説明

哺乳類による栄養利用を向上するための方法およびその中で使用するための組成物

本発明は、栄養組成物の経口投与を含む、栄養利用を刺激する方法(特に、向上した胃の排出能を通して)に関する。特に、本発明は、哺乳類の胃の中の栄養素の残留時間を短くするのに有効な量で、ラクトフェリン含有栄養組成物を哺乳類に経口投与することを含む、哺乳類による栄養利用を向上させる方法であって、前記組成物が、1対15を越えるラクトフェリン対β-ラクトグロブリンの重量比を示す方法に関する。本発明の他の態様は、上述した方法を使用するのに適した流し込み可能な栄養組成物であって、前記組成物が、少なくとも1.0kcal/mlのカロリー量、100mPa.sの粘度、または21℃未満の温度をもち、かつ50〜79.6重量%の水、少なくとも0.4重量%のラクトフェリン、1〜30重量%のラクトフェリン以外のタンパク質物質、0.1〜20重量%の脂質、および10〜30重量%の炭水化物を含み、これらの成分の組み合わせが、少なくとも80重量%の組成物を構成し、かつタンパク質物質、脂質および/または炭水化物が一緒になって少なくとも20重量%の組成物を構成する流し込み可能な栄養組成物に関する。

【発明の詳細な説明】
【発明の技術分野】
【0001】
本発明は、栄養組成物の経口投与を含む、栄養利用を刺激する方法(特に、向上した胃の排出能を通して)に関する。本発明の他の態様は、上記方法での使用に適した栄養組成物に関する。
【発明の背景】
【0002】
哺乳類による栄養利用は、種々の要因、例えば食物を消化し消化プロセスによって遊離した栄養素を吸収する哺乳類の能力によって影響を受けている。さらに、栄養利用は、十分な量の食物を接種するための哺乳類の能力によって決定される。十分な食物を接種するための能力は、種々の状態、例えば吐き気、嘔吐および損われた胃腸運動によって不利に影響を受けることがある。
【0003】
吐き気および嘔吐といった状態は、入院患者、特に化学療法または放射線療法を受けている患者、胃腸疾患を患っている患者および手術を受けた患者で出くわすことが多い。このような患者は十分な量の栄養素を消費することが重要である。栄養不良は回復過程に不利に影響を与えるからである。このような患者の栄養要求に見合う特別にデザインされた高カロリー製品が広く使用されている。しかしながら、上述した患者の多くは十分な量のこれらの製品を消費できないし、消費できたとしても、患者は摂取後にすぐに吐いてしまう。食物を消費するためのこれらの患者の能力は、胃の中での食物の残留時間に密接に関連している。これが栄養製品が優先的に液体状態で供給される理由である。しかしながら残念なことに、これらの液体処方でさえも、このような製品を栄養要求に見合う十分な量で簡単に消費することができない多くの患者にとっては十分に満足できるものではない。
【0004】
遅延性の胃の排出能は、栄養利用に強い影響を与え、かつ吐き気、嘔吐、腹部満腹または食事早期の満腹感、膨満、体重減少と関連した胃腸疾患である。遅延性の胃の排出能は、機械的閉塞または胃の運動能の疾患によって引き起こされる。遅延性の胃の排出能に関連した疾患は、過敏性大腸症候群(IBS)、機能性消化不良、AIDS、真性糖尿病、胃食道逆流疾患(GERD)、神経性無食欲症、カヘキシー、胃または迷走神経の手術、平滑筋疾患、例えばアミロイド症および強皮症、神経系疾患(腹性片頭痛およびパーキンソン病を含む)、代謝性疾患(甲状腺機能低下症を含む)、ウイルス後症候群および胸やけを含む。遅延性の胃の排出能を示す患者は、不十分な栄養利用と関連した症状、例えば体重減少、感染およびエネルギーの一般的欠損と関連した症状を頻繁に進行させる。
【0005】
上記から明らかなように、栄養利用を向上させる(特に、胃の中の食物の残留時間を短くすることによって)方法、言い換えれば、腸(十二指腸)に向けた加速された胃の排出能を向上させる方法についての要求がある。また、栄養を利用する患者の能力を向上させるために患者に投与することができる人工栄養組成物についての要求がある。
【発明の概要】
【0006】
発明者は、胃の消化機能を著しく減少させることなく経口投与されたラクトフェリンが胃の運動能に対して刺激的効果をもつことを予想外に見出した。この発見に基づいて、発明者は、哺乳類による栄養利用を向上させるための方法を開発した。この方法は、胃の中の栄養素の残留時間を減少させるために効果的な量のラクトフェリンの経口投与を含む。
【0007】
ラクトフェリンは、血清鉄輸送タンパク質であるトランスフェリンと構造上密接に関連する鉄結合糖タンパク質である。
【0008】
ラクトフェリンの既知の医学的適用は、糖タンパク質のホスト保護性質および抗炎症性性質に概ね基づいている。ラクトフェリンの十分な経口投与を胃の排出能を刺激するために使用することができるという発見は、ラクトフェリンの生理学的効果の現在の理解に基づいては予期することができない。
