吸収性物品
【課題】着用者が容易に吸収性物品の表面側及び裏面側を識別すること。
【解決手段】本発明に係る吸収性物品1において、股下領域S20内において、前胴回り領域S10Aにおいて設けられている胴回り弾性部材100と後胴回り領域S10Bにおいて設けられている胴回り弾性部材91、92とが接触しないように配置されており、前胴回り領域S10A又は後胴回り領域S10Bにおいて、吸収体本体2が設けられている第1領域Xでは、吸収性物品1の肌非当接面側からのみ視認可能であり、吸収体本体2が設けられていない第2領域Yでは、吸収性物品1の肌非当接面側及び肌当接面側の両方から視認可能である線状の識別部100が設けられている。
【解決手段】本発明に係る吸収性物品1において、股下領域S20内において、前胴回り領域S10Aにおいて設けられている胴回り弾性部材100と後胴回り領域S10Bにおいて設けられている胴回り弾性部材91、92とが接触しないように配置されており、前胴回り領域S10A又は後胴回り領域S10Bにおいて、吸収体本体2が設けられている第1領域Xでは、吸収性物品1の肌非当接面側からのみ視認可能であり、吸収体本体2が設けられていない第2領域Yでは、吸収性物品1の肌非当接面側及び肌当接面側の両方から視認可能である線状の識別部100が設けられている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸収性物品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、前胴回り領域と後胴回り領域と股下領域とを有するシャーシ、及び、股下領域から前胴回り領域及び後胴回り領域に渡って設けられている吸収体本体を有する吸収性物品が知られている。
【0003】
かかる吸収性物品の構成は、ベビー用の吸収性物品及び大人用の吸収性物品の双方に適用されている。
【0004】
このうち、ベビー用の吸収性物品では、外面から視認可能な絵柄が付与されるケースが良く見られる(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特表2003-501209号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、出願人は、上述の吸収性物品について、以下のような問題点を発見した。
【0007】
上述のような構成を有する大人用の吸収性物品では、その外部表面に、キャラクタ図柄等が付与されていないケースが多く、シャーシ及び吸収体本体が同じ色であるケースも見られる。
【0008】
また、大人用の吸収性物品の場合、着用者は、入浴時等に、一旦、吸収性物品を脱いだ後、再度、かかる吸収性物品を着用するというケースも想定される。
【0009】
このため、着用者は、同じ色のシャーシ及び吸収体本体を有する吸収性物品の場合、その表面側及び裏面側を識別することが難しいため、一旦脱いだ吸収性物品を再度着用する際に、かかる吸収性物品を裏返しの状態で着用してしまう可能性があった。
【0010】
また、股下領域S20内において、前胴回り領域S10Aにおいて設けられている脚回りギャザー用弾性部材と後胴回り領域S10Bにおいて設けられている脚回りギャザー用弾性部材とが接触するように配置されている吸収性物品の場合、着用者は、図13(a)に示すように、かかる吸収性物品を正常な状態で着用したケースと、図13(b)に示すように、かかる吸収性物品を裏返しの状態で着用したケースとで、装着感が明らかに異なるため、かかる吸収性物品を裏返しの状態で着用したことに直ぐに気づくことができる。
【0011】
これに対して、股下領域S20内において、前胴回り領域S10Aにおいて設けられている脚回りギャザー用弾性部材と後胴回り領域S10Bにおいて設けられている脚回りギャザー用弾性部材とが接触しないように配置されている吸収性物品の場合、着用者は、かかる吸収性物品を正常な状態で着用したケースと、かかる吸収性物品を裏返しの状態で着用したケースとで、あまり装着感が異ならないため、かかる吸収性物品を裏返しの状態で着用したことに気づくことができない可能性があるという問題点があった。
【0012】
そこで、本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、着用者が容易に表面側及び裏面側を識別することができる吸収性物品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の第1の特徴は、同じ色のシャーシ及び吸収体本体を有する吸収性物品であって、前記シャーシは、前胴回り領域と、後胴回り領域と、該前胴回り領域と該後胴回り領域との間に介在する股下領域とを有し、前記吸収体本体は、前記シャーシよりも前記吸収性物品の肌当接面側で、かつ、前記股下領域から前記前胴回り領域及び前記後胴回り領域に渡って設けられており、前記前胴回り領域及び前記後胴回り領域において、前記吸収性物品の幅方向に沿って複数の胴回り弾性部材が設けられており、前記股下領域内において、前記前胴回り領域において設けられている胴回り弾性部材と前記後胴回り領域において設けられている胴回り弾性部材とが接触しないように配置されており、前記前胴回り領域又は前記後胴回り領域において、前記吸収体本体が設けられている第1領域では、前記吸収性物品の肌非当接面側からのみ視認可能であり、該吸収体本体が設けられていない第2領域では、該吸収性物品の肌非当接面側及び肌当接面側の両方から視認可能である線状の識別部が設けられており、前記識別部は、前記第1領域及び前記第2領域に跨って配置されていることを要旨とする。
【発明の効果】
【0014】
以上説明したように、本発明によれば、着用者が容易に表面側及び裏面側を識別することができる吸収性物品を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る吸収性物品の展開図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る吸収性物品の平面図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る吸収性物品の平面図におけるA-A断面図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る吸収性物品の平面図におけるB-B断面図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る吸収性物品の表面を前面側から見た外観図である。
【図6】本発明の第1の実施形態に係る吸収性物品の表面を後面側から見た外観図である。
【図7】本発明の第1の実施形態に係る吸収性物品の裏面を前面側から見た外観図である。
【図8】本発明の第1の実施形態に係る吸収性物品の裏面を後面側から見た外観図である。
【図9】本発明の第1の実施形態に係る吸収性物品の製造方法を説明するための図である。
【図10】本発明の変更例1に係る吸収性物品の平面図である。
【図11】本発明の変更例2に係る吸収性物品の平面図である。
【図12】本発明の変更例3に係る吸収性物品の展開図である。
【図13】従来の吸収性物品を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(本発明の第1の実施形態)
図1乃至図9を参照して、本発明の第1の実施形態に係る吸収性物品1について説明する。本実施形態に係る吸収性物品1は、パンツ型オムツや吸水下着等である。
【0017】
本実施形態に係る吸収性物品1は、同じ色のシャーシ3及び吸収体本体2を有する。ここで、シャーシ3及び吸収体本体2には、一般的な吸収性物品1の着用者の視覚において同じである判断される色が付与されていればよく、定量的に色を表す値(例えば、輝度等)が厳密に一致する色が付与されている必要はない。
【0018】
例えば、本実施形態に係る吸収性物品1では、シャーシ3及び吸収体本体2には、白基調の色が付与されているものとする。
【0019】
