説明

吸収性物品

【課題】立体ギャザーを形成するサイドシートが複数重なる構造であっても,サイドシートが縒れる事態を防止しつつ,立体ギャザーの効果的な通気性を確保することができる吸収性物品の提供。
【解決手段】立体ギャザーを形成するサイドシートが複数枚重なり、複数枚重なった部分において、サイドシート40間を、複数のエンボス42(接合部)により部分的に接合し、サイドシート40の短手方向に仮想線Rを引いた場合に、その仮想線R上に1つだけエンボス42を存在させることで、サイドシートの縒れの防止と,立体ギャザーの通気性の確保を同時に達成することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,液体を吸収し保持するための吸収性物品に関する。具体的に説明すると,本発明は,例えば使い捨ておむつや尿パッドのような着用者の排泄物を吸収性し保持するための吸収性物品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から,液透過性のトップシートと,液不透過性のバックシートと,これらのシートの間に介在する吸収体を備える吸収性物品が知られている。また,公知の吸収性物品は,一般的に,吸収体の両側縁部に沿って起立する一対の立体ギャザーを備えている。立体ギャザーは,吸収性物品が尿などの液体を受ける際に液体が外部へと漏れ出す事態を防止するための防漏壁として機能する。
【0003】
また,立体ギャザーを形成する不織布などのサイドシートが,立体ギャザーの先端に相当する箇所で折り返され,立体ギャザーの起立部において2重となった構造を有する吸収性物品も知られている(例えば,特許文献1,特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−104174号公報
【特許文献2】特開2002−45396号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら,従来のように,立体ギャザーの起立部においてサイドシートを2重構造にすると,サイドシート間に空隙が生じることとなる。そして,立体ギャザーのサイドシート間に空隙が生じると,立体ギャザーを起立させる弾性伸縮部材が収縮した際に,サイドシートが縒れてしまうという事態が生じていた。
【0006】
また,立体ギャザーのサイドシートが縒れてしまうと,立体ギャザーの通気性が悪くなり,吸収体付近が蒸れ易くなる。さらに,立体ギャザーのサイドシートが縒れた箇所においては,尿などの液体が溜まり易くなり,立体ギャザーの防漏性が低下するばかりか,溜まった液体に接する着用者の肌がかぶれてしまうという事態も生じていた。このように,立体ギャザーのサイドシートに生じた縒れは,立体ギャザーの通気性及び防漏性を低下させ,衛生面上も好ましくないものであった。
【0007】
ここで,例えば,立体ギャザーのサイドシート間を,接着剤を用いたり,熱溶着させたりして接合することにより,立体ギャザーのサイドシートが縒れることを防止することが考えられる。しかしながら,このような手段を用いた接合部においては,通気性が著しく低下するため,立体ギャザーのサイドシート間の接合箇所が拡大したり,接合箇所が密集したりすると,却って立体ギャザーの通気性を損なうこととなっていた。
【0008】
このため,現在,立体ギャザーの起立部においてサイドシートが複数重なる構造であっても,サイドシートが縒れる事態を防止しつつ,立体ギャザーの効果的な通気性を確保することができる吸収性物品が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そこで,本発明の発明者は,上記の従来発明の問題点を解決する手段について鋭意検討した結果,立体ギャザー形成するサイドシートの間を,複数のエンボス(接合部)により部分的に接合し,サイドシートの短手方向に仮想線を引いた場合に,その仮想線上には1つだけエンボスが存在するパターンを形成することで,効果的に,サイドシートが縒れる事態を防止しつつ,立体ギャザーの通気性を確保することができるという知見を得た。そして,本発明者は,このような知見に基づけば,従来の課題を解決できることに想到し,本発明を完成させた。
具体的に,本発明は,以下の構成を有する。
【0010】
本発明は,液透過性のトップシート1と,液不透過性のバックシート2と,トップシート1とバックシート2の間に介在する吸収体3と,吸収体3の両縁部に沿って起立する一対の立体ギャザー4を具備する吸収性物品10に関する。
一対の立体ギャザー4のそれぞれは,立体ギャザー4を形成するサイドシート40が,立体ギャザー4の厚み方向に複数枚重なって形成されている。サイドシート40は,少なくとも,立体ギャザー4が吸収体3に対して起立する起立部41において,複数枚重なって形成されていることが好ましい。
また,サイドシート40は,複数枚重なった部分において,複数のエンボス42により部分的に接合されている。
そして,複数のエンボス42は,サイドシート40の長手方向には等間隔で存在し,サイドシート40の短手方向においては各エンボス42の中心を通る仮想的な直線が重ならないように存在する特有のパターンを形成する。
【0011】
ここで,本発明におけるエンボスの特有のパターンについて具体的に説明する。
