説明

吸収性物品

【課題】体液を速やかに吸収体に透過させるとともに、逆戻りを防止する。
【解決手段】表面シート3と裏面シート2との間に吸収体4が介在されるとともに、前記表面シート3と吸収体4との間にセカンドシート6を備え、前記表面シート3は不織布シートとされ、かつ前記セカンドシート6はプラスチックフィルムとされる生理用ナプキン1である。前記セカンドシート6には、前記表面シート3側から裏面シート2側に突出する側壁10aを備えた多数の開孔部10、10…を形成し、少なくとも前記開孔部10、10…に親水処理を施し、この開孔部10の親水度を前記開孔部10、10…間の平坦部11の親水度より大きく設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、経血やおりものなどを吸収するための生理用ナプキン、パンティライナー、失禁パッド等の吸収性物品に係り、体液を速やかに吸収体に透過させ、逆戻りを防止した吸収性物品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、パンティライナー、生理用ナプキン、失禁パッドなどの吸収性物品として、ポリエチレンシートまたはポリエチレンシートラミネート不織布などの不透液性裏面シートと、不織布などの透液性表面シートとの間に綿状パルプ等からなる吸収体を介在したものが知られている。
【0003】
前記透液性表面シートは、高目付(例えば30g/m2以上)であると表面材に保持される経血量が多くなり、表面のべたつき等の原因となるため、この点から表面材の目付は低くする方が好ましい。
【0004】
ところが、低目付(例えば30g/m2未満)の表面シートとすると吸収体に吸収された経血の隠蔽性が低下し、吸収体に吸収された経血が表面から見えやすくなるという問題があった。このため、表面シートと吸収体との間に多孔フィルムなどのセカンドシートを配設して吸収体に吸収された経血を視認しにくくした吸収性物品が提案されている。
【0005】
下記特許文献1では、流体貯蔵領域とトップシートとの間にバリア層が設けられ、前記バリア層が親水性化されたフィルム材料によって構成されている吸収性物品が開示されている(特許文献1の請求項1、2及び明細書段落[0042])。
【0006】
また、下記特許文献2では、表面側に位置する上部繊維層と裏面側に位置する下部繊維層との2層構造を有し、表面側から裏面側に向かってそれぞれ延出する2層によって取り囲まれて多数の開孔が形成された吸収性物品の表面シートであり、前記2層には、異なる親水処理剤が用いられて、前記上部繊維層に比べて前記下部繊維層の方が、液の接触による液の表面張力の変化が生じやすくなっている吸収性物品の表面シートが開示されている(特許文献2の請求項1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2004−500932号公報
【特許文献2】特開2006−255051号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記特許文献1記載の吸収性物品では、前記バリア層(セカンドシート)に施される親水処理が全体に亘って均一に施される場合には、図5に示されるように、親水度勾配による経血の平面内での移動が起こらないため、セカンドシート(バリア層)の開孔部間の平坦部に経血が溜まりやすく、この平坦部上に溜まった経血の表面張力によって前記セカンドシートに形成された開孔に、この開孔を塞ぐような経血の膜が形成されやすくなっていた。また、上記特許文献2記載の吸収性物品の表面シートについても、2層の繊維層で異なる親水処理が施されるものの、経血が直接触れる表面側の上部繊維層については上記特許文献1と同様に全体に亘って均一な親水処理が施されるため、上述と同様に開孔部に経血の膜が形成されやすかった。
【0009】
かかる経血の膜の形成は、粘度の高い経血の場合には特に顕著である。このような経血の膜が形成されると、開孔部を通じた経血の移行が遮断され、経血の透過性が低下して吸収速度が遅くなるという問題が発生していた。また、かかる経血の膜の形成により、表面シートとセカンドシートとの間に吸収されない経血が保持されるようになり、この中間部に保持された経血の逆戻りという問題も生じていた。
【0010】
