説明

味覚シミュレーションシステムの味覚知覚をシミュレートするための方法及び装置

舌プレート(10)は人間の舌の上部に置かれる。舌プレート(10)は人間の舌(100)の上部にある下部面を有し、その下部面は、所定位置において人間の舌(100)における感覚神経線維(102)を刺激するように外部で生成された電気信号を送信するように動作する複数の電気刺激ノード(13)を有する。舌プレート(10)はまた、感覚神経線維(104)の刺激に応じて人間の唾液流速度の変化率を測定するための唾液流測定手段(55)を有する上部面を有する。舌プレート(10)は、舌(100)の種々の領域の種々の味覚知覚(即ち、甘い、酸っぱい、しょっぱい、苦い)のシミュレーションを容易にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、感覚刺激に関し、特に、電子刺激を用いて人間の舌における味覚知覚の生成に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明者の知識の及ぶ限りでは、種々の味覚知覚を刺激するように、舌及び口蓋を電気的に刺激することに道筋をつける先行技術の特許は存在しない。舌から信号を受けることを有する他の測定が実行された。
【0003】
Sean R.Maloneyによる米国特許第5,212,476号明細書においては、舌からの筋電(EMG)信号を検出するための口内装置について記載されている。Maloneyの装置については、上顎又は下顎と接触している凸側を有する単一のスプリントが記載されていて、その装置は、舌に隣接するスプリント(splint)に備えられた活性電極を有する。筋収縮は、膜組織及び神経筋接合部を横切る帯電したイオンの移動をもたらし、それにより、筋収縮の度合いに依存して強度を変化させる電界を構築する。そのような電界、即ち、(EMG)信号は、通常、針の形で筋組織に挿入される又は皮膚上に置かれる電極により検出される。それらの信号は、神経筋の状態に関して医師に有用な情報を提供する。
【特許文献1】米国特許第5,212,476号明細書
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、化学的手段により従来通りに刺激される異なる味覚知覚(即ち、甘い、酸っぱい、しょっぱい、苦い)を刺激するように、ユーザ(装置の装着者)がユーザの舌の種々の領域に電気的刺激を受けさせるようにした舌プレート装置を提供する。舌プレート装置は、刺激される種々の味覚知覚について、ユーザの好み又は味覚知覚の不足を決定するように、ユーザの唾液反応を測定するための手段を有する。舌プレート装置は、人間の舌全体を覆うように適合する大きさに製造され、人間の舌の上部に置かれるように下部表面を有し、その下部表面は、所定位置において人間の舌における感覚神経線維を刺激するように外部で生成された電気信号を伝達するように動作する複数の電気的刺激ノードを有し、上部表面は、感覚神経線維の刺激に応じて人間の唾液流速度の変化率を測定するための唾液流測定手段を有する。
【0005】
本発明にしたがったシステムは、一般に、複数の刺激ノードを有する舌プレート装置を有する、システムであって、各々のノードは、有線手段又は無線手段を介して、コンテンツプロバイダから舌プレートデータを受け取るようにインタラクティブ装置に結合されている、舌プレートデータを処理し且つ複数の刺激ノードを励起するように舌プレートに処理された舌プレートデータを供給する、システムである。舌プレート装置はまた、適用された電気的味覚刺激信号に応じてユーザの唾液流速度を測定するために唾液流測定手段を有する。インタラクティブ装置はまた、舌プレートの唾液流測定手段からフィードバックデータを受け取るようになっている。フィードックデータは記憶されることができ、ユーザの味覚の好みを決定するために分析される。
【0006】
以下、一貫して、同じ参照番号は対応する構成部分を表す図を参照する。
【0007】
以下の特定の実施形態の説明においては、本明細書の一部を構成し、本発明が実行されることが可能である特定の実施形態の例示として示されている添付図面を参照する。添付図面においては、幾つかの図を通して、同じ参照番号は対応する構成部分を示している。他の実施形態においては、本発明の範囲から逸脱することなく、構造変化がなされることが可能であるように、用いられることが解される必要がある。
【0008】
