説明

吸液性樹脂フィルム

【課題】従来の吸液性樹脂フィルムは、樹脂の機械特性が悪く脆性破壊しやすい。また、吸液力が低下することや、吸液後にゲルが離脱してしまう等の問題がある。
【解決手段】下記重合体(A)が架橋されてなる樹脂を含み、引張破断強度が0.10〜20MPa、引張破断伸びが5.0〜200%、イオン交換水に対する吸液量が50〜1000g/gである吸液性樹脂フィルム。
重合体(A):カルボキシル基、スルホン酸基並びにこれらの官能基のプロトンがオニウムカチオン及び/又はアルカリ金属カチオンで置換された官能基からなる群から選ばれる少なくとも1種の官能基を有する構成単位(a)を(A)の重量を基準として20〜100重量%含有してなり、(A)のオニウムカチオン置換率が30〜100モル%である重合体。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸液性樹脂フィルムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、吸液性樹脂(又は吸水性樹脂)として、アクリル酸−アクリル酸塩共重合体、デンプン−アクリル酸塩グラフト共重合体等多くのものが知られている。これらの吸液性樹脂は多くの場合粉末状の3次元架橋重合体である。このため吸液性樹脂を成形した吸液体を得ることができず、吸液(吸水)体を得る方法としては、紙、パルプ又は不織布の基材シート上に吸液性樹脂の粉末を均一に分散させ固着させるという方法が一般的である。
しかしながら、粉末以外の繊維、フィルム及び発泡シート等の所望の形状の吸液性樹脂(又は吸水性樹脂)を得ることが望まれている。所望の形状の吸液性樹脂(又は吸水性樹脂)を得る方法として、比較的小粒径の吸液性樹脂を成形可能な樹脂の中に分散して成形するという方法(特許文献1)やアクリル酸(塩)及びポリアクリル酸(塩)の水溶液を成形後、重合又は硬化し乾燥する方法(特許文献2)が知られている。
【特許文献1】特開平4−298516号公報
【特許文献2】特開2003−64235号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、前者では、吸液(吸水)力のない熱可塑性樹脂を使用するため、結果的に成形体の吸液力が低下することや、吸液後にゲルが離脱してしまうという問題がある。後者では、アクリル酸(塩)及びポリアクリル酸(塩)の水溶液から得られるフィルムや繊維等は機械特性が悪く脆性破壊しやすいという問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明者らは、鋭意研究の結果、特定組成の重合体(A)が架橋されてなる吸液性樹脂フィルムは、高い吸液力と良好な機械特性を持った吸液性樹脂フィルムを得ることができることを見出した。
すなわち本発明の吸液性樹脂フィルムは、下記重合体(A)が架橋されてなる樹脂を含み、引張破断強度が0.10〜20MPa、引張破断伸びが5.0〜200%、イオン交換水に対する吸液量が50〜1000g/gであることを要旨とする。
重合体(A):カルボキシル基、スルホン酸基並びにこれらの官能基のプロトンがオニウムカチオン及び/又はアルカリ金属カチオンで置換された官能基からなる群から選ばれる少なくとも1種の官能基を有する構成単位(a)を(A)の重量を基準として20〜100重量%含有してなり、以下の式により示される(A)のオニウムカチオン置換率が30〜100モル%である重合体。
オニウムカチオン置換率(モル%)=[(A)中のオニウムカチオンのモル数]÷[(A)中のカルボキシル基、スルホン酸基並びにこれらの官能基のプロトンがオニウムカチオン及び/又はアルカリ金属カチオンで置換された官能基の合計のモル数]×100
【発明の効果】
【0005】
本発明の吸液性樹脂フィルムは以下の効果を奏する。
(1)本発明の吸液性樹脂フィルムは従来の吸水性樹脂フィルム(ポリアクリル酸ナトリウム塩架橋体等)からなるフィルムに比べて、樹脂の機械特性に優れる。
(2)本発明の吸液性樹脂フィルムは水、メタノ−ル、プロピレンカーボネート、γーブチロラクトン及びエタノール等の各種液体に対して高い吸液力を示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
本発明において、フィルムには、通常のフィルム以外にシート状物やテープ状物も含む。本発明の吸液性樹脂フィルムの引張破断強度は0.10〜20MPaであり、吸液性樹脂フィルムの機械特性の観点から、好ましくは0.50〜15MPa、さらに好ましくは1.0〜10MPa、最も好ましくは2.0〜7.0MPaである。引張破断伸びは5.0〜200%であり、吸液性樹脂フィルムの機械特性の観点から、好ましくは10〜150%、さらに好ましくは20〜100%である。引張破断強度及び引張破断伸びはJIS No.7113−2(2号形試験片、試験速度50mm/min)の方法で、測定することができる。
【0007】
本発明の吸液性樹脂フィルムの、イオン交換水に対する吸液量は、50〜1,000g/gであり、吸液性樹脂フィルムの吸液力の観点から、好ましくは80〜900g/g、さらに好ましくは100〜800g/g、最も好ましくは200〜280g/gである。イオン交換水に対する吸液量は下記の方法により測定される。
[イオン交換水に対する吸液量の測定法]
ナイロン製の網袋(250メッシュ、20cm×10cm)に吸液性樹脂フィルムの試料X(g)(約0.1gとなるようにフィルムをハサミ等でカットしたものをXg秤量する)を入れ、これを袋ごと過剰(2L)のイオン交換水に浸す。浸漬3時間後に網袋ごと空中に引き上げ、静置して30分間水切りした後、重量Y(g)を測定する。また、網袋のみを用いて同様の操作を行い、この重量Z(g)を測定する。なお、測定においてイオン交換水の温度は25℃±1.0℃である。

イオン交換水の吸液量(g/g)=(Y−Z)/X
【0008】
本発明において、重合体(A)は、カルボキシル基、スルホン酸基並びにこれらの官能基のプロトンがオニウムカチオン及び/又はアルカリ金属カチオンで置換された官能基を有する構成単位(a)を含有する重合体であり、(a)を形成し得るモノマーを重合してなる重合体が含まれる。
オニウムカチオンとしては後述するオニウムカチオンを意味し、アルカリ金属カチオンとは、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン等のアルカリ金属のイオンを意味する。
【0009】
(a)を形成し得るモノマーとしては、カルボキシル基を有するモノマー[(メタ)アクリル酸、エタアクリル酸、クロトン酸、ソルビン酸、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、ケイ皮酸及びそれらの無水物等];スルホン酸基を有するモノマー[脂肪族ビニルスルホン酸(ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、ビニルトルエンスルホン酸、スチレンスルホン酸等)、(メタ)アクリレート型スルホン酸〔スルホエチル(メタ)アクリレート、スルホプロピル(メタ)アクリレート等〕及び(メタ)アクリルアミド型スルホン酸(アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸等)等]が含まれ、これらの1種以上を重合することにより重合体(A)の構成単位(a)とすることができる。モノマーの重合性の観点から、好ましくは炭素数3〜30のカルボキシル基及び/又はスルホン酸基を有するモノマーであり、さらに好ましくはカルボキシル基を有するモノマー、次にさらに好ましくは(メタ)アクリル酸である。
なお、本発明において、(メタ)アクリルの記載は、アクリル及び/又はメタクリルの意味であり、(メタ)アクリレートの記載は、アクリレート及び/又はメタクリレートの意味であり、以下同様である。
なお、ここで炭素数とは、モノマーが分子内に有する全ての炭素原子の数を意味する。
また、上記の(a)を形成し得るモノマーのカルボキシル基及び/又はスルホン酸基のプロトンがオニウムカチオン及び/又はアルカリ金属カチオンで置換された化合物も(a)を形成し得るモノマーとして使用できる。
【0010】
また、構成単位(a)を含んだ重合体(A)としては、上記の構成単位(a)を形成し得るモノマーを所定量重合する方法の他に、例えば、カルボキシル基、スルホン酸基含有モノマーのエステル化物やアミド化物の様な、容易にカルボキシル基やスルホン酸基に加水分解等の方法を用いて変更できるモノマーを重合し、加水分解等の方法を用いてカルボキシル基、スルホン酸基、並びにこれらの官能基のプロトンがオニウムカチオン及び/又はアルカリ金属カチオンで置換された官能基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を有する構成単位を分子内に導入した重合体であってもよい。
【0011】
さらに、構成単位(a)を含んだ重合体(A)としては、カルボキシメチルセルロースに代表されるカルボキシル基含有及び/又はスルホン酸基含有多糖類並びに多糖類{デンプン(サツマイモデンプン、ジャガイモデンプン、小麦デンプン、トウモロコシデンプン、米デンプンなどの生デンプン;酸化デンプン、ジアルデヒドデンプン、アルキルエーテル化デンプン、アリールエーテル化デンプン、オキシアルキル化デンプン、アミノエチルエーテル化デンプン等)、セルロース(木材、葉、茎、ジン皮、種子毛などから得られるセルロース;アルキルエーテル化セルロース、有機酸エステル化セルロース、酸化セルロース、ヒドロキシアルキルエーテル化セルロース等)等}と上記(a)を形成し得るモノマー及び/又は加水分解により(a)を形成し得るモノマーに変更できるモノマーとのグラフト共重合体も含まれ、構成単位(a)を所定量含有する重合体であれば特に限定はない。
【0012】
本発明において、構成単位(a)の重合体(A)中の含有量は、重合体(A)の重量に基づいて20〜100重量%であり、吸液性樹脂フィルムの吸液力の観点から、好ましくは40〜100重量%、さらに好ましくは60〜100重量%、特に好ましくは100重量%である。
【0013】
本発明において、重合体(A)は、構成単位(a)以外の構成単位(b)を含有してもよい。構成単位(b)は、アミノ基、ヒドロキシル基、不飽和基、アミド基、ニトリル基、ハロゲン基、アルキル基、カルボン酸又はスルホン酸アルキルエステル基、エーテル基、並びにフェニル基からなる群から選ばれる少なくとも1種の官能基が含まれる構成単位が含まれる。構成単位(b)は(b)を形成し得るモノマーを構成単位(a)を形成し得るモノマーと共重合等する方法の他に、構成単位(b)を形成しうる化合物(c)を構成単位(a)に付加又は縮合反応等させる方法でも(A)に導入できる。
【0014】
構成単位(b)を形成しうるモノマーとしては、下記(b−1)〜(b−12)等が挙げられる。
(b−1)アミノ基含有モノマー;
ジアルキル(アルキルの炭素数:1〜5)アミノエチル(メタ)アクリレート{ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシルアミノエチル(メタ)アクリレート等}、メタ(アクリロイル)オキシエチルトリアルキル(アルキル炭素数:1〜5)アンモニウムクロリド、ブロマイド若しくはサルフェート等並びにカルボキシル基、スルホン酸基を有するモノマーの1〜3級アミン塩若しくはアルカノールアミン塩等;
【0015】
(b−2)ヒドロキシル基含有モノマー;
(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル[(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル]、(メタ)アクリル酸モノ(ポリエチレングリコール(以下、PEGと略記する))エステル(PEGの数平均分子量:100〜4000)、(メタ)アクリル酸モノ(ポリプロピレングリコール(以下、PPGと略記する))エステル(PPGの数平均分子量:100〜4000)等;
【0016】
(b−3)共役ジエン化合物;