そこで本発明の主たる課題は、透液性の表面シートと不透液性の裏面シートとの間に吸収体が介在されるとともに、前記表面シートと吸収体との間にセカンドシートを備え、前記表面シートは不織布シートとされ、かつ前記セカンドシートはプラスチックフィルムとされた吸収性物品において、体液を速やかに吸収体側に透過させるとともに、逆戻りを防止した吸収性物品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために請求項1に係る本発明として、透液性の表面シートと不透液性の裏面シートとの間に吸収体が介在されるとともに、前記表面シートと吸収体との間にセカンドシートを備えた吸収性物品において、
前記表面シートは不織布シートとされ、かつ前記セカンドシートはプラスチックフィルムとされ、
前記セカンドシートには、前記表面シート側から裏面シート側に突出する側壁を備えた多数の開孔部が形成され、少なくとも前記開孔部に親水処理が施され、この開孔部の親水度が前記開孔部間の平坦部の親水度より大きく設定されていることを特徴とする吸収性物品が提供される。
【0012】
上記請求項1記載の発明では、表面シートと吸収体との間に配設されるセカンドシートに、表面シート側から裏面シート側に突出する側壁を備えた多数の開孔部を形成し、少なくともこの開孔部に親水処理を施し、この開孔部の親水度を前記開孔部間の平坦部の親水度より大きく設定することにより、親水度勾配によって開孔部に引き寄せられた経血が開孔縁に溜まることなく開孔部の側壁を流動して速やかに吸収体に移動するようになる。従って、開孔部の開孔縁に溜まった経血の表面張力により開孔部を塞ぐような経血の膜が形成されなくなり、開孔が塞がれて経血の移動が阻害されるような事態が防止できる。
【0013】
また、セカンドシートの平面内の親水度勾配によって、セカンドシート上の経血が平坦部から開孔部に向かう流動性を生じるようになり、平坦部に経血が溜まることがなくなり、経血の逆戻りが防止できる。
【0014】
請求項2に係る本発明として、前記セカンドシートは、前記平坦部にも親水処理が施され、前記開孔部の親水度が前記平坦部の親水度より大きく設定されている請求項1記載の吸収性物品が提供される。
【0015】
上記請求項2記載の発明は、前記開孔部の親水処理に加え、前記平坦部にも親水処理を施すことにより、開孔部の親水度を平坦部の親水度より大きく設定したものである。これにより、平坦部と開孔部との間で任意に親水度勾配を設定することができるようになり、平坦部から開孔部への経血の流動性を任意に変化させることができるようになる。
【0016】
請求項3に係る本発明として、前記平坦部の親水度が前記表面シートの親水度より大きく設定され、かつ前記開孔部の親水度が前記平坦部の親水度より大きく設定されている請求項1、2いずれかに記載の吸収性物品が提供される。
【0017】
上記請求項3記載の発明は、表面シート、平坦部、開孔部の親水度の関係を規定したものであり、表面シート、平坦部、開孔部の順に親水度が大きくなるように設定したものである。これにより、表面シートに吸収された経血は、前記平坦部との親水度勾配によりセカンドシート側に引き寄せられるとともに、前記開孔部との親水度勾配により開孔部へと集められ、この開孔部を通じて吸収体に移動する。このように各シートの親水度の関係を設定することにより、経血を速やかに吸収体に吸収させることができるようになる。
【0018】
請求項4に係る本発明として、前記開孔部は、基端側の開孔の大きさより先端側の開孔の大きさの方が小さく設定されている請求項1〜3いずれかに記載の吸収性物品が提供される。
【0019】
上記請求項4記載の発明では、開孔部を、基端側の開孔の大きさより先端側の開孔の大きさを小さく設定することにより、表面側から吸収体側への体液の移動が良好になるとともに、吸収体に吸収された体液の逆戻りが防止できるようになる。
【0020】
請求項5に係る本発明として、前記表面シートは、前記開孔部に対応する部位の繊維密度を前記平坦部に対応する部位の繊維密度より密にしてある請求項1〜4いずれかに記載の吸収性物品が提供される。
【0021】
上記請求項5記載の発明では、前記表面シートとして、セカンドシートの開孔部に対応する部位の繊維密度を平坦部に対応する部位の繊維密度より密にすることにより、表面シートの粗密関係によって表面シートに吸収された経血を開孔部側に引き寄せることができ、開孔部を通じて速やかに吸収体に吸収させることができるようになる。
【発明の効果】
【0022】