先ず、人間の舌の機能及び構造の一部を簡単に調べることは有益である。人間は、舌全体に渡って味覚の性質全てを知覚することができる。特定の領域で特定の性質に対して感度が高くなることがある。更に、人間の味覚系は、味覚の強度及び心地良さ(又は、心地悪さ)に関する情報を与える。舌は、粘膜により覆われている筋肉から成る。舌の上部表面には舌乳頭と呼ばれている非常に小さい小結節があり、それらは舌に粗いテクチャを与えている。舌の側部及び下部における舌乳頭間には、“味覚芽”と呼ばれている感覚器官である小さいバルブ状の構造があり、それらは、人間が風味の知覚を楽しむことを可能にし、食べ物が食べるのに不適当であるとき警告することを可能にする。所謂“味覚芽”の数は、およそ5000乃至10000個であり、舌の上部及び側部全体に亘って散在している。味覚芽は、種々の味覚知覚の各々を化学的に検知することができるが、各々の味覚芽は、特定の味覚知覚に対して更に適切に感応する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
図1は、舌100の上部表面に位置付けられている味蕾102を有する舌100の断面の様子の単純化して示す図である。舌100における各々の味蕾102は、感覚神経線維104を介して神経系に結合されている。本発明の重要な特徴は、神経系(図示せず)に舌100の味蕾102を結合させる感覚神経線維104の直接的な電気的刺激のために、従来の化学的手段により舌100における味覚知覚の生成は本発明によりバイパスをつけられることが可能であるという、本発明の重要な特徴を本発明者は認識している。
【0010】
ここで図2を参照するに、人間の口の中の異なる味覚知覚(即ち、甘い、酸っぱい、しょっぱい、苦い)を刺激するために、例示としての味覚刺激システム200について、以下、詳細に説明する。図示しているように、味覚刺激システム200は、放送網110を介してコンテンツプロバイダ80に順に接続されるインタラクティブ装置50に接続された舌プレート10を有する。インタラクティブ装置50は、外部のマルチメディア装置60に直接、結合されている。
【0011】
図2の舌プレート10は、一般に、装着者の舌100の輪郭に従い、舌の側部に沿って延在している左及び右ショルダ12、15を有する。それらのショルダ12、15は、舌の上及び周囲に舌プレートを位置付ける及び横方向の滑りを回避する役割を果たす。舌プレート10は、必要に応じて、丸みを帯びて形作られ、舌の柔らかい組織の損傷を回避するように表面処理されている。舌プレート10は、低コスト及び/又は廃棄性のために選択された1つ又はそれ以上の材料から成ることが可能である。更に、舌プレート10は、予め殺菌され且つ包装されることが可能である。
【0012】
所定位置において人間の舌100における感覚神経線維104を刺激するように外部で生成された電気信号を送信するように動作可能である下プレート10の複数の点に位置付けられている複数の電気刺激ノード(13(1),13(2),...,13(N))は、舌プレート10内に埋め込まれている。電気刺激ノード13は、舌プレート10に結合された、ユーザの体の外部に備えられているインタラクティブ装置50から電気刺激信号(例えば、電流及び/又は電圧)を受ける。
【0013】
舌プレート10の上部表面は、感覚神経線維104の刺激に応じて人間の唾液流速度の変化率を測定するための唾液流測定手段55を有する。
【0014】
動作中、本発明の提供にしたがって、舌プレートデータがリモートコンテンツプロバイダ80のところで生成され、舌プレート10に適用される複数の電気刺激信号に舌プレートデータを変換するインタラクティブ装置50に、放送網に亘ってコンテンツサーバ82を介して、従来の放送コンテンツ(記憶されているコンテンツ84であることが可能である)と共に送信される。従来の放送コンテンツは、舌プレート10に適用される電気刺激信号と同調して、外部のマルチメディア装置60の舌プレート10を装着しているユーザに対して表示されることが可能である。このようにして、ユーザは、外部のマルチメディア装置60において、ユーザに対して提供されたマルチメディアの提示(例えば、料理プログラム)と組み合わせて、彼(彼女)の舌100に関してシミュレートされた味覚知覚を経験する。舌プレートにおける唾液流測定手段55は、インタラクティブ装置50のメモリ52に記憶されている及び/又はコンテンツプロバイダ80に戻すように送信される電機刺激信号に応じて、ユーザからの唾液流速度情報をフィードバックする。唾液流速度情報は、ユーザの味覚の好みの有効な構成要素である。
【0015】
ここで記載する実施形態の各々においては、装着者の舌100の電気刺激は、各々が1つ又はそれ以上のポールの群20(a),...,20(n)を有する刺激ノード13に供給される、インタラクティブ装置50により与えられる電気信号からもたらされる。
【0016】
図3a及び3bは、複数の実施形態にしたがった、図2の刺激ノード13のより詳細な図である。
【0017】
図3aは、本発明の実施形態にしたがって、図2の1つの刺激ノード13を示している。刺激ノード13は、2つのポール群20a、20bを有するように示されている。各々のポール群20a、20bは、他のポール群と電気的に絶縁されている。更に、各々のポール群20a、20bは、ケーブルを介してインタラクティブ装置(50)の個別のチャネルに独立して結合されている(即ち、ポール群20aはポール群リードワイヤ14(1)を介して結合され、ポール群20bはポール群リードワイヤ14(2)を介して結合されている)。
【0018】
図3aの実施形態を先ず、参照するに、各々のポール群20a、20bが、3つの刺激ノード22a乃至c、24a乃至cをそれぞれ有するように示されている。異なる実施系値は、ポール群当たり、多かれ少なかれ、刺激ノード22、24を有することが理解される必要がある。図3の各々の刺激ノード22、24は、完全な回路を構成するために正(+)の外側領域により包まれた負(−)の内側領域を有する。他の実施形態はその逆の構成であることが可能である。それ故、刺激ノード22、24はまた、負(−)の外側領域により包まれた正(+)の内側領域を有するように構成されることが可能である。
【0019】
ポール群における各々の刺激ノード22、24は、各々のポール群の刺激ノード22、24が置かれている舌100(図1参照)のすぐ近傍の1つ又はそれ以上の感覚神経線維104を電気的に刺激するように電気刺激信号(例えば、電流及び/又は電圧)を送信することができる。各々のポール群20a、20bは、対応するポール群リードワイヤ14(1)、14(2)を介してインタラクティブ装置50から一意の且つ個別の電気刺激信号を受ける。
【0020】
図3bは、本発明の他の実施形態にしたがった刺激ノード13を示している。図示しているように、刺激ノード13は4つのポール群、即ち、20(a)乃至20(d)を有する。付加ポール群(例えば、20(c)、20(d))は所望されている舌100の特定の領域に高い感度を与える。勿論、ポール群の数及び構成は設計の問題である。例えば、特定の実施形態においては、ポール群20は、特定のポイントで交差する及び/又は重なり合うことが検討される。
【0021】
舌プレート10はまた、無線の方式でインタラクティブ装置50と通信することが可能であることを理解する必要がある。それ故、舌プレート10は適切な無線インタフェースを有することが可能である。無線通信接続の有利点は、無線通信接続により、からまる、除去される又は切断されるようになるリードワイヤ14の可能性を排除することができることである。舌プレート10は無線方式で通信することができるため、舌プレート10はバッテリにより作動する電源であるそれ自体の電源を担持することが可能であることが理解できる。
【0022】
図4aは、舌プレート10の電気刺激に応じてユーザの唾液流を測定するための、図2の舌プレート10の唾液流測定システム55の平面図である。図示しているように、唾液流測定システム55は舌プレート10の背後の上部に位置付けられている。電気刺激信号に反応するユーザの唾液は、そのユーザについての味覚反応がそのユーザに一意であるように、他のユーザの唾液反応と異なることが理解される必要がある。
【0023】
図4bは、本発明の一実施形態にしたがった唾液流測定システム55を更に詳細に示す図である。唾液流速度は、唾液が食道への途中を通過する舌プレート10の長手方向の軸に対して平行に位置付けられているパイプ55(1)、55(2)とここで呼ぶ、平行なチューブ状構造の集合により一方向で測定される。それらのパイプ55は、ユーザの唾液を受けるために近接端部及び遠心端の両方に開口を有している。
【0024】
図4cは、例示としての味覚刺激システム200にポール群のリードワイヤ14(1)を介して結合されている図4bのパイプ55(1)の1つの内部の様子を示している。パイプ55(1)は、ちょうつがいで動くゲート65a、65bの対、即ち、左側のちょうつがいで動くゲート65a及び右側のちょうつがいで動くゲート65bを有するように示されていて、唾液がパイプ55(1)の中を通過するとき、唾液流を調節する役割を果たす。2つのゲート65a、65b(開状態及び閉状態の両方の位置で示している)は、それぞれのゲートの斧70、71について回転可能である。当業者は、多様な他の一方向のゲート状装置をまた、例示としての実施形態に示すちょうつがいで動くゲート65a、65bの対に代えて、用いることが可能であることを理解することができるであろう。
【0025】
唾液流測定システム55により生成される出力信号は、電気的に刺激された味覚知覚についてのユーザの好み又は味覚知覚の不足を測定するように、インタラクティブ装置50を介してコンテンツプロバイダ80にフィードバックされることが可能である。出力信号はまた、インタラクティブ装置50に関連付けられたメモリ52に記憶されることが可能である。
【0026】
インタラクティブ装置50は、舌プレート10と共に用いるために適切な電子信号に、コンテンツソース80により与えられる舌プレート情報を変換するためのハードウェア及び/又はソフトウェア手段を少なくとも有する。インタラクティブ装置50は、好適には、コンテンツソース80から受けた舌プレート情報を処理するように適合されたソフトウェアアプリケーションを有する。舌プレート情報は、例えば、舌プレート10においてどの刺激ノード13が励起されるべきか、刺激ノード13に適用される電圧又は電流市劇レベル及び種々の刺激信号の特性(例えば、AC/DC、ブロック波、正弦波、信号持続時間等)を有することが可能である。舌プレート情報は、舌プレート10に供給される出力制御信号を供給するようにインタラクティブ装置50により処理される。インタラクティブ装置50はまた、簡単化のために、この実施例では示していない他の構成要素を有することが可能である。例えば、インタラクティブ装置は、例えば、視聴者のその装置との対話を容易にするように、ユーザインターフェースアプリケーション及びユーザインターフェース光、ボタン、制御器等を有することが可能である。
【0027】
図示されているように、インタラクティブ装置50に結合した外部のマルチメディア装置60は、外部のセットトップボックス、セットトップボックスを統合されたテレビジョン受信器、パーソナルコンピュータ、ラップトップコンピュータ又は携帯型コンピュータ等を有する、種々の装置として具現されることが可能である。
【0028】
外部のマルチメディア装置60がセットトップボックスとして具現される実施形態においては、外部のマルチメディア装置60は、ユーザ識別情報を記憶するようにプログラムされることが可能であり、それにより、ユーザがそれらの情報に入る要求を未然に防ぐことが可能であり、又は、セットトップボックスは識別情報に入ることを支援することが可能である。
【0029】
図2に示すように、コンテンツプロバイダ80は、コンテンツサーバ、映画のような記憶されているコンテンツ84、テレビジョンプログラム、コマーシャル、音楽並びに類似する音響及び/又は映像コンテンツを有する。コンテンツサーバ82は、放送網110を介してコンテンツサーバ80からインタラクティブ装置50に記憶されているコンテンツ84の分配を制御する。更に、コンテンツサーバ82は、放送網110における場所に記憶されているコンテンツ及び/又は生放送のコンテンツ(例えば、生放送の供給のような、予め記憶されていないコンテンツ)の分配を制御する。コンテンツプロバイダ80は、テレビジョン放送局、ケーブル放送プロバイダ、直接放送の人工衛星、ユニキャスト、マルチキャスト又は放送の様式でコンテンツを送信するインターネットサイト、DVD(Digital Versatile Disk)、ビデオカセットレコーダ(VCR)、上記の及び他のコンテンツのソースの組み合わせとして具現されることが可能である。
【0030】
コンテンツプロバイダ80がテレビジョン放送局として具現され、放送信号がデジタル放送信号である場合、刺激信号は、従来の放送サービスと共に送信されることが可能であるxletパッケージの内部でコンテンツプロバイダ80からインタラクティブ装置50に供給されることが可能である。既知であるように、xletは手続のアプリケーションであり、アプレットのデジタルテレビジョン(DTV)の拡大部分である。xletは、放送の映像/音声部分を視聴している間に実行されることができるインタラクティブプログラムである。
【0031】
コンテンツプロバイダ80がテレビジョン放送局として具現され、放送信号がアナログ放送信号である場合、刺激信号は、好適には、放送の可聴部分と干渉しないように、20Hz乃至20kHzの範囲の外側で、音声スペクトルの非可聴部分においてコンテンツソースかたインタラクティブ装置50に供給されることが可能である。代替として、刺激信号は、映像スペクトルの非表示部分において又はテレテキストページを介してコンテンツソースからインタラクティブ装置50に供給されることが可能である。
【0032】
例えば、ユニキャスト、マルチキャスト又は放送様式、DVD(Digital Versatile Disk)、ビデオカセットレコーダ(VCR)、上記の及び他の類似するコンテンツのソースにおけるコンテンツを送信するインターネットサイトのようなテレビジョン放送局以外のソースとして、コンテンツプロバイダ80が具現されている場合、刺激信号は、舌プレート10に適切なインタフェースを介してインタフェース装置50に供給されることが可能である。
【0033】
リターンチャネルとしてまた、用いられる組み込まれたモデムを介して、例えば、DOCSISモデムのような常時オンリターンチャネルを通って、別個の電話接続を有することがまた、可能である。
【0034】
図5は、種々の食品の好みに適合するインタラクティブ放送に関連してユーザの舌に感覚刺激を与えるための方法500についての本発明の一実施形態のフロー図である。インタラクティブ放送は既知であるが、本発明の舌プレート10が放送中に準備される食品のインタラクティブな感覚刺激を与える点で、本発明はインタラクティブ放送の新規な多様性を与える。説明する段階においては、種々の料理が、特定の料理スタイルで、ホストにより準備されるインタラクティブ料理プログラムを見せる放送チャネルにユーザがあわせることを前提としている。
【0035】
段階501: 例示目的で、統合されたセットトップボックスを有するテレビジョン受信器として具現される、ユーザの外部のマルチメディア装置60が料理プログラムを表示するチャネルに合わせるときに、そのプロセスは開始される。料理番組は、代表的には、少なくとも1つのレシピの準備を有する。
【0036】
段階503: ユーザは、舌プレート10と結合されたインタラクティブ装置50をオンに切り換える。
【0037】
段階505: ユーザは、適切なデータフィールドに、ユーザに予め与えられているユーザのユーザ名及びパスワードを入力し、“Log In”アイコンをクリックすることによりインタラクティブ装置50にログインするように試みる。新規ユーザに対しては、インタラクティブ装置50はユーザに種々の情報を求め、一旦、ユーザがこのような情報を与えると、ユーザ名及びパスワードが与えられる。代替として、ユーザ情報は、インタラクティブ装置50と関連付けられたメモリ52に予め記憶されることが可能であり、ユーザは単一の署名によりそのシステムに直接入ることが可能であり、ユーザが、システム200がアクセスされる毎にログインする必要性をなくすことが可能である。
【0038】
段階507: 一旦、ユーザが、成功裏に、そのシステムにログインすると、好ましい味覚の好みのようなユーザの好みが、そのユーザについてのユーザ特定化集合に基づいて、インタラクティブ装置50に結合された又はそのインタラクティブ装置50に統合されたメモリからロードされる。
【0039】
段階509: ユーザは、舌プレート10をユーザの口内に装着する。
【0040】
段階511: 食品は料理番組で準備されているため、制御信号(舌プレートデータ)は、放送局80からインタラクティブ装置50への従来の音声/映像情報と共に送信される。
【0041】
段階513: インタラクティブ装置50は、準備されている食品に関連付けられている舌プレート10における適切な刺激ノード13を刺激するために適切な電気刺激を生成するように制御信号を処理する。刺激信号は、テレビジョンセット25に供給されている映像/音声信号により調整される。
【0042】
段階515: 唾液流速度が、刺激信号に応じて測定され、適切なフィードバック信号がその測定された唾液流速度に対応して生成され、インタラクティブ装置50のメモリ52に記憶される。
【0043】
段階517: フィードバック情報は、リターンチャネルを介して、放送局80に戻るように送信される。代替の実施形態においては、フィードバック情報は。次のような複数の方式で用いられることが可能であるが、それらの方式に限定されるものではない。
【0044】
● 食品メーカーのための市場情報
● 料理番組のホストに好みのアイテムの指標を供給し、それ故、ホストが好みのアイテムで料理を継続することを可能にする。
● ユーザを特定するディレクトリ、例えば、“ユーザXにとって良好な味わいの風味”をインタラクティブ装置50内部に記憶する。
● フィードバック情報は、ゲームのような他のアプリケーション、他のxlet又は他の装置(例えば、コンピュータ)、それ故、前記インタラクティブ装置で実行されるアプリケーションのための入力として用いられることが可能である。
【0045】
段階519: ユーザは、洗浄して乾燥させるように、舌プレートを取り外す。
【0046】
段階521: ユーザは、インタラクティブ装置50をログオフし、インタラクティブ装置をオフに切り換える。
【0047】
本発明について、特定の実施形態に関連して詳述したが、同時提出の特許請求の範囲に記載されている本発明の範囲及び主旨から逸脱することなく、種々の変形を考案することができることが理解できるであろう。上記の詳細説明及び図は、したがって、例示とみなされるべきものであり、同時提出の特許請求の範囲における範囲を限定するように意図されていない。
【0048】
特許請求の範囲を解釈する上で、次のように理解する必要がある。
a)用語“を有する”は、所定の請求項に列挙された要素又は段階以外の要素又は段階の存在を排除するものではない。
b)要素の単数表現はそのような要素の複数の存在を排除するものではない。
c)幾つかの“手段”は、構成又は機能を実施する同じアイテム、ハードウェア又はソフトウェアにより表されることが可能である。
d)開示している要素の各々は、ハードウェア部分(例えば、ディスクリート電子回路)ソフトウェア部分(例えば、コンピュータプログラミング)又は何れのそれらの組み合わせを有することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】人間の舌の模式的な断面図である。
【図2】本発明の実施形態にしたがった味覚知覚システムの斜視図である。
【図3a】本発明の実施形態にしたがった、図2の刺激ノードの拡大図である。
【図3b】本発明の実施形態にしたがった、図2の刺激ノードの拡大図である。
【図4a】図2の唾液流測定システムを示す図である。
【図4b】図2の唾液流測定システムを示す図である。
【図4c】図2の唾液流測定システムを示す図である。
【図5】本発明の実施形態にしたがった方法のフロー図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
人間の舌に対して適合するようにサイズ合わせされた舌プレートであって:
所定位置において前記人間の舌における感覚神経線維を刺激するように外部で生成された電気信号を伝達するように動作する複数の電気刺激ノードを有する下部表面;及び
前記感覚神経線維の前記刺激に応じて人間の唾液流速度の変化率を測定するための唾液流測定手段を有する上部表面;
を有する、ことを特徴とする舌プレート。
【請求項2】
請求項1に記載の舌プレートであって、前記舌プレートは、前記人間の舌の側部に沿って伸びている左及び右ショルダを更に有し、前記左及び右ショルダは、横方向の滑りを回避する役割を果たし、一般に、前記人間の舌の輪郭に従っている、ことを特徴とする舌プレート。
【請求項3】
請求項1に記載の舌プレートであって、前記舌プレートは丸みを帯びた端部を有するように形成され、前記人間の舌の柔らかい組織の損傷を回避するように表面処理されている、ことを特徴とする舌プレート。
【請求項4】
請求項1に記載の舌プレートであって、前記電気信号は、交流信号、直流信号並びに交流信号及び直流信号の組み合わせの一である、ことを特徴とする舌プレート。
【請求項5】
請求項1に記載の舌プレートであって、前記唾液流測定手段は、前記舌プレートの前記上部表面の背後部分に位置付けられた複数の平行なパイプであり、前記電気刺激に応じて生成される唾液流の少なくとも一部が前記平行なパイプを通って流れるように、前記舌プレートの長手方向の軸に対して平行な線に沿って水平に伸びている、ことを特徴とする舌プレート。
【請求項6】
請求項5に記載の舌プレートであって、前記平行なパイプの各々の内側領域は、協働して機能する左側のちょうつがいで動くゲートと右側のちょうつがいで動くゲートとを有し、各々のゲートは、第1の閉状態の位置から第2の外側に広がった位置まで前記2つのゲートが回転することが可能である各々の左及び右ゲート斧について回転可能である、ことを特徴とする舌プレート。
【請求項7】
請求項1に記載の舌プレートであって、前記複数の刺激ノードの各々はポール群を有し、各々のポール群は1つ又はそれ以上の刺激ノードを有する、ことを特徴とする舌プレート。
【請求項8】
請求項1に記載の舌プレートであって、各々の刺激ノードは、前記電気刺激を導くために正の外側領域により包まれた負の内側領域を有する、ことを特徴とする舌プレート。
【請求項9】
請求項1に記載の舌プレートであって、各々の刺激ノードは、前記電気刺激を導くために負の外側領域により包まれた正の内側領域を有する、ことを特徴とする舌プレート。
【請求項10】
ユーザの舌における味覚知覚を電気的に刺激するためのシステムであって:
舌プレートデータを生成するように動作するコンテンツプロバイダ;
前記コンテンツプロバイダと通信し、且つ前記舌プレートデータを受け、前記舌プレートデータを電気刺激信号に変換し、そして前記電気刺激信号を舌プレートに出力するようになっているインタラクティブ装置;並びに
前記インタラクティブ装置から前記電気刺激信号を受け、そして前記舌プレートにおいて組み込まれた複数の刺激ノードを介して人間の舌における感覚神経線維を刺激するように電気刺激信号を適用する舌プレート;
を有することを特徴とするシステム。
【請求項11】
請求項10に記載のシステムであって、前記コンテンツプロバイダは、コンテンツサーバと、前記舌プレートデータと、映画、テレビ番組、コマーシャル、音楽並びに類似する音声及び/又は映像コンテンツのような記憶/検索されたコンテンツとを有し、前記舌プレートデータは、前記インタラクティブ装置に前記記憶/検索されたコンテンツと共に同調して供給される、ことを特徴とするシステム。
【請求項12】
請求項10に記載のシステムであって、前記インタラクティブ装置は、前記舌プレートに含まれる前記複数の刺激ノードの特定の一に対して電極リードワイヤを接続するための出力コネクタを有する、ことを特徴とするシステム。
【請求項13】
請求項10に記載のシステムであって、前記インタラクティブ装置は前記舌プレートに無線で結合されている、ことを特徴とするシステム。
【請求項14】
請求項10に記載のシステムであって、前記インタラクティブ装置はメモリ手段を更に有する、ことを特徴とするシステム。
【請求項15】
請求項10に記載のシステムであって、前記舌プレートは、人間の唾液流速度を測定するための唾液流速度測定手段を更に有する、ことを特徴とするシステム。
【請求項16】
請求項10に記載のシステムであって、前記複数の刺激ノードはポール群を有し、各々のポール群は1つ又はそれ以上の刺激ノードを有する、ことを特徴とする舌プレート。
【請求項17】
請求項10に記載のシステムであって、各々のポール群は前記インタラクティブ装置の個別のチャネルと独立して結合している、ことを特徴とする舌プレート。
【請求項18】
味覚知覚を刺激するための方法であって:
a)ユーザの舌に舌プレートを位置付ける段階;
b)前記舌プレートにおいて複数の電気刺激信号を外部のソースから受ける段階;
c)前記ユーザの舌における感覚神経線維を電気的に刺激するように前記舌プレートに備えられている複数の刺激ノードに対して前記受けた電気刺激信号を適用する段階;
d)前記適用した電気刺激信号に応じて前記ユーザの唾液流速度を測定する段階;
を有することを特徴とする方法。
【請求項19】
請求項18に記載の方法であって、前記複数の刺激ノードは前記ユーザの舌の上部表面の所定位置と接触している、ことを特徴とする方法。
【請求項20】
請求項18に記載の方法であって、前記受ける段階は;
コンテンツプロバイダから、前記インタラクティブ装置にネットワークにおいて舌プレートデータを含むマルチメディアデータを送信する手順;
前記インタラクティブ装置において、前記送信された舌プレートデータを前記電気刺激信号に変換する手順;及び
前記電気刺激信号前記舌プレートに供給する手順;
を有する、ことを特徴とする方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3a】
image rotate

【図3b】
image rotate

【図4a】
image rotate

【図4b】
image rotate

【図4c】
image rotate

【図5】
image rotate


【公表番号】特表2007−521868(P2007−521868A)
【公表日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−550459(P2006−550459)
【出願日】平成17年1月26日(2005.1.26)
【国際出願番号】PCT/IB2005/050303
【国際公開番号】WO2005/072821
【国際公開日】平成17年8月11日(2005.8.11)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】