1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−フェニル−1,3−ブタジエン、1,3−ヘキサジエン、2−メチル−1,3−オクタジエン、1,3−シクロヘキサジエン、4,5−ジエチル−1,3−オクタジエン、3−ブチル−1,3−オクタジエン、ミルセン、クロロプレン等;
【0017】
(b−4)アミド基含有モノマー;
(メタ)アクリルアミド、(ジ)メチル(メタ)アクリルアミド、(ジ)エチル(メタ)アクリルアミド、(ジ)プロピル(メタ)アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メトキシメチルアクリルアミド、N−エチル−N−メチロールアクリルアミド、N,N−ジメチロールアクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−ヒドロキシプロピルアクリルアミド、N−メトキシメチルアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N−ブトキシエチルメタクリルアミド、N−エタノールメタクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−t−ブチルアクリルアミド、N−メチロールマレアミド、N−メチロール−N−ブチルアクリルアミド、N−メチロールイタコンアミド等;
【0018】
(b−5)チオール基含有モノマー;
(メタ)アリルメルカプタン、チオール基を有する(メタ)アクリル酸エステル[ヒドロキシエチルアクリレートのエチレンスフィド1モル付加物、トリエチレングリコールジメルカプタンとアクリル酸とのエステル化物、アクリル酸へのエチレンスルフィド2モル付加物等]等;
なお、本発明において、(メタ)アリルの記載は、アリル及び/又はメタアリルの意味であり、以下同様である。
【0019】
(b−6)ニトリル基含有モノマー;
アクリロニトリル、メタアクリロニトリル、α−メトキシアクリロニトリル、ビニリデンシアニド、シナモニトリル、クロトノニトリル、α−フェニルクロトノニトリル、フマロニトリル、アリルアセトニトリル、2−ブテンニトリル、3−ブテンニトリル等
【0020】
(b−7)ハロゲン基含有モノマー;
塩化ビニル、臭化ビニル、フッ化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニリデン、フッ化ビニリデン、ハロゲン置換プロピレンモノマー等;
【0021】
(b−8)炭素数4〜20のα−オレフィン
イソブチレン、1−ヘキセン、1−オクテン、イソオクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ドデセン等;
【0022】
(b−9)(メタ)アクリル酸エステル;
(メタ)アクリル酸アルキル(炭素数1〜30)エステル[(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル等]、(メタ)アクリル酸モノメトキシPEG(PEGの数平均分子量:100〜4000)、(メタ)アクリル酸モノメトキシPPG(PPGの数平均分子量:100〜4000)等;
【0023】
(b−10)アリルエーテル;
メチルアリルエーテル、エチルアリルエーテル、プロピルアリルエーテル、グリセロールモノアリルエーテル、トリメチロールプロパントリアリルエーテル、ペンタエリスリトールモノアリルエーテル等
【0024】
(b−11)炭素数8〜20の芳香族ビニル化合物;
スチレン、t−ブチルスチレン、オクチルスチレン等;
【0025】
(b−12)その他のビニル化合物;
N−ビニルアセトアミド、カプロン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル等;
【0026】
これらの(b)を形成し得るモノマーとしては1種以上を含んでいてもよい。なお、ここで炭素数とは、モノマーが分子内に有する全ての炭素原子の数を意味する。
【0027】
構成単位(b)を形成し得るモノマーの中で、モノマーの重合性並びに(a)及び(b)を形成し得るモノマーから得られる重合体の安定性の観点から、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル、(メタ)アクリル酸モノPEGエステル、(メタ)アクリル酸モノPPGエステル、(メタ)アクリル酸モノメトキシPEG、(メタ)アクリル酸モノメトキシPPG、(メタ)アクリルアミド、アリルエーテル、α−オレフィン及び芳香族ビニル化合物が好ましい。
【0028】
構成単位(b)を形成しうる化合物(c)としては、カルボキシル基又はスルホン酸基と反応しうる官能基を少なくとも1種含有する化合物であれば得に限定はない。例えばアミノ基、ヒドロキシル基、エポキシ基、イソシアネート基、カルボジイミド基、オキサゾリン基等を少なくとも1種含有する化合物が挙げられる。(c)を形成しうる化合物としては下記(c−1)〜(c−6)等が挙げられる。
【0029】
(c−1)アミノ基含有化合物;
アンモニア、第1級アミン{第1級脂肪族(炭素数1〜30)アミン[メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、アリルアミン、2−メトキシエチルアミン、3−メトキシプロピルアミン、3−エトキシプロピルアミン等}、第1級脂環式(炭素数3〜30)アミン(シクロヘキシルアミン等)、第1級芳香族(炭素数6〜30)アミン(ベンジルアミン、アニリン等)、第2級アミン{第2級脂肪族(炭素数2〜30)アミン(ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、メチルエチルアミン、メチルプロピルアミン、ジ(3−メトキシプロピル)アミン等)、第2級脂環式(炭素数4〜30)アミン(ジシクロヘキシルアミン等)、第2級複素環式(炭素数4〜30)アミン(ピロール、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン等)、第2級芳香族(炭素数7〜30)アミン(ジフェニルアミン等)}等;
【0030】
(c−2)ヒドロキシル基含有化合物;
脂肪族(炭素数1〜30)アルコール[1−プロパノール、2−プロパノール、イソプロピルアルコール、1−ブタノール、1−オクタノール、3−メチル−3−メトキシ−1−ブタノール、1−オクタデカノール等]、脂環式(炭素数3〜30)アルコール[シクロペンタノール、シクロヘキサノール等]、芳香族(炭素数6〜30)アルコール[フェノール、m−クレゾール、ノニルフェノール、ドデシルフェノール、オクチルフェノール、ベンジルアルコール、β−フェニルエチルアルコール、メチルフェニルカルビノール、シンナミルアルコール、フタリルアルコール等]等;
【0031】
(c−3)エポキシ基含有化合物;
グリシジルエーテル{フェニルグリシジルエーテル、アルキル(アルキル基の炭素数1〜30)フェニルグリシジルエーテル[クレジルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、ノニルグリシジルエーテル等]、アルキル(アルキル基の炭素数1〜30)グリシジルエーテル[ブチルグリシジルエーテル、2ーエチルヘキシルグリシジルエーテル]、アルキル(アルキル基の炭素数1〜30)フェノールアルキレンオキサイド付加物のグリシジルエーテル[エチレングリコールモノフェニルエーテルのグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールモノフェニルエーテルのグリシジルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテルのグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールモノフェニルエーテルのグリシジルエーテル、プロピレングリコールモノ(p−t−ブチル)フェニルエーテルのグリシジルエーテル、エチレングリコールモノノニルフェニルエーテルのグリシジルエーテル等]}、グリシジルエステル{モノエポキシ脂肪酸アルキルエステル(脂肪酸の炭素数2〜30、アルキルの炭素数1〜30)[ラウリン酸グリシジルエステル、オレイン酸グリシジルエステル、リノール酸グリシジルエステル]等}、α−オレフィンオキサイド(α−オレフィンの炭素数2〜30)[エチレンオキサイド、ブチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等]等;
【0032】
(c−4)イソシアネート基含有化合物;
芳香族(炭素数6〜30)イソシアネート[イソシアン酸フェニル、イソシアン酸m−クロロフェニル、イソシアン酸4−クロロフェニル、イソシアン酸p−シアノフェニル、イソシアン酸3,4−ジクロロフェニル、イソシアン酸p−トルエンスルホニル、イソシアン酸o−ニトロフェニル、イソシアン酸m−ニトロフェニル、イソシアン酸p−ニトロフェニル、イソシアン酸フェニル、イソシアン酸p−ブロモフェニル、イソシアン酸o−メトキシフェニル、イソシアン酸m−メトキシフェニル、イソシアン酸p−メトキシフェニル等]、脂肪族(炭素数1〜30)イソシアネート[イソシアン酸エチル、イソシアン酸オクチル、イソシアン酸2−クロロエチル、イソシアン酸n−ドデシル、イソシアン酸ブチル、イソシアン酸n−ヘキシル、イソシアン酸ラウリル等]、脂環式(炭素数3〜30)イソシアネート[イソシアン酸シクロヘキシル、イソシアン酸2−メチルシクロヘキシル、イソシアン酸3−メチルシクロヘキシル、イソシアン酸4−メチルシクロヘキシル等]等;
【0033】
(c−5)カルボジイミド基含有化合物;
芳香族(炭素数6〜30)カルボジイミド[ジフェニルカルボジイミド、ジ−2,6−ジメチルフェニルカルボジイミド、ジ−2,6−ジエチルフェニルカルボジイミド、ジ−2,6−ジイソプロピルフェニルカルボジイミド、ジ−2,6−ジtert−ブチルフェニルカルボジイミド、ジ−o−トリルカルボジイミド、ジ−p−トリルカルボジイミド、ジ−2,4,6−トリメチルフェニルカルボジイミド、ジ−2,4,6−トリイソプロピルフェニルカルボジイミド、ジ−2,4,6−トリイソブチルフェニルカルボジイミド等]、脂肪族(炭素数1〜30)カルボジイミド[ジオクチルデシルカルボジイミド等]、脂環式(炭素数3〜30)カルボジイミド[ジ−シクロヘキシルカルボジイミド等]等;
【0034】
(c−6)オキサゾリン基含有化合物;
2−メチル−2−オキサゾリン、2−エチル−2−オキサゾリン、2−フェニル−2−オキサゾリン、(S)−(−)−4−ベンジル−2−メチル−2−オキサゾリン、メチル(4S,5S)−ジヒドロ−5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾールカーボネート、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン、4,4−ジメチル−2−フェニル−2−オキサゾリン等;
これらの中で、反応性及び安全性の観点から、ヒドロキシル基、アミノ基、メチロール基を少なくとも1種含有する化合物が好ましい。
【0035】
本発明において、構成単位(b)の重合体(A)中の含有量は、重合体(A)の重量に基づいて0〜80重量%であり、吸液性樹脂フィルムの吸液力の観点から、好ましくは0〜60重量%、さらに好ましくは0〜40重量%、特に好ましくは0〜20重量%である。
【0036】
また、吸液性樹脂フィルムは、種々の液体が吸収の対象となるため、吸液性樹脂フィルムの吸液量を向上させる観点から、それら対象となる液体のSP値(溶解度パラメーター)と構成単位(b)を形成し得るモノマーのSP値との差の絶対値が5以下の構成単位(b)を形成し得るモノマーを選択することが好ましく、さらに好ましくは対象とする液体のSP値と構成単位(b)を形成し得るモノマーのSP値との差の絶対値が3以下である。
なお、SP値とは、下記に示した様に凝集エネルギー密度と分子容の比の平方根で表されるものである。
[SP値]=(△E/V)1/2