【0009】
ラクトフェリンは、ウシを含む様々な哺乳類のミルク中に自然に含まれている。従って、様々な日用品が検出可能な量のラクトフェリンを含む。特に高濃度のラクトフェリンが、乳清(whey)中に見出される。典型的には、ウシの乳清は、β-ラクトグロブリンの4重量%以下の量のラクトフェリンを含む。発明者は、乳清を本発明に基づいて適切な量のラクトフェリンとして使用することができることを発見した。最終濃度におけるラクトフェリン対β-ラクトグロブリンの重量比は、自然に見出される乳清中の重量比よりもかなり大きく、ラクトフェリン対β-ラクトグロブリンの重量比は1対15を越える。
【0010】
FR-A 2 296 428は、乳清(lactoserum)タンパク質を含む栄養組成物について説明する。このフランス出願では、乳清タンパク質を、消化不良、消化吸収不良、および栄養不良症候群の治療に適切に使用できることが認められる。このフランス出願中に開示された液体栄養組成物は、1L当たり10〜15gの乳清タンパク質を含む。さらに、ラクトフェリンが100gの全タンパク質当たり約2gの量で、およびβ-ラクトグロブリンが100gの全タンパク質当たり約47gの量で栄養組成物中に存在すべきであることをその中で提唱している。
【0011】
WO02/15719は、食欲が無いかまたは他の源のタンパク質を消化する能力が障害されている患者を回復させるための栄養サプリメントに関係している。このサプリメントは、組成物の合計カロリーの少なくとも約8%を提供するタンパク質源を含み、このタンパク質源は少なくとも50重量%の乳清タンパク質を含む。この出願では、乳清タンパク質が胃から急速に消化され、容易に加水分解され、腸に吸収されるであろうことが記載されている。このPCT出願は、前記タンパク質源が組成物の合計エネルギーの20%までを提供する液体水ベースのサプリメントを教示している。
【0012】
WO98/50076は、全身的機能低下または機能亢進の状態を調整するために治療的または予防的有効量のラクトフェリンを動物に投与することを含む、動物の発作誘導型の代謝不均衡を腸を治療することによって治療または予防するための方法について記載している。この出願では、前記方法において使用される処方がキャリアの1mlまたは1gに基づいて0.01〜2mgのラクトフェリンを含むことを推奨している。
【0013】
EP-A 0 295 009は、新生児および新生動物の胃腸管の成長を促進する乳児用処方を教示し、1L当たり約0.1〜約3グラムのラクトフェリンを含む。
【発明の詳細な説明】
【0014】
本発明の1つの態様は、哺乳類の胃の中の栄養素の残留時間を短くするのに有効な量で前記哺乳類にラクトフェリンを提供するために、ラクトフェリン含有栄養組成物を哺乳類に経口投与することを含む、哺乳類による栄養利用を向上させる方法であって、前記栄養組成物が、1対15を越えるラクトフェリン対β-ラクトグロブリンの重量比を示す方法に関する。本発明はまた、β-ラクトグロブリンを全く含まないラクトフェリン含有栄養組成物の使用を包含する。実際、このラクトフェリン含有組成物中のラクトフェリン対β-ラクトグロブリンの重量比は、非常に高く、すなわち、1対15の下限よりも高い。
【0015】
本明細書中で使用された用語「ラクトフェリン」は、様々な物質、好ましくは自然源、例えばウシのミルクおよび大豆といった植物源を含む物質から得られたラクトフェリンを含む。用語「ラクトフェリン」は、ラクトフェリンそれ自体と栄養的に許容可能なラクトフェリンの塩および経口投与後にインビボでラクトフェリンに転換されるラクトフェリンの前駆物質を含む。
【0016】
本発明の栄養組成物が少なくとも0.2wt%、好ましくは少なくとも0.4wt%のラクトフェリンを含む場合、本発明の方法によって特に良い結果を得ることができる。最も好ましくは、本発明の組成物は、少なくとも0.6wt%のラクトフェリンを含む。
【0017】
特に好ましい実施形態において、本発明の栄養組成物は、例えば乳清または乳清粉末の形態ではなく、濃縮された形態でラクトフェリンを添加することによって得られる。本発明の組成物のラクトフェリンは、乳清から、例えばβ-ラクトグロブリンに対するラクトフェリンの上昇した割合によって示される、高濃度のラクトフェリンを含む乳清画分の形態で適切に得ることができる。好ましくは、本発明の組成物中のラクトフェリン対β-ラクトグロブリンの重量比は1対12を越え、より好ましくは1対10を越え、最も好ましくは1対8である。他の好ましい実施形態では、本発明の組成物中のラクトフェリン対タンパク質物質の重量比は25:1000を越え、より好ましくは35:1000を越え、最も好ましくは50:1000を越える。
