたり適度なクッション感、液体等の吸収性、軟便等の逆戻り防止性を実現する。
【0019】
トップシート1の凸部25は、上述したような作用を考慮し、その高さh(図4参照)を0.6〜2.0mmとすることが好ましく、0.8〜1.8mmとすることがより好ましい。また、凸部25の幅wを1.5〜4.0mmとすることが好ましく、2.0〜6.0mmとすることがより好ましい。凹部24の幅wを0.5〜2.0mmとすることが好ましく、0.8〜1.4mmとすることがより好ましい。
【0020】
次に、本実施形態のトップシート1における凸部25及び凹部24についてさらに詳しく説明する。本実施形態において凸部25は肌当接面側に突出した部分で構成され、さらに境界補助線s及び補助線uにより凸部頂部25aと凸部側壁部25bと凸部底部25cとに機能的に区分される。ここで境界補助線s周辺の稜(肩部)がとがった直方体状ないし截頭四角錐体ではなく、図示したもののように内部に空洞26を保持した丸みを帯びたドーム状である。このようにすることで、肌への当りがやさしく、柔らかな触感が得られる。
【0021】
上述にように本実施形態においては、丸みを帯びた凸部25が多数配されたトップシートが肌と柔らかく点接触するため、ドライ時において肌に密着しすぎることがなく、まとわりつくような不快感を与えない。また、丸みを帯びた凸部の連設形態はトップシートにドレープ性を付与し、また外観においても柔らかさを感じさせ、優雅でやさしい印象を与える。
【0022】
またウエット時においても、本実施形態のおむつにおいては、肌に当たる部分に多数の凸部25を配し、特に凸部頂部25aにおいて丸みを帯びた形状にしたことから、肌に常時付着する水分の量が抑えられる。さらに、少量の軟便等を吸収した場合においても、その肌への付着量は同様に少なくなる。また、軟便等が拡散しようとするときには、凸部側壁部25bが防壁として作用し、不用意に軟便等が広がることを抑える。そして、軟便等の量が多くなれば凸部内部の空洞26に一時ストックされ、そのまま軟便等の水分が積極的に吸収体側へ吸収されていく。その結果、軟便等は水分を失い空洞26に固定されるようにして乾燥固化する。また、すり鉢状の凹部24に入り込んだ軟便等に関しても、積極的にその水分は吸収体側へと接合界面24aの周辺を通じて移行して、乾燥固化する。このようにして肌に便がこびりつかなくなり、清潔な状態が維持される。さらに母親にとっては、軟便等の逆戻りが抑えられるため、便をお尻拭きなどで落とす作業が減り、おむつ交換時の手間が省ける。赤ちゃんにとっても肌へのダメージは少なくなる。
【0023】
さらに、図4に示したように、凸部底部25cにおいては、トップシート上層21を構成する繊維はやや延伸されながら圧縮されている。このためトップシート上層21の凹部24周辺には大きな毛管力により液体を強く引き込む作用が生じる。これにより、上層21の凹部24に液体が集中しながら接合界面24aの周辺を介して下層22に移行し、吸収体3側にすばやく引き込まれる。さらに、本実施形態においてはサブレイヤ2をトップシート1と吸収体3との間に配設することにより、上記の液分の引き込み作用が一層高まり好ましい。
【0024】
本実施形態のおむつ10においては、トップシート上層の第二層28を構成する繊維の径が、トップシート下層22を構成する繊維の径より太くなるようにされている。繊維からなる不織布等のシートにおいてその繊維の径が細くなると、坪量が同じ場合には通常そのシートの密度は高まる。したがって上述のようにトップシート上層の第二層28の繊維径に比し、その下側に位置するトップシート下層22の繊維径が細いことにより、該下層22の繊維密度が高められ、下側へと向かう液体の引き込み作用を生じる。
【0025】
さらに本実施形態のおむつ10においては、上述のとおり、凹部24がエンボス加工により形成され、トップシート上層21の中でも凸部頂部25aから凸部側壁部25bを介し、凸部底部25cにかけて傾斜的に密度が高まるようにされている。これにより排泄された液は、凸部頂部25aないし凸部側壁部25bには留まらず速やかに凸部底部25cに移行し、集中していく。このとき本実施形態においては、上層21の第2層28が、それより細径の繊維で構成された下層22に接合されているため、上層の凹部24に集中してきた液体を滞らせることなく下層22側へと移行させる。また、このように下層22側へと液を速やかに引き込むことで、例えばすり鉢状にされた凹部24に液が溜まってしまったり、凸部内部26に液が不用意に浸入してしまったりすることを抑制しうる。これより、例えば軟便等を凸部内部26に保持し上述のように乾燥固化して逆戻りしない状態が維持されているときに、多量の液を凸部内部26に移行させてしまい再度軟化させてしまうことを抑制しうる。その結果、サラッとして清潔な着用感が長時間維持される。
