説明

吸音板及びその施工方法

【課題】施工場所の様々な状況に対応して設置固定できる吸音板と、その施工方法を提供する。
【解決手段】吸音板の上枠又は下枠又は左縦枠又は右縦枠のいずれか一つに外方に開口する溝部を長手方向に沿って全長に亘り形成させ、前記溝部は開口縁を内側へ突出させて形成させ、前記溝部は内側に締結部材を摺動自在に収納可能にすると共に、前記締結部材へ被締結部材を外方から締結可能にする。吸音板を施工場所へ固定するための取付金具を、前記締結部材と被締結部材との締結によって前記吸音板に容易に取り付けることができ、前記取付金具の固定の障害となる障害物が施工場所に存在する場合には、前記締結部材を好適な位置に摺動させて配置させ、前記取付金具を固定させて、施工することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、道路や線路に沿って設置される吸音板とその施工方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
道路や線路に沿って設置され、走行する車両や電車の騒音を吸収する吸音板については、その施工を容易にする構造や方法について、種々の発明が開示されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、防音板本体の端部に形成された取付枠の奥側の壁面にはボルト径より僅かに大きい孔が穿設され、取付枠の手前側の壁面にはボルト頭またはナットを締め付ける工具が挿通可能な大きさの工具用孔が穿設され、該工具用孔には該工具用孔を覆うに足る大きさの蓋板が設けられてなる防音板の構造、が本件出願人によって開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−264118号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に示す防音板の構造は、施工場所における、防音板にボルトを挿通させるために穿設させた孔に対応する位置に、ボルトを固定させるための雌ねじ部材を配置しておく必要があり、この位置に障害物があった場合にはこれに対応させた形状の防音板を別に用意する必要があった。
【0006】
そこで本発明は、施工場所の様々な状況に対応して設置固定できる吸音板と、その施工方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明は以下のような構成としている。
すなわち本発明に係る吸音板は、上枠と、下枠と、左右に配置された縦枠とで構成された枠体の前方側に、多数の開口部を有する前面板が設けられ、
該前面板の後方には吸音材が前記枠体の内側に収納されて取り付けられた吸音板であって、
少なくとも前記上枠又は下枠又は左縦枠又は右縦枠のいずれか一つに外方に開口する溝部が長手方向に沿って全長に亘り形成され、
前記溝部は開口縁が内側へ突出して形成されており、
前記溝部は内側に締結部材が摺動自在に収納可能となされていると共に、前記締結部材に被締結部材が外方から締結可能となされていることを特徴としている。
【0008】
本発明に係る吸音板によれば、少なくとも上枠又は下枠又は左縦枠又は右縦枠のいずれか一つに外方に開口する溝部を長手方向に沿って全長に亘り形成させ、この溝部は内側に締結部材が摺動自在に収納可能となされているので、この締結部材を溝部に沿って摺動させて、前記溝部を形成させた枠の長手方向の希望の位置に前記締結部材を配置させることが容易にでき、また、前記締結部材を複数取り付けて希望の位置に各々配置させることができる。
また、前記溝部の開口縁を内側へ突出させて形成させるので、前記締結部材が前記開口縁の内側に当接し、前記締結部材を前記溝部から抜けることなく取り付けることができる。
また、前記溝部の内側に収納された前記締結部材に、被締結部材が外方から締結可能となされているので、吸音板を施工場所へ固定するための取付金具を、前記締結部材と被締結部材との締結によって前記吸音板に容易に取り付けることができ、前記取付金具の固定の障害となる障害物が施工場所に存在する場合には、前記締結部材を好適な位置に配置させて前記取付金具を固定させて、施工することができる。
【0009】
