説明

吸引処理装置の冷却方法及び吸引処理装置

【課題】多段式ルーツブロワーを備えた吸引処理装置において、冷却水の温度上昇による真空度の低下を抑制することができるとともに、ルーツブロワーのケーシング内部を冷却するための封水の量を削減すること。
【解決手段】直列に連通連結された複数の湿式ルーツブロワーもしくは直列に連通連結された複数のケーシング内空間を有する湿式ルーツブロワーと、前記湿式ルーツブロワーを通過した気体中の塵埃を捕集する湿式集塵槽とを備えた吸引処理装置の冷却方法であって、前記湿式集塵槽内の水を冷却水として、最上流側の湿式ルーツブロワーのケーシングもしくは最上流側のケーシング内空間に導入する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は吸引処理装置の冷却方法及び吸引処理装置に関し、より詳しくは、多段式ルーツブロワーを備えた吸引処理装置の冷却方法及びこの冷却方法を用いる吸引処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
汚泥等を吸引回収するために使用される吸引処理車には、車台上に回収タンク内を減圧状態とするための吸引処理装置が搭載されており、吸引処理装置における真空発生装置としてはルーツブロワーが広く使用されている。
ルーツブロワーは単独で用いられることもあるが、高い真空度を得るために、複数台のルーツブロワーを直列に連通連結する或いは直列に連通連結された複数のケーシング内空間を設けることにより、段階的に真空度を上げるように構成した多段式ルーツブロワーが使用されることが多い。
【0003】
ところで、ルーツブロワーは長時間継続して使用すると真空度が低下するという問題があるため、通常、真空度の低下を防ぐために冷却機構が設けられている。
図10は従来の多段式ルーツブロワーの冷却機構の一例を示す概略図である。
図10に示す多段式ルーツブロワーの冷却機構は、直列に連通連結された2台の湿式ルーツブロワー(A)(B)と、これら2台の湿式ルーツブロワーを通過した気体中の塵埃を捕集する湿式集塵槽(C)とからなり、湿式集塵槽(C)内の水を冷却水として上流側のルーツブロワー(A)の吸引口側の配管(D)に導入するとともに、下流側のルーツブロワー(B)の吐出側のケーシング内に外気を導入するように構成されている。
【0004】
しかしながら、図10に示す多段式ルーツブロワーの冷却機構は、冷却水として使用している湿式集塵槽(C)内の水を循環させていることから、ルーツブロワーを長時間連続運転すると冷却水が高温(例えば約70〜80℃)となる。これにより、冷却水導入による冷却効果が低下して上流側ルーツブロワーの吸気側の温度が上昇し、真空度の低下が生じてしまうという問題があった。
また、ルーツブロワーのケーシング内部を冷却するための封水量を多くする必要があるため、ルーツブロワーを駆動するために必要な動力が増加し、これによりルーツブロワーを駆動する原動機(エンジン又はモーター)の回転数が増加し、騒音が大きくなるという問題もあった。
【0005】
一方、下記特許文献1には、多段式ルーツブロワーの冷却機構として、前段ポンプ部及び後段ポンプ部の各吸入口に外部から冷却水を注入する前段注水口及び後段注水口を設け、前段注水口に単位時間当たりの注水量を規制する前段オリフィスを設置し、後段注水口に単位時間当たりの注水量を前段オリフィスによる注水量より多い量で規制する後段オリフィスを設置すると共に、後段注水口の冷却水通路の一部に各ポンプ部の真空ポンプ動作の初期段階で前段ポンプ部から後段ポンプ部に吐出されて一時的に加圧状態となる加圧空気の逆流で閉じて後段注水口からの注水を一時的に止める逆止弁を設置したものが開示されている。
【0006】
しかし、特許文献1の開示技術は、オリフィスと逆止弁により冷却水の流れを調整することにより、冷却水の消費量を少なくすることはできるが、上記した冷却水の温度上昇による真空度の低下という問題を根本的に解決することができるものではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第3176595号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記した従来技術の問題点を解決すべくなされたものであって、多段式ルーツブロワーを備えた吸引処理装置において、冷却水の温度上昇による真空度の低下を抑制することができるとともに、ルーツブロワーのケーシング内部を冷却するための封水の量を削減することが可能である吸引処理装置の冷却方法及び吸引処理装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に係る発明は、直列に連通連結された複数の湿式ルーツブロワーもしくは直列に連通連結された複数のケーシング内空間を有する湿式ルーツブロワーと、前記湿式ルーツブロワーを通過した気体中の塵埃を捕集する湿式集塵槽とを備えた吸引処理装置の冷却方法であって、前記湿式集塵槽内の水を冷却水として、最上流側の湿式ルーツブロワーのケーシングもしくは最上流側のケーシング内空間に導入することを特徴とする吸引処理装置の冷却方法に関する。
