説明

吸収性物品

【課題】着用者のウエスト部分からの排泄物の漏れを防止するとともに、腰部においてごわつくことがなく好適に使用できるポケット付きの吸収性物品を提供する。
【解決手段】テープ型使い捨ておむつ1は、両側部に沿って一対の立体ギャザー26a,26bが形成されており、立体ギャザー26a,26bは、その自由端部26jに1本以上の弾性部材(立体ギャザー弾性部材36)が配置され、背側には背側部端部に沿って吸収性物品の表面側中央に向かって開口する背側ポケット50が形成されており、背側ポケット50の自由端部50jには1本以上の弾性部材(ポケット弾性部材51)が配置され、立体ギャザー26の自由端部26jの弾性部材と背側ポケット50の自由端部50jの弾性部材は、立体ギャザー26と背側ポケット50の重なり合う領域で少なくとも一方が非伸張状態で配置、又は非配置とされている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸収性物品に関する。さらに詳しくは、吸収体と、吸収体の表面を被覆するように配置されたトップシートと、吸収体の裏面を被覆するように配置されたバックシートとを備えるとともに、腹側部、股下部及び背側部の各部から構成されており、吸収性物品の長手方向に沿って一対の立体ギャザーを有し、少なくとも背側部には背側ポケットを有する吸収性物品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、使い捨ておむつにおいて、脚周り部分やウエスト部分からの排泄物の漏れを防止するためにさまざまなものが提案されてきた。例えば、脚周り部分のからの漏れ防止として吸収性物品の吸収体両側部、すなわち股下部の脚周り部分に沿ってレグギャザーを配置する構造が一般的である。また、ウエスト部分にウエストギャザーを配置して、ウエストギャザーの伸縮性で、着用者へのウエスト周りのフィット性を高めて、排泄物の漏れを防止する構造などが開示されている。しかしながら、レグギャザーやウエストギャザーだけでは、ギャザーの襞の間から排泄物が漏れ出してしまい、漏れ防止効果として十分なものではなかった。そこで、股下部の吸収体両側部に立体的に立ち上がる立体ギャザー、背側部に背側フラップを配置する構造が開示されている。これにより、股下部及び背側部に防漏堤を築き、漏れを防止することができる。しかしながら、背側フラップは自立的に立ち上がることができずに、漏れ防止効果が不十分なものであった。そこで、背側フラップと立体ギャザーを結合し、立体ギャザーの立ち上がりに合わせて、背側フラップも立ち上がる構造とする構造が開示されている。これにより、吸収性物品の排泄部位より一体的な防漏堤が形成されて、漏れ防止効果を高めることもできた。しかしながら、背側フラップは自立的には立ち上がり能がないために、着用者の姿勢によっては、フラップ部分が潰れてしまい、十分な防漏堤として機能しないことがあるなどの問題があった。そこで、背側フラップに弾性部材を配置して伸縮性を持たせ、立体的に立ち上がる背側ポケットの形成する構造が開示された(特許文献1〜4参照)。
【0003】
【特許文献1】特許第2517622号公報
【特許文献2】実用新案登録第2525656号公報
【特許文献3】特許第3493211号公報
【特許文献4】実用新案登録第2602070号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、これら背側ポケットと立体ギャザーの接合において、より隙間ができにくい一体的な構造を形成しようと、両者の重ね合わせ部位を隙間なく接合しようすると、両シートの弾性部材配置位置に形成される襞部分が二重になった上に、接合剤などによりごわつきを増し、着用感が悪化するばかりか、着用者によっては、肌を傷つけるなどの問題があった。
【0005】
本発明の課題は、着用者の脚周り部分及びウエスト部分からの排泄物の漏れ防止機能が高く、腰部においてごわつくことがなく好適に使用できるポケット付きの吸収性物品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、立体ギャザーの自由端部の弾性部材と背側ポケットの自由端部の弾性部材が、立体ギャザーと背側ポケットの重なり合う領域で少なくとも一方が非配置、又は非伸張状態で配置される構成とすることにより、上記課題を解決することができることを見出した。すなわち、本発明によれば、以下の吸収性物品が提供される。
【0007】
[1] 吸収体と、前記吸収体の表面を被覆するように配置され、少なくとも一部が液透過性材料からなるトップシートと、前記吸収体の裏面を被覆するように配置され、液不透過性材料からなるバックシートとを備えるとともに、腹側部、股下部及び背側部の各部から構成されている吸収性物品において、前記吸収性物品の両側部に沿って少なくとも一対の立体ギャザーが形成されており、前記立体ギャザーは、その自由端部に1本以上の弾性部材が配置されており、前記吸収性物品の少なくとも背側には背側部端部に沿って吸収性物品の表面側中央に向かって開口する背側ポケットが形成されており、前記背側ポケットの自由端部には1本以上の弾性部材が配置されており、前記立体ギャザーの前記自由端部の前記弾性部材と前記背側ポケットの前記自由端部の前記弾性部材は、前記立体ギャザーと前記背側ポケットの重なり合う領域で少なくとも一方が非配置、又は非伸張状態で配置された吸収性物品。
