説明

吸収性物品

【課題】本発明は、防漏溝における剥離が抑制された吸収性物品を提供することを目的とする。
【解決手段】吸収性物品1は、少なくとも一部が液透過性の表面シート部2と、液不透過性の裏面シート部3と、表面シート部2と裏面シート部3との間に配置される吸収体部4と、表面シート部2及び吸収体部3を圧着する圧着部が連続的に形成されてなる1又は複数の防漏溝100を有する防漏溝部10と、を備える。この防漏溝部10は、略U字状に形成される複数のU字部U2、U3を備える。そして、複数のU字部U2、U3の形状は、該U字部U2、U3の幅方向に形成される防漏溝100の数により調整される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸収性物品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、経血などの液体を吸収する吸収性物品は、液体を吸収する吸収層と、この吸収層の肌側表面を覆う液透過性の表面シートと、前記吸収層の着衣側表面を覆う液不透過性の裏面シートとを有する。この吸収性物品は、下着のクロッチ布の内面に前記裏面シートが感圧接着層を介して接着された状態で着用される。そして、吸収層において一旦吸収された体液の漏れを防止すると共に装着性を良好にするために、表面シートと吸収層とを連続的に圧着処理することで形成される所定形状の防漏溝が設けられている。
【0003】
この防漏溝は、例えば、吸収層に吸収された液体が吸収性物品における長手方向に流れないよう該吸収層における長手方向に突出するような略U字状に形成されたU字部を備える。また、更に高い防漏効果を得るために、長手方向に複数のU字部が形成された吸収性物品も提案されている。ここで、このように長手方向に複数のU字部を形成した場合、長手方向における内側に形成されるU字部の幅方向には、他のU字部を構成する防漏溝を含む複数の防漏溝が形成されることになる。
【0004】
このように幅方向に複数の防漏溝が形成されている場合、該U字部における圧着部を形成する際に加えられる圧力が不十分になる場合がある。これにより、防漏溝の深さが浅くなり、該防漏溝を形成する圧着部における剥離が生じやすくなる場合がある。そして、この防漏溝を形成する圧着部の剥離は、漏れ防止性能や装着性を低下させる。
【0005】
そこで、例えば、防漏溝が幅方向において2本以下である領域における防漏溝の圧着部を、少なくとも他の一つの防漏溝における圧着部と幅方向において重ならないように形成することで、防漏溝の剥離を抑制する吸収性物品が提供されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2001−129018号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、U字状に形成された防漏溝における長手方向の突端部における剥離(浮き)が防止された吸収性物品は未だ提案されていない。また、特許文献1では、防漏溝が幅方向において2本以下である領域における防漏溝の圧着部を、少なくとも他の一つの防漏溝における圧着部と幅方向において重ならないように形成することで、圧着工程により形成される各圧着部に加えられる圧力を十分なものにして防漏溝の深さが浅くならないようにした吸収性物品を提供しているが、幅方向に連続して形成される圧着部を含むU字部における突端部の剥離を抑制するものではない。そして、これらが本発明の課題といってよい。
【0008】
本発明は、以上のような課題に鑑みてなされたものであり、防漏溝における剥離が抑制された吸収性物品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
発明者は、上記目的を達成するため、防漏溝が形成するU字部の形状を、該U字部における長手方向に突出した突端部の幅方向に形成される防漏溝の数等を踏まえて調整することで、防漏溝における剥離(浮き)を抑制できることを見出し、以下のような吸収性物品を発明した。
【0010】
(1) 少なくとも一部が液透過性の表面シート部と、液不透過性の裏面シート部と、前記表面シート部と前記裏面シート部との間に配置される吸収体部と、前記表面シート部及び前記吸収体部を圧着する圧着部が連続的に形成されてなる1又は複数の防漏溝を有する防漏溝部と、を備える略縦長状の吸収性物品であって、前記防漏溝部は、該吸収性物品の長手方向における所定方向に突出する第1突端部を有すると共に、前記第1突端部の該吸収性物品における幅方向に1又は複数本の防漏溝が形成される略U字状の第1U字部と、前記第1U字部の前記所定方向側に形成され、前記所定方向に突出する第2突端部を有すると共に、前記第2突端部の前記幅方向に前記第1突端部の前記幅方向に形成される前記防漏溝と同じ又は少ない数の防漏溝が形成される略U字状の第2U字部と、を備え、前記第1突端部における前記所定方向側の外周部に接する第1接線と、前記第1接線に平行で前記第1接線から前記所定方向とは反対の方向に所定距離だけ離間する第1平行線との間に配置される前記第1U字部の面積である第1面積は、前記第2突端部における前記所定方向側の外周部に接する第2接線と、前記第2接線に平行で前記第2接線から前記所定方向とは反対の方向に前記所定距離だけ離間する第2平行線との間に配置される前記第2U字部の面積である第2面積と同じ又は第2面積よりも小さい吸収性物品。
【0011】
(1)の発明によれば、吸収性物品は、少なくとも一部が液透過性の表面シート部と、液不透過性の裏面シート部と、表面シート部と前記裏面シート部との間に配置される吸収体部と、表面シート部及び吸収体部を圧着する圧着部が連続的に形成されてなる1又は複数の防漏溝を有する防漏溝部と、を備える略縦長状の吸収性物品である。防漏溝部は、該吸収性物品の長手方向における所定方向に突出する第1突端部を有すると共に第1突端部の該吸収性物品における幅方向に1又は複数本の防漏溝が形成される略U字状の第1U字部と、第1U字部の所定方向側に形成され所定方向に突出する第2突端部を有すると共に第2突端部の幅方向に第1突端部の幅方向に形成される防漏溝と同じ又は少ない数の防漏溝が形成される略U字状の第2U字部と、を備える。そして、第1突端部における所定方向側の外周部に接する第1接線と、第1接線に平行で第1接線から所定方向とは反対の方向に所定距離だけ離間する第1平行線との間に配置される第1U字部の面積である第1面積は、第2突端部における所定方向側の外周部に接する第2接線と、第2接線に平行で前記第2接線から所定方向とは反対の方向に所定距離だけ離間する第2平行線との間に配置される第2U字部の面積である第2面積と同じ又は第2面積よりも小さい。
【0012】
防漏溝部における第1U字部と第2U字部とを、第1突端部における所定方向側の外周部に接する第1接線と、第1接線に平行で第1接線から所定方向とは反対の方向に所定距離だけ離間する第1平行線との間に配置される第1U字部の面積である第1面積が、第2突端部における所定方向側の外周部に接する第2接線と、第2接線に平行で前記第2接線から所定方向とは反対の方向に所定距離だけ離間する第2平行線との間に配置される第2U字部の面積である第2面積と同じ又は第2面積よりも小さくなるように形成することで、第1突端部における圧着部を形成するための圧力が、他の領域における圧力、例えば、第2突端部における圧力よりも大幅に小さくなることを抑制することができる。これにより、例えば、第1突端部における剥離を抑制することができる。
【0013】
第1面積や第2面積を調整するには、例えば、後述するU字部の突端部における曲率半径を調整することや、U字部の突端部近傍における防漏溝の太さを調整することを例示できる。ここで、突端部における接線から所定距離だけ離間する平行線は、例えば、突端部における長手方向の内周部と接する平行線であることが好ましい。
【0014】
また、第1U字部及び第2U字部は略U字状に形成されているが、該U字状とは完全なU字に限定されず、V字や円弧も含む。
【0015】
(2) 前記防漏溝部は、前記第2U字部の前記所定方向側に形成され、前記所定方向に突出する第3突端部を有すると共に、前記第3突端部の前記幅方向に防漏溝が配置されない略U字状の第3U字部と、を備え、前記第3突端部における前記所定方向側の外周部に接する第3接線と、前記第3接線に平行で前記第3接線から前記所定方向とは反対側に前記所定距離だけ離間する第3平行線との間に配置される前記第3U字部の面積である第3面積は、前記第1面積及び前記第2面積よりも大きい(1)に記載の吸収性物品。
【0016】
(2)の発明によれば、吸収性物品は、防漏溝部が、第2U字部の所定方向側に形成され、所定方向に突出する第3突端部を有すると共に第3突端部の幅方向に防漏溝が配置されない略U字状の第3U字部と、を備える。そして、第3突端部における所定方向側の外周部に接する第3接線と、第3接線に平行で第3接線から所定方向とは反対側に所定距離だけ離間する第3平行線との間に配置される第3U字部の面積である第3面積は、第1面積及び前記第2面積よりも大きい。
【0017】
これにより、例えば、長手方向における外側に形成され幅方向に防漏溝が形成されていない第3U字部における第3面積を、突端部における幅方向に防漏溝が形成される第1U字部及び第2U字部における第1面積及び第2面積よりも大きくすることで、例えば、第1突端部における圧着部を形成するための圧力及び第2突端部における圧着部を形成するための圧力が、他の領域における圧力、例えば、第3突端部における圧力よりも大幅に小さくなることを抑制することができる。これにより、例えば、第1突端部及び第2突端部における剥離を抑制することができる。
【0018】
(3) 前記第1接線と前記第1平行線との間に配置される前記第1U字部及び前記第1突端部の前記幅方向に形成される防漏溝の合計面積である第4面積は、前記第2接線と前記第2平行線との間に配置される前記第2U字部及び前記第2突端部の前記幅方向に形成される防漏溝の合計面積である第5面積と、略同じである(1)又は(2)に記載の吸収性物品。
【0019】
(3)の発明によれば、吸収性物品は、第1接線と第1平行線との間に配置される第1U字部及び第1突端部の幅方向に形成される防漏溝の合計面積である第4面積は、第2接線と第2平行線との間に配置される第2U字部及び第2突端部の幅方向に形成される防漏溝の合計面積である第5面積と、略同じである。これにより、例えば、圧着部を形成する際に加えられる第1突端部の幅方向における圧力と、第2突端部の幅方向における圧力とを略同一にすることができる。
【0020】
(4) 前記第3面積は、前記第4面積及び/又は前記第5面積と略同じである(3)に記載の吸収性物品。
【0021】
(4)の発明によれば、吸収性物品は、第3面積が、第4面積及び/又は第5面積と略同じである。これにより、圧着部を形成する際に加えられる第3突端部の幅方向における圧力と、第1突端部の幅方向における圧力及び/又は第1突端部の幅方向における圧力とを略同一にすることができる。
【0022】
(5) 少なくとも一部が液透過性の表面シート部と、液不透過性の裏面シート部と、前記表面シート部と前記裏面シート部との間に配置される吸収体部と、前記表面シート部及び前記吸収体部を圧着する圧着部が連続的に形成されてなる1又は複数の防漏溝を有する防漏溝部と、を備える略縦長状の吸収性物品であって、前記防漏溝部は、該吸収性物品の長手方向における所定方向に突出する第1突端部を有すると共に、前記第1突端部の該吸収性物品における幅方向に1又は複数本の防漏溝が形成される略U字状の第1U字部と、前記第1U字部の前記所定方向側に形成され、前記所定方向に突出する第2突端部を有すると共に、前記第2突端部の前記幅方向に前記第1突端部の前記幅方向に形成される前記防漏溝と同じ又は少ない数の防漏溝が形成される略U字状の第2U字部と、を備え、前記第1突端部における第1曲率半径は、前記第2突端部における第2曲率半径と同じ又は前記第2曲率半径より小さい吸収性物品。
【0023】
(5)の発明によれば、吸収性物品は、少なくとも一部が液透過性の表面シート部と、液不透過性の裏面シート部と、表面シート部と裏面シート部との間に配置される吸収体部と、表面シート部及び吸収体部を圧着する圧着部が連続的に形成されてなる1又は複数の防漏溝を有する防漏溝部と、を備える略縦長状の吸収性物品である。防漏溝部は、該吸収性物品の長手方向における所定方向に突出する第1突端部を有すると共に、第1突端部の該吸収性物品における幅方向に1又は複数本の防漏溝が形成される略U字状の第1U字部と、第1U字部の前記所定方向側に形成され、所定方向に突出する第2突端部を有すると共に、第2突端部の幅方向に第1突端部の幅方向に形成される防漏溝と同じ又は少ない数の防漏溝が形成される略U字状の第2U字部と、を備える。そして、第1突端部における第1曲率半径は、第2突端部における第2曲率半径と同じ又は第2曲率半径より小さい。
