説明

周波数シンセサイザ

【課題】所望のノイズを付加した周波数信号を出力する周波数シンセサイザを実現することにある。
【解決手段】所望の周波数の信号を出力する信号発生部を有する周波数シンセサイザに改良を加えたものである。本装置は、信号発生部のループ帯域に基づいて、設定された設定値となるノイズを生成するノイズ生成部と、信号発生部の信号に、ノイズ生成部のノイズを付加するノイズ付加部とを設けたことを特徴とするものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所望の周波数の信号を出力する信号発生部を有する周波数シンセサイザに関し、詳しくは、所望のノイズを付加した周波数信号を出力する周波数シンセサイザに関するものである。
【背景技術】
【0002】
周波数シンセサイザは、周波数を合成して,精度が高く位相ノイズ等が少ないスペクトル純度の高い所望の周波数を生成し、出力する装置であり、無線通信のキャリア信号、通信システムの送信部/受信部のミキサ、電気回路の試験用の信号等に用いられる。
【0003】
図13は、従来の周波数シンセサイザの一例を示した構成図である(例えば、特許文献1〜3参照)。
図13において、周波数基準10は、周波数基準信号を出力する。周波数微調整回路11は、周波数基準10からの信号が入力される。周波数粗調整回路12は、周波数基準10からの信号が入力される。周波数発生回路13は、周波数微調整回路11と周波数粗調整回路12とからの信号が入力される。振幅調整部14は、増幅器14aと減衰器14bを有し、増幅器14aに周波数発生回路13からの信号が入力され、減衰器14bに増幅器14aからの信号が入力される。なお、周波数基準10、周波数微調整回路11、周波数発生回路13のうち、少なくともひとつは、閉ループで構成され、所定のループ帯域をもつ。また、周波数基準10、周波数微調整回路11、周波数粗調整回路12、周波数発生回路13、振幅調整部14で、信号発生部を構成する。
【0004】
このような装置の動作を説明する。
周波数基準10が、周波数の安定性が高く、高精度、低位相雑音(低ジッタ)な非常に純度の高いスペクトルの周波数基準信号を出力する。なお、周波数基準10は、周波数は固定だが、周波数が異なる複数の周波数基準信号(例えば、100[MHz],200[MHz],400[MHz]…)を出力する。このような周波数基準10は、例えば、OCXO(Oven Controlled Xtal oscillator)を基準の周波数とし、逓倍回路、分周回路、PLL(Phase locked Loop)回路等で構成される。
【0005】
そして、周波数微調整回路11が、周波数基準10からの周波数基準信号を基準として、細かな周波数ステップ(例えば、1[Hz]ステップ)の周波数を調整した出力信号を出力する。このような周波数微調整回路11は、例えば、Fractional-N方式のPLL回路やDDS(Direct Digital Synthesizer)等が用いられる。
【0006】
一方、周波数粗調整回路12が、周波数基準10からの周波数基準信号に含まれるそれぞれの周波数の信号から所定の周波数の信号に変換する。なお、周波数粗調整回路12が、周波数変換できる帯域は、周波数基準10が出力する周波数基準信号の周波数帯域よりも広帯域である。
【0007】
そして、周波数発生回路13が、周波数微調整回路11によって微調整された信号と、周波数粗調整回路12によって周波数変換された信号とから、広帯域で周波数が微調整された所望の周波数の信号を出力する。このような周波数発生回路13は、例えば、広帯域のVCO(Voltage Controlled Oscillator)またYTO(YIG Tuned Oscillator)を主発振器とするPLL回路で構成される。なお、YIGとは、Yttrium-Iron-Garnet(YFe12)である。
【0008】
さらに、振幅調整部14の増幅器14aと減衰器14bとが、周波数発生回路13からの信号を増幅・減衰し、所望の出力レベル(振幅)にして出力する。
【0009】
次に、図14は、従来の周波数シンセサイザのその他の構成例を示した図であり、変調した信号を出力する一例を示している。ここで、図13と同一のものには同一符号を付し、説明を省略する。振幅変調回路15、IQ変調回路16が、周波数発生回路13と振幅調整部14の間に並列に設けられる。また、周波数変調信号発生回路17、振幅変調信号発生回路18、IQ変調信号発生回路19が新たに設けられる。そして、周波数変調信号発生回路17は、周波数変調するための変調信号を周波数微調整回路11に出力し、振幅変調信号発生回路18は、振幅変調するための変調信号を振幅変調回路15に出力し、IQ変調信号発生回路19は、IQ変調するための変調信号をIQ変調回路16に出力する。
【0010】
スイッチSW1は、周波数発生回路13の出力側を、振幅変調回路15またはIQ変調回路16の入力側に接続する。スイッチSW2は、振幅調整部14の入力側を、振幅変調回路15またはIQ変調回路16の出力側に接続する。
【0011】
このような装置の動作を説明する。図13と異なる部分を主に説明する。
まず、周波数変調する場合の動作から説明する。
周波数変調信号発生回路17が、所望の周波数変調用の変調信号を生成し、生成した変調信号をデジタイズして、周波数微調整回路11に出力する。そして、周波数微調整回路11のDDS等が、変調信号に基づいて周波数変調された信号を出力する。このような周波数変調信号発生回路17は、例えば、DDS等で構成される。
【0012】
さらに、周波数発生回路13が、図13に示す装置と同様に、周波数微調整回路11と周波数粗調整回路12との信号から所望の周波数の信号を出力するが、周波数微調整回路11からの信号が周波数変調されているので、周波数発生回路13から出力される信号も周波数変調される。
【0013】
そして、周波数発生回路13が、周波数微調整回路11によって微調整された信号と、周波数粗調整回路12によって周波数変換された信号とから、広帯域で周波数が微調整された所望の周波数の信号を出力する。もちろん、主発振器(図示せず)を含む周波数発生回路13のPLL(図示せず)回路の制御帯域(ループ帯域)は、周波数変調帯域以上である。
【0014】
続いて、振幅変調する場合の動作を説明する。
振幅変調信号発生回路18が、所望の振幅変調用の変調信号を生成し、生成した変調信号を振幅変調回路15に出力する。そして、振幅変調回路15が、変調信号に基づいて、周波数発生回路13からの信号を振幅変調して振幅調整部14に出力する。このような振幅変調信号発生回路18は、例えば、DDS等で構成され、振幅変調回路15は、例えば、可変減衰器で構成される。
【0015】
続いて、IQ変調する場合の動作を説明する。
IQ変調信号発生回路19が、所望のI(In-Phase)とQ(Quadrature-Phase)となるIQ変調用の直交変調信号を生成し、IQ変調回路16に出力する。そして、IQ変調回路が、直交変調信号に基づいて、周波数発生回路13からの信号をIQ変調して振幅調整部14に出力する。このようなIQ変調信号発生回路19は、例えば、DDS等で構成される。
