説明

吸収材

【課題】布厚みが非常に薄く透明性に優れ、吸液性に優れ、外部からの汚れの侵入に対して効果があり、透明感により装着について抵抗感の少ないセルロース繊維を用いた吸収材を提供する。
【解決手段】セルロース繊維を用いた布帛または紙から構成される吸収材であって、該布帛または紙の厚みが0.01〜0.25mmであり、透明度が乾燥時に60%以上、湿潤時に75%以上であることを特徴とする吸収材。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、布帛または紙の厚みが非常に薄く、透明性、吸液性、および柔軟性に優れ、かつ、創傷した皮膚に装着しても透明感により肌色に近く、装着についての抵抗感の少ない吸収材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、軽微な傷や出血箇所を清潔に保ち、回復を促すために、吸収材が各社から提供されている。これらは安価で入手も容易であることから、広く使用されている。一般的な創傷被覆材としては、ウレタンフィルム製の粘着シートに、ビスコースレーヨン短繊維不織布や脱脂綿、さらにはヒアルロン酸スポンジと疎水性不織布の積層品などからなる吸収材が貼付されたものが提供されている。これらの創傷被覆材は、消毒した患部を菌類の侵入から保護したり、水分の浸入を防いだりすることで、患部の回復を促す等の効能があるが、実際の使用に際してはいくつかの問題点もある。問題点の一つとして、吸収材の嵩が高いことにより、吸収材サイド部の被覆材の接着面積が狭く、ゴミや汚れが付着してしまい清浄度が保持できないことである。さらに、同様の理由により、菌類が侵入し易いという問題もあった(特許文献1を参照)。
【0003】
吸収材の機能としては、血液や体液などを吸収することにより、患部を清潔に保つことや薬剤等を担持して患部に接触することで回復を促すというものである。従来から吸収材としてよく使用されている綿ガーゼの場合、吸液性がよくないために、血液や体液の吸収が充分に行えず、また薬剤等が充分に担持できず、結果的に吸収材を何枚も交換しなければならないといった問題もあった(特許文献2参照)。
さらに、吸収材が綿ガーゼからなることで、嵩が高く、透明性が低いことから、患部の状態が確認しづらく、結果的に被覆材を何度も交換しながら確認するしかなかった。また、透明性が低いことで、貼付箇所が目立ってしまい、顔などの目立つ箇所への貼付がしにくかった。
【0004】
【特許文献1】特開2001−017527号公報
【特許文献2】特開2005−192864号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、薄くて透明性および吸液性に優れた布帛または紙を使用することで、吸液性、安全性に優れ、透明感により肌色に近く、装着についての抵抗感の少ない吸収材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記の従来技術を改善するものであり、セルロース繊維からなる布帛または紙を用い、薄く、かつ乾燥及び湿潤時の透明度を特定範囲に調整することで、優れた透明性、吸液性、装着性を有する吸収材となり得ることを見出し、本発明を完成した。
即ち本発明は、以下のとおりである。
(1)セルロース繊維を用いた布帛または紙から構成される吸収材であって、該布帛または紙の厚みが0.01〜0.25mmであり、透明度が乾燥時に60%以上、湿潤時に75%以上であることを特徴とする吸収材。
(2)布帛が不織布であることを特徴とする上記(1)に記載の吸収材。
(3)布帛または紙が、セルロース繊維の含有率が70〜100重量%であることを特徴とする上記(1)または(2)に記載の吸収材。
(4)布帛または紙が、その吸水倍率が7〜14倍であることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載の吸収材。
(5)不織布が、水流交絡不織布であって、該水流交絡の圧力が0〜10kgf/cm2 であり、かつ、表面が平滑であることを特徴とする上記(2)に記載の吸収材。