【0008】
[2] 前記立体ギャザーと前記背側ポケットの重なり合う領域において、前記立体ギャザーと前記背側ポケットの起立壁部とが相互に接合された相互接合領域が形成された前記[1]に記載の吸収性物品。
【0009】
[3] 前記相互接合領域は、前記立体ギャザーに配置された前記弾性部材の少なくとも一部の配置位置又は配置位置の長手方向延長線上に形成された前記[2]に記載の吸収性物品。
【0010】
[4] 前記立体ギャザーと前記背側ポケットの重なり合う領域において、前記背側ポケットの前記自由端部及び前記立体ギャザーの前記自由端部は、2〜20mmに亘って非接合とされている非接合領域が形成された前記[1]〜[3]のいずれかに記載の吸収性物品。
【発明の効果】
【0011】
立体ギャザー及び背側ポケットの自由端部に弾性部材を配置することで、各々が自立的に立ち上がることができ、着用者の姿勢や動きに関らず、吸収性物品の吸収領域を取り囲むように、効率的な防漏堤を築くことができるため、高い漏れ防止機能を発揮する。また、立体ギャザーの自由端部の弾性部材と背側ポケットの自由端部の弾性部材が、立体ギャザーと背側ポケットの重なり合う領域で少なくとも一方が非配置、又は非伸張状態で配置とされることにより、その重なり合う領域における立体ギャザーと背側ポケットの収縮によるごわごわ感やかぶれを防止し、快適な着用感を得ることができる。
【0012】
さらに、立体ギャザー及び背側ポケットの接合領域が、両シートに配置された弾性部材の延長線上を含むように形成されることで、着用者の動きに応じて各々のシートの弾性部材が伸縮する際、一方のシートの弾性部材の応力が逃げることなく他方のシートの弾性部材に伝わり連動することで、さらに一体的に両シートが働き、高い漏れ防止効果を発揮することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の吸収性物品を実施するための最良の形態について、1ピースタイプのテープ型おむつを例として具体的に説明する。但し、本発明はその発明特定事項を備える吸収性物品を広く包含するものであり、以下の実施形態に限定されるものではない。
【0014】
なお、本明細書において「テープ型おむつ」とは、図1に示すテープ型おむつ1のように、吸収体22と、少なくとも一部が液透過性材料からなるトップシート18と、液不透過性材料からなるバックシート20とを備えるとともに、前身頃2、股下部4及び後身頃6の各部から構成されており、後身頃6の左右の各側縁6a,6bから延出するように配置され、後身頃6を前身頃2に対して固定するための止着テープ10を更に備えた使い捨ておむつを意味するものとする。
【0015】
そして、「1ピースタイプ」とは、トップシート、バックシート、吸収体を備えているが、吸収・保持機能を担う吸収体がトップシートとバックシートの間に介装(内蔵)され、装着機能を担うトップシート及び/又はバックシートと一体的に構成されたタイプのおむつを意味するものとする。
【0016】
また、本明細書において、「前身頃」とは、着用者におむつを装着した際に、着用者の腹側(身体前方)を覆う部分、「股下部」とは、着用者におむつを装着した際に、着用者の股下を覆う部分、「後身頃」とは、着用者におむつを装着した際に、着用者の背側(身体後方)を覆う部分を意味するものとする。
【0017】
[1]本発明のテープ型使い捨ておむつの構成:
本発明の吸収性物品の一実施形態としてのテープ型使い捨ておむつ1は、図1に示すように、吸収体22と、吸収体22の表面を被覆するように配置され、少なくとも一部が液透過性材料からなるトップシート18と、吸収体22の裏面を被覆するように配置され、液不透過性材料からなるバックシート20とを備えるとともに、前身頃2、股下部4及び後身頃6の各部から構成されており、後身頃6の左右の各側縁から延出するように配置され、前身頃2と後身頃6とを固定するための止着テープ10を更に備えたものである。
【0018】
そして、テープ型使い捨ておむつ1の両側部に沿って少なくとも一対の立体ギャザー26a,26bが形成されており、立体ギャザー26a,26bは、その自由端部26jに1本以上の弾性部材(立体ギャザー弾性部材36)が配置されている。また、テープ型使い捨ておむつ1の少なくとも背側には背側部端部に沿って吸収性物品の表面側中央に向かって開口する背側ポケット50が形成されており、背側ポケット50の自由端部50jには1本以上の弾性部材(ポケット弾性部材51)が配置されている。立体ギャザー26の自由端部26jの弾性部材と背側ポケット50の自由端部50jの弾性部材は、立体ギャザー26と背側ポケット50の重なり合う領域で少なくとも一方が非伸張状態で配置(いわゆるスナップバック)、又は非配置とされている。
【0019】
[1−1]背側ポケット:
背側ポケットは、矩形状に形成されて、使い捨ておむつの少なくとも背側に、背側部端部に沿って配置されている。そして、背側部端部及び幅方向の両側部がトップシート側に接合されて、中央側端部が自由端部として表面側中央に向かって開口している。
【0020】
背側ポケットは、着用者の排泄物が漏れ出さないように、プラスチックシート、疎水性の不織布等のポケットシートやこれらの貼合せシートなどから構成されるとよい。また、排泄物の漏れを防止するために、背側ポケットの幅は、立体ギャザーの自由端間よりも広く形成される。
【0021】
図1〜図4を用いて背側ポケットについてさらに説明する。背側ポケット50は、立体ギャザー26上から外貼りとして背側部端部に沿って配置されている。背側ポケット50は、背側部端部及び幅方向の両側部に接合部52が形成されてトップシート18側に接合されて、中央側端部が自由端部50jとして表面側中央に向かって開口している。開口を形成する自由端部50jには、少なくとも1本以上の弾性部材であるポケット弾性部材51が配置されている。ポケット弾性部材51によって、自由端部50j側が起立した起立壁部50wとされている。
【0022】
立体ギャザー26と背側ポケット50の起立壁部50wとが相互に重なり合う領域に、相互に接合された相互接合領域が形成されている。相互接合領域は、立体ギャザー26に配置された弾性部材(立体ギャザー弾性部材36)の配置位置の長手方向延長線上に形成されている。このように構成することにより、着用者の動きに応じて各々のシートの弾性部材が伸縮する際、一方のシートの弾性部材の応力が逃げることなく他方のシートの弾性部材に伝わり連動することで、さらに一体的に両シートが働き、着用者の排泄物を背側ポケット50内に取り込みやすくし、かつ、隙間から排泄物が漏れることを防止することができる。
【0023】
さらに、立体ギャザー26と背側ポケット50の重なり合う領域において、背側ポケット50の自由端部50j及び立体ギャザー26の自由端部26jは、自由端部に沿って2〜20mm幅の非接合領域が形成されている。このように構成することにより、弾性部材を包み込むように折り返されている背側ポケットシート及び立体ギャザーシートにおいて、折り返しにより強張っている部位近傍に相互接合領域を形成しないことで(図3B参照)、自由端部のごわつきを抑えて、着用感が向上する。また、自由端部において、弾性部材の伸縮の妨げることがないため、立体ギャザー26及び背側ポケット50の立ち上がりが良くなり、防漏堤としての機能を高めることができる。
【0024】
背側ポケット50は、図1に示すように、立体ギャザー26上から外貼りとして配置することもできるが、立体ギャザー26の下に内貼りとして配置してもよい(図7参照)。外貼りとして配置する場合は、製造が容易である。内貼りとして配置する場合は、見た目を綺麗にすることができる。
【0025】
立体ギャザー26及び背側ポケット50の自由端部に弾性部材を配置することで、各々が自立的に立ち上がることができ、着用者の姿勢や動きに関らず、吸収性物品の吸収領域を取り囲むように、効率的な防漏堤を築くことができるため、高い漏れ防止機能を発揮する。また、立体ギャザー26と背側ポケット50との相互接合領域を形成することにより、一体的な防漏堤を形成できて、着用者の排泄物を立体ギャザー26及び背側ポケット50内に取り込みやすくし、かつ、隙間から排泄物が漏れることを防止することができる。さらに、立体ギャザー26と背側ポケット50の各々の自由端部に弾性部材を配置し、自由端部外周にほぼ実質的に連続したように弾性部材を配置して、立体的な防漏堤を形成しつつも、ポケット弾性部材51と立体ギャザー弾性部材36の交差位置において、両者が重なり合わないように配置されていることにより、腰部において縦横方向に皺が寄ることなく、ごわついた感じがせず、着用感の良いおむつとすることができる。
【0026】
なお、ポケット弾性部材51と立体ギャザー弾性部材36とが重なり合うように配置しつつも、これらが、その重なり合う領域において少なくとも一方が非伸張状態で配置されているように構成してもよい。ポケット弾性部材51と立体ギャザー弾性部材36等の弾性部材が伸張状態で取り付けられると、弾性部材が収縮しようとするため、この部分において弾性部材が取り付けられた部材、つまり、背側ポケット50や立体ギャザー26が収縮してしまうことになる。背側ポケット50と立体ギャザー26との重なり合う領域において、両者の収縮が起こると、着用者の腰部においてごわついた感じを与えることになり、不快感を生じるだけでなく、着用者によっては、肌を傷付けてしまうこともある。一方、本発明のように構成することにより、背側ポケット50と立体ギャザー26とがこの相互に重なり合う領域において、双方向から波を打つように収縮して着用者にごわついた感じを与えることを防止することができる。つまり、快適な着用感を与えることが可能である。
【0027】