【0016】
なお、周波数発生回路13からの信号に振幅変調を行なう場合は、スイッチSW1,SW2が、振幅変調回路15側に接続を切り替える。一方、周波数発生回路13からの信号にIQ変調を行なう場合は、スイッチSW1,SW2が、IQ変調回路16側に接続を切り替える。その他の動作は、図13に示す装置と同様なので、説明を省略する。
【0017】
【特許文献1】特開平11−8554号公報
【特許文献2】特開平11−225022号公報
【特許文献3】特開2003−283334号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
このような図13に示す装置は、スペクトルの純度の高い周波数基準信号を基準としているので非常に低ノイズな信号を生成でき、周波数微調整回路11によって高分解能で周波数設定を行なうことができる。また、図14に示す装置は、スペクトル純度の高い信号に各種変調(振幅変調、周波数変調、IQ変調、パルス変調等)を高精度で行なうことできる。
【0019】
一方、無線通信機器、この無線通信機器に組み込まれるデバイスの評価や試験等では、キャリア信号にのるノイズ(特に、位相ノイズ(いわゆる、ジッタ))に対するマージンテストを行なう必要がある。例えば、一例としては、キャリア信号のスペクトル純度を定量的に劣化させて、被試験対物である無線通信機器、デバイス等のノイズ耐性を評価・試験等を行ないたいという要望が多い。このような評価・試験等では、図13、図14に示す周波数シンセサイザからの出力信号を、キャリア信号として用いる場合が多い。
【0020】
しかしながら、従来の周波数シンセサイザは、上述のように、高分解能で周波数設定ができ、低ノイズな信号を出力し、高精度な各種変調を行なうことが主目的であった。
【0021】
そのため、位相ノイズを付加する場合、従来はユーザが、変調信号発生回路17、18、19からの信号にホワイトノイズを付加してスペクトル線幅を太くし、見かけ上、位相ノイズを加えている程度であった。従って、所望のスペクトル純度をもつキャリア信号を被試験対象物に出力することが難しく、被試験対象物のノイズ耐性を精度よく測定することが困難であるという問題があった、
【0022】
そこで本発明の目的は、所望のノイズを付加した周波数信号を出力する周波数シンセサイザを実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0023】
請求項1記載の発明は、
所望の周波数の信号を出力する信号発生部を有する周波数シンセサイザにおいて、
設定された設定値となるノイズを生成するノイズ生成部と、
前記信号発生部の信号に、前記ノイズ生成部のノイズを付加するノイズ付加部と
を設けたことを特徴とするものである。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、
ノイズ生成部は、前記信号発生部のループ帯域に基づいて、前記信号発生部からの信号のスペクトラムを所望の形状にするノイズを生成することを特徴とするものである。
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の発明において、
ノイズ生成部は、位相ノイズ、振幅ノイズ、ノイズフロアの少なくとも一個を生成することを特徴とするものである。
請求項4記載の発明は、請求項1または2記載の発明において、
ノイズ生成部は、
ホワイトノイズを出力するノイズ発生部と、
前記信号発生部のループ帯域に基づいて位相変調量を求める位相ノイズ特性調整手段と、
この位相ノイズ特性調整手段の指示に従って、前記ノイズ発生部からのホワイトノイズの周波数特性を調整する周波数調整手段と、
前記位相ノイズ特性調整手段の指示に従って、前記周波数調整手段からの信号の振幅特性を調整する振幅調整手段と
を有することを特徴とするものである。
請求項5記載の発明は、請求項4記載の発明において、
ノイズ付加部は、直交変調器であることを特徴とするものである。
請求項6記載の発明は、請求項5記載の発明において、
前記信号発生部からの信号を90°の位相差をもって分岐する位相差生成手段と、
この位相差生成手段が分岐した信号それぞれに、前記ノイズ生成部からの信号に対応した振幅変調を行なう乗算器と、
この乗算器の出力を加算する加算器と
を有することを特徴とするものである。
請求項7記載の発明は、請求項1または2記載の発明において、
ノイズ生成部は、
ホワイトノイズを出力するノイズ発生部と、
前記信号発生部のループ帯域に基づいて振幅変調量を求める振幅ノイズ特性調整手段と、
この振幅ノイズ特性調整手段の指示に従って、前記ノイズ発生部からのホワイトノイズの周波数特性を調整する周波数調整手段と、
前記振幅ノイズ特性調整手段の指示に従って、前記周波数調整手段からの信号の振幅特性を調整する振幅調整手段と
を有することを特徴とするものである。
請求項8記載の発明は、請求項7記載の発明において、
ノイズ付加部は、前記信号発生部からの信号に、前記ノイズ生成部からの信号に対応した振幅変調を行なう可変減衰器を有することを特徴とするものである。
請求項9記載の発明は、請求項1記載の発明において、
ノイズ付加部は、前記信号発生部からの信号を減衰する可変減衰器を有し、
ノイズ生成部は、
前記信号発生部からの信号の中心周波数のパワーレベルとノイズレベルとの比を求めるレベル検出器と、
レベル検出器の求めた比に基づいて、前記可変減衰器の減衰量を調整するノイズフロア特性調整手段と
を有することを特徴とするものである。
請求項10記載の発明は、請求項4〜6のいずれかに記載の発明において、
前記ノイズ付加部によって位相ノイズが付加された信号の位相ノイズを測定する位相ノイズ測定部と、
この位相ノイズ測定部の測定結果によって前記設定値との誤差を減少させる信号を前記ノイズ生成部に出力する減算器と
を設けたことを特徴とするものである。
請求項11記載の発明は、請求項8記載の発明において、
前記可変減衰器によって振幅ノイズが付加された信号の電力を検出し、検出した電力の大きさに対応した電圧値を出力する電力検出手段と、
基準電圧を出力する基準電圧出力部と、
この基準電圧出力部の基準電圧に前記ノイズ生成部からの振幅ノイズを加算する加算器と、
前記電力検出手段の検出結果によって前記加算器からの基準電圧との誤差を減少させる信号を前記可変減衰器に出力する減算器と
を設けたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、以下のような効果がある。
請求項1〜11によれば、ノイズ生成部が、設定された設定値となるノイズを生成し、ノイズ付加部が、信号発生部の信号に、ノイズ生成部のノイズを付加するので、定量的なノイズを付加することができる。これにより、信号発生部からの信号に所望のノイズを付加でき、信号発生部の信号のスペクトル形状を所望の形状にすることができる。従って、被試験対象物のノイズ耐性を精度よく測定することができる。