【0010】
請求項2に係る発明は、前記冷却水を、最上流側の湿式ルーツブロワーのケーシングの吐出側もしくは最上流側のケーシング内空間の吐出側に導入することを特徴とする請求項1記載の吸引処理装置の冷却方法に関する。
【0011】
請求項3に係る発明は、前記冷却水を、最上流側の湿式ルーツブロワーのケーシングの吸引側もしくは最上流側のケーシング内空間の吸引側に導入することを特徴とする請求項1記載の吸引処理装置の冷却方法に関する。
【0012】
請求項4に係る発明は、前記最上流側の湿式ルーツブロワーのケーシングの吐出側もしくは前記最上流側のケーシング内空間の吐出側において、2つのローターとケーシング内面との間に夫々独立して形成される内部空間のうち、一方のローターとケーシング内面との間に形成される第一の内部空間に前記冷却水を導入し、他方のローターとケーシング内面との間に形成される第二の内部空間に外気を導入することを特徴とする請求項2記載の吸引処理装置の冷却方法に関する。
【0013】
請求項5に係る発明は、前記最上流側の湿式ルーツブロワーのケーシングの吸引側もしくは前記最上流側のケーシング内空間の吸引側において、2つのローターとケーシング内面との間に夫々独立して形成される内部空間のうち、一方のローターとケーシング内面との間に形成される第一の内部空間に前記冷却水を導入し、他方のローターとケーシング内面との間に形成される第二の内部空間に外気を導入することを特徴とする請求項3記載の吸引処理装置の冷却方法に関する。
【0014】
請求項6に係る発明は、2段目以降の湿式ルーツブロワーのケーシングの吐出側もしくは2段目以降のケーシング内空間の吐出側に外気を導入することを特徴とする請求項2又は4記載の吸引処理装置の冷却方法に関する。
【0015】
請求項7に係る発明は、2段目以降の湿式ルーツブロワーのケーシングの吸引側もしくは2段目以降のケーシング内空間の吸引側に外気を導入することを特徴とする請求項3又は5記載の吸引処理装置の冷却方法に関する。
【0016】
請求項8に係る発明は、直列に連通連結された複数の湿式ルーツブロワーもしくは直列に連通連結された複数のケーシング内空間を有する湿式ルーツブロワーと、前記湿式ルーツブロワーを通過した気体中の塵埃を捕集する湿式集塵槽とを備えた吸引処理装置であって、前記湿式集塵槽内の水を最上流側の湿式ルーツブロワーのケーシングもしくは最上流側のケーシング内空間に導入する冷却水導入経路を設けたことを特徴とする吸引処理装置に関する。
【0017】
請求項9に係る発明は、前記冷却水導入経路が、前記湿式集塵槽内の水を前記最上流側の湿式ルーツブロワーのケーシングの吐出側もしくは最上流側のケーシング内空間の吐出側に導入することを特徴とする請求項8記載の吸引処理装置に関する。
【0018】
請求項10に係る発明は、前記冷却水導入経路が、前記湿式集塵槽内の水を前記最上流側の湿式ルーツブロワーのケーシングの吸引側もしくは最上流側のケーシング内空間の吸引側に導入することを特徴とする請求項8記載の吸引処理装置に関する。
【0019】
請求項11に係る発明は、前記最上流側の湿式ルーツブロワーのケーシングの吐出側もしくは前記最上流側のケーシング内空間の吐出側において、2つのローターとケーシング内面との間に夫々独立して形成される内部空間のうち、一方のローターとケーシング内面との間に形成される第一の内部空間に前記冷却水導入経路を連通連結し、他方のローターとケーシング内面との間に形成される第二の内部空間に外気を導入する外気導入口を設けたことを特徴とする請求項9記載の吸引処理装置に関する。
【0020】
請求項12に係る発明は、前記最上流側の湿式ルーツブロワーのケーシングの吸引側もしくは前記最上流側のケーシング内空間の吸引側において、2つのローターとケーシング内面との間に夫々独立して形成される内部空間のうち、一方のローターとケーシング内面との間に形成される第一の内部空間に前記冷却水導入経路を連通連結し、他方のローターとケーシング内面との間に形成される第二の内部空間に外気を導入する外気導入口を設けたことを特徴とする請求項10記載の吸引処理装置に関する。
【0021】
請求項13に係る発明は、2段目以降の湿式ルーツブロワーのケーシングの吐出側もしくは2段目以降のケーシング内空間の吐出側に外気を導入する外気導入口を設けたことを特徴とする請求項9又は11記載の吸引処理装置に関する。
【0022】
請求項14に係る発明は、2段目以降の湿式ルーツブロワーのケーシングの吸引側もしくは2段目以降のケーシング内空間の吸引側に外気を導入する外気導入口を設けたことを特徴とする請求項10又は12記載の吸引処理装置に関する。
【発明の効果】
【0023】
請求項1及び8に係る発明によれば、湿式集塵槽内の水を冷却水として、最上流側の湿式ルーツブロワーのケーシングもしくは最上流側のケーシング内空間に導入することにより、封水冷却が必要な吐出側のみを効率良く冷却することができる。加えて、最上流側の湿式ルーツブロワーのケーシングもしくは最上流側のケーシング内空間が冷却水の気化潜熱により冷却されるとともに、最上流側の湿式ルーツブロワーもしくは最上流側のケーシング内空間に吸引真空圧により外気温度よりも低温となった空気が導入されるため、封入水の水温が上昇しても冷却効果が得られ、長時間に亘って高真空度を維持することができる。