サイドシート40を接合する複数のエンボス42は,複数のエンボス列C上に一定の間隔で存在する。エンボス列Cとは,サイドシート40の長手方向に沿って仮想的に形成され,サイドシート40の短手方向に複数本並ぶ直線である。
また,エンボス列C上に隣接して存在するエンボス42間の距離は,サイドシート40上に形成されたエンボス列Cの数と同数の等分点Eによって等分される。ここで,等分点E上を通り,エンボス列Cと直交する方向に仮想的に形成された直線を,エンボス行Rと呼ぶ。
そして,この場合において,本発明は,あるエンボス列C上に隣接して存在するエンボス42の間に形成されたエンボス行R上に,それぞれ,他のエンボス列C上に存在するエンボス42が1つずつ存在する特有のパターンを形成する。
【0012】
本発明は,このような構成を有することにより,サイドシートの長手方向においては,等間隔でエンボスが形成される。このため,複数層構造となったサイドシート間に生じた空隙が原因となりサイドシートが縒れてしまう事態を防止できる。すなわち,サイドシートの長手方向は,立体ギャザーを起立させる弾性伸縮部材の収縮方向に相当するが,この収縮方向については,等間隔でエンボスを形成することで,弾性伸縮部材が収縮する際のサイドシートの縒れを効果的に防止できる。
また,本発明では,上記の構成を有することにより,サイドシートの短手方向に仮想線を引いた場合において,その仮想線上には,エンボスが1つだけ存在する。このため,立体ギャザーに形成されたエンボスが適度な数(密度)となるため,サイドシートの縒れを防止しつつ,立体ギャザーの通気性をも確保できる。すなわち,サイドシートの短手方向は,立体ギャザー起立時の高さ方向に相当するが,この高さ方向には,弾性伸縮部材が収縮する際の影響が少ない。従って,立体ギャザー起立時の高さ方向には,サイドシートの短手方向に仮想線上に1つエンボスが存在すれば十分に縒れを防止できる。また,サイドシートの短手方向に仮想線上するエンボスが1つであれば,立体ギャザーの通気性を損なうこともない。
このように,本発明は,立体ギャザーのサイドシート同士を接合するためのエンボスのパターンを調整することにより,効果的に,サイドシートが縒れる事態を防止しつつ,立体ギャザーの通気性をも確保する。
【0013】
本発明の好ましい形態においては,一対の立体ギャザー4のそれぞれには,その先端部43において,立体ギャザー4の長手方向に沿って,伸長状態の弾性伸縮部材44が配設されている。そして,サイドシート40が複数枚重なった部分のうち,弾性伸縮部材44が配設された先端部43以外の領域であるエンボス形成領域46において,複数枚重なったサイドシート40を部分的に接合する。
【0014】
また,特に,立体ギャザー4の先端からトップシート1と立体ギャザー4の固定線45を越えた位置まで,サイドシート40を複数枚重ならせ,エンボス形成領域46を広く確保することが好ましい。このように,エンボス形成領域46を広く確保し,エンボス形成領域46全体において,エンボスを満遍なく形成することにより,より効果的に,サイドシートが縒れる事態を防止しつつ,立体ギャザーの通気性をも確保できる。
【0015】
本発明の好ましい形態においては,立体ギャザー4の下端側の領域である第1のエンボス形成領域461と,先端部43側の領域である第2のエンボス形成領域462とに区分した場合に,第1のエンボス形成領域461及び第2のエンボス形成領域462には,それぞれ,複数のエンボス列Cが形成されている。
そして,第1のエンボス形成領域461においてサイドシート40の短手方向に隣接する複数のエンボス列C間の距離は,第2のエンボス形成領域462においてサイドシート40の短手方向に隣接する複数のエンボス列C間の距離より,短いことが好ましい。
【0016】
要するに,本発明の好ましい形態においては,立体ギャザーの固定線45側の第1のエンボス形成領域461のエンボスの方が,立体ギャザーの先端部43側の第2のエンボス形成領域462のエンボスよりも密に形成されている。
ここで,エンボスが形成された箇所は,通気性が低下する反面,防漏性が高まるという側面を有する。つまり,立体ギャザーの下端側(立体ギャザーの固定線45側)には,吸収体で受けきれなかった液体が付着しやすいため,エンボスを密に形成し防漏性を高める。一方,立体ギャザーの先端部43側には,液体が付着しにくいため,エンボスを疎に形成し通気性を高める。これにより,本発明の好ましい形態では,立体ギャザーの通気性及び防漏性を確保しつつ,サイドシートが縒れる事態を防止することができる。
【0017】
本発明の好ましい形態においては,エンボス形成領域46を,立体ギャザー4の下端側の領域である第1のエンボス形成領域461と,先端部43側の領域である第2のエンボス形成領域462とに区分したとする。
この場合において,サイドシート40の長手方向に隣接するエンボス行R上には,エンボス42が,第1のエンボス形成領域461と第2のエンボス形成領域462の交互に存在する
【0018】
このような構成を有することにより,本発明の好ましい形態では,サイドシートの長手方向に見たときに,エンボスが,第1のエンボス形成領域461と第2のエンボス形成領域462の交互に存在するようになる(図3の状態)。このような構成とすることにより,サイドシート上にバランスよくエンボスが存在することとなるため,サイドシートの縒れ防止と通気性の向上を同時に達成できる。