【0018】
他の好ましい実施形態では、本発明の方法は、少なくとも0.05wt%のラクトフェリンと0〜0.15wt%のグリコマクロペプチド(glycomacropeptide)を含む組成物を投与することを含む。グリコマクロペプチド(GMP)は、カゼインから誘導された親水性ペプチドである。GMPの大量の摂取は満腹感を誘導し、ラクトフェリンの投与から生じる有利な効果を打ち消してしまう。結果として、本発明の組成物中のGMPの濃度は、有利には0.15wt%未満を保つ。
【0019】
GMPは、コレシストキニン(CCK)の合成および放出を刺激し、十二指腸に入ると満腹感を増強する。「満腹」感として知覚されるCCKは、全体的な消化プロセスを遅くする。向上した栄養利用を達成するために、本発明に従って投与された組成物は、少量のGMPを含むかまたはGMPを全く含まないべきである。特に好ましい実施形態では、ラクトフェリン含有組成物は、0.1wt%未満のGMPを含み、より好ましくは0.05wt%未満のGMPを含む。
【0020】
本発明の組成物中のタンパク質物質について計算されたGMP含量は、好ましくは5wt%未満、より好ましくは1wt%未満、最も好ましくは0.2wt%未満である。
【0021】
ラクトフェリンを少なくとも0.1g、好ましくは少なくとも0.2gの投与量で投与する場合、本発明の方法によって特に良好な結果を得ることができる。通常、ラクトフェリンを5gまでの投与量で投与する。好ましくはラクトフェリンの投与量は3gを越えない。用語「投与量」とは、他に示されない限り一回の投与中に投与される量をいう。本発明の方法の場合では、一回の経口投与とは、何回も噛付く、すする、のみ込む等を含んでもよい。通常、投与は40分以内、好ましくは20分以内に完了する。
【0022】
本発明の方法の他の好ましい実施形態では、ラクトフェリンを、体重1kg当たり少なくとも3.5mgの1日量、好ましくは体重1kg当たり少なくとも7mgの1日量で投与する。一般に、投与される1日の量は、体重1kg当たり150mgを超えず、好ましくは前記量は、体重1kg当たり100mgを超えない。
【0023】
本発明の方法は、全ての種類の哺乳類の胃の排出能を向上するために使用することができる。好ましくは、本発明の方法は、ラクトフェリンを哺乳類のペットまたは家畜(例えば、ウシ、ヒツジおよびブタ)に投与することを含む。本発明の方法は、ヒト、特に乳児以外の栄養利用を向上させるために特に適している。
【0024】
本発明の方法の特に好ましい実施形態では、ラクトフェリンを、経口投与したときに流し込み可能な(pourable)栄養組成物の形態で投与する。他の好ましい実施形態では、前記栄養組成物は、胃の中での短い残留時間後(例えば5分以下)に流し込み可能になる。流し込み可能な栄養組成物は、摂取が容易でかつ固体または半固体組成物よりも満腹感が少ないという重要な利点を提供する。胃の中で流し込み可能になる殆ど流し込み不可能な栄養組成物は、アイスクリームおよびゲル状組成物を含み、このゲル状ネットワークを胃に広がる酸性条件下で分解する。
【0025】
典型的には、本発明による流し込み可能な組成物は、100mPa.s以下の粘度を示す。好ましくは、流し込み可能な組成物は、70mPa.s以下の粘度を示し、最も好ましくは40mPa.s以下の粘度を示す。
【0026】
本発明の方法において使用される栄養組成物は、好ましくは少なくとも0.1wt%のラクトフェリンを含み、少なくとも1kcal/mlのカロリー量をもつ。高カロリー栄養組成物中の十分な量のラクトフェリンの含量は、胃の排出能についてのラクトフェリンの刺激効果が、前記高カロリーの栄養組成物の胃から胃腸管への加速された移行をもたらすという利点を提供する。さらに、このような栄養組成物の消費から生じる吐き気および嘔吐の危険性を減少させる。
【0027】
栄養組成物が比較的高いカロリー含量をもつ場合、本発明の方法は特に有利である。結果として、本発明の好ましい実施形態では、栄養組成物が、少なくとも1.2kcal/ml、好ましくは少なくとも1.5kcal/mlのカロリー含量をもつ。
【0028】