【0026】
トップシート上層の第二層28を構成する繊維の繊度(D2d)は2.2〜7.8dtexとすることが好ましく、3.3〜5.6dtexとすることがより好ましい。トップシート下層22を構成する繊維の繊度(D3d)は1.0〜4.4dtexとすることが好ましく、1.2〜3.3dtexとすることがより好ましい。トップシート上層の第二層28を構成する繊維の繊度(D2d)とトップシート下層22を構成する繊維の繊度(D3d)との比率(D2d/D3d)は特に限定されないが、1.5〜8とすることが好ましく、1.5〜5とすることがより好ましい。なお各層を構成する繊維が2種以上の異なる繊度の繊維からなる場合には、その層の繊度とは、各繊維の質量比率から繊度を平均し求めた値をいう。また、繊維の繊度もしくは繊維径について、層内にエンボス加工等によりフィルム化されている部分が含まれるときには、このフィルム化されている部分を除く部分の繊維の繊度もしくは繊維径をいう。
【0027】
本実施形態のおむつ10のトップシート1においては、上述のとおりトップシート上層21は肌当接面側の第一層27と非肌当接面側の第二層28とからなるが、第一層27を構成する繊維は、第二層28を構成する繊維よりも細くされている。各層の具体的な繊維径は適宜定めればよいが、第一層の繊維の繊度(D1d)を1.0〜4.4dtexとすることが好ましく、1.2〜3.3dtexとすることがより好ましい。第一層に用いる繊維の繊度(D1d)と第二層に用いる繊維の繊度(D2d)との比率(D1d/D2d)は10〜70%とすることが好ましく、20〜60%とすることがより好ましい。第一層27の繊維を第二層28の繊維より低繊度のものとすることにより、上述したような所望の丸みを帯びた凸部25の形状を、後述するギアロールによるシート賦形において、より好適に得られるため好ましい。さらに、凸部25をつぶれにくいものとし、良好な触感及びクッション感が得られるという優れた作用を示す。
【0028】
また、第二層の繊維が第一層の繊維よりも太いことから、通常第二層の繊維間隔は第一層よりも広がる。これにより第二層側には繊維の疎な空間が形成されるため、繊維間を通って凸部25の内部の空洞26に軟便等の高粘性液もしくは半固形物を取り込んで隠蔽しやすい。一方、粘性の低い液分は繊維密度の密なトップシートの第一層27から繊維密度の疎な第二層28へは移行しにくい。したがって、液は主に外側の第一層27内を伝わって高密度にエンボス加工された凹部24へと引き込まれていく。このようにして、先に述べた高粘性液や半固形物が乾燥固化された後に再軟化することを抑制する作用が一層高まり、血液や尿といった液とともに軟便や下り物にも対応して良好な着用感を維持しうる。
【0029】
トップシート上層21(第一層27及び第二層28)及びトップシート下層22は、それぞれ同じ種類の繊維材料からなるものであっても、異なる繊維材料からなるものであってもよいが、いずれのシートも実質的に伸縮しないシート材からなることが好ましい。トップシート上層21及びトップシート下層22に用いられる不織布は特に限定されないが、ヒートボンド不織布、スパンボンド不織布、メルトブローン不織布、スパンレース不織布、及びニードルパンチ不織布等の種々の不織布が挙げられる。また、トップシート上層21とトップシート下層22とを後述するように熱融着によって接合する場合には、前記不織布に熱融着繊維が含まれることが好ましい。熱融着繊維としては、PET/PE、PP/PEなどの芯鞘構造のものが好ましい。また、前記不織布には、界面活性剤等を用いた親水化処理を施すことが好ましい。トップシート上層21及びトップシート下層22の構成繊維の種類のうち、好ましい組み合わせはPET/PE繊維どうしの組み合わせである。
【0030】