また、冷却効果が向上するため、ルーツブロワーのケーシング内部の封水量を削減することが可能となる。これにより、ルーツブロワーを駆動するために必要な動力を低減することができ、ルーツブロワーを駆動する原動機(エンジン又はモーター)の回転数を減少させることが可能となり、騒音を低減することができる。
更に、冷却効果が向上して封水量が減少するため、ケーシング内部に冷却用の外気を導入する外気導入口を1つとすることができ、冷却構造を簡素化することが可能となる。
【0024】
請求項2及び9に係る発明によれば、湿式集塵槽内の水を冷却水として、最上流側の湿式ルーツブロワーのケーシングの吐出側もしくは最上流側のケーシング内空間の吐出側に導入することにより、封水冷却が必要な吐出側のみを効率良く冷却することができる。
【0025】
請求項3及び10に係る発明によれば、湿式集塵槽内の水を冷却水として、最上流側の湿式ルーツブロワーのケーシングの吸引側もしくは最上流側のケーシング内空間の吸引側に導入することにより、封水冷却が必要な吐出側のみを効率良く冷却することができる。また、吸引側は吐出側に比べて低真空時でも封入水が流れることからブロワーの冷却性能が向上し、更にブロワー内の洗浄効果も向上する。
【0026】
請求項4及び11に係る発明によれば、最上流側の湿式ルーツブロワーのケーシングの吐出側もしくは最上流側のケーシング内空間の吐出側において、2つのローターとケーシング内面との間に夫々形成される内部空間のうち、一方のローターとケーシング内面との間に形成される第一の内部空間に冷却水を導入し、他方のローターとケーシング内面との間に形成される第二の内部空間に外気を導入することにより、冷却水と外気をケーシング内に導入して冷却することができ、冷却効果を高めることが可能となる。また、ローターの回転に伴って、外気を自動的にケーシング内に吸入すると同時にケーシング内の封水の排出も行うことができる。
【0027】
請求項5及び12に係る発明によれば、最上流側の湿式ルーツブロワーのケーシングの吸引側もしくは最上流側のケーシング内空間の吸引側において、2つのローターとケーシング内面との間に夫々形成される内部空間のうち、一方のローターとケーシング内面との間に形成される第一の内部空間に冷却水を導入し、他方のローターとケーシング内面との間に形成される第二の内部空間に外気を導入することにより、冷却水と外気をケーシング内に導入して冷却することができ、冷却効果を高めることが可能となる。また、ローターの回転に伴って、外気を自動的にケーシング内に吸入すると同時にケーシング内の封水の排出も行うことができる。また、外気導入口が常に吸引されるため、外気導入口の逆止弁が不要となるとともに、外気導入口からの騒音が低減される。
【0028】
請求項6及び13に係る発明によれば、2段目以降の湿式ルーツブロワーのケーシングの吐出側もしくは2段目以降のケーシング内空間の吐出側に外気を導入することにより、冷却効果をより高めることができるため、風量が多い場合においても充分な冷却効果を得ることが可能となる。
【0029】
請求項7及び14に係る発明によれば、2段目以降の湿式ルーツブロワーのケーシングの吸引側もしくは2段目以降のケーシング内空間の吸引側に外気を導入することにより、冷却効果をより高めることができるため、風量が多い場合においても充分な冷却効果を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明に係る吸引処理装置の第一実施形態を示す模式図である。
【図2】第一実施形態に係る吸引処理装置の上流側のルーツブロワー付近の拡大図である。
【図3】本発明に係る吸引処理装置の別の実施形態(第二実施形態)を示す模式図である。
【図4】本発明に係る吸引処理装置の第三実施形態を示す模式図である。
【図5】第三実施形態に係る吸引処理装置の上流側のルーツブロワー付近の拡大図である。
【図6】第三実施形態に係る吸引処理装置の別の実施形態(第四実施形態)を示す模式図である。
【図7】本発明に係る吸引処理装置(第一実施形態)と従来の吸引処理装置を比較したグラフであって、上流側のルーツブロワーの吸気口に接続された配管内の温度変化を示している。
【図8】本発明に係る吸引処理装置(第一実施形態)と従来の吸引処理装置を比較したグラフであって、湿式集塵槽の水槽内の水温の変化を示している。
【図9】本発明に係る吸引処理装置(第一実施形態)と従来の吸引処理装置を比較したグラフであって、上流側のルーツブロワーの吸気口における真空度の変化を示している。
【図10】従来の多段式ルーツブロワーの冷却機構の一例を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明に係る吸引処理装置の冷却方法及び吸引処理装置の好適な実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は本発明に係る吸引処理装置の第一実施形態を示す模式図であり、図2は第一実施形態に係る吸引処理装置の上流側のルーツブロワー付近の拡大図である。