また、前記溝部を、前記上枠及び下枠にそれぞれ上方及び下方へ開口して形成させ、該溝部の内側に固定ボルトのボルト頭部を収納させて、該固定ボルトの雄ねじ部を外方に向けて取り付け、前記固定ボルトを介して前記上枠及び下枠に前記取付金具をそれぞれ取り付ければ、前記各取付金具を介して前記吸音板を施工面に取り付けることで、吸音板が上枠と下枠とをそれぞれ支持されて固定されるので、各々の取付金具にかかる吸音板の荷重が分散され、各取付金具やこれを固定するボルトにかかる負荷が軽減されるので好ましい。
また、前記各取付金具を、枠当接板部と、該枠当接板部の縁から垂直に延設される施工面当接板部とを有するLの字形状に形成させ、
前記枠当接板部を前記上枠の上面又は下枠の下面にそれぞれ当接させて取り付ければ、前記吸音板の上枠を上方に向けて取り付ける場合等に、その荷重を下枠に取り付けた取付金具の枠当接板部で受けるように固定されるので、下枠の溝部に取り付けた固定ボルトには吸音板の荷重がかからず、その締結が緩みにくいものとなされるので、好ましい。またこの場合には、上枠の溝部に取り付けた固定ボルトには吸音板の荷重がかかるが、その荷重は下枠の取り付けた取付金具に分散され、その締結が緩みにくいものとなされるので、好ましい。
また、前記各取付金具の前記施工面当接板部をそれぞれ後方に向け、前記各取付金具の施工面当接板部を施工面に当接させてボルトで固定可能に形成すれば、立設する壁体や支柱などに前記前記各取付金具の施工面当接板部を当接させてボルトで固定する場合に、前記ボルトへの荷重がその雄ねじの長手方向と垂直にかかるので、雄ねじ部分の伸びが抑制され、その締結が緩みにくいものとなされるので、好ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明の吸音板及びその施工方法によれば、施工場所の様々な状況に対応して吸音板を設置固定できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明に係る吸音板の実施の一形態を示す(イ)は平面図であり、(ロ)は正面図であり、(ハ)は側面図であり、(ニ)は背面図である。
【図2】図1のA−A断面図である。
【図3】図1のB−B断面図である
【図4】本発明に係る取付金具の実施の一形態を示す(イ)は平面図であり、(ロ)は正面図であり、(ハ)は側面図である。
【図5】図1の吸音板の下枠に図4の取付金具を取り付ける状況を示す要部の断面図であり、(イ)は溝部に固定ボルトを取り付けた状態を示し、(ロ)は固定ボルトに取付金具を取り付けた状態を示す。
【図6】取付金具を取り付けた吸音板の実施の一形態を示す(イ)は平面図であり、(ロ)は正面図であり、(ハ)は側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の実施の形態を図に基づき具体的に説明する。
最初に図1〜3に基づき、本発明に係る吸音板の実施の一形態について説明する。
図面において、1は吸音板である。
吸音板1は、長尺枠材に形成された左右の縦枠3、上枠2a、下枠2bとが組み付けられて横長の四角形状に枠組みされた枠体Fが形成され、この枠体Fの前方側に前面板5が取り付けられ、前記枠体Fに囲われてその内側に収納されるように板状の吸音材6が前面板5の後方に取り付けられて、形成されている。
枠体Fの後方には、補強材7及び押え板8が、上枠2aと下枠2bとに架け渡されて設けられており、前記吸音材6がこれに当接して枠体Fの後方から脱落しないように構成されている。
【0013】
前記上枠2a及び下枠2bはそれぞれ同一断面形状のアルミニウム押出形材から形成されている。
上枠2a及び下枠2bには、枠体Fの前方内側に該当する縁から内側方向へ延設されて突出する前延設片25がそれぞれ設けられている。また上枠2a及び下枠2bには、枠体Fの後方内側に該当する縁から内側方向へ延設されて突出する後延設片26がそれぞれ設けられている。
本実施形態の前記前面板5は、上枠2a及び下枠2bの各前延設片25の内側面に当接されて固定され、また、前記吸音材6は、その上下の縁を、上枠2a及び下枠2bの各後延設片26の内側面に当接させて、枠体Fに収納されている。
【0014】
本実施形態の左右の縦枠3はそれぞれ同一断面形状のアルミニウム押出形材を用いている。
各縦枠3には、枠体Fの前方内側に該当する縁から内側方向へ延設された前延設片35がそれぞれ設けられている。また、各縦枠3には、枠体Fの後方内側に該当する縁から内側方向へ延設された後延設片36がそれぞれ設けられている。
本実施形態の前記前面板5は、各縦枠3の各前延設片35の内側面に当接されて固定され、また、前記吸音材6は、その左右の縁を、各縦枠3の各後延設片36の内側面に当接させて、枠体Fに収納されている。
