説明

周波数帯コピー方法、装置及びオーディオ復号化方法、システム

【課題】未符号化の符号化サブバンドに対して周波数スペクトル再建を行う。
【解決手段】周波数帯コピー方法は、(A)MDCT周波数領域係数の中においてオーディオ信号のある音調の所在位置を捜索すること、(B)音調の所在位置により周波数帯コピー周期及びソース周波数範囲を確定し、該周波数帯コピー周期が0周波数点から音調位置までの周波数点の帯域幅であり、該ソース周波数範囲は、0周波数点が後へcopyband_offset個周波数点のオフセットから音調位置の周波数点が後へ前記copyband_offset個周波数点のオフセットまでの周波数領域であり、その中、前記オフセット量copyband_offsetが0より大きいまたは0と等しいであること、(C)周波数帯コピー周期によりゼロビットの符号化サブバンドに対し周波数帯コピーを行うことを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オーディオ復号化技術に関し、特に、未符号化の符号化サブバンドに対して周波数スペクトル再建を行う周波数帯コピー方法、装置及オーディオ復号化方法、システムに関する。
【背景技術】
【0002】
オーディオ符号化技術は、例えば、デジタルオーディオラジオ、インタネットにおける音楽配信及びオーディオ通信などのマルチメディア応用技術の核心であり、これらの応用が極にオーディオエンコーダの圧縮性能の向上恵まれていることになっている。認識オーディオエンコーダがロッシー変換領域符号化の一種類として、現在の主流のオーディオエンコーダになっている。一般には、符号化ビット(encoded bit)レートの制限により、オーディオ符号化の際、部分の周波数領域係数或いは周波数成分が符号化できなくなって、未符号化サブバンドの周波数スペクトル成分をより良好的に回復するために、従来のオーディオコーデックは、常にノイズ充填或いは周波数帯コピーの方法を利用して未符号化サブバンドの周波数スペクトル成分を再建する。G.722.1Cはノイズ充填の方法、HE-AAC-V1は周波数帯コピー技術、G.719はノイズ充填及び簡単な周波数帯コピーの結合の方法を採用する。ノイズ充填を採用する方法は、良好的に未符号化サブバンドの周波数スペクトルエンベロープ及びサブバンドの内の音調、ノイズ成分を回復できない。HE-AAC-V1の周波数帯コピー方法は、符号化前のオーディオ信号に周波数スペクトル分析を行う必要があり、高周波成分の信号に対して音調及びノイズ推定を行い、パラメータを取り出し、さらにオーディオ信号にダウンサンプリングした後、AACエンコーダにより符号化し、その運算の複雑度が高く、且つ比較的に多いパラメータ情報を復号化端に送信する必要があって、多数の符号化ビットを占めると共に、さらに符号化遅延を増加する場合もある。G.719のコピー方案が簡単すぎので、良好的に未符号化サブバンドの周波数スペクトルエンベロープ及びサブバンドの内の音調及びノイズ成分を回復できない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明解決しようとする技術問題はオーディオ符号化/復号化過程において符号化されていない符号化サブバンド(encoding subband)のオーディオ信号の回復問題を良好的に解決するように、周波数帯コピー方法、装置及オーディオ復号化方法、システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
前記の技術問題を解決するために、本発明は周波数帯コピー方法を提供し、
A、MDCT周波数領域係数においてオーディオ信号のある音調の所在の位置を捜索すること、
B、音調の所在位置により周波数帯コピー周期及びソース周波数範囲を確定し、該周波数帯コピー周期が0周波数点から音調位置の周波数点までの帯域幅であり、該ソース周波数範囲は、0周波数点が後へcopyband_offset個の周波数点のオフセットから音調位置の周波数点が後へ前記copyband_offset個の周波数点のオフセットまでの周波数範囲であり、その中、前記オフセット量copyband_offsetが0より大きいまたは0と等しいであること、
C、周波数帯コピー周期によりゼロビットの符号化サブバンドに対し周波数帯コピーを行うことを含む。
【0005】
さらに、
ステップAにおいて、
第1周波数範囲の周波数領域係数に対し絶対値或いは平方値を取得して、平滑化フィルタを行い、
平滑化フィルタの結果によって、第1周波数範囲フィルタ出力値の最大極値の所在の位置を捜索し、該最大極値の所在の位置をある音調の所在の位置とする、
方法を採用して、ある音調の位置を搜索する。
【0006】
さらに、
該第1周波数範囲の周波数領域係数に対して絶対値を取得して、平滑化フィルタを行う計算式が
【0007】
【数1】

【0008】
であり、或いは、該第1周波数範囲の周波数領域係数平方値に対して平滑化フィルタを行う計算式が
【0009】
【数2】

【0010】
であり、そのなか、
【0011】
【数3】

【0012】
が平滑化フィルタ係数であり、
【0013】
【数4】

【0014】
が第iフレームの第k個の周波数点のフィルタ出力値を表し、
【0015】
【数5】

【0016】
が第iフレームの第k個の周波数点の復号化された後のMDCT係数であり、且つi=0の場合、
【0017】
【数6】

【0018】
である。
【0019】
さらに、
前記第1周波数範囲は周波数スペクトルの統計特性によって確定される、エネルギーが比較的に集中する低周波数の周波数範囲であり、その中、低周波数とは、1/2の信号総帯域幅より小さい周波数スペクトル成分である。
【0020】
さらに、
直接に第1周波数範囲が対応する周波数領域係数のフィルタ出力値中から最初の最大値を捜索し、該最大値を第1周波数範囲フィルタ出力値の最大極値とする方法によってフィルタ出力値の最大極値を確定する。
【0021】
さらに、
以下の方法を採用してフィルタ出力値の最大極値を確定し、
該第1周波数範囲のその中の一段を第2周波数範囲とし、第2周波数範囲が対応する周波数領域係数のフィルタ出力値中から最初の最大値を捜索し、該最初の最大値が対応する周波数領域係数の位置によって異なる処理を行い、
a.該最初の最大値が第2周波数範囲の最低周波数の周波数領域係数のフィルタ出力値であると、該第2周波数範囲の最低周波数の周波数領域係数のフィルタ出力値を第1周波数範囲における一つ前のより低い周波数の周波数領域係数のフィルタ出力値と比較して、順次に前へ比較し続け、現在の周波数領域係数のフィルタ出力値が一つ前の周波数領域係数のフィルタ出力値より大きい場合、該現在の周波数領域係数のフィルタ出力値が最終に確定された最大極値であり、或いは、比較しつづけて、第1周波数範囲の最低周波数の周波数領域係数のフィルタ出力値が一つ後の周波数領域係数のフィルタ出力値より大きいことを得た場合、第1周波数範囲の最低周波数の周波数領域係数のフィルタ出力値が最終に確定された最大極値であり、
b.該最初の最大値が第2周波数範囲の最高周波数の周波数領域係数のフィルタ出力値である場合、該第2周波数範囲の最高周波数の周波数領域係数のフィルタ出力値を第1周波数範囲における一つ後のより高い周波数の周波数領域係数のフィルタ出力値と比較して、順次に後へ比較し続け、現在の周波数領域係数のフィルタ出力値が一つ後の周波数領域係数のフィルタ出力値より大きい場合、該現在の周波数領域係数のフィルタ出力値が最終に確定された最大極値であり、或いは、比較しつづけて、第1周波数範囲の最高周波数の周波数領域係数のフィルタ出力値が一つ前の周波数領域係数のフィルタ出力値より大きい場合、第1周波数範囲の最高周波数の周波数領域係数のフィルタ出力値が最終に確定された最大極値であり、
c.該最初の最大値が第2周波数範囲の最低周波数と最高周波数の間の周波数領域係数のフィルタ出力値であると、該最初の最大値が対応する周波数領域係数が音調の所在の位置であり、即ち、該最初の最大値が最終に確定された最大極値である。
【0022】
さらに、
ステップCにおいて、ゼロビットの符号化サブバンドに対して周波数帯コピーする場合、先ず、ソース周波数範囲及び周波数帯コピーを行う必要があるゼロビットの符号化サブバンドの開始シリアルナンバーにより該ゼロビットの符号化サブバンドのソース周波数範囲コピー開始シリアルナンバーを計算し、周波数帯コピー周期を周期として、ソース周波数範囲コピー開始シリアルナンバーからはじめソース周波数範囲の周波数領域係数を周期的にゼロビットの符号化サブバンドにコピーする。
【0023】
さらに、
ステップCにおける該ゼロビットの符号化サブバンドのソース周波数範囲コピー開始シリアルナンバーを計算する方法は、
周波数領域係数を再建する必要があるゼロビットの符号化サブバンドの開始MDCT周波数領域係数の周波数点のシリアルナンバーを得て、fillband_start_freqとし、音調が対応する周波数点のシリアルナンバーをTonal_posとし、周波数帯のコピー周期をcopy_periodとし、その値はTonal_posに1を加えると等しい、周波数帯コピーオフセットをcopyband_offsetとし、fillband_start_freqの値に循環にcopy_periodを減りつづけ、該値がソース周波数範囲のシリアルナンバーの値区間に位置する場合、該値がソース周波数範囲コピー開始シリアルナンバーであり、copy_pos_modとする。
【0024】
さらに、
ステップCにおいて、周波数帯コピー周期を周期として、ソース周波数範囲コピー開始シリアルナンバーからはじめソース周波数範囲の周波数領域係数を周期的にゼロビットの符号化サブバンドにコピーする方法は、
ソース周波数範囲コピー開始シリアルナンバーからはじめとする周波数領域係数を順次に後へfillband_start_freqを開始位置とするゼロビットの符号化サブバンドにコピーしつづけ、ソース周波数範囲コピーの周波数点がTonal_pos+copyband_offset周波数点に達するあと、再び第copyband_offset個の周波数点から開始とする周波数領域係数を続けて後へ該ゼロビットの符号化サブバンドにコピーし、そのように続け、現在のゼロビットの符号化サブバンドのすべての周波数領域係数の周波数帯コピーを完成するまで行うことである。
【0025】
以上の技術問題を解決するため、本発明はまた周波数帯コピー装置を提供し、該装置には、順次に接続する音調位置捜索モジュール、周期及びソース周波数範囲計算モジュール、ソース周波数範囲コピー開始シリアルナンバー計算モジュール及び周波数帯コピーモジュールを含み、その中、
音調位置捜索モジュールは、MDCT周波数領域係数においてオーディオ信号のある音調の所在の位置を捜索するためのものであり、
周期及びソース周波数範囲計算モジュールは、音調の所在位置によりコピーに用いる周波数帯コピー周期及びソース周波数範囲を確定するものでり、該周波数帯コピー周期が0周波数点から音調位置の周波数点までの帯域幅であり、前記ソース周波数範囲 は、0周波数点が後へcopyband_offset個の周波数点のオフセットから音調位置の周波数点が後へ前記copyband_offset個の周波数点のオフセットまでの周波数範囲でああり、
ソース周波数範囲コピー開始シリアルナンバー計算モジュールは、ソース周波数範囲及び周波数帯コピーを行う必要があるゼロビットの符号化サブバンドの開始シリアルナンバーにより該ゼロビットの符号化サブバンドのソース周波数範囲コピー開始シリアルナンバーを計算するためのものであり、
前記周波数帯コピーモジュールは、周波数帯コピー周期を周期とし、ソース周波数範囲コピー開始シリアルナンバーからはじめソース周波数範囲の周波数領域係数を周期的にゼロビットの符号化サブバンドにコピーするためのものである。
【0026】
さらに、
前記音調位置捜索モジュールが音調位置を捜索する方法は、
第1周波数範囲のMDCT周波数領域係数に対して絶対値または平方値を取り得て、平滑化フィルタを行い、
平滑化フィルタの結果により、第1周波数範囲フィルタ出力値の最大極値の所在の位置を捜索し、該最大極値が所在の位置が即ち音調の所在位置、
である。
【0027】
さらに、
前記音調位置捜索モジュールが該第1周波数範囲のMDCT周波数領域係数に対して絶対値を取り得て、平滑化フィルタを行う計算式が
【0028】
【数7】