(6)不織布が、再生セルロース長繊維から構成されていることを特徴とする上記(2)に記載の吸収材。
【発明の効果】
【0007】
本発明の吸収材は、セルロース繊維を用いて構成されてなり、薄く、透明性、および吸液性に優れた布帛または紙を使用することで、吸液性、安全性に優れ、特に、ウエット時の透明性が良好であり、その透明感により肌色に近く、装着についての抵抗感の少ない吸収材である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明の吸収材は、セルロース繊維を用いた布帛であって、厚みが0.01〜0.25mmであり、透明度が透明度が乾燥時に60%以上、湿潤時に75%以上であり、セルロース繊維を用いた布帛または紙から構成された吸収材である。
本発明でいうセルロース繊維からなる布帛とは、不織布、織物、編物、ネット等のことをいい、強度、柔軟性、加工性の面から不織布であることが好ましい。
紙については特に種類は限定されないが、レーヨン薄紙、油取り紙等の各種薄紙を好適に用いることが出来る。また、布帛を構成するセルロース繊維は、銅アンモニアレーヨン、ビスコースレーヨン、コットン、パルプ、ポリノジック、テンセル(リヨセル)等の繊維が用いられ、好ましくは再生セルロース繊維である。該再生セルロース繊維は、連続長繊維でも短繊維でも構わないが、連続長繊維は、短繊維のものよりもリントフリー性に優れ、吸液性にも優れているので好ましい。
【0009】
本発明の布帛としては、再生セルロース長繊維からなる不織布が特に好ましい。本発明に好適に用いる不織布素材として、銅アンモニアレーヨンの連続フィラメントからなり、単糸径が2.2dtex前後の多数の連続フィラメントを交絡させたものに、水流圧力が0(穴明処理を施さない)〜10kgf/cm2 の条件で、柱状流処理を行ったものが挙げられる。銅アンモニアレーヨンの透明性の高さに加えて、水流交絡処理をまったく行わないか、軽度の処理を行うことで、表面の平滑性と、透明性にすぐれた吸収材を得ることが出来る。
本発明に用いられるセルロース繊維は、単糸太さが1.1〜3.3dtexの範囲のものが好ましい。また、バインダーや界面活性剤を付与したセルロース繊維及び布帛では、吸水性の低下や、成分の溶出が懸念されるため、ノーバインダーの布帛を用いるのが好ましい。
【0010】
布帛を構成する繊維には、本発明の目的を害さない範囲で、セルロース繊維以外の繊維、例えば、ポリエステル繊維、ポリプロピレン繊維、ナイロン繊維などの合成繊維が含まれていても良い。合成繊維としては、連続長繊維でも短繊維でもよい。合成繊維とセルロース繊維との複合形態は、不織布の形態で積層されていても、またはスライバー複合、または織編物における交織または交編複合でもよい。また、短繊維不織布の場合は、抄造時に混合することもできる。合成繊維とセルロース繊維との複合は、特に体液や薬液による湿潤時の寸法安定性を向上させる点で好ましい。本発明の布帛または紙において、セルロース繊維の含有率が70〜100重量%であることが好ましく、合成繊維の混合率は0〜30重量%、好ましくは0〜20重量%、さらに好ましくは0〜10重量%の範囲である。合成繊維の含有率が30重量%を超えると吸水性や透明性が著しく低下するので本発明の用途には好ましくない。
【0011】
さらに、本発明のセルロース繊維からなる布帛または紙の透明性や吸水性をさらに向上させるために、セルロース繊維の水酸基を各種の官能基で置換して誘導体化することも有用である。主な誘導体化は、カルボキシメチル化(CM化)であり、例えば特開2001−170104号公報に記載の手法でCM化セルロース繊維を得ることが出来る。また、湿潤時の寸法安定性を得るために、従来公知の架橋剤を用いることもできる。
布帛の嵩密度と透明性を向上させる有用な手段としては、例えば特公昭52−6381号公報に記載の連続セルロース長繊維不織布において、水流交絡の圧力が0〜10kgf/cm2 の範囲が好ましく、水流交絡をまったく行わないか、10kgf/cm2 以下程度の軽度な水流処理を行うことによって達成することが出来る。
【0012】