【0019】
本発明の好ましい形態において,複数のエンボス42のそれぞれは,楕円形状である。そして,楕円形状であるエンボス42は,その長軸がエンボス列Cから所定の角度で傾斜し,かつ,エンボス列C上において隣接するエンボス42はエンボス列Cを基準として反転した形状となることが好ましい。
【0020】
要するに,本発明の好ましい形態においては,あるエンボス列C状に形成された楕円形状のエンボスが,左右方向に交互に傾いて存在している。このように,エンボスのそれぞれに,所定角度で傾斜した楕円形状をもたせることにより,エンボスが正円形状である場合と比較し,エンボスが形成される面積を少なくしつつも,効果的に縒れを防止できる。すなわち,エンボスを正円形状で形成した場合のように,エンボスの面積が大きいと,立体ギャザーが硬くなってしまうが,楕円形状のエンボスによって少ない面積でサイドシートの縒れを防止できれば,立体ギャザーの柔らかさを損なうこともない。また,所定角度で左右に傾斜したエンボスを,エンボス列上において交互に配置することにより,より効果的にサイドシートの縒れを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】図1は,本発明にかかる吸収性物品の例を示す展開図であり,トップシート側から見た状態を示している。
【図2】図2は,図1に示された吸収性物品をA−Aの線分に沿って切断した場合における断面形状の例を示す断面図である。
【図3】図3は,サイドシートに形成されたエンボスのパターンの例を説明するための図であり,サイドシートを平面方向から見た状態を示している。
【図4】図4は,図4は,図3に示されたエンボスのパターンの一部を拡大して示した拡大図である。
【図5】図5は,本発明におけるエンボスのパターンの一例を示す拡大図である。
【図6】図6は,本発明におけるエンボスのパターンの一例を示す拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下,図面を用いて本発明を実施するための形態について説明する。本発明は,以下に説明する形態に限定されるものではなく,以下の形態から当業者が自明な範囲で適宜修正したものも含む。
【0023】
(1.使い捨ておむつの全体構成)
本発明は,液透過性のトップシート1と,液不透過性のバックシート2と,トップシート1とバックシート2の間に介在する吸収体3と,トップシート1との固定線において吸収体3の両縁部に沿って起立する一対の立体ギャザー4を具備する吸収性物品10に適用できる。吸収性物品10では,トップシート1を透過した液体を,トップシート1とバックシート2間に配置された吸収体3により吸収し保持する。また,吸収性物品10では,液体を受ける際において,吸収体の両側縁部に沿って起立している立体ギャザー4によって,液体の横漏れを防止する。
本発明は,このような構成を有するものであればよく,例えば,パンツ型のおむつや,テープ付き型のおむつに適用される。
【0024】
図1は,パンツ型の使い捨ておむつに適用された吸収性物品10の展開図であり,トップシート1側から見た状態を示している。図1に示されるように,吸収性物品10は,装着時に着用者の腹部を覆う前身頃51と,装着時に着用者の背部を覆う後身頃52と,装着時に着用者の股下にあてがわれる股下部53を含む。そして,前身頃51及び後身頃52の両側縁に延出するサイドフラップ54の端部を対応させて接合することにより,装着時に着用者の腰周りに位置する腰周り開口部と,股下部53において装着時に着用者の脚部周りに位置する脚部周り開口部が形成される。例えば,吸収性物品10がパンツ型の使い捨ておむつの場合において,着用者は,前身頃51が腹部に,後身頃52が背部に位置するように,腰周り開口部に両脚部を入れ,それぞれの脚部を脚部周り開口部から出すことで,使い捨ておむつを装着する。
【0025】
(2.吸収性物品の具体的構成)
以下,図2を参照して本発明に係る吸収性物品の具体的な構成について説明する。図2は,図1に示された吸収性物品をA−Aの線分に沿って切断した場合における断面形状の例を示している。
【0026】
(2−1.トップシート)
トップシート1は,着用者の股下の肌に直接接し,尿などの液体を吸収体3に透過させるための部材である。このため,トップシート1は,柔軟性が高い液透過性材料で構成されることが好ましい。トップシート1は,図2に示されるように,吸収体3の表面(着用者の肌と当接する面)を被覆するように配置される。
【0027】
トップシート1を構成する液透過性材料の例は,織布,不織布,又は多孔性フィルムである。また,トップシート1には,例えばポリプロピレンやポリエチレン,ポリエステル,ナイロンのような熱可塑性樹脂の繊維を親水化処理してさらに不織布にしたものを用いることとしてもよい。
【0028】
(2−2.バックシート)
バックシート2は,トップシート1を透過し,吸収体3に吸収された液体が,漏出することを防止するための部材である。このため,バックシート2は,液不透過性材料によって構成される。そして,バックシート2は,図2に示されるように,吸収体3の底面からの液漏れを防止するため,吸収体3の底面を被覆するように配置される。