図1乃至図4に示すように、吸収体本体2は、着用者の肌に当接する液透過性のシートである吸収体本体側トップシート10と、吸収体コア20と、液不透過性のシートである吸収体本体側バックシート30とによって構成されている。
【0020】
吸収体本体側トップシート10には、ポリオレフィンやポリエチレンテレフタレート(PET)等の繊維からなる親水性不織布からなり、スパンボンドやエアスルー等の製法によって製造されるものを使うことができる。吸収体本体側バックシート30には、ポリエチレン(PE)等の防水性フィルムからなるものを使用できる。
【0021】
例えば、吸収体本体側トップシート10は、25g/m2のエアスルー不織布であり、吸収体本体側バックシート30は、22g/m2の透湿性ポリエチレンフィルムである。
【0022】
吸収体コア20は、図3及び図4に示すように、例えば、粉砕されたパルプ(例えば、200g/m2)や高吸収性ポリマー(例えば、200g/m2)の混合体20Aを包装シート20Bで包装することによって生成されるものである。
【0023】
包装シート20Bには、ポリオレフィンやポリエチレンテレフタレート等の繊維からなる親水性不織布からなり、スパンボンドやエアスルー等の製法によって製造されるものを使用できる。例えば、包装シート20Bは、13g/m2のSMS不織布である。
【0024】
吸収体本体側トップシート10と吸収体本体側バックシート30と包装シート20Bとの間は、それぞれ、ホットメルト接着剤(例えば、スパイラルHMA)によって接合されている。
【0025】
例えば、ホットメルト接着剤の目付は、1.5〜10g/m2である。また、ホットメルト接着剤の接合方法としては、スパイラルの他に、スロットコートやコントロールシームやビードやカーテンコーター等が用いられてもよい。
【0026】
なお、吸収体コア20は、2.0mm程度の厚さの薄型吸収体であり、その表面には凹凸が少ない。
【0027】
図1乃至図4に示すように、吸収体本体2の長手方向Lの両側部には、防漏壁Gが設けられている。すなわち、防漏壁Gは、吸収体本体側バックシート30の幅方向Wの両側部に接合されている。
【0028】
かかる防漏壁Gは、糸状の防漏壁用弾性部材41と、防水フィルム42と、疎水性不織布43とによって構成されている。
【0029】
図4に示すように、防漏壁30の起立支点側(すなわち、幅方向Wの内側)では、防水フィルム42の端部の位置及び疎水性不織布43の端部の位置は、ほぼ一致しており、防漏壁Gの自由端(すなわち、幅方向Wの外側の端部)では、疎水性不織布43が、防漏壁用弾性部材41を挟み込むように折り返されている。また、防水フィルム42は、防漏壁Gの自由端までは到達していない。
【0030】
疎水性不織布43には、ポリオレフィンやポリエチレンテレフタレート等の繊維からなる疎水性不織布からなり、スパンボンド等の製法によって製造されるものを使用できる。例えば、疎水性不織布43は、15g/m2の疎水性SMS不織布である。
【0031】
また、防水フィルム42には、ポリエチレンやポリエチレンテレフタレート等からなるフィルムを使用でき、例えば、18g/m2の透湿性ポリエチレンフィルムを使用できる。
【0032】
防漏壁用弾性部材41は、天然ゴムや合成ゴムやスパンデックス等によって構成されていてもよい、例えば、防漏壁用弾性部材41は、左右2本ずつの620texのスパンデックス糸であり、2.2倍の伸張倍率で伸張された状態で、疎水性不織布43にスリットノズル方式で塗工されたホットメルト接着剤によって固定されている。
【0033】
また、図1乃至図4に示すように、シャーシ3は、センターシート50と、前胴回りシート60と、後胴回りシート70とによって構成されている。
【0034】
その結果、図2(a)及び図2(b)に示すように、シャーシ3は、前胴回りシート60に対応する前胴回り領域S10Aと、後胴回りシート70に対応する後胴回り領域S10Bと、前胴回り領域S10Aと後胴回り領域S10Bとの間に介在する股下領域S20とを有する。
【0035】
ここで、吸収体本体2は、図1乃至図4に示すように、シャーシ3の吸収性物品1の肌当接面側に、股下領域S20から前胴回り領域S10A及び後胴回り領域S10Bに渡って設けられている。
【0036】
なお、図2(a)及び図2(b)に示すように、前胴回り領域S10A及び後胴回り領域S10Bでは、吸収体本体2は、幅方向Wの中央領域に設けられている。
【0037】
センターシート50は、前胴回りシート60及び後胴回りシート70の肌当接面側に配置されており、例えば、ポリプロピレン(PP)からなる15g/m2のSMS不織布によって構成されている。
【0038】
また、前胴回りシート60は、前胴回りトップシート61と、前胴回りバックシート62とによって構成されている。
【0039】
ここで、前胴回りトップシート61と前胴回りバックシート62との間には、腰回りギャザー用弾性部材90W1や前胴回りギャザー用弾性部材90Fや脚回りギャザー用弾性部材100が伸張された状態で保持されている。
【0040】
また、前胴回りバックシート62は、図3に示すように、長手方向Lの端部において、長手方向Lの内側に向けて折り返されており、かかる折り返し部分における前胴回りバックシート62の間に、腰回りギャザー用弾性部材90W1が伸張された状態で保持されている。
【0041】
同様に、後胴回りシート70は、後胴回りトップシート71と、後胴回りバックシート72とによって構成されている。
【0042】
ここで、後胴回りトップシート71と後胴回りバックシート72との間には、腰回りギャザー用弾性部材90W2や後胴回りギャザー用弾性部材91や脚回りギャザー用弾性部材92が伸張された状態で保持されている。
【0043】
また、後胴回りバックシート72は、図3に示すように、長手方向Lの端部において、長手方向Lの内側に向けて折り返されており、かかる折り返し部分における後胴回りバックシート72の間に、腰回りギャザー用弾性部材90W2が伸張された状態で保持されている。
【0044】
前胴回りシート60及び後胴回りシート70には、ポリオレフィンやポリエチレンテレフタレート等の疎水性不織布からなり、スパンボンドやエアスルー等の製法によって製造されるものを使用できる。
【0045】
また、前胴回りトップシート61の目付、前胴回りバックシート62の目付、後胴回りトップシート71の目付及び後胴回りバックシート72の目付は、それぞれ13〜30g/m2が望ましい。
【0046】
例えば、前胴回りトップシート61及び後胴回りトップシート71は、ポリプロピレンからなる15g/m2のSMS不織布であり、前胴回りバックシート62及び後胴回りバックシート72は、ポリプロピレンからなる17g/m2のスパンボンド不織布である。
【0047】
また、腰回りギャザー用弾性部材90W1、90W2や前胴回りギャザー用弾性部材90Fや後胴回りギャザー用弾性部材91には、天然ゴムや合成ゴムやスパンデックス等を使用でき、その伸張倍率は、1.3〜4.0倍が望ましい(スパンデックスの場合、その太さは、300〜1300dtexが望ましい)。
【0048】
例えば、腰回りギャザー用弾性部材90W1、90W2の伸張倍率は、3.0倍(スパンデックスの場合の太さは、940dtex)であり、前胴回りギャザー用弾性部材90F及び後胴回りギャザー用弾性部材91の伸張倍率は、2.5倍(スパンデックスの場合の太さは、780dtex)である。
【0049】
例えば、腰回りギャザー用弾性部材90W1、90W2の本数は、それぞれ5本であり、前胴回りギャザー用弾性部材90Fの本数は、8本であり、後胴回りギャザー用弾性部材91の本数は、11本である。
【0050】
また、脚回りギャザー用弾性部材92は、後胴回りトップシート71及び後胴回りバックシート72において、幅方向Wの一方の端部から他方の端部に向けて、長手方向Lの内側の端部(脚回り開口部を形成する領域)に沿って屈曲しながら到達するように配置されている。例えば、脚回りギャザー用弾性部材92の伸張倍率は、1.8倍(スパンデックスの場合の太さは、780dtex)である。
【0051】