請求項2〜8によれば、ノイズ生成部が、信号発生部のループ帯域に基づいて、信号発生部からの信号のスペクトラムが所望の形状のスペクトラムになるノイズを求め、ノイズ付加部が、求めたノイズを信号発生部の信号に付加するので、定量的なノイズを付加することができる。これにより、信号発生部からの信号に所望のノイズを付加でき、信号発生部の信号のスペクトル形状を所望の形状にすることができる。従って、被試験対象物のノイズ耐性を精度よく測定することができる。
請求項9によれば、レベル検出器が、信号発生部からの信号の中心周波数のパワーレベルとノイズレベルとの比を求め、ノイズフロア特性調整手段が、レベル検出器の求めた比に基づいて、可変減衰器の減衰量を調整するので、定量的なノイズを付加することができる。これにより、信号発生部からの信号に所望のノイズを付加でき、信号発生部の信号のスペクトル形状を所望の形状にすることができる。従って、被試験対象物のノイズ耐性を精度よく測定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下図面を用いて本発明の実施の形態を説明する。
[第1の実施例]
図1は、本発明の第1の実施例を示した構成図である。ここで、図13と同一のものには同一符号を付し、説明を省略する。なお、説明の一例として、本装置の出力する信号が、無線通信機器やデバイス等を評価・試験等を行なうためのキャリア信号として用いられる例で説明する。もちろん、通信システムの送信部/受信部のミキサ、電気回路の試験用の信号等に用いてもよい。
【0026】
図1は、周波数シンセサイザが出力するキャリア信号に、所望の位相ノイズを付加する場合である。具体的には、位相変調を行なってノイズを付加する。図1において、位相ノイズ設定部20が、新たに設けられ、振幅調整部14が出力する信号に含まれる位相ノイズの設定値が設定される。
【0027】
位相ノイズ生成部21が、新たに設けられ、位相ノイズ特性調整手段22、ノイズ発生部23、周波数調整手段24、振幅調整手段25を有し、位相ノイズ設定部20からの設定値が入力される。
【0028】
位相ノイズ特性調整手段22は、位相ノイズ設定部20からの設定値が入力される。ノイズ発生部23は、ホワイトノイズを出力する。周波数調整手段24は、位相ノイズ特性調整手段22からの指示に従って、ノイズ発生部23からのホワイトノイズをフィルタリングし、周波数特性を調整する。振幅調整手段25は、位相ノイズ特性調整手段22からの指示に従って、周波数調整手段24がフィルタリングした各周波数成分ごとの振幅特性を調整する。
【0029】
そして位相ノイズ付加部26が、周波数発生回路13と振幅調整部14の間に設けられ、振幅調整手段25からの信号に基づいて、周波数発生回路13からの信号を位相変調する。なお、位相ノイズ生成部21は、ノイズ生成部に対応し、位相ノイズ付加部26は、ノイズ付加部に対応する。
【0030】
伝送路L1は、周波数発生回路13と振幅調整部14の間に、位相ノイズ付加部26と並列に設けられる。スイッチSW3は,周波数発生回路13の出力側を、位相ノイズ付加部26または伝送路L1の入力側に接続する。スイッチSW5は、振幅調整部14の入力側を、位相ノイズ付加部26または伝送路L1の出力側に接続する。
【0031】
このような装置の動作を説明する。
位相ノイズ設定部20に、位相ノイズの設定値(例えば、キャリア周波数からのオフセット周波数Δf1にて−20[dBc/Hz]、Δf2にて−50[dBc/Hz]、Δf3にて−80[dBc/Hz])が設定される。そして、設定された設定値を位相ノイズ特性調整手段22に出力する。
【0032】
さらに、位相ノイズ特性調整手段22が、周波数基準10、周波数微調整回路11、周波数発生回路13のループ帯域、位相ノイズ付加部26の変調帯域に基づいて、位相ノイズ設定部20からの設定値となる位相変調量、すなわち、位相変調する周波数および各周波数の振幅を求め、求めた周波数をフィルタリングするように周波数調整手段24に指示を出し、求めた振幅となるように振幅調整手段25に指示を出す。なお、周波数基準10、周波数微調整回路11、周波数発生回路13のループ帯域、位相ノイズ付加部26の変調帯域は、装置の製造時、校正時等に予め求めておき、位相ノイズ特性調整手段22に保持させておくとよい。
【0033】
そして、周波数調整手段24が、位相ノイズ特性調整手段22からの指示に従って、ノイズ発生部23からのホワイトノイズのうち、所望の周波数のノイズのみを振幅調整手段25に出力する。さらに、振幅調整手段25が、位相ノイズ特性調整手段22からの指示に従って、周波数調整手段24からの各周波数成分の振幅を調整し、位相ノイズ付加部26に出力する。
【0034】
そして、位相ノイズ付加部26が、振幅調整手段25からの信号に従って、周波数発生回路13が出力するキャリア信号を位相変調して位相ノイズを付加して、振幅調整部14に出力する。
【0035】
ここで、図2は、キャリア信号に位相ノイズを付加した一例を示した図であり、実線は位相ノイズを付加後のスペクトラムであり、破線は位相ノイズを付加前のスペクトラムであり、横軸は周波数で、縦軸は、C/N(Carrier to Noise)比(位相ノイズの大きさ)である。
【0036】
なお、周波数発生回路13からの信号に位相ノイズを付加する場合は、スイッチSW3,SW4が、位相ノイズ付加部26側に接続を切り替える。一方、周波数発生回路13からの信号に位相ノイズを付加しない場合は、スイッチSW3,SW4が、伝送路L1側に接続を切り替える。
その他の動作は図13に示す装置と同様なので、説明を省略する。
【0037】
続いて、図3は、図1に示す位相ノイズ生成部21および位相ノイズ付加部26の詳細な構成を示した図である。図3において、ノイズ発生部23は、ノイズ発生源23a、アンプ23b、アナログデジタル変換器(以下、ADCと略す)23c、FFT演算手段23dを有する。
【0038】
アンプ23bは、ノイズ発生源23aからのノイズ信号が入力される。ADC23cは、アンプ23bで増幅されたノイズ信号が入力される。FFT演算手段23dは、ADC23cで変換されたデジタル信号が入力される。デジタルフィルタ24aは、周波数調整手段24の一例であり、位相ノイズ特性調整手段22からの指示と、FFT演算手段23dでのフーリエ変換後の結果が入力される。
【0039】
また、位相ノイズ付加部26は、いわゆる直交変調器であり、位相差生成手段26a、26f、逆FFT演算手段26b、26c、デジタルアナログ変換器(以下、DACと略す)23d、23e、アナログ乗算器26g、26h、アナログ加算器26iを有する。
【0040】
位相差生成手段26aは、振幅調整手段25から信号が入力される。逆FFT演算手段26bは、位相差生成手段26aからの一方の信号が入力される。逆FFT演算手段26cは、位相差生成手段26aからの他方の信号が入力される。DAC23dは、逆FFT演算手段26bでの逆フーリエ変換後の結果が入力される。DAC23eは、逆FFT演算手段26cでの逆フーリエ変換後の結果が入力される。位相差生成手段26fは、スイッチSW3を介して周波数発生回路13からの信号が入力される。アナログ乗算器26gは、位相差生成手段26fの一方の信号と、DAC26dで変換されたアナログ信号とが入力される。アナログ乗算器26hは、位相差生成手段26fの他方の信号と、DAC26eで変換されたアナログ信号とが入力される。加算器26iは、乗算器26g、26hの乗算結果を加算してスイッチSW4に出力する。