【0029】
バックシート2を構成する不透過材料の例は,ポリエチレン樹脂からなる液不透過性のフィルムである。特に,0.1〜4μmの微細な孔が複数形成された微多孔性ポリエチレンフィルムを用いることが好ましい。
【0030】
バックシート2の外表面には,バックシート2を補強しその手触りを良くするために,カバーシート55を貼り合わせることとしても良い。カバーシート55を構成する材料としては,織布や不織布が用いられる。特に,カバーシート55を構成する材料として,ポリエチレン,ポリプロピレン,ポリエステルのような熱可塑性樹脂からなる不織布又は湿式不織布を用いることが好ましい。
【0031】
(2−3.吸収体)
吸収体3は,尿などの液体を吸収し,吸収した液体を保持するための部材である。吸収体3は,液透過性のトップシート1と,液不透過性のバックシート2の間に配置される。吸収体3は,トップシートを透過した液体を吸収保持する機能を有し,吸収性材料により構成される。
【0032】
吸収体3を構成する吸収性材料には,公知の材料を採用することができる。吸収性材料としては,例えば,フラップパルプ,高吸収性ポリマー,又は親水性シートを用いることとしても良い。また,吸収性材料には,フラップパルプ,高吸収性ポリマー,又は親水性シートのうち1種類を単独で用いてもよいし,2種類以上を併用することとしてもよい。吸収性材料は,通常,単層又は複数層のマット状に形成され,用いられる。
【0033】
また,吸収体3は,トップシート1とバックシート2の間の少なくとも一部に挟持されることが好ましい。吸収体3は,トップシート1とバックシート2の間に挟み込まれ,その周縁部が封着されることによってトップシート1とバックシート2との間に固定される。
【0034】
吸収体3の形状は,適宜,使い捨ておむつの形状や,大きさ,用途に合せて設計することができる。例えば,吸収体3の形状は,図2に示されるように,砂時計型としてもよい。また,吸収体3の形状は,矩形型,楕円形型,又はひょうたん型とすることとしてもよい。
【0035】
(2−4.立体ギャザー)
立体ギャザー4は,吸収体3の両側縁部に沿って起立し,着用者が排泄した尿の横漏れを防止するための部材である。立体ギャザー4は,起立した状態(先端部に配置された弾性伸縮部材が収縮した状態)において尿の防漏壁となるため,トップシート1を透過しなかった尿や,吸収体3により吸収しきれなった尿が,吸収体の脚部周り開口部などから漏出する横漏れを防止する。
【0036】
一対の立体ギャザー4のそれぞれは,トップシート1の側縁部に固定される固定線45を有する。立体ギャザー4のそれぞれは,例えば不織布からなるサイドシート40により形成される。例えば,図2に示されるように,一対の立体ギャザー4を形成するサイドシート40は,トップシート1及びバックシート2の両側縁部を挟みこむようにして,トップシート1及びバックシート2に固定されることとしてもよい。また,サイドシート40は,トップシート1やバックシート2をとは別体として構成されることとしてもよい。
【0037】
このように,立体ギャザー4は,固定線45において,接着剤又はその他の接着手段により,トップシート1に固定される。立体ギャザー4とトップシート1は,例えば,ホットメルト接着剤やその他流動性のある接着剤を用いた固定方法に固定されてもよいし,ヒートシールのような熱溶着や超音波溶着により固定されてもよい。
【0038】
立体ギャザー4を構成するサイドシート40としては,疎水性材料を用いることが好ましい。疎水性材料の例としては,疎水性が高くかつ通気性が良いという観点から,スパンボンドやカードエンボスのような不織布を用いることが好ましい。特に,耐水圧が高いという理由から,SMS(スパンボンド/メルトブロー/スパンボンド)や,SMMS(スパンボンド/メルトブロー/メルトブロー/スパンボンド)のような目の詰まった不織布を用いることが好ましい。
【0039】
立体ギャザー4には,一又は複数の弾性伸縮部材44が,立体ギャザー4の長手方向に沿って伸長状態で配設されている。このため,立体ギャザー4は,弾性伸縮部材44が収縮する際の収縮力を利用して起立する。つまり,弾性伸縮部材44は,伸張された状態で立体ギャザー4にサイドシート40の間に固定されているため,弾性伸縮部材44が収縮すると立体ギャザー4のサイドシート40も縮退し,立体ギャザー4がトップシート1との固定線45を起点として立ち上がる。弾性伸縮部材44を立体ギャザー4に配設する位置は,吸収性物品10の形状や大きさに合せて適宜変更可能であるが,立体ギャザー4の上端縁47近傍の先端部43に配設されることが好ましい。なお,ここで,立体ギャザー4の先端部43とは,例えば,固定線45から上端縁47までの距離を1/2に区分した場合の上方側の領域,1/3に区分した場合の最上方側の領域,1/5に区分した場合の最上方側の領域,又は1/6に区分した場合の最上方側の領域とすればよい。
【0040】