第一実施形態に係る吸引処理装置は、直列に連通連結された複数のルーツブロワー(1a)(1b)と、これら複数のルーツブロワー(1a)(1b)を通過した気体中の塵埃を捕集する湿式集塵槽(2)とを備えている。
【0032】
上流側のルーツブロワー(1a)は、吸気口(3a)と吐出口(4a)を備えたケーシング(5)と、ケーシング(5)内部で回転する2つのローター(6)から構成され、ケーシング(5)内部に冷却用の封水が収容されている湿式ルーツブロワーである。
下流側のルーツブロワー(1b)も、吸気口(3b)と吐出口(4b)を備えたケーシング(5)と、ケーシング(5)内部で回転する2つのローター(6)から構成され、ケーシング(5)内部に冷却用の封水が収容されている湿式ルーツブロワーである。
ルーツブロワー(1a)(1b)のローター(6)は、図示の如く3葉式のものである。
【0033】
湿式集塵槽(2)は、水槽(8)の上部に二重筒状のサイクロン式の吸気部(9)を有しており、吸気部(9)から導入された気体中に含まれる微細な塵埃を水槽(8)の内部に収容した水に接触させて捕集する。
【0034】
上流側のルーツブロワー(1a)の吐出口(4a)には二股に分岐された配管(7)が接続されている。配管(7)の一方の分岐路(7a)は下流側のルーツブロワー(1b)の吸気口(3b)に接続されており、他方の分岐路(7b)は逆止弁(10)を介して湿式集塵槽(2)の吸気部(9)に接続されている。
下流側のルーツブロワー(1b)の吐出口(4b)に接続された配管(11)は、他方の分岐路(7b)の中途部に接続されている。
これにより、上流側のルーツブロワー(1a)の吐出口(4a)から吐出された気体は、配管(7)により二方向に分岐される。そして、一方の分岐路(7a)に流入した気体は下流側のルーツブロワー(1b)を通過してから湿式集塵槽(2)の吸気部(9)へと導入され、他方の分岐路(7b)に流入した気体は逆止弁(10)を介して湿式集塵槽(2)の吸気部(9)へと導入される。
【0035】
湿式集塵槽(2)の水槽(8)の底部と上流側のルーツブロワー(1a)のケーシング(5)の吐出側は、水槽(8)内の水を冷却水としてケーシング(5)内に導入するための冷却水導入経路(12)により連通連結されている。
冷却水導入経路(12)の中途部にはフローゲージ(13)が設けられており、上流側のルーツブロワー(1a)の真空圧により、水槽(8)内の水をフローゲージ(13)を介してルーツブロワー(1a)のケーシング(5)内の吐出側に導入することができる。
【0036】
ここで、ルーツブロワー(1a)のケーシング(5)の吐出側とは、ルーツブロワー(1a)のケーシング(5)の吐出口(4a)に近い側を意味している。より具体的には、図2に示すように、上流側のルーツブロワー(1a)のケーシング(5)を構成する壁のうち、吐出口(4a)に近い側の壁を貫通するように冷却水導入口が設けられ、この冷却水導入口に冷却水導入経路(12)が接続されている。
【0037】
冷却水導入経路(12)が接続された空間は、ルーツブロワー(1a)のケーシング(5)の吐出側において、2つのローター(6)とケーシング(5)内面との間に夫々独立して形成される内部空間のうち、一方のローターとケーシング内面との間に形成される空間(以下、第一の内部空間(14)という)である。図示例では第一の内部空間(14)はケーシング(5)の上方に形成されている(図2参照)。
【0038】
上流側のルーツブロワー(1a)のケーシング(5)の吐出側には、外気をケーシング(5)内に導入するための外気導入口(16)が設けられている。
外気導入口(16)には逆止弁(19)を介してサイレンサー(17)が接続されており、外気はサイレンサー(17)を通って外気導入口(16)から上流側のルーツブロワー(1a)のケーシング(5)の吐出側に導入される。
【0039】
ここで、上述したように、ルーツブロワー(1a)のケーシング(5)の吐出側とは、ルーツブロワー(1a)のケーシング(5)の吐出口(4a)に近い側を意味している。そして、図2に示すように、上流側のルーツブロワー(1a)のケーシング(5)を構成する壁のうち、吐出口(4a)に近い側の壁を貫通するように外気導入口(16)が設けられている。
【0040】
外気導入口(16)が形成された空間は、ルーツブロワー(1a)のケーシング(5)の吐出側において、2つのローター(6)とケーシング(5)内面との間に夫々独立して形成される内部空間のうち、他方のローターとケーシング内面との間に形成される空間(以下、第二の内部空間(15)という)である。図示例では第二の内部空間(15)はケーシング(5)の下方に形成されている(図2参照)。
【0041】
以下、図1に示す構成からなる本発明の第一実施形態に係る吸引処理装置を使用した冷却方法について説明する。
第一実施形態においては、湿式集塵槽(2)内の水を冷却水として、上流側のルーツブロワー(1a)のケーシング(5)の吐出側、より詳しくは上流側のルーツブロワー(1a)のケーシング(5)の第一の内部空間(14)に導入する。