【0041】
このような装置の動作を説明する。
アンプ23bが、ノイズ発生源23aから出力されたホワイトノイズを所定のゲインで増幅し、ADC23cに出力する。そして、ADC23cが、アナログ信号のホワイトノイズをデジタル信号に変換し、FFT演算手段23dに出力する。さらに、FFT演算手段23dが、デジタル信号をフーリエ変換して、デジタルフィルタ24aに出力する。
【0042】
そして、デジタルフィルタ24aが、位相ノイズ特性調整手段22の指示に従って、フーリエ変換後のデータ(もちろん、所定の帯域で一様にスペクトルが存在する)を、フィルタリングし、所望の周波数に存在するスペクトルのみを透過する。さらに、振幅調整手段25が、デジタルフィルタ24aのフィルタ後の各周波数のスペクトルのパワーを調整し、位相差生成手段26aに出力する。
【0043】
そして、位相差生成手段26aが、位相差が90°となる2個の信号を振幅調整手段25の出力信号から生成し、一方を逆FFT演算手段26bに出力し、他方を逆FFT演算手段26cに出力する。そして、逆FFT演算手段26b、26cのそれぞれが、逆フーリエ変換し、変換した結果をDAC26d、26eに出力する。さらに、DAC26d、26eのそれぞれが、デジタル信号をアナログ信号に変換し、乗算器26g、26hに出力する。
【0044】
一方、位相差生成手段26fが、スイッチSW3を介して入力される周波数発生回路13からの信号を90°の位相差を持たせて2分岐し、一方を乗算器26g、他方を乗算器26hに出力する。
【0045】
そして、乗算器26gが、位相差生成手段26fからの一方の信号と、DAC26dからの信号とを乗算し、加算器26iに出力する。また、乗算器26hが、位相差生成手段26fからの他方の信号と、DAC26eからの信号とを乗算し、加算器26iに出力する。つまり、乗算器26g、26hが、位相差生成手段26fによって分岐された信号それぞれに、ノイズ生成部21からの信号に対応した振幅変調を行なう。そして、加算器26iが、乗算器26g、26hからの出力を加算し、スイッチSW4を介して、振幅調整部14に出力する。
【0046】
このように、位相ノイズ特性調整手段22が、ノイズ設定部20からの設定値となるように、ループ帯域および変調帯域に基づいて位相変調量を求め、キャリア信号の位相変調を行なわせるので、定量的な位相ノイズを付加することができる。これにより、キャリア信号に所望のノイズを付加でき、キャリア信号のスペクトル形状を所望の形状にした周波数信号を出力することができる。従って、被試験対象物のノイズ耐性を精度よく測定することができる。
【0047】
[第2の実施例]
図4は、本発明の第2の実施例を示した構成図である。ここで、図1と同一のものには同一符号を付し、説明を省略する。
図4は、周波数シンセサイザが出力するキャリア信号に、所望の振幅ノイズを付加する場合である。具体的には、振幅変調を行なってノイズを付加する。図4において、位相ノイズ設定部20の代わりに振幅ノイズ設定部30が設けられ、位相ノイズ生成部21の代わりに振幅ノイズ生成部31が設けられ、位相ノイズ付加部26の代わりに振幅ノイズ付加部36が設けられ、スイッチSW3、SW4、伝送路L1の代わりに、スイッチSW5、SW6、伝送路L2が設けられる。
【0048】
振幅ノイズ設定部30は、振幅調整部14が出力する信号に含まれる振幅ノイズの設定値が設定される。振幅ノイズ生成部31は、振幅ノイズ特性調整手段32、ノイズ発生部33、周波数調整手段34、振幅調整手段35を有し、振幅ノイズ設定部30からの設定値が入力される。
【0049】
振幅ノイズ特性調整手段32は、振幅ノイズ設定部30からの設定値が入力される。ノイズ発生部33は、ホワイトノイズを出力する。周波数調整手段34は、振幅ノイズ特性調整手段32からの指示に従って、ノイズ発生部33からのホワイトノイズをフィルタリングし、周波数特性を調整する。振幅調整手段35は、振幅ノイズ特性調整手段32からの指示に従って、周波数調整手段34がフィルタリングした各周波数成分ごとの振幅特性を調整する。
【0050】
そして振幅ノイズ付加部36は、振幅調整手段35からの信号に基づいて、周波数発生回路13からの信号を振幅変調する。なお、振幅ノイズ生成部31は、ノイズ生成部に対応し、振幅ノイズ付加部36は、ノイズ付加部に対応する。
【0051】
スイッチSW5、SW6は、振幅ノイズを付加する場合、振幅ノイズ付加部36を周波数発生回路13と振幅調整部14とに接続し、振幅ノイズを付加しない場合、伝送路L2を周波数発生回路13と振幅調整部14とに接続する。
【0052】
このような装置の動作を説明する。
振幅ノイズ設定部30に、振幅ノイズの設定値(例えば、キャリア周波数からのオフセット周波数Δf1にて−50[dBc/Hz]、Δf2にて−80[dBc/Hz]、Δf3にて−100[dBc/Hz])が設定される。そして、設定された設定値を振幅ノイズ特性調整手段32に出力する。
【0053】
さらに、振幅ノイズ特性調整手段32が、周波数基準10、周波数微調整回路11、周波数発生回路13のループ帯域、振幅ノイズ付加部36の変調帯域に基づいて、振幅ノイズ設定部30からの設定値となる振幅変調量、すなわち、振幅変調する周波数および各周波数の振幅を求め、求めた周波数をフィルタリングするように周波数調整手段34に指示を出し、求めた振幅となるように振幅調整手段35に指示を出す。なお、周波数基準10、周波数微調整回路11、周波数発生回路13のループ帯域、振幅ノイズ付加部36の変調帯域は、装置の製造時、校正時等に予め求めておき、振幅ノイズ特性調整手段32に保持させておくとよい。
【0054】
そして、周波数調整手段34が、振幅ノイズ特性調整手段32からの指示に従って、ノイズ発生部33からのホワイトノイズのうち、所望の周波数のノイズのみを振幅調整手段35に出力する。さらに、振幅調整手段35が、振幅ノイズ特性調整手段32からの指示に従って、周波数調整手段34からの各周波数成分の振幅を調整し、振幅ノイズ付加部36に出力する。
【0055】
そして、振幅ノイズ付加部36が、振幅調整手段35からの信号に従って、周波数発生回路13が出力するキャリア信号を振幅変調して振幅ノイズを付加して、振幅調整部14に出力する。
【0056】
ここで、図5は、キャリア信号に振幅ノイズを付加した一例を示した図であり、実線は振幅ノイズを付加後のスペクトラムであり、破線は振幅ノイズを付加前のスペクトラムであり、横軸は周波数で、縦軸は、C/N(Carrier to Noise)比(振幅ノイズの大きさ)である。
【0057】
なお、周波数発生回路13からの信号に振幅ノイズを付加する場合は、スイッチSW5,SW6が、振幅ノイズ付加部36側に接続を切り替える。一方、周波数発生回路13からの信号に振幅ノイズを付加しない場合は、スイッチSW5,SW6が、伝送路L2側に接続を切り替える。