また、脚回りギャザー用弾性部材100は、前胴回りトップシート61及び前胴回りバックシート62において、幅方向Wの一方の端部と他方の端部との間で、直線状に配置される。例えば、脚回りギャザー用弾性部材100の伸張倍率は、2.0倍(スパンデックスの場合の太さは、780dtex)であり、脚回りギャザー用弾性部材100の本数は、4本である。
【0052】
なお、図1乃至図4に示すように、上述したセンターシート50や前胴回りシート60や後胴回りシート70を構成するそれぞれの部材は、ヒートシールやソニックシールやホットメルト接着剤等によって接合されるように構成されている。
【0053】
また、前胴回りトップシート61及び前胴回りバックシート62は、前胴回りギャザー用弾性部材90Fや脚回りギャザー用弾性部材100に直接塗工されたホットメルト接着剤によって接合され、後胴回りトップシート71及び後胴回りバックシート72は、後胴回りギャザー用弾性部材91に直接塗工されたホットメルト接着剤によって接合される。
【0054】
すなわち、本実施形態に係る吸収性物品1では、前胴回りトップシート61及び前胴回りバックシート62には、ホットメルト接着剤は塗工されていない。かかる構成によれば、前胴回りトップシート61及び前胴回りバックシート62の柔らかさを向上することができる。
【0055】
また、後胴回りギャザー用弾性部材91が接合される領域の後胴回りトップシート71及び後胴回りバックシート72には、ホットメルト接着剤は塗工されていない。かかる構成によれば、かかる領域の後胴回りトップシート71及び後胴回りバックシート72の柔らかさを向上することができる。
【0056】
一方、脚回りギャザー用弾性部材92が接合される領域の後胴回りバックシート72には、脚回りギャザー用弾性部材92のパターンに沿って、スパイラルによってホットメルト接着剤が塗工されていてもよい。
【0057】
なお、上述の弾性部材の間隔が、例えば、10mm以上空いている箇所については、部分的に、スパイラルやコントロールシーム等の塗工方法によってホットメルト接着剤が塗工されていてもよい。
【0058】
かかるホットメルト接着剤としては、スチレン・イソプレン・スチレン(SIS)やスチレン・ブタジエン・スチレン(SBS)やスチレン・エチレン・ブチレン・スチレン(SEBS)等からなるゴム系のものや、オレフィン系のもの等が用いられる。
【0059】
上述のように、本実施形態に係る吸収性物品1では、前胴回り領域S10A及び後胴回り領域S10Bにおいて、吸収性物品1の幅方向Wに沿って複数の胴回り弾性部材が設けられている。
【0060】
具体的には、前胴回り領域S10Aには、吸収性物品1の幅方向Wに沿って、複数の腰回りギャザー用弾性部材90W1や、複数の前胴回りギャザー用弾性部材90Fや、複数の脚回りギャザー用弾性部材100が設けられている。
【0061】
また、後胴回り領域S10Bには、吸収性物品1の幅方向Wに沿って、複数の腰回りギャザー用弾性部材90W2や、複数の後胴回りギャザー用弾性部材91や、複数の脚回りギャザー用弾性部材92が設けられている。
【0062】
ここで、本実施形態に係る吸収性物品1では、股下領域S20内において、前胴回り領域S10Aにおいて設けられている胴回り弾性部材(例えば、前胴回りギャザー用弾性部材90Fや脚回りギャザー用弾性部材100)と後胴回り領域S10Bにおいて設けられている胴回り弾性部材(例えば、後胴回りギャザー用弾性部材91や脚回りギャザー用弾性部材92)とが接触しないように配置されている。
【0063】
また、本実施形態に係る吸収性物品1では、図2(a)及び図2(b)に示すように、前胴回り領域S10A又は後胴回り領域S10Bにおいて、吸収体本体2が設けられている第1領域Xでは、吸収性物品1の肌非当接面側からのみ視認可能であり、吸収体本体2が設けられていない第2領域Yでは、吸収性物品1の肌非当接面側及び肌当接面側の両方から視認可能である線状の識別部が設けられている。
【0064】
例えば、かかる識別部は、複数の胴回り弾性部材のうち、吸収体本体2よりも吸収性物品1の肌非当接面側において第1領域X及び第2領域Yに渡って設けられている胴回り弾性部材によって構成されている。
【0065】
本実施形態に係る吸収性物品1では、腰回りギャザー用弾性部材90W1、90W2、前胴回りギャザー用弾性部材90F、後胴回りギャザー用弾性部材91及び脚回りギャザー用弾性部材92には、白基調の色が付与されているのに対して、脚回りギャザー用弾性部材100には、青基調の色が付与されている。
【0066】
すなわち、本実施形態に係る吸収性物品1では、脚回りギャザー用弾性部材100が、上述の識別部を構成する。
【0067】
また、かかる識別部を構成する胴回り弾性部材の間隔(挿入ピッチ)は、かかる識別部を構成しない胴回り弾性部材の間隔(挿入ピッチ)よりも狭くなるように配置されていてもよい。
【0068】
この点、本実施形態に係る吸収性物品1では、かかる識別部を構成する脚回りギャザー用弾性部材100の挿入ピッチD100は、5mmであるのに対して、かかる識別部を構成しない前胴回りギャザー用弾性部材90Fの挿入ピッチD1は、15mmである。
【0069】
また、かかる構成のように、脚回りギャザー用弾性部材100の間隔(挿入ピッチ)を、前胴回りギャザー用弾性部材90Fの間隔(挿入ピッチ)よりも狭くすることによって、前胴回りギャザー用弾性部材90Fと比べて、脚回りギャザー用弾性部材100を目立たせることができる。
【0070】
かかる識別部を構成する胴回り弾性部材は、かかる識別部を構成しない胴回り弾性部材よりも太くなるように構成されていてもよい。
【0071】
かかる構成にように、脚回りギャザー用弾性部材100を、前胴回りギャザー用弾性部材90Fよりも太くすることによって、前胴回りギャザー用弾性部材90Fと比べて、脚回りギャザー用弾性部材100を目立たせることができる。
【0072】
図5は、本実施形態に係る吸収性物品1の表面を前面側から見た外観を示し、図6は、本実施形態に係る吸収性物品1の表面を後面側から見た外観を示し、図7は、本実施形態に係る吸収性物品1の裏面を前面側から見た外観を示し、図8は、本実施形態に係る吸収性物品1の裏面を後面側から見た外観を示す。
【0073】
図5に示すように、吸収性物品1が、裏返しになっていない正常な状態では、着用者は、第1領域X及び第2領域Yの両方において、シャーシ3と異なる色が付与されている脚回りギャザー用弾性部材100を視認することができる。
【0074】
一方、図7に示すように、吸収性物品1が、裏返しになっている状態では、着用者は、脚回りギャザー用弾性部材100の一部を視認することができない、すなわち、第1領域Xにおいて、脚回りギャザー用弾性部材100を視認することができない。
【0075】
したがって、着用者は、第1領域Xにおける脚回りギャザー用弾性部材100を視認することによって、吸収性物品1が裏返しの状態になっているか否かについて容易に識別することができる。
【0076】
また、図5及び図6に示すように、着用者は、吸収性物品1の表面を前面側から、シャーシ3と異なる色が付与されている脚回りギャザー用弾性部材100を視認することができるが、吸収性物品1の表面を後面側からは、脚回りギャザー用弾性部材100を視認することができない。
【0077】
したがって、着用者は、脚回りギャザー用弾性部材100を視認することによって、吸収性物品1の前面側及び後面側を容易に識別することができる。
【0078】
以下、図9を参照して、本実施形態に係る吸収性物品1の製造方法の一部について説明する。なお、図9に記載されていない方法については、既存の方法を用いることができる。
【0079】
図9に示すように、ステップS101において、シャーシ3を生成する。ここで、挿入する脚回りギャザー用弾性部材100として、シャーシ3及び吸収体本体2とは異なる色が付与されている脚回りギャザー用弾性部材100を用いる。
【0080】
ステップS102において、センターシート50と前胴回りシート60と後胴回りシート70とを一度に所定形状にカットすることによって脚回り開口を形成する。
【0081】