【0042】
これにより、封水の冷却が必要なケーシングの吐出側のみを効率良く冷却することができる。加えて、ケーシングの吸引側が冷却水の気化潜熱により冷却されるとともに、吸気口から吸引真空圧により外気温度よりも低温となった空気が導入されるため、ケーシング内の封入水の水温が上昇しても冷却効果が得られる。
そのため、ケーシング内に冷却水として導入される湿式集塵槽(2)の水槽(8)内の水温が上昇しても、高い冷却効果が得られることとなり、長時間に亘って高真空度を維持することができる。
また、冷却効果が向上することによって、ルーツブロワーのケーシング内部の封水量を削減することが可能となる。これにより、ルーツブロワーを駆動するために必要な動力を低減することができ、ルーツブロワーを駆動する原動機(エンジン又はモーター)の回転数を減少させることが可能となり、騒音を低減することができる。
【0043】
また、第一実施形態においては、外気を上流側のルーツブロワー(1a)のケーシング(5)の吐出側、より詳しくは上流側のルーツブロワー(1a)のケーシング(5)の第二の内部空間(15)に導入する。
これにより、ケーシング(5)内が、冷却水に加えて外気によっても冷却されることとなり、冷却効果を高めることが可能となる。また、ローター(6)の回転に伴って、外気が自動的にケーシング(5)内に吸入され、同時にケーシング(5)内の封水の排出も行われることとなる。
また、上述したように冷却効果が向上して封水量が減少することから、ケーシング内部に外気を導入する外気導入口(16)を1つとしても、外気導入による冷却効果を充分に得ることができ、冷却構造を簡素化することが可能となる。
【0044】
更に、外気を上流側のルーツブロワー(1a)に導入することにより、従来の冷却機構(図10参照)のように下流側のルーツブロワー(1b)に外気を導入する必要が無くなる。また、下流側のルーツブロワー(1b)には冷却水も導入されないため、下流側のルーツブロワー(1b)の構造を簡素化することができる。
【0045】
図3は本発明に係る吸引処理装置の別の実施形態(第二実施形態)を示す模式図である。
第二実施形態の吸引処理装置は、下流側(2段目)の湿式ルーツブロワー(1b)のケーシングの吐出側に外気を導入する外気導入口(18)を設けた点のみが、図1,2に示したものと異なり、その他の構成は同じである。
【0046】
外気導入口(18)には、逆止弁(図示略)を介してサイレンサー(17)が接続されており、外気はサイレンサー(17)を通って外気導入口(18)から下流側のルーツブロワー(1b)のケーシング(5)の吐出側に導入される。
外気導入口(18)が形成された空間は、ルーツブロワー(1b)のケーシング(5)の吐出側において、2つのローター(6)とケーシング(5)内面との間に夫々独立して形成される2つの内部空間の一方又は両方(図示例では両方)である。
【0047】
このように、下流側(2段目)の湿式ルーツブロワー(1b)のケーシングの吐出側に外気を導入する外気導入口(18)を設けて外気を導入することにより、冷却効果をより高めることができるため、風量が多い場合においても充分な冷却効果を得ることが可能となる。
【0048】
図4は本発明に係る吸引処理装置の第三実施形態を示す模式図であり、図5は第三実施形態に係る吸引処理装置の上流側のルーツブロワー付近の拡大図である。
以下、第三実施形態に係る吸引処理装置について、上述した第一実施形態と異なる点を中心に説明し、同じ構成については同じ符号を付して説明を省略する。
【0049】
湿式集塵槽(2)の水槽(8)の底部と上流側のルーツブロワー(1a)のケーシング(5)の吸引側は、水槽(8)内の水を冷却水としてケーシング(5)内に導入するための冷却水導入経路(12)により連通連結されている。
冷却水導入経路(12)の中途部にはフローゲージ(13)が設けられており、上流側のルーツブロワー(1a)の真空圧により、水槽(8)内の水をフローゲージ(13)を介してルーツブロワー(1a)のケーシング(5)内の吸引側に導入することができる。
【0050】
ここで、ルーツブロワー(1a)のケーシング(5)の吸引側とは、ルーツブロワー(1a)のケーシング(5)の吸引口(3a)に近い側を意味している。より具体的には、図5に示すように、上流側のルーツブロワー(1a)のケーシング(5)を構成する壁のうち、吸引口(3a)に近い側の壁を貫通するように冷却水導入口が設けられ、この冷却水導入口に冷却水導入経路(12)が接続されている。
【0051】
冷却水導入経路(12)が接続された空間は、ルーツブロワー(1a)のケーシング(5)の吸引側において、2つのローター(6)とケーシング(5)内面との間に夫々独立して形成される内部空間のうち、一方のローターとケーシング内面との間に形成される空間(以下、第一の内部空間(14)という)である。図示例では第一の内部空間(14)はケーシング(5)の上方に形成されている(図5参照)。
【0052】