このように,立体ギャザー4は,トップシート1との固定線45を起点として,着用者の肌に当接する方向(図2中上方向)に立ち上がる。これにより,立体ギャザー4には,固定線45から上端縁47までの起立部41が形成される。図2において,立体ギャザー4の起立部41は,吸収体3が存在する方向に向かって傾倒する場合の例が示されている。ただし,立体ギャザー4の起立部41は,例えば,吸収体3の外方に向かって傾倒する形態であってもよいし,起立部41の一部に湾曲部や折れ線が形成されたものであってもよい。立体ギャザー4の起立部41の長さ(固定線45から上端縁47までの長さ)は,例えば,10mm〜100mm,又は20mm〜80mm,好ましくは30mm〜60mmである。
【0041】
図2に示されるように,固定線45において立ち上がった立体ギャザー4は,そのサイドシート40が,立体ギャザー4の上端縁47に相当する折返部48おいて,吸収体3が存在する方向に向かって折り返されている。また,折返部48において折り返さサイドシート40は,立体ギャザー4の起立部41全体にわたり,さらには,固定線45を越え,サイドシート40がトップシート1に固定される固定部49にもわたっている。このため,少なくとも,起立部41において,サイドシート40が,立体ギャザー4の厚み方向に2重に重なっている。さらに,サイドシート40は,トップシート1との固定部49においても,立体ギャザー4の厚み方向に2重に重なっている。
【0042】
また,図2に示されるように,立体ギャザー4の上端縁47近傍において,2重となったサイドシート40の間部分(空隙部分)には,複数の弾性伸縮部材44が挟持されるように配設されている。立体ギャザー4のサイドシート40同士は,その間に配設された弾性伸縮部材44に塗布されている接着材によって,接着されることとしてもよい。
【0043】
なお,図2に示す例において,立体ギャザー4のサイドシート40は,折返部48において折り返されることにより2重構造となっている。しかし,立体ギャザー4のサイドシート40は,別々に形成されたサイドシート40が貼り合わされることにより2重構造となっていてもよいし,3枚のサイドシート40が重なることにより3重構造となったものであってもよい。また,その他,複数回サイドシート40を折り返したり,複数枚のサイドシート40を貼り合わせたりすることにより,複数層構造としてもよい。
【0044】
立体ギャザー4の起立部41において複数層重なって形成されたサイドシート40は,サイドシート40間の空隙を排するために,エンボス加工が施され,複数のエンボス42(接合部)によって部分的に接合される。エンボス42を形成するためのエンボス加工は,例えば,外周面に複数の微小な凸部を有する加熱された金属製のエンボスロールと,加熱された金属製の平ロールの間に,サイドシート40を連続的に送り込むことにより行うこととしてもよい。これにより,エンボス42が形成されたサイドシート40を,連続的に効率よく形成することができる。その他,エンボス加工としては,公知のものを採用することができ,例えば,エンボス加工は,特開2005−1272号公報により開示された方法を用いることとしてもよいいし,超音波溶着を用いることとしてもよい。
【0045】
(2−5.エンボス)
エンボス42は,立体ギャザー4の起立部41において,複数層重なったサイドシート40同士を部分的に接合するための接合部である。エンボス42は,上述したとおり,公知のエンボス加工により立体ギャザー4のサイドシート40形成される。図3は,立体ギャザー4のサイドシート40に形成されたエンボス42のパターンを説明するための図であり,サイドシート40を平面方向から見た状態を示している。
なお,本願明細書において,「エンボス」とは,サイドシート40に形成された1つの接合点を意味するものとして使用している。
【0046】
図3に示されているように,複数のエンボス42は,折り返されて2重となったサイドシート40の一端49´から,立体ギャザー4の上端縁47に相当する位置までの領域に形成されている。つまり,複数のエンボス42は,サイドシート40のうち立体ギャザー4の起立部41に相当する部分,及びトップシート1とサイドシート40の固定部49に相当する部分に存在する。特に,複数のエンボス42は,サイドシート40が複数枚重なった部分のうち,弾性伸縮部材44が配設された先端部43以外の領域(エンボス形成領域46)の全体に分布して形成されている。また,サイドシート40の固定線45を越えて,トップシート1とサイドシート40の固定部49にも,エンボス加工を施すことにより,サイドシート40の根元側の縒れを防止し,立体ギャザー4の形状を安定化させることもできる。なお,弾性伸縮部材44が配設された先端部43にも,エンボス加工を施すこととしてもよいが,先端部43については,弾性伸縮部材44に塗布された接着剤によりサイドシート40同士を接着すればよいため,特にエンボス加工を施す必要はない。
【0047】