本実施形態のトップシート上層21においては、第一層27の坪量が第二層28の坪量以下であることが好ましく、第一層27の厚さが第二層28の厚さ以下であることが好ましい。また、トップシート上層21の坪量がトップシート下層22の坪量以上であることが好ましくトップシート上層21の厚さはトップシート下層22の厚さ以上であることが好ましい。なお、第一層27と第二層28との境界は明確なものでなくてもよく、むしろ互いの層の繊維が絡み合いながら繊度勾配の傾斜的な界面を形成することが実際的である。
【0031】
本実施形態の吸収性物品においては、トップシート1と吸収体3との間にサブレイヤ2が配置されている(図2参照)。トップシート1とサブレイヤ2とはトップシートに液が滞ることの無いよう、例えば間欠的に接合され、サブレイヤ2と吸収体3とは 吸収体が液を引き込み易いよう、例えば疎な全面接着で接合されている。このサブレイヤ2は、肌側(トップシート側)から圧力がかかった場合に、トップシート1の下にサブレイヤ2が配されていることによってその応力を緩衝する作用を有する。これにより、立体賦形されたトップシートの凸部25をより潰れにくくし、感触及びクッション感を一層良化することができる。
【0032】
また、本実施形態においては、上記サブレイヤ2があることによりトップシート1から移行してきた液体の吸収作用及び拡散作用を高めることができる。具体的には、表面材での液拡散を抑えながら素早く液を引き込み、吸収体への液拡散を促す効果がある。本実施形態のおむつ10においては、サブレイヤ2がサブレイヤ上層31及びサブレイヤ下層32の2層で構成されている。このサブレイ2の上層31を構成する繊維は、その上に配したトップシート下層22を構成する繊維より太いものにされている。これにより、上層の凹部24に集中させて液体を下層22側に引き込んだ後、さらにこれをサブレイヤ2に移行させるとき、サブレイヤの面方向に液を拡散さることができる。これは、サブレイヤ上層31の繊維径が下層22のものより太いため、サブレイヤ上層31の密度はより低くなり、液体の引き込み力に対して拡散力が高まる作用による。このようにして、さらにサブレイヤ下層32及び吸収体3に液体を引き込むときに、局部的に液が偏在した状態で飽和してしまうことなく、面方向に広げて吸収保持することができる。その結果、吸収性物品全体としての液体保持量及び吸収(引き込み)速度が高まる。
【0033】
サブレイヤ2に用いられる材料としては、不織布(ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミなどの熱可塑性樹脂からなる繊維や、これらの樹脂2種類以上からなる複合繊維から構成されるものが挙げられる)、パルプ、又はカーリーセルロースを積繊しシート状にしたものを用いることが好ましい。
【0034】
本実施形態のおむつ10においては、さらにサブレイヤ下層32の繊維径がサブレイヤ上層31の繊維径より細いものにされている。これにより、サブレイヤ下層32の密度はサブレイヤ上層31よりも高められており、いったんサブレイヤ上層31で拡散された液が速やかにサブレイヤ下層32に引き込まれる。このようにして、トップシート上層21において受け止めた液を、まず凹部24に集中させながら接合界面24aの周辺を介して下層22に引き込み、さらにサブレイヤ上層31において拡散させつつサブレイヤ下層32に移行させ、最終的には吸収体3全体へと液を送り込むことができる。このように、本実施形態のおむつ10においては、トップシートの各層及び/又はサブレイヤの各層がもつ機能の特有の相互作用により、トップシートの肌当接面側に液を留めずに速やかに吸収体側へと移行させることができる。
【0035】
サブレイヤ上層31を構成する繊維の繊度(D4d)は3.3〜15dtexとすることが好ましく、5.6〜10dtexとすることがより好ましい。トップシート下層22を構成する繊維の繊度(D3d)とサブレイヤ上層31を構成する繊維の繊度(D4d)との比率(D3d/D4d)は特に限定されないが、0.15〜0.8とすることが好ましく、0.2〜0.5とすることがより好ましい。サブレイヤ下層32を構成する繊維の繊度(D4d)は2.0〜5.6dtexとすることが好ましく、2.2〜4.4dtexとすることがより好ましい。サブレイヤ上層31を構成する繊維の繊度(D4d)とサブレイヤ下層32を構成する繊維の繊度(D5d)との比率(D4d/D5d)は特に限定されないが、1.5〜8とすることが好ましく、2〜5.5とすることがより好ましい。