【0024】
防漏溝部における第1U字部と第2U字部とを、第1突端部における第1曲率半径が、第2突端部における第2曲率半径と同じ又は第2曲率半径より小さくなるように形成することで、例えば、上述した第1面積が第2面積と同じ又は第2面積より小さくなるので、第1突端部における圧着部を形成するための圧力が、他の領域における圧力より小さくなることを抑制できる。例えば、第1突端部における圧力が、第2突端部における圧力よりも大幅に小さくなることを抑制することができる。これにより、例えば、第1突端部における剥離を抑制することができる。
【0025】
また、第1U字部及び第2U字部は略U字状に形成されているが、該U字状とは完全なU字に限定されず、V字や円弧も含む。
【0026】
(6) 前記防漏溝部は、前記第2U字部の前記所定方向側に形成され、前記所定方向に突出する第3突端部を有すると共に、前記第3突端部の前記幅方向に防漏溝が配置されない略U字状の第3U字部と、を備え、前記第3突端部における第3曲率半径は、前記第1曲率半径及び前記第2曲率半径よりも大きい(5)に記載の吸収性物品。
【0027】
(6)の発明によれば、吸収性物品は、防漏溝部が、第2U字部の所定方向側に形成され、所定方向に突出する第3突端部を有すると共に、第3突端部の幅方向に防漏溝が配置されない略U字状の第3U字部と、を備える。そして、第3突端部における第3曲率半径は、第1曲率半径及び第2曲率半径よりも大きい。
【0028】
これにより、例えば、長手方向における外側に形成され幅方向に防漏溝が形成されていない第3U字部における第3曲率半径を、突端部における幅方向に防漏溝が形成される第1U字部及び第2U字部における第1曲率半径及び第2曲率半径よりも大きくすることで、例えば、第1突端部における圧着部を形成するための圧力及び第2突端部における圧着部を形成するための圧力が、他の領域における圧力、例えば、第3突端部における圧力よりも大幅に小さくなることを抑制することができる。これにより、例えば、第1突端部及び第2突端部における剥離を抑制することができる。
【0029】
(7) 前記曲率半径のそれぞれは、前記U字部のそれぞれにおける前記所定方向とは反対の方向側の内周部における曲率半径である(5)又は(6)に記載の吸収性物品。
【0030】
(7)の発明によれば、吸収性物品は、曲率半径のそれぞれが、U字部のそれぞれにおける所定方向とは反対の方向側の内周部における曲率半径である。
【0031】
(8) 少なくとも一部が液透過性の表面シート部と、液不透過性の裏面シート部と、前記表面シート部と前記裏面シート部との間に配置される吸収体部と、前記表面シート部及び前記吸収体部を圧着する圧着部が連続的に形成されてなる1又は複数の防漏溝を有する防漏溝部と、を備える略縦長状の吸収性物品であって、前記防漏溝部は、該吸収性物品の長手方向における所定方向に突出する第1突端部を有すると共に、前記第1突端部の該吸収性物品における幅方向に1又は複数本の防漏溝が形成される略U字状の第1U字部と、前記第1U字部の前記所定方向側に形成され、前記所定方向に突出する第2突端部を有すると共に、前記第2突端部の前記幅方向に前記第1突端部の前記幅方向に形成される前記防漏溝と同じ又は少ない数の防漏溝が形成される略U字状の第2U字部と、を備え、前記第1突端部における前記所定方向側の外周部に接する第1接線と、前記第1接線に平行で前記第1接線から前記所定方向とは反対の方向に所定距離だけ離間する第1平行線との間に配置される前記第1U字部を形成する圧着部の面積である第1圧着部面積は、前記第2突端部における前記所定方向側の外周部に接する第2接線と、前記第2接線に平行で前記第2接線から前記所定方向とは反対の方向に前記所定距離だけ離間する第2平行線との間に配置される前記第2U字部を形成する圧着部の面積である第2圧着部面積と同じ又は第2圧着部面積よりも小さい吸収性物品。
【0032】
(8)の発明によれば、吸収性物品は、少なくとも一部が液透過性の表面シート部と、液不透過性の裏面シート部と、表面シート部と前記裏面シート部との間に配置される吸収体部と、表面シート部及び吸収体部を圧着する圧着部が連続的に形成されてなる1又は複数の防漏溝を有する防漏溝部と、を備える略縦長状の吸収性物品である。防漏溝部は、該吸収性物品の長手方向における所定方向に突出する第1突端部を有すると共に第1突端部の該吸収性物品における幅方向に1又は複数本の防漏溝が形成される略U字状の第1U字部と、第1U字部の所定方向側に形成され所定方向に突出する第2突端部を有すると共に第2突端部の幅方向に第1突端部の幅方向に形成される防漏溝と同じ又は少ない数の防漏溝が形成される略U字状の第2U字部と、を備える。そして、第1突端部における所定方向側の外周部に接する第1接線と、第1接線に平行で第1接線から所定方向とは反対の方向に所定距離だけ離間する第1平行線との間に配置される第1U字部を形成する圧着部の面積である第1圧着部面積は、第2突端部における所定方向側の外周部に接する第2接線と、第2接線に平行で前記第2接線から所定方向とは反対の方向に所定距離だけ離間する第2平行線との間に配置される第2U字部を形成する圧着部の面積である第2圧着部面積と同じ又は第2圧着部面積よりも小さい。
【0033】
防漏溝部における第1U字部と第2U字部とを、第1突端部における所定方向側の外周部に接する第1接線と、第1接線に平行で第1接線から所定方向とは反対の方向に所定距離だけ離間する第1平行線との間に配置される第1U字部を形成する圧着部の面積である第1圧着部面積が、第2突端部における所定方向側の外周部に接する第2接線と、第2接線に平行で前記第2接線から所定方向とは反対の方向に所定距離だけ離間する第2平行線との間に配置される第2U字部を形成する圧着部の面積である第2圧着部面積と同じ又は第2圧着部面積よりも小さくなるように形成することで、第1突端部における圧着部を形成するための圧力が、他の領域における圧力、例えば、第2突端部における圧着部を形成するための圧力よりも大幅に小さくなることを抑制することができる。これにより、例えば、第1突端部の圧着部における剥離を抑制することができる。
【0034】
第1圧着部面積や第2圧着部面積を調整するには、例えば、上述のU字部の突端部における曲率半径を調整することに加え、圧着部の幅方向における長さ(幅)や、長手方向における長さ(高さ)を調整することを例示できる。ここで、突端部における接線から所定距離だけ離間する平行線は、例えば、突端部における長手方向の内周部と接する平行線であることが好ましい。
【0035】
また、第1U字部及び第2U字部は略U字状に形成されているが、該U字状とは完全なU字に限定されず、V字や円弧も含む。
【0036】
(9) 前記第1接線と前記第1平行線との間に配置される前記第1U字部を形成する圧着部の前記幅方向における第1圧着部幅が、前記第2接線と前記第2平行線との間に配置される前記第2U字部を形成する圧着部の前記幅方向における第2圧着部幅と同じ又は前記第2圧着部幅より狭い(8)に記載の吸収性物品。
【0037】
(9)の発明によれば、吸収性物品は、第1接線と第1平行線との間に配置される第1U字部を形成する圧着部の幅方向における第1圧着部幅が、第2接線と第2平行線との間に配置される第2U字部を形成する圧着部の幅方向における第2圧着部幅と同じ又は前記第2圧着部幅より狭い。これにより、第1圧着部面積を好適に第2圧着部面積と同じ又は第2圧着部面積よりも小さくすることができる。
【0038】
(10) 前記防漏溝部は、前記第2U字部の前記所定方向側に形成され、前記所定方向に突出する第3突端部を有すると共に、前記第3突端部の前記幅方向に防漏溝が配置されない略U字状の第3U字部と、を備え、前記第3突端部における前記所定方向側の外周部に接する第3接線と、前記第3接線に平行で前記第3接線から前記所定方向とは反対側に前記所定距離だけ離間する第3平行線との間に配置される前記第3U字部を形成する圧着部の面積である第3圧着部面積は、前記第1圧着部面積及び前記第2圧着部面積よりも大きい(8)に記載の吸収性物品。
【0039】
(10)の発明によれば、吸収性物品は、防漏溝部が、第2U字部の所定方向側に形成され、所定方向に突出する第3突端部を有すると共に第3突端部の幅方向に防漏溝が配置されない略U字状の第3U字部と、を備え、第3突端部における所定方向側の外周部に接する第3接線と、第3接線に平行で第3接線から所定方向とは反対側に所定距離だけ離間する第3平行線との間に配置される第3U字部を形成する圧着部の面積である第3圧着部面積は、第1圧着部面積及び第2圧着部面積よりも大きい。これにより、例えば、長手方向における外側に形成され幅方向に防漏溝が形成されていない第3U字部における第3圧着部面積を、突端部における幅方向に防漏溝が形成される第1U字部及び第2U字部における第1圧着部面積及び第2圧着部面積よりも大きくすることで、例えば、第1突端部における圧着部を形成するための圧力及び第2突端部における圧着部を形成するための圧力が、他の領域における圧力、例えば、第3突端部における圧着部を形成する圧力よりも大幅に小さくなることを抑制することができる。これにより、例えば、第1突端部及び第2突端部における圧着部の剥離を抑制することができる。
【0040】
(11) 前記第3接線と前記第3平行線との間に配置される前記第3U字部を形成する圧着部の前記幅方向における第3圧着部幅が、前記第1圧着部幅及び/又は前記第2圧着部幅よりも広い(10)に記載の吸収性物品。
【0041】
(11)の発明によれば、吸収性物品は、第3接線と第3平行線との間に配置される第3U字部を形成する圧着部の幅方向における第3圧着部幅が、第1圧着部幅及び/又は第2圧着部幅よりも広い。これにより、第3圧着部面積を好適に第1圧着部面積及び/又は第2圧着部面積よりも大きくすることができる。
【0042】
(12) 少なくとも一部が液透過性の表面シート部と、液不透過性の裏面シート部と、前記表面シート部と前記裏面シート部との間に配置される吸収体部と、前記表面シート部及び前記吸収体部を圧着する圧着部が連続的に形成されてなる1又は複数の防漏溝を有する防漏溝部と、を備える略縦長状の吸収性物品であって、前記防漏溝部は、該吸収性物品の長手方向における所定方向に突出する第1突端部を有すると共に、前記第1突端部の該吸収性物品における幅方向に1又は複数本の防漏溝が形成される略U字状の第1U字部と、前記第1U字部の前記所定方向側に形成され、前記所定方向に突出する第2突端部を有すると共に、前記第2突端部の前記幅方向に前記第1突端部の前記幅方向に形成される前記防漏溝と同じ又は少ない数の防漏溝が形成される略U字状の第2U字部と、を備え、前記第1突端部における前記所定方向側の外周部に接する第1接線と、前記第1接線に平行で前記所定方向とは反対側の内周部に接する第4接線との中間である第1中間線における前記第1U字部と交差する第1交差部の第1長さは、前記第2突端部における前記所定方向側の外周部に接する第2接線と、前記第2接線に平行で前記所定方向とは反対側の内周部に接する第5接線との中間である第2中間線における前記第2U字部と交差する第2交差部の第2長さと同じ又は第2長さよりも短い吸収性物品。
【0043】
(12)の発明によれば、吸収性物品は、少なくとも一部が液透過性の表面シート部と、液不透過性の裏面シート部と、表面シート部と前記裏面シート部との間に配置される吸収体部と、表面シート部及び吸収体部を圧着する圧着部が連続的に形成されてなる1又は複数の防漏溝を有する防漏溝部と、を備える略縦長状の吸収性物品である。防漏溝部は、該吸収性物品の長手方向における所定方向に突出する第1突端部を有すると共に第1突端部の該吸収性物品における幅方向に1又は複数本の防漏溝が形成される略U字状の第1U字部と、第1U字部の所定方向側に形成され所定方向に突出する第2突端部を有すると共に第2突端部の幅方向に第1突端部の幅方向に形成される防漏溝と同じ又は少ない数の防漏溝が形成される略U字状の第2U字部と、を備える。そして、第1突端部における所定方向側の外周部に接する第1接線と、第1接線に平行で所定方向とは反対側の内周部に接する第4接線との中間である第1中間線における第1U字部と交差する第1交差部の第1長さは、第2突端部における所定方向側の外周部に接する第2接線と、第2接線に平行で前記所定方向とは反対側の内周部に接する第5接線との中間である第2中間線における第2U字部と交差する第2交差部の第2長さと同じ又は第2長さよりも短い。
【0044】