上流側のルーツブロワー(1a)のケーシング(5)の吸引側には、外気をケーシング(5)内に導入するための外気導入口(16)が設けられている。
外気導入口(16)にはサイレンサー(17)が接続されており、外気はサイレンサー(17)を通って外気導入口(16)から上流側のルーツブロワー(1a)のケーシング(5)の吸引側に導入される。尚、外気導入口(16)を吸引側に設けているため、逆止弁は不要となる。
【0053】
ここで、上述したように、ルーツブロワー(1a)のケーシング(5)の吸引側とは、ルーツブロワー(1a)のケーシング(5)の吸引口(3a)に近い側を意味している。そして、図5に示すように、上流側のルーツブロワー(1a)のケーシング(5)を構成する壁のうち、吸引口(3a)に近い側の壁を貫通するように外気導入口(16)が設けられている。
【0054】
外気導入口(16)が形成された空間は、ルーツブロワー(1a)のケーシング(5)の吸引側において、2つのローター(6)とケーシング(5)内面との間に夫々独立して形成される内部空間のうち、他方のローターとケーシング内面との間に形成される空間(以下、第二の内部空間(15)という)である。図示例では第二の内部空間(15)はケーシング(5)の下方に形成されている(図5参照)。
【0055】
以下、図4に示す構成からなる本発明の第三実施形態に係る吸引処理装置を使用した冷却方法について説明する。
第三実施形態においては、湿式集塵槽(2)内の水を冷却水として、上流側のルーツブロワー(1a)のケーシング(5)の吸引側、より詳しくは上流側のルーツブロワー(1a)のケーシング(5)の第一の内部空間(14)に導入する。
【0056】
これにより、封水の冷却が必要なケーシングの吐出側のみを効率良く冷却することができる。加えて、ケーシングの吸引側が冷却水の気化潜熱により冷却されるとともに、吸気口から吸引真空圧により外気温度よりも低温となった空気が導入されるため、ケーシング内の封入水の水温が上昇しても冷却効果が得られる。
そのため、ケーシング内に冷却水として導入される湿式集塵槽(2)の水槽(8)内の水温が上昇しても、高い冷却効果が得られることとなり、長時間に亘って高真空度を維持することができる。
また、冷却効果が向上することによって、ルーツブロワーのケーシング内部の封水量を削減することが可能となる。これにより、ルーツブロワーを駆動するために必要な動力を低減することができ、ルーツブロワーを駆動する原動機(エンジン又はモーター)の回転数を減少させることが可能となり、騒音を低減することができる。
【0057】
また、第三実施形態においては、外気を上流側のルーツブロワー(1a)のケーシング(5)の吸引側、より詳しくは上流側のルーツブロワー(1a)のケーシング(5)の第二の内部空間(15)に導入する。
これにより、ケーシング(5)内が、冷却水に加えて外気によっても冷却されることとなり、冷却効果を高めることが可能となる。また、ローター(6)の回転に伴って、外気が自動的にケーシング(5)内に吸入され、同時にケーシング(5)内の封水の排出も行われることとなる。
また、上述したように冷却効果が向上して封水量が減少することから、ケーシング内部に外気を導入する外気導入口(16)を1つとしても、外気導入による冷却効果を充分に得ることができ、冷却構造を簡素化することが可能となる。
【0058】
更に、外気を上流側のルーツブロワー(1a)に導入することにより、従来の冷却機構(図10参照)のように下流側のルーツブロワー(1b)に外気を導入する必要が無くなる。また、下流側のルーツブロワー(1b)には冷却水も導入されないため、下流側のルーツブロワー(1b)の構造を簡素化することができる。
【0059】
図6は本発明に係る吸引処理装置の別の実施形態(第四実施形態)を示す模式図である。
第四実施形態の吸引処理装置は、下流側(2段目)の湿式ルーツブロワー(1b)のケーシングの吸引側に外気を導入する外気導入口(18)を設けた点のみが、図4,5に示したものと異なり、その他の構成は同じである。
【0060】
外気導入口(18)には、逆止弁(図示略)を介してサイレンサー(17)が接続されており、外気はサイレンサー(17)を通って外気導入口(18)から下流側のルーツブロワー(1b)のケーシング(5)の吸引側に導入される。
外気導入口(18)が形成された空間は、ルーツブロワー(1b)のケーシング(5)の吸引側において、2つのローター(6)とケーシング(5)内面との間に夫々独立して形成される2つの内部空間の一方又は両方(図示例では両方)である。
【0061】
このように、下流側(2段目)の湿式ルーツブロワー(1b)のケーシングの吸引側に外気を導入する外気導入口(18)を設けて外気を導入することにより、冷却効果をより高めることができるため、風量が多い場合においても充分な冷却効果を得ることが可能となる。
【0062】
図1〜図6においては直列に連通連結されるルーツブロワーの数が2台である場合が示されているが、本発明においては直列に連通連結されるルーツブロワーの数が3台以上であってもよい。