【0036】
サブレイヤ上層31とサブレイヤ下層32とを積層させ一体化する方法は特に限定されず、例えば上層と下層を重ねた後に熱風処理することによって一体化することができる。サブレイヤ上層31とサブレイヤ下層32との境界は明確なものでなく傾斜的な界面を有するものであてもよい。
【0037】
次に、本実施形態の吸収性物品におけるトップシート1の好ましい製造方法を図面を参照しながら説明する。図8は発明の製造方法における好ましい実施態様としてのトップシート成形工程の一部を模式的に示す工程説明図である。同図に示すように、まずトップシート上層21を原反ロール(図示せず)から繰り出す。これとは別に、トップシート下層22を原反ロール(図示せず)から繰り出す。トップシート上層21及びトップシート下層22はそれぞれ、そのMD方向(方向d1及びd2)に沿って繰り出される。繰り出されたトップシート上層21を、周面が凹凸形状となっている第1ロール11と、その凹凸形状と噛み合い形状となっている凹凸形状を周面に有する第2ロール12との噛み合わせ部P1に噛み込ませてトップシート上層21を凹凸賦形する。その後、トップシート上層21は合流部P2に送られ、ここでトップシート下層22と積層され間欠的に接合される。
【0038】
このようにトップシート上層21を第1ロール11と第2ロール12との噛み合わせ部に噛み込ませてトップシート上層21を凹凸賦形する場合、第1ロール11を吸引しておくことが好ましい。吸引は、第1ロール11と第2ロール12との噛み合い部P1からトップシート上層21とトップシート下層22との合流部P2を経て両シートを貼り合わせた複合シート(吸収性物品用シート)を送り出す部分P3までの間で行われるように制御することが好ましい。従って、第1ロール11と第2ロール12との噛み合いによって凹凸賦形されたトップシート上層21は、第1ロール11に形成された吸引部(図示せず)もしくは空隙部(図示せず)による吸引力によって第1ロールの周面に密着し、その凹凸賦形された状態が保持される。
【0039】
合流部P2では、トップシート上層21を第1ロール11の周面に吸引密着させた状態で、別に供給されているトップシート下層22と積層するが、両シートを第1ロール11と第3ロール13とで挟圧することが好ましく、第3ロール13としては凹凸を有しないアンビルロールを用いることが好ましい。このとき、第1ロール11と第3ロール13の両方又は第3ロール13のみを所定温度に加熱しておくことが好ましい。これによって、第1ロール11の歯車の凸部先端に位置するトップシート上層21とトップシート下層22とが熱融着によって接合される。この接合によって凹部24(図4、図7参照)が形成される。一方、歯車の凹部においてはトップシート上層21及びトップシート下層22は挟圧されず、熱融着が起こらない。その結果、2つの凹部24間には接合されていない賦形部が形成され、内部に空洞26を保持する凸部25が形成される。
【0040】
本実施態様においては、トップシート上層21とトップシート下層22とが貼り合わされた複合シートが、第1ロール11及び第4ロール14によって再度この部分P3で加熱挟圧される。このとき第4ロール14は第3ロール13と同様に外周に凹凸を有さない平滑ロールであることが好ましく、所定の温度に加熱されていることが好ましい。このように送り出し部P3で合流部P2に引き続き再度加熱挟圧し両シートの接合加工を行うことで、適切に接着力を高めしっかりと固定された凹部24が形成され、他方内部に空洞26を保持した凸部25の形状安定性が維持される。
【0041】
本実施形態のおむつにおいては、バックシート5と吸収体3との間にフィルムシート4が配され、バックシート側への液体等の防漏性が一層高められている(図2参照)。本実施形態のおむつにおいて、上述したバックシート5、フィルムシート4、吸収体3、弾性部材(図示せず)等には通常この種のおむつに用いられる材料を用いることができ、特に限定されるものではない。例えば、吸収体3としては、パルプや高吸水性ポリマー等を用いることができる。弾性伸縮部材としては各種エラストマー材料を用いることができる。バックシート5やフィルムシート4を構成する部材としては例えば熱可塑性フィルムを用いることができ、例えば透湿性を有する多孔質シートが挙げられる。また、上記の各材を組み立てておむつとする方法も特に限定されず、この種の使い捨ておむつに適用される通常の製造方法によればよい。