このことは、単糸繊度2.2dtex前後の多数の連続フィラメントが紡糸浴中で凝固しながら自己接着を形成するため、短繊維不織布のように高圧水流による交絡が必要ないことによる。そのため、まったく水流交絡処理を行わなくとも、不織布として充分な強度を備えている。このことから、まったく水流交絡処理を行わず、嵩密度と透明性にきわめて優れたセルロース不織布を得ることが出来る。また、該セルロース不織布の柔軟性や加工性を向上させるために、10kgf/cm2 以下程度の軽度な水流処理を行うこともでき、これによる嵩密度や透明性の低下はほとんどない。
水流圧力と透明性との関係を実施例に基づいて図示すると、図1、図2に示すとおり、水流圧力が10kg/cm2 以下の条件範囲で、乾燥時及び湿潤時の透明度が急激に上昇することが判る。
【0013】
この現象について、銅アンモニアレーヨン不織布(旭化成せんい社製、ベンリーゼ(商品名))を例にとって、透明性の発現のメカニズムについて以下に説明する。
水流交絡、即ち柱状流、散水流による交絡処理を施さない不織布は、紡糸の段階で単糸同士が水素結合を主体とした自己接着により癒着する場合が多く、このままの状態で精練し、不織布とすることで、嵩密度が高く、しかも透明性の高い吸収体が得られる。
また、従来、柱状流や散水流処理を行うことで、この自己接着を破壊し、嵩高性や柔軟性に優れる不織布を得ていたが、繊維間・繊維内への空気の侵入や乱反射の増加で、透明性が低下するため、本発明の用途に好適に用いることは出来ない。柱状流処理を行わない不織布の加工性や、湿度変化等による皺などを改善するために、低圧柱状流処理を行うことは有用である。例えば、28g/m2 の目付であれば、10kg/cm2 以下での柱状流処理を行えば、透明度の大きな低下もない。これは、自己接着した繊維の癒着箇所をごくわずかにほぐすだけであるため、嵩密度や屈折率の変化も軽微なためである。この場合、下層のコンベアネットのメッシュは出来るだけ細かいものを用いることが好ましい。
【0014】
銅アンモニアレーヨンからなる再生セルロース連続長繊維は、その断面が真円状であり、ビスコースレーヨンやパルプのように異形断面でないことから、乱反射が少なく透明性に優れる。また、親水性であり、繊維の微細構造的には多孔質の構造であり、水分の浸入が容易であり、水に近い屈折率を示すことから、吸水時の透明性にも非常に優れる。吸水性を発現する水酸基が非常に多いことからみても、本発明の用途には好適である。
本発明の布帛または紙においては、透明度が乾燥時に60%以上、湿潤時に75%以上であることが必要であり、より好ましくは乾燥時に62%以上、湿潤時に80%以上である。
特に湿潤時の透明性が高いことは、体液などが吸収材に吸収され含浸した場合でも、透明性が高く、装着湿潤時においても肌色に近い状態を得ることができ好ましい。
【0015】
本発明のセルロース繊維を用いた布帛または紙では、厚みが0.01〜0.25mmであることが必要であり、より好ましくは0.01〜0.21mmの範囲である。
本発明のセルロース繊維を用いた布帛または紙の嵩密度は、0.2g/cm3 以上が好ましく、より好ましくは0.2〜0.3g/cm3 の範囲である。
本発明の布帛および紙の目付けは、10〜100g/m2 が好ましく、より好ましくは15〜50g/m2 の範囲である。
本発明の布帛および紙の吸水倍率は、7〜14倍であることが好ましく、より好ましくは10〜13倍の範囲である。また、布帛および紙の単位体積あたりの吸水量は、2〜5cc/cm3 が好ましく、より好ましくは2.2〜4cc/cm3 の範囲である。
【0016】
連続長繊維不織布からなる布帛は、より透明性が高くなる傾向にあるため、短繊維のものに比較してより高目付で透明な布帛を用いることが出来る利点がある。布帛の中でも、吸液性や嵩密度、不純物などの観点から、不織布がもっとも好ましく、さらには、セルロース連続長繊維不織布は、特に吸液速度・倍率に優れ、不純物も少ないことから、本発明の用途には最も好ましい。セルロースの中でも特にキュプラ素材は薬事法で指定された旧医療用具用素材であるため、本発明の用途には好適に用いられる。また、これら布帛の透明性と嵩密度を向上させるために、カレンダー加工などの高圧プレス処理を施すことも有効である。