防漏溝部における第1U字部と第2U字部とを、第1突端部における所定方向側の外周部に接する第1接線と、第1接線に平行で所定方向とは反対側の内周部に接する第4接線との中間である第1中間線における第1U字部と交差する第1交差部の第1長さが、第2突端部における所定方向側の外周部に接する第2接線と、第2接線に平行で前記所定方向とは反対側の内周部に接する第5接線との中間である第2中間線における第2U字部と交差する第2交差部の第2長さと同じ又は第2長さよりも短くなるように形成することで、第1突端部における圧着部を形成するための圧力が、他の領域における圧力、例えば、第2突端部における圧力よりも大幅に小さくなることを抑制することができる。これにより、例えば、第1突端部における剥離を抑制することができる。
【0045】
第1長さや第2長さを調整するには、例えば、後述するU字部の突端部における曲率半径を調整すること等を例示できる。
【0046】
また、第1U字部及び第2U字部は略U字状に形成されているが、該U字状とは完全なU字に限定されず、V字や円弧も含む。
【0047】
(13) 前記防漏溝部は、前記第2U字部の前記所定方向側に形成され、前記所定方向に突出する第3突端部を有すると共に、前記第3突端部の前記幅方向に防漏溝が配置されない略U字状の第3U字部と、を備え、前記第3突端部における前記所定方向側の外周部に接する第3接線と、前記第3接線に平行で前記所定方向とは反対側の内周部に接する第5接線との中間である第3中間線における前記第3U字部と交差する第3交差部の第3長さは、前記第1長さ及び前記第2長さよりも長い(12)に記載の吸収性物品。
【0048】
(13)の発明によれば、吸収性物品は、防漏溝部が、第2U字部の所定方向側に形成され、所定方向に突出する第3突端部を有すると共に第3突端部の幅方向に防漏溝が配置されない略U字状の第3U字部と、を備える。そして、第3突端部における所定方向側の外周部に接する第3接線と、第3接線に平行で所定方向とは反対側の内周部に接する第5接線との中間である第3中間線における第3U字部と交差する第3交差部の第3長さは、第1長さ及び第2長さよりも長い。
【0049】
これにより、例えば、長手方向における外側に形成され幅方向に防漏溝が形成されていない第3U字部における第3長さを、突端部における幅方向に防漏溝が形成される第1U字部及び第2U字部における第1長さ及び第2長さよりも長くすることで、例えば、第1突端部における圧着部を形成するための圧力及び第2突端部における圧着部を形成するための圧力が、他の領域における圧力、例えば、第3突端部における圧力よりも大幅に小さくなることを抑制することができる。これにより、例えば、第1突端部及び第2突端部における剥離を抑制することができる。
【0050】
(14) 前記第1中間線における前記第1U字部及び前記第1突端部の前記幅方向に形成される防漏溝と交差する複数の交差部におけるそれぞれの長さの合計長さである第4長さは、前記第2中間線における前記第2U字部及び前記第2突端部の前記幅方向に形成される防漏溝と交差する複数の交差部におけるそれぞれの長さの合計長さである第5長さと、略同じ長さである(12)又は(13)に記載の吸収性物品。
【0051】
(14)の発明によれば、吸収性物品は、第1中間線における第1U字部及び第1突端部の幅方向に形成される防漏溝と交差する複数の交差部におけるそれぞれの長さの合計長さである第4長さは、第2中間線における第2U字部及び第2突端部の幅方向に形成される防漏溝と交差する複数の交差部におけるそれぞれの長さの合計長さである第5長さと、略同じ長さである。これにより、例えば、圧着部を形成する際に加えられる第1突端部の幅方向における圧力と、第2突端部の幅方向における圧力とを略同一にすることができる。
【0052】
(15) 前記第3長さは、前記第4長さ及び/又は前記第5長さと略同じで長さである(14)に記載の吸収性物品。
【0053】
(15)の発明によれば、吸収性物品は、第3長さが、第4長さ及び/又は第5長さと略同じである。これにより、圧着部を形成する際に加えられる第3突端部の幅方向における圧力と、第1突端部の幅方向における圧力及び/又は第1突端部の幅方向における圧力とを略同一にすることができる。
【発明の効果】
【0054】
本発明によれば、防漏溝における剥離が抑制された吸収性物品を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の第1実施形態における吸収性物品の平面図である。
【図2】本発明の第1実施形態における吸収性物品の使用状態における斜視図である。
【図3】本発明の第1実施形態における吸収性物品のX―X´断面図である。
【図4】本発明の第2実施形態における吸収性物品の平面図である。
【図5】本発明の第3実施形態における吸収性物品の平面図である。
【図6】本発明の第4実施形態における吸収性物品の平面図である。
【図7】本発明の第5実施形態における吸収性物品の平面図である。
【図8】本発明の第6実施形態における吸収性物品の平面図である。
【図9】本発明の第7実施形態における吸収性物品の平面図である。
【図10】本発明の第8実施形態における吸収性物品の平面図である。
【図11】本発明の第9実施形態における吸収性物品の平面図である。
【図12】比較形態における吸収性物品の平面図である。
【図13】表面シート部と吸収体部とを圧着処理した際における弾力等の発生状態を示す図である。
【図14】圧着部の断面を拡大した図である。
【図15】本発明の吸収性物品における圧着処理工程を示す図及び圧着処理工程で形成された吸収性物品を圧着処理された側から見た図である。
【図16】図4における領域Aを拡大した図である。
【発明を実施するための形態】
【0056】
図1は、本発明の第1実施形態における吸収性物品の平面図である。図2は、本発明の第1実施形態における吸収性物品の使用状態における斜視図である。図3は、本発明の第1実施形態における吸収性物品における図1のX―X´断面図である。図4は、本発明の第2実施形態における吸収性物品の平面図である。図5は、本発明の第3実施形態における吸収性物品の平面図である。図6は、本発明の第4実施形態における吸収性物品の平面図である。図7は、本発明の第5実施形態における吸収性物品の平面図である。図8は、本発明の第6実施形態における吸収性物品の平面図である。図9は、本発明の第7実施形態における吸収性物品の平面図である。図10は、本発明の第8実施形態における吸収性物品の平面図である。図11は、本発明の第9実施形態における吸収性物品の平面図である。図12は、比較形態における吸収性物品の平面図である。図13(a)から(d)は、表面シート部と吸収体部とを圧着処理した際における弾力等の発生状態を示す図である。図14(a)及び(b)は、圧着部の断面を拡大した図である。図15(a)は、本発明の吸収性物品における圧着処理工程を示す図であり、図15(b)は、圧着処理工程で形成された吸収性物品を圧着処理された側から見た図である。図16は、図4における領域Aを拡大した図である。
【0057】
[1]吸収性物品の全体構造
本発明の第1実施形態における吸収性物品1により、本発明の吸収性物品における全体構造について説明する。
【0058】
[1.1]全般
図1から図3に示すように、吸収性物品1は略縦長状であって、少なくとも一部が液透過性の表面シート部2と、液不透過性の裏面シート部3と、表面シート部2と裏面シート部3との間に配置される吸収体部4と、表面シート部2及び吸収体部4を圧着する圧着部が連続的に形成されてなる1又は複数の防漏溝100を有する防漏溝部10と、を備える。本実施形態においては、更に、表面シート部2と吸収体部4との間に配置される液透過性の中間シート部5と、防漏溝部10と、防漏シート90と、を備える。防漏シート90は、吸収性物品1における幅方向に延びて表面シート部2の一部であるサイドシートを構成することができる。
【0059】
吸収性物品1は、長手方向における後方側に長い吸収性物品であり、具体的には尾てい骨まで覆うような後方側に長い吸収性物品である。この吸収性物品1の長手方向における長さは、例えば、250mm以上、好ましくは290mmから420mm、更に好ましくは330mmから400mmを例示できる。この例示した長さの吸収性物品1は、例えば、就寝時における寝姿勢時(例えば、夜用として)において好適に使用することができる。ここで、本実施形態においては、例えば、夜用として用いられる吸収性物品について説明するが、本発明における吸収性物品はこれに限定されない。例えば、本発明の吸収性物品は、本実施形態における吸収性物品1よりも短い、いわゆる昼用の吸収性物品を含むものである。
【0060】
少なくとも一部が液透過性である表面シート部2は、使用時には身体側に配置されると共に排泄部に当接される。表面シート部2は、全面が液透過性であっても、一部が液透過性であってもよく、また、一枚のシート状部材で構成されていても、複数のシート状部材が接着されて構成されていてもよい。本実施形態においては、表面シート部2は、吸収性物品1の幅方向における中央部に液透過域を備え、幅方向における端部側に液不透過性のサイドシートを備える。このサイドシートは、防漏シート90が吸収性物品1における幅方向に延びて形成される。そして、排泄部から排泄される経血等の排泄物は、表面シート部2における液透過域及び中間シート部5を透過して、吸収体部4に吸収される。下着側に配置される裏面シート部3は液不透過性であるので、排泄物は下着側には透過せず、吸収体部4に吸収された状態で保持される。
【0061】
ここで表面シート部2として、例えば、目付15から70g/m、密度0.01〜0.025g/cmのエアースルー不織布や、目付20から40g/mの開孔フィルムを用いることができる。裏面シート部3として、例えば、目付15から40g/mの低密度ポリエチレン(LDPE)からなるフィルムを用いることができる。また、吸収体部4としては、目付120から1000g/mの粉砕パルプと目付50g/m以下の吸収性ポリマーの混合体を用いることができる。更には、吸収体部4における液拡散シートとして目付13から18g/mのティッシュを用いることができる。また、吸収性コアと拡散性シートからなる吸収体部4をエアレイドパルプシート等の吸収性シートから形成してもよい。中間シート部5として、例えば、目付15から70g/m、密度0.005から0.035g/cmのエアースルー不織布を用いることができる。
【0062】
経血等の排泄物の漏れを防ぐため、吸収性物品1における表面シート部2側には防漏溝部10及び防漏シート90が配置されている。防漏溝部10は、例えば、1又は複数の所定形状である防漏溝100により構成される。防漏溝100は、後述のように長手方向における所定方向に突出する突端部を有するU字部を備えることができる。防漏溝100は、所定間隔で連続的に形成される圧着部9により構成される。そして、防漏溝部10は、使用感に配慮しながら吸収体部4に吸収された経血等の排泄物の所定方向への漏れを防止するよう構成される。
【0063】
防漏シート90は、表面シート部2の上面側であって、吸収体部4の幅方向における側端部近傍に形成され、身体に装着した状態において起立壁を形成するように配置される。防漏シート90は、主に、排泄部から排泄された経血等の排泄物であって、表面シート部2の上面を流れる排泄物の漏れを防止する。ここで、防漏シート90は、例えば、高分子弾性樹脂等の伸縮可能な材質を含むことで、装着時において身体の動きに柔軟に対応することができる起立壁を形成することができる。つまり、ゴムのような弾性部材を防漏シート90に配置することで、起立壁を形成することができる。また、上述の通り、防漏シート90が吸収性物品1の幅方向における端部側に延びて表面シート部2の一部であるサイドシートを構成する場合がある。
【0064】
防漏シート90は、例えば、スパンボンド不織布や、ポイントボンド不織布、スルーエアー不織布等が挙げられ、これらに撥水処理が施されてあってもよい。なかでも極細繊維で構成され、繊維間距離が非常に小さいメルトブローンを含むSMS(スパンボンド・メルトブロー・スパンボンド)不織布であることが好ましい。
【0065】
ここで、表面シート部2と中間シート部5は、ホットメルト接着剤により貼り合わされるようにして接合される。また、表面シート部2、中間シート部5と吸収体部4は、ホットメルト接着剤により貼り合わされるようにして接合される。また、表面シート部2と裏面シート部3は、ホットメルト接着剤及び加熱圧着等により形成される不図示の接合部により貼り合わされるようにして接合される。また、防漏シート90と表面シート部2は、例えば、ホットメルト接着剤又は加熱圧着処理等により形成される所定の結合部により接合される。また、防漏シート90と裏面シート部3は、ホットメルト接着剤又は加熱圧着処理等により形成される不図示の結合部により接合される。全体的には、ホットメルト接着剤により各シート部における面と面とを接着し、各シート部における端部を加熱圧着処理により形成される不図示の接合部により接合している。
【0066】
