説明

吸収構造体を含む吸収物品

本発明は、横方向、縦方向及びその縦方向に延びる中央軸(II)、及び厚さ方向を有する、おむつ、失禁プロテクタ、衛生ナプキン又はそれらの類似物品の如き吸収物品であって、その物品が物品の上部表面上に配置された液体透過性カバーシート(611)、物品の下部表面上に配置された下部シート(612)、及びこれらのシートの間に封入された吸収構造体(600)を含み、吸収構造体(600)が縦方向において中央部分(601)及び二つの対向する端部分(602)を有し、かつ横方向において中心部分(603)及び二つの対向する縁部分(604)を有するものに関する。吸収物品は、吸収構造体の中央部分(601)における縁部分(604)が厚さ方向の少なくとも一部内で第一平均細孔サイズを有すること、及び吸収構造体の中央部分(601)における中心部分(603)が厚さ方向の少なくとも一部内で第二平均細孔サイズを有し、第一平均細孔サイズが第二平均細孔サイズより大きいこと、及び縦方向に延びる中央軸(II)の一方の側上の物品の部分が物品の上部表面上の縦方向に延びる中央軸(II)の他方の側上の物品の対応する部分に対して横たわるようにもたらされるように吸収物品が縦方向中央軸(II)に沿って折りたたまれることができ、より大きい第一平均細孔サイズを有する部分が物品使用時に液体受容領域(610)を構成することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、横方向、縦方向及びその縦方向に延びる中央軸、及び厚さ方向を有する、おむつ、失禁プロテクタ、衛生ナプキン又はそれらの類似物品の如き吸収物品であって、その物品が物品の上部表面上に配置された液体透過性カバーシート、物品の下部表面上に配置された下部シート、及びこれらのシートの間に封入された吸収構造体を含み、吸収構造体が縦方向において中央部分及び二つの対向する端部分を有し、かつ横方向において中心部分及び二つの対向する縁部分を有するものに関する。
【背景技術】
【0002】
一度使用されたら廃棄されることを意図される、おむつ、失禁プロテクタ及び衛生ナプキンの如き吸収物品のための吸収構造体は通常、親水性繊維、例えばセルロース毛羽パルプの一以上のシートから作られる。自重の多数倍の水又は体液を吸収する能力を有するポリマーである超吸収材も含まれることが多い。さらに、吸収構造体は例えばその液体分散特性を改良するため又は使用中の変形に耐えるその能力及びその安定性を増大するためにさらなる構成要素を含むこともできる。
【0003】
主として比較的多量の体液を受容しかつ吸収するために意図された、成人のためのおむつ及び失禁プロテクタの場合に遭遇される重要な問題は、それらの全吸収能力を完全に利用する前にこれらがしばしば漏出することである。排尿時に多量の体液がしばしば二、三秒の間に放出されるので、これは吸収構造体が液体受容領域において液体で局所的に飽和されることに導きうる。即ち、液体は吸収構造体の他の部分に分散する時間を持たない。これは使用者によって放出された追加の液体はおむつから漏出することを意味する。この種の早期の漏出はもちろん使用者及び使用者の看護人の双方に対してかなりいらだたせる原因である。漏出問題は繰り返し湿潤時に強調される。
【0004】
EP 0254476は実質的に湿潤領域の前の領域において吸収構造体の周囲部分と比較して低い単位面積あたり重量及び低い密度を有する吸収構造体を記載する。この方法では、湿潤領域における高い液体吸収能力が達成され、その後液体は遠くに分散されることができ、吸収構造体の周囲領域において貯蔵される。
【0005】
GB 2082643は、実質的に均一な単位面積あたり重量を有するが、密度が吸収構造体の端部分に向かって増加するような縦方向の密度勾配を有する吸収構造体をさらに記載する。
【0006】
US 4413996は湿潤領域において液体収集凹所又はくぼみを有するおむつのための吸収構造体を記載する。もし適切なら、このくぼみに多孔質詰物を配置することができる。
【0007】
しかしながら、特に短時間に多量の液体を吸収することを意図される製品の場合において、液体吸収能力及び分散性に関して改良の余地がなお存在する。
【発明の開示】
【0008】
本発明によれば、この種の従来公知の物品と関連した問題を実質的に除去する、冒頭で述べられたタイプの物品が得られる。
【0009】