本発明には、上記セルロース繊維を吸収体とし、粘着フィルムやテープ基材と組み合わされて用いられるが、粘着フィルム素材としてはウレタンフィルム、テープ基材としてはビスコースレーヨンをはじめとした短繊維不織布などが用いられるが、これら粘着基材、テープ基材は特にこれらに限定されるものではない。
【実施例】
【0017】
以下に本発明を実施例などにより更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例などにより何ら限定されるものではない。
本発明における測定方法を以下に述べる。
(1)嵩密度(g/cm3 )は、(目付)/(厚み)より算出した。
(2)湿潤時の透明度
下記(3)の吸水倍率の測定に使用したサンプルをガラス板にはさみ、同じくJIS−P−8149に準じて測定した。
(3)吸液倍率
次のようにして測定した。
すなわち、標準状態下の布帛から10cm×10cmの試料を切り取り、重量を正確に測定する。該試料をメッシュ(10メッシュ、線径0.5mm)の上に載せ、これをバットに入れた水または水溶液の中に入れて30秒間浸漬する。その後、メッシュを引き上げて10分間放置した後、過剰な水、水溶液を濾紙等でふき取り、試料の重さを測定し、次式により吸水(液)倍率を算出する。
吸液倍率(倍)=
[(吸液後の試料の重さg)−(試料の重さg)]/(試料の重さg)
単位体積あたりの吸水(液)量は、次式により算出する。
単位体積あたり吸液量=(嵩密度)×(吸液倍率)
【0018】
(4)厚み(mm)
ピーコック厚み測定器を用いて測定した。
(5)透明度
透明度は、JIS−P−8149「不透明度試験方法(紙の裏当て)−拡散照明法」に準じて測定し、次式により算出した。
p =100×R0/R∞
p :不透明度(%)
0:単一シート視感反射率(%)
R∞:固有視感反射率(%)
透明度(%)=100−不透明度
固有視感反射率は、10枚以上の試験片を、表がすべて上を向くようにして重ねて測定した反射率であり、その枚数は、2倍にしても反射率が変化しない枚数とした。
【0019】
(6)吸収材としての適性評価
サンプルを24mm×13mmに断裁し、ポリウレタンの粘着シート72mm(長尺部)×19mmに貼付した創傷被覆材について、
i) 装着時の透明感(傷口の見えやすさ)
ii) 吸収材サイド部(両側3mmずつ)の汚れやすさ(バリア性)
iii)密着性(フィット感)
の観点から、評価を行い、その結果を表2に示した。
【0020】
なお、評価は10人のパネラーにより、下記の基準にしたがって点数を付し、その平均値で行った。
i)装着時の透明感(傷口がよく見えるか)
5:非常に透明であり、傷口の治癒状態もよく確認できる
4:まあまあ透明で、それなりに傷口も確認できる
3:どちらとも言いがたい
2:あまり透明感はなく、傷口は確認しにくい
1:まったく透明感はなく、傷口は確認できない
ii) 吸収材サイド部の汚れやすさ(バリア性がよく、両サイドが汚れたり隙間ができたりしないか)
5:非常にバリア性がよく、両サイドには隙間もできず汚れにくい
4:まずまずバリア性は良好で、汚れも少ない
3:とくにバリア性が良いとも悪いとも感じない
2:あまりバリア性は良くなく、隙間も若干あり、汚れも若干つきやすい
1:バリア性は悪く、隙間もすぐに発生、汚れもつきやすい
iii)密着性(フィット感が良好であるか)
5:非常に密着性がよく、透明性とあいまって、長期の装着にも抵抗がない
4:密着性はまずまずよく、比較的長期の装着も可能である
3:とくに密着性が良いとも悪いとも感じない
2:密着性は余りよくなく、比較的短期で貼りかえる必要がある
1:密着性は悪く、すぐに貼りかえる必要がある
【0021】
[実施例1]
不織布として、銅アンモニアレーヨンの連続フィラメントからなる不織布を用い、単糸繊度は2.2dtexであり、多数の連続フィラメントを交絡させて不織布を形成したもの用いた。高圧の水流交絡を行ってしまうと、柔軟性や嵩高性は良くなるが、透明性は大幅に低下し、本用途には好ましくないため、嵩密度と透明性の向上のため、水流交絡は4kgf/cm2で行った。セルロース長繊維不織布の目付は13.5g/m2 、厚みは0.06mmであった。吸水倍率は12.4倍を示した。嵩密度は0.23g/cm3 であった。表1に不織布としての特性を示し、表2に吸収材としての評価を示した。