ここで、ホットメルト接着の塗工パターンは、例えば、スパイラル塗工、コントロールシーム塗工、コーター塗工、カーテンコーター塗工、サミットガン塗工等が挙げられる。ホットメルト接着における接着剤の目付量は、1g/mから30g/mが好ましく、更には3g/mから10g/mであることが好ましい。また、接着剤が線状に塗工されているパターンの場合には、その線径は30μmから300μmであることが好ましい。
【0067】
[1.2]防漏溝部10及び防漏溝100
[1.2.1]構成
図1に示すように、防漏溝部10は、所定形状に形成された防漏溝100により形成される。また、この所定形状に形成された防漏溝100は、圧着部9が連続して該所定形状を形成するように配置されることで形成される。
【0068】
図1に示すように、防漏溝部10は、防漏溝100が略U字状に形成される第1U字部U1と、第2U字部U2と、第3U字部U3とを備える。該第2U字部U2は第1U字部U1における長手方向における所定方向側に形成され、同様に、第3U字部U2は第2U字部U2の長手方向における所定方向側に形成される。
【0069】
吸収性物品の長手方向における内側に形成される第1U字部U1は、該所定方向に突出する第1突端部P1を有する。そして、第1突端部P1の該吸収性物品における幅方向に2本の防漏溝100が形成される。
【0070】
第1U字部U1の所定方向側に形成される第2U字部U2は、該所定方向に突出する第2突端部P2を有する。そして、第2突端部P2の幅方向に2本の防漏溝100が形成される。
【0071】
第2U字部U2の所定方向側に形成され長手方向において最も外側に形成される第3U字部U3は、該所定方向に突出する第3突端部P3を有する。そして、第3突端部P3の幅方向には防漏溝100は形成されていない。
【0072】
[1.2.2]面積
図1に示すように、第1突端部P1における長手方向の所定方向側における外周部P1aに接する第1接線と、第1接線に平行で第1接線から所定方向とは反対の方向に所定距離だけ離間して内周部P1bに接する第1平行線との間である領域Kに配置される第1U字部SK1の面積を第1面積とする。
【0073】
第2突端部P2における長手方向の所定方向側における外周部P2aに接する第2接線と、第2接線に平行で第2接線から所定方向とは反対の方向に所定距離だけ離間して内周部P2bに接する第2平行線との間である領域Lに配置される第2U字部SL1の面積を第2面積とする。
【0074】
また、第3突端部P3における長手方向の所定方向側における外周部P3aに接する第3接線と、第3接線に平行で第3接線から所定方向とは反対の方向に所定距離だけ離間して内周部P3bに接する第3平行線との間である領域Mに配置される第3U字部SM1の面積を第3面積とする。ここで、帯状の領域K、L、Mの長手方向における幅は同一である。
【0075】
そして、本実施形態において第1面積は、第2面積よりも小さくなるよう形成される。更には、第3面積は、第1面積及び第2面積よりも大きくなるよう形成される。
【0076】
更に、第1面積と領域Kに配置される第1突端部の幅方向に形成される防漏溝SK2、SK3との面積の総和を第4面積とする。また、第2面積と領域Lに配置される第2突端部の幅方向に形成される防漏溝SL2、SL3との面積の総和を第5面積とする。そして、この第4面積と第5面積とが略同じになるように第1U字部U1、第2U字部U2等を形成することが好ましい。
【0077】
また、第3面積が、第4面積及び/又は第5面積と略同じになるように第3U字部U3を形成することが好ましい。
【0078】
上述のように、所定領域K、L、Mに配置される各U字部の面積を調整することで、例えば、圧着処理時における各圧着部9に加えられる圧力を調整することができる。ここで、それぞれの面積を調整する手段として、後述するそれぞれのU字部の突端部における曲率半径を調整することのほか、例えば、それぞれの突端部近傍の該U字部を構成する防漏溝100の幅(太さ)を調整することでも、それぞれの面積を調整することができる。また、後述するように、それぞれの突端部近傍の該U字部を構成する防漏溝100における圧着部9の面積を調整することでも、各圧着部9に加えられる圧力を調整することができる。
【0079】
また、後述するが、防漏溝100の第1U字部U1、第2U字部U2、第3U字部U3における領域K、L、Mにおける上記接線と上記平行線との中間の中間線と交差ある不図示の交差部のそれぞれの長さが所定の関係になるように調整することでも、各圧着部9に加えられる圧力を調整することができる。
【0080】
[1.2.3]曲率半径
図1に示すように、第1U字部U1の第1突端部P1における内周部P1bにおける第1曲率半径R1は、第2U字部U2の第2突端部P2における内周部P2bにおける第2曲率半径R2より小さくなるよう形成されている。
【0081】
言い換えると、第1突端部P1の幅方向に形成される防漏溝100が2本である第1U字部U1の前記内周部P1bにおける第1曲率半径R1は、第2突端部P2の幅方向に形成される防漏溝100が2本である第2U字部U2の前記内周部P2bにおける第2曲率半径R2よりも小さい。
【0082】
また、第3U字部U3の第3突端部P3における内周部P3bにおける第3曲率半径R3は、第1曲率半径R1及び/又は第2曲率半径R2より大きくなるよう形成されている。
【0083】
言い換えると、第3突端部P3の幅方向に防漏溝100が形成されない第3U字部U3の前記内周部P3bにおける第3曲率半径R3は、第1突端部P1の幅方向に形成される防漏溝100が2本である第1U字部U1の前記内周部P1bにおける第1曲率半径R1及び/又は第2突端部P2の幅方向に形成される防漏溝100が2本である第2U字部U2の前記内周部P2bにおける第2曲率半径R2よりも大きい。
【0084】
曲率半径の値として、例えば、装着時におけるフィット感に考慮した場合、R1として、0mmから10mm、好ましくは5mmから10mmを例示できる。R2として、0mmから15mm、好ましくは5mmから12mmを例示できる。R3として、0mmから20mm、好ましくは10mmから18mmを例示できる。上述した曲率半径の範囲は、第1U字部U1、第2U字部U2、第3U字部U3が略V字状である場合を含む範囲である。ここで、第1U字部U1、第2U字部U2、第3U字部U3が略V字状ではない場合における曲率半径の値として、例えば、R1として、3mmから10mm、好ましくは5mmから10mmを例示できる。R2として、3mmから15mm、好ましくは5mmから12mmを例示できる。R3として、10mmから20mm、好ましくは10mmから18mmを例示できる。また、例えば、R1、R2、R3の組み合わせとして、R1が8.5mm、R2が8.5mm、R3が12.5mmの場合を例示できるが、これに限定するものではない。
【0085】
ここで、上述のように、各U字部の内周部の曲率半径を調整することで、例えば、圧着処理時における各圧着部9に加えられる圧力を調整することができる。
【0086】
更に、後述する圧着部9を形成するための図13に示される凸部45の高さを調整することで、圧着部9の深さを調整することができる。例えば、圧着部9の深さを深くすることで、圧着部9の剥離を更に抑制することができる。本実施形態においては、例えば、通常、圧着部9に加えられる圧力が低い第1U字部U1の第1突端部P1近傍に形成される圧着部9の深さを深くすることで、第1U字部U1の第1突端部P1における剥離を抑制することができる。また、第2U字部U2の第2突端部P2の近傍に形成される圧着部9深さや、第3U字部U3の第3突端部P3の近傍に形成される圧着部9の深さは、上述した面積や曲率半径等に応じて調整することができる。例えば、本実施形態においては、第1突端部P1近傍に形成される圧着部9の深さd1を最も深くし、第2突端部P2近傍に形成される圧着部9の深さd2は深さd1と同じ又はd1に次いで深くし、第3U字部U3の第3突端部P3近傍に形成される圧着部9の深さd3を、深さd1及び深さd2よりも浅くすることができる。
【0087】
[1.2.4]製造
防漏溝部10を形成する所定形状の防漏溝100は、例えば、図15(a)及び(b)に示すように、所定凸部45が表面に形成された圧着ロール部310と、平面ロール320との間を吸収性物品1が押圧されながら通過することで圧着ロール部310と当接した表面側に形成される。この防漏溝100を形成するためには、加熱及び加圧状態で圧着処理することが好ましく、例えば、圧着ロール部310の温度を95度(368.15K)、圧力を25kgm/s(N)にした状態で圧着処理することができる。また、防漏溝100を形成するための圧着形成部である凸部45の幅は、各種製品の形態によって異なるが、例えば、2.5mm幅に形成された凸部45により圧着処理することができる。
【0088】
[1.2.5]剥離
図13(a)から(d)に示すように、防漏溝100は、表面シート部2と吸収体部4が積層的に配置された状態で、表面シート部2の側から凸部45が押圧されることで形成される。図13(b)に示すように、凸部45が押圧されて防漏溝100が形成される際には、防漏溝100の近傍の吸収体部4にも押圧力F1が加えられ、防漏溝100近傍の吸収体部4は圧縮される。次いで、図13(c)に示すように、凸部45による押圧が解除された場合には、圧縮された吸収体部4が回復する回復力(弾力)F2が生じ、防漏溝100を剥離(浮く)させる方向に力が加えられる。更に、図13(d)に示すように、凸部45による圧着で引っ張られた表面シート部2が元に戻るための力F4が生じるので、防漏溝100には、防漏溝100を剥離(浮く)される方向の力F3が更に加えられる。つまり、防漏溝100には、常に、これを剥離(浮く)させるような力が働いていることが分かる。
【0089】
図14に示すように、防漏溝100は、圧着部9の幅b、圧着部9の厚さdとなるよう圧着されるが、上述のように、防漏溝100には、これを剥離(浮く)させるような力が働いている。この力が防漏溝100を維持する力を上回ると、防漏溝100が剥離し、表面シート部2が浮いた状態になる。特に、第1突端部P1、第2突端部P2、第3突端部P3には多方向からの力が加えられているので剥離(浮く)しやすいため、例えば、防漏溝100の形成時における圧着力が弱くならないよう、上述したように面積や曲率半径について調整をすることが好ましい。
【0090】
[1.3]使用態様
図1及び図2により、第1実施形態における吸収性物品1により、本発明の吸収性物品における使用態様の一例について説明する。
【0091】
図1及び図2により、吸収性物品1の使用態様例として、就寝時の寝姿勢における使用態様を説明する。図2に示すように、寝姿勢における使用状態においては、吸収性物品1における後方側860が床面と略平行に配置され、前方側840が該吸収性物品1における後方側860に対して所定角度をなすように、言い換えると、床面に対して所定の角度をなすようにして配置される。通常の吸収性物品と同様に、ウィング状のサイドフラップWA、WBを折り返すと共に、不図示の粘着部8等により下着等に固定する。
【0092】
ウィング状のサイドフラップWA、WBは、表面シート部2を構成するサイドシートの一部が側方に延在されると共に、裏面シート部3の一部が幅方向外側に延在され、これら延在されたサイドシートの延在部分と、裏面シート部3の延在部分との間に不図示の防水シートを配置し、それぞれをホットメルト接着剤により接合して形成される。更に、ウィング状のサイドフラップWA、WBの外縁を、例えば、加熱圧着処理(加熱シール)することで接合する。
【0093】
就寝時等における寝姿勢では、前方側840で吸収された経血等の排泄物が、折り曲げ部850に対して後方である後方側860まで流れる場合がある。このような場合において、防漏溝部10における第1U字部U1、第2U字部U2及び第3U字部U3により、好適に経血等の排泄物の漏れを抑制することができる。
【0094】
[2]実施形態及び比較形態
[2.1]第2実施形態及び第3実施形態
図4及び図5により第2実施形態及び第3実施形態における吸収性物品を説明する。図4及び図5においては、本発明の特徴を理解しやすくするため防漏溝部10を中心に図示する。図4に示すように、第2実施形態の吸収性物品1Aは、所定形状に形成された防漏溝100により形成される防漏溝部10を備える。この所定形状に形成された防漏溝100は、圧着部9が連続して該所定形状を形成するように配置されることで形成される。
【0095】