本発明による吸収物品は主として、吸収構造体の中央部分における縁部分が厚さ方向の少なくとも一部内で第一平均細孔サイズを有すること、及び吸収構造体の中央部分における中心部分が厚さ方向の少なくとも一部内で第二平均細孔サイズを有し、第一平均細孔サイズが第二平均細孔サイズより大きいこと、及び縦方向に延びる中央軸(II)の一方の側上の物品の部分が物品の上部表面上の縦方向に延びる中央軸(II)の他方の側上の物品の対応する部分に対して横たわるようにもたらされるように吸収物品が縦方向中央軸(II)に沿って折りたたまれることができ、より大きい第一平均細孔サイズを有する部分が物品使用時に液体受容領域を構成することを特徴とする。第一平均細孔サイズが第二平均細孔サイズより大きいという基準は少なくとも乾燥状態において適用するが、第一平均細孔サイズは乾燥状態及び湿潤状態の両方において第二平均細孔サイズより大きいことが好ましい。平均細孔サイズに差を有することによって、液体受容領域から第二のより小さい平均細孔サイズを有する領域への液体の排出を可能にする。
【0010】
本発明によれば、折りたたまれた状態で使用されることを意図される吸収物品が得られる。折りたたまれた状態は、物品が物品の少なくとも中央部分において、その縦方向中央軸に沿って折りたたまれ、従って縦方向中央軸の各側上の物品の部分が互いに向かって折りたたまれることを意味する。かかる物品の利点は、折りたたまれた状態において短時間で多量の液体を吸収することができることであり、それは吸収構造体が液体受容領域において液体で局所的に飽和される危険を実質的に減らし、それは次に漏出の危険を減らす。本発明による物品の別の利点は物品が使用時、即ち折りたたまれた状態で狭い股領域を有することである。狭い股領域は良好な適合を作り、それは物品が使用中に使用者の太ももに対して摩擦する危険が低下されることを意味する。物品が使用時に折りたたまれることによって、折りたたみ前に通常のおむつより幅広い物品を設計することもできる。これは物品の股領域における全吸収能力が極めて高くできることを意味する。
【0011】
一例によれば、縦方向中央軸(II)の一方の側上の液体透過性カバーシートは縦方向中央軸(II)の他方の側上の液体透過性カバーシートに接続されている。カバーシートは例えば接着剤結合によって又は熱溶接によって接続されることができる。接続は好ましくは例えば二以上の点で間欠的である。このデザインの利点は、物品が永続的に正しく折りたたまれた状態であり、物品が使用時に間違って折りたたまれたり又は広げられたりする危険が除去されることである。
【0012】
一例によれば、吸収構造体は液体透過性カバーシートの方に向けられた上部表面及び下部シートの方に向けられた下部表面を有し、吸収構造体の中央部分における縦方向中央軸(II)の一方の側上の上部表面の少なくとも一部が縦方向中央軸(II)の他方の側上の上部表面の一部に対して横たわるように吸収構造体は縦方向中央軸(II)に沿って折りたたまれる。
【0013】
折りたたまれた状態において、吸収構造体の中央部分における縦方向中央軸の各側上の上部表面の担持が永続的であることを確実にするために、一例では吸収構造体の中央部分における縦方向中央軸の一方の側上の上部表面は縦方向中央軸の他方の側上の上部表面に接続される。接続は例えば接着剤結合によって又は熱溶接によって得ることができる。かかる例の利点は、吸収構造体が永続的に折りたたまれた状態であり、吸収構造体が広がる危険が除去されることである。
【0014】
一例によれば、吸収構造体の中央部分における縁部分は吸収構造体の全厚さにわたって第一平均細孔サイズを有する。これは液体受容領域、即ちより大きい細孔サイズを有する材料の領域が使用者の方に向けられる吸収構造体の部分において股部分全体をカバーすることを意味する。物品が使用時に折りたたまれることによって、吸収構造体は折りたたまれないおむつの吸収構造体より幅広くすることができる。これはこの例による吸収構造体の液体受容能力及び貯蔵能力が極めて高いことを意味する。
【0015】
別の例によれば、吸収構造体の端部分の縁部分はまた、厚さ方向の少なくとも一部内で第一平均細孔サイズを有する。この例の利点は物品の縦方向における液体受容領域がより長いことである。かかる例のさらなる利点はかかる吸収構造体が容易に製造できることである。
【0016】
厚さ方向において、吸収構造体は第一シート及び第二シートから作られることができる。第一シートは第二シートより縦方向において小さい範囲を有することができる。
【0017】
好ましい例によれば、吸収構造体は第二平均細孔サイズの少なくとも1.1倍の大きさの第一平均細孔サイズを有する。