【0022】
[実施例2]
6kgf/cm2で水流交絡を行い、不織布の目付は29.0g/m2 とする以外は、実施例1の条件と同一とした。厚みは0.13mmであった。吸水倍率は13.2倍を示した。嵩密度は0.22g/cm3 であった。表1に不織布としての特性を示し、表2に吸収材としての評価を示した。
[実施例3]
水流交絡をまったく行わず、不織布の目付が13.5g/m2 の、実施例1と同製法のセルロース長繊維不織布を作製し、平滑性と透明性をさらに向上させるために、二次加工として線圧50kgf/cm、ライン速度40m/分、処理温度100℃にてカレンダー加工を行った。厚みは0.02mmであった。吸水倍率は6.0倍を示した。嵩密度は0.68g/cm3 であった。表1に不織布としての特性を示し、表2に吸収材としての評価を示した。
【0023】
[比較例1]
次に、比較として一般的な創傷被覆材に用いられている公知の素材として、ビスコースレーヨン70重量%、ポリエステル30重量%の短繊維不織布を用いた。不織布の目付は29.7g/m2 、厚み0.26mm、吸水倍率は12.1倍を示した。嵩密度は0.16g/cm3 であった。表1に不織布としての特性を示し、表2に吸収材としての評価を示した。
[比較例2]
同じく一般的な創傷被覆材に用いられている公知の素材として、比較例1の不織布を5枚積層し、皮膚接触面としてポリエチレンフィルムを積層したものを用いた。積層した素材の目付は138.0g/m2 、、吸水倍率は同じく12.1倍を示した。嵩密度も同じく0.16g/cm3 であった。表1に不織布としての特性を示し、表2に吸収材としての評価を示した。
表1から、実施例1、2、3の不織布または紙が、比較例1、2に比較して、優れた透明性、吸水性を示すことがわかる。
【0024】
【表1】

【0025】
【表2】

【産業上の利用可能性】
【0026】
布帛または紙の厚みが非常に薄く、透明性、吸液性、および柔軟性に優れ、かつ、創傷した皮膚に装着しても透明感により肌色に近く、装着についての抵抗感の少ない吸収材を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】乾燥時における水流圧力と透明性との関係を示す図である。
【図2】湿潤時における水流圧力と透明性との関係を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
セルロース繊維を用いた布帛または紙から構成される吸収材であって、該布帛または紙の厚みが0.01〜0.25mmであり、透明度が乾燥時に60%以上、湿潤時に75%以上であることを特徴とする吸収材。
【請求項2】
布帛が不織布であることを特徴とする請求項1に記載の吸収材。
【請求項3】
布帛または紙が、セルロース繊維の含有率が70〜100重量%であることを特徴とする請求項1または2に記載の吸収材。
【請求項4】
布帛または紙が、その吸水倍率が7〜14倍であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の吸収材。
【請求項5】
不織布が、水流交絡不織布であって、該水流交絡の圧力が0〜10kgf/cm2 であり、かつ、表面が平滑であることを特徴とする請求項2に記載の吸収材。
【請求項6】
不織布が、再生セルロース長繊維から構成されていることを特徴とする請求項2に記載の吸収材。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2008−289760(P2008−289760A)
【公開日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−139955(P2007−139955)
【出願日】平成19年5月28日(2007.5.28)
【出願人】(303046303)旭化成せんい株式会社 (548)
【Fターム(参考)】