本発明の好ましい実施形態では、本発明の方法は、カルニチン源、特にL-カルニチン、L-カルニチンの栄養的に許容可能な塩または経口投与後にインビボでL-カルニチンに転換されるカルニチンの前駆物質(例えば、L-カルニチン、L-アセチルカルニチン、L-イソバレリルカルニチン、L-プロピオニルカルニチン、アルカノイルカルニチン、プロピオニルL-カルニチン、バレリルL-カルニチン、イソバレリルL-カルニチン、アセチルL-カルニチン、ブチリルL-カルニチン、薬学的に許容可能な塩およびこれらの混合物)の同時投与を含む。好ましくは、本発明の方法は、少なくとも10 mgのL-カルニチン当量、好ましくは10〜75 mgのL-カルニチン当量のカルニチン源を同時投与することを含む。L-カルニチンはビタミンBTとも呼ばれる水溶性化合物である。体内におけるL-カルニチンの重要な機能は、ミトコンドリアにおける脂肪酸の酸化に関連している。L-カルニチンは、ミトコンドリア膜を介したミトコンドリア内外への脂肪酸の輸送について重要な役割を果す。従って、L-カルニチンは体内のエネルギー生産について不可欠な成分である。L-カルニチンは、体内のリシンおよびメチオニンから生物学的に合成される。しかしながら、L-カルニチンの全代謝回転は、体内で内生的に合成される量を上回る。従って、残りの代謝回転は、食物に由来する。カルニチンの欠乏は、入院患者で頻繁に観察される。
【0029】
本発明によれば、経口投与は、本発明の組成物を胃の中に効果的に投与する任意の投与形態を含む。経口投与の適切な例は、経口消費(摂食)および口または鼻を通したチューブによる摂食を含む。本発明の組成物は、少なくとも20ml、より好ましくは少なくとも50ml、および最も好ましくは少なくとも100mlの一回の経口投与量で通常は投与される。一般には前記組成物は、600mlを越えない量、好ましくは400mlを越えない量、および最も好ましくは250mlを越えない量で投与される。
【0030】
栄養利用の著しい向上を達成するために、少なくとも1日、好ましくは少なくとも3日連続、より好ましくは少なくとも7日連続で本発明の組成物を投与することが望ましい。
【0031】
本発明の方法は、代謝作用の停滞、胃運動の傷害または胃閉塞の症状を示す入院患者、哺乳類に適用するときに特に有利である。本発明から特に利益を得ることができる特別なグループの患者は、化学療法を受ける患者である。
【0032】
本発明の方法はまた、有利には栄養素を摂取、消化および吸収する能力を妨げられた哺乳類の栄養利用を向上するために使用することができる。このような哺乳類、例えば運動選手の活性化された胃の排出能は、肉体運動の直前または運動中に特に有利である。結果として、本発明の特別な実施形態では、栄養組成物は、肉体運動の1時間前以内または運動中に消費される。
【0033】
本発明の他の態様は、前述した栄養利用を向上させる方法の使用のために特に適した栄養組成物に関する。特に、本発明の態様は、少なくとも1.0kcal/mlのカロリー量、100mPa.sの粘度、または21℃未満の温度をもつ流し込み可能な栄養組成物であって、
a 50〜79.6重量%の水;
b 少なくとも0.4重量%、好ましくは0.6〜5重量%のラクトフェリン;
c 1〜30重量%、好ましくは1〜20重量%のラクトフェリン以外のタンパク質物質;
d 0.1〜20重量%の脂質;
e 10〜30重量%の炭水化物;
を含み、これらの成分の組み合わせが、少なくとも80重量%の組成物を構成し、かつタンパク物質、脂質および/または炭水化物が少なくとも20重量%の組成物を構成する流し込み可能な栄養組成物に関係する。より好ましくは、前記構成成分a〜eは、少なくとも95重量%、最も好ましくは98重量%の栄養組成物を構成する。
【0034】
用語「タンパク質物質」は、タンパク質、ペプチドおよびアミノ酸を含むが、ラクトフェリンを含まない。
【0035】
本明細書中で使用される用語「脂質」は、トリグリセリド、ジグリセリド、モノグリセリド、脂肪酸およびホスホリピド(fosfolipid)をいう。
【0036】
用語「炭水化物」は、モノ-、ジ-、オリゴ-および多糖類をいう。栄養組成物は、本質的に液体の組成物、例えば水および油の存在から流し込み可能な性質を得ることができる。好ましくは、本発明の製品は、水および/または油連続的(water- and/or oil-continuous)である。最も好ましくは、前記組成物は、水連続的である。水連続的組成物の食感は、一般に油連続的組成物の食感よりも優れていると考えられるからである。本発明の栄養組成物中に存在するタンパク質物質の量は、好ましくは7〜25重量%の範囲内である。25重量%を越えるタンパク質物質の組み込み量は、通常は胃を容易に通過することができず、かつ比較的少量の消費後でさえも満腹感を誘導する可能性のある高粘度の生成物を生じるおそれがある。
【0037】
本発明の組成物中に含まれるタンパク質物質は、好ましくは少なくとも80重量%、最も好ましくは少なくとも90重量%のカゼイン塩および乳清タンパク質の組み合わせを含む。カゼイン塩対乳清タンパク質の重量比は、好ましくは1:10〜10:1の範囲内、より好ましくは1:5〜5:1の範囲内にある。特に好ましい実施形態では、乳清中に自然に存在する大きな割合のGMPを取り除くためにイオン交換クロマトグラフィーによって乳清タンパク質を得る。前記栄養組成物のタンパク質物質は、好ましくは10%未満の加水分解されたタンパク質を含む。