ここで△Eは凝集エネルギー密度を表す。Vは分子容を表し、その値は、ロバート エフ.フェドールス(Robert F.Fedors)らの計算によるもので、例えばポリマー エンジニアリング アンド サイエンス(Polymer engineering and science)第14巻、147〜154頁に記載されている。
【0037】
カルボキシル基、スルホン酸基並びにこれらの官能基のプロトンがオニウムカチオン及び/又はアルカリ金属カチオンで置換された官能基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を有する構成単位(a)を形成し得るモノマー、並びに必要により(b)を形成し得るモノマーを重合する際の重合方法は公知の方法で良く、例えば、前記の各モノマー及び生成するポリマーが溶解する溶媒中での溶液重合法、溶媒を使用せずに重合する塊状重合法、乳化重合法等を例示することができる。この中で好ましいものは、モノマーの重合性の観点から、溶液重合法である。
【0038】
溶液重合で使用する溶媒は、使用するモノマーやポリマー(モノマーを重合してなる重合体及び原料の多糖類)の溶解性により適宜選択できるが、例えばメタノ−ル、エタノール等のアルコール、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート等のカーボネート、γ−ブチロラクトン等のラクトン、ε−カプロラクタム等のラクタム、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン、酢酸エチル等のカルボン酸エステル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン等のエーテル、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素及び水等を挙げることができる。これら、溶媒は2種以上を混合して使用しても良い。溶液重合における重合濃度も特に限定はなく目的の用途によって種々異なるが、モノマーの重合性の観点から、1〜80重量%が好ましく、5〜60重量%がより好ましい。
【0039】
上記重合で使用する重合開始剤は公知のもので良く、アゾ開始剤[アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスシアノ吉草酸、アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、アゾビス(2−アミジノプロパン)ジハイドロクロライド、アゾビス{2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル}プロロピオンアミド)等]、過酸化物開始剤[過酸化ベンゾイル、ジ−t−ブチルパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド、コハク酸パーオキサイド、ジ(2−エトキシエチル)パーオキシジカーボネート、過酸化水素等]、レドックス開始剤[上記過酸化物開始剤と還元剤(アスコルビン酸や過硫酸塩等)の組み合わせ等]を例示することができる。
【0040】
重合開始剤を使用する場合の開始剤の使用量は、特に限定はないが、モノマーの重合性及び吸液性樹脂の吸液力の観点から、使用するモノマーの総重量に対して、0.0001〜5重量%が好ましく、さらに好ましくは0.001〜2重量%である。重合温度も、特に限定はなく、目的とする分子量や開始剤の分解温度、使用する溶媒の沸点等により種々異なってよいが、吸液性樹脂フィルムの吸液力の観点から、−20〜200℃が好ましく、さらに好ましくは0〜100℃である。
【0041】
他の重合方法としては、光増感開始剤[ベンゾフェノン等]を添加し紫外線を照射する方法、γ線や電子線等の放射線を照射し重合する方法等を例示することができる。
【0042】
重合体(A)は、オニウムカチオン置換率が30〜100モル%であることが必須である。なお、オニウムカチオン置換率は以下の式で示される。
オニウムカチオン置換率(モル%)=[(A)中のオニウムカチオンのモル数]÷[(A)中のカルボキシル基、スルホン酸基並びにこれらの官能基のプロトンがオニウムカチオン及び/又はアルカリ金属カチオンで置換された官能基の合計のモル数]×100
【0043】
オニウムカチオンとしては、第4級アンモニウムカチオン(I)、3級スルホニウムカチオン(II)、第4級ホスホニウムカチオン(III)及び3級オキソニウムカチオン(IV)からなるカチオンの群から選ばれる1種又は2種以上である。第4級アンモニウムカチオン(I)としては、下記(I−1)〜(I−11)が挙げられる(以下カチオンの言葉は省略)。
【0044】
(I−1)炭素数4〜30又はそれ以上のアルキル及び/又はアルケニル基を有する脂肪族第4級アンモニウム;
テトラメチルアンモニウム、エチルトリメチルアンモニウム、ジエチルジメチルアンモニウム、トリエチルメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、トリメチルプロピルアンモニウム、ジメチルプロピルアンモニウム、エチルメチルジプロピルアンモニウム、テトラプロピルアンモニウム、ブチルトリメチルアンモニウム、ジメチルジブチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム等;
【0045】
(I−2)炭素数6〜30又はそれ以上の芳香族第4級アンモニウム;
トリメチルフェニルアンモニウム、ジメチルエチルフェニルアンモニウム、トリエチルフェニルアンモニウム等;
【0046】
(I−3)炭素数3〜30又はそれ以上の脂環式第4級アンモニウム;
N,N−ジメチルピロジニウム、N−エチル−N−メチルピロリジニウム、N,N−ジエチルピロジニウム、N,Nジメチルモルホリニウム、N−エチル−N−メチルモルホリニウム、N,Nジエチルモルホリニウム、N,Nジメチルピペリジニウム、N,N−ジエチルピペリジニウム等;
【0047】
(I−4)炭素数3〜30又はそれ以上のイミダゾリニウム;
1,2,3−トリメチルイミダゾリニウム、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム、1,3,4−トリメチル−2−エチルイミダゾリニウム、1,3−ジメチル−2,4−ジエチルイミダゾリニウム、1,2−ジメチル−3,4−ジエチルイミダゾリニウム、1,2−ジメチル−3−エチルイミダゾリニウム、1−エチル−3−メチルイミダゾリニウム、1−メチル−3−エチルイミダゾリニウム、1,2,3,4−テトラエチルイミダゾリニウム、1,2,3−トリエチルイミダゾリニウム、4−シアノ−1,2,3−トリメチルイミダゾリニウム、2−シアノメチル−1,3−ジメチルイミダゾリニウム,4−アセチル−1,2,3−トリメチルイミダゾリニウム、3−アセチルメチル−1,2−ジメチルイミダゾリニウム、4−メチルカルボキシメチル−1,2,3−トリメチルイミダゾリニウム、3−メトキシ−1,2−ジメチルイミダゾリニウム、4−ホルミル−1,2,3−トリメチルイミダゾリニウム、4−ホルミル−1,2−ジメチルイミダゾリニウム、3−ヒドロキシエチル−1,2,3−トリメチルイミダゾリニウム、3−ヒドロキシエチル−1,2−ジメチルイミダゾリニウム等;
【0048】
(I−5)炭素数3〜30又はそれ以上のイミダゾリウム;
1,3−ジメチルイミダゾリウム、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム、1−メチル−3−エチルイミダゾリウム、1,2,3−トリメチルイミダゾリウム、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリウム、1,3−ジメチル−2−エチルイミダゾリウム、1,2−ジメチル−3−エチルイミダゾリウム、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム、1−メチル−3−エチルイミダゾリウム、1,2,3−トリエチルイミダゾリウム、1,2,3,4−テトラエチルイミダゾリウム、1,3−ジメチル−2−フェニルイミダゾリウム、1,3−ジメチル−2−ベンジルイミダゾリウム、1−ベンジル−2,3−ジメチルイミダゾリウム、4−シアノ−1,2,3−トリメチルイミダゾリウム、3−シアノメチル−1,2−ジメチルイミダゾリウム、4−アセチル−1,2,3−トリメチルイミダゾリウム、3−アセチルメチル−1,2−ジメチルイミダゾリウム、4−カルボキシメチル−1,2,3−トリメチルイミダゾリウム、3−メチルカルボキシメチル−1,2−ジメチルイミダゾリウム、4−メトキシ−1,2,3−トリメチルイミダゾリウム、4−ホルミル−1,2,3−トリメチルイミダゾリウム、3−ホルミルメチル−1,2−ジメチルイミダゾリウム、3−ヒドロキシエチル−1,2−ジメチルイミダゾリウム、2−ヒドロキシエチル−1,3−ジメチルイミダゾリウム、N,N’−ジメチルベンゾイミダゾゾリム、N,N’−ジエチルベンゾイミダゾゾリム、N−メチル−N’−エチルベンゾイミダゾリウム等;
【0049】
(I−6)炭素数4〜30又はそれ以上のテトラヒドロピリミジニウム;
1,3−ジメチルテトラヒドロピリミジニウム、1,2,3−トリメチルテトラヒドロピリミジニウム、1,2,3,4−テトラメチルテトラヒドロピリミジニウム、8−メチル−1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセニウム、5−メチル−1,5−ジアザビシクロ[4,3,0]−5−ノネニウム、4−シアノ−1,2,3−トリメチルテトラヒドロピリミジニウム、3−シアノメチル−1,2−ジメチルテトラヒドロピリミジニウム、4−アセチル−1,2,3−トリメチルテトラヒドロピリミジニウム、3−アセチルメチル−1,2−ジメチルテトラヒドロピリミジニウム、4−メチルカルボキシメチル−1,2,3−トリメチル−テトラヒドロピリミジニウム、4−メトキシ−1,2,3−トリメチルテトラヒドロピリミジニウム、3−メトキシメチル−1,2−ジメチルテトラヒドロピリミジニウム、4−ヒドロキシメチル−1,2,3−トリメチルテトラヒドロピリミジニウム、4−ヒドロキシメチル−1,3−ジメチルテトラヒドロピリミジニウム等;
【0050】
(I−7)炭素数4〜30又はそれ以上のジヒドロピリミジニウム;
1,3−ジメチル−2,4−もしくは−2,6−ジヒドロピリミジニウム[これらを1,3−ジメチル−2,4,(6)−ジヒドロピリミジニウムと表記し、以下同様の表現を用いる。]、1,2,3−トリメチル−2,4,(6)−ジヒドロピリミジニウム、1,2,3,4−テトラメチル−2,4,(6)−ジヒドロピリミジニウム、1,2,3,5−テトラメチル−2,4,(6)−ジヒドロピミジニウム、8−メチル−1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7,9(10)−ウンデカンジエニウム、5−メチル−1,5−ジアザビシクロ[4,3,0]−5,7(8)−ノナジエニウム、2−シアノメチル−1,3−ジメチル−2,4,(6)−ジヒドロピリミジニウム、3−アセチルメチル−1,2−ジメチル−2,4,(6)−ジヒドロピリミジニウム、4−メチルカルボキシメチル−1,2,3−トリメチル−2,4,(6)−ジヒドロピリミジニウム、4−メトキシ−1,2,3−トリメチル−2,4,(6)−ジヒドロピリミジニウム、4−ホルミル−1,2,3−トリメチル−2,4,(6)−ジヒドロピリミジニウム、3−ヒドロキシエチル−1,2−ジメチル−2,4,(6)−ジヒドロピリミジニウム、2−ヒドロキシエチル−1,3−ジメチル−2,4,(6)−ジヒドロピリミジニウム等;
【0051】
(I−8)炭素数3〜30又はそれ以上のイミダゾリニウム骨格を有するグアニジウム;