その他の動作は図1に示す装置と同様なので、説明を省略する。
【0058】
続いて、図6は、図4に示す振幅ノイズ生成部31および振幅ノイズ付加部36の詳細な構成を示した図である。図6において、ノイズ発生部33は、ノイズ発生源33a、アンプ33b、ADC33c、FFT演算手段33dを有する。
【0059】
アンプ33bは、ノイズ発生源33aからのノイズ信号が入力される。ADC33cは、アンプ33bで増幅されたノイズ信号が入力される。FFT演算手段33dは、ADC33cで変換されたデジタル信号が入力される。
【0060】
デジタルフィルタ34aは、周波数調整手段34の一例であり、振幅ノイズ特性調整手段32からの指示と、FFT演算手段33dでのフーリエ変換後の結果が入力される。
【0061】
また、振幅ノイズ付加部36は、逆FFT演算手段36a、DAC36b、可変減衰器33cを有する。
【0062】
逆FFT演算手段36aは、振幅調整手段35から信号が入力される。DAC36bは、逆FFT演算手段36aでの逆フーリエ変換後の結果が入力される。可変減衰器33cは、DAC36bの信号に基づいて、スイッチSW5を介して周波数発生回路13から入力された信号を振幅変調してスイッチSW6に出力する。
【0063】
このような装置の動作を説明する。
アンプ33bが、ノイズ発生源33aから出力されたホワイトノイズを所定のゲインで増幅し、ADC33cに出力する。そして、ADC33cが、アナログ信号のホワイトノイズをデジタル信号に変換し、FFT演算手段33dに出力する。さらに、FFT演算手段33dが、デジタル信号をフーリエ変換して、デジタルフィルタ34aに出力する。
【0064】
そして、デジタルフィルタ34aが、振幅ノイズ特性調整手段32の指示に従って、フーリエ変換後のデータ(もちろん、所定の帯域で一様にスペクトルが存在する)を、フィルタリングし、所望の周波数に存在するスペクトルのみを透過する。さらに、振幅調整手段35が、デジタルフィルタ34aのフィルタ後の各周波数のスペクトルのパワーを調整し、逆FFT演算手段36aに出力する。
【0065】
そして、逆FFT演算手段36aが、振幅調整手段35からのデータを逆フーリエ変換し、変換した結果をDAC36bに出力する。さらに、DAC36bが、デジタル信号をアナログ信号に変換し、可変減衰器36cに出力する。そして、可変減衰器36cが、DAC36bの信号に基づいて、周波数発生回路13からのキャリア信号を振幅変調し、スイッチSW6を介して、振幅調整部14に出力する。
【0066】
このように、振幅ノイズ特性調整手段32が、ノイズ設定部30からの設定値となるように、ループ帯域および変調帯域に基づいて振幅変調量を求め、キャリア信号の振幅変調を行なわせるので、定量的な振幅ノイズを付加することができる。これにより、キャリア信号に所望のノイズを付加でき、キャリア信号のスペクトル形状を所望の形状にした周波数信号を出力することができる。従って、被試験対象物のノイズ耐性を精度よく測定することができる。
【0067】
[第3の実施例]
図7は、本発明の第3の実施例を示した構成図である。ここで、図1と同一のものには同一符号を付し、説明を省略する。通常、周波数シンセサイザが出力するキャリア信号は、低ノイズなのでキャリア周波数から十分離れた位置、すなわちノイズフロアと見なせる位置において、キャリア信号の中心周波数のパワーに対しノイズがほとんど無視できる程の低いレベルに抑えれており非常にC/N比が高い。図7は、ノイズフロアにおけるC/N比を所望の値とするものである。
【0068】
図7において、位相ノイズ設定部20の代わりにノイズフロア設定部40が設けられ、位相ノイズ生成部21の代わりにノイズフロア生成部41が設けられ、位相ノイズ付加部の代わりにノイズフロア付加部45が設けられ、スイッチSW3、SW4、伝送路L1の代わりに、スイッチSW7、SW8、伝送路L3が設けられる。
【0069】
ノイズフロア設定部40は、振幅調整部14が出力する信号に含まれるノイズフロアの設定値が設定される。ノイズフロア生成部41は、ノイズフロア特性調整手段42、レベル検出器43、44を有し、ノイズフロア設定部40からの設定値、周波数発生回路13からの信号、振幅調整部14への信号が入力される。
【0070】
ノイズフロア特性調整手段42は、ノイズフロア設定部40からの設定値、レベル検出器43、44の検出結果が入力される。レベル検出器43は、周波数発生回路13からの信号が入力される。レベル検出器44は、振幅調整部14への信号が入力される。
【0071】
そしてノイズフロア付加部45は、可変減衰器46、48、広帯域アンプ47を有し、ノイズフロア特性調整手段42からの信号に基づいて、スイッチSW7を介して入力される周波数発生回路13からの信号のノイズフロアを調整し、スイッチSW8を介して、レベル検出器44、振幅調整部14に出力する。なお、ノイズフロア生成部41は、ノイズ生成部に対応し、ノイズフロア付加部45は、ノイズ付加部に対応する。
【0072】
スイッチSW7、SW8は、ノイズフロアを付加する場合、ノイズフロア付加部45を周波数発生回路13と振幅調整部14とに接続し、ノイズフロアを付加しない場合、伝送路L3を周波数発生回路13と振幅調整部14とに接続する。
【0073】
このような装置の動作を説明する。
ここで、図8は、図7に示す装置における信号のスペクトラムを表した図であり、横軸は周波数で、縦軸はスペクトル強度(パワー)である。図7(a)は、周波数発生回路13の出力であり、図7(b)は、可変減衰器46の出力であり、図7(c)は、広帯域アンプ47の出力であり、図7(d)は、可変減衰器48の出力である。なお、周波数発生回路13からのキャリア信号のパワーレベルをPcとし、図7(d)の黒丸は設定値である。
【0074】
ノイズフロア設定部40に、ノイズフロアの設定値(例えば、キャリア周波数からのオフセット周波数Δf4(キャリア周波数から十分離れ、キャリア信号のスペクトルの影響が無視できる位置)にて−130[dBc/Hz])が設定される。そして、設定された設定値をノイズフロア特性調整手段42に出力する。
【0075】
一方、レベル検出器43が、周波数発生回路13の信号(図8(a)参照)から、キャリア周波数のパワーのレベルと、ノイズフロアのレベルとの比を求め、ノイズフロア特性調整手段42に出力する。そして、ノイズフロア特性調整手段42が、設定値となるように可変減衰器46の減衰率を調整する。これにより、可変減衰器46が、ノイズフロア特性調整手段42の指示により、周波数発生回路13からの信号を減衰する(図8(b)参照)。
【0076】
さらに、広帯域アンプ47が、キャリア信号およびノイズフロア共に増幅し、可変減衰器48に出力する(図8(c)参照)。可変減衰器48が、所定量減衰または減衰せずに広帯域アンプ47からの信号をスイッチSW8を介してレベル検出器44に出力する。
【0077】
そして、レベル検出器44が、スイッチSW8を介して入力される可変減衰器48からの出力によって、キャリア周波数におけるパワーのレベル、このパワーレベルとノイズフロアのレベルとの比を求め、ノイズフロア特性調整手段42に出力する。
【0078】