【0029】
であり、
或いは、該第1周波数範囲の周波数領域係数平方値に対して平滑化フィルタを行う計算が
【0030】
【数8】

【0031】
であり、
そのなか、
【0032】
【数9】

【0033】
が平滑化フィルタ係数であり、
【0034】
【数10】

【0035】
が第iフレームの第k個の周波数点のフィルタ出力値であり、
【0036】
【数11】

【0037】
が第iフレームの第k個の周波数点の復号化後のMDCT係数であり、且つi=0の場合、
【0038】
【数12】

【0039】
である。
【0040】
さらに、
前記第1周波数範囲は、周波数スペクトルの統計特性により確定されたエネルギーが比較的に集中している低周波数の周波数範囲であり、その中、低周波数とは、1/2の信号総帯域幅より小さい周波数スペクトル成分である。
【0041】
さらに、
前記音調位置捜索モジュールは、直接に第1周波数範囲が対応する周波数領域係数のフィルタ出力値から最初の最大値を捜索し、該最大値を第1周波数範囲フィルタ出力値の最大極値とする。
【0042】
さらに、
前記音調位置捜索モジュールは、フィルタ出力値の最大極値を確定する時、該第1周波数範囲の中の一段を第2周波数範囲として、先ず、第2周波数範囲が対応する周波数領域係数のフィルタ出力値から最初の最大値を捜索し、さらに該最初の最大値が対応する周波数領域係数の位置により異なる処理を行い、
a.該最初の最大値が第2周波数範囲の最低周波数の周波数領域係数のフィルタ出力値であると、該第2周波数範囲の最低周波数の周波数領域係数のフィルタ出力値を第1周波数範囲における一つ前のより低い周波数の周波数領域係数のフィルタ出力値と比較して、順次に前へ比較し続け、現在の周波数領域係数のフィルタ出力値が一つ前の周波数領域係数のフィルタ出力値より大きい場合、該現在の周波数領域係数のフィルタ出力値が最終に確定された最大極値であり、或いは、比較しつづけて、第1周波数範囲の最低周波数の周波数領域係数のフィルタ出力値が一つ後の周波数領域係数のフィルタ出力値より大きいことを得る場合、第1周波数範囲の最低周波数の周波数領域係数のフィルタ出力値が最終に確定された最大極値であり、
b.該最初の最大値が第2周波数範囲の最高周波数の周波数領域係数のフィルタ出力値であると、該第2周波数範囲の最高周波数の周波数領域係数のフィルタ出力値を第1周波数範囲における一つ後のより高い周波数の周波数領域係数のフィルタ出力値と比較して、順次に後へ比較し続け、現在の周波数領域係数のフィルタ出力値が一つ後の周波数領域係数のフィルタ出力値より大きい場合、該現在の周波数領域係数のフィルタ出力値が最終に確定された最大極値であり、或いは、比較しつづけて、第1周波数範囲の最高周波数の周波数領域係数のフィルタ出力値が一つ前の周波数領域係数のフィルタ出力値より大きいことを得る場合、第1周波数範囲の最高周波数の周波数領域係数のフィルタ出力値が最終に確定された最大極値であり、
c.該最初の最大値が第2周波数範囲の最低周波数と最高周波数の間の周波数領域係数のフィルタ出力値であると、該最初の最大値が対応する周波数領域係数が音調の所在の位置であり、即ち、該最初の最大値が最終に確定された最大極値である。
【0043】
さらに、
前記ソース周波数範囲コピー開始シリアルナンバー計算モジュールが周波数帯コピーを行う必要があるゼロビットの符号化サブバンドのソース周波数範囲コピー開始シリアルナンバーを計算す過程は、現在に周波数領域係数を再建する必要があるゼロビットの符号化サブバンドの開始周波数点のシリアルナンバーを得て、fillband_start_freqとし、音調が対応する周波数点のシリアルナンバーをTonal_posとし、周波数領域コピー周期をcopy_periodとし、その値はTonal_posに1を加えると等しい、ソース周波数範囲開始シリアルナンバーをcopyband_offsetとし、fillband_start_freqの値を循環にcopy_periodを減りつづけ、該値がソース周波数範囲のシリアルナンバーの値区間に位置するまでにして、該値がソース周波数範囲コピー開始シリアルナンバーであり、copy_pos_modとする。
【0044】
さらに、
周波数帯コピーモジュールが周波数帯コピーを行う場合、ソース周波数範囲コピー開始シリアルナンバーを開始とする周波数領域係数を順次に後へfillband_start_freqを開始位置とするゼロビットの符号化サブバンドにコピーしつづけ、ソース周波数範囲コピーの周波数点がTonal_pos+copyband_offset周波数点に達する後、再び第copyband_offset個の周波数点から開始とする周波数領域係数を続けて後へ該ゼロビットの符号化サブバンドにコピーし、そのように続け、現在のゼロビットの符号化サブバンドのすべての周波数領域係数コピーを完成するまで行うことである。
【0045】
以上の技術問題を解決するため、本発明はオーディオ復号化方法を提供し、該方法には、
A、復号化待ちビットストリームにおける各振幅エンベロープ符号化ビットに対して復号化逆量子化し、各符号化サブバンドの振幅エンベロープを得るステップと、
B、各符号化サブバンドに対してビットを分配し、非ゼロビットの符号化サブバンドに対し復号化と逆量子化を行い、非ゼロビットの符号化サブバンドの周波数領域係数を得るステップと、
C、MDCT周波数領域係数なかにおいてオーディオ信号のある音調の所在の位置を捜索し、0周波数点から音調位置の周波数点までの帯域幅を周波数帯コピー周期として、0周波数点が後へcopyband_offset個の周波数点のオフセットから音調位置の周波数点が後へ前記copyband_offset個の周波数点のオフセットまでの周波数範囲をソース周波数範囲として、ゼロビットの符号化サブバンドを周波数帯コピーし、現在の符号化サブバンドの振幅エンベロープによりコピーして得られる周波数領域係数に対しエネルギー調整を行い、それにノイズ充填を結合して、再建のゼロビットの符号化サブバンドの周波数領域係数を得て、その中の前記オフセット量copyband_offsetが0より大きいまたは0と等しいであるステップと、
D、非ゼロビットの符号化サブバンドの周波数領域係数と再建されたゼロビットの符号化サブバンドの周波数領域係数に対して逆修正離散コサイン変換(IMDCT)を行い、最終のオーディオ信号を得るステップとを含む。
【0046】
さらに、
ステップCにおいて、以下の方法を採用してある音調の位置を捜索し、
第1周波数範囲の周波数領域係数に対し絶対値或いは平方値を取得して、平滑化フィルタを行い、
平滑化フィルタの結果によって、第1周波数範囲フィルタ出力値の最大極値の所在の位置を捜索し、該最大極値の所在の位置をある音調の所在の位置とする。
【0047】
さらに、
該第1周波数範囲の周波数領域係数に対して絶対値を取得して、平滑化フィルタを行う計算式が
【0048】
【数13】

【0049】
であり、
或いは、該第1周波数範囲の周波数領域係数平方値に対して平滑化フィルタを行う計算式が
【0050】
【数14】

【0051】
であり、
そのなか、
【0052】
【数15】

【0053】
が平滑化フィルタ係数であり、
【0054】
【数16】

【0055】
が第iフレームの第k個の周波数点のフィルタ出力値を表し、
【0056】
【数17】

【0057】
が第iフレームの第k個の周波数点の復号化された後のMDCT係数であり、且つi=0の場合、
【0058】
【数18】

【0059】
であるこ。
【0060】
さらに、
前記第1周波数範囲は周波数スペクトルの統計特性によって確定されるエネルギーが比較的に集中する低周波数の周波数範囲であり、その中、低周波数とは、1/2の信号総帯域幅より小さい周波数スペクトル成分である。
【0061】
さらに、
直接に第1周波数範囲が対応する周波数領域係数のフィルタ出力値なかから最初の最大値を捜索し、該最大値を第1周波数範囲フィルタ出力値の最大極値とする方法によってフィルタ出力値の最大極値を確定する。
【0062】
さらに、
以下の方法を採用してフィルタ出力値の最大極値を確定し、
該第1周波数範囲のその中の一段を第2周波数範囲とし、第2周波数範囲が対応する周波数領域係数のフィルタ出力値の中から最初の最大値を捜索し、該最初の最大値が対応する周波数領域係数の位置により異なる処理を行い、
a.該最初の最大値が第2周波数範囲の最低周波数の周波数領域係数のフィルタ出力値であると、該第2周波数範囲の最低周波数の周波数領域係数のフィルタ出力値を第1周波数範囲における一つ前のより低い周波数の周波数領域係数のフィルタ出力値と比較して、順次に前へ比較し続け、現在の周波数領域係数のフィルタ出力値が一つ前の周波数領域係数のフィルタ出力値より大きい場合、該現在の周波数領域係数のフィルタ出力値が最終に確定された最大極値であり、或いは、比較しつづけて、第1周波数範囲の最低周波数の周波数領域係数のフィルタ出力値が一つ後の周波数領域係数のフィルタ出力値より大きいことを得る場合、第1周波数範囲の最低周波数の周波数領域係数のフィルタ出力値が最終に確定された最大極値であり、
b.該最初の最大値が第2周波数範囲の最高周波数の周波数領域係数のフィルタ出力値であると、該第2周波数範囲の最高周波数の周波数領域係数のフィルタ出力値を第1周波数範囲における一つ後のより高い周波数の周波数領域係数のフィルタ出力値と比較して、順次に後へ比較し続け、現在の周波数領域係数のフィルタ出力値が一つ後の周波数領域係数のフィルタ出力値より大きい場合、該現在の周波数領域係数のフィルタ出力値が最終に確定された最大極値であり、或いは、比較しつづけて、第1周波数範囲の最高周波数の周波数領域係数のフィルタ出力値が一つ前の周波数領域係数のフィルタ出力値より大きいことを得る場合、第1周波数範囲の最高周波数の周波数領域係数のフィルタ出力値が最終に確定された最大極値であり、
c.該最初の最大値が第2周波数範囲の最低周波数と最高周波数との間の周波数領域係数のフィルタ出力値であると、該最初の最大値が対応する周波数領域係数が音調の所在の位置であり、即ち、該最初の最大値が最終に確定された最大極値である。
【0063】
さらに、
ステップCにおいて、ゼロビットの符号化サブバンドに対して周波数帯コピーする時、先ず、ソース周波数範囲及び周波数帯コピーを行う必要があるゼロビットの符号化サブバンドの開始シリアルナンバーにより該ゼロビットの符号化サブバンドのソース周波数範囲コピー開始シリアルナンバーを計算し、周波数帯コピー周期を周期とし、ソース周波数範囲コピー開始シリアルナンバーからはじめソース周波数範囲の周波数領域係数をゼロビットの符号化サブバンドに周期的にコピーする。
【0064】
さらに、
ステップCにおいて該ゼロビットの符号化サブバンドのソース周波数範囲コピー開始シリアルナンバーを計算する方法は、
周波数領域係数を再建する必要があるゼロビットの符号化サブバンドの開始MDCT周波数領域係数の周波数点のシリアルナンバーを得て、fillband_start_freqとし、音調が対応する周波数点のシリアルナンバーをTonal_posとし、周波数帯のコピー周期をcopy_periodとし、その値はTonal_posに1を加えると等しい、周波数帯コピーオフセットをcopyband_offsetとし、fillband_start_freqの値に循環にcopy_periodを減りつづけて、該値がソース周波数範囲のシリアルナンバーの値区間に位置する場合、該値がソース周波数範囲コピー開始シリアルナンバーであり、copy_pos_modとする。
【0065】
さらに、
ステップCにおいて、周波数帯コピー周期を周期として、ソース周波数範囲コピー開始シリアルナンバーからはじめソース周波数範囲の周波数領域係数をゼロビットの符号化サブバンドに周期的にコピーする方法は、
ソース周波数範囲コピー開始シリアルナンバーを開始とする周波数領域係数を順次に後へfillband_start_freqを開始位置とするゼロビットの符号化サブバンドにコピーしつづけ、ソース周波数範囲コピーの周波数点がTonal_pos+copyband_offset周波数点に達する後、再び第copyband_offset個の周波数点を開始とする周波数領域係数を後へ続けて該ゼロビットの符号化サブバンドにコピーし、そのように続け、現在のゼロビットの符号化サブバンドのすべての周波数領域係数の周波数帯コピーを完成するまで行うことである。
【0066】
さらに、
以上ような周波数帯コピー方法とノイズ充填を結合する方法を採用してすべてのゼロビットの符号化サブバンドに対して周波数スペクトル再建を行い、或いは、特定の周波数点の以下のゼロビットの符号化サブバンドに対してランダムノイズ充填方法を採用して周波数スペクトル再建を行い、特定の周波数点の以上のゼロビットの符号化サブバンドに対して、周波数領域係数コピーとノイズ充填を結合する方法を採用して周波数スペクトル再建を行う。
【0067】
以上の技術問題を解決するため、本発明はオーディオ復号化システムを提供し、該システムは、ビットストリームデマルチプレクサ(DeMUX)、振幅エンベロープ復号化ユニット、ビット分配ユニット、周波数領域係数復号化ユニット、周波数帯コピーユニット、ノイズ充填ユニット、逆修正離散コサイン変換(IMDCT)ユニットを含み、その中に、
前記DeMUXは、復号化待ちビットストリームの中から振幅エンベロープ符号化ビット、周波数領域係数符号化ビット及びノイズレベル符号化ビットを分離するためのものであり、
前記振幅エンベロープ復号化ユニットは、前記DeMUXと接続し、前記ビットストリームデマルチプレクサが出力した振幅エンベロープ符号化ビットに対して復号化逆量子化を行い、各符号化サブバンドの振幅エンベロープを得るためのものであり、
前記ビット分配ユニットは、前記振幅エンベロープ復号化ユニットと接続し、ビットの分配を行い、各符号化サブバンドにおける各の周波数領域係数に分配された符号化ビット数を得るためのものであり、
周波数領域係数復号化ユニットは、振幅エンベロープ復号化ユニット及びビット分配ユニットと接続し、符号化サブバンドに対して復号化、逆量子化及び逆正規化を行い、周波数領域係数を得るためのものであり、
前記周波数帯コピーユニットは、前記DeMUX、周波数領域係数復号化ユニット、振幅エンベロープ復号化ユニット及びビット分配ユニットと接続し、MDCT周波数領域係数においてオーディオ信号のある音調の所在の位置を捜索し、0周波数点から音調位置の周波数点までの帯域幅を周波数帯コピー周期として、0周波数点が後へcopyband_offset個の周波数点のオフセットから音調位置の周波数点が後へ前記copyband_offset個の周波数点のオフセットまでの周波数範囲をソース周波数範囲として、ゼロビットの符号化サブバンドに対し周波数帯コピーを行い、その中、前記オフセット量copyband_offsetが0より大きいまたは0と等しいであるためのもので、さらに、現在の符号化サブバンドの振幅エンベロープによりコピーして得られる周波数領域係数に対してエネルギー調整を行うためのものであり、
ノイズ充填ユニットは、振幅エンベロープ復号化ユニット、ビット分配ユニット及び周波数帯コピーユニットと接続し、現在のゼロビットの符号化サブバンドの振幅エンベロープにより該符号化サブバンドにノイズを填充し、再建するゼロビットの符号化サブバンドの周波数領域係数を得るためのものであり、
IMDCTユニットは、前記ノイズ充填ユニットと接続し、ノイズ充填した後の周波数領域係数に対してIMDCTを行い、オーディオ信号を得るためのものである。
【0068】
さらに、
前記周波数帯コピーユニットは、順次に接続する音調位置捜索モジュール、周期及びソース周波数範囲計算モジュール、ソース周波数範囲コピー開始シリアルナンバー計算モジュール及び周波数帯コピーモジュールを含み、その中に、
音調位置捜索モジュールは、MDCT周波数領域係数なかからオーディオ信号のある音調の所在位置を捜索するためのものであり、
周期及びソース周波数範囲計算モジュールは、音調の所在位置によりコピーに用いる周波数帯コピー周期及びソース周波数範囲を確定するためのもので、該周波数帯コピー周期は0周波数点から音調位置までの周波数点の帯域幅であり、前記ソース周波数範囲は、0周波数点が後へcopyband_offset個の周波数点のオフセットから音調位置の周波数点が後へ前記copyband_offset個の周波数点のオフセットまでの周波数範囲であり、
ソース周波数範囲コピー開始シリアルナンバー計算モジュールは、ソース周波数範囲及び周波数帯コピーを行う必要があるゼロビットの符号化サブバンドの開始シリアルナンバーにより該ゼロビットの符号化サブバンドのソース周波数範囲コピー開始シリアルナンバーを計算するためのものであり、
前記周波数帯コピーモジュールは、周波数帯コピー周期を周期とし、ソース周波数範囲コピー開始シリアルナンバーからはじめソース周波数範囲の周波数領域係数をゼロビットの符号化サブバンドに周期的にコピーするためのものであることを特徴とする請求項28に記載のシステム。
【0069】
さらに、
前記音調捜索モジュールは、
第1周波数範囲のMDCT周波数領域係数に対して絶対値または平方値を取り得て、平滑化フィルタを行い、
平滑化フィルタの結果により、第1周波数範囲フィルタ出力値の最大極値の所在の位置を捜索し、該最大極値が所在している位置が、即ち、音調の所在位置である、
方法を採用して音調の所在位置を捜索する。
【0070】
さらに、
前記音調捜索モジュールが該第1周波数範囲のMDCT周波数領域係数に対して絶対値を取り得て、平滑化フィルタを行う計算式が
【0071】
【数19】