【0015】
本実施形態の吸音材6は、ポリエステル繊維体の表面に不織布を貼着させて形成されており、枠体Fの内側の空間部分より若干小さな板形状に形成されている。
吸音材6の材質は、これに限るものではなく、ガラス繊維のものを用いても良く、その他の材質のものを用いても良い。
【0016】
本実施形態の前面板5は亜鉛めっき鋼板を用いて形成され、丸穴形状の貫通穴に形成された開口部51がパンチング加工によって前面板5の周縁以外の全面に亘るように多数設けられている。前記前面板5を枠体Fの前方側に備えることで、吸音板1の前方からの騒音が、開口部51を通じて枠体Fの内側に入射され、収納させた吸音材6に吸収されるようになされている。
本実施形態の前面板5は亜鉛めっき鋼板を用いて形成しているが、これに限るものではなく、アルミニウムやステンレスなどの各種金属や、合成樹脂、FRPなどの複合材料等、各種材料を選択して用いることができる。
尚、図1(ロ)においては、図面の簡略化のために前面板5における開口部51の図示を一部省略している。
【0017】
補強材7は長尺形状に形成され、Uの字の断面形状の両側の縁からそれぞれ反対方向へ取付片71が延設された形状に形成されている。本実施形態の補強材7は、枠体Fの上枠2aと下枠2bとに架け渡されて、その長手方向中央の位置に1本固定されている。具体的には、前記各取付片71を上枠2a及び下枠2bの後延設片26の外側面に当接させて固定されている。
補強材7が設けられることで、枠体Fの内側に収納させた前記吸音材6の後方からの脱落が防止されるとともに、横長の四角形状に形成された枠体Fから形成される吸音板1の強度が向上する。
本実施形態の補強材7は亜鉛めっき鋼板を曲げ加工して形成させているが、これに限るものではなく、各種金属、合成樹脂などの材料を選択して用いることができる。
【0018】
押え板8は、帯状の長尺形状に形成されており、上枠2aと下枠2bとに架け渡されて、前記補強材7と、上枠2a及び下枠2bの長手方向両端との間にそれぞれ1本づつ、合計2本固定されている。押え板8は、補強材7と同様に、上枠2a及び下枠2bの後延設片26の外側面に当接されて固定されている。
押え板8が設けられることで、枠体Fの内側に収納させた前記吸音材6の後方からの脱落が防止される。
本実施形態の押え板8は亜鉛めっき鋼板で形成させているが、これに限るものではなく、各種金属、合成樹脂などの材料を選択して用いることができる。
【0019】
枠体Fを構成する、上枠2aの上面と、下枠2bの下面にあたる面には、それぞれ上方と下方に開口する溝部21が形成されている。
前記溝部21は、長尺枠材に形成された上枠2a及び下枠2bの長手方向に沿って全長に亘って形成されており、形成された面の幅方向中央の位置に形成されている。
また、前記溝部21の縁において、形成された上枠2aの上面及び下枠2bの下面が溝部21の内側方向へ延設されるように、溝部21の内側方向に突出する開口縁22が形成されている。
【0020】
図4は本発明に係る取付金具の実施の一形態を示す(イ)は平面図であり、(ロ)は正面図であり、(ハ)は側面図である。
本実施形態の取付金具4は、長方形の板材を折り曲げ、曲部45において90°の角度で折れ曲がるLの字形状に形成されており、板面が水平方向に向けられた枠当接板部41と、この縁の一つを構成する曲部45と、この曲部45から垂直に延設されて板面が垂直方向に向けられた施工面当接板部42とが形成されている。
【0021】
枠当接板部41には、これを貫通する固定ボルト挿通穴43が形成されている。この固定ボルト挿通穴43は、丸形状で、前記曲部45とは反対側の縁に沿うように2個並設されて形成されている。
また、施工面当接板部42には、これを貫通する施工ボルト挿通穴44が形成されている。この施工ボルト挿通穴44は、前記曲部45の形成された縁に沿って長い長穴形状に形成されており、施工面当接板部42の中央付近の位置に1個形成されている。
【0022】
図5は図1の吸音板1の下枠2bに図4の取付金具4を取り付ける状況を示す要部の断面図であり、(イ)は溝部に固定ボルト9を取り付けた状態を示し、(ロ)は固定ボルト9に取付金具を取り付けた状態を示す。
上枠2aと下枠2bとにそれぞれ設けられた各溝部21は、その内部に固定ボルト9のボルト頭部91を収納可能な大きさに形成されており、その両縁に形成された各開口縁22はその隙間の幅の大きさが固定ボルト9の雄ねじ部92の径より若干大きく形成されている。