【0042】
本発明の吸収性物品についてテープタイプの使い捨ておむつを例に詳しく説明したが、本発明はこれに限らず、パンツタイプのおむつや、ナプキン、尿取りシート、パンティライナー等であってもよい。
【実施例】
【0043】
以下、実施例に基づき本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれにより限定して解釈されるものではない。
【0044】
(実施例1)
図8に示した製造装置を用いて図6に示した6ポイントシールパターンで肌当接面側の第一層及び非肌当接面側の第二層を有する上層と、下層とを接合したトップシートを作製し、このトップシートを吸収体に積層した乳幼児用おむつ(試験体1)を作製した。吸収体は、フラッフパルプと高吸収性ポリマーの混合積繊体をティッシュで包んだものを用いた。フラッフパルプの坪量は215g/m、高吸収性ポリマーの坪量は300g/mであった。このとき、トップシートの非肌当接面(下面)と吸収体の肌当接面(上面)とは接合せず、両者を端部でのみ接合してバックシートに固定した。トップシート上層の第1層の繊維の繊度は2.2dtex、第2層の繊維の繊度を4.4dtexとし、上層と下層を重ねた後に熱風処理することによって両層が一体化したシートとした。トップシート下層の繊維の繊度は2.2dtexとした。得られたトップシート上層の厚さは約70μm、下層の厚さは約50μmであり、凸部の幅wは約4.0mm、凹部の幅wは約1.0mm、凸部の高さhは約1.4mmであった。
【0045】
(実施例2)
上記試験体1に対して、トップシートと吸収体との間にサブレイヤを配置した乳幼児用おむつ(試験体2)を作製した。吸収体は、フラッフパルプと高吸収性ポリマーの混合積繊体をティッシュで包んだものを用いた。フラッフパルプの坪量は215g/m、高吸収性ポリマーの坪量は300g/mであった。このとき、トップシート、サブレイヤ、及び吸収体の積層界面は接合せず、これらの端部でのみ接合してバックシートに固定した。サブレイヤは肌当接面側のサブレイヤ上層とサブレイヤ下層とを上層と下層を重ねた後に熱風処理することによって接合一体化した2層構造のものとした。サブレイヤ上層の繊維の繊度を7.8detxとし、サブレイヤ下層の繊維の繊度を3.3dtexとした。サブレイヤの厚さは約0.85mmであった。
【0046】
(比較例1)
上記試験体1に対して、トップシート上層の第2層を構成する繊維の繊度を2.2dtexとした以外同様にして乳幼児用おむつ(試験体3)を作製し表面材液残り量と表面材液拡散面積を測定した。
試験体3におけるトップシートの上層の厚さ、下層の厚さ、凸部の幅、凹部の幅、凸部の高さは、試験体1とほぼ同じであった。
【0047】
(比較例2)
上記試験体2について、トップシート上層の第2層を構成する繊維の繊度を2.2dtexとした以外同様にして乳幼児用おむつ(試験体4)を作製し表面材液残り量と表面材液拡散面積を測定した。試験体4におけるトップシートの上層の厚さ、下層の厚さ、凸部の幅、凹部の幅、凸部の高さは、試験体1とほぼ同じであった。
(比較例3)
上記試験体4について、サブレイヤ上層の繊維の繊度を3.3detxとし、サブレイヤ下層の繊維の繊度を7.8dtexとした以外同様にして乳幼児用おむつ(試験体5)を作製し表面材液残り量と表面材液拡散面積を測定した。試験体5におけるサブレイヤの厚さは、試験体4とほぼ同じであった。
【0048】
[表面材液残りおよび表面材液拡散面積試験法]
あらかじめ重量を測定したトップシートを上記試験体に使用し、上記試験体をトップシートが上を向くように水平な台に置き、吸収体略中央部に80gの人工尿を5g/secの速度で一度に注入した。注入後10分間静置した後、透明フィルムをトップシート上に載せて、トップシートが濡れている部分の周囲を透明フィルム上から油性ペンにてなぞり、そのなぞった図形の面積を測定して表面材液拡散面積とした。次に上記試験体からトップシートのみを取り出して重量を測定し、上記試験体に積層する前のトップシートの重量との差を算出して、表面材液残り量とした。上記表面液残り量が0.08g以下であり、かつ、表面材液拡散面積が90以下であると、実用上の要求を十分に満足することができる。