【0072】
であり、
或いは、該第1周波数範囲の周波数領域係数平方値に対して平滑化フィルタの計算が
【0073】
【数20】

【0074】
であり、
そのなか、
【0075】
【数21】

【0076】
が平滑化フィルタ係数であり、
【0077】
【数22】

【0078】
が第iフレームの第k個の周波数点のフィルタ出力値であり、
【0079】
【数23】

【0080】
が第iフレームの第k個の周波数点の復号化後のMDCT係数であり、且つi=0の場合、
【0081】
【数24】

【0082】
である。
【0083】
さらに、
前記第1周波数範囲は、周波数スペクトルの統計特性により確定されたエネルギーが比較的に集中している低周波数の周波数範囲であり、その中、低周波数とは、1/2の信号総帯域幅より小さい周波数スペクトル成分である。
【0084】
さらに、
前記音調捜索モジュールは、直接に第1周波数範囲が対応する周波数領域係数のフィルタ出力値なかから最初の最大値を捜索し、該最大値を第1周波数範囲フィルタ出力値の最大極値とする。
【0085】
さらに、
前記音調捜索モジュールは、フィルタ出力値の最大極値を確定すると、該第1周波数範囲のその中の一段を第2周波数範囲として、先ず、第2周波数範囲が対応する周波数領域係数のフィルタ出力値なかから最初の最大値を捜索し、そして該最初の最大値に対応する周波数領域係数の位置により異なる処理を行い、
a.該最初の最大値が第2周波数範囲の最低周波数の周波数領域係数のフィルタ出力値であると、該第2周波数範囲の最低周波数の周波数領域係数のフィルタ出力値を第1周波数範囲における一つ前のより低い周波数の周波数領域係数のフィルタ出力値と比較して、順次に前へ比較し続け、現在の周波数領域係数のフィルタ出力値が一つ前の周波数領域係数のフィルタ出力値より大きい場合、該現在の周波数領域係数のフィルタ出力値が最終に確定された最大極値であり、或いは、比較しつづけて、第1周波数範囲の最低周波数の周波数領域係数のフィルタ出力値が一つ後の周波数領域係数のフィルタ出力値より大きいことを得る場合、第1周波数範囲の最低周波数の周波数領域係数のフィルタ出力値が最終に確定された最大極値であり、
b.該最初の最大値が第2周波数範囲の最高周波数の周波数領域係数のフィルタ出力値であると、該第2周波数範囲の最高周波数の周波数領域係数のフィルタ出力値を第1周波数範囲における一つ後のより高い周波数の周波数領域係数のフィルタ出力値と比較して、順次に後へ比較し続け、現在の周波数領域係数のフィルタ出力値が一つ後の周波数領域係数のフィルタ出力値より大きい場合、該現在の周波数領域係数のフィルタ出力値が最終に確定された最大極値であり、或いは、比較しつづけて、第1周波数範囲の最高周波数の周波数領域係数のフィルタ出力値が一つ前のの周波数領域係数のフィルタ出力値より大きいことを得る場合、第1周波数範囲の最高周波数の周波数領域係数のフィルタ出力値が最終に確定された最大極値であり、
c.該最初の最大値が第2周波数範囲の最低周波数と最高周波数の間の周波数領域係数のフィルタ出力値であると、該最初の最大値が対応する周波数領域係数が音調の所在の位置であり、即ち、該最初の最大値が最終に確定された最大極値である。
【0086】
さらに、
前記ソース周波数範囲コピー開始シリアルナンバー計算モジュールが周波数帯コピーを行う必要があるゼロビットの符号化サブバンドのソース周波数範囲コピー開始シリアルナンバーを計算する過程は、現在に周波数領域係数を再建することが必要があるゼロビットの符号化サブバンドの開始周波数点のシリアルナンバーを得て、fillband_start_freqとし、音調が対応する周波数点のシリアルナンバーをTonal_posとし、周波数帯のコピー周期をcopy_periodとし、その値はTonal_posに1を加えることであり、ソース周波数範囲開始シリアルナンバーをcopyband_offsetとし、fillband_start_freqの値に循環にcopy_periodを減って、該値がソース周波数範囲のシリアルナンバーの値区間に位置するまでにして、該値がソース周波数範囲コピー開始シリアルナンバーであり、copy_pos_modであることを含む。
【0087】
さらに、
周波数帯コピーモジュールが周波数帯コピーを行う場合、ソース周波数範囲コピー開始シリアルナンバーを開始とする周波数領域係数を順次に後へfillband_start_freqを開始位置とするゼロビットの符号化サブバンドにコピーしつづけて、ソース周波数範囲コピーの周波数点がTonal_pos+copyband_offset周波数点に達するまでにして、その後再び第copyband_offset個の周波数点を開始とする周波数領域係数を続けて後へ該ゼロビットの符号化サブバンドにコピーし、そのように続け、現在のゼロビットの符号化サブバンドのすべての周波数領域係数コピーを完成するまで行うことである。
【0088】
さらに、
前記周波数帯コピーユニットが採用する周波数領域係数コピーとノイズ充填ユニットのノイズ充填結合の方法は、すべてのゼロビットの符号化サブバンドのために周波数スペクトル再建を行い、或いは、前記ノイズ充填ユニットが特定周波数点以下のゼロビットの符号化サブバンドに対してランダムノイズ充填方法を採用して周波数スペクトル再建を行い、周波数帯コピーユニットが採用する周波数領域係数コピーとノイズ充填ユニットノイズ充填結合の方法は特定周波数点以上のゼロビットの符号化サブバンドに対し周波数スペクトル再建を行うことを特徴とする請求項28に記載のシステム。
【発明の効果】
【0089】
本発明は、オーディオ符号化/復号化システムの復号化端で復号化した後得られるMDCT周波数領域係数からオーディオ信号のある音調の所在の位置を捜索し、さらに該音調の所在位置により周波数領域コピー周期を確定し、さらに、該周波数領域コピー周期により周波数帯コピーを行い、エネルギーレベル調整及びノイズ充填に結合して未符号化符号化サブバンドに対し周波数領域係数の再建を行い、その中、ノイズ充填及び周波数帯コピーのエネルギーレベルが未符号化サブバンドの周波数スペクトルエンベロープ値により制御する。該方法は、より良好的に未符号化符号化サブバンドの周波数スペクトルエンベロープ及び内部の音調情報を回復でき、良好的な主観的な聞く効果を得る。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】図1は、本発明の周波数帯コピー方法の模式図である。
【図2】図2は、本発明のオーディオ復号化方法の模式図である。
【図3】図3は、本発明の周波数帯コピー装置のモジュール構造の模式図である。
【図4】図4は、本発明のオーディオ復号化システムの構造の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0091】
本発明の主旨は、オーディオ符号化/復号化システムの復号化端で復号化した後得られるMDCT周波数領域係数中においてオーディオ信号のある音調の所在の位置を捜索し、さらに該音調の所在位置により周波数領域コピー周期を確定し、さらに、該周波数領域コピー周期により周波数帯コピーを行い、エネルギーレベル調整及びノイズ充填に結合して未符号化の符号化サブバンドに対し周波数領域係数の再建を行い、その中、ノイズ充填及び周波数帯コピーのエネルギーレベルが未符号化のサブバンドの周波数スペクトルエンベロープ値により制御する。該方法は、良好的に未符号化の符号化サブバンドの周波数スペクトルエンベロープ及び内部の音調信息を回復でき、良好的な主観的な聞く効果を得ることができる。
【0092】
本発明に言及された周波数領域係数とは、MDCT周波数領域係数である。
【0093】
図1のように、本発明の周波数帯コピー方法は以下のステップを含み、
101:MDCT周波数領域係数においてオーディオ信号のある音調の所在位置を捜索すること、
本発明の好ましい音調の所在位置を捜索する方法は、MDCT周波数領域係数を平滑化フィルタすることで、以下のステップを含み、
a1、低周波数のある特定周波数範囲のMDCT周波数領域係数に対し絶対値或は平方値を取り、平滑化フィルタを行い、
ここでいう特定の周波数範囲は週波数スペクトルの統計特性によって確定されたエネルギーが比較的に集中する低周波数の周波数範囲でもよく、第1周波数範囲と言われる。ここの低周波数とは、1/2の信号総帯域幅より小さい周波数スペクトル成分である。
【0094】
ここで言うMDCT周波数領域係数とは、オーディオ符号化/復号化システムの復号化端の復号化した後得られるMDCT周波数領域係数であり、周波数により低から高まで配列し、第一個の周波数点のシリアルナンバーを0とし、後続の周波数点を周波数の順序シリアルナンバーにより順次に1を加える。
【0095】
該第1周波数範囲の周波数領域係数に対し絶対値を取り得て、平滑化フィルタを行なう計算式が以下のようであり、
【0096】
【数25】