そして、ノイズフロア特性調整手段42が、周波数発生回路13から出力された信号のパワーPcと、可変減衰器48から出力される信号のパワーが同じレベルとなるように、可変減衰器48の減衰率を調整する。さらに、可変減衰器48が、ノイズフロア特性調整手段42の指示に従って、広帯域アンプ47からの信号を減衰し、スイッチSW8を介して、レベル検出器44、振幅調整部14に出力する(図8(d)参照)。
その他の動作は、図1に示す装置と同様なので説明を省略する。
【0079】
このように、ノイズフロア特性調整手段42が、ノイズ設定部40からの設定値となるように、レベル検出器43、44の検出結果に基づいて、キャリア信号の減衰、増幅を可変減衰器46、48に行なわせるので、ノイズフロアをキャリア信号のパワーレベルに対して、所望のレベルにすることができる。これにより、キャリア信号に所望のノイズを付加でき、キャリア信号のスペクトル形状を所望の形状にした周波数信号を出力することができる。従って、被試験対象物のノイズ耐性を精度よく測定することができる。
【0080】
なお、本発明はこれに限定されるものではなく、以下に示すようなものでもよい。
(1)図1、図4、図7に示す装置において、位相ノイズ、振幅ノイズ、ノイズフロアそれぞれを別々に付加する構成を示したが、必要とする各ノイズを合わせて付加してもよい。例えば、図9に示すように構成してもよい。ここで、図1、図4、図7と同一のものは同一符号を付し、説明を省略する。
【0081】
図9において、位相ノイズを付加する手段20、21、26、SW3、SW4、L1、振幅ノイズを付加する手段30、31、36、SW5、SW6、L2、ノイズフロアを付加する手段40、41、45、SW7、SW8、L3を直列に接続している。もちろん、ノイズを付加する必要が無い場合は、SW3〜SW8が、伝送路L1〜L3を選択する。また、各ノイズを付加する手段を並べる順番は、どのような順番でもよく、2種類だけ設けてもよい。
【0082】
(2)図1、図4、図7に示す本発明を、図13に示した装置に適用する構成を示したが、図14に示す変調回路15〜19が設けられた周波数シンセサイザに適用してもよい。この場合、振幅変調を行なう手段15、18、IQ変調を行なう手段16、19を、キャリア信号にノイズを付加するノイズ付加部26、36、45の後段に設けるとよい。
【0083】
(3)図1、図4、図7に示す装置において、設定部20、30、40が設定する設定値は、何個でもよく、設定値もどのような値でもよい。
【0084】
(4)図1、図4に示す装置において、周波数調整手段24、34の一例として、デジタルフィルタ24a、34aを用いる構成を示したが、アナログフィルタを用いてもよい。この場合、ノイズ発生部33からのホワイトノイズをデジタル化する必要が無いので、ADC23c、33c、FFT演算手段23d、33d、逆FFT演算手段26b、26c、36a、DAC26d、26e、36bを設ける必要は無い。
【0085】
(5)図1に示す装置において、位相ノイズ付加部26が、位相ノイズ生成部21からの信号に基づいて、キャリア信号を位相変調する構成を示したが、例えば、周波数発生回路13を、PLL回路を用いた位相同期ループによって構成する場合、この位相同期ループのループ帯域より低域の位相ノイズを付加する場合は、図10に示す構成としてもよい。ここで、図1、図3と同一のものには同一符号を付し、説明を省略する。図10において、周波数発生回路13は、位相比較器13a、VCO13b、ミキサ13cによって閉ループを構成する。そして、位相比較器13aが、周波数微調整回路11とミキサ13cからの信号の位相を比較し、比較結果によってVCO13bの出力周波数を制御し、VCO13bが、出力をスイッチSW3,ミキサ13cに出力する。そして、ミキサ13cが、VCO13bと周波数粗調整回路12との出力をミキシングして位相比較器13aに出力する。
【0086】
また、位相ノイズ生成部21にデジタルフィルタ(第2の周波数調整手段)27、第2の振幅調整手段28が設けられる。
【0087】
そして、第2の位相ノイズ付加部(ノイズ付加部に対応)である逆FFT演算手段29が設けられ、振幅調整手段28からの位相変調信号源となる信号を逆フーリエ変換し、変換後の信号を周波数微調整回路11に出力する。
【0088】
このような装置の動作を説明する。
このような装置の動作は、図1、図3に示す装置とほぼ同様であるが、異なる動作は、位相ノイズ特性調整手段22が、周波数基準10、周波数微調整回路11、周波数発生回路13のループ帯域、位相ノイズ付加部26の変調帯域に基づいて、位相ノイズ設定部20からの設定値となる位相変調量、すなわち、位相変調する周波数および各周波数の振幅を求め、求めた周波数をフィルタリングするようにデジタルフィルタ24a、27に指示を出し、求めた振幅となるように振幅調整手段25、28に指示を出す。
【0089】
この際、周波数発生回路13のループ帯域よりも高域となる位相ノイズの成分の位相変調量に関しては、デジタルフィルタ24a、振幅調整手段25に指示を出し、低域となる位相ノイズの成分の位相変調量に関しては、デジタルフィルタ27、振幅調整手段28に指示を出す。
【0090】
そして、デジタルフィルタ24a、27のそれぞれが、位相ノイズ特性調整手段22からの指示に従って、ノイズ発生部23からのホワイトノイズのうち、所望の周波数のノイズのみを振幅調整手段25、28出力する。さらに、振幅調整手段25、28のそれぞれが、位相ノイズ特性調整手段22からの指示に従って、デジタルフィルタ24a、27からの各周波数成分の振幅を調整し、位相ノイズ付加部26、逆FFT手段29に出力する。
【0091】
さらに、逆FFT演算手段29が、振幅調整手段28からの信号を逆フーリエ変換し、変換後の信号を周波数微調整回路11に出力する。そして、周波数微調整回路11が、逆FFT演算手段29からの信号に基づいて位相変調を行ない、周波数発生回路13の位相比較器13aに出力する。その他の動作は、図1、図3に示す装置と同様なので説明を省略する。
【0092】
つまり、位相ノイズ付加部26に入力される信号は、振幅調整手段28より高域の成分のみの位相ノイズを調整する信号であり、位相ノイズ付加部26が、周波数発生回路13からのキャリア信号に対して、振幅調整手段25からの信号を位相変調信号源とする位相変調を行ない、位相ノイズを付加する。
【0093】
もちろん、図10に示す装置において、位相ノイズ設定部20に入力される設定値に基づく位相ノイズの帯域が、周波数発生回路13のループ帯域よりも低域のみの設定の場合は、周波数調整手段24、振幅調整手段25、位相ノイズ付加部26、スイッチSW3、SW4、伝送路L1を設けなくともよい。
【0094】
(6)図7に示す装置において、可変減衰器48が、広帯域アンプ47で増幅された信号を減衰する構成を示したが、可変減衰器48を設けずに、広帯域アンプ46の増幅率を可変としてもよい。そして、ノイズフロア特性調整手段42からの指示に従って、広帯域アンプ46が、増幅後のキャリア信号のパワーレベルをPcとなるように可変減衰器46からの信号を調整し、スイッチSW8に出力してもよい。
【0095】
(7)図1、図9、図10に示す装置で位相ノイズを付加する場合、位相ノイズをオープンループで制御する構成を示したが、振幅調整部14の出力をフィードバックして位相ノイズのノイズ量を調整してもよい。図11を用いて説明する。ここで図1と同一のものは同一符号を付し、説明を省略する。もちろん、図11に示すようなフィードバックを行なう構成を図9、図10の装置にも適用してもよい。
【0096】
図11において、位相ノイズ測定部50、信号処理部51、減算器52、積分器53が新たに設けられる。位相ノイズ測定部50は、振幅調整部14から出力される信号の位相ノイズを測定する。信号処理部51は、位相ノイズ測定部50の測定結果が入力される。減算器52は、位相ノイズ設定部20と信号処理部51から信号が入力される。積分器53は、減算器53からの減算結果が入力され、所定の時間積分し、積分結果を位相ノイズ生成部21に出力する。
【0097】
また、伝送路L4は、位相ノイズ設定部20と位相ノイズ生成部21の間に、減算器52、積分器53と並列に設けられる。スイッチSW9は、位相ノイズ設定部20の出力側を、減算器52または伝送路L4の入力側に接続する。スイッチSW10は、位相ノイズ生成部21の入力側を、積分器53または伝送路L4の出力側に接続する。
【0098】
このような装置の動作を説明する。
図1に示す装置と同様にオープンループで位相ノイズを制御する場合から説明する。スイッチSW9、10が伝送路L4側に接続を切り替える。そして、図1に示す装置と同様に、位相ノイズ設定部20が、位相ノイズ生成部21に設定値を出力する。その他の動作は図1に示す装置と同様なので説明を省略する。
【0099】
次に、振幅調整部14の出力をフィードバックして位相ノイズのノイズ量を調整する場合を説明する。
【0100】
スイッチSW9、SW10が減算器52、積分器53側に接続を切り替える。そして、位相ノイズ設定部20が、減算器52に設定値を出力する。さらに、減算器52が、位相ノイズ設定部52と信号処理部51からの値を減算し、積分器53に出力する。
【0101】
積分器53が、所定の時間積分した結果をスイッチSW10を介して位相ノイズ生成部21に出力する。そして、図1に示す装置と同様に、位相ノイズ生成部21が、所定の位相ノイズを生成する。さらに、位相ノイズ付加部26が、位相ノイズ生成部21からの信号に従って周波数発生回路13からのキャリア信号を位相変調して位相ノイズを付加して、振幅調整部14に出力する。そして、振幅調整部14が、所望の出力レベル(振幅)にして出力する。
【0102】
さらに、位相ノイズ測定部50が、振幅調整部14の出力信号の位相ノイズを測定し(位相ノイズの測定としては、例えば、特開2005−308509号公報等参照)、測定結果を信号処理部51に出力する。そして、信号処理部51が、測定結果に所定の演算を行なって減算器52に出力する。これによって、減算器52が、位相ノイズ設定部20からの設定値と、信号処理部51からの測定結果との差を再び求め、再度求めた減算結果を積分器53に出力する。このようなフィードバックを繰り返すことによって、振幅調整部14から出力される信号に付加された位相ノイズと位相ノイズ設定部20との設定値との差が”0”になるように調整される。その他の動作は図1に示す装置と同様なので説明を省略する。
【0103】
このように、位相ノイズ測定部50が、振幅調整部14の出力信号の位相ノイズを測定し、減算器52が、位相ノイズ設定部20からの設定値との差を求め、設定値との誤差を減少させる信号を位相ノイズ生成部21に出力する。これにより、位相ノイズの差が”0”となるように収束される。従って、位相ノイズ設定部20に設定された位相ノイズを精度よくキャリア信号に付加することができる。
【0104】
(8)図4、図6、図9に示す装置で振幅ノイズを付加する場合、振幅ノイズ生成部31の振幅調整手段35からの信号によって、振幅ノイズ付加部36の可変減衰器36cをオープンループ制御する構成を示したが、ノイズ付加部36でノイズを付加した信号をフィードバックして振幅ノイズを調整するクローズループ制御としてもよい。図12を用いて説明する。ここで、図6と同一のものは同一符号を付し、説明を省略する。
【0105】
図12において、DAC36d、加算器36e、減算器36f、積分手段36g、電力分岐手段36h、電力検出手段36iが振幅ノイズ付加部36に設けられる。DAC36dは、基準電圧出力部であり、振幅ノイズ付加部36が出力する振幅レベルの設定値が入力され、この設定値に対応した基準電圧を出力する。加算器36eは、DAC36b、36dからの電圧の信号が入力される。減算器36fは、加算器36fの加算結果(電圧値)、電力検出手段36iの検出結果(電圧値)が入力される。積分器36gは、減算器36fの減算結果が入力され、所定の時間積分し、積分結果を可変減衰器36cに出力する。電力分岐手段36hは、可変減衰器36cによって振幅ノイズが付加された信号を所定の比率で分岐し、一方をスイッチSW6に出力し、他方を電力検出手段36iに出力する。電力分岐手段36hは、例えば、方向性結合器、電力分配器等であり、電力検出手段36iは、例えば、包絡線検波器、ログアンプ等である。
【0106】
このような構成(基準電圧を出力するDAC36d、閉ループ回路(減算器36f、積分器36g、可変減衰器36c、電力分岐手段36h、電力検出手段36i))とすることにより、ノイズ付加部36にALC(Auto Level Control)機能をもたせている。
【0107】
このような装置の動作を説明する。まず、ALC機能の動作から説明する。
DAC36dが、基準電圧を加算器36eを介して減算器36fに出力する。一方、電力分岐手段36hが、可変減衰器36cの出力する信号の一部電力を取り出して電力検出手段36iに出力する。そして、電力検出手段36iが、電力の大きさを検出し、検出した電力の大きさを示す電圧値の信号を生成し、減算器36fに出力する。
【0108】
さらに、減算器36fが、DAC36dからの基準電圧と、電力検出手段36iからの電圧との差分を求め、求めた演算結果、すなわち、基準電圧と検出した電圧との差分を積分手段36gに出力する。そして、積分手段36gが差分に対応する信号を可変減衰器36cに出力する。この信号によって可変減衰器36cが、周波数発生回路13からのキャリア信号を減衰し、電力分岐手段36hに出力する。
【0109】
そして、電力分岐手段36h、電力検出手段36iによって減衰後の電圧値が再び求められる。さらに、減衰器36が、基準電圧と新たに検出した電圧との差分を求め、積分手段36gに出力する。このようにしてフィードバックすることで、DAC36dの基準電圧と振幅ノイズ付加部36の出力信号との差分がなくなるところで可変減衰器36cの出力が収束し、その結果として振幅ノイズ付加部の出力レベルも安定し、設定した出力レベルになる。
【0110】