図4に示すように、防漏溝部10は、防漏溝100が略U字状に形成される第1U字部U1と、第2U字部U2と、第3U字部U3とを備える。該第2U字部U2は第1U字部U1における長手方向における所定方向側に形成され、同様に、第3U字部U3は第2U字部U2の長手方向における所定方向側に形成される。本実施形態における吸収性物品1Aは第1実施形態における吸収性物品1と類似するが、第2U字部U2における幅方向の端部が第1突端部P1よりも長手方向における上側にあるため、第2U字部U2における第2突端部P2の幅方向に形成される防漏溝の本数が第1実施形態の場合よりも多くなる点で異なる。
【0096】
吸収性物品1Aの長手方向における内側に形成される第1U字部U1は、該所定方向に突出する第1突端部P1を有する。そして、第1突端部P1の該吸収性物品1Aにおける幅方向には4本の防漏溝100が形成される。
【0097】
第1U字部U1の所定方向側に形成される第2U字部U2は、該所定方向に突出する第2突端部P2を有する。そして、第2突端部P2の幅方向には2本の防漏溝100が形成される。
【0098】
第2U字部U2の所定方向側に形成され長手方向において最も外側に形成される第3U字部U3は、該所定方向に突出する第3突端部P3を有する。そして、第3突端部P3の幅方向には防漏溝100は形成されていない。
【0099】
そして、図4に示すように、本実施形態において第1面積は、第2面積よりも小さくなるよう形成される。更には、第3面積は、第1面積及び第2面積よりも大きくなるよう形成される。
【0100】
更に、第1面積と領域Kに配置される第1突端部P1の幅方向に形成される防漏溝SK2、SK3、SK4、SK5との面積の総和を第4面積とする。また、第2面積と領域Lに配置される第2突端部P2の幅方向に形成される防漏溝SL2、SL3との面積の総和を第5面積とする。そして、この第4面積と第5面積とが略同じになるように第1U字部U1、第2U字部U2等を形成することが好ましい。
【0101】
また、第3面積が、第4面積及び/又は第5面積と略同じになるように第3U字部U3を形成することが好ましい。
【0102】
図4に示すように、第1U字部U1の第1突端部P1における不図示の内周部P1bにおける第1曲率半径R1は、第2U字部U2の第2突端部における不図示の内周部P2bにおける第2曲率半径R2より小さくなるよう形成されている。
【0103】
言い換えると、第1突端部P1の幅方向に形成される防漏溝100が4本である第1U字部U1の前記内周部P1bにおける第1曲率半径R1は、第2突端部P2の幅方向に形成される防漏溝100が2本である第2U字部U2の前記内周部P2bにおける第2曲率半径R2よりも小さい。
【0104】
また、第3U字部U3の第3突端部P3における不図示の内周部P3bにおける第3曲率半径R3は、第1曲率半径R1及び/又は第2曲率半径R2より大きくなるよう形成されている。
【0105】
言い換えると、第3突端部P3の幅方向に防漏溝100が形成されない第3U字部U3の前記内周部P3bにおける第3曲率半径R3は、第1突端部P1の幅方向に形成される防漏溝100が4本である第1U字部U1の前記内周部P1bにおける第1曲率半径R1及び/又は第2突端部P2の幅方向に形成される防漏溝100が2本である第2U字部U2の前記内周部P2bにおける第2曲率半径R2よりも大きい。
【0106】
図5に示すように、第3実施形態における吸収性物品1Bは、第2実施形態における吸収性物品1Aと類似する吸収性物品であり、第1U字部U1及び第2U字部U2の形状が異なる吸収性物品である。
【0107】
吸収性物品1Bの長手方向における内側に形成される第1U字部U1は、該所定方向に突出する第1突端部P1を有する。そして、第1突端部P1の該吸収性物品における幅方向に4本の防漏溝100が形成される。
【0108】
第1U字部U1の所定方向側に形成される第2U字部U2は、該所定方向に突出する第2突端部P2を有する。そして、第2突端部P2の幅方向に2本の防漏溝100が形成される。
【0109】
第2U字部U2の所定方向側に形成され長手方向において最も外側に形成される第3U字部U3は、該所定方向に突出する第3突端部P3を有する。そして、第3突端部P3の幅方向には防漏溝100は形成されていない。
【0110】
そして、図5に示すように、本実施形態において第1面積は、第2面積よりも小さくなるよう形成される。更には、第3面積は、第1面積及び第2面積よりも大きくなるよう形成される。本実施形態における第1面積及び第2面積は、第1実施形態における第1面積及び第2面積よりも小さくなるよう第1U字部U1及び第2U字部U2が形成されている。
【0111】
更に、第1面積と領域Kに配置される第1突端部の幅方向に形成される防漏溝SK2、SK3、SK4、SK5との面積の総和を第4面積とする。また、第2面積と領域Lに配置される第2突端部の幅方向に形成される防漏溝SL2、SL3との面積の総和を第5面積とする。そして、この第4面積と第5面積とが略同じになるように第1U字部U1、第2U字部U2等を形成することが好ましい。
【0112】
また、第3面積が、第4面積及び/又は第5面積と略同じになるように第3U字部U3を形成することが好ましい。
【0113】
図5に示すように、第1U字部U1の第1突端部P1における不図示の内周部P1bにおける第1曲率半径R1は、第2U字部U2の第2突端部P2における不図示の内周部P2bにおける第2曲率半径R2より小さくなるよう形成されている。本実施形態における第1曲率半径R1及び第2曲率半径R2は、第1実施形態における第1曲率半径R1及び第2曲率半径R2よりも小さくなるよう第1U字部U1及び第2U字部U2が形成されている。
【0114】
言い換えると、第1突端部P1の幅方向に形成される防漏溝100が4本である第1U字部U1の前記内周部P1bにおける第1曲率半径R1は、第2突端部P2の幅方向に形成される防漏溝100が2本である第2U字部U2の前記内周部P2bにおける第2曲率半径R2よりも小さい。
【0115】
また、第3U字部U3の第3突端部P3における不図示の内周部P3bにおける第3曲率半径R3は、第1曲率半径R1及び/又は第2曲率半径R2より大きくなるよう形成されている。
【0116】
言い換えると、第3突端部P3の幅方向に防漏溝100が形成されない第3U字部U3の前記内周部P3bにおける第3曲率半径R3は、第1突端部P1の幅方向に形成される防漏溝100が4本である第1U字部U1の前記内周部P1bにおける第1曲率半径R1及び/又は第2突端部P2の幅方向に形成される防漏溝100が2本である第2U字部U2の前記内周部P2bにおける第2曲率半径R2よりも大きい。
【0117】
また、図16に示すように、第1U字部U1、第2U字部U2、第3U字部U3のそれぞれは、連続的に配置される圧着部9により形成される。本実施形態における各U字部は、例えば、それぞれの突端部近傍において長手方向に縦長の長方形状である圧着部9が幅方向に略平行に並列配置される。
【0118】
本実施形態において、第1U字部U1における第1突端部P1近傍に形成される圧着部9は、幅方向における長さである圧着部幅がW1、長手方向における長さである圧着部高さがH1である。
【0119】
第2U字部U2における第2突端部P2近傍に形成される圧着部9は、幅方向における長さである圧着部幅がW2、長手方向における長さである圧着部高さがH2である。
【0120】
第3U字部U3における第3突端部P3近傍に形成される圧着部9は、幅方向における長さである圧着部幅がW3、長手方向における長さである圧着部高さがH3である。ここで、各突端部近傍に形成される圧着部9それぞれの幅方向における間隔は略同一となるよう調整される。
【0121】
本実施形態において、図16に示すように第1突端部P1における長手方向の所定方向側における外周部P1aに接する第1接線と、第1接線に平行で第1接線から所定方向とは反対の方向に所定距離だけ離間して内周部P1bに接する第1平行線との間である領域Kに配置される第1U字部SK1に含まれる圧着部9の面積の総和を第1圧着部面積とする。
【0122】
第2突端部P2における長手方向の所定方向側における外周部P2aに接する第2接線と、第2接線に平行で第2接線から所定方向とは反対の方向に所定距離だけ離間して内周部P2bに接する第2平行線との間である領域Lに配置される第2U字部SL1に含まれる圧着部9の面積の総和を第2圧着部面積とする。
【0123】
また、第3突端部P3における長手方向の所定方向側における外周部P3aに接する第3接線と、第3接線に平行で第3接線から所定方向とは反対の方向に所定距離だけ離間して内周部P3bに接する第3平行線との間である領域Mに配置される第3U字部SM1に含まれる圧着部9の面積の総和を第1圧着部面積とする。ここで、帯状の領域K、L、Mの長手方向における幅は同一である。
【0124】
図16に示すように、本実施形態において、第1圧着部面積は、第2圧着部面積よりも小さい。また、第3圧着部面積は、第1圧着部面積及び第2圧着部面積よりも大きい。
【0125】
また、図16に示すように、第1突端部P1近傍に配置される圧着部9の圧着部幅W1は、第2突端部P2の近傍に配置される圧着部9の圧着部幅W2よりも狭い。第3突端部P3の近傍に配置される圧着部9の圧着部幅W3は、圧着部幅W1及び圧着部幅W2よりも広い。
【0126】
このように、第1U字部U1、第2U字部U2及び第3U字部U3における突端部近傍に配置される圧着部9の大きさや、所定領域K、L、Mに配置される圧着部9における面積の総和である第1圧着部面積、第2圧着部面積、第3圧着部面積を調整することで、例えば、圧着処理時における各圧着部9に加えられる圧力を調整することができる。
【0127】
また、上述の各圧着部幅W1、W2、W3だけでなく、圧着部高さH1、H2、H3を調整することもできる。これにより、第1U字部U1、第2U字部U2、第3U字部U3を構成する防漏溝100における第1突端部P1、第2突端部P2、第3突端部P3近傍の太さを調整することができ、結果として上述した第1面積、第2面積、第3面積を調整することができる。これにより、例えば、圧着処理時における各圧着部9に加えられる圧力を調整することができる。
【0128】
また、本実施形態において一定間隔とした圧着部9どうしの間隔を調整することもできる。これにより、第1圧着部面積、第2圧着部面積、第3圧着部面積を調整することができる。その結果、例えば、圧着処理時における各圧着部9に加えられる圧力を調整することができる。
【0129】
更に、図16に示すように、第1突端部P1における所定方向側の外周部P1aに接する第1接線と、第1接線に平行で所定方向とは反対側の内周部P1bに接する第4接線との中間である第1中間線KCにおける第1U字部U1と交差する第1交差部KC1の第1長さは、第2突端部P2における所定方向側の外周部P2aに接する第2接線と、第2接線に平行で前記所定方向とは反対側の内周部P2bに接する第5接線との中間である第2中間線LCにおける第2U字部U2と交差する第2交差部LC1の第2長さよりも短い。本実施形態において、第1長さは、第2長さよりも短いが、例えば、第1突端部Pの幅方向に形成される防漏溝100の数と、第2突端部P2の幅方向に形成される防漏溝100の数とが同じ場合には、第1長と第2長とを略同じ長さにすることもできる。
【0130】
また、第3突端部P3における所定方向側の外周部P3aに接する第3接線と、第3接線に平行で所定方向とは反対側の内周部P3bに接する第5接線との中間である第3中間線MCにおける第3U字部U3と交差する第3交差部MC1の第3長さは、第1長さ及び第2長さよりも長い。
【0131】
上述のように、第1中間線KC、第2中間線LC、第3中間線MCにおける各U字部と交差する第1交差部KC1の第1長さ、第2交差部LC1の第2長さ、第3交差部MC1の第3長さを調整することで、例えば、圧着処理時における各圧着部9に加えられる圧力、具体的には幅方向における線圧を調整することができる。
【0132】
第1中間線KCにおける第1U字部U1及び第1突端部P1の幅方向に形成される防漏溝100と交差する複数の交差部KC1、KC2、KC3、KC4、KC5におけるそれぞれの長さの合計長さである第4長さは、第2中間線LCにおける第2U字部U2及び第2突端部P2の幅方向に形成される防漏溝100と交差する複数の交差部LC1、LC2、LC3におけるそれぞれの長さの合計長さである第5長さと、略同じ長さであることが好ましい。これにより、例えば、圧着部9を形成する際に加えられる第1突端部P1の幅方向における圧力と、第2突端部P2の幅方向における圧力とを略同一にすることができる。具体的には、幅方向における線圧を略同一にすることができる。
【0133】
また、第3交差部MC1の第3長さは、上記の第4長さ及び/又は第5長さと略同じで長さである場合が好ましい。これにより、例えば、圧着部9を形成する際に加えられる第1突端部P1の幅方向における圧力と、第2突端部P2の幅方向における圧力とを略同一にすることができる。具体的には、幅方向における線圧を略同一にすることができる。