【0038】
本発明の栄養組成物では、脂質および炭水化物が好ましくは少なくとも25重量%、より好ましくは少なくとも30重量%の組成物を構成する。特に好ましい実施形態では、本発明の組成物中に含まれる脂質の量は、0〜30重量%、より好ましくは10〜20重量%の範囲である。本発明の組成物中に含まれる脂質は、好ましくは少なくとも80重量%、より好ましくは少なくとも90重量%のトリグリセリドからなる。
【0039】
他の好ましい実施形態では、炭水化物の量は、10〜40重量%、より好ましくは10〜20重量%の範囲内にある。これらの炭水化物は、消化しやすい炭水化物および消化しにくい炭水化物、例えば食物繊維を含んでいてもよい。好ましくは少なくとも60重量%、より好ましくは少なくとも80重量%の炭水化物が消化しやすい炭水化物である。
【0040】
本発明の栄養組成物は、有利には脂質の全重量当たり少なくとも5重量%、好ましくは10〜50重量%のω-3-脂肪酸(ω-3-脂肪酸残基を含む)を含む。オメガ-3脂肪酸は、メチル基で始まり、カルボキシ基で終わる長鎖脂肪族分子である。オメガ-3脂肪酸は、メチル基から3番目の位置に二重結合を含む。2つの一般的な長鎖オメガ-3脂肪酸は、エイコサペンタエン酸(20炭素数の長さ)およびドコサヘキサエン酸(22炭素数の長さ)である。これらは共に魚油中に見出される。
【0041】
本発明の組成物中におけるω-3-脂肪酸形態の脂質の顕著な割合の包含は、これらの脂肪酸が例えば飽和脂肪酸と比べて満腹感を生み出さないという利点を提供する。また、ω-3-脂肪酸は、胃の運動能についてのラクトフェリンの刺激効果を補強すると考えられる。好ましくはω-3-脂肪酸残基は、18〜24炭素原子、より好ましくは20〜22炭素原子の炭素鎖の長さをもつ。
【0042】
ω-3脂肪酸残基に加えて、本発明の栄養組成物はまたω-6-脂肪酸残基を含む。好ましい実施形態では、ω-6-脂肪酸残基対ω-3-脂肪酸残基の重量比は、6:1〜1:3である。
【0043】
他の好ましい実施形態では、前記組成物は、脂肪酸全重量当たり少なくとも5重量%、好ましくは10〜90重量%のC8〜C14脂肪酸(C8〜C14脂肪酸残基を含む)を含む。これらの中間の鎖の脂肪酸を、エネルギーを提供するために本発明の組成物中に組込むのが有利である。16以下の炭素鎖の長さをもつ脂肪酸は、ミトコンドリア膜を横切る移動のためにカルニチンを必要としないからである。この移動は、エネルギー生産におけるこれらの脂質の利用のための必要条件である。本発明の利益を必要とする人々は、しばしばカルニチン欠乏性であり、16以上の炭素鎖長をもつ脂肪酸を完全に利用することができない。
【0044】
本発明の他の好ましい実施形態では、前記組成物は、80未満のグリセミックインデックス、より好ましくは75未満のグリセミックインデックスをもつ少なくとも10重量%、好ましくは20重量%の炭水化物を含む。このような低グリセミックインデックスをもつ適切な炭水化物の例は、トレハロース、マルトデキストリン、およびパラチノーゼを含む。低グリセミックインデックスをもつ炭水化物の組み込みは、高グリセミックインデックスをもつ炭水化物と比べて満腹感が少ないという利点を提供する。
【0045】
グリセミックインデックスは、血液グルコース(血糖)値についての摂取された組成物の効果の指標である。組成物のグリセミックインデックスを決定するために、50グラムの炭水化物を含む組成物の定量部分を、一晩絶食した10人の健康な人に与えた。指を刺して得た血液サンプルを、次の2時間で15分〜30分間隔で採取した。これらの血液サンプルを使用して前記2時間にわたる血糖反応曲線を作成した。曲線下の面積(AUG)を計算し、試験食を摂取した後の血糖(グルコース)値の全上昇を反映させた。試験組成物のグリセミックインデックスの割合(%)は、試験食物のAUGを参照組成物(50gのグルコースを含む)のAUGで割り、100を掛けることによって算出した。合計10人の被検者からのグリセミックインデックスの割合の平均を、試験組成物のグリセミックインデックスとした。
【0046】
カルニチン欠乏症の発生およびこのような欠乏から生じるエネルギー生産の減少を防ぐために、本発明の組成物は、好ましくは少なくとも0.015重量%、より好ましくは0.020〜0.045重量%のカルニチンを含む。
【0047】
本発明による栄養組成物は、適切には栄養学的に許容可能な成分の組み合わせ、例えばラクトフェリン源(例えば、単離された乾燥ラクトフェリン)を、水または水源(例えば、ミルク)、あるいは他の成分、すなわち脂質、炭水化物、および/またはタンパク質物質と組み合わせることによって配合される。
【0048】