【0097】
或いは、該第1周波数範囲の周波数領域係数平方値を平滑化フィルタを行なう計算式が以下のようであり、
【0098】
【数26】

【0099】
そのなか、
【0100】
【数27】

【0101】
は平滑化フィルタ係数であり、その値の範囲が(0、1)であり、その値が0.125を取ってもよく、
【0102】
【数28】

【0103】
は第iフレームの第k個の周波数点のフィルタ出力値を表し、
【0104】
【数29】

【0105】
は第iフレームの第k個の周波数点の復号化した後のMDCT係数であり、且つ、i=0の場合、
【0106】
【数30】

【0107】
である。
【0108】
a2、平滑化フィルタの結果によって、フィルタ出力値の最大極値の所在位置を捜索し、該最大極値の所在位置を音調の所在位置とする。
【0109】
本発明によるオーディオ信号の音調とは、オーディオ信号の基音或は基音のある倍音を意味している。
【0110】
第1周波数範囲フィルタ出力値の最大極値の所在位置を捜索する方法は、以下のような2種類があり、
(1)直接に第1周波数範囲が対応する周波数領域係数のフィルタ出力値中から最初の最大値を捜索し、該最大値を第1周波数範囲フィルタ出力値の最大極値として、対応の周波数点のシリアルナンバーを最大極値(即ち音調)の位置とし、
(2)最大極値を捜索する際に、該第1周波数範囲のある一段を第2周波数範囲として、第2周波数範囲が対応する周波数領域係数のフィルタ出力値中から最初の最大値を捜索し、該最初の最大値を第1周波数範囲フィルタ出力値の最大極値として、対応の周波数点のシリアルナンバーを最大極値(即ち音調)の位置とする。
【0111】
第2周波数範囲の起点位置は第1周波数範囲の起点より大きい必要があり、第2周波数範囲の終点位置は第1周波数範囲の終点より小さい必要があり、好ましくは、第1周波数範囲と第2周波数範囲における周波数係数の数は8より小さくない。
【0112】
捜索した最初の最大値が対応する周波数領域係数はオーディオ信号の音調の所在位置ではないことを防止するために、音調位置捜索を行なう際に、先ず、該第2周波数範囲のフィルタ出力値中から最初の最大値を捜索し、該最初の最大値が対応する周波数領域係数の位置により異なる処理を行い、
(a)該最初の最大値が第2周波数範囲の最低周波数の周波数領域係数のフィルタ出力値であると、該第2周波数範囲の最低周波数の周波数領域係数のフィルタ出力値を第1周波数範囲における一つ前のより低い周波数の周波数領域係数のフィルタ出力値と比較して、順次に前へ比較し続け、現在の周波数領域係数のフィルタ出力値がひとつ前の周波数領域係数のフィルタ出力値より大きい場合、該現在の周波数領域係数が音調の所在位置であることと考えられ、即ち、該現在の周波数領域係数のフィルタ出力値が最終に確定された最大極値であり、或いは、比較しつづけて、第1周波数範囲の最低周波数の周波数領域係数のフィルタ出力値が一つ後の周波数領域係数のフィルタ出力値より大きい場合、第1周波数範囲の最低周波数の周波数領域係数が音調の所在位置であることと考えられ、即ち、第1周波数範囲の最低周波数の周波数領域係数のフィルタ出力値が最終に確定された最大極値であり、
(b)該最初の最大値が第2周波数範囲の最高周波数の周波数領域係数のフィルタ出力値であると、該第2周波数範囲の最高周波数の周波数領域係数のフィルタ出力値を第1周波数範囲における一つ後のより高い周波数の周波数領域係数のフィルタ出力値と比較して、順次に後へ比較し続け、現在の周波数領域係数のフィルタ出力値が一つ後の周波数領域係数のフィルタ出力値より大きい場合、現在の周波数領域係数が音調の所在位置であることと考えられ、即ち、該現在の周波数領域係数のフィルタ出力値が最終に確定された最大極値であり、或いは、比較しつづけて、第1周波数範囲の最高周波数の周波数領域係数のフィルタ出力値が一つ前の周波数領域係数のフィルタ出力値より大きい場合、第1周波数範囲の最高周波数の周波数領域係数が音調の所在の位置であることと考えられ、即ち、第1周波数範囲の最高周波数の周波数領域係数のフィルタ出力値が最終に確定された最大極値であり、
(c)該最初の最大値が第2周波数範囲の最低周波数と最高周波数との間の周波数領域係数のフィルタ出力値であると、該最初の最大値が対応する周波数領域係数が音調の所在の位置であり、即ち、該最初の最大値が最終に確定された最大極値である。
【0113】
以下、第1周波数範囲の周波数領域係数が第24個から第64個までのMDCT周波数領域係数であり、第2周波数範囲の周波数領域係数が第33個から第56個までのMDCT周波数領域係数であることを例をとして、オーディオ信号位置を確定する方法を説明し、
第33から第56個までのMDCT周波数領域係数のフィルタ出力値中からその最大値を捜索し、最大値が第33個の周波数領域係数に対応すると、第32個の周波数領域係数の検波出力結果が第33個の周波数領域係数より大きいか否かを判断し、YESと、順次に前へ比較し続け、第31個の周波数領域係数の検波出力結果が第32個の周波数領域係数より大きいか否かを判断し、このような方法に従って、順次に前へ比較し続け、現在の周波数領域係数のフィルタ出力値が一つ前のものより大きい場合、或は、捜索しつづけて、第24個の周波数領域係数のフィルタ出力値が第25個の周波数領域係数のフィルタ出力値より大きい場合ことを、現在の周波数領域係数或は第24個の周波数領域係数が音調の位置であり、
最大値が56であると、類似の方法によって、順次に後へ捜索しつづけて、現在の周波数領域係数のフィルタ出力値が一つ後のものより大きい場合、該現在の周波数領域係数が音調の位置であり、或は、捜索しつづけて、第64個の周波数領域係数のフィルタ出力値を見付け、且つその値は第63個の周波数領域係数のフィルタ出力値より大きい場合、該第64個の周波数領域係数が音調の位置であり、
最大値が33〜56の間にあると、該最大値が対応する周波数領域係数が音調の位置である。
【0114】
該位置の値をTonal_posとし、即ち、最大極値が対応する周波数点のシリアルナンバーである。
【0115】
102:音調の所在位置により周波数帯コピー周期を確定し、該周波数帯コピー周期は、0周波数点から音調位置の周波数点までの帯域幅であり、
周波数帯のコピー周期をcopy_periodとし、copy_periodがTonal_posに1を加えることである。
【0116】
103:0周波数点が後へcopyband_offset個の周波数点のオフセットから音調位置の周波数点が後へ前記copyband_offset個の周波数点のオフセットまでの周波数範囲をソース周波数範囲とし、ゼロビットの符号化サブバンドに対し周波数帯コピーを行なう。
【0117】
本発明で言うゼロビットの符号化サブバンドとは、ゼロビットを分配された符号化サブバンドであり、未符号化の符号化サブバンドとも言う。
【0118】
即ち、ソース周波数範囲の周波数点の起始シリアルナンバーがcopyband_offsetであり、終了シリアルナンバーがcopyband_offset+Tonal_posである。
【0119】
本発明において、周波数帯コピーオフセット(copyband_offsetとし)の値が予め設定され、copyband_offset≧0であり、予め設定されたcopyband_offset=0である場合、ソース周波数範囲が、即ち、0周波数点から音調位置までの周波数点の周波数範囲であり、コピー周波数帯の周波数スペクトルホッピングを低下するために、copyband_offsetをゼロより大きく設定すると、ソース周波数範囲は、0周波数点が後へ1つの小範囲をオフセットする周波数点から最大極値の所在位置の周波数点が後へ1つの同様な小範囲をオフセットする周波数点までのMDCT周波数領域係数であり、ある周波数点の以上のゼロビットの符号化サブバンドに対する周波数スペクトル充填はいずれもソース周波数範囲中からコピーし、
周波数帯コピーを行なう際に、先ず、ソース周波数範囲と周波数帯コピーを行なう必要があるゼロビットの符号化サブバンドの開始シリアルナンバーにより該ゼロビットの符号化サブバンドのソース周波数範囲コピー開始シリアルナンバーを計算し、次に、周波数帯コピー周期を周期とし、ソース周波数範囲コピー開始シリアルナンバーからソース周波数範囲の周波数領域係を数周期的にゼロビットの符号化サブバンドにコピーする。
【0120】
ソース周波数範囲コピー開始シリアルナンバーを確定する方法は、
まず、コピーする必要があるの第1個のゼロビットの符号化サブバンドから初め、周波数領域係数を再建する必要があるゼロビットの符号化サブバンドの開始MDCT周波数領域係数の周波数点のシリアルナンバーを取得して、fillband_start_freqとし、 音調が対応する周波数点のシリアルナンバーをTonal_posとし、Tonal_posに1を加えてコピー周期をcopy_periodを得る。周波数帯コピーオフセットをcopyband_offsetとし、fillband_start_freqの値を循環にcopy_periodを減りつづけ、その値がソース周波数範囲のシリアルナンバーの値区間に位置する場合、該値がソース周波数範囲コピー開始シリアルナンバーであり、copy_pos_modとする。
【0121】
ソース周波数範囲コピー開始シリアルナンバーcopy_pos_modは以下の擬似コード計算方法によって得られ、
copy_pos_mod = fillband_start_freqとし、
copy_pos_modが(Tonal_pos+copyband_offset)より大きいと
{
copy_pos_mod = copy_pos_mod - copy_period;
}
計算を完成した後、copy_pos_modがソース周波数範囲コピー開始シリアルナンバーである。
【0122】
コピーする際に、ソース周波数範囲コピー開始シリアルナンバーで開始とする周波数領域係数を順次に後へfillband_start_freqを開始位置とするゼロビットの符号化サブバンドにコピーし、ソース周波数範囲コピーした周波数点がTonal_pos+copyband_offset周波数点に到達してから、再び第copyband_offset個の周波数点から始める周波数領域係数を順次に後へ該ゼロビットの符号化サブバンドにコピーし、そのように続け、現在のゼロビットの符号化サブバンドのすべての周波数領域係数の周波数帯コピーを完成するまで行う。
【0123】
周波数帯コピーオフセットcopyband_ offsetを10とする際に、copy_pos_modから始める周波数帯を周波数低から高までによって配列してfillband_start_freqを開始位置とするゼロビットの符号化サブバンドにコピーしつづけて、Tonal_pos+10周波数点に到達する後、再び第10個の周波数領域係数からコピーし始め、そのように続け、該ゼロビットの符号化サブバンドのすべての信号がいずれも10からTonal_pos+10周波数領域係数中からコピーし、周波数点10からTonal_pos+10までの周波数領域係数は周波数帯コピーのソース周波数範囲である。
【0124】
本発明の周波数帯コピー方法を採用し、すべてのゼロビットの符号化サブバンドのために周波数スペクトルのコピーができ、特定の周波数点以下のゼロビットの符号化サブバンドに対しランダムノイズ充填方法を採用して周波数スペクトル再建を行ってもよく、特定の周波数点以上のゼロビットの符号化サブバンドに対して、周波数領域係数コピーにノイズ充填を結合する方法を採用して周波数スペクトル再建を行う。
【0125】
図2は、本発明による実施例のオーディオ復号化方法の構造模式図である。図4のように、該方法は、以下のステップを含み、
201:復号化待ちビットストリームにおける各振幅エンベロープ符号化ビットに対し復号化逆量子化し、各符号化サブバンドの振幅エンベロープを得るステップ、
符号化端から送信した符号化ビットストリームの中に(即ちビットストリームデマルチプレクサDeMUXから)1フレームの符号化ビットを取り出し、符号化ビットを取り出した後、該フレームの中の各振幅エンベロープ符号化ビットを復号化して、各符号化サブバンドの振幅エンベロープ量子化指数Thq(j)、j=0,…,L−1を得る。振幅エンベロープ量子化指数に逆量子化して振幅エンベロープrms(r) ,r=0,…,L−1を得る。
【0126】
202:各符号化サブバンドに対しビットを分配するステップ、
各符号化サブバンドの振幅エンベロープ量子化指数によって各符号化サブバンドの重要性最初値を算出し、符号化サブバンド重要性を利用して各符号化サブバンドに対しビットを分配し、符号化サブバンドのビット分配数を得て、復号化端のビット分配方法と符号化端のビット分配方法は完全に同様である。ビットを分配する過程に、ビット分配歩幅及びビットを分配した後符号化サブバンド重要性が低下した歩幅は変化している。
【0127】
203:符号化サブバンドビット分配数により各非ゼロビットの符号化サブバンドに対し逆量子化し復号化して非ゼロビットの符号化サブバンドのMDCT周波数領域係数を得るステップ、
204:MDCT周波数領域係数においてオーディオ信号のある音調の所在の位置を捜索し、0周波数点から音調位置の周波数点までの帯域幅を周波数帯コピー周期として、且つ0周波数点が後へcopyband_offset個周波数点のオフセットから音調位置の周波数点が後へ前記copyband_offset個周波数点のオフセットまでの周波数範囲をソース周波数範囲として、ゼロビットの符号化サブバンドに対し周波数帯コピーするステップ、該ステップの詳しい過程は周波数帯コピー方法を参考して、ここで省略する、
205:現在の符号化サブバンドの振幅エンベロープによりコピーして得る周波数領域係数に対しエネルギー調整を行い、さらにノイズ充填を結合して、再建のゼロビットの符号化サブバンドの周波数領域係数を得るステップ、
符号化端から送信したノイズレベル符号化ビットにより、各のゼロビットの符号化サブバンド内部のコピーして得られる周波数領域係数に対してエネルギー調整を行い、
ゼロビットの符号化サブバンドrがコピーして得られる周波数領域係数の振幅エンベロープを計算して、
【0128】
【数31】

