説明

吸水性ポリマーの製造方法

本発明は、吸水性ポリマーを、アリルアクリレート及び/又はアリルアルコールを含有するモノマー溶液の重合により製造する方法において、この溶液がアクリル酸に対して多くとも0.002質量%のアリルアクリレート及び/又はアリルアルコールを含有する方法、吸水性ポリマー製造用のモノマー水溶液、吸水性ポリマー、衛生用品の製造方法並びに衛生用品に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の詳細な説明
本発明は、吸水性ポリマーをモノマー溶液の重合により製造する方法、吸水性ポリマー製造用のモノマー水溶液、吸水性ポリマー、衛生用品の製造方法並びに衛生用品に関する。
【0002】
本発明の更なる実施態様は、特許請求の範囲、明細書及び実施例から得られるべきものである。前記し、かつ以下に更に説明されるべき本発明の対象の特徴は、そのつど挙げた組み合わせにおいてのみでなく、本発明の枠内を離れることなくその他の組み合わせにおいても使用可能であることが理解される。
【0003】
吸水性ポリマーは、特に(共)重合された親水性モノマーからのポリマー、好適なグラフト主鎖上の1種以上の親水性モノマーのグラフト(共)重合体、架橋されたセルロースエーテル又はデンプンエーテル、架橋されたカルボキシメチルセルロース、部分的に架橋されたポリアルキレンオキシド又は水性液体中で膨潤可能な天然製品、例えばグアール誘導体である。かかるポリマーは、おむつ、タンポン、生理帯およびその他の衛生用品を製造するための、水溶液を吸収する製品として使用されているが、しかし、農業園芸における保水剤としても使用されている。
【0004】
吸水性ポリマーの製造は、例えば文献"Modern Superabsorbent Polymer Technology", F.L Buchholz und A. T. Graham, Wiley-VCH, 1998又はUllmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry, 6版、35巻、73〜103頁に記載されている。吸水性ポリマーの製造に極めて重要なモノマーは、アクリル酸及びアクリル酸塩である。
【0005】
アクリル酸は、種々の方法により製造することができる。この方法は、例えばUllmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry, 6版、1巻、289〜296頁に記載されている。この非常に重要な方法は、目下のところ2段階のプロペン酸化である。
【0006】
吸水性ポリマーの製造の際に、抽出分及び未反応モノマーの低含有率が目標とされる。特に、この抽出分は、吸水性粒子の適用の際に、水不溶性の水膨脹性ポリマーから浸出されることがあり、ひいてはポリマーの吸水に何ら寄与しない。この場合、未反応モノマー、例えばアクリル酸も遊離し、このことは皮膚刺激作用のために不所望である。
【0007】
従って本発明の課題は、抽出分を少量で有する生成物及びわずかな残留モノマーが得られる吸水性ポリマーの改善された製造方法を提供することであった。
【0008】
2段階プロペン酸化の場合、重合を妨害する副生物及び崩壊生成物も生じ、そしてこれらをアクリル酸から分離しなければならない。
【0009】
DE−A−3941996は、アクリル酸重合の際のアルデヒドの妨害影響を記載しており、かつアクリル酸からのこのアルデヒドの化学分離方法を開示している。
【0010】
DE−A−10221203は、ナトリウムアクリレート水溶液からのアルデヒド性不純物の抽出を教示している。
【0011】
DE−A−2210956号は、プロトアネモニンがアクリル酸の重合を抑制することを開示しており、かつアクリル酸の蒸留による精製を教示している。
【0012】
EP−A−1302485は、吸水性ポリマーの製造方法を記載している。この文献は、使用されるアクリル酸におけるプロトアネモニンの高い含有率が、吸水性ポリマー中での残留モノマー及び抽出可能分の高められた割合をもたらすことを開示している。アクリル酸は、より低い沸点を有しており、かつ蒸留によりプロトアネモニンから分離することができる。
【0013】
EP−A057260は、残留モノマーがわずかな吸水性ポリマーの製造方法を開示している。この文献は、残留モノマー含有率がモノマー溶液中のβ−ヒドロキシプロピオン酸の濃度に依存することを教示しており、かつ新鮮に蒸留されたアクリル酸の使用を推奨している。
【0014】
DE−A−10257449は、吸水性ポリマーの残留モノマー含有率へのオリゴマーアクリル酸の影響を開示しており、かつオリゴマーアクリル酸を結晶化により分離できることを記載している。
【0015】
DE−A−10221202は、アクリル酸を結晶化により精製し、そしてモノマー溶液を、水酸化ナトリウム中でのアクリル酸結晶の溶解により製造する、低い残留モノマー含有率を有する吸水性ポリマーの製造方法を開示している。
【0016】