ルーツブロワーの数が3台以上である場合、最上流側(1段目)のルーツブロワーのケーシングの吐出側もしくは吸引側に上記した冷却水導入経路と外気導入口を設ければよい。冷却水導入経路と外気導入口を設ける位置は図1,2又は図4,5に示したものと同様である。
また、第二又は第四実施形態を採用する場合には、最上流側以外(2段目以降)の湿式ルーツブロワーのケーシングの吐出側もしくは吸引側に上記した外気導入口を設ければよい。外気導入口を設ける位置は図3又は図6に示したものと同様である。
【0063】
また、本発明において、吸引処理装置に備えられる湿式ルーツブロワーは、図1,4に示すような直列に連通連結された複数台の湿式ルーツブロワーであってもよいし、直列に連通連結された複数のケーシング内空間を有する1台の湿式ルーツブロワーであってもよい。
直列に連通連結された複数のケーシング内空間を有する1台の湿式ルーツブロワーを使用する場合、最上流側のケーシング内空間の吐出側もしくは吸引側に上記した冷却水導入経路と外気導入口を設ければよい。
この場合、冷却水導入経路は上記した第一の内部空間に冷却水を導入するように設け、外気導入口は上記した第二の内部空間に外気を導入するように設ければよい。つまり、最上流側のケーシング内空間の吐出側もしくは吸引側において、2つのローターとケーシング内面との間に夫々独立して形成される内部空間のうち、一方のローターとケーシング内面との間に形成される空間に冷却水導入経路を設け、他方のローターとケーシング内面との間に形成される空間に外気導入口を設ければよい。
【0064】
また、第二実施形態において、吸引処理装置に備えられる湿式ルーツブロワーとして、直列に連通連結された複数のケーシング内空間を有する1台の湿式ルーツブロワーを使用する場合、最上流側以外(2段目以降)のケーシング内空間の吐出側もしくは吸引側に上記した外気導入口を設ければよい。
【0065】
本発明に係る吸引処理装置は、例えば汚泥等を吸引回収するための吸引処理車の車台上に搭載されて使用される。
この場合、上流側のルーツブロワーのケーシングの吸気口もしくは上流側のケーシング内空間の吸気口が、同じ車台上に搭載された被回収物の回収タンクに接続される。これにより、ルーツブロワーの駆動により発生した吸引力により回収タンク内を負圧とし、回収タンク内に被回収物を吸引回収することができる。
【実施例】
【0066】
以下、本発明に係る吸引処理装置の冷却方法及び吸引処理装置の実施例及び比較例を示すことにより、本発明の効果をより明確なものとする。但し、本発明は以下の実施例には何ら限定されない。
【0067】
図1に示した本発明に係る吸引処理装置(実施例)と、図10に示した従来の吸引処理装置(比較例)について、夫々ルーツブロワーを駆動し、時間の経過に伴う各部の温度変化と、上流側のルーツブロワーの吸気口における真空度を計測した。計測結果を図7〜図9に示す。図7〜図9において、太線が実施例、細線が比較例である。
【0068】
図7は上流側のルーツブロワーの吸気口に接続された配管内の温度変化を示すグラフ、図8は湿式集塵槽の水槽内の水温の変化を示すグラフ、図9は上流側のルーツブロワーの吸気口における真空度の変化を示すグラフである。
上流側のルーツブロワーの吸気口に接続された配管内の温度は、図7に示すように、比較例では開始時から時間の経過に伴って温度が上昇し約12分後には約35℃に達したのに対して、実施例では開始時よりも温度が低下して30分後(図示略)でも約8℃であった。
湿式集塵槽の水槽内の水温は、図8に示すように、比較例では開始直後から急激に上昇し、約52分後には水位が低下して測定不可となったのに対して、実施例では温度上昇は比較的緩やかであり、比較例と同程度まで水位が低下したのは、比較例より約20分後であった。
上流側のルーツブロワーの吸気口における真空度は、図9に示すように、比較例では開始時から時間の経過に伴って真空度が低下し約18分後には約−86kPaとなったのに対して、実施例では開始時から70分後においても真空度の低下は殆ど生じず約−96kPaと高真空度を維持していた。
【0069】
また、ルーツブロワーのケーシング内に供給される封水量と、ルーツブロワーを駆動させるためのエンジンの回転数も測定した。
その結果、封水量は、比較例が10L/minであったのに対して、実施例は5L/minであった。エンジンの回転数は、比較例が1450rpmであったのに対して、実施例は1300rpmであった。
【0070】
上記結果から、本発明に係る吸引処理装置(実施例)は、従来の吸引処理装置(比較例)に比べて冷却効果が格段に優れており、しかも湿式集塵槽の水槽内の水温が上昇しても優れた冷却効果が得られ、長時間に亘って真空度を殆ど低下させることなく高真空度を維持することができることが確認された。
また、ルーツブロワーのケーシング内部の封水量を約半分に削減することができ、ルーツブロワーを駆動するエンジンの回転数を約10%減少させることができることも確認された。
【産業上の利用可能性】
【0071】
本発明は、汚泥等を吸引回収するために使用される吸引処理車等における吸引処理装置として好適に利用される。
【符号の説明】
【0072】
1a 上流側(最上流側)のルーツブロワー