【0129】
とする。
【0130】
周波数領域係数に対してエネルギー調整を行う一般式が
【0131】
【数32】

【0132】
であり、
そのなか、
【0133】
【数33】

【0134】
はゼロビットの符号化サブバンドrのエネルギー調整された後の周波数領域係数を表し、
【0135】
【数34】

【0136】
はゼロビットの符号化サブバンドrのコピーして得られた周波数領域係数を表し、
【0137】
【数35】

【0138】
はゼロビットの符号化サブバンドrのコピーして得られた周波数領域係数
【0139】
【数36】

【0140】
の振幅エンベロープ(二乗平均平方根とも言う)であり、rms(r)はゼロビットの符号化サブバンドrの符号化された前の周波数領域係数の振幅エンベロープであり、
【0141】
【数37】

【0142】
は、ゼロビットの符号化サブバンドrの周波数帯コピーのエネルギーゲイン制御比例因子であり、その値範囲が(0,2)である。実際の聞く感じにより、各のサブバンドに対して同じ或いは異なる係数値を採用してもよい。
【0143】
周波数領域係数をコピーするエネルギー調整を完成してから、エネルギー調整した後の周波数領域係数にホワイトノイズを重ね合せ、最後の再建周波数領域係数
【0144】
【数38】

【0145】
を形成し、
【0146】
【数39】

【0147】
そのなか、
【0148】
【数40】

【0149】
はゼロビットの符号化サブバンドrの再建した周波数領域係数を表し、
【0150】
【数41】

【0151】
はゼロビットの符号化サブバンドrのエネルギー調整した後の周波数領域係数を表し、rms(r) はゼロビットの符号化サブバンドrの符号化前の周波数領域係数の振幅エンベロープであり、
【0152】
【数42】

【0153】
はランダム位相生成器により生成したランダム位相値であり、それはランダム戻り値+1または-1を生成し、
【0154】
【数43】

【0155】
はゼロビットの符号化サブバンドrのノイズレベル制御比例因子であり、その値範囲が(0,2)である。実際の聞く感じにより、各のサブバンドに対して同じ或いは異なる係数値を採用してもよい。
【0156】
最高周波数が搜索された音調の周波数より小さいゼロビットの符号化サブバンドの周波数領域係数に対してノイズ充填の方法を採用して再建を行う。
【0157】
本発明の周波数帯コピー方法を採用して、すべてのゼロビットの符号化サブバンドに対し周波数スペクトル再建を行ってもよく、特定の周波数点の以下のゼロビットの符号化サブバンドに対してランダムノイズ充填方法を採用して周波数スペクトル再建を行ってもよく、特定の周波数点の以上のゼロビットの符号化サブバンドに対して、周波数領域係数コピーにノイズ充填に結合する方法を採用して周波数スペクトル再建を行ってもよい。
【0158】
206:非ゼロビットの符号化サブバンドの周波数領域係数及び再建されたゼロビットの符号化サブバンドの周波数領域係数に対してIMDCT(Inverse Modified Discrete Cosine Transform,逆修正離散コサイン変換)を行い、最終のオーディオ輸出信号を得るステップ。
【0159】
以上の周波数帯コピー方法を実現するために、本発明はさらに周波数帯コピー装置を提供し、図3に示すように、前記周波数帯コピーユニットは、順次に接続する音調位置捜索モジュール、周期及びソース周波数範囲計算モジュール、ソース周波数範囲コピー開始シリアルナンバー計算モジュール、及び周波数帯コピーモジュールを含み、その中で、
音調位置捜索モジュールは、MDCT周波数領域係数においてオーディオ信号のある音調の所在位置を捜索するためのものであり、具体的に、第1周波数範囲のMDCT周波数領域係数に対し絶対値または平方値を取り得て、平滑化フィルタを行い、平滑化フィルタの結果によって、第1周波数範囲フィルタ出力値の最大極値の所在位置を捜索し、該最大極値の所在位置は、即ち音調所在位置である。
【0160】
周期及びソース周波数範囲計算モジュールは、音調の所在位置によりコピーに用いる周波数帯コピー周期及びソース周波数範囲を確定するためのもので、該周波数帯コピー周期が0周波数点から音調位置の周波数点までの帯域幅であり、前記ソース周波数範囲は、0周波数点が後へcopyband_offset個の周波数点のオフセットから音調位置の周波数点が後へ前記copyband_offset個の周波数点のオフセットまでの周波数領域である。
【0161】
音調位置の周波数点のシリアルナンバーをTonal_posとすると、周波数帯コピーオフセットを予め設定し、copyband_offsetとする場合、ソース周波数範囲の周波数領域係数の開始シリアルナンバーはcopyband_offset、終了シリアルナンバーはcopyband_offset+Tonal_posである。
【0162】
ソース周波数範囲コピー開始シリアルナンバー計算モジュールは、ソース周波数範囲及び周波数帯コピーを行う必要があるゼロビットの符号化サブバンドの開始シリアルナンバーにより該ゼロビットの符号化サブバンドのソース周波数範囲コピーシリアルナンバーを計算するためのものであり、
前記周波数帯コピーモジュールは、周波数帯コピー周期を周期とし、ソース周波数範囲コピー開始シリアルナンバーからはじめソース周波数範囲の周波数領域係数を周期的にゼロビットの符号化サブバンドにコピーすることに用いられ、
さらに、
前記音調位置捜索モジュールが該第1周波数範囲のMDCT周波数領域係数に対して絶対値を取り得て、平滑化フィルタを行う計算式が以下のようであり
【0163】
【数44】