【0018】
さらに別の例によれば、吸収構造体は第二平均細孔サイズの少なくとも1.3倍の大きさの第一平均細孔サイズを有する。
【0019】
一例によれば、液体受容領域は第二のより小さい平均細孔サイズからなる領域より低い密度を有する。例えば、液体受容領域は0.02〜0.2g/cmの密度を有し、その密度は好ましくは0.06〜0.15g/cmである。かかる構造体では、第二のより小さい平均細孔サイズを有する領域は0.1〜1.0g/cm、好ましくは0.12〜0.6g/cmの密度を有する。
【0020】
図面の簡単な記述
図1は本発明による吸収構造体の平面図を示す。
図2aは図1に示された吸収構造体の横断面を示す。
図2bは図1に示された吸収構造体の横断面を示し、そこでは吸収構造体は吸収物品中に使用者によって装着されることを意図される。
図3aは本発明による吸収構造体の代替例の横断面を示す。
図3bは図3aに示された吸収構造体の横断面を示し、そこではそれは吸収物品中に使用者によって装着されることを意図される。
図4は本発明による吸収構造体の代替例の平面図を示す。
図5は本発明による吸収構造体のさらなる代替例の平面図を示す。
図6は本発明による吸収構造体を含む失禁プロテクタを示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
図1は本発明による吸収構造体100の平面図を示す。図1に示された吸収構造体100はその平面において、図1では横方向中央軸Iによって示される横方向、及び図1では縦方向中央軸IIによって示される縦方向を有する。図1はまた、平面に対して直角な厚さ方向を示す。吸収構造体100の平面において、それは上部面108及び反対の下部面109を有する。縦方向では、吸収構造体100は中央部分101、及び二つの対向する端部分102を有する。横方向では、吸収構造体100は中心部分103、及び中心部分103の対向する側上の二つの縁部分104を有する。厚さ方向では、吸収構造体は第一シート105及び第二シート106をさらに含む。第一シート105は吸収物品における使用中に使用者の最も近くに位置されることを意図される吸収構造体のシートである。第一シート105は異なる平均細孔サイズを有する領域を持つ。吸収構造体100の中央部分101では、吸収構造体の縁部分104は第一平均細孔サイズを有し、吸収構造体の中央部分101では、中心部分103は第二平均細孔サイズを有する。第一シート105の二つの端部分102もまた、第二平均細孔サイズを有する。第一平均細孔サイズは第二平均細孔サイズより大きい。吸収構造体が吸収物品に使用されるとき、吸収構造体100は、中央部分101における縦方向中央軸IIの一方の側上の少なくとも上部面108が吸収構造体の中央部分101の縦方向中央軸IIの他方の対向側上の上部面に対して横たわるように、その縦方向中央軸IIに沿って折りたたまれることを意図され、より大きい第一平均細孔サイズを有する部分は液体受容領域110を構成する。吸収物品の使用中、中央部分101における吸収構造体の縁部分104は、最初に湿潤される吸収構造体100の領域に位置される吸収構造体の部分、即ち液体受容領域110を構成する。
【0022】
液体受容領域110における繊維材料は例えば合成繊維、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル又はそれらのコポリマーから構成される。また、合成繊維は二成分繊維であることもできる。液体受容領域の繊維材料の別の例はメカニカルパルプ、サーモメカニカルパルプ又はケミサーモメカニカルパルプ(CTMP)のセルロース繊維である。これらのパルプは残留リグニンを有する比較的粗い繊維であり、その結果としてそれらは比較的大きい細孔体積及び高い湿潤レジリエンスを有し、かつ液体の排水を比較的しやすい。高い湿潤レジリエンスは毛羽パルプが湿潤後であってもその構造を実質的に保持することを意味する。同様の特性を有する他の毛羽パルプ、例えば化学的に剛化されたセルロース繊維も使用することができる。好適な材料の別の例はポリアクリレートベースの粒子を含む繊維層、又は繊維層に結合されたポリアクリレートベース被覆である。好適な材料のさらなる例は超吸収フォーム、例えばポリアクリレートベースのフォームである。ポリアクリレートベースのフォームは、モノマー、架橋剤、開始剤及び界面活性剤から少なくともなり、撹拌下、容器中で二酸化炭素で飽和及び加圧される溶液によって生成される。溶液がノズルを通して容器から除去されるとき、溶液は膨張し、フォーム構造が得られる。次いで、フォーム構造は、重合を開始し、例えばUV線によって架橋することによってロックされる。