上述の不純物の他に、プロペン酸化により製造されたアクリル酸は、アリルアクリレートをも含有する。少なくとも2個のエチレン性不飽和基を有する化合物、例えばアリルアクリレートは、吸水性ポリマーの製造の際に、架橋剤として使用し、その際、アリルアクリレートと同様の化合物をも使用する。DE−A−19543368及びDE−A−19646484においては、例えばアリル基及びアクリレート基を含有する架橋剤が挙げられている。文献"Modem Superabsorbent Polymer Technology", F. L. Buchholz und A.T. Graham, Wiley-VCH, 1998,20〜23及び74〜77頁によれば、アリルアクリレートに極めて似ているアリルメタクリレートが慣用の架橋剤である。
【0017】
吸水性ポリマーの製造の際に一般的に少なくとも0.1質量%のアクリル酸を基礎とする架橋剤を使用するので、アクリル酸からのアリルアクリレートの分離は、これまでは意味を有さなかった。特に、アリルアクリレートはアクリル酸から分離することが困難であるからである。
【0018】
アクリル酸とアリルアクリレートとの沸点の差はわずかにすぎず、これにより蒸留分離が困難になる。例えば、酢酸はその有利な沸点によりアクリル酸からより容易に分離できるにもかかわらず、市販のアクリル酸は、依然としてより大量の酢酸を含有する。
【0019】
このアクリル酸との構造的な類似性は、結晶化による分離を困難にする。例えば、アクリル酸中のフルフラールは1段階結晶化により、50倍以上減らすことができる。これに対して、アリルアクリレートについては、その減少度は約7倍にすぎない。このように、吸水性ポリマーの製造に使用されるアクリル酸は、これまでアリルアクリレートを含有するものであった。
【0020】
文献"Modern Superabsorbent Polymer Technology", F.L Buchholz und A.T. Graham, Wiley-VCH, 1998, 121〜122頁には、市販のアクリル酸のガスクロマトグラムが含まれている。ここで分析されたアクリル酸は、依然として約0.003質量%のアリルアクリレートを含有していた。
【0021】
驚くべきことに、アリルアクリレートがわずかな濃度でも、吸水性ポリマーの製造に悪影響を与えることを目下のところ見出した。特に、わずかなアリルアクリレート濃度でも、抽出分の増大、及び高められた残留モノマー含有率がもたらされる。これと同じことが、アリルアルコールにも当てはまり、その際、アリルアルコールは、アクリル酸中にも含まれていることがあるか又は最初に少なくとも部分的に中和されたモノマー溶液の製造の際に最初にアリルアクリレートからの加水分解により生ずることがある。
【0022】
本発明の課題は、吸水性ポリマーを、
a)アクリル酸、その際このアクリル酸は少なくとも部分的に中和されていてよい、
b)少なくとも1種の架橋剤、
c)アリルアクリレート及び/又はアリルアルコール、
d)場合により、a)に挙げたモノマーと共重合可能な1種以上のエチレン性及び/又はアリル性不飽和モノマー、及び
e)場合により、1種以上の水溶性ポリマー
を含有するモノマー溶液の重合により製造する方法において、
この溶液がアクリル酸に対して多くとも0.002質量%のアリルアクリレート及び/又はアリルアルコールを含有することを特徴とする方法により解決される。
【0023】
好ましくは、モノマー水溶液を使用する。本発明にかかる方法により製造されたヒドロゲルは、乾燥させ、粉砕し、そして分級することができる。
【0024】
好ましい実施態様においては、この吸水性ポリマーを後架橋させる。
【0025】
この吸水性ポリマーの製造は、例えば文献"Modern Superabsorbent Polymer Technology", F.L Buchholz und A. T. Graham, Wiley-VCH, 1998又はUllmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry, 6版、35巻、73〜103頁中に記載されている。
【0026】
この吸水性ポリマーは、一般的に少なくとも15g/g、好ましくは少なくとも20g/g、特に好ましくは少なくとも25g/gの遠心分離機保持容量(CRC)を有する。この遠心分離機保持容量(CRC)は、EDANA(欧州不織布協会(European Disposables and Nonwovens Association))により推奨される試験方法番号441.2−02「遠心分離機保持容量(Centrifuge retention capacity)」により測定する。
【0027】
後架橋された吸水性ポリマーは、一般的に、0.7psi(4.83kPa)の圧力下で、少なくとも15g/g、好ましくは少なくとも20g/g、特に好ましくは少なくとも25g/gの吸収量を有する。荷重下吸収量(AUL)は、EDANA(欧州不織布協会)により推奨される試験方法番号442.2−02「荷重下吸収量(Absorption under pressure)」により測定する。
【0028】
アリルアクリレート及び/又はアリルアルコールの含有率は、それぞれアクリル酸に対して好ましくは多くとも0.0015質量%、特に好ましくは多くとも0.001質量%、殊に好ましくは多くとも0.0005質量%であり、その際、x質量%のアリルアクリレート及び/又はアリルアルコールの含有率はy質量%のアリルアクリレート及びz質量%のアリルアルコールを意味し、その際、xはy+zであり、かつy、z≦xである。
【0029】
質量比z/yは、好ましくは少なくとも0.001、特に好ましくは少なくとも0.1、殊に好ましくは少なくとも0.5であり、かつ好ましくは多くとも500、特に好ましくは多くとも50、殊に好ましくは多くとも1である。