【0164】
或いは、該第1周波数範囲の周波数領域係数平方値に対して平滑化フィルタの計算式が以下のようであり、
【0165】
【数45】

【0166】
そのなか、
【0167】
【数46】

【0168】
は平滑化フィルタ係数であり、
【0169】
【数47】

【0170】
は第iフレームの第k個の周波数点のフィルタ出力値を表し、
【0171】
【数48】

【0172】
は第iフレームの第k個の周波数点復号化した後のMDCT係数であり、且つi=0の場合、
【0173】
【数49】

【0174】
である。
【0175】
さらに、前記第1周波数範囲は、周波数スペクトルの統計特性により確定されたエネルギーが比較的に集中している低周波数の周波数範囲であり、その中、低周波数とは、1/2の信号総帯域幅より小さい周波数スペクトル成分である。
【0176】
さらに、前記音調位置捜索モジュールは、直接に第1周波数範囲が対応する周波数領域係数のフィルタ出力値中から最初の最大値を捜索し、該最大値を第1周波数範囲フィルタ出力値の最大極値とする。
【0177】
さらに、前記音調位置捜索モジュールは、フィルタ出力値の最大極値を確定すると、該第1周波数範囲における一段を第2周波数範囲として、先ず、第2周波数範囲が対応する周波数領域係数のフィルタ出力値中から最初の最大値を捜索し、さらに該最初の最大値が対応する周波数領域係数の位置により異なる処理を行い、
a.該最初の最大値が第2周波数範囲の最低周波数の周波数領域係数のフィルタ出力値であると、該第2周波数範囲の最低周波数の周波数領域係数のフィルタ出力値を第1周波数範囲における一つ前のより低い周波数の周波数領域係数のフィルタ出力値と比較して、順次に前へ比較し続け、現在の周波数領域係数のフィルタ出力値が一つ前の周波数領域係数のフィルタ出力値より大きい場合、該現在の周波数領域係数のフィルタ出力値が最終に確定された最大極値であり、或いは、比較しつづけて、第1周波数範囲の最低周波数の周波数領域係数のフィルタ出力値が一つ後の周波数領域係数のフィルタ出力値より大きい場合、第1周波数範囲の最低周波数の周波数領域係数のフィルタ出力値が最終に確定された最大極値であり、
b.該最初の最大値が第2周波数範囲の最高周波数の周波数領域係数のフィルタ出力値であると、該第2周波数範囲の最高周波数の周波数領域係数のフィルタ出力値を第1周波数範囲における一つ後のより高い周波数の周波数領域係数のフィルタ出力値と比較して、順次に後へ比較し続け、現在の周波数領域係数のフィルタ出力値が一つ後の周波数領域係数のフィルタ出力値よりも大きい場合、該現在の周波数領域係数のフィルタ出力値が最終に確定された最大極値であり、或いは、比較しつづけて、第1周波数範囲の最高周波数の周波数領域係数のフィルタ出力値が一つ前の周波数領域係数のフィルタ出力値より大きい場合、第1周波数範囲の最高周波数の周波数領域係数のフィルタ出力値が最終に確定された最大極値であり、
c.該最初の最大値が第2周波数範囲の最低周波数と最高周波数の間の周波数領域係数のフィルタ出力値であると、該最初の最大値が対応する周波数領域係数が音調の所在の位置であり、即ち、該最初の最大値が最終に確定された最大極値である。
【0178】
さらに、前記ソース周波数範囲コピー開始シリアルナンバー計算モジュールが周波数帯コピーを行う必要があるゼロビットの符号化サブバンドのソース周波数範囲コピー開始シリアルナンバーを計算する過程は、現在に周波数領域係数を再建する必要があるゼロビットの符号化サブバンドの開始周波数点のシリアルナンバーを得て、fillband_start_freqとし、音調が対応する周波数点のシリアルナンバーをTonal_posとし、周波数帯コピー周期copy_periodをとし、その値はTonal_posに1を加えることであり、ソース周波数範囲開始シリアルナンバーをcopyband_offsetとし、fillband_start_freqの値に循環にcopy_periodを減りつづけて、該値がソース周波数範囲のシリアルナンバーの値区間に位置する場合、該値がソース周波数範囲コピー開始シリアルナンバーであることを含む。
【0179】
さらに、前記周波数帯コピーモジュールは周波数帯コピーを行なう場合に、具体的に、
ソース周波数範囲コピー開始シリアルナンバーを開始とする周波数領域係数を順次に後へfillband_start_freqを開始位置とするゼロビットの符号化サブバンドにコピーしつづけて、ソース周波数範囲コピーの周波数点がTonal_pos+copyband_offset周波数点に達する後、再び第copyband_offset個の周波数点を開始とする周波数領域係数を続けて後へ該ゼロビットの符号化サブバンドにコピーし、そのように続け、現在のゼロビットの符号化サブバンドのすべての周波数領域係数コピーを完成するまで行うことを含む。
【0180】
以上の復号化方法を実現するために、本発明は、さらにオーディオ復号化システムを提供し、図4のように、ビットストリームデマルチプレクサ(DeMUX)、振幅エンベロープ復号化ユニット、ビット分配ユニット、周波数領域係数復号化ユニット、周波数帯コピーユニット、ノイズ充填ユニット、逆修正離散コサイン変換(IMDCT)ユニットを含み、その中、
ビットストリームデマルチプレクサ(DeMUX)は、復号化待ちビットストリームの中から振幅エンベロープ符号化ビット、周波数領域係数符号化ビット及びノイズレベル符号化ビットを分離することに用いられるものであり、
振幅エンベロープ復号化ユニットは、前記ビットストリームデマルチプレクサと接続し、前記ビットストリームデマルチプレクサが出力した振幅エンベロープの符号化ビットに対して復号化逆量子化を行い、各符号化サブバンドの振幅エンベロープを得ることに用いられるものであり、
ビット分配ユニットは、前記振幅エンベロープ復号化ユニットと接続し、ビットを分配し、各符号化サブバンドにおいて各の周波数領域係数に分配された符号化ビット数を得ることに用いられるものであり、
ビット分配ユニットは、重要性計算モジュール、ビット分配モジュール、及びビット分配修正モジュールを含み、その中で、
重要性計算モジュールは符号化サブバンド振幅エンベロープ量子化指数によって各符号化サブバンド重要性の最初値を計算することに用いられるものであり、
前記ビット分配モジュールは各符号化サブバンドの重要性最初値によって、符号化サブバンドにおける各周波数領域係数に対しビット分配するためのものであり、且つビット分配する過程に、ビット分配歩幅及びビット分配した後の重要性低下の歩幅はともに変化するものであり、
ビット分配修正モジュールは、ビット分配を行なった後、符号化端のビット分配修正反復回数count値と各符号化サブバンドの重要性によって、符号化サブバンドに対し再びcount回ビット分配修正することに用いられる物である。
【0181】
前記ビット分配モジュールはビット分配する際に、低いビット符号化サブバンドのビット分配歩幅及びビット分配した後の重要性低下歩幅はゼロビットの符号化サブバンドと高いビット符号化サブバンドのビット分配歩幅及びビット分配した後の重要性低下歩幅より小さい。
【0182】
前記ビット分配修正モジュールはビット修正する際に、低いビット符号化サブバンドのビット修正歩幅及びビット修正した後の重要性低下歩幅はゼロビットの符号化サブバンドと高いビット符号化サブバンドのビット修正歩幅及びビット修正した後の重要性低下歩幅より小さい。
【0183】
周波数領域係数復号化ユニットは、振幅エンベロープ復号化ユニットとビット分配ユニットと接続し、符号化サブバンドを復号化、逆量子化、及び逆正規化を行ない、周波数領域係数が得られるためのものである。
【0184】
周波数帯コピーユニットは、前記DeMUX、周波数領域係数解碼ユニット、振幅エンベロープ復号化ユニット及びビット分配ユニットと接続し、MDCT周波数領域係数中からオーディオ信号のある音調の所在の位置を捜索し、0周波数点から音調位置の周波数点までの帯域幅を周波数帯コピー周期として、または0周波数点が後へcopyband_offset個周波数点のオフセットから音調位置の周波数点が後へ前記copyband_offset個周波数点のオフセットまでの周波数範囲をソース周波数範囲として、ゼロビットの符号化サブバンドに対し周波数帯コピーすることに用いられ、さらに、現在のゼロビットの符号化サブバンドの振幅エンベロープによりコピーして得られる周波数領域係数に対してエネルギー調整を行うことに用いられる。
【0185】
該周波数帯コピーユニットの具体的な実現は以上の周波数帯コピー装置と同じ、ここで省略する。
【0186】
ノイズ充填ユニットは、振幅エンベロープ復号化ユニット、ビット分配ユニット及び周波数帯コピーユニットと接続し、現在のゼロビットの符号化サブバンドの振幅エンベロープにより該符号化サブバンドにノイズを填充し、再建されたゼロビットの符号化サブバンドの周波数領域係数を得ることに用いられる。
【0187】
さらに、前記周波数帯コピーユニットが採用する以上の周波数帯コピー方法にノイズ充填ユニットのノイズ充填する方法を結合してすべてのゼロビットの符号化サブバンドに周波数スペクトル再建を行い、或いは、前記ノイズ充填ユニットにより特定の周波数点以下のゼロビットの符号化サブバンドに対してランダムノイズ充填方法を採用して周波数スペクトル再建を行い、周波数帯コピーユニットにより採用する周波数領域係数コピーにノイズ充填ユニットノイズ充填する方法を結合して特定の周波数点以上のゼロビットの符号化サブバンドに対し周波数スペクトル再建を行う。
【0188】
逆修正離散コサイン変換(IMDCT)ユニットは、前記ノイズ充填ユニットと接続し、ノイズ充填した後の周波数領域係数に対してIMDCTを行い、オーディオ信号を得ることに用いられる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
周波数帯コピー方法であって、
A、MDCT周波数領域係数においてオーディオ信号のある音調の所在の位置を捜索すること、
B、音調の所在位置により周波数帯コピー周期及びソース周波数範囲を確定し、該周波数帯コピー周期が0周波数点から音調位置の周波数点までの帯域幅であり、該ソース周波数範囲は、0周波数点が後へcopyband_offset個の周波数点のオフセットから音調位置の周波数点が後へ前記copyband_offset個の周波数点のオフセットまでの周波数範囲であり、その中、前記オフセット量copyband_offsetが0より大きいまたは0と等しいであること、
C、周波数帯コピー周期によりゼロビットの符号化サブバンドに対し周波数帯コピーを行うことを含むことを特徴とする周波数帯コピー方法。
【請求項2】
ステップAにおいて、
第1周波数範囲の周波数領域係数に対し絶対値或いは平方値を取得して、平滑化フィルタを行い、
平滑化フィルタの結果によって、第1周波数範囲フィルタ出力値の最大極値の所在の位置を捜索し、該最大極値の所在の位置をある音調の所在の位置とする、
方法を採用して、ある音調の位置を搜索することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
該第1周波数範囲の周波数領域係数に対して絶対値を取得して、平滑化フィルタを行う計算式が
【数1】

であり、或いは、該第1周波数範囲の周波数領域係数平方値に対して平滑化フィルタを行う計算式が
【数2】

であり、そのなか、
【数3】

が平滑化フィルタ係数であり、
【数4】

が第iフレームの第k個の周波数点のフィルタ出力値を表し、
【数5】

が第iフレームの第k個の周波数点の復号化された後のMDCT係数であり、且つi=0の場合、
【数6】

であることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1周波数範囲は周波数スペクトルの統計特性によって確定される、エネルギーが比較的に集中する低周波数の周波数範囲であり、その中、低周波数とは、1/2の信号総帯域幅より小さい周波数スペクトル成分であることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項5】
直接に第1周波数範囲が対応する周波数領域係数のフィルタ出力値中から最初の最大値を捜索し、該最大値を第1周波数範囲フィルタ出力値の最大極値とする方法によってフィルタ出力値の最大極値を確定することを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項6】
以下の方法を採用してフィルタ出力値の最大極値を確定し、
該第1周波数範囲のその中の一段を第2周波数範囲とし、第2周波数範囲が対応する周波数領域係数のフィルタ出力値中から最初の最大値を捜索し、該最初の最大値が対応する周波数領域係数の位置によって異なる処理を行い、
a.該最初の最大値が第2周波数範囲の最低周波数の周波数領域係数のフィルタ出力値であると、該第2周波数範囲の最低周波数の周波数領域係数のフィルタ出力値を第1周波数範囲における一つ前のより低い周波数の周波数領域係数のフィルタ出力値と比較して、順次に前へ比較し続け、現在の周波数領域係数のフィルタ出力値が一つ前の周波数領域係数のフィルタ出力値より大きい場合、該現在の周波数領域係数のフィルタ出力値が最終に確定された最大極値であり、或いは、比較しつづけて、第1周波数範囲の最低周波数の周波数領域係数のフィルタ出力値が一つ後の周波数領域係数のフィルタ出力値より大きいことを得た場合、第1周波数範囲の最低周波数の周波数領域係数のフィルタ出力値が最終に確定された最大極値であり、
b.該最初の最大値が第2周波数範囲の最高周波数の周波数領域係数のフィルタ出力値である場合、該第2周波数範囲の最高周波数の周波数領域係数のフィルタ出力値を第1周波数範囲における一つ後のより高い周波数の周波数領域係数のフィルタ出力値と比較して、順次に後へ比較し続け、現在の周波数領域係数のフィルタ出力値が一つ後の周波数領域係数のフィルタ出力値より大きい場合、該現在の周波数領域係数のフィルタ出力値が最終に確定された最大極値であり、或いは、比較しつづけて、第1周波数範囲の最高周波数の周波数領域係数のフィルタ出力値が一つ前の周波数領域係数のフィルタ出力値より大きい場合、第1周波数範囲の最高周波数の周波数領域係数のフィルタ出力値が最終に確定された最大極値であり、
c.該最初の最大値が第2周波数範囲の最低周波数と最高周波数の間の周波数領域係数のフィルタ出力値であると、該最初の最大値が対応する周波数領域係数が音調の所在の位置であり、即ち、該最初の最大値が最終に確定された最大極値であることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項7】
ステップCにおいて、ゼロビットの符号化サブバンドに対して周波数帯コピーする場合、先ず、ソース周波数範囲及び周波数帯コピーを行う必要があるゼロビットの符号化サブバンドの開始シリアルナンバーにより該ゼロビットの符号化サブバンドのソース周波数範囲コピー開始シリアルナンバーを計算し、周波数帯コピー周期を周期として、ソース周波数範囲コピー開始シリアルナンバーからはじめソース周波数範囲の周波数領域係数を周期的にゼロビットの符号化サブバンドにコピーすることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
ステップCにおける該ゼロビットの符号化サブバンドのソース周波数範囲コピー開始シリアルナンバーを計算する方法は、
周波数領域係数を再建する必要があるゼロビットの符号化サブバンドの開始MDCT周波数領域係数の周波数点のシリアルナンバーを得て、fillband_start_freqとし、音調が対応する周波数点のシリアルナンバーをTonal_posとし、周波数帯のコピー周期をcopy_periodとし、その値はTonal_posに1を加えると等しい、周波数帯コピーオフセットをcopyband_offsetとし、fillband_start_freqの値に循環にcopy_periodを減りつづけ、該値がソース周波数範囲のシリアルナンバーの値区間に位置する場合、該値がソース周波数範囲コピー開始シリアルナンバーであり、copy_pos_modとすることであることを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
ステップCにおいて、周波数帯コピー周期を周期として、ソース周波数範囲コピー開始シリアルナンバーからはじめソース周波数範囲の周波数領域係数を周期的にゼロビットの符号化サブバンドにコピーする方法は、
ソース周波数範囲コピー開始シリアルナンバーからはじめとする周波数領域係数を順次に後へfillband_start_freqを開始位置とするゼロビットの符号化サブバンドにコピーしつづけ、ソース周波数範囲コピーの周波数点がTonal_pos+copyband_offset周波数点に達するあと、再び第copyband_offset個の周波数点から開始とする周波数領域係数を続けて後へ該ゼロビットの符号化サブバンドにコピーし、そのように続け、現在のゼロビットの符号化サブバンドのすべての周波数領域係数の周波数帯コピーを完成するまで行うことであることを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項10】
周波数帯コピー装置であって、順次に接続する音調位置捜索モジュール、周期及びソース周波数範囲計算モジュール、ソース周波数範囲コピー開始シリアルナンバー計算モジュール及び周波数帯コピーモジュールを含み、その中、
音調位置捜索モジュールは、MDCT周波数領域係数においてオーディオ信号のある音調の所在の位置を捜索するためのものであり、
周期及びソース周波数範囲計算モジュールは、音調の所在位置によりコピーに用いる周波数帯コピー周期及びソース周波数範囲を確定するものでり、該周波数帯コピー周期が0周波数点から音調位置の周波数点までの帯域幅であり、前記ソース周波数範囲は、0周波数点が後へcopyband_offset個の周波数点のオフセットから音調位置の周波数点が後へ前記copyband_offset個の周波数点のオフセットまでの周波数範囲でああり、
ソース周波数範囲コピー開始シリアルナンバー計算モジュールは、ソース周波数範囲及び周波数帯コピーを行う必要があるゼロビットの符号化サブバンドの開始シリアルナンバーにより該ゼロビットの符号化サブバンドのソース周波数範囲コピー開始シリアルナンバーを計算するためのものであり、
前記周波数帯コピーモジュールは、周波数帯コピー周期を周期とし、ソース周波数範囲コピー開始シリアルナンバーからはじめソース周波数範囲の周波数領域係数を周期的にゼロビットの符号化サブバンドにコピーするためのものであることを特徴とする周波数帯コピー装置。
【請求項11】
前記音調位置捜索モジュールが音調位置を捜索する方法は、
第1周波数範囲のMDCT周波数領域係数に対して絶対値または平方値を取り得て、平滑化フィルタを行い、
平滑化フィルタの結果により、第1周波数範囲フィルタ出力値の最大極値の所在の位置を捜索し、該最大極値が所在の位置が即ち音調の所在位置、
であることを特徴とする請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記音調位置捜索モジュールが該第1周波数範囲のMDCT周波数領域係数に対して絶対値を取り得て、平滑化フィルタを行う計算式が
【数7】