【0023】
液体受容領域110における好適な材料のさらなる例は点で又は線に沿って又はある領域で結合パターンで互いに結合されているがそうでなければ互いに本質的に結合されない連続繊維の層である。かかる材料は液体受容領域において一体化されたカバーシート/液体受容シートとして使用されることもできる。
【0024】
第一のより大きい平均細孔サイズを有する液体受容領域と第二のより小さい平均細孔サイズを有する領域の間の細孔サイズの差は例えば異なる材料間の密度の差によって得られるが、細孔サイズにおける所望の差は同じ密度であるが異なるタイプの材料で得られることもできる。
【0025】
第二シート106は液体貯蔵シートである。液体貯蔵シートは超吸収材、即ち自重の多数倍の水又は体液を吸収する能力を有するポリマーを含む繊維構造体であることが好ましい。超吸収材は粉末、フレーク、繊維、顆粒などの形である。超吸収材は繊維材料と混合されることができるか又は繊維層の間の一以上の層の形で適用されることができる。超吸収材はフォーム構造であることもできる。さらに、第二シート106は液体分散層を含むこともできる。
【0026】
超吸収材は例えば粒子状であり、液体貯蔵シートに均一に分布されるか又は吸収構造体の縦方向及び/又は厚さ方向において変化された濃度で分布される。貯蔵シートとして超吸収材の実質的に純粋な層を持つことも考えられる。液体の分散をブロックしかつ妨げるようにしないために、例えば通常起こる圧力下で膨潤することができる超吸収材を持つこともできる。かかる超吸収材を特徴づける特長は高い架橋度であり、それは低い架橋度を有するゲルと比較して圧縮することをより難しくする。液体貯蔵シートはもちろん、超吸収材を完全に含まないようにすることもできるし、または幾つかの異なるタイプの超吸収材を含むことができる。超吸収材はフォームを与えるように形成されることもできる。
【0027】
放出された体液、例えば尿は、液体受容領域において素早く吸収され、第二のより小さい細孔サイズを有する領域に、そして第二シート、即ち液体貯蔵シート106にさらに分散される。液体受容領域は液体を排水し、次いで次の液体の到来を受け入れる準備をする。液体貯蔵シート106は数回の到来分の液体を貯蔵する能力を有する。
【0028】
図2aは図1に示された吸収構造体100の横方向中央軸Iの横断面を示す。従って、図2aは吸収構造体100の中央部分101の横断面を示す。即ち、図2aは吸収構造体100の第一シート105、及びその第二シート106を示す。その平面において、吸収構造体100はまた、上部面108及び反対の下部面109を有する。図2aはさらに、吸収構造体の中心部分103及び二つの対向する縁部分104を示す。吸収構造体100の縁部分104は吸収構造体100の中央部分101において第一平均細孔サイズを有し、中心部分103は吸収構造体の中央部分101において第二平均細孔サイズを有する。第一平均細孔サイズは第二平均細孔サイズより大きい。
【0029】
図2bは図1に示された吸収構造体の横断面を示し、吸収構造体はここでは吸収物品中に使用者によって装着されることを意図される。吸収物品中に吸収構造体を使用するとき、吸収構造体は少なくとも中央部分101においてその縦方向中央軸IIのまわりに折りたたまれることを意図される。これは中央部分101における縦方向中央軸IIの一方の側上の少なくとも上部面108が吸収構造体の中央部分101における縦方向中央軸IIの他方の反対側上の上部面に対して横たわることを意味する。これはより大きい第一平均細孔サイズを有する部分が液体受容領域110を構成することを意味する。吸収物品が使用されるとき、中央部分101における吸収構造体の縁部分104は最初に湿潤される吸収構造体100の領域、即ち液体受容領域110を構成する領域に位置される吸収構造体100の部分を構成する。別の代替例によれば、吸収構造体100を含む吸収物品は物品が使用者上に位置されるときに折りたたまれる。この場合において、物品全体は物品の縦方向中央軸に沿って折りたたまれ、従って縦方向中央軸の各側上の少なくとも液体透過性カバーシートの部分は互いの上に折りたたまれる。
【0030】