複数のエンボス42が形成されるエンボス形成領域46は,図3に示されているように,立体ギャザー4の下端側の領域である第1のエンボス形成領域461と,立体ギャザー4の先端部43側の領域である第2のエンボス形成領域462とに区分できる。第1のエンボス形成領域461においては,第2のエンボス領域462と比較して,エンボス42が密に形成されている。反対に,第2のエンボス領域462においては,第1のエンボス形成領域461と比較して,エンボス42が疎に形成されている。第1のエンボス領域461において複数のエンボス42により接合される面積の割合は,例えば,3%〜20%,又は3%〜15%であり,特に3〜10%であることが好ましい。一方,第2のエンボス領域462においてエンボス42により接合される面積の割合は,例えば,1%〜10%,又は1%〜7%であり,特に1%〜5%であることが好ましい。また,第1のエンボス領域461と第2のエンボス領域462の面積の比率は,例えば,2:8,3:7,4:6,又は5:5であることが好ましい。
【0048】
また,図3に示されるように,各エンボス42は,サイドシート40の長手方向に沿って仮想的に形成された直線であるエンボス列C上に,等間隔で存在している。エンボス列Cは,サイドシート40に複数存在する。複数存在するエンボス列Cのそれぞれは,サイドシート40が平坦に引き伸ばされた状態において,サイドシート40の短手方向に平行に並ぶ。また,各エンボス列C上に隣接して存在するエンボス42の間隔は,全て同一である。
なお,「エンボス42がエンボス列C上に存在する」とは,エンボス42をなす形状の中心(又は重心)が,エンボス列C上に位置していることを意味する。
【0049】
また,図3に示されるように,サイドシート40の短手方向(エンボス列Cと直交する方向)に,エンボス42をなす形状の中心を通る仮想的な直線であるエンボス行Rを引いたとする。この場合において,あるエンボス42の中心を通るエンボス行Rは,他のエンボスの中心を通るエンボス行Rとは重畳しないようになっている。言い換えると,サイドシート40の短手方向に形成されたエンボス行R上には,1つだけエンボス42が存在する。
【0050】
以下,図4を参照して,本発明におけるエンボス42のパターンについてより詳しく説明する。
図4は,図3に示されたエンボスのパターンの一部を拡大して示したものである。図において,破線はエンボス列Cを表し,一点鎖線はエンボス行Rを表している。なお,これらのエンボス列C及びエンボス行Rは,仮想的に示されたものであり,実際には存在しない。
【0051】
図4では,本発明におけるエンボスの好ましいパターンが示されている。まず,サイドシート40には,その長手方向に沿って,複数のエンボス列Cが形成されている。各エンボス列C上には,複数のエンボス42が等間隔で存在する。また,各エンボス列C上に隣接して存在するエンボスCの間隔は,全て同一である。エンボス列C上に隣接して存在するエンボス42の間隔は,例えば,2mm〜12mm,4mm〜10mm,6mm〜8mmであり,好ましくは約7mm(±5%)である
【0052】
また,図4にされるように,エンボス列C上に存在するエンボス42の間隔を,サイドシート40上に形成されたエンボス列C全体の数で等分する。本願明細書においては,エンボス42の間隔を等分するための点を等分点Eと称す。例えば,図4においては,6本のエンボス列Cが,サイドシート40上に並んで形成されているので,等分点Eによって,エンボス列C上のエンボス42の間隔を6等分する。つまり,エンボス列C上のエンボス42の間隔を6等分するので,エンボス列C上に隣接して存在するエンボス42の間には,5つの等分点Eが存在することとなる。
【0053】
ここで,それぞれの等分点E上には,等分点Eを通り,エンボス列Cと直交する方向に,仮想的な直線であるエンボス行Rを形成する。このようにして複数のエンボス行Rが形成される。複数存在するエンボス行Rもまた,サイドシート40が平坦に引き伸ばされた状態においてそれぞれ平行に並ぶ。また,図4に示されるとおり,複数のエンボス列Cと複数のエンボス行により格子状をなす。
【0054】
そして,あるエンボス列C上に隣接して存在するエンボス42の間に形成されたエンボス行R上には,それぞれ,他のエンボス列C上に存在するエンボス42が1つずつ存在する。言い換えると,2つのエンボス42間に形成された等分点Eを通るエンボス行R上には,1つしかエンボス42が存在していない。
このような配置でエンボス42を形成することにより,サイドシート40の長手方向には等間隔で存在し,短手方向には重複しないエンボスのパターンを形成することができる。
【0055】
ここで,本発明における特有のエンボスのパターンを形成するための条件についてまとめると以下の通りである。
(1) サイドシート40の長手方向に沿って複数のエンボス列Cが形成されている。
(2) エンボス列C上に隣接して存在するエンボス42間の距離は全て等しい。
(3) エンボス列C上のエンボス42間の距離は,等分点Eによって,サイドシート40上に存在するエンボス列Cの数と同数に等分される。
(4) 等分点E上には,エンボス列Cと直交する方向に向かってエンボス行Rが形成されている。
(5) あるエンボス列Cにおいて隣接するエンボス42間に形成された等分点Eを通るエンボス行R上には,他のエンボス列C上のエンボス42が1つだけ存在する。
【0056】
図5及び図6は,図4に示されたエンボスのパターンと同様に,上記条件に従ってエンボス42を形成したエンボスのパターンを示している。図5及び図6に示されるように,上記の条件に従えば,その他の条件についてはアトランダムにエンボス42を配置することができる。