固定ボルト9は、図5(イ)に示されるように、そのボルト頭部91を溝部21の内側に摺動可能に収納させ、雄ねじ部92を各開口縁22の間の隙間から下方に突出させて、下枠2bに取り付けられている。各開口縁22の間の隙間の幅の大きさが固定ボルト9の雄ねじ部92の径より若干大きく形成されているので、ボルト頭部91が各開口縁22の内側面に当接されて、固定ボルト9を溝部21に沿って摺動させても、ボルト頭部92は溝部21内から抜けることがない。
固定ボルト9は、後述する取付金具4の固定に用いられ、本実施形態では1個の取付金具4あたり、2本の固定ボルト9を用いるため、必要な数の固定ボルト9を取付金具4の取り付け前に、溝部21に取り付ける。
【0023】
次に、枠当接板部41が水平方向に向けられ、その後方から下方に延設されるように施工面当接板部42が向けられた、取付金具4の固定ボルト挿通穴43に、下枠2bに取り付けられた固定ボルト9の雄ねじ部92を挿通させ、枠当接板部41を下枠2bの下面に当接させ、下方からナットNをこの雄ねじ部92に螺結させて、下枠2bに取付金具4を固定させる。
また上枠2aにおいては、固定ボルト9と取付金具4の上下方向の向きのみを上記の方法とは逆にして、上記の方法に基づき、枠当接板部41を上枠2aの上面に当接させて取付金具4を上枠2aに固定させる。
図6は取付金具4を取り付けた吸音板1の実施の一形態を示す(イ)は平面図であり、(ロ)は正面図であり、(ハ)は側面図であり、図4の取付金具4を図1の吸音板1の上枠2aと下枠2bとにそれぞれ3個づつ、合計6個取り付けた状態を示している。
【0024】
本実施形態において、各取付金具4の施工面当接板部42は、その面の方向を吸音板1の前面板5の面と同じ方向に向けて取り付けられている。このため、立設する既存の壁面やトンネルの天井などに沿って吸音板1を設置させたい場合には、これらの壁面や天井面に取付金具4の施工面当接板部42を当接させ、これに形成させた施工ボルト挿通穴44に施工用のボルトを挿通させて、あらかじめ施工面に埋設させたアンカーナットなどに螺結させて吸音板1を施工面に設置固定させることができる。
【0025】
固定する固定ボルト9は、溝部21に沿って摺動可能に取り付けられるので、この雄ねじ部92を介して取り付けられる取付金具4を、上枠2a、下枠2bの長手方向の任意の位置に固定させることができる。このため、吸音板1を固定させる施工場所に電気配線や、鉄筋コンクリートの鉄筋などの補強部材、コンクリートの接合部分など、取付金具4の当接や施工ボルトの固定などの障害となるものが存在している場合でも、固定ボルト9を摺動させて取付金具4の位置を変更し、容易に障害物を避けて施工することができる。
また、本実施形態では、溝部21に締結部材としての固定ボルト9のボルト頭部91を収納させ被締結部材としてのナットNが締結されているが、これに限るものではなく、溝部21に締結部材としてのナットNを摺動自在に収納させて、溝部21の外側からこの雌ねじ部分に被締結部材としての固定ボルト9を螺結させてもよい。溝部21を、その内側に固定ボルト9のボルト頭部91を摺動可能に収納できるように形成させることで、上記のように溝部21にナットNを摺動可能に収納させることができる。また、溝部21にナットNを収納させる場合、溝部21の底面の中央に、このナットNの雌ねじに螺結可能な雄ねじを収納可能な凹溝を更に底方向へ窪ませて形成させれば、ナットNに羅結させた雄ねじの先端が溝部21の底面に当接させずに、雌ねじ部分を全領域用いた強固な締結を行うことができる。
【0026】
また各取付金具4が、その枠当接板部41を、上枠2aの上面、又は下枠2bの下面にそれぞれ当接させて固定されるので、特に吸音板1を立設する壁面に沿って固定させる場合等には、下枠2bに取り付けた取付金具4の枠当接板部41が、下枠2bの下面を支持してその荷重を支える。固定ボルト9などの締結部材は、雄ねじ部92に引張力が働くと、使用過程で雄ねじ部92が伸び、締結力が失われて締結が緩みやすくなる可能性が大きくなるが、本実施形態の下枠2bに取り付けられた固定ボルト9の雄ねじ部92には、吸音板1の荷重による引張力が働かないので、雄ねじ部92が伸びにくいものとなされ、固定ボルト9による締結が緩み難いものとなされる。また、上枠2aの溝部21に取り付けた固定ボルト9の雄ねじ部92には吸音板1の荷重がかかるが、その荷重は下枠2bに取り付けた取付金具4に分散されて軽減されるので、固定ボルト9の雄ねじ部92が伸びにくく、その締結が緩み難いものとなされる。