図5に立体ギャザー26a,26bの起立線46a,46b間よりも、幅が狭く形成された背側ポケット50の例を示す。立体ギャザー26に配置された立体ギャザー弾性部材36は、背側ポケット50の自由端部50jよりも背側部端部側に延出して配置されている。ポケット弾性部材51は、立体ギャザー26a,26bの自由端部26j,26j間よりも短い範囲に伸張状態で配置されている。立体ギャザー26の弾性部材36が背側ポケット50に入り込む形となるため、立体ギャザー26の立ち上がりの力で背側ポケット50が立ち上がりやすくなる。また、背側ポットシート50が幅狭に形成されることで、背側において、立体的に堰形成しない部分のシートで余分な厚みを形成することがなく、着用感に優れる。
【0028】
次に、図6に立体ギャザー26a,26bの起立線46a,46b間よりも、幅が狭く形成された背側ポケット50の他の例を示す。立体ギャザー26及び背側ポケット50の弾性部材はそれぞれ2本ずつ配置されている。また、立体ギャザー26に配置された立体ギャザー弾性部材36は、背側ポケット50の自由端部50jよりも中央側にしか伸張状態で配置されておらず、背側ポケット50と重なる領域において非配置もしくは非伸張状態とされている。ポケット弾性部材51は、立体ギャザー26a,26bの自由端部26j,26j間よりも短い範囲に伸張状態で配置されて、ポケット弾性部材51と立体ギャザー弾性部材36とが相互接合領域において、どちらも非配置または非伸張状態とされている。
【0029】
立体ギャザー26と背側ポケット50の弾性部材が、その自由端部においては伸張状態で配置されており、立体ギャザー26と背側ポケット50による一体的な堰は、ほぼ連続的に外周を伸張状態の伸縮弾性部材により取り囲むことをしながら、両シートの重なる領域においては、非伸張状態もしくは非配置とすることで、シートの厚みのある領域で皺を形成することがなく、着用感に優れている。さらに、立体ギャザー26及び背側ポケット50の接合領域が、両シートに配置された弾性部材の少なくとも一部の延長線上を含むように形成されることで、着用者の動きに応じて各々のシートの弾性部材が伸縮する際、一方のシートの弾性部材の応力が逃げることなく他方のシートの弾性部材に伝わり連動することで、さらに一体的に両シートが働き、高い漏れ防止効果を発揮している。
【0030】
さらに図7に、背側ポケット50が立体ギャザー26の下に内貼りとして配置された例を示す。立体ギャザー26に配置された立体ギャザー弾性部材36は、背側ポケット50の自由端部50jよりも中央側にしか伸張状態では配置されておらず、ポケット弾性部材51は、立体ギャザー26a,26bの自由端部26j,26j間よりも短い範囲に伸張状態で配置されて、ポケット弾性部材51と立体ギャザー弾性部材36とが相互接合領域において、どちらも非配置または非伸張状態とされている。背側において、背側ポケット50のシートの端部が露出しないことで、見た目が良いばかりでなく、シートの段差を着用者が感じにくくなり、着用感に優れる。また、製造工程において、センターシート18aと立体ギャザー26を形成するサイドシート18bの取り付け位置となる起立線部位において、背側ポケット50が起立線幅よりも狭いことで、内貼りにしても、起立線部位に掛からないために、起立線の接合が容易になるという利点もある。
【0031】
前述のように、背側ポケット50は、立体ギャザー26の起立線46a,46b間よりも幅を広く形成することもできるし、狭く形成することもできる。また、背側ポケット50は、それを構成するポケットシートを立体ギャザー26の上面側から配置しても良いし、下面側から配置してもよい。背側ポケット50には、ウエスト周り弾性部材42を配置して背側ギャザーを形成してもよい。また、図面では、背側ポケット50が使い捨ておむつの背側と端部を一致させているが、必ずしも一致させる必要はなく、背側にポケットを形成させられる位置のみに配置しても良い。
【0032】
[1−2]吸収体:
吸収体は、着用者の尿を吸収し、保持するための部材である。吸収体は、着用者の尿や体液を吸収し保持する必要から、吸収性材料によって構成される。
【0033】
吸収体を構成する吸収性材料としては、使い捨ておむつ、その他の吸収性物品に通常使用される従来公知の吸収性材料、例えば、フラッフパルプ、高吸水性ポリマー(Super Absorbent Polymer;以下、「SAP」と記す)、親水性シート等を挙げることができる。フラッフパルプとしては木材パルプや非木材パルプを綿状に解繊したものを、SAPとしてはポリアクリル酸ナトリウムを、親水性シートとしてはティシュ、吸収紙、親水化処理を行った不織布を用いることが好ましい。
【0034】
これらの吸収性材料は、通常、単層ないしは複層のマット状として用いられる。この際、前記の吸収性材料のうち1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。中でも、フラッフパルプ100質量部に対して、10〜500質量部程度のSAPを併用したものが好ましい。この際、SAPはフラッフパルプの各マット中に均一に混合されていてもよいし、複層のフラッフパルプの層間に層状に配置されていてもよい。
【0035】