図3aは本発明による吸収構造体300の代替例の横方向中央軸Iの横断面を示す。従って、図3aは吸収構造体300の中央部分301の横断面を示す。その平面において、吸収構造体300は上部面308及び反対の下部面309を有する。その厚さ方向において、吸収構造体300は一つだけのシートから作られる。横方向において、吸収構造体300は中心部分303、及び中心部分303の各側上の二つの縁部分304を有する。吸収構造体300は異なる平均細孔サイズを有する領域を持つ。吸収構造体の縁部分304は第一平均細孔サイズを有し、中心部分303は第二平均細孔サイズを有する。第一平均細孔サイズは第二平均細孔サイズより大きい。これは縁部分304がまた、中心部分303における構造体より開放的で嵩高い構造体からなることを意味する。
【0031】
図3bは図3aに示された吸収構造体300の横断面を示し、吸収構造体はここでは吸収物品中に使用者によって装着されることを意図される。吸収物品中に吸収構造体300を使用するとき、吸収構造体300は少なくとも中央部分301においてその縦方向中央軸IIのまわりに折りたたまれることを意図される。吸収構造体300は少なくとも中央部分301における縦方向中央軸IIの一方の側上の上部面308が縦方向中央軸IIの反対側上の上部面に対して横たわるように縦方向中央軸のまわりに折りたたまれることを意図される。これは、縁部分304上の上部面308が互いに対して横たわり、このようにして二つの縁部分304が最初に湿潤される吸収構造体300の領域、即ち液体受容領域310を構成する領域を一緒に構成することを意味する。別の代替例によれば、吸収構造体300を含む吸収物品は物品が使用者上に位置されるときに折りたたまれる。この場合において、物品全体は物品の縦方向中央軸に沿って折りたたまれ、従って縦方向中央軸の各側上の少なくとも液体透過性カバーシートの部分は互いの上に折りたたまれる。
【0032】
図4は本発明による吸収構造体の代替例を示す。図4に示された吸収構造体400はその平面において横方向中央軸Iによって示される横方向、及び縦方向中央軸IIによって示される縦方向を有する。縦方向において、吸収構造体400は中央部分401、及び二つの対向する端部分402を有する。横方向において、吸収構造体400は中心部分403、及び中心部分403の対向する側上の二つの縁部分404を有する。厚さ方向において、吸収構造体400は第一シート405及び第二シート406をさらに含む。第一シート405は吸収物品における使用中、使用者の最も近くにあることを意図される吸収構造体のシートである。第一シート405は異なる平均細孔サイズを有する領域を持つ。吸収構造体400の中央部分401において、吸収構造体の縁部分404は第一平均細孔サイズを有し、吸収構造体400の中央部分401において、中心部分403は第二平均細孔サイズを有する。吸収構造体の縁部分404はさらに、内部縁部分411と外部縁部分412に分割される。内部縁部分411は中心部分403の最も近くに位置される部分であり、外部縁部分412は中心部分403から最も遠くに離れて位置される部分である。吸収構造体の中央部分401において、内部縁部分411及び外部縁部分412は異なる平均細孔サイズを有する。吸収構造体400において、外部縁部分412は中心部分403と同じ平均細孔サイズを有する。第一平均細孔サイズ、即ち中央部分401における縁部分404の平均細孔サイズは内部縁部分411を構成する部分と吸収構造体400の中央部分401における外部縁部分412を構成する部分の両方について計算された平均細孔サイズである。
【0033】
第一シート405の二つの端部分402はまた、第二平均細孔サイズを有する。第一平均細孔サイズは第二平均細孔サイズより大きい。吸収構造体が吸収物品中に使用されるとき、吸収構造体400は、中央部分401の内部縁部分411における縦方向中央軸IIの一方の側上の上部面408が中央部分401の内部縁部分411における縦方向中央軸IIの他方の反対側上の上部面に対して横たわるように、縦方向中央軸II上に折りたたまれることを意図され、より大きい第一平均細孔サイズを有する部分は液体受容領域410を構成する。吸収物品の使用中、中央部分401における吸収構造体の内部縁部分411は最初に湿潤される吸収構造体400の領域、即ち液体受容領域410に位置される吸収構造体の部分を構成する。別の代替例によれば、吸収構造体400を含む吸収物品は使用者上に置かれるときに折りたたまれる。この場合において、物品全体は物品の縦方向中央軸に沿って折りたたまれ、従って縦方向中央軸の各側上の少なくとも液体透過性カバーシートの部分は互いの上に折りたたまれる。