またこの場合、、取付金具4の施工ボルト挿通穴44を挿通させる施工ボルトに関しても、吸音板1の荷重はその雄ねじ部分の径方向にかかり、雄ねじ部分を伸ばす方向にはかからないので、その締結が緩み難いものとなされる。
【0027】
また、本実施形態の取付金具4は、枠当接板部41の前後方向の長さを、吸音板1の厚みより長く形成させており、施工面当接板部42を施工面に当接させて吸音板1を施工したときに、吸音板1の後部と施工面との間に隙間が設けられるようになされている。これによって、施工面の面上に電気配線などの障害物などが存在しても、吸音板1の後部に接触させることなく施工することができる。
【符号の説明】
【0028】
1 吸音板
2a 上枠
2b 下枠
21 溝部
22 開口縁
25 前延設片
26 後延設片
3 縦枠
35 前延設片
36 後延設片
4 取付金具
41 枠当接板部
42 施工面当接板部
43 固定ボルト挿通穴
44 施工ボルト挿通穴
45 曲部
5 前面板
51 開口部
6 吸音材
7 補強材
71 取付片
8 押え板
9 固定ボルト
91 ボルト頭部
92 雄ねじ部
F 枠体
N ナット



【特許請求の範囲】
【請求項1】
上枠と、下枠と、左右に配置された縦枠とで構成された枠体の前方側に、多数の開口部を有する前面板が設けられ、
該前面板の後方には吸音材が前記枠体の内側に収納されて取り付けられた吸音板であって、
少なくとも前記上枠又は下枠又は左縦枠又は右縦枠のいずれか一つに外方に開口する溝部が長手方向に沿って全長に亘り形成され、
前記溝部は開口縁が内側へ突出して形成されており、
前記溝部は内側に締結部材が摺動自在に収納可能となされていると共に、前記締結部材に被締結部材が外方から締結可能となされていることを特徴とする吸音板。
【請求項2】
前記溝部は、前記上枠及び下枠にそれぞれ上方及び下方へ開口して形成されており、
該溝部の内側に固定ボルトのボルト頭部が収納されて、該固定ボルトの雄ねじ部が外方に向けて取り付けられ、
前記固定ボルトを介して前記上枠及び下枠に前記取付金具がそれぞれ取り付けられ、
前記各取付金具は、枠当接板部と、該枠当接板部の縁から垂直に延設される施工面当接板部とを有するLの字形状に形成され、
前記各取付金具は前記施工面当接板部をそれぞれ後方に向けられ、前記枠当接板部を前記上枠の上面又は下枠の下面にそれぞれ当接されて取り付けられており、
前記各取付金具の施工面当接板部を施工面に当接させて施工ボルトで固定可能になされていることを特徴とする請求項1に記載の吸音板。
【請求項3】
上枠と、下枠と、左右に配置された縦枠とで構成された枠体の前面側に、多数の開口部を有する前面板が設けられ、
該前面板の後方には吸音材が前記枠体の内側に収納されて取り付けられた吸音板の施工方法であって、
少なくとも前記上枠又は下枠又は左縦枠又は右縦枠のいずれか一つに外方に開口する溝部が長手方向に沿って全長に亘り形成され、
前記溝部は開口縁が内側へ突出して形成された吸音板を用い、
前記溝部の内側に締結部材を摺動自在に収納させ、前記溝部の外方から前記締結部材へ締結させる被締結部材の締結によって取付金具を前記吸音板に取り付けて、該取付金具を介して前記吸音板を施工場所へ固定することを特徴とする吸音板の施工方法。
【請求項4】
前記溝部が、前記上枠及び下枠にそれぞれ上方及び下方へ開口して形成され、
前記取付金具は、枠当接板部と、該枠当接板部の縁から垂直に延設される施工面当接板部とを有するLの字形状に形成され、
前記各取付金具の前記施工面当接板部をそれぞれ後方に向け、前記枠当接板部を前記上枠の上面又は下枠の下面にそれぞれ当接させて取り付け、
前記各取付金具の施工面当接板部を施工面に当接させてボルトで固定させることを特徴とする請求項3に記載の吸音板の施工方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−184971(P2011−184971A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−52441(P2010−52441)
【出願日】平成22年3月10日(2010.3.10)
【出願人】(000002462)積水樹脂株式会社 (781)
【Fターム(参考)】