吸収体は、トップシートとバックシートの間の少なくとも一部に介装されることが好ましい。通常、吸収体は、トップシートとバックシートの間に挟み込まれ、その周縁部が封着されることによって、トップシートとバックシートとの間に介装される。従って、吸収体の周縁部にはトップシートとバックシートの間に吸収体が介装されていないフラップ部が形成されることになる。吸収体は、トップシートとバックシートの間の少なくとも一部に介装される。より具体的には、吸収体は少なくとも股下部に介装され、この吸収体が前身頃や後身頃にまで及んでいてもよい。
【0036】
吸収体は、その全体が親水性シートによって包み込まれていることが好ましい。このような構成は、吸収体からSAPが漏洩することを防止し、吸収体に形状安定性を付与することができるという利点がある。
【0037】
吸収体の形状については特に制限はないが、従来の使い捨ておむつ、その他の吸収性物品において使用される形状、例えば、矩形状、砂時計型、ひょうたん型、T字型等を挙げることができる。図1に示すテープ型おむつ1は、吸収体22として、砂時計型の吸収体を用いた例である。
【0038】
なお、吸収体には、その表面側に(例えば、吸収体とトップシートとの間に)、尿や体液等の液体を拡散させるためのシート(セカンドシート)を付帯的に配置してもよい。このセカンドシートを付設すると、着用者の姿勢等に起因して、トップシート裏面側の空間が十分に形成されないような場合でも、尿や体液等の吸収速度が低下し難く、吸収速度の低下による尿や体液等の漏れを防止することが可能となる。
【0039】
セカンドシートを構成する材料としては、親水性で液透過性の材料、例えば、織布、不織布、多孔性プラスチック、フラッフパルプ等を挙げることができる。これらの構成素材としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、レーヨン、パルプ、或いはこれらの複合繊維等を挙げることができる。パルプとしては、カーリーセルロースファイバー等のけん縮繊維を好適に用いることができる。
【0040】
[1−3]トップシート:
トップシートは、吸収体の表面(おむつの装着時において着用者の肌側に位置する面)を被覆するように配置されるシートである。トップシートは、その裏面側に配置された吸収体に、着用者の尿を吸収させる必要から、その少なくとも一部(全部ないし一部)が液透過性材料により構成される。通常、少なくとも吸収体の表面近傍については、着用者の尿や体液を透過させ得る液透過性の材料によって構成される。少なくとも一部が液透過性材料により構成されている限り、必ずしもトップシート全体が液透過性材料で構成されている必要はない。
【0041】
トップシートを構成する液透過性材料としては、例えば、織布、不織布、多孔性フィルム等を挙げることができる。中でも、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ナイロン等の熱可塑性樹脂からなる不織布に親水化処理を施したものを用いることが好ましい。不織布の種類についても特に制限はなく、エアースルー(カード熱風)、カードエンボス、スパンボンド等の各種製法によって製造された従来公知の不織布を好適に用いることができる。
【0042】
トップシートは単一のシート材によって構成されていてもよいが、複数のシート材によって構成されていてもよい。例えば、吸収体の表面側に配置されるトップシートと、サイドフラップの部分に配置されるトップシートとを異なるシートによって構成する形態もよく利用される。図1に示すテープ型おむつ1は、おむつの中央部には液透過性材料からなるトップシート18(センターシート18a)を配置し、おむつのサイドフラップ8部分には液の透過に対して抵抗性を示す通気撥水性材料からなるトップシート18(サイドシート18b)を配置した例である。
【0043】
[1−4]バックシート:
バックシートは、吸収体の裏面(おむつの装着時において着用者の着衣側に位置する面)を被覆するように配置されるシートである。バックシートは、着用者の尿がおむつ外部に漏洩してしまうことを防止する必要から、液不透過性材料によって構成される。その配置方法については特に制限はないが、例えば、図1に示すテープ型おむつ1のように、おむつの外形と一致するように、バックシート20を配置する構成を採用することができる。但し、必ずしもこのような構成を採用する必要はなく、吸収体22で吸収された尿の漏れを防止するという観点から、少なくとも吸収体22の存在する部分に液不透過性材料からなるバックシート20を配置してもよい。
【0044】
バックシートを構成する液不透過性材料としては、例えば、ポリエチレン等の樹脂からなる液不透過性フィルム等を挙げることができ、中でも、微多孔性ポリエチレンフィルムを用いることが好ましい。この微多孔性ポリエチレンフィルムは、0.1〜数μmの微細な孔が多数形成されており、液不透過性ではあるが透湿性を有するため、おむつ内部の蒸れを防止することができるという利点がある。
【0045】
なお、バックシートには、その外表面側にシート材(カバーシート)を貼り合わせてもよい。このカバーシートは、バックシートを補強し、手触り(触感)を良好なものとするために用いられる。
【0046】
カバーシートを構成する材料としては、例えば、織布、不織布等を挙げることができる。中でも、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル等の熱可塑性樹脂からなる乾式不織布、湿式不織布を用いることが好ましい。
【0047】
[1−5]止着テープ:
止着テープは、おむつの後身頃の左右の側縁に少なくとも1つずつ配置された、後身頃と前身頃とを固定するためのテープ状のファスナーである。この止着テープを前身頃に形成された止着領域に止め付けることによって、おむつ全体をパンツ型とすることができ、着用者に対しておむつを装着させることが可能となる。通常、この止着テープは、おむつの後身頃の左右の各側縁から延出するように配置される。
【0048】
止着テープは、そのテープ片に、止着領域(おむつの前身頃に形成される)と固定可能なファスナー部が形成されている。即ち、止着領域に固定され得るファスナーが付設されている。止着領域と固定可能である限り、ファスナーの形態について特に制限はないが、通常は、(1)粘着剤の粘着力により固定を行う粘着ファスナーや、(2)凸部材(フック)と凹部材(ループ)の機械的結合により固定を行うメカニカルファスナー(面状ファスナーとも称される)等を好適に用いることができる。メカニカルファスナーは、例えば、表面に多数の突起(鉤状、きのこ状、錨状等)が形成された凸部材(フック)と、表面にループ状の繊維が配置された凹部材(ループ)とを組み合わせたもの等が用いられることが多い。このファスナーは、ループの表面にフックを重ね合わせ、フックの多数の突起をループの表面に係合させることにより、両部材を剥離可能な状態に、かつ、強固に接合させることができるものである。
【0049】
例えば、図1に示すテープ型おむつ1は、止着テープ10のファスナーとして、メカニカルファスナーを利用した例である。この例では、布製の基材48の先端近傍に、メカニカルファスナーのフック44aからなるファスナー部44が形成されている。一方、前身頃2には、メカニカルファスナーのループ44bからなる止着領域12が形成されており、止着テープ10のフック44aを固定することが可能なように構成されている。このような構成によって、おむつの後身頃6を前身頃2に対して固定することができ、おむつを着用者に装着させることが可能となる。
【0050】
[1−6]立体ギャザー:
立体ギャザーは、着用者の排泄した尿の横漏れを防止するための部材であり、立体的に起立可能なように構成された防漏壁である。このような立体ギャザーを形成することにより、立体ギャザーが防漏堤となり、おむつの脚周り開口部等からの漏れ(いわゆる「横漏れ」)を有効に防止することができる。
【0051】
立体ギャザーの構成は、従来の使い捨ておむつ、その他の吸収性物品に使用される構成を採用することができる。例えば、撥水性のシート材の一部に弾性部材(立体ギャザー弾性部材)を配置し、その立体ギャザー弾性部材によってシート材にギャザー(襞)を形成したもの等を好適に用いることができる。
【0052】
なお、立体ギャザーは、トップシートやバックシートとは全く別個のシート材により形成してもよいが、センターシートやサイドシート等のトップシートを折り返すことにより形成してもよい。例えば、図1に示すテープ型おむつ1は、サイドシート18bを折り返すことにより立体ギャザー26(26a,26b)を形成した例である。但し、立体ギャザーは、セカンドシート等のトップシート以外の部材を折り返すことにより形成してもよい。
【0053】
この立体ギャザーは、股下部からの漏れを防止するため、少なくとも股下部に形成されていればよいが、前身頃や後身頃に形成されていてもよい。例えば、図1に示すテープ型おむつ1は、おむつの長手方向に沿って、股下部4から前身頃2と後身頃6の双方にかけて連続的に、一対の立体ギャザー26(26a,26b)が形成された例を示すものである。また、立体ギャザーは、少なくとも一対形成する必要があるが、二対以上形成してもよい。
【0054】
立体ギャザーは吸収性物品の長手方向端部で、トップシート側に接合固定されている(図3B参照)。立体ギャザーはおむつの内側に向かって傾倒する内倒しギャザーとして形成することができる。また、高さ方向の一部に、曲げ部や折り返し部を形成した立体ギャザー(C折りギャザーやZ折りギャザー等)とすることもできる。例えば、図1に示すテープ型おむつ1は、立体ギャザー26(26a,26b)を内倒しギャザーとした例である。そして、各1本の立体ギャザー弾性部材36(36a,36b)を挟み込むように配置している。
【0055】
[1−7]各種弾性部材:
テープ型おむつにおいては、脚周り弾性部材を配置し、ウエスト周り弾性部材を配置することが好ましい。
【0056】
脚周り弾性部材は、脚周り開口部に沿って配置される弾性部材である。この脚周り弾性部材を配置することによって、脚周り開口部に伸縮性に富むギャザー(レグギャザー)を形成することができる。従って、脚周りに隙間が形成され難くなり、脚周り開口部からの尿漏れを効果的に防止することができる。また、脚周り弾性部材を配置すると、おむつを交換する際に吸収体の両側で脚周り弾性部材が収縮するため、股下部近傍が椀状に変形し、凹部が形成される。このため、尿や体液がその凹部に溜まり、尿や体液をこぼすことなく、容易におむつの交換を行うことができる。
【0057】
例えば、図1に示すテープ型おむつ1は、おむつの長手方向に沿って、直線的に二本の脚周り弾性部材40を配置してレグギャザーを形成した例である。この脚周り弾性部材40は、糸ゴムによって構成されている。但し、脚周り弾性部材は、必ずしも直線的に配置する必要はなく、例えば、おむつの脚周り開口部のカーブに沿って曲線的に配置してもよい。
【0058】
脚周り弾性部材は、例えば、図1に示すテープ型おむつ1のように、立体ギャザー26の起立線46より外側の部分に、脚周り弾性部材40が形成されていることが好ましい。このような構成とすると、立体ギャザーの十分な防漏効果を確保しつつ、股下部の装用感・装着感を向上させることができる。
【0059】
なお、図1に示すテープ型おむつ1は、脚周り弾性部材40の形状、配置位置、配置数等を左右対称とした例を示したが、これらが左右非対称なものも本発明の範囲に含まれる。そして、図1に示すテープ型おむつ1では、脚周り弾性部材40が片側につき二本配置された例を示したが、一本だけ配置されていてもよいし、三本以上配置されていてもよい。また、複数の脚周り弾性部材を用いる場合、その太さや伸張率等も目的に応じて適宜設定すればよく、全て同じものを用いる必要はない。
【0060】
ウエスト周り弾性部材は、ウエスト周り開口部に沿って配置される弾性部材である。ウエスト周り弾性部材を配置することによって、ウエスト開口部に伸縮性に富むギャザー(ウエストギャザー)を形成することができる。このウエストギャザーにより、ウエスト周りに隙間が形成され難くなり、ウエスト周りからの尿漏れを防止することができる他、着用者へのおむつのフィット性が良好となり、おむつのずり下がりが防止される。
【0061】
なお、図1に示すテープ型おむつ1は、おむつの後身頃6の端縁に沿って帯状のウエスト周り弾性部材42を配置した例である。この帯状のウエスト周り弾性部材42は、ウレタンフォーム等の伸縮性フォームによって構成されている。図示の例では、後身頃(背側)のみにウエスト周り弾性部材42を配置しているが、前身頃(腹側)にウエスト周り弾性部材を配置してもよい。
【0062】
これらの弾性部材については、ギャザーの収縮の程度等を勘案した上で、構成材料、その材料の伸長率、固定時の伸長状態等を決定すればよい。
【0063】
弾性部材としては、従来の使い捨ておむつで使用されてきた弾性部材を好適に用いることができる。具体的には、天然ゴムや合成ゴム(ウレタンゴム等)の弾性材からなる糸ゴム、平ゴムの他、伸縮性ネット、伸縮性フィルム、伸縮性フォーム(ウレタンフォーム等)等を挙げることができる。
【0064】
弾性部材は、十分な伸縮力を作用させるため、伸長状態で固定することが好ましい。例えば、弾性部材が天然ゴムや合成ゴムである場合には、120〜400%の伸長状態で固定することが好ましく、200〜300%の伸長状態で固定することがより好ましい。このような範囲の伸長状態で固定することにより、十分な伸縮力を作用させることが可能となる。
【0065】
前記のような弾性部材は、おむつの他の構成部材に対して、接着剤その他の手段により固定される。固定方法としては、例えば、ホットメルト接着剤、その他の流動性の高い接着剤を用いた接着であってもよいし、ヒートシールをはじめとする熱や超音波等による溶着であってもよい。
【0066】
[2]テープ型おむつの製造方法:
以下、本発明のテープ型おむつの製造方法を、図1に示すテープ型おむつ1を製造する場合の例で説明する。まず、バックシート20の材料となる長尺のシート材(バックシート材)の表面に、親水性シートに包まれた吸収体22及び脚周り弾性部材40を載置し、更にその表面にトップシート18の材料となる長尺のシート材(トップシート材)を載置することにより、おむつの中間体となる積層体(おむつ連続体)を得る。この際、トップシート材は、センターシート18aに相当するトップシート材と、サイドシート18bに相当するトップシート材の2種類が使用される。サイドシート18bに相当するシート材には折り返し部分を設けることによって、立体ギャザー26が形成されている。
【0067】
さらに立体ギャザー26の上側(外貼り)、または下側(内貼り)に背側ポケット50を取り付け、立体ギャザー26と背側ポケット50の重なり合う領域に相互接合領域を形成する。尚、背側ポケット50は、トップシート18の材料となる長尺のシート材(トップシート材)を載置する前でも良いが、後でも良い。立体ギャザー26の下側(内貼り)の場合は、載置前である必要がある。一方、立体ギャザー26の上側(外貼り)の場合は、載置の前後、どちらでも良いが、載置後の方がおむつの中間体となる積層体(おむつ連続体)として、シートが安定している、また、連続体の切り離し位置のずれが起きにくいなどの利点がある。
【0068】
前記のようにして得られたおむつ連続体は、おむつの脚周り開口部に相当する部分を円弧状に切り抜いて切除し(Rカット)、脚周り開口部を形成する。最後に、止着テープ10を付設し、おむつ連続体を個々のおむつに切断することにより、テープ型おむつ1を製造する。
【0069】
なお、上記のような方法の他、予めトップシート材に止着テープを付設しておき、バックシート材の表面に、親水性シートに包まれた吸収体及び脚周り弾性部材を載置し、更にその表面に止着テープが付設されたトップシート材を載置することにより、おむつ連続体を得てもよい。また、前記のような一連の工程は、機械的な手段によって連続的に行うことが可能である。例えば、長尺のシート材をローラーから連続的に送出する等の方法・装置を採用することにより、テープ型おむつの連続製造が可能となり、生産性の向上に資する。
【産業上の利用可能性】
【0070】
本発明は、介護を必要とする高齢者や障害者等の成人用のおむつとして、また乳幼児用のおむつとしても好適に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明の吸収性物品としてのテープ型おむつの一実施形態を示す一部切り欠き断面図であり、本発明のテープ型おむつを展開し、トップシート側から見た状態を示す図である。
【図2】本発明の吸収性物品としてのテープ型おむつの背側ポケットの拡大図である。
【図3A】図2のA−A断面図である。
【図3B】図2のB−B断面図である。
【図4】背側ポケットの要部拡大断面図である。
【図5】本発明の吸収性物品としてのテープ型おむつの実施形態2を示す一部切り欠き断面図であり、本発明のテープ型おむつを展開し、トップシート側から見た状態を示す図である。
【図6】本発明の吸収性物品としてのテープ型おむつの実施形態3を示す断面図であり、本発明のテープ型おむつを展開し、トップシート側から見た状態を示す図である。
【図7】本発明の吸収性物品としてのテープ型おむつの実施形態4を示す一部切り欠き断面図であり、本発明のテープ型おむつを展開し、トップシート側から見た状態を示す図である。
【符号の説明】
【0072】
1:テープ型おむつ、2:前身頃、4:股下部、6:後身頃、6a,6b:側縁、8:サイドフラップ、10:止着テープ、18:トップシート、18a:センターシート、18b:サイドシート、20:バックシート、22:吸収体、26,26a,26b:立体ギャザー、26j:(立体ギャザーの)自由端部、36,36a,36b:立体ギャザー弾性部材、40:弾性部材、42:ウエスト周り弾性部材、44:ファスナー、44a:フック材、44b:ループ材、46,46a,46b:起立線、50:背側ポケット、50j:(背側ポケットの)自由端部、50w:起立壁部、51:ポケット弾性部材、52:接合部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸収体と、前記吸収体の表面を被覆するように配置され、少なくとも一部が液透過性材料からなるトップシートと、前記吸収体の裏面を被覆するように配置され、液不透過性材料からなるバックシートとを備えるとともに、
腹側部、股下部及び背側部の各部から構成されている吸収性物品において、
前記吸収性物品の両側部に沿って少なくとも一対の立体ギャザーが形成されており、
前記立体ギャザーは、その自由端部に1本以上の弾性部材が配置されており、
前記吸収性物品の少なくとも背側には背側部端部に沿って吸収性物品の表面側中央に向かって開口する背側ポケットが形成されており、
前記背側ポケットの自由端部には1本以上の弾性部材が配置されており、
前記立体ギャザーの前記自由端部の前記弾性部材と前記背側ポケットの前記自由端部の前記弾性部材は、前記立体ギャザーと前記背側ポケットの重なり合う領域で少なくとも一方が非配置、又は非伸張状態で配置された吸収性物品。
【請求項2】
前記立体ギャザーと前記背側ポケットの重なり合う領域において、前記立体ギャザーと前記背側ポケットの起立壁部とが相互に接合された相互接合領域が形成された請求項1に記載の吸収性物品。
【請求項3】
前記相互接合領域は、前記立体ギャザーに配置された前記弾性部材の少なくとも一部の配置位置又は配置位置の長手方向延長線上に形成された請求項2に記載の吸収性物品。
【請求項4】
前記立体ギャザーと前記背側ポケットの重なり合う領域において、前記背側ポケットの前記自由端部及び前記立体ギャザーの前記自由端部は、2〜20mmに亘って非接合とされている非接合領域が形成された請求項1〜3のいずれか1項に記載の吸収性物品。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−207778(P2009−207778A)
【公開日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−55817(P2008−55817)
【出願日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【出願人】(390036799)王子ネピア株式会社 (387)
【出願人】(000122298)王子製紙株式会社 (2,055)
【Fターム(参考)】