2−ジメチルアミノ−1,3,4−トリメチルイミダゾリニウム、2−ジエチルアミノ−1,3,4−トリメチルイミダゾリニウム、2−ジエチルアミノ−1,3−ジメチル−4−エチルイミダゾリニウム、2−ジメチルアミノ−1−メチル−3,4−ジエチルイミダゾリニウム、2−ジエチルアミノ−1,3,4−トリエチルイミダゾリニウム、2−ジメチルアミノ−1,3−ジメチルイミダゾリニウム、2−ジエチルアミノ−1,3−ジメチルイミダゾリニウム、2−ジエチルアミノ−1,3−ジエチルイミダゾリニウム、1,5,6,7−テトラヒドロ−1,2−ジメチル−2H−イミド[1,2a]イミダゾリニウム、1,5,6,7−テトラヒドロ1,2−ジメチル−2H−ピリミド[1,2a]イミダゾリニウム、1,5−ジヒドロ−1,2−ジメチル−2H−ピリミド[1,2a]イミダゾリニウム、2−ジメチル−3−シアノメチル−1−メチルイミダゾリニウム、2−ジメチルアミノ−3−メチルカルボキシメチル−1−メチルイミダゾリニウム、2−ジメチルアミノ−3−メトキシメチル−1−メチルイミダゾリニウム、2−ジメチルアミノ−4−ホルミル−1,3−ジメチルイミダゾリニウム、2−ジメチルアミノ−3−ヒドロキシエチル−1−メチルイミダゾリニウム、2−ジメチルアミノ−4−ヒドロキシメチル−1,3−ジメチルイミダゾリニウム等;
【0052】
(I−9)炭素数3〜30又はそれ以上のイミダゾリウム骨格を有するグアニジウム;
2−ジメチルアミノ−1,3,4−トリメチルイミダゾリウム、2−ジエチルアミノ−1,3,4−トリメチルイミダゾリウム、2−ジエチルアミノ−1,3−ジメチル−4−エチルイミダゾリウム、2−ジエチルアミノ−1−メチル−3,4−ジエチルイミダゾリウム、2−ジエチルアミノ−1,3,4−トリエチルイミダゾリウム、2−ジメチルアミノ−1,3−ジメチルイミダゾリウム、2−ジメチルアミノ−1−エチル−3−メチルイミダゾリウム、2−ジエチルアミノ−1,3−ジエチルイミダゾリウム、1,5,6,7−テトラヒドロ−1,2−ジメチル−2H−イミド[1,2a]イミダゾリウム、1,5,6,7−テトラヒドロ−1,2−ジメチル−2H−ピリミド[1,2a]イミダゾリウム、1,5−ジヒドロ−1,2−ジメチル−2H−ピリミド−[1,2a]イミダゾリウム、2−ジメチルアミノ−3−シアノメチル−1−メチルイミダゾリウム、2−ジメチルアミノ−アセチル−1,3−ジメチルイミダゾリウム、2−ジメチルアミノ−4−メチルカルボキシメチル−1,3−ジメチルイミダゾリウム、2−ジメチルアミノ−4−メトキシ−1,3−ジメチルイミダゾリウム、2−ジメチルアミノ−3−メトキシメチル−1−メチルイミダゾリウム、2−ジメチルアミノ−3−ホルミルメチル−1−メチルイミダゾリウム、2−ジメチルアミノ−4−ヒドロキシメチル−1,3−ジメチルイミダゾリウム等;
【0053】
(I−10)炭素数4〜30又はそれ以上のテトラヒドロピリミジニウム骨格を有するグアニジウム;
2−ジメチルアミノ−1,3,4−トリメチルテトラヒドロピリミジニウム、2−ジエチルアミノ−1,3,4−トリメチルテトラヒドロピリミジニウム、2−ジエチルアミノ−1,3−ジメチル−4−エチルテトラヒドロピリミジニウム、2−ジエチルアミノ−1−メチル−3,4−ジエチルテトラヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−1,3−ジメチルテトラヒドロピリミジニウム、2−ジエチルアミノ−1,3−ジメチルテトラヒドロピリミジニウム、2−ジエチルアミノ−1,3−ジエチルテトラヒドロピリミジニウム、1,3,4,6,7,8−ヘキサヒドロ−1,2−ジメチル−2H−イミド[1,2a]ピリミジニウム、1,3,4,6,7,8−ヘキサヒドロ−1,2−ジメチル−2H−ピリミド[1,2a]ピリミジニウム、2,3,4,6−テトラヒドロ−1,2−ジメチル−2H−ピリミド[1,2a]ピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−3−シアノメチル−1−メチルテトラヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−4−アセチル−1,3−ジメチルテトラヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−4−メチルカルボキシメチル−1,3−ジメチルテトラヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−3−メチルカルボキシメチル−1−メチルテトラヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−3−メトキシメチル−1−メチルテトラヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−4−ホルミル−1,3−ジメチルテトラヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−3−ヒドロキシエチル−1−メチルテトラヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−4−ヒドロキシメチル−1,3−ジメチルテトラヒドロピリミジニウム等;
【0054】
(I−11)炭素数4〜30又はそれ以上のジヒドロピリミジニウム骨格を有するグアニジウム;
2−ジメチルアミノ−1,3,4−トリメチル−2,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、2−ジエチルアミノ−1,3,4−トリメチル−2,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−1−メチル−3,4−ジエチル−2,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、2−ジエチルアミノ−1−メチル−3,4−ジエチル−2,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、2−ジエチルアミノ−1,3,4−トリエチル−2,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、2−ジエチルアミノ−1,3−ジメチル−2,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、2−ジエチルアミノ−1,3−ジメチル−2,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−1−エチル−3−メチル−2,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、1,6,7,8−テトラヒドロ−1,2−ジメチル−2H−イミド[1,2a]ピリミジニウム、1,6−ジヒドロ−1,2−ジメチル−2H−イミド[1,2a]ピリミジニウム、1,6−ジヒドロ−1,2−ジメチル−2H−ピリミド[1,2a]ピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−4−シアノ−1,3−ジメチル−2,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−4−アセチル−1,3−ジメチル−2,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−3−アセチルメチル−1−メチル−2,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−3−メチルカルボキシメチル−1−メチル−2,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−4−メトキシ−1,3−ジメチル−2,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−4−ホルミル−1,3−ジメチル−2,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−3−ホルミルメチル−1−メチル−2,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−4−ヒドロキシメチル−1,3−ジメチル−2,4(6)−ジヒドロピリミジニウム等;
【0055】
3級スルホニウムカチオン(II)としては、下記(II−1)〜(II−3)が挙げられる。
(II−1)炭素数1〜30又はそれ以上のアルキル及び/又はアルケニル基を有する脂肪族3級スルホニウム;
トリメチルスルホニウム、トリエチルスルホニウム、エチルジメチルスルホニウム、ジエチルメチルスルホニウム等;
(II−2)炭素数6〜30又はそれ以上の芳香族3級スルホニウム;
フェニルジメチルスルホニウム、フェニルエチルメチルスルホニウム、フェニルメチルベンジルスルホニウム等;
(II−3)炭素数3〜30又はそれ以上の脂環式3級スルホニウム;
メチルチオラニウム、フェニルチオラニウム等;
【0056】
第4級ホスホニウムカチオン(III)としては、下記(III−1)〜(III−3)が挙げられる。
(III−1)炭素数1〜30又はそれ以上のアルキル及び/又はアルケニル基を有する脂肪族第4級ホスホニウム;
テトラメチルホスホニウム、テトラエチルホスホニウム、テトラプロピルホスホニウム、テトラブチルホスホニウム、メチルトリエチルホスホニウム、メチルトリプロピルホスホニウム、メチルトリブチルホスホニウム、ジメチルジエチルホスホニウム、ジメチルジプロピルホスホニウム、ジメチルジブチルホスホニウム、トリメチルエチルホスホニウム、トリメチルプロピルホスホニウム、トリメチルブチルホスホニウム等;
【0057】
(III−2)炭素数6〜30又はそれ以上の芳香族4級ホスホニウム;
トリフェニルメチルホスホニウム、ジフェニルジメチルホスホニウム、トリフェニルベンジルホスホニウム等;
(III−3)炭素数3〜30又はそれ以上の脂環式4級ホスホニウム;
【0058】
3級オキソニウムカチオン(IV)としては、下記(IV−1)〜(IV−3)が挙げられる。
(IV−1)炭素数1〜30又はそれ以上のアルキル及び/又はアルケニル基を有する脂肪族3級オキソニウム;
トリメチルオキソニウム、トリエチルオキソニウム、エチルジメチルオキソニウム、ジエチルメチルオキソニウム等;
(IV−2)炭素数6〜30又はそれ以上の芳香族3級オキソニウム;
フェニルジメチルオキソニウム、フェニルエチルメチルオキソニウム、フェニルメチルベンジルオキソニウム等;
(IV−3)炭素数3〜30又はそれ以上の脂環式3級オキソニウム;
メチルオキソラニウム、フェニルオキソラニウム等;
【0059】
これらの中で、好ましいオニウムカチオンは(I)であり、吸液性樹脂フィルムの力学物性と吸液力の観点から、更に好ましいものは(I−4)及び(I−5)であり、特に好ましいのは(I−4)である。
これらオニウムカチオンは、1種又は2種以上を併用しても良い。
【0060】
本発明において、オニウムカチオンを重合体(A)に導入する方法は、例えば置換前の重合体のカルボキシル基及び/又はスルホン酸基のプロトンをオニウムカチオンにより置換する方法が挙げられる。オニウムカチオンにより、プロトンを置換する方法としては、所定量オニウムカチオンに置換できる方法であればいずれの方法でも良いが、例えば、上記オニウムカチオンのモノメチル炭酸化物塩(例えば、1−エチル−3−メチルイミダゾリニウムモノメチル炭酸塩)をカルボキシル基及び/又はスルホン酸基を含有する重合体に添加し、必要により脱水や脱炭酸、脱メタノ−ルを行うことで容易に置換できる。また、モノマーの段階で同様に置換しても良い。オニウムカチオンによる置換に関しては、例えば、カルボキシル基及び/又はスルホン酸基を含有するモノマーをオニウムカチオンで置換した後重合する方法や、カルボキシル基及び/又はスルホン酸基を有する重合体を作成した後、プロトンをオニウムカチオンで置換する方法を挙げることができるが、最終的な重合体のカルボン酸及び/又はスルホン酸のプロトンの所定量を置換できるのであればいずれの方法でおこなってもよい。
【0061】
オニウムカチオン置換率は、吸液性樹脂フィルムの力学物性と吸液力の観点から、30〜100モル%であり、好ましくは40〜100モル%、さらに好ましくは50〜100モル%、次ぎにさらに好ましくは70〜100モル%である。
オニウムカチオン置換率が、30モル%未満では、吸液性樹脂フィルムが脆性破壊しやすくなり、吸液力が悪くなる。
【0062】