【0134】
[2.2]第4実施形態及び第5実施形態
図6及び図7により第4実施形態及び第5実施形態における吸収性物品を説明する。図6及び図7においては、本発明の特徴を理解しやすくするため防漏溝部10を中心に図示する。図6に示すように、第4実施形態の吸収性物品1Cは、所定形状に形成された防漏溝100により形成される防漏溝部10を備える。この所定形状に形成された防漏溝100は、圧着部9が連続して該所定形状を形成するように配置されることで形成される。
【0135】
図6に示すように、防漏溝部10は、防漏溝100が略U字状に形成される第1U字部U1と、第2U字部U2と、第3U字部U3とを備える。該第2U字部U2は第1U字部U1における長手方向における所定方向側に形成され、同様に、第3U字部U3は第2U字部U2の長手方向における所定方向側に形成される。本実施形態における吸収性物品1Cは後述する第5実施形態における吸収性物品1Dと類似するが、第2U字部U2における幅方向の端部が第1突端部P1よりも長手方向における上側にあるため、第2U字部U2における第2突端部P2の幅方向に形成される防漏溝100の本数が第5実施形態の場合よりも多くなる。
【0136】
吸収性物品1Cの長手方向における内側に形成される第1U字部U1は、該所定方向に突出する第1突端部P1を有する。そして、第1突端部P1の該吸収性物品1Cにおける幅方向に4本の防漏溝100が形成される。
【0137】
第1U字部U1の所定方向側に形成される第2U字部U2は、該所定方向に突出する第2突端部P2を有する。そして、第2突端部P2の幅方向に2本の防漏溝100が形成される。ここで、第1U字部U1及び第2U字部U2は、その側部が幅方向における外側ではなく内側に膨らむような略U字状に形成される。
【0138】
第2U字部U2の所定方向側に形成され長手方向において最も外側に形成される第3U字部U3は、該所定方向に突出する第3突端部P3を有する。そして、第3突端部P3の幅方向には防漏溝100は形成されていない。
【0139】
そして、図6に示すように、本実施形態において第1面積は、第2面積よりも小さくなるよう形成される。更には、第3面積は、第1面積及び第2面積よりも大きくなるよう形成される。
【0140】
更に、第1面積と領域Kに配置される第1突端部P1の幅方向に形成される防漏溝SK2、SK3、SK4、SK5との面積の総和を第4面積とする。また、第2面積と領域Lに配置される第2突端部P2の幅方向に形成される防漏溝SL2、SL3との面積の総和を第5面積とする。そして、この第4面積と第5面積とが略同じになるように第1U字部U1、第2U字部U2等を形成することが好ましい。
【0141】
また、第3面積が、第4面積及び/又は第5面積と略同じになるように第3U字部U3を形成することが好ましい。
【0142】
図6に示すように、第1U字部U1の第1突端部P1における不図示の内周部P1bにおける第1曲率半径R1は、第2U字部U2の第2突端部における不図示の内周部P2bにおける第2曲率半径R2より小さくなるよう形成されている。
【0143】
言い換えると、第1突端部P1の幅方向に形成される防漏溝100が4本である第1U字部U1の前記内周部P1bにおける第1曲率半径R1は、第2突端部P2の幅方向に形成される防漏溝100が2本である第2U字部U2の前記内周部P2bにおける第2曲率半径R2よりも小さい。
【0144】
また、第3U字部U3の第3突端部P3における不図示の内周部P3bにおける第3曲率半径R3は、第1曲率半径R1及び/又は第2曲率半径R2より大きくなるよう形成されている。
【0145】
言い換えると、第3突端部P3の幅方向に防漏溝100が形成されない第3U字部U3の前記内周部P3bにおける第3曲率半径R3は、第1突端部P1の幅方向に形成される防漏溝100が4本である第1U字部U1の前記内周部P1bにおける第1曲率半径R1及び/又は第2突端部P2の幅方向に形成される防漏溝100が2本である第2U字部U2の前記内周部P2bにおける第2曲率半径R2よりも大きい。
【0146】
図7に示すように、第5実施形態における吸収性物品1Dは、第4実施形態における吸収性物品1Cと類似する吸収性物品であり、第1突端部P1の幅方向に形成される防漏溝100の本数が異なる吸収性物品である。
【0147】
吸収性物品1Dの長手方向における内側に形成される第1U字部U1は、該所定方向に突出する第1突端部P1を有する。そして、第1突端部P1の該吸収性物品1Dにおける幅方向に2本の防漏溝100が形成される。
【0148】
第1U字部U1の所定方向側に形成される第2U字部U2は、該所定方向に突出する第2突端部P2を有する。そして、第2突端部P2の幅方向に2本の防漏溝100が形成される。
【0149】
第2U字部U2の所定方向側に形成され長手方向において最も外側に形成される第3U字部U3は、該所定方向に突出する第3突端部P3を有する。そして、第3突端部P3の幅方向には防漏溝100は形成されていない。
【0150】
そして、図7に示すように、本実施形態において第1面積は、第2面積よりも小さくなるよう形成される。更には、第3面積は、第1面積及び第2面積よりも大きくなるよう形成される。
【0151】
更に、第1面積と領域Kに配置される第1突端部の幅方向に形成される防漏溝SK2、SK3との面積の総和を第4面積とする。また、第2面積と領域Lに配置される第2突端部の幅方向に形成される防漏溝SL2、SL3との面積の総和を第5面積とする。そして、この第4面積と第5面積とが略同じになるように第1U字部U1、第2U字部U2等を形成することが好ましい。
【0152】
また、第3面積が、第4面積及び/又は第5面積と略同じになるように第3U字部U3を形成することが好ましい。
【0153】
図7に示すように、第1U字部U1の第1突端部P1における不図示の内周部P1bにおける第1曲率半径R1は、第2U字部U2の第2突端部における不図示の内周部P2bにおける第2曲率半径R2より小さくなるよう形成されている。
【0154】
言い換えると、第1突端部P1の幅方向に形成される防漏溝100が2本である第1U字部U1の前記内周部P1bにおける第1曲率半径R1は、第2突端部P2の幅方向に形成される防漏溝100が2本である第2U字部U2の前記内周部P2bにおける第2曲率半径R2よりも小さい。
【0155】
また、第3U字部U3の第3突端部P3における不図示の内周部P3bにおける第3曲率半径R3は、第1曲率半径R1及び/又は第2曲率半径R2より大きくなるよう形成されている。
【0156】
言い換えると、第3突端部P3の幅方向に防漏溝100が形成されない第3U字部U3の前記内周部P3bにおける第3曲率半径R3は、第1突端部P1の幅方向に形成される防漏溝100が2本である第1U字部U1の前記内周部P1bにおける第1曲率半径R1及び/又は第2突端部P2の幅方向に形成される防漏溝100が2本である第2U字部U2の前記内周部P2bにおける第2曲率半径R2よりも大きい。
【0157】
[2.3]第6実施形態
図8により第6実施形態における吸収性物品を説明する。図8においては、本発明の特徴を理解しやすくするため防漏溝部10を中心に図示する。図8に示すように、第6実施形態の吸収性物品1Eは、所定形状に形成された防漏溝100により形成される防漏溝部10を備える。この所定形状に形成された防漏溝100は、圧着部9が連続して該所定形状を形成するように配置されることで形成される。
【0158】
図8に示すように、防漏溝部10は、防漏溝100が略U字状に形成される第1U字部U1と、第2U字部U2と、第3U字部U3とを備える。該第2U字部U2は第1U字部U1における長手方向における所定方向側に形成され、同様に、第3U字部U3は第2U字部U2の長手方向における所定方向側に形成される。本実施形態における第2U字部U2は、該第2U字部U2における幅の端部が、第1U字部U1における幅方向端部から第1突端部P1の間の所定位置に連続するように形成される。
【0159】
吸収性物品1Eの長手方向における内側に形成される第1U字部U1は、該所定方向に突出する第1突端部P1を有する。そして、第1突端部P1の該吸収性物品1Eにおける幅方向に4本の防漏溝100が形成される。
【0160】
第1U字部U1の所定方向側に形成される第2U字部U2は、該所定方向に突出する第2突端部P2を有する。そして、第2突端部P2の幅方向に2本の防漏溝100が形成される。
【0161】
第2U字部U2の所定方向側に形成され長手方向において最も外側に形成される第3U字部U3は、該所定方向に突出する第3突端部P3を有する。そして、第3突端部P3の幅方向には防漏溝100は形成されていない。
【0162】
そして、図8に示すように、本実施形態において第1面積は、第2面積よりも小さくなるよう形成される。更には、第3面積は、第1面積及び第2面積よりも大きくなるよう形成される。
【0163】
更に、第1面積と領域Kに配置される第1突端部の幅方向に形成される防漏溝SK2、SK3、SK4、SK5との面積の総和を第4面積とする。また、第2面積と領域Lに配置される第2突端部の幅方向に形成される防漏溝SL2、SL3との面積の総和を第5面積とする。そして、この第4面積と第5面積とが略同じになるように第1U字部U1、第2U字部U2等を形成することが好ましい。
【0164】
また、第3面積が、第4面積及び/又は第5面積と略同じになるように第3U字部U3を形成することが好ましい。
【0165】
図8に示すように、第1U字部U1の第1突端部P1における不図示の内周部P1bにおける第1曲率半径R1は、第2U字部U2の第2突端部における不図示の内周部P2bにおける第2曲率半径R2より小さくなるよう形成されている。
【0166】
言い換えると、第1突端部P1の幅方向に形成される防漏溝100が4本である第1U字部U1の前記不図示の内周部P1bにおける第1曲率半径R1は、第2突端部P2の幅方向に形成される防漏溝100が2本である第2U字部U2の前記不図示の内周部P2bにおける第2曲率半径R2よりも小さい。
【0167】
また、第3U字部U3の第3突端部P3における不図示の内周部P3bにおける第3曲率半径R3は、第1曲率半径R1及び/又は第2曲率半径R2より大きくなるよう形成されている。
【0168】
言い換えると、第3突端部P3の幅方向に防漏溝100が形成されない第3U字部U3の前記不図示の内周部P3bにおける第3曲率半径R3は、第1突端部P1の幅方向に形成される防漏溝100が4本である第1U字部U1の前記不図示の内周部P1bにおける第1曲率半径R1及び/又は第2突端部P2の幅方向に形成される防漏溝100が2本である第2U字部U2の前記不図示の内周部P2bにおける第2曲率半径R2よりも大きい。
【0169】
[2.4]第7実施形態
図9により第7実施形態における吸収性物品を説明する。図9においては、本発明の特徴を理解しやすくするため防漏溝部10を中心に図示する。図9に示すように、第7実施形態の吸収性物品1Fは、所定形状に形成された防漏溝100により形成される防漏溝部10を備える。この所定形状に形成された防漏溝100は、圧着部9が連続して該所定形状を形成するように配置されることで形成される。
【0170】
図9に示すように、防漏溝部10は、防漏溝100が略U字状に形成される第1U字部U1と、第2U字部U2と、第3U字部U3とを備える。該第2U字部U2は第1U字部U1における長手方向における所定方向側に形成され、同様に、第3U字部U3は第2U字部U2の長手方向における所定方向側に形成される。本実施形態における第3U字部U2は、該第3U字部U2における幅の端部が他の防漏溝100と連続せずに単独で形成される。
【0171】
吸収性物品1Fの長手方向における内側に形成される第1U字部U1は、該所定方向に突出する第1突端部P1を有する。そして、第1突端部P1の該吸収性物品1Fにおける幅方向に4本の防漏溝100が形成される。
【0172】
第1U字部U1の所定方向側に形成され、第2U字部U2における幅の端部が第1U字部U1における幅方向端部から第1突端部P1の間の所定位置に連続するように形成される第2U字部U2は、該所定方向に突出する第2突端部P2を有する。そして、第2突端部P2の幅方向に2本の防漏溝100が形成される。
【0173】
第2U字部U2の所定方向側に形成され長手方向において最も外側に形成される第3U字部U3は、該所定方向に突出する第3突端部P3を有する。そして、第3突端部P3の幅方向には防漏溝100は形成されていない。
【0174】
そして、図9に示すように、本実施形態において第1面積は、第2面積よりも小さくなるよう形成される。更には、第3面積は、第1面積及び第2面積よりも大きくなるよう形成される。
【0175】