【0030】
混合物a)〜e)中のアクリル酸の割合は、一般的に少なくとも50質量%、好ましくは少なくとも80質量%、特に好ましくは少なくとも95質量%、殊に好ましくは少なくとも99質量%であり、その際、成分d)及びe)の存在はそれぞれ任意である。
【0031】
好ましくは、使用されるアクリル酸はプロパン、プロペン及び/又はアクロレインの気相酸化により製造し、その際、この気相酸化は、1段階、2段階又は3段階で実施してよい。好ましくは、第1の段階でプロペンをアクロレインに反応させ、そして第2の段階でアクロレインをアクリル酸に反応させるプロペンの2段階酸化である。
【0032】
この反応混合物から、アクリル酸を公知のように、例えばDE−A−19740253に記載されている分別凝縮により、例えばDE−A−3429391及びDE−A−2164767に記載されている全凝縮によるか又は好適な吸収剤中での吸収により単離する。好適な吸収剤は、例えばDE−A−2136396及びDE−A−4308087に記載されている高沸点の有機溶剤及びEP−A−0511111に記載されている水である。
【0033】
この方法により製造されたアクリル酸は、一般的に2質量%未満、好ましくは1.5質量%未満、特に好ましくは1質量%未満、殊に好ましくは0.5質量%未満の不純物を含有し、すなわち、アクリル酸含有率は、一般的に少なくとも98質量%、好ましくは少なくとも98.5質量%、特に好ましくは少なくとも99質量%、殊に好ましくは少なくとも99.5質量%である。
【0034】
一般的に、上述の方法により製造されたアクリル酸は、依然として、少なくとも0.02質量%、0.015質量%、0.01質量%、又は0.005質量%のアリルアクリレート及び/又はアリルアルコールを含有する。
【0035】
本発明にかかる方法によれば、アクリル酸は、それを吸水性ポリマーの製造に使用する前に、好ましくは結晶化により更に精製する。
【0036】
この場合、このアクリル酸の一部を冷却下で結晶化させる。この結晶は母液から分離し、そして溶融させ、水又は水酸化ナトリウム水溶液中に溶解させる。好ましくは、この場合、アクリル酸に少量の重合阻害剤、好ましくはヒドロキノン半エーテル、例えばヒドロキノンモノメチルエーテルを添加する。この量は、一般的には、0.0001〜0.015質量%の範囲内、好ましくは0.0005〜0.013質量%の範囲内、特に好ましくは0.003〜0.007質量%の範囲内である。
【0037】
アクリル酸は、所望の純度を達するまで、1回以上、好ましくは2回、3回又は4回、特に好ましくは2回結晶化させる。この場合、好ましくは向流原理により操作する、すなわち、それぞれの結晶化段階の母液をそれぞれ先行する結晶化段階に供給する。場合により、なおも更なる精製工程を実施する。
【0038】
代替的な実施態様においては、結晶化の際に生じた母液、多段階結晶化の場合には好ましくは第1の段階で生じた母液を、単蒸留又は分別蒸留に供給する。この場合、アクリル酸を頂部を介して蒸留し、そしてこの母液の難揮発性不純物、例えば(無水)マレイン酸及び工程阻害剤、すなわち高性能重合阻害剤、例えばフェノチアジン及びヒドロキノンを残物として排出する。これに関する方法は、WO−A−00/01657から公知である。この母液の単蒸留のために流下薄膜蒸留器を使用することが適切である。次いでこの母液を他の使用、例えばアクリル酸エステルの製造に供給するか又は結晶化に返送してもよい。
【0039】
好ましくは、そのつどの結晶化段階における結晶化は、少なくとも20質量%、好ましくは少なくとも40質量%のアクリル酸を結晶化させるまで行う。一般的に、結晶化段階において、十分な精製作用を達成するために、90質量%以下、好ましくは80質量%以下、特に好ましくは70質量%以下のそのつどの結晶化段階で使用されるアクリル酸を結晶化する。
【0040】
本発明にかかる方法において使用可能な結晶器は、それ自体制約を受けるものではない。結晶器は、その機能が冷却された表面上での結晶の形成に基づくものが特に好適であることが証明されている。かかる結晶化法は、層結晶化とも称される。好適な装置は、上述の特許文献DE−A−10257449の4頁6〜7行に見出される。
【0041】
この層結晶化のために、精製されるべきアクリル酸を、熱交換器の冷却された表面と接触させる。この場合、この結晶器の熱交換器表面を、好ましくは精製されるべきアクリル酸の融点を40℃まで下回る温度に冷却する。所望の結晶化度に達成した場合に、冷却過程を終了させ、そして液状母液を例えばポンプ輸送か又は流出させることにより排出する。精製された結晶化アクリル酸の単離は、一般的に、結晶化アクリル酸の溶融により、例えば熱交換器表面をアクリル酸の融点を上回る温度に加熱することにより、及び/又は、精製されたアクリル酸の溶融物を供給することにより実施する。この場合、精製されたアクリル酸は溶融物として生じ、そしてそれ自体単離される。この結晶性アクリル酸を、水か又は水酸化ナトリウム水溶液中に溶解させ、こうして得られた溶液を後続の重合に直接使用することもできる。
【0042】
付加的な精製工程として、この層結晶化の際に、例えば熱交換器表面上で析出する結晶層を浸出させることができる。このために、結晶層の温度を幾分増大、例えば融点を0.5〜5℃上回るだけ増大させ、その際、好ましくは、結晶層の高度な不純物領域を溶融させ、そして付加的な精製作用を達成させる。次いで浸出生成物を、母液に供給し、そして更にこれと一緒に処理する。この結晶層を精製用液体、例えば既に精製されたアクリル酸の溶融物を用いて処理してもよい。
【0043】
層結晶化に必要な温度は、不純物の程度に依存する。無論、この上限は、既に結晶化されたアクリル酸と、母液中に含まれるアクリル酸とが平衡状態で存在する温度(平衡温度)である。粗生成物の組成に応じて、この平衡温度は5〜13.5℃の範囲内である。結晶化されるべきアクリル酸の温度は、好ましくは、0〜13.5℃の範囲内、好ましくは5〜12℃の範囲内であり、その際、激しく過冷却された溶融物は一般的に回避される。特に、動的層結晶化の場合、結晶化熱の排出に必要な冷媒を、結晶化過程の間に、約+5℃〜−5℃から約−10℃〜−25℃に冷却する。静的に実施される層結晶化の場合、好ましくは冷媒を結晶化過程の間に、約+5℃〜−15℃から約−15℃〜−30℃の温度に冷却する。
【0044】
この結晶化法の実施態様においては、層結晶化を種晶の存在下で実施する。
【0045】
この冷却表面上での結晶化は、動的又は静的法として実施してよい。動的法は、例えばEP−A−0616998から公知であり、静的法はUS−3597164から公知である。動的結晶化法の場合、結晶化されるべき粗生成物は流動運動で保持する。これは、完全に貫流される熱交換器中での強制的な流れにより、例えばDE−A−2606364に記載されているように、又は冷却される壁、例えば冷却ロール又は冷却ベルト上の細流膜(Rieselfilm)により行うことができる。静的結晶化の場合、物質交換を液相中で自由対流によってのみ行う(静止している溶融物)。動的方法操作における冷却表面上での層結晶化は、本発明において好ましい。
【0046】
結晶化は層結晶化の代替法として、懸濁結晶化としても実施することができる。この懸濁結晶化の場合、粗生成物の冷却により、結晶懸濁液が不純物豊富な溶融物中に生ずる。この場合、結晶は懸濁液(溶融物)中で直接成長しうるか、又は層として冷却された壁上に析出することができ、引き続いて前記壁から前記結晶をかき落とし、そして残留溶融物中に懸濁する。この結晶懸濁液は、この方法の間に運動させることが好ましく、そのために特にポンプ輸送か又は撹拌する。この懸濁結晶化は、連続的に又は不連続的に、好ましくは連続的に操作することができる。
【0047】
この結晶化のために原料として使用されるアクリル酸は、一般的に2質量%未満、好ましくは1.5質量%未満、特に好ましくは1質量%未満、殊に好ましくは0.5質量%未満の不純物を含有し、すなわち、アクリル酸含有率は、一般的に少なくとも98質量%、好ましくは少なくとも98.5質量%、特に好ましくは少なくとも99質量%、殊に好ましくは少なくとも99.5質量%である。
【0048】
一般的に、結晶化のために原料として使用されるアクリル酸は、依然として、少なくとも0.02質量%、0.015質量%、0.01質量%、又は0.005質量%のアリルアクリレート及び/又はアリルアルコールを含有する。
【0049】
結晶化により製造されたアクリル酸は、それぞれアクリル酸に対して多くとも0.002質量%、好ましくは多くとも0.0015質量%、特に好ましくは多くとも0.001質量%、殊に好ましくは多くとも0.0005質量%のアリルアクリレート及び/又はアリルアルコールを含有する。
【0050】
アクリル酸a)は、好ましくは多くとも0.015質量%のヒドロキノン半エーテルを含有する。好ましいヒドロキノン半エーテルは、ヒドロキノンモノメチルエーテル(MEHQ)及び/又はトコフェロールである。
【0051】
トコフェロールは、以下の式
【化1】

[式中、R1は、水素又はメチルであり、R2は、水素又はメチルであり、R3は、水素又はメチルであり、かつR4は、水素又は1〜20個の炭素原子を有する酸基である]の化合物と解する。
【0052】
好ましいR4の基は、アセチル、アスコルビル、スクシニル、ニコチニル及び生理学的に許容される他のカルボン酸である。カルボン酸は、モノ−、ジ−又はトリカルボン酸であってよい。
【0053】
好ましくは、R1=R2=R3=メチルで示されるアルファトコフェロール、特にラセミ体アルファトコフェロールである。R4は、特に好ましくは水素又はアセチルである。特に好ましくは、RRR−アルファトコフェロールである。
【0054】
ヒドロキノン半エーテルは、アクリル酸a)に、好ましくは5〜130ppm、特に好ましくは30〜70ppm、特に約50ppm添加する。
【0055】
吸水性ポリマーは架橋させる、すなわち、重合を、ポリマー網目中にラジカル的に重合導入されることができる少なくとも2個の重合性基を有する化合物の存在下で実施する。好適な架橋剤b)は、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、アリルメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリアリルアミン、テトラアリルオキシエタン、例えばEP−A−0530438に記載されているもの、ジ−及びトリアクリレート、例えばEP−A−0547847、EP−A−0559476、EP−A−0632068、WO−A−93/21237、WO−A−03/104299、WO−A−03/104300、WO−A−03/104301及びドイツ連邦共和国特許出願番号10331450.4に記載されているもの、アクリレート基の他に更なるエチレン性不飽和基を含有する混合アクリレート、例えばドイツ連邦共和国特許出願番号10331456.3及び10355401.7に記載されているもの、又は架橋剤混合物、例えばDE−A−19543368、DE−A−19646484、WO−A−90/15830及びWO−A−02/32962に記載されているものである。
【0056】
適切な架橋剤b)は、特にN,N′−メチレンビスアクリルアミド及びN,N′−メチレンビスメタクリルアミド、不飽和モノカルボン酸又はポリカルボン酸とポリオールとのエステル、例えばジアクリレート又はトリアクリレート、例えばブタンジオールジアクリレート又はエチレングリコールジアクリレート、又はブタンジオールジメタクリレート又はエチレングリコールジメタクリラート並びにトリメチロールプロパントリアクリレート及びアリル化合物、例えばアリル(メタ)アクリレート、トリアリルシアヌラート、マレイン酸ジアリルエステル、ポリアリルエステル、テトラアリルオキシエタン、トリアリルアミン、テトラアリルエチレンジアミン、リン酸のアリルエステル並びに例えば、EP−A−0343427に記載されているようなビニルホスホン酸誘導体である。更に好適な架橋剤b)は、ペンタエリトリトールジ−、ペンタエリトリトールトリ−及びペンタエリトリトールテトラアリルエーテル、ポリエチレングリコールジアリルエーテル、エチレングリコールジアリルエーテル、グリセロールジアリルエーテル及びグリセロールトリアリルエーテル、ソルビトール系のポリアリルエーテル並びにそのエトキシル化されたバリエーションである。本発明による方法の場合に、ポリエチレングリコールのジ(メタ)アクリレートが使用可能であり、その際、使用されたポリエチレングリコールは300〜1000の分子量を有する。
【0057】
しかしながら、特に有利な架橋剤b)は、3〜15箇所エトキシル化されたグリセリン、3〜15箇所エトキシル化されたトリメチロールプロパンのジ−及びトリアクリレート、特に、3箇所エトキシル化されたグリセリン又はトリメチロールプロパン、3箇所プロポキシル化されたグリセリン又はトリメチロールプロパン、並びに、3箇所エトキシル化又はプロポキシル化された混合グリセリン又はトリメチロールプロパン、15箇所エトキシル化されたグリセリン又はトリメチロールプロパン、並びに40箇所エトキシル化されたグリセリン又はトリメチロールプロパンのジ−及びトリアクリレートである。
【0058】
殊に好ましい架橋剤b)は、例えば先願のドイツ連邦共和国特許出願番号10319462.2に記載されているような、アクリル酸又はメタクリル酸でジアクリレート又はトリアクリレートにエステル化された、複数箇所エトキシル化された及び/又はプロポキシル化されたグリセリンである。3〜10箇所エトキシル化されたグリセリンのジ−及び/又はトリアクリレートが特に有利である。殊に好ましくは、1〜5箇所エトキシル化及び/又はプロポキシル化されたグリセリンのジ−又はトリアクリレートである。3〜5箇所エトキシル化及び/又はプロポキシル化されたグリセリンのトリアクリレートが最も有利である。これは、吸水性ポリマー中の特に小さい残留物含有率(一般的には10ppm未満)を特徴とし、かつこれにより製造された吸水性ポリマーの水性抽出物は、同じ温度の水と比べてほとんど変わらない表面張力(一般的には少なくとも0.068N/m)を有する。
【0059】
アクリル酸a)と共重合可能なエチレン性不飽和モノマーd)は、例えば、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、アクリルアミド、メタクリルアミド、クロトン酸アミド、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノプロピルアクリレート、ジエチルアミノプロピルアクリレート、ジメチルアミノブチルアクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノネオペンチルアクリレート及びジメチルアミノネオペンチルメタクリレートである。
【0060】
水溶性ポリマーe)としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、デンプン、デンプン誘導体、ポリグリコール又はポリアクリル酸、好ましくはポリビニルアルコール及びデンプンを使用することができる。
【0061】
好適なベースポリマー並びに更なる好適な親水性エチレン性不飽和モノマーd)の製造は、DE−A−19941423、EP−A−0686650、WO−A−01/45758及びWO−A−03/104300に記載されている。
【0062】
吸水性ポリマーは、一般的にモノマー水溶液の重合及び場合により後続のヒドロゲルの粉砕により得られる。好適な製造方法は、この文献に記載されている。吸水性ポリマーは、例えば、
− 回分法か若しくは管型反応器中でのゲル重合及び肉挽機、押出機又は混練機中での後続の粉砕(EP−A−0445619、DE−A−19846413)、
− 混練機中での重合、その際、例えば逆行する撹拌軸により連続的に粉砕する(WO−A−01/38402)、
−ベルト上での重合及び肉挽機、押出機又は混練機中での後続の粉砕(DE−A−3825366、US−6241928)、
−乳化重合、その際、既に比較的狭いゲルサイズ分布のパール重合体が生ずる(EP−A−0457660)、
−布層の現場重合、これは大抵は連続的な操作において、事前にモノマー水溶液で噴霧し、次いで光重合に付す(WO−A−02/94328、WO−A−02/94329)
により得ることができる。
【0063】
この反応は、好ましくは、例えばWO−A−01/38402中に記載されているような混練機中で実施するか、又は例えばEP−A−0955086中に記載されているようなベルト反応器上で実施する。
【0064】
得られたヒドロゲルの酸基は、一般的には部分的に、好ましくは25〜85モル%、有利には27〜80モル%、特に好ましくは27〜30モル%又は40〜75モル%中和されており、その際、慣用の中和剤、好ましくはアルカリ金属水酸化物、アルカリ金属酸化物、アルカリ金属炭酸塩か又はアルカリ金属炭酸水素塩並びにこれらの混合物を使用することができる。
【0065】
アルカリ金属塩の代わりに、アンモニウム塩を使用してもよい。ナトリウム及びカリウムはアルカリ金属として特に好ましく、しかしながら殊に好ましくは水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム又は炭酸水素ナトリウム並びにこれらの混合物である。通常、中和は、水溶液か又は好ましくは固体としての中和剤を混合導入することによって達成される。
【0066】
中和は、重合後、ヒドロゲルの段階で実施することができる。しかし、40モル%まで、好ましくは10〜30モル%、特に好ましくは15〜25モル%の酸基を重合前に、中和剤の一部をモノマー溶液にも添加することにより中和すること、及び所望の最終中和度を重合の後に最初にヒドロゲルの段階で調節することも可能である。モノマー溶液は、中和剤の混合導入により中和することができる。このヒドロゲルは、例えば肉挽機を用いて機械的に粉砕することができ、その際、中和剤を噴霧するか、散布するか、又は注ぎ込み、次いで注意深く混合することができる。
【0067】
このために、得られたゲル材料は、なお数回均質化のために粉砕することができる。最終中和度へのモノマー溶液の中和が好ましい。
【0068】
本発明にかかる方法にとっては、酸基が少なくとも部分的に中和されてよい得られたヒドロゲルの更なる処理は重要ではない。本発明にかかる方法は、例えば更に乾燥、微粉砕、篩別及び/又は後架橋の工程を含んでよい。
【0069】
中和されたヒドロゲルを、次いでベルト−又はローラ乾燥器を用いて、残留湿分率が好ましくは10質量%未満、好ましくは5質量%になるまで乾燥させ、その際、この含水率は、EDANA(欧州不織布協会)により推奨される試験法番号430.2−02「湿分含有率(Moisture content)」により測定する。この後で、乾燥されたヒドロゲルを微粉砕し、篩別し、その際、微粉砕のために通常、ロールミル、ピンミル又はスイングミルを使用することができる。篩別され、乾燥されたヒドロゲルの粒度は、好ましくは1000μmより小さく、特に好ましくは900μmより小さく、殊に好ましくは800μmより小さく、かつ好ましくは100μmより大きく、特に好ましくは150μmより大きく、殊に好ましくは200μmより大きい。
【0070】
殊に好ましくは、粒度(篩別分)は106〜850μmである。この粒度は、EDANA(欧州不織布協会)によって推奨された試験方法番号420.2−02「粒度分布(Particle size distribution)」によって測定することができる。
【0071】
ベースポリマーは、好ましくは次いで表面後架橋させる。このために好適な架橋剤は、ヒドロゲルのカルボキシラト基と共有結合を形成できる少なくとも2個の基を含有する化合物である。好適な化合物は、例えばアルコキシシリル化合物、ポリアジリジン、ポリアミン、ポリアミドアミン、ジ−又はポリグリシジル化合物、例えばEP−A−083022、EP−A−543303及びEP−A−937736に記載されているもの、又は二官能性又は多官能性アルコール、例えばDE−C−3314019、DE−C−3523617及びEP−A−450922中に記載されているもの、又はβ−ヒドロキシアルキルアミド、例えばDE−A−10204938及びUS−A−6239230中に記載されているものである。
【0072】
更にDE−A−4020780では環式炭酸塩が、DE−A−198075022中ではオキサゾリドン及びその誘導体、例えば2−ヒドロキシエチル−2−オキサゾリドンが、DE−A−19807992中ではビス−及びポリ−2−オキサゾリジノンが、DE−A−198545732中では2−オキソテトラヒドロ−1,3−オキサジン及びその誘導体が、DE−A−19854574中ではN−アシル−2−オキサゾリドンが、DE−A−10204937中では環式尿素が、ドイツ連邦共和国特許出願番号10334584.1中では二環式アミドアセテートが、EP−A−1199327中ではオキセタン及び環式尿素が、及びWO−A−03/031482中のモルホリン−2,3−ジオン及びその誘導体が好適な表面後架橋剤として記載されている。
【0073】
この後架橋は、一般的には、表面後架橋剤の溶液をヒドロゲル又は乾燥されたベースポリマー粉末上に噴霧することにより実施する。この噴霧に引続き、ポリマー粉末を熱乾燥させ、この場合架橋反応は乾燥前でも乾燥中でも生じうる。
【0074】
架橋剤溶液の噴霧は、好ましくは可動混合器具を有するミキサ中で、例えばスクリューミキサ、パドルミキサ、ディスクミキサ、プローシェアミキサ及びブレードミキサ中で実施する。特に好ましくは、バーティカルミキサ、殊に好ましくはプローシェアミキサ及びブレードミキサである。好適なミキサは、例えばLoedige(R)ミキサ、Bepex(R)ミキサ、Nauta(R)ミキサ、Processall(R)ミキサ及びSchugi(R)ミキサである。
【0075】
加熱乾燥は、好ましくは接触乾燥器、特に好ましくはパドル型乾燥器、殊に好ましくはディスク型乾燥器中で実施する。好適な乾燥器は、例えばBepex(R)乾燥器及びNara(R)乾燥器である。更に、流動床乾燥機も使用することができる。
【0076】
乾燥は、ミキサそれ自体の中で、ジャケットの加熱か又は熱風の吹込によって実施することができる。後接続された乾燥機、例えば箱形乾燥機、回転管炉か又は加熱可能なスクリューは、同様に好適である。しかし、例えば共沸蒸留を乾燥方法として利用することもできる。
【0077】
好ましい乾燥温度は、50〜250℃の範囲内、好ましくは50〜200℃、特に好ましくは50〜150℃である。この温度での反応ミキサ又は乾燥器中での好ましい滞留時間は、30分未満、特に好ましくは10分未満である。
【0078】
更なる本発明の対象は、本発明にかかる方法により得られる吸水性ポリマーである。
【0079】
更なる本発明の対象は、
a)アクリル酸、このアクリル酸は少なくとも部分的に中和されていてよい、
b)少なくとも1種の架橋剤、
c)アリルアクリレート及び/又はアリルアルコール、
d)場合により、a)に挙げたモノマーと共重合可能な1種以上のエチレン性及び/又はアリル性不飽和モノマー、及び
e)場合により、1種以上の水溶性ポリマー
を含有する、吸水性ポリマー製造用のモノマー水溶液であって、
この溶液がアクリル酸に対して多くとも0.002質量%のアリルアクリレート及び/又はアリルアルコールを含有し、かつ成分a)〜e)については上述の成分であるモノマー水溶液である。
【0080】
本発明の更なる対象は、
i)重合導入されたアクリル酸、この重合導入されたアクリル酸は少なくとも部分的に中和されていてよい、
ii)重合導入された少なくとも1種の架橋剤、
iii)重合導入されたアリルアクリレート及び/又はアリルアルコール、
iv)場合により、重合導入された、i)で挙げたモノマーと共重合可能な1種以上のエチレン性及び/又はアリル性不飽和モノマー、及び
v)場合により、ポリマー上にi)に挙げたモノマーが少なくとも部分的にグラフトされた1種以上の水溶性ポリマー、
を含有する吸水性ポリマーであって、
このポリマーは、重合導入されたアクリル酸に対して多くとも0.002質量%の重合導入されたアリルアクリレート及び/又は重合導入されたアリルアルコールを含有し、かつ成分i)〜v)は、成分a)〜e)について上述した成分と類似する吸水性ポリマーである。
【0081】
本発明の更なる対象は、上述の吸水性ポリマーの製造方法を含む衛生用品、特におむつの製造方法である。
【0082】
本発明の更なる対象は、50〜100質量%、有利には60〜100質量%、好ましくは70〜100質量%、特に好ましくは80〜100質量%、殊に好ましくは90〜100質量%の本発明にかかる吸水性ポリマーからなる吸収層を含有し、その際、吸収層の被覆は無論考慮されない衛生用品である。
【0083】
後架橋の質を測定するために、乾燥された吸水性ポリマーを以下に記載された試験法で試験する。
【0084】
方法:
この測定は、別に記載がない限り、23±2℃の環境温度及び50±10%の相対空気湿度で実施する。吸水性ポリマーを測定前に十分に混合する。
【0085】
遠心分離機保持容量(CRC Centrifuge Retention Capacity)
この吸水性ポリマーの遠心分離機保持容量は、EDANA(欧州不織布協会)により推奨された試験方法番号441.2−02「遠心分離機保持容量(Centrifuge retention capasity)」により測定する。
【0086】
抽出可能分
この吸水性ポリマーの抽出可能な成分の含有率は、EDANA(欧州不織布協会)によって推奨された試験方法番号470.2−02「電位差滴定による抽出可能なポリマーの含有率の測定(Determination of extractable polymer content by potentiometric titration)」により測定することができる。
【0087】
残留モノマー
この吸水性ポリマーの残留モノマー含有率は、EDANA(欧州不織布協会)により推奨された試験方法番号410.2−02「残留モノマー(Residual monomers)」により測定する。
【0088】
ポリマーの湿分含有率
この吸水性ポリマーの含水率は、EDANA(欧州不織布協会)により推奨された試験方法番号430.2−02「湿分含有率(Moisture content)」により測定する。
【0089】
これらのEDANA試験法は、例えば、欧州不織布協会(アベニューユージーンプラスキー157、B1030、ブリュッセル、ベルギー(Avenue Eugene Plasky 157, B-1030 Bruessel, Belgien))において得られる。
【0090】
実施例
実施例1〜8:
発泡したプラスチックにより絶縁された、収容能力10lのポリエチレン容器中に、脱塩水3500g、アクリル酸1500g及び15箇所エトキシル化されたトリメチロールプロパントリアクリレート(例えば、Sartomer(R)SR9035)15gを装入した。50質量%の水酸化ナトリウムを添加することにより、25℃に冷却されたアクリル酸を撹拌及び冷却しつつ、72モル%の中和度に調節した。重合開始剤を添加する前に、このモノマー溶液を窒素の導入により30分にわたって不活性化させた。開始剤系を、撹拌されたモノマー溶液に、それぞれ希釈された水溶液として、それぞれアクリル酸に対して0.02質量%の過硫酸ナトリウム、0.007質量%の過酸化水素及び0.0015質量%のアスコルビン酸の順で4℃で添加した。重合が生ずることにより、温度は90℃に増大し、その際、固体のヒドロゲルが生じた。このヒドロゲルを機械的に粉砕し、150℃で60分にわたって乾燥させ、微粉砕し、そして100〜850μmに篩別した。
【0091】
使用されたアクリル酸は、規定量のアリルアクリレート若しくはアリルアルコールを含有していた。
【0092】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸水性ポリマーを、
a)アクリル酸、このアクリル酸は少なくとも部分的に中和されていてよい、
b)少なくとも1種の架橋剤、
c)アリルアクリレート及び/又はアリルアルコール、
d)場合により、a)に挙げたモノマーと共重合可能な1種以上のエチレン性及び/又はアリル性不飽和モノマー、及び
e)場合により、1種以上の水溶性ポリマー
を含有するモノマー溶液の重合により製造する方法において、
この溶液は、アクリル酸に対して多くとも0.002質量%のアリルアクリレート及び/又はアリルアルコールを含有することを特徴とする方法。
【請求項2】
吸水性ポリマーを後架橋することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
アクリル酸を、プロパン、プロペン及び/又はアクロレインの気相酸化により製造することを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
アクリル酸を重合の前に結晶化により精製することを特徴とする、請求項1から3までの何れか1項に記載の方法。
【請求項5】
アクリル酸を重合の前に少なくとも2段階の層結晶化により精製することを特徴とする、請求項1から4までの何れか1項に記載の方法。
【請求項6】
アクリル酸が結晶化の前に少なくとも98質量%のアクリル酸を含有することを特徴とする、請求項4又は5に記載の方法。
【請求項7】
アクリル酸が結晶化の前に少なくとも0.005質量%のアリルアクリレート及び/又はアリルアルコールを含有することを特徴とする、請求項4から6までの何れか1項に記載の方法。
【請求項8】
a)アクリル酸、このアクリル酸は少なくとも部分的に中和されていてよい、
b)少なくとも1種の架橋剤、
c)アリルアクリレート及び/又はアリルアルコール、
d)場合により、a)に挙げたモノマーと共重合可能な1種以上のエチレン性及び/又はアリル性不飽和モノマー、及び
e)場合により、1種以上の水溶性ポリマー
を含有する、吸水性ポリマー製造用のモノマー水溶液であって、
この溶液は、多くとも0.002質量%のアリルアクリレート及び/又はアリルアルコールを含有する、吸水性ポリマー製造用のモノマー水溶液。
【請求項9】
溶液がアクリル酸に対して多くとも0.015質量%のヒドロキノン半エーテルを含有することを特徴とする、請求項8に記載のモノマー水溶液。
【請求項10】
i)重合導入されたアクリル酸、この重合導入されたアクリル酸は少なくとも部分的に中和されていてよい、
ii)重合導入された少なくとも1種の架橋剤、
iii)重合導入されたアリルアクリレート及び/又はアリルアルコール、
iv)場合により、重合導入された、i)で挙げたモノマーと共重合可能な1種以上のエチレン性及び/又はアリル性不飽和モノマー、及び
v)場合により、ポリマー上にi)に挙げたモノマーが少なくとも部分的にグラフトされた1種以上の水溶性ポリマー
を含有する吸水性ポリマーであって、
このポリマーは、重合導入されたアクリル酸に対して多くとも0.002質量%の重合導入されたアリルアクリレート及び/又は重合導入されたアリルアルコールを含有する、吸水性ポリマー。
【請求項11】
請求項1から7までの何れか1項記載の方法により得られる吸水性ポリマーを使用する、衛生製品の製造方法。
【請求項12】
請求項10に記載の吸水性ポリマーを含有する、衛生用品。

【公表番号】特表2008−520778(P2008−520778A)
【公表日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−541779(P2007−541779)
【出願日】平成17年11月16日(2005.11.16)
【国際出願番号】PCT/EP2005/012282
【国際公開番号】WO2006/053731
【国際公開日】平成18年5月26日(2006.5.26)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】