【0034】
図5は本発明による吸収構造体の代替例を示す。吸収構造体500はその平面において横方向中央軸Iによって示される横方向、及び縦方向中央軸IIによって示される縦方向を有する。縦方向において、吸収構造体500は中央部分501、及び二つの対向する端部分502を有する。横方向において、吸収構造体500は中心部分503、及び中心部分503の対向する側上の二つの縁部分504を有する。厚さ方向において、吸収構造体500は第一シート505及び第二シート506をさらに含む。第一シート505は吸収物品における使用中に使用者の最も近くにあることを意図される吸収構造体のシートである。第一シート505は異なる平均細孔サイズを有する領域を持つ。吸収構造体500の中央部分501において、吸収構造体の縁部分504は第一平均細孔サイズを有し、吸収構造体の中央部分501において、中心部分503は第二平均細孔サイズを有する。吸収構造体の縁部分504は内部縁部分511と外部縁部分512に分割される。内部縁部分511は中心部分503の最も近くに位置される部分であり、外部縁部分512は中心部分503から最も遠くに離れて位置される部分である。吸収構造体の中央部分501において、内部縁部分511及び外部縁部分512は異なる平均細孔サイズを有する。吸収構造体500において、外部縁部分512は中央部分501における中心部分503と同じ平均細孔サイズを有する。第一平均細孔サイズ、即ち中央部分501における縁部分504の平均細孔サイズは内部縁部分511を構成する部分と吸収構造体の中央部分501の外部縁部分512を構成する部分の両方について計算された平均細孔サイズである。
【0035】
図5の第一シート505の二つの端部分502はまた、内部端部分513と外部端部分514に分割される。内部端部分513は中央部分501の最も近くに位置され、外部端部分514は中央部分501から最も遠くに離れて位置される。内部端部分は異なる平均細孔サイズの二つの異なる部分を有する。内部端部分513において、中心部分503及び内部縁部分511は外部縁部分512より大きい平均細孔サイズを有する。
【0036】
吸収構造体が吸収物品に使用されるとき、吸収構造体は中央部分501の内部縁部分511における縦方向中央軸IIの一方の側上の上部面508が中央部分501の内部縁部分511における縦方向中央軸IIの他方の反対側上の上部面に対して横たわるようにその縦方向中央軸II上で折りたたまれることを意図され、より大きい第一平均細孔サイズは液体受容領域510を構成する。吸収物品の使用中、中央部分501における吸収構造体の内部縁部分511は最初に湿潤される吸収構造体の領域、即ち液体受容領域510に位置される吸収構造体の部分を構成する。別の代替例によれば、吸収構造体500を含む吸収物品は使用者上に置かれるときに折りたたまれる。この場合において、物品全体は物品の縦方向中央軸IIに沿って折りたたまれ、従って縦方向中央軸IIの各側上の少なくとも液体透過性カバーシートの部分は互いの上に折りたたまれる。
【0037】
図6は使用中使用者の最も近くに横たわることを意図される面の方向から見た、伸張状態の失禁プロテクタ6を示す。失禁プロテクタ6は本発明による吸収構造体600を含む。縦方向において、吸収構造体600は中央部分601、及び二つの対向する端部分602を有する。横方向において、吸収構造体600は中心部分603、及び中心部分603の対向する側上の二つの縁部分604を有する。その厚さ方向において、吸収構造体600は第一シート605及び第二シート606をさらに含む。第一シート605は吸収構造体を有する吸収物品の使用中に使用者の最も近くにあることを意図される吸収構造体のシートである。第一シート605は異なる平均細孔サイズを有する領域を持つ。中央部分601の縁部分604では、第一シートは第一平均細孔サイズを有し、中心部分603において、それは第二平均細孔サイズを有する。第一シート605の二つの端部分602はまた、第二平均細孔サイズを有する。第一平均細孔サイズは第二平均細孔サイズより大きい。吸収構造体が吸収物品に使用されるとき、吸収構造体600は中央部分601における縦方向中央軸IIの一方の側上の少なくとも上部面608が吸収構造体の中央部分601における縦方向中央軸IIの他方の側上の上部面に対して横たわるように縦方向中央軸II上で折りたたまれることを意図され、より大きい第一平均細孔サイズを有する部分は液体受容領域610を構成する。別の代替例によれば、失禁プロテクタ6は使用者上に置かれるときに折りたたまれる。この場合において、失禁プロテクタ6はその縦方向中央軸IIに沿って折りたたまれ、従って縦方向中央軸IIの各側上の少なくとも液体透過性カバーシート611の部分は互いの上に折りたたまれる。吸収物品の使用中、中央部分601における吸収構造体の縁部分604は最初に湿潤される吸収構造体600の領域、即ち液体受容領域610に位置される吸収構造体の部分を構成する。