ステップS103において、ステップS102で形成された脚回り開口の間に、吸収体本体2を配置する。
【0082】
ステップS104において、前胴回りシート60を後胴回りシート70に向けて折り畳んだ後、前胴回りシート60と後胴回りシート70とを接合する。
【0083】
ステップS105において、前胴回りシート60と後胴回りシート70との接合領域をカットすることによって、吸収性物品1を生成する。
【0084】
本実施形態に係る吸収性物品1によれば、脚回りギャザー用弾性部材100に、シャーシ3(前胴回りギャザー用弾性部材90Fを含む)及び吸収体本体2に付与されている色(例えば、白基調の色)とは異なる色(例えば、青基調の色)を付与することによって、脚回りギャザー用弾性部材100を目立たせることができ、着用者は、第1領域Xにおいて脚回りギャザー用弾性部材100を視認することができる場合、裏返しになっていない正常な状態の吸収性物品1の正面を見ていることに気づくことができる。
【0085】
ここで、本実施形態に係る吸収性物品1によれば、吸収性物品1として機能するために必要な脚回りギャザー用弾性部材100を識別部として用いるように構成されているため、吸収性物品1として機能するために必要でない部材を用いることなく、低コストで吸収性物品1を製造することができる。
【0086】
(変更例1)
図10(a)及び図10(b)を参照して、本発明の変更例1に係る吸収性物品1について説明する。以下、本変更例1に係る吸収性物品1について、上述の第1の実施形態に係る吸収性物品1との相違点に着目して説明する。
【0087】
図10(a)及び図10(b)に示すように、上述の識別部は、前胴回り領域S10Aに設けられている脚回りギャザー用弾性部材100A2の代わりに、後胴回り領域S10Bに設けられている後胴回りギャザー用弾性部材100A1によって構成されている。
【0088】
本変更例1に係る吸収性物品1では、識別部を構成する後胴回りギャザー用弾性部材100A1に、シャーシ3(後胴回りギャザー用弾性部材91を含む)及び吸収体本体2に付与されている色(例えば、白基調の色)とは異なる色(例えば、青基調の色)が付与されている。
【0089】
すなわち、本変更例1に係る吸収性物品1では、胴回り領域S10Bに、異なる色の後胴回りギャザー用弾性部材91及び後胴回りギャザー用弾性部材100A1が設けられている。
【0090】
また、本変更例1に係る吸収性物品1では、後胴回りギャザー用弾性部材100A1の間隔(挿入ピッチ)を、後胴回りギャザー用弾性部材91の間隔(挿入ピッチ)よりも狭くなるように配置されている。
【0091】
また、本変更例1に係る吸収性物品1では、後胴回りギャザー用弾性部材100A1は、後胴回りギャザー用弾性部材91よりも太くなるように構成されている。
【0092】
なお、本変更例1に係る吸収性物品1において、上述の識別部は、後胴回り領域S10Bに設けられている後胴回りギャザー用弾性部材100A1の代わりに、脚回り開口形成する領域に沿って配置されている脚回りギャザー用弾性部材92によって構成されていてもよい。
【0093】
(変更例2)
図11(a)及び図11(b)を参照して、本発明の変更例2に係る吸収性物品1について説明する。以下、本変更例2に係る吸収性物品1について、上述の第1の実施形態に係る吸収性物品1との相違点に着目して説明する。
【0094】
上述の第1の実施形態及び変更例1に係る吸収性物品1では、上述の識別部は、前胴回り領域S10A及び後胴回り領域S10Bのどちらか一方にのみ設けられているのに対して、本変更例2に係る吸収性物品1では、図11(a)及び図11(b)に示すように、かかる識別部は、前胴回り領域S10A及び後胴回り領域S0Bの両方に設けられている。
【0095】
(変更例3)
なお、上述の識別部は、前胴回りシート60や後胴回りシート70に対してカラー印刷されたものであってもよい。
【0096】
また、シャーシ3及び吸収体本体2の構成は、上述の第1の実施形態に係る吸収性物品1の構成と異なる構成であってもよい。
【0097】
例えば、図12に示すように、吸収体コア20の吸収性物品1の肌非当接面側に設けられるべき防漏フィルムとして、第1の実施形態に係る吸収性物品1において吸収体本体2内に設けられていた吸収体本体側バックシート30の代わりに、シャーシ3側に、防漏フィルム31A〜31Cが設けられていてもよい。
【0098】
なお、図12の例では、前胴回りシート60は、シート60Aとシート60Bとによって構成されており、後胴回りシート70は、シート70Aとシート70Bとによって構成されている。
【0099】
かかる構成の吸収性物品1では、吸収体本体2は、吸収体コア20と、吸収体本体側トップシート10とによって構成されている。
【0100】
また、シャーシ3と吸収体本体2とが一体化されていてもよい。かかる構成の吸収性物品1では、吸収体本体2は、吸収体コア20によって構成される。すなわち、吸収体本体1には、吸収体本体側トップシート10及び吸収体本体側バックシート30が含まれない。
【0101】
以上、上述の実施形態を用いて本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。従って、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。従って、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【符号の説明】
【0102】
1…吸収性物品
S10A…前胴回り領域
S10B…後胴回り領域
S20…股下領域
X…第1領域
Y…第2領域
2…吸収体本体
3…シャーシ
90W1、90W2…腰回りギャザー用弾性部材
90F…前胴回りギャザー用弾性部材
91…後胴回りギャザー用弾性部材
92、100、100A2、100B2…脚回りギャザー用弾性部材
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸収性物品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、前胴回り領域と後胴回り領域と股下領域とを有するシャーシ、及び、股下領域から前胴回り領域及び後胴回り領域に渡って設けられている吸収体本体を有する吸収性物品が知られている。
【0003】
かかる吸収性物品の構成は、ベビー用の吸収性物品及び大人用の吸収性物品の双方に適用されている。
【0004】
このうち、ベビー用の吸収性物品では、外面から視認可能な絵柄が付与されるケースが良く見られる(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特表2003-501209号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、出願人は、上述の吸収性物品について、以下のような問題点を発見した。
【0007】
上述のような構成を有する大人用の吸収性物品では、その外部表面に、キャラクタ図柄等が付与されていないケースが多く、シャーシ及び吸収体本体が同じ色であるケースも見られる。
【0008】
また、大人用の吸収性物品の場合、着用者は、入浴時等に、一旦、吸収性物品を脱いだ後、再度、かかる吸収性物品を着用するというケースも想定される。
【0009】
このため、着用者は、同じ色のシャーシ及び吸収体本体を有する吸収性物品の場合、その表面側及び裏面側を識別することが難しいため、一旦脱いだ吸収性物品を再度着用する際に、かかる吸収性物品を裏返しの状態で着用してしまう可能性があった。
【0010】
また、股下領域S20内において、前胴回り領域S10Aにおいて設けられている脚回りギャザー用弾性部材と後胴回り領域S10Bにおいて設けられている脚回りギャザー用弾性部材とが接触するように配置されている吸収性物品の場合、着用者は、図13(a)に示すように、かかる吸収性物品を正常な状態で着用したケースと、図13(b)に示すように、かかる吸収性物品を裏返しの状態で着用したケースとで、装着感が明らかに異なるため、かかる吸収性物品を裏返しの状態で着用したことに直ぐに気づくことができる。