以上詳説のとおり本発明によれば、体液を速やかに吸収体に透過させ、逆戻りを防止した吸収性物品が提供できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明に係る生理用ナプキン1の一部破断斜視図である。
【図2】そのII−II線矢視図である。
【図3】セカンドシート6の拡大平面図である。
【図4】他の形態に係る図1のII−II線矢視図である。
【図5】従来の生理用ナプキンによる体液の吸収状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳述する。
【0025】
(生理用ナプキン1の参考形態例)
生理用ナプキン1は、主にはパンティライナー、生理用ナプキン、おりものシート、失禁パッドなどの用途に供されるもので、例えば図1及び図2に示されるように、ポリエチレンシートなどからなる不透液性裏面シート2と、経血やおりものなどを速やかに透過させる透液性表面シート3と、これら両シート2,3間に介装された綿状パルプ又は合成パルプなどからなる吸収体4と、前記吸収体4を囲繞する被包シート5と、前記透液性表面シート3と吸収体との間に配置されるセカンドシート6とから主に構成されている。前記吸収体4の周囲においては、前記不透液性裏面シート2と透液性表面シート3とがホットメルト接着剤等の接合手段によって接合されている。
【0026】
前記不透液性裏面シート2は、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂シートなどの少なくとも遮水性を有するシート材が用いられるが、この他にポリエチレンシート等に不織布を積層したラミネート不織布や、さらには防水フィルムを介在して実質的に不透液性を確保した上で不織布シート(この場合には防水フィルムと不織布とで不透液性裏面シートを構成する。)などを用いることができる。近年はムレ防止の観点から透湿性を有するものが用いられる傾向にある。この遮水・透湿性シート材は、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂中に無機充填剤を溶融混練してシートを成形した後、一軸または二軸方向に延伸することにより得られる微多孔性シートである。
【0027】
次いで、前記透液性表面シート3は、無孔の不織布が好適に用いられる。不織布を構成する素材繊維としては、たとえばポリエチレンまたはポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維とすることができ、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法等の適宜の加工法によって得られた不織布を用いることができる。これらの加工法の内、スパンレース法は柔軟性、ドレープ性に富む点で優れ、サーマルボンド法は嵩高でソフトである点で優れている。
【0028】
特に本発明では、粘性の高い経血等を速やかに吸収させるため、前記透液性表面シート3として、目付が30g/m2以下、好ましくは15〜30g/m2の低目付のものを使用することが好ましい。
【0029】
前記不透液性裏面シート2と透液性表面シート3との間に介在される吸収体4は、たとえばフラッフ状パルプと吸水性ポリマーとにより構成されている。前記吸水性ポリマーは吸収体を構成するパルプ中に、例えば粒状粉として混入されている。前記パルプとしては、木材から得られる化学パルプ、溶解パルプ等のセルロース繊維や、レーヨン、アセテート等の人工セルロース繊維からなるものが挙げられ、広葉樹パルプよりは繊維長の長い針葉樹パルプの方が機能および価格の面で好適に使用される。
【0030】
また、前記吸収体4に合成繊維を混合しても良い。前記合成繊維は、例えばポリエチレン又はポリプロピレン等のポリオレフィン系、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系、ナイロンなどのポリアミド系、及びこれらの共重合体などを使用することができるし、これら2種を混合したものであってもよい。また、融点の高い繊維を芯とし融点の低い繊維を鞘とした芯鞘型繊維やサイドバイサイド型繊維、分割型繊維などの複合繊維も用いることができる。前記合成繊維は、体液に対する親和性を有するように、疎水性繊維の場合には親水化剤によって表面処理したものを用いるのが望ましい。
【0031】
本例のように、吸収体4を囲繞する被包シート5を設ける場合には、結果的に透液性表面シート3と吸収体4との間に被包シート5が介在することになり、吸収性に優れる前記被包シート5によって体液を速やかに拡散させるとともに、これら経血等の逆戻りを防止するようになる。