更に、第1面積と領域Kに配置される第1突端部P1の幅方向に形成される防漏溝SK2、SK3、SK4、SK5との面積の総和を第4面積とする。また、第2面積と領域Lに配置される第2突端部P2の幅方向に形成される防漏溝SL2、SL3との面積の総和を第5面積とする。そして、この第4面積と第5面積とが略同じになるように第1U字部U1、第2U字部U2等を形成することが好ましい。
【0176】
また、第3面積が、第4面積及び/又は第5面積と略同じになるように第3U字部U3を形成することが好ましい。
【0177】
図9に示すように、第1U字部U1の第1突端部P1における不図示の内周部P1bにおける第1曲率半径R1は、第2U字部U2の第2突端部における不図示の内周部P2bにおける第2曲率半径R2より小さくなるよう形成されている。
【0178】
言い換えると、第1突端部P1の幅方向に形成される防漏溝100が4本である第1U字部U1の前記不図示の内周部P1bにおける第1曲率半径R1は、第2突端部P2の幅方向に形成される防漏溝100が2本である第2U字部U2の前記不図示の内周部P2bにおける第2曲率半径R2よりも小さい。
【0179】
また、第3U字部U3の第3突端部P3における不図示の内周部P3bにおける第3曲率半径R3は、第1曲率半径R1及び/又は第2曲率半径R2より大きくなるよう形成されている。
【0180】
言い換えると、第3突端部P3の幅方向に防漏溝100が形成されない第3U字部U3の前記不図示の内周部P3bにおける第3曲率半径R3は、第1突端部P1の幅方向に形成される防漏溝100が4本である第1U字部U1の前記不図示の内周部P1bにおける第1曲率半径R1及び/又は第2突端部P2の幅方向に形成される防漏溝100が2本である第2U字部U2の前記不図示の内周部P2bにおける第2曲率半径R2よりも大きい。
【0181】
[2.5]第8実施形態
図10により第8実施形態における吸収性物品を説明する。図10においては、本発明の特徴を理解しやすくするため防漏溝部10を中心に図示する。図10に示すように、第8実施形態の吸収性物品1Gは、所定形状に形成された防漏溝100により形成される防漏溝部10を備える。この所定形状に形成された防漏溝100は、圧着部9が連続して該所定形状を形成するように配置されることで形成される。
【0182】
図10に示すように、防漏溝部10は、防漏溝100が略U字状に形成される第1U字部U1と、第2U字部U2と、を備える。該第2U字部U2は第1U字部U1における長手方向における所定方向側に形成される。該第1U字部U1及び第2U字部U2における幅方向の両外側には長手方向に延びるように防漏溝100が形成される。本実施形態においては、第3U字部U3は形成されない。
【0183】
吸収性物品1Gの長手方向における内側に形成される第1U字部U1は、該所定方向に突出する第1突端部P1を有する。そして、第1突端部P1の該吸収性物品1Gにおける幅方向に4本の防漏溝100が形成される。
【0184】
第1U字部U1の所定方向側に形成される第2U字部U2は、該所定方向に突出する第2突端部P2を有する。そして、第2突端部P2の幅方向に2本の防漏溝100が形成される。
【0185】
そして、図10に示すように、本実施形態において第1面積は、第2面積よりも小さくなるよう形成される。
【0186】
更に、第1面積と領域Kに配置される第1突端部P1の幅方向に形成される防漏溝SK2、SK3、SK4、SK5との面積の総和を第4面積とする。また、第2面積と領域Lに配置される第2突端部P2の幅方向に形成される防漏溝SL2、SL3との面積の総和を第5面積とする。そして、この第4面積と第5面積とが略同じになるように第1U字部U1、第2U字部U2等を形成することが好ましい。
【0187】
図10に示すように、第1U字部U1の第1突端部P1における不図示の内周部P1bにおける第1曲率半径R1は、第2U字部U2の第2突端部における不図示の内周部P2bにおける第2曲率半径R2より小さくなるよう形成されている。
【0188】
言い換えると、第1突端部P1の幅方向に形成される防漏溝100が4本である第1U字部U1の前記不図示の内周部P1bにおける第1曲率半径R1は、第2突端部P2の幅方向に形成される防漏溝100が2本である第2U字部U2の前記不図示の内周部P2bにおける第2曲率半径R2よりも小さい。
【0189】
[2.6]第9実施形態
図11により第9実施形態における吸収性物品を説明する。図11においては、本発明の特徴を理解しやすくするため防漏溝部10を中心に図示する。図11に示すように、第9実施形態の吸収性物品1Hは、所定形状に形成された防漏溝100により形成される防漏溝部10を備える。この所定形状に形成された防漏溝100は、圧着部9が連続して該所定形状を形成するように配置されることで形成される。
【0190】
図11に示すように、防漏溝部10は、防漏溝100が略U字状に形成される第1U字部U1と、第2U字部U2と、第3U字部U3とを備える。該第2U字部U2は第1U字部U1における長手方向における所定方向側に形成され、同様に、第3U字部U3は第2U字部U2の長手方向における所定方向側に形成される。本実施形態における第1U字部U1及び第2U字部U2は、略V字状に形成される。ここで、略V字状は、本発明における略U字状に含まれる。
【0191】
吸収性物品1Hの長手方向における内側に形成される第1U字部U1は、該所定方向に突出する第1突端部P1を有する。そして、第1突端部P1の該吸収性物品1Hにおける幅方向に4本の防漏溝100が形成される。
【0192】
第1U字部U1の所定方向側に形成される第2U字部U2は、該所定方向に突出する第2突端部P2を有する。そして、第2突端部P2の幅方向に2本の防漏溝100が形成される。
【0193】
第2U字部U2の所定方向側に形成され長手方向において最も外側に形成される第3U字部U3は、該所定方向に突出する第3突端部P3を有する。そして、第3突端部P3の幅方向には防漏溝100は形成されていない。
【0194】
そして、図11に示すように、本実施形態において第1面積は、第2面積と同じか又は第2面積よりも小さくなるよう形成される。更には、第3面積は、第1面積及び第2面積よりも大きくなるよう形成される。
【0195】
更に、第1面積と領域Kに配置される第1突端部の幅方向に形成される防漏溝SK2、SK3、SK4、SK5との面積の総和を第4面積とする。また、第2面積と領域Lに配置される第2突端部の幅方向に形成される防漏溝SL2、SL3との面積の総和を第5面積とする。そして、この第4面積と第5面積とが略同じになるように第1U字部U1、第2U字部U2等を形成することが好ましい。
【0196】
また、第3面積が、第4面積及び/又は第5面積と略同じになるように第3U字部U3を形成することが好ましい。
【0197】
図11に示すように、第1U字部U1及び第2U字部U2は、略V字状に形成されているので、第1U字部U1の第1突端部P1における不図示の内周部P1bにおける第1曲率半径R1及び第2U字部U2の第2突端部における不図示の内周部P2bにおける第2曲率半径R2は共に0である。
【0198】
つまり、第1突端部P1の幅方向に形成される防漏溝100が4本である第1U字部U1の前記不図示の内周部P1bにおける第1曲率半径R1は0である。また、第2突端部P2の幅方向に形成される防漏溝100が2本である第2U字部U2の前記不図示の内周部P2bにおける第2曲率半径R2は0である。
【0199】
第3U字部U3の第3突端部P3における不図示の内周部P3bにおける第3曲率半径R3は、第1曲率半径R1及び/又は第2曲率半径R2より大きくなるよう形成されている。
【0200】
[2.7]比較形態
図12により比較形態における吸収性物品を説明する。図12においては、特徴を理解しやすくするため防漏溝部10を中心に図示する。図12に示すように、比較形態の吸収性物品1Iは、所定形状に形成された防漏溝100により形成される防漏溝部10を備える。この所定形状に形成された防漏溝100は、圧着部9が連続して該所定形状を形成するように配置されることで形成される。
【0201】
図12に示すように、防漏溝部10は、防漏溝100が略U字状に形成される第1U字部U1と、第2U字部U2と、第3U字部U3とを備える。該第2U字部U2は第1U字部U1における長手方向における所定方向側に形成され、同様に、第3U字部U3は第2U字部U2の長手方向における所定方向側に形成される。本比較形態における吸収性物品1Iは第1実施形態における吸収性物品1と類似するが、第1U字部U1よりも第2U字部U2の方が、より急な曲線のU字状である。
【0202】
吸収性物品1Iの長手方向における内側に形成される第1U字部U1は、該所定方向に突出する第1突端部P1を有する。そして、第1突端部P1の該吸収性物品1Aにおける幅方向に2本の防漏溝100が形成される。
【0203】
第1U字部U1の所定方向側に形成される第2U字部U2は、該所定方向に突出する第2突端部P2を有する。そして、第2突端部P2の幅方向に2本の防漏溝100が形成される。
【0204】
第2U字部U2の所定方向側に形成され長手方向において最も外側に形成される第3U字部U3は、該所定方向に突出する第3突端部P3を有する。そして、第3突端部P3の幅方向には防漏溝100は形成されていない。
【0205】
そして、図12に示すように、本比較形態において第1面積は、第1実施形態とは異なり第2面積よりも大きくなるよう形成される。
【0206】
また、図12に示すように、第1U字部U1の第1突端部P1における不図示の内周部P1bにおける第1曲率半径R1は、第1実施形態とは異なり第2U字部U2の第2突端部における不図示の内周部P2bにおける第2曲率半径R2より大きくなるよう形成されている。
【0207】
言い換えると、第1突端部P1の幅方向に形成される防漏溝100が2本である第1U字部U1の前記不図示の内周部P1bにおける第1曲率半径R1は、第1実施形態とは異なり第2突端部P2の幅方向に形成される防漏溝100が2本である第2U字部U2の前記不図示の内周部P2bにおける第2曲率半径R2よりも大きい。
【0208】
本比較形態のように第1U字部U1及び第2U字部U2を形成した場合、本発明における吸収性物品で得られる剥離抑制効果等を得ることができない。
【0209】
[3]各構成物
以下に、各構成物について詳述する。表面シート部2の全部又は一部を構成する液透過性域は、多数の液透過孔が形成された樹脂フィルム、多数の網目を有するネット状シート、液透過性の不織布、又は織布などで形成される。前記樹脂フィルムやネット状シートは、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)などで形成されたものを使用できる。また不織布としては、レーヨンなどのセルロース繊維、合成樹脂繊維などから形成されたスパンレース不織布、前記合成樹脂繊維で形成されたエアースルー不織布などを用いることができる。また、素材として、ポリ乳酸、キトサン、ポリアルギン酸などの生分解性が可能な天然物を用いることもできる。また、多数の液透過孔を形成すると共に、シリコーン系やフッ素系の撥水性油剤を塗布して、その外面に体液が付着しにくいものとしてもよい。
【0210】
また、目付は15から100g/mが好ましく、20から50g/mがより好ましく、10から40g/mが特に好ましい。目付が15g/m以下だと表面強度が十分に得られず、使用中に破ける恐れがある。また100g/m以上の場合、過度のごわつきが発現し、使用中に違和感を生じる。更には、長時間使用の場合には、40g/mを超えてしまうと、液体を表面シート部2で保持してしまいベタベタした状態で維持され続け、不快に感じるようになってしまう。また、密度は0.12g/cm以下で液透過性であれば特には限定されない。密度がこれ以上の場合、表面シート部の繊維間をスムーズに透過することが難しい。経血の場合、尿などにくらべ粘性が高いので密度が低いものが好ましい。
【0211】
また、表面シート部2の全部又は一部を構成する液透過性域が、上述した多数の液透過性開孔が形成されたフィルム等である開孔フィルムである場合、開孔径は0.05mm以上3mm以下の範囲内、ピッチは、0.2mm以上10mm以下の範囲内、開孔面積率は、3%以上30%以下の範囲内であることが好ましい。
【0212】
また、表面シート部2の全部又は一部を構成する液透過性域において、中間シート部5と一体的に複数の開孔51を形成することもできる。開孔51の配列は千鳥状、格子状、波状など特に限定されない。また、開孔の形状としては、丸型、楕円型、四角型などが挙げられる。また、開孔51の周縁に弁が備えられていてもよい。
【0213】