ただし,図4に示されているエンボスのパターンが,本発明においては特に好ましいパターンである。図4に示されているエンボスのパターンにおいては,さらに以下に説明する条件が付加されている。
【0057】
まず,図4に示されるエンボスのパターンにおいては,サイドシート40が複数枚重なった部分のうち,弾性伸縮部材44が配設された先端部43以外の領域であるエンボス形成領域46が,立体ギャザー4の下端側の第1のエンボス形成領域461と,先端部43側の第2のエンボス形成領域462に区分される。ここで,第1のエンボス形成領域461において隣接する2つのエンボス列C間の距離は,第2のエンボス形成領域462において隣接する2つのエンボス列C間の距離より短くなっている。すなわち,第1のエンボス形成領域461には,第2のエンボス形成領域462より密にエンボス42が形成されている。
【0058】
例えば,第1のエンボス形成領域461におけるエンボス列C間の距離は,第2のエンボス形成領域462におけるエンボス列C間の距離を100%とした場合に,20%〜80%,又は40%〜60%であり,特に約50%(±5%)であることが好ましい。例えば,第1のエンボス形成領域461におけるエンボス列C間の距離は,1mm〜5mm,2mm〜4mmであり,特に約3.5mm(±5%)であることが好ましい。また,例えば,第2のエンボス形成領域462におけるエンボス列C間の距離は,5mm〜9mm,6mm〜8mmであり,特に約7mm(±5%)であることが好ましい。
【0059】
また,図4に示されるエンボスのパターンにおいては,サイドシート40の長手方向に隣接するエンボス行Rに存在するエンボス42をみると,第1のエンボス形成領域461と第2のエンボス形成領域462の交互に形成されている。つまり,サイドシート40の長手方向に隣接するエンボス行Rに存在するエンボスは,第1のエンボス形成領域461と第2のエンボス形成領域462の交互に形成される。具体的に説明すると,第1のエンボス形成領域461には,隣接するエンボス列C上に存在するエンボス42とは1つのエンボス行Rを空けて,エンボス42が形成されている。同様に,第2のエンボス形成領域462においても,隣接するエンボス列C上に存在するエンボス42とは1つのエンボス行Rを空けて,エンボス42が形成されている。
【0060】
また,図4に示されるエンボスのパターンにおいては,各エンボス42の形状が楕円形状となっている。楕円形状は,それぞれ長軸と短軸を有する。長軸の長さは,例えば,0.5mm〜3mm,又は1mm〜2mmであり,特に約1.5(±5%)であることが好ましい。また,短軸の長さは,例えば,0.2mm〜1.5mm,0,5mm〜1.2mmであり,特に1mmであることが好ましい。
【0061】
ただし,エンボス42の形状は,図に示されるものに限定されない。エンボス42の形状としては,例えば,正円状,三角形状,矩形状,平行四辺形状,その他多角形状であってもよい。また,エンボス42の形状には複数種類のものを採用することとしてもよいし,各エンボス42についてアトランダムで決定することとしてもよい。
【0062】
また,図4に示されるエンボスのパターンにおいては,楕円形状であるエンボス42の長軸が,エンボス列Cに対して所定の角度で傾斜している。楕円形状であるエンボス42の長軸とエンボス列Cがなす鋭角(又は直角)である∠θは,10度〜90度,30度〜60度であり,特に45度であることが好ましい。
【0063】
また,各エンボス列C上においては,隣接するエンボス42が,エンボス列Cを基準として反転した形状となるように所定角度で傾斜している。つまり,図4に示される複数のエンボス42は,2種類の角度で傾斜している。そして,各エンボス列C上には,2種類の角度で傾斜したエンボス42が,交互に形成されている。つまり,エンボス列C上に存在しているエンボス42の長軸とエンボス列Cがなす鋭角(又は直角)である∠θは全て同一となっている。ただし,エンボス列C上で隣接するエンボス42は,エンボス列Cの軸に対して対象となっている。これにより,各エンボス列C上では,隣接するエンボス42が,エンボス列Cを基準として反転した形状となる。
【0064】
ただし,エンボス42は,3種類以上の角度でエンボス列Cに対して傾斜することとしてもよい。さらに,エンボス42が傾斜する角度は,それぞれのエンボス42についてアトランダムで決定することとしてもよい。
【0065】
ここで,図4に示されたエンボスのスパターンを形成するために,上記(1)〜(5)の条件に付加された条件についてまとめると以下の通りである。
(6) 第1のエンボス形成領域461には,第2のエンボス形成領域462より密にエンボス42が形成されている。
(7) エンボス行Rに存在するエンボス42は,第1のエンボス形成領域461と第2のエンボス形成領域462との交互に存在する。
(8) 各エンボス42は,楕円形状である。
(9) 楕円形状であるエンボス42は,その長軸がエンボス列Cに対して所定の角度で傾斜する。
(10) 各エンボス列C上においては,隣接するエンボス42が,エンボス列Cを基準として反転した形状となるように所定角度で傾斜している。
【0066】
なお,ここに示された(6)〜(10)の条件は,本発明における必須条件ではなく,適宜選択可能な任意条件である。
【産業上の利用可能性】
【0067】
