説明

吸水ブロック及びそれを用いたブロック舗装

【課題】本発明は、ブロック舗装においてヒートアイランド対策となる敷石舗装用ブロックの提供にある。
【解決手段】本発明は、路面上に敷き設するコンクリート製吸水部ロックであって、1ないし複数の透水孔もしくは吸水性ブロックを嵌め込んだ吸水部を有する。本コンクリート製吸水ブロックを1もしくは複数重ねて敷設するヒートアイランド対策用敷石舗装である。路面に降った雨水を地下に浸透させ、浸透した水を蒸発させるための透水孔あるいは吸水部を設けた。また吸水部の周囲に植物の育成部を設けられるよう吸水部の周囲に凹部を設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒートアイランド対策となる吸水ブロックを敷設するブロック舗装技術に属する。
【背景技術】
【0002】
従来の敷石舗装は、(1)インターロッキングを含むレンガもしくは敷石の敷設によるブロック舗装、(2)プラスチック製などの枠体内を区画し、その区画部の所定部に石製のブロックを嵌め込み、あるいはセメントなどを流し込んでブロック舗装を実施する方法等が知られている。その(3)のブロック舗装の詳細は特開2000-204507、特開2001-000051、特開2001-003305、特開2001-193006等に開示されている。
【0003】
ブロック舗装においてヒートアイランド効果を狙った提案も各種なされている。特開2004-169285にはブロック内に貫通孔を設け、その貫通孔に表面に細孔を有する導水管を通し、毛管現象でブロック内に吸水浸透させ、ブロック表層で気化蒸発させ、気化熱でブロックの温度上昇を防ぐ提案がなされている。
雨水を利用して舗装ブロックに水分を供給する手段が求められている。
【0004】
【特許文献1】特開2000-204507
【特許文献2】特開2001-000051
【特許文献3】特開2001-003305
【特許文献4】特開2001-193006
【特許文献5】特開2004-169285
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、ブロック舗装においてヒートアイランド対策となる舗装用吸水ブロックの提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本第1の発明は、路面上に敷き設するコンクリート製ブロックにおいて、1ないし複数の透水孔を設け、もしくは吸水性ブロックを嵌め込んだ吸水部を有するコンクリート製吸水ブロックである。コンクリート製のブロックに雨水の地下への浸透、地下水の吸収するための透水孔あるいは吸水部を設けた。
本第2の発明は、上記のコンクリート製吸水ブロックにおいて、裏面に溝を設け、裏面同士を向かい合わせて、前記溝にコンクリートを注入し両ブロックを接続させたコンクリート製吸水ブロックである。ブロックの強度向上を図るためブロックの裏面に鉄筋コンクリートを充填しブロック同士を張り合わせ固定する手段を設けた。
本第3の発明は、本第第1ないし第2の発明であるコンクリート製吸水ブロックにおいて、吸水部の周辺に土壌を充填可能な凹部である植物の育成部を設けたコンクリート製ブロックである。
本第4の発明は、上記本第1の発明ないし第3の発明になるコンクリート製吸水ブロックを路盤に敷き設したブロック舗装である。
【発明の効果】
【0007】
コンクリート製ブロックに透水孔あるいは透水部を設けたため、雨水が透水孔あるいは透水部より地下に浸透させ、路盤からの水分を透水孔あるいは透水部より蒸発させ、夏場の気温上昇を緩和することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明を図によって、より詳細に説明する。
図1aは、本発明のコンクリート製吸水ブロックの平面図と断面図である。図に示すように吸水ブロックは上下に貫通する複数の十字形の透孔を有し、裏面に溝が縦横に設けられている。この溝は本ブロックの裏面をつき合わせて重ねた時、鉄筋を通し、モルタルあるいはコンクリートを充填して固着するためのものである。またブロックの表面から溝に貫通する孔が2箇所設けられている。この孔はモルタルあるいはコンクリートをブロックの裏面の溝まで注入するための孔である。
図1bは、本ブロックを互いの裏面を突き合わせて溝部に鉄筋を配し、コンクリートなどを充填し張り合わせた状態を示している。
図には示していないが、ブロックを上記のように張り合わせた時、ボルト、ナットなどで固定するためのブロックを貫通するボルト孔を設けておくこともできる。本図では2枚の吸水部ロックを張り合わせているが更に重ね合わせて使用することもできる。
【0009】
図2aは、本発明の第2の例であるコンクリート製吸水ブロックの平面図と断面図を示している。上記吸水ブロックの透孔に代えて吸水性ブロックが嵌め込まれたものに相当する。吸水性ブロックが吸水部を構成する。吸水性ブロックの下部が細くなっているのはその空き空間に鉄筋を通すためのものである。
図2bは、本吸水ブロックの裏面同士をつき合わせて張り合わせたものである。図1bに示したものと構成、使用方法は変わらない。
【0010】
図3は、本発明の第3の例であるコンクリート製吸水ブロックの平面図と断面図を示している。第2の例である吸水性ブロックにより構成される吸水部の周囲に植物が育成する育成部を設けたものである。吸水ブロックの周囲に凹部を設け、土壌を充填できるようにしたものであり、吸水ブロックに含まれる水分を利用し、丈の低い植物あるいは苔の類を自生もしくは育てる場所である。
【0011】
図4は、本発明の敷石舗装用ブロックを路面に敷設した状態を示す概念図である。
路盤は砂利を敷き固めたものでもよいが、透水孔あるいは吸水部からの水分の蒸発を図るため、ブロックの接する場所から下方に向かって、透水シート、砂利層、遮水シートの構造として砂利層に雨水を貯留できるようにしておくことが好ましい。
【0012】
本敷石舗装用ブロックはコンクリート製とし、透水孔、吸水部の数、形状などは適宜変更することができる。また必要に応じて平面的に並べたブロックを互いに接続固定できるよう路面に設置する面に雌孔を設け、雌孔に対応した金属製の雄継手を用いて接続することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】は、 本発明の敷石舗装ブロックを示す概念図である。
【図2】は、本発明の第2の敷石舗装ブロックを示す概念図である。
【図3】は、本発明の第3の敷石舗装ブロックを示す概念図である。
【図4】は、本発明の敷石舗装ブロックを用いた舗装を示す概念図である。
【符号の説明】
【0014】
1 吸水ブロック
2 透孔
3 吸水部
4 溝
5 コンクリート注入孔
6 育成部
7 透水シート
8 砂利層
9 遮水シート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
路面上に敷き設するコンクリート製ブロックにおいて、1ないし複数の透水孔を設け、もしくは吸水性ブロックを嵌め込んだ吸水部を有するコンクリート製吸水ブロック。
【請求項2】
請求項1記載のコンクリート製吸水ブロックにおいて、裏面に溝を設け、裏面同士を向かい合わせて、前記溝にコンクリートを注入し両ブロックを接続させたコンクリート製吸水ブロック。
【請求項3】
請求項1ないし2記載のコンクリート製吸水ブロックにおいて、吸水部の周辺に凹部を設け、土壌を充填可能とした植物の育成部を設けたコンクリート製吸水ブロック。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3記載のコンクリート製吸水ブロックを路盤に敷き設したブロック舗装。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−127340(P2009−127340A)
【公開日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−305183(P2007−305183)
【出願日】平成19年11月27日(2007.11.27)
【出願人】(306024805)株式会社 林物産発明研究所 (155)
【Fターム(参考)】