【0011】
これに対して、股下領域S20内において、前胴回り領域S10Aにおいて設けられている脚回りギャザー用弾性部材と後胴回り領域S10Bにおいて設けられている脚回りギャザー用弾性部材とが接触しないように配置されている吸収性物品の場合、着用者は、かかる吸収性物品を正常な状態で着用したケースと、かかる吸収性物品を裏返しの状態で着用したケースとで、あまり装着感が異ならないため、かかる吸収性物品を裏返しの状態で着用したことに気づくことができない可能性があるという問題点があった。
【0012】
そこで、本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、着用者が容易に表面側及び裏面側を識別することができる吸収性物品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の第1の特徴は、同じ色のシャーシ及び吸収体本体を有する吸収性物品であって、前記シャーシは、前胴回り領域と、後胴回り領域と、該前胴回り領域と該後胴回り領域との間に介在する股下領域とを有し、前記吸収体本体は、前記シャーシよりも前記吸収性物品の肌当接面側で、かつ、前記股下領域から前記前胴回り領域及び前記後胴回り領域に渡って設けられており、前記前胴回り領域及び前記後胴回り領域において、前記吸収性物品の幅方向に沿って複数の胴回り弾性部材が設けられており、前記股下領域内において、前記前胴回り領域において設けられている胴回り弾性部材と前記後胴回り領域において設けられている胴回り弾性部材とが接触しないように配置されており、前記前胴回り領域又は前記後胴回り領域において、前記吸収体本体が設けられている第1領域では、前記吸収性物品の肌非当接面側からのみ視認可能であり、該吸収体本体が設けられていない第2領域では、該吸収性物品の肌非当接面側及び肌当接面側の両方から視認可能である線状の識別部が設けられており、前記識別部は、前記第1領域及び前記第2領域に跨って配置されていることを要旨とする。
【発明の効果】
【0014】
以上説明したように、本発明によれば、着用者が容易に表面側及び裏面側を識別することができる吸収性物品を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る吸収性物品の展開図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る吸収性物品の平面図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る吸収性物品の平面図におけるA-A断面図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る吸収性物品の平面図におけるB-B断面図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る吸収性物品の表面を前面側から見た外観図である。
【図6】本発明の第1の実施形態に係る吸収性物品の表面を後面側から見た外観図である。
【図7】本発明の第1の実施形態に係る吸収性物品の裏面を前面側から見た外観図である。
【図8】本発明の第1の実施形態に係る吸収性物品の裏面を後面側から見た外観図である。
【図9】本発明の第1の実施形態に係る吸収性物品の製造方法を説明するための図である。
【図10】本発明の変更例1に係る吸収性物品の平面図である。
【図11】本発明の変更例2に係る吸収性物品の平面図である。
【図12】本発明の変更例3に係る吸収性物品の展開図である。
【図13】従来の吸収性物品を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(本発明の第1の実施形態)
図1乃至図9を参照して、本発明の第1の実施形態に係る吸収性物品1について説明する。本実施形態に係る吸収性物品1は、パンツ型オムツや吸水下着等である。
【0017】
本実施形態に係る吸収性物品1は、同じ色のシャーシ3及び吸収体本体2を有する。ここで、シャーシ3及び吸収体本体2には、一般的な吸収性物品1の着用者の視覚において同じである判断される色が付与されていればよく、定量的に色を表す値(例えば、輝度等)が厳密に一致する色が付与されている必要はない。
【0018】
例えば、本実施形態に係る吸収性物品1では、シャーシ3及び吸収体本体2には、白基調の色が付与されているものとする。
【0019】
図1乃至図4に示すように、吸収体本体2は、着用者の肌に当接する液透過性のシートである吸収体本体側トップシート10と、吸収体コア20と、液不透過性のシートである吸収体本体側バックシート30とによって構成されている。
【0020】
吸収体本体側トップシート10には、ポリオレフィンやポリエチレンテレフタレート(PET)等の繊維からなる親水性不織布からなり、スパンボンドやエアスルー等の製法によって製造されるものを使うことができる。吸収体本体側バックシート30には、ポリエチレン(PE)等の防水性フィルムからなるものを使用できる。
【0021】
例えば、吸収体本体側トップシート10は、25g/m2のエアスルー不織布であり、吸収体本体側バックシート30は、22g/m2の透湿性ポリエチレンフィルムである。
【0022】
吸収体コア20は、図3及び図4に示すように、例えば、粉砕されたパルプ(例えば、200g/m2)や高吸収性ポリマー(例えば、200g/m2)の混合体20Aを包装シート20Bで包装することによって生成されるものである。
【0023】
包装シート20Bには、ポリオレフィンやポリエチレンテレフタレート等の繊維からなる親水性不織布からなり、スパンボンドやエアスルー等の製法によって製造されるものを使用できる。例えば、包装シート20Bは、13g/m2のSMS不織布である。
【0024】
吸収体本体側トップシート10と吸収体本体側バックシート30と包装シート20Bとの間は、それぞれ、ホットメルト接着剤(例えば、スパイラルHMA)によって接合されている。
【0025】
例えば、ホットメルト接着剤の目付は、1.5〜10g/m2である。また、ホットメルト接着剤の接合方法としては、スパイラルの他に、スロットコートやコントロールシームやビードやカーテンコーター等が用いられてもよい。
【0026】
なお、吸収体コア20は、2.0mm程度の厚さの薄型吸収体であり、その表面には凹凸が少ない。
【0027】
図1乃至図4に示すように、吸収体本体2の長手方向Lの両側部には、防漏壁Gが設けられている。すなわち、防漏壁Gは、吸収体本体側バックシート30の幅方向Wの両側部に接合されている。
【0028】
かかる防漏壁Gは、糸状の防漏壁用弾性部材41と、防水フィルム42と、疎水性不織布43とによって構成されている。
【0029】
図4に示すように、防漏壁30の起立支点側(すなわち、幅方向Wの内側)では、防水フィルム42の端部の位置及び疎水性不織布43の端部の位置は、ほぼ一致しており、防漏壁Gの自由端(すなわち、幅方向Wの外側の端部)では、疎水性不織布43が、防漏壁用弾性部材41を挟み込むように折り返されている。また、防水フィルム42は、防漏壁Gの自由端までは到達していない。
【0030】
疎水性不織布43には、ポリオレフィンやポリエチレンテレフタレート等の繊維からなる疎水性不織布からなり、スパンボンド等の製法によって製造されるものを使用できる。例えば、疎水性不織布43は、15g/m2の疎水性SMS不織布である。
【0031】
また、防水フィルム42には、ポリエチレンやポリエチレンテレフタレート等からなるフィルムを使用でき、例えば、18g/m2の透湿性ポリエチレンフィルムを使用できる。
【0032】
防漏壁用弾性部材41は、天然ゴムや合成ゴムやスパンデックス等によって構成されていてもよい、例えば、防漏壁用弾性部材41は、左右2本ずつの620texのスパンデックス糸であり、2.2倍の伸張倍率で伸張された状態で、疎水性不織布43にスリットノズル方式で塗工されたホットメルト接着剤によって固定されている。
【0033】
また、図1乃至図4に示すように、シャーシ3は、センターシート50と、前胴回りシート60と、後胴回りシート70とによって構成されている。
【0034】
その結果、図2(a)及び図2(b)に示すように、シャーシ3は、前胴回りシート60に対応する前胴回り領域S10Aと、後胴回りシート70に対応する後胴回り領域S10Bと、前胴回り領域S10Aと後胴回り領域S10Bとの間に介在する股下領域S20とを有する。
【0035】
ここで、吸収体本体2は、図1乃至図4に示すように、シャーシ3の吸収性物品1の肌当接面側に、股下領域S20から前胴回り領域S10A及び後胴回り領域S10Bに渡って設けられている。
【0036】
なお、図2(a)及び図2(b)に示すように、前胴回り領域S10A及び後胴回り領域S10Bでは、吸収体本体2は、幅方向Wの中央領域に設けられている。
【0037】
センターシート50は、前胴回りシート60及び後胴回りシート70の肌当接面側に配置されており、例えば、ポリプロピレン(PP)からなる15g/m2のSMS不織布によって構成されている。
【0038】
また、前胴回りシート60は、前胴回りトップシート61と、前胴回りバックシート62とによって構成されている。
【0039】
ここで、前胴回りトップシート61と前胴回りバックシート62との間には、腰回りギャザー用弾性部材90W1や前胴回りギャザー用弾性部材90Fや脚回りギャザー用弾性部材100が伸張された状態で保持されている。
【0040】
また、前胴回りバックシート62は、図3に示すように、長手方向Lの端部において、長手方向Lの内側に向けて折り返されており、かかる折り返し部分における前胴回りバックシート62の間に、腰回りギャザー用弾性部材90W1が伸張された状態で保持されている。
【0041】
同様に、後胴回りシート70は、後胴回りトップシート71と、後胴回りバックシート72とによって構成されている。
【0042】
ここで、後胴回りトップシート71と後胴回りバックシート72との間には、腰回りギャザー用弾性部材90W2や後胴回りギャザー用弾性部材91や脚回りギャザー用弾性部材92が伸張された状態で保持されている。
【0043】
また、後胴回りバックシート72は、図3に示すように、長手方向Lの端部において、長手方向Lの内側に向けて折り返されており、かかる折り返し部分における後胴回りバックシート72の間に、腰回りギャザー用弾性部材90W2が伸張された状態で保持されている。
【0044】
前胴回りシート60及び後胴回りシート70には、ポリオレフィンやポリエチレンテレフタレート等の疎水性不織布からなり、スパンボンドやエアスルー等の製法によって製造されるものを使用できる。
【0045】
また、前胴回りトップシート61の目付、前胴回りバックシート62の目付、後胴回りトップシート71の目付及び後胴回りバックシート72の目付は、それぞれ13〜30g/m2が望ましい。
【0046】
例えば、前胴回りトップシート61及び後胴回りトップシート71は、ポリプロピレンからなる15g/m2のSMS不織布であり、前胴回りバックシート62及び後胴回りバックシート72は、ポリプロピレンからなる17g/m2のスパンボンド不織布である。
【0047】
また、腰回りギャザー用弾性部材90W1、90W2や前胴回りギャザー用弾性部材90Fや後胴回りギャザー用弾性部材91には、天然ゴムや合成ゴムやスパンデックス等を使用でき、その伸張倍率は、1.3〜4.0倍が望ましい(スパンデックスの場合、その太さは、300〜1300dtexが望ましい)。
【0048】
例えば、腰回りギャザー用弾性部材90W1、90W2の伸張倍率は、3.0倍(スパンデックスの場合の太さは、940dtex)であり、前胴回りギャザー用弾性部材90F及び後胴回りギャザー用弾性部材91の伸張倍率は、2.5倍(スパンデックスの場合の太さは、780dtex)である。
【0049】
例えば、腰回りギャザー用弾性部材90W1、90W2の本数は、それぞれ5本であり、前胴回りギャザー用弾性部材90Fの本数は、8本であり、後胴回りギャザー用弾性部材91の本数は、11本である。
【0050】
また、脚回りギャザー用弾性部材92は、後胴回りトップシート71及び後胴回りバックシート72において、幅方向Wの一方の端部から他方の端部に向けて、長手方向Lの内側の端部(脚回り開口部を形成する領域)に沿って屈曲しながら到達するように配置されている。例えば、脚回りギャザー用弾性部材92の伸張倍率は、1.8倍(スパンデックスの場合の太さは、780dtex)である。
【0051】
また、脚回りギャザー用弾性部材100は、前胴回りトップシート61及び前胴回りバックシート62において、幅方向Wの一方の端部と他方の端部との間で、直線状に配置される。例えば、脚回りギャザー用弾性部材100の伸張倍率は、2.0倍(スパンデックスの場合の太さは、780dtex)であり、脚回りギャザー用弾性部材100の本数は、4本である。
【0052】
なお、図1乃至図4に示すように、上述したセンターシート50や前胴回りシート60や後胴回りシート70を構成するそれぞれの部材は、ヒートシールやソニックシールやホットメルト接着剤等によって接合されるように構成されている。
【0053】
また、前胴回りトップシート61及び前胴回りバックシート62は、前胴回りギャザー用弾性部材90Fや脚回りギャザー用弾性部材100に直接塗工されたホットメルト接着剤によって接合され、後胴回りトップシート71及び後胴回りバックシート72は、後胴回りギャザー用弾性部材91に直接塗工されたホットメルト接着剤によって接合される。
【0054】
すなわち、本実施形態に係る吸収性物品1では、前胴回りトップシート61及び前胴回りバックシート62には、ホットメルト接着剤は塗工されていない。かかる構成によれば、前胴回りトップシート61及び前胴回りバックシート62の柔らかさを向上することができる。
【0055】
また、後胴回りギャザー用弾性部材91が接合される領域の後胴回りトップシート71及び後胴回りバックシート72には、ホットメルト接着剤は塗工されていない。かかる構成によれば、かかる領域の後胴回りトップシート71及び後胴回りバックシート72の柔らかさを向上することができる。
【0056】
一方、脚回りギャザー用弾性部材92が接合される領域の後胴回りバックシート72には、脚回りギャザー用弾性部材92のパターンに沿って、スパイラルによってホットメルト接着剤が塗工されていてもよい。
【0057】
なお、上述の弾性部材の間隔が、例えば、10mm以上空いている箇所については、部分的に、スパイラルやコントロールシーム等の塗工方法によってホットメルト接着剤が塗工されていてもよい。
【0058】
かかるホットメルト接着剤としては、スチレン・イソプレン・スチレン(SIS)やスチレン・ブタジエン・スチレン(SBS)やスチレン・エチレン・ブチレン・スチレン(SEBS)等からなるゴム系のものや、オレフィン系のもの等が用いられる。
【0059】
上述のように、本実施形態に係る吸収性物品1では、前胴回り領域S10A及び後胴回り領域S10Bにおいて、吸収性物品1の幅方向Wに沿って複数の胴回り弾性部材が設けられている。
【0060】
具体的には、前胴回り領域S10Aには、吸収性物品1の幅方向Wに沿って、複数の腰回りギャザー用弾性部材90W1や、複数の前胴回りギャザー用弾性部材90Fや、複数の脚回りギャザー用弾性部材100が設けられている。
【0061】
また、後胴回り領域S10Bには、吸収性物品1の幅方向Wに沿って、複数の腰回りギャザー用弾性部材90W2や、複数の後胴回りギャザー用弾性部材91や、複数の脚回りギャザー用弾性部材92が設けられている。
【0062】
ここで、本実施形態に係る吸収性物品1では、股下領域S20内において、前胴回り領域S10Aにおいて設けられている胴回り弾性部材(例えば、前胴回りギャザー用弾性部材90Fや脚回りギャザー用弾性部材100)と後胴回り領域S10Bにおいて設けられている胴回り弾性部材(例えば、後胴回りギャザー用弾性部材91や脚回りギャザー用弾性部材92)とが接触しないように配置されている。
【0063】