裏面シート部3は、吸収体部4に吸収された排泄物が外へ漏れ出すのを防止できる材料が使用される。また、透湿性素材とすることにより、装着時のムレを低減させることができ、装着時における不快感を低減させることが可能となる。このような材料としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等を主体とした液不透過性フィルム、通気性フィルム、スパンボンドなどの不織布の片面に液不透過性フィルムをラミネートした複合シートなどが挙げられる。好ましくは、疎水性の不織布、不透水性のプラスティックフィルム、不織布と不透水性プラスティックフィルムとのラミネートシート等を用いることができる。また、耐水性の高いメルトブローン不織布を強度の強いスパンボンド不織布で挟んだSMS不織布でもよい。
【0214】
中間シート部5は、表面シート部2と吸収体部4との間に配置される液透過性シートである。中間シート部5に使用される材料としては、表面シート部2の全部又は一部を構成する液透過性域と同様に多数の液透過孔が形成された樹脂フィルム、多数の網目を有するネット状シート、液透過性の不織布、又は織布などで形成される。前記樹脂フィルムやネット状シートは、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)などで形成されたものを使用できる。また不織布としては、レーヨンなどのセルロース繊維、合成樹脂繊維などから形成されたスパンレース不織布、前記合成樹脂繊維で形成されたエアースルー不織布やエアレイド不織布などを用いることができる。
【0215】
吸収体部4は、表面シート部2側に配置されるクッションと、吸収体材料とで構成される。吸収体材料は、経血等の液体を吸収して保持する機能を有するもので、嵩高であり、型崩れし難く、化学的刺激が少ないものであることが好ましい。例えば、フラッフ状パルプもしくはエアレイド不織布と高吸収ポリマーとからなる吸収体材料を例示できる。フラッフ状パルプの代わりに、例えば、化学パルプ、セルロース繊維、レーヨン、アセテート等の人工セルロース繊維を例示できる。パルプは目付500g/m、ポリマーは目付20g/m(ポリマーは全体に分散している)で、パルプとポリマーが全体に均一に分布した混合体を、目付け15g/mのティッシュで包んだものが挙げられる。エアレイド不織布としては、例えば、パルプと合成繊維とを熱融着させ又はバインダーで固着させた不織布を例示できる。高吸収ポリマー(SAP)としては、例えば、デンプン系、アクリル酸系、アミノ酸系の粒子状又は繊維状のポリマーを例示できる。
【0216】
吸収体部4の形状及び構造は必要に応じて変えることができるが、吸収体部4の全吸収量は、吸収性物品としての設計挿入量及び所望の用途に対応させる必要がある。また、吸収体部4のサイズや吸収能力等は用途に対応して変動される。
【0217】
防漏溝部10を構成する防漏溝100は、所定の圧着処理により連続して形成される圧着部9により形成される。圧着部9は、加熱ローラを用いた所定の圧着処理により形成される。例えば、吸収体部4の裏面シート部3側に表面がフラットなロールが当てられ、表面シート部2の表面側に所定パターンの凸部を有する加熱ロールが当てられて、加圧され且つ加熱される。その結果、圧着部9では、吸収体部4及び表面シート部2がほぼフィルム状に圧着された複数の高密度の圧着部9と、高密度の圧着部9と隣接する高密度の圧着部9との間に位置して、フィルム状にはなっていないが防漏溝100以外の領域よりも高密度となった複数の中密度圧着部が形成される。防漏溝100のパターンの全ての部分において、この高密度の圧着部9と中密度の圧着部が交互に形成されて、吸収性物品1の表面(身体側)から裏面シート部3側へ窪む線状の防漏溝100が形成される。
【0218】
防漏溝100における幅寸法は、例えば、第1実施形態の吸収性物品1において、0.5mmから10mm、好ましくは1mmから5mmとするのが望ましい。幅寸法が0.5mm以下の場合には、表面シート部2と吸収体部4を切ってしまうだけになる。幅寸法が10mm以上の場合には、フィット性、使用感、吸収性等が低下してしまう。
【0219】
粘着部8等における粘着体は、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤などの粘着剤の他、肌に密着して接着力を発揮するセルロース系、ポリビニルアルコール系、ゼラチン、ポリグルタミン酸、ポリリジンなどのポリアミノ酸ゲルを用いることもできる。
【符号の説明】
【0220】
1 吸収性物品
2 表面シート部
3 裏面シート部
4 吸収体部
10 防漏溝部
100 防漏溝
U1 第1U字部
U2 第2U字部
U3 第3U字部
P1 第1突端部
P2 第2突端部
P3 第3突端部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一部が液透過性の表面シート部と、液不透過性の裏面シート部と、前記表面シート部と前記裏面シート部との間に配置される吸収体部と、前記表面シート部及び前記吸収体部を圧着する圧着部が連続的に形成されてなる1又は複数の防漏溝を有する防漏溝部と、を備える略縦長状の吸収性物品であって、
前記防漏溝部は、
該吸収性物品の長手方向における所定方向に突出する第2突端部を有すると共に、前記第2突端部の該吸収性物品における幅方向に複数本の防漏溝が形成される略U字状の第2U字部と、
前記第2U字部の前記所定方向側に形成され、前記所定方向に突出する第3突端部を有すると共に、前記第3突端部の前記幅方向に防漏溝が配置されない略U字状の第3U字部と、を備え、
前記第3突端部における前記所定方向側の外周部に接する第3接線と、前記第3接線に平行で前記第3接線から前記所定方向とは反対側に所定距離だけ離間する第3平行線との間に配置される前記第3U字部の面積である第3面積は、
前記第2突端部における前記所定方向側の外周部に接する第2接線と、前記第2接線に平行で前記第2接線から前記所定方向とは反対の方向に所定距離だけ離間する第2平行線との間に配置される前記第2U字部の面積である第2面積よりも大きい吸収性物品。
【請求項2】
前記第3面積は、前記第2接線と前記第2平行線との間に配置される前記第2U字部及び前記第2突端部の前記幅方向に形成される防漏溝の合計面積である第5面積と略同じである請求項1に記載の吸収性物品。
【請求項3】
少なくとも一部が液透過性の表面シート部と、液不透過性の裏面シート部と、前記表面シート部と前記裏面シート部との間に配置される吸収体部と、前記表面シート部及び前記吸収体部を圧着する圧着部が連続的に形成されてなる1又は複数の防漏溝を有する防漏溝部と、を備える略縦長状の吸収性物品であって、
前記防漏溝部は、
該吸収性物品の長手方向における所定方向に突出する第2突端部を有すると共に、前記第2突端部の該吸収性物品における幅方向に複数本の防漏溝が形成される略U字状の第2U字部と、
前記第2U字部の前記所定方向側に形成され、前記所定方向に突出する第3突端部を有すると共に、前記第3突端部の前記幅方向に防漏溝が配置されない略U字状の第3U字部と、を備え、
前記第3突端部における第3曲率半径は、前記第2突端部における第2曲率半径よりも大きい吸収性物品。
【請求項4】
前記曲率半径のそれぞれは、前記U字部のそれぞれにおける前記所定方向とは反対の方向側の内周部における曲率半径である請求項3に記載の吸収性物品。
【請求項5】
少なくとも一部が液透過性の表面シート部と、液不透過性の裏面シート部と、前記表面シート部と前記裏面シート部との間に配置される吸収体部と、前記表面シート部及び前記吸収体部を圧着する圧着部が連続的に形成されてなる1又は複数の防漏溝を有する防漏溝部と、を備える略縦長状の吸収性物品であって、
前記防漏溝部は、
該吸収性物品の長手方向における所定方向に突出する第2突端部を有すると共に、前記第2突端部の該吸収性物品における幅方向に複数本の防漏溝が形成される略U字状の第2U字部と、
前記第2U字部の前記所定方向側に形成され、前記所定方向に突出する第3突端部を有すると共に、前記第3突端部の前記幅方向に防漏溝が配置されない略U字状の第3U字部と、を備え、
前記第3突端部における前記所定方向側の外周部に接する第3接線と、前記第3接線に平行で前記第3接線から前記所定方向とは反対側に所定距離だけ離間する第3平行線との間に配置される前記第3U字部を形成する圧着部の面積である第3圧着部面積は、前記第2突端部における前記所定方向側の外周部に接する第2接線と、前記第2接線に平行で前記第2接線から前記所定方向とは反対側に所定距離だけ離間する第2平行線との間に配置される前記第2U字部を形成する圧着部の面積である第2圧着部面積よりも大きい吸収性物品。
【請求項6】
前記第3接線と前記第3平行線との間に配置される前記第3U字部を形成する圧着部の前記幅方向における第3圧着部幅が、前記第2接線と前記第2平行線との間に配置される前記第2U字部を形成する圧着部の前記幅方向における第2圧着部幅よりも広い請求項5に記載の吸収性物品。
【請求項7】
少なくとも一部が液透過性の表面シート部と、液不透過性の裏面シート部と、前記表面シート部と前記裏面シート部との間に配置される吸収体部と、前記表面シート部及び前記吸収体部を圧着する圧着部が連続的に形成されてなる1又は複数の防漏溝を有する防漏溝部と、を備える略縦長状の吸収性物品であって、
前記防漏溝部は、
該吸収性物品の長手方向における所定方向に突出する第2突端部を有すると共に、前記第2突端部の該吸収性物品における幅方向に複数本の防漏溝が形成される略U字状の第2U字部と、
前記第2U字部の前記所定方向側に形成され、前記所定方向に突出する第3突端部を有すると共に、前記第3突端部の前記幅方向に防漏溝が配置されない略U字状の第3U字部と、を備え、
前記第3突端部における前記所定方向側の外周部に接する第3接線と、前記第3接線に平行で前記所定方向とは反対側の内周部に接する第5接線との中間である第3中間線における前記第3U字部と交差する第3交差部の第3長さは、前記第2突端部における前記所定方向側の外周部に接する第2接線と、前記第2接線に平行で前記所定方向とは反対側の内周部に接する第5接線との中間である第2中間線における前記第2U字部と交差する第2交差部の第2長さよりも長い吸収性物品。
【請求項8】
前記第3長さは、前記第2中間線における前記第2U字部及び前記第2突端部の前記幅方向に形成される防漏溝と交差する複数の交差部におけるそれぞれの長さの合計長さである第5長さと略同じで長さである請求項7に記載の吸収性物品。
【請求項9】
少なくとも一部が液透過性の表面シート部と、液不透過性の裏面シート部と、前記表面シート部と前記裏面シート部との間に配置される吸収体部と、前記表面シート部及び前記吸収体部を圧着する圧着部が連続的に形成されてなる1又は複数の防漏溝を有する防漏溝部と、を備える略縦長状の吸収性物品であって、
前記防漏溝部は、
該吸収性物品の長手方向における所定方向に突出する第2突端部を有すると共に、前記第2突端部の該吸収性物品における幅方向に複数本の防漏溝が形成される略U字状の第2U字部と、
前記第2U字部の前記所定方向側に形成され、前記所定方向に突出する第3突端部を有すると共に、前記第3突端部の前記幅方向に防漏溝が配置されない略U字状の第3U字部と、を備え、
前記第3突端部における前記所定方向側の外周部に接する第3接線と、前記第3接線に平行で前記所定方向とは反対側の内周部に接する第3平行線との間に配置される前記第3U字部の面積である第3面積は、
前記第2突端部における前記所定方向側の外周部に接する第2接線と、前記第2接線に平行で前記所定方向とは反対側の内周部に接する第2平行線との間に配置される前記第2U字部の面積である第2面積よりも大きく、
前記第3突端部における第3曲率半径は、前記第2突端部における第2曲率半径よりも大きく、
前記第3接線と前記第3平行線との間に配置される前記第3U字部を形成する圧着部の面積である第3圧着部面積は、前記第2接線と前記第2平行線との間に配置される前記第2U字部を形成する圧着部の面積である第2圧着部面積よりも大きく、
前記第3接線と前記第3平行線との中間である第3中間線における前記第3U字部と交差する第3交差部の第3長さは、前記第2接線と前記第2平行線との中間である第2中間線における前記第2U字部と交差する第2交差部の第2長さよりも長い吸収性物品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2012−516(P2012−516A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−220758(P2011−220758)
【出願日】平成23年10月5日(2011.10.5)
【分割の表示】特願2010−225852(P2010−225852)の分割
【原出願日】平成17年12月8日(2005.12.8)
【出願人】(000115108)ユニ・チャーム株式会社 (1,219)
【Fターム(参考)】