【0032】
(セカンドシート6について)
本発明に係る生理用ナプキン1では、前記セカンドシート6には、前記表面シート3側から裏面シート2側に突出する側壁10aを備えた多数の開孔部10、10…が形成され、少なくとも前記開孔部10、10…に親水処理が施され、この開孔部10の親水度が前記開孔部10、10…間の平坦部11の親水度より大きく設定されている。
【0033】
このため、従来、多数の開孔が形成されたセカンドシートを表面シートと吸収体との間に配置した場合、前記開孔を塞ぐような経血の膜が形成され、経血の透過性の低下や表面シートとセカンドシートとの間に保持された経血の逆戻りという問題が生じていたが(図5参照)、本発明に係る生理用ナプキン1では、セカンドシート6の開孔部10、10…に親水処理を施し、この開孔部10の親水度を平坦部11の親水度より大きく設定することにより、この親水度勾配によって開孔部10、10…に引き寄せられた経血が開孔縁に溜まることなく開孔部10の側壁10aを流動して速やかに吸収体4に移動するようになる。従って、開孔部の開孔縁に溜まった経血の表面張力によって開孔部を塞ぐような経血の膜が形成されず、開孔が塞がれて経血の移動が阻害されるような事態が防止できる。
【0034】
また、開孔部10と平坦部11との親水度勾配によってセカンドシート6上の経血には平坦部11から開孔部10に向かう流動性が生じ、平坦部11に経血が溜まることがなくなり、経血の逆戻りが防止できる。
【0035】
前記セカンドシート6は、前記平坦部11にも親水処理を施して、開孔部10の親水度を平坦部11の親水度より大きく設定することも可能である。この場合、平坦部11と開孔部10との間で任意に親水度勾配を設定することができるようになり、平坦部11から開孔部10への経血の流動性を任意に変化させることができるようになる。
【0036】
前記セカンドシート6は、プラスチックフィルムとされ、具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系フィルム、ポリエステル系フィルム、ポリアミド系フィルム等を使用することができる。また前記セカンドシート6は、吸収体4に吸収された経血を視認しにくくするために不透明化及び/又は絵柄等の印刷が施されたフィルム素材のものを使用することが好ましい。前記セカンドシート6は、目付が15〜30g/m2、厚みが0.5mm以下の比較的薄く、表面が平滑なものを使用する方が表面シート3や吸収体4に密着しやすくなり好ましい。
【0037】
前記セカンドシート6の不透明化としては、オレフィン樹脂やプラスチック中に、炭酸カルシウム、酸化チタン、酸化亜鉛、ホワイトカーボン、クレイ、タルク、硫酸バリウムなどの顔料や充填材を添加してフィルム化したものが好適に使用される。
【0038】
前記セカンドシート6の開孔部10に親水処理を施すには、予めピン先端部に親水剤を塗布したピンエンボスによって前記開孔部10を形成することにより、開孔部10の側壁10a並びに基端側開孔縁及びその近傍にのみ親水剤の塗布が可能となる。前記「基端側開孔縁及びその近傍」とは、セカンドシート6の平坦部分から開孔部10への傾斜が開始する周縁とその周縁から平坦部分側に若干かかった部分も含む意味である。また、前記平坦部11に親水処理を施すには、予めシート全体に亘って親水処理が施されたセカンドシート6を使用すればよい。
【0039】
前記親水剤としては、アルキル燐酸エステル塩(オクチル、ドデシル系)、プロピレングリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル等を主成分としたものを好適に使用することができ、0.3〜3.0%、好ましくは1.0〜1.5%濃度の水溶液とするのが望ましい。
【0040】
前記開孔部10の親水度を平坦部11の親水度より大きく設定するには、塗布する親水剤の量を異ならせる、又は成分の異なる親水剤を塗布するなどにより可能である。
【0041】
前記開孔部10としては、開孔寸法(図2及び図3のL、L)が0.25〜0.75mm、その開孔割合がセカンドシート6の表面積に対して5〜50%、好ましくは20〜30%とする。開孔部10の平面形状は、図3に示されるように、六角形等の多角形とすることが好ましいが、円、楕円等でも構わない。
【0042】