また、本実施形態に係る吸収性物品1では、図2(a)及び図2(b)に示すように、前胴回り領域S10A又は後胴回り領域S10Bにおいて、吸収体本体2が設けられている第1領域Xでは、吸収性物品1の肌非当接面側からのみ視認可能であり、吸収体本体2が設けられていない第2領域Yでは、吸収性物品1の肌非当接面側及び肌当接面側の両方から視認可能である線状の識別部が設けられている。
【0064】
例えば、かかる識別部は、複数の胴回り弾性部材のうち、吸収体本体2よりも吸収性物品1の肌非当接面側において第1領域X及び第2領域Yに渡って設けられている胴回り弾性部材によって構成されている。
【0065】
本実施形態に係る吸収性物品1では、腰回りギャザー用弾性部材90W1、90W2、前胴回りギャザー用弾性部材90F、後胴回りギャザー用弾性部材91及び脚回りギャザー用弾性部材92には、白基調の色が付与されているのに対して、脚回りギャザー用弾性部材100には、青基調の色が付与されている。
【0066】
すなわち、本実施形態に係る吸収性物品1では、脚回りギャザー用弾性部材100が、上述の識別部を構成する。
【0067】
また、かかる識別部を構成する胴回り弾性部材の間隔(挿入ピッチ)は、かかる識別部を構成しない胴回り弾性部材の間隔(挿入ピッチ)よりも狭くなるように配置されていてもよい。
【0068】
この点、本実施形態に係る吸収性物品1では、かかる識別部を構成する脚回りギャザー用弾性部材100の挿入ピッチD100は、5mmであるのに対して、かかる識別部を構成しない前胴回りギャザー用弾性部材90Fの挿入ピッチD1は、15mmである。
【0069】
また、かかる構成のように、脚回りギャザー用弾性部材100の間隔(挿入ピッチ)を、前胴回りギャザー用弾性部材90Fの間隔(挿入ピッチ)よりも狭くすることによって、前胴回りギャザー用弾性部材90Fと比べて、脚回りギャザー用弾性部材100を目立たせることができる。
【0070】
かかる識別部を構成する胴回り弾性部材は、かかる識別部を構成しない胴回り弾性部材よりも太くなるように構成されていてもよい。
【0071】
かかる構成にように、脚回りギャザー用弾性部材100を、前胴回りギャザー用弾性部材90Fよりも太くすることによって、前胴回りギャザー用弾性部材90Fと比べて、脚回りギャザー用弾性部材100を目立たせることができる。
【0072】
図5は、本実施形態に係る吸収性物品1の表面を前面側から見た外観を示し、図6は、本実施形態に係る吸収性物品1の表面を後面側から見た外観を示し、図7は、本実施形態に係る吸収性物品1の裏面を前面側から見た外観を示し、図8は、本実施形態に係る吸収性物品1の裏面を後面側から見た外観を示す。
【0073】
図5に示すように、吸収性物品1が、裏返しになっていない正常な状態では、着用者は、第1領域X及び第2領域Yの両方において、シャーシ3と異なる色が付与されている脚回りギャザー用弾性部材100を視認することができる。
【0074】
一方、図7に示すように、吸収性物品1が、裏返しになっている状態では、着用者は、脚回りギャザー用弾性部材100の一部を視認することができない、すなわち、第1領域Xにおいて、脚回りギャザー用弾性部材100を視認することができない。
【0075】
したがって、着用者は、第1領域Xにおける脚回りギャザー用弾性部材100を視認することによって、吸収性物品1が裏返しの状態になっているか否かについて容易に識別することができる。
【0076】
また、図5及び図6に示すように、着用者は、吸収性物品1の表面を前面側から、シャーシ3と異なる色が付与されている脚回りギャザー用弾性部材100を視認することができるが、吸収性物品1の表面を後面側からは、脚回りギャザー用弾性部材100を視認することができない。
【0077】
したがって、着用者は、脚回りギャザー用弾性部材100を視認することによって、吸収性物品1の前面側及び後面側を容易に識別することができる。
【0078】
以下、図9を参照して、本実施形態に係る吸収性物品1の製造方法の一部について説明する。なお、図9に記載されていない方法については、既存の方法を用いることができる。
【0079】
図9に示すように、ステップS101において、シャーシ3を生成する。ここで、挿入する脚回りギャザー用弾性部材100として、シャーシ3及び吸収体本体2とは異なる色が付与されている脚回りギャザー用弾性部材100を用いる。
【0080】
ステップS102において、センターシート50と前胴回りシート60と後胴回りシート70とを一度に所定形状にカットすることによって脚回り開口を形成する。
【0081】
ステップS103において、ステップS102で形成された脚回り開口の間に、吸収体本体2を配置する。
【0082】
ステップS104において、前胴回りシート60を後胴回りシート70に向けて折り畳んだ後、前胴回りシート60と後胴回りシート70とを接合する。
【0083】
ステップS105において、前胴回りシート60と後胴回りシート70との接合領域をカットすることによって、吸収性物品1を生成する。
【0084】
本実施形態に係る吸収性物品1によれば、脚回りギャザー用弾性部材100に、シャーシ3(前胴回りギャザー用弾性部材90Fを含む)及び吸収体本体2に付与されている色(例えば、白基調の色)とは異なる色(例えば、青基調の色)を付与することによって、脚回りギャザー用弾性部材100を目立たせることができ、着用者は、第1領域Xにおいて脚回りギャザー用弾性部材100を視認することができる場合、裏返しになっていない正常な状態の吸収性物品1の正面を見ていることに気づくことができる。
【0085】
ここで、本実施形態に係る吸収性物品1によれば、吸収性物品1として機能するために必要な脚回りギャザー用弾性部材100を識別部として用いるように構成されているため、吸収性物品1として機能するために必要でない部材を用いることなく、低コストで吸収性物品1を製造することができる。
【0086】
(変更例1)
図10(a)及び図10(b)を参照して、本発明の変更例1に係る吸収性物品1について説明する。以下、本変更例1に係る吸収性物品1について、上述の第1の実施形態に係る吸収性物品1との相違点に着目して説明する。
【0087】
図10(a)及び図10(b)に示すように、上述の識別部は、前胴回り領域S10Aに設けられている脚回りギャザー用弾性部材100A2の代わりに、後胴回り領域S10Bに設けられている後胴回りギャザー用弾性部材100A1によって構成されている。
【0088】
本変更例1に係る吸収性物品1では、識別部を構成する後胴回りギャザー用弾性部材100A1に、シャーシ3(後胴回りギャザー用弾性部材91を含む)及び吸収体本体2に付与されている色(例えば、白基調の色)とは異なる色(例えば、青基調の色)が付与されている。
【0089】
すなわち、本変更例1に係る吸収性物品1では、胴回り領域S10Bに、異なる色の後胴回りギャザー用弾性部材91及び後胴回りギャザー用弾性部材100A1が設けられている。
【0090】
また、本変更例1に係る吸収性物品1では、後胴回りギャザー用弾性部材100A1の間隔(挿入ピッチ)を、後胴回りギャザー用弾性部材91の間隔(挿入ピッチ)よりも狭くなるように配置されている。
【0091】
また、本変更例1に係る吸収性物品1では、後胴回りギャザー用弾性部材100A1は、後胴回りギャザー用弾性部材91よりも太くなるように構成されている。
【0092】
なお、本変更例1に係る吸収性物品1において、上述の識別部は、後胴回り領域S10Bに設けられている後胴回りギャザー用弾性部材100A1の代わりに、脚回り開口形成する領域に沿って配置されている脚回りギャザー用弾性部材92によって構成されていてもよい。
【0093】
(変更例2)
図11(a)及び図11(b)を参照して、本発明の変更例2に係る吸収性物品1について説明する。以下、本変更例2に係る吸収性物品1について、上述の第1の実施形態に係る吸収性物品1との相違点に着目して説明する。
【0094】
上述の第1の実施形態及び変更例1に係る吸収性物品1では、上述の識別部は、前胴回り領域S10A及び後胴回り領域S10Bのどちらか一方にのみ設けられているのに対して、本変更例2に係る吸収性物品1では、図11(a)及び図11(b)に示すように、かかる識別部は、前胴回り領域S10A及び後胴回り領域S0Bの両方に設けられている。
