説明

品質情報収集分析システム

【課題】生産工程における不良発生の原因を迅速に調査できるようにする。
【解決手段】部品を組み付ける1以上の組立装置を有する1以上の組立設備と、組立装置により部品を組み付けられた組立品を検査する1以上の検査装置と、組立品の品質情報を管理する品質収集分析装置を備える品質情報収集分析システムであって、組立装置は、組立品の組み付け時刻を出力する組立装置生産時刻出力手段を有し、検査装置は、組立品の検査結果を出力する検査情報出力手段を有し、品質収集分析装置は、組立装置生産時刻出力手段によって出力された組み付け時刻を入力する組立装置生産時刻入力手段と、検査情報出力手段によって出力された検査情報を入力する検査情報入力手段と、部品の情報を記憶している記憶部と、組み付け時刻と、検査結果と、を用いて不良原因を分析する分析手段と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生産設備における品質情報を収集して内容を調査する品質情報収集分析システムに関する。
【背景技術】
【0002】
生産設備における品質情報を収集し、表示するシステム及び方法に関して、組立品の識別情報とその品質情報を自動的に取り込み、結果を表示する方法が知られている。
【0003】
例えば特許文献1においては、組立・生産ラインで製造される製造物の管理を効率的かつ迅速におこなうことが可能な生産管理システム、生産管理方法等を提供することを目的として、組立品の識別情報、品質情報、生産関連情報を品質データとして送出し、これらデータを集計した上で表やグラフで表示するという発明が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記載されている方法では、1設備毎に検査を行うために、検査時間から設備間に要した時間が通常より異なる場合などに不良が多い等の情報を推測することはできても、例えば、設備間にA装置、B装置、C装置が備えられている場合に、A装置における組み付けに時間がかかったのか、B装置における組み付けに時間がかかったのか、などはわからず、各装置に起因する不良を特定することが困難であった。ここで設備とは、複数の互いに独立した装置からなるラインも含むものである。
【0005】
そこで本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、生産設備における不良発生の原因を迅速に調査できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明に係る品質情報収集分析システムは、部品を組み付ける1以上の組立装置を有する1以上の組立設備と、組立装置により部品を組み付けられた組立品を検査する1以上の検査装置と、組立品の品質情報を管理する品質収集分析装置を備える品質情報収集分析システムであって、組立装置は、組立品の組み付け時刻を出力する組立装置生産時刻出力手段を有し、検査装置は、組立品の検査結果を出力する検査情報出力手段を有し、品質収集分析装置は、組立装置生産時刻出力手段によって出力された組み付け時刻を入力する組立装置生産時刻入力手段と、検査情報出力手段によって出力された検査情報を入力する検査情報入力手段と、部品の情報を記憶している記憶部と、組み付け時刻と、検査結果と、を用いて不良原因を分析する分析手段と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明により、生産設備における不良発生の原因を迅速に調査することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施形態に係る品質情報収集分析システムに必要なデータの流れを示した図である。
【図2】本発明の実施形態に係る品質情報収集分析システムの装置別生産時刻格納テーブルを示す図である。
【図3】本発明の実施形態に係る品質情報収集分析システムの品質データ格納テーブルを示す図である。
【図4】本発明の実施形態に係る品質情報収集分析システムの不良要因案テーブルを示す図である。
【図5】本発明の実施形態に係る品質情報収集分析システムの部品構成テーブルを示す図である。
【図6】本発明の実施形態に係る品質情報収集分析システムの部品形状テーブルを示す図である。
【図7】本発明の実施形態に係る品質情報収集分析システムの部品装置設定テーブルを示す図である。
【図8】本発明の実施形態に係る品質情報収集分析システムの各テーブルの関係を示す図である。
【図9】本発明の実施形態に係る装置の実績NCデータを用いる場合の品質情報収集分析システムに必要なデータの流れを示す図である。
【図10】本発明の実施形態に係る品質情報収集分析システムの装置別実績NCデータ格納テーブルを示す図である。
【図11】本発明の実施形態に係る品質情報収集分析システムの各テーブルの関係を示す図である。
【図12】本発明の実施形態に係る検査1における不良項目別装置種類β積み棒グラフを示す図である。
【図13】本発明の実施形態に係る特定の機種分類番号1で集計した検査1における装置種類β別不良件数積み棒グラフを示す図である。
【図14】本発明の実施形態に係る表を示す図である。
【図15】本発明の実施形態に係る品質情報収集分析システムの各組立設備における装置ごとの時刻の送出を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は、本発明の実施形態に係る、品質情報収集分析システムに必要なデータの流れを表した図である。本実施形態に係る、品質情報収集分析システムについて図1を参照して説明する。
【0010】
本品質情報収集分析システムは、組立設備2と、組立設備3と、組立設備4と、検査装置5と、検査装置6と、検査装置7と、品質収集分析装置1と、を備える。
【0011】
品質収集分析装置1は、入力部8と、入力部10と、品質収集分析部16と、記憶部20と、記憶部21と、を備える。
【0012】
記憶部21は、装置別生産時刻格納テーブル9と、品質データ格納テーブル11と、不良要因案テーブル15を有する。記憶部20は、部品構成テーブル12と、部品形状テーブル13と、部品装置設定テーブル14と、を有する。
【0013】
品質収集分析部16は、装置別生産時刻格納テーブル9と、品質データ格納テーブル11と、不良要因案テーブル15と、部品構成テーブル12と、部品形状テーブル13と、部品装置設定テーブル14と、を参照して分析することができる。
【0014】
組立設備2は、複数の組立装置で構成され、定められた順番に従って組立部品を組み付けて組立品を生産する設備である。各組立装置は組立部品を組み付けた時間を品質収集分析装置1に送出する手段を有している。
【0015】
例えば図15に示すように組立設備2には、組み付け装置201と、組み付け装置202と、組み付け装置203と、があり、組み付け装置201は組立部品の組み付けが終了したら組み付け時刻を入力部8に送出する。次に組み付け装置202は組立部品の組み付けが終了したら組み付け時刻を入力部8に送出する。次に組み付け装置203は組立部品の組み付けが終了したら組み付け時刻を入力部8に送出する。組立設備3と、組立設備4も同様である。
【0016】
検査装置5は、それぞれの組立設備で組立部品を組み付けられた組立品を検査装置が検査して、被検査品の識別情報や不良の有無、及び不良有りのときは不良発生部品のアドレスと不良内容などの結果を品質収集分析装置1に送出する手段を有している。検査装置6と、検査装置7も同様である。
【0017】
入力部8は、各設備における組立装置ごとの生産開始または終了時刻を受け付ける。例えば生産時刻は組立品が組立装置を通過した時刻が入力される。
【0018】
装置別生産時刻格納テーブル9は、図2に示すように入力部8で受け付けた、各設備における装置ごとの生産開始または終了時刻を格納する。このテーブルは、ロットNO、機種分類番号2、装置名、生産開始または終了時刻などで構成されている。
【0019】
入力部10は、それぞれの組立装置で組立部品を組み付けられた組立品を検査装置が検査した結果が検査装置から出力されるので、その検査結果を受け付ける。
【0020】
品質データ格納テーブル11は、図3に示すように入力部10で受け付けた、各組立品に対応する検査の結果を格納する。このテーブルは、年月日、ロットNO、機種分類番号2、枚数、工番、アドレス、件数、不良内容などで構成されている。
【0021】
部品構成テーブル12は、図5に示すように組立品のベースとなる部品やベースとなる部品に組付ける各部品のアドレスと部品番号などを格納したものである。このテーブルは機種分類番号2、機種分類番号1、アドレス、部品番号などで構成されている。
【0022】
部品形状テーブル13は、図6に示すように組立部品の部品番号ごとに各部品のサイズや特性などを格納したものである。このテーブルは部品番号、部品分類、ピン番号、長さ、幅、ピン間などで構成されている。
【0023】
部品装置設定テーブル14は、図7に示すように該当する組立部品はどの装置で組付けるのかなどの情報を格納したものである。このテーブルは機種分類番号2、装置種類、装置などで構成されている。
【0024】
不良要因案テーブル15は、図4に示すように品質データ格納テーブル11に格納された不良内容を分類して不良項目別に要因第一候補となる装置種類などを格納したものである。このテーブルは不良内容、要因案などで構成されている。
【0025】
品質収集分析部16は、装置別生産時刻格納テーブル9と品質データ格納テーブル11と部品構成テーブル12と部品形状テーブル13と部品装置設定テーブル14と不良要因案テーブル15とを参照して、各テーブルに格納された情報を分析することができる。例えば分析する対象期間を任意に選択することができる。また分析する対象項目を任意に設定することができる。例えば、不良項目別に不良件数を計算したり、選択した機種分類ごとに不良件数を計算したり、選択した装置ごとに不良件数を計算したりすることができる。
【0026】
まず部品を組み付ける1つ以上の組立装置を有する1つ以上の組み立て設備からなる、部品、ユニット、または製品の複数の生産・組立ラインにおいて、組立設備の装置ごとの生産開始または終了時刻(組立装置が組立部品を組み付けた時間)が入力される。そして組立品が各組立装置を通過した時刻は、装置ごとの生産開始または終了時刻を記憶する装置別生産時刻格納テーブルに格納される。
【0027】
組立装置は組み立てが始まった時刻か終わった時刻を入力部8に自動出力する。そして受付けられた時刻情報から装置別生産時刻格納テーブルを作成する。なお入力方法としては、各装置からの自動入力または人的入力、どちらでも可能である。本実施形態では、組立品のロットが通過した時刻にバーコードで組立品の識別情報を読むことで組立品が各組立装置を通過した時刻が入力されている。
【0028】
また、それぞれの組立装置で組立部品を組み付けられた組立品に対する検査の結果(部品、アドレスAが欠品した、不良など)は、品質データ格納テーブルに格納される。品質データは複数の検査装置から、被検査品の識別情報や不良の有無、及び不良有りのときは不良発生部品のアドレスと不良内容などが格納されている。その入力方法は、各検査装置からの自動入力または人的入力、どちらでも可能である。例えば検査担当者が紙に書いた情報を入力者が入力するという方法と、検査装置から出力される検査結果を読み込むことで入力するという方法の両方を実施してもよい。
【0029】
また記憶部20には、部品構成テーブル12(組立品のベースとなる部品やそこに組付ける各部品のアドレスと部品番号を格納している)、部品形状テーブル13(部品番号ごとに各部品のサイズや特性などを格納している)、部品装置設定テーブル14(該当部品はどの装置で組付けるのかなどを格納している)の3つのテーブルがある。これらの3つのテーブルのデータは図8で示したような関係があり、該当部品は、どのような部品で、いつ、どの装置で組みつけられたものなのかを迅速に知ることができる。
【0030】
また記憶部21には、装置別生産時刻格納テーブル9、品質データ格納テーブル11、不良要因案テーブル15がある。
【0031】
また不良内容の不良項目別に要因第一候補となる装置種類などを格納した不良要因案テーブル15から、その不良項目に関連付けられた要因の第一候補を迅速に知ることができるようになっている。
【0032】
また品質収集分析部16は、予め設定する項目ごとに品質データ格納テーブル11に入力された検査データと、装置別生産時刻格納テーブル9と、部品構成テーブル12と、部品形状テーブル13と、部品装置設定テーブル14とを参照するので不良要因を迅速に調べることができる。
【0033】
また本品質収集分析装置1は分析する対象期間を選択することができる。そして分析した結果を、組立品のベースとなる部品をもとにした機種(機種分類番号1で区別)で分類して出力表示したり、組立品のベースのほかに部品構成と部品位置をもとにした機種(機種分類番号2で区別)で分類して出力表示したり、装置で分類して出力表示したりと、複数の機種分類や装置種類の中から出力表示方法を選択することができる。例えば、期間の選択(対象期間または表示期間)は、1日ごとや1週間ごとに自動で出力するように構成するようにしても良いし、期間の選択を手動で設定しても良い。また、予め決められた生産数が完成する毎に自動で出力するよう構成しても良い。
【0034】
さらに本品質収集分析装置1は分析対象期間(任意に選択した期間)の品質データより、該当部品がどの装置で、いつ組みつけられたのか、どのような部品形状かを、部品構成テーブル12と、部品形状テーブル13と、部品装置設定テーブル14との3つのテーブルと、装置別生産時刻格納テーブル9と、を参照して検索することができる。
【0035】
また本品質収集分析装置1は分析対象期間(任意に選択した期間)について、不良項目別に、選択した機種分類ごとに不良件数を計算したり、選択した装置ごとに(単数、または装置種類ごとに複数の)不良件数を演算したりすることができる。
【0036】
また本品質収集分析装置1は分析対象期間(任意に選択した期間)について、不良項目別に、選択した機種分類ごとに演算した不良件数や装置ごとに演算した(単数、または装置種類ごとに複数の)不良件数を、複数要素それぞれの数を表すグラフで表示することができる。
【0037】
また本品質収集分析装置1は分析対象期間(任意に選択した期間)において、選択した機種分類方法に基づいて、生産ロット別に時系列で、不良項目ごとの装置ごとの(単数、または装置種類ごとに複数の)不良件数を演算することができる。そして分析対象期間において、選択した機種分類方法について、生産ロット別に時系列で、不良項目ごとの装置ごとの(単数、または装置種類ごとに複数の)不良件数を、複数要素それぞれの数を表すグラフで表示することができる。
【0038】
また本品質収集分析装置1は分析対象期間において、品質データより導かれた、不良発生した該当部品が、どの装置で、いつ組みつけられたのか、どのような部品形状か、記憶部20(部品構成テーブル12、部品形状テーブル13、部品装置設定テーブル14)と装置別生産時刻格納テーブル9とを参照して分析することができる。そして分析対象期間において、品質データより導かれた、不良発生した該当部品が、どの装置で、いつ組みつけられたのか、どのような部品形状か、を表で表示することができる。
【0039】
また本品質収集分析装置1は分析対象期間において、品質データより導かれた、不良発生した該当部品が、どの装置で、いつ組みつけられたのか、どのような部品形状か、どのような要因が第一候補なのかを、部品構成テーブル12、部品形状テーブル13、部品装置設定テーブル14、装置別生産時刻格納テーブル9、不良要因案テーブル15と、を参照して分析することができる。また分析対象期間において、品質データより導かれた、不良発生した該当部品が、どの装置で、いつ組みつけられたのか、どのような部品形状か、どの要因が第一候補なのか、を表で表示することができる。
【0040】
図2は、装置別生産時刻格納テーブル9の構成を示す。入力部8から入力された各設備における装置ごとの生産開始または終了時刻を格納する。このテーブルは、ロットNO、機種分類番号2、装置、生産時刻などで構成されている。
【0041】
図3は、品質データ格納テーブル11の構成を示す。入力部10から入力された各組立品に対応する検査の結果を格納する。このテーブルは、年月日、ロットNO、機種分類番号2、枚数、工番、アドレス、件数、不良内容などで構成されている。
【0042】
図4は、不良要因案テーブル15の構成を示す。品質データ格納テーブル11に格納された不良内容の不良項目別に要因第一候補となる装置種類などを格納したものである。このテーブルは不良内容、要因案などで構成されている。
【0043】
図5は、部品構成テーブル12の構成を示す。組立品のベースとなる部品やそこに組付ける各部品のアドレスと部品番号などを格納したものである。このテーブルは機種分類番号2、機種分類番号1、アドレス、部品番号などで構成されている。
【0044】
図6は、部品形状テーブル13の構成を示す。組立部品の部品番号ごとに各部品のサイズや特性などを格納したものである。このテーブルは部品番号、部品分類、ピン番号、長さ、幅、ピン間などで構成されている。
【0045】
図7は、部品装置設定テーブル14の構成を示す。該当する部品はどの装置で組付けるのかなどを格納したものである。このテーブルは機種分類番号2、装置種類、装置で構成されている。
【0046】
図8は、品質データ格納テーブル11と他の各テーブルとの関係を示している。装置別生産時刻格納テーブル9は、ロットNOと関係し、部品装置設定テーブル14は機種分類番号2と関係し、部品構成テーブル12は、機種分類番号2と関係し、さらに部品構成テーブル12の部品番号は、部品形状テーブル13と関係している。また不良要因案テーブル15は不良内容と関係している。
【0047】
図9は、本実施形態に係る部品装置設定テーブル14に代えて、または加えて、組立装置ごとに実際に組み付けた各部品の情報データである組立装置の実績NCデータを用いる場合の品質情報収集分析システムに必要なデータの流れを表した図である。
【0048】
組立装置ごとに実際に組み付けた各部品の情報データが各組立装置から入力部8に対して出力されるので、その情報データを受け付けた入力部8から入力された装置別実績NCデータを格納する装置別実績NCデータテーブル18が加わったものである。符号は図1と同様な部分は同じとしているので、加えた部分のみ説明をする。その他に各組立装置から出力される生産情報を読み込むことで入力することもできる。
【0049】
装置別実績NCデータ格納テーブル18は、図10に示すように組立装置ごとに実際に組み付けた各部品の生産情報データが組立装置から出力されるので、その組立装置ごとの装置別実績NCデータを格納する。このテーブルは、ロットNO、装置種類、装置などで構成されている。
【0050】
図1で示した部品装置設定テーブル14では、該当部品が組みつけられた装置を特定できないことがある。例えば、同一形式のNCを用いる装置が複数台ある場合、部品装置設定テーブル14ではそのいずれでも組付け可能であるデータが格納されていた場合である。また複数の設備設定が用意されている場合、いずれの設備設定でも該当部品が組付け可能な場合である。それらの場合には、装置別実績NCデータが入力されることにより、該当ロットの該当部品はどの組立装置で組みつけられたのかを知ることができるようになる。
【0051】
従って部品装置設定テーブル14に代えて、またはそれに加えて、装置別実績NCデータを格納する装置別実績NCデータ格納テーブル18を備えている。装置別実績NCデータの入力方法は、装置からの自動入力でも人的入力でも、どちらでも可能である。本実施形態では、実績NCデータをデータベースにアップロードしたものを入力する、という方法を用いている。これによって入力した装置別実績NCデータは装置別実績NCデータ格納テーブル18に格納される。
【0052】
図10は、装置別実績NCデータ格納テーブル18の構成を示す。該当する部品はどの装置で組付けたのかなどを格納したものである。このテーブルはロット番号、装置種類、装置などで構成されている。たとえば装置「か」には同一形式のNCを用いる「か1」「か2」がある場合、部品装置設定テーブルでは装置として「か」とのみ表記されているものでも装置別実績NCデータ格納テーブルには装置として「か1」などと表記されているので、装置を特定できる。
【0053】
図11は、品質データ格納テーブル11と他の各テーブルとの関係を表している。装置別生産時刻格納テーブル9は、ロットNOと関係し、装置別実績NCデータ格納テーブル18はロットNOと関係し、部品構成テーブル12は、機種分類番号2と関係し、さらに部品構成テーブル12の部品番号は、部品形状テーブル13と関係している。また不良要因案テーブル15は不良内容と関係している。
【0054】
図12は、不良項目別積み棒グラフの表示出力の例である。図12のグラフは、予め設定した特定期間の不良項目別件数を、特定装置種類について装置別に積み棒グラフとしたもので、特定期間にどの装置に関連して不良が多発したかを迅速に知ることができる。
【0055】
また本発明の実施形態においては、設備の装置ごとの生産開始または終了時刻(組立品が各組立装置を通過した時刻)は、装置ごとの生産開始または終了時刻を格納する装置別生産時刻格納テーブルに格納されているため、例えばA装置とB装置の間で通常より時間がかかった時に不良が発生した場合は、その設備間での不良が多いかがわかるようになる。さらに組立品が組立装置を通過する時刻をリアルタイムに出力して記録するので、どの組立装置と、どの組立装置の間で通常より時間がかかったら不良になりやすいかなどが分かるために、どの組立装置に起因する不良であるかが推定可能になる。
【0056】
図13は、特定機種に関するロット別積み棒グラフの表示出力の例である。図13のグラフは、予め設定した特定期間のロット別不良件数を、特定装置種類について装置別に積み棒グラフとしたもので、特定期間にどのロットで不良が多発したか、突発なのか慢性なのか、また特定装置に対策を行った場合に効果があったのか、などを迅速に知ることができる。
【0057】
図14は、任意に表示項目が設定できる表の表示出力の例である。図14より、該当部品はどのような部品で、いつ、どの装置で組みつけられたのかを容易に知ることができるため原因を迅速に知ることができる。また要因の第一候補が分かることで要因案別集計が容易にできるので、対策の優先順位を立てることや対策の効果を知ることなどが迅速にできるようになる。
【0058】
図15は、組立設備における組立装置を示す図である。組立設備2は組み付け装置201と、組み付け装置202と、組み付け装置203と、がある。組み付け装置201は組立部品の組み付けが終了したら時刻を入力部8に送出する。次に組み付け装置202は組立部品の組み付けが終了したら組み付け時刻を入力部8に送出する。次に組み付け装置203は組立部品の組み付けが終了したら組み付け時刻を入力部8に送出する。
【0059】
また上記の実施形態によれば、品質データに加えて、部品構成データ、部品形状データ、部品装置設定データ、生産装置ごとの生産時刻を取り込むことで、不良の発生した部品がどのような形状の部品で、いつ、どの装置で組みつけられたのか、表やグラフで表示できるようになる。
【0060】
また上記の実施形態によれば、不良要因案を表示されるため不良要因の第一候補が組立設備に詳細な知識が無くてもすぐに分かることができる。
【0061】
また上記の実施形態によれば、不良発生状況を時系列に知ることができるので不良が突発か慢性か、対策に効果があったのかが一目で分かるようになる。
【0062】
また上記の実施形態によれば、部品装置設定データだけでどの装置で組みつけられたか特定できない場合でも、生産装置ごとの実績NCデータを取り込むことで、それが特定できることになる。
【0063】
本発明に係る品質情報収集分析システムは、分析手段によって分析した結果を表示出力する表示出力手段を有し、表示出力手段は、任意に設定できる表示項目に基づいて表やグラフで表示するようにしても良い。
【0064】
本発明に係る品質情報収集分析システムの表示出力手段は、予め決められた数の組立品の完成毎に分析結果を出力するようにしても良い。
【0065】
本発明に係る品質情報収集分析システムの表示出力手段は、予め決められた時間に分析結果を出力するようにしても良い。
【0066】
本発明に係る品質情報収集分析システムの組立装置は、組立品の組み付け情報を出力する装置別実績NCデータ出力手段を有し、品質収集分析装置は、装置別実績NCデータ出力手段によって出力された組み付け情報を入力する装置別実績NCデータ入力手段を有し、分析手段は、組み付け情報をさらに用いて不良原因を分析するようにしても良い。
【0067】
本発明に係る品質情報収集分析システムの品質収集分析装置は、不良内容と不良要因案が関連づけられた不良要因案テーブルを有し、分析手段は、さらに不良要因案テーブルを用いて不良要因の第一候補を分析するようにしても良い。
【産業上の利用可能性】
【0068】
本発明によれば、生産設備における品質情報を収集して内容を調査するシステムなどの用途に適用できる。
【符号の説明】
【0069】
1 品質収集分析システム
2、3、4 組立装置
5、6、7 検査装置
8 入力部
9 装置別生産時刻格納テーブル
10 入力部
11 品質データ格納テーブル
12 部品構成テーブル
13 部品形状テーブル
14 部品装置設定テーブル
15 不良要因案テーブル
16 品質収集分析部
18 装置別実績NCデータ格納テーブル
20、21 記憶部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0070】
【特許文献1】特開2002−163011号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
部品を組み付ける1以上の組立装置を有する1以上の組立設備と、前記組立装置により前記部品を組み付けられた組立品を検査する1以上の検査装置と、前記組立品の品質情報を管理する品質収集分析装置を備える品質情報収集分析システムであって、
前記組立装置は、
前記組立品の組み付け時刻を出力する組立装置生産時刻出力手段を有し、
前記検査装置は、
前記組立品の検査結果を出力する検査情報出力手段を有し、
前記品質収集分析装置は、
前記組立装置生産時刻出力手段によって出力された前記組み付け時刻を入力する組立装置生産時刻入力手段と、
前記検査情報出力手段によって出力された前記検査情報を入力する検査情報入力手段と、
前記部品の情報を記憶している記憶部と、前記組み付け時刻と、前記検査結果と、を用いて不良原因を分析する分析手段と、
を有することを特徴とする品質情報収集分析システム。
【請求項2】
前記分析手段によって前記分析した結果を表示出力する表示出力手段を有し、
前記表示出力手段は、任意に設定できる表示項目に基づいて表やグラフで表示することを特徴とする請求項1に記載の品質情報収集分析システム。
【請求項3】
前記表示出力手段は、予め決められた数の組立品の完成毎に分析結果を出力することを特徴とする請求項2記載の品質情報収集分析システム。
【請求項4】
前記表示出力手段は、予め決められた時間に分析結果を出力することを特徴とする請求項2記載の品質情報収集分析システム。
【請求項5】
前記組立装置は、
前記組立品の組み付け情報を出力する装置別実績NCデータ出力手段を有し、
前記品質収集分析装置は、
前記装置別実績NCデータ出力手段によって出力された前記組み付け情報を入力する装置別実績NCデータ入力手段を有し、
前記分析手段は、前記組み付け情報をさらに用いて不良原因を分析することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の品質情報収集分析システム。
【請求項6】
前記品質収集分析装置は、不良内容と不良要因が関連づけられた不良要因案テーブルを有し、
前記分析手段は、さらに不良要因案テーブルを用いて不良要因の第一候補を分析することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項記載の品質情報収集分析システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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