【0038】
図6に示された失禁プロテクタは液体透過性カバーシート611及び下部シート612をさらに含み、吸収構造体600は二つのカバーシート611,612の間に封入される。液体透過性カバーシート611は例えば不織材料、有孔プラスチックフィルム又はその積層体からなる。液体透過性カバーシート611のための材料の別の例は点で、線に沿って又はある領域において結合パターンで結合されるがそうでなければ互いに結合されない連続繊維のシートである。下部シート612はプラスチックシート、不織シート又はそれらの積層体からなることができる。下部シートは例えば呼吸可能なタイプのものである。
【0039】
失禁プロテクタ6は吸収パンツの態様で使用者の胴の下部を包囲することを意図される。失禁プロテクタ6は失禁プロテクタの使用中に使用者の前方に向けられることを意図される前端部分613、及び使用中に使用者の後方に向けられることを意図される後端部分614、及び前端部分613と後端部分614の間に位置されかつ使用者の脚の間に配置されることを意図される狭い股部分615を有する。
【0040】
失禁プロテクタ6は弾性部材をさらに有する。失禁プロテクタ6におけるこれらの弾性部材は隆起した弾性液体バリヤー616、腰弾性体617及び脚弾性体618を構成する。
【0041】
弾性隆起液体バリヤー616は液体透過性カバーシート611に固定され、液体の漏出を防止するように設計される。弾性隆起液体バリヤーは液密材料、例えば疎水性不織シートから作られ、一以上の弾性糸を含む。その弾性糸は、液体バリヤーが弾性を有し、使用中液体透過性カバーシート611から隆起されることを確実にする。
【0042】
失禁プロテクタ6における腰弾性体617は弾性テープ材料から作られ、物品の前端縁からわずかの距離のところに位置される。
【0043】
失禁プロテクタ6の脚弾性体618は一以上の弾性糸又は弾性テープ要素の如き細長い弾性部材からなる。細長い弾性部材は物品の縦方向縁に沿って、少なくとも物品の股部分に沿って位置され、脚バンドを構成する。弾性糸又は弾性テープは液体透過性カバーシート611に固定される前に予め緊張される、即ち弾性糸又はテープは液体透過性カバーシート611に固定される前にある程度伸張される。この方法では、弾性糸は一緒に引っ張られ、材料は弾性糸の内側に対してわずかにしわ形成され、失禁プロテクタの使用中に使用者の脚のまわりによりタイトな適合を与える。
【0044】
失禁プロテクタ6が一緒に固定されて所望のパンツ形状を与えることを可能にするために、失禁プロテクタ6は失禁プロテクタを一緒に接合してパンツ形状を与えるための固定配置を含む。固定配置は第一部材620及び第二部材621を含む。図6に示された失禁プロテクタ6では、失禁プロテクタの後端縁の近くに配置されたテープフラップは第一部材620を構成し、失禁プロテクタの前端部分の外側は固定配置の第二部材621を構成する。従って、使用中、テープフラップは失禁プロテクタの前端部分の外側に、物品の横方向前端縁の近くに固定され、失禁プロテクタ6は使用者の腰のまわりに一緒に保持される。ベルクロクロージャ、フックなどの他の固定部材ももちろん考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明による吸収構造体の平面図を示す。
【図2】図2aは図1に示された吸収構造体の横断面を示す。図2bは図1に示された吸収構造体の横断面を示す。
【図3】図3aは本発明による吸収構造体の代替例の横断面を示す。図3bは図3aに示された吸収構造体の横断面を示す。
【図4】本発明による吸収構造体の代替例の平面図を示す。
【図5】本発明による吸収構造体のさらなる代替例の平面図を示す。
【図6】本発明による吸収構造体を含む失禁プロテクタを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
横方向、縦方向及びその縦方向に延びる中央軸(II)、及び厚さ方向を有する、おむつ、失禁プロテクタ、衛生ナプキン又はそれらの類似物品の如き吸収物品であって、その物品が物品の上部表面上に配置された液体透過性カバーシート(611)、物品の下部表面上に配置された下部シート(612)、及びこれらのシートの間に封入された吸収構造体(600)を含み、吸収構造体(600)が縦方向において中央部分(601)及び二つの対向する端部分(602)を有し、かつ横方向において中心部分(603)及び二つの対向する縁部分(604)を有するものにおいて、吸収構造体の中央部分(601)における縁部分(604)が厚さ方向の少なくとも一部内で第一平均細孔サイズを有すること、及び吸収構造体の中央部分(601)における中心部分(603)が厚さ方向の少なくとも一部内で第二平均細孔サイズを有し、第一平均細孔サイズが第二平均細孔サイズより大きいこと、及び縦方向に延びる中央軸(II)の一方の側上の物品の部分が物品の上部表面上の縦方向に延びる中央軸(II)の他方の側上の物品の対応する部分に対して横たわるようにもたらされるように吸収物品が縦方向中央軸(II)に沿って折りたたまれることができ、より大きい第一平均細孔サイズを有する部分(604)が物品使用時に液体受容領域(610)を構成することを特徴とする吸収物品。
【請求項2】
縦方向中央軸(II)の一方の側上の液体透過性カバーシート(611)が縦方向中央軸(II)の他方の側上の液体透過性カバーシート(611)に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の吸収物品。
【請求項3】
吸収構造体(600)が液体透過性カバーシート(611)の方に向けられた上部表面及び下部シート(612)の方に向けられた下部表面を有する請求項1に記載の吸収物品において、吸収構造体の中央部分(601)における縦方向中央軸(II)の一方の側上の上部表面の少なくとも一部が縦方向中央軸(II)の他方の側上の上部表面の一部に対して横たわるように吸収構造体が縦方向中央軸(II)に沿って折りたたまれることを特徴とする吸収物品。
【請求項4】
吸収構造体の中央部分(601)における縦方向中央軸(II)の一方の側上の上部表面が縦方向中央軸(II)の他方の側上の上部表面に結合されていることを特徴とする請求項3に記載の吸収物品。
【請求項5】
吸収構造体の中央部分(601)における縁部分(604)が吸収構造体の全厚さにわたって第一平均細孔サイズを有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の吸収物品。
【請求項6】
吸収構造体(600)における端部分(602)の縁部分(604)もまた厚さ方向の少なくとも一部内で第一平均細孔サイズを有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の吸収物品。
【請求項7】
吸収構造体(600)が厚さ方向において第一シート(605)及び第二シート(606)を有し、第一シート(605)が第二シート(606)より縦方向において小さい範囲を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の吸収物品。
【請求項8】
吸収構造体が第二平均細孔サイズの少なくとも1.1倍の大きさである第一平均細孔サイズを有することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の吸収物品。
【請求項9】
液体受容領域(610)が0.02〜0.2g/cm、好ましくは0.06〜0.15g/cmの密度を有すること、及び第二のより小さい平均細孔サイズを有する領域が0.1〜1.0g/cm、好ましくは0.12〜0.6g/cmの密度を有することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の吸収物品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2006−520214(P2006−520214A)
【公表日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−502815(P2006−502815)
【出願日】平成16年2月26日(2004.2.26)
【国際出願番号】PCT/SE2004/000258
【国際公開番号】WO2004/075799
【国際公開日】平成16年9月10日(2004.9.10)
【出願人】(598166490)エスシーエー・ハイジーン・プロダクツ・アーベー (21)
【Fターム(参考)】