【0095】
(変更例3)
なお、上述の識別部は、前胴回りシート60や後胴回りシート70に対してカラー印刷されたものであってもよい。
【0096】
また、シャーシ3及び吸収体本体2の構成は、上述の第1の実施形態に係る吸収性物品1の構成と異なる構成であってもよい。
【0097】
例えば、図12に示すように、吸収体コア20の吸収性物品1の肌非当接面側に設けられるべき防漏フィルムとして、第1の実施形態に係る吸収性物品1において吸収体本体2内に設けられていた吸収体本体側バックシート30の代わりに、シャーシ3側に、防漏フィルム31A〜31Cが設けられていてもよい。
【0098】
なお、図12の例では、前胴回りシート60は、シート60Aとシート60Bとによって構成されており、後胴回りシート70は、シート70Aとシート70Bとによって構成されている。
【0099】
かかる構成の吸収性物品1では、吸収体本体2は、吸収体コア20と、吸収体本体側トップシート10とによって構成されている。
【0100】
また、シャーシ3と吸収体本体2とが一体化されていてもよい。かかる構成の吸収性物品1では、吸収体本体2は、吸収体コア20によって構成される。すなわち、吸収体本体1には、吸収体本体側トップシート10及び吸収体本体側バックシート30が含まれない。
【0101】
以上、上述の実施形態を用いて本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。従って、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。従って、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【符号の説明】
【0102】
1…吸収性物品
S10A…前胴回り領域
S10B…後胴回り領域
S20…股下領域
X…第1領域
Y…第2領域
2…吸収体本体
3…シャーシ
90W1、90W2…腰回りギャザー用弾性部材
90F…前胴回りギャザー用弾性部材
91…後胴回りギャザー用弾性部材
92、100、100A2、100B2…脚回りギャザー用弾性部材
【特許請求の範囲】
【請求項1】
同じ色のシャーシ及び吸収体本体を有する吸収性物品であって、
前記シャーシは、前胴回り領域と、後胴回り領域と、該前胴回り領域と該後胴回り領域との間に介在する股下領域とを有し、
前記吸収体本体は、前記シャーシよりも前記吸収性物品の肌当接面側で、かつ、前記股下領域から前記前胴回り領域及び前記後胴回り領域に渡って設けられており、
前記前胴回り領域及び前記後胴回り領域において、前記吸収性物品の幅方向に沿って複数の胴回り弾性部材が設けられており、
前記股下領域内において、前記前胴回り領域において設けられている胴回り弾性部材と前記後胴回り領域において設けられている胴回り弾性部材とが接触しないように配置されており、
前記前胴回り領域又は前記後胴回り領域において、前記吸収体本体が設けられている第1領域では、前記吸収性物品の肌非当接面側からのみ視認可能であり、該吸収体本体が設けられていない第2領域では、該吸収性物品の肌非当接面側及び肌当接面側の両方から視認可能である線状の識別部が設けられており、
前記識別部は、前記第1領域及び前記第2領域に跨って配置されていることを特徴とする吸収性物品。
【請求項2】
前記識別部は、前記複数の胴回り弾性部材のうち、前記吸収体本体よりも前記吸収性物品の肌非当接面側において前記第1領域及び前記第2領域に渡って設けられている胴回り弾性部材によって構成されていることを特徴とする請求項1に記載の吸収性物品。
【請求項3】
前記複数の胴回り弾性部材のうち、前記識別部を構成する胴回り弾性部材の間隔は、該識別部を構成しない胴回り弾性部材の間隔よりも狭くなるように配置されていることを特徴とする請求項2に記載の吸収性物品。
【請求項4】
前記複数の胴回り弾性部材のうち、前記識別部を構成する胴回り弾性部材は、該識別部を構成しない胴回り弾性部材よりも太くなるように構成されていることを特徴とする請求項2に記載の吸収性物品。
【請求項5】
前記複数の胴回り弾性部材のうち、前記識別部を構成する前記胴回り弾性部材は、脚回り開口を形成する領域に沿って配置されていることを特徴とする請求項2に記載の吸収性物品。
【請求項6】
前記識別部は、前記前胴回り領域及び前記後胴回り領域のどちらか一方にのみ設けられていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項7】
前記吸収性物品の肌非当接面側から視認可能な絵柄が付与されていないことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項1】
同じ色のシャーシ及び吸収体本体を有する吸収性物品であって、
前記シャーシは、前胴回り領域と、後胴回り領域と、該前胴回り領域と該後胴回り領域との間に介在する股下領域とを有し、
前記吸収体本体は、前記シャーシよりも前記吸収性物品の肌当接面側で、かつ、前記股下領域から前記前胴回り領域及び前記後胴回り領域に渡って設けられており、
前記前胴回り領域及び前記後胴回り領域において、前記吸収性物品の幅方向に沿って複数の胴回り弾性部材が設けられており、
前記股下領域内において、前記前胴回り領域において設けられている胴回り弾性部材と前記後胴回り領域において設けられている胴回り弾性部材とが接触しないように配置されており、
前記前胴回り領域又は前記後胴回り領域において、前記吸収体本体が設けられている第1領域では、前記吸収性物品の肌非当接面側からのみ視認可能であり、該吸収体本体が設けられていない第2領域では、該吸収性物品の肌非当接面側及び肌当接面側の両方から視認可能である線状の識別部が設けられており、
前記識別部は、前記第1領域及び前記第2領域に跨って配置されていることを特徴とする吸収性物品。
【請求項2】
前記識別部は、前記複数の胴回り弾性部材のうち、前記吸収体本体よりも前記吸収性物品の肌非当接面側において前記第1領域及び前記第2領域に渡って設けられている胴回り弾性部材によって構成されていることを特徴とする請求項1に記載の吸収性物品。
【請求項3】
前記複数の胴回り弾性部材のうち、前記識別部を構成する胴回り弾性部材の間隔は、該識別部を構成しない胴回り弾性部材の間隔よりも狭くなるように配置されていることを特徴とする請求項2に記載の吸収性物品。
【請求項4】
前記複数の胴回り弾性部材のうち、前記識別部を構成する胴回り弾性部材は、該識別部を構成しない胴回り弾性部材よりも太くなるように構成されていることを特徴とする請求項2に記載の吸収性物品。
【請求項5】
前記複数の胴回り弾性部材のうち、前記識別部を構成する前記胴回り弾性部材は、脚回り開口を形成する領域に沿って配置されていることを特徴とする請求項2に記載の吸収性物品。
【請求項6】
前記識別部は、前記前胴回り領域及び前記後胴回り領域のどちらか一方にのみ設けられていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項7】
前記吸収性物品の肌非当接面側から視認可能な絵柄が付与されていないことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2011−217899(P2011−217899A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−88917(P2010−88917)
【出願日】平成22年4月7日(2010.4.7)
【出願人】(000115108)ユニ・チャーム株式会社 (1,219)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年4月7日(2010.4.7)
【出願人】(000115108)ユニ・チャーム株式会社 (1,219)
【Fターム(参考)】
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