であり、
或いは、該第1周波数範囲の周波数領域係数平方値に対して平滑化フィルタを行う計算が
【数8】

であり、
そのなか、
【数9】

が平滑化フィルタ係数であり、
【数10】

が第iフレームの第k個の周波数点のフィルタ出力値であり、
【数11】

が第iフレームの第k個の周波数点の復号化後のMDCT係数であり、且つi=0の場合、
【数12】

であることを特徴とする請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記第1周波数範囲は、周波数スペクトルの統計特性により確定されたエネルギーが比較的に集中している低周波数の周波数範囲であり、その中、低周波数とは、1/2の信号総帯域幅より小さい周波数スペクトル成分であることを特徴とする請求項11に記載の装置。
【請求項14】
前記音調位置捜索モジュールは、直接に第1周波数範囲が対応する周波数領域係数のフィルタ出力値から最初の最大値を捜索し、該最大値を第1周波数範囲フィルタ出力値の最大極値とすることを特徴とする請求項11に記載の装置。
【請求項15】
前記音調位置捜索モジュールは、フィルタ出力値の最大極値を確定する時、該第1周波数範囲の中の一段を第2周波数範囲として、先ず、第2周波数範囲が対応する周波数領域係数のフィルタ出力値から最初の最大値を捜索し、さらに該最初の最大値が対応する周波数領域係数の位置により異なる処理を行い、
a.該最初の最大値が第2周波数範囲の最低周波数の周波数領域係数のフィルタ出力値であると、該第2周波数範囲の最低周波数の周波数領域係数のフィルタ出力値を第1周波数範囲における一つ前のより低い周波数の周波数領域係数のフィルタ出力値と比較して、順次に前へ比較し続け、現在の周波数領域係数のフィルタ出力値が一つ前の周波数領域係数のフィルタ出力値より大きい場合、該現在の周波数領域係数のフィルタ出力値が最終に確定された最大極値であり、或いは、比較しつづけて、第1周波数範囲の最低周波数の周波数領域係数のフィルタ出力値が一つ後の周波数領域係数のフィルタ出力値より大きいことを得る場合、第1周波数範囲の最低周波数の周波数領域係数のフィルタ出力値が最終に確定された最大極値であり、
b.該最初の最大値が第2周波数範囲の最高周波数の周波数領域係数のフィルタ出力値であると、該第2周波数範囲の最高周波数の周波数領域係数のフィルタ出力値を第1周波数範囲における一つ後のより高い周波数の周波数領域係数のフィルタ出力値と比較して、順次に後へ比較し続け、現在の周波数領域係数のフィルタ出力値が一つ後の周波数領域係数のフィルタ出力値より大きい場合、該現在の周波数領域係数のフィルタ出力値が最終に確定された最大極値であり、或いは、比較しつづけて、第1周波数範囲の最高周波数の周波数領域係数のフィルタ出力値が一つ前の周波数領域係数のフィルタ出力値より大きいことを得る場合、第1周波数範囲の最高周波数の周波数領域係数のフィルタ出力値が最終に確定された最大極値であり、
c.該最初の最大値が第2周波数範囲の最低周波数と最高周波数の間の周波数領域係数のフィルタ出力値であると、該最初の最大値が対応する周波数領域係数が音調の所在の位置であり、即ち、該最初の最大値が最終に確定された最大極値であることを特徴とする請求項11に記載の装置。
【請求項16】
前記ソース周波数範囲コピー開始シリアルナンバー計算モジュールが周波数帯コピーを行う必要があるゼロビットの符号化サブバンドのソース周波数範囲コピー開始シリアルナンバーを計算す過程は、現在に周波数領域係数を再建する必要があるゼロビットの符号化サブバンドの開始周波数点のシリアルナンバーを得て、fillband_start_freqとし、音調が対応する周波数点のシリアルナンバーをTonal_posとし、周波数領域コピー周期をcopy_periodとし、その値はTonal_posに1を加えると等しい、ソース周波数範囲開始シリアルナンバーをcopyband_offsetとし、fillband_start_freqの値を循環にcopy_periodを減りつづけ、該値がソース周波数範囲のシリアルナンバーの値区間に位置するまでにして、該値がソース周波数範囲コピー開始シリアルナンバーであり、copy_pos_modとすることを含むことを特徴とする請求項10〜15のいずれかに記載の装置。
【請求項17】
周波数帯コピーモジュールが周波数帯コピーを行う場合、ソース周波数範囲コピー開始シリアルナンバーを開始とする周波数領域係数を順次に後へfillband_start_freqを開始位置とするゼロビットの符号化サブバンドにコピーしつづけ、ソース周波数範囲コピーの周波数点がTonal_pos+copyband_offset周波数点に達する後、再び第copyband_offset個の周波数点から開始とする周波数領域係数を続けて後へ該ゼロビットの符号化サブバンドにコピーし、そのように続け、現在のゼロビットの符号化サブバンドのすべての周波数領域係数コピーを完成するまで行うことであることを特徴とする請求項10〜15中のいずれかに記載の装置。
【請求項18】
オーディオ復号化方法であって、
A、復号化待ちビットストリームにおける各振幅エンベロープ符号化ビットに対して復号化逆量子化し、各符号化サブバンドの振幅エンベロープを得るステップと、
B、各符号化サブバンドに対してビットを分配し、非ゼロビットの符号化サブバンドに対し復号化と逆量子化を行い、非ゼロビットの符号化サブバンドの周波数領域係数を得るステップと、
C、MDCT周波数領域係数なかにおいてオーディオ信号のある音調の所在の位置を捜索し、0周波数点から音調位置の周波数点までの帯域幅を周波数帯コピー周期として、0周波数点が後へcopyband_offset個の周波数点のオフセットから音調位置の周波数点が後へ前記copyband_offset個の周波数点のオフセットまでの周波数範囲をソース周波数範囲として、ゼロビットの符号化サブバンドを周波数帯コピーし、現在の符号化サブバンドの振幅エンベロープによりコピーして得られる周波数領域係数に対しエネルギー調整を行い、それにノイズ充填を結合して、再建のゼロビットの符号化サブバンドの周波数領域係数を得て、その中の前記オフセット量copyband_offsetが0より大きいまたは0と等しいであるステップと、
D、非ゼロビットの符号化サブバンドの周波数領域係数と再建されたゼロビットの符号化サブバンドの周波数領域係数に対して逆修正離散コサイン変換(IMDCT)を行い、最終のオーディオ信号を得るステップとを含むことを特徴とするオーディオ復号化方法。
【請求項19】
ステップCにおいて、以下の方法を採用してある音調の位置を捜索し、
第1周波数範囲の周波数領域係数に対し絶対値或いは平方値を取得して、平滑化フィルタを行い、
平滑化フィルタの結果によって、第1周波数範囲フィルタ出力値の最大極値の所在の位置を捜索し、該最大極値の所在の位置をある音調の所在の位置とすることを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項20】
該第1周波数範囲の周波数領域係数に対して絶対値を取得して、平滑化フィルタを行う計算式が
【数13】