重合体(A)の重量平均分子量は、吸液性樹脂フィルムの吸液力の観点から、150,000〜3,000,000が好ましく、さらに好ましくは200,000〜2,000,000、次にさらに好ましくは300,000〜1,500,000である。
【0063】
また、重合体(A)の前駆体ともなる、構成単位(a)及び必要により(b)を含むオニウム置換されていない重合体の重量平均分子量は、吸液性樹脂フィルムの吸液力の観点から、100,000〜2,000,000が好ましく、さらに好ましくは150,000〜1,500,000、次にさらに好ましくは200,000〜1,000,000である。
【0064】
なお、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により、カラム:Guardcolum PWXL、TSKgelG6000PWXL及びTSKgelG3000PWXLの3本のカラム、カラム温度:40℃、移動相:メタノール30%水溶液(v/v)(酢酸ナトリウム0.5%(w/v)含有)、流量:1.0mL/min、試料濃度:0.25重量%、注入量:200μLの条件で測定される。
【0065】
重合体(A)の含有量は、吸液性樹脂フィルムの吸液力の観点から、吸液性樹脂フィルムの重量を基準として、60〜100重量%が好ましく、さらに好ましくは70〜100重量%、次にさらに好ましくは80〜100重量%である。
【0066】
本発明の吸液性樹脂フィルムは、重合体(A)の他に添加剤(D)を含んでもよい。
【0067】
添加剤(D)としては、可塑剤、熱安定剤、滑剤、ブロッキング防止剤及びこれらの混合物等が挙げられる。
【0068】
可塑剤としては、ポリエチレングリコール(数平均分子量;106〜20,000)、ポリプロピレングリコール(数平均分子量;134〜20,000)、オキシエチレン−オキシプロピレン・ブロック共重合体等、及び特開2007−169444号公報等に記載されている公知の可塑剤等が使用できる。
これらの中で、吸液性樹脂フィルムの吸液力と力学物性の観点から、オキシエチレン−オキシプロピレン・ブロック共重合体が好ましい。
【0069】
可塑剤の含有量は用途によって異なるが、吸液性樹脂フィルムの吸液力と力学物性の観点から、重合体(A)の重量を基準として、3〜30重量%が好ましい。
【0070】
熱安定剤として具体的には、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)、2,2’−メチレンビス(4-メチルー6−t−ブチルフェノール)、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、3,3’,3”,5,5’,5”−ヘキサ−tert−ブチル−a,a’,a”−(メシチレン−2,4,6−トリイル)トリ−p−クレゾール、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,3,5−トリス[(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−キシリル)メチル]−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H、3H,5H)−トリオン、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H、3H,5H)−トリオン、カルシウムジエチルビス[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]ホスホネート、ビス(2,2’−ジヒドロキシ−3,3’−ジ−tert−ブチル−5,5’−ジメチルフェニル)エタン、N,N’−ヘキサン−1,6−ジイルビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオンアミド等のヒンダードフェノール、トリデシルホスファイト、ジフェニルデシルホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)[1,1−ビフェニル]−4,4’―ジイルビスホスフォナイト、ビス[2,4−ビス(1,1−ジメチルエチル)−6−メチルフェニル]エチルエステル亜りん酸、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジファスファイト等のリン含有化合物、3−ヒドロキシ−5,7−ジ−tert−ブチル−フラン-2−オンとキシレンの反応性生物等のラクトン等の公知の熱安定剤等が使用できる。これらの中でも成形性の観点から、ヒンダードフェノールが好ましい。熱安定剤の含有量は、吸液性樹脂フィルムの吸液力と力学物性の観点から、重合体(A)の重量を基準として、0.5〜10重量%が好ましい。
【0071】
滑剤としては、脂肪酸アミド[エチレンビスステアリン酸アミド、エルカ酸アミド、オレイン酸アミド、ステアリン酸アミド、ベヘニン酸アミド、エチレンビスオレイン酸アミド、エチレンビスエルカ酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、m−キシリレンビスステアリン酸アミド、p−フェニレンビスステアリン酸アミド等]、脂肪酸エステル[ラウリン酸メチル、ミリスチン酸メチル、パルミチン酸メチル、ステアリン酸メチル、オレイン酸メチル、エルカ酸メチル、ベヘニン酸メチル、ラウリン酸ブチル、ステアリン酸ブチル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸オクチル、ヤシ脂肪酸オクチル、ステアリン酸オクチル、特殊牛脂脂肪酸オクチル、ラウリン酸ラウリル、ステアリン酸ステアリル、ベヘニン酸ベヘニル、ミリスチン酸セチル、牛脂硬化油、ヒマシ硬化油等]、脂肪酸[ステアリン酸、パルミチン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸等]、脂肪族アルコール[ステアリルアルコール、セチルアルコール、ミリスチルアルコール、ラウリルアルコール等]、パラフィン[パラフィンワックス、流動パラフィン、ポリエチレンワックス、酸化ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス等]等の公知の滑剤が使用できる。これらの中でも成形性の観点から、脂肪族アルコールが好ましい。滑剤の含有量は、重合体(A)の重量を基準として、吸液性樹脂フィルムの吸液力と力学物性の観点から、0.05〜5重量%が好ましい。
【0072】
ブロッキング防止剤として具体的には、ワックス、有機微粉末、無機微粉末等が挙げられる。ワックスは、パラフィンロウ、モンタンロウ、カルナバワックス、ペヘニン酸アミド、ステアリン酸アミド等が挙げられ、有機微粉末としては、架橋化アクリル微粉末、架橋化ポリスチレン微粉末、ペンゾクアナミン―ホルムアルデヒド縮合物微粉末、塩化ビニリデン重合体微粉末、テフロン(登録商標)微粉末等、また、無機微粉末としては、シリカ微粉末、炭酸カルウム、酸化アルミニウム等が挙げられる。これらの中でも、成形性の観点から、無機微粉末が好ましく、さらに好ましくはシリカ微粉末等である。ブロッキング防止剤の含有量は、吸液性樹脂フィルムの吸液力と力学物性の観点から、重合体(A)の重量を基準として、0.05〜5重量%が好ましい。
【0073】
本発明において、重合体(A)を架橋する段階としては、下記(1)、(2)が挙げられる。
(1)重合体(A)の重合と同時に架橋
(2)重合体(A)を重合後に架橋
これらの中でも、吸液性樹脂フィルムを成形する観点から(2)が好ましい。
また、重合体(A)を架橋する方法としては、下記(1)〜(3)の方法が挙げられる。
【0074】
(1)架橋剤(B)による架橋;架橋剤(B)の種類としては、下記(B−1)〜(B−3)が挙げられる。
(B−1)共重合性架橋剤;重合体(A)の構成単位(a)又は(b)を形成し得るモノマーと共重合可能な2重結合を分子内に2つ以上有する化合物であり、下記(B−1−1)〜(B−1−4)が挙げれらる。
【0075】
(B−1−1)多価(メタ)アクリルアミド化合物;
N,N−アルキレン(炭素数1〜6)ビス(メタ)アクリルアミド[N,N−メチレンビスアクリルアミド等];
【0076】
(B−1−2)多価ビニル化合物;
ジビニルベンゼン、ジビニルトルエン、ジビニルキシレン、ジビニルエーテル、ジビニルケトン、トリビニルベンゼン等;
【0077】
(B−1−3)多価アリルエーテル化合物;
グリセリンジアリルエーテル、グリセリントリアリルエーテル、トリメチロールプロパンジアリルエーテル、トリメチロールプロパントリアリルエーテル、ペンタエリスリトルジアリルエーテル、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル、ペンタエリスリトールテトラアリルエーテル、トリアリルオキシエタン等;
【0078】
(B−1−4)多価(メタ)アクリル酸エステル化合物;
トリメチロールプロパントリアクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート等;
【0079】
(B−2)反応性架橋剤;重合体(A)の構成単位(a)であるカルボキシル基及び/又はスルホン酸基、若しくはそれらがオニウムカチオンで置換された官能基、並びに必要により含有する構成単位(b)が有する官能基と反応しうる官能基を分子内に少なくとも2つ有する化合物であり、下記(B−2−1)〜(B−2−9)が挙げれらる。
(B−2−1)多価アルコール;
脂肪族(炭素数2〜300)多価アルコール[エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、テトラエチレングリコール、テトラプロピレングリコール、ポリエチレングリコール(数平均分子量:100〜4000)、ポリプロピレングリコール(数平均分子量:100〜4000)、1,3−プロパンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、グリセリン、ポリグリセリン、2−ブテン−1,4−ジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,2−シクロヘキサノール、トリメチロールプロパン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ペンタエリスリトール、ソルビトール等]、芳香族(炭素数6〜100)多価アルコール[4,4−ジヒドロキシジフェニルスルホン、レゾルシン、1,4−ビスヒドロキシエトキシベンゼン等]、脂環式(炭素数3〜100)多価アルコール[1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメタノール等]等;
【0080】
(B−2−2)多価アミン;
脂肪族(炭素数1〜300)多価アミン[エチレンジアミン、プロピレンジアミン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ブタンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、テトラデカメチレンジアミン、ヘキサデカメチレンジアミン、1−アミノ−2,2−ビス(アミノメチル)ブタン、テトラアミノメタン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ビス(2−アミノエチル)エーテル、ビス(3−アミノプロピル)エーテル、ビス(4−アミノブチル)エーテル、ビス(5−アミノペンチル)エーテル、ビス(6−アミノヘキシル)エーテル、ビス(12−アミノドデシル)エーテル、1,2−ビス(2’−アミノエトキシ)エタン、1,2−ビス(3’−アミノプロポキシ)エタン、1,2−ビス(4’−アミノブトキシ)エタン、1,3−ビス(2’−アミノエトキシ)プロパン、1,3−ビス(3’−アミノプロポキシ)プロパン、ビス(アミノエチルオキシエチル)エーテル、ビス(アミノプロピルオキシプロピル)エーテル、ビス(アミノブチルオキシブチル)エーテル、ポリエチレンイミン(数平均分子量:100〜4000)等]、脂環式(炭素数3〜300)多価アミン[ノルボルネンジアミン、1,3−ジアミノシクロヘキサン、1,4−シクロヘキサンジアミン、1,3,5−トリアミノシクロヘキサン、イソホロンジアミン、ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、ビス−2,2−(4’−アミノシクロヘキシル)プロパン等]、芳香族(炭素数6〜300)多価アミン[キシリレンジアミン、ビス(アミノエチル)ベンゼン、ビス(アミノプロピル)ベンゼン、ビス(アミノプチル)ベンゼン、トリス(アミノメチル)ベンゼン、トリス(アミノエチル)ベンゼン、フェニレンジアミン、トリレンジアミン、キシリレンジアミン、アミノベンジルアミン、ビス−2,2−(4’−アミノフェニル)プロパン等]等;
