説明

哺乳瓶用漏斗

【課題】粉ミルクが付着することなく哺乳瓶に粉ミルクを投入することができる哺乳瓶用漏斗を提供する。
【解決手段】哺乳瓶の口に挿入され、中央に開口を有する円筒形の挿入部と、前記挿入部から上方に広がった漏斗部と、前記漏斗部に回転可能に保持され、粉ミルク収容部が設けられた粉ミルク投入容器とから構成される哺乳瓶用漏斗であって、前記粉ミルク投入容器は、粉ミルク収容部が上向きとなる状態から、粉ミルク収容部が下向きとなる状態へと回転可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粉ミルクを哺乳瓶に入れるための哺乳瓶用漏斗に関する。
【背景技術】
【0002】
赤ちゃんにミルクを飲ませるためには一般的に哺乳瓶を使用する。ミルクを作る方法としては、哺乳瓶に粉ミルクとお湯を入れて、哺乳瓶をよく振って粉ミルクとお湯をかき混ぜる方法が用いられている。この時、哺乳瓶の口は狭くて粉ミルクを入れにくいので、漏斗等(特許文献1参照)を用いて粉ミルクを哺乳瓶に入れる方法が用いられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−66459号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、漏斗等を用いる場合、哺乳瓶にお湯を先に入れていると、お湯の湯気により漏斗の内側表面に水滴が付着し、水滴によって粉ミルクが漏斗の内側表面に付着して、粉ミルクが漏斗から哺乳瓶へと投入しにくくなり、哺乳瓶の内側表面には投入されなかった粉ミルクが付着して残るという問題があった。また、粉ミルクが大量に付着すると、計量スプーン等でミルクを作るのに必要な粉ミルクの量を測っていても、実際に使用される粉ミルクの量が少なくなるという問題があった。
【0005】
そこで、本発明は従来の問題を解決するために、漏斗の内側表面に水滴が付着しない構造を用いて粉ミルクが漏斗に付着するのを防止し、粉ミルクを所定の量を正確に投入することができる哺乳瓶用漏斗を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の哺乳瓶用漏斗は、哺乳瓶の口に挿入され、中央に開口を有する円筒形の挿入部と、前記挿入部から上方に広がった漏斗部と、前記漏斗部に回転可能に保持され、粉ミルク収容部が設けられた粉ミルク投入容器とから構成され、前記粉ミルク投入容器は、粉ミルク収容部が上向きとなる状態から、粉ミルク収容部が下向きとなる状態へと回転可能であることを特徴とする。
【0007】
前記挿入部は、径の異なる2種類の円筒を同心円状に配置して形成することができる。
【0008】
前記粉ミルク投入容器は、前記漏斗部から取り外し可能とする。
【0009】
前記漏斗部は前記挿入部から上方へと延伸されたすり鉢状のすり鉢部と、前記すり鉢部から上方に延伸された円筒形の円筒部から構成される。
【0010】
前記粉ミルク投入容器は、略半球形状の粉ミルク収容部と取っ手から構成されてもよい。
【0011】
前記粉ミルク投入容器の互いに対向する2ヶ所に軸を設け、前記漏斗部の互いに対向する2ヶ所に切り欠きを設け、前記軸が前記切り欠きに上方から挿入されていることで、前記粉ミルク投入容器が回転可能となっている。
【0012】
前記漏斗部に粉ミルク飛散防止用の壁を設けることも可能である。
【発明の効果】
【0013】
本発明の哺乳瓶用漏斗は、哺乳瓶の口に挿入され、中央に開口を有する円筒形の挿入部と、前記挿入部から上方に広がった漏斗部と、前記漏斗部に回転可能に保持され、粉ミルク収容部が設けられた粉ミルク投入容器とから構成され、前記粉ミルク投入容器は、粉ミルク収容部が上向きとなる状態から、粉ミルク収容部が下向きとなる状態へと回転可能であることにより、粉ミルク投入容器の内側表面に水滴が付着しないので、粉ミルクが粉ミルク投入容器の内側表面に付着することなくスムーズに哺乳瓶へ投入することが可能となる。
【0014】
前記挿入部は径の異なる2種類の円筒を同心円状に配置して形成することにより、異なる種類の哺乳瓶に使用することが可能となる。
【0015】
前記粉ミルク投入容器を前記漏斗部から取り外し可能とすることで、哺乳瓶用漏斗を分解することができ、洗浄し易く、清潔な状態を保つことが可能となる。
【0016】
前記粉ミルク投入容器は、略半球形状の粉ミルク収容部と取っ手から構成されることで、取っ手を用いて粉ミルク投入容器を回転させ粉ミルクを簡単に投入できるようになる。
【0017】
前記粉ミルク投入容器の互いに対向する2ヶ所に軸を設け、前記漏斗部の互いに対向する2ヶ所に切り欠きを設け、前記軸が前記切り欠きに上方から挿入されていることにより、前記粉ミルク投入容器を回転可能かつ取り外し可能とすることができ、簡単な操作でそれらの操作が可能となる。