であり、
或いは、該第1周波数範囲の周波数領域係数平方値に対して平滑化フィルタを行う計算式が
【数14】

であり、
そのなか、
【数15】

が平滑化フィルタ係数であり、
【数16】

が第iフレームの第k個の周波数点のフィルタ出力値を表し、
【数17】

が第iフレームの第k個の周波数点の復号化された後のMDCT係数であり、且つi=0の場合、
【数18】

であることを特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記第1周波数範囲は周波数スペクトルの統計特性によって確定されるエネルギーが比較的に集中する低周波数の周波数範囲であり、その中、低周波数とは、1/2の信号総帯域幅より小さい周波数スペクトル成分であることを特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項22】
直接に第1周波数範囲が対応する周波数領域係数のフィルタ出力値なかから最初の最大値を捜索し、該最大値を第1周波数範囲フィルタ出力値の最大極値とする方法によってフィルタ出力値の最大極値を確定することを特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項23】
以下の方法を採用してフィルタ出力値の最大極値を確定し、
該第1周波数範囲のその中の一段を第2周波数範囲とし、第2周波数範囲が対応する周波数領域係数のフィルタ出力値の中から最初の最大値を捜索し、該最初の最大値が対応する周波数領域係数の位置により異なる処理を行い、
a.該最初の最大値が第2周波数範囲の最低周波数の周波数領域係数のフィルタ出力値であると、該第2周波数範囲の最低周波数の周波数領域係数のフィルタ出力値を第1周波数範囲における一つ前のより低い周波数の周波数領域係数のフィルタ出力値と比較して、順次に前へ比較し続け、現在の周波数領域係数のフィルタ出力値が一つ前の周波数領域係数のフィルタ出力値より大きい場合、該現在の周波数領域係数のフィルタ出力値が最終に確定された最大極値であり、或いは、比較しつづけて、第1周波数範囲の最低周波数の周波数領域係数のフィルタ出力値が一つ後の周波数領域係数のフィルタ出力値より大きいことを得る場合、第1周波数範囲の最低周波数の周波数領域係数のフィルタ出力値が最終に確定された最大極値であり、
b.該最初の最大値が第2周波数範囲の最高周波数の周波数領域係数のフィルタ出力値であると、該第2周波数範囲の最高周波数の周波数領域係数のフィルタ出力値を第1周波数範囲における一つ後のより高い周波数の周波数領域係数のフィルタ出力値と比較して、順次に後へ比較し続け、現在の周波数領域係数のフィルタ出力値が一つ後の周波数領域係数のフィルタ出力値より大きい場合、該現在の周波数領域係数のフィルタ出力値が最終に確定された最大極値であり、或いは、比較しつづけて、第1周波数範囲の最高周波数の周波数領域係数のフィルタ出力値が一つ前の周波数領域係数のフィルタ出力値より大きいことを得る場合、第1周波数範囲の最高周波数の周波数領域係数のフィルタ出力値が最終に確定された最大極値であり、
c.該最初の最大値が第2周波数範囲の最低周波数と最高周波数との間の周波数領域係数のフィルタ出力値であると、該最初の最大値が対応する周波数領域係数が音調の所在の位置であり、即ち、該最初の最大値が最終に確定された最大極値であることを特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項24】
ステップCにおいて、ゼロビットの符号化サブバンドに対して周波数帯コピーする時、先ず、ソース周波数範囲及び周波数帯コピーを行う必要があるゼロビットの符号化サブバンドの開始シリアルナンバーにより該ゼロビットの符号化サブバンドのソース周波数範囲コピー開始シリアルナンバーを計算し、周波数帯コピー周期を周期とし、ソース周波数範囲コピー開始シリアルナンバーからはじめソース周波数範囲の周波数領域係数をゼロビットの符号化サブバンドに周期的にコピーすることを特徴とする請求項19〜23中のいずれかに記載の方法。
【請求項25】
ステップCにおいて該ゼロビットの符号化サブバンドのソース周波数範囲コピー開始シリアルナンバーを計算する方法は、
周波数領域係数を再建する必要があるゼロビットの符号化サブバンドの開始MDCT周波数領域係数の周波数点のシリアルナンバーを得て、fillband_start_freqとし、音調が対応する周波数点のシリアルナンバーをTonal_posとし、周波数帯のコピー周期をcopy_periodとし、その値はTonal_posに1を加えると等しい、周波数帯コピーオフセットをcopyband_offsetとし、fillband_start_freqの値に循環にcopy_periodを減りつづけて、該値がソース周波数範囲のシリアルナンバーの値区間に位置する場合、該値がソース周波数範囲コピー開始シリアルナンバーであり、copy_pos_modとすることであることを特徴とする請求項24に記載の方法。
【請求項26】
ステップCにおいて、周波数帯コピー周期を周期として、ソース周波数範囲コピー開始シリアルナンバーからはじめソース周波数範囲の周波数領域係数をゼロビットの符号化サブバンドに周期的にコピーする方法は、
ソース周波数範囲コピー開始シリアルナンバーを開始とする周波数領域係数を順次に後へfillband_start_freqを開始位置とするゼロビットの符号化サブバンドにコピーしつづけ、ソース周波数範囲コピーの周波数点がTonal_pos+copyband_offset周波数点に達する後、再び第copyband_offset個の周波数点を開始とする周波数領域係数を後へ続けて該ゼロビットの符号化サブバンドにコピーし、そのように続け、現在のゼロビットの符号化サブバンドのすべての周波数領域係数の周波数帯コピーを完成するまで行うことであることを特徴とする請求項24に記載の方法。
【請求項27】
以上ような周波数帯コピー方法とノイズ充填を結合する方法を採用してすべてのゼロビットの符号化サブバンドに対して周波数スペクトル再建を行い、或いは、特定の周波数点の以下のゼロビットの符号化サブバンドに対してランダムノイズ充填方法を採用して周波数スペクトル再建を行い、特定の周波数点の以上のゼロビットの符号化サブバンドに対して、周波数領域係数コピーとノイズ充填を結合する方法を採用して周波数スペクトル再建を行うことを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項28】
オーディオ復号化システムであって、ビットストリームデマルチプレクサ(DeMUX)、振幅エンベロープ復号化ユニット、ビット分配ユニット、周波数領域係数復号化ユニット、周波数帯コピーユニット、ノイズ充填ユニット、逆修正離散コサイン変換(IMDCT)ユニットを含み、その中に、
前記DeMUXは、復号化待ちビットストリームの中から振幅エンベロープ符号化ビット、周波数領域係数符号化ビット及びノイズレベル符号化ビットを分離するためのものであり、
前記振幅エンベロープ復号化ユニットは、前記DeMUXと接続し、前記ビットストリームデマルチプレクサが出力した振幅エンベロープ符号化ビットに対して復号化逆量子化を行い、各符号化サブバンドの振幅エンベロープを得るためのものであり、
前記ビット分配ユニットは、前記振幅エンベロープ復号化ユニットと接続し、ビットの分配を行い、各符号化サブバンドにおける各の周波数領域係数に分配された符号化ビット数を得るためのものであり、
周波数領域係数復号化ユニットは、振幅エンベロープ復号化ユニット及びビット分配ユニットと接続し、符号化サブバンドに対して復号化、逆量子化及び逆正規化を行い、周波数領域係数を得るためのものであり、
前記周波数帯コピーユニットは、前記DeMUX、周波数領域係数復号化ユニット、振幅エンベロープ復号化ユニット及びビット分配ユニットと接続し、MDCT周波数領域係数においてオーディオ信号のある音調の所在の位置を捜索し、0周波数点から音調位置の周波数点までの帯域幅を周波数帯コピー周期として、0周波数点が後へcopyband_offset個の周波数点のオフセットから音調位置の周波数点が後へ前記copyband_offset個の周波数点のオフセットまでの周波数範囲をソース周波数範囲として、ゼロビットの符号化サブバンドに対し周波数帯コピーを行い、その中、前記オフセット量copyband_offsetが0より大きいまたは0と等しいであるためのもので、さらに、現在の符号化サブバンドの振幅エンベロープによりコピーして得られる周波数領域係数に対してエネルギー調整を行うためのものであり、
ノイズ充填ユニットは、振幅エンベロープ復号化ユニット、ビット分配ユニット及び周波数帯コピーユニットと接続し、現在のゼロビットの符号化サブバンドの振幅エンベロープにより該符号化サブバンドにノイズを填充し、再建するゼロビットの符号化サブバンドの周波数領域係数を得るためのものであり、
IMDCTユニットは、前記ノイズ充填ユニットと接続し、ノイズ充填した後の周波数領域係数に対してIMDCTを行い、オーディオ信号を得るためのものであることを特徴とするオーディオ復号化システム。
【請求項29】
前記周波数帯コピーユニットは、順次に接続する音調位置捜索モジュール、周期及びソース周波数範囲計算モジュール、ソース周波数範囲コピー開始シリアルナンバー計算モジュール及び周波数帯コピーモジュールを含み、その中に、
音調位置捜索モジュールは、MDCT周波数領域係数なかからオーディオ信号のある音調の所在位置を捜索するためのものであり、
周期及びソース周波数範囲計算モジュールは、音調の所在位置によりコピーに用いる周波数帯コピー周期及びソース周波数範囲を確定するためのもので、該周波数帯コピー周期は0周波数点から音調位置までの周波数点の帯域幅であり、前記ソース周波数範囲は、0周波数点が後へcopyband_offset個の周波数点のオフセットから音調位置の周波数点が後へ前記copyband_offset個の周波数点のオフセットまでの周波数範囲であり、
ソース周波数範囲コピー開始シリアルナンバー計算モジュールは、ソース周波数範囲及び周波数帯コピーを行う必要があるゼロビットの符号化サブバンドの開始シリアルナンバーにより該ゼロビットの符号化サブバンドのソース周波数範囲コピー開始シリアルナンバーを計算するためのものであり、
前記周波数帯コピーモジュールは、周波数帯コピー周期を周期とし、ソース周波数範囲コピー開始シリアルナンバーからはじめソース周波数範囲の周波数領域係数をゼロビットの符号化サブバンドに周期的にコピーするためのものであることを特徴とする請求項28に記載のシステム。
【請求項30】
前記音調捜索モジュールは、
第1周波数範囲のMDCT周波数領域係数に対して絶対値または平方値を取り得て、平滑化フィルタを行い、
平滑化フィルタの結果により、第1周波数範囲フィルタ出力値の最大極値の所在の位置を捜索し、該最大極値が所在している位置が、即ち、音調の所在位置である、
方法を採用して音調の所在位置を捜索することを特徴とする請求項28に記載のシステム。
【請求項31】
前記音調捜索モジュールが該第1周波数範囲のMDCT周波数領域係数に対して絶対値を取り得て、平滑化フィルタを行う計算式が
【数19】

であり、
或いは、該第1周波数範囲の周波数領域係数平方値に対して平滑化フィルタの計算が
【数20】

であり、
そのなか、
【数21】

が平滑化フィルタ係数であり、
【数22】

が第iフレームの第k個の周波数点のフィルタ出力値であり、
【数23】

が第iフレームの第k個の周波数点の復号化後のMDCT係数であり、且つi=0の場合、
【数24】

であることを特徴とする請求項30に記載のシステム。
【請求項32】
前記第1周波数範囲は、周波数スペクトルの統計特性により確定されたエネルギーが比較的に集中している低周波数の周波数範囲であり、その中、低周波数とは、1/2の信号総帯域幅より小さい周波数スペクトル成分であることを特徴とする請求項30に記載のシステム。
【請求項33】
前記音調捜索モジュールは、直接に第1周波数範囲が対応する周波数領域係数のフィルタ出力値なかから最初の最大値を捜索し、該最大値を第1周波数範囲フィルタ出力値の最大極値とすることを特徴とする請求項30に記載のシステム。
【請求項34】
前記音調捜索モジュールは、フィルタ出力値の最大極値を確定すると、該第1周波数範囲のその中の一段を第2周波数範囲として、先ず、第2周波数範囲が対応する周波数領域係数のフィルタ出力値なかから最初の最大値を捜索し、そして該最初の最大値に対応する周波数領域係数の位置により異なる処理を行い、
a.該最初の最大値が第2周波数範囲の最低周波数の周波数領域係数のフィルタ出力値であると、該第2周波数範囲の最低周波数の周波数領域係数のフィルタ出力値を第1周波数範囲における一つ前のより低い周波数の周波数領域係数のフィルタ出力値と比較して、順次に前へ比較し続け、現在の周波数領域係数のフィルタ出力値が一つ前の周波数領域係数のフィルタ出力値より大きい場合、該現在の周波数領域係数のフィルタ出力値が最終に確定された最大極値であり、或いは、比較しつづけて、第1周波数範囲の最低周波数の周波数領域係数のフィルタ出力値が一つ後の周波数領域係数のフィルタ出力値より大きいことを得る場合、第1周波数範囲の最低周波数の周波数領域係数のフィルタ出力値が最終に確定された最大極値であり、
b.該最初の最大値が第2周波数範囲の最高周波数の周波数領域係数のフィルタ出力値であると、該第2周波数範囲の最高周波数の周波数領域係数のフィルタ出力値を第1周波数範囲における一つ後のより高い周波数の周波数領域係数のフィルタ出力値と比較して、順次に後へ比較し続け、現在の周波数領域係数のフィルタ出力値が一つ後の周波数領域係数のフィルタ出力値より大きい場合、該現在の周波数領域係数のフィルタ出力値が最終に確定された最大極値であり、或いは、比較しつづけて、第1周波数範囲の最高周波数の周波数領域係数のフィルタ出力値が一つ前のの周波数領域係数のフィルタ出力値より大きいことを得る場合、第1周波数範囲の最高周波数の周波数領域係数のフィルタ出力値が最終に確定された最大極値であり、
c.該最初の最大値が第2周波数範囲の最低周波数と最高周波数の間の周波数領域係数のフィルタ出力値であると、該最初の最大値が対応する周波数領域係数が音調の所在の位置であり、即ち、該最初の最大値が最終に確定された最大極値であることを特徴とする請求項30に記載のシステム。
【請求項35】
前記ソース周波数範囲コピー開始シリアルナンバー計算モジュールが周波数帯コピーを行う必要があるゼロビットの符号化サブバンドのソース周波数範囲コピー開始シリアルナンバーを計算する過程は、現在に周波数領域係数を再建することが必要があるゼロビットの符号化サブバンドの開始周波数点のシリアルナンバーを得て、fillband_start_freqとし、音調が対応する周波数点のシリアルナンバーをTonal_posとし、周波数帯のコピー周期をcopy_periodとし、その値はTonal_posに1を加えることであり、ソース周波数範囲開始シリアルナンバーをcopyband_offsetとし、fillband_start_freqの値に循環にcopy_periodを減って、該値がソース周波数範囲のシリアルナンバーの値区間に位置するまでにして、該値がソース周波数範囲コピー開始シリアルナンバーであり、copy_pos_modであることを含むことを特徴とする請求項29〜34なかのいずれかに記載のシステム。
【請求項36】
周波数帯コピーモジュールが周波数帯コピーを行う場合、ソース周波数範囲コピー開始シリアルナンバーを開始とする周波数領域係数を順次に後へfillband_start_freqを開始位置とするゼロビットの符号化サブバンドにコピーしつづけて、ソース周波数範囲コピーの周波数点がTonal_pos+copyband_offset周波数点に達するまでにして、その後再び第copyband_offset個の周波数点を開始とする周波数領域係数を続けて後へ該ゼロビットの符号化サブバンドにコピーし、そのように続け、現在のゼロビットの符号化サブバンドのすべての周波数領域係数コピーを完成するまで行うことであることを特徴とする請求項29〜34のいずれかに記載のシステム。
【請求項37】
前記周波数帯コピーユニットが採用する周波数領域係数コピーとノイズ充填ユニットのノイズ充填結合の方法は、すべてのゼロビットの符号化サブバンドのために周波数スペクトル再建を行い、或いは、前記ノイズ充填ユニットが特定周波数点以下のゼロビットの符号化サブバンドに対してランダムノイズ充填方法を採用して周波数スペクトル再建を行い、周波数帯コピーユニットが採用する周波数領域係数コピーとノイズ充填ユニットノイズ充填結合の方法は特定周波数点以上のゼロビットの符号化サブバンドに対し周波数スペクトル再建を行うことを特徴とする請求項28に記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−19968(P2013−19968A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−151189(P2011−151189)
【出願日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【出願人】(506073915)中興通訊股▲ふん▼有限公司 (105)
【Fターム(参考)】