【0081】
(B−2−3)硫黄及びチオール化合物;
硫黄、脂肪族(炭素数1〜100)チオール[メタンジチオール、プロパンジチオール、シクロヘキサンジチオール、2−メルカプトエチル−2、3−ジメルカプトスクシネート、2、3−ジメルカプト−1−プロパノール(2−メルカプトアセテート)、ジエチレングリコールビス(2−メルカプトアセテート)、1、2−ジメルカプトプロピルメチルエーテル、ビス(メルカプトエチル)エーテル、トリメチルプロパントリス(チオグリコレート)、ペンタエリトリトール(メルカプトプロピオネート)、ペンタエリトリトールテトラ(チオグリコレート)、エチレングリコールジチオグリコレート、トリメチロールプロパントリス(β−チオプロピオネート)等]、芳香族(炭素数6〜100)チオール[ジ−、トリス−又はテトラ−メルカプトベンゼン、ビス−トリス−又はテトラ−(メルカプトアルキル)ベンゼン、ジメルカプトビフェニル、トルエンジチオール及びナフタレンジチオール等]、複素環含有チオール[アミノー4、6−ジチオール−シム−トリアジン、アルコキシ−4、6−ジチオール−シム−トリアジン、アリールオキシ−4、6−ジチオ−ル−シム−トリアジン及び1、3、5−トリス(3−メルカプトプロピル)イソシアヌレート等]等;
【0082】
(B−2−4)フェノール縮合物;
p−アルキル置換フェノール、o−アルキル置換フェノール及びm−アルキル置換フェノールからなる群から選ばれる少なくとも1種の置換フェノールとアルデヒドとの縮合物が含まれる。アルキル基は、ハロゲン(フッ素、塩素、臭素)で置換されていてもよい炭素数1〜30のアルキル基、アルデヒドは、炭素数1〜30のアルデヒド(ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド等)、縮合度(すなわち、縮合物の芳香環の含有個数)は、1〜20である。好ましくはアルキル基の炭素数1〜20、アルデヒドの炭素数1〜20、縮合度1〜10であり、さらに好ましくはアルキル基の炭素数1〜10、アルデヒドの炭素数1〜10、縮合度1〜5である。
【0083】
フェノール縮合物の市販品としては、商品名「タッキロール201」(アルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂、田岡化学工業社製)、商品名「タッキロール250−I」(臭素化率4%の臭素化アルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂、田岡化学工業社製)、商品名「タッキロール250−III」(臭素化アルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂、田岡化学工業社製)、商品名「PP−4507」(アルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂、群栄化学工業社製)、商品名「ST137X」(アルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂、ローム&ハース社製)、商品名「スミライトレジンPR−22193」(アルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂、住友デュレズ社製)、商品名「タマノル531」(熱反応性フェノール樹脂、荒川化学社製)、商品名「SP1059」、商品名「SP1045」、商品名「SP1055」、商品名「SP1056」(以上、熱反応性フェノール樹脂、スケネクタディ社製)、商品名「CRM−0803」(熱反応性フェノール樹脂、昭和ユニオン合成社製)等が挙げられる。
【0084】
(B−2−5)キノン及びキノンオキシム;
p−キノンジオキシム、p,p−ジベンゾイルキノンジオキシム、p−ベンゾキノンジオキシム、p,p’−ジベンゾキノンジオキシム、テトラクロロベンゾキノンポリ(p−ジニトロベンゾキノン)、ポリ−p−ジニトロベンゼン、p−ニトロソフェノール、p−ニトロソアニリン、N−(2−メチル−2−ニトロプロピル)−4−ニトロソアニリン等;
【0085】
(B−2−6)多価(ブロック)エポキシ化合物;
脂肪族多価アルコールのポリグリシジルエーテル等[(ポリ)エチレングリコールジグリシジルエーテル、(ポリ)プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ジグリセリントリグリシジルエーテル、テトラグリセリンテトラグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル等]、多価シクロカーボネート基含有化合物[3−アクリロイルオキシプロピレンカーボネート及び/又は3−メタクリロイルオキシプロピレンカーボネートの単独重合体又は共重合体、並びに多価エポキシ基含有化合物(ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ソルビタンポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル等)と二酸化炭素との反応により得られる多価シクロカーボネート基含有化合物等];
【0086】
(B−2−7)多価(ブロック)イソシアネート;
1分子中に2個以上のイソシアネート基を有する化合物[脂肪族ジイソシアネート{ヘキサメチレンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート等}、芳香族ジイソシアネート{トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート等}、脂環式ジイソシアネート{イソホロンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート等}、ポリイソシアネートのビューレットタイプの付加物、イソシアヌル環タイプ付加物等]等の多価イソシアネート。並びに、1分子中に2個以上のイソシアネート基を有する化合物をフェノール、オキシム、活性メチレン化合物、ε−カプロラクタム、トリアゾール、ピラゾール等のブロック剤で封鎖した多価ブロックイソシアネート;ブロックイソシアネート化合物の市販品としては、例えば、デスモジュールBL1100、BL1265MPA/X、VPLS2253、BL3475BS/SN、BL3272MPA、BL3370MPA、BL4265SN、デスモーサム2170、スミジュール3175(以上、住化バイエルウレタン株式会社製)、デュラネート17B−60PX、TPA−B80X、MF−B60X、MF−K60X(以上、旭化成ケミカルズ株式会社製)、バーノックDB−980K、D−550、B3−867、B7−887−60(以上、大日本インキ化学工業株式会社製)、コロネート2515、2507、2513(以上、日本ポリウレタン工業株式会社製)などが挙げられる。
【0087】
(B−2−8)メチロール化合物;
N−メチロール[ジメチロール尿素、ジメチロールエチレン尿素、ジメチロールプロピレン尿素、ジメチロールジヒドロキシエチレン尿素、ジメチロールウロン、ジメチロールトリアゾン、ジメチロールアルキルトリアゾン、メチル化トリメチロールメラミン、ヘキサメチロールメラミン等]、N−アルコキシメチロール[ジメトキシメチルエチレン尿素、ジメトキシメチルプロピレン尿素、ジメトキシメチルジヒドロキシエチレン尿素等]等;
【0088】
(B−2−9)多価不飽和化合物;
多価アルコール又は不飽和アルコールの(メタ)アクリル酸エステル[エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート]、ビス(メタ)アクリルアミド[N,N’−メチレンビス(メタ)アクリルアミド等]、ジビニル化合物[ビニルベンゼン、ジビニルエーテル]等;
【0089】
架橋剤の反応性の観点から、重合体(A)に含まれる官能基の種類によって、架橋剤(B−2)を選択して使用することが好ましい。
(A)に含まれるカルボキシル基及びスルホン酸基を架橋する場合、架橋剤(B)としては、(B−2−1)、(B−2−2)、(B−2−6)、(B−2−7)、(B−2−8)、(B−2−9)を使用することが好ましい。
(A)がアミノ基を含有する場合、そのアミノ基を架橋するには、(B−2−2)、(B−2−7)が好ましい。
(A)がヒドロキシル基を含有する場合、そのヒドロキシル基を架橋するには、(B−2−8)、(B−2−9)が好ましい。
(A)がチオール基を含有する場合、そのチオール基を架橋するには、(B−2−5)、(B−2−6)、(B−2−7)、(B−2−8)、(B−2−9)が好ましい。
(A)が不飽和基を含有する場合、その不飽和基を架橋するには、(B−2−1)、(B−2−2)、(B−2−3)、(B−2−4)、(B−2−5)、(B−2−6)、(B−2−8)、(B−2−9)が好ましい。
【0090】
また、重合体(A)の重合と同時に架橋する場合には、下記(B−3)重合性反応性架橋剤を使用できる。
(B−3)重合反応性架橋剤;
重合体(A)の構成単位(a)又は(b)を形成し得るモノマーと共重合し得る二重結合を有し、且つ重合体(A)の構成単位(a)又は(b)と反応し得る官能基を分子内に有する化合物[水酸基及び二重結合を有する化合物[2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリロイルホスフェート等]、エポキシ基及び二重結合を有する化合物[グリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アリルグリシジルエーテル等]、アミノ基及び二重結合を有する化合物[アリルアミン等]等]。
【0091】
(2)照射による架橋;重合体(A)に紫外線や、電子線、γ線、マイクロウエーブ等の放射線を照射して重合体(A)を架橋する方法や重合体(A)の構成単位(a)又は(b)を形成し得るモノマーに紫外線や、電子線、γ線、マイクロウエーブ等の放射線を照射し重合と架橋を同時に行う方法等。
【0092】
(3)加熱による架橋;重合体(A)を100℃以上に加熱して熱架橋する方法であり下記(3−1)〜(3−3)の方法が挙げられる。
(3−1)重合体(A)の官能基間で架橋する方法
重合体(A)の構成単位(a)と反応し得る官能基を有する構成単位(b)を(A)が含有し、これを架橋する方法が挙げられる。この場合の(b)としては、ヒドロキシル基、アミノ基を有する構成単位が挙げられる。例えば、(b−1)アミノ基含有モノマー、(b−2)ヒドロキシル基含有モノマーから形成される構成単位(b)が挙げられる。
また、重合体(A)が構成単位(b)を含有する場合に、構成単位(b)に含まれる官能基間で架橋する方法が挙げられる。この場合の(b)に含まれる官能基の組合せとしては、アミド基同士による架橋が挙げられる。例えば、(b−4)アミド基含有モノマーから形成される構成単位(b)が挙げられる。これらの中でも、吸液性樹脂フィルムの成形性の観点から、(メタ)アクリルアミドが好ましい。
【0093】
(3−2)架橋剤(B)を用いる方法
重合体(A)のカルボキシル基及び/又はスルホン酸基若しくはそれらがオニウムカチオンで置換された官能基、並びに必要により共重合する構成単位(b)の官能基と架橋剤(B)の官能基とを反応させる方法。
【0094】
(3−3)有機過酸化物(C)を用いる方法
加熱により有機過酸化物(C)からラジカルを発生させ重合体(A)の有する炭素原子間を架橋する方法。