【0018】
前記漏斗部に粉ミルク飛散防止用の壁を設けることで、粉ミルク投入時に粉ミルクが周囲に飛散するのを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の哺乳瓶用漏斗の斜視図である。
【図2】本発明の哺乳瓶用漏斗の平面図である。
【図3】本発明の哺乳瓶用漏斗を分解した状態の斜視図である。
【図4】哺乳瓶用漏斗を哺乳瓶にセットした状態の断面図である。
【図5】粉ミルク投入容器が回転している状態を示す斜視図である。
【図6】粉ミルク投入容器が回転を完了した状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明を、図を用いて以下に詳細に説明する。図1が本発明の哺乳瓶用漏斗1の斜視図であり、図2が平面図である。本発明のピッチャー1は、図1、2に示すように、粉ミルクを一時的に収容し、哺乳瓶へと粉ミルクを投入する粉ミルク投入容器2と、哺乳瓶の口に挿入され、中央に開口を有する円筒形の挿入部4と、前記挿入部4から上方にすり鉢状に広がり、さらに上方に円筒形状に延長された漏斗部3とから構成されており、前記粉ミルク投入容器2は、前記漏斗部3に回転可能に保持されている。
【0021】
前記粉ミルク投入容器2は、粉ミルクを一時的に収容する略半円形状の粉ミルク収容部5と、粉ミルク投入容器2を回転させるための持ち手となる取っ手6とから構成される。前記取っ手6には孔を設けており、粉ミルク投入容器2をフック等に掛けることができるようにしている。さらに、前記粉ミルク投入容器2には、前記粉ミルク収容部5の互いに対向する2ヶ所に軸7及び軸7の先端に設けた円形の留め具8を設けている。
【0022】
前記漏斗部3は、前記挿入部4と一体となっており、前記挿入部4から上方にすり鉢状に広がるすり鉢部9と、前記すり鉢部9から上方に延長された円筒部10とから構成される。前記円筒部10の上部は途中に段差が設けられて略半分の高さが異なっており、低い方の上部に前記粉ミルク投入容器2の取っ手6が保持されることで、前記粉ミルク投入容器2は粉ミルク収容部5が上を向いた状態が保たれる。また、前記円筒部10には、前記粉ミルク投入容器2に設けたのと類似の取っ手12を設けてあり、取っ手12にも孔を設けることで、前記漏斗部3もフック等に掛けることができる。
【0023】
前記円筒部10の高い方には、前記粉ミルク投入容器2に設けられた2個の軸7が挿入される切り欠き11が、互いに対向する2ヶ所に設けられている。前記切り欠き11に挿入された軸7を中心に前記粉ミルク投入容器2は回転する。また、前記切り欠き11の上方から前記軸7を挿入するので、前記粉ミルク投入容器2は前記漏斗部3から簡単に取り外すことができ、使用後は分解して洗浄することができる。
【0024】
前記円筒部10の上部の高い方は、前記粉ミルク投入容器2を回転させて粉ミルクを哺乳瓶に投入する際に、粉ミルクが飛散するのを防水する粉ミルク飛散防止の壁として作用する。
【0025】
前記挿入部4は、径の異なる2種類の円筒を同心円状に配置して構成され、2種類の円筒は所定の間隔を有しており、それぞれ前記漏斗部3に接続されている。このような2種類の円筒を用いているのは、市販されている哺乳瓶の口の径には大きく分けて2種類の大きさがあり、異なる種類の哺乳瓶に使用することができるようにするためである。
【0026】
哺乳瓶用漏斗1の使用方法について説明する。前記哺乳瓶用漏斗1は、漏斗部3から粉ミルク投入容器2が取り外すことができるので、粉ミルク投入容器2を取り外して洗浄した時には、図2に示すように分解された状態となっている。
【0027】
図2の状態から、前記粉ミルク投入容器2の2個の軸7を、漏斗部3の2個の切り欠き11に挿入すると、哺乳瓶用漏斗1の組み立てが完了し、図1の状態となる。このように、粉ミルク投入容器2の粉ミルク収容部5が上を向いた状態で、哺乳瓶用漏斗1の挿入部4を哺乳瓶の口に挿入する。
【0028】
この時、2種類の円筒のどちらかを使用するが、本実施形態では、径が小さい方の円筒を哺乳瓶13の口に挿入する。この場合、図4に示すように哺乳瓶13の口は挿入部4の2つの円筒の間に位置することとなる。このようにして、哺乳瓶13に哺乳瓶用漏斗1をセットしたら、前記粉ミルク収容部5に粉ミルクに付属している計量スプーン等を用いて粉ミルク14を所定量入れる。
【0029】
前記粉ミルク収容部5の容量は約78ccであり、一般的な哺乳瓶でミルクを作る際には、粉ミルクが約100cc(スプーン12杯分)必要なので、前記粉ミルク収容部5には、一度に約50cc(スプーン6杯分)の粉ミルク14を入れる。
【0030】
この時、すでに哺乳瓶13にはお湯が入れてあるが、前記粉ミルク投入容器2は前記粉ミルク収容部5が上を向いた状態であり、前記粉ミルク投入容器2が前記漏斗部3および前記挿入部4の開口を覆っており、前記粉ミルク投入容器2と前記漏斗部3の隙間から湯気が出てきたとしても、前記粉ミルク収容部5の内側表面には湯気が直接吹き付けることが無いので、前記粉ミルク収容部5の内側表面に水滴が付着することが防止できる。水滴が無ければ、粉ミルク14が粉ミルク収容部5に付着しない。
【0031】
所定量の粉ミルク14を前記粉ミルク収容部5に入れたら、前記取っ手6を持って前記粉ミルク投入容器2を前記軸7を中心に回転させる。回転途中の状態が図5の状態である。図5の状態では、徐々に前記粉ミルク収容部5に入れた粉ミルク14は、前記漏斗部3へと落下し、挿入部4の開口を通って哺乳瓶13内へと投入される。
【0032】
そして、さらに前記粉ミルク投入容器2を回転させて、最後には、図6に示すように、前記取っ手6が前記漏斗部3の円筒部10の高い方の上部に接触する状態とする。このようにして、前記粉ミルク投入容器2を回転させると、前記粉ミルク収容部5が完全に下を向いた状態となり、前記粉ミルク収容部5に入れておいた粉ミルク14は粉ミルク投入容器2の内側表面に付着することなく全て前記漏斗部3へ落下し、前記挿入部4の開口を通って哺乳瓶13へと投入される。
【0033】
前記粉ミルク14が全て投入されたら、取っ手6を持って前記粉ミルク投入容器2を反対側に回転させて、図1の状態とし、2回目の粉ミルク投入を行う。このようにして投入する粉ミルク14の量に応じて上述の動作を繰り返し行うことで、粉ミルク14の投入が完了する。
【0034】
このように、本発明の哺乳瓶用漏斗1は粉ミルク投入容器2を漏斗部3に対して回転可能な構造とすることで、簡単な動作で粉ミルクが付着することなく哺乳瓶に投入することができる。粉ミルク投入容器2あるいは漏斗部3等の形状はここで説明したものに限定するものではなく、粉ミルク投入容器2が漏斗部3に対して回転可能であれば様々な形状を用いることができ、また、粉ミルク投入容器2の回転構造についても、ここで説明したもの以外を用いることも可能である。
【符号の説明】
【0035】
1 哺乳瓶用漏斗
2 粉ミルク投入容器
3 漏斗部
4 挿入部
5 粉ミルク収容部
6 取っ手
7 軸
8 留め具
9 すり鉢部
10 円筒部
11 切り欠き
12 取っ手
13 哺乳瓶
14 粉ミルク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
哺乳瓶の口に挿入され、中央に開口を有する円筒形の挿入部と、前記挿入部から上方に広がった漏斗部と、前記漏斗部に回転可能に保持され、粉ミルク収容部が設けられた粉ミルク投入容器とから構成され、
前記粉ミルク投入容器は、粉ミルク収容部が上向きとなる状態から、粉ミルク収容部が下向きとなる状態へと回転可能であることを特徴とする哺乳瓶用漏斗。
【請求項2】
前記挿入部は、径の異なる2種類の円筒を同心円状に配置して形成されていることを特徴とする請求項1に記載の哺乳瓶用漏斗。
【請求項3】
前記粉ミルク投入容器は、前記漏斗部から取り外し可能であることを特徴とする請求項1または2に記載の哺乳瓶用漏斗。
【請求項4】
前記漏斗部は前記挿入部から上方へと延伸されたすり鉢状のすり鉢部と、前記すり鉢部から上方に延伸された円筒形の円筒部から構成されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の哺乳瓶用漏斗。
【請求項5】
前記粉ミルク投入容器は、略半球形状の粉ミルク収容部と取っ手から構成されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の哺乳瓶用漏斗。
【請求項6】
前記粉ミルク投入容器の互いに対向する2ヶ所に軸を設け、前記漏斗部の互いに対向する2ヶ所に切り欠きを設け、前記軸が前記切り欠きに上方から挿入されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の哺乳瓶用漏斗。
【請求項7】
前記漏斗部に粉ミルク飛散防止用の壁を設けたことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の哺乳瓶用漏斗。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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