次に、振幅ノイズを付加する場合を説明する。ALC回路の基準電圧となるDAC36dに出力に、DAC36bからの電圧(振幅ノイズ生成部31に基づいて生成された振幅ノイズ用の信号)を加算器36eが加算し、減算器36fに出力する。加算された以降のALCの閉ループ回路は、このループ応答帯域内においてノイズ付加された基準電圧の信号に追従する。つまり、ALCされつつ、振幅ノイズが付加された信号が振幅ノイズ付加部36から出力される。そして、後段の振幅調整部14が所望のゲインとなるまで増幅する。
【0111】
なお、振幅ノイズ付加部36の可変減衰器36cが、周波数発生回路13からのキャリア信号を振幅変調して振幅調整部14に出力し、振幅調整部14の増幅器14a、可変減衰器14bが、振幅変調された信号を所望の出力レベル(振幅)にして出力しているが、可変減衰器14bを設けず、振幅ノイズ付加部36の可変減衰器36cで可変減衰器14bの分の減衰を行ってもよい。
【0112】
このように、DAC36dの出力を基準電圧とし、加算器36eが、基準電圧にDAC36bの出力を加算し、減算器36fに出力する。そして、減算器36fが、可変減衰器36cの出力と、基準電圧との差を求め、基準電圧との誤差を減少させる信号を可変減衰器36cに出力する。これにより、可変減衰器36cの出力と基準電圧との差が”0”となるように収束される。従って、振幅ノイズ付加部36の振幅が安定する。
【図面の簡単な説明】
【0113】
【図1】本発明の第1の実施例を示した構成図である。
【図2】キャリア信号に位相ノイズを付加した一例を示した図である。
【図3】図1に示す位相ノイズ生成部21および位相ノイズ付加部26の詳細な構成を示した図である。
【図4】本発明の第2の実施例を示した構成図である。
【図5】キャリア信号に振幅ノイズを付加した一例を示した図である。
【図6】図4に示す振幅ノイズ生成部31および振幅ノイズ付加部36の詳細な構成を示した図である。
【図7】本発明の第3の実施例を示した構成図である。
【図8】図7に示す装置における信号のスペクトラムを表した図である。
【図9】本発明の第4の実施例を示した構成図である。
【図10】本発明の第5の実施例を示した構成図である。
【図11】本発明の第6の実施例を示した構成図である。
【図12】本発明の第7の実施例を示した構成図である。
【図13】従来の周波数シンセサイザの構成を示した図である。
【図14】従来の周波数シンセサイザのその他の構成を示した図である。
【符号の説明】
【0114】
21、31、41 ノイズ生成部
22 位相ノイズ特性調整手段
23、33 ノイズ発生部
24、27、34 周波数調整手段
25、28、35 振幅調整手段
26、36、45 ノイズ付加部
26f 位相差生成手段
26g、26h 乗算器
26i、36e 加算器
32 振幅ノイズ特性調整手段
36c、46 可変減衰器
36d DAC
36f、52 減算器
36i 電力検出手段
42 ノイズフロア特性調整手段
43 レベル検出器
50 位相ノイズ測定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所望の周波数の信号を出力する信号発生部を有する周波数シンセサイザにおいて、
設定された設定値となるノイズを生成するノイズ生成部と、
前記信号発生部の信号に、前記ノイズ生成部のノイズを付加するノイズ付加部と
を設けたことを特徴とする周波数シンセサイザ。
【請求項2】
ノイズ生成部は、前記信号発生部のループ帯域に基づいて、前記信号発生部からの信号のスペクトラムを所望の形状にするノイズを生成することを特徴とする請求項1記載の周波数シンセサイザ。
【請求項3】
ノイズ生成部は、位相ノイズ、振幅ノイズ、ノイズフロアの少なくとも一個を生成することを特徴とする請求項1または2記載の周波数シンセサイザ。
【請求項4】
ノイズ生成部は、
ホワイトノイズを出力するノイズ発生部と、
前記信号発生部のループ帯域に基づいて位相変調量を求める位相ノイズ特性調整手段と、
この位相ノイズ特性調整手段の指示に従って、前記ノイズ発生部からのホワイトノイズの周波数特性を調整する周波数調整手段と、
前記位相ノイズ特性調整手段の指示に従って、前記周波数調整手段からの信号の振幅特性を調整する振幅調整手段と
を有することを特徴とする請求項1または2記載の周波数シンセサイザ。
【請求項5】
ノイズ付加部は、直交変調器であることを特徴とする請求項4記載の周波数シンセサイザ。
【請求項6】
前記信号発生部からの信号を90°の位相差をもって分岐する位相差生成手段と、
この位相差生成手段が分岐した信号それぞれに、前記ノイズ生成部からの信号に対応した振幅変調を行なう乗算器と、
この乗算器の出力を加算する加算器と
を有することを特徴とする請求項5記載の周波数シンセサイザ。
【請求項7】
ノイズ生成部は、
ホワイトノイズを出力するノイズ発生部と、
前記信号発生部のループ帯域に基づいて振幅変調量を求める振幅ノイズ特性調整手段と、
この振幅ノイズ特性調整手段の指示に従って、前記ノイズ発生部からのホワイトノイズの周波数特性を調整する周波数調整手段と、
前記振幅ノイズ特性調整手段の指示に従って、前記周波数調整手段からの信号の振幅特性を調整する振幅調整手段と
を有することを特徴とする請求項1または2記載の周波数シンセサイザ。
【請求項8】
ノイズ付加部は、前記信号発生部からの信号に、前記ノイズ生成部からの信号に対応した振幅変調を行なう可変減衰器を有することを特徴とする請求項7記載の周波数シンセサイザ。
【請求項9】
ノイズ付加部は、前記信号発生部からの信号を減衰する可変減衰器を有し、
ノイズ生成部は、
前記信号発生部からの信号の中心周波数のパワーレベルとノイズレベルとの比を求めるレベル検出器と、
レベル検出器の求めた比に基づいて、前記可変減衰器の減衰量を調整するノイズフロア特性調整手段と
を有することを特徴とする請求項1記載の周波数シンセサイザ。
【請求項10】
前記ノイズ付加部によって位相ノイズが付加された信号の位相ノイズを測定する位相ノイズ測定部と、
この位相ノイズ測定部の測定結果によって前記設定値との誤差を減少させる信号を前記ノイズ生成部に出力する減算器と
を設けたことを特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載の周波数シンセサイザ。
【請求項11】
前記可変減衰器によって振幅ノイズが付加された信号の電力を検出し、検出した電力の大きさに対応した電圧値を出力する電力検出手段と、
基準電圧を出力する基準電圧出力部と、
この基準電圧出力部の基準電圧に前記ノイズ生成部からの振幅ノイズを加算する加算器と、
前記電力検出手段の検出結果によって前記加算器からの基準電圧との誤差を減少させる信号を前記可変減衰器に出力する減算器と
を設けたことを特徴とする請求項8記載の周波数シンセサイザ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2007−206053(P2007−206053A)
【公開日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−270825(P2006−270825)
【出願日】平成18年10月2日(2006.10.2)
【出願人】(000006507)横河電機株式会社 (4,443)
【Fターム(参考)】