有機過酸化物(C)としては、従来公知の各種のもの、例えば、オクタノイルパーオキシド(80℃)、ラウリロイルパーオキシド(80℃)、ステアリロイルパーオキシド(80℃)、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート(84℃)、サクシニックパーオキシド(87℃)、2,5−ジメチル−2,5−ジ(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン(83℃)、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(90℃)、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(90℃)、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(92℃)、m−トルオイルベンゾイルパーオキシド(92℃)、ベンゾイルパーオキシド(92℃)、t−ブチルパーオキシイソブチレート(96℃)、ジクミルパーオキサイド(136℃)、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート(119℃)、t−ブチルパーオキシベンゾエート(125℃)、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)−2−メチルシクロヘキサン(102℃)、1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン(106℃)、1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン(107℃)、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン(111℃)、2,2−ジ(4,4−ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキシル)プロパン(114℃)、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート(115℃)、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート(118℃)、t−ブチルパーオキシラウレート(118℃)、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン(119℃)、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート(119℃)、t−ブチルパーオキシマレイン酸(119℃)、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート(119℃)、t−ブチルパーオキシアセテート(121℃)、2,2−ジ(t−ブチルパーオキシ)ブタン(122℃)、n−ブチル−4,4−ジ(t−ブチルパーオキシ)バレレート(127℃)、ジ−t−ヘキシルパーオキサイド(136℃)、t−ブチルクミルパーオキサイド(137℃)、ジ(2−t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン(138℃)、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン(138℃)、ジ−t−ブチルパーオキサイド(144℃)、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3(150℃)、p−メンタンハイドロパーオキサイド(151℃)、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド(173℃)、t−ヘキシルハイドロパーオキサイド(189℃)等が挙げられ、これらは単独で用いられても2種以上が併用されてもよい。なお、上記括弧内の温度は1時間半減期温度を表す。
吸液性樹脂フィルムを成形する観点から、(C)は、1時間半減期温度が80℃〜190℃のものが好ましく、さらに好ましくは90〜180℃のものである。なお、1時間半減期温度とは一定温度で有機過酸化物を分解させた際、活性酸素量が1時間で当初の半分になるときの温度である。
【0095】
重合体(A)の架橋方法の中でも、吸液性樹脂フィルムを成形する観点から、(3)が好ましく、さらに好ましくは(3−2)である。
【0096】
(B)の含有量は、吸液性樹脂フィルムの吸液力の観点から重合体(A)の重量を基準として、0.001〜10重量%が好ましく、さらに好ましくは0.1〜5重量%、次にさらに好ましくは0.2〜3重量%である。
【0097】
本発明の吸液性樹脂フィルムの製造方法としては、下記(1)〜(3)が挙げられる。
(1)単量体組成物(重合体を形成し得るモノマー、架橋剤、重合開始剤及び溶媒等の混合物)をプラスチック基材あるいは金属基材上へキャスト後、重合、架橋、乾燥する方法。
(2)重合体組成物(重合体(A)、架橋剤及び溶媒等の混合物)をプラスチック基材あるいは金属基材上へキャスト後、架橋、乾燥する方法。
(3)重合体組成物(重合体(A)、架橋剤の混合物)を押出機に供給して溶融混練した後、Tダイ法、インフレーション法、中空成形法、カレンダー成形により押出し製膜し、架橋する方法。
これらの中でも、吸液性樹脂フィルムを成形する観点から、(3)の方法が好ましい。
【0098】
吸液性樹脂フィルムを(1)の方法で製造する場合、単量体組成物の固形分は、成形性の観点から、単量体組成物の重量を基準として、5〜90重量%が好ましく、さらに好ましくは10〜80重量%、次にさらに好ましくは20〜70重量%である。また、架橋は重合と同時あるいは乾燥と同時に行うことが好ましく、モノマー(水)溶液の乾燥温度は重合体(A)の熱安定性の観点から、100〜200℃が好ましく、さらに好ましくは120〜180℃、次にさらに好ましくは130℃〜170℃である。
【0099】
吸液性樹脂フィルムを(2)の方法で製造する場合、重合体組成物の固形分は、成形性の観点から、重合体組成物の重量を基準として、5〜90重量%が好ましく、さらに好ましくは10〜80重量%、次にさらに好ましくは20〜70重量%である。また、架橋は乾燥と同時に行うことが好ましく、重合体(A)の(水)溶液の乾燥温度は重合体(A)の熱安定性の観点から、100〜200℃が好ましく、さらに好ましくは120〜180℃、次にさらに好ましくは130℃〜170℃である。
【0100】
吸液性樹脂フィルムを(3)の方法で製造する場合、重合体組成物の固形分は、成形性の観点から、重合体組成物の重量を基準として、80〜100重量%が好ましく、さらに好ましくは90〜100重量%、次にさらに好ましくは95〜99重量%である。また、架橋は重合体(A)を成形した後に所定の温度で加熱処理または所定量の放射線の照射により行うことが好ましい。加熱処理により架橋する場合、重合体(A)の成形性と熱安定性の観点から、吸液性樹脂フィルムは架橋を起こしにくい温度で成形することが好ましい。成形時の温度としては、重合体(A)の成形性と熱安定性の観点から、100〜150℃が好ましく、さらに好ましくは110〜140℃、次にさらに好ましくは120〜130℃である。また、加熱架橋時の温度は、成形時と同様の観点から、130〜200℃が好ましく、さらに好ましくは140〜190℃、次にさらに好ましくは150〜180℃である。
【0101】
放射線を照射して架橋する場合、重合体(A)は成形可能な温度であれば特に限定されないが、成形時及び架橋時の温度は、重合体(A)の成形性と熱安定性の観点から、100〜200℃が好ましく、さらに好ましくは120〜180℃、次にさらに好ましくは130℃〜170℃である。
【0102】
固形分は下記の方法で測定される。
固形分を80重量%以上とすると、吸液性樹脂フィルムの成形性が良くなり好ましい。
[固形分の測定法]
試料M(g)(約5〜10g)を秤量し、真空乾燥機(例えばバキュームドライングオーブンVO−620、アドバンテック社製)に入れ、100℃、100キロパスカルの減圧下で2時間乾燥させた後、重量N(g)を測定する。以下の式により固形分を算出する。

固形分(重量%)={(M−N)/M}×100
【0103】
また、成形時に発泡させてもよく、発泡方法についても、熱可塑性樹脂における慣用の方法が用いられる。例えば、重合体(A)の製造の段階で発泡剤を予め添加しておく、または、重合体(A)の製造後に成形に供する段階で、発泡剤を添加する等により、樹脂組成物に発泡剤を含有させ、樹脂組成物を発泡させる方法、もしくは成形後に発泡させる方法、又は、成形の段階で、炭酸ガス、代替フロンガス、ヘプタン等の物理発泡剤を注入して発泡させる方法等が用いられる。発泡剤としては、アゾジカーボンアミド、アゾビスホルムアミド(Azobisformamide; ABFA)、アゾビスイソブチロニトリル、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、p−トルエンスルホニルヒドラジド、p,p′−オキシビス(ベンゼンスルホニル)ヒドラジド等の有機発泡剤、炭酸アンモニウム、炭酸水素ナトリウム等の無機発泡剤を使用することができる。
【0104】
本発明の製造方法で得られる吸液性樹脂フィルムの、メタノ−ル、プロピレンカーボネート、γーブチロラクトン及びエタノールからなる群から選ばれる少なくとも1種以上の液体に対する吸液量は、吸液力の観点から、10〜500g/gが好ましく、さらに好ましくは30〜400g/g、次にさらに好ましくは50〜300g/gである。各種液体に対する吸液量はイオン交換水を対象となる液体に代えた以外はイオン交換水の吸液量の測定と同様の方法で測定される。
【0105】
本発明の吸液性樹脂フィルムは、水、メタノ−ル、プロピレンカーボネート、γーブチロラクトン、及びエタノール等の液体を吸収し、ゲル化できる。
以上のことから、本発明の吸液性樹脂フィルムは、おむつ・生理用品等の吸収部材、ドリップ吸収材、創傷被覆材、ゲル電解質フィルム、固体燃料、芳香・消臭剤の担持体等の幅広い用途に有用である。
【実施例】
【0106】
以下の実施例で本発明を説明するが、本発明はこれらに限定されない。
【0107】
製造例1
重量平均分子量25万のポリアクリル酸35%水溶液(シグマ−アルドリッチ社製)137.2gに、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムカチオンのモノメチル炭酸塩(分子量:187)の45%メタノール水溶液(三洋化成工業社製)194.0gを添加し、カルボキシル基の一部を1−エチル−3−メチルイミダゾリウムカチオンで置換した後、ロータリーエバポレーターを用いて80℃、減圧度100キロパスカル、3時間で副生したメタノール及び二酸化炭素を留去した。このポリマー溶液にヘキサメチレンジアミン10%水溶液2.3gを添加し、混合・撹拌した後、減圧乾燥機を用いて100キロパスカルの減圧下で80℃、3時間乾燥した。乾燥物を粉砕し、重量平均粒子径1000μmの重合体組成物(1)(固形分濃度:99%)を得た。
なお、重量平均粒子径は、測定試料の粒度分布を測定し、対数確率紙{横軸:粒径、縦軸:累積含有量(重量%)}に、累積含有量と粒子径との関係をプロットし、累積含有量が50重量%に対応する粒子径を求めることにより得られ、以下の実施例及び比較例においても同様である。粒度分布は、JIS Z8815−1994に準拠して測定され、たとえば、内径150mm、深さ45mmのふるい{目開き:710μm、500μm、300μm、150μm及び106μm}を、目開きの狭いふるいを下にして重ね、一番上の最も目開きの広い710μmのふるいの上に、測定試料50gを入れ、ふるい振動機にて10分間ふるい、各ふるいの上に残った測定試料の重量を測定し、最初の測定試料の重量に基づく各ふるいの上に残った測定試料の重量%を求めることによって測定される。
【0108】
製造例2