好ましくは、本発明の組成物を低温殺菌または殺菌し、微生物損傷の危険を回避する。より好ましくは、前記組成物を低温殺菌する。殺菌はラクトフェリンを変性させるおそれがあるからである。このような変性は、胃の運動能についてのラクトフェリンの刺激効果に悪影響を与えると考えられる。
【0049】
本発明の栄養組成物は、有利には一回の投与量に相当する形態ユニットの中にパッケージングされる。従って、本発明の他の態様は、20〜400ml、好ましくは100〜250mlの前述に定義された栄養組成物を含むパッケージされた栄養製品に関する。このようなパッケージされた栄養製品は、小さなボトル、容器または袋の形状をとる経口投与ユニットである。
【0050】
本発明は、さらに以下の例によって例示される:
【0051】

例1
哺乳類における胃の排出能および栄養摂取量についてのラクトフェリンの効果について、栄養摂取量の減少を誘導したモデルを使用してインビボで調査を行った。
【0052】
300〜350g体重の24匹のオスのウィスターラットを研究のために選択し、各6匹のラットの4つのグループに無作為に分けた。2つのグループのラットに対し、TNF-α(1日当たり100μg/kg体重)の3日間の連続した注入を行い、残りの2つのグループを対照グループとした。この処理が餌摂取量を実質的に減少させることが知られている。
【0053】
TNF注入の開始前日から実験の終わりまで(合計4日)、前記異なるグループのラットを以下のように取り扱った:
・グループA:餌を摂取する対照グループ
・グループB:餌を摂取するTNFグループ
・グループC:1日量の50mgのラクトフェリン当量で補強された餌を摂取する対照グループ(ラクトフェリンは等しい量のタンパク質と置き換える)
・グループD:1日量の50mgのラクトフェリン当量で補強された餌を摂取するTNFグループ(ラクトフェリンは等しい量のタンパク質と置き換える)。
【0054】
研究中のラットの餌摂取量をモニターした。さらに、幾つかの時間点で測定された血液中の栄養標識(例えば、CCKまたはインシュリン)の存在によって胃の排出能の速度をモニターした。
【0055】
グループAおよびCの餌摂取量が同等であるのに対し、グループBの餌摂取量はグループAおよびCの餌摂取量よりもかなり少なかった。グループDの餌摂取量は、グループBの摂取量よりも非常に多いことが解った。このような結果は、TNF-αの注入によって栄養利用が損われているラットにおいて、ラクトフェリンの経口投与が栄養利用を向上させることを示している。
【0056】
例2
患者における胃の排出能および栄養摂取量についてのLFの効果について、栄養利用を障害された集団における胃の運動能および胃の排出能、例えば糖尿病患者、高齢者、化学療法を受けている患者または内分泌腺腫瘍を生じるGLPに罹患している癌患者の胃の運動能および胃の排出能を測定することによってインビボで調査を行った。
【0057】
胃の運動能は、胃収縮の回数を、皮膚電極(胃電図、EGG)を使用することによって測定した。胃の排出能は、標識されたオクタン酸を含む栄養ボーラス(bolus)が追加された[13C]オクタン酸呼吸検査を行うことによって測定した。オクタン酸は胃を通過後に直ちに酸化され、13CO2が患者の息から検出される。標識酸含有の栄養ボーラスの摂取から13CO2の息からの検出までに経過した時間が胃の排出能の速度を示す。
【0058】
胃の排出能を、ガンマ線カメラ技術を使用することによって追従した。患者は、固体標識、例えば20MBqのテクネチウム-99m-標識第一スズコロイドを追加した150mlの栄養ボーラスを摂取した。前記カメラによって検出された固体標識の量は、胃の排出能の速度を示す。患者に栄養ボーラスを追加した後、患者によって提出された質問表によって栄養利用を測定した。
【0059】
15人の患者の2つのグループが研究に参加し、1つのグループ(A)は、栄養組成物Aのボーラスを摂取し、もう1つのグループ(B)は、タンパク質物質の一部を単離されたラクトフェリン含有乳清と置き換えたことを除いて組成物Aと同一である栄養組成物Bのボーラスを摂取した。
【0060】
両組成物AおよびBの構成成分を以下の表に示した。
【表1】

【0061】
胃の運動能、胃の排出能および栄養利用を、上述したように決定した。
【0062】
結果は、グループBに属する患者が、グループAに属する患者と比べて良好な栄養利用を示し、かつ満腹感を起こしにくかった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
哺乳類における栄養利用を向上させる方法において使用する栄養組成物の製造におけるラクトフェリンの使用であって、前記方法が、哺乳類の胃の中の栄養物の残留時間を短くするのに効果的な量のラクトフェリン含有組成物を経口投与することを含み、前記組成物が、1対15を越えるラクトフェリン対β-ラクトグロブリンの重量比を示す使用。
【請求項2】
前記方法が、少なくとも0.2重量%、好ましくは少なくとも0.4重量%のラクトフェリンを含む栄養組成物を投与することを含む請求項1に記載の使用。
【請求項3】
前記方法が、少なくとも0.05重量%のラクトフェリンおよび0〜0.15重量%のグリコマクロペプチドを含む栄養組成物を投与することを含む請求項1に記載の使用。
【請求項4】
前記方法が、少なくとも0.1g、好ましくは少なくとも0.2gの投与量のラクトフェリンを投与することを含む請求項1ないし3のいずれか1項に記載の使用。
【請求項5】
前記方法が、少なくとも1kcal/mlのカロリー含量および100mPa.sの粘度または21℃未満の温度をもつ流し込み可能な栄養組成物を投与することを含む請求項1または2に記載の使用。
【請求項6】
前記方法が、少なくとも10mgのL-カルニチン当量、好ましくは10mg〜75mgのL-カルニチン当量のカルニチン源を同時投与することを含む請求項1ないし5のいずれか1項に記載の使用。
【請求項7】
前記栄養組成物が、20〜400ml、好ましくは100〜250mlの量で投与される請求項1ないし6のいずれか1項に記載の使用。
【請求項8】
前記哺乳類が入院患者であるかまたは前記哺乳類が胃の運動能を障害されている請求項1ないし7のいずれか1項に記載の使用。
【請求項9】
前記哺乳類が化学療法を受けている患者である請求項1ないし8のいずれか1項に記載の使用。
【請求項10】
前記栄養組成物が、肉体運動の1時間前以内または運動中に消費される請求項1ないし9のいずれか1項に記載の使用。
【請求項11】
少なくとも1.0 kcal/mlのカロリー含量、100mPa.sの粘度または21℃未満の温度をもつ流し込み可能な人工栄養組成物であって、前記組成物が、
a 50〜79.6重量%の水
b 少なくとも0.4重量%、好ましくは0.6〜5重量%のラクトフェリン
c 1〜30重量%、好ましくは1〜20重量%、より好ましくは7〜12重量%のラクトフェリン以外のタンパク質物質
d 0.1〜20重量%、好ましくは3〜10重量%の脂質
e 10〜30重量%、好ましくは10〜20重量%の炭水化物
を含み、これらの成分の組み合わせが、少なくとも80重量%の組成物を構成し、かつタンパク質物質、脂質および/または炭水化物が一緒になって少なくとも20重量%の組成物を構成する流し込み可能な人工栄養組成物。
【請求項12】
ラクトフェリン対β-ラクトグロブリンの重量比が1対15を越える請求項11に記載の栄養組成物。
【請求項13】
10重量%以下のタンパク質物質が加水分解されたタンパク質である請求項11または12に記載の栄養組成物。
【請求項14】
前記脂質および炭水化物が、一緒になって少なくとも13重量%、好ましくは少なくとも18重量%、最も好ましくは22重量%の組成物を構成する請求項11ないし13のいずれか1項に記載の栄養組成物。
【請求項15】
前記栄養組成物が、脂質の全重量当たり少なくとも5重量%、好ましくは10〜50重量%のω-3-脂肪酸(ω-3-脂肪酸残基を含む)を含む請求項11ないし14のいずれか1項に記載の栄養組成物。
【請求項16】
前記栄養組成物が、6:1〜1:3の重量比でω-3-脂肪酸残基およびω-6-脂肪酸残基を含む請求項11ないし15のいずれか1項に記載の栄養組成物。
【請求項17】
前記栄養組成物が、脂肪酸の全重量当たり少なくとも5重量%、好ましくは10〜90重量%のC8〜C14脂肪酸(C8〜C14脂肪酸残基を含む)を含む請求項11ないし16のいずれか1項に記載の栄養組成物。
【請求項18】
前記栄養組成物が、80未満のグリセミックインデックスをもつ少なくとも10重量%の炭水化物を含む請求項11ないし17のいずれか1項に記載の栄養組成物。
【請求項19】
前記栄養組成物が、少なくとも0.015重量%、好ましくは0.02〜0.045重量%のカルニチンを含む請求項11ないし18のいずれか1項に記載の栄養組成物。
【請求項20】
請求項11ないし19のいずれか1項に記載の20〜400ml、好ましくは100〜250mlの栄養組成物を含むパッケージされた人工栄養製品。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
哺乳類における不十分な食物摂取の結果としての栄養不良を防ぐ方法において使用する栄養組成物の製造におけるラクトフェリンの使用であって、前記方法が、哺乳類の胃の中の栄養物の残留時間を短くするのに効果的な量のラクトフェリン含有組成物を経口投与することを含み、前記組成物が、1対15を越えるラクトフェリン対β-ラクトグロブリンの重量比を示し、かつ0.1〜20重量%の脂質、脂質の全重量当たり少なくとも5重量%を占めるω-3-脂肪酸(ω-3-脂肪酸残基を含む)を含む使用。
【請求項2】
前記方法が、少なくとも0.2重量%、好ましくは少なくとも0.4重量%のラクトフェリンを含む栄養組成物を投与することを含む請求項1に記載の使用。
【請求項3】
前記方法が、少なくとも0.05重量%のラクトフェリンおよび0〜0.15重量%のグリコマクロペプチドを含む栄養組成物を投与することを含む請求項1に記載の使用。
【請求項4】
前記方法が、少なくとも0.1g、好ましくは少なくとも0.2gの投与量のラクトフェリンを投与することを含む請求項1ないし3のいずれか1項に記載の使用。
【請求項5】
前記方法が、少なくとも1kcal/mlのカロリー含量および100mPa.sの粘度または21℃未満の温度をもつ流し込み可能な栄養組成物を投与することを含む請求項1または2に記載の使用。
【請求項6】
前記方法が、少なくとも10mgのL-カルニチン当量、好ましくは10mg〜75mgのL-カルニチン当量のカルニチン源を同時投与することを含む請求項1ないし5のいずれか1項に記載の使用。
【請求項7】
前記栄養組成物が、20〜400ml、好ましくは100〜250mlの量で投与される請求項1ないし6のいずれか1項に記載の使用。
【請求項8】
前記哺乳類が入院患者であるかまたは前記哺乳類が胃の運動能を障害されている請求項1ないし7のいずれか1項に記載の使用。
【請求項9】
前記哺乳類が化学療法を受けている患者である請求項1ないし8のいずれか1項に記載の使用。
【請求項10】
前記栄養組成物が、肉体運動の1時間前以内または運動中に消費される請求項1ないし9のいずれか1項に記載の使用。
【請求項11】
少なくとも1.0 kcal/mlのカロリー含量、100mPa.sの粘度または21℃未満の温度をもつ流し込み可能な人工栄養組成物であって、前記組成物が、
a 50〜79.6重量%の水
b 少なくとも0.4重量%、好ましくは0.6〜5重量%のラクトフェリン
c 1〜30重量%、好ましくは1〜20重量%、より好ましくは7〜12重量%のラクトフェリン以外のタンパク質物質
d 0.1〜20重量%、好ましくは3〜10重量%の脂質
e 10〜30重量%、好ましくは10〜20重量%の炭水化物
を含み、これらの成分の組み合わせが、少なくとも80重量%の組成物を構成し、かつタンパク質物質、脂質および/または炭水化物が一緒になって少なくとも20重量%の組成物を構成する流し込み可能な人工栄養組成物。
【請求項12】
ラクトフェリン対β-ラクトグロブリンの重量比が1対15を越える請求項11に記載の栄養組成物。
【請求項13】
10重量%以下のタンパク質物質が加水分解されたタンパク質である請求項11または12に記載の栄養組成物。
【請求項14】
前記脂質および炭水化物が、一緒になって少なくとも13重量%、好ましくは少なくとも18重量%、最も好ましくは22重量%の組成物を構成する請求項11ないし13のいずれか1項に記載の栄養組成物。
【請求項15】
前記栄養組成物が、脂質の全重量当たり少なくとも5重量%、好ましくは10〜50重量%のω-3-脂肪酸(ω-3-脂肪酸残基を含む)を含む請求項11ないし14のいずれか1項に記載の栄養組成物。
【請求項16】
前記栄養組成物が、6:1〜1:3の重量比でω-6-脂肪酸残基およびω-3-脂肪酸残基を含む請求項11ないし15のいずれか1項に記載の栄養組成物。
【請求項17】
前記栄養組成物が、脂肪酸の全重量当たり少なくとも5重量%、好ましくは10〜90重量%のC8〜C14脂肪酸(C8〜C14脂肪酸残基を含む)を含む請求項11ないし16のいずれか1項に記載の栄養組成物。
【請求項18】
前記栄養組成物が、80未満のグリセミックインデックスをもつ少なくとも10重量%の炭水化物を含む請求項11ないし17のいずれか1項に記載の栄養組成物。
【請求項19】
前記栄養組成物が、少なくとも0.015重量%、好ましくは0.02〜0.045重量%のカルニチンを含む請求項11ないし18のいずれか1項に記載の栄養組成物。
【請求項20】
請求項11ないし19のいずれか1項に記載の20〜400ml、好ましくは100〜250mlの栄養組成物を含むパッケージされた人工栄養製品。

【公表番号】特表2006−515879(P2006−515879A)
【公表日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−500724(P2006−500724)
【出願日】平成16年1月7日(2004.1.7)
【国際出願番号】PCT/NL2004/000006
【国際公開番号】WO2004/060081
【国際公開日】平成16年7月22日(2004.7.22)
【出願人】(505296821)エヌ.ブイ.・ヌートリシア (32)
【Fターム(参考)】