【0049】
評価結果を表1にまとめて示す。試験体1(実施例1)は、試験体3(比較例1)に比べて、表面材液残りと表面材液拡散面積が共に小さく抑えられていることが分る。また試験体2(実施例2)は、試験体4、5(比較例2,3)に比べて表面材液拡散面積は同等であるが、表面材液残りが特に小さく抑えられていることが分る。このように本発明の吸収性物品(試験体1,2)では、表面材液残りと表面材液拡散面積の両者ともに低く抑えられている。
【0050】
【表1】

【0051】
上記の結果が示すとおり、本発明の吸収性物品は良好な触感及びクッション感を与え、しかも肌当接面側から非肌当接面側へと液を速やかに引き込み、またトップシートに液を滞らせず吸収体側へとすばやく液を移行させることができ、表面材液残りと表面材液拡散面積を小さく抑えられるので、サラッとした肌触りと清潔さとを維持するという優れた作用効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の吸収性物品における好ましい実施形態としての使い捨ておむつを一部切欠して模式的に示す斜視図である。
【図2】図1に示したおむつの領域IIの周辺を拡大して一部断面により示す斜視図である。
【図3】4ポイントシールパターンを座標化して示したエンボスパターン図である。
【図4】図2に示した領域IVのトップシート及びサブシート部分を拡大して示す断面図である。
【図5】トップシート及びサブシートの別の断面を示す断面図である。
【図6】6ポイントシールパターンを座標化して示したエンボスパターン図である。
【図7】トップシートのさらに別の断面を示す断面図である。
【図8】本実施態様におけるトップシートの成形工程の一部を模式的に示す工程説明図である。
【符号の説明】
【0053】
1 トップシート
2 サブレイヤ
3 吸収体
4 フィルムシート
5 バックシート
10 吸収性物品
21 トップシート上層
22 トップシート下層
24 凹部
25 凸部
26 空洞
27 トップシート上層の第一層
28 トップシート上層の第二層
29 連結部(第2の連結部)
31 サブレイヤ上層
32 サブレイヤ下層
51 エンボス
71 尾根部(第1の連結部)
72 チャンネル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
肌当接面側のトップシートと、非肌当接面側のバックシートと、該両シートの間に配置される吸収体とを有する吸収性物品であって、
前記トップシートは、肌当接面側の上層及び非肌当接面側の下層を有し、かつ、このトップシートの上層及び下層の間に空洞が保持されるように前記上層が肌当接面側に突出する凸部を複数有し、
前記トップシートの上層は肌当接面側の第一層と非肌当接面側の第二層とを有し、該第二層を構成する繊維をその下側の前記トップシート下層を構成する繊維より太くした吸収性物品。
【請求項2】
前記トップシートと前記吸収体との間にサブレイヤが配置された請求項1に記載の吸収性物品。
【請求項3】
前記サブレイヤは、前記トップシート側のサブレイヤ上層と前記吸収体側のサブレイヤ下層とを有し、前記サブレイヤ上層を構成する繊維は前記トップシート下層を構成する繊維より太く、前記サブレイヤ下層を構成する繊維は前記サブレイヤ上層を構成する繊維より細い請求項1又は2に記載の吸収性物品。
【請求項4】
前記トップシート上層の第一層を構成する繊維は前記トップシート上層の第二層を構成する繊維より細い請求項1〜3のいずれか1項に記載の吸収性物品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−172354(P2009−172354A)
【公開日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−106162(P2008−106162)
【出願日】平成20年4月15日(2008.4.15)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】