製造例1において、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムカチオンのモノメチル炭酸塩(分子量:187)の45%メタノール水溶液(三洋化成工業社製)194.0gの代わりに110.9g、ヘキサメチレンジアミン10%水溶液2.3gの代わりに、グリセリン2.4gを使用し、さらにヘキサメチレンジアミン10%水溶液を添加した後に、数平均分子量1万のポリエチレングリコール(PEG−10000、三洋化成工業社製)の20%水溶液12.0gを添加した以外は製造例1と同様にして重合体組成物(2)(固形分:99重量%)を得た。
【0109】
製造例3
製造例1において、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムカチオンのモノメチル炭酸塩の45%メタノール水溶液194.0gの代わりに、277.2gを使用した以外は製造例1と同様にして重合体組成物(3)(固形分:99重量%)を得た。
【0110】
製造例4
製造例1において、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムカチオンのモノメチル炭酸塩の45%メタノール水溶液194.0gの代わりに、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウムのモノメチル炭酸塩(分子量203)の60%メタノール溶液(三洋化成工業社製)158.0gを使用した以外は製造例1と同様にして重合体組成物(4)(固形分:99重量%)を得た。
【0111】
製造例5
アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸160.0gと水610.0gを混合し、モノマー水溶液を作成した。このモノマー水溶液に窒素を通じて溶存酸素を低減した後、ウォーターバスを用いて、モノマー水溶液を85℃に加熱し、4,4’−アゾビスシアノ吉草酸の5%水溶液30gを重合開始剤溶液として滴下し、加熱還流しながら重合した。生成したポリマー水溶液中に1−エチル−3−メチルイミダゾリウムカチオンのモノメチル炭酸塩の45%メタノール水溶液を321.2g添加し、カルボキシル基を1−エチル−3−メチルイミダゾリウムカチオンで置換した後、ロータリーエバポレーターを用いて80℃、減圧度100キロパスカル、3時間で副生したメタノール及び二酸化炭素を留去した。このポリマー溶液にヘキサメチレンジアミン10%水溶液2.7gを添加し、混合・撹拌した後、減圧乾燥機を用いて100キロパスカルの減圧下で80℃、3時間乾燥した。乾燥物を粉砕し、重量平均粒子径1000μmの重合体組成物(5)(固形分:99重量%)を得た。
【0112】
製造例6
エタノール150g中に重量平均分子量17万のイソブチレン/無水マレイン酸共重合体(イソバン−10、クラレ社製)50gを投入し、50℃、300rpmで3時間撹拌し均一に溶解させた。この溶液に1−エチル−3−メチルイミダゾリウムカチオンのモノメチル炭酸塩(分子量:187)の45%メタノール水溶液(三洋化成工業社製)242.9gを添加し、カルボキシル基の一部を1−エチル−3−メチルイミダゾリウムカチオンで置換した後、ロータリーエバポレーターを用いて80℃、減圧度100キロパスカル、3時間で副生したメタノール及び二酸化炭素を留去した。このポリマー溶液にテトラエチレングリコール6.3gを添加し、混合・撹拌した後、減圧乾燥機を用いて100キロパスカルの減圧下で80℃、3時間乾燥した。乾燥物を粉砕し、重量平均粒子径1,000μmの重合体組成物(6)(固形分:99重量%)を得た。
【0113】
製造例7
重量平均分子量25万のポリアクリル酸35%水溶液(シグマ−アルドリッチ社製)137.2gに、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムカチオンのモノメチル炭酸塩(分子量:187)の45%メタノール水溶液(三洋化成工業社製)194.0gを添加し、カルボキシル基の一部を1−エチル−3−メチルイミダゾリウムカチオンで置換し、ロータリーエバポレーターを用いて80℃、減圧度100キロパスカル、3時間で副生した二酸化炭素を留去した。このポリマー溶液にヘキサメチレンジアミン10%水溶液2.3gを添加し、混合・撹拌し重合体組成物(7)(固形分:32重量%)を得た。
【0114】
製造例8
メタクリル酸84.0gに実施例3で用いた1−エチル−3−メチルイミダゾリウムカチオンのモノメチル炭酸塩(分子量:187)の45%エタノール溶液を332.0g添加し、メタクリル酸のカルボキシル基の一部をイミダゾリウムカチオンで置換した。このモノマー溶液に、共重合性架橋剤であるトリメチロールプロパントリアクリレート0.1gと重合開始剤であるt−ブチルパーオキシネオデカノエート(パーブチルND、日本油脂社製、10時間半減期温度:46.5℃)0.3gを添加・攪拌し単量体組成物(1)(固形分:45重量%)を得た。
【0115】
製造例9
製造例7において、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムカチオンのモノメチル炭酸塩の45%メタノール水溶液194.0gに代えて、水酸化ナトリウム48%水溶液38.9gを使用した以外は製造例1と同様にして比較の重合体組成物(8)(固形分:33重量%)を得た。
【0116】
製造例10
製造例7において、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムカチオンのモノメチル炭酸塩の45%メタノール水溶液194.0gに代えて、55.3gを使用した以外は製造例1と同様にして比較の重合体組成物(9)(固形分:33重量%)を得た。
【0117】
実施例1
重合体組成物(1)5gを、テフロン(登録商標)シート(厚さ0.2mm、寸法20cm×20cm)で挟み、熱プレス機(ケーブルタイプテストプレスSA−302,テスター産業社製)にて160℃、10MPa、30分間の条件で加熱加圧プレス成形後に架橋を行い、厚さ300μmの吸液性樹脂フィルム(1)を得た。
【0118】
実施例2〜6
実施例1において、重合体組成物(1)の代わりに重合体組成物(2)〜(6)を使用した以外は実施例1と同様にして厚さ300μmの吸液性樹脂フィルム(2)〜(6)を得た。
【0119】
実施例7
重合体組成物(7)28.1gをテフロン(登録商標)トレー(内寸156mm×258mm×26.5mm)上に投入後、トレー内の重合体組成物の厚さをトレーを傾斜させて水平に戻す操作を繰り返すことにより均一にし循風乾燥機(セーフティオーブン SPHH−201、エスペック株式会社製)に入れ105℃、5時間の条件で乾燥と同時に架橋し、厚さ300μmの吸液性樹脂フィルム(7)を得た。
【0120】
実施例8
単量体組成物(1)20.1gをテフロン(登録商標)トレー(内寸156mm×258mm×26.5mm)上に投入後、トレー内の重合体組成物の厚さをトレーを傾斜させて水平に戻す操作を繰り返すことにより均一にし、送風を停止した循風乾燥機(セーフティオーブン SPHH−201、エスペック株式会社製)に入れ、80℃、30分間の条件で重合と同時に架橋を行った。その後、送風を開始し、さらに105℃で5時間加熱乾燥することで、厚さ300μmの吸液性樹脂フィルム(8)を得た。
【0121】
比較例1
実施例7において、重合体組成物(7)28.1gの代わりに重合体組成物(8)24.1を使用した以外は実施例7と同様にして厚さ300μmの吸液性樹脂フィルム(R1)を得た。
【0122】
比較例2
実施例7において、重合体組成物(7)28.1gの代わりに重合体組成物(9)24.1gを使用した以外は実施例7と同様にして厚さ300μmの吸液性樹脂フィルム(R2)を得た。
【0123】
実施例1〜7で得られた吸液性樹脂フィルム(1)〜(8)及び比較例1及び2で得られた比較の吸液性樹脂フィルム(R1)〜(R2)について、重合体(A)のカルボキシル基及びスルホン酸基のプロトンのオニウムカチオン置換率、引張破断強度及び引張破断伸びの測定結果を表1に示す。また、吸液性樹脂の水、メタノール、エタノールに対する吸液量の測定結果を表1に示す。
【0124】
【表1】

【0125】
表1の結果から、本発明の吸液性樹脂フィルムは比較の吸液性樹脂フィルムに比べて引張破断強度及び引張破断伸びに優れていることが分かる。また、メタノール、エタノールに対する吸液量は、比較の吸液性樹脂(R1)及び(R2)と比較して、同等以上であることが分かる。比較の吸液性樹脂(R1)に対しては、実施例の吸液性樹脂は水に対する吸液量は劣るが、メタノール、エタノールに対する吸液量が極めて優れることが分かる。
【0126】
一方、比較の吸液性樹脂フィルム(R1)はオニウムカチオンではなくナトリウムイオンで置換しており、また、比較の吸液性樹脂フィルム(R2)はオニウムカチオン置換率が低くなっている。表1の結果から、これら比較の吸液性樹脂フィルムは、機械特性(引張破断強度及び引張破断伸び)に劣ることが分かる。
【0127】
したがって、本発明の吸液性樹脂フィルムは、比較のものに対して、極めて樹脂フィルムの機械特性に優れることがわかる。
また、吸液量については、メタノール、エタノールに対する吸液量が同等以上であることが分かる。水に対する吸液量は、ナトリウムイオンで置換した比較例1(R1)には劣るが比較例2に対しては同等以上であるので、種々の対象に対する吸液性という観点で、本発明のものが優れる。
【産業上の利用可能性】
【0128】
(1)本発明の吸液性樹脂フィルムは従来の吸水性樹脂フィルム(ポリアクリル酸ナトリウム塩架橋体等)からなるフィルムに比べて、樹脂の機械特性に優れる。
(2)本発明の吸液性樹脂フィルムは水、メタノ−ル、プロピレンカーボネート、γーブチロラクトン及びエタノール等の各種液体に対して高い吸液力を示す。
また、本発明の吸液性樹脂の製造方法は以下の効果を奏する。
以上のことから、本発明の吸液性樹脂フィルムは、おむつ・生理用品等の吸収部材、ドリップ吸収材、創傷被覆材、ゲル電解質フィルム、固体燃料、芳香・消臭剤の担持体等の幅広い用途に有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記重合体(A)が架橋されてなる樹脂を含み、引張破断強度が0.10〜20MPa、引張破断伸びが5.0〜200%、イオン交換水に対する吸液量が50〜1000g/gである吸液性樹脂フィルム。
重合体(A):カルボキシル基、スルホン酸基並びにこれらの官能基のプロトンがオニウムカチオン及び/又はアルカリ金属カチオンで置換された官能基からなる群から選ばれる少なくとも1種の官能基を有する構成単位(a)を(A)の重量を基準として20〜100重量%含有してなり、以下の式により示される(A)のオニウムカチオン置換率が30〜100モル%である重合体。
オニウムカチオン置換率(モル%)=[(A)中のオニウムカチオンのモル数]÷[(A)中のカルボキシル基、スルホン酸基並びにこれらの官能基のプロトンがオニウムカチオン及び/又はアルカリ金属カチオンで置換された官能基の合計のモル数]×100
【請求項2】
吸液性樹脂フィルムが、可塑剤、熱安定剤、滑剤及びブロッキング防止剤からなる群より選ばれる少なくとも1種の添加剤(D)を含んでなる請求項1に記載の吸液性樹脂フィルム。
【請求項3】
オニウムカチオンが第4級アンモニウムカチオンである請求項1又は2に記載の吸液性樹脂フィルム。
【請求項4】
第4級アンモニウムカチオンが、脂肪族アンモニウムカチオン、イミダゾリニウムカチオン及びイミダゾリウムカチオンからなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項3に記載の吸液性樹脂フィルム。

【公開番号】特開2010−111717(P2010−111717A)
【公開日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−283140(P2008−283140)
【出願日】平成20年11月4日(2008.11.4)
【出願人】(000002288)三洋化成工業株式会社 (1,719)
【Fターム(参考)】