本発明に係る吸収性物品は,乳幼児や高齢者用の使い捨ておむつや尿パッドに適用することができる。従って,本発明は,育児及び介護に関する産業において好適に利用し得る。
【符号の説明】
【0068】
1 トップシート
2 バックシート
3 吸収体
4 立体ギャザー
10 吸収性物品
40 サイドシート
41 起立部
42 エンボス
43 先端部
44 弾性伸縮部材
45 固定線
46 エンボス形成領域
47 先端縁
48 折返部
49 固定部
51 前身頃
52 後身頃
53 股下部
54 サイドフラップ
55 カバーシート
461 第1のエンボス形成領域
462 第1のエンボス形成領域
C エンボス列
R エンボス行
E 等分点

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液透過性のトップシート(1)と,液不透過性のバックシート(2)と,前記トップシート(1)と前記バックシート(2)の間に介在する吸収体(3)と,前記吸収体(3)の両縁部に沿って起立する一対の立体ギャザー(4)とを具備する吸収性物品(10)であって,
前記一対の立体ギャザー(4)のそれぞれは,前記立体ギャザー(4)を形成するサイドシート(40)が,前記立体ギャザー(4)の厚み方向に複数枚重なり,
前記サイドシート(40)は,複数枚重なった部分において,複数のエンボス(42)により部分的に接合されており,
前記複数のエンボス(42)は,
前記サイドシート(40)の長手方向には,等間隔で存在し,
前記サイドシート(40)の短手方向においては,各エンボス(42)の中心を通る仮想的な直線が重ならないように存在するパターンを形成する
吸収性物品。

【請求項2】
前記複数のエンボス(42)は,前記サイドシート(40)の長手方向に沿って仮想的に形成され前記サイドシート(40)の短手方向に並ぶ複数のエンボス列(C)上に,一定の間隔で存在し,
前記エンボス列(C)上に隣接して存在するエンボス(42)間の距離を,前記サイドシート(40)上に形成された前記エンボス列(C)の数と同数の等分点(E)で等分し,前記等分点(E)を通り前記エンボス列(C)と直交する方向に仮想的に形成された直線をエンボス行(R)とした場合に,
あるエンボス列(C)上に隣接して存在するエンボス(42)の間に形成された前記エンボス行(R)上には,それぞれ,他のエンボス列(C)上に存在するエンボス(42)が1つずつ存在する
請求項1に記載の吸収性物品。

【請求項3】
前記一対の立体ギャザー(4)のそれぞれには,その先端部(43)に,前記立体ギャザー(4)の長手方向に沿って,伸長状態の弾性伸縮部材(44)が配設されており,
前記複数のエンボス(42)は,
前記サイドシート(40)が複数枚重なった部分のうち,前記弾性伸縮部材(44)が配設された前記先端部(43)以外の領域であるエンボス形成領域(46)において,前記複数枚重なったサイドシート(40)を部分的に接合する
請求項1又は請求項2に記載の吸収性物品。

【請求項4】
前記エンボス形成領域(46)を,前記立体ギャザー(4)の下端側の領域である第1のエンボス形成領域(461)と,前記先端部(43)側の領域である第2のエンボス形成領域(462)とに区分した場合に,前記第1のエンボス形成領域(461)及び前記第2のエンボス形成領域(462)には,それぞれ,複数の前記エンボス列(C)が形成されており,
前記第1のエンボス形成領域(461)において前記サイドシート(40)の短手方向に隣接する複数の前記エンボス列(C)間の距離は,前記第2のエンボス形成領域(462)において前記サイドシート(40)の短手方向に隣接する複数の前記エンボス列(C)間の距離より,短い
請求項3に記載の吸収性物品

【請求項5】
前記エンボス形成領域(46)を,前記立体ギャザー(4)の下端側の領域である第1のエンボス形成領域(461)と,前記先端部(43)側の領域である第2のエンボス形成領域(462)とに区分した場合に,
前記サイドシート(40)の長手方向に隣接するエンボス行(R)上には,前記エンボス(42)が,前記第1のエンボス形成領域(461)と第2のエンボス形成領域(462)の交互に存在する
請求項3に記載の吸収性物品。

【請求項6】
前記複数のエンボス(42)のそれぞれは,楕円形状であり,
前記楕円形状であるエンボス(42)は,その長軸が,前記エンボス列(C)に対して所定の角度で傾斜し,かつ,前記エンボス列(C)上において隣接するエンボス(42)は前記エンボス列(C)を基準として反転した形状となっている
請求項2から請求項4のいずれかに記載の吸収性物品。




【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−192058(P2012−192058A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−58695(P2011−58695)
【出願日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【出願人】(390036799)王子ネピア株式会社 (387)
【出願人】(000122298)王子製紙株式会社 (2,055)
【Fターム(参考)】