また、前記開孔部10は、図2及び図3に示されるように、基端側(表面シート3側)の開孔の大きさLより先端側(吸収体4側)の開孔の大きさLの方が小さくなるように形成することが好ましい。これにより、表面シート3側から吸収体4への経血の透過が速やかに行われるとともに、吸収体4に吸収された経血の表面シート3側への逆戻りが発生しにくくなる。
【0043】
また、前記セカンドシート6と表面シート3との親水度の関係としては、前記平坦部11の親水度を表面シート3の親水度より大きく設定し、かつ前記開孔部10の親水度を平坦部11の親水度より大きく設定することができる。即ち、表面シート3及びセカンドシート6の各部の親水度として、表面シート3≦平坦部11<開孔部10の関係で設定する。なお、表面シート3とセカンドシート6の各部との親水度の関係は、表面シート3<開孔部10、表面シート3≦平坦部11である。これにより、表面シート3に吸収された経血は、平坦部11との親水度勾配によりセカンドシート6側に引き寄せられるとともに、開孔部10との親水度勾配により開孔部10へと集められ、この開孔部10を通じて吸収体4に移行する。従って、各シートの親水度の関係を設定することにより、経血を速やかに吸収体に吸収させることができるようになる。
【0044】
ところで、前記表面シート3は、図4に示されるように、前記セカンドシート6の開孔部10に対応する部位の表面側(肌当接面側)に圧搾部3aを形成することにより、開孔部10に対応する部位の繊維密度を平坦部11に対応する部位の繊維密度より密にしてあることが好ましい。表面シート3に圧搾部3a、3a…を形成することにより、表面シート3の粗密関係によって表面シート3に吸収された経血を開孔部10側に引き寄せることができ、開孔部10を通じて吸収体4に速やかに経血が吸収されるようになる。なお、表面シート3の裏面側(セカンドシート6との当接面側)は平坦として、セカンドシート6との接触面積を確保することが好ましい。これにより、これらのシート間の繊維勾配を利用して経血を速やかに移行できるようになる。上述の表面側にのみ圧搾部3a、3a…が形成された表面シート3を得るには、表面に多数の凸部を備えたパターンエンボスロールと表面がフラットなフラットアンビルロールとの間に表面シート3を導き、エンボスを付与する。かかる圧搾部3a…の加工は、前記セカンドシート6と貼り合わせる前に、表面シート3単独で行うようにする。
【符号の説明】
【0045】
1…生理用ナプキン、2…裏面シート、3…表面シート、3a…圧搾部、4…吸収体、5…被包シート、6…セカンドシート、10…開孔部、10a…側壁、11…平坦部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
透液性の表面シートと不透液性の裏面シートとの間に吸収体が介在されるとともに、前記表面シートと吸収体との間にセカンドシートを備えた吸収性物品において、
前記表面シートは不織布シートとされ、かつ前記セカンドシートはプラスチックフィルムとされ、
前記セカンドシートには、前記表面シート側から裏面シート側に突出する側壁を備えた多数の開孔部が形成され、少なくとも前記開孔部に親水処理が施され、この開孔部の親水度が前記開孔部間の平坦部の親水度より大きく設定されていることを特徴とする吸収性物品。
【請求項2】
前記セカンドシートは、前記平坦部にも親水処理が施され、前記開孔部の親水度が前記平坦部の親水度より大きく設定されている請求項1記載の吸収性物品。
【請求項3】
前記平坦部の親水度が前記表面シートの親水度より大きく設定され、かつ前記開孔部の親水度が前記平坦部の親水度より大きく設定されている請求項1、2いずれかに記載の吸収性物品。
【請求項4】
前記開孔部は、基端側の開孔の大きさより先端側の開孔の大きさの方が小さく設定されている請求項1〜3いずれかに記載の吸収性物品。
【請求項5】
前記表面シートは、前記開孔部に対応する部位の繊維密度を前記平坦部に対応する部位の繊維密度より密にしてある請求項1〜4いずれかに記載の吸収性物品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−5744(P2012−5744A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−146039(P2010−146039)
【出願日】平成22年6月28日(2010.6.28)
【出願人】(390029148)大王製紙株式会社 (2,041)
【Fターム(参考)】