1b 下流側(2段目以降)のルーツブロワー
2 湿式集塵槽
3 吸気口
4 吐出口
5 ケーシング
6 ローター
12 冷却水導入経路
14 第一の内部空間
15 第二の内部空間
16 外気導入口
18 外気導入口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
直列に連通連結された複数の湿式ルーツブロワーもしくは直列に連通連結された複数のケーシング内空間を有する湿式ルーツブロワーと、前記湿式ルーツブロワーを通過した気体中の塵埃を捕集する湿式集塵槽とを備えた吸引処理装置の冷却方法であって、
前記湿式集塵槽内の水を冷却水として、最上流側の湿式ルーツブロワーのケーシングもしくは最上流側のケーシング内空間に導入することを特徴とする吸引処理装置の冷却方法。
【請求項2】
前記冷却水を、最上流側の湿式ルーツブロワーのケーシングの吐出側もしくは最上流側のケーシング内空間の吐出側に導入することを特徴とする請求項1記載の吸引処理装置の冷却方法。
【請求項3】
前記冷却水を、最上流側の湿式ルーツブロワーのケーシングの吸引側もしくは最上流側のケーシング内空間の吸引側に導入することを特徴とする請求項1記載の吸引処理装置の冷却方法。
【請求項4】
前記最上流側の湿式ルーツブロワーのケーシングの吐出側もしくは前記最上流側のケーシング内空間の吐出側において、2つのローターとケーシング内面との間に夫々独立して形成される内部空間のうち、一方のローターとケーシング内面との間に形成される第一の内部空間に前記冷却水を導入し、他方のローターとケーシング内面との間に形成される第二の内部空間に外気を導入することを特徴とする請求項2記載の吸引処理装置の冷却方法。
【請求項5】
前記最上流側の湿式ルーツブロワーのケーシングの吸引側もしくは前記最上流側のケーシング内空間の吸引側において、2つのローターとケーシング内面との間に夫々独立して形成される内部空間のうち、一方のローターとケーシング内面との間に形成される第一の内部空間に前記冷却水を導入し、他方のローターとケーシング内面との間に形成される第二の内部空間に外気を導入することを特徴とする請求項3記載の吸引処理装置の冷却方法。
【請求項6】
2段目以降の湿式ルーツブロワーのケーシングの吐出側もしくは2段目以降のケーシング内空間の吐出側に外気を導入することを特徴とする請求項2又は4記載の吸引処理装置の冷却方法。
【請求項7】
2段目以降の湿式ルーツブロワーのケーシングの吸引側もしくは2段目以降のケーシング内空間の吸引側に外気を導入することを特徴とする請求項3又は5記載の吸引処理装置の冷却方法。
【請求項8】
直列に連通連結された複数の湿式ルーツブロワーもしくは直列に連通連結された複数のケーシング内空間を有する湿式ルーツブロワーと、前記湿式ルーツブロワーを通過した気体中の塵埃を捕集する湿式集塵槽とを備えた吸引処理装置であって、
前記湿式集塵槽内の水を最上流側の湿式ルーツブロワーのケーシングもしくは最上流側のケーシング内空間に導入する冷却水導入経路を設けたことを特徴とする吸引処理装置。
【請求項9】
前記冷却水導入経路が、前記湿式集塵槽内の水を前記最上流側の湿式ルーツブロワーのケーシングの吐出側もしくは最上流側のケーシング内空間の吐出側に導入することを特徴とする請求項8記載の吸引処理装置。
【請求項10】
前記冷却水導入経路が、前記湿式集塵槽内の水を前記最上流側の湿式ルーツブロワーのケーシングの吸引側もしくは最上流側のケーシング内空間の吸引側に導入することを特徴とする請求項8記載の吸引処理装置。
【請求項11】
前記最上流側の湿式ルーツブロワーのケーシングの吐出側もしくは前記最上流側のケーシング内空間の吐出側において、2つのローターとケーシング内面との間に夫々独立して形成される内部空間のうち、一方のローターとケーシング内面との間に形成される第一の内部空間に前記冷却水導入経路を連通連結し、他方のローターとケーシング内面との間に形成される第二の内部空間に外気を導入する外気導入口を設けたことを特徴とする請求項9記載の吸引処理装置。
【請求項12】
前記最上流側の湿式ルーツブロワーのケーシングの吸引側もしくは前記最上流側のケーシング内空間の吸引側において、2つのローターとケーシング内面との間に夫々独立して形成される内部空間のうち、一方のローターとケーシング内面との間に形成される第一の内部空間に前記冷却水導入経路を連通連結し、他方のローターとケーシング内面との間に形成される第二の内部空間に外気を導入する外気導入口を設けたことを特徴とする請求項10記載の吸引処理装置。
【請求項13】
2段目以降の湿式ルーツブロワーのケーシングの吐出側もしくは2段目以降のケーシング内空間の吐出側に外気を導入する外気導入口を設けたことを特徴とする請求項9又は11記載の吸引処理装置。
【請求項14】
2段目以降の湿式ルーツブロワーのケーシングの吸引側もしくは2段目以降のケーシング内空間の吸引側に外気を導入する外気導入口を設けたことを特徴とする